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特開2023-140828サービス提供システム、サービス提供方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023140828
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】サービス提供システム、サービス提供方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230928BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022046865
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】酒井 徹
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 未来
(72)【発明者】
【氏名】猿渡 太貴
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】テナントの重複作成を防止するサービス提供システム、サービス提供方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】サービス提供システム10においてテナント情報記憶部30は、企業又は組織であるテナントの単位で契約を管理する情報が登録されたテナント情報を記憶する。契約管理部24は、新規テナントのテナント情報の作成時に、テナント情報記憶部30から、新規登録データのうち、テナント情報記憶部30に管理されたテナント情報に含まれるデータと一致する項目が規定数以上の場合に、類似テナントが存在すると判断する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業または組織であるテナントの単位で契約を管理する情報が登録されたテナント情報を記憶するテナント情報記憶部と、
新規テナントの前記テナント情報の作成時に、前記テナント情報記憶部から、前記新規テナントと類似する情報を保持する類似テナントの存在を検知する契約管理部と、
を有するサービス提供システム。
【請求項2】
前記契約管理部は、新規登録データのうち、前記テナント情報記憶部に管理された前記テナント情報に含まれるデータと一致する項目が規定数以上の場合に、前記類似テナントが存在すると判断する
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記契約管理部は、テナント作成の前に前記類似テナントを表示して警告し、テナント作成を中断する
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記契約管理部は、前記テナント情報に営業担当者を登録する
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記契約管理部は、操作者が閲覧できる前記テナント情報と閲覧できない前記テナント情報を判別し、閲覧できないと判断した情報にマスクをする
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記契約管理部は、前記類似テナントの表示の際に、類似した項目が多いものほど類似度が高いと判断され、類似度が高い順にソートしてテナントリストを表示する
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記契約管理部は、中断通知から前記新規テナントの作成を再実施することを選択可能とする
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
前記契約管理部は、前記新規テナントの作成が完了した場合、結果詳細を通知する
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項9】
情報処理装置により実行されるサービス提供方法であって、
前記情報処理装置は、企業または組織であるテナントの単位で契約を管理する情報が登録されたテナント情報を記憶するテナント情報記憶部を有し、
前記情報処理装置が、新規テナントの前記テナント情報の作成時に、前記テナント情報記憶部から、前記新規テナントと類似する情報を保持する類似テナントの存在を検知する
サービス提供方法。
【請求項10】
情報処理装置をサービス提供システムとして機能させるためのプログラムであって、
前記情報処理装置が、テナント情報記憶部に、企業または組織であるテナントの単位で契約を管理する情報が登録されたテナント情報を記憶させ、
前記情報処理装置を、新規テナントの前記テナント情報の作成時に、前記テナント情報記憶部から、前記新規テナントと類似する情報を保持する類似テナントの存在を検知する契約管理部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供システム、サービス提供方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一つの組織の単位としてテナントというものがあり、サービスを提供する際に、テナント単位で異なる契約を行うことができる。サービスを契約したテナントを複合機などの機器に連携することで、機器でサービスを利用することができるようになる。テナントには管理関係が存在する。テナントAに属する管理者がテナントXを作成する。この時、テナントXは、テナントAの管理対象テナントであるとする。この場合、テナントBの管理者は、テナントXと管理関係にないため、テナントXの情報を見ることができない。
【0003】
契約時、営業担当者は、お客様に契約依頼書を記載していただき、その内容に沿って営業担当者が契約を行う。既にお客様がテナントを所持していた場合は、その既存のテナントに契約を追加し、テナントを所持していない場合は、新規テナントの作成を行って契約を追加する。そのため、お客様から頂く契約依頼書には、既にお客様が利用しているテナントのIDを記入する項目があるが、お客様は、既にテナントを所持していることに気づかなかったり、IDを把握していなかったり、項目の意味を理解していないといった理由から、空欄で回答されることがある。そのことに気づかずに営業担当者が重複して登録してしまった場合、既存テナントに類似したテナントが二重にデータベースに作成されてしまい、お客様がMFP(Multifunction Peripheral)を利用する際に契約が存在しないテナントにログインしてしまい利用できなくなってしまう。
【0004】
特許文献1には、データベース内にテナントが重複作成されるのを防止する目的で、メールアドレスのドメインから類似テナントを検出し、類似テナントがあった場合はテナントの作成を中止する構成が開示されている。特許文献1に記載された技術は、類似テナントを検出し、テナントが重複作成されるのを防止させる。しかし、特許文献1に記載された技術は、営業担当者はどのテナントが重複しているのかを知るすべがなく、どのように対処すれば良いかが分からないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、テナントの重複作成を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るサービス提供システムは、企業または組織であるテナントの単位で契約を管理する情報が登録されたテナント情報を記憶するテナント情報記憶部と、新規テナントの前記テナント情報の作成時に、前記テナント情報記憶部から、前記新規テナントと類似する情報を保持する類似テナントの存在を検知する契約管理部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、テナントの重複作成を防止するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るサービス提供システムおよびPC端末を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るサービス提供システム及びPC端末のハードウェア構成を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るサービス提供システムの機能構成を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るサービス提供システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図5図5は、図4に続くサービス提供システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図6図6は、図5に続くサービス提供システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図7図7は、S11において情報処理装置に表示される顧客情報入力画面の一例を示す図である。
図8図8は、S26~S27において表示される類似テナントリスト確認画面の第1例を示す図である。
図9図9は、S26~S27において表示される類似テナントリスト確認画面の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、実施形態に係るサービス提供システムを詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係るサービス提供システム10およびPC端末12を示す図である。
【0011】
実施形態に係るサービス提供システム10は、ネットワーク14を介して1または複数のPC端末12と接続される。サービス提供システム10は、コンピュータにより実現される。サービス提供システム10は、ネットワーク14を介してPC端末12に各種のサービスを提供する。
【0012】
PC端末12は、ユーザーにより使用されるパーソナルコンピュータ、スマートフォンまたはタブレット端末等のコンピュータである。PC端末12は、ネットワーク14を介してサービス提供システム10からサービスを受ける。
【0013】
ネットワーク14は、インターネット等であって、サービス提供システム10、および、1または複数のPC端末12が接続される。ネットワーク14は、サービス提供システム10と、1または複数のPC端末12のそれぞれとの間で通信可能とする。
【0014】
図2は、実施形態に係るサービス提供システム10及びPC端末12のハードウェア構成を示す図である。
【0015】
サービス提供システム10は、例えば図2に示すようなコンピュータにより構成される。サービス提供システム10は、CPU(Central Processing Unit)501と、HDD(Hard Disk Drive)502と、RAM(Random Access Memory)503と、ROM(Read Only Memory)504と、入力装置505と、表示装置506と、外部I/F507と、通信I/F508とを備える。また、サービス提供システム10は、外部記憶媒体509と接続する。
【0016】
CPU501は、サービス提供システム10の全体の制御や機能を実現する演算装置である。CPU501は、ROM504やHDD502等からプログラムやデータをRAM上に読み出し、処理を実行する。
【0017】
HDD502は、不揮発性の記憶装置である。HDD502は、プログラムやデータ(OS(Operating System)、アプリケーション等)を格納している。RAM503は、揮発性の半導体メモリである。RAM503は、プログラムやデータを一時保存する。ROM504は、不揮発性半導体メモリであるROM504は、プログラムやデータ(BIOS(Basic input / Output system)、OS設定、ネットワーク設定等)を格納している。
【0018】
入力装置505は、キーボードやマウス等である。入力装置505は、タッチパネル等。ユーザーからの入力を受け付ける。表示装置506は、ディスプレイ等である。表示装置506は、処理結果を表示する。外部I/F507は、外部装置(記録媒体等)に接続するインターフェースである。通信I/F508は、ネットワーク14に接続するインターフェースである。外部記憶媒体509は、フレキシブルディスク、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、SD(登録商標)メモリカード、USB(登録商標)メモリ等である。
【0019】
図3は、実施形態に係るサービス提供システム10の機能構成を示す図である。サービス提供システム10は、システムにインストールされたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0020】
サービス提供システム10は、営業担当者等により操作される情報処理装置20とネットワーク14を介して接続される。
【0021】
サービス提供システム10は、Webサービス処理部22と、契約管理部24と、認証管理部26と、ユーザー情報記憶部28と、テナント情報記憶部30と、認証情報記憶部32とを備える。
【0022】
Webサービス処理部22は、情報処理装置20のブラウザ42が、javascript(登録商標)やCSS等の形式でダウンロードし、情報処理装置20のCPUにて実行される。
【0023】
契約管理部24は、Webサービス処理部22から新規顧客の登録を受け付ける。契約管理部24は、類似テナント処理部44を含む。Webサービス処理部22から新規顧客の登録を受け付けた際に、契約管理部24は、類似テナント処理部44を実行することにより、類似テナントのリスト化とマスク化を行う。契約管理部24は、類似テナントのリスト化をするかしないかはWebサービス処理部22からの要求によって判断する。
【0024】
類似テナント処理部44は、認証管理部26に類似するテナント検索依頼を送り、類似テナントリストを作成する。その後、類似テナント処理部44は、テナント情報にマスク処理を行う。マスク処理は、ログインしているユーザーからマスクするかどうかを判断する。類似テナント処理部44は、ログインユーザーが類似テナントの担当者である、または、類似テナントがログインユーザーの管理対象テナントの場合、マスク処理を実施しない。
【0025】
認証管理部26は、ユーザー情報記憶部28、テナント情報記憶部30に保存されているテナント情報、ユーザー情報の取得、更新を行う。また、認証管理部26は、認証情報記憶部32に認証情報を記憶し、ユーザーのログインやアクセス制限を管理する。
【0026】
ユーザー情報記憶部28は、ユーザー情報を保存する。例えば、user1がtenant1に所属している状態を表しているユーザー情報は、一例として、下記のように表される。
ユーザーID:user1
パスワード:password
テナントID:tenant1
ユーザー名:理工太郎
【0027】
テナント情報記憶部30は、企業または組織であるテナントの単位で契約を管理する情報が登録されたテナント情報を保存する。テナント同士には管理関係があり、テナント情報は、テナントを管理しているテナントIDが登録されている。また、テナント情報は、顧客の住所、会社名や契約を担当した営業担当者に関する情報も登録されている。販売店名、営業担当者名などの契約情報は、認証管理部26ではなく契約管理部24で管理してもよい。
【0028】
例えば、tenant1がtenant2を管理している状態を表しているテナント情報は、一例として、下記のように表される。
テナントID:tenant2
テナント名:テストテナント
管理元テナントID:tenant1
顧客代表者ID:customer1
顧客代表者メールアドレス:customer@example.com
住所:東京都…
会社名:company1
極:pole
国:country
販売店名:dealer
営業担当者ID:sales1
営業担当者メールアドレス:sales@example.com
【0029】
認証情報記憶部32は、ユーザーのアクセストークンなどの認証情報を記憶する。
【0030】
Webサービス処理部22は、情報処理装置20のブラウザ42において、新規顧客の登録や契約情報を確認することができるサイトを表示する。Webサービス処理部22は、アプリ実行部46と、画像構成部48とを含む。
【0031】
アプリ実行部46は、アプリケーションの設定をし、アプリケーションの実行を行う。アプリ実行部46は、ユーザーの入力を受け付けて、ログインを認証管理部26へ依頼し、顧客、テナントの新規登録を契約管理部24へ依頼する。アプリ実行部46は、テナント作成時に類似テナントを検索するかどうかを、要求時のパラメータで判断する。
【0032】
画像構成部48は、アプリケーションの画面表示を実行する。画像構成部48は、ユーザーに必要なパラメータを提示し、入力を受け付ける。また、画像構成部48は、類似テナントの表示を行う。
【0033】
図4図5および図6は、実施形態に係るサービス提供システム10の処理の流れを示すシーケンス図である。サービス提供システム10は、図4図5および図6に示す流れで処理を実行する。
【0034】
まず、営業担当者は、顧客からの契約の要望を受ける(S1)。続いて、営業担当者は、情報処理装置20を用いてWebサービス処理部22にアクセスする(S2)。続いて、情報処理装置20は、Webサービス処理部22にサイト表示要求を与える(S3)。続いて、Webサービス処理部22は、ログイン画面を情報処理装置20に表示させて、ログインを要求する(S4)。
【0035】
営業担当者は、情報処理装置20を用いてユーザーIDとパスワードを入力する(S5)。続いて、情報処理装置20は、Webサービス処理部22にログイン処理を実行させる(S6)。続いて、Webサービス処理部22は、認証管理部26にログインを要求する(S7)。Webサービス処理部22は、ログインが成功したことを認証管理部26から受け取ると(S8)、情報処理装置20にサイトを表示させる(S9)。続いて、情報処理装置20は、Webサービス処理部22に顧客情報入力画面の表示要求を与える(S10)。Webサービス処理部22は、顧客情報入力画面の表示要求を受け取ると、情報処理装置20に顧客情報入力画面を表示させる(S11)。
【0036】
営業担当者は、Webサービス処理部22が表示するサイト上の顧客情報入力画面で、顧客の情報を入力してOKボタンを押下する(S12)。続いて、情報処理装置20は、Webサービス処理部22にテナント作成を要求する(S13)。
【0037】
図5は、図4に続くサービス提供システム10の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0038】
Webサービス処理部22は、テナント作成の要求を受けると、契約管理部24にテナント作成要求を送る(S14)。Webサービス処理部22からテナント作成要求を受け取ると、契約管理部24は、テナント情報が登録される前に、テナント情報記憶部30に類似テナントが無いか否かを評価する。契約管理部24は、入力された顧客情報をもとに、顧客のメールアドレス、顧客代表者、住所、会社名のうち一致するテナントを認証管理部26に問い合わせ(S15)、認証管理部26から類似テナントリストを受け取る(S16)。そして、契約管理部24は、類似テナントリストに含まれる一致数が規定数以上のテナントを、類似テナントと判断する。
【0039】
契約管理部24は、以下、類似テナントが無い場合と、類似テナントが有る場合とで、別の処理を行う。
【0040】
類似テナントが無い場合、契約管理部24は、認証管理部26に新規テナントの作成を依頼する(S17)。認証管理部26は、新規テナントの作成依頼に応じて、テナント情報記憶部30に新規テナントを作成し(S18)、新規テナントの作成の完了を契約管理部24に通知する(S19)。契約管理部24は、新規テナントの作成が完了した後、テナント作成の完了のメッセージの表示をWebサービス処理部22に要求する(S20)。そして、Webサービス処理部22は、情報処理装置20に完了のメッセージを表示させる(S21)。営業担当者は、情報処理装置20の表示を確認して(S22)、顧客に契約が完了したことを伝える(S23)。
【0041】
類似テナントが有る場合、契約管理部24は、類似テナントおよび営業担当者をリスト化する。この場合において、契約管理部24は、担当者情報、テナント管理関係から、ログインユーザーに類似テナントの参照権限があるか否かを確認する(S24)。営業担当者は、実際に担当した顧客以外のテナント情報、またはログインユーザーの管理対象外のテナント情報を見てはいけない。そのため、ログインユーザーに類似テナントの参照権限がない場合、契約管理部24は、類似テナント表示の際には、ログインしている営業担当者に応じて、表示可能なテナント情報を絞り込み、表示不可な情報をマスクしてリスト化する(S25)。
【0042】
契約管理部24は、リストの作成が完了した後、類似テナントおよび営業担当者のリストの表示をWebサービス処理部22に要求する(S26)。そして、Webサービス処理部22は、情報処理装置20に、類似テナントおよび営業担当者のリストを表示させる(S27)。
【0043】
図6は、図5に続くサービス提供システム10の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0044】
営業担当者は、リストにあるテナントのうち、作成しようとしている顧客情報と同じテナントが存在するか否かを確認する。もし、同一だと思われる顧客のテナントが存在する場合は、営業担当者は、キャンセルボタンを押下する(S28)。キャンセルボタンが押下された場合、情報処理装置20は、キャンセルボタンが押下されたことをWebサービス処理部22に通知する(S29)。Webサービス処理部22は、キャンセルボタンが押下された場合、テナントを作成せずに処理を終了し(S30)、処理を終了したことを情報処理装置20に表示させる。営業担当者は、情報処理装置20の表示を確認して(S31)、顧客に既存テナントが存在することを伝える(S32)。
【0045】
同一だと思われるテナントが存在しない場合、営業担当者は、テナント作成ボタンを押下する(S28)。テナント作成ボタンが押下された場合、情報処理装置20は、テナント作成ボタンが押下されたことをWebサービス処理部22に通知する(S29)。Webサービス処理部22は、テナント作成ボタンが押下された場合、契約管理部24に、類似テナントの検索を行わないテナント作成要求を送る(S33)。
【0046】
Webサービス処理部22から、類似テナントの検索を行わないテナント作成要求を受け取ると、契約管理部24は、認証管理部26に新規テナントの作成を依頼する(S34)。契約管理部24は、新規テナントの作成の依頼に応じて、テナント情報記憶部30に新規テナントを作成し(S35)、新規テナントの作成の完了を契約管理部24に通知する(S36)。契約管理部24は、新規テナントの作成が完了した後、テナント作成の完了のメッセージの表示をWebサービス処理部22に要求する(S37)。そして、Webサービス処理部22は、情報処理装置20に完了のメッセージを表示させる(S38)。営業担当者は、情報処理装置20の表示を確認して(S39)、顧客に契約が完了したことを伝える(S40)。
【0047】
図7は、S11において情報処理装置20に表示される顧客情報入力画面101の一例を示す図である。
【0048】
顧客情報入力画面101は、テナントを作成する際に、営業担当者により顧客情報が入力される。営業担当者は、入力後、間違いがないか確認ができたら、OKボタンを押下する。OKボタンが押下された場合、情報処理装置20は、Webサービス処理部22にテナント作成を依頼する。
【0049】
図8は、S26~S27において表示される第1例の類似テナントリスト確認画面111を示す図である。図8は、テナント情報の公開範囲を担当者で絞るケースを示している。
【0050】
例として作成予定テナントと類似と判定され営業担当者が同じテナント1、同様に類似と判定されたが、営業担当者が違うテナント2が存在すると仮定する。また、理工太郎がログインして操作をしたと仮定する。このような類似テナントが存在する場合、契約管理部24は、類似テナントと営業担当者とをリスト化する。その後、Webサービス処理部22がリストを表示する。担当者のいないテナントの場合、または、類似テナントの営業担当者がテナント作成者の場合、テナント情報はすべて表示可能とみなされる(テナント1)。
【0051】
営業担当者がテナント作成者と異なる場合は、テナント情報はマスクされ、類似していると判断された情報のうち、顧客情報に当たらない情報と担当者情報のみ表示される(テナント2)。例えば、顧客情報のうち、顧客のメールアドレスが類似と判断された場合は、赤文字等の異なる表示形態でマスクされる。類似テナントリストは類似した項目の多い順にソートされてリスト化される。ソートされたリストは、左右方向に多い順で並べられる。図8では、テナント1のほうがテナント2よりも多くの類似項目が見つかった場合を示している。情報処理装置20は、テナント作成を押下されると、類似テナントを検索しないテナント作成を契約管理部24に要求する。情報処理装置20は、キャンセルが押下されると、テナントを作成せず、類似テナントの表示を終了する。
【0052】
図9は、S26~S27において表示される第2例の類似テナントリスト確認画面121を示す図である。図9はテナント情報の公開範囲を管理関係で絞るケースを示している。
【0053】
テナントには管理関係が存在する。あるテナントXのユーザーがテナントYを作成したとき、作成されたテナントYはテナントXの管理対象テナントになる。あるテナント内のユーザーは、管理対象のテナント情報を参照できる。
【0054】
図9の例として、テナントAに属する理工太郎がログインして操作をした場合を考える。作成するテナントと類似するテナントとしてテナント1,2が存在すると仮定する。作成予定のテナントは理工太郎の所属するテナントAの管理対象テナントである。テナント1は、テナントAの管理対象内で、テナント2は管理対象外のテナントと仮定する。
【0055】
類似しているテナント情報が、ログインしているユーザーの管理対象内のテナント情報の場合、そのテナント情報は表示可能とみなされる(テナント1)。ログインユーザーの管理対象外のテナント情報はマスクされ、類似していると判断された情報のうち、顧客情報に当たらない情報と担当者情報のみ表示される(テナント2)。例えば、顧客情報のうち、顧客のメールアドレスが類似と判断された場合は、赤文字等の異なる表示形態でマスクされる。類似テナントリストは、類似した項目の多い順にソートされてリスト化される。ソートされたリストは、左右方向に多い順で並べられる。図9では、テナント1のほうがテナント2よりも多くの類似項目が見つかった場合を示している。また、契約管理部24では営業担当者毎に、テナントの請求先情報・契約情報を管理できる権限を設定することができる。図9の例では、管理対象外のテナント2の情報はマスクされているが、理工太郎に対してテナント2の管理権限を付与することで、テナント2の完全な情報を参照することが可能となる。テナント作成を押下すると、類似テナントを検索しないテナント作成を契約管理部24に要求する。キャンセルを押すとテナントを作成せず、類似テナントの表示を終了する。
【0056】
以上のような実施形態に係るサービス提供システム10は、新規テナント作成時に、データベースの中から類似の情報を保持するテナントの存在を検知する。これにより、サービス提供システム10によれば、営業担当者がどのテナントが重複しているのかを知ることができ、テナントの重複作成を防止することができる。
【0057】
また、サービス提供システム10は、新規登録データのうち、テナント情報記憶部30に管理されたテナント情報に含まれるデータと一致する項目が規定数以上の場合に、前記類似テナントが存在すると判断する。これにより、サービス提供システム10によれば、データ登録前に、簡単に類似データの検索をすることができる。
【0058】
また、サービス提供システム10は、テナント作成の前に類似テナントを表示して警告し、テナント開設を中断させる。これにより、サービス提供システム10によれば、テナントを作成するべきかを営業担当者が確認して判断することができる。
【0059】
また、サービス提供システム10は、テナント情報に営業担当者を登録する。これにより、サービス提供システム10によれば、テナント開設を行った営業担当者に連絡が可能になり、営業担当者の迅速な対応が可能となる。
【0060】
また、サービス提供システム10は、操作者が閲覧できるテナント情報と閲覧できないテナント情報を判別し、閲覧できないと判断した情報にマスクをする。これにより、サービス提供システム10によれば、営業担当者に応じて閲覧不可な情報にはマスク処理を施して、機密性を守りながら、作成しようとしているテナントと類似するテナントを表示することができる。
【0061】
また、サービス提供システム10は、類似テナントの表示の際に、類似した項目が多いものほど類似度が高いと判断し、類似度が高い順にソートしてテナントリストを表示する。これにより、サービス提供システム10によれば、営業担当者が、テナントリストのうち、テナントの類似可能性が高いものを探しやすくすることができる。
【0062】
また、サービス提供システム10は、中断通知からテナント開設を再実施することを選択可能とする。これにより、サービス提供システム10によれば、営業担当者の判断後、再度同じ手順を踏むことなく、すぐにテナント作成から再開させることができる。
【0063】
また、サービス提供システム10は、テナント開設が完了した場合、テナント作成者に結果詳細を通知する。これにより、サービス提供システム10によれば、テナント開設の通知によって、簡単に結果を確認させることができる。
【0064】
なお、本実施形態に係るサービス提供システム10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0065】
また、実施形態に係るサービス提供システム10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク14に接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク14経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態に係るサービス提供システム10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク14経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0066】
また、実施形態に係るサービス提供システム10で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0067】
実施形態に係るサービス提供システム10で実行されるプログラムは、上述した各部(Webサービス処理部22、契約管理部24、認証管理部26)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、Webサービス処理部22、契約管理部24、認証管理部26が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0068】
10 サービス提供システム
20 情報処理装置
22 Webサービス処理部
24 契約管理部
26 認証管理部
28 ユーザー情報記憶部
30 テナント情報記憶部
32 認証情報記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2020-112893号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9