(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138624
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】駆動システム
(51)【国際特許分類】
B25J 13/08 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126335
(22)【出願日】2023-08-02
(62)【分割の表示】P 2021513149の分割
【原出願日】2019-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真路
(57)【要約】
【課題】エンドエフェクタの位置決め精度の向上を図る。
【解決手段】駆動システムは、ワークに対して作業可能なエンドエフェクタが変位可能な状態で前記エンドエフェクタを支持する支持部と、前記支持部と前記エンドエフェクタの間に配置される駆動部であって、前記支持部を介して前記エンドエフェクタを駆動可能な第1駆動部の第1ストロークより小さい第2ストロークで、前記支持部に対して前記エンドエフェクタを駆動可能な第2駆動部と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対して作業可能なエンドエフェクタが変位可能な状態で前記エンドエフェクタを支持する支持部と、
前記支持部と前記エンドエフェクタの間に配置される駆動部であって、
前記支持部を介して前記エンドエフェクタを駆動可能な第1駆動部の第1ストロークより小さい第2ストロークで、前記支持部に対して前記エンドエフェクタを駆動可能な第2駆動部と、
を備える駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットアームとエンドエフェクタとを有し、例えば、製品の組み立てなどの用途に利用されるロボット装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。上記のような従来技術においては、エンドエフェクタの位置決め精度の向上を図ることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、ワークに対して作業可能なエンドエフェクタが変位可能な状態で前記エンドエフェクタを支持する支持部と、前記支持部と前記エンドエフェクタの間に配置される駆動部であって、前記支持部を介して前記エンドエフェクタを駆動可能な第1駆動部の第1ストロークより小さい第2ストロークで、前記支持部に対して前記エンドエフェクタを駆動可能な第2駆動部と、を備える駆動システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本実施形態のロボットシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態のアーム部とエンドエフェクタとの接続部分の構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態のリニアモータの配置の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態のエンドエフェクタの位置検出の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態のエンドエフェクタの位置検出の他の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態の検出部の配置の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態の検出部の配置の具体例を示す図である。
【
図8】本実施形態の検出部の検出方式の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態の検出部の配置の他の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態のエンドエフェクタの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図11】本実施形態のエンドエフェクタの外観構成の一例を示す底面図である。
【
図12】本実施形態のエンドエフェクタの外観構成の一例を示す側面図である。
【
図13】本実施形態のエンドエフェクタのハンド部がワークを把持している状態の一例を示す図である。
【
図14】本実施形態の制御装置の機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0007】
[ロボットシステムの構成]
図1は、本実施形態のロボットシステム1の構成の一例を示す図である。ロボットシステム1は、ロボットユニット2と、エンドエフェクタユニット3と、検出部200と、制御装置10とを備える。
ロボットユニット2は、アーム部20と、アーム駆動部30とを備える。
エンドエフェクタユニット3は、支持部41と、台座駆動部50と、台座部61と、エンドエフェクタ62とを備える。
なお、台座部61と、エンドエフェクタ62とを総称して台座付きエンドエフェクタ60としてもよい。また、台座付きエンドエフェクタ60のことを単にエンドエフェクタと称してもよい。
また、以下の説明では、台座部61と、エンドエフェクタ62とが別部品として構成される場合を一例として記載するが、これに限られず、台座部61と、エンドエフェクタ62とが一体的に構成されていてもよい。
また、アーム部20と、支持部41とが一体的に構成されていてもよい。以下の説明において、アーム部20と、支持部41とを総称して支持部付きアーム部40と記載する場合がある。
【0008】
検出部200は、エンドエフェクタ62の位置を検出する。また、検出部200は、エンドエフェクタ62の姿勢を検出してもよい。検出部200は、エンドエフェクタ62の位置及び姿勢を検出する。ここで、エンドエフェクタ62の位置とは、ロボットユニット2が設置された空間内におけるエンドエフェクタ62の座標である。エンドエフェクタ62の姿勢とは、ロボットユニット2が設置された空間内のある位置における、エンドエフェクタ62の向き(又は、エンドエフェクタ62の方向)である。なお、以下の説明においてエンドエフェクタ62の位置と姿勢とを区別することなく、エンドエフェクタ62の位置(又は、エンドエフェクタ62の姿勢)と記載する場合がある。
制御装置10は、ロボットユニット2が備えるアーム駆動部30を制御することにより、ロボットユニット2の位置又は姿勢又はその両方を制御する。
【0009】
本実施形態のロボットユニット2は、多関節アーム型のロボットである。一例として、ロボットユニット2は、関節によって順に接続される5つのアーム(例えば、第1アーム部21~第5アーム部25)を備える。ロボットユニット2は、5つのアームに対応する5つのアーム駆動部30(例えば、第1アーム駆動部31~第5アーム駆動部35)を備える。すなわち、ロボットユニット2は、多関節アームを含む。なお、ロボットユニット2は、多関節アーム型のロボットに限るものではなく、例えば無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle;UAV、ドローン)、マルチコプタ等の飛翔体でもよい。
【0010】
アーム駆動部30は、一例として、サーボモータ(不図示)と、アーム位置検出部(不図示)とを備える。
第1アーム駆動部31は、サーボモータによってロボットユニット2の設置面を基準にして第1アーム部21を変位(例えば、回転)させる。第1アーム駆動部31は、第1アーム位置検出部311を備える。第1アーム位置検出部311は、ロボットユニット2の設置面を基準にした第1アーム部21の変位量(例えば、回転角度)を検出する。
第2アーム駆動部32は、サーボモータによって第1アーム部21を基準にして第2アーム部22を変位(例えば、回転)させる。第2アーム駆動部32は、第2アーム位置検出部321を備える。第2アーム位置検出部321は、第1アーム部21を基準にした第2アーム部22の変位量(例えば、回転角度)を検出する。
なお、第3アーム駆動部33~第5アーム駆動部35、及び第3アーム位置検出部331~第5アーム位置検出部351の構成は、上述と同様であるため説明を省略する。
【0011】
エンドエフェクタ62は、ロボットシステム1の用途に応じた種々の形状及び機能を有しており、第5アーム部25の端部に取り付けられる。アーム部20とエンドエフェクタ62との接続部分の構成の詳細について、
図2を参照して説明する。
【0012】
[アーム部とエンドエフェクタとの接続部分の構成]
図2は、本実施形態のアーム部20とエンドエフェクタ62との接続部分の構成の一例を示す図である。アーム部20(この一例では、第5アーム部25)と、エンドエフェクタ62とは、支持部41と、台座駆動部50と、台座部61とを介して接続される。
なお、アーム部20と、台座付きエンドエフェクタ60とは、支持部41と、台座駆動部50とを介して接続されるともいえる。
以下の説明において、台座付きエンドエフェクタ60のうち、台座部61の説明を省略して、単にエンドエフェクタ62と記載する場合がある。台座部61の説明を省略する場合、例えば、アーム部20と、エンドエフェクタ62とは、支持部41と、台座駆動部50とを介して接続される、と記載する。
【0013】
エンドエフェクタ62は、台座部61の台座端部601に、脱着可能に、又は脱着不可能に接続される。エンドエフェクタ62は、作業対象のワークWKに対して作業可能である。エンドエフェクタは、ロボットが作業対象に直接働きかける機能をもつ部分ともいうことができる。エンドエフェクタ62には、一例として、ワークWKを把持可能な多指型(又は双指型)のハンド、レーザ加工や超音波加工を行う加工ヘッド、カメラ、溶融した金属・樹脂又はブラスト加工用の粒子などを射出するインジェクタ、マニピュレータ、エアブローなどの用途がある。
エンドエフェクタ62は、ロボットシステム1の用途に応じた種々の形状及び機能を有している。例えば、エンドエフェクタ62Aは、カメラ62A1と、レーザ照射部62A2とを備え、ワークWK(不図示)を切断するレーザカッター機能を有する。換言すれば、エンドエフェクタ62Aは、ワークWKを加工するための加工光(例えば、レーザ光)を、ワークWKに照射するレーザ照射部62A2(第2照射部)を備える。
エンドエフェクタ62Bは、カメラ62B1と、ハンド部62B2とを備え、ワークWK(不図示)を把持して移動させるロボットハンド機能を有する。エンドエフェクタ62Cは、カメラ62C1と、バキューム部62C2とを備え、ワークWK(不図示)を吸着して移動させるロボットハンド機能を有する。
【0014】
支持部41は、接続端部411を備える。接続端部411は、第5アーム部25のアーム端部251に、脱着可能に、又は脱着不可能に接続される。支持部41は、凹部を有する。支持部41は、一端側に接続端部411を有し、他端側に凹部を有する。支持部41の凹部には、台座駆動部50や中間部412が配置される。
【0015】
すなわち、支持部40は、ロボットユニット2と接続する接続要素を含む。接続要素の一例としては、接続端部411がある。
【0016】
台座駆動部50(第2駆動部)は、リニアモータ500を備えており、接続部41に対する台座部61の位置を変位させる。リニアモータ500は、一例としてボイスコイルモータであり、磁界発生部501と、着磁部502とを備える。磁界発生部501は、供給される駆動電流によって磁界を発生させる。着磁部502は、磁界発生部501により発生された磁界によって反発力又は吸引力を生じさせる。リニアモータ500は、この反発力又は吸引力によって磁界発生部501と着磁部502との間の距離を変化させることにより、接続部41に対して台座部61を変位させる。一例として、磁界発生部501と着磁部502との間に反発力が生じた場合、接続部41と台座部61との距離が増加する。また、磁界発生部501と着磁部502との間に吸引力が生じた場合、接続部41と台座部61との距離が減少する。磁界発生部501は、支持部41に配置されている。磁界発生部501は、支持部41に形成された凹部に配置されている。着磁部502は、台座部61に配置されている。着磁部502は、台座部60に形成された凹部に配置されている。磁界発生部501を支持部41に配置し、着磁部502を台座部61に配置する例を挙げたが、これに限るものではなく、磁界発生部501を台座部61に配置し、着磁部502を支持部41に配置するようにしてもよい。
台座駆動部50は、支持部41と台座部61(又は台座付きエンドエフェクタ60)とを接触させることなく(つまり、非接触状態で)駆動可能である。
【0017】
なお、台座駆動部50(第2駆動部)は、エンドエフェクタ62の重量支持に寄与しない。エンドエフェクタ62は、上述した支持部40によって自重が支持される。
ここで、ロボットユニット2は、支持部40とエンドエフェクタ62(又は、台座付きエンドエフェクタ60)とを接続する中間部を備える。この中間部は、エンドエフェクタ62の重量を支持する。
中間部412は、エンドエフェクタ62の重量を支持する。中間部412は、例えば、ダンバー要素413や、バネ要素414を含む。中間部412は、弾性部材を含み、エンドエフェクタ62の振動を低減する。弾性部材は、弾性力が調整可能であってもよい。この場合、ロボットユニット2は、調節部(不図示)を備えており、弾性部材の弾性力を調整する。例えば、弾性部材とは、エアスプリングであってもよい。この場合、調節部(不図示)は、エアスプリングの空気圧を調整可能であり、エアスプリングの空気圧を調整することにより、弾性力を調整する。
また、中間部412は、外部から与えられた振動を減衰する。中間部412は、エンドエフェクタ62(又は、台座付きエンドエフェクタ60)の自重によるエンドエフェクタ62の変位を抑制する。
中間部412は、エンドエフェクタ62の姿勢にかかわらず、重力方向においてエンドエフェクタ62を支持する。
なお、中間部412は、弾性部材に加えて、エンドエフェクタ62の振動を低減する素子(例えば、ピエゾ(圧電)素子)を備えていてもよい。
【0018】
ここで、エンドエフェクタユニット3は、一端(例えば、第5アーム部25に接続される端部)が固定端であり、他端(例えば、エンドエフェクタ62側の端部)が自由端である。ロボットユニット2は、アーム部20を駆動することにより、エンドエフェクタユニット3にとっての固定端の位置や姿勢を変化させる。エンドエフェクタユニット3において、固定端の位置や姿勢の変化が、自由端であるエンドエフェクタ62の位置や姿勢に対して影響を与える。
一般に、ロボットユニット2において、床面の振動などの外力、アーム部20の自重、剛性、アーム駆動部30の駆動力などの影響により、アーム部20の先端(つまり、エンドエフェクタユニット3にとっての固定端)の位置や姿勢を精密に制御することは困難である。
本実施形態のロボットユニット2は、台座駆動部50が支持部41と台座部61(又は台座付きエンドエフェクタ60)とを接触させることなく(つまり、非接触状態で)駆動することにより、アーム部20の先端(つまり、エンドエフェクタユニット3にとっての固定端)の位置や姿勢の変位の影響がエンドエフェクタ62の位置や姿勢に及ぶことを抑制することができる。
【0019】
[アーム部とエンドエフェクタとの接続部分の構成の変形例]
アーム部20と台座部61(又は台座付きエンドエフェクタ60)との接続部分の構成には種々の変形例があってよい。エンドエフェクタ62の形状や機能を変更する場合などにおいて、エンドエフェクタユニット3、エンドエフェクタ62、又は台座付きエンドエフェクタ60を交換する場合がある。エンドエフェクタユニット3、エンドエフェクタ62、又は台座付きエンドエフェクタ60を交換する場合において、アーム部20とエンドエフェクタ62との間の接続部分の構成の違いによって、次のような変形例がありうる。
(1)アーム端部251と支持部41とが脱着可能である場合。
この場合、支持部41と、台座駆動部50と、台座付きエンドエフェクタ60(台座部61及びエンドエフェクタ62)とが予め組み合わされている。
台座付きエンドエフェクタ60を取り付ける場合には、組み合わされた状態の支持部41、台座駆動部50及び台座付きエンドエフェクタ60が、アーム端部251に対して接続される。
(2)支持部41と台座駆動部50とが脱着可能である場合。
この場合、アーム部20のアーム端部251と、支持部41の接続端部411とが予め組み合わされている。
台座付きエンドエフェクタ60(台座部61及びエンドエフェクタ62)を取り付ける場合には、組み合わされた状態の台座駆動部50及び台座付きエンドエフェクタ60が、支持部41に対して接続される。
(3)台座部61とエンドエフェクタ62が脱着可能である場合。
この場合、アーム部20のアーム端部251と、支持部41の接続端部411とが予め組み合わされている。また、支持部41と、台座駆動部50と、台座部61とが予め組み合わされている。
エンドエフェクタ62を取り付ける場合には、組み合わされた状態の支持部41、台座駆動部50及び台座部61に対して、エンドエフェクタ62が接続される。
(4)アーム端部251と支持部41、台座部61とエンドエフェクタ62がそれぞれ脱着可能である場合。
この場合、支持部41と、台座駆動部50と、台座部61とが予め組み合わされている。
エンドエフェクタ62を取り付ける場合には、組み合わされた状態の支持部41、台座駆動部50、及び台座部61に対して、エンドエフェクタ62が接続される。さらに、組み合わされた状態の支持部41、台座駆動部50及び台座付きエンドエフェクタ60(台座部61及びエンドエフェクタ62)が、アーム端部251に対して接続される。
【0020】
なお、以下の説明において、アーム部20及び支持部41を総称して支持部付きアーム部40とも記載する。例えば、上述した(2)の場合において台座付きエンドエフェクタ60を取り付ける場合には、組み合わされた状態の台座駆動部50と、台座付きエンドエフェクタ60(台座部61及びエンドエフェクタ62)とが、支持部付きアーム部40に対して接続される。
本実施形態のロボットユニット2のように、アーム部20が多関節アームである場合には、支持部付きアーム部40とは、多関節アームの全体又は一部である。
なお、アーム部20の一部と支持部41が支持部として機能しているとも捉えることもできる。
【0021】
支持部41は、エンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60)が変位可能な状態で、エンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60)を支持する。
上述したように、支持部41は、アーム駆動部30(第1駆動部)によって駆動される。すなわち、アーム駆動部30(第1駆動部)は、支持部41を介してエンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60)を駆動可能である。
また、台座駆動部50(第2駆動部)は、支持部41と、エンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60)との間に配置され、検出部200により検出されたエンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60)の位置に基づいて、支持部41に対してエンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60)を駆動する。
なお、本実施形態の説明において、エンドエフェクタ62を駆動することには、台座付きエンドエフェクタ60を駆動することも含まれる。また、エンドエフェクタ62を変位することには、台座付きエンドエフェクタ60を変位することも含まれる。
ここで、アーム駆動部30がエンドエフェクタ62を駆動する際の変位の大きさを、第1ストロークともいう。また、台座駆動部50がエンドエフェクタ62を駆動する際の変位の大きさを第2ストロークともいう。台座駆動部50がエンドエフェクタ62を駆動する際の変位の大きさは、アーム駆動部30がエンドエフェクタ62を駆動する際の変位の大きさよりも小さい。すなわち、第2ストロークは、第1ストロークよりも小さい。
換言すれば、アーム駆動部30(第1駆動部)は、支持部41を介してエンドエフェクタ62を第1ストロークで駆動可能である。また、台座駆動部50(第2駆動部)は、支持部41に対してエンドエフェクタ62を第1ストロークよりも小さい第2ストロークで駆動可能である。
なお、ここでいうストロークとは、エンドエフェクタ62の移動範囲、移動幅、移動軌跡の長さ、可動範囲、などと表現することもできる。
【0022】
なお、上述したように、本実施形態のアーム部20は、5つのアーム(例えば、第1アーム部21~第5アーム部25)を備えており、第1アーム部21の接地面に対して6自由度方向において支持部41を駆動可能である。換言すれば、アーム駆動部30(第1駆動部)は、支持部41を介してエンドエフェクタ62を6自由度方向において、第1ストロークで駆動可能である。
【0023】
また、以下の説明において、支持部41と、台座駆動部50と、台座部61とを総称してアダプタ70とも記載する。例えば、上述した(4)の場合においてエンドエフェクタ62を取り付ける場合には、アダプタ70(つまり、組み合わされた状態の支持部41、台座駆動部50及び台座部61)に対して、エンドエフェクタ62が接続される。さらに、アダプタ70とエンドエフェクタ62とが、アーム端部251に対して接続される。
例えば、アダプタ70は、ロボットユニット2に接続可能な第1接続要素(例えば、接続端部411)を有し、エンドエフェクタ62が変位可能な状態でエンドエフェクタ62を支持する支持部(例えば、支持部41)と、エンドエフェクタ62に接続可能な第2接続要素(例えば、台座端部601)を有する台座部61と、支持部(例えば、支持部41)と台座部61の間に配置され、支持部(例えば、支持部41)に対して台座部61を介してエンドエフェクタ62を電磁的に駆動可能な台座駆動部50とを備える。
アダプタ70は、中間部412を有していてもよい。中間部材412は、支持部41と台座部61の間に配置される。
【0024】
[リニアモータの配置例]
台座駆動部50における、リニアモータ500の配置例について、
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態のリニアモータ500の配置の一例を示す図である。この一例において、台座駆動部50は、6つのリニアモータ500を備える。以下の説明において必要である場合には、X軸、Y軸、Z軸の三次元直交座標系をアダプタ70(又は、接続部41及び台座部61)の座標系として用いる。ここで、Z軸とは、エンドエフェクタ62と、エンドエフェクタ62の作用対象であるワークWKとを結ぶ軸である。
【0025】
台座駆動部50において、台座部61のXY平面上の3点にそれぞれリニアモータ500(第1リニアモータ510、第2リニアモータ520及び第3リニアモータ530)が配置される。台座駆動部50において、台座部61のXZ平面上の2点(点P4及び点P5)にそれぞれリニアモータ500(第4リニアモータ540及び第5リニアモータ550)が配置される。また、台座駆動部50において、台座部61のYZ平面上の1点にリニアモータ500(第6リニアモータ560)が配置される。
【0026】
ここで、台座部61の重心Gの座標を(x2,y2,z1)とした場合の、リニアモータ500の配置をより具体的に説明する。
第1リニアモータ510、第2リニアモータ520及び第3リニアモータ530は、台座部61の重心Gを通るZ軸方向の軸(Z方向重心軸AxZ)を中心とするXY平面上の三角形(例えば、正三角形)の頂点にそれぞれ配置されていてもよい。例えば、第1リニアモータ510は、点P1(x2,y3,z0)に、第2リニアモータ520は、点P2(x3,y1,z0)に、第3リニアモータ530は、点P3(x1,y1,z0)にそれぞれ配置される。
第4リニアモータ540及び第5リニアモータ550は、XZ平面のうち、台座部61の重心Gを通るY軸方向の軸(Y方向重心軸AxY)を挟んで互いに反対の位置にそれぞれ配置されていてもよい。例えば、第4リニアモータ540は、点P4(x3,y0,z1)に、第5リニアモータ550は、点P5(x1,y0,z1)に配置される。
第6リニアモータ560は、台座部61の重心Gを通るX軸方向の軸(X方向重心軸AxX)上の位置に配置されていてもよい。例えば、第6リニアモータ560は、点P6(x0,y2,z1)に配置される。
なお「リニアモータ500が点Pに配置される」とは、「リニアモータ500によって生じる力が点Pに加わる位置に、リニアモータ500が配置される」という意味を含む。
【0027】
[リニアモータの駆動例]
台座駆動部50は、リニアモータ500に同一の反発力(又は吸引力)を生じさせることにより、接続部41に対する台座部61の位置を変位させる。台座駆動部50による台座部61の変位には、少なくとも1自由度の変位があればよい。台座駆動部50は、エンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60)に生じる振動を低減する。
【0028】
なお、6つのリニアモータ500を上述したように配置する場合には、台座駆動部50は、XYZ各軸方向の3自由度及びXYZ各軸周りの3自由度、合わせて6自由度の変位を台座部61に対して与えることができる。すなわち、台座駆動部50は、支持部41に対して、エンドエフェクタ62を6自由度方向において電磁的に駆動可能である。
【0029】
上述した中間部412は、エンドエフェクタ62を6自由度方向において支持可能である。より具体的には、中間部412は、6つの支持要素を有し、6つの支持要素間の支持力の配分を調整して、重力方向である第1方向と、第1方向に対して垂直な第2方向と、第1方向及び第2方向に対して垂直な第3方向と、第1方向を軸周りとする第4方向と、第2方向を軸周りとする第5方向と、第3方向を軸周りとする第6方向との6自由度方向においてエンドエフェクタ62を支持可能である。
この場合、中間部412は、エンドエフェクタ62の姿勢に応じて、6つの支持要素のうち異なる支持要素を用いてエンドエフェクタ62を支持可能である。
具体的には、中間部412は、エンドエフェクタ62が第1姿勢のときに重力方向においてエンドエフェクタ62の重量の少なくとも一部を支持する第1支持要素と、エンドエフェクタ62第1姿勢とは異なる第2姿勢のときに重力方向においてエンドエフェクタ62の重量の少なくとも一部を支持する第2支持要素とを有する。
中間部412は6つの支持要素を有している例を挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えば3つの支持要素を有する構成でもよい。中間部412の支持要素の数は、1つでもよいし、複数でもよい。
中間部412が有する支持要素の数と、台座駆動部50が有する駆動要素(例えばリニアモータ500)の数とは、同じでもよいし、異なっていてもよい。中間部412が有する支持要素の数は、台座駆動部50が有する駆動要素の数より少なくてもよいし、多くてもよい。
【0030】
中間部412は、支持部41と台座付きエンドエフェクタ60(又は台座部61)の一方に形成された凹部と、この凹部に挿入され、支持部41と台座付きエンドエフェクタ60(又は台座部61)の他方に形成された凸部との間に配置される。
この場合、台座駆動部50(第2駆動部)は、凹部と凸部との間に配置される。
【0031】
以下、エンドエフェクタ62を各方向に変位させる場合の具体例について説明する。
(1)X軸方向の変位
台座駆動部50は、第6リニアモータ560を駆動して、台座部61の点P6(x0,y2,z1)に変位力を与える。この結果、台座部61は、X軸方向に変位する。
(2)Y軸方向の変位
台座駆動部50は、第4リニアモータ540及び第5リニアモータ550を同時に同量駆動して、点P4(x3,y0,z1)及び点P5(x1,y0,z1)に変位力を与える。この結果、台座部61は、Y軸方向に変位する。
(3)Z軸方向の変位
台座駆動部50は、第1リニアモータ510、第2リニアモータ520及び第3リニアモータ530を同時に同量駆動して、点P1(x2,y3,z0)、点P2(x3,y1,z0)及び点P3(x1,y1,z0)に変位力を与える。この結果、台座部61は、Z軸方向に変位する。すなわち、台座駆動部50は、エンドエフェクタ62とワークWKとを結ぶ軸(例えば、Z軸)方向に対して垂直な平面(例えば、XY平面)において、エンドエフェクタ62を駆動可能である。
(4)X軸周りの変位
台座駆動部50は、第1リニアモータ510を駆動せずに、第2リニアモータ520及び第3リニアモータ530を同時に同量駆動して、点P1(x2,y3,z0)に変位力を与えないようにしつつ、点P2(x3,y1,z0)及び点P3(x1,y1,z0)に変位力を与える。この結果、台座部61は、X軸周りに変位する。
なお、台座駆動部50は、第1リニアモータ510を、第2リニアモータ520及び第3リニアモータ530の変位方向とは逆方向に変位するように駆動してもよい。
(5)Y軸周りの変位
台座駆動部50は、第2リニアモータ520又は第3リニアモータ530のいずれか一方を駆動して、点P2(x3,y1,z0)又は点P3(x1,y1,z0)に変位力を与える。この結果、台座部61は、Y軸周りに変位する。
なお、台座駆動部50は、第2リニアモータ520及び第3リニアモータ530を互いに逆方向に駆動してもよい。
(6)Z軸周りの変位
台座駆動部50は、第4リニアモータ540又は第5リニアモータ550のいずれか一方を駆動して、点P4(x3,y0,z1)又は点P5(x1,y0,z1)に変位力を与える。この結果、台座部61は、Z軸周りに変位する。
なお、台座駆動部50は、第4リニアモータ540又は第5リニアモータ550を互いに逆方向に駆動してもよい。
【0032】
上述したように、台座駆動部50(第2駆動部)は、エンドエフェクタ62の姿勢を変更可能である。
例えば、台座駆動部50(第2駆動部)は、上述した6自由度方向において、エンドエフェクタ62の姿勢を変更可能である。
より具体的には、台座駆動部50(第2駆動部)は、6つの駆動要素(例えば、リニアモータ500)を有し、6つの駆動要素間の駆動力を調節して、重力方向である第1方向と、第1方向に対して垂直な第2方向と、第1方向及び第2方向に対して垂直な第3方向と、第1方向を軸周りとする第4方向と、第2方向を軸周りとする第5方向と、第3方向を軸周りとする第6方向との6自由度方向において、支持部41に対してエンドエフェクタ62を駆動可能である。
【0033】
[エンドエフェクタの位置検出]
検出部200によるエンドエフェクタ62の位置検出の具体例について説明する。なお、本実施形態の説明において、エンドエフェクタ62の位置を検出することには、台座付きエンドエフェクタ60の位置を検出することも含まれる。
台座駆動部50によるエンドエフェクタ62の駆動において、エンドエフェクタ62の変位量は、例えば、エンドエフェクタ62の位置フィードバックによって行われる。エンドエフェクタ62の位置フィードバックは、エンドエフェクタ62の目標位置とエンドエフェクタ62の現在位置との偏差に基づいて行われる。以下、エンドエフェクタ62の現在位置の検出手法について説明する。
【0034】
[(1)外部センサ(レーザトラッカー)による位置検出]
図4は、本実施形態のエンドエフェクタ62の位置検出の一例を示す図である。エンドエフェクタ62Aは、一例として、カメラ62A1と、レーザ照射部62A2とを備え、ワークWKの所定位置を切断するレーザカッター機能を有する。
この一例において、ロボットシステム1は、レーザトラッカー300を、上述した検出部200として備える。レーザトラッカー300は、照射部310と、受光部320とを備える。検出部200は、エンドエフェクタ62Aの位置情報を検出して、検出したエンドエフェクタ62Aの位置情報を、レーザ照射部62A2によるワークWKの切断位置の制御用情報として制御装置10に対して出力する。
照射部310は、エンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60。本段落の以下の説明において同じ。)に対してトラッキング光(例えば、レーザ光)を照射する。一例として、照射部310は、トラッキング光(例えば、レーザ光)の照射方向を既知の手法(例えば、ガルバノミラー)によって周期的に変更して測定空間内をスキャンする。照射部310は、空間内のスキャンにより、エンドエフェクタ62の位置又は姿勢又はその両方が変化した場合であっても、その変化に追従してトラッキング光をエンドエフェクタ62に照射することができる。
受光部320は、照射部310が照射したトラッキング光がエンドエフェクタ62によって反射された反射光を受光する。
レーザトラッカー300は、受光部320による受光結果に基づいて、エンドエフェクタ62の位置を検出する。
【0035】
一例として、検出部200は、レーザ照射部62A2(第2照射部)による加工光がワークWKに照射されている間に、エンドエフェクタ62の位置情報を検出する。
ロボットシステム1は、予め定められた加工経路と検出部200により検出された位置情報とに基づいて動作する。加工経路は、例えば記憶部(不図示)に記憶されている。具体的には、アーム部20(第1駆動部)は、支持部41を介してエンドエフェクタ62を駆動する。支持部41は、重力方向に沿ってエンドエフェクタ62を支持する。台座駆動部50(第2駆動部)は、加工光が照射される照射方向に対して垂直な方向においてエンドエフェクタ62を非接触状態で駆動する。
【0036】
なお、ロボットシステム1は、エンドエフェクタ62の加速度情報を検出する加速度センサ(不図示)を備えていてもよい。この場合、台座駆動部50(第2駆動部)は、加工経路と検出部200により検出された位置情報と加速度センサ(不図示)により検出された加速度情報とに基づいて、照射方向に対して垂直な方向においてエンドエフェクタ62を非接触状態で駆動する。
また、ロボットシステム1は、支持部41とエンドエフェクタ62との間に配置され、支持部41とエンドエフェクタ62との相対位置情報を検出する位置センサ(不図示)を備えていてもよい。この場合、台座駆動部50(第2駆動部)は、加工経路と検出部200により検出された位置情報と加速度センサ(不図示)により検出された加速度情報と、位置センサ(不図示)により検出された相対位置情報とに基づいて、照射方向に対して垂直な方向においてエンドエフェクタ62を非接触状態で駆動する。
【0037】
ここで、レーザトラッカー300によるエンドエフェクタ62の位置検出には、既知の種々の手法を適用可能である。
例えば、レーザトラッカー300は、照射部310による照射タイミングと受光部320による受光タイミングとの差に基づくタイムオブフライト(Time Of Flight;TOF)方式による測距結果に基づいて、エンドエフェクタ62の位置情報を検出してもよい。
また、レーザトラッカー300は、照射部310から複数の光路のトラッキング光を照射して生じる反射光の反射位置の測定結果に基づいて、三角測量の要領によって幾何学的な位置関係を求めることにより、エンドエフェクタ62の位置情報を検出してもよい。この場合において、反射光の反射位置の測定精度を高めるために、受光部320の受光光学系に可変焦点レンズ(例えば、ズームレンズ)が用いられていてもよい。
また、レーザトラッカー300によるエンドエフェクタ62の位置検出には、極短時間光パルスによる光コムを利用した測距手法が適用されてもよい。
【0038】
また、ロボットシステム1は、エンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60。本段落の以下の説明において同じ。)にリフレクタ612を備えていてもよい。リフレクタ612は、例えば再帰性反射材によって構成されており、照射部310により照射されたトラッキング光(例えば、レーザ光)を反射する。
この場合、レーザトラッカー300は、受光部320による受光結果に基づいて、リフレクタ612の3次元位置情報を取得することにより、エンドエフェクタ62の位置情報を検出する。
なお、ここでは検出部200がレーザトラッカー300であり、光による位置(又は姿勢)検出を行うとして説明したが、これに限られない。例えば、検出部200は、超音波などの音響や電波により位置(又は姿勢)を検出するものであってもよい。
【0039】
[(2)外部センサ(カメラ)による位置検出]
図5は、本実施形態のエンドエフェクタ62の位置検出の他の一例を示す図である。この一例において、ロボットシステム1は、撮像部400を、上述した検出部200として備える。撮像部400は、エンドエフェクタ62を撮像して画像データを生成する。撮像部400は、生成された画像データに基づいて、エンドエフェクタ62の位置を検出する。
【0040】
また、ロボットシステム1は、エンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60。本段落の以下の説明において同じ。)に発光部616を備えていてもよい。発光部616は、例えば赤外線LEDを備えており、自発光する。この場合、撮像部400は、例えば、赤外線カメラを備えており、赤外線波長を撮像可能に構成されている。撮像部400は、赤外線カメラによって発光部616が撮像された画像データに基づいて、発光部616の3次元位置情報を取得することにより、エンドエフェクタ62の位置情報を検出する。
【0041】
[外部センサの配置例]
図6は、本実施形態の検出部200の配置の一例を示す図である。ここで、検出部200とは、例えば、照射部310及び受光部320を備える部分、又は撮像部400のカメラを備える部分、すなわち測定ヘッドのことをいう。また、検出部200の配置とは、測定ヘッドの配置のことをいう。検出部200の一例として、レーザトラッカー300又は撮像部400が、ロボットユニット2が設置される空間内の複数か所(例えば、4か所)に配置される。以下の説明において必要な場合には、Xr軸、Yr軸及びZr軸の三次元直交座標系を、ロボットユニット2が設置される空間内の座標を示す座標系として用いる。
検出部200(レーザトラッカー300又は撮像部400)は、空間内における配置位置と、ロボットユニット2のエンドエフェクタ62(又は台座付きエンドエフェクタ60。本段落の以下の説明において同じ。)との相対位置を検出することにより、エンドエフェクタ62の位置又は姿勢を検出する。
同図に示す一例では、4つのレーザトラッカー300(レーザトラッカー301~レーザトラッカー304)が配置される。この一例において、レーザトラッカー301及びレーザトラッカー302は、エンドエフェクタ62Aを検出対象とし、レーザトラッカー303は、エンドエフェクタ62Bを検出対象とし、レーザトラッカー304、エンドエフェクタ62Bを検出対象とする。
【0042】
[外部センサの配置例(変形例)]
図7は、本実施形態の検出部200の配置の他の一例を示す図である。上述したように、検出部200は、ロボットユニット2が設置される空間内の1か所にだけ配置されてもよいし、複数か所に配置されてもよい。この一例では、検出部200(検出部201~検出部203)が、ロボットユニット2が設置される空間内の複数個所(例えば、3か所)に配置される。検出部201~検出部203は、空間内のXr-Yr平面上に等間隔に配置されていてもよい。例えば、検出部201~検出部203は、空間内のXr-Yr平面上の正三角形の頂点に配置される。この場合、検出部201の位置と検出部202の位置とのなす角θ1、検出部202の位置と検出部203の位置とのなす角θ2、及び検出部203の位置と検出部201の位置とのなす角θ3は、いずれも120°である。このように検出部200が配置されることにより、エンドエフェクタ62の位置(又は姿勢又はその両方)が変化した場合であっても、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)が検出部200の死角に位置することを低減することができる。
上述のように3つの検出部200によって構成されたロボットシステム1によれば、1つの検出部200(測定ヘッド)によって1自由度の変位を検出する場合には、検出部200全体で3自由度の変位を検出可能であり、1つの検出部200(測定ヘッド)によって2自由度の変位を検出する場合には、検出部200全体で6自由度の変位を検出可能である。
また、それぞれの検出部200は、互いにロボットユニット2の同一部分(領域)を検出対象としてもよいし、互いに異なる部分(領域)を検出対象としてもよい。それぞれの検出部200が互いに異なる部分(領域)を検出対象とする場合、例えば、検出部201はエンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の左側面を、検出部202はエンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の右側面を、検出部203はエンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の前面を、それぞれ検出対象とする。
なお、それぞれの検出部200は、エンドエフェクタ62の位置(又は姿勢又はその両方)の変化に伴って、検出対象の位置を変更してもよい。例えば、エンドエフェクタ62の位置(又は姿勢又はその両方)の変化に伴い、検出部201はエンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の左側面から前面に、検出部202はエンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の右側面から左側面に、検出部203はエンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の前面から右側面に、それぞれ検出対象の位置を変更する。
なお、ここに示す検出部200の配置は一例であって、例えば、4つの検出部200を備え、ロボットユニット2が設置される空間内の正四面体の頂点の位置にそれぞれ検出部200が配置されている構成であってもよい。
【0043】
[検出部200の検出方式の変形例(特徴点サーボ方式)]
これまで、検出部200(例えば、レーザトラッカー300又は撮像部400)は、エンドエフェクタユニット3に配置されるリフレクタ612や発光部616を検出対象の位置にして、エンドエフェクタ62の位置(又は姿勢又はその両方)を検出する例を説明したが、これに限られない。検出部200は、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の外観形状の特徴的な部分(特徴点)を検出対象の位置にして、エンドエフェクタ62の位置(又は姿勢又はその両方)を検出してもよい。ここで、検出部200が検出する特徴点の位置に基づいて、エンドエフェクタ62の位置(又は姿勢)を制御する方式を特徴点サーボ方式とも称する。
【0044】
図8は、本実施形態の検出部200の検出方式の一例を示す図である。
特徴点サーボ方式においては、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の外観のうち、角(頂点)、突起(凸部)、くぼみ(凹部)、段差、境界、模様などを特徴点としてもよい。エンドエフェクタ62の外観のうち、いずれを特徴点とするかは、予め定められていてもよいし、ロボットシステム1の動作中において学習するなどにより定めてもよい。
一例として、レーザトラッカー300Aは、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の頂点V1及び頂点V2を検出対象の位置とする。レーザトラッカー300Bは、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の凸部C1及び凸部C2を検出対象の位置とする。レーザトラッカー300Cは、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の凹部R1及び凹部R2を検出対象の位置とする。
それぞれのレーザトラッカー300は、特徴点をトラッキング光(例えば、レーザ光)によってスキャンする。レーザトラッカー300は、既知のスキャン手段(例えば、ガルバノミラー)を備えており、スキャンの状態(例えば、ガルバノミラーの振動状態)を検出対象の特徴点ごとに変えて、トラッキング光を照射する。一例として、レーザトラッカー300は、ある特徴点(例えば、頂点V1及び頂点V2)については、スキャンの状態をラインスキャンにし、他の特徴点(例えば、凸部C1及び凸部C2)については、スキャンの状態を三角スキャンにする。
レーザトラッカー300は、トラッキング光のスキャンにより特徴点を抽出し、抽出した特徴点の位置(又は姿勢又はその両方)の変化を、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の特徴点の位置(又は姿勢)として検出する。ここで、レーザトラッカー300は、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の外形全体をスキャンせずに、特徴点の周囲の所定の空間範囲をスキャンするように構成されていてもよい。このように構成されたレーザトラッカー300によれば、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の外形全体をスキャンする場合に比べて、スキャン範囲が狭められるため、スキャン周期を高めることができ、より高速にエンドエフェクタ62の変位に追従することができる。
また、レーザトラッカー300は、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の変位速度や目標位置などに基づいて、エンドエフェクタ62の位置(又は姿勢又はその両方)を推測してもよい。この場合、レーザトラッカー300は、推測した位置(又は姿勢又はその両方)に基づいて、トラッキング光のスキャン範囲を定める。
なお、特徴点サーボ方式の場合には、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の位置(又は姿勢又はその両方)の変化により検出部200からみた検出対象の位置が死角となる場合であっても、死角にならない他の特徴点を検出対象の位置にして、エンドエフェクタ62(又は台座部61又は台座付きエンドエフェクタ60)の位置(又は姿勢又はその両方)の検出を継続することができる。このため、特徴点サーボ方式の場合には、複数の位置に配置された検出部200によって検出する構成としてもよく、1つの検出部200によって検出する構成としてもよい。
【0045】
[(3)エンドエフェクタ搭載型センサによる位置検出(ビジョンサーボ)]
図9は、本実施形態の検出部200の配置の他の一例を示す図である。この一例の場合、エンドエフェクタ62は、位置検出部611を、上述した検出部200として備える。位置検出部611は、例えば、ステレオカメラ(不図示)を備えており、エンドエフェクタ62とワークWKとの相対位置を検出する。すなわち、位置検出部611(第2検出部)は、ワークWKの位置を検出する。
【0046】
なお、上述したいずれの構成においても、検出部200は、エンドエフェクタ62の位置に加えて、エンドエフェクタ62の姿勢を検出する構成であってもよい。すなわち、検出部200は、エンドエフェクタ62の位置と姿勢とを検出する。検出部200は、検出したエンドエフェクタ62の位置を示す位置情報と、エンドエフェクタ62の姿勢を示す姿勢情報とを制御装置10に対して出力する。
【0047】
[エンドエフェクタの構成の具体例]
上述した位置検出部611を備えるエンドエフェクタ62の構成の具体例について
図10~
図13を参照して説明する。
図8は、本実施形態のエンドエフェクタ62の外観構成の一例を示す斜視図である。
図11は、本実施形態のエンドエフェクタ62の外観構成の一例を示す底面図である。
図12は、本実施形態のエンドエフェクタ62の外観構成の一例を示す側面図である。
なお、以下の説明において必要な場合には、Xe軸、Ye軸及びZe軸の三次元直交座標系を、エンドエフェクタ62(又は、台座付きエンドエフェクタ60)の各部の位置を示す座標系として用いる。
【0048】
エンドエフェクタ62は、位置検出部611と、ハンド部613と、タッチセンサ614と、カメラ駆動部615とを備える。
ハンド部613は、第1ハンド613Aと、第2ハンド613Bと、第3ハンド613Cとを備え、それぞれハンド基部621に取り付けられる。第1ハンド613A及び第2ハンド613Bは、ハンド駆動部617によって駆動されXe軸方向にスライド移動する。第1ハンド613A及び第2ハンド613Bは、把持物体(例えば、ワークWK)の大きさに応じて開閉可能である。第3ハンド613Cは、Xe軸方向への変位はしない。
【0049】
タッチセンサ614は、ハンド部613の先端部分に備えられ、ワークWKを把持した場合のハンド部613に加わる圧力を検出する。タッチセンサ614は、Xe軸、Ye軸及びZe軸の各方向に加わる圧力を検出可能な、3軸フォースセンサであることが好ましい。
【0050】
位置検出部611は、ワークWKの位置を検出可能である。位置検出部611は、第1ステレオカメラ611Aと、第2ステレオカメラ611Bとを備える。
なお、この一例では、位置検出部611は、カメラによる光学情報に基づいて位置を検出するとして説明するが、これに限られない。例えば、位置検出部611は、超音波センサ、ソナーセンサ、レーダ等の電波センサ、磁気センサ又は静電容量センサなどによって、位置を検出してもよい。
第1ステレオカメラ611Aは、Ze軸に交差する方向の撮像光軸を有し、ハンド部613の先端部分を撮像する。第1ステレオカメラ611Aは、ハンド部613の先端部分近傍のデプス情報を取得可能である。なお、第1ステレオカメラ611Aは、タイムオブフライト(TOF)センサによって構成されていてもよい。
【0051】
第1ステレオカメラ611Aは、カメラアーム部622の先端部分に取り付けられる。カメラアーム部622は、ハンド基部621に取り付けられており、カメラ駆動部615(第3駆動部)によって駆動され、図中のA方向、又はB方向に変位可能である。第1ステレオカメラ611Aは、カメラ駆動部615によってカメラアーム部622が駆動されることにより、ハンド部613の先端部分の撮像方向を変更可能である。
つまり、エンドエフェクタ62は、第1ステレオカメラ611A(第2検出部)の向きを変更するよう駆動するカメラ駆動部615(第3駆動部)を備える。
【0052】
なお、カメラアーム部622は、第1ステレオカメラ611Aの撮像方向を図中の角度θ方向に変位可能に構成されていてもよい。この場合においても、カメラ駆動部615(第3駆動部)は、第1ステレオカメラ611A(第2検出部)の向きを変更するよう駆動する。
【0053】
第2ステレオカメラ611Bは、ハンド基部621からハンド部613の先端方向、すなわちZe軸方向の撮像光軸を有し、ハンド部613の先端部分を撮像する。第2ステレオカメラ611Bは、手のひら内蔵ビジョンとしての機能を有し、ワークWKの上面からの画像を取得可能である。
【0054】
図13は、本実施形態のエンドエフェクタ62のハンド部613がワークWKを把持している状態の一例を示す図である。
位置検出部611は、これら第1ステレオカメラ611A及び第2ステレオカメラ611Bによって、ハンド部613が把持しているワークWK1(例えば、ねじ)及びその近傍のワークWK2(例えば、ねじ穴)のデプス情報を取得する。位置検出部611は、取得したデプス情報に基づいて、ワークWK(例えば、ワークWK1及びワークWK2)の三次元形状を算出する。位置検出部611は、算出したワークWKの三次元形状に基づいて、ハンド部613の位置又は姿勢を調整する。例えば、位置検出部611は、ハンド部613の偏心調整(例えば、Xe-Ye平面内のハンド部613の変位調整)、ハンド部613の傾き調整(例えば、ワークWK2に対するZe軸の傾き調整)する、また、位置検出部611は、ワーク間距離(例えば、ワークWK1とワークWK2との間のZe軸方向の距離)の算出を行う。
また、位置検出部611は、ワークWKの画像のエッジ抽出をすることも可能であり、この場合には、ワークWKの三次元情報の精度を向上させることができる。
【0055】
[制御装置の機能構成]
図14は、本実施形態の制御装置10の機能構成の一例を示す図である。制御装置10は、アーム位置制御部11と、エンドエフェクタ位置制御部12と、エンドエフェクタ動作制御部13と、生成部14とを備える。
【0056】
アーム位置制御部11は、上位装置100から与えられる目標位置と、アーム位置検出部301が検出するアーム部20の現在位置とに基づいて、アーム駆動部30を制御する。この結果、アーム部20に取り付けられたエンドエフェクタ62の位置が、与えられた目標位置に移動する。
すなわち、アーム駆動部30(第1駆動部)は、支持部41を介してエンドエフェクタ62の姿勢を変更可能である。換言すれば、アーム駆動部30(第1駆動部)は、支持部41を介してエンドエフェクタ62を6自由度方向において駆動可能である。
なお、アーム駆動部30(第1駆動部)は、検出部200により検出されたエンドエフェクタ62の位置情報に基づいて、支持部41を介してエンドエフェクタ62を駆動する構成であってもよい。
【0057】
エンドエフェクタ位置制御部12は、上位装置100から与えられる目標位置と、検出部200が検出するエンドエフェクタ62の位置とに基づいて、台座駆動部50を制御する。この結果、アーム部20に取り付けられたエンドエフェクタ62の位置が、与えられた目標位置に移動する。
例えば、台座駆動部50(第2駆動部)は、検出部200が検出するエンドエフェクタ62の位置に基づいて、ワークWKに対してエンドエフェクタ62を位置決めする。
【0058】
[台座駆動部によるエンドエフェクタの駆動例]
(1)台座駆動部50(第2駆動部)は、検出部200が検出するエンドエフェクタ62の位置に基づいて、ワークWKに対するエンドエフェクタ62の位置が変わらないようにエンドエフェクタ62を駆動する。
例えば、外乱等により、ロボットユニット2のアーム部20が振動する場合がある。この場合、台座駆動部50は、アーム部20の振動による変位の逆方向にエンドエフェクタ62を変位させることにより、ワークWKに対するエンドエフェクタ62の位置が変わらないようにエンドエフェクタ62を駆動する。
(2)台座駆動部50(第2駆動部)は、検出部200により検出されたエンドエフェクタ62の位置情報に基づいて、予め定められたエンドエフェクタ62の目標位置を保つようにエンドエフェクタ62を駆動する。目標位置は、例えば記憶部(不図示)に記憶されている。
(3)台座駆動部50(第2駆動部)は、検出部200により検出されたエンドエフェクタ62の位置情報と、ワークWKに対して予め定められたエンドエフェクタ62の目標位置情報とに基づいて、エンドエフェクタ62を駆動する。
【0059】
(4)台座駆動部50(第2駆動部)は、エンドエフェクタ62が第1姿勢にある場合、検出部200により検出されたエンドエフェクタ62の位置情報に基づいて、第2方向及び第3方向を含む平面においてエンドエフェクタ62を駆動する。また、台座駆動部50(第2駆動部)は、エンドエフェクタ62が第2姿勢にある場合、検出部200により検出されたエンドエフェクタ62の位置情報に基づいて、第3方向及び第1方向を含む平面においてエンドエフェクタ62を駆動する。また、また、台座駆動部50(第2駆動部)は、エンドエフェクタ62が第3姿勢にある場合、検出部200により検出されたエンドエフェクタ62の位置情報に基づいて、第1方向及び第2方向を含む平面においてエンドエフェクタ62を駆動する。
ここで、上述したように、第1方向とは、例えば重力方向であり、第2方向とは、第1方向に対して垂直な方向であり、第3方向とは、第1方向及び第2方向に対して垂直な方向である。なお、第2方向は第1方向に交差する方向であってもよく、第3方向は1方向及び第2方向に交差する方向であってもよい。
【0060】
また、上述いずれの駆動例の場合においても、台座駆動部50(第2駆動部)は、エンドエフェクタ62の姿勢に応じて、6つの駆動要素(例えば、リニアモータ500)のうち異なる駆動要素を用いてエンドエフェクタ62を駆動する。
【0061】
ここで、上述したように、台座駆動部50駆動されるエンドエフェクタ62の変位の大きさ(第2ストローク)は、アーム駆動部30によって駆動されるエンドエフェクタ62の変位の大きさ(第1ストローク)よりも小さい。
すなわち、アーム位置制御部11は、エンドエフェクタ62の大まかな位置を制御(つまり、粗動制御)する。エンドエフェクタ位置制御部12は、エンドエフェクタ62の微細な位置を制御(つまり、微動制御)する。
本実施形態のロボットシステム1は、アーム位置制御部11による粗動制御と、エンドエフェクタ位置制御部12による微動制御とによって、エンドエフェクタ62の位置又は姿勢を精密に制御する。すなわち、本実施形態のロボットシステム1によれば、エンドエフェクタ62の位置又は姿勢の制御精度を向上させることができる。
【0062】
エンドエフェクタ動作制御部13は、エンドエフェクタ62が備える種々のアクチュエータを制御する。上述した一例に示すエンドエフェクタ62の場合は、カメラ駆動部615と、ハンド駆動部617とを備える。この場合、エンドエフェクタ動作制御部13は、上位装置100から与えられるエンドエフェクタ動作指示に基づいて、カメラ駆動部615及びハンド駆動部617を制御する。
【0063】
生成部14は、位置検出部611(第2検出部)による検出結果に基づいて、ワークWKの三次元情報を生成する。上述したようにワークWK1(例えば、ねじ)をワークWK2(例えば、ねじ穴)に締結する場合、生成部14は、位置検出部611が検出したワークWK1及びワークWK2の三次元情報を生成する。この場合、アーム位置制御部11及びエンドエフェクタ位置制御部12は、ワークWK1の三次元形状と、ワークWK2の三次元形状との相対位置から求められる変位量に基づいて、エンドエフェクタ62を移動させる。
【0064】
例えば、ワークWK1(例えば、ねじ)をワークWK2(例えば、ねじ穴)に締結する場合、ワークWKに対して予め定められたエンドエフェクタ62の目標位置情報が、上位装置100から制御装置10に与えられる。この場合、アーム位置制御部11及びエンドエフェクタ位置制御部12は、検出部200により検出されたエンドエフェクタ62の位置情報と、ワークWKに対して予め定められたエンドエフェクタ62の目標位置情報とに基づいて、アーム駆動部30及び台座駆動部50を駆動することにより、エンドエフェクタ62の位置又は姿勢又はその両方を制御する。なお、制御装置10は、ロボットシステム1の外部に設けられていてもよく、制御装置10が行う処理のうちの一部を行う制御部がロボットシステム1に設けられ、制御装置10が行う処理のうちの他の一部を行う制御部がロボットシステム1の外部に設けられていてもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上述した各実施形態に記載の構成を組み合わせてもよい。
【0066】
なお、上記の実施形態における各装置が備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。
【0067】
なお、各装置が備える各部は、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0068】
また、各装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、制御部が備える各部による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0069】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…ロボットシステム、2…ロボットユニット、3…エンドエフェクタユニット、10…制御装置、11…アーム位置制御部、12…エンドエフェクタ位置制御部、13…エンドエフェクタ動作制御部、14…生成部、20…アーム部、30…アーム駆動部、41…支持部、50…台座駆動部、60…台座付きエンドエフェクタ60、62…エンドエフェクタ、70…アダプタ、100…上位装置、200…検出部、500…リニアモータ