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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140082
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】光源システムおよび画像投影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/16 20060101AFI20230927BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20230927BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
G03B21/16
G03B21/14 A
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045934
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】伴野 眞優
(72)【発明者】
【氏名】松山 敏伸
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA44
2K203LA02
2K203LA12
2K203LA23
2K203LA24
2K203LA26
2K203LA27
2K203LA37
2K203LA53
2K203MA12
5C058AB03
5C058BA35
5C058EA52
(57)【要約】
【課題】光学素子の効率を向上するために発熱部を効率的に冷却できるようにすること。
【解決手段】光源システムは、光を射出する際に発熱する複数の発光発熱部と、光が当たることで発熱する受光発熱部と、発光発熱部の熱を放熱する第1放熱部と、受光発熱部の熱を放熱する第2放熱部と、発光発熱部および受光発熱部を内部に収容する容器とを備え、容器は、互いに対向する第1面および第6面と、互いに対向する第2面および第3面とを有し、2つ以上の発光発熱部が、容器の第1面に設けられており、第1放熱部は、容器の第1面に設けられており、第2放熱部は、容器の第2面および第3面のすくなくともいずれか一方に沿って設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を射出する際に発熱する複数の発光発熱部と、
光が当たることで発熱する受光発熱部と、
前記発光発熱部の熱を放熱する第1放熱部と、
前記受光発熱部の熱を放熱する第2放熱部と、
前記発光発熱部および前記受光発熱部を内部に収容する容器と
を備え、
前記容器は、
互いに対向する第1面および第6面と、互いに対向する第2面および第3面とを有し、
2つ以上の前記発光発熱部が、前記容器の前記第1面に設けられており、
前記第1放熱部は、前記容器の前記第1面に設けられており、
前記第2放熱部は、前記容器の前記第2面および前記第3面のすくなくともいずれか一方に沿って設けられている
光源システム。
【請求項2】
前記容器を収容する筐体を備え、
前記容器は、互いに対向する第4面および第5面を有し、
前記筐体は、
前記容器の前記第2面と対向する第8面と前記容器の前記第2面との間、および、前記容器の前記第3面と対向する第9面と前記容器の前記第3面との間の各々に設けられた第1空間と、
前記容器の前記第4面と対向する第10面と前記容器の前記第4面との間と、前記容器の前記第5面と対向する第11面と前記容器の前記第5面との間との各々に設けられた第2空間と
を有し、
前記第2放熱部は、前記第1空間に設けられており、
前記容器の前記第6面側から平面視したとき、前記第1空間の断面積は、前記第2空間の断面積よりも大きい
請求項1に記載の光源システム。
【請求項3】
前記第1放熱部の一部または全部と、前記第2放熱部の一部または全部とが、同一の気流流路内に配置されている
請求項1または2に記載の光源システム。
【請求項4】
前記第1放熱部は、
受熱板と、
放熱部と、
前記受熱板と前記放熱部との間を熱的に接続する熱輸送部品と
を有し、
前記発光発熱部は、
前記受熱板に取付けられている
請求項1から3のいずれか一項に記載の光源システム。
【請求項5】
前記受光発熱部は、容器の内面に取り付けられており、
前記第2放熱部は、容器の外面、且つ、前記受光発熱部の裏側に取り付けられている
請求項1から4のいずれか一項に記載の光源システム。
【請求項6】
前記受光発熱部は、回転体である
請求項1から5のいずれか一項に記載の光源システム。
【請求項7】
前記容器の内部に設けられた受熱部と、
前記受熱部と第2放熱部との間を熱的に接続する熱輸送部品と
を備える請求項1から6のいずれか一項に記載の光源システム。
【請求項8】
前記第2放熱部は、前記容器の外面に設けられている凸部である
請求項1から7のいずれか一項に記載の光源システム。
【請求項9】
前記第2放熱部は、さらに、前記容器の前記第6面に沿って設けられている
請求項1から8のいずれか一項に記載の光源システム。
【請求項10】
受熱板を備え、
前記受熱板の一方の面に、前記発光発熱部が取り付けられており、
前記受熱板の他方の面に、放熱部が取り付けられている
請求項1から9のいずれか一項に記載の光源システム。
【請求項11】
2つ以上の前記発光発熱部が、1つの受熱板に取付けられている
請求項1から10のいずれか一項に記載の光源システム。
【請求項12】
前記受光発熱部は、
前記容器の前記第2面および前記第3面に沿って配置されている
請求項1から11のいずれか一項に記載の光源システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の光源システムを備える画像投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源システムおよび画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、レーザ光源と蛍光体とを用いて、高輝度の蛍光を出力する目的で、レーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光によって励起されて蛍光を出射する蛍光体が配置された少なくとも2つの蛍光体基板と、少なくとも2つの蛍光体基板の其々から出射された蛍光を空間的に合成する光学素子とを備える構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術は、光学素子の効率を向上するために発熱部を効率的に冷却することができない。
【0004】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、光学素子の効率を向上するために発熱部を効率的に冷却できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、一実施形態に係る光源システムは、光を射出する際に発熱する複数の発光発熱部と、光が当たることで発熱する受光発熱部と、発光発熱部の熱を放熱する第1放熱部と、受光発熱部の熱を放熱する第2放熱部と、発光発熱部および受光発熱部を内部に収容する容器とを備え、容器は、互いに対向する第1面および第6面と、互いに対向する第2面および第3面とを有し、2つ以上の発光発熱部が、容器の第1面に設けられており、第1放熱部は、容器の第1面に設けられており、第2放熱部は、容器の第2面および第3面のすくなくともいずれか一方に沿って設けられている。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る画像処理装置によれば、光学素子の効率を向上するために発熱部を効率的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る画像投影装置の内部構成図
図2図1に示す画像投影装置のA-A断面図
図3】第1実施形態に係る画像投影装置における気流流路を示す図
図4図1示す画像投影装置のA-A断面図
図5】第2実施形態に係る画像投影装置の内部構成図
図6】第3実施形態に係る画像投影装置の内部構成図
図7】第4実施形態に係る画像投影装置の内部構成図
図8図7に示す画像投影装置のB-B断面図
図9】第4実施形態に係る画像投影装置における気流流路を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0009】
〔第1実施形態〕
(画像投影装置100の構成)
図1は、第1実施形態に係る画像投影装置100の内部構成図である。図2は、図1に示す画像投影装置100のA-A断面図である。
【0010】
図1および図2に示すように、画像投影装置100は、発光発熱部101、受光発熱部102、容器110、第1放熱部103、第2放熱部104、第3放熱部105、吸排気口106、および筐体120を備える。なお、これらの構成部品のうち、容器110に取り付けられている構成部品(すなわち、発光発熱部101、受光発熱部102、第1放熱部103、および第2放熱部104)は、「光源システム」を構成する。
【0011】
容器110は、筐体120の内部に設けられており、発光発熱部101および受光発熱部102等の光学部品を内部に収容する部材である。容器110は、直方体形状(すなわち、六面体)を有しており、いずれも平面視にて矩形状の、第1面110-1、第2面110-2、第3面110-3、第4面110-4、第5面110-5、第6面110-6を有して構成されている。第4面110-4および第5面110-5は、互いに対向している。第1面110-1、第2面110-2、第3面110-3、および第6面110-6は、第4面110-4および第5面110-5の四辺に沿って設けられており、第4面110-4および第5面110-5に対して垂直である。第1面110-1および第6面110-6は、互いに対向している。第2面110-2および第3面110-3は、互いに対向している。容器110は、例えば、熱伝導性の高い金属素材が用いられて形成される。これにより、容器110は、発光発熱部101および受光発熱部102の熱を容器110表面からも放熱することが可能となり、放熱効率を高めることができる。なお、容器110は、異物の混入を防止するための防塵機能を備えてもよい。この場合、容器110は、完全に密閉せずに、防塵スポンジ等の通気性のある防塵素材を利用して、当該容器110を構成する複数の部品の隙間を埋めることで、防塵効果と圧力変動を吸収する効果とを両立することが可能となる。また、容器の各面は、一部に他の構成部品(例えば、受熱部、放熱部、発光発熱部101等)が用いられて構成されてもよい。
【0012】
なお、容器110は、直方体形状に限らず、少なくとも、第1面110-1、第2面110-2、および第3面110-3を有するものであれば、その他の形状を有してもよい。例えば、容器110は、全体的に略直方体形状であるが、直方体形状の一部が改変された形状であってもよい。例えば、容器110は、直方体の一つの角が取られた状態の五角柱形状、容器110より大きい受光発熱部を覆うように一部(第4面110-4、第5面110-5等)が突出した形状等であってもよい。
【0013】
発光発熱部101は、容器110の内部に設けられており、光を射出する際に発熱する部材である。発光発熱部101としては、例えば、レーザ光源(LD)、LED等の固体光源が挙げられる。一般的に光源には許容温度上限が設定されており、その温度以下に冷却することが必要である。また、温度が高いほど光利用効率(消費電力のうち光出力として使われるエネルギーの割合)が下がる特性を持っている。そのため、高輝度の光源システムを成立させる上では、許容温度上限以下であっても、できるだけ温度が低くなるように冷却することが望ましい。そこで、第1実施形態では、図1に示すように、2つの発光発熱部101が、容器110の第1面110-1に設けられている。
【0014】
受光発熱部102は、容器110の内部に設けられており、光が当たることで発熱する部材である。受光発熱部102としては、例えば、蛍光体、カラーフィルタ等が挙げられる。受光発熱部102は、例えば、ベース部材に、光変換、波長フィルタ等の機能を備えて構成される。この場合、ベース部材は、回転体であってもよく、静止部材であってもよい。また、ベース部材は、光透過部材であってもよく、反射部材であってもよい。第1実施形態では、図1および図2に示すように、1つの受光発熱部102が、容器110の第2面110-2に設けられており、他の1つの受光発熱部102が、容器110の第3面110-3に設けられている。なお、容器110と受光発熱部102との間には、保持部品等が設けられてもよい。但し、容器110と受光発熱部102とは、熱的に互いに接続されていることが好ましい。
【0015】
第1放熱部103は、容器110の外側に設けられており、主に発光発熱部101の熱を放熱する部材である。第1放熱部103は、受熱板103A、熱輸送部品103B、および放熱部103Cを有する。受熱板103Aは、発光発熱部101の熱を受熱する。熱輸送部品103Bは、発光発熱部101の熱を、受熱板103Aから放熱部103Cに伝熱する。熱輸送部品103Bとしては、例えば、ヒートパイプが用いられる。放熱部103Cは、発光発熱部101の熱を放熱する。第1実施形態では、放熱部103Cとして、伝熱面積拡大のため、フィン形状のヒートシンクを用いているが、これに限らない。第1放熱部103は、熱輸送部品103Bを有することより、熱伝導のみのヒートシンクを使った場合に比べて熱抵抗を下げることができ、冷却効率を高めることが可能となる。なお、第1放熱部103の各構成部品間は、熱伝導率が空気よりも大きい部材(例えば、熱伝導グリース、熱伝導シート、金属ろう付け等)で接続されていることが好ましい。第1実施形態では、画像投影装置100は、2つの第1放熱部103(103-1,103-2)を備える。また、第1実施形態では、図1に示すように、2つの第1放熱部103の各々の受熱板103Aが、容器110の第1面110-1に設けられている。
【0016】
第2放熱部104は、容器110の外側に設けられており、主に受光発熱部102の熱を放熱する部材である。第1実施形態では、第2放熱部104として、伝熱面積拡大のため、フィン形状のヒートシンクを用いているが、これに限らない。なお、フィン形状とは、少なくとも凹凸を有するものであればよく、プレートフィン、ピンフィン、コルゲートフィン等を含む。第1実施形態では、図1および図2に示すように、1つの第2放熱部104-1が、容器110の第2面110-2に設けられており、他の1つの第2放熱部104-2が、容器110の第3面110-3に設けられている。これにより、第1実施形態では、受光発熱部102を、容器110の第2面110-2および容器110の第3面110-3を介して、第2放熱部104に熱的に接続することができるため、受光発熱部102の熱を熱伝導のみの熱経路によって第2放熱部104から効率的に放熱できる。
【0017】
第3放熱部105は、画像形成パネル125の裏側において、画像形成パネル125と熱的に接続されて設けられており、主に画像形成パネル125の熱を放熱する。第3放熱部105としては、例えば、ヒートシンク、ヒートパイプモジュール、液冷、ペルチェ素子等が挙げられる。
【0018】
吸排気口106は、画像投影装置100の筐体120の内側に外気を取り込み、その外気に第1放熱部103や第2放熱部104からの熱を伝熱させ、高温になった外気を筐体120の外部へ排出することで、筐体120内の熱を放熱する役割を担う。吸排気口106は、二か所以上設けられていることが好ましい。第1実施形態では、図1に示すように、筐体120の第7面120-7に吸排気口106-2が設けられており、筐体120の第12面120-12に、吸排気口106-1が設けられている。また、各吸排気口106には、気流発生装置106Aが設けられている。
【0019】
(画像投影装置100における光の経路)
ここで、図1を参照して、第1実施形態に係る画像投影装置100における光の経路を説明する。ここでは、一例として、発光発熱部101に青色レーザ光源を用い、受光発熱部102に蛍光体ホイールを用いた場合を説明する。
【0020】
容器110の第1面110-1に設けられた発光発熱部101から出射されたレーザ光は、光学レンズ121、ミラー122等の複数の光学部品を通過して、受光発熱部102に照射されることで、受光発熱部102によって蛍光が生成される。
【0021】
画像投影装置100は、発光発熱部101から受光発熱部102に至る光路を2組有しており、2組の光路によって生成された2つの蛍光が、合成プリズム123で合成されて、ライトトンネル124を通り、容器110の第6面110-6から、容器110の外部に設けられている、空間108へ出射される。
【0022】
空間108に出射された蛍光の合成光は、空間108に設けられている画像形成パネル125に入射される。これにより、画像形成パネル125によって画像が形成され、投射系126から当該画像が投影される。
【0023】
(画像投影装置100における気流流路)
図3は、第1実施形態に係る画像投影装置100における気流流路を示す図である。第1実施形態に係る画像投影装置100において、例えば、吸排気口106-1から吸気し吸排気口106-2で排気する場合、画像投影装置100における気流流路は、図3に示すように、気流流路1,2を有するものとなる。
【0024】
気流流路1では、吸排気口106-1から気流発生装置106Aによって吸気された空気が、電子基板109、投射系126、第2放熱部104-1、第1放熱部103-1の順に冷却し、気流発生装置106Aによって吸排気口106-2から排気される。
【0025】
気流流路2では、吸排気口106-1から気流発生装置106Aによって吸気された空気が、電子基板109、第3放熱部105、第2放熱部104-2、第1放熱部103-2の順に冷却し、気流発生装置106Aによって吸排気口106-2から排気される。
【0026】
なお、画像投影装置100は、吸排気口106-2から吸気して、吸排気口106-1から排気するように構成されてもよい。この場合、画像投影装置100における気流流路は、図3に示す気流流路と逆向きになる。
【0027】
(効果)
図1に示すように、第1実施形態に係る画像投影装置100は、容器110の第1面110-1に、発光発熱部101と、第1放熱部103(受熱板103A)とが設けられている。これにより、第1実施形態に係る画像投影装置100は、発光発熱部101の熱を、容器110の第1面110-1、および、第1放熱部103(受熱板103A、熱輸送部品103B)を介して、第1放熱部103(放熱部103C)から効果的に放熱することができる。
【0028】
第1放熱部103に熱輸送するための熱輸送部品103Bは、図1のとおり平面視したときに曲げが無いため、例えばヒートパイプのように曲げ回数が増えるほど最大熱輸送量が落ちるような熱輸送部品103Bを用いる場合には、最大熱輸送量を大きく確保することが可能となる。このため、第1実施形態に係る画像投影装置100は、発光発熱部101の発熱量の許容上限が大きくすることができ、発光発熱部101の発光量を大きくすることができるため、より明るい光出力の光源装置を実現することが可能である。
【0029】
また、第1実施形態に係る画像投影装置100は、容器110の第2面110-2に沿って第1放熱部103-1および第2放熱部104-1が設けられており、容器110の第3面110-3に沿って第1放熱部103-2および第2放熱部104-2が設けられている。
【0030】
なお、第1放熱部103-1および第2放熱部104-1が容器110の第2面110-2に沿うということは、具体的には、容器110の第2面110-2と筐体120の第8面120-8との間の空間に、第1放熱部103-1および第2放熱部104-1が配置されていることを意味する。
【0031】
同様に、第1放熱部103-1および第2放熱部104-1が容器110の第3面110-3に沿うということは、具体的には、容器110の第3面110-3と筐体120の第9面120-9との間の空間に、第1放熱部103-1および第2放熱部104-1が配置されていることを意味する。
【0032】
これにより、第1実施形態に係る画像投影装置100は、筐体120内(図3に示す気流流路1,2)を滞留無く流れる空気により、第1放熱部103および第2放熱部104を効果的に冷却することができる。
【0033】
このように、第1実施形態に係る画像投影装置100は、第2放熱部104の冷却効率を高めることができるため、受光発熱部102の温度上昇をより抑制することができる。例えば、受光発熱部102が蛍光体の場合、蛍光体温度が低いほど、光変換効率が高いため、一定の励起光量であってもより多くの蛍光を発生させることができ、明るい光出力の光源装置を実現することが可能である。
【0034】
また、第1実施形態に係る画像投影装置100は、第1放熱部103の一部または全部と、第2放熱部104の一部または全部とが、同一の気流流路内に配置されている。これにより、第1実施形態に係る画像投影装置100は、筐体120内を通る冷却風によって、第1放熱部103および第2放熱部104から集中的に放熱することができ、第1放熱部103および第2放熱部104の放熱効率を高めることができる。
【0035】
また、第1実施形態に係る画像投影装置100は、発光発熱部101が、受熱板103Aに取り付けられており、受熱板103Aと放熱部103Cとの間が、熱輸送部品103Bで熱的に接続されている。これにより、第1実施形態に係る画像投影装置100は、放熱部103Cを気流が当たりやすい場所に配置することが可能となり、発光発熱部101の冷却性能を高めることができる。
【0036】
また、第1実施形態に係る画像投影装置100は、受光発熱部102は、容器110の内面に取り付けられており、第2放熱部104が、容器110の外面、且つ、受光発熱部102の裏側に取り付けられている。これにより、第1実施形態に係る画像投影装置100は、受光発熱部102の熱を容器110を介して第2放熱部104に熱伝導することができ、受光発熱部102と第2放熱部104との間の熱抵抗を小さくできるため、受光発熱部102の冷却性能を高めることができる。
【0037】
(画像投影装置100の空間構成)
図4は、図1示す画像投影装置100のA-A断面図である。
【0038】
図4に示すように、第1実施形態に係る画像投影装置100は、筐体120の第8面120-8と、容器110の第2面110-2との間に、第1空間A1を有する。第1空間A1には、第2放熱部104-1が配置されている。
【0039】
また、図4に示すように、第1実施形態に係る画像投影装置100は、筐体120の第9面120-9と、容器110の第3面110-3との間に、第1空間A2を有する。第1空間A2には、第2放熱部104-2が配置されている。
【0040】
また、図4に示すように、第1実施形態に係る画像投影装置100は、筐体120の第10面120-10と、容器110の第4面110-4との間に、第2空間B1を有する。
【0041】
また、図4に示すように、第1実施形態に係る画像投影装置100は、筐体120の第11面120-11と、容器110の第5面110-5との間に、第2空間B2を有する。
【0042】
なお、第2空間B1および第2空間B2には、第2放熱部104が配置されていない。
【0043】
第1実施形態に係る画像投影装置100は、容器110の外面と筐体120の内面の間の第1空間A1,A2に第1放熱部103および第2放熱部104を設けることで、第1空間A1,A2がダクトの機能を果たし、ダクトを別途設けなくても第1放熱部103および第2放熱部104に積極的に冷却風を当てることができ、放熱効率を高めることができる。
【0044】
ここで、第1実施形態に係る画像投影装置100は、図4に示すように、容器110の第6面110-6側から平面視したとき、第1空間A1,A2の断面積が、第2空間B1,B2の断面積よりも大きい。これにより、第1実施形態に係る画像投影装置100は、第1空間A1,A2に気流が流れやすくなるため、第1空間A1,A2に配置された第1放熱部103および第2放熱部104に冷却風を積極的に当てることができ、放熱効率を上げることができる。
【0045】
〔第2実施形態〕
図5は、第2実施形態に係る画像投影装置100-2の内部構成図である。以下、第2実施形態に係る画像投影装置100-2に関し、第1実施形態に係る画像投影装置100からの変更点を説明する。
【0046】
第2実施形態に係る画像投影装置100-2では、受光発熱部102は、容器110内に設けられている部品に取付けられている。このため、第2実施形態に係る画像投影装置100-2では、受光発熱部102の熱が容器110内の空気に熱伝達する割合が大きく、容器110内の空気から容器110外の空気への伝熱効率を高めることが好ましい。
【0047】
そこで、第2実施形態に係る画像投影装置100-2では、熱輸送部品111を使用して、容器110内の空気の熱を、第2放熱部104に伝熱する構成を有する。具体的には、容器110内の受熱部112が、容器110内の空気の熱を受熱する。そして、熱輸送部品111が、受熱部112によって受熱された熱を、第2放熱部104へ伝熱する。さらに、第2放熱部104が、伝熱された熱を、容器110外の空気へ放熱する。
【0048】
熱輸送部品111には、例えば、ヒートパイプなどの流体を用いたものであることが好ましい。
【0049】
これにより、第2実施形態に係る画像投影装置100-2は、容器110内の空気から第2放熱部104までの熱抵抗を小さくすることができ、受光発熱部102の冷却性能を高めることができる。
【0050】
なお、第2実施形態に係る画像投影装置100-2は、容器110内に気流発生装置を設けてもよい。これにより、第2実施形態に係る画像投影装置100-2は、容器110内の空気から受熱部112への熱伝達率を高めることができる。
【0051】
なお、第2実施形態に係る画像投影装置100-2は、第2放熱部104の熱輸送部品111は容器110の第6面110-6に取付けられているが、第2放熱部104-1は容器110の第2面110-2に沿って配置され、第2放熱部104-2は容器110の第3面110-3に沿って配置されている。このため、第2実施形態に係る画像投影装置100-2は、第2放熱部104を容器110の第6面110-6に沿って配置した場合と比べて第2放熱部104に気流が通りやすくなり、第2放熱部104による放熱能力を高めることができる。
【0052】
また、第2実施形態に係る画像投影装置100-2は、受光発熱部102が、回転体であってもよい。この場合、第2実施形態に係る画像投影装置100-2は、受光発熱部102から容器110内への空気への熱伝達率が上がり、受光発熱部102の冷却効率を高めることができる。
【0053】
〔第3実施形態〕
図6は、第3実施形態に係る画像投影装置100-3の内部構成図である。以下、第3実施形態に係る画像投影装置100-3に関し、第1実施形態に係る画像投影装置100からの変更点を説明する。
【0054】
第3実施形態に係る画像投影装置100-3は、第2放熱部104が、容器110と一体的に形成されている。すなわち、第3実施形態に係る画像投影装置100-3は、容器110が有する凸部が、第2放熱部104として機能する。これにより、第3実施形態に係る画像投影装置100-3は、容器110と第2放熱部104の間の接触熱抵抗を下げることができるため、受光発熱部102の冷却効率を高めることができる。さらに、第3実施形態に係る画像投影装置100-3は、部品点数が減るため、低コスト化を実現することができる。
【0055】
第3実施形態に係る画像投影装置100-3は、容器110の第6面110-6にも、第2放熱部104として機能する凸部が設けられている。これにより、第3実施形態に係る画像投影装置100-3は、容器110の第6面110-6からも、受光発熱部102の熱を放熱することができる。
【0056】
また、第3実施形態に係る画像投影装置100-3は、吸排気口106-1に、気流発生装置106Aが設けられていない。このように、気流発生装置106Aは、吸排気口106-1,106-2のいずれか一方のみに設けられてもよい。
【0057】
〔第4実施形態〕
図7は、第4実施形態に係る画像投影装置100-4の内部構成図である。図8は、図7に示す画像投影装置100-4のB-B断面図である。図9は、第4実施形態に係る画像投影装置100-4における気流流路を示す図である。以下、第4実施形態に係る画像投影装置100-4に関し、第1実施形態に係る画像投影装置100からの変更点を説明する。
【0058】
図7に示すように、第4実施形態に係る画像投影装置100-4は、発光発熱部101が取り付けられている受熱板103Aの対面に、放熱部103Cが追加で設けられている。
【0059】
これにより、第4実施形態に係る画像投影装置100-4は、発光発熱部101の近傍に追加の放熱部103Cを有するため、発光発熱部101と追加の放熱部103Cとの間の熱抵抗を小さくすることができ、よって、発光発熱部101の冷却性能を高めることができる。
【0060】
また、第4実施形態に係る画像投影装置100-4は、発光発熱部101の熱を3つの放熱部103Cから放熱できるため、放熱面積が増え、発光発熱部101の冷却能力を高めることができる。
【0061】
さらに、図8に示すように、第4実施形態に係る画像投影装置100-4は、追加で設けられた放熱部103Cに対して冷却のための空気を供給するため、筐体120の第11面120-11に、吸排気口106-3を追加で設けている。
【0062】
これにより、第4実施形態に係る画像投影装置100-4は、図9において矢印で示すように、追加で設けられた放熱部103Cへの気流を発生させ、放熱部103Cによる放熱能力を高めることができる。
【0063】
吸排気口106-3の設置先は、筐体120の第11面120-11に限らない。
【0064】
例えば、追加で設けられた放熱部103Cがプレートフィンタイプのヒートシンクである場合、プレートフィンの面が筐体120の第8面120-8および第9面120-9に沿った配置であれば、フィン間に気流が流れやすいように、吸排気口106-3は、筐体120の第10面120-10および第11面120-11の一方または双方に設けられてもよい。
【0065】
また、例えば、プレートフィンの面が筐体120の第10面120-10および第11面120-11に沿った配置であれば、フィン間に気流が流れやすいように、吸排気口106-3は、筐体120の第8面120-8および第9面120-9の一方または双方に設けられてもよい。
【0066】
但し、追加で設けられる放熱部103Cは、少なくとも凹凸があればよく、プレートフィン、ピンフィン、コルゲートフィン等を含む。
【0067】
なお、第4実施形態に係る画像投影装置100-4は、1枚の受熱板103Aに2つの発光発熱部101が取り付けられているため、2つの発光発熱部101の温度差を小さくすることができる。
【0068】
例えば、発光発熱部101がレーザ光源である場合、レーザ光源は温度によって光利用効率が変化する特性を持っているため、2つの発光発熱部101の温度差が小さくなることで、2つの発光発熱部101の発光量の差が小さくなる。このため、第4実施形態に係る画像投影装置100-4は、より均一な画像を投影することができる。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
100,100-2,100-3,100-4 画像投影装置
101 発光発熱部
102 受光発熱部
103,103-1,103-2 第1放熱部
103A 受熱板
103B 熱輸送部品
103C 放熱部
104,104-1,104-2 第2放熱部
105 第3放熱部
106,106-1,106-2,106-3 吸排気口
106A 気流発生装置
108 空間
109,109-2 電子基板
110 容器
110-1 第1面
110-2 第2面
110-3 第3面
110-4 第4面
110-5 第5面
110-6 第6面
111 熱輸送部品
112 受熱部
120 筐体
120-7 第7面
120-8 第8面
120-9 第9面
120-10 第10面
120-11 第11面
120-12 第12面
121 光学レンズ
122 ミラー
123 合成プリズム
124 ライトトンネル
125 画像形成パネル
126 投射系
A1,A2 第1空間
B1,B2 第2空間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特許第6783545号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9