IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 愛知製鋼株式会社の特許一覧

特開2023-143175固体電解質、二次電池及びその製造方法
<>
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図1
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図2
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図3
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図4
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図5
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図6
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図7
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図8
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図9
  • 特開-固体電解質、二次電池及びその製造方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143175
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】固体電解質、二次電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 1/06 20060101AFI20230928BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20230928BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20230928BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20230928BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20230928BHJP
   C01D 15/04 20060101ALI20230928BHJP
   C01G 15/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H01B1/06 A
H01M10/0562
H01M10/052
H01M4/62 Z
H01M10/058
C01D15/04
C01G15/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050412
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000116655
【氏名又は名称】愛知製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 健
【テーマコード(参考)】
5G301
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5G301CA08
5G301CA15
5G301CA16
5G301CA18
5G301CD01
5G301CE02
5H029AJ06
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL07
5H029AL11
5H029AL12
5H029AM12
5H029AM16
5H029CJ02
5H029HJ02
5H050AA12
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB02
5H050CB03
5H050CB08
5H050CB09
5H050CB11
5H050CB12
5H050DA13
5H050EA01
5H050EA23
5H050GA02
5H050HA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高いリチウムイオン伝導性を有するとともに、水分との反応後にリチウムイオン伝導性を容易に回復させる固体電解質、この固体電解質を用いた二次電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】固体活物質は、Li3-2x-αIn1-xNb6-α(ただし、LはF、Cl、Br及びIのうち1種以上のハロゲンであり、xは0<x≦0.35を満たし、αは0≦α<1を満たす)の組成式で表される組成を有している。二次電池は、正極活物質を含む正極層と、負極活物質を含む負極層と、正極層と負極層との間に介在するセパレータ層と、を有する。正極層、負極層及びセパレータ層のうち少なくとも1つの層に前記固体電解質が含まれている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Li3-2x-αIn1-xNb6-α(ただし、LはF、Cl、Br及びIのうち1種以上のハロゲンであり、xは0<x≦0.35を満たし、αは0≦α<1を満たす)の組成式で表される組成を有する、固体電解質。
【請求項2】
前記固体電解質は、前記ハロゲンとして少なくともClを含む、請求項1に記載の固体電解質。
【請求項3】
正極活物質を含む正極層と、
負極活物質を含む負極層と、
前記正極層と前記負極層との間に介在するセパレータ層と、を有し、
前記正極層、前記負極層及び前記セパレータ層のうち少なくとも1つの層に請求項1または2に記載の固体電解質が含まれている、二次電池。
【請求項4】
請求項3に記載の二次電池の製造方法であって、
前記正極層と、前記負極層と、前記セパレータ層とを有する単セルを作製し、
その後、前記単セルを不活性ガス雰囲気中で加熱する、二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質、二次電池及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、小型、軽量でありながら高い起電力を有する、エネルギー密度が高いなどの優れた特性を有している。これらの優れた特性を活かし、携帯電話及びラップトップコンピュータ等の小型電子機器や、電気自動車及びハイブリッド自動車等の大型電気駆動装置等の幅広い用途にリチウムイオン二次電池が用いられている。
【0003】
近年では、二次電池の安全性をより高めることを目的として、リチウムイオン伝導性を有する固体を電解質として用いた二次電池が注目を浴びつつある。このような二次電池の中でも、二次電池を構成する材料が全て固体である二次電池は、全固体二次電池と呼ばれることもある。
【0004】
二次電池に用いられる固体電解質としては、硫黄を含む化合物からなる硫化物固体電解質が知られている。硫化物固体電解質は、リチウムイオン伝導度が高い、可塑性が高いため活物質等との接触面積を広くしやすい等の固体電解質として好適な特性を有する一方、水分と容易に反応して硫化水素ガスを発生させるという問題がある。
【0005】
かかる問題に対し、水分と反応した場合においても硫化水素ガスが発生することのない、ハロゲン化物固体電解質が提案されている。例えば特許文献1には、Li、M、及びXを含み、Mはイットリウムを少なくとも含み、XはCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも1種である固体電解質が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2019/135346号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の固体電解質は、水分との反応によってリチウムイオン伝導性が著しく低下するという問題がある。そのため、特許文献1に記載の固体電解質を用いて二次電池を製造する場合には、製造過程における雰囲気中の水分や、外装材による封止状態等を厳密に管理する必要があり、製造コストの上昇や、製造時の環境負荷の増大を招いている。また、二次電池の特性を向上させる観点から、特許文献1に記載の固体電解質よりもさらにイオン伝導性を向上させることが望まれている。
【0008】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、高いリチウムイオン伝導性を有するとともに、水分との反応後にリチウムイオン伝導性を容易に回復することができる固体電解質、この固体電解質を用いた二次電池及びその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、Li3-2x-αIn1-xNb6-α(ただし、LはF、Cl、Br及びIのうち1種以上のハロゲンであり、xは0<x≦0.35を満たし、αは0≦α<1を満たす)の組成式で表される組成を有する、固体電解質にある。
【0010】
本発明の他の態様は、正極活物質を含む正極層と、
負極活物質を含む負極層と、
前記正極層と前記負極層との間に介在するセパレータ層と、を有し、
前記正極層、前記負極層及び前記セパレータ層のうち少なくとも1つの層に前記の態様の固体電解質が含まれている、二次電池にある。
【0011】
本発明のさらに他の態様は、前記の態様の二次電池の製造方法であって、
前記正極層と、前記負極層と、前記セパレータ層とを有する単セルを作製し、
その後、前記単セルを不活性ガス雰囲気中で加熱する、二次電池の製造方法にある。
【発明の効果】
【0012】
前記固体電解質は、前記特定の組成を有している。かかる組成を有する固体電解質は、高いリチウムイオン伝導性を有している。また、前記固体電解質は、硫黄原子を含まないため、水分と反応した場合においても硫化水素などの有害なガスが発生することはない。さらに、前記固体電解質は、一旦水分と反応した場合であっても、不活性ガス雰囲気中で加熱することによってリチウムイオン伝導性を容易に回復することができる。
【0013】
また、前記二次電池は、正極層、負極層及びセパレータ層のうち少なくとも1つの層に前記の態様の固体電解質が含まれている。そのため、例えば二次電池の製造過程での大気との暴露や、リークによる外装材内への大気の進入等によって水分と反応した場合においても、熱を加えることによって固体電解質のリチウムイオン伝導性を容易に回復させ、ひいては電池特性を回復させることができる。
【0014】
また、前記二次電池の製造方法においては、前記固体電解質を含む単セルを作製した後、単セルを不活性ガス雰囲気中で加熱するという単純な方法により、固体電解質のリチウムイオン伝導性を回復させることができる。また、前記製造方法では、二次電池の製造途中において雰囲気中の水分等を厳密に管理しなくても、二次電池の製造の最終段階において単セルを加熱することにより電池特性を容易に回復させることができる。従って、前記製造方法によれば、製造コストの上昇や製造時の環境負荷の増大を容易に回避することができる。
【0015】
以上のように、前記の態様によれば、高いリチウムイオン伝導性を有するとともに、水分との反応後にリチウムイオン伝導性を回復することができる固体電解質、この固体電解質を用いた二次電池及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施例1における固体電解質S2~S4及び固体電解質R1~R3のX線回折パターンを示す説明図である。
図2図2は、実施例1における固体電解質S2、S6~S8及び固体電解質R1のX線回折パターンを示す説明図である。
図3図3は、実施例1における固体電解質S4、S9~S11及び固体電解質R1のX線回折パターンを示す説明図である。
図4図4は、実施例1において用いた加圧成形治具の要部を示す断面図である。
図5図5は、固体電解質S1~S5及び固体電解質R1~R3におけるxの値とイオン伝導度との関係を示す説明図である。
図6図6は、実施例2における二次電池の要部を示す断面図である。
図7図7は、実施例2におけるテストセルC1の充放電曲線を示す説明図である。
図8図8は、実施例2におけるテストセルC2の充放電曲線を示す説明図である。
図9図9は、実施例2におけるテストセルC3の充放電曲線を示す説明図である。
図10図10は、実施例2におけるテストセルC4の充放電曲線を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(固体電解質)
前記固体電解質は、Li3-2x-αIn1-xNb6-α(ただし、LはF、Cl、Br及びIのうち1種以上のハロゲンであり、xは0<x≦0.35を満たし、αは0≦α<1を満たす)の組成式で表される組成を有している。
【0018】
前記組成式におけるxの値、つまり、Li、In、Nb及びハロゲンの含有率の合計に対するNbの含有率のモル比は0を超え0.35以下である。かかる組成を有する固体電解質は、空間群C2/mに帰属可能な結晶構造を有している。すなわち、前記固体電解質は、LiInL(ただし、LはF、Cl、Br及びIのうち1種以上のハロゲンであり、αは0≦α<1を満たす)の組成を有する固体電解質と同様の結晶構造を有しており、LiInLの結晶構造におけるIn(インジウム)の一部がNb(ニオブ)に置換されている。
【0019】
前記固体電解質は、結晶構造中のInの一部がNbに置換されていることにより、リチウムイオン伝導性を向上させることができる。また、前述した組成及び結晶構造を有する固体電解質は、水分と反応した場合においても、不活性ガス雰囲気中で固体電解質を加熱することによってリチウムイオン伝導性を容易に回復することができる。固体電解質のリチウムイオン伝導性をより向上させる観点からは、前記組成式におけるxの値は0.07≦x≦0.35であることが好ましく、0.15≦x≦0.35であることがより好ましく、0.20≦x≦0.35であることが特に好ましい。
【0020】
前記組成式におけるxの値が0.35よりも大きい場合には、Inの置換量が過度に多くなり、所望の結晶構造を維持することが難しくなるおそれがある。その結果、リチウムイオン伝導性の低下を招くおそれがある。
【0021】
前記固体電解質には、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)及びI(ヨウ素)からなる群より選択される1種以上のハロゲンLが含まれている。例えば、前記固体電解質は、ハロゲンLとして、少なくともClが含まれていてもよい。固体電解質のリチウムイオン伝導性をより高める観点からは、前記固体電解質は、ハロゲンLとしてClを必須に含むとともに、Br及びIのうち少なくとも一方のハロゲンを含んでいることがより好ましい。
【0022】
前記組成式におけるαの値は0以上1未満である。前記組成式におけるαの値を前記特定の範囲とすることにより、固体電解質の結晶構造を所望の構造とすることができる。前記組成式におけるαの値が1以上の場合には、所望の結晶構造を維持することが難しくなるおそれがある。その結果、リチウムイオン伝導性の低下を招くおそれがある。所望の結晶構造を備えた固体電解質をより確実に得る観点から、前記組成式におけるαの値は0.95以下であることが好ましく、0.90以下であることがより好ましい。
【0023】
(固体電解質の製造方法)
前記固体電解質の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、原料としてハロゲン化Li、ハロゲン化In及びハロゲン化Nbを準備し、これらのハロゲン化物を所望の固体電解質の組成比となるように秤量する。次に、遊星型ボールミル等を用い、不活性ガス雰囲気中においてこれらの原料化合物に衝撃を与えながら混合する。このように機械的エネルギーを与えられながら混合された原料化合物は、メカノケミカル反応によって前記固体電解質となる。
【0024】
また、上記のメカノケミカル法に替えて、焼結法により前記固体電解質を得ることもできる。この場合、原料としてハロゲン化Li、ハロゲン化In及びハロゲン化Nbを準備し、これらのハロゲン化物を所望の固体電解質の組成比となるように秤量する。そして、原料化合物を混合した後、真空中または不活性ガス雰囲気中において混合物を焼結させればよい。
【0025】
以上の方法により得られた固体電解質を保存する場合、保存時における雰囲気中の水分量の厳密な管理は不要である。前述したように、硫化物固体電解質においては、水分との反応によるリチウムイオン伝導性の低下を回避する観点から、保存時における雰囲気中の水分量を厳密に管理する必要がある。これに対し、前記固体電解質は、水分と反応した場合であっても固体電解質を加熱することによって水分の影響を軽減し、リチウムイオン伝導性を回復させることができる。それ故、例えば大気などの水分を含む雰囲気中で固体電解質を保存した場合であっても、二次電池の組み立てが完了するまでの間に前記固体電解質を加熱することにより、固体電解質のリチウムイオン伝導性を回復させることができる。その結果、高いリチウムイオン伝導性を有する固体電解質を備えた二次電池を得ることができる。
【0026】
(二次電池)
前記固体電解質を備えた二次電池は、正極活物質を含む正極層と、負極活物質を含む負極層と、正極層と負極層との間に介在するセパレータ層とを有している。前記固体電解質は、正極層、負極層及びセパレータ層のいずれに含まれていてもよい。例えば、前記固体電解質は、セパレータ層のみに含まれていてもよいし、正極層、負極層及びセパレータ層の全てに含まれていてもよい。前述した加熱によるリチウムイオン伝導性の回復という利点を活かす観点からは、固体電解質が正極層、負極層及びセパレータ層の全てに含まれていることが好ましい。
【0027】
また、前記二次電池においては、前記特定の固体電解質と、前記固体電解質以外の固体電解質とが併用されていてもよい。前記固体電解質以外の固体電解質としては、硫化物固体電解質や酸化物固体電解質、有機ポリマー固体電解質等を使用することができる。硫化物固体電解質としては、例えば、LiS-P、LiS-SiS、Li10GeP12等が挙げられる。また、酸化物固体電解質としては、例えば、LiLaZr12等のガーネット型固体電解質や(LaLi)TiO等のペロブスカイト型固体電解質、LiPO及びそのN置換体などが挙げられる。有機ポリマー固体電解質としては、例えば、高分子化合物とLiPFやLiBF等のリチウム塩との化合物などが挙げられる。
【0028】
二次電池の正極層には、少なくとも正極活物質が含まれる。正極活物質としては、例えば、リチウムイオン二次電池用の正極活物質として公知の化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えば、コバルト酸リチウム(LCO)、ニッケル酸リチウム(LNO)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(NCM)、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(NCA)等の層状岩塩型構造を有する酸化物;マンガン酸リチウム(LMO)等のスピネル構造を有する酸化物;リチウムリン酸鉄などのオリビン構造を有するリン酸化合物などが挙げられる。正極層中の正極活物質の含有量を多くすることにより、二次電池のエネルギー密度をより高めることができる。かかる観点から、正極層中の正極活物質の含有量は、60~99質量%であることが好ましく、70~95質量%であることがより好ましい。
【0029】
また、二次電池の正極層には、正極活物質の他に、前記固体電解質が含まれていてもよい。正極層中の固体電解質の含有量は、1~40質量%であることが好ましく、5~30質量%であることがより好ましい。
【0030】
正極層には、正極層を構成する粒子の間に介在する結着剤が含まれていてもよい。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系結着剤、スチレンブタジエンゴム等のゴム系結着剤、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系結着剤、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系結着剤等が挙げられる。
【0031】
また、正極層には、電気伝導性を高めるための導電剤や導電助剤が含まれていてもよい。導電剤としては、例えば黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、コークス類等を用いることができる。正極層中に導電剤及び導電助剤の含有量は、電気伝導性や正極層のリチウムイオン伝導性、所望する二次電池のエネルギー密度に応じて適宜設定することができる。
【0032】
二次電池の負極層には、少なくとも負極活物質が含まれる。負極活物質としては、例えば、リチウムイオン二次電池用の負極活物質として公知の化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えば、Si、Si合金及び酸化ケイ素などのシリコン系活物質、Sn、Sn合金、Al及びAl合金などのリチウムと反応し得る金属、SnO等の酸化物、グラファイトやハードカーボン等のグラファイト構造を有する炭素材料、チタン酸リチウム(Li4Ti512)等のリチウム系酸化物、金属リチウム、リチウム合金などが挙げられる。負極層中の負極活物質の含有量を多くすることにより、二次電池のエネルギー密度をより高めることができる。かかる観点から、負極層中の負極活物質の含有量は、60~99質量%であることが好ましく、70~95質量%であることがより好ましい。
【0033】
また、二次電池の負極層には、負極活物質の他に、前記固体電解質が含まれていてもよい。負極層中の固体電解質の含有量は、1~40質量%であることが好ましく、5~30質量%であることがより好ましい。
【0034】
負極層には、負極層を構成する粒子の間に介在する結着剤や、電気伝導性を高めるための導電剤、導電助剤が含まれていてもよい。負極層に使用し得る結着剤、導電剤及び導電助剤は、正極層と同様である。
【0035】
二次電池のセパレータ層には、前記固体電解質が含まれていてもよい。また、セパレータ層には、固体電解質の他に、必要に応じて固体電解質の粒子同士を結着させる結着剤が含まれていてもよい。セパレータ層に使用し得る結着剤は、正極層と同様である。
【0036】
(二次電池の製造方法)
前記固体電解質を用いた二次電池の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、正極層となる正極合材、セパレータ層となるセパレータ合材及び負極層となる負極合材を作製する。次に、プレス型内に正極合材を投入する。その後、プレス型内の正極合材を圧縮することにより、プレス型内に正極層を形成する。
【0037】
次に、プレス型内の正極層上にセパレータ合材を乗せ、セパレータ合材を正極層とともに圧縮する。これにより、正極層上にセパレータ層を形成する。その後、プレス型内のセパレータ層上に負極合材を乗せ、負極合材を正極層及びセパレータ層とともに圧縮する。以上の結果、正極層、セパレータ層及び負極層が積層されてなる単セルを得ることができる。なお、上述した方法において、正極層、負極層及びセパレータ層を形成する順序は適宜入れ替えることが可能である。また、上述した方法において、正極層の形成、セパレータ層の形成及び負極層の形成を繰り返し行うことにより、単セルを複数積層させることも可能である。
【0038】
以上のようにして単セルを形成した後、外部に電力を取り出すための端子を備えた外装材に単セルを封入することにより、二次電池を得ることができる。
【0039】
二次電池に前記固体電解質が用いられている場合、各合材の作製から単セルの作製までの間の工程における作業中の雰囲気は特に限定されることはない。
【0040】
前述した二次電池の製造方法においては、前記正極層と、前記負極層と、前記セパレータ層とを有する単セルを作製し、その後、前記単セルを不活性ガス雰囲気中で加熱することが好ましい。この場合、単セルの作製までの雰囲気中に水分が含まれていた場合であっても、単セルを不活性ガス雰囲気中で加熱することにより、前記固体電解質のリチウムイオン伝導性を回復させることができる。そして、加熱によって固体電解質のリチウムイオン伝導性を回復させた後に単セルを外装材に封入することにより、優れた特性を有する二次電池を容易に得ることができる。
【0041】
また、前記製造方法においては、単セルの加熱から外装材への単セルの封入までの間の雰囲気中の水分さえ管理すれば、最終的に得られる二次電池において、水分が固体電解質のリチウムイオン伝導性に及ぼす影響を軽減することができる。そのため、各合材の作製から単セルの形成までの間の各工程における雰囲気中の水分量を厳密に管理する必要がなくなり、製造コストの上昇や、製造時の環境負荷の増大を容易に回避することができる。
【0042】
単セルの加熱温度及び加熱時間は、前記固体電解質の組成等に応じて適宜設定すればよい。ただし、単セルの加熱温度が過度に低い場合、または単セルの加熱時間が過度に短い場合には、固体電解質のリチウムイオン伝導性の回復が不十分となるおそれがある。一方、単セルの加熱温度が過度に高い場合、または単セルの加熱温度が過度に長い場合には、単セル中に含まれる各物質が変質し、二次電池の特性が低下するおそれがある。
【実施例0043】
(実施例1)
本例では、図1図5を参照しつつ前記固体電解質の実施例を説明する。本例の固体電解質(表1、固体電解質S1~S14)は、Li3-2x-αIn1-xNb6-α(ただし、LはF、Cl、Br及びIのうち1種以上のハロゲンであり、xは0<x≦0.35を満たし、αは0≦α<1を満たす)の組成式で表される組成を有している。
【0044】
本例の固体電解質の製造方法は以下の通りである。なお、固体電解質の製造に当たっては、すべての作業を露点-70℃以下、酸素濃度1体積ppm以下のアルゴン雰囲気中において行った。まず、原料化合物としてのInCl、NbCl、LiF、LiCl、LiBr及びLiIを所望のモル比となるように秤量した。これらの原料化合物をジルコニアポッド中にセラミックボールとともに封入した後、ジルコニアポッドを密閉容器内に封入した。その後、密閉容器を遊星型ボールミルに取り付け、回転速度500rpmで30時間回転させた。この操作により、ジルコニアポッド内の原料化合物をメカノケミカル法によって反応させた。
【0045】
遊星型ボールミルによる処理が完了した後、密閉容器を開封してジルコニアポッド内の粉体を回収した。この粉体を300℃の温度に3時間保持した。以上により、表1に示す固体電解質S1~S14を得た。
【0046】
なお、本例においては、固体電解質S1~S14との比較のため、表1に示す組成を有する固体電解質R1~R8を作製した。固体電解質R1~R5の製造方法は、原料化合物の混合比が異なる以外は固体電解質S1~S14の製造方法と同様である。また、固体電解質R6は、硫化物固体電解質として一般的なLiPSである。固体電解質R7及び固体電解質R8は、それぞれ表1に示す組成を有している。固体電解質R7及び固体電解質R8の製造方法は、特許文献1に記載の方法に準じた。
【0047】
本例では、以下の方法により、表1に示す固体電解質の結晶構造の評価、イオン伝導度の測定及び大気暴露後のイオン伝導度の回復性の評価を行った。
【0048】
<結晶構造の評価>
粉末X線回折により、各固体電解質の結晶構造の評価を行った。X線回折装置としては、株式会社リガク製「SmartLab(登録商標)」を使用し、照射した特性X線はCuKα線とし、X線管電圧は40kV、照射電流は20mAとした。図1図3に、例として固体電解質S2~S4、S6~S11及びR1~R3のX線回折パターンを示す。図1図3の縦軸は回折強度(相対強度)であり、横軸は回折角2θ(単位:°)である。
【0049】
<イオン伝導度の測定>
イオン伝導度の測定に当たっては、まず、図4に示す加圧成形治具1を用いて固体電解質のペレットPを作製した。図4に示すように、加圧成形治具1は、貫通穴111を備えた筒状の型枠部11と、型枠部11の貫通穴111の一端に挿入される上側パンチ12と、貫通穴111の他端に挿入される下側パンチ13とを有している。型枠部11は電気絶縁性のセラミックから構成されている。また、上側パンチ12及び下側パンチ13は、それぞれ電気伝導性を有するステンレス鋼から構成されている。図4に示すように、上側パンチ12と下側パンチ13との間に固体電解質を挟み込み、圧縮することによりペレットPを形成することができる。
【0050】
ペレットPの作製方法は、より具体的には以下の通りである。まず、露点-70℃以下、酸素濃度1体積ppm以下のアルゴン雰囲気中に加圧成形治具1を配置し、型枠部11の貫通穴111に下側パンチ13を挿入した。この状態で、前述したアルゴン雰囲気中で保管した固体電解質を貫通穴111に入れた。その後、貫通穴111内に上側パンチ12を挿入し、上側パンチ12と下側パンチ13との間に固体電解質を挟み込んだ。そして、上側パンチ12と下側パンチ13との間に6000kg/cmの圧力を加えて固体電解質を圧縮することにより、固体電解質のペレットPを形成した。
【0051】
次に、前述したアルゴン雰囲気を保ったまま、固体電解質の電気化学的交流インピーダンス測定を行った。具体的には、まず、上側パンチ12と下側パンチ13との間に4000kg/cmの圧力を加えてペレットPを保持しつつ、周波数応答アナライザを搭載したポテンショスタットを、上側パンチ12及び下側パンチ13を介してペレットPと電気的に接続した。そして、電気化学的交流インピーダンス測定を行い、室温における固体電解質の複素インピーダンスを測定した。
【0052】
このようにして得られた複素インピーダンスをCole-Coleプロットにより解析し、位相の絶対値が最も小さい測定点における複素インピーダンスの実部の大きさを固体電解質のイオン伝導に対する抵抗値Rとした。固体電解質のイオン伝導度σ(単位:mS/cm)は、前述した抵抗値R(単位:Ω)と、ペレットPの断面積S(単位:cm)と、ペレットPの厚みL(単位:cm)とを用い、以下の式(1)で表される。
σ=1000L/(R・S) ・・・(1)
【0053】
なお、ペレットPの断面積Sは、具体的には圧縮方向に対して垂直な面におけるペレットPの面積であり、ペレットPの厚みは圧縮方向におけるペレットPの外寸法である。各固体電解質のイオン伝導度は、表1に示す通りであった。
【0054】
<大気暴露後のイオン伝導度の回復性の評価>
固体電解質S2~S4及び固体電解質R6~R8を用いて大気暴露後のイオン伝導度の回復性の評価を行った。まず、露点-70℃以下、酸素濃度1体積ppm以下のアルゴン雰囲気中で保管された固体電解質を、温度24~25℃、相対湿度20~22%の大気中に10分間暴露し、固体電解質と大気中の水分とを反応させた。10分経過後、固体電解質を再びアルゴン雰囲気中に移動させた。
【0055】
水分と反応させた後の固体電解質を用い、前述したイオン伝導度の測定と同様にして電気化学的交流インピーダンス測定を行った。そして、得られた複素インピーダンスに基づいてイオン伝導度を算出した。表1に、各固体電解質の大気暴露後のイオン伝導度を示す。
【0056】
さらに、大気暴露後の固体電解質をアルゴン雰囲気中において300℃の温度で3時間加熱した。加熱後の固体電解質を用い、前述したイオン伝導度の測定と同様にして電気化学的交流インピーダンス測定を行った。そして、得られた複素インピーダンスに基づいてイオン伝導度を算出した。表1に、加熱後の各固体電解質のイオン伝導度を示す。なお、大気暴露後及び加熱後のイオン伝導度の回復性の評価を行わなかった固体電解質については、表1に記号「-」を記載した。
【0057】
【表1】
【0058】
表1に示したように、固体電解質S1~S14は、いずれも前記特定の組成を有している。また、図1図3に示したように、これらの固体電解質の結晶構造は、LiInClの組成を有する固体電解質R1と同様である。そのため、これらの固体電解質は、組成が前記特定の範囲から外れている固体電解質R1~R5に比べて高いイオン伝導度を有している。
【0059】
図5に、前記組成式におけるαの値が0であり、ハロゲンがClのみからなる固体電解質S1~S5及び固体電解質R1~R3について、横軸に組成式におけるxの値をとり、縦軸にイオン伝導度(単位:mS/cm)の値をとったグラフを示す。図5に示すように、ハロゲンとしてClのみを有する固体電解質においては、組成式におけるxの値を0を超え0.35以下、好ましくは0.07以上0.35以下、より好ましくは0.15以上0.35以下、さらに好ましくは0.20以上0.35以下とすることにより、固体電解質のイオン伝導度が向上することが理解できる。
【0060】
また、表1に示したように、前記特定の組成及び結晶構造を有する固体電解質S2~S4は、大気に暴露し、固体電解質と水分とが反応した後であっても、固体電解質を加熱することにより、イオン伝導度を回復することができた。これに対し、固体電解質R6~R8は、水分と反応させた後に加熱を行ってもイオン伝導度が回復しなかった。
【0061】
(実施例2)
本例では、前記固体電解質を用いた二次電池の例を示す。本例の二次電池2は、図6に示すように、正極活物質及び固体電解質を含む正極層21と、固体電解質を含み正極層21上に積層されたセパレータ層22と、負極活物質及び固体電解質を含みセパレータ層22上に積層された負極層23とを有している。本例においては、具体的には、以下のようにして二次電池2(テストセルC1~C4)を作製し、これらの充放電特性の評価を行った。
【0062】
<テストセルC1>
テストセルC1の作製過程における全ての作業は露点-70℃以下、酸素濃度1体積ppmのアルゴン雰囲気中において行った。まず、正極活物質、導電助剤及び固体電解質を含む正極合材と、負極活物質、導電助剤及び固体電解質を含む負極合材とを作製した。テストセルC1の正極合材に用いた正極活物質はニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)であり、導電助剤はカーボンナノファイバーであり、固体電解質は実施例1における固体電解質S4(Li2.4In0.7Nb0.3Cl)である。正極合材中の正極活物質と固体電解質との比率は、質量比においてLiNi1/3Co1/3Mn1/3:Li2.4In0.7Nb0.3Cl=75:25である。また、正極合材中の導電助剤の含有率は、正極活物質と固体電解質との合計100質量%に対して5質量%である。
【0063】
負極合材には、負極活物質と、導電助剤と、固体電解質とが含まれている。テストセルC1の負極合材に用いた負極活物質はLiTi12であり、導電助剤はアセチレンブラックであり、固体電解質はLiPSである。負極合材中の負極活物質と固体電解質との比率は、質量比においてLiTi12:LiPS=40:60である。また、負極合材中の導電助剤の含有率は、負極活物質と固体電解質との合計100質量%に対して5質量%である。
【0064】
次に、図4に示す加圧成形治具1における、型枠部11の貫通穴111に下側パンチ13を挿入した。この状態で、貫通穴111内に固体電解質としてのLiPSを50mg投入した。そして、貫通穴111に上側パンチ12を挿入し、上側パンチ12と下側パンチ13との間に1000kg/cmの荷重を加えた。これにより、固体電解質を圧縮してセパレータ層22を形成した。
【0065】
次に、加圧成形治具1から上側パンチ12を抜き取り、貫通穴111内に75mgの負極合材を投入した。そして、貫通穴111に上側パンチ12を再度挿入し、上側パンチ12と下側パンチ13との間に1000kg/cmの荷重を加えた。これにより、負極合材を圧縮してセパレータ層22の一方面に負極層23を形成した。
【0066】
次に、加圧成形治具1から下側パンチ13を抜き取り、貫通穴111内に20mgの正極合材を投入した。そして、貫通穴111に下側パンチ13を再度挿入し、上側パンチ12と下側パンチ13との間に4000kg/cmの荷重を加えた。これにより、正極合材を圧縮してセパレータ層22の他方面に正極層21を形成した。以上により、二次電池2としてのテストセルC1を得た。
【0067】
<テストセルC2>
テストセルC2における正極層の固体電解質としては、大気に暴露した後にアルゴン雰囲気中で加熱した固体電解質S4を使用した。なお、固体電解質S4の大気暴露の条件及びアルゴン雰囲気中での加熱条件は、前述した実施例1の条件と同様である。テストセルC2のその他の構成及び作製方法はテストセルC1と同様である。
【0068】
<テストセルC3>
テストセルC3における正極層の固体電解質としては、実施例1における固体電解質R6(LiPS)を使用した。テストセルC3のその他の構成及び作製方法はテストセルC1と同様である。
【0069】
<テストセルC4>
テストセルC4における正極層の固体電解質としては、大気に暴露した後にアルゴン雰囲気中で加熱したLiPSを使用した。なお、LiPSの大気暴露の条件及びアルゴン雰囲気中での加熱条件は、前述した実施例1の条件と同様である。テストセルC4のその他の構成及び作製方法はテストセルC1と同様である。
【0070】
次に、以下の方法によりテストセルC1~C4の放電容量の測定を行った。まず、25℃の温度において、定電流-定電圧モードでテストセルを充電した。定電流モードにおける電流密度は1/10Cとし、二次電池の電圧が2.95Vに到達した時点で定電圧モードへの切り替えを行った。定電圧モードにおいては、充電電圧を2.95Vとし、電流密度が1/100Cに到達するまで充電を行った。定電圧モードにおける電流密度が1/100Cに到達した後、10分間充放電を休止してテストセルの電位を安定させた。その後、1/10Cの電流密度の定電流で1.5Vまで放電させた。なお、放電時の電流密度の単位である「C」は、理論上、1時間で充電率が100%となる電流密度を意味する。すなわち、1Cの電流密度で1時間放電を行うことにより、理論上、二次電池を完全に放電させることができる。本例において1Cに相当する電流密度は、具体的には170mA/gである。
【0071】
図7図10に、各テストセルの充放電曲線を示す。また、表2に、充放電曲線に基づいて算出したテストセルC1~C4の放電容量を示す。
【0072】
【表2】
【0073】
図7及び図8に示すように、大気暴露及び加熱を行った後の固体電解質S4を用いたテストセルC2の充放電曲線は、大気に暴露する前の固体電解質S4を用いたテストセルC1の充放電曲線に対してほとんど変化しなかった。また、表2に示すように、テストセルC2の放電容量は、水分と反応する前の固体電解質S4を用いたテストセルC1の放電容量の91%程度であった。これらの結果から、前記特定の組成及び結晶構造を有する固体電解質を用いた二次電池においては、その製造過程において固体電解質が水分と反応した場合であっても、加熱を行うことにより水分の影響を軽減し、充放電特性を回復可能であることが理解できる。
【0074】
一方、表2に示したように、大気に暴露する前の固体電解質R6を用いたテストセルC3は、テストセルC1及びテストセルC2と概ね同程度の放電容量を有している。しかし、大気暴露及び加熱を行った後の固体電解質R6を用いたテストセルC4の放電容量は、テストセルC3の44%程度まで減少した。また、図9図10との比較から、テストセルC4における充放電曲線の傾きはテストセルC3における充放電曲線の傾きよりも大きく、充放電時の内部抵抗が上昇していた。これらの結果から、従来の硫化物固体電解質を用いた場合、その製造過程において固体電解質が一旦水分と反応すると、その後で加熱を行っても充放電特性が回復しないことが理解できる。
【0075】
以上の結果によれば、二次電池における正極層に前記固体電解質が含まれていることが好ましいことが理解できる。
【0076】
以上、実施例に基づいて本発明に係る固体電解質及び二次電池の具体的な態様を説明したが、本発明に係る固体電解質及び二次電池の態様は前述した実施例の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で構成を適宜変更することができる。
【0077】
例えば、上述の実施例においては、正極層中に前記固体電解質が含まれている二次電池の例を示したが、前記固体電解質は、負極層に含まれていてもよく、セパレータ層に含まれていてもよい。前記固体電解質が、正極層、負極層及びセパレータ層のうち1つ以上の層に含まれていれば、前述した効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0078】
2 二次電池
21 正極層
22 セパレータ層
23 負極層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10