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特開2023-139934情報処理装置、プログラム、情報処理システム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139934
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20230927BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045719
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】大高 悠毅
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】外部サービス及び生体センサから取得されるデータに基づいて、ユーザが所望する集計データを提供すること。
【解決手段】ユーザの行動履歴を管理する外部サービスに接続される情報処理装置であって、ユーザの行動履歴に関する第1データを外部サービスから取得するデータ取得部と、生体センサで測定された、ユーザの健康に関する第2データを受信するデータ受信部と、第1データと第2データとを集計して表示するための1以上の集計項目毎に、第1データ及び第2データのうちの集計に必要な情報が設定された集計設定情報を記憶する集計設定記憶部と、1以上の集計項目のうち、ユーザにより選択を受け付けた1以上の集計項目に対応する集計データを、取得した第1データ及び受信した第2データと、記憶された集計設定情報と、に基づいて生成するデータ生成部と、生成された、1以上の集計項目に対応する集計データを出力するデータ出力部と、を有することで上記課題を解決する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの行動履歴を管理する外部サービスに接続される情報処理装置であって、
ユーザの行動履歴に関する第1データを前記外部サービスから取得するデータ取得部と、
生体センサで測定された、ユーザの健康に関する第2データを受信するデータ受信部と、
前記第1データと前記第2データとを集計して表示するための1以上の集計項目毎に、前記第1データ及び前記第2データのうちの集計に必要な情報が設定された集計設定情報を記憶する集計設定記憶部と、
前記1以上の集計項目のうち、ユーザにより選択を受け付けた1以上の集計項目に対応する集計データを、取得した前記第1データ及び受信した前記第2データと、記憶された前記集計設定情報と、に基づいて生成するデータ生成部と、
生成された、前記1以上の集計項目に対応する集計データを出力するデータ出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記データ出力部は、前記第1データ及び前記第2データを、時系列での傾向が分析可能な形で可視化した前記集計データを出力する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ取得部は、前記第2データを前記外部サービスから取得する
請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データ取得部が取得した前記第1データと、前記データ受信部が受信した前記第2データ又は前記データ取得部が取得した前記第2データと、を記憶するデータ記憶部、
を更に有する請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記データ取得部は、前記外部サービスの種別、前記外部サービスのアクセス先、及び前記アクセス先へのアクセスに必要なパラメータの設定に従って、前記第1データを取得する
請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記1以上の集計項目から前記ユーザによる1以上の集計項目の選択を受け付ける集計項目選択受付部、を更に有する
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2データは、前記ユーザが装着しているウエアラブルデバイスの前記生体センサから取得するデータである
請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ユーザの行動履歴を管理する外部サービスに接続される情報処理装置に、
ユーザの行動履歴に関する第1データを前記外部サービスから取得する手順、
生体センサで測定された、ユーザの健康に関する第2データを受信する手順、
前記第1データと前記第2データとを集計して表示するための1以上の集計項目毎に、前記第1データ及び前記第2データのうちの集計に必要な情報が設定された集計設定情報を記憶する手順、
前記1以上の集計項目のうち、ユーザにより選択を受け付けた1以上の集計項目に対応する集計データを、取得した前記第1データ及び受信した前記第2データと、記憶された前記集計設定情報と、に基づいて生成する手順、
生成された、前記1以上の集計項目に対応する集計データを出力する手順、
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
ユーザ端末及び情報処理装置が通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
ユーザの行動履歴に関する第1データを、ユーザの行動履歴を管理する外部サービスから取得するデータ取得部と、
生体センサで測定された、ユーザの健康に関する第2データを受信するデータ受信部と、
前記第1データと前記第2データとを集計して表示するための1以上の集計項目毎に、前記第1データ及び前記第2データのうちの集計に必要な情報が設定された集計設定情報を記憶する集計設定記憶部と、
前記1以上の集計項目のうち、ユーザにより選択を受け付けた1以上の集計項目に対応する集計データを、取得した前記第1データ及び受信した前記第2データと、記憶された前記集計設定情報と、に基づいて生成するデータ生成部と、
生成された、前記1以上の集計項目に対応する集計データを出力するデータ出力部と、
を有し、
前記ユーザ端末は、前記データ出力部が出力した前記集計データを表示する表示部
を有する情報処理システム。
【請求項10】
ユーザの行動履歴を管理する外部サービスに接続される情報処理装置が、
ユーザの行動履歴に関する第1データを前記外部サービスから取得するステップと、
生体センサで測定された、ユーザの健康に関する第2データを受信するステップと、
前記第1データと前記第2データとを集計して表示するための1以上の集計項目毎に、前記第1データ及び前記第2データのうちの集計に必要な情報が設定された集計設定情報を記憶するステップと、
前記1以上の集計項目のうち、ユーザにより選択を受け付けた1以上の集計項目に対応する集計データを、取得した前記第1データ及び受信した前記第2データと、記憶された前記集計設定情報と、に基づいて生成するステップと、
生成された、前記1以上の集計項目に対応する集計データを出力するステップと、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば企業などでは、グループウェアなどの外部サービスを利用して、組織管理、勤怠管理、業務支援が従業員などのユーザに対して行われるようになった。また、生体センサを装着したユーザの生体情報を取得することも行われるようになっている。
【0003】
特許文献1には、被管理者の生体情報からストレス値を算出し、ストレス値が所定値以上となった日時に対応する複数の外部情報からストレス要因を分析する内容が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている仕組みでは、ストレス値を、複数の外部情報から分析した結果をユーザに提供することが開示されているのみで、ユーザが所望する、生体センサから取得した情報と複数の外部情報との集計結果をユーザに提供することができない。
【0005】
本開示は、外部サービス及び生体センサから取得されるデータに基づいて、ユーザが所望する集計データを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、ユーザの行動履歴を管理する外部サービスに接続される情報処理装置であって、ユーザの行動履歴に関する第1データを前記外部サービスから取得するデータ取得部と、生体センサで測定された、ユーザの健康に関する第2データを受信するデータ受信部と、前記第1データと前記第2データとを集計して表示するための1以上の集計項目毎に、前記第1データ及び前記第2データのうちの集計に必要な情報が設定された集計設定情報を記憶する集計設定記憶部と、前記1以上の集計項目のうち、ユーザにより選択を受け付けた1以上の集計項目に対応する集計データを、取得した前記第1データ及び受信した前記第2データと、記憶された前記集計設定情報と、に基づいて生成するデータ生成部と、生成された、前記1以上の集計項目に対応する集計データを出力するデータ出力部と、を有する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、外部サービス及び生体センサから取得されるデータに基づいて、ユーザが所望する集計データを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
図4】チャート種別テーブルの一例の構成図である。
図5】データ取得処理の一例のフローチャートである。
図6】データ出力処理の一例のフローチャートである。
図7】チャートを含むUIの画面の一例のイメージ図である。
図8】チャートを含むUIの画面の一例のイメージ図である。
図9】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図10】本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。図1に示した情報処理システム1は、集計システム10、1つ以上のユーザ端末14、1つ以上の生体センサ16、及び1つ以上の外部サービスシステム18を有する。集計システム10は1つ以上の情報処理装置12を有する。情報処理装置12、ユーザ端末14、生体センサ16、及び外部サービスシステム18は、ネットワーク20を介して通信を行う。ネットワーク20は、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)である。
【0011】
情報処理装置12は、外部サービスシステム18から取得するユーザの行動履歴に関するデータ及び生体センサ16から受信するユーザの健康に関するデータの集計データをユーザ端末14に表示させるための処理を行う。外部サービスシステム18から取得するユーザの行動履歴に関するデータ(第1データ)は、ユーザが外部サービスを利用することで外部サービスシステム18に記録されるデータである。外部サービスは、例えば組織管理、勤怠管理、及び業務支援に関するサービスである。外部サービスはメール、チャット、スケジューラ、会議管理、勤怠管理、組織管理などの機能を有するグループウェアに関するサービスであってもよい。
【0012】
また、生体センサ16から受信するユーザの健康に関するデータ(第2データ)は、生体センサ16によって測定されたデータ(生体情報データ)である。生体情報データは例えばユーザが装着しているウエアラブルデバイスの生体センサ16によって計測される。
【0013】
情報処理装置12はPC又はワークステーション等である。情報処理装置12はサーバ装置、ASP(Application Service Provider)、又はクラウドコンピューティングにより実現してもよい。
【0014】
ユーザ端末14は、ユーザが操作する情報処理端末である。ユーザは、外部サービスを利用する会社などの組織の従業員等であってもよいし、従業員等を管理する管理者又は会社などの組織でシステム等を管理する管理者であってもよい。ユーザ端末14は、例えばPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、又はPDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0015】
ユーザ端末14は集計システム10が提供するWebUI等のUIを表示する。ユーザ端末14を操作するユーザは、集計システム10が提供するUIから後述のデータ取得設定及びデータ集計設定を行う。また、ユーザ端末14を操作するユーザは、集計システム10がデータ取得設定及びデータ集計設定に応じて集計した集計データを、集計システム10が提供するUIに表示できる。
【0016】
生体センサ16は、例えば生体情報データを計測するユーザが装着する。生体センサ16は、生体情報データを計測するユーザが装着しているウエアラブルデバイスに内蔵されていてもよい。また、生体センサ16はIoT(Internet of Things)デバイスであってもよい。また、生体センサ16から受信する生体情報データは、生体センサ16が計測したデータであってもよいし、計測したデータを用いて求められたデータであってもよい。生体情報データは、例えばストレス度、平均消費カロリー等が含まれる。
【0017】
外部サービスシステム18は、外部サービスをユーザに提供する。また、外部サービスシステム18は、外部サービスを利用したユーザの行動履歴に関するデータを記録する。外部サービスから取得するユーザの行動履歴に関するデータは、外部サービスシステム18が記録したユーザの行動履歴に関するデータである。
【0018】
なお、図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えば情報処理装置12の機能の少なくとも一部は、情報処理装置12以外に設けてもよく、ユーザ端末14、生体センサ16、又は外部サービスシステム18に設けるようにしてもよい。また、集計システム10はクラウドサービスとして提供するようにしてもよい。さらに、情報処理装置12は複数のコンピュータに分散して実現するようにしてもよい。
【0019】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1の情報処理装置12及び外部サービスシステム18は、例えば図2のハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。また、図1のユーザ端末14はPCで実現する場合、例えば図2のハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0020】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0021】
CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0022】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ディスプレイ506は、例えばHMD(Head Mounted Display)又はHUD(Head Up Display)装置であってもよい。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。
【0023】
ネットワークI/F509はネットワーク20を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0024】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0025】
なお、図2に示したハードウェア構成は一例であり、図2に示した構成要素の一部が無い構成であってもよいし、図2に示した構成要素以外を含む構成であってもよい。図1のユーザ端末14がPC以外である場合の構成は、様々であるため、図示を省略する。
【0026】
<機能構成>
本実施形態に係る情報処理システム1は例えば図3に示すような機能構成により実現される。図3は本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。なお、図3の機能構成図は本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。情報処理装置12、ユーザ端末14、生体センサ16、及び外部サービスシステム18は、OS及びアプリケーションなどのプログラムを実行することにより、例えば図3を用いて説明するような機能を実現する。
【0027】
図3に示す情報処理装置12は、データ取得設定部30、データ集計設定部32、集計項目選択受付部34、データ生成部36、データ出力部38、データ受信部39、データ取得部40、取得設定記憶部42、集計設定記憶部44、及びデータ記憶部46を有する。
【0028】
データ取得設定部30は、生体センサ16から生体情報データを受信するためのデータ取得設定を、ユーザ端末14を操作するユーザから受け付ける。また、データ取得設定部30は、外部サービスシステム18からユーザの行動履歴に関するデータを取得するためのデータ取得設定を、ユーザ端末14を操作するユーザから受け付ける。例えばデータ取得設定部30はユーザ端末14にデータ取得設定のUIを表示し、ユーザからデータ取得設定を受け付ける。
【0029】
データ集計設定部32は、データ取得設定に応じて生体センサ16から受信した生体情報データ及び外部サービスシステム18から取得したユーザの行動履歴に関するデータを集計して表示するための1以上の集計項目毎のデータ集計設定を、ユーザ端末14を操作するユーザから受け付ける。データ集計設定には、集計項目毎に、生体センサ16から受信した生体情報データ及び外部サービスシステム18から取得したユーザの行動履歴に関するデータのうちの集計に必要な情報が設定された集計設定情報が含まれている。例えばデータ集計設定部32はユーザ端末14にデータ集計設定のUIを表示し、ユーザからデータ集計設定を受け付ける。
【0030】
取得設定記憶部42は、データ取得設定部30がユーザから受け付けたデータ取得設定を記憶する。集計設定記憶部44は、データ集計設定部32がユーザから受け付けたデータ集計設定を記憶する。データ集計設定はデータ取得設定に応じてユーザが利用可能となる集計項目(チャート種別)が定義されている。集計項目選択受付部34は、取得設定記憶部42に記憶されたデータ取得設定に応じて、データ集計設定からユーザが利用可能なチャート種別を選択し、出力するチャート種別の選択を、ユーザ端末14を操作するユーザから受け付ける。
【0031】
データ生成部36は、ユーザにより選択されたチャート種別に対応する集計データを、データ記憶部46に記憶されている生体センサ16から受信した生体情報データ及び外部サービスシステム18から取得したユーザの行動履歴に関するデータと、データ集計設定とに基づいて生成する。
【0032】
データ出力部38は、データ生成部36が生成した集計データを出力する。データ出力部38はデータ記憶部46に記憶されている生体センサ16から受信した生体情報データ及び外部サービスシステム18から取得したユーザの行動履歴に関するデータを、時系列での傾向が分析可能な形で可視化した集計データを含むUIをユーザ端末14に表示させる。
【0033】
データ受信部39は、取得設定記憶部42に記憶されたデータ取得設定に応じて、生体センサ16から生体情報データを受信する。データ取得部40は取得設定記憶部42に記憶されたデータ取得設定に応じて、外部サービスシステム18からユーザの行動履歴に関するデータを取得する。データ記憶部46はデータ受信部39が生体センサ16から受信した生体情報データ及びデータ取得部40が外部サービスシステム18から取得したユーザの行動履歴に関するデータを、記憶する。
【0034】
また、図3に示すユーザ端末14は、データ送受信部50、操作受付部52、及び表示部54を有する。データ送受信部50は情報処理装置12とデータ通信を行う。操作受付部52はユーザからの操作を受け付け、操作に応じた各種処理を行う。表示部54は例えば情報処理装置12が提供するUIを表示する。
【0035】
集計設定記憶部44は、集計設定情報の一例として例えば図4に示すチャート種別テーブルを記憶する。図4はチャート種別テーブルの一例の構成図である。なお、チャート種別テーブルは、集計システム10で定義されているものを利用してもよい。
【0036】
図4のチャート種別テーブルは、例えばフィールドとして外部サービス種別、チャート種別、及び集計クエリ定義を有している。外部サービス種別は、データ取得設定に設定可能な外部サービスの種別を表す。外部サービス種別は、例えば勤怠管理サービスなどが定義される。
【0037】
チャート種別は、UI表示用のチャートの種別(チャートの名称)を表す。チャート種別は、例えば残業ストレス履歴などが定義される。集計クエリ定義は、データ集計クエリの定義を表し、例えばSQLクエリ、SQLクエリ結果のカラムを利用したチャート表示の定義などが定義されたJSONファイルで定義される。SQLクエリは、データベースを操作するための言語の一例であるSQLの使用法に従って記述された命令文である。SQLは一例であって、データベースを操作するための他の言語を使用してもよい。SQLクエリ結果のカラムを利用したチャート表示の定義は、SQLクエリ結果によりデータ記憶部46から取得したデータからチャート表示を行うために必要な情報である。JSONファイルはテキスト(文字)形式のデータファイルの一例である。
【0038】
<処理>
ここでは、本実施形態に係る集計システム10を利用するユーザが、集計システム10のデータ取得設定のUIからデータ取得設定を行った後の処理を説明する。取得設定記憶部42にはユーザから受け付けたデータ取得設定が記憶されているものとする。取得設定記憶部42に記憶されているデータ取得設定は、例えば外部サービスの種別、データ取得API(Application Programming Interface)のURL(Uniform Resource Locator)などの外部サービスのアクセス先、及びアクセス先へのアクセスに必要なパラメータが含まれている。また、取得設定記憶部42に記憶されているデータ取得設定は、例えば生体センサ16から生体情報データを受信するための情報(生体センサ16の種別、認証情報、通信方式、生体センサ16のアクセス先、及びアクセス先へのアクセスに必要なパラメータなど)が含まれている。
【0039】
また、ここでは、本実施形態に係る集計システム10を利用するユーザが、集計システム10のデータ集計設定のUIからデータ集計設定を行った後の処理を説明する。集計設定記憶部44にはユーザから受け付けたデータ集計設定が記憶されているものとする。
【0040】
情報処理装置12のデータ受信部39は取得設定記憶部42に記憶されているデータ取得設定に応じて、例えば図5に示すような手順で、生体センサ16から生体情報データを受信する。また、データ取得部40は取得設定記憶部42に記憶されたデータ取得設定に応じて例えば図5に示すような手順で、外部サービスシステム18からユーザの行動履歴に関するデータを取得する。図5はデータ取得処理の一例のフローチャートである。
【0041】
ステップS10において、データ受信部39及びデータ取得部40は取得設定記憶部42から実行対象のデータ取得設定を取得する。実行対象のデータ取得設定は、データを取得するタイミングとなったデータ取得設定である。データを取得するタイミングは、所定期間が経過したタイミング及びユーザからチャート表示の要求があったタイミングなど、である。
【0042】
ステップS12及びS14の処理は、データ受信部39及びデータ取得部40が取得設定記憶部42から読み出したデータ取得設定の分、繰り返される。ステップS12において、データ受信部39は取得設定記憶部42から取得したデータ取得設定に従い、生体センサ16から生体情報データを受信する。データ取得部40は取得設定記憶部42から取得したデータ取得設定に従い、外部サービスシステム18からユーザの行動履歴に関するデータを取得する。ステップS14においてデータ受信部39は生体センサ16から受信した生体情報データをデータ記憶部46に記憶する。データ取得部40は外部サービスシステム18から取得したユーザの行動履歴に関するデータをデータ記憶部46に記憶する。データ記憶部46は、例えばデータベース、データウェアハウス、又はデータレイクである。
【0043】
図5のフローチャートの処理によれば、データ取得設定をユーザから受け付けるようにしたことで、データ取得を行う生体センサ16及び外部サービスシステム18を変えることができ、様々な生体センサ16及び外部サービスシステム18からのデータ取得が可能となる。
【0044】
情報処理装置12の集計項目選択受付部34、データ生成部36、及びデータ出力部38は、取得設定記憶部42に記憶されているデータ取得設定と集計設定記憶部44に記憶されているデータ集計設定とに応じて、例えば図6の手順で、データ記憶部46に記憶されているデータの集計データを出力する。
【0045】
図6は、データ出力処理の一例のフローチャートである。集計項目選択受付部34はステップS20において、設定済みのデータ取得設定を取得設定記憶部42から取得する。ステップS22において、集計項目選択受付部34は設定済みのデータ取得設定から外部サービス種別を読み出す。ステップS22で読み出される外部サービス種別は、設定済みのデータ取得設定により外部サービスシステム18から取得可能なユーザの行動履歴に関するデータである。
【0046】
ステップS24において、集計項目選択受付部34はステップS22で読み出した外部サービス種別をキーとして用いて、図4のチャート種別テーブルからチャート種別を選択する。ステップS24で選択されるチャート種別は、ユーザが出力可能なチャートの一覧となる。ステップS26において、集計項目選択受付部34はステップS24で選択したチャート種別を表したチャートの一覧をユーザ端末14に表示する。
【0047】
ステップS28において、集計項目選択受付部34はユーザのユーザ端末14に対する操作に応じて、ユーザからチャート種別の選択を受け付ける。ステップS30においてデータ生成部36は、ステップS28でユーザからの選択を受け付けたチャート種別の集計クエリ定義を図4のチャート種別テーブルから読み出し、その集計クエリ定義に従ってデータ集計を行う。
【0048】
例えばデータ生成部36は図4のチャート種別テーブルから読み出した集計クエリ定義のSQLクエリにより、データ記憶部46から生体センサ16の生体情報データ及び外部サービスシステム18のユーザの行動履歴に関するデータを取得し、データ集計を行う。
【0049】
ステップS32においてデータ出力部38は、ステップS28でユーザからの選択を受け付けたチャート種別の集計クエリ定義に従い、データ出力を行う。例えばデータ出力部38は図4のチャート種別テーブルから読み出した集計クエリ定義のSQL結果のカラムを利用したチャート表示の定義により、ステップS30のデータ集計の結果をチャートとして含むUIをユーザ端末14に表示させることができる。
【0050】
なお、集計システム10からユーザ端末14に対するデータ出力は、ダッシュボード上にチャートを表示するような形態であってもよいし、レポートファイルを作成してメール送信するような形態であってもよい。ダッシュボートとは、複数の情報源からデータを取得して、そのデータを加工して表示する画面等である。
【0051】
データ出力部38は、図7又は図8に示すようなチャートを含むUIの画面をユーザ端末14に表示させる。図7及び図8は、チャートを含むUIの画面の一例のイメージ図である。図7及び図8は、ユーザが利用したいチャートを選択可能としたUIの画面例を示している。
【0052】
図7及び図8の画面では、表示領域を2つの欄(ペイン)に分割している。左側の欄1000は、チャート種別メニュー欄である。また、右側の欄1002はチャート表示欄である。チャート種別メニュー欄はユーザ端末14を操作するユーザが選択可能なチャート種別の一覧が表示される。ユーザ端末14を操作するユーザは、チャート表示欄に表示したいチャート種別をチャート種別メニュー欄から選択する。
【0053】
例えば図7はチャート種別メニュー欄に残業ストレス履歴、人事異動履歴、及び運動在宅勤務履歴がチャート種別として表示されており、ユーザ端末14を操作するユーザが残業ストレス履歴及び人事異動履歴を選択した例を示している。ユーザ端末14を操作するユーザがチャート種別メニュー欄から残業ストレス履歴及び人事異動履歴を選択したことにより、チャート表示欄には残業ストレス履歴及び人事異動履歴のチャートが表示されている。
【0054】
図7の画面は、ユーザの生体センサ16から受信したストレス度と、勤怠管理サービスの外部サービスシステム18から取得した残業時間と、を時系列での傾向が分析可能な形で可視化した集計データがチャートとして表示されている。また、図7の画面は、組織管理サービスの外部サービスシステム18から取得した人事異動履歴がチャートとして表示されている。
【0055】
このような2つのチャートが表示された図7の画面は、中長期的な傾向を分析可能な形で可視化している。したがって、図7の画面を参照したユーザは、ユーザの残業時間が長くなるに連れてストレス度が上昇していること、及び組織異動による業務変更が原因である可能性が高そうであること、を分析できる。図7の画面を利用すれば、ユーザのストレス度を軽減する人事配置の検討が可能となる。また、図7の画面に表示した情報を活用することにより、本実施形態に係る集計システム10は、ストレス度の高いユーザの情報の上司や産業医へのアラート通知などが可能となる。
【0056】
また、図8はユーザ端末14を操作するユーザがチャート種別メニュー欄から運動在宅勤務履歴を選択した例を示している。ユーザ端末14を操作するユーザがチャート種別メニュー欄から運動在宅勤務履歴を選択したことにより、チャート表示欄には運動在宅勤務履歴のチャートが表示されている。
【0057】
図8の画面は、ユーザの生体センサ16から受信した日ごとの平均消費カロリーと、勤怠管理サービスの外部サービスシステム18から取得した在宅勤務日数と、を時系列での傾向が分析可能な形で可視化した集計データがチャートとして表示されている。
【0058】
このようなチャートが表示された図8の画面は、中長期的な傾向を分析可能な形で可視化している。したがって、図8の画面を参照したユーザは、在宅勤務による運動不足の傾向を分析できる。図8の画面に表示した情報を活用することにより、本実施形態に係る集計システム10は、在宅勤務による運動不足の傾向が顕著であるユーザを自動で検知して健康上のアドバイスを送信することなどが可能となる。
【0059】
なお、チャート種別メニュー欄に表示されるチャート種別と、チャート表示欄に表示されるチャートの数とは、一対一でなくてもよい。例えばチャート種別メニュー欄に表示される1つのチャート種別が選択された場合に、複数のチャートがチャート表示欄に表示されてもよい。
【0060】
第1の実施形態によれば、生体センサ16及び外部サービスシステム18から取得されるデータに基づいて、ユーザが所望する集計データを提供できる。
【0061】
[第2の実施形態]
第1の実施形態は、集計システム10が生体センサ16から生体情報データを受信していた。第2の実施形態は、生体センサ16から生体情報データを受信して管理している外部サービスシステム18から集計システム10が生体情報データを取得する例である。
【0062】
なお、第2の実施形態は第1の実施形態と一部を除いて同様であるため、適宜説明を省略する。図9は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。図9に示した情報処理システム1は、行動履歴データを管理する外部サービスシステム18と、生体情報データを管理する外部サービスシステム18と、を表している点が図1の情報処理システム1と異なっている。
【0063】
情報処理装置12は、行動履歴データを管理する外部サービスシステム18から取得するユーザの行動履歴に関するデータ(行動履歴データ)及び生体情報データを管理する外部サービスシステム18から取得するユーザの健康に関するデータ(生体情報データ)の集計データをユーザ端末14に表示させるための処理を行う。
【0064】
生体情報データを管理する外部サービスシステム18は、生体センサ16により計測された生体情報データを受信して管理している。生体情報データを管理する外部サービスシステム18は、例えば管理しているユーザの生体情報データを加工、分析、及び可視化してユーザ端末14に表示させるサービスを提供する。
【0065】
第2の実施形態に係る情報処理システム1は例えば図10に示す機能構成により実現される。図10は本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。図10の機能構成図は図3の機能構成と一部を除いて同様であるため、適宜説明を省略する。
【0066】
図10に示す情報処理装置12のデータ取得設定部30は、生体センサ16の生体情報データを外部サービスシステム18から取得するためのデータ取得設定を、ユーザ端末14を操作するユーザから受け付ける。また、データ取得設定部30は、ユーザの行動履歴データを外部サービスシステム18から取得するためのデータ取得設定を、ユーザ端末14を操作するユーザから受け付ける。
【0067】
データ集計設定部32は、データ取得設定に応じて外部サービスシステム18から取得した生体情報データ及び行動履歴データを集計するためのデータ集計設定を、ユーザ端末14を操作するユーザから受け付ける。
【0068】
データ出力部38は、データ生成部36が生成した集計データを出力する。データ出力部38はデータ記憶部46に記憶されている生体情報データ及び行動履歴データを、時系列での傾向が分析可能な形で可視化した集計データを含むUIをユーザ端末14に表示させる。
【0069】
データ取得部40は、取得設定記憶部42に記憶されたデータ取得設定に応じて、生体情報データ及び行動履歴データを外部サービスシステム18から取得する。データ記憶部46はデータ取得部40が取得した生体情報データ及び行動履歴データを、記憶する。その他の機能構成については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
以上、第2の実施形態によれば、外部サービスシステム18から取得されるユーザの行動履歴データ及び生体情報データに基づいて、ユーザが所望する集計データを提供できる。
【0071】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0072】
実施例に記載された装置群は本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。本実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及び、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理システム
10 集計システム
12 情報処理装置
14 ユーザ端末
16 生体センサ
18 外部サービスシステム
30 データ取得設定部
32 データ集計設定部
34 集計項目選択受付部
36 データ生成部
38 データ出力部
39 データ受信部
40 データ取得部
42 取得設定記憶部
44 集計設定記憶部
46 データ記憶部
50 データ送受信部
52 操作受付部
54 表示部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開2021-146053号公報
図1
図2
図3
図4
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図8
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図10