(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142220
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/38 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
B65D33/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048986
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】味戸 恵理美
(72)【発明者】
【氏名】大鷹 愛
(72)【発明者】
【氏名】桑原 弘嗣
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB23
3E064BA01
3E064BA36
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC18
3E064FA04
3E064HP01
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】包装袋の材料に紙が含まれている場合でも、内容物が注出しやすい包装袋を提供する。
【解決手段】注出口を有する包装袋であって、少なくとも紙製の基材層、接着層、シーラント層を順に積層してなるラミネート積層体を、前記シーラント層が内側になるように重ね合わせた一対のラミネート積層体と、前記一対のラミネート積層体を、離間した一対のシール部でシールすることによって形成された前記注出口の流路と、前記流路内に配置され、前記流路の一部を構成する筒状の補助部材と、を有し、前記一対のシール部が対向する第1方向において、前記流路の前記注出口側の第1端部の幅が前記流路の前記第1端部と反対側の第2端部の幅よりも狭い、包装袋。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注出口を有する包装袋であって、
少なくとも紙製の基材層、接着層、シーラント層を順に積層してなるラミネート積層体を、前記シーラント層が内側になるように重ね合わせた一対のラミネート積層体と、
前記一対のラミネート積層体を、離間した一対のシール部でシールすることによって形成された前記注出口の流路と、
前記流路内に配置され、前記流路の一部を構成する筒状の補助部材と、を有し、
前記一対のシール部が対向する第1方向において、前記流路の前記注出口側の第1端部の幅が前記流路の前記第1端部と反対側の第2端部の幅よりも狭い、
包装袋。
【請求項2】
前記流路は、前記注出口に向かって先細りとなる形状を有する、
請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記一対のシール部及び前記流路で構成された流路形成部が、前記流路が延びる第2方向に、前記注出口側の第3端部と、前記第3端部と反対側の第4端部と、を有し、
前記第1方向において、前記第3端部の幅が前記第4端部の幅よりも狭い、
請求項1または2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記第1方向において、前記流路形成部が前記注出口に向かって先細りとなる形状を有する、
請求項3に記載の包装袋。
【請求項5】
前記第1方向において、前記補助部材の外径に対する前記第1端部の幅の比が1.5以上である、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項6】
前記第1方向において、前記流路で構成された流路形成部の前記注出口側の第3端部と反対側の第4端部の幅に対する前記第3端部の幅の比が0.5以上である、
請求項4または5に記載の包装袋。
【請求項7】
前記補助部材の前記注出口側の第5端部が、前記流路で構成された流路形成部の前記注出口側の第3端部と前記第3端部と反対側の第4端部との間に配置されている、
請求項4乃至6のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項8】
前記第1方向において、前記補助部材の外径に対する前記補助部材の前記第5端部が位置する前記流路の幅の比が1.3以上1.9以下である、
請求項7に記載の包装袋。
【請求項9】
前記第1方向において、前記補助部材の外径に対する前記流路で構成された流路形成部の前記注出口側の第3端部の幅の比が2.1以上2.7以下である、
請求項4乃至8のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項10】
前記第1方向において、前記補助部材の外径に対する前記流路で構成された流路形成部の前記注出口側の第3端部と反対側の第4端部の幅の比が2.7以上3.3以下である、
請求項4乃至9のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項11】
前記第1方向において、前記補助部材の外径に対する前記シール部の幅の比が0.52以下である、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品、薬品、化粧品、洗剤等の各種の液体等を包装、収納するための包装袋として、フィルム積層体を用いた包装袋が多く使用されている。このような包装袋には、内容物の注ぎ出しを容易にするため注出口が設けられており、注出口の流路を補強する補助部材としてプラスチックのチューブが用いられる(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、最近では、プラスチック材料の使用量を削減する観点から、包装袋の材料として紙とフィルムを積層した包装材を用いる動きがある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3447752号公報
【特許文献2】特開2021-94751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、注出口の流路に補助部材が配置された包装袋に、紙を含む包装材を用いると、包装袋の製造時に紙が伸びにくいために、補助部材を挟んで包装材をシールする際に補助部材が潰れて流路が狭くなり、内容物が粘度の高い液体であると注出しにくい。
【0006】
本発明の課題は、包装袋の材料に紙が含まれている場合でも、内容物が注出しやすい包装袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る包装袋は、注出口を有する包装袋であって、少なくとも紙製の基材層、接着層、シーラント層を順に積層してなるラミネート積層体を、前記シーラント層が内側になるように重ね合わせた一対のラミネート積層体と、前記一対のラミネート積層体を、離間した一対のシール部でシールすることによって形成された前記注出口の流路と、前記流路内に配置され、前記流路の一部を構成する筒状の補助部材と、を有し、前記一対のシール部が対向する第1方向において、前記流路の前記注出口側の第1端部の幅が前記流路の前記第1端部と反対側の第2端部の幅よりも狭い、包装袋である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、包装袋の材料に紙が含まれている場合でも、内容物が注出しやすい包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本実施形態に係る包装袋を構成するラミネート積層体の断面図である。
【
図3】本実施形態(実施例1)に係る包装袋を構成する流路形成部の拡大図である。
【
図5】参考例1に係る包装袋を構成する流路形成部の拡大図である。
【
図7】本実施形態に係る包装袋と参考例の包装袋との、時間あたりの排出量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図において、各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
【0011】
また、本明細書において、直交、鉛直などの方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。直交、鉛直には、略直交、略鉛直が含まれてもよい。
【0012】
図1は、本実施形態に係る包装袋の正面図である。
図1において、包装袋1は、本実施形態に係る包装袋の一例である。なお、包装袋1は、例えば、パウチ、二方袋、三方袋、ガゼット袋等の各種の形状を有するものでもよい。なお、包装袋1がスタンディングパウチ(自立型パウチともいう)であると、多くの内容物を充填することができる上、生産性が良好なものとなるので好ましい。
【0013】
包装袋1は、一対のラミネート積層体2、注出口14、流路15、及び補助部材20を有する。
【0014】
ラミネート積層体2は、
図2に示すように、少なくとも基材層、接着層、シーラント層がこの順に積層されて構成されている。また、ラミネート積層体2には、その他に、印刷層、バリア層、アンカーコート層、蒸着層、金属箔、機能層、表面コート層等を積層することができる。
【0015】
基材層2Aは、紙製である。基材層2Aを構成する紙(以下、紙層という場合がある)は、植物繊維を膠着させたもの(パルプ)である。紙におけるパルプ組成は、限定されず、例えば、広葉樹パルプと針葉樹パルプの比が0:100~70:30であり、好ましくは広葉樹パルプに対して針葉樹パルプの比率がより多いパルプ組成である。また、パルプには、古紙パルプが用いられていても良い。
【0016】
紙層2Aの材質は、特に限定されないが、例えば、クラフト紙で形成することができる。ここで、クラフト紙は、クラフトパルプを原料とする紙であり、晒クラフト紙と未晒クラフト紙がある。なお、本実施形態では、包装袋の伸びと強度を両立させる観点から、紙層2Aの材質は未晒クラフト紙が好ましい。
【0017】
紙層2Aの坪量は、限定されないが、例えば、10g/m2以上200g/m2以下である。なお、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準拠して測定される。また、紙層2Aの厚みは、限定されないが、例えば、20μm以上400μm以下である。なお、厚みは、JIS P 8118(2014)の規定に準拠して測定される。
【0018】
本実施形態では、ラミネート積層体2における紙層2Aの比率は、例えば、30%以上であり、好ましくは40%以上、より好ましくは51%以上である。なお、ラミネート積層体2における紙層2Aの比率が高い程、環境配慮の観点から好ましい。
【0019】
基材層は、単層でも積層体でも良く、紙層の他に樹脂層が積層されていてもよい。本実施形態では、基材層は、紙製の基材層2Aの他に、樹脂層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)層2C、ポリアミド(PA)2Eが、後述の接着剤層2B、2Dを間に挟んで積層されているが(
図2)、これに限定されるものではない。
【0020】
基材層を構成し得る樹脂層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム、ポリアミド(PA)樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル(PAN)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリイミド(PI)樹脂フィルム等を使用することができる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム、ポリアミド(PA)樹脂フィルムを用いることが好ましい。
【0021】
また、植物由来原料を使用するポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムや、ポリアミド(PA)樹脂フィルム等を用いたり、リサイクルポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム等を使用すると、環境配慮の観点から好ましい。
【0022】
接着層は、例えば、ポリエチレン樹脂によるサンドイッチラミネート法や、接着剤を用いたドライラミネート法により形成可能である。また、それらの方法を併用しても良い。接着剤としては、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤等を使用することができる。
【0023】
接着層は、接着性の観点から、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤のいずれかを用いることが好ましく、特に、二液硬化型ウレタン系接着剤が好ましい。また、二液硬化型ウレタン系接着剤としては、植物性由来の成分を含むものを用いると環境配慮の観点から好ましい。
【0024】
印刷層(図示せず)は、インキ材を基材層の表面に印刷塗布して形成される。これにより、包装袋の外観側から印刷層を視認可能となる。印刷層は、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とすることができる。
【0025】
印刷層は、さらに、任意に可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、さらに、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で十分に混練してインキ組成物を調製し、該インキ組成物によって形成することができる。
【0026】
また、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方式を使用し、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模様を形成することができる。
【0027】
バリア層は、封入される内容物を水分や酸素に接触しないようにするために、包装袋に高い水蒸気バリア性、ガスバリア性を付与するものである。該バリア層としては、金属箔や、樹脂フィルムに金属または金属酸化物を蒸着した蒸着フィルムを使用することができる。金属箔としては、アルミニウム箔等を挙げることができ、その厚みを5μm以上20μm以下とすることができる。
【0028】
蒸着フィルムとしては、アルミニウムなどの金属蒸着層や、アルミナまたはシリカなどの無機蒸着層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(VMPET)あるいは、アルミニウムなどの金属蒸着層や、アルミナまたはシリカなどの無機蒸着層を有するポリプロピレンフィルム(VMPP)等を用いることができる。
【0029】
アンカーコート層(図示せず)は、接着層の接着性を向上させるための薄膜層である。例えば、不飽和カルボン酸またはその無水物を含むポリオレフィン共重合樹脂を分散した水性分散液を、塗布、加熱乾燥して薄膜層として形成することができる。特に、ポリエチレン樹脂によるサンドイッチラミネート法でバリア層と基材層積層をする際には、バリア層に予めアンカーコート層を積層したものを用いることが好ましい。
【0030】
シーラント層2Gは、ポリオレフィン系樹脂からなるシーラントフィルムである。シーラント層2Gは、ポリアミド(PA)2Eとの間に接着剤層2Fを挟んで積層されている。シーラント層となるポリオレフィン系樹脂層は、上述したアンカーコート層面に、ポリオレフィン系樹脂を押し出しコートする方法、または、ポリオレフィン系樹脂フィルムを同様なポリオレフィン系樹脂を用いて押し出しラミネート(サンドイッチラミネート)する方法等で形成することができる。
【0031】
また、近年、環境対応への要望が高まっており、バイオマス由来の樹脂成分を含んだシーラント層を用いることも好ましい。なお、ここでいうバイオマス由来のポリオレフィン系樹脂とは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造されるポリオレフィン系樹脂のことであり、特に、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、マニオク等の植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを原料としたものを好適に用いることができる。
【0032】
また、シーラント層2Gは、バイオマス由来のポリオレフィン系樹脂と石油由来のポリオレフィン系樹脂との混合物によって形成することもでき、それらのポリオレフィン系樹脂を単独で用いて形成することもできる。これらの中でも、バイオマス由来のポリオレフィン系樹脂を単独で用いて形成するのが環境配慮の観点からは好ましい。
【0033】
シーラント層2Gは、2つ以上の層で構成してもよい。この場合、シーラント層2Gは、包装袋を形成する際に包装袋の内側となる内側シーラント層と、中間シーラント層と、基材フィルムに接する層である基材側シーラント層とを順に積層してなる3層構造の積層フィルムを好適に用いることができる。
【0034】
シーラント層2Gの厚みは、15μm以上300μm以下とすることができ、好ましくは25μm以上200μm以下である。
【0035】
バイオマス由来のオレフィン系樹脂を含んだシーラント層2Gと、他の層(基材層、印刷層、バリア層、アンカーコート層、表面コート層等)とを接着する場合の接着剤は、特に限定されない。なお、無溶剤系の接着剤は、揮発性有機化合物(VOC)の削減に繋がり、環境配慮の点で好ましい。
【0036】
また、上述のように、バイオマス由来のオレフィン系樹脂を含んだシーラント層(シーラントフィルム)と、他の層(基材層、印刷層、バリア層、アンカーコート層、表面コート層等)とを、無溶剤系の接着剤によって接着する場合には、無溶剤系の接着剤として、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを含有した2液タイプのウレタン系接着剤を好適に用いることができる。
【0037】
無溶剤系の2液タイプのウレタン系接着剤のポリイソシアネート成分としては、例えば、ポリイソシアネート単量体、ポリイソシアネート誘導体、ウレタンプレポリマー等を好適に用いることができる。
【0038】
一方、ポリオール成分は、常温で結晶性を示す成分でなければ特に制限されず、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール等を好適に用いることができる。また、ポリイソシアネート成分および/またはポリオール成分には、必要に応じて、シランカップリング剤やリンの酸素酸またはその誘導体を配合することができる。
【0039】
さらに、ポリイソシアネート成分および/またはポリオール成分には、必要に応じて、エポキシ樹脂、触媒、塗工性改良剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、顔料、充填剤、有機または無機微粒子、防黴剤等の添加剤を配合することができる。
【0040】
包装袋1は、互いに平面形状が同一である一対のラミネート積層体2、2と、折り線3Aを中心にして2つ折りにされた底部フィルム3で構成されている。一対のラミネート積層体2、2は、上述のシーラント層2G、2Gが内側になるように重ね合わされることで、包装袋1が形成されている。
【0041】
底部フィルム3は、折り線3Aが内向きとなるように折り重ねられて一対のラミネート積層体2、2の下部間に形成されている。このように一対のラミネート積層体2、2と底部フィルム3とが重ねられ、充填口13を除いて、一対のラミネート積層体2、2の周縁がヒートシールされることで一体に形成されている。
【0042】
具体的には、包装袋1は、側端シール部1B、1Bと底部シール部1Aとを有している。側端シール部1B、1Bは、左右両側の側端がシールされることで形成されている。底部シール部1Aは、各ラミネート積層体2、2の下部側と底部フィルム3とが互いに対向する対向面の下端縁部同士がシールされることで形成されている。なお、
図1では、シール部の範囲を明示するためにハッチングを付してある。
【0043】
包装袋1の上側の隅部、すなわち側端シール部1Bと上辺14Eとの間には、注出口14の流路15となる未シール部15Aが、包装袋1の斜め上方を向くように設けられている。なお、未シール部15Aのうち、流路15を除く部分は内容物が収容される空間1Cを構成する。
【0044】
注出口14は、包装袋1に設けられている。具体的には、注出口14は、包装袋1の開封後の流路15の両側を構成する流路形成シール部18A、18Bと、開封前の流路15を封止する流路封止シール部18Cと、開封中につまみとなるプルタブ16とが、一方の側端シール部1Bの上部から連続してラミネート積層体2、2同士をヒートシールすることにより形成されている。
【0045】
流路15は、注出口14の流路を構成する。流路15は、一対のラミネート積層体2、2を、離間した流路形成シール部18A、18Bでシールすることによって形成されている。
【0046】
本実施形態では、
図1に示すように、流路形成シール部18A、18Bが、注出口14を開封したときに、それぞれ流路15の両側部を区画している。すなわち、一方の流路形成シール部18Aと他方の流路形成シール部18Bとの間の未シール部15Aが流路15となる。なお、流路形成シール部18A、18Bは、本実施形態の包装袋において注出口の流路を形成する一対のシール部の一例である。
【0047】
本実施形態では、流路15(未シール部15A)及び流路形成シール部18A、18B構成された部分(または領域)が流路形成部19を構成する(
図3)。なお、流路形成部19は、本実施形態の包装袋における一対のシール部及び流路で構成された流路形成部の一例である。
【0048】
補助部材20は、流路15内に配置される。補助部材20は、流路15の一部を構成する。補助部材20は、中央に流路を形成する内周面20Aを有する略円筒形状(またはストロー形状)の管で構成されている。また、補助部材20の形状は、このようなストロー形状に限定されず、円筒を縦に割った半ストロー形状とすることもできる。
【0049】
補助部材20の寸法は、特に限定されない。例えば、補助部材20がストロー状の管である場合、補助部材20の長さは、5mm以上25mm以下であり、好ましくは10mm以上20mm以下である。補助部材20の内径は、2mm以上20mm以下であり、好ましくは3mm以上15mm以下である。補助部材20の外径は、3mm以上22mm以下であり、好ましくは4mm以上17mm以下である。補助部材20の外周の長さは、9mm以上70mm以下であり、好ましくは13mm以上53mm以下である。
【0050】
補助部材20の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン)製であり、バイオマス由来のポリオレフィン系樹脂を50%以上100%以下含んでもよい。補助部材20は、密度0.910kg/m3以上0.960kg/m3以下とすることができ、例えば、0.915kg/m3以上0.940kg/m3以下が好ましい。
【0051】
補助部材20は、ポイントシール9によって表裏の片方(表側)のラミネート積層体2の一部に部分的に熱溶着されて、固定されている。ポイントシール9は、補助部材20を一方のラミネート積層体2上に仮止めするシールである。
【0052】
本実施形態では、補助部材20を介して重ね合わされたラミネート積層体2、2を上下方向から挟み込んで、加熱された後、冷却され、ラミネート積層体2、2の補助部材20が配置された流路形成部19の流路形成シール部18A、18Bがシールされる。
【0053】
なお、本実施形態では、補助部材20の周方向に亘ってラミネート積層体2、2をヒートシールするのではなく、補助部材20の周方向における一部(ポイントシール9および流路形成シール部18A、18B)が部分的にヒートシールされる。これにより、補助部材20は、ラミネート積層体2、2との間に隙間が設けられるように固定する。
【0054】
また、流路15の先端部は、流路封止シール部18Cによって閉鎖されている。流路形成シール部18Bと他方の側端シール部1Bとの間は、充填口13として開口されており、この充填口13を通して、包装袋1内に内容物を充填(収納)することが可能である。なお、内容物の充填後は、充填口13の周縁において、ラミネート積層体2、2同士をヒートシールすることにより上部シール部13Aを形成し、充填口13を閉鎖する。
【0055】
また、注出口14には、開封を容易にするために、流路15となる未シール部15Aを横断するように、レーザーによって形成されたハーフカット溝等からなる第1切り抜き線17と、該第1切り抜き線17によって形成されたプルタブ(つまみ)16が設けられている。第1切り抜き線17は、注出口14を含む2枚のラミネート積層体2、2のそれぞれに設けることが好ましい。
【0056】
一方、流路15となる未シール部15Aの上方(上辺14Eとの間)のシール部には、開封を開始するための第1切り抜き線17が設けられている。また、流路15となる未シール部15Aの側方(側端シール部1Bとの間)のシール部には、未シール部15Aとの間に、所定幅の流路形成シール部18Aを残して切り取るための第2切り抜き線12が設けられている。このような構成の包装袋1は、プルタブ16が開封案内線8、第1切り抜き線17、第2切り抜き線12に沿って切り取られることで、注出口14が開封される。
【0057】
包装袋1の寸法は特に限定されるものではないが、詰め替え用容器として好適な範囲としては、包装袋1の高さが100~500mm程度、包装袋1の幅(両側端シール部1B、1B間の最大幅)は70~300mm程度、内容物の充填量は50~5000cm3程度である。内容物は、特に限定されるものではないが、液状物、粉体や顆粒体等の固体、あるいは粘稠体、液体等、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0058】
本実施形態の包装袋1では、上述のように、ラミネート積層体2に紙が含まれていると、包装袋の製造時に流路形成シール部18A、18Bをシールする際に、紙が伸びにくいが、流路形成シール部18A、18B間に筒状の補助部材が配置されているため、流路形成シール部18A、18B間に形成される流路15の空間を確保することができる。そのため、本実施形態では、流路15の空間が確保され、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも、内容物が注出しやすくなる。
【0059】
本実施形態の包装袋1では、一対のシール部(流路形成シール部18A、18B)が対向する第1方向(
図3に示すB方向、以下B方向という)において、流路15の注出口14側の第1端部14Aの幅B1が流路15の第1端部14Aと反対側の第2端部14Bの幅B2よりも狭くなっている(
図3)。
【0060】
なお、流路15の注出口14側の第1端部14Aは、内容物が注出される流路15の先端側に位置する。また、流路15の第1端部14Aと反対側の第2端部14Bは、内容物が収容される流路15の根元側に位置する。
【0061】
流路15の第1端部14Aの幅B1は、特に限定されないが、例えば、6mm以上28mm以下、好ましくは7mm以上26mm以下、より好ましくは9mm以上24mm以下である。また、流路15の第2端部14Bの幅B2は、特に限定されないが、例えば、10mm以上32mm以下であり、好ましくは11mm以上30mm以下、より好ましくは13mm以上28mm以下である。
【0062】
本実施形態では、このようにB方向における流路15の第1端部14Aの幅B1が流路15の第2端部14Bの幅B2よりも狭くなっていることで、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれている場合でも、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に筒状の補助部材20が潰れにくくなる。そのため、本実施形態では、流路15の空間が潰れにくく、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも内容物が注出しやすくなる。
【0063】
また、このような構成は、見方を変えると、B方向における流路15の第2端部14Bの幅B2が流路15の第1端部14Aの幅B1が広くなっている。そのため、包装袋1の内容物が収容された空間1Cから流路15に流れやすくなり、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも内容物がさらに注出しやすくなる。
【0064】
さらに、このような構成では、流路15の注出口側(流路15の先端)が絞られているため、流路15に配置された補助部材20が流路15の先端から飛び出しにくい。そのため、補助部材20を流路15内に安定した状態で配置することができる。
【0065】
本実施形態の包装袋1では、流路15は、注出口14に向かって先細りとなる形状を有する。本明細書において、先細りとなる形状とは、テーパー形状を示す。すなわち、流路15は、第2端部14Bから第1端部14Aに向かって徐々に幅が狭くなっている(
図3)。
【0066】
本実施形態では、このように流路15が注出口14に向かって先細りとなる形状を有することで、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれている場合でも、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に筒状の補助部材20がより潰れにくくなる。そのため、本実施形態では、流路15の空間が確保され、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも、内容物が注出しやすくなる。
【0067】
本実施形態の包装袋1では、流路形成シール部18A、18B(一対のシール部)及び流路15で構成された流路形成部19が、流路15が延びる第2方向(
図3に示すB方向と直交するE方向、以下E方向という)に、注出口14側の第3端部14Cと、第3端部と反対側の第4端部14Dと、を有する。そして、B方向において、第3端部14Cの幅A1が第4端部14Dの幅A2よりも狭くなっている(
図3)。
【0068】
なお、流路形成部19の注出口14側の第3端部14Cは、内容物が注出される流路15の先端側に位置する。また、流路形成部19の第1端部14Aと反対側の第2端部14Bは、内容物が収容される流路15の根元側に位置する。
【0069】
流路形成部19の第3端部14Cの幅A1は、特に限定されないが、例えば、12mm以上34mm以下、好ましくは13mm以上32mm以下、より好ましくは15mm以上30mm以下である。また、流路形成部19の第4端部14Dの幅A2は、特に限定されないが、例えば、16mm以上38mm以下であり、好ましくは17mm以上36mm以下、より好ましくは19mm以上34mm以下である。
【0070】
各シール部(流路形成シール部18A、18B)の幅Cは、特に限定されないが、例えば、2mm以上10mm以下であり、好ましくは2.5mm以上9mm以下であり、より好ましくは3mm以上8mm以下である。
【0071】
本実施形態では、このようにB方向における流路形成部19の第3端部14Cの幅A1が流路形成部19の第4端部14Dの幅A2よりも狭くなっていることで、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれている場合でも、流路15内に補助部材20が配置される空間を確保することができる。
【0072】
これにより、本実施形態では、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に、筒状の補助部材20が潰れにくくしながら、包装袋1が流路形成シール部18A、18Bで切れることを抑制することができる。そのため、本実施形態では、流路15の空間を確保しながら、流路15の空間が潰れにくく、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも内容物が注出しやすくなる。
【0073】
本実施形態の包装袋1では、B方向において、流路形成部19が注出口14に向かって先細りとなる形状を有する。すなわち、流路形成部19は、第4端部14Dから第3端部14Cに向かって徐々に幅が狭くなっている(
図3)。
【0074】
本実施形態では、このように流路形成部19が注出口14に向かって先細りとなる形状を有することで、流路15内に補助部材20が配置される空間を確保することができる。
【0075】
これにより、本実施形態では、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に、筒状の補助部材20を潰れにくくしながら、包装袋1が流路形成シール部18A、18Bでさらに切れることを抑制することができる。そのため、本実施形態では、流路15の空間を確保しながら、流路15の空間がさらに潰れにくくなり、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも内容物がさらに注出しやすくなる。
【0076】
本実施形態の包装袋1では、B方向において、補助部材20の外径Dに対する流路15の第1端部14Aの幅B1の比B1/Dが1.5以上であり、好ましくは1.55以上、より好ましくは1.6以上である。なお、比B/Dの上限値は、任意であるが、補助部材20が流路15の先端から飛び出さない程度に流路15の空間を確保する観点から、2.0以下であればよい。
【0077】
本明細書において、補助部材20の外径Dは、流路15に配置される前の補助部材20の外径を示す。補助部材20の外径Dは、特に限定されないが、例えば、3mm以上22mm以下であり、好ましくは4mm以上17mm以下であり、より好ましくは5mm以上15mm以下である。
【0078】
本実施形態では、このようにB方向における補助部材20の外径Dに対する流路15の第1端部14Aの幅B1の比B1/Dが1.5以上となることで、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれている場合でも、流路15内に補助部材20が配置される空間を十分に確保することができる。そのため、本実施形態では、流路15の形成時に筒状の補助部材20がさらに潰れにくくなる。
【0079】
本実施形態の包装袋1では、B方向において、流路形成部19の第4端部14Dの幅A2に対する第3端部14Cの幅A1の比A1/A2が0.5以上であり、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上である(
図3)。なお、比A1/A2の上限値は、任意であるが、流路15内に補助部材20が配置される空間を確保する観点から、比A1/A2の上限値は、1未満であればよい。
【0080】
本実施形態では、このようにB方向における流路形成部19の第4端部14Dの幅A2に対する第3端部14Cの幅A1の比A1/A2が0.5以上となることで、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれている場合でも、流路15内に補助部材20が配置される空間を確保することができる。
【0081】
これにより、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に、筒状の補助部材20を潰れにくくしながら、包装袋1が流路形成シール部18A、18Bでさらに切れることを抑制することができる。そのため、本実施形態では、流路15の空間を確保しながら、流路15の空間がさらに潰れにくくなり、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも内容物がさらに注出しやすくなる。
【0082】
本実施形態の包装袋1では、補助部材20の注出口14側の第5端部21が、流路形成部19の第3端部14Cと第4端部14Dの間に配置されている(
図3)。なお、補助部材20の注出口14側の第5端部21は、内容物が注出される流路15の先端側に位置する。本実施形態では、補助部材20の注出口14側の第5端部21が、流路形成部19の第3端部14Cと第4端部14Dの間の第3端部14C寄りに配置されている。
【0083】
本実施形態では、このように補助部材20の第5端部21が流路形成部19の第3端部14Cと第4端部14Dの間に配置されていることで、流路15の注出口14側の第1端部14Aの幅B1が狭くなっている場合でも、流路15に補助部材20を配置しやすい。また、包装袋1の製造時(流路15の形成時)に、筒状の補助部材20を潰れにくくしながら、包装袋1が流路形成シール部18A、18Bで切れることを抑制することができる。
【0084】
本実施形態の包装袋1では、B方向において、補助部材20の外径Dに対する補助部材20の第5端部21が位置する流路15の幅Bの比B/Dが1.3以上1.9以下であり、好ましくは1.4以上1.8以下、より好ましくは1.5以上1.7以下である。
【0085】
補助部材20の第5端部21が位置する流路15の幅Bは、流路形成部19の第3端部14Cと第4端部14Dの間の補助部材20の第5端部21が配置された位置における流路15の幅Bを示す。
【0086】
本実施形態では、このようにB方向における補助部材20の外径Dに対する補助部材20の第5端部21が位置する流路15の幅Bの比B/Dが1.3以上1.9以下となることで、流路15の注出口14側の第1端部14Aの幅B1が狭くなっている場合でも、流路15内に補助部材20が配置される空間を十分に確保することができる。そのため、本実施形態では、流路15の形成時に筒状の補助部材20がさらに潰れにくくなる。
【0087】
本実施形態の包装袋1では、B方向において、補助部材20の外径Dに対する流路形成部19の第3端部14Cの幅A1の比A1/Dが2.1以上2.7以下であり、好ましくは2.2以上2.6、以下、より好ましくは2.3以上2.5以下である。
【0088】
本実施形態では、このようにB方向における補助部材20の外径Dに対する流路形成部19の第3端部14Cの幅A1の比A1/Dが2.1以上2.7以下となることで、流路15の注出口14側の第1端部14Aの幅B1が狭くなっている場合でも、流路15内に補助部材20が配置される空間を十分に確保することができる。そのため、本実施形態では、流路15の形成時に筒状の補助部材20がさらに潰れにくくなる。
【0089】
本実施形態の包装袋1では、B方向において、補助部材20の外径Dに対する流路形成部19の第4端部14Dの幅A2の比A2/Dが2.7以上3.3以下であり、好ましくは2.8以上3.2以下、より好ましくは2.9以上3.1以下である。
【0090】
本実施形態では、このようにB方向における補助部材20の外径Dに対する流路形成部19の第4端部14Dの幅A2の比A2/Dが2.7以上3.3以下となることで、流路15を形成可能に流路形成シール部18A、18Bを確保しながら、流路15内に補助部材20が配置される十分な空間を確保することができる。
【0091】
本実施形態の包装袋1では、B方向において、補助部材20の外径Dに対する各シール部(流路形成シール部18A、18B)の幅Cの比C/Dが0.52以下であり、好ましくは0.51以下、より好ましくは0.5以下である。なお、比C/Dの下限値は、任意であるが、流路15を形成可能に流路形成シール部18A、18Bを確保する観点から、比C/Dの下限値は、0.4以上であればよい。
【0092】
本実施形態では、このようにB方向における補助部材20の外径Dに対する各流路形成シール部18A、18Bの幅Cの比C/Dが0.51以下となることで、包装袋1を構成するラミネート積層体2に紙が含まれている場合でも、流路15内に補助部材20が配置される空間の確保が容易になる。そのため、本実施形態では、流路15の形成時に筒状の補助部材20がさらに潰れにくくなる。
【実施例0093】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、参考例の評価は、以下の試験により行った。
【0094】
[包装袋(試験体)]
図1に示すように、一対のラミネート積層体2、2と底部フィルム3とを重ね、充填口13を除いて、一対のラミネート積層体2、2の周縁をヒートシールして、注出口14、流路15、及び補助部材20を有する包装袋(スタンディングパウチ)5を作製した。ラミネート積層体2には、上述の紙層2A、接着剤層2B、ポリエチレンテレフタレート(PET)層2C、接着剤層2D、ポリアミド(PA)2E、接着剤層2F、シーラント層2Gの順で積層されたものを用いた。底部フィルム3には、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリアミド(PA)フィルム、ポリエチレンフィルムを積層した3層フィルムを用いた。補助部材20は、外径6.2mm、内径5mm、外周の長さ19.47mmのポリエチレン製のストローを用いた。包装袋1には、充填口13からボディークリーム(粘度10000mPa・s)80gを充填した。
【0095】
[注出試験]
包装袋(試験体)の注出口14を開封して、包装袋(試験体)を鉛直方向に逆さに配置し、内容物であるボディークリームを自由落下させたときの、注出量と時間を測定した。
【0096】
[実施例1]
図3に示すように、B方向における流路15の第1端部14Aの幅B1が流路15の第2端部14Bの幅B2よりも狭くなる(流路形成部19がB方向における流路形成部19の第3端部14Cの幅A1が流路形成部19の第4端部14Dの幅A2よりも狭くなる)ように、流路15(流路形成部19)が注出口14に向かって先細りとなる形状を有し、補助部材20の第5端部21を流路形成部19の第3端部14Cと第4端部14Dの間に配置し、流路形成部19の第4端部14Dの幅A2に対する第3端部14Cの幅A1の比A1/A2が0.87であり、B方向における補助部材20の外径Dに対する補助部材20の第5端部21が位置する流路15の幅Bの比B/Dが1.6であり、B方向における補助部材20の外径Dに対する流路形成部19の第3端部14Cの幅A1の比A1/Dが2.5であり、B方向における補助部材20の外径Dに対する流路形成部19の第4端部14Dの幅A2の比A2/Dが2.9であり、B方向における補助部材20の外径Dに対する各流路形成シール部18A、18Bの幅Cの比C/Dが0.48である、包装袋1を作製した。
【0097】
実施例1では、
図4に示すように、B方向と直交するD1方向における流路15の幅(補助部材20の幅)がD1となった。
【0098】
[参考例1]
図5に示すように、B方向における流路15の幅Bが補助部材20の注出口14側で略一定になるように流路15を形成し、B方向における流路形成部19の幅Aに対する流路15の幅Bの比B/Aが0.53、B方向における流路形成部19の幅Aに対する各流路形成シール部18A、18Bの幅Cの比C/Aが0.23、B方向における補助部材20の外径Dに対する流路15の幅Bの比B/Dが1.29、B方向における補助部材20の外径Dに対する各流路形成シール部18A、18Bの幅Cの比C/Dが0.56、B方向における流路15の幅Bに対する各流路形成シール部18A、18Bの幅Cの比C/Bが0.43の包装袋1を作製した。なお、参考例1では、レーザーによって形成されたハーフカット溝等からなる開封案内線8が設けられており、開封案内線8の一端側に第1切り抜き線17によって形成されたプルタブ(つまみ)16が設けられている。
【0099】
参考例1では、
図6に示すように、B方向と直交するD2方向における流路15の幅(補助部材20の幅)がD2となった。
【0100】
図4、
図6から、実施例1と実施例2のいずれも、ラミネート積層体2に紙が含まれているものの、流路形成シール部18A、18B間に筒状の補助部材が配置されているため、流路形成シール部18A、18B間に形成される流路15の空間が確保されていることがわかる。
【0101】
また、
図4、
図6から、実施例1と参考例1を比較すると、実施例1の流路15の幅(補助部材20の幅)D1は、参考例1の流路15の幅(補助部材20の幅)D2よりも広くなっている。すなわち、実施例1は、参考例1に比べて、A方向と直交するD方向(
図3、
図5参照)に補助部材20が潰れにくくなる(すなわち、流路15が潰れにくくなる)ことが判る。
【0102】
図7は、注出試験の結果(時間あたりの排出量)を示すグラフである。
図7において、Eは実施例1を示し、Rは参考例1を示す。
図7から、実施例1と参考例1を比較すると、実施例1は参考例1に対して時間あたりの注出量が増加していることが判る。
【0103】
また、
図7から、実施例1と実施例2を比較すると、実施例1は実施例2に対して時間あたりの注出量が増加している。すなわち、実施例1は、実施例2より、包装袋1に収容される内容物が粘度の高い液体の場合でも、内容物が注出しやすいことが判る。
【0104】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。