(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140345
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、料金管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20230927BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/12 361Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073611
(22)【出願日】2023-04-27
(62)【分割の表示】P 2022045722の分割
【原出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川又 悠司
(72)【発明者】
【氏名】松浦 熱河
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142BA01
3E142CA13
3E142EA04
3E142FA42
3E142GA41
3E142JA01
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】グループに属する利用者の精算の手間を低減する。
【解決手段】精算装置及び撮影装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置が、撮影装置で撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、第1の画像に基づいて、第1の画像に撮影されている人物を特定する人物特定部と、人物特定部が特定した人物が属する複数の人物からなるグループを、第1の画像に基づいて特定するグループ特定部と、人物の行動に基づく料金情報を受信する料金情報受信部と、撮影装置で撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、第2の画像に基づいてグループに属する人物が精算装置の操作可能位置にいることを検知したとき、グループに属する複数の人物に関する料金情報を精算装置に送信する料金情報送信部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精算装置及び撮影装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、
前記撮影装置で撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、
前記第1の画像に基づいて、前記第1の画像に撮影されている人物を特定する人物特定部と、
前記人物特定部が特定した前記人物が属する複数の人物からなるグループを、前記第1の画像に基づいて特定するグループ特定部と、
前記人物の行動に基づく料金情報を受信する料金情報受信部と、
前記撮影装置で撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、
前記第2の画像に基づいて前記グループに属する前記人物が前記精算装置の操作可能位置にいることを検知したとき、前記グループに属する前記複数の人物に関する前記料金情報を前記精算装置に送信する料金情報送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、さらに電子機器とネットワークを介して通信可能であり、
前記料金情報受信部は、前記人物が前記電子機器を利用した前記料金情報を受信する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記撮影装置は、第1のカメラと第2のカメラとで構成され、
前記第1のカメラは、前記第1の画像を撮影し、
前記第2のカメラは、前記第2の画像を撮影する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第1の画像と前記第2の画像とは、同一の画像である、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記撮影装置は、前記精算装置を操作するための待機領域を撮影し、
前記グループ特定部は、前記待機領域を撮影した画像に基づいて、前記グループを特定する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記人物特定部は、前記撮影装置から受信した前記第1の画像を用いて前記人物の位置情報を時系列に記録する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記グループ特定部は、前記位置情報の時系列に基づいて前記人物が属する前記グループを特定する、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記グループ特定部は、複数の前記人物の間の距離が所定の時間連続して所定の距離より短いことを検知したとき、前記複数の前記人物が同一の前記グループに属すると判定する、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記グループ特定部は、複数の前記人物が撮影された前記第1の画像を所定のグループ行為が撮影された画像と比較することで前記人物が属する前記グループを特定する、
情報処理装置。
【請求項10】
精算装置、撮影装置及び情報処理装置がネットワークを介して通信可能な情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記撮影装置で撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、
前記第1の画像に基づいて、前記第1の画像に撮影されている人物を特定する人物特定部と、
前記人物特定部が特定した前記人物が属する複数の人物からなるグループを、前記第1の画像に基づいて特定するグループ特定部と、
前記人物の行動に基づく料金情報を受信する料金情報受信部と、
前記撮影装置で撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、
前記第2の画像に基づいて前記グループに属する前記人物が前記精算装置の操作可能位置にいることを検知したとき、前記グループに属する前記複数の人物に関する前記料金情報を前記精算装置に送信する料金情報送信部と、
を備える情報処理システム。
【請求項11】
精算装置及び撮影装置とネットワークを介して通信可能なコンピュータが、
前記撮影装置で撮影した第1の画像を受信する第1画像受信手順と、
前記第1の画像に基づいて、前記第1の画像に撮影されている人物を特定する人物特定手順と、
前記人物特定手順で特定した前記人物が属する複数の人物からなるグループを、前記第1の画像に基づいて特定するグループ特定手順と、
前記人物の行動に基づく料金情報を受信する料金情報受信手順と、
前記撮影装置で撮影した第2の画像を受信する第2画像受信手順と、
前記第2の画像に基づいて前記グループに属する前記人物が前記精算装置の操作可能位置にいることを検知したとき、前記グループに属する前記複数の人物に関する前記料金情報を前記精算装置に送信する料金情報送信手順と、
を実行する料金管理方法。
【請求項12】
精算装置及び撮影装置とネットワークを介して通信可能なコンピュータに、
前記撮影装置で撮影した第1の画像を受信する第1画像受信手順と、
前記第1の画像に基づいて、前記第1の画像に撮影されている人物を特定する人物特定手順と、
前記人物特定手順で特定した前記人物が属する複数の人物からなるグループを、前記第1の画像に基づいて特定するグループ特定手順と、
前記人物の行動に基づく料金情報を受信する料金情報受信手順と、
前記撮影装置で撮影した第2の画像を受信する第2画像受信手順と、
前記第2の画像に基づいて前記グループに属する前記人物が前記精算装置の操作可能位置にいることを検知したとき、前記グループに属する前記複数の人物に関する前記料金情報を前記精算装置に送信する料金情報送信手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理システム、料金管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストア又はスーパーマーケット等の小売店舗において、店内に設置したカメラの映像を用いて利用者を追跡することで、無人店舗を実現する技術がある。例えば、特許文献1には、入店時、決済時及び退店時に顔認証を行うことで利用者を特定し、決済時には物体認識により商品の代金を算出する無人店舗システムが開示されている。
【0003】
一方、小売店舗には、例えばデジタル複合機又はマルチメディア端末等の電子機器が設置されていることがある。通常、これらの電子機器の操作は利用料金が発生するため、利用料金を精算する手段が備えられている。例えば、特許文献2には、利用料金を店舗内のPOS(Point Of Sales)端末で精算できる画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、複数の利用者に関する料金を一括して精算することは困難である、という課題がある。例えば、特許文献1に開示された技術では顔認識により事前登録した利用者を認識することができるが、利用者が属するグループを認識することはできない。
【0005】
この発明の一実施形態は、上記のような技術的課題に鑑みて、グループに属する利用者の精算の手間を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明の一実施形態である情報処理装置は、精算装置及び撮影装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、撮影装置で撮影した第1の画像を受信する第1画像受信部と、第1の画像に基づいて、第1の画像に撮影されている人物を特定する人物特定部と、人物特定部が特定した人物が属する複数の人物からなるグループを、第1の画像に基づいて特定するグループ特定部と、人物の行動に基づく料金情報を受信する料金情報受信部と、撮影装置で撮影した第2の画像を受信する第2画像受信部と、第2の画像に基づいてグループに属する人物が精算装置の操作可能位置にいることを検知したとき、グループに属する複数の人物に関する料金情報を精算装置に送信する料金情報送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明の一実施形態によれば、グループに属する利用者の精算の手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における料金管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】一実施形態における全天球撮影装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態における料金管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】一実施形態における状態管理情報の一例を示す図である。
【
図7】一実施形態における第1の基本フローチャートの一例を示す図である。
【
図8】一実施形態における第2の基本フローチャートの一例を示す図である。
【
図9】一実施形態における料金管理方法の一例を示す図である。
【
図10】一実施形態における物体状態更新処理の一例を示す図である。
【
図11】一実施形態における検知物体リスト作成処理の一例を示す図である。
【
図12】一実施形態における登録物体リスト更新処理の一例を示す図である。
【
図13】一実施形態における登録物体リスト更新処理の一例を示す図である。
【
図14】一実施形態におけるグループID付与処理の第1の例を示す図である。
【
図15】一実施形態におけるグループID付与処理の第2の例を示す図である。
【
図16】一実施形態における機器状態更新処理の一例を示す図である。
【
図17】一実施形態における出力情報決定処理の一例を示す図である。
【
図18】一実施形態における出力条件判定処理の一例を示す図である。
【
図19】一実施形態における機器出力情報の一例を示す図である。
【
図20】一変形例における物体状態更新処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0010】
[実施形態]
本発明の一実施形態は、グループに属する複数の利用者に関する料金を一括して精算することが可能な料金管理システムである。本実施形態における料金管理システムでは、グループに属する利用者が精算装置の近傍にいるとき、当該グループに属するすべての利用者に関する料金を当該精算装置から提示する。
【0011】
なお、本実施形態における料金管理システムが対象とする料金は、店舗内で利用者が手にした商品の代金、及び店舗内に設置された電子機器の利用料金等、店舗内における利用者の行動に基づいて発生するあらゆる料金を含む。
【0012】
例えば、特許文献1に開示された無人店舗システムでは、入店から退店まで顔認識により利用者を特定しているが、個々の利用者を特定するのみであり、複数の利用者が属するグループを認識することはできない。したがって、特許文献1に開示された無人店舗システムでは、特定された利用者に関する料金のみが精算可能である。
【0013】
本実施形態における料金管理システムは、管理装置が、電子機器及び精算装置が設置された空間を撮影した画像に基づいて、当該空間内を移動する複数の利用者を追跡する。これにより、管理装置は、複数の利用者が属するグループを認識することができる。
【0014】
複数の利用者が属するグループを認識できれば、グループに属するすべての利用者に関する料金を、当該グループに属するいずれかの利用者が近傍にいる精算装置から提示することができる。グループに属するすべての利用者に関する料金を一括して精算することができれば、利用者にとって利便性が高い無人店舗を実現することができる。
【0015】
<料金管理システムの全体構成>
まず、本実施形態における料金管理システムの全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における料金管理システムの全体構成の一例を示す図である。
【0016】
図1に示されているように、本実施形態における料金管理システム1は、管理装置10、1台以上の監視装置20、1台以上の電子機器30及び精算装置40を含む。管理装置10、監視装置20、電子機器30及び精算装置40は、それぞれ通信ネットワークN1に接続している。
【0017】
通信ネットワークN1は、接続されている各装置が相互に通信可能となるように構成されている。通信ネットワークN1は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)などの有線通信によるネットワークによって構築されている。
【0018】
通信ネットワークN1は、有線通信だけでなく、例えば、無線LAN、又は近距離無線通信等の無線通信、もしくはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(5th Generation)等の移動体通信によるネットワークが含まれていてもよい。
【0019】
監視装置20、電子機器30及び精算装置40は、管理対象空間R1に設置される。管理対象空間R1は、建物内の部屋等の1つの空間でもよいし、扉又は廊下等の出入り可能な空間で接続された複数の空間でもよい。
【0020】
管理対象空間R1の一例は、コンビニエンスストア等の小規模店舗における売り場等である。管理対象空間R1の他の一例は、ホテルのロビー又は客室等である。管理対象空間R1はこれらに限定されず、操作により利用料金が発生し得る電子機器が設置される空間であればどのようなものでもよい。
【0021】
管理装置10は、電子機器30及び精算装置40を管理するPC(Personal Computer)、ワークステーション又はサーバ等の情報処理装置である。管理装置10は、監視装置20から受信した画像及び電子機器30から受信した料金情報に基づいて、精算装置40に動作指示を送信する。管理装置10の一例は、コンピュータである。
【0022】
監視装置20は、管理対象空間R1に設置された電子機器30及び精算装置40の近傍を含む画像を取得する電子機器である。監視装置20は映像(すなわち、画像の時系列)を取得してもよい。監視装置20は、複数の電子機器30及び精算装置40すべてを撮影可能な位置に設置される。
【0023】
監視装置20の一例は、全天球撮影装置である。監視装置20の他の一例は、複数のネットワークカメラである。監視装置20が複数のネットワークカメラである場合、各ネットワークカメラは管理対象空間R1内に死角が生じないように画角を調整して配置される。
【0024】
以降では、監視装置20が複数ある場合に、各々を区別するときは、「監視装置20-1」、「監視装置20-2」等と枝番を用いて記載する。
【0025】
電子機器30は、ユーザが使用する各種の電子機器である。電子機器30の一例は、画像形成装置(プリンタ、FAX装置、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer:デジタル複合機)、スキャナ装置等)である。電子機器30の他の一例は、マルチメディア端末、コーヒーマシン及び商品認識装置等である。
【0026】
なお、本実施形態における商品認識装置は、商品棚又はその近傍に設置される。商品認識装置は、例えば重量センサ、赤外線センサ又は画像センサ等により、利用者が商品棚から取り出した商品又は商品棚に戻した商品を認識する。また、商品認識装置は、商品棚から取り出された商品に関する料金情報を出力する。
【0027】
以降では、複数の電子機器30について、各々を区別するときは、「電子機器30-1」、「電子機器30-2」等と枝番を用いて記載する。
【0028】
精算装置40は、店舗の利用者が購入する商品の代金及び/又は利用したサービスに関する料金を精算する情報処理装置である。精算装置40は、利用者に請求する金額をディスプレイ等に提示し、利用者から受け取った金銭により精算処理を行う。精算装置40は、必要により、バーコードスキャナ、決済端末及び金銭収受器等が外部接続される。精算装置40の一例は、コンピュータである。精算装置40の他の一例は、金銭登録機である。
【0029】
なお、電子機器30は、通信機能を備えた装置であれば、画像形成装置に限られない。すなわち、電子機器30は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC又はデスクトップPC等であってもよい。
【0030】
<料金管理システムのハードウェア構成>
次に、本実施形態における料金管理システムに含まれる各装置のハードウェア構成について、
図2から
図4を参照しながら説明する。
【0031】
≪コンピュータのハードウェア構成≫
図2は、管理装置10及び精算装置40がコンピュータで実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0032】
図2に示されているように、一実施形態におけるコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティング機器512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0033】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0034】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークN1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0035】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティング機器512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0036】
≪全天球撮影装置のハードウェア構成≫
図3は、監視装置20が全天球撮影装置で実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。以下では、全天球撮影装置は、2つの撮像素子を使用した全天球(全方位)撮影装置とするが、撮像素子は2つ以上であればいくつでもよい。また、必ずしも全方位撮影専用の装置である必要はなく、通常のデジタルカメラやスマートフォン等に後付けの全方位の撮像ユニットを取り付けることで、実質的に全天球撮影装置と同じ機能を有するようにしてもよい。
【0037】
図3に示されているように、一実施形態における全天球撮影装置は、撮像ユニット601、画像処理ユニット604、撮像制御ユニット605、マイク608、音処理ユニット609、CPU(Central Processing Unit)611、ROM(Read Only Memory)612、SRAM(Static Random Access Memory)613、DRAM(Dynamic Random Access Memory)614、操作部615、外部機器接続I/F616、通信部617、アンテナ617a、加速度・方位センサ618、ジャイロセンサ619、加速度センサ620、及びMicro USB用の凹状の端子621によって構成されている。
【0038】
このうち、撮像ユニット601は、各々半球画像を結像するための180°以上の画角を有する広角レンズ(いわゆる魚眼レンズ)602a,602bと、各広角レンズに対応させて設けられている2つの撮像素子603a,603bを備えている。撮像素子603a,603bは、魚眼レンズ602a,602bによる光学像を電気信号の画像データに変換して出力するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサなどの画像センサ、この画像センサの水平又は垂直同期信号や画素クロックなどを生成するタイミング生成回路、この撮像素子の動作に必要な種々のコマンドやパラメータなどが設定されるレジスタ群などを有している。
【0039】
撮像ユニット601の撮像素子603a,603bは、各々、画像処理ユニット604とパラレルI/Fバスで接続されている。一方、撮像ユニット601の撮像素子603a,603bは、撮像制御ユニット605とは、シリアルI/Fバス(I2Cバス等)で接続されている。画像処理ユニット604、撮像制御ユニット605及び音処理ユニット609は、バス610を介してCPU611と接続される。さらに、バス610には、ROM612、SRAM613、DRAM614、操作部615、外部機器接続I/F(Interface)616、通信部617、及び加速度・方位センサ618なども接続される。
【0040】
画像処理ユニット604は、撮像素子603a,603bから出力される画像データをパラレルI/Fバスを通して取り込み、それぞれの画像データに対して所定の処理を施した後、これらの画像データを合成処理して、正距円筒射影画像のデータを作成する。
【0041】
撮像制御ユニット605は、一般に撮像制御ユニット605をマスタデバイス、撮像素子603a,603bをスレーブデバイスとして、I2Cバスを利用して、撮像素子603a,603bのレジスタ群にコマンド等を設定する。必要なコマンド等は、CPU611から受け取る。また、撮像制御ユニット605は、同じくI2Cバスを利用して、撮像素子603a,603bのレジスタ群のステータスデータ等を取り込み、CPU611に送る。
【0042】
また、撮像制御ユニット605は、操作部615のシャッターボタンが押下されたタイミングで、撮像素子603a,603bに画像データの出力を指示する。全天球撮影装置によっては、ディスプレイ(例えば、スマートフォンのディスプレイ)によるプレビュー表示機能や動画表示に対応する機能を持つ場合もある。この場合は、撮像素子603a,603bからの画像データの出力は、所定のフレームレート(フレーム/分)によって連続して行われる。
【0043】
また、撮像制御ユニット605は、後述するように、CPU611と協働して撮像素子603a,603bの画像データの出力タイミングの同期をとる同期制御手段としても機能する。なお、本実施形態では、全天球撮影装置にはディスプレイが設けられていないが、表示部を設けてもよい。
【0044】
マイク608は、音を音(信号)データに変換する。音処理ユニット609は、マイク608から出力される音データをI/Fバスを通して取り込み、音データに対して所定の処理を施す。
【0045】
CPU611は、全天球撮影装置の全体の動作を制御すると共に必要な処理を実行する。ROM612は、CPU611のための種々のプログラムを記憶している。SRAM613及びDRAM614はワークメモリであり、CPU611で実行するプログラムや処理途中のデータ等を記憶する。特にDRAM614は、画像処理ユニット604での処理途中の画像データや処理済みの正距円筒射影画像のデータを記憶する。
【0046】
操作部615は、シャッターボタン615aなどの操作ボタンの総称である。ユーザは操作部615を操作することで、種々の撮影モードや撮影条件などを入力する。
【0047】
外部機器接続I/F616は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやPC(Personal Computer)等である。DRAM614に記憶された正距円筒射影画像のデータは、この外部機器接続I/F616を介して外付けのメディアに記録されたり、必要に応じて外部機器接続I/F616を介してスマートフォン等の外部端末(装置)に送信されたりする。
【0048】
通信部617は、全天球撮影装置に設けられたアンテナ617aを介して、Wi-Fi、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信技術によって、スマートフォン等の外部端末(装置)と通信を行う。この通信部617によっても、正距円筒射影画像のデータをスマートフォン等の外部端末(装置)に送信することができる。
【0049】
加速度・方位センサ618は、地球の磁気から全天球撮影装置の方位を算出し、方位情報を出力する。この方位情報はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮影画像の画像補正等の画像処理に利用される。なお、関連情報には、画像の撮影日時、及び画像データのデータ容量の各データも含まれている。また、加速度・方位センサ618は、全天球撮影装置6の移動に伴う角度の変化(Roll角、Pitch角、Yaw角)を検出するセンサである。角度の変化はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮像画像の画像補正等の画像処理に利用される。
【0050】
更に、加速度・方位センサ618は、3軸方向の加速度を検出するセンサである。全天球撮影装置は、加速度・方位センサ618が検出した加速度に基づいて、自装置(全天球撮影装置)の姿勢(重力方向に対する角度)を算出する。全天球撮影装置に、加速度・方位センサ618が設けられることによって、画像補正の精度が向上する。
【0051】
≪MFPのハードウェア構成≫
図4は、電子機器30がMFPで実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0052】
図4に示されているように、一実施形態におけるMFPは、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F(Interface)950を備えている。
【0053】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ908、及び、記憶部であるHD(Hard Disk)909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0054】
これらのうち、CPU901は、MFPの全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0055】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM(Read Only Memory)902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM(Random Access Memory)902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0056】
SB904は、NB903とPCI機器、周辺機器とを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0057】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0058】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0059】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0060】
なお、MFPは、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0061】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワークN1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0062】
<料金管理システムの機能構成>
次に、本実施形態における料金管理システムの機能構成の一例について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態における料金管理システムに含まれる各装置の機能構成を例示するブロック図である。
【0063】
≪管理装置の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態における管理装置10は、画像受信部11、操作情報受信部12、状態管理部13、動作指示部14及び状態記憶部100を備える。本実施形態における状態管理部13は、物体状態管理部131、機器状態管理部132及び出力情報決定部133を備える。
【0064】
画像受信部11、操作情報受信部12、状態管理部13及び動作指示部14は、例えば、
図2に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びHDDコントローラ505に実行させる処理によって実現される。
【0065】
状態記憶部100は、例えば、
図2に示されているHD504を用いて実現される。HD504が記憶するデータの読み込み又は書き込みは、例えば、HDDコントローラ505を介して行われる。
【0066】
状態記憶部100は、管理対象空間R1に存在する機器及び物体の状態を管理する状態管理情報を記憶する。本実施形態における状態管理情報は、登録物体リスト、登録機器リスト及び検出物体リストを含む。
【0067】
登録物体リストは、管理対象空間R1に存在する物体に関する情報を管理するリストである。本実施形態における物体は、人物である。
【0068】
登録機器リストは、管理対象空間R1に存在する機器に関する情報を管理するリストである。本実施形態における機器は、電子機器30及び精算装置40である。
【0069】
検知物体リストは、管理対象空間R1で検知された物体を管理するリストである。検知物体リストは、登録物体リストを更新するために用いられる一時的なリストである。
【0070】
ここで、本実施形態における状態管理情報について、
図6を参照しながら説明する。
図6(A)は、登録物体リストの一例を示す概念図である。
【0071】
図6(A)に示されているように、本実施形態における登録物体リストは、データ項目として、登録物体ID、グループID、存在確認フラグ、属性情報、機器操作情報及び請求情報を有する。
【0072】
登録物体IDは、登録物体リストに含まれる物体を識別する識別情報である。
【0073】
グループIDは、複数の登録物体が属するグループを識別する識別情報である。グループIDは、登録物体リストに含まれる登録物体の一部が同じグループに属すると判定された場合に付与される。グループに属すると判定されていない登録物体のグループIDは、初期値(例えばゼロ)が設定される。
【0074】
グループとは、例えば同僚、親子又は友人である。グループに属するメンバーは共同で買い物等のジョブを遂行する。そのため、グループを認識することにより人物の行動をより精度よく把握することが期待できる。例えば、親子で買い物をしているとき、子供がコピーを行ったMFPの利用料金を親がまとめて会計できると利便性が高い。
【0075】
存在確認フラグは、当該登録物体が管理対象空間R1に存在するか否かを示すフラグである。存在確認フラグは、例えば、存在すれば1、存在しなければ0が設定される。
【0076】
属性情報は、登録物体に付随する情報であって、管理に必要な情報である。本実施形態では、登録物体の位置及び当該位置が確認された時刻(以下、「画像取得時刻」とも呼ぶ)である。登録物体の位置は三次元座標(すなわちX軸、Y軸、Z軸等の直交座標系における各軸上の数値)で表される。
【0077】
位置情報を取得する方法は監視装置20の種別によって異なる。例えば、監視装置20がネットワークカメラであれば、物体までの距離をステレオカメラで取得し、方向と併せて三次元座標にマッピングする等、公知の技術を用いることができる。
【0078】
なお、属性情報は、登録物体の位置に加えて、登録物体の特徴を示す種々の情報を含んでもよい。例えば、登録物体の色又は形状を用いることができる。物体が人物である場合、形状は姿勢によって変化するため、色を用いると好適である。色の種類の数又は各色の面積も姿勢によって変化するため、物体が同一か否かを判定する際には、少なくとも1つの色が連続しているか否かを条件とすると好適である。
【0079】
機器操作情報は、登録物体が行なった機器操作に関する情報である。機器操作情報は、当該機器操作において発生した料金を表す料金情報を含むことがある。機器操作情報は、例えば、ユーザが電子機器で実行した機能、操作時刻、操作の対価としての料金情報、使用言語等である。
【0080】
機器操作情報が料金情報を含む場合、各料金情報に支払い済みフラグが追加される。支払い済みフラグは、当該料金情報が支払い済みであるか否かを示す真偽値である。支払い済みフラグの初期値は、未支払いを示す0(=false)である。
【0081】
請求情報は、登録物体が行なった行動に対して請求する料金に関する情報である。請求情報は、例えば、ユーザが商品棚から買い物かごに入れた商品の対価としての料金情報等である。
【0082】
請求情報は、機器操作情報と同様に、支払い済みフラグを有する。支払い済みフラグは、当該請求情報が支払い済みであるか否かを示す真偽値である。支払い済みフラグの初期値は、未支払いを示す0(=false)である。
【0083】
管理対象空間R1に存在する物体の数は時々刻々と変化する。そのため、登録物体リストに含まれる登録物体の数は可変である。
【0084】
図6(B)は、登録機器リストの一例を示す概念図である。
図6(B)に示されているように、本実施形態における登録機器リストは、データ項目として、登録機器ID、属性情報、機器入力情報及び機器出力情報を有する。
【0085】
登録機器IDは、登録機器リストに含まれる機器を識別する識別情報である。
【0086】
属性情報は、登録機器に付随する情報であって、管理に必要な情報である。本実施形態では、登録機器の位置、電源オン/オフ状況、スリープモード状態か否か、認証要否、オプション搭載状況、メンテナンス中/メンテナンス予定時刻/省エネモード中などの状態情報等である。登録機器の位置は登録物体と同様に三次元座標で表される。
【0087】
機器入力情報は、登録機器が操作された場合に管理される所定の情報である。機器入力情報は、当該機器操作において発生した料金を表す料金情報を含むことがある。機器入力情報は、例えば、ユーザにより登録機器で実行された機能、操作時刻、操作の対価として請求すべき料金情報、使用言語等である。
【0088】
機器出力情報は、登録機器に対して予め登録された情報である。機器出力情報は、動作指示を送信する契機となる出力条件、及び当該出力条件が満たされた場合に当該登録機器に送信する動作指示を対応付けるリストである。
【0089】
管理対象空間R1に設置される機器の数は変化する可能性がある。そのため、登録機器リストに含まれる登録機器の数は可変である。
【0090】
図6(C)は、検知物体リストの一例を示す概念図である。
図6(C)に示されているように、本実施形態における検知物体リストは、データ項目として、検知物体ID、グループID及び属性情報を有する。
【0091】
検知物体IDは、検知物体リストに含まれる物体を識別する識別情報である。
【0092】
グループIDは、複数の検知物体が含まれるグループを識別する識別情報である。グループIDは、検知物体リストに含まれる検知物体の一部が同じグループに属すると判定された場合に付与される。グループに属すると判定されていない検知物体のグループIDは、初期値(例えばゼロ)が設定される。
【0093】
属性情報は、検知物体に付随する情報であって、管理に必要な情報である。本実施形態では、検知物体の位置及び画像取得時刻である。検知物体の位置は登録物体と同様に三次元座標で表される。
【0094】
管理対象空間R1で検知される物体の数は時々刻々と変化する。そのため、検知物体リストに含まれる検知物体の数は可変である。
【0095】
図5に戻って説明する。画像受信部11は、監視装置20から画像を受信する。画像受信部11は、状態管理部13の要求に応じて、受信した画像を状態管理部13に送る。
【0096】
操作情報受信部12は、電子機器30から機器操作情報を受信する。操作情報受信部12は、状態管理部13の要求に応じて、受信した機器操作情報を状態管理部13に送る。本実施形態における機器操作情報は、機器操作に基づく料金情報を含む。
【0097】
状態管理部13は、物体状態管理部131及び機器状態管理部132を用いて、電子機器30及び物体の状態を管理する。また、状態管理部13は、出力情報決定部133を用いて、精算装置40に送信する動作指示の内容を決定する。
【0098】
物体状態管理部131は、画像受信部11から受け取った画像に基づいて、状態記憶部100に記憶されている登録物体リストを更新する。
【0099】
機器状態管理部132は、操作情報受信部12から受け取った機器操作情報に基づいて、状態記憶部100に記憶されている登録機器リスト及び登録物体リストを更新する。
【0100】
出力情報決定部133は、状態記憶部100に記憶されている状態管理情報に基づいて、精算装置40に送信する動作指示の内容を決定する。出力情報決定部133は、決定した動作指示を動作指示部14に送る。
【0101】
動作指示部14は、状態管理部13から受け取った動作指示を、精算装置40に送信する。本実施形態における動作指示は、機器操作情報に含まれる料金情報を含む。
【0102】
≪監視装置の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態における監視装置20は、画像取得部21及び画像送信部22を備える。
【0103】
画像取得部21は、管理対象空間R1に設置された電子機器30又は精算装置40の近傍を含む画像を取得する。画像取得部21は、例えば、
図3に示されているROM612からSRAM613上に展開されたプログラムがCPU611及び撮像制御ユニット605に実行させる処理によって実現される。
【0104】
画像送信部22は、画像取得部21が取得した画像を管理装置10に送信する。画像送信部22は、例えば、
図3に示されているROM612からSRAM613上に展開されたプログラムがCPU611及び外部機器接続I/F616に実行させる処理によって実現される。
【0105】
≪電子機器の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態における電子機器30は、操作情報送信部31を備える。
【0106】
操作情報送信部31は、例えば、
図4に示されているHD909からRAM902b上に展開されたプログラムがCPU901及びネットワークI/F950に実行させる処理によって実現される。
【0107】
操作情報送信部31は、ユーザが行った操作に関する機器操作情報を管理装置10に送信する。
【0108】
≪精算装置の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態における精算装置40は、料金精算部41を備える。
【0109】
料金精算部41は、例えば、
図2に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501、ディスプレイ506及びネットワークI/F509に実行させる処理によって実現される。
【0110】
料金精算部41は、管理装置10から動作指示を受信する。料金精算部41は、受信した動作指示に基づいて、当該精算装置40の動作を制御する。例えば、料金精算部41は、動作指示に含まれる料金情報を利用者に提示する。また、料金精算部41は、利用者の操作に応じて、提示した料金の精算を行う。
【0111】
<料金管理方法の処理手順>
次に、本実施形態における料金管理システムが実行する料金管理方法について、
図7から
図19を参照しながら説明する。
【0112】
≪基本フローチャート≫
本実施形態における料金管理方法では、あるリストに含まれる各データとあるリストに含まれる各データとのすべての組み合わせについて処理を行う2重ループ処理が多く含まれる。そこで、本実施形態では、2重ループ処理の枠組みを示す基本フローチャートを導入し、以降の説明では基本フローチャート中の処理を中心に説明する。なお、基本フローチャート中の各処理は、2つのデータの組み合わせ1つに対して行う処理である。
【0113】
本実施形態における基本フローチャートは、2つの基本フローチャートを含む。第1の基本フローチャートは、異なるリストに含まれる2つのデータを2重ループ処理する場合に使用される。第2の基本フローチャートは、同じリストに含まれる2つのデータを2重ループ処理する場合に使用される。
【0114】
図7は、本実施形態における第1の基本フローチャートの一例を示すフローチャートである。
【0115】
ステップS101において、リストAを読み出す。リストAのデータ数はNとする。ステップS102において、リストBを読み出す。リストBのデータ数はMとする。
【0116】
ステップS103において、変数nを1に初期化する。ステップS104において、変数mを1に初期化する。ステップS105において、処理A1を実行する。
【0117】
ステップS106において、変数mがデータ数Mと等しいか否かを判定する。これは、リストAのn番目のデータについてリストBのすべてのデータとの組み合わせを処理したか否かを意味する。変数mがデータ数Mと異なる場合(NO)、ステップS107に進む。変数mがデータ数Mと等しい場合(YES)、ステップS109に進む。
【0118】
ステップS107において、処理A3を実行する。ステップS108において変数mをインクリメントする。その後、ステップS106に戻る。
【0119】
ステップS109において、処理A2を実行する。ステップS110において、変数nがデータ数Nと等しいか否かを判定する。これは、リストAのすべてのデータについてリストBのすべてのデータとの組み合わせを処理したか否かを意味する。変数nがデータ数Nと異なる場合(NO)、ステップS111に進む。変数nがデータ数Nと等しい場合(YES)、ステップS113に進む。
【0120】
ステップS111において、処理A5を実行する。ステップS112において変数nをインクリメントする。その後、ステップS104に戻る。
【0121】
ステップS113において、処理A4を実行する。以上により、リストA及びリストBに含まれるデータ同士のすべての組み合わせに対する処理が完了する。
【0122】
図8は、本実施形態における第2の基本フローチャートの一例を示すフローチャートである。
【0123】
ステップS201において、リストAを読み出す。リストAのデータ数はNとする。
【0124】
ステップS202において、変数nを1に初期化する。ステップS203において、変数mにn+1を代入する。ステップS204において、処理B1を実行する。
【0125】
ステップS205において、変数mがNと等しいか否かを判定する。これは、リストAのn番目のデータについてリストAのすべてのデータとの組み合わせを処理したか否かを意味する。変数mがNと異なる場合(NO)、ステップS206に進む。変数mがNと等しい場合(YES)、ステップS208に進む。
【0126】
ステップS206において、処理B3を実行する。ステップS207において変数mをインクリメントする。その後、ステップS204に戻る。
【0127】
ステップS208において、処理B2を実行する。ステップS209において、変数nがN-1と等しいか否かを判定する。これは、リストAのすべてのデータについてリストAの他のすべてのデータとの組み合わせを処理したかを意味する。変数nがN-1と異なる場合(NO)、ステップS210に進む。変数nがN-1と等しい場合(YES)、ステップS212に進む。
【0128】
ステップS210において、処理B5を実行する。ステップS211において変数nをインクリメントする。その後、ステップS203に戻る。
【0129】
ステップS212において、処理B4を実行する。以上により、リストAに含まれるデータ同士のすべての組み合わせに対する処理が完了する。
【0130】
≪料金管理方法≫
図9は、本実施形態における料金管理システムが実行する料金管理方法の一例を示すフローチャートである。
【0131】
料金管理システムは、
図9に示すフローチャートを所定の時間間隔で繰り返し実行する。時間間隔は任意に設定すればよいが、例えば、3秒である。
【0132】
ステップS1において、監視装置20が備える画像取得部21は、電子機器30の近傍を撮影した第1の画像を取得する。また、画像取得部21は、精算装置40の近傍を撮影した第2の画像を取得する。監視装置20は、管理対象空間R1に設置された電子機器30及び精算装置40の近傍が画角に入るように設置されている。そのため、画像取得部21が取得する第1の画像には、電子機器30の近傍が撮影されている。また、画像取得部21が取得する第2の画像には、精算装置40の近傍が撮影されている。
【0133】
電子機器30又は精算装置40の近傍とは、ユーザが当該電子機器30及び精算装置40を操作可能な位置の範囲(以下、「操作可能位置」とも呼ぶ)である。操作可能位置は電子機器30又は精算装置40によって異なる。そのため、電子機器30又は精算装置40それぞれに対して、操作可能位置を予め設定しておくとよい。
【0134】
監視装置20は、2台以上のカメラから構成されてもよい。この場合、第1のカメラで電子機器30の操作可能位置を撮影した第1の画像を取得し、第2のカメラで精算装置40の操作可能な位置を撮影した第2の画像を取得してもよい。
【0135】
電子機器30及び精算装置40それぞれの操作可能位置が、1台のカメラで撮影可能な場合には、当該カメラで電子機器30及び精算装置40それぞれの操作可能位置を撮影してもよい。この場合、第1の画像と第2の画像とは、同一の画像となる。
【0136】
次に、画像取得部21は、取得した第1の画像及び第2の画像を画像送信部22に送る。画像送信部22は、画像取得部21から第1の画像及び第2の画像を受け取る。次に、画像送信部22は、受け取った第1の画像及び第2の画像を管理装置10に送信する。管理装置10では、画像受信部11が、監視装置20から第1の画像及び第2の画像を受信する。
【0137】
ステップS2において、管理装置10が備える状態管理部13は、画像受信部11に第1の画像及び第2の画像を要求する。次に、状態管理部13は、画像受信部11から受け取った第1の画像及び第2の画像を物体状態管理部131に入力する。
【0138】
続いて、物体状態管理部131は、後述する物体状態更新処理を実行し、状態記憶部100に記憶されている状態管理情報の登録物体リストを更新する。監視装置20が複数ある場合、物体状態管理部131は、複数の監視装置20それぞれから受信した複数の画像それぞれについて、物体状態更新処理を実行する。
【0139】
≪物体状態更新処理≫
ここで、本実施形態における物体状態更新処理について、
図10から
図15を参照しながら説明する。
図10は、本実施形態における物体状態管理部131が実行する物体状態更新処理(
図9のステップS2)の一例を示すフローチャートである。
【0140】
ステップS21において、物体状態管理部131は、後述の検知物体リスト作成処理を実行し、状態管理部13から入力された画像に基づいて、検知物体リストを作成する。
【0141】
図11は、本実施形態における物体状態管理部131が実行する検知物体リスト作成処理(
図10のステップS21)の一例を示すフローチャートである。
【0142】
ステップS21-1において、物体状態管理部131は、状態記憶部100に記憶されている検知物体リストをクリアする。すなわち、検知物体リストに含まれるデータをすべて削除する。
【0143】
ステップS21-2において、物体状態管理部131は、状態管理部13から入力された画像を取得する。画像は、1台の監視装置20から受信した1つの画像でもよく、複数の監視装置20から受信した複数の画像でもよい。
【0144】
次に、物体状態管理部131は、画像を所定のブロックに分割する。続いて、物体状態管理部131は、ブロック毎に、画像に撮影されている物体とカメラとの距離を測定する。また、物体状態管理部131は、測定した距離から三次元座標を求める。距離から三次元座標に変換する方法は、公知の方法を利用すればよい。
【0145】
ステップS21-3において、物体状態管理部131は、取得した画像から画像取得時刻Tを取得する。画像から画像取得時刻が取得できない場合は、現在時刻を画像取得時刻Tとして取得すればよい。
【0146】
ステップS21-4において、物体状態管理部131は、取得した画像を解析し、当該画像に撮影されている物体を検知する。本実施形態では、画像に撮影されている人物を検知する。
【0147】
人物の検知は、公知の手法を用いることができる。例えば、機械学習モデルを用いたパターンマッチングを用いることができる。具体的には、公知の領域ベース畳み込みニューラルネットワーク(Region Based Convolutional Neural Networks: R-CNN)等を用いて、画像の中から人物を切り出すことができる。
【0148】
さらに、切り出した人物の画像を、予め記憶されている比較画像とパターンマッチングすることで検知の精度を向上することができる。なお、これら以外にも、公知の様々な人物検知手法を用いることができる。
【0149】
ステップS21-5において、物体状態管理部131は、検知した物体を識別する検知物体IDを付与する。
【0150】
ステップS21-6において、物体状態管理部131は、検知物体ID及び属性情報(検知物体の位置及び画像取得時刻)を検知物体リストに登録する。なお、この段階では、グループIDにはグループに属さないことを示す初期値が設定される。
【0151】
図10に戻って説明する。ステップS22において、物体状態管理部131は、後述の登録物体リスト更新処理を実行し、検知物体リストに基づいて、登録物体リストを更新する。
【0152】
図12及び
図13は、本実施形態における物体状態管理部131が実行する登録物体リスト更新処理(
図10のステップS22)の一例を示すフローチャートである。
【0153】
登録物体リスト更新処理は、第1の基本フローチャート(
図7参照)の枠組みで行われる。具体的には、検知物体リストをリストAとし、登録物体リストをリストBとし、検知物体と登録物体のすべての組み合わせについて、処理A1(
図12)及び処理A4(
図13)を実行する。なお、処理A2、A3及びA5に相当する処理はない。
【0154】
図12は、登録物体リスト更新処理の処理A1の一例を示すフローチャートである。処理A1は、登録物体と検知物体との同一性を判定し、登録物体の位置を更新するための処理である。
【0155】
ここでは、検知物体リストのn番目の検知物体と登録物体リストのm番目の登録物体との組み合わせに対して処理を実行するものとする。
【0156】
ステップS22-1において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の存在確認フラグをクリアする。すなわち、m番目の登録物体の存在確認フラグに0を設定する。これは、当該登録物体が管理対象空間R1に存在するか否かが不明であることを意味する。
【0157】
ステップS22-2において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の三次元座標とn番目の検知物体の三次元座標との距離Xを計算する。
【0158】
ステップS22-3において、物体状態管理部131は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)以下であるか否かを判定する。距離Xが閾値を超えている場合(NO)、物体状態管理部131は、処理A1を終了する。これは、両者の距離が離れているため、同一の人物ではないと判断されたことを意味する。距離Xが閾値以下である場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS22-4に処理を進める。
【0159】
ステップS22-4において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の属性情報に、n番目の検知物体の三次元位置及び映像取得時刻を追加する。これは、両者の距離が近いため、同一の人物であり、n番目の検知物体の位置がm番目の登録物体の画像取得時刻Tにおける位置であると判断されたことを意味する。
【0160】
登録物体リストの属性情報は、画像から当該登録物体が検知される限り、物体状態更新処理を実行する度に増えていくことになる。逆に言うと、登録物体リストの属性情報は、当該登録物体が管理対象空間内で検知された位置の時系列を表す。したがって、登録物体リストの属性情報により、当該登録物体の移動を追跡することができる。
【0161】
ステップS22-5において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の存在確認フラグをセットする。すなわち、m番目の登録物体の存在確認フラグに1を設定する。これは、ステップS22-3で登録物体と一致する物体が検知されたため、当該登録物体が画像取得時刻Tにおいても管理対象空間R1に存在すると判定されたことを意味する。
【0162】
図13は、登録物体リスト更新処理の処理A4の一例を示すフローチャートである。処理A4は、処理A1において存在が確認できなかった登録物体を登録物体リストから削除する処理である。
【0163】
ステップS22-6において、物体状態管理部131は、変数mを1に初期化する。
【0164】
ステップS22-7において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体の存在が確認できたか否かを判定する。具体的には、存在確認フラグが1であるか0であるかを判定する。存在確認フラグが1である場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS22-9に処理を進める。存在確認フラグが0である場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS22-8に処理を進める。
【0165】
ステップS22-8において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体を登録物体リストから削除する。
【0166】
ステップS22-9において、物体状態管理部131は、変数mがデータ数Mと等しいか否かを判定する。変数mがデータ数Mと異なる場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS22-10に処理を進める。変数mがデータ数Mと等しい場合(YES)、物体状態管理部131は、処理を終了する。
【0167】
ステップS22-10において、物体状態管理部131は、変数mをインクリメントする。その後、物体状態管理部131は、ステップS22-7に処理を戻す。
【0168】
図10に戻って説明する。ステップS23において、物体状態管理部131は、後述のグループID付与処理を実行し、登録物体リストに含まれる登録物体にグループIDを付与する。
【0169】
グループID付与処理は、第2の基本フローチャート(
図8参照)の枠組みで行われる。具体的には、登録物体リストをリストAとし、2つの登録物体のすべての組み合わせについて、処理B1(
図14又は
図15)を実行する。なお、処理B2-B5に相当する処理はない。
【0170】
ある物体と他の物体とが同じグループに含まれるか否かを判定する処理は、様々な手法が考えられる。本実施形態では、位置近接によるグループ判定及びグループ行為によるグループ判定を説明する。ただし、グループ判定の手法はこれらに限定されず、画像から物体のグループ判定が可能な技術であれば、どのようなものを用いてもよい。
【0171】
図14は、本実施形態における物体状態管理部131が実行するグループID付与処理(
図10のステップS23)の第1の例を示すフローチャートである。グループID付与処理の第1の例は、位置近接によるグループ判定である。
【0172】
位置近接によるグループ判定は、直近の所定回数連続して近接した位置で検知された2つの物体をグループとして登録する処理である。所定回数は、例えば5回である。料金管理方法を実行する時間間隔を3秒とすれば、15秒間連続して近接した位置で検知された2つの物体が同じグループとして判定されることになる。
【0173】
ここでは、登録物体リストのm番目の登録物体とn番目の登録物体との組み合わせに対して処理を実行するものとする。
【0174】
ステップS23A-1において、物体状態管理部131は、変数k及び変数jを1に初期化する。変数kは2つの物体が近接しているか否かを判定した回数を表すカウンタである。変数jは2つの物体が近接していると判定された回数を表すカウンタである。
【0175】
ステップS23A-2において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体のk回前の三次元座標とn番目の登録物体のk回前の三次元座標との距離Xを計算する。
【0176】
ステップS23A-3において、物体状態管理部131は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)未満であるか否かを判定する。距離Xが閾値未満である場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23A-4に処理を進める。距離Xが閾値以上である場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS23A-5に処理を進める。
【0177】
ステップS23A-4において、物体状態管理部131は、変数jをインクリメントする。
【0178】
ステップS23A-5において、物体状態管理部131は、変数kをインクリメントする。
【0179】
ステップS23A-6において、物体状態管理部131は、変数kが所定回数Kと等しいか否かを判定する。変数kが所定回数Kと異なる場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS23A-2に処理を戻す。変数kが所定回数Kと等しい場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23A-7に処理を進める。
【0180】
ステップS23A-7において、物体状態管理部131は、変数jが所定回数Kと等しいか否かを判定する。変数jが所定回数Kと異なる場合(NO)、物体状態管理部131は、処理を終了する。変数jが所定回数Kと等しい場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23A-8に処理を進める。
【0181】
ステップS23A-8において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体及びn番目の登録物体のいずれかにグループIDが付与されているか否かを判定する。グループIDが付与されている場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23A-9に処理を進める。グループIDが付与されていない場合(NO)、物体状態管理部131は、ステップS23A-10に処理を進める。
【0182】
ステップS23A-9において、物体状態管理部131は、m番目の登録物体及びn番目の登録物体に付与されているグループIDのいずれかを、付与するグループIDとして決定する。次に、物体状態管理部131は、登録物体リストにおいて、m番目の登録物体及びn番目の登録物体のグループIDに、決定したグループIDを設定する。
【0183】
物体状態管理部131は、以下のようにして付与するグループIDを決定する。一方の登録物体のみにグループIDが付与されている場合、当該グループIDを付与するグループIDとする。すなわち、グループIDが付与されていない登録物体が既存のグループのメンバーに追加される。
【0184】
両方の登録物体にグループIDが付与されている場合、まず、m+1番目以降の登録物体をグループIDでソートしてm番目の登録物体と同じグループIDを持つ登録物体を特定する。次に、m番目の登録物体及び特定された全ての登録物体のグループIDをn番目の登録物体のグループIDで更新する。これにより、m番目の登録物体が属するグループのメンバーすべてがn番目の登録物体と同じグループに属することになる。これにより、3つ以上の登録物体が属するグループも把握できるようになる。
【0185】
ステップS23A-10において、物体状態管理部131は、他のグループIDと重複しない新たなグループIDを発行する。次に、物体状態管理部131は、登録物体リストにおいて、m番目の登録物体及びn番目の登録物体のグループIDに、発行した新たなグループIDを設定する。
【0186】
図15は、本実施形態における物体状態管理部131が実行するグループID付与処理(
図10のステップS23)の第2の例を示すフローチャートである。グループID付与処理の第2の例は、グループ行為によるグループ判定である。
【0187】
グループ行為によるグループ判定は、検知物体リストを作成した後に画像解析によってグループ判定を行う処理である。そのため、グループ行為によるグループ判定を行う場合、ステップS23は、ステップS21とステップS22の間で実行される。
【0188】
ここでは、検知物体リストのm番目の検知物体とn番目の検知物体との組み合わせに対して処理を実行するものとする。
【0189】
ステップS23B-1において、物体状態管理部131は、n番目の検知物体の三次元座標とm番目の検知物体の三次元座標との距離Xを計算する。
【0190】
ステップS23B-2において、物体状態管理部131は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)未満であるか否かを判定する。距離Xが閾値以上である場合(NO)、物体状態管理部131は、処理を終了する。距離Xが閾値未満である場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23B-3に処理を進める。
【0191】
ステップS23B-3において、物体状態管理部131は、n番目の検知物体の三次元座標とm番目の検知物体の三次元座標との中点を計算する。具体的には、物体状態管理部131は、2つの検知物体のX座標、Y座標及びZ座標それぞれの和を2で除算する。
【0192】
ステップS23B-4において、物体状態管理部131は、中点を中心とした半径Yピクセルの映像Pを抽出する。半径Yは映像の解像度に応じて、映像Pに含まれる範囲が実空間における距離で約1mとなるように設定される。
【0193】
ステップS23B-5において、物体状態管理部131は、予め記憶されているグループ行為画像を読み出す。グループ行為画像は、同じグループに属すると判定される行為を表す画像の集合である。例えば、ある人物が持つ買い物かごに別の人物が商品を入れる画像等である。
【0194】
ステップS23B-6において、物体状態管理部131は、映像Pとグループ行為画像それぞれとの類似度をパターンマッチング等により計算する。
【0195】
ステップS23B-7において、物体状態管理部131は、計算した類似度の中に所定の閾値を超えるものがあるか否かを判定する。閾値を超える類似度がある場合(YES)、物体状態管理部131は、ステップS23B-8に処理を進める。閾値を超える類似度がない場合(NO)、物体状態管理部131は、処理を終了する。
【0196】
ステップS23B-8において、物体状態管理部131は、他のグループIDと重複しない新たなグループIDを発行する。次に、物体状態管理部131は、検知物体リストにおいて、m番目の検知物体及びn番目の検知物体のグループIDに、発行した新たなグループIDを設定する。
【0197】
その後に実行される登録物体リスト更新処理のステップS22-4(
図12参照)において、物体状態管理部131は、登録物体のグループIDに、同一の物体と判定された検知物体のグループIDを設定する。なお、登録物体に既存のグループIDが付与されている場合、グループID付与処理の第1の例のステップS23A-8からステップS23A-10(
図14参照)が実行される。
【0198】
図9に戻って説明する。ステップS3において、電子機器30-1が備える操作情報送信部31は、ユーザが当該電子機器30-1で行った操作に応じて、操作内容が管理装置10に通知すべき情報であるか否かを判定する。この判定は、予め定めた操作内容のいずれかと合致するか否かにより行われる。
【0199】
操作情報送信部31は、通知すべき操作内容であると判定した場合、機器操作に関する機器操作情報を管理装置10に送信する。管理装置10では、操作情報受信部12が、電子機器30-1から機器操作情報を受信する。
【0200】
本実施形態における操作内容及び操作情報を、以下に例示する。
【0201】
<例1>
操作内容:機器ログイン
操作情報:登録機器ID、機器認証ID(認証が要求される場合)、ログイン時刻
<例2>
操作内容:料金が発生する処理(コピー出力、従量課金型ソフトウェアの使用等)
操作情報:登録機器ID、機器認証ID(認証が要求される場合)、料金、入力データ、使用言語
<例3>
操作内容:無し
操作情報:メンテナンス、省エネモード中などの状態情報
<例4>
操作内容:商品棚から商品を取り出す行動
操作情報:登録機器ID、商品の識別情報、商品の価格
【0202】
登録機器IDとは、管理装置10の状態記憶部100に記憶されている登録機器リストに含まれる識別情報である。登録機器IDは、管理対象空間R1に設置されている電子機器30それぞれに割り振られている。機器認証IDは、電子機器30のユーザが当該電子機器30を使用するための認証に用いる認証情報である。
【0203】
ステップS4において、管理装置10が備える状態管理部13は、操作情報受信部12に操作情報を要求する。次に、状態管理部13は、操作情報受信部12から受け取った操作情報を機器状態管理部132に入力する。
【0204】
続いて、機器状態管理部132は、後述する機器状態更新処理を実行し、状態記憶部100に記憶されている状態管理情報の登録機器リストを更新する。
【0205】
≪機器状態更新処理≫
ここで、本実施形態における機器状態更新処理について、
図16を参照しながら説明する。
図16は、本実施形態における機器状態管理部132が実行する機器状態更新処理(
図9のステップS4)の一例を示すフローチャートである。
【0206】
ステップS41において、機器状態管理部132は、機器操作情報に含まれる登録機器IDにより登録機器リストに含まれる登録機器を特定する。次に、機器状態管理部132は、特定された登録機器の機器入力情報に、受け取った機器操作情報を設定する。
【0207】
ステップS42において、機器状態管理部132は、変数nを1に初期化する。
【0208】
ステップS43において、機器状態管理部132は、特定された登録機器の三次元座標とn番目の登録物体の最新の三次元座標との距離Xを計算する。なお、登録機器の三次元座標は、登録物体の三次元座標と同様の手法により予め設定しておく。登録機器の設置位置が移動される場合もあるため、定期的に登録機器の三次元座標を更新する必要があるが、更新頻度は低くてもよい。
【0209】
ステップS44において、機器状態管理部132は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)未満であるか否かを判定する。距離Xが閾値以上である場合(NO)、機器状態管理部132は、ステップS47に処理を進める。距離Xが閾値未満である場合(YES)、機器状態管理部132は、ステップS45に処理を進める。
【0210】
ステップS45において、機器状態管理部132は、n番目の登録物体の機器操作情報に、特定された登録機器の機器入力情報を追加する。登録物体リストの機器操作情報は、所定数の機器入力情報を格納可能に構成されている。
【0211】
ステップS46において、機器状態管理部132は、特定された登録機器の機器入力情報に料金情報が含まれる場合、n番目の登録物体の請求情報に当該料金情報を加算する。このように構成することにより、画像から登録物体が検知される限り、当該登録物体が管理対象空間内で行った行動に基づく料金の総額を管理することができる。
【0212】
ステップS47において、機器状態管理部132は、変数nがデータ数Nと等しいか否かを判定する。変数nがデータ数Nと異なる場合(NO)、機器状態管理部132は、ステップS48に処理を進める。変数nがデータ数Nと等しい場合(YES)、機器状態管理部132は、処理を終了する。
【0213】
ステップS48において、機器状態管理部132は、変数nをインクリメントする。その後、機器状態管理部132は、ステップS43に処理を戻す。
【0214】
図9に戻って説明する。ステップS5において、管理装置10が備える出力情報決定部133は、後述する出力情報決定処理を実行し、状態記憶部100に記憶されている状態管理情報に基づいて精算装置40に送信する動作指示を決定する。
【0215】
≪出力情報決定処理≫
ここで、本実施形態における出力情報決定処理について、
図17及び
図18を参照しながら説明する。
図17は、本実施形態における出力情報決定部133が実行する出力情報決定処理(
図9のステップS5)の一例を示すフローチャートである。
【0216】
出力情報決定処理は、第1の基本フローチャート(
図7参照)の枠組みで行われる。具体的には、登録機器リストをリストAとし、登録物体リストをリストBとし、登録機器と登録物体のすべての組み合わせについて、処理A1(
図17)を実行する。なお、処理A2-A5に相当する処理はない。
【0217】
ここでは、登録機器リストのn番目の登録機器と登録物体リストのm番目の登録物体との組み合わせに対して処理を実行するものとする。
【0218】
ステップS51において、出力情報決定部133は、n番目の登録機器の最新の三次元座標とm番目の登録物体の最新の三次元座標との距離Xを計算する。
【0219】
ステップS52において、出力情報決定部133は、距離Xが所定の閾値(例えば、1メートル)未満であるか否かを判定する。距離Xが閾値以上である場合(NO)、機器状態管理部132は、処理を終了する。距離Xが閾値未満である場合(YES)、機器状態管理部132は、ステップS53に処理を進める。
【0220】
ステップS53において、出力情報決定部133は、状態記憶部100に記憶されている登録機器リストから、n番目の登録機器の機器出力情報に含まれる出力条件を取得する。
【0221】
ステップS54において、出力情報決定部133は、状態記憶部100に記憶されている登録物体リストから、m番目の登録物体の機器操作情報を取得する。
【0222】
ステップS55において、出力情報決定部133は、ステップS54で取得した機器操作情報のいずれかが、ステップS53で取得した出力条件を満たすか否かを判定する。機器操作情報のすべてが出力条件を満たさない場合、(NO)、機器状態管理部132は、処理を終了する。機器操作情報のいずれかが出力条件を満たす場合(YES)、機器状態管理部132は、ステップS56に処理を進める。
【0223】
ステップS56において、出力情報決定部133は、n番目の登録機器の機器出力情報からステップS53で取得した出力条件に対応する動作指示を取得する。なお、登録機器の動作指示には、登録機器の属性情報に応じて適応的に処理を行なうものが含まれていてもよい。例えば、登録機器が動作できない状態であるときは動作指示を送信しないといった条件を含めてもよい。動作できない状態とは、例えば、電源オフ状態又は休止状態等である。
【0224】
図18は、本実施形態における出力情報決定部133が実行する出力条件判定処理(
図17のステップS55)の変形例を示すフローチャートである。
【0225】
図17に示した出力情報決定処理では、ステップS55においてm番目の登録物体の機器操作情報のみに基づいて出力条件を満たすか否かを判定した。
図18に示した出力情報決定処理では、m番目の登録機器以外の機器操作情報を参照し出力条件を満たすか否かを判定する。
【0226】
ステップS55-1において、出力情報決定部133は、m番目の登録物体の機器操作情報のいずれかが、n番目の登録機器の出力条件を満たすか否かを判定する。機器操作情報のいずれかが出力条件を満たす場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-10に処理を進める。機器操作情報のすべてが出力条件を満たさない場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップS55-2に処理を進める。
【0227】
ステップS55-2において、出力情報決定部133は、n番目の登録機器の出力条件に基づいて、他の登録物体の機器操作情報が必要か否かを判定する。他の登録物体の機器操作情報が必要な場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-3に処理を進める。他の登録物体の機器操作情報が不要な場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップS55-9に処理を進める。
【0228】
ステップS55-3において、出力情報決定部133は、変数kを1に初期化する。
【0229】
ステップS55-4において、出力情報決定部133は、変数kが変数mと等しいか否かを判定する。変数kが変数mと等しい場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-5に処理を進める。変数kが変数mと等しくない場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップS55-7に処理を進める。
【0230】
ステップS55-5において、出力情報決定部133は、状態記憶部100に記憶されている登録物体リストから、k番目の登録物体の機器操作情報を取得する。
【0231】
ステップS55-6において、出力情報決定部133は、k番目の登録物体の機器操作情報のいずれかが、n番目の登録機器の出力条件を満たすか否かを判定する。機器操作情報のいずれかが出力条件を満たす場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-10に処理を進める。機器操作情報のすべてが出力条件を満たさない場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップS55-7に処理を進める。
【0232】
ステップS55-7において、出力情報決定部133は、変数kがデータ数Mと等しいか否かを判定する。変数kがデータ数Mと異なる場合(NO)、出力情報決定部133は、ステップ55-8に処理を進める。変数mがデータ数Mと等しい場合(YES)、出力情報決定部133は、ステップS55-9に処理を進める。
【0233】
ステップS55-8において、出力情報決定部133は、変数kをインクリメントする。その後、出力情報決定部133は、ステップS55-4に処理を戻す。
【0234】
ステップS55-9において、出力情報決定部133は、ステップS54で取得した機器操作情報が、ステップS53で取得した出力条件を満たさないと判定し、処理を終了する。
【0235】
ステップS55-10において、出力情報決定部133は、ステップS54で取得した機器操作情報が、ステップS53で取得した出力条件を満たすと判定し、処理を終了する。
【0236】
図19は、本実施形態における機器出力情報の一例を示す図である。本実施形態における機器出力情報の出力条件の第1の例は、他の登録物体の機器操作情報が不要な出力条件である。本実施形態における機器出力情報の出力条件の第2~第4の例は、他の登録物体の機器操作情報が必要な出力条件である。
【0237】
図19に示されているように、本実施形態における出力条件の第1の例は、m番目の登録物体(以下、「人物α」とも呼ぶ)が電子機器(ここでは、MFPとする)で料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、支払い済みフラグが未払いを表す0(=false)であること、である。
【0238】
図19に示されているように、出力条件の第1の例を満たすと判定された場合、以下の動作指示のいずれか又は複数が、当該登録機器に送信する動作指示として決定される。第1の動作指示は、人物αに提示する請求額に、MFP利用料金を加算することである。第2の動作指示は、人物αの機器操作情報の支払い済みフラグを、支払い済みを表す1(=true)に更新するように管理装置10に指示することである。
【0239】
なお、人物αに対する請求額は、人物αに関する請求情報及び人物αに関する機器操作情報に含まれる料金情報から計算される。したがって、人物αに対する請求額は、監視装置20が撮影した第1の画像に基づいて人物αの行動を追跡することで計算される。また、人物αに対する請求額は、監視装置20が撮影した第2の画像に基づいて人物αが精算装置40を操作可能な位置に存在することを検知することで確定される。
【0240】
図19に示されているように、本実施形態における出力条件の第2の例は、k番目の登録物体(以下、「人物β」とも呼ぶ)が電子機器(ここでは、MFPとする)で料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、支払い済みフラグが未払いを表す0(=false)であること、である。なお、人物βは、人物αと同じグループIDを持つものとする。
【0241】
図19に示されているように、出力条件の第2の例を満たすと判定された場合、以下の動作指示のいずれか又は複数が、当該登録機器に送信する動作指示として決定される。第1の動作指示は、人物αに提示する請求額に、人物βに関するMFP利用料金を加算することである。第2の動作指示は、人物βに関するMFP利用料金について「人物αではなく人物βが支払う」旨を示す選択肢と「はい」又は「いいえ」の選択ボタンを表示することである。このとき、「はい」が選択された場合、人物αに提示した請求額を、人物βのMFP利用料金を減算した金額に更新する。第3の動作指示は、人物αが人物βに関するMFP利用料金が加算された請求額を支払った場合、人物βの機器操作情報の支払い済みフラグを、支払い済みを表す1(=true)に更新するように管理装置10に指示することである。
【0242】
図19に示されているように、本実施形態における出力条件の第3の例は、人物βがMFPで料金が発生する操作を行った機器操作情報が存在し、かつ、支払い済みフラグが未払いを表す0(=false)であること、である。なお、人物βは、人物αと同じグループIDを持つものとする。
【0243】
図19に示されているように、出力条件の第3の例を満たすと判定された場合、以下の動作指示のいずれか又は複数が、当該登録機器に送信する動作指示として決定される。第1の動作指示は、人物αに提示する請求額に、人物βに関するMFP利用料金を加算し、人物βの顔写真と共に提示することである。第2の動作指示及び第3の動作指示は、出力条件の第2の例と同様である。
【0244】
図19に示されているように、本実施形態における出力条件の第4の例は、人物βに対する請求額が存在し、かつ、支払い済みフラグが未払いを表す0(=false)であること、である。なお、人物βは、人物αと同じグループIDを持つものとする。
【0245】
図19に示されているように、出力条件の第4の例を満たすと判定された場合、以下の動作指示のいずれか又は複数が、当該登録機器に送信する動作指示として決定される。第1の動作指示は、人物αに提示する請求額に、人物βに対する請求額を加算して提示することである。このとき、人物βの顔写真を共に提示してもよい。第2の動作指示は、人物βに対する請求額について「人物αではなく人物βが支払う」旨を示す選択肢と「はい」又は「いいえ」の選択ボタンを表示することである。このとき、「はい」が選択された場合、人物αに提示した請求額を、人物βに対する請求額を減算した金額に更新する。第3の動作指示は、人物αが人物βに対する請求額が加算された請求額を支払った場合、人物βの請求額に支払い済みフラグを、支払い済みを表す1(=true)に更新するように管理装置10に指示することである。
【0246】
図9に戻って説明する。ステップS6において、管理装置10が備える出力情報決定部133は、動作指示を表す動作指示情報を動作指示部14に送る。動作指示情報には、決定した動作指示を示す情報が含まれる。
【0247】
動作指示部14は、出力情報決定部133から動作指示情報を受け取る。次に、動作指示部14は、精算装置40に、動作指示情報に含まれる動作指示を送信する。
【0248】
精算装置40では、料金精算部41が、管理装置10から動作指示を受信する。次に、料金精算部41は、受信した動作指示に従って、当該動作指示に含まれる料金情報を用いた動作を実行する。例えば、料金精算部41は、動作指示に含まれる料金情報を、利用者が購入する商品の代金に加えてディスプレイ506に表示する。
【0249】
また、例えば、料金精算部41は、利用者が属するグループ全員に関する料金情報を受信した場合、利用者が精算する料金を選択可能な形式でディスプレイ506に表示する。利用者は、個別精算を希望する場合には、他の利用者による電子機器の操作に基づく料金を除外して精算を行うことができる。
【0250】
<実施形態の効果>
本実施形態における料金管理システム1は、電子機器30の近傍を撮影した画像に基づいて人物の移動を追跡することで、利用者が電子機器30を操作したことで発生した料金を表す情報を用いた動作指示を、当該利用者が近傍にいることを検知した精算装置40に送信する。したがって、本実施形態における料金管理システム1によれば、電子機器を操作した利用者が近傍にいる精算装置に当該操作に基づく料金情報を送信することができる。
【0251】
特に、本実施形態における料金管理システム1は、複数の利用者が属するグループを特定し、グループに属するいずれかの利用者が精算装置40の近傍にいることを検知すると、当該グループに属するすべての利用者の料金情報を精算装置40に送信する。これにより、利用者はグループ全員の利用料金をまとめて精算することができる。
【0252】
[変形例]
上記実施形態では、管理対象空間内で撮影された画像すべてに対してグループID付与処理を行うように構成した。本変形例では、精算装置40を利用するために待機する領域(以下、「精算待機領域」)において、近接した位置で検知された複数の人物を同じグループに属するものと判定するように構成する。
【0253】
本変形例における画像取得部21は、予め設定された精算待機領域を撮影した第3の画像を取得する。本変形例における監視装置20は、精算待機領域を撮影するためのカメラを含んでもよい。精算装置40の近傍を撮影するカメラが精算待機領域を撮影可能であれば、当該カメラで精算待機領域を撮影してもよい。この場合、第2の画像と第3の画像は、同一の画像となる。
【0254】
ここで、本変形例における物体状態更新処理について、
図20を参照しながら説明する。
図20は、本変形例における物体状態管理部131が実行する物体状態更新処理の一例を示すフローチャートである。
【0255】
ステップS24において、物体状態管理部131は、状態管理部13から入力された画像が精算待機領域を撮影した第3の画像であるか否かを判定する。画像が精算待機領域の画像である場合、物体状態管理部131は、ステップS23Aに処理を進める。画像が精算待機領域の画像でない場合、物体状態管理部131は、物体状態更新処理を終了する。
【0256】
ステップS23Aにおいて、物体状態管理部131は、
図14に示したグループID付与処理の第1の例を実行し、登録物体リストに含まれる登録物体にグループIDを付与する。グループID付与処理の内容は、上記実施形態と同様である。
【0257】
<変形例の効果>
本変形例における料金管理システム1は、精算待機領域を撮影した画像に基づいて、利用者が属するグループを特定する。精算装置40の利用を待機する領域では、グループが近接した位置に集まって待機している可能性が高い。したがって、本変形例における料金管理システム1によれば、より精度よくグループの特定を行うことができる。
【0258】
[応用例]
上記実施形態では、管理対象空間をコンビニエンスストア等の小規模店舗と想定し、電子機器30をMFPとして料金を精算する例を中心に説明した。ただし、料金管理システム1を適用可能な利用シーンはこれに限定されず、様々な利用シーンに応用することができる。
【0259】
例えば、料金管理システム1を、ホテルに設置される電子機器の利用料金を管理するように構成することができる。ホテルには、様々な電子機器が設置されている。例えば、ロビーには地域情報を検索するためのPCが設置されていることがある。また、客室にはテレビ放送及びオンデマンド動画を再生可能なセットトップボックスが設置されていることがある。料金管理システム1によりこれらの機器で発生した料金情報を管理することで、ホテルの宿泊客が都度料金を精算することなく、チェックアウトする際にまとめて精算することが可能となる。
【0260】
また、例えば、料金管理システム1を、空港に設置される電子機器の利用料金を管理するように構成することができる。例えば、空港には、有料ラウンジが設置されていることがある。有料ラウンジ内には、MFP等が設置されていることがある。料金管理システム1によりこれらの機器で発生した料金情報を管理することで、乗客が都度料金を精算することなく、退室する際にまとめて精算することが可能となる。
【0261】
[補足]
上記各実施形態において、管理装置10は情報処理装置の一例である。料金管理システム1は情報処理システムの一例である。監視装置20は撮影装置の一例である。状態管理部13は人物特定部及びグループ特定部の一例である。操作情報受信部12は料金情報受信部の一例である。動作指示部14は料金情報送信部の一例である。
【0262】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等の機器を含むものとする。
【0263】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、管理装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0264】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0265】
1 料金管理システム
10 管理装置
11 画像受信部
12 操作情報受信部
13 状態管理部
14 動作指示部
100 状態記憶部
131 物体状態管理部
132 機器状態管理部
133 出力情報決定部
20 監視装置
21 画像取得部
22 画像送信部
30 電子機器
31 操作情報送信部
40 精算装置
41 料金精算部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0266】
【特許文献1】特開2020-166638号公報
【特許文献2】特開2001-242754号公報