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▶ カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140338
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】マスク修復のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/74 20120101AFI20230927BHJP
【FI】
G03F1/74
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023044937
(22)【出願日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】10 2022 202 803.1
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2022 210 492.7
(32)【優先日】2022-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン フェリクス ヘルマンス
(72)【発明者】
【氏名】ペトラ シュピース
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル リノウ
(72)【発明者】
【氏名】マクシミリアン ラムラー
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】ファン トゥ
(72)【発明者】
【氏名】ラウラ アーメルス
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ヘルド
【テーマコード(参考)】
2H195
【Fターム(参考)】
2H195BA01
2H195BA07
2H195BA10
2H195BD32
2H195BD35
2H195BD36
(57)【要約】
【課題】リソグラフィー対象物を処理するための方法、装置およびコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示は、リソグラフィー対象物を処理するための方法、装置およびコンピュータプログラムに関する。より具体的には、本発明は、材料を除去する方法、対応する装置およびウエハーのリソグラフィー処理のための方法、ならびに本方法を実施するためのコンピュータプログラムに関する。リソグラフィー対象物を処理するための方法は、例えば、第1の分子を含む第1のガスを提供するステップ、第1のガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内の第1の材料を除去するために、対象物の作動領域内に粒子ビームを提供するステップを含み、第1の材料がルテニウムを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィー対象物を処理するための方法であって、
第1の分子を含む第1のガスを提供するステップ、
第1のガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内の第1の材料を除去するために、対象物の作動領域内に粒子ビームを提供するステップ、
を含み、第1の材料がルテニウムを含む、方法。
【請求項2】
作動領域内の第1の材料が完全に除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の材料が、対象物に伴う放射線を吸収することが可能である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1の材料が、対象物のパターン素子の層材料に対応する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第1の材料が少なくとも第2の元素をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第2の元素が、以下:金属、半導体のうちの少なくとも1種を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第2の元素が、以下:タンタル、クロム、窒素、酸素のうちの少なくとも1種を含む、請求項5および6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ルテニウムが第2の元素と共に化学化合物を形成する、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第1の材料に隣接する第2の材料が除去により作動領域内で少なくとも部分的に曝露されるような方式で実行される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第1の材料および第2の材料が少なくとも1種の元素において異なる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2の材料がタンタルおよび/またはタンタル化合物を含む、請求項9および10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
作動領域内の第2の材料を除去することをさらに含む、請求項9~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
第2の材料に隣接する第3の材料が、第2の材料を除去することにより作動領域内で少なくとも部分的に曝露されるような方式で実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第3の材料がルテニウムを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の材料および第3の材料が同じ元素を含む、請求項13および14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
第2の材料および/または第3の材料が、対象物のパターン素子の層材料および/または反射層スタックのキャッピング層の材料に対応する、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
第1の分子がハロゲン原子を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
第1の分子が希ガスハロゲン化物を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
希ガスハロゲン化物が、以下:二フッ化キセノン、XeF2、二塩化キセノン、XeCl2、四フッ化キセノン、XeF4、キセノン六フッ化物、XeF6のうちの少なくとも1種を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第2の分子を含む第2のガスを提供するステップをさらに含み、第1の材料の除去がまた第2のガスに少なくとも部分的に基づく、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
第2の分子に伴う双極子モーメントが、少なくとも1.6D、好ましくは少なくとも1.7D、より好ましくは少なくとも1.8D、最も好ましくは少なくとも1.82Dを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
第2の分子が水、H2O、および/または重水、D2Oを含む、請求項19および21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
粒子ビームが、3kV未満、好ましくは1kV未満、より好ましくは0.6kV未満の加速電圧に少なくとも部分的に基づく、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
第1のガスおよび/または第2のガスに伴う温度に少なくとも部分的に基づき、温度が0℃(273.15K)未満、好ましくは-5℃(268.15K)未満、より好ましくは-10℃(263.15K)未満、最も好ましくは-15℃(258.15K)未満である、請求項20~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
粒子ビームが電子ビームを含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
対象物の欠陥が修復されるような方式で実行される、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
対象物がEUVマスクおよび/またはDUVマスクを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
リソグラフィー対象物を処理するための装置であって、
第1のガスを提供する手段、
対象物の作動領域内に粒子ビームを提供する手段
を含み、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法を実施するために構築される、装置。
【請求項29】
請求項1~27のいずれか1項に記載の方法で処理されている、リソグラフィー対象物。
【請求項30】
半導体ベースのウエハーを処理するための方法であって、
リソグラフィー対象物に伴うパターンをウエハーにリソグラフィー転写するステップを含み、対象物が請求項1~27のいずれか1項に記載の方法により処理されている、方法。
【請求項31】
コンピュータシステムで実行された場合、コンピュータシステムに請求項1~27および/または請求項30のいずれか1項に記載の方法を実施させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、German Patent and Trade Mark Officeに2022年3月22日出願した、「Verfahren und Vorrichtung zur Maskenreparatur」という表題のドイツ特許出願DE102022202803.1の優先権を主張する。ドイツ特許出願DE102022202803.1は、その全体が本特許出願に参照により組み込まれている。本特許出願は、2022年10月4日にGerman Patent and Trade Mark Officeに出願し、「Verfahren und Vorrichtung zur Maskenreparatur」という表題のドイツ特許出願DE102022210492.7の優先権をさらに主張する。ドイツ特許出願DE102022210492.7は、その全体が本特許出願に参照により組み込まれている。
【0002】
本発明は、リソグラフィー対象物の処理のための方法、装置およびコンピュータプログラムに関する。より具体的には、本発明は、材料を除去するための方法、対応する装置およびウエハーのリソグラフィー処理のための方法、ならびに本方法を実施するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体業界では、ウエハー上に生成される構造が次第に小さくなることによって、集積度が確実に増加している。構造を生成するためにここで使用されている方法の中にはリソグラフィック法があり、これはこれらの構造をウエハー上に結像(image)するものである。リソグラフィック法は、例えば、フォトリソグラフィー、紫外線(UV)リソグラフィー、DUVリソグラフィー(すなわち、深紫外線スペクトル領域におけるリソグラフィー)、EUVリソグラフィー(すなわち、極紫外線スペクトル領域におけるリソグラフィー)、X線リソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィーなどを含むことができる。マスクは普通、ここでリソグラフィー対象物(例えば、フォトマスク、曝露マスク、レチクル、ナノインプリントリソグラフィーの場合にはスタンプなど)として使用されており、これは、例えば、所望の構造をウエハーに結像(image)するためのパターンを含む。
【0004】
リソグラフィック方法の過程で、マスクは、高い物理的および化学的応力(例えば、マスクの曝露、マスククリーニングなど)に曝され得る。したがって、マスク材料の安定性に対して高い要求が生じている。時間の経過と共に、特定のマスク材料が特定のマスク構造(例えば、放射線吸収性および/または位相マスク構造のためのタンタルまたはクロム)に対して確立されている。例えば、マスク材料は、マスク内に層厚さの薄い吸収体および/またはマスク構造の特定の位相シフト特性が存在するように設計することができる。しかし、リソグラフィーにおける技術開発が前進するにつれて、マスク材料に対する高い要求はさらにより激しいものとなり得る。それでもやはりレジスタントマスク材料が、例えば、放射線吸収性および/または位相シフト特性を確実に有するように、代替のマスク材料およびそれをベースとしたマスクの生成がリソグラフィーの分野で最近検討されている。
【0005】
例えば、米国特許出願公開第2021/0223681号は、反射型マスクのシャドウイング効果をさらに減少させることができ、微細で、極めて正確な位相シフトパターンを形成することができる反射型マスクの生成を対象とする。これは基材、反射型多層膜および位相シフト膜を有する。位相シフト膜は第1の層および第2の層を有する。第1の層は、以下:タンタルおよびクロムうちの少なくとも1種を含有する材料を含む。第2の層は、ルテニウムおよび以下:クロム、ニッケル、コバルト、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、レニウムのうちの少なくとも1種を含有する金属含有材料を含む。1つの構成では、保護層は、反射型多層と位相シフト膜との間に含まれ、保護層はルテニウムを含有し、第1および第2の層はその配列の保護層の上に層状化されている。
【0006】
米国特許第10481484号は、反射型多層膜、保護膜および位相シフト膜を含む反射型マスクの生成を対象とし、これらの膜は、その配列で基材上に形成される。保護膜は、その主成分としてルテニウムを含有する材料、およびルテニウムおよび酸素を含有する抗拡散層から作製される。抗拡散層は保護膜の1つの表面上に形成されるか、または位相シフト膜に隣接する側に保護膜の一部として形成され、これによって、保護膜と、位相シフト膜の材料との間の熱的拡散を防ぐ。
【0007】
国際出願第2021/100383号は、位相シフト膜を有する反射型マスクブランクを開示しており、この反射型マスクブランクでは、位相シフト膜の厚さがたとえ変化した場合でも、位相シフト膜の位相差分および/または反射率における変化は小さい。反射型マスクブランクは、基材の主要表面上に提供され、反射型多層膜および位相シフト膜は特定された配列で提供される。反射型マスクブランクは、位相シフト膜が下層および最上層を有することを特徴とし、下層は最上層と、多層反射型膜との間に配置される。下層は、90原子パーセントもしくはそれよりも多くのルテニウムおよびクロムの全含有量を有する材料、または90原子パーセントもしくはそれよりも多くのルテニウム、クロムおよび窒素の全含有量を有する材料から形成される。最上層は、90原子パーセントまたはそれよりも多くのルテニウム、クロムおよび酸素の全含有量を有する材料から形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0223681号
【特許文献2】米国特許第10481484号
【特許文献3】国際出願第2021/100383号
【発明の概要】
【0009】
しかし、マスクの不良は一般的に複雑なマスクの生成において排除することができないので、マスク材料はマスク上に(局所的な)マスクの不良(例えば、欠陥、過剰材料、変形材料、粒子の重ね合わせなど)も形成し得る。しかし、マスク修理の既存の方法は、工業的に長く確立されたマスク材料専用に設計されてきた。したがって、新規の材料を用いたマスクの生成に対する要求は極めて高いものである。
【0010】
したがって、本発明の目的はこの状況を改善することにある。
【0011】
この目的は、本発明の様々な態様により少なくとも部分的に達成される。
【0012】
本発明の第1の態様は、リソグラフィー対象物を処理するための方法に関する。第1の態様において、本方法は、第1の分子を含む第1のガスを提供するステップを含む。本方法は、第1のガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内の第1の材料を除去するために、対象物の作動領域内に粒子ビームを提供するステップをさらに含み、第1の材料はルテニウムを含む。
【0013】
本発明は、化学的および/または物理的応力の下で除去に抵抗性があるように設計されているリソグラフィー対象物上の材料を除去する問題に対処する。
【0014】
リソグラフィーにおける現在および将来の要求に対して正当に向き合うため、リソグラフィーの対象物の構造体がルテニウム含有材料から生成されるべきであるかどうかについて最近議論されている。ルテニウム含有材料のおかげで、それから形成される構造体は、対象物において、リソグラフィーの要求に対してより高い化学的安定性を有することができる。対象物の構造体は、例えば、対象物における長さ、幅および/もしくは高さ、トポロジーステップ、上昇、陥没に関して3次元設計された形状、または対象物の平坦な面に対して任意の位相幾何学的誤差を含むことができる。例えば、ルテニウム含有材料は、リソグラフィーのための対象物における構造体の少なくとも1つの層を占めることができる。
【0015】
ルテニウム含有材料は化学的/物理的な影響下での第1の材料の除去を明示的に防ぐために特別に設計することができる。ルテニウム含有材料はまた、ルテニウム含有材料が、持続したまたは定期的な化学的/物理的応力下でも、その上に形成されたマスク構造体の除去/摩耗を防ぐようにここで設計することができる。ルテニウム含有材料は、例えば、リソグラフィー法の極端な条件に対して設計することができ、対象物はこの極端な条件下でリソグラフィーに対して使用されることになる。例えば、対象物は、リソグラフィー法の間、(ダメージを与える)プラズマに曝露され得る。例えば、リソグラフィー法により、対象物を水素環境(例えば、欠陥防止のため)に曝露することが必要ともなり得る。対象物のリソグラフィーへの曝露の場合、対象物の材料に作用する可能性のある遊離水素基を有する(寄生)反応性の高い水素プラズマの放出が存在し得る。プラズマは対象物に対する高度な化学的/物理的応力を構成し、材料の除去および対象物の材料にダメージを引き起こす可能性がある(例えば、プラズマエッチングと類似の方式で)。しかし、材料除去作用は、対象物の特性に悪影響を及ぼし、したがってリソグラフィー法の品質に悪影響を及ぼす可能性があるので、リソグラフィー対象物において望ましくない。したがって、対応するマスク構造体のルテニウム含有材料は、プラズマの材料除去作用(例えば、特に反応性の高い水素プラズマ)に対して、第1の材料が確実に高い抵抗性を有するように(明示的に)設計されている。さらに、対象物はリソグラフィーにおいて他の多くの機械的/化学的影響の対象下におかれ得るので、これは対象物にダメージを与える可能性がある(例えば、プラズマの作用と組み合わせて)。例えば、ダメージを与える他の影響として、激しい温度変動、放射線への曝露、および対象物のパージガスとの化学反応を挙げることができる。したがって、ルテニウム含有材料は通常、ルテニウム含有材料の機械的/化学的摩耗および除去がさらに困難となるように、リソグラフィーにおける材料の不利な除去作用の総計と基本的に反作用するように設計することができる。
【0016】
このようなルテニウム含有材料は、粒子ビーム誘起方式で除去して、過剰の材料により引き起こされるあらゆる欠陥を補正することができることを発明者らは認識している。したがって、本発明の概念のベースは、粒子ビームベースの処理を介して、除去に抵抗性があるように特別に設計されている材料を除去することにある。発明者らはここで、リソグラフィー対象物中のルテニウム含有材料は、提供されたガスおよび提供された粒子ビームの助けを借りて(例えば、粒子ビーム誘起エッチングを介して)除去することができるという予期せぬ発見に遭遇した。これは発明者らにとって驚くべき発見であった。なぜなら、第1の材料(リソグラフィーの侵攻性条件に抵抗性がある)が粒子ビームベースの方式で処理することができる、または除去さえできる(例えば、プラズマを使用することなく)ことは予測できなかったからである。発明者らにとって追加的に、この発見に到達することは困難であった。なぜなら、一般的な意見によると、ルテニウムは、(粒子ビームベースの)エッチング処理において下位層を保護するために、リソグラフィー対象物において除去不可能な保護層として以前から知られているからである。加えて、抵抗性のある(ルテニウム含有)第1の材料を考慮すると、第1の材料の粒子ビームベースの除去の場合、第1の分子を含むガスを提供すれば十分であるとは、発明者らは予想していなかった。本発明によると、必ずしも複雑なガス混合物に頼る必要はない(例えば、抵抗性のある材料に対して設計された異なる種類の分子を含むガス混合物)。これは、粒子ビームを減少させた除去における複雑性を減少させ、その結果、例えば、本発明による方法のより簡単な処理制御を確実に可能にすることができる(これは、例えば、単一のガスを提供することは、例えば、2種またはそれよりも多くの異なるガスのガス混合物を提供することよりも、技術的導入に対する要求が低くて済むからである)。したがって、本発明は、ルテニウム含有材料(抵抗性のある)で作製されたマスク構造体を有するリソグラフィー対象物の処理を可能にする。第1の材料は、例えば、この第1の材料が、(UV、例えばEUVまたはDUV)マスククリーニング操作において行われる少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100またはさらに少なくとも1000のクリーニングサイクルに本質的に変化なしで耐えるように(例えば、第1の材料をマスクのパターン素子の一部として有するマスクの場合、いかなる印刷可能な誤差もクリーニングサイクルにより生じないように)設計することができる。
【0017】
本明細書に記載されているリソグラフィー対象物は、この場合リソグラフィーマスクを含むことができる。リソグラフィーマスクは、半導体ベースのチップの生成のための(例えば、半導体ベースのウエハーの曝露により)リソグラフィーに使用することができるように設計することができる。リソグラフィーマスクはまた、電磁放射線源(あらゆる波長のもの)およびリソグラフィーマスクに包含されたパターンに基づき、像を結像(image)することができるあらゆる種類のリソグラフィーマスクを含むことができる。像はパターンの変換を含むことができる。リソグラフィーマスクは、例えば、EUVマスク、DUVマスク、UVマスク、X線リソグラフィーマスク、バイナリーマスク、位相シフトマスクなどを含むことができる。加えて、リソグラフィーマスクはまた、ナノインプリントリソグラフィースタンプ、またはリソグラフィーマスクを含むことができ、これらは粒子源に基づきパターンを結像(image)することができる。
【0018】
1つの例では、第1の態様における方法において、第1の材料(のみ)が作動領域内で部分的に除去される。例えば、本方法は、第1の材料の(部分的)除去後、第1の材料が作動領域内に依然として存在するような方式で実行することができる。例えば、本方法(本明細書に記載されている)は、作動領域内の第1の材料のかなりの部分を除去することができる。これは、例えば、第1の材料の1つまたは複数の層を除去することを含むことができる。さらなる例では、除去により、第1の材料のトポロジーステップ(例えば、局所的陥没、エッジなど)を生成することができる。除去(本明細書に記載されている)は、純粋な表面調整操作、または第1の材料の粗化(例えば、第1の材料がエッチング停止層として使用された場合に生じ得る)とは対照的に、材料の制御された有効な除去とみなすことができる。例えば、除去は、少なくとも10nm、少なくとも20nmまたは少なくとも25nmの深さにわたり実行することができる。
【0019】
本明細書で特定された作動領域は、リソグラフィー対象物の局所的な領域を含むことができる。しかし、作動領域がリソグラフィー対象物全体を含むこともまた想定できる。作動領域はまたあらゆる面積寸法、形状および/または(3次元)形状を含むことができる。例えば、作動領域は、対象物の特定の測定に伴う大きさの程度内であることができる。例えば、特定の測定は、対象物のパターン素子の限界寸法CDを含むことができる。パターン素子はここで、例えば、マスク構造体の一部、マスク構造体の層の一部および/またはマスク構造体それ自体を含むことができる。限界寸法CDは、例えば、パターン素子を有する定義された構造体、それでなければ2つの(特徴的)パターン素子の間の定義された距離を含むことができる。作動領域は、例えば、パターン素子の限界寸法CVにわたり領域Aを形成することができる(例えば、Aは、限界寸法CVの関数に対応することができ、A=f(CD)である、例えば、Aは限界寸法に比例することができる)。加えて、第1の材料は、第1の材料が必ずしも作動領域の領域全体にわたり除去されるわけではなく、作動領域の小領域において除去(局所的に)されるように、作動領域内で除去することができる。代わりに、作動領域内での除去は、第1の材料が、作動領域の領域全体にわたり除去されるよう実行することもできる。加えて、第1のガスは、作動領域の小領域において制御された方式で提供することもできる(例えば、ガスノズルを有する局所的に位置決め可能なガス導管を介して)。粒子ビームの粒子が小領域に入射するように、提供される粒子ビームを、作動領域の小領域に方向付けることも同様に可能である。加えて、本方法は、制御された特定の局所的制御、および/または粒子ビームの焦点を小領域もしくは作動領域内に合わせることを含むことができる(例えば、粒子ビーム誘起エッチングの反応を局所的に制御するため)。
【0020】
1つの例では、第1の態様の方法において、第1の材料は作動領域から完全に除去される。例えば、除去後、第1の材料が作動領域内にもはや存在しないことは、本方法の手段により可能である。したがって、第1の材料は、本方法の手段により、残留物を残さずに除去することもできる。
【0021】
1つの例では、第1の態様の方法において、第1の材料は、対象物に伴う放射線を吸収することが可能である。例えば、対象物に伴うこの放射線は特定の波長を有する電磁放射線を含むことができ、この電磁放射線は、リソグラフィー法(対象物はこれに対して設計された)において使用することができる。例えば、対象物に伴う放射線は、リソグラフィー法における対象物に対する曝露放射線に対応することができる。曝露放射線の特定の波長は、対象物のソグラフィー波長としてみなすことができる。1つの例では、リソグラフィー対象物はEUVリソグラフィー法のためのEUVマスクを含み,リソグラフィー波長(すなわち、曝露放射線の波長)はこの場合、13.5nmであることができる。加えて、放射線は、対象物に応じて、例えば、DUVリソグラフィー法(例えば、リソグラフィー波長193nmまたは248nm)、i線リソグラフィー法(例えば、リソグラフィー波長365nm)、または他のあらゆるリソグラフィー法(例えば、異なるリソグラフィー波長)に関することができる。
【0022】
1つの例では、第1の材料は、対象物のリソグラフィー波長の有意な(例えば、高い)吸収を結論づけるために使用することができる固有の材料パラメーターを有する(例えば、第1の材料の吸収係数、吸収の規模、屈折率の虚部)。1つの例では、第1の材料の吸光係数kは、少なくとも0.01、0.015、または少なくとも0.018(または、例えば、0.01~0.02の間または0.015~0.18の間)であることができる。有意な吸収が第1の材料の(低い)反射率を介して定義できることは同様に想定できる。例えば、第1の材料の反射率(例えば、リソグラフィーの波長領域において)は、25パーセント以下、好ましくは20%以下、より好ましくは17%以下を含むことができる。加えて、第1の材料は、リソグラフィー波長を吸収するために対象物中に通常存在する材料を含むことができる(例えば、対象物の吸収層(例えば、パターン素子)に対応する材料)。
【0023】
さらなる例では、第1の材料は、有意な吸収を結論づけるために使用することができるも固有の材料パラメーターそれ自体を1つも有さない。加えて、第1の材料は、この第1の材料が対象物の局所的領域内において対象物に伴う放射線を効果的に吸収することができるよう、幾何的に構築することができる。例えば、第1の材料は、この第1の材料がその吸収材料の特性およびその幾何学的構造体を介してリソグラフィー波長の放射線の有意な吸収を引き起こすように、対象物の(局所的)領域内で、幾何的に形成することができる。この場合、(局所的)領域内の第1の材料は、リソグラフィー波長の放射線の実際の(すなわち有効な)吸収が存在するので、リソグラフィー法において結像(image)寄与を果たすことができる。第1の材料の形状は、例えば、材料の層厚さを介して、または第1の材料を介したリソグラフィー法におけるリソグラフィー波長の放射線により網羅される距離(例えば、吸収距離)を介して定義することができる。吸収距離は、例えば、リソグラフィー波長の放射線の光回折または曝露放射線の出現率のベクターを考慮に入れることができる。例えば、本方法は、吸収材料(すなわち固有に吸収する材料)の極薄層を除去しないことを含むことができる。なぜなら、幾何学的にはその薄層は、リソグラフィー波長の放射線を有意に吸収することができず、したがって、対応するリソグラフィー法において実際の(すなわち有効な)結像寄与をもたらさないからである。例えば、有意な吸収は、第1の材料の層厚さまたは吸収距離により定義または計算することができる:第1の材料の層厚さは、少なくとも20nm、好ましくは少なくとも35nm、より好ましくは少なくとも50nm、最も好ましくは少なくとも60nmであることができる。第1の材料の層厚さは、代わりに60nm未満、例えば、50nm未満または35nm未満であることができる。有意な吸収はまた、リソグラフィー波長の放射線の強度が、リソグラフィー法において70%、好ましくは80%、最も好ましくは90%減衰した(例えば、第1の材料の全域で)という点で表すことができる。
【0024】
1つの例では、第1の態様の方法において、第1の材料は、対象物(例えばマスク)のパターン素子の層材料に対応する。第1の材料は、パターン素子の層材料の形態を取ることができる。1つの例では、本方法において、層材料は、パターン素子の吸収層の材料に対応する。吸収層は、リソグラフィー波長の放射線を吸収するために明示的に配置されたパターン素子の位置を含むことができる。(ルテニウム含有)第1の材料は、例えば、層厚さの低い吸収層を可能にするようにここで設計することができる。加えて、(ルテニウム含有)第1の材料はまた、例えば、リソグラフィー対象物の構造の層の位相シフト特性を可能にするように設計することができる。
【0025】
1つの例では、第1の態様の方法において、第1の材料は、少なくとも第2の元素をさらに含む。第2の元素はここで、第1の材料に含まれているあらゆる物質の一部とみなすことができる(すなわち、第2の元素は、例えば、凝集結合、化学元素などの一部を構成することができる)。したがって、第1の材料は、必ずしも全部ルテニウムだけで形成される必要はない。第1の材料はまたここで、a>0、b≧0として、Ruabの形態で(式中、Zは少なくとも第2の元素(または1種もしくは複数のさらなる化学元素)を表す)記載することができる(化学量論的に)。
【0026】
さらなる例では、第1の材料は、主にルテニウムから形成することができる。例えば、第1の材料のルテニウム含有量は、少なくとも50原子パーセント(at%)、少なくとも70原子パーセント、少なくとも80原子パーセント、または少なくとも90原子パーセントを含むことができる。
【0027】
本明細書に記載されている「原子パーセント」という単位は、ここでは対応する材料のモル比に関することができ、原子パーセントは、例えば、物質の粒子の総数(例えば、第1の材料の原子の総数)との関連での粒子の相対的な数(例えばルテニウム原子)を示す。原子パーセンテージは、例えば、2次イオン質量分析法、SIMS、および/またはオーガー電子分光法および/またはエックス線光電子分光法、XPSを介して(また、例えば、光電子分光法、PESを介して)検出することができる。
【0028】
本明細書に記載されている第1の態様の方法はまた、基本的には第1の材料の異なるルテニウム含有量、例えば、<50原子パーセントまたは<10原子パーセントのルテニウム含有量、そうでなければ<1原子パーセント、および/または少なくとも10原子パーセントもしくは少なくとも25原子パーセントのルテニウム含有量を用いて想定できる。
【0029】
1つの例では、第1の態様の方法において、第2の元素は以下:金属、半導体のうちの少なくとも1種を含む。同様に金属および半導体の組合せも可能である。
【0030】
金属は、例えば、重金属、軽金属、遷移金属、貴金属、卑金属および/または金属合金を含むことができる。金属は、例えば、以下:ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、Y(イットリウム)、チタニウム(Ti)、ランタン(La)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)および/またはレニウム(Re)のうちの少なくとも1種を含むことができる。加えて、金属は、以下:タングステン(W)、ハフニウム(Hf)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)、クロム(Cr)および/またはパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0031】
1つの例では、半導体は、半金属および/または化合物半導体を含む。半導体は、ここでは直接遷移形半導体および/または間接遷移形半導体を含むことができる。例えば、半導体は以下:ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ホウ素(B)、ヒ素(As)、ガリウムヒ化物(GaAs)、アルミニウムガリウムヒ化物(AlGaAs)、炭化ケイ素(SiC)、ガリウム窒化物(GaN)のうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0032】
第2の元素が非金属を含むことも同様に想定できる。例えば、非金属は以下:酸素、窒素、リン、水素、炭素、ハロゲン(例えば臭素、フッ素、塩素など)のうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0033】
1つの例では、第1の態様の方法において、第2の元素は以下:タンタル、クロム、窒素、酸素のうちの少なくとも1種を含む。好ましい例では、第1の材料はルテニウムおよび酸素を含む。さらに好ましい例では、第1の材料はルテニウム、クロムおよび酸素を含む。さらに好ましい例では、第1の材料はルテニウムおよびタンタルを含む。
【0034】
1つの例では、第1の態様の方法において、ルテニウムは、第2の元素を有する(または少なくとも1種の第2の元素を有する)化学化合物を形成する。化学化合物は、例えば、2成分、3成分および/または4成分化学化合物をここで含むことができる。好ましい例では、化学化合物は酸化ルテニウム(例えばRuO)を含む。さらに好ましい例では、化学化合物は、ルテニウム-タンタル化合物(例えばRuTa)を含む。化学化合物が窒化ルテニウムを含むこともまた追加的に想定できる。加えて、以下の2成分化学化合物のうちの少なくとも1種は化学化合物として想定できる:RuCr、RuNi、RuCo。さらなる例では、以下の3成分の化学化合物うちの少なくとも1種は化学化合物として想定できる:RuCrNi、RuCrCo、RuNiCo。さらなる例では、以下の4成分化学化合物うちの少なくとも1種は化学化合物として想定できる:RuCrNiCo。
【0035】
1つの例では、第1の態様の方法において、本方法は、例えば、第1の材料に隣接することができる第2の材料(そうでなければ、その下に配置することができる)が、除去により作動領域内で少なくとも部分的に曝露されるような方式で実行される。ここでは、第1の材料(本明細書に記載されている)の除去により、第2の材料の表面を曝露することができる。第2の材料は、例えば、第1の材料に隣接する層の材料であることができる。
【0036】
1つの例では、第1の態様の方法において、第1の材料および第2の材料は少なくとも1種の元素(または物質)において異なる。例えば、これに関して、第2の材料は物質Bを含むことができ、物質Bは第1の材料の成分ではない。好ましい例では、第2の材料は、ルテニウムを含まない、および/または少なくとも第2の元素(本明細書に記載されている)を含まない。さらなる例では、第2の材料は、物質Aおよび物質Bを含むことができ、物質Aは第1の材料の成分(例えば、少なくとも1種の第2の元素および/またはルテニウム)であり、物質Bは第1の材料の成分(例えば、ルテニウムまたは少なくとも1種の第2の元素)ではない。さらに、第1および第2の材料は、物理的に分断されていることができる(すなわち、第1の材料中のいかなる物質も、第2の材料中に包含されたいかなる物質に対応しない)。例えば、これに関して、第1の材料は、ルテニウムからなるばかりでなく、物質CおよびDからなることもでき、この場合、第2の材料は、第1の材料中のいずれかの物質が第2の材料中のいずれかの物質にも対応しないように、この場合物質EおよびFから(独占的に)なることができる。
【0037】
1つの例では、第1の態様の方法において、第2の材料はタンタルおよび/またはタンタル化合物を含む。タンタル化合物は、例えば、窒化タンタル、酸化タンタル、酸窒化タンタルおよび/またはルテニウム-タンタル化合物を含むことができる。
【0038】
第2の材料はまた、いかなる金属および/またはいかなる半導体も追加的に含むことができる。金属は、例えば、重金属、軽金属、遷移金属、貴金属、卑金属および/または金属合金を含むことができる。例えば、第2の材料はまたホウ素および/またはヒ素を追加的に含むことができる。
【0039】
第2の材料は、タンタル化合物の一部を必ずしも構成する必要のない非金属を含むことが同様に想定できる。例えば、非金属は以下:酸素、窒素、リン、水素、炭素、ハロゲン(例えば臭素、フッ素、塩素など)のうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0040】
1つの例では、第2の材料はタンタルおよび酸素を含む。好ましい例では、第2の材料はタンタル、酸素およびホウ素を含む。さらに好ましい例では、第2の材料はタンタル、酸素および窒素を含む。
【0041】
第2の材料は、必ずしもタンタルおよび/またはタンタル化合物に限定される必要はないことに注目されたい。タンタルおよび/またはタンタル化合物よりもむしろ、いかなる金属および/またはいかなる半導体でも追加的に想定できる。加えて、第2の材料が酸化物および/または窒化物全般を含むこともまた想定できる。
【0042】
1つの例では、第2の材料は、第1の材料を除去するための除去停止(例えば、エッチング停止)として機能することができる。1つの例では、第1の態様の方法において、第1の材料は、対象物中の第2の材料(または下の材料)が本質的に除去されないように選択的に除去される。例えば、本方法は、本発明による除去において(例えば、粒子ビーム誘起エッチングに基づき)、第2の材料(またはその下の材料)よりも第1の材料に対する除去の選択性(例えばエッチング選択性)、例えば少なくとも1.5対1;少なくとも5対1;または少なくとも10対1の選択性があるように設計することができる。選択性は、例えば、第2の材料(またはその下の材料)が本方法(本明細書に記載されている)の対象下におかれた場合、第1の材料より遅い除去速度で第2の材料(またはその下の材料)を除去することをここで可能にすることができる。
【0043】
1つの例では、第1の態様の方法は、作動領域内の第2の材料を除去することをさらに含む。第2の材料は、粒子ビームベースの方式で(例えば、粒子ビーム誘起エッチングを介して)ここで除去することができる。対象物の作動領域内に第1のガスを提供することおよび粒子ビームを提供することはまた、作動領域内の第2の材料を除去するためにここで機能することができる。1つの例では、第1および第2の材料は、2つの異なる除去ステップ(例えば、2つのエッチングユニット)で除去することができる。第1の除去ステップでは、例えば、第1の材料を除去して(本明細書に記載されているように)、第2の材料を曝露することができる。第1の除去ステップはここで、第2の材料が本質的に除去されないように、選択的であるように設計することができる。言い換えると、第1の除去ステップに対して、第2の材料は、除去停止(例えば、エッチング停止)として設計することができる。第2の除去ステップは続いて、第2の材料の実際の除去を含むことができる。この目的のために、例えば、第1の態様において、粒子ビームベースの方法の処理パラメーターを調整することが可能である。これは、例えば、第1のガスの提供における変化(例えば、第1のガスのガス体積流量、ガス濃度および/またはガス圧力における変化)を含むことができる。例えば、第2の除去ステップはまた、第1の除去ステップとは異なるガス組成で実行することもできる(例えば、第2の除去ステップにおける第1の分子は、第1の除去ステップの第1の分子と異なることができる)。第2の除去ステップに対して、粒子ビームのパラメーターの変更も同様に存在できる(例えば、粒子の加速の変更、粒子流速の変更など)。したがって、第2の材料は、第1の除去ステップにおいて、第1の材料から、本方法における異なるパラメータースペースを用いて、第2の除去ステップで除去することができる。
【0044】
しかし、第1の材料および第2の材料が単一の除去ステップで除去されることもまた想定できる。この場合、設計される処理パラメーターの連続マッチングが、例えば、第1の材料、次いで第2の材料に対して材料特異的である必要性はない。例えば、第1の材料を除去し、第2の材料を曝露した後、第2の材料は、処理パラメーターのさらなる材料特異的マッチングを必要とすることなく、本方法を介して除去される。
【0045】
1つの例では、第1の態様の方法において、第2の材料は作動領域内で完全に除去される。例えば、本方法の手段により、除去後、第2の材料が作動領域内に(または作動領域の小領域内に)もはや存在しないことは可能である。
【0046】
1つの例では、第1の態様の方法において、本方法は、例えば、第2の材料に隣接することができる(そうでなければ、その下に配置することができる)第3の材料が、第2の材料を除去することによって、作動領域内で少なくとも部分的に曝露されるような方式で実行される。1つの例では、第1の態様の方法は、対象物の第3の材料が本質的に除去されないように、第2の材料が選択的に除去されるように設計される。したがって、第3の材料は、第2の材料を除去するための、除去の停止(例えばエッチングの停止)として機能することができる。これによって、例えば、第3の材料の下の材料が粒子ビームベースの方法によって攻撃されないことが確定できる。
【0047】
1つの例では、第1の態様の方法において、第3の材料はルテニウムを含む。例えば、第3の材料は、第1の材料(例えば本明細書に記載されている)と同じルテニウム含有量を有することができる。第3の材料に対して、第3の材料を本質的に全部ルテニウムのみから形成することができることもここでまた想定できる。第3の材料はまた、第1の材料に対して本明細書に記載されている特徴および特性を含むことができる。加えて、第1の材料はまた、第3の材料に対して本明細書に記載されている特徴および特性を含むことができる。
【0048】
好ましい例では、第3の材料(ならびにルテニウム)はまた、ニオブ(Nb)を含むことができる。
【0049】
1つの例では、第1の態様の方法において、第1および第3の材料は同じ元素を含む。例えば、第1の材料の材料組成は、第3の材料の材料組成に対応することができる。例えば、第1の材料および第3の材料は、同じ元素からなることができる(例えば、第1および第3の材料は、それぞれルテニウムおよび物質Bからなることができる)。したがって、第1および第3の材料の材料特異的な特徴/特性は、この例において同一であることができる(ただし、ルテニウムおよび物質Bの割合が第1の材料および第3の材料において異なることもまた想定できる)。
【0050】
1つの例では、第1の態様の方法は、少なくとも1種の中間材料を除去することをさらに含む。中間材料は、第1の材料と第2の材料との間および/または第2の材料と第3の材料との間に配置されたあらゆる材料をここで含むことができる。したがって、第2の材料は、必ずしも第1の材料に(直接)隣接している必要はないが、少なくとも1種の中間材料を介してこれにカップリングしていることができる。加えて、第3の材料は、したがって必ずしも第2の材料に(直接)隣接している必要はないが、少なくとも1種の中間材料を介してこれにカップリングしていることができる。中間材料は、少なくとも1種の中間層の材料にここで対応することができる。例えば、少なくとも1種の中間層が、第1の材料と第2の材料との間、または第2の材料と第3の材料との間に配置されることが想定できる。少なくとも1種の中間材料は、対象物の材料に対して本明細書に記載されている特徴および特性をここで有することができる(例えば、中間材料は、第1、第2および/または第3の材料に対して本明細書に記載されているような特徴/特性を有することができる)。
【0051】
1つの例では、第1の態様の方法において、第2の材料および/または第3の材料は、パターン素子の層材料に、および/または対象物の反射層スタックのキャッピング層の材料に対応する(または層材料またはキャッピング層の形態を取る)。
【0052】
本明細書に記載されている材料(またはそれから形成される層)は、例示的リソグラフィー対象物を参照して詳細に説明することができる。対象物は、例えば、キャッピング層が対象物の反射層スタック(例えば、Braggミラー)に隣接する特徴的な層構造を有することができる。この特徴的な層構造はまた、キャッピング層に隣接する緩衝層を含むことができる。緩衝層に隣接する第1の吸収層も追加的に存在できる。
【0053】
1つの例では、緩衝層および第1の吸収層は、パターン素子の層材料である(例えば、これらの層は吸収パターン素子の一部であることができる)。第1の吸収層は、第1の材料(本明細書に記載されている)にここで対応することができ、この場合緩衝層は第2の材料(本明細書に記載されている)に対応することができる。この例におけるキャッピング層は、第3の材料(本明細書に記載されている)に対応することができる。
【0054】
さらなる例では、特徴的な層の構造はまた、第1の吸収層に隣接する第2の吸収層を含む。第2の吸収層は、第1の材料(本明細書に記載されている)にここで対応することができ、この場合第1の吸収層は第2の材料(本明細書に記載されている)に対応することができる。この例におけるキャッピング層は第3の材料(本明細書に記載されている)に対応することができ、この場合緩衝層は少なくとも1種の中間材料に対応することができる。
【0055】
本方法は、第3の材料(例えば、キャッピング層の材料)が本質的に除去されないような除去の選択性を用いて構築することができる。これは、反射層スタックを攻撃することなく、本方法を終わらせるように制御することを可能にできる。したがって、キャッピング層は、対象物の光学特性へのダメージに伴う反射層スタックへのダメージを回避することが可能なように、除去停止(例えばエッチング停止)として機能することができる。例えば、その下の材料に対する(例えば、第3の材料および/または少なくとも1種の中間材料)、第2の材料の除去の選択性(例えば、エッチング選択性)は、例えば、少なくとも1.5~1;少なくとも5~1;または少なくとも10~1を含むことができる。
【0056】
1つの例では、第1の態様の方法は、対象物の少なくとも1つの表面材料を除去することをさらに含む。表面材料は、例えば、第1のガスおよび粒子ビームに到達可能な表面(例えば、対象物の曝露された表面)を有する対象物の材料を含むことができる。表面材料は、任意の材料をここで含むことができ、本明細書で特定された第1の材料(または第2および/または第3の材料)の物質および物質の割合に限定されない。表面材料は、例えば、本発明による方法のために、その下に配置された第1の材料を曝露するために、ここで除去することができる。
【0057】
1つの例では、第1のガスは、第1の材料の除去のための主要なエッチングガスとみなすことができる。第1のガスは第1のガスが第1の材料のエッチングの特徴に実質的な影響を与えるようにここで設計することができる。例えば、第1のガス分子は、この第1のガス分子が第1の材料に対してエッチング/除去作用をもたらすように選択することができる。第1の分子はまた、粒子ビームにより誘発される反応と併せてこれらの第1の分子が第1の材料に対してエッチング/除去作用をもたらすように選択することができる。
【0058】
1つの例では、第1の態様の方法において、第1の分子はハロゲン原子を含む。発明者らは、ガスが、(ルテニウム含有)第1の材料を除去するのに特に適していることを認識しており、このガスはハロゲンを含む分子を含む。提供される粒子ビームと併せてこのような第1のガス(すなわちエッチングガス)は、有利には技術的に望ましい方式で抵抗性のある第1の材料を除去することができる。例えば、このような第1のガスは、第1の態様の方法において、除去の残留物、長いエッチング時間、不均質な材料の除去を回避することができる。
【0059】
1つの例では、第1の態様の方法において、第1の分子はハロゲン化合物を含む。例えば、ハロゲン化合物は、少なくとも1個のハロゲン原子を含む化学化合物を含むことができ、ハロゲン原子は少なくとも1種のさらなる化学成分(例えば、任意のさらなる化学元素/原子および/またはさらなる化学物質の基/物質の化合物など)を有する化学化合物を形成する。1つの例では、ハロゲン化合物は、全部同じ種類のハロゲンのみを含むことができる(例えば、第1の分子は、F2、Cl2、Br2などを含むことができる)。
【0060】
1つの例では、第1の態様の方法において、第1の分子は、希ガスハロゲン化物を含む。例えば、希ガスハロゲン化物は、少なくとも1個のハロゲン原子および少なくとも1個の希ガス原子を含む化学化合物を含むことができる。
【0061】
1つの例では、第1の態様の方法において、希ガスハロゲン化物は、以下:二フッ化キセノン、XeF2、二塩化キセノン、XeCl2、四フッ化キセノン、XeF4、キセノン六フッ化物、XeF6のうちの少なくとも1種を含む。発明者らは、第1の態様の方法の文脈において、このような希ガスハロゲン化物もまた(例えば、特に二フッ化キセノン)、技術的に望ましい方式で抵抗性のある第1の材料を有利に除去することができることをここで認識している。
【0062】
さらなる例では、第1の分子は、ゼロより大きい四極子モーメント(または少なくとも4つの極を有する多極子モーメント)を含む。例えば、二フッ化キセノンは、ゼロより大きい四極子モーメントを有することができる。
【0063】
1つの例では、第1の分子は、極性分子を含む。双極子モーメントを有する極性分子は、原則として処理に対して適切であることができることが判明している。さらなる例では、第1の分子は、代わりに非極性分子を含むこともできる。本発明はまた、双極子モーメントなしの非極性分子もまた原則として処理に対して適切であることができるという概念に基づく。追加の例では、第1の分子は3原子分子を含む。本発明によると、第1の態様における適切な方法に対して、分子1個当たり3個よりも多くの原子を有する複雑な化合物は必ずしも必要ではない。
【0064】
1つの例では、第1の態様の方法は以下をさらに含む:第2の分子を含む第2のガスを提供するステップであって、第1の材料を除去することが少なくとも部分的に第2のガスにも基づくステップ。本明細書に記載されている第2のガスは、この文脈において、主要なエッチングガス(すなわち第1のガス)との関連で添加ガスとみなすことができる。第2のガスは、添加ガスとして、第1の材料の除去または粒子ビーム誘起エッチングにさらに影響を与え、例えば、処理パラメーター/結果(例えば、エッチング速度、異方性因子、選択性、側壁角度、表面粗さなど)を正確に採用することができる。原則として、第1のガスを提供するための本明細書に記載されている分子はまた、第2のガスを提供することに適用可能であることもでき、逆もまた同様である。
【0065】
1つの例では、第2の材料、第3の材料、中間材料および/または表面材料を除去することはまた、第2のガスに基づく(これを提供する)ことができる。
【0066】
1つの例では、第1の態様の方法において、第2の分子に伴う双極子モーメントは少なくとも1.6D、好ましくは少なくとも1.7D、より好ましくは少なくとも1.8D、最も好ましくは少なくとも1.82Dを含む。
【0067】
発明者らは、この状況は、第1の材料の除去において有利であることができると認識している。粒子ビームベースの除去において、通常必要とされるのは、特定の期間にわたる定義された(局所的)ガス濃度であり、これによって除去反応が定義された方式で実行されることが可能となる。しかし、第1の材料の除去における化学的および/または物理的な相互作用により、定義された(局所的)ガス濃度は、技術的に望ましくない程度に変動し得る。これは、特に少なくとも2種のガス(例えば第1のガスおよび第2のガス)を含むさらに複雑なガス混合物の使用の場合、さらに重要となる。これに伴い、定義された(局所的)ガス濃度の維持がより必要となる。例えば、作動領域内に生じる第2のガス(および/または第1のガス)の(局所的)枯渇の程度が増加することによって、第1の材料の除去が、望ましくない方式で影響を受ける可能性がここにある。本明細書で特定された双極子モーメントを有する第2の分子を使用することによって、第1および第2のガスの使用において、定義された(局所的)ガス濃度の構成で条件の最適化が可能となることを発明者らはここで認識している。よって、第1の材料を制御された方式で除去することを最適化することも可能である。
【0068】
1つの例では、本方法は、第1の材料の除去において、第2の分子の双極子モーメントをパラメーターとして考慮することを含む。例えば、第2の分子の双極子モーメントは、除去操作における処理パラメーター(例えば、第1および/または第2のガスのガス体積流量)を定義することができる。例えば、ガス体積流量は、双極子モーメントに応じて選択することができる。
【0069】
1つの例では、本方法は、第1のガスおよび第2のガスを少なくとも部分的に同時に提供することを含む。例えば、第1のガスおよび第2のガスは、作動領域の環境へ、または対象物の環境へ、例えば、第1の材料の除去中に同時に導入することができる。これはまた、作動領域/対象物の環境における両方のガスの存在が確実となるように、除去中の第1のガスの第1のガス体積流量および第2のガスの第2のガス体積流量の(少なくとも部分的な)存在を含むことができる。例えば、第1および第2のガス体積流量が本質的に同一であることがここで可能となる。他の例では、これらは代わりに異なることもできる。第1および第2のガスの同時提供はまた、第1のガス体積流量および第2のガス体積流量(第1の材料の除去における)の変動を含むことができる。
【0070】
1つの例では、本方法は、第1のガスおよび第2のガスを少なくとも部分的に、時間の間隔をあけて提供することを含む。例えば、方法の除去ステップにおいて、2種のガスのうちの1種のみが作動領域/対象物の環境に提供または導入されるよう、第1の材料を除去するためにこれが必要となり得る。例えば、第1のガスのみ(または第2のガス)が最初に作動領域/対象物の環境に導入されるよう、第1の材料の除去を開始するためにこれが必要となり得る。続いて、第2のガス(または第1のガス)は、その後の合流で、供給または提供することができる。加えて、除去中に、第1のガス(第2のガスを含まない)の(独占的な)提供/導入と、第2のガス(第1のガスを含まない)の(独占的な)提供/導入との間に段階的な交代が存在することもまた想定できる。さらに、第1の材料の除去処理の最後は、2種のガスのうちの1種の独占的な提供/導入を含むこともまた可能である。例えば、生成処理の最後は、第2のガスの独占的な提供/導入により定義されることが想定できる。
【0071】
1つの例では、第1の態様の方法において、第2の分子は、水、H2O、および/または重水、D2Oを含む。抵抗性のある第1の材料を除去するため、水および/または重水はここで有利な添加ガスであると判明した。例えば、このような添加ガスはまた、第2の材料(または第3の材料)に対して第1の材料の除去の選択性を最適化することもできる。特に有利な例では、本方法は、第1のガスとしてXeF2および第2のガスとしてH2Oを含む。さらなる例では、第2のガスの第2の分子はまた半重水、HDOも含むことができる。
【0072】
さらなる例では、第2のガス(または第2の分子)は、酸素含有成分、ハロゲン化物および/または還元成分を含むことができる。酸素含有成分は、例えば、酸素含有分子を含むことができる。例えば、酸素含有成分は、以下:酸素(O2)、オゾン(O3)、過酸化水素(H22)、一酸化二窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、硝酸(HNO3)のうちの少なくとも1種を含むことができる。ハロゲン化物は例えば、以下:Cl2、HCl、XeF2、HF、I2、HI、Br2、HBr、NOCl、NOF、ClNO2、FNO2、PCl3、PCl5、PF3、PF5のうちの少なくとも1種を含むことができる。還元成分は、水素原子を有する分子をここで含むことができる。例えば、還元成分は、以下:H2、NH3、(NH22、CH4のうちの少なくとも1種を含むことができる。1つの例では、第2のガスは水(および/または重水)および二酸化窒素を含むことができる。
【0073】
1つの例では、第1の態様の方法において、粒子ビームは、3kV未満、好ましくは1kV未満、より好ましくは0.8kV未満、最も好ましくは未満0.6kV未満の加速電圧に少なくとも部分的に基づく。第1の態様の方法(本明細書に記載されている)は、これらの加速電圧の範囲で有利に実行することができる。例えば、このパラメータースペースにおいて、第1の材料は粒子ビームで有利に除去することができる。1つの例では、粒子ビームはまた、少なくとも0.1kV、好ましくは少なくとも0.15kV、さらにより好ましくは少なくとも0.2kV、最も好ましくは少なくとも0.3kVの加速電圧に基づく。
【0074】
加えて、粒子ビームは、30kV未満、好ましくは20kV未満の加速電圧に基づくこともまた想定できる。1つの例では、結像(image)の目的のために、3kV~30kVの間の加速電圧を本処理の範囲内で(除去前後の結像(image)および/または除去中の結像(image)の場合)に利用することができる。
【0075】
1つの例では、粒子ジェットは、1pA~100pAの間、好ましくは5pA~80pAの間、最も好ましくは間で10pA~60pAの間の電流を含む。
【0076】
1つの例では、第1の態様の方法において、本方法は第1および/または第2のガスに伴う温度に少なくとも部分的に基づく。温度は既定することができる。温度は、例えば、0℃未満(または273.15K未満)、好ましくは-5℃未満(または268.15K未満)、より好ましくは-10℃未満(または263.15K未満)、最も好ましくは-15℃未満(または258.15K未満)であることができる。第1および/または第2のガスに伴う温度は、例えば、第1の(または第2の)ガスを含むそれぞれのリザーバー容器が(活発に)加熱される温度に対応することができる。それぞれのリザーバー容器は、供給源または貯蔵手段としてここで機能することができ、このリザーバー容器から第1の(または第2の)ガスの提供が可能となる。例えば、提供は(本明細書に記載されている)、第1のガスを含む第1のリザーバー容器から、そうでなければ第2のガスを含む第2のリザーバー容器から実行することができる。それぞれのリザーバー容器の温度は、例えば、Peltier素子の手段によりここで制御することができる。1つの例では、本明細書で特定される温度は、本方法(本明細書に記載されている)に対して第1の(または第2の)ガスを(実際に)提供する前の、それぞれのリザーバー容器内の第1の(または第2の)ガスの温度を含む。これによって、定義されたガス温度を有する、ガスを含む供給源から第1の(または第2の)ガスを提供することを可能にすることができ、その結果本方法は、例えば、定義された、およびまた再現可能な方式で導入することができる。第1の(または第2の)ガスを提供することを含む例において、作動領域内の第1の(または第2の)ガスの温度は、それぞれのリザーバー容器内の第1の(または第2の)ガスの温度に必ずしも対応する必要はないことが言及されるべきである。例えば、提供すること(例えば、第1の(または第2の)ガスをそれぞれのリザーバー容器から、ガス導管を介して、作動領域へと輸送するガスの輸送を含む)は、第1の(または第2の)ガスの温度の変化をもたらすことができる。しかし、定義されたガス温度(本明細書に記載されている)を有する供給源から提供することによって、提供されるガスのガス温度(例えば、作動領域内で)を定義されたおよび再現可能な方式で構築することが可能となる。
【0077】
さらなる例では、第1および/または第2のガスに伴う温度(本明細書で特定されている)は、(固体および/または液体)前駆体の温度に対応することができ、この場合本方法のための第1の(または第2の)ガスを少なくとも1つの前駆体から形成することができる。例えば、前駆体は、固体および/または液体出発材料を含むことができ、この出発材料から、第1の(または第2の)ガスが業界で精通している手段により生成される。温度(本明細書で特定されている)は、固体および/または液体前駆体の蒸気圧力を調整および/または制御するようここで機能することによって、第1の(または第2の)ガスを業界で精通している手段により形成することができる。温度は、例えば、Peltier素子の手段によりここでは調整/制御することができる。温度(本明細書で特定されている)は、前駆体を含むリザーバーの温度にここでは対応することができる。リザーバー(すなわち前駆体リザーバー)は、例えば、前駆体専用に設計することができる。本発明のさらなる例では、前駆体リザーバーは、第1の(または第2の)ガスに対してリザーバー容器として同様に機能することができる。加えて、前駆体リザーバーはまた、第1の(または第2の)ガスのための別個のリザーバー容器にカップリングすることもでき、この場合第1の(または第2の)ガスは、前駆体リザーバー内で形成された後、別個のリザーバー容器に導入される(および、例えば、その中に貯蔵される)。
【0078】
加えて、1つの例では、第1および/または第2のガスに伴う温度は、対象物の環境内の温度(例えば、本明細書に記載されている方法の作動領域内または本方法のための対象物が配置される処理チャンバー内)を含むこともまた想定できる。例えば、これは、対象物の環境内の第1の(または第2の)ガスの温度を含むことができる。さらなる例では、本方法の間、例えば適当な対象物ホルダー(例えば、温度制御可能なチャック)の手段により、対象物をその温度(本明細書で特定されている)にすることもまた想定できる。この例では特に、既定温度>0℃が選択されることもまた想定できる。
【0079】
1つの例では、本方法は、対象物から放出される電子を検出することに少なくとも部分的に基づき、除去のエンドポイントを決定することをさらに含む。例えば、電子は、対象物材料または作動領域の材料と、提供される粒子との相互作用により放出させることができる。これらは、粒子ビームにより、物理的な理由で、粒子ビーム入射の材料に対する作用領域から抜け出る電子であることができる。1つの例では、電子は、散乱電子および/または2次電子を含む。散乱電子は、例えば、対象物により後方散乱した電子(後方散乱電子、すなわちBSE)および/または対象物により前方散乱した電子(前方散乱電子、すなわちFSE)を含むことができる。検出された電子は、粒子ビームの作用領域の材料特性についての情報を提供することができ、これによって、粒子ビームにより処理された材料を結論づけることができる。例えば、エンドポイントを決定することは、検出した電子を使用して、粒子ビームが第1の材料に作用しない/もはや作用しないことを確定することを含むことができる。これは、第1の材料が除去され、処理のエンドポイント(すなわち、処理の終点)が達成されたことを示すことができる。加えて、エンドポイントを決定することは、検出した電子を使用して、粒子ビームが第2および/または第3の材料で処理されたことを確定することを含むことができる。よって、例えば、第1の材料の除去のエンドポイントおよび/または第2の材料の除去のエンドポイントを決定することが可能である。原則として、検出した電子を使用して、これがエンドポイントの決定に基づかないとしても(例えば、処理モニタリングのため、処理履歴のプロトコルとしてなど)、粒子ビームにより現在で処理されている材料を決定することができる。粒子ビームはまた、作用領域内の材料に応じて検出される(例えば、加速電圧、電流などを介して)電子シグナルに十分な差異があるように構築することができる。
【0080】
1つの例では、第1の態様の方法において、粒子ビームは電子ビームを含む。例えば、本方法の文脈において、本明細書に記載されている除去は、電子ビーム誘起エッチング(例えば、(F)EBIE-(集束)電子ビーム誘起エッチングとしても公知)を含むことができる。
【0081】
しかし、粒子ビームがイオンビーム(例えば、ガリウムイオン、ヘリウムイオンなど)を含むこともまた想定できる。例えば、第1の材料を除去することは、イオンビーム誘起機械加工/エッチング(例えば、集束イオンビーム(FIB)ミリング)に基づくことができる。固体粒子の使用と同様に、ゼロ質量粒子の粒子ジェット(例えば、フォトン)を使用することもまた想定できる。
【0082】
加えて、粒子ビームとしての多数の粒子ビームの使用もまた想定できる。
【0083】
1つの例では、本方法は、第1の(または第2の)材料の側壁角度(エッジ、例えば、構造体のエッジ)が70°~90°、好ましくは74°~90°、より好ましくは78°~90°、最も好ましくは80°~90°であるような方式で実行される。側壁角度は、例えば、第1の(または第2の)材料の下に配置された層の平面、そうでなければ対象物の(平坦な)平面にここでは基づくことができる。
【0084】
1つの例では、本方法は、第2の材料(第1の材料の除去を介して)の曝露が、3nm未満、好ましくは2nm未満、より好ましくは1nm未満、最も好ましくは0.5nm未満の平方根粗さ、RMSを有する第2の材料の表面を付与するような方式で実行される。
【0085】
1つの例では、本方法は、第3の材料の曝露(第1および第2の材料の除去を介して)が、3nm未満、好ましくは2nm未満、より好ましくは1nm未満、最も好ましくは0.5nm未満の平方根粗さ、RMSを有する第3の材料の表面を付与するような方式で実行される。
【0086】
1つの例では、第1の態様の方法は、対象物の欠陥が修復されるような方式で実行される。例えば、本方法は、対象物の黒欠陥を修復することを含むことができる。
【0087】
ここで黒欠陥とは、対象物の設計によると実際には不透明であるべきではない、すなわち透明であるべきである、リソグラフィー対象物上の不良部位である(例えば、このような特定の波長、例えば、リソグラフィー波長の放射線に対して特異的な吸収がないように透明である、またはそのように設計されている)。黒欠陥はまた、対象物の設計によると、パターン素子の任意の材料を含むべきでないのに、(望ましくない)材料が部位上に存在する、対象物上の不良部位とみなすことができる。存在する(望ましくない)材料は、例えば、パターン素子の材料を含むことができる、ただし、この材料はまた、放射線吸収性および/または位相シフト作用を有する、異なる(望ましくない)材料とも想定できる。対照的に、白欠陥は、対象物の設計によると実際には不透明であるべき、リソグラフィー対象物上の不良部位である(例えば、特定の波長、例えば、リソグラフィー波長の放射線に対して非透明である、または強く吸収する)。白欠陥はまた、対象物の設計によるとパターン素子の材料を含むことになっているが、いかなる材料も部位上に存在しない、またはパターン素子の材料が存在しない、対象物上の不良部位とみなすことができる。特に、不透明性は、対象物に対するリソグラフィー法との関連で定義することができる。例えば、リソグラフィー対象物は、EUVリソグラフィー法のためのEUVマスクを含むことができ、ここで「不透明性」とは、この場合13.5ナノメートルのリソグラフィー波長を指すことができる。「不透明性」は、対象物に応じて、DUVリソグラフィー法(例えば、193ナノメートルまたは248ナノメートルのリソグラフィー波長で)、i線リソグラフィー法(例えば、365ナノメートルのリソグラフィー波長で)、または任意の他のリソグラフィー法に関係することもまた想定できる。加えて、黒欠陥は、例えば、リソグラフィーマスクの層の不透明材料を有する不良部位を含むことができる(例えば、これは、対象物の不透明パターン素子に対して層として設計した層を含むことができる)。本方法はここで、不良部位がもはや不透明ではないように、第1の材料を除去することを含むことができる。
【0088】
例えば、欠陥の修復は、第1に欠陥の位置を特定する(例えば、走査型電子顕微鏡、光学顕微鏡、などを介して)ことを含むことができる。局所的欠陥の少なくとも1つの特徴に基づき(例えば、欠陥の位置、形状、サイズ、種類などに基づき)、第1の材料の除去に対して使用される作動領域を定義することがここで可能である。対象物内の欠陥を修正することは、欠陥を包含する修復型を生成することをさらに含むことができる。1つの例では、修復型は、本明細書で特定されている方法に対する作動領域として機能することができる。修復型は、例えば、ピクセルパターンを有することができ、これは欠陥部位の位置を特定することを可能にすることができる。ピクセルパターンは、例えば、それが欠陥の輪郭をたどるように、このピクセルパターン内のすべてのピクセルが欠陥の部位に本質的に対応するように、したがって欠陥ピクセルを構成するように設計することができる。別の例では、ピクセルパターンは、固定された幾何学的形状(例えば多角形、長方形、丸、など)を有し、これが欠陥を完全に包含するが、この場合各ピクセルが必ずしも欠陥部位を構成するとは限らない。ピクセルパターンが、欠陥部位に対応する欠陥ピクセル、および欠陥の一部を網羅しない部位に対応する非欠陥ピクセルを含むことがここで可能である。1つの例では、本方法は、材料の生成において、粒子ビームを少なくとも修復型のピクセルパターンの欠陥ピクセル上へ誘導することを含む。加えて、粒子ビームは、この粒子ビームを、第1の材料の除去(または第2の材料の除去)において任意の欠陥ピクセルに方向付けることができるように構築することができる。これは、第1の(または第2の)材料の除去が欠陥ピクセルに局所的に限定され、したがって欠陥のみが処理されることを確実にすることができる。
【0089】
さらなる例では、本方法は、材料の局所的生成を含む、対象物の処理に使用することができる。材料の処理、および局所的生成は、例えば、対象物における欠陥処理という文脈で(例えば、白欠陥および/または欠陥部位の修復、粒子の除去など)実行することができる。よって、第1の材料は、必ずしも対象物の層材料である必要はない。材料の生成は、例えば、第1の材料の特性(本明細書に記載されている)に対応する材料の沈着を含むことができる。例えば、材料の局所的生成の過程で、第1の材料の誤った生成が生じ得る。したがって、本発明による方法の手段により、誤って生成された材料は、第1の材料(本明細書に記載されている)として除去することができる。例えば、複雑な修復の過程で、第1の材料を特異的に生成すること、ならびにまたそれを制御された方式で除去すること(例えば、これは第1の材料が犠牲層として生成された場合必要となり得る)が必要となり得る。
【0090】
1つの例では、第1の態様の方法において、対象物はEUVマスクおよび/またはEUVマスクを含む。例えば、ここに記載されている特徴的な層構造は、EUVマスクの層構造に対応することができる。
【0091】
変化形は、リソグラフィー対象物を処理する方法であって、以下のステップ:第1の処理ガスを提供するステップ、第1の処理ガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内の第1の材料を除去するために、対象物の作動領域内に粒子ビームを提供するステップを含み、第1の材料がルテニウムを含む方法に関する。
【0092】
処理ガスとは、本質的に存在する(例えば、作動領域内に)および/または材料から除去するための反応に供給されるガスまたはガス混合物とここで考えることができる。第1の処理ガスは、例えば、第1のガス、または第1および第2のガス(本明細書に記載されている)を含むことができる。よって、第1の処理ガスは、例えば、実質的なエッチングガスまたは実質的なエッチングガスおよび添加ガス(本明細書に記載されている)を含むことができる。
【0093】
変化形は、第1の態様の特徴と組み合わせることができる。加えて、変化形との関連で記載されている特徴は、第1の態様と組み合わせることができる。
【0094】
1つの例では、第1の処理ガスは、二フッ化キセノン分子を含むことができる。よってこの場合、第1の処理ガスは、例えば、第1のガス、二フッ化キセノン分子を含む第1の分子を含むまたはこれに対応することができる。
【0095】
1つの例では、第1の処理ガスは水分子をさらに含むことができる。よって、第1の処理ガスは、例えば、ならびに第1のガスはまた、第2のガス(本明細書に記載されている)を含むことができ、その第2の分子は水分子を含むことができる。第1の処理ガス中の水分子の技術的制御手段は(例えば、ガス濃度、気体流速度などの調整を介して、例えば、制御可能なガス導管の手段により)、制御された方式(本明細書に記載されている)での第1の材料の除去を可能にできる。よって、処理パラメーターおよび第1の材料の除去の結果は、標的に方向付けられた方式(例えば、エッチング速度、異方性因子、(材料)選択性、側壁角度、表面粗さなどに関する)で採用することができる。
【0096】
1つの例では、本方法は、さらに、代わりにまたは追加的に:第2の処理ガスを提供するステップ、第2の処理ガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内の第2の材料を除去するために、作動領域内に粒子ビームを提供するステップを含むことができ、第2の材料はタンタルを含む。第2の処理ガスはまた、第1の処理ガスと類似したものとみなすことができる。第2の処理ガスは、例えば、第1のガス、または第1および第2のガス(本明細書に記載されている)を含むことができる。よって、第2の処理ガスは、例えば、実質的なエッチングガス、または実質的なエッチングガスおよび添加ガス(本明細書に記載されている)を含むことができる。第2の材料の除去は単独で意義を持つが、そうでなければ第1の材料の除去と組み合わせることもできる。
【0097】
よって、第1の材料(または作動領域における対応する第1の層)は、例えば、第1の処理ガスとの粒子ビーム誘起反応を介して除去することができる。第2の材料(または作動領域内の対応する第2の層)は、対照的に、第2の処理ガスとの粒子ビーム誘起反応を介して除去することができる。したがって、各材料(または各層)は別個の粒子ビームベースの反応を介して作動領域内で除去することができる。
【0098】
第1の処理ガスおよび第2の処理ガスは、ここでは互いに異なることができる。差異は、ガスの異なる成分によりここでは引き起こすことができる。例えば、第1の処理ガスは、成分A(例えば、第1の希ガスハロゲン化物)を含むことができ、第2の処理ガスは成分B(例えば、第2の希ガスハロゲン化物)を含むことができる。しかし、第1の処理ガスおよび第2の処理ガスはまた同じ成分を含むこともできる。ただし、これらは少なくとも1種の成分が異なるものとする。例えば、第1の処理ガスおよび第2の処理ガスは、1種および同じ希ガスハロゲン化物を含むことができる。ただし、第1の処理ガスは第2の処理ガスに含まれていないさらなる成分を追加的に含むものとする。
【0099】
例えば、第2の処理ガスは二フッ化キセノン分子を含むことができる。二フッ化キセノン分子は、例えば、実質的なエッチングガス(本明細書に記載されている)とみなすことができる。
【0100】
1つの例では、第2の処理ガスは、二酸化窒素分子をさらに含むことができる。二酸化窒素分子は、例えば、添加ガスまたは添加ガスの成分(本明細書に記載されている)とみなすことができる。
【0101】
1つの例では、第2の処理ガスはオルトケイ酸テトラエチル分子をさらに含むことができる。
【0102】
オルトケイ酸テトラエチル分子は、例えば、添加ガスまたは添加ガスの成分(本明細書に記載されている)とみなすことができる。
【0103】
1つの例では、第2の処理ガスは、二フッ化キセノン分子、二酸化窒素分子およびオルトケイ酸テトラエチル分子を含む。第2の処理ガスとしてのこのガス混合物は、本明細書に記載されている方法により第2の(タンタル含有)材料を除去するのに特に有利であることが判明した。二フッ化キセノン分子が実質的なエッチングガスとして機能することはここで可能であり、この場合二酸化窒素分子は、オルトケイ酸テトラエチル分子と一緒に添加ガスとして機能することができる。二酸化窒素分子およびオルトケイ酸テトラエチル分子の相加効果は、第2の材料の除去においてこうして組み合わせることができる。
【0104】
1つの例では、本方法はまた、代わりにまたは追加的に:第2の処理ガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内のさらなる材料を除去するために、作動領域内に粒子ビームを提供するステップを含むことができ、さらなる材料はタンタルを含み、さらなる材料は第2の材料とは異なる材料組成を有する。さらなる材料は、例えば、第3の材料(本明細書に記載されている)の物質および/または元素を含むことができるが、ただし、さらなる材料は必ずしもルテニウムを含む必要はない。第2の材料を除去する過程でおよび/または前に、第2の処理ガスは別々に提供することができる。しかし、第2の処理ガスはまた、この第2の処理ガスを別々にまたは再度提供する必要がないように、第2の材料およびさらなる材料の除去と共に連続的に提供することもできる。さらなる材料を除去することは、単独で意義を持つことができるが、そうでなければ第1および/または第2の材料の除去と組み合わせることもできる。
【0105】
第1、第2およびさらなる材料は、例えば、第1の態様を参照して、本明細書に記載されているように構築することもできる。
【0106】
1つの例では、第1の材料中のルテニウムのモル比は、第1の材料に含まれている1つまたはすべての他の元素のモル比(例えば、原子パーセント)と比較して、より高いまたは本質的に同じであることができる。例えば、ルテニウムのモル比はRで、および第1の材料中のさらなる物質の割合を、例えば、物質1に対してはXで、物質2に対してはYで表すことができる。よって、モル比Rは、例えば、他のモル比との比較により、本質的に同じであることができる(例えばR=X=Y)。しかし、モル比Rはまた代わりに、他の元素との比較で、より高いこともできる(例えば、R>Xおよび/またはR>Y)。したがって、ルテニウムのモル比はまた、第1の材料の相対多数を形成することができる。例えば、ルテニウムのモル比は代わりに、本明細書に記載されているように第1の材料の絶対多数(例えばR>50原子パーセント)を形成することもできる。例えば、ルテニウムのモル比はまた、本明細書に記載されているように50原子パーセント未満であることもできる。モル比は、ここでは原子パーセントで(本明細書に記載されているように)報告することができる。一部の例のモル比は、ルテニウムが、第1の材料の位相シフト特性において優位に立つように(例えば、EUV領域で)、選択することができる。
【0107】
1つの例では、第2の材料中のタンタルのモル比は、第2の材料に含まれている別の元素のモル比と比較して高いまたは本質的に同じであることができる。例えば、第2の材料中のタンタルのモル比はまた、第2の材料の相対多数を形成することもできる。例えば、第2の材料中のタンタルのモル比は、代わりに第2の材料の絶対多数を形成することもできる。例えば、第2の材料中のタンタルのモル比は、少なくとも50原子パーセント、好ましくは少なくとも60原子パーセント、より好ましくは少なくとも70原子パーセント、最も好ましくは少なくとも90原子パーセントであることができる。
【0108】
1つの例では、第2の材料はまた、酸素、ホウ素および/または窒素を含むことができる。
【0109】
1つの例では、第2の材料は、以下:酸化タンタル(例えばTaO)、ホウ酸化タンタル(例えばTaBO)、窒化タンタル(例えばTaN)、タンタルボロニトリド(例えば、TaBN)のうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0110】
1つの例では、さらなる材料中のタンタルのモル比は、さらなる材料に含まれている別の元素のモル比と比較して高いまたは本質的に同じであることができる。例えば、さらなる材料中のタンタルのモル比はまた、さらなる材料の相対多数を形成することができる。例えば、さらなる材料中のタンタルのモル比は、少なくとも50原子パーセント、好ましくは少なくとも60原子パーセント、より好ましくは少なくとも70原子パーセント、最も好ましくは少なくとも90原子パーセントであることができる。
【0111】
1つの例では、さらなる材料は、以下:酸化タンタル、ホウ酸化タンタル、窒化タンタル、タンタルボロニトリドのうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0112】
1つの例では、第2の材料はホウ酸化タンタル(例えばTaBO)を含み、さらなる材料はタンタルボロニトリド(例えばTaBN)を含む。
【0113】
1つの例では、粒子ビームは電子ビームを含むことができる。
【0114】
1つの例では、本方法は、作動領域から放出される電子を検出することに少なくとも部分的に基づき、材料の除去のエンドポイントを決定することをさらに含むことができる。検出した電子は、例えば、1次電子および/または2次電子を含むことができる。
【0115】
本方法の1つの例では、材料は、既定の期間にわたり少なくとも部分的に除去することができる。例えば、本方法のパラメーター空間に対する期間は、実験的に決定することができる(例えば、材料(例えば、特定の厚さで)がいつ除去されたか決定するために、複数の期間を用いて本方法を実施する手段により)。例えば、既定の期間は、材料の既定の厚さに対応することができる。
【0116】
本方法の1つの例では、除去した材料は、対象物のパターン素子の層材料(例えば本明細書に記載されている)を含むことができる。パターン素子(例えば、多層パターン素子)はここでは対象物のキャッピング層の上に(大きな領域を網羅し、本質的に非構造化されている)配置することができる。1つの例では、パターン素子は、第1の材料を含む第1の層、第2の材料を含む第2の層(例えば、隣接する第2の層)、さらなる材料を含む第3の層(例えば、第2の層に隣接する)を有する層配列を含む。例えば、第3の層はここでは、対象物のキャッピング層に隣接する最下段の層であることができる。例えば、パターン素子は、第1の層がルテニウムを含み、その第2の層がホウ酸化タンタル(例えばTaBO)を含み、およびその第3の層がタンタルボロニトリド(例えば、TaBN)を含むように設計することができる。
【0117】
パターン素子の層配列はさらなる層を含むこともできることを言及すべきである。例えば、1つまたは複数の層を第1の層の上に配置させ、および/または1つまたは複数の層を第3の層とキャッピング層との間に配置させることが可能である。例えば、本明細書に記載されている第1の層の上に1つまたは複数の反射防止層が存在できる。加えて、1つもしくは複数の層を第1の層と第2の層の間に配置し、および/または1つもしくは複数の層を第2の層と第3の層との間に配置することもまた可能である。加えて、第1、第2および第3の層は、(多層)パターン素子内の任意の配列で配置することができ、必ずしも第1の層、第2の層、第3の層の配列で配置する必要はないこともまた想定できる。例えば、層配列はまた、以下の配列のうちの1つを含むこともできる:第1の層、第3の層、第2の層および/または第2の層、第3の層、第1の層および/または第2の層、第1の層、第3の層および/または第3の層、第2の層、第1の層および/または第3の層、第1の層、第2の層。一部の例では、第1、第2および第3の層のうちの1つまたは2つのみが提供されることもまた可能である。これらの例でもまた、層配列内に1つまたは複数のさらなる層が存在できる。例えば、1つまたは複数のさらなる層は、本明細書に記述されている第1、第2および/または第3の層と互いに分離していることができる。加えて、第1、第2および/または第3の層の上に1つまたは複数の反射防止層(または1つまたは複数のさらなる層)が存在することもまた可能である。
【0118】
第1の(ルテニウム含有)材料を含む第1の層は、対応するリソグラフィーの波長(例えばEUV波長、例えば、13.5nmのEUV波長)に対して主に位相シフトするように設計することができる。第2の(タンタル含有)材料を含む第2の層は、対応するリソグラフィー波長(例えば、EUV波長、例えば、13.5nmのEUV波長)に対して主に放射線吸収性であるように設計することができる。第3の(タンタル含有)材料を含む第3の層は、対応するリソグラフィー波長(例えばEUV波長、例えば、13.5nmのEUV波長)に対して主に放射線吸収性であるように設計することができる。例えば、第1の層の(実)屈折率nは、第2および/または第3の層の(実)屈折率より大きくできる。例えば、第1の層の(または第1の材料の)屈折率(通常nとして報告される)の実部は、第2および/または第3の層(または第2および/または第3の材料)の屈折率の実部より大きくできる。例えば、第1の層の(または第1の材料の)屈折率(すなわち、吸光係数k)の虚部は、第2および/または第3の層の(または第2および/または第3の材料の)吸光係数より小さくできる。
【0119】
第2の態様は、リソグラフィー対象物を処理するための装置であって、第1のガスを提供する手段、対象物の作動領域内に粒子ビームを提供する手段を含み、第1の態様において方法を実行するように構築されている装置に関する。加えて、装置は、コンピュータプログラム(例えば、コンピュータシステム、計算ユニットなど)を実行する手段を含むことができる。装置は、対象物上に電子ビームを粒子ビームとして提供することができる走査型電子顕微鏡に本質的に対応することができる。走査型電子顕微鏡は、それが本明細書に記載されているガスを提供できるように構築することができる。第1のガス(および/または第2のガス)は、例えば、対応するリザーバー容器内に貯蔵し、ガス供給システム(例えば、ガスノズルを有するガス導管)を介して対象物の作動領域内に導くことができる。装置は、自動化された方式で本方法を実施するように配置された制御システムをさらに含むことができる。
【0120】
加えて、装置は、第1および/または第2の処理ガス(本明細書に記載されている)を提供する手段を代わりにまたは追加的に含むことができる。
【0121】
第3の態様は、リソグラフィー対象物であって、第1の態様において方法により処理されている対象物に関する。例えば、試料の光学的分析を介して、対象物が第1の態様における方法により処理されているかどうか検出することがここでは可能である。例えば、リソグラフィー対象物に対して、光学的分析を最初に行うことができる、またはこれに取り組むことができる(例えば、対象物の欠陥認定の過程で、例えば対象物の生成後、および/または対象物が半導体作業に導入される場合)。光学的分析は、例えば、光学または粒子ベースの顕微鏡(例えば、マスク計測装置、マスク顕微鏡)および、例えば、結像操作に基づくことができる。対象物の処理において、第1の態様の1つの例では、最初の分析後、第1の(または第2の)材料は、本明細書に記載されているようにここで除去することができる。第1の(または第2の)材料の除去は、視覚分析の繰返しを介して(例えば、修復チェックまたは別の欠陥認定の過程で)検出することができる。検出は、例えば、最初の視覚分析と視覚分析の繰返しとの比較を介して(例えば、対応する像の比較を介して)実行することができる。加えて、本方法における検出はまた、対象物の材料分析(例えばオーガー分光法、X線分光法など)に基づくことができ、例えば、最初の視覚分析または視覚分析の繰返しを用いた補助的方式により実行される。
【0122】
本発明の第4の態様は、半導体ベースのウエハーを処理する方法に関する。第4の態様における方法は、リソグラフィー対象物に伴うパターンのウエハーへのリソグラフィー転写をさらに含み、対象物は第1の態様において方法により処理されている。リソグラフィー転写は、対象物がそれに対して設計されたリソグラフィー法を含むことができる(例えばEUVリソグラフィー、DUVリソグラフィー、i-線リソグラフィーなど)。例えば、第4の態様において方法は、電磁放射線のビーム供給源(例えばEUV放射線、DUV放射線、i-線放射線など)を提供することを含むことができる。これは、ウエハー上に現像可能なラッカー層を提供することを追加的に含むことができる。リソグラフィー転写はまた、照射源に少なくとも部分的に基づき、現像可能なラッカー層を提供することができる。例えば、照射源からの放射線の手段により、ラッカー層上にパターンを結像(image)することがここで可能である(変換された形態で)。
【0123】
本明細書に記載されている方法は、例えば、文書による形態で記録することができる。これは、例えば、デジタルファイルの手段により、類似して(例えば、紙形態で)、ユーザーハンドブックにおいて、式において(例えば、半導体工場において、デバイスおよび/またはコンピュータに記録する)達成することができる。文書によるプロトコルが、本明細書に記載されている方法の1つの実行にコンパイルされることもまた想定できる。プロトコル、例えば、本方法の実行の立証およびその詳細(例えば、式)は、その後の時点で(例えば、不良評価、材料審査委員会、監査などの過程で)可能にすることができる。プロトコルは、例えば、デバイスおよび/またはコンピュータに記録することができる、例えば、プロトコルファイル(すなわち対数のファイル)を含むことができる。
【0124】
第5の態様は、コンピュータシステムにより実行された場合、コンピュータシステムに第1の態様による方法および/または第4の態様による方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラムに関する。
【0125】
さらなる態様は、コンピュータプログラムを含むメモリーを有する上述の装置に関する。さらに、装置は、コンピュータプログラムを実行するための手段を有することができる。代わりに、コンピュータプログラムを他の箇所で貯蔵することも可能であるし(例えば、クラウド内で)、装置が単に、プログラムを他の箇所で実行することによって生じる命令を受け取るための手段を有することも可能である。どちらにしても、これは、装置内の自動化されたまたは自主的な形式で方法を実行することを可能にすることができる。結果的には、介入、例えば、オペレーターによる介入を最小化することも可能であり、よって、マスクを処理する場合、コストと複雑性の両方を最小化することが可能である。
【0126】
以下の詳細な説明は、図を参照して技術的背景の情報および本発明の例について記載しており、図は以下を示す:
【図面の簡単な説明】
【0127】
図1】リソグラフィー対象物に対する例示的修復状況を上方から見た略図である。
図2】例示的本発明の方法の概略図を示している。
図3a】本発明の方法における操作を例として、断面での略図で示している。
図3b】本発明の方法における操作を例として、断面での略図で示している。
図3c】本発明の方法における操作を例として、断面での略図で示している。
図4】本発明の例示的装置の略図を示している。
図5】リソグラフィー対象物のパターン素子を介した断面の概略図を示している。このパターン素子は本発明の例示的方法で処理することができる。
【発明を実施するための形態】
【0128】
図1は、リソグラフィー対象物に対する例示的修復状況を上から見た略図を付与している。リソグラフィー対象物は、いかなるリソグラフィー法(例えばEUVリソグラフィー、DUVリソグラフィー、i線リソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィーなど)にも適したリソグラフィーマスクをここで含むことができる。1つの例では、リソグラフィーマスクは、EUVマスク、DUVマスク、i線リソグラフィーマスクおよび/またはナノインプリントスタンプを含むことができる。加えて、リソグラフィー対象物は、バイナリーマスク(例えば、クロムマスク、OMOGマスク)、位相マスク(例えば、クロム不含位相マスク、交互位相マスク(例えば、リム位相マスク)、ハーフトーン位相マスク、トライトーン位相マスクおよび/またはレチクル(例えば、ペリクル付き)を含むことができる。リソグラフィーマスクは、半導体チップの生成のため、例えば、リソグラフィー法において使用することができる。
【0129】
リソグラフィー対象物は(望ましくない)欠陥を含み得る。例えば、欠陥は、対象物の生成において引き起こされ得る。加えて、欠陥は、対象物の(リソグラフィー)処理、(リソグラフィー)処理における処理逸脱、対象物の輸送などによっても引き起こされ得る。したがって、リソグラフィー対象物の普通費用がかかるおよび複雑な生成を考慮すると、欠陥は普通修復される。
【0130】
本明細書に記載されている例において、例示的目的のため、EUVマスクがリソグラフィー対象物の例としてここでは頻繁に利用されている。しかし、EUVマスクというよりはむしろ、あらゆるリソグラフィー対象物(例えば、本明細書に記載されているものなど)でも想定できる。
【0131】
図1は、マスクにおける欠陥の修復の過程のEUVマスクの詳細部1000の2つの局所的状態D、Rを、上から見た概略的形態で示すことができる。詳細部1000はEUVマスクのパターン素子PEの一部を示している。パターン素子PEはまた、EUVマスクのパターン素子と(そうでなければパターン構造体と)みなすことができる。パターン素子PEは、ウエハーに、例えば、リソグラフィー法を介して転写することができる、設計されたパターンの一部であることができる。局所的状態Dは、パターン素子PEに隣接する黒欠陥1010を示す。黒欠陥1010は、マスク現像後、欠陥側に存在すべきではない、例えば、過剰の(不透明)材料を特徴とすることができる。過剰の(不透明)材料は、例えば、パターン素子PEの不透明材料に、そうでなければパターン素子PEの層の任意の他の材料(本明細書に記載されている)に対応することができる。図1(状態D)との関連で、詳細部1000において欠陥のないパターン素子PEであれば、正方形の形状を有していなければならなかったが、この標的状態は、黒欠陥1010があったため存在しないことは明白である。したがって、修復手順RVは、パターン素子PEの修復された状態Rを作り出すことができるように、黒欠陥1010の領域の過剰の(不透明)材料を除去する。よって、状態Rでは、元の欠陥領域1020に(すなわち、黒欠陥における元の部位に)もはやいかなる不透明作用も生じず、もはやいかなる過剰(不透明)材料も存在しないことが示されている。したがって、欠陥1010の除去により、修復操作後のパターン素子PEの長方形の形状の標的状態が再確証される。
【0132】
リソグラフィー装置またはリソグラフィー法で使用している間、リソグラフィーマスクは、極端な物理的および化学的環境条件に曝され得る。これは、特に対応するリソグラフィー法の間のEUVマスクの曝露(またDUVマスク、または本明細書に記載されている他のマスク)に当てはまり、不透明材料、特にパターン素子PEの不透明材料は、有意な程度にこれらの影響の対象下におかれ得る。例えば、EUV曝露の場合、遊離水素基を含む水素プラズマを放出することができ、これによって、他の材料の中でもパターン素子PEの不透明材料を攻撃し、材料改変作用および/または材料除去作用を引き起こし得る。さらなるダメージの影響がEUVリソグラフィー処理およびマスククリーニング処理において生じ得る。マスク材料へのダメージとして、例えば、(EUV)放射線、温度、さらに水素または別の反応性水素種(例えばフリーラジカル、イオン、プラズマ、など)との反応による材料の化学的およびまた物理的改変が挙げられる。材料の改変は、曝露放射線(例えば、EUV放射線、DUV放射線)と併せて、パージガス(例えば、N2、極めて清浄なドライエア-XCDA(登録商標)、希ガスなど)との反応によってもまた引き起こされ得る。材料へのダメージも同様に生じ得るまたはダウンストリーム処理(例えば、マスククリーニング操作)により促進され得る。ダウンストリーム処理は、例えば、曝露操作の間に化学的/物理的反応によりこれまでダメージを受けているパターン素子PEの不透明材料を追加的に攻撃し得るので、ダメージを悪化させる。
【0133】
したがって、パターン素子PEに使用されている特定の不透明材料は、化学的抵抗性のある材料であることができる。特に、ルテニウム含有材料(本明細書に記載されている)は、これらの非常に高い化学的安定性によりEUVマスクにおいてパターン素子PEに対して抵抗性のある材料として利用することができる。ルテニウム含有材料は、例えば、Ruab(a、b≧o、Z:それぞれの元素に適用可能な化学量論的係数bを有する1つまたは複数のさらなる元素)の形態を取ることができる。Zはここで金属、非金属、半金属、アルカリ金属(例えばLi、Na、K、Rb、Cs)を含むことができる。加えて、Zは、アルカリ土類金属(例えばBe、Mg、Ca、Sr、Ba)、第3主族元素(例えばB,Al、Ga、In、Tl)、第4主族元素(例えばC、Si、Ge、Sn、Pb)、第5主族元素(例えばN、P、As、Sb、Bi)を含むことができる。加えて、Zは、カルコゲニド(例えばO、S、Se、Te)、ハロゲン(例えばF、Cl、Br、I)希ガス(原子)(例えばHe、Ne、Ar、Kr、Xe)、遷移族元素(例えばTi、Hr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg)を含むことができる。
【0134】
しかし、修復操作は抵抗性のある(不透明)材料を特異的に除去するので、パターン素子PEまたはEUVマスクのこの種類の抵抗性(不透明)材料により、黒欠陥1010の修復操作RVが有意により困難になる可能性がある。
【0135】
図2は、本発明の例示的方法200の概略図を示している。方法200は、EUVマスクから材料を除去するために利用することができる。特に、方法200は、修復操作の過程で黒欠陥1010から材料を除去するために利用することができる。
【0136】
方法200は、第1の分子を含む第1のガスの210を提供することをここで含むことができる。第1のガスは、例えば、第1の分子としてXeF2をここで含むことができる。加えて、他のガスも本明細書に記載されている第1のガスとして想定できる。
【0137】
他の分子もまた、方法200に対する第1のガスの第1の分子として適している。例えば、極性および非極性3原子分子が想定できる。第1の分子はまた、適切な反応条件下で、塩素またはフッ素基へと分割することができ、および/または追加的に、例えば、さらに非極性種へと分割することができる分子を含むことができる。
【0138】
加えて、方法200は、第1のガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内の第1の材料を除去するために、対象物の作動領域内に粒子ビームの220を提供することを含むことができる。第1の材料はルテニウムをここで含むことができる。方法200はまた、第1の材料が少なくとも50原子パーセントのルテニウム、好ましくは少なくとも70原子パーセントのルテニウム、特に好ましくは少なくとも90原子パーセントのルテニウムを含む、方法200の特徴230であることもできる。方法200はまた、方法200による材料の電子ビーム誘起エッチングを可能にすることができるように、粒子ビームとしての電子ビームを含むこともできる。
【0139】
第1の材料はEUVマスク(本明細書に記載されている)の抵抗性のある(不透明)材料にここで特に対応することができ、この材料は黒欠陥の修復の過程で除去されるものとする。
【0140】
方法200はまた、エッチング処理を助ける(例えば、エッチング選択性、エッチング速度、異方性因子などに関する)添加ガスとして第2のガスを提供することを含むことができる。特に、電子ビーム誘起エッチングの場合、方法200に使用される第1のガスは、XeF2および添加ガスH2O(すなわち水(蒸気))であることができる。加えて、第2の分子は、1.6D~2.1Dの間、好ましくは1.7D~2Dの間、より好ましくは1.8D~1.95Dの間、最も好ましくは1.82D~1.9Dの間の双極子モーメントを含むことができる。H2Oは、添加ガスとして二酸化窒素(または別の酸化的なガス)と組み合わせることもまた想定できる。
【0141】
図3a~cは、例として、リソグラフィー対象物内の欠陥の修復の過程で起こり得る、方法200における手順の略図を断面で付与する。
【0142】
図3aは、UV波長領域に対する反射型リソグラフィーマスク(すなわちUVマスク)の例示的な特徴的層構造体を概略的形態で表している。例示的EUVマスク200は、例えば、13.5nmの領域の曝露波長に対して設計することができる。例えば、EUVマスクは位相シフトEUVマスクおよび/または放射線吸収性EUVマスクを含むことができる。例えば、例示的な特徴的層構造体は、放射線吸収性EUVマスク(本明細書に記載されている)を用いたEUVリソグラフィーに対して本質的に放射線吸収性であるように設計することができる。例えば、例示的な特徴的層構造体はまた、位相シフトEUVマスクを用いたEUVリソグラフィーに対して(本質的に)位相シフトであるように設計することができる。EUVマスクは、熱膨張係数の低い材料、例えば石英で作製された基材Sを含むことができる。他の誘電性、ガラス材料または半導体材料も同様にEUVマスクに対して基材として使用することができる。
【0143】
基材Sは、例えば、20~80対の交互のモリブデン(Mo)とケイ素(Si)層を含む、沈着した多層膜または反射層スタックMLにより隣接していることができ、これはまたMoSi層と呼ぶこともできる。多層膜MLの個々の層は、屈折率が異なっていることができ、これによって、入射放射線(例えばEUV放射線)を反射することができるBraggミラーを引き起こす。
【0144】
反射層スタックMLを保護するために、キャッピング層Dを、例えば、反射層スタックMLの最上層の上に適用することができる。キャッピング層Dは、生成の間および/またはEUVマスクの使用の間(例えば、リソグラフィー法の間)、化学的処理によるダメージから反射層スタックMLを保護することができる。キャッピング層Dは、(元素の)ルテニウム、また反射率を波長13.5nmより3%以下だけ増加させる元素または元素の化合物をここで含むことができる。加えて、キャッピング層Dは、Rh、Si、Mo、Ti、TiO、TiO2、ルテニウム化合物、ルテニウム合金、酸化ルテニウム、酸化ニオブ、RuW、RuMo、RuNb、Cr、Ta、窒化物、ならびに上述の材料の化合物および組合せも含むことができる。キャッピング層は、以下の材料のうちの1つをさらに含むことができる:RuRh、RuZr、RuZrN、RuNbN、RuRhN、RuV、RuVN。
【0145】
キャッピング層Dの上に、例えば、パターン素子の層(すなわちパターン素子層)を含むことができるいくつかの層が存在できる。パターン素子層は、緩衝層P、吸収層Aおよび/または表面層Oを含むことができる。パターン素子層の特性(例えば、パターン素子層の内因性材料特性、パターン素子層の層厚さなど)およびそれから成形されるパターン素子PEの形状は、EUVマスクの曝露波長との関連で不透明作用を引き起こすように設計することができる。例えば、パターン素子PEは、13.5nmの波長を有する光放射線に関してそれが不透明であるように(すなわち、光に非透過性であるか、または極めて光吸収性がある)設計することができる。黒欠陥1010は必ずしもすべてのパターン素子層を有する必要はないが、パターン素子層は、黒欠陥1010の層に対応することができる。例えば、黒欠陥1010は緩衝層Pおよび吸収層Aのみを有することができる。
【0146】
緩衝層Pは、キャッピング層Dの上に存在できる。加えて、吸収層Aは緩衝層Pの上に存在できる。吸収層Aは、リソグラフィー波長の放射線(本明細書に記載されている)を吸収するのに有効であるように設計することができる。したがって、吸収層Aは、パターン素子(または黒欠陥1010)の不透明作用への主な寄与を果たすことができる。吸収層Aの光学特性は、例えば、位相シフト寄与(すなわちn)および吸着寄与(すなわちk)を含むことができる複雑な屈折率により記載することができる。例えば、nおよびkは、吸収層の内因性材料特性とみなすことができる。特定の化学元素および/または化学元素の化合物のみが対応するリソグラフィー法(例えばEUVリソグラフィー法)に対して有利な位相シフトおよび/または吸収性特性を有する。図3aは、例として、吸収層Aの層厚さdを示す。吸収層Aの層厚さd(およびまたマスクの別の層の層厚さ)は、例えば、マスクの平面との関連で法線ベクトルに沿って確かめられる。原則として、吸収層Aが、例えば、異なる材料を含む多数の吸収層を含むこともまた想定できる。加えて、表面層Oは、吸収層Aの上に存在できる。表面層Oは反射防止層、酸化層および/またはパッシベーション層を含むことができる。吸収層Aと同様に、緩衝層Pおよび/または表面層Oがパターン素子PEまたは黒欠陥1010の吸収および不透明作用に寄与することもまた可能である。
【0147】
原則として、本明細書に記載されているパターン素子層のいずれかは、記述されている抵抗性のある第1の材料(すなわちルテニウム含有材料)を含むことができる。通常、例えば、吸収層Aはルテニウムを含む。したがって、方法200における第1の材料は、吸収層Aの材料を含むことができる。加えて、代わりに、例えば、緩衝層Pまたは表面層Oがルテニウムを含み、したがって方法200において第1の材料を構成することも可能である。
【0148】
図3bは吸収層Aの一部の除去のための例示的方法200の結果を示している。吸収層Aは方法200において第1の材料として設計される。最初に、表面層Oの一部を第1に除去することができる。例えば、これは、別個のステップにおいて電子ビーム誘起エッチングを介して、方法200と類似して実行することができる。表面層は、第1および/または第2のガス(本明細書に記載されている)で必ずしも除去する必要はない。電子ビーム誘起エッチングは、表面層の除去専用に設計される(例えば、エッチングガスを表面層の材料と合致させる)こともまた想定できる。表面層Oを除去した後、次いで、方法200における第1の材料として吸収層Aの一部を除去すること(例えば、黒欠陥を修復する)が可能である。図3bは、緩衝層Pに関して吸収層Aの選択的電子ビーム誘起エッチングを例示している。したがって、方法200は、吸収層Aのエッチング速度が緩衝層Pのエッチング速度と比較して上昇するように調整することができる。例えば、エッチング選択性は、方法200における第2のガスの特性を介して(例えば、第2のガス(例えば水)の適切な選択、または第2のガスの気体流速度を介して)調整することができる。加えて、エッチング選択性はまた、第1のガスの特性により調整することができる(例えば、第1のガスの選択(例えば、XeF2)を介して、または第1のガスのガス体積流量を介して)。したがってこの例では、緩衝層Pは、選択されたエッチング選択性を介して、エッチング停止として機能する。
【0149】
図3cは、吸収層Aの一部の除去のための例示的方法200のさらなる結果を示す。最初に、緩衝層Oの一部分を除去することがここで(本明細書に記載されているように)可能である。表面層Oを除去した後、次いで方法200における第1の材料として吸収層Aの一部を除去することが可能である。緩衝層Pの一部分を中間材料としてエッチングすることもまたここで可能である。したがって、方法200は、吸収層Aのエッチング速度、およびまた緩衝層Pのエッチング速度が、キャッピング層Dのエッチング速度と比較して上昇するように調整することができる。吸収層Aのエッチング速度は、緩衝層Pのエッチング速度と同じ程度にすることができる。エッチング選択性は、本明細書に記載されている通り調整することができる。図3cに示されている通り、これは、キャッピング層Dに対する吸収層Aおよび緩衝層Pの選択的電子ビーム誘起エッチングを達成することができる。したがって、この例において、キャッピング層Dは、選択されたエッチング選択性を介してエッチング停止として機能する。
【0150】
1つの例では、表面層Oは別々に除去されず、同じ処理を介して除去され、これは、方法200における吸収層A(または吸収層Aおよび緩衝層Pの)局所的除去に対して利用される。
【0151】
方法200のパラメーター空間(例えば、第1/第2のガスのガスパラメーター、粒子ビームパラメーター)は、現在処理されている(粒子ビームにより)層に第1に依存することができることもまた言及されるべきである。これは、例えば、層(または材料)の段階的な除去に対応することができ、各層(または材料のそれぞれ)に対して方法200のパラメーター空間が調整される。しかし、方法200のパラメーター空間が現在処理されている(粒子ビームを用いて)層に依存しないこともまた可能である。この手法もまた、例えば、多層(または材料)を逐次的に除去することができる。
【0152】
方法200はまた、図3a~cに示されているものとは異なる、リソグラフィー対象物の特定の層構造体に対して追加的に利用することもできる。対象物の特定の層構造体(例えばEUVマスク)は、前の通り、対象物の反射層スタックに隣接するキャッピング層をここで含むことができる。このキャッピング層は、第1の層に隣接していることができる。この第1の層は第2の層に隣接していることができる。したがって、基材から進んで、特定の層構造体は以下の層をこの配列で含むことができる:基材、反射層スタック、キャッピング層、第1の層、第2の層。第1および第2の層は、ここでのパターン素子の1つの層を占めることができる。1つの例では、第1および第2の層は、吸収層としてパターン素子に対して特異的に設計される(例えば、リソグラフィー法との関連で)。リソグラフィー波長の吸収(本明細書に記載されている)は、2つの層(すなわち第1および第2の層)を介してここで効果的に定義することができる。例えば、第1および第2の層は、リソグラフィー対象物の光学特性を構築するために異なる厚さを有することができる。特定の層構造体の第1の実施例において、キャッピング層は、ルテニウムおよびニオブを含むことができる。第1の層は、タンタル、ホウ素および酸素をここで含むことができる。第2の層はルテニウム、クロムおよび窒素を含むことができる。第2の実施例では、特定の層構造体は、キャッピング層がルテニウムを本質的に含む一方、第1の層はタンタル、酸素および窒素(例えば酸窒化タンタル、TaON)を含むという点で定義される。この第2の実施例では、特定の層構造体の第2の層はルテニウムおよび酸素を含むことができる(これは、例えば、酸化ルテニウムであることができ、これは例えば、RuOxと呼ぶことができる)。
【0153】
本明細書に記載されている特定の層構造体に基づき、第1の材料(方法200または第1の態様の方法の目的のため)は、第2の層の材料に対応することができる。第2の材料(方法200または第1の態様の方法の目的のため)は第1の層の材料に対応することができる。第3の材料(方法200または第1の態様の方法の目的のため)は、キャッピング層の材料に対応することができる。1つの例では、特定の層構造体の第1の層もまたルテニウムを含む(例えば、吸収層としても)。その場合、第1の層の材料は、第1の材料に対して本明細書に記載されている特徴/特性を含むことができる。
【0154】
特定の層構造体の第1の実施例に対して、発明者らは、本方法のエンドポイントの判定のため第3の材料(この場合、Ru、Nbのキャッピング層)を使用することにより、第1の材料(この場合Ru、Cr、N)および第2の材料(この場合Ta、B、O)の制御された除去に対して特に有利なパラメーター空間をここで認識している。有利な結果のため、テストシリーズで使用した第1のガスはXeF2であり、添加ガスはH2Oであった。第1のテストシリーズは以下の処理特性を含んだ:温度-15℃のXeF2前駆体リザーバー(これはXeF2ガスを形成するために使用した)、温度-36℃のH2O前駆体リザーバー(これは、H2Oガスを形成するために使用した)、電子ビーム滞留時間0.1μs、フレームリフレッシュ速度1000μs。加えて、ガスチョッピングをここで使用して、ガスチョッピング比1:15で第2の(添加物)ガスを提供した。他の例では、2つの前駆体リザーバーは、異なる温度、例えば0℃未満であることができ、例えば、XeF2前駆体リザーバーは、-30℃~0℃または-25℃~-5℃であることができ、例えば、H2O前駆体リザーバーは-50℃~-20℃または-45℃~-25℃であることができる。これらの例でのフレームリフレッシュ速度は、0.1~10ms、好ましくは0.2~5ms、より好ましくは0.5~2msに変動することができ、ガスチョッピング比は、1:5~1:25または1:10~1:20の範囲内で選択することができる。ガスチョッピングは、特定のシーケンスの期間tXにわたり添加ガスの連続的な提供をここで含む:特定の期間の時間tXが経過した後、第2のガスの提供は、シーケンスが経過するまで、時間tYの間停止される。したがって、シーケンスの期間(すなわちtS)は、全期間tS=tX+tYにわたり記載することができる。シーケンスが経過した後、新規シーケンスが開始され、添加ガスを記載されている時間経過で提供し、操作を所望するだけ繰返す(例えば、本方法の終点まで)。よって、添加ガスの提供を「パルス化された」形態で行う(連続的提供ではなく)ことが可能である。ガスチョッピング比(例えば1:15)とは、シーケンスにわたる、ガスの提供時間tXの、非提供時間tYに対する比をここで示す。ガスチョッピング比はここでは、提供時間tXおよび非提供時間tYを秒で示すことができる(例えば、ガスチョッピング比1:15は、tXが1秒であり、tYが15秒であり、対応するシーケンスtSは16秒であることを意味することができる)。
【0155】
第2のテストシリーズは、XeF2前駆体リザーバーを温度-20℃で、およびH2O前駆体リザーバーを温度-34℃で、電子ビーム滞留時間0.05μs、フレームリフレッシュ速度1000μsで実行した。ガスチョッピング比1:15をここで使用した。他の例では、2つの前駆体リザーバーは、異なる温度、例えば0℃未満であることができ、例えば、XeF2前駆体リザーバーは-40℃~0℃または-30℃~-15℃であることができ、例えば、H2O前駆体リザーバーは-50℃~-20℃または-45℃~-25℃であることができる。これらの例においてフレームリフレッシュ速度は、0.1~10ms、好ましくは0.2~5ms、より好ましくは0.5~2msまで変動することができ、ガスチョッピング比は、1:1~1:10、1:5~1:25または1:10~1:20の範囲から選択することができる。第3のテストシリーズは、XeF2前駆体リザーバーを温度-10℃で、およびH2O前駆体リザーバーを温度-36℃で、電子ビームの滞留時間0.1μs、フレームリフレッシュ速度1000μsを用いて実行した。ガスチョッピング比1:1をここでは使用した。他の例では、2つの前駆体リザーバーは、異なる温度、例えば0℃未満であることができ、例えば、XeF2前駆体リザーバーは-20℃~0℃または-15℃~-5℃であることができ、例えば、H2O前駆体リザーバーは-50℃~-20℃または-40℃~-30℃であることができる。これらの例ではフレームリフレッシュ速度は、0.1~10ms、好ましくは0.2~5ms、より好ましくは0.5~2msであることができ、ガスチョッピング比は1:1~1:10、1:5~1:25または1:10~1:20の範囲から選択することができる。
【0156】
特定の層構造体の第2の実施例に対して、発明者らは、第1の材料(この場合、RuOx、すなわち酸化ルテニウム)および第2の材料(TaONこの場合)の制御された除去に対して有利なパラメーター空間を同様に認識しており、第3の材料(この場合、Ruのキャッピング層)を本方法のエンドポイントの決定に使用する。有利な結果のため、第2の実施例において各テストシリーズに使用された第1のガスはXeF2であり、添加ガスはH2Oであった。しかし、ここではまた、添加ガス中の追加の酸化性ガス(二酸化窒素この場合)が除去にどのような影響を与えるかも試験した。第2の実施例のテストシリーズは、テストシリーズ4からテストシリーズ7まで番号付けし、特定の層構造体の第1の実施例におけるテストシリーズから進めた。よって、第4のテストシリーズは、XeF2前駆体リザーバーを温度-15℃で、およびH2O前駆体リザーバーを温度-36℃で、電子ビームの滞留時間0.1μs、フレームリフレッシュ速度1000μsで実行した。ガスチョッピング比1:30をここで使用した。他の例では、2つの前駆体リザーバーは、異なる温度、例えば、0℃未満の温度であることができ、例えば、XeF2前駆体リザーバーは-30℃~0℃または-20℃~-5℃であることができ、例えば、H2Oガスは-50℃~-20℃または-40℃~-30℃であることができる。第5テストシリーズは、第4のテストシリーズに対して本明細書で特定されているパラメーターに対応しており、二酸化窒素(ガス体積流量1.2sccm)を追加で提供した。第6のテストシリーズは、XeF2前駆体リザーバーを温度-20℃で、およびH2O前駆体リザーバーを温度-36℃で、電子ビームの滞留時間0.1μs、フレームリフレッシュ速度1000μsで実行した。ガスチョッピング比1:30をここでは使用した。他の例では、2つの前駆体リザーバーは、異なる温度、例えば0℃未満であることができ、例えば、XeF2前駆体リザーバーは-40℃~0℃または-30℃~-10℃であることができ、例えば、H2O前駆体リザーバーは-50℃~-20℃または-40℃~-30℃であることができる。第7のテストシリーズは、第6のテストシリーズに対して本明細書で特定されているパラメーターに対応し、二酸化窒素(ガス体積流量1.2sccm)が追加提供された。走査型電子顕微鏡写真では、エッチングされた構造体のよりシャープなエッジプロファイルは、二酸化窒素および水を添加ガスとして有したテストシリーズに起因するものであった。特定の層構造体の第2の実施例における処理の方法に対して、フレームリフレッシュ速度はまた、0.1~10ms、好ましくは0.2~5ms、より好ましくは0.5~2msまで変動することもでき、ガスチョッピング比はまた、1:1~1:10、1:5~1:25または1:10~1:20の範囲内から選択することができることもまた言及されるべきである。
【0157】
本明細書に記載されているテストシリーズにおいて、本方法(すなわち、第1および第2の材料の除去、およびまた粒子ビームによる第3の材料の処理)の間、作動領域から放出された電子のシグナル強度を決定した。強度はここでは、粒子ビームの線量(実施例における電子ビーム)に応じて決定した。線量とはここでは、エッチングすべき領域(作動領域)を介して本方法の間に導入された線量に対応し、後方散乱した電子検出器を介して強度を決定した。強度は、粒子ビームが作用する材料に依存することを確かめることがここでは可能であった。特定の強度の値(または値の範囲)を特定の材料または特定の層構造体の層に割り当てることがここでは可能であった。よって、線量の関数として強度の進行を介して特定の層構造体の様々な層を除去するのをモニターすることが可能であった。例えば、強度における(有意な)変化の場合(例えば、強度が進行すると共に、局所的な正および/または負の増大が生じる)、除去の結果として、以前に曝露された層から、現在また曝露されているが、電子の異なる強度シグナルを引き起こしている(根底にある)異なる層への変化が生じると結論づけることが可能であった。例えば、強度IXを有する以前に曝露された層の材料を検出し、強度IYを有する他の層の材料を検出すること(IY<IX(またはIY>IX))が可能であった。転移位相において、IxとIyの間の低減する(増加する)強度を検出することが可能であり、これは強度進行における低下(増大)により引き起こされるものであった。加えて、強度が(主に)一定に進行する場合、例えば、曝露された層が処理されていると結論づけることが可能であった。これは、強度にはいかなる(有意な)変化も現れなかったという事実に起因するものであり、これは曝露された材料の変化により説明することができた。例えば、曝露する層の変化、およびまた曝露された層の処理を伴う強度進行のこれらの特徴的な特性は、本方法のエンドポイントを決定するために機能することができる。
【0158】
加えて、本明細書に記載されているテストシリーズ(すなわちテストシリーズ1~7)に対して、粒子ビームの選択された(導入された)線量に応じて対応するエッチング深さを決定した。この目的のために、テストシリーズに対して、様々なテスト構造体における線量(導入された)のみを変動させながら、多数の幾何的に同一のテスト構造体(または同一のテスト領域/エッチングすべき作動領域)を対応する方法の対象下においた。よって、対応する方法に対して粒子ビームの線量(導入された)の影響を評価することが可能であった。テスト構造体のエッチング深さをここでは原子間力顕微鏡法で決定した。これらの情報項目は、対応する方法に対して(導入された)線量の関数として、エッチング深さの進行に対して使用可能であり、ここでは縦軸にエッチング深さをプロットし、横座標に選択された(導入された)線量をプロットした。エッチング深さの進行により、特定の層構造体を決定するための、結論づけが同様に可能となった。エッジ深さの進行における(局所的)増大は、ここでは直線回帰の手段により決定し、(局所的)増大はエッチング速度に対応した。材料特異的差異によって、特定の層構造体の異なる材料はまた異なるエッチング速度を有する。エッチング速度のこれらの差異は、エッチングプロファイル進行のどの特徴的セクションを、第1の層、第2の層またはキャッピング層に割り当てることができるかを推測するのに使用可能であった。
【0159】
したがって、方法200は、1つの例では、特定のエッチング速度(またはエッチング速度における特定の差異)および/または電子シグナルにおける特定の強度進行に基づき、本方法のエンドポイントを決定することを含む。エッチング速度および/または強度進行(本明細書に記載されている)の決定は、例えば、第1の材料の実際の除去(例えば、較正実験において)に先行することができる。
【0160】
特定の層構造体がさらなる層により定義されることもまた想定できる。例えば、キャッピング層と第1の層との間に少なくとも1つの緩衝層が存在することが想定できる。この場合、緩衝層は、本明細書に記載されている図3a~cの緩衝層Pの特徴を含むことができる。これに関連して、特定の層構造体の緩衝層は、中間材料(本明細書に記載されている)に対応することができる。特定の層構造体はまた、第1および第2の層と同様に、少なくとも第3の層が存在するように設計することができ、第3の層は、パターン素子の吸収層を構成することができる。よって、例えば、パターン素子をリソグラフィー対象物上に3つまたはそれよりも多くの吸収層を構築することが可能である。例えば、第1および第2の層は、ここでキャッピング層の上に交互に結合させることができる(例えば、層シーケンスは、キャッピング層、第1の層、第2の層、第1の層、第2の層などを含むことができる)。
【0161】
本明細書で特定されているルテニウム含有吸収層は、ルテニウムおよび以下:Nb、Zr、Y、B、Ti、La、Mo、Co、Reのうちの少なくとも1種の金属を含むことができることが言及されるべきである。加えて、ルテニウム含有材料は以下:N、O、H、Cのうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0162】
加えて、ルテニウム含有材料は、以下:Mo、Ta、W、Ti、Cr、Hf、Ni、V、Zr、Rh、Nb、Pdのうちの少なくとも1種の遷移金属を含むことができる。さらなる例では、ルテニウム含有材料はまた以下:Cr、Ni、Co、V、Nb、Mo、W、Re、Taを含むこともできる。
【0163】
原則として、マスク修復において、材料を(修復材料として)生成するまたは沈着させることもまた必要となり得る。ルテニウムの電子ビーム誘起沈着(例えば、本明細書に記載されているRuabの形態)の手段によるマスク修復の場合、酸化ルテニウムまたは他のルテニウム含有沈着物はまたここで望ましくない材料沈着を生じる結果となり得る。望ましくない材料沈着は、例えば、目標に的中しない電子ビームのストランドおよびこれにより生成される2次電子によって引き起こされ得る。加えて、望ましくない沈着(修復材料)は、修復された欠陥に隣接する部位において生成される2次電子により、およびまた処理材料の垂直エッジにおいて脱出し、修復された欠陥に隣接する部位へと増殖する2次電子により引き起こされ得る。既存の材料の側腹部から脱出する前方散乱した電子(FSE)および修復された部位の環境の中で表面から脱出する後方散乱した電子(BSE)が望ましくない材料沈着に寄与することも同様に可能である。
【0164】
したがって、方法200のさらなる用途は、修復された欠陥に隣接する領域上で、これらの記述された機序により沈着された材料の除去である。したがって、1つの例では、方法200はまた、修復材料を生成することを含む。
【0165】
修復材料の生成の過程で、電子ビーム誘起沈着において沈着ガスを使用することが可能である。以下:(金属、転移元素、主族)アルキル、例えば、シクロペンタジエニル(Cp)またはメチルシクロペンタジエニル(MeCp)トリメチル白金(CpPtMe3またはMeCpPtMe3)、テトラメチルすずSnMe4、トリメチルガリウムGaMe3、フェロセンCp2Fe、ビスアリールクロムAr2Cr、ルテノセンCp2Ruおよびこのような種類の他の化合物のうちの少なくとも1種を本発明の沈着ガスとして含めることがここで可能である。加えて、以下:(金属、転移元素、主族)カルボニル、例えば、クロムヘキサカルボニルCr(CO)6、モリブデンヘキサカルボニルMo(CO)6、タングステンヘキサカルボニルW(CO)6、ジコバルトオクタカルボニルCo2(CO)8、トリルテニウムドデカカルボニルRu3(CO)12、ペンタカルボニル鉄Fe(CO)5およびこのような種類の他の化合物のうちの少なくとも1種を、第1のガスとして本発明に含めることができる。加えて、以下:(金属、転移元素、主族)アルコキシド、例えば、テトラエトキシシランSi(OC254、テトライソプロポキシチタニウムTi(OC374およびこのような種類の他の化合物うちの1つを、第1のガスとして本発明に含めることができる。
【0166】
またに対して本発明の沈着ガスに以下:(金属、転移元素、主族)ハロゲン化物、例えば、WF6、WCl6、TiCl6、BCl3、SiCl4およびこのような種類の他の化合物のうちの少なくとも1種が含まれていることも可能である。加えて、以下:(金属、転移元素、主族)複合体、例えば、銅ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトネート)Cu(C56HO22、ジメチルトリフルオロアセチルアセトネート金Me2Au(C5342)、ジカルボニルビスジケトナートルテニウムおよびこのような種類の他の化合物のうちの少なくとも1種を沈着ガスとして本発明に含めることができる。以下:有機化合物、例えば、CO、CO2、脂肪族または芳香族炭化水素、真空ポンプ油の構成物質、揮発性有機化合物およびさらなるこのような化合物のうちの少なくとも1種を本発明において沈着ガスとして含めることもまた可能である。
【0167】
方法200(または第1の態様の方法)は、本明細書に記載されている本発明の装置を介して実行することができる。1つの例では、装置は、リソグラフィーマスクの修復または処理のためのマスク修復装置を含む。装置は、マスク欠陥の場所を特定し、修復または救済するために使用することができる。装置は、パーツ、例えば、米国特許出願公開第2020/103751号に記載されている装置を含むことができる(図3Aの中の対応する部分を参照されたい)。装置は、例えば、制御ユニット、例えば、コンピュータシステムの一部であることができる制御ユニットを含むことができる。装置は、1つの例では、コンピュータシステムおよび/または制御ユニットが本明細書で開示されているような第1の態様の方法の処理パラメーターを制御するように構築することができる。この構成は、本明細書で特定されているような、例えば、手動による実施が介入することなく、本発明による方法の制御された、およびまた自動化された、実施を可能にすることができる。この装置構成は、例えば、本明細書に記載されている本発明によるコンピュータプログラムを介して達成するまたは可能にすることができる。
【0168】
図4は、本発明による例示的装置400の概略的セクションを示す。装置400は、これが方法200または本発明の第1および/または第2の態様における方法を実施することができるように構築することができる。1つの例では、図4の装置400は、リソグラフィーマスクの修復または処理のためのマスク修復装置を含む。装置400は、マスク欠陥の場所を特定し、修復または救済するために使用することができる。
【0169】
図4の例示的装置400は、例えば、粒子ビームの提供のための走査型電子顕微鏡(SEM)101を含むことができ、これはこの実施例では電子ビーム409である。電子ガン406は電子ビーム409を生成することができ、電子ビーム409は、1つまたは複数のビーム形成エレメント408により、焦点を合わせた電子ビーム110としてリソグラフィーマスク402に方向付けることができ、リソグラフィーマスク402は、試料ステージ404(またはチャック)上に配置されている。加えて、走査型電子顕微鏡は、電子ビームのパラメーター/特性(例えば、加速電圧、滞留時間、電流、焦点を合わせること、スポットサイズなど)を制御するために使用することができる。電子ビームのパラメーターは、例えば、本明細書に記載されている方法のパラメーター空間との関連で調整することができる。電子ビーム409は、リソグラフィーマスク402の作動領域における局所的化学反応を開始するためのエネルギー供給源として機能することができる。これは、例えば、本明細書に記載されている方法のために(例えば、第1の態様において電子ビーム誘起エッチングの実施のために)利用することができる。加えて、電子ビーム409は、リソグラフィーマスク102の結像に利用することができる。装置400は、電子(例えば2次電子、後方散乱した電子)を検出するための1つまたは複数の検出器414をここで含むことができる。
【0170】
本明細書で特定されている対応する方法を行うために、図4の例示的装置400は、少なくとも2つの異なる処理ガスまたは前駆体ガスに対して少なくとも2つのリザーバー容器を含むことができる。第1のリザーバー容器G1は第1のガスを保存することができる。第2のリザーバー容器G2は第2のガスを保存することができる。一部の例では、リザーバー容器G1およびG2の温度は、互いに独立して制御することができる。第2のガスはまた添加ガスとみなすことができる。加えて、例示的装置400において、各リザーバー容器G1、G2はそれ自体のガス入口システム432、447を有し、これは、リソグラフィーマスク402上の電子ビーム410の入射点近くのノズルで終端することができる。各リザーバー容器G1、G2がそれ自体の制御バルブ446、431を有することで、1単位時間当たり提供される対応するガスの量、すなわち対応するガスの気体流速度を制御することが可能である。これは、ガス体積流量が電子ビーム410の入射点で制御されるような方式で実行することができる。加えて、装置400は、1つの例では、1種または複数の(添加物)ガス(例えば本明細書に記載されている酸化剤、還元剤、ハロゲン化物)として第1の態様の方法に加えることができる追加のガスのためのさらなるリザーバー容器を含むことができる。図4の装置400は、処理チャンバー485において必要とされる圧力を生成および維持するためのポンプシステムを含むことができる。
【0171】
装置400はまた、例えば、コンピュータシステム420の一部であることができる制御ユニット(またはレギュレーターユニット)418を含むことができる。装置400は、1つの例では、コンピュータシステム420および/または制御ユニット418が本明細書で開示されている方法の処理パラメーターを制御するように構築することができる。この構成は、本明細書で特定されているような、例えば、手動による実施が介入することなく、本発明による方法の制御されたまたは自動化された実施を可能にすることができる。装置400のこの構成は、例えば、本明細書に記載されている本発明によるコンピュータプログラムを介して達成するまたは可能にすることができる。
【0172】
図5は、リソグラフィー対象物のパターン素子を介した断面の概略を示しており、ここでパターン素子は、例示的本発明の方法により処理することができる。例えば、第1の態様の方法の手段により、作動領域内のパターン素子の層1、2、3の3つを局所的に除去することが可能である。
【0173】
例示的構成は、例えば、以下の通りであることができる:パターン素子の第1の層1は、第1の(ルテニウム含有)材料(本明細書に記載されている)を含むことができる。パターン素子の第2の層2は、ここで第2の(タンタル含有)材料(本明細書に記載されている)を含むことができる。パターン素子の第3の層3はさらなる(タンタル含有)材料(本明細書に記載されている)をここで含むことができる。第2の層は、例えば、ホウ酸化タンタル(例えばTaBO)から形成することができるか、もしくは前記材料を含むことができ、および/または第3の層は、例えば、タンタルボロニトリド(例えば、TaBN)から形成することができるか、または前記材料を含むことができる。パターン素子の第1、第2および/または第3の層の層厚さは、図5に単に概略的に示されていることが言及されるべきである。よって、1つの例では、第2の層の層厚さはまた、第1および/または第2の層の層厚さ未満であることができる(ただし、他の幾何学的変化形もまた想定できる)。本明細書に記載されている3つの層のうちの少なくとも1つの局所的除去は、(必ずしも)3つの層の特定の層厚さシーケンスにここで限定される必要はない。
【0174】
図5は、キャッピング層D、反射層スタックMLおよびリソグラフィー対象物の基材を同様に示す。図5の対象物は、例えば、EUVリソグラフィーのためのマスクであることができる。例えば、マスクは、位相シフトEUVマスクおよび/または(本質的に)放射線吸収性EUVマスクを含むことができる。第1、第2および第3の層1、2、3を有するパターン素子は、対応してEUVリソグラフィーのための位相シフトおよび/または放射線吸収性であるようにここで設計することができる。
【0175】
例えば、マスクにおける欠陥の場合、パターン素子の層の過剰の材料を本明細書に記載されている方法の1つの例で除去することができる。欠陥は、例えば、黒欠陥であることができる。作動領域内の第1の層1を除去するために、第1の処理ガス(本明細書に記載されている)として二フッ化キセノンを水と共に使用することがここでは可能である。第2および/または第3の層を除去するために、第2の処理ガス(本明細書に記載されている)として、二フッ化キセノンを二酸化窒素およびオルトケイ酸テトラエチルと共に使用することが可能である。キャッピング層Dはここではルテニウムを含むことができる。キャッピング層Dはここでは、第2および/または第3の層の除去においてエッチングの停止として機能することができる。
【0176】
本発明のさらなる実施例は以下の通りであることができる:
【0177】
(実施例1)
リソグラフィー対象物を処理する方法であって、
第1の処理ガスを提供するステップ、
第1の処理ガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内の第1の材料(1)を除去するために、対象物の作動領域内に粒子ビームを提供するステップ、
を含み、第1の材料(1)がルテニウムを含む方法。
【0178】
(実施例2)
第1の処理ガスが二フッ化キセノン分子を含む、実施例1による方法。
【0179】
(実施例3)
第1の処理ガスが水分子を含む、実施例1または2による方法。
【0180】
(実施例4)
第2の処理ガスを提供するステップ、
第2の処理ガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内の第2の材料(2)を除去するために、作動領域内に粒子ビームを提供するステップ、
をさらに含み、第2の材料(2)がタンタルを含む、実施例1~3のいずれかによる方法。
【0181】
(実施例5)
第2の処理ガスが二フッ化キセノン分子を含む、実施例4による方法。
【0182】
(実施例6)
第2の処理ガスが二酸化窒素分子を含む、実施例4または5による方法。
【0183】
(実施例7)
第2の処理ガスがオルトケイ酸テトラエチル分子を含む、実施例4~6のいずれかによる方法。
【0184】
(実施例8)
第2の処理ガスに少なくとも部分的に基づき、作動領域内のさらなる材料(3)の除去のために、作動領域内に粒子ビームを提供するステップ、
をさらに含み、さらなる材料(3)がタンタルを含み、
さらなる材料(3)が第2の材料(2)とは異なる材料組成を有する、実施例4~7のいずれかによる方法。
【0185】
(実施例9)
さらなる材料(3)中のタンタルのモル比が、さらなる材料に含まれている別の元素のモル比と比較して、より高いまたは本質的に同じである、実施例8による方法。
【0186】
(実施例10)
さらなる材料(3)が、以下:酸化タンタル、ホウ酸化タンタル、窒化タンタル、タンタルボロニトリドのうちの少なくとも1種を含む、実施例8および9のいずれかによる方法。
【0187】
(実施例11)
第1の材料(1)中のルテニウムのモル比が、第1の材料に含まれている別の元素のモル比と比較して、より高いまたは本質的に同じである、実施例1~10のいずれかによる方法。
【0188】
(実施例12)
第2の材料(2)中のタンタルのモル比が、第2の材料中に含まれる別の元素のモル比と比較して、より高いまたは本質的に同じである、実施例4~11のいずれかによる方法。
【0189】
(実施例13)
第2の材料(2)が酸素、ホウ素および/または窒素をさらに含む、実施例4~12のいずれかによる方法。
【0190】
(実施例14)
第2の材料(2)が以下:酸化タンタル、ホウ酸化タンタル、窒化タンタル、タンタルボロニトリドのうちの少なくとも1種を含む、実施例4~13のいずれかによる方法。
【0191】
(実施例15)
粒子ビームが電子ビームを含む、実施例1~14のいずれかによる方法。
【0192】
(実施例16)
対象物から放出される電子を検出することに少なくとも部分的に基づき、材料の除去のエンドポイントを決定することをさらに含む、実施例1~15のいずれかによる方法。
【0193】
(実施例17)
材料が既定の期間にわたり少なくとも部分的に除去される、実施例1~16のいずれかによる方法。
【0194】
(実施例18)
除去した材料が対象物のパターン素子の層材料を含む、実施例1~17のいずれかによる方法。
【0195】
(実施例19)
対象物の欠陥が修復されるような方式で実行される、実施例1~18のいずれかによる方法。
【0196】
(実施例20)
対象物がEUVリソグラフィーのためのマスクを含む、実施例1~19のいずれかによる方法。
【0197】
(実施例21)
リソグラフィー対象物を処理するための装置(400)であって、第1の処理ガスを提供する手段、
対象物の作動領域内に粒子ビームを提供する手段であって、式中装置が、実施例1~20のいずれかによる方法を実施するように構築される手段
を含む、装置。
【0198】
(実施例22)
コンピュータシステムで実行された場合、実施例21によるコンピュータシステムおよび/または装置に、実施例1~20のいずれかによる方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0199】
1000 EUVマスクの詳細部
D 局所的状態
R 修復された状態
1010 黒欠陥
1020 元の欠陥領域
PE パターン素子
RV 修復手順
O 表面層
A 吸収層
P 緩衝層
D キャッピング層
ML 沈着した多層膜または反射層スタック
S 基材
d 層厚さ
400 例示的装置
402 リソグラフィーマスク
404 試料ステージ
406 電子ガン
408 ビーム形成素子
409 電子ビーム
410 電子ビーム
414 検出器
418 制御ユニット
420 コンピュータシステム
431 制御バルブ
432 ガス入口システム
446 制御バルブ
447 ガス入口システム
485 処理チャンバー
G1 第1のリザーバー容器
G2 第2のリザーバー容器
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
【外国語明細書】