(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140699
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20230928BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20230928BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046673
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川崎 哉
(72)【発明者】
【氏名】青木 誠
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA38
3C100BB15
3C100BB34
3C100CC03
3C100DD04
3C100DD05
3C100DD25
3C100EE17
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】面積が限られた場所でも複数の管理対象物の位置又は工程の管理を容易にする情報処理システムを提供すること。
【解決手段】複数の管理対象物を管理する位置又は工程に対応付いたそれぞれの場所で撮影する複数の撮影装置によって撮影された撮影画像から、管理対象物のそれぞれと対応付けられた第1の伝票を認識して、管理対象物の所在する位置又は工程を管理する情報処理システムであって、複数の管理対象物に対応する1つの第2の伝票の印刷データを作成する印刷データ作成手段と、印刷された1つの第2の伝票を、撮影画像で撮影された撮影画像から認識したことに基づき、1つの第2の伝票に対応する複数の管理対象物が、第2の伝票を撮影した撮影装置に対応する1つの位置又は工程に所在するものとして表示させる表示制御手段と、を有することにより上記課題を解決する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管理対象物を管理する位置又は工程に対応付いたそれぞれの場所で撮影する複数の撮影装置によって撮影された撮影画像から、管理対象物のそれぞれと対応付けられた第1の伝票を認識して、前記管理対象物の所在する位置又は工程を管理する情報処理システムであって、
複数の前記管理対象物に対応する1つの第2の伝票の印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
印刷された1つの前記第2の伝票を、前記撮影画像で撮影された前記撮影画像から認識したことに基づき、1つの前記第2の伝票に対応する複数の前記管理対象物が、前記第2の伝票を撮影した前記撮影装置に対応する1つの前記位置又は工程に所在するものとして表示させる表示制御手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
複数の前記管理対象物の選択をユーザから受け付ける選択受付手段と、
選択を受け付けた複数の前記管理対象物に対応する1つのコード画像を生成するコード画像生成手段と、
を更に有し、
前記印刷データ作成手段は、複数の前記管理対象物に対応する1つのコード画像を含む前記第2の伝票の印刷データを作成する
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記撮影画像を元に、前記第1の伝票のコード画像及び前記第2の伝票のコード画像を認識するコード画像認識手段と、
前記第1の伝票のコード画像が示す第1の識別情報及び前記第2の伝票のコード画像が示す第2の識別情報と前記撮影画像を撮影した前記撮影装置の識別情報とに基づき、前記第1の伝票に対応する1つの管理対象物の所在する1つの位置または工程、及び前記第2の伝票に対応する複数の管理対象物の所在する1つの位置または工程、を特定することによって前記管理対象物それぞれの前記位置または工程を管理する管理手段と、
を更に有する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
認識した前記第1の伝票のコード画像に対応する1つの前記管理対象物が、認識した前記第2の伝票のコード画像に対応する複数の前記管理対象物に含まれている場合に、
前記表示制御手段は、前記第1の伝票を撮影した前記撮影装置に対応する前記位置又は工程に、前記第1の伝票のコード画像に対応する1つの前記管理対象物が所在するものとして表示させる
請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
認識した前記第1の伝票のコード画像に対応する1つの前記管理対象物が、認識した前記第2の伝票のコード画像に対応する複数の前記管理対象物に含まれている場合に、前記管理手段が認識した前記第2の伝票のコード画像との対応付けを解消した後、
前記表示制御手段は、前記第1の伝票を撮影した前記撮影装置に対応する前記位置又は工程として表示させる
請求項3又は4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記コード画像生成手段は、前記選択受付手段により選択を受け付けた複数の前記管理対象物が、前記印刷データを作成済みの他の前記第2の伝票と対応付いている場合、前記管理手段が他の前記第2の伝票との対応付けを解消した後、選択を受け付けた複数の前記管理対象物に対応するコード画像を生成する
請求項3乃至5の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記選択受付手段は、選択を受け付けた複数の前記管理対象物に、前記印刷データを作成済みの他の前記第2の伝票と対応付いている前記管理対象物が含まれている場合、その旨をユーザに通知する
請求項2乃至6の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記コード画像は、隣接して接続されるセル間の色の遷移を用いて値が表現されているカラーコード画像である
請求項2乃至7の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記位置は、前記管理対象物あるいは前記伝票を置く場所であり、
前記工程は、前記管理対象物を生産または処理する一連の工程のうちの特定の工程である
請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記撮影装置は、下方の前記第1の伝票及び前記第2の伝票の前記撮影画像を撮影するように、前記位置より上方に設置される
請求項1乃至9の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
複数の管理対象物を管理する位置又は工程に対応付いたそれぞれの場所で撮影する複数の撮影装置によって撮影された撮影画像から、管理対象物のそれぞれと対応付けられた第1の伝票を認識して、前記管理対象物の所在する位置又は工程を管理する情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
複数の前記管理対象物に対応する1つの第2の伝票の印刷データを作成する印刷データ作成ステップと、
印刷された1つの前記第2の伝票を、前記撮影画像で撮影された前記撮影画像から認識したことに基づき、1つの前記第2の伝票に対応する複数の前記管理対象物が、前記第2の伝票を撮影した前記撮影装置に対応する1つの前記位置又は工程に所在するものとして表示させる表示制御ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項12】
複数の管理対象物を管理する位置又は工程に対応付いたそれぞれの場所で撮影する複数の撮影装置によって撮影された撮影画像から、管理対象物のそれぞれと対応付けられた第1の伝票を認識して、前記管理対象物の所在する位置又は工程を管理する情報処理装置に、
複数の前記管理対象物に対応する1つの第2の伝票の印刷データを作成する手順、
印刷された1つの前記第2の伝票を、前記撮影画像で撮影された前記撮影画像から認識したことに基づき、1つの前記第2の伝票に対応する複数の前記管理対象物が、前記第2の伝票を撮影した前記撮影装置に対応する1つの前記位置又は工程に所在するものとして表示させる手順、
を実行させるためのプログラム。
【請求項13】
複数の管理対象物を管理する位置又は工程に対応付いたそれぞれの場所で撮影する複数の撮影装置によって撮影された撮影画像から、管理対象物のそれぞれと対応付けられた第1の伝票を認識して、前記管理対象物の所在する位置又は工程を管理する情報処理装置であって、
複数の前記管理対象物に対応する1つの第2の伝票の印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
印刷された1つの前記第2の伝票を、前記撮影画像で撮影された前記撮影画像から認識したことに基づき、1つの前記第2の伝票に対応する複数の前記管理対象物が、前記第2の伝票を撮影した前記撮影装置に対応する1つの前記位置又は工程に所在するものとして表示させる表示制御手段と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の作業工程からなるジョブの進捗を、バーコード等を活用することで管理する技術は従来から知られている。例えば作業工程に対応付いたそれぞれの場所で、ジョブと対応付けられたコード画像を撮影し、コード画像からジョブを認識して、撮影された場所に対応付いた作業工程とコード画像から認識されたジョブとを対応付けて管理する技術は従来から知られている。また、撮影された場所に対応付いた作業工程とコード画像から認識されたジョブとを対応付けて管理し、複数の作業工程からなる複数のジョブの進捗に関する情報をユーザに提供する技術は従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カメラを用いてコード画像を撮影するためには、重ならないようにコード画像を並べる必要がある。しかしながら、重ならないように並べられるコード画像の数には、並べられる面積が限られた場所では物理的な限界があった。
【0004】
本発明の実施の形態は、上記の点に鑑みなされたもので、面積が限られた場所でも複数の管理対象物の位置又は工程の管理を容易にする情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する為、本願請求項1は、複数の管理対象物を管理する位置又は工程に対応付いたそれぞれの場所で撮影する複数の撮影装置によって撮影された撮影画像から、管理対象物のそれぞれと対応付けられた第1の伝票を認識して、前記管理対象物の所在する位置又は工程を管理する情報処理システムであって、複数の前記管理対象物に対応する1つの第2の伝票の印刷データを作成する印刷データ作成手段と、印刷された1つの前記第2の伝票を、前記撮影画像で撮影された前記撮影画像から認識したことに基づき、1つの前記第2の伝票に対応する複数の前記管理対象物が、前記第2の伝票を撮影した前記撮影装置に対応する1つの前記位置又は工程に所在するものとして表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施の形態によれば、面積が限られた場所でも複数の管理対象物の位置又は工程の管理を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係るジョブ管理システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るジョブ管理システムで利用するジョブチケットの一例のイメージ図である。
【
図3】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
【
図5】印刷工場におけるジョブの工程の一例を示したイメージ図である。
【
図6】本実施形態に係るバッチチケットの一例について説明する図である。
【
図7】ジョブチケット及びバッチチケットを管理するデータ構造の一例である。
【
図8】バッチチケットを利用したジョブ情報の一括更新について説明する一例の図である。
【
図9】バッチチケットを利用したジョブ情報の一括更新の処理の一例のフローチャートである。
【
図10】バッチチケットの発行を行う画面の一例のイメージ図である。
【
図11】本実施形態に係るバッチチケットを発行する処理の一例のフローチャートである。
【
図12】バッチチケットとジョブチケットとの対応付けの解消について説明する一例の図である。
【
図13】バッチチケットとジョブチケットとの対応付けの解消が可能なジョブ情報の一括更新の処理の一例のフローチャートである。
【
図14】ステップS58の処理の一例のフローチャートである。
【
図15】バッチチケットの発行を行う画面の一例のイメージ図である。
【
図16】本実施形態に係るバッチチケットを発行する処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では一例として、印刷工場におけるジョブの位置又は工程の管理を、コード画像の一例であるカラーコード画像の位置把握により実現する情報処理システムを例に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係るジョブ管理システムの一例の構成図である。
図2は本実施形態に係るジョブ管理システムで利用するジョブチケットの一例のイメージ図である。
図1のジョブ管理システム1は、顧客システム10、情報処理装置14、プリンタ16、及び1台以上の撮影装置18がインターネットやLANなどのネットワーク20を介してデータ通信可能に接続されている。
【0010】
顧客システム10は顧客が使用している既存システムの一例であって、ジョブIDが表示された
図2(A)の顧客システム10用のジョブチケット800を作成する。例えば
図2(A)のジョブチケット800は作業指示書である。ジョブIDはジョブを識別する識別情報の一例である。
【0011】
図2(A)の顧客システム10用のジョブチケット800には、顧客システム10側で利用しているバーコード画像801が表示されている。ジョブIDは顧客システム10用のジョブチケット800にバーコード画像801で表示されていてもよいし、テキストで表示されていてもよい。顧客システム10は顧客システム10用のジョブチケット800により実現される既存の機能をユーザに提供する。
【0012】
情報処理装置14、プリンタ16、及び1台以上の撮影装置18は、ジョブチケット800に新たな機能を追加する情報処理システム12を構成している。情報処理システム12は複数の工程からなるジョブの進捗を、
図2(B)のカラーコード画像811が付与された情報処理システム12用のジョブチケット810と、後述のバッチチケットと、を利用して管理する。
図2(B)のジョブチケット810は第1の伝票の一例であって、例えば作業指示書である。また、バッチチケットは第2の伝票の一例である。
【0013】
情報処理装置14は、複数の工程からなるジョブの進捗を、ジョブチケット810及び後述のバッチチケットの撮影画像を利用して後述のように管理する。情報処理システム12は、ジョブチケット810及び後述のバッチチケットの撮影画像からジョブIDを認識する。
【0014】
プリンタ16はジョブチケット810及び後述のバッチチケットを印刷する。撮影装置18は印刷工場内のジョブの工程に対応付いた位置を撮影可能に設置される。例えば撮影装置18は印刷工場内のジョブの工程に対応付いた下方の位置を撮影するように、ジョブの工程に対応付いた位置よりも上方に設置される。ジョブの工程に対応付いた位置とは、印刷工場内の作業工程にそれぞれ対応する、一箇所以上の場所である。印刷工場内の作業工程に対応する場所は、例えば印刷物等の管理対象物が作業工程間の移動で通過する場所や一時的に保管される一時保管場所である置き場や台、ラックや部屋など、管理対象物の位置を管理する範囲に含まれる場所である。なお、管理対象物の位置を管理する範囲は、管理対象物に対応するジョブチケット810及び後述のバッチチケットを撮影装置18で撮影する管理エリアである。
【0015】
撮影装置18はPTZカメラやIPカメラを利用できる。PTZカメラはPTZ(Pan Tilt Zoom)機能をネットワーク20経由で操作可能なカメラであり、撮影画像や撮影動画をネットワーク20経由で送信可能なカメラである。IPカメラはネットワーク20経由で操作可能なカメラであり、撮影画像や撮影動画をネットワーク20経由で送信可能なカメラである。撮影装置18はネットワーク20経由で撮影画像及び撮影動画を情報処理装置14に送信する。
【0016】
印刷工場ではジョブチケット810及び後述のバッチチケットが、そのジョブチケット810及び後述のバッチチケットに対応するジョブの中間生成物や材料の一例である印刷物に貼付される。例えばジョブチケット810及び後述のバッチチケットは管理対象物である印刷物の上に貼付される。
【0017】
情報処理装置14は、それぞれの撮影装置18が撮影した撮影画像からジョブチケット810及び後述のバッチチケットのカラーコード画像を認識することで、管理対象物の位置又は工程等を管理する。また、情報処理装置14は管理対象物の位置又は工程等を管理することで、作業工程の進捗(ジョブの状態)を管理する。情報処理装置14は、ジョブの作業工程の履歴や、ジョブチケット810及び後述のバッチチケットを撮影したときの様子を表す撮影画像や撮影動画を管理するようにしてもよい。情報処理装置14が管理する情報は、撮影装置18が撮影した撮影画像に応じて随時更新、蓄積され、ユーザに提示可能な情報として記憶される。
【0018】
なお、
図1に示すジョブ管理システム1の構成は一例である。例えばジョブ管理システム1は、他のシステムが含まれていてもよいし、情報処理装置14が作業工程管理システムなどの別の名称であってもよい。情報処理装置14は一台のサーバ環境で実現してもよいし、複数台のサーバ環境で実現するようにしてもよい。
【0019】
<ハードウェア構成>
顧客システム10及び情報処理装置14は例えば
図3に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。
【0020】
図3はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3のコンピュータ500は入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507及びHDD508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0021】
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
【0022】
通信I/F507はコンピュータ500を各種ネットワークに接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0023】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェア(以下、単にアプリケーションと呼ぶ)などがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
【0024】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0025】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0026】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。顧客システム10及び情報処理装置14は、例えば
図3に示すようなコンピュータ500のハードウェア構成により、後述する各種処理を実現できる。プリンタ16及び撮影装置18のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0027】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。なお、
図4に示した機能構成図は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
図4の情報処理装置14は、UI部30、アドレス設定部32、ジョブID検出部34、管理部36、コード画像生成部38、印刷データ作成部40、印刷指示部42、撮影画像取得部44、コード画像認識部46、設定情報記憶部60、カラーコード管理テーブル記憶部62、及びジョブ管理テーブル記憶部64を有する構成である。UI部30は、表示制御部50及び選択受付部52を有する構成である。また、撮影装置18は通信部70及び撮影部72を有する構成である。
【0028】
UI部30は、ユーザにユーザインタフェースを提供する。UI部30の表示制御部50はユーザに対する各種画面の表示を制御する。例えば表示制御部50は撮影画像から認識した管理対象物の所在する位置又は工程を表示する。UI部30の選択受付部52はユーザから各種操作を受け付ける。
【0029】
アドレス設定部32はユーザから設定情報を受け付けて設定情報記憶部60に記憶する処理を制御する。例えばアドレス設定部32は、管理対象物の位置又は工程を管理する範囲である管理エリアのレイアウトや間取り図を含んだマップ画像の指定の受け付け、そのマップ画像に対するアドレスの設定を受け付ける。また、アドレス設定部32はマップ画像のアドレスと、そのアドレスを撮影する撮影装置18の識別情報と、ジョブの位置又は工程との対応付け等の設定を受け付ける。
【0030】
ジョブID検出部34は例えば
図2(A)の顧客システム10用のジョブチケット800にバーコード画像801やテキストで表示されているジョブIDを検出する。管理部36は、利用可能なカラーコードIDをカラーコード管理テーブル記憶部62に記憶して管理している。管理部36は、利用していないカラーコードIDをカラーコード管理テーブル記憶部62から選択する。管理部36は、ジョブID検出部34が検出したジョブIDと、選択したカラーコードIDと、を対応付けてカラーコード管理テーブル記憶部62で管理する。なお、管理部36は管理手段の一例である。
【0031】
また、管理部36は、ジョブID及びカラーコードIDに対応するジョブ情報をジョブ管理テーブル記憶部64に記憶して管理する。ジョブ管理テーブル記憶部64は、ジョブの位置情報及び履歴などをジョブ情報として記憶する。
【0032】
コード画像生成部38は管理部36から提供されたカラーコードIDを利用して、例えば
図2(B)に示したカラーコード画像811を生成する。例えばコード画像生成部38はカラーコードIDから特開2017-199306号公報又は特開2020-024658号公報等に記載されている技術を利用して、カラーコード画像を生成する。
【0033】
印刷データ作成部40は例えばカラーコード画像811を含む
図2(B)の情報処理システム12用のジョブチケット810の印刷データを作成する。また、印刷データ作成部40は後述のバッチチケットの印刷データを生成する。
【0034】
印刷指示部42は、例えば
図2(B)のカラーコード画像811が付与された情報処理システム12用のジョブチケット810又は後述のバッチチケットの印刷をプリンタ16に指示する。
【0035】
撮影画像取得部44は撮影装置18から撮影画像や撮影動画を取得する。コード画像認識部46は、撮影画像や撮影動画に写る例えばジョブチケット810のカラーコード画像811又は後述のバッチチケットのカラーコード画像をデコードしてカラーコードIDを認識する。
【0036】
コード画像認識部46は、ジョブチケット810のカラーコード画像811又は後述のバッチチケットのカラーコード画像を撮影した撮影装置18の識別情報と、デコードにより認識したカラーコードIDと、を管理部36に提供する。
【0037】
管理部36はカラーコード管理テーブル記憶部62を参照することで、カラーコードIDに対応するジョブを特定できる。また、管理部36は設定情報記憶部60を参照することで、撮影装置18の識別情報に対応する位置又は工程を特定できる。
【0038】
このように、管理部36はカラーコードIDに対応するジョブの位置又は工程を、撮影装置18の識別情報から特定した位置又は工程としてジョブ管理テーブル記憶部64に記憶する。管理部36は管理対象物の所在する位置(所在位置)又は工程(所在工程)を含むジョブのステータスを管理できる。
【0039】
なお、顧客システム10及び情報処理装置14の各機能部は、インターネット上の情報処理装置やWebサーバとして構成され、クラウドサービスとして提供してもよい。例えば情報処理装置14は、ユーザ端末から、インターネット等のネットワーク経由で要求を受信して応答を返してもよい。情報処理装置14は、撮影装置18から撮影画像を受信してジョブチケット810又は後述のバッチチケットを認識し、ユーザ端末のWebブラウザ等のソフトウェアに対して画面データを送信して、管理対象物の位置又は工程をリアルタイムに表示してもよい。
【0040】
<処理>
図5は印刷工場におけるジョブの工程の一例を示したイメージ図である。例えば
図5の工程は「印刷」と「断裁」と「折り」と「製本」と「検査」と「一時保管1」と「一時保管2」とを含んでいる。撮影装置18aは工程「印刷」と「断裁」と「折り」と「製本」と「検査」とを行う場所の手前のゲートに設置されている。また、撮影装置18bは工程「一時保管1」と「一時保管2」とを行う場所に設置されている。
【0041】
情報処理システム12用のジョブチケット810又は後述のバッチチケットは工程間を移動する過程や一時保管場所に保管されている状態で、撮影装置18a又は18bにより撮影される。なお、
図5に示すように印刷工場では工程間の移動が一定でなく、ジョブによって情報処理システム12用のジョブチケット810又は後述のバッチチケットが撮影されず、記録がされない工程が含まれる場合がある。
図5では全ての工程を行うジョブの移動を表す矢印と、工程の一部をスキップするジョブの移動を表す矢印と、を一例として表している。
【0042】
図5では工程「印刷」により印刷物が出力されたあと、その印刷物の上に情報処理システム12用のジョブチケット810又は後述のバッチチケットを貼付する。情報処理システム12用のジョブチケット810又は後述のバッチチケットを貼付した印刷物は管理対象物となる。
図5の例では印刷物がゲートを通過する過程や、一時保管場所に保管されている状態で、管理対象物の上に貼付された情報処理システム12用のジョブチケット810又は後述のバッチチケットが撮影装置18a又は18bにより撮影される。
【0043】
《バッチチケット》
図6は本実施形態に係るバッチチケットの一例について説明する図である。例えば1つの工程に対応する場所(例えば印刷物を置くための1つのパレット又は台など)に複数のジョブの印刷物を混載する場合がある。
【0044】
複数のジョブの印刷物を混載する場合は、撮影装置18から情報処理システム12用のジョブチケット810の全てのカラーコード画像811の撮影が可能となるように、印刷物の上面などの面積の限られた場所に、ジョブチケット810を並べる必要がある。しかし、印刷物の上面などに並べられるジョブチケット810の数は物理的な限界がある。印刷物の上面などに並べられるジョブチケット810の数により、1つの工程に対応する場所に混載できるジョブの数は制限される。また、ジョブチケット810を印刷物の上面などに並べるユーザの手間は大きかった。さらに、印刷物の上面などに並べたジョブチケット810は、作業中にずれて重なった場合、カラーコード画像811が撮影装置18から撮影できなくなる可能性もあった。
【0045】
例えば印刷工場では、印刷物が滞留する場所があり、1つの工程に対応する場所に複数のジョブの印刷物が積まれることがある。しかし、ジョブごとのジョブチケット810はカラーコード画像811が撮影装置18から撮影可能な状態としなければならず、重ねることができない。
【0046】
そこで、本実施形態では複数のジョブの印刷物をまとめて識別できるバッチチケット820を利用する。バッチチケット820は、バッチチケット820用のカラーコード画像821が付与されている。また、バッチチケット820には対応する個々のジョブ一覧が表示されている。
【0047】
図6に示すように、複数のジョブチケット810のカラーコード(主コード)は1つのバッチチケット820のカラーコード(副コード)と対応付けられる。バッチチケット820は複数のジョブチケット810のカバーページとして使用できる。ユーザはバッチした複数のジョブチケット810を束ね、最前面にバッチチケット820を貼付することでバッチチケット820をカバーページとして利用する。
【0048】
なお、バッチチケットの他の例として、ジョブチケット810のカラーコードが並べられた形態も考えられるが、並べられる数の物理的な限界や、異なる場所での2重検知を防止する仕組みも必要となる。
【0049】
図6に示した複数のジョブチケット810及びバッチチケット820は例えば
図7に示すようなデータ構造で管理する。
図7は、ジョブチケット及びバッチチケットを管理するデータ構造の一例である。
【0050】
バッチチケット820のカラーコードIDはジョブチケット810のカラーコードIDとは別に発行される。バッチチケット820のカラーコードIDとジョブチケット810のカラーコードIDとは、使用するカラーコードIDの範囲を分けてもよいし、使用するカラーコード画像821の枝の一部を固定(色パターンを統一)としてもよい。
【0051】
図6に示すように、情報処理装置14は認識したカラーコードIDからジョブチケット810又はバッチチケット820を認識できる。ジョブチケット810のカラーコードIDを認識した場合は、そのカラーコードIDに対応する1つのジョブIDを特定し、そのジョブIDに対応する1つのジョブのジョブ情報の参照又は更新が可能となる。
【0052】
バッチチケット820のカラーコードIDを認識した場合は、そのカラーコードIDに対応する複数のジョブIDを特定し、そのジョブIDに対応する複数のジョブのジョブ情報の参照又は更新が可能となる。
【0053】
バッチチケット820を利用することで、情報処理装置14は複数のジョブのジョブ情報を例えば
図8に示すように一括更新できる。
図8はバッチチケットを利用したジョブ情報の一括更新について説明する一例の図である。
【0054】
図8では、ジョブA、ジョブB、及びジョブCがバッチされたバッチチケット820の例を説明する。工程Aに対応付いた撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識することで、情報処理装置14はジョブA、ジョブB、及びジョブCの位置又は工程を示すジョブ情報の項目を、工程Aに対応付いた位置又は工程に更新する。
【0055】
次に、ジョブA、ジョブB、及びジョブCに対応する印刷物は、工程Aに対応付いた位置から工程Bに対応付いた位置に移動したものとする。情報処理装置14は工程Bに対応付いた撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識する。工程Bに対応付いた撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識することで、情報処理装置14はジョブA、ジョブB、及びジョブCの位置又は工程を示すジョブ情報の項目を、工程Bに対応付いた位置又は工程に更新する。
【0056】
次に、ジョブA、ジョブB、及びジョブCに対応する印刷物は、工程Bに対応付いた位置から工程Cに対応付いた位置に移動したものとする。情報処理装置14は工程Cに対応付いた撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識する。工程Cに対応付いた撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識することで、情報処理装置14はジョブA、ジョブB、及びジョブCの位置又は工程を示すジョブ情報の項目を、工程Cに対応付いた位置又は工程に更新する。
【0057】
このように、情報処理装置14は印刷工場内のジョブの工程に対応付いた位置に設置された撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識し、バッチチケット820と対応付けられた複数のジョブの位置又は工程を、その撮影装置18に対応する位置又は工程に更新できる。
【0058】
図9はバッチチケットを利用したジョブ情報の一括更新の処理の一例のフローチャートである。ステップS10において、情報処理装置14の撮影画像取得部44は印刷工場内のジョブの工程に対応付いた位置に設置された撮影装置18から撮影画像を取得する。
【0059】
ステップS12において、情報処理装置14のコード画像認識部46は取得した撮影画像内のカラーコード認識処理を行う。カラーコード認識処理は、取得した撮影画像からカラーコード画像をデコードしてカラーコードIDの認識を試みる処理である。取得した撮影画像にカラーコード画像が含まれていれば、コード画像認識部46はカラーコードIDを認識できる。コード画像認識部46は認識したカラーコードIDと、取得した撮影画像を撮影した撮影装置18の識別情報と、を管理部36に提供する。
【0060】
ステップS14において、情報処理装置14の管理部36はステップS10で取得した撮影画像にカラーコード画像が含まれているか否かを判定する。ステップS10で取得した撮影画像にカラーコード画像が含まれていなければ、管理部36は
図9に示した処理を終了する。
【0061】
ステップS10で取得した撮影画像にカラーコード画像が含まれていれば、管理部36はステップS12でコード画像認識部46が認識したカラーコードIDが主コードであるか否かを判定する。管理部36はステップS12で認識されたカラーコードIDがジョブチケット810に対応する主コードであるか否かを判定する。
【0062】
管理部36は、カラーコード管理テーブル記憶部62を参照することで、認識されたカラーコードIDがジョブチケット810に対応する主コードであるかバッチチケット820に対応する副コードであるかを判定できる。
【0063】
管理部36は、ステップS12で認識されたカラーコードIDがジョブチケット810に対応する主コードであれば、ステップS18に進み、認識されたジョブチケット810に対応する1つのジョブのジョブ情報(工程、アドレス、及びステータスなど)の更新処理を行う。
【0064】
また、管理部36は、ステップS12で認識されたカラーコードIDがバッチチケット820に対応する副コードであれば、ステップS20に進み、認識されたバッチチケット820に対応する複数のジョブのジョブ情報(工程、アドレス、及びステータスなど)の更新処理を行う。
【0065】
図9のフローチャートの処理によれば、本実施形態に係る情報処理システム12は複数のジョブに対応する印刷物を撮影画像から一括して認識できるバッチチケット820を実現できる。したがって、本実施形態に係る情報処理システム12は、位置又は工程の管理が必要な管理対象物が、同一の場所に混載される場合があっても、複数の管理対象物の位置又は工程の管理を容易化できる。
【0066】
ユーザは本実施形態に係るバッチチケット820の発行を例えば
図10に示すような画面1000から行う。
図10は、バッチチケットの発行を行う画面の一例のイメージ図である。
【0067】
画面1000の欄1002は、バッチするジョブチケット810のカラーコードIDを入力する欄である。欄1002へのカラーコードIDの入力は、例えばユーザが手入力で行うようにしてもよいし、ジョブチケット810のバーコード等をスキャンすることで行うようにしてもよいし、CSVファイルなどのファイルから読み込むことで行うようにしてもよい。また、欄1002へのカラーコードIDの入力は、ジョブチケット810のカラーコード画像821をスキャンすることで行うようにしてもよい。
【0068】
ユーザは追加ボタン1004を押下することで、欄1002のカラーコードIDを、選択済みバッチ対象カラーコードIDのリスト1010に追加できる。また、ユーザは欄1006にバッチチケット820を印刷するプリンタ16を設定する。なお、欄1006にはユーザごとのデフォルトのプリンタ16が指定されていてもよい。
【0069】
ユーザはバッチチケット作成ボタン1008を押下することで、リスト1010の選択済みバッチ対象カラーコードIDをバッチするバッチチケット820の発行を情報処理装置14に要求できる。
【0070】
情報処理装置14は画面1000に対するユーザの操作に従って例えば
図11に示す手順でバッチチケット820を発行する。
図11は本実施形態に係るバッチチケットを発行する処理の一例のフローチャートである。
【0071】
ステップS30において、情報処理装置14のUI部30の表示制御部50は例えば
図10に示した画面1000をユーザに提示する。UI部30の選択受付部52はバッチするジョブチケット810のカラーコードIDの入力をユーザから受け付ける。
【0072】
ステップS32において、選択受付部52はバッチチケット820を出力するプリンタ16の選択をユーザから受け付ける。ステップS34において、選択受付部52はバッチチケット820の作成指示をユーザから受け付ける。ステップS36において、情報処理装置14の管理部36は利用していないカラーコードIDをバッチチケット820に割り当て、発行する。
【0073】
ステップS38において、情報処理装置14のコード画像生成部38はバッチチケット820に割り当てられ、発行されたカラーコードIDを利用して、例えば
図6のバッチチケット820のカラーコード画像821を生成する。ステップS40において、情報処理装置14の印刷データ作成部40は、例えば
図6のカラーコード画像821を含むバッチチケット820の印刷データを作成する。ステップS42において、情報処理装置14の印刷指示部42は、例えば
図6のカラーコード画像821が付与されたバッチチケット820の印刷をプリンタ16に指示できる。
【0074】
このように、本実施形態に係る情報処理システム12によれば、複数のジョブチケット810を纏めて識別できるバッチチケット820の発行が容易であり、バッチチケット820を利用することで、複数の管理対象物が混載されるような、面積の限られた場所でも同じ場所に複数の管理対象物が存在していることを把握でき、複数の管理対象物の位置又は工程の管理を容易化できる。
【0075】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、複数のジョブチケット810を纏めて識別できるバッチチケット820について説明した。第2の実施形態では、バッチチケット820により纏めて識別されていた複数のジョブから、一部のジョブのジョブチケット810及び印刷物を持ち出した場合の処理について説明する。
【0076】
バッチチケット820を利用することで、情報処理装置14は複数のジョブのジョブ情報を一括更新できる。また、バッチチケット820を利用することで、情報処理装置14は例えば
図12に示すようにバッチチケット820にバッチされたジョブチケット810が撮影画像から認識された場合に、そのジョブチケット810とバッチチケット820との対応付けを解消できる。
図12はバッチチケットとジョブチケットとの対応付けの解消について説明する一例の図である。
【0077】
図12では、ジョブA、ジョブB、及びジョブCがバッチされたバッチチケット820の例を説明する。工程Aに対応付いた撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識することで、情報処理装置14はジョブA、ジョブB、及びジョブCの位置又は工程を示すジョブ情報の項目を、工程Aに対応付いた位置又は工程に更新する。
【0078】
次に、ジョブBに対応するジョブチケット810及び印刷物は、ユーザにより工程Aに対応付いた位置から工程Bに対応付いた位置に移動されたものとする。情報処理装置14は工程Bに対応付いた撮影装置18の撮影画像からジョブBに対応するジョブチケット810を認識する。また、情報処理装置14は工程Aに対応付いた撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識する。
【0079】
このように、情報処理装置14はバッチチケット820にバッチされていたジョブBに対応するジョブチケット810が、そのバッチチケット820と異なる工程Bに対応付いた場所で認識された場合に、ジョブBが工程Bに進んだものと判断する。情報処理装置14はジョブBの位置又は工程を示すジョブ情報の項目を、工程Bに対応付いた位置又は工程に更新する。また、情報処理装置14はジョブBに対応するジョブチケット810がバッチチケット820にバッチされていないものとして管理する。
【0080】
次に、ジョブA及びジョブCに対応する印刷物は、工程Aに対応付いた位置から工程Bに対応付いた位置に移動したものとする。また、ジョブBに対応する印刷物は、工程Bに対応付いた位置から工程Cに対応付いた位置に移動したものとする。
【0081】
情報処理装置14は工程Bに対応付いた撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識する。情報処理装置14は工程Cに対応付いた撮影装置18の撮影画像からジョブBに対応するジョブチケット810を認識する。工程Bに対応付いた撮影装置18の撮影画像からバッチチケット820を認識することで、情報処理装置14はジョブA及びジョブCの位置又は工程を示すジョブ情報の項目を、工程Bに対応付いた位置又は工程に更新する。工程Cに対応付いた撮影装置18の撮影画像からジョブBに対応するジョブチケット810を認識することで、情報処理装置14はジョブBの位置又は工程を示すジョブ情報の項目を、工程Cに対応付いた位置又は工程に更新する。
【0082】
バッチチケット820とジョブチケット810との対応付けの解消を
図12に示したように行うことで、本実施形態の情報処理システム12では、ユーザの手間を増加させることなく、バッチチケット820とジョブチケット810との対応付けを解消できる。
【0083】
図13はバッチチケットとジョブチケットとの対応付けの解消が可能なジョブ情報の一括更新の処理の一例のフローチャートである。ステップS50において、情報処理装置14の撮影画像取得部44は印刷工場内のジョブの工程に対応付いた位置に設置された撮影装置18から撮影画像を取得する。
【0084】
ステップS52において、情報処理装置14のコード画像認識部46は取得した撮影画像内のカラーコード認識処理を行う。コード画像認識部46は認識したカラーコードIDと取得した撮影画像を撮影した撮影装置18の識別情報とを管理部36に提供する。
【0085】
ステップS54において、情報処理装置14の管理部36はステップS50で取得した撮影画像にカラーコード画像が含まれているか否かを判定する。ステップS50で取得した撮影画像にカラーコード画像が含まれていなければ、管理部36は
図13に示した処理を終了する。
【0086】
ステップS50で取得した撮影画像にカラーコード画像が含まれていれば、管理部36はステップS56の処理を行う。ステップS56において、管理部36はステップS52でコード画像認識部46が認識したカラーコードIDがジョブチケット810に対応する主コードであるか否かを判定する。
【0087】
管理部36はステップS52で認識されたカラーコードIDがジョブチケット810に対応する主コードであればステップS58に進み、例えば
図14に示す処理を行う。
図14はステップS58の処理の一例のフローチャートである。ステップS70において、管理部36は認識されたジョブチケット810がバッチチケット820と対応付けられているか否かを判定する。
【0088】
管理部36は認識されたジョブチケット810がバッチチケット820と対応付けられていれば、ステップS72の処理に進み、そのジョブチケット810に対応するジョブの位置又は工程が、ジョブ管理テーブル記憶部64に記憶されている直前の位置又は工程と異なるか否かを判定する。直前の位置又は工程と異なっていれば、管理部36はステップS74の処理に進み、バッチチケット820との対応付けを解消する。なお、直前の位置又は工程と異なっていなければ、管理部36はステップS74の処理をスキップする。ステップS76に進み、管理部36は認識されたジョブチケット810に対応する1つのジョブのジョブ情報(工程、アドレス、及びステータスなど)の更新処理を行う。
【0089】
また、
図13のステップS56において、管理部36はステップS52で認識されたカラーコードIDがバッチチケット820に対応する副コードであれば、ステップS60に進み、認識されたバッチチケット820に対応する複数のジョブのジョブ情報(工程、アドレス、及びステータスなど)の更新処理を行う。
【0090】
図13及び
図14のフローチャートの処理によれば、バッチチケット820にバッチされたジョブチケット810が撮影画像から認識された場合に、そのジョブチケット810とバッチチケット820との対応付けを解消できる。なお、本実施形態に係る情報処理システム12は、ジョブチケット810のカラーコードIDを主コード、バッチチケット820のカラーコードIDを副コードとして扱うことで、撮影画像から主コードが認識されるか副コードが認識されるか、によりジョブの位置又は工程を管理する。なお、
図13及び
図14のフローチャートの処理は、管理対象物の持ち運び作業中などに誤ってジョブの位置又は工程が更新されることを防ぐため、例えば10分ごとなど、所定時間ごとに行うようにしてもよい。
【0091】
例えば撮影画像から主コードが認識された場合は、主コードが認識された撮影画像の撮影装置18に対応する位置又は工程を、ジョブの位置又は工程とする。また、撮影画像から副コードが認識された場合は、副コードが認識された撮影画像の撮影装置18に対応する位置又は工程を、ジョブの位置又は工程とする。
【0092】
バッチチケット820により纏めて識別されていた複数のジョブから、一部のジョブのジョブチケット810及び印刷物を持ち出す前であれば、副コードのバッチチケット820のカラーコードIDが認識されるため、その副コードが認識された撮影画像の撮影装置18に対応する位置又は工程を、ジョブの位置又は工程とする。
【0093】
バッチチケット820により纏めて識別されていた複数のジョブから、一部のジョブのジョブチケット810及び印刷物を持ち出した場合は、主コードのジョブチケット810のカラーコードIDが認識されるため、その主コードが認識された撮影画像の撮影装置18に対応する位置又は工程を、ジョブの位置又は工程とする。
【0094】
また、バッチチケット820により纏めて識別されていた複数のジョブから、一部のジョブのジョブチケット810及び印刷物を持ち出した後で元に戻した場合であれば、主コードのジョブチケット810のカラーコードIDが認識されなくなるため、副コードが認識された撮影画像の撮影装置18に対応する位置又は工程を、ジョブの位置又は工程とする。
【0095】
このように、本実施形態に係る情報処理システム12はバッチチケット820により纏めて識別されていた複数のジョブから、一部のジョブのジョブチケット810及び印刷物を持ち出したり、元に戻したり、した場合であっても、ジョブの位置又は工程の管理ミスを防ぐことが可能なバッチチケット820を実現できる。したがって、本実施形態に係る情報処理システム12は、位置又は工程の管理が必要な管理対象物が、同一の場所に混載される場合があっても、複数の管理対象物の位置又は工程の管理を容易化できる。
【0096】
[第3の実施形態]
第1の実施形態では、本実施形態に係るバッチチケット820の発行を例えば
図10に示すような画面1000から行う。第3の実施形態では、ユーザが欄1002に入力したカラーコードIDが既にバッチ登録されている場合に、例えば
図15の確認メッセージ1012を表示して、ユーザに確認する。
図15は、バッチチケットの発行を行う画面の一例のイメージ図である。
図15では、確認メッセージ1012以外にも、ユーザが欄1002に入力したカラーコードIDが既にバッチ登録されている旨が表示されている。
【0097】
図16は、本実施形態に係るバッチチケットを発行する処理の一例のフローチャートである。ステップS100において、情報処理装置14のUI部30の表示制御部50は例えば
図15に示した画面1000をユーザに提示する。UI部30の選択受付部52はバッチするジョブチケット810のカラーコードIDの入力をユーザから受け付ける。
【0098】
ステップS102において、情報処理装置14の管理部36はユーザが欄1002に入力したカラーコードIDが既にバッチ登録されているか否かを判定する。欄1002に入力されたカラーコードIDが既にバッチ登録されていなければ、情報処理装置14は
図11のステップS32~S42に示した処理により、バッチチケット802の発行を行う。
【0099】
欄1002に入力されたカラーコードIDが既にバッチ登録されていれば、表示制御部50はステップS104に進み、例えば
図15の確認メッセージ1012を画面1000に表示する。選択受付部52はバッチするジョブチケット810のカラーコードIDの再入力があればステップS100の処理に戻る。
【0100】
バッチするジョブチケット810のカラーコードIDの再入力がなければ、選択受付部52はステップS108の処理に進む。ステップS108において、選択受付部52はバッチチケット820を出力するプリンタ16の選択をユーザから受け付ける。ステップS110において、選択受付部52はバッチチケット820の作成指示をユーザから受け付ける。
【0101】
ステップS112において、情報処理装置14の管理部36は欄1002に入力されたカラーコードIDと過去のバッチチケット820との対応付けを解消する。ステップS114において、管理部36は利用していないカラーコードIDをバッチチケット820に割り当て、発行する。
【0102】
ステップS116において情報処理装置14のコード画像生成部38はバッチチケット820に割り当てられ、発行されたカラーコードIDを利用して、例えば
図6のバッチチケット820のカラーコード画像821を生成する。ステップS118において、情報処理装置14の印刷データ作成部40は例えば
図6のカラーコード画像821を含むバッチチケット820の印刷データを作成する。ステップS120において、情報処理装置14の印刷指示部42は、例えば
図6のカラーコード画像821が付与されたバッチチケット820の印刷をプリンタ16に指示できる。
【0103】
このように、本実施形態に係る情報処理システム12によれば、ユーザが欄1002に入力したカラーコードIDが既にバッチ登録されている場合に、過去のバッチチケット820との対応付けを解消し、バッチチケット820を発行できる。
【0104】
[他の実施形態]
上記した第1~第3の実施形態は、印刷工場の印刷物を管理対象物とした例を説明したが、この例に限定されない。例えば管理対象物は、生産物、部品、郵送物、清掃する対象物などの物品であってもよい。また、印刷工場は、他の工場、集積所、又は倉庫などの管理対象物が置かれた場所であればよい。
【0105】
上記した第1~第3の実施形態は、例えばAGV(無人搬送車)に代表される搬送システムの技術への応用が可能である。物品を搬送する搬送システムでは、複数の物品を纏めてバッチチケット820を貼付し、バッチチケット820を撮影装置18により撮影することで、搬送装置により搬送中の物品の工程を纏めて管理できる。
【0106】
上記した第1~第3の実施形態は、例えばベルトコンベアに流れている物品の工程の管理にも適用が可能である。ベルトコンベアに流れている物品の工程の管理に本実施形態の技術を提供すれば、ベルトコンベアに流れている物品のトラッキングが可能となり、ベルトコンベアの分岐の制御も可能である。
【0107】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 ジョブ管理システム
10 顧客システム
12 情報処理システム
14 情報処理装置
16 プリンタ
18 撮影装置
20 ネットワーク
30 UI部
32 アドレス設定部
34 ジョブID検出部
36 管理部
38 コード画像生成部
40 印刷データ作成部
42 印刷指示部
44 撮影画像取得部
46 コード画像認識部
50 表示制御部
52 選択受付部
60 設定情報記憶部
62 カラーコード管理テーブル記憶部
64 ジョブ管理テーブル記憶部
70 通信部
72 撮影部
810 ジョブチケット
811、821 カラーコード画像
820 バッチチケット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】