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特開2023-139819樹脂組成物、改質剤およびその改質剤を含む組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139819
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】樹脂組成物、改質剤およびその改質剤を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/08 20060101AFI20230927BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20230927BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20230927BHJP
   C08J 3/20 20060101ALI20230927BHJP
   B29B 7/48 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
C08L23/08
C08L101/00
C08J5/18 CER
C08J3/20 CEZ
B29B7/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045541
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】黒田 由紀
(72)【発明者】
【氏名】釘本 大資
(72)【発明者】
【氏名】川戸 大輔
(72)【発明者】
【氏名】幸田 真吾
【テーマコード(参考)】
4F070
4F071
4F201
4J002
【Fターム(参考)】
4F070AA13
4F070AA15
4F070AA16
4F070AA18
4F070AA47
4F070AA50
4F070AA54
4F070AB02
4F070AB26
4F070AC44
4F070AE01
4F070AE30
4F070FA03
4F070FA17
4F070FB06
4F070FC06
4F071AA14
4F201AA04
4F201AA11
4F201AA20
4F201AA24
4F201AA28
4F201AA29
4F201AA50
4F201AR09
4F201BA01
4F201BC01
4F201BD05
4F201BK02
4F201BK13
4F201BK26
4J002AA011
4J002AC031
4J002AC061
4J002BB001
4J002BB031
4J002BB061
4J002BB071
4J002BB081
4J002BB08X
4J002BB08Y
4J002BB08Z
4J002BB121
4J002BB151
4J002BC021
4J002BC061
4J002BG011
4J002BG041
4J002BG051
4J002BG061
4J002CF001
4J002CF031
4J002CF061
4J002CF071
4J002CF181
4J002CG001
4J002CL001
4J002CL011
4J002CL031
4J002FD140
4J002GT00
(57)【要約】
【課題】 リサイクル回収された異種材料の積層体のような複数の樹脂を含むプラスチック材料の脆性を克服し、耐衝撃性や破断伸度を改良することが可能な改質剤として使用することが可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 下記成分(1)及び(2)を含む樹脂組成物(A)。
(1)アクリル酸又はメタクリル酸含有量が4mol%以下のエチレン-アクリル酸共重合体又はエチレン-メタクリル酸共重合体(a1)
(2)アクリル酸又はメタクリル酸含有量が4mol%より大きいエチレン-アクリル酸共重合体又はエチレン-メタクリル酸共重合体(a2)
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(1)及び(2)を含む樹脂組成物(A)。
(1)アクリル酸含有量が4mol%以下のエチレン-アクリル酸共重合体、又はメタクリル酸含有量が4mol%以下のエチレン-メタクリル酸共重合体(a1)
(2)アクリル酸含有量が4mol%より大きいエチレン-アクリル酸共重合体、又はメタクリル酸含有量が4mol%より大きいエチレン-メタクリル酸共重合体(a2)
【請求項2】
さらに、前記(1)及び(2)と異なるアクリル酸又はメタクリル酸含有量であるエチレン-アクリル酸共重合体またはエチレン-メタクリル酸共重合体を含む請求項1に記載の樹脂組成物(A)。
【請求項3】
前記(1)及び(2)のアクリル酸又はメタクリル酸含有量の差が、1mol%以上6.5mol%以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物(A)。
【請求項4】
架橋剤(a3)を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂組成物(A)。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物(A)を含む改質剤。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物(A)を1重量%以上50重量%以下、及び熱可塑性樹脂(B)を50重量%以上99重量%以下(ここで(B)及び(A)の合計は100重量%とする)含む樹脂組成物。
【請求項7】
熱可塑性樹脂(B)がポリオレフィン系樹脂、アクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレン-アクリロニトリル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
熱可塑性樹脂(B)が高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸(ポリ-L-乳酸、ポリ-D-乳酸、L-乳酸とD-乳酸の共重合体、ポリL-乳酸とポリD-乳酸のステレオコンプレックスを含む)及びポリブチレンサクシネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
熱可塑性樹脂(B)が高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート樹脂及びポリブチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも1種をそれぞれ含む、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
熱可塑性樹脂(B)が2種以上の樹脂である、請求項6乃至9のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項11】
熱可塑性樹脂(B)が使用済みの成形体である、請求項6乃至10のいずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項12】
熱可塑性樹脂(B)と請求項5に記載の改質剤を二軸押出機で混練する混練工程を有する請求項6乃至11のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項13】
混練工程を二軸押出機のスクリュ回転数が50rpm以上3000rpm以下の条件で行う、請求項12に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項14】
請求項6乃至11のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、該樹脂組成物およびその組成物からなる成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックによる環境汚染問題への関心が高まっており、プラスチック製品のマテリアルリサイクルが促進されている。プラスチックのマテリアルリサイクルでは、回収したプラスチック廃棄物を溶融して原料ペレットに戻すか、パレットなどの消耗材料へ再生されることが多い。この時、回収したプラスチック廃棄物中に異種のプラスチックが混在した状態でリサイクルすると、互いの相溶性が悪いことからリサイクルされたプラスチックの物性が低下する問題が生じる。そのため、現在は回収したプラスチック廃棄物を素材毎に選別したのち、製品へと再生するという工程がとられている。
【0003】
しかしながら、異種のプラスチックが積層された多層フィルムや多層容器などでは、素材毎に分別することが困難であることからリサイクルすることができず、埋立や焼却処理されているのが現状である。
【0004】
このような背景の中、積層状態の複合樹脂をリサイクルする手段として、相溶化剤の添加が検討されている。例えば、アイオノマー樹脂を相溶化剤として用い、ポリエチレン(PE)-ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略すことがある。)、ポリプロピレン(以下、PPと略すことがある。)-ABSの複合リサイクルの検討がなされている(例えば、特許文献1参照。)。また、オキサゾリン系相溶化剤を用い、PE-PET等の複合リサイクルの検討がなされている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、PE-エチレン・ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略すことがある。)の複合リサイクルの検討もなされている(例えば、特許文献3参照。)。これら文献によれば、相溶化剤を添加することによりPEとPETやEVOHなどの複合物の物性を向上できることが示されている。しかし、これら方法により得られるリサイクル樹脂は機械特性が十分ではないため、さらなる機械特性の改善が可能な技術の開発が必要である。また、粘度増加や黄変、臭気の問題などにより繰り返しリサイクル性に劣ることや再生樹脂の使用用途に制限があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-220473号公報
【特許文献2】特開2004-182957号公報
【特許文献3】特表2009-535452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、リサイクル回収された異種材料の積層体のような複数の樹脂を含むプラスチック材料の脆性を克服し、耐衝撃性や破断伸度を改良することが可能な改質剤として使用することが可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アクリル酸含有量が4mol%以下のエチレン-アクリル酸共重合体、又はメタクリル酸含有量が4mol%以下のエチレン-メタクリル酸共重合体と、アクリル酸含有量が4mol%より大きいエチレン-アクリル酸共重合体、又はメタクリル酸含有量が4mol%より大きいエチレン-メタクリル酸共重合体を含む樹脂組成物が、複数の樹脂成分からなる脆性材料の耐衝撃性や破断伸度を向上させることができる樹脂改質剤として好適に使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の各態様は、以下に示す[1]~[14]である。
[1] 下記成分(1)及び(2)を含む樹脂組成物(A)。
(1)アクリル酸含有量が4mol%以下のエチレン-アクリル酸共重合体、又はメタクリル酸含有量が4mol%以下のエチレン-メタクリル酸共重合体(a1)
(2)アクリル酸含有量が4mol%より大きいエチレン-アクリル酸共重合体、又はメタクリル酸含有量が4mol%より大きいエチレン-メタクリル酸共重合体(a2)
[2] さらに、前記(1)及び(2)と異なるアクリル酸又はメタクリル酸含有量であるエチレン-アクリル酸共重合体またはエチレン-メタクリル酸共重合体を含む上記[1]に記載の樹脂組成物(A)。
[3] 前記(1)及び(2)のアクリル酸又はメタクリル酸含有量の差が、1mol%以上6.5mol%以下である、上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物(A)。
[4] 架橋剤(a3)を含む上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の樹脂組成物(A)。
[5] 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の樹脂組成物(A)を含む改質剤。
[6] 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の樹脂組成物(A)を1重量%以上50重量%以下、及び熱可塑性樹脂(B)を50重量%以上99重量%以下(ここで(B)及び(A)の合計は100重量%とする)含む樹脂組成物。
[7] 熱可塑性樹脂(B)がポリオレフィン系樹脂、アクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレン-アクリロニトリル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記[6]に記載の樹脂組成物。
[8] 熱可塑性樹脂(B)が高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸(ポリ-L-乳酸、ポリ-D-乳酸、L-乳酸とD-乳酸の共重合体、ポリL-乳酸とポリD-乳酸のステレオコンプレックスを含む)及びポリブチレンサクシネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記[6]に記載の樹脂組成物。
[9] 熱可塑性樹脂(B)が高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート樹脂及びポリブチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも1種をそれぞれ含む、上記[6]に記載の樹脂組成物。
[10] 熱可塑性樹脂(B)が2種以上の樹脂である、上記[6]乃至[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] 熱可塑性樹脂(B)が使用済みの成形体である、上記[6]乃至[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 熱可塑性樹脂(B)と上記[5]に記載の改質剤を二軸押出機で混練する混練工程を有する上記[6]乃至[11]のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
[13] 混練工程を二軸押出機のスクリュ回転数が50rpm以上3000rpm以下の条件で行う、上記[12]に記載の樹脂組成物の製造方法。
[14] 上記[6]乃至[11]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、耐衝撃性や破断伸度の改質効果に優れて、これらの物性を要求される樹脂成形品の改質剤として有用な樹脂組成物を提供することができる。特に、該樹脂組成物を用いることにより、複数の樹脂を含むプラスチック廃棄物のマテリアルリサイクルを有効に行うことが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
【0011】
本発明の一態様である樹脂組成物(A)は、アクリル酸含有量が4mol%以下のエチレン-アクリル酸共重合体、又はメタクリル酸含有量が4mol%以下のエチレン-メタクリル酸共重合体(a1)(以下、「共重合体(a1)」という)と、アクリル酸含有量が4mol%より大きいエチレン-アクリル酸共重合体、又はメタクリル酸含有量が4mol%より大きいエチレン-メタクリル酸共重合体(a2)(以下、「共重合体(a2)」という)を含む。
【0012】
エチレン-アクリル酸共重合体(以下、EAAと略すことがある。)は市販品の中から便宜選択することができ、SKグローバルケミカルからプリマコ-ルの商品名で、ハネウェルからA-Cの商品名で市販されている。
【0013】
エチレン-メタクリル酸共重合体(以下、EMAAと略すことがある。)は市販品の中から便宜選択することができ、三井・ダウポリケミカル株式会社からニュクレルの商品名で販売されている。
【0014】
共重合体(a1)において、エチレン-アクリル酸共重合体のアクリル酸含有量、又はエチレン-メタクリル酸共重合体のメタクリル酸含有量は4mol%以下である。これにより、熱可塑性樹脂(B)中のポリオレフィンとの相溶性が向上する。
【0015】
共重合体(a2)において、エチレン-アクリル酸共重合体のアクリル酸含有量、又はエチレン-メタクリル酸共重合体のメタクリル酸含有量は4mol%より大きく、好ましくは6mol%以上、更に好ましくは8mol%以上である。これにより、熱可塑性樹脂(B)中のポリエステルやポリアミド(以下、PAと略すことがある。)などの高極性成分との相溶性が向上する。
【0016】
樹脂組成物(A)は、さらに前記(1)及び(2)と異なるアクリル酸又はメタクリル酸含有量であるエチレン-アクリル酸共重合体またはエチレン-メタクリル酸共重合体を含むことが好ましい。
【0017】
樹脂組成物(A)において、各アクリル酸又はメタクリル酸の含有量差はすべて0.1mol%以上であることが好ましく、0.5mol%以上であることがさらに好ましい。これにより、樹脂組成物(A)を改質剤として熱可塑性樹脂(B)に配合した際に相溶性がより向上し、得られる組成物の耐衝撃性及び破断伸びが向上する。
【0018】
また、共重合体(a1)と共重合体(a2)のアクリル酸又はメタクリル酸含有量の差が、好ましくは1mol%以上6.5mol%以下、より好ましくは1mol%以上5.5mol%以下である。これにより、樹脂組成物(A)を改質剤として熱可塑性樹脂(B)に配合した際に相溶性がより向上し、得られる組成物の耐衝撃性及び破断伸びが向上する。
【0019】
樹脂組成物(A)において、共重合体(a1)と共重合体(a2)の混合比率は、共重合体(a1)を50重量%以上99重量%以下、共重合体(a2)を1重量%以上50重量%以下(ここで(a1)及び(a2)の合計は100重量%とする)含むことが好ましく、共重合体(a1)を60重量%以上90重量%以下、共重合体(a2)を10重量%以上40重量%以下(ここで(a1)及び(a2)の合計は100重量%とする)含むことが好ましい。これにより、配合した樹脂の相溶性および耐衝撃性をより向上させる。
【0020】
樹脂組成物(A)において、(a1)及び(a2)の架橋変性処理を行っても良い。ここで架橋変性処理は、架橋剤を前記樹脂組成物(A)に添加し、溶融混練処理する方法、電子線照射による方法を例示することができ、溶融混錬する方法で処理した架橋変性体であることが好ましい。溶融混練法を用いる場合、架橋剤(a3)を含むことが好ましい。架橋剤(a3)としては、エポキシ化合物、有機過酸化物、多官能イソシアネート化合物、アジリジン基含有化合物、カルボジイミド、オキサゾリン、アミノ樹脂などが挙げられ、なかでもエポキシ化合物、有機過酸化物が反応性の観点から好ましく用いられる。
【0021】
エポキシ化合物や有機過酸化物であれば特に限定されず、例えば、エポキシ化合物であれば、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0022】
有機過酸化物は、ジクミルペルオキシド、ジt-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1、1ージ(tーブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,3-ジ-(t-ブチルペルオキシ)-ジイソプロピルベンゼン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルオキシベンゾエート、t-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシドなどが挙げることができる。
【0023】
これらは単独或いは2種類以上を混合して使用することができ、樹脂組成物(A)100部に対して、架橋剤(a3)の添加量は、0.001~10部の範囲で調整することが好ましい。
【0024】
本発明の一態様である改質剤は、樹脂組成物(A)を含むものである。
【0025】
改質剤を配合する熱可塑性樹脂組成物(B)としては、改質剤との相容性に優れることから、ポリオレフィン系樹脂、アクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレン-アクリロニトリル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、少なくとも2種がより好ましい。
【0026】
ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレンーアクリル酸エステル共重合体、エチレンーメタクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどが挙げられる。
【0027】
アクリル酸系樹脂としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸オクチル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸オクチルなどが挙げられる。
【0028】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12などが挙げられる。
【0029】
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート樹脂(PETG樹脂)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸(ポリ-L-乳酸、ポリ-D-乳酸、L-乳酸とD-乳酸の共重合体、ポリL-乳酸とポリD-乳酸のステレオコンプレックスを含む)、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、ポリグリコール酸、ポリ3-ヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
【0030】
この中で、樹脂組成物(A)とブレンドした場合に耐衝撃性や破断伸びの改良性が大きいことから、熱可塑性樹脂(B)を構成する熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート樹脂(PETG樹脂)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸(ポリ-L-乳酸、ポリ-D-乳酸、L-乳酸とD-乳酸の共重合体、ポリL-乳酸とポリD-乳酸のステレオコンプレックスを含む)及びポリブチレンサクシネートからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0031】
より好ましくは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種と、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート樹脂及びポリブチレンテレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも1種をそれぞれ含むことが望ましい。
熱可塑性樹脂(B)は、未使用のバージン樹脂、使用済みの成形体を回収して得られた樹脂でもよい。すなわち、1種又は複数種の樹脂のすべてが未使用の樹脂である形態、1種又は複数種の樹脂のうちの少なくとも1種が使用済みの樹脂である形態が含まれ、1種又は複数種の樹脂のすべてが使用済みの樹脂である形態も含まれる。
【0032】
熱可塑性樹脂(B)は、使用済みの成形体を回収して得られた樹脂を使用する場合、複数種類の樹脂を含むことがある。この場合、不純物として塩ビ樹脂、ワックス、接着剤、可塑剤、酸化防止剤等の有機物の不純物として含む。一方、フィラーなどの無機不純物を含むこともある。
【0033】
樹脂組成物(A)と熱可塑性樹脂(B)との混合比率は、熱可塑性樹脂(B)を50重量%以上99重量%以下、樹脂組成物(A)を1重量%以上50重量%以下含むことが好ましい。熱可塑性樹脂(B)を99重量%以下含むことで得られる樹脂組成物は耐衝撃性に優れたものとなる。一方、熱可塑性樹脂(B)を50重量%以上含むことで得られる樹脂組成物が剛性に優れたものとなる。さらに好ましくは熱可塑性樹脂(B)を60重量%以上95重量%以下、樹脂組成物(A)を5重量%以上40重量%含み、またさらに好ましくは熱可塑性樹脂(B)を70重量%以上95重量%以下、樹脂組成物(A)を5重量%以上30重量%含む。
【0034】
樹脂組成物(A)を含む改質剤を熱可塑性樹脂(B)に配合する場合、改質剤と熱可塑性樹脂(B)を混練する混練工程を有する製造方法により製造することができる。
【0035】
混練方法としては、改質剤と熱可塑性樹脂(B)を構成する各種材料を同時に混練装置で混練する方法と、改質剤のみを事前に混練し、その後熱可塑性樹脂(B)と混練した改質剤をブレンドし更に混練する方法が挙げられる。後者の方が、改質剤がより均一に混ざり、所望の物性が安定して得られることから好ましい。
【0036】
混練装置としては、各成分を均一に分散できれば特に制限はなく、通常用いられる樹脂の混練装置により製造することができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダ-、回転ロール、インターナルミキサーなどの混練装置が挙げられる。この中で、分散性および連続生産性に優れることから、二軸押出機がより好ましい。
【0037】
二軸押出機で混練を行う場合のスクリュ回転数は特に制限されないが、50rpm以上3000rpm以下で混練することが好ましく、より好ましくは300rpm以上3000rpm以下である。スクリュ回転数50rpm以上であれば混合した各成分の分散性が向上し、得られた樹脂の物性に優れるため好ましく、スクリュ回転数3000rpm以下であれば過剰なせん断発熱による樹脂の劣化が生じないことから、得られた樹脂の物性に優れるため好ましい。
【0038】
混練工程において押出機を使用する場合、押出機で混練した樹脂組成物、好ましくは前記50rpm以上3000rpm以下の高速せん断条件で混練した樹脂組成物を原料として用いることができる。また、そのまま押出機で押出成形することで得られる成形体を成形品として用いることができる。
【0039】
混練温度は熱可塑性樹脂(B)の中で最も融点が低い成分の融点または非晶性樹脂であればガラス転移温度~300℃程度が好ましい。
【0040】
樹脂組成物(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含む樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、滑剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、流動性改良剤、離型剤、難燃剤、着色剤、無機系中和剤、塩酸吸収剤、充填剤導電剤、鎖長延長剤、加水分解防止剤等が用いられても良い。
【0041】
上記樹脂組成物が樹脂組成物(A)と熱可塑性樹脂(B)以外の成分を含む場合、その含有量は、(A)と(B)の合計を100重量部とし、その100重量部に対する添加量として表すことができる。換言すると、前記(A)、(B)の「~重量%」という表記は(A)、(B)の比率であり、それ以外の成分の比率は別に定義することができる。
【0042】
また上記樹脂組成物は、ペレットやパウダーなどの任意の形態にしておいて使用することができる。
【0043】
本発明の一態様である成形品は、上記樹脂組成物を成形して得られるものである。樹脂組成物の成形方法は任意であり、例えば異形押出、フィルム、シート、ブロー、射出、発泡、押出コーティング、回転成形などが挙げられる。成形品は、自動車部品、電気・電子部品の筐体、建材、土木部材、農業資材、容器、包装資材、接着剤、日用品など各種用途に利用することができる。
【実施例0044】
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)メルトマスフローレイト(MFR)
エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、および熱可塑性樹脂(B)のMFRは、メルトインデクサー(宝工業製)にて190℃、2.16kg荷重の条件にて測定した。
(2)衝撃強度
衝撃強度はJIS P 8134に準拠して測定した。プレス成型した厚み0.1mmのシートをフィルムインパクトテスタ(東洋精機製、FT-M型)にて、試験容量3J、突き刺し先端半球状ハンマーの条件にて測定した。
(3)引張試験
プレス成型した厚み0.1mmのシートをASTM D-1822-L ダンベル状試験片に打ち抜いた。試験片のサイズは、全長63.5mm、平行部長さ9.53mm、平行部幅3.18mm、厚さ0.1mm、つかみ部幅9.53mmであった。試験片をテンシロン引張試験機(オリエンテック製、RTE-1210)にて、チャック間距離30mm、引張速度200mm/分の条件で測定した。試料が破断した点を破断伸度(破断伸度[%]=破断に要した引張長さ[mm]/チャック間距離30mm)、破断したときの応力を破断応力とした。
【0045】
実施例1
樹脂組成物(A)として、下記組成の樹脂組成物を用いた。
[樹脂組成物(A)]
・アクリル酸含有量2.6mol%、メルトマスフローレイト2.6g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR1321)65重量%
・アクリル酸含有量8.9mol%、メルトマスフローレイト300g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a2-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR5980I)35重量%
上記樹脂をドライブレンドし、スクリュ径が25mmである二軸押出機(テクノベル製 商品名ULTnano25TW)を用いて、樹脂温度160℃、スクリュ回転数150rpmの条件で溶融混練し、樹脂組成物(A)のペレットを得た。
【0046】
熱可塑性樹脂(B)としては、下記組成の熱可塑性樹脂組成物を用いた。
[熱可塑性樹脂(B)の組成物]
・メルトマスフローレイト3g/10分、融点111℃である低密度ポリエチレン(B-1)(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205)70重量%
・エチレン含量35mol%、融点177℃であるエチレン-ビニルアルコール共重合体(B-2)((株)クラレ社製 商品名エバール C109B)30重量%
熱可塑性樹脂(B)の組成物80重量%と樹脂組成物(A)20重量%をドライブレンドし、スクリュ径が25mmである二軸押出機(テクノベル製 商品名ULTnano25TW)を用いて、樹脂温度200℃、スクリュ回転数300rpmの条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。
【0047】
得られた樹脂組成物を、プレス成型機(神藤金属工業所製 AWFA-50型)を用いて、圧力10MPa、加熱温度200℃(一次加圧×3分、二次加圧×3分)、冷却温度25℃(4分)の条件にてプレス成型し、厚み0.1mmのプレスシートを得た。
【0048】
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表1に示す。
【0049】
実施例2
樹脂組成物(A)として下記組成の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の手法によりプレスシートを得た。
[樹脂組成物(A)]
・アクリル酸含有量3.5mol%、メルトマスフローレイト7g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-2)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR3540)65重量%
・アクリル酸含有量8.9mol%、メルトマスフローレイト300g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a2-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR5980I)35重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表1に示す。
【0050】
実施例3
樹脂組成物(A)として下記組成の樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の手法によりプレスシートを得た。
[樹脂組成物(A)]
・アクリル酸含有量2.6mol%、メルトマスフローレイト2.6g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR1321)65重量%
・アクリル酸含有量3.5mol%、メルトマスフローレイト7g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-2)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR3540)10重量%
・アクリル酸含有量8.9mol%、メルトマスフローレイト300g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a2-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR5980I)25重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表1に示す。
【0051】
実施例4
熱可塑性樹脂(B)として下記組成の熱可塑性樹脂組成物を用いた。
[熱可塑性樹脂(B)の組成物]
・メルトマスフローレイト3g/10分、融点111℃である低密度ポリエチレン(B-1)(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205)70重量%
・融点220℃であるナイロン6(B-3)(宇部興産(株)製 商品名UBEナイロン1022D)30重量%
熱可塑性樹脂(B)の組成物80重量%と実施例1に記載の樹脂組成物(A)20重量%をドライブレンドし、スクリュ径が25mmである二軸押出機(テクノベル製 商品名ULTnano25TW)を用いて、樹脂温度230℃、スクリュ回転数300rpmの条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。
【0052】
得られた樹脂組成物を、プレス成型機(神藤金属工業所製 AWFA-50型)を用いて、圧力10MPa、加熱温度230℃(一次加圧×3分、二次加圧×3分)、冷却温度25℃(4分)の条件にてプレス成型し、厚み0.1mmのプレスシートを得た。
【0053】
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表1に示す。
【0054】
実施例5
熱可塑性樹脂(B)として下記組成の熱可塑性樹脂組成物を用いた。
[熱可塑性樹脂(B)の組成物]
・メルトマスフローレイト3g/10分、融点111℃である低密度ポリエチレン(B-1)(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205)70重量%
・融点255℃であるポリエチレンテレフタレート(Bー4)(ユニチカ(株)製 MA-2103)30重量%
熱可塑性樹脂(B)の組成物80重量%と実施例1に記載の樹脂組成物(A)20重量%をドライブレンドし、スクリュ径が25mmである二軸押出機(テクノベル製 商品名ULTnano25TW)を用いて、樹脂温度270℃、スクリュ回転数150rpmの条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。
【0055】
得られた樹脂組成物を、プレス成型機(神藤金属工業所製 AWFA-50型)を用いて、圧力10MPa、加熱温度230℃(一次加圧×3分、二次加圧×3分)、冷却温度25℃(4分)の条件にてプレス成型し、厚み0.1mmのプレスシートを得た。
【0056】
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表1に示す。
【0057】
比較例1
下記の熱可塑性樹脂(B)の組成物のみを用いた以外は、実施例1と同様の手法によりプレスシートを得た。
[熱可塑性樹脂(B)の組成物]
・メルトマスフローレイト3g/10分、融点111℃である低密度ポリエチレン(B-1)(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205)70重量%
・エチレン含量35mol%、融点177℃であるエチレン-ビニルアルコール共重合体(B-2)((株)クラレ社製 商品名エバール C109B)30重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表1に示す。
【0058】
比較例2
下記の熱可塑性樹脂(B)の組成物のみを用いた以外は、実施例5と同様の手法によりプレスシートを得た。
[熱可塑性樹脂(B)の組成物]
・メルトマスフローレイト3g/10分、融点111℃である低密度ポリエチレン(B-1)(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205)70重量%
・融点255℃であるポリエチレンテレフタレート(Bー4)(ユニチカ(株)製 MA-2103)30重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
実施例6
熱可塑性樹脂(B)として下記組成の熱可塑性樹脂組成物を用いた以外は、実施例5と同様の手法によりプレスシートを得た。
[熱可塑性樹脂(B)の組成物]
・メルトマスフローレイト3g/10分、融点111℃である低密度ポリエチレン(B-1)(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205)70重量%
・エチレン含量35mol%、融点177℃であるエチレン-ビニルアルコール共重合体(B-2)((株)クラレ社製 商品名エバール C109B)10重量%
・融点220℃であるナイロン6(B-3)(宇部興産(株)製 商品名UBEナイロン1022D)10重量%
・融点255℃であるポリエチレンテレフタレート(Bー4)(ユニチカ(株)製 MA-2103)10重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表2に示す。
【0061】
実施例7
熱可塑性樹脂(B)を65重量%、樹脂組成物(A)を35重量%とした以外は、実施例6と同様の手法によりプレスシートを得た。
【0062】
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表2に示す。
【0063】
実施例8
樹脂組成物(A)として下記組成の樹脂組成物を用いた以外は、実施例6と同様の手法によりプレスシートを得た。
[樹脂組成物(A)の組成物]
・アクリル酸含有量2.6mol%、メルトマスフローレイト2.6g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR1321)65重量%
・メタクリル酸含有量3.9mol%、メルトマスフローレイト8g/10分であるエチレン-メタクリル酸共重合体(a1-3)(三井・ダウ ポリケミカル(株)製 商品名ニュクレルN1108C)10重量%
・アクリル酸含有量8.9mol%、メルトマスフローレイト300g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a2-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR5980I)25重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表2に示す。
【0064】
実施例9
樹脂組成物(A)として下記組成の樹脂組成物を用いた以外は、実施例6と同様の手法によりプレスシートを得た。
[樹脂組成物(A)の組成物]
・アクリル酸含有量2.6mol%、メルトマスフローレイト2.6g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR1321)45重量%
・アクリル酸含有量3.5mol%、メルトマスフローレイト7g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-2)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR3540)30重量%
・アクリル酸含有量8.9mol%、メルトマスフローレイト300g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a2-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR5980I)25重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表2に示す。
【0065】
実施例10
樹脂組成物(A)として下記組成の樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様の手法によりプレスシートを得た。
[樹脂組成物(A)の組成物]
・アクリル酸含有量2.6mol%、メルトマスフローレイト2.6g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR1321)65重量%
・アクリル酸含有量3.5mol%、メルトマスフローレイト7g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-2)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR3540)10重量%
・アクリル酸含有量8.9mol%、メルトマスフローレイト300g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a2-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR5980I)25重量%
・ビスフェノールAグリシジルエーテル(D3415、Sigma-Aldrich製)0.5部
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表2に示す。
比較例3
下記の熱可塑性樹脂(B)の組成物のみを用いた以外は、実施例6と同様の手法によりプレスシートを得た。
[熱可塑性樹脂(B)の組成物]
・メルトマスフローレイト3g/10分、融点111℃である低密度ポリエチレン(B-1)(東ソー(株)製 商品名ペトロセン205)70重量%
・エチレン含量35mol%、融点177℃であるエチレン-ビニルアルコール共重合体(B-2)((株)クラレ社製 商品名エバール C109B)10重量%
・融点220℃であるナイロン6(B-3)(宇部興産(株)製 商品名UBEナイロン1022D)10重量%
・融点255℃であるポリエチレンテレフタレート(Bー4)(ユニチカ(株)製 MA-2103)10重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表2に示す。
【0066】
比較例4
樹脂組成物(A)として下記組成の樹脂組成物を用いた以外は、実施例6と同様の手法によりプレスシートを得た。
[樹脂組成物(A)の組成物]
・アクリル酸含有量2.6mol%、メルトマスフローレイト2.6g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR1321)100重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表2に示す。
【0067】
比較例5
樹脂組成物(A)として下記組成の樹脂組成物を用いた以外は、実施例6と同様の手法によりプレスシートを得た。
[樹脂組成物(A)の組成物]
・アクリル酸含有量2.6mol%、メルトマスフローレイト2.6g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-1)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR1321)65重量%
・アクリル酸含有量3.5mol%、メルトマスフローレイト7g/10分であるエチレン-アクリル酸共重合体(a1-2)(SKグローバルケミカル(株)製 商品名PRIMACOR3540)35重量%
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表2に示す。
【0068】
比較例6
熱可塑性樹脂(B)を40重量%、樹脂組成物(A)を60重量%とした以外は、実施例6と同様の手法によりプレスシートを得た。
【0069】
得られたプレスシートを用いて、衝撃試験と引張試験を実施した。評価の結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の樹脂組成物からなる成形品は、自動車部品、電気・電子部品の筐体、建材、土木部材、農業資材、容器、包装資材、接着剤、日用品など各種用途に利用することができる。