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特開2023-143839発光性ホウ素化合物及びメカノクロミックポリマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023143839
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】発光性ホウ素化合物及びメカノクロミックポリマー
(51)【国際特許分類】
   C07C 13/547 20060101AFI20230928BHJP
   C08L 101/12 20060101ALI20230928BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20230928BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20230928BHJP
   C08L 27/12 20060101ALI20230928BHJP
   C08K 5/55 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
C07C13/547
C08L101/12
C08L83/04
C08L75/04
C08L27/12
C08K5/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045230
(22)【出願日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2022046169
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(71)【出願人】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】弁理士法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 利和
(72)【発明者】
【氏名】久枝 良雄
【テーマコード(参考)】
4H006
4J002
【Fターム(参考)】
4H006AB90
4H006BJ50
4J002AA001
4J002AC001
4J002BD121
4J002CK021
4J002CP031
4J002CQ021
4J002EY016
4J002FD206
4J002GR00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】可逆的に機械的刺激に応答可能なメカノフォア、及び該メカノフォアを利用したメカノクロミックポリマーを提供する。
【解決手段】例えば下記構造の化合物1aで示される、発光性ホウ素化合物及び該メカノフォアを利用したメカノクロミックポリマーを提供する。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)~(3)のいずれかで表される発光性ホウ素化合物。
【化1】
(式中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~14のアリール基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~12のアルキル基である。また、R1とR2とが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~14のアリール基又は炭素数4~12のヘテロアリール基である。
Arは、それぞれ独立に、式中の窒素原子NA及び炭素原子CAを含む炭素数5~14の複素芳香環であり、該複素芳香環上の水素原子が、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~14のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。)
【請求項2】
Arが、それぞれ独立に、下記式(4)~(6)のいずれかで表される請求項1記載の発光性ホウ素化合物。
【化2】
(式中、Xは、-S-、-O-又は-N(H)-である。
11~R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~14のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルコキシ基である。)
【請求項3】
11~R24が、水素原子又はハロゲン原子である請求項2記載の発光性ホウ素化合物。
【請求項4】
1、R2及びR3が、水素原子である請求項1記載の発光性ホウ素化合物。
【請求項5】
1が炭素数1~12のアルキル基であり、R2及びR3が水素原子である請求項1記載の発光性ホウ素化合物。
【請求項6】
1及びR2が炭素数1~12のアルキル基である請求項1記載の発光性ホウ素化合物。
【請求項7】
円偏光発光性を有する請求項6記載の発光性ホウ素化合物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項記載の発光性ホウ素化合物とポリマーとが複合化されたメカノクロミックポリマー。
【請求項9】
前記ポリマーがエラストマーである請求項7記載のメカノクロミックポリマー。
【請求項10】
前記エラストマーが、ウレタンゴム、シリコーンゴム又はフッ素ゴムである請求項9記載のメカノクロミックポリマー。
【請求項11】
請求項1~7のいずれか1項記載の発光性ホウ素化合物を含む応力センサー。
【請求項12】
請求項8記載のメカノクロミックポリマーを含む応力センサー。
【請求項13】
下記式(A)で表される化合物及び下記式(B)で表される化合物を脱水縮合させ、三フッ化ホウ素錯体を用いてBF2錯化を行う、請求項1記載の発光性ホウ素化合物のワンポット製造方法。
【化3】
(式中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~14のアリール基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~12のアルキル基である。また、R1とR2とが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~14のアリール基又は炭素数1~8のヘテロアリール基である。
Arは、それぞれ独立に、式中の窒素原子NA及び炭素原子CAを含む炭素数5~14の複素芳香環であり、該複素芳香環上の水素原子が、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~14のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光性ホウ素化合物及びメカノクロミックポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
クロミズム(chromism)とは、物質が外部からの刺激によって色や発光等の光学特性を可逆的に変化させる現象である。特に、蛍光発光が変化をする場合はフルオロクロミズムと呼ばれることもある。外部からの刺激としては、光、熱、電気化学的刺激(酸化還元)、溶媒の極性、溶媒蒸気、圧力、pH変化などがあり、これらのクロミック材料はセンサー材料、セキュリティインク、分子メモリ等のスマートマテリアルとしての応用が期待されている。
【0003】
すりつぶし等の機械的刺激に応答するクロミズムは、メカノクロミズムと呼ばれる。これは機械的刺激によって分子の構造やパッキング状態が変化をすることで、光学特性が変化をする。これまでに有機金属錯体や純有機化合物などを用いた様々なメカノクロミック分子が報告されている。
【0004】
高分子材料のフィルムに機能性色素を導入し、フィルムを延伸させた際に色素の構造や状態を変化させることでメカノクロミズムを示すメカノクロミックポリマーの研究も行われている。メカノクロミック分子はすりつぶしやGPaオーダーの超高圧、結晶自体への機械的刺激に応答するのに対し、メカノクロミックポリマーはポリマーにかかる応力や圧力、歪みに対して応答するため、機械的刺激のセンサー材料として応用する場合にはメカノクロミックポリマーの方が汎用的であると考えられる。また、繰り返し利用する際に、メカノクロミック分子の多くは溶媒蒸気の暴露や加熱等の再結晶操作が必要となるが、メカノクロミックポリマーは可視光照射あるいは引っ張り状態の緩和だけでよいため、取り扱いが非常に簡便である。これらの性質から、メカノクロミックポリマーは応力センサーや材料のダメージを可視化するツールとして応用が期待される。
【0005】
このような高分子材料中で機械的刺激に応答して分子構造が変化をし、光学特性変化等の様々な応答を示す分子のことをメカノフォアという。一般的に、メカノクロミックポリマーにおいては機械的刺激によって光学特性変化を伴うメカノフォアを用いることが多い。従来のメカノフォアは、共有結合の開裂により吸収波長や発光波長が変化するものが多く(非特許文献1、2)、可逆性に乏しいという欠点があった。
【0006】
コンホメーション変化による吸収発光や波長変化の変化を利用したメカノフォアが提案されている(非特許文献3、4)。これらのメカノフォアは、分子のねじれ構造を有しているが、応力が加わることによって平面構造をとり、吸収発光や波長変化が変化するものである。しかし、これらのメカノフォアは分子の屈曲角度をデザインできないという欠点があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Nature, 2009, 459, 68-72.
【非特許文献2】ACS Macro Lett., 2015, 4, 1307-1311.
【非特許文献3】Nat. Commun., 2021, 12, 4243.
【非特許文献4】Nat. Commun., 2022, 13, 303.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みなされたものであり、可逆的に機械的刺激に応答可能であり、分子設計が容易なメカノフォア、及び該メカノフォアを利用したメカノクロミックポリマーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ビピロール誘導体に基づく配位子を有する所定の発光性ホウ素化合物が、溶液の状態や固体の状態において強い発光を示し、その構造のため可逆的に機械的刺激に応答可能であり、キラリティーを持たせることで円偏光発光性を示し、置換基の導入により分子の屈曲角度をデザインできるため発光の強度や波長変化の応答性を自在に調整でき、メカノフォアとして有用であることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、下記発光性ホウ素化合物及びメカノクロミックポリマーを提供する。
1.下記式(1)~(3)のいずれかで表される発光性ホウ素化合物。
【化1】
(式中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~14のアリール基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~12のアルキル基である。また、R1とR2とが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~14のアリール基又は炭素数4~12のヘテロアリール基である。
Arは、それぞれ独立に、式中の窒素原子NA及び炭素原子CAを含む炭素数5~14の複素芳香環であり、該複素芳香環上の水素原子が、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~14のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。)
2.Arが、それぞれ独立に、下記式(4)~(6)のいずれかで表される1の発光性ホウ素化合物。
【化2】
(式中、Xは、-S-、-O-又は-N(H)-である。
11~R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~14のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルコキシ基である。)
3.R11~R24が、水素原子又はハロゲン原子である2の発光性ホウ素化合物。
4.R1、R2及びR3が、水素原子である1~3のいずれかの発光性ホウ素化合物。
5.R1が炭素数1~12のアルキル基であり、R2及びR3が水素原子である1~3のいずれかの発光性ホウ素化合物。
6.R1及びR2が炭素数1~12のアルキル基である1~3のいずれかの発光性ホウ素化合物。
7.円偏光発光性を有する6の発光性ホウ素化合物。
8.1~7のいずれかの発光性ホウ素化合物とポリマーとが複合化されたメカノクロミックポリマー。
9.前記ポリマーがエラストマーである7のメカノクロミックポリマー。
10.前記エラストマーが、ウレタンゴム、シリコーンゴム又はフッ素ゴムである9のメカノクロミックポリマー。
11.1~7のいずれかの発光性ホウ素化合物を含む応力センサー。
12.8~10のいずれかのメカノクロミックポリマーを含む応力センサー。
13.下記式(A)で表される化合物及び下記式(B)で表される化合物を脱水縮合させ、三フッ化ホウ素錯体を用いてBF2錯化を行う、1の発光性ホウ素化合物のワンポット製造方法。
【化3】
(式中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~14のアリール基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~12のアルキル基である。また、R1とR2とが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~14のアリール基又は炭素数1~8のヘテロアリール基である。
Arは、それぞれ独立に、式中の窒素原子NA及び炭素原子CAを含む炭素数5~14の複素芳香環であり、該複素芳香環上の水素原子が、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~14のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。)
【発明の効果】
【0011】
本発明の発光性ホウ素化合物は、強い発光を示し、可逆的に機械的刺激に応答可能であり、メカノフォアとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例4-1~4-4で測定した化合物2a~2dのCDスペクトル及び円偏光発光スペクトルである。
図2】実施例7で測定したひずみ(伸び率)に対する極大発光波長及び応力-ひずみ曲線を示すグラフである。
図3】実施例7で測定した繰り返し試験における極大発光波長を示すグラフである。
図4】実施例8で測定した繰り返し試験における極大発光波長を示すグラフである。
図5】実施例9で測定した繰り返し試験における極大発光波長を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[発光性ホウ素化合物]
本発明の発光性ホウ素化合物は、下記式(1)~(3)のいずれかで表されるものである。
【化4】
【0014】
式(1)~(3)中、R1は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~14のアリール基である。R2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1~12のアルキル基である。また、R1とR2とが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数6~14のアリール基又は炭素数1~8のヘテロアリール基である。
【0015】
1~R3で表される炭素数1~12のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基等が挙げられる。
【0016】
1及びR3で表される炭素数6~14のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
【0017】
2及びR3で表されるハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0018】
3で表されるヘテロアリール基の具体例としては、チエニル基、フラニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基等が挙げられる。
【0019】
1とR2とが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に形成し得る環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロへプタン環、シクロオクタン環等が挙げられる。
【0020】
1としては、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基又はn-プロピル基がより好ましい。R2としては、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基又はn-プロピル基がより好ましい。R3としては、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0021】
式(1)~(3)中、Arは、それぞれ独立に、式(1)中の窒素原子NA及び炭素原子CAを含む炭素数5~14の複素芳香環である。前記複素芳香環としては、ピリジン環、キノリン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイミダゾール環等が挙げられる。また、前記複素芳香環上の水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~14のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
【0022】
前記複素芳香環としては、特に、下記式(4)~(6)のいずれかで表されるものが好ましい。
【化5】
【0023】
式(4)~(6)中、Xは、-O-又は-N(H)-である。これらのうち、Xとしては-S-が好ましい。
【0024】
式(4)~(6)中、R11~R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6~14のアリール基、ヒドロキシ基又は炭素数1~12のアルコキシ基である。前記ハロゲン原子としては、R2で表されるハロゲン原子として例示したものと同様のものが挙げられる。前記炭素数1~12のアルキル基としては、R1~R3で表される炭素数1~12のアルキル基として例示したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン原子で置換された炭素数1~12のアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。置換されていてもよい炭素数6~14のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ヒドロキシメチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。炭素数1~12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、シクロブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、R11~R24としては、水素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル基、フェニル基、ヒドロキシメチルフェニル基等が好ましい。
【0025】
前記発光性ホウ素化合物としては、R1、R2及びR3がすべて水素原子であるもの、R1が炭素数1~12のアルキル基であり、R2及びR3が水素原子であるもの、又はR1及びR2が炭素数1~12のアルキル基であり、R3が水素原子であるものが好ましい。
【0026】
前記発光性ホウ素化合物において、R1及びR2がともに炭素数1~12のアルキル基であるものは、キラリティーを有するため、既知の光学分割カラムを用いることでエナンチオマー((R)体及び(S)体)に分割することが可能である。前記エナンチオマーは、円偏光発光性を示し、円偏光発光材料として有用である。
【0027】
[発光性ホウ素化合物の製造方法]
前記発光性ホウ素化合物は、下記式(A)で表される化合物及び下記式(B)で表される化合物を脱水縮合させ、次いで、三フッ化ホウ素錯体を用いてBF2錯化を行うことで、ワンポットで合成することができる。
【化6】
(式中、R1、R2、R3及びArは、前記と同じ。)
【0028】
式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物の脱水縮合は、酸触媒存在下、溶媒中で行うことができる。
【0029】
前記酸触媒としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、クロロスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸等の有機酸が挙げられる。前記酸触媒の使用量は、式(A)で表される化合物1当量に対し、0.01~5当量が好ましく、0.05~2当量がより好ましく、0.1~1当量が更に好ましい。
【0030】
前記溶媒としては、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン等が挙げられる。前記溶媒の使用量は、式(A)で表される化合物100質量部に対し、100~1,000質量部程度が好ましく、200~800質量部程度がより好ましい。前記触媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0031】
式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物の使用量は、式(A)で表される化合物1当量に対し、式(B)で表される化合物が、1~5当量が好ましく、2~3当量がより好ましい。
【0032】
前記脱水縮合反応の反応温度は、室温から使用する溶媒の沸点までの範囲で適宜設定すればよい。反応時間は、通常、0.1~30時間程度である。
【0033】
フッ化ホウ素錯体を用いたBF2錯化は、前記脱水縮合工程後、反応溶液に三フッ化ホウ素錯体及び塩基を加えることで行うことができる。
【0034】
前記三フッ化ホウ素錯体としては、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体が挙げられる。前記三フッ化ホウ素錯体の使用量は、式(A)で表される化合物1当量に対し、10~50当量が好ましく、15~45当量がより好ましく、20~40当量が更に好ましい。
【0035】
前記塩基としては、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン等が挙げられる。これらのうち、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチルアミン等が好ましい。前記塩基の使用量は、式(A)で表される化合物1当量に対し、10~200当量が好ましく、40~150当量がより好ましく、60~120当量が更に好ましい。前記塩基は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0036】
前記錯化反応の反応温度は、室温から使用する溶媒の沸点までの範囲で適宜設定すればよい。反応時間は、通常、0.1~30時間程度である。
【0037】
前記方法によって、式(1)で表される発光性ホウ素化合物、式(2)で表される発光性ホウ素化合物及び式(3)で表される発光性ホウ素化合物が合成される。反応終了後は、抽出を行った後、カラムクロマトグラフィー等の公知の精製方法によって分離することで、目的物を得ることができる。得られた目的物を、再沈殿等の公知の方法によって更に生成してもよい。
【0038】
[メカノクロミックポリマー]
本発明のメカノクロミックポリマーは、前記発光性ホウ素化合物をポリマーと複合化することによって得られるものである。
【0039】
前記ポリマーとしては、特に限定されないが、エラストマーが好ましい。前記エラストマーとしては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
【0040】
ウレタンゴムと前記発光性ホウ素化合物とを複合化する方法としては、例えば、ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物と、ヒドロキシ基を導入した発光性ホウ素化合物とを反応させてプレポリマーを合成した後、鎖延長剤を反応させる方法が挙げられる。
【0041】
前記ジオール化合物としては、数平均分子量(Mn)が好ましくは400~5,000程度の高分子ジオール化合物が好ましい。その具体例としては、ポリテトラヒドロフラン(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルグリコール等が挙げられる。前記ジオール化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0042】
前記ジイソシアネート化合物としては、脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香脂肪族系等の任意のジイソシアネートを使用することができる。その具体例としては、4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等が挙げられる。前記ジイソシアネート化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0043】
プレポリマーの合成は、ジイソシアネート化合物と、ジオール化合物と、ヒドロキシ基を導入した発光性ホウ素化合物とを、溶媒中で必要に応じて触媒の存在下で行うことができる。
【0044】
前記発光性ホウ素化合物にヒドロキシ基を導入する方法としては、公知の有機化学的方法を用いることができ、例えば、Arがハロゲン原子を有する複素芳香環である前記発光性ホウ素化合物と、ヒドロキシ基を有する化合物とを、触媒の存在下でカップリング反応させる方法が挙げられる。前記カップリング反応としては、公知のものを利用することができ、例えば、鈴木・宮浦カップリング、薗頭カップリング、Stillカップリング等を利用することができる。カップリング反応において使用される触媒、溶媒、反応条件等としては、一般的に用いられている公知のものを採用することができる。
【0045】
プレポリマーの合成に用いられる溶媒としては、公知のものを使用することができ、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。前記溶媒の使用量は、通常、原料化合物の合計100質量部に対し、100~1,000質量部程度が好ましく、200~800質量部程度がより好ましい。前記触媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0046】
プレポリマーの合成に用いられる触媒としては、公知のものを使用することができ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物;トリエチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン等のアミン系触媒等が挙げられる。前記触媒の使用量は、通常、原料化合物の合計100質量部に対し、0.01~10質量部程度が好ましく、0.1~5質量部程度がより好ましい。前記触媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0047】
プレポリマーの合成におけるジイソシアネート化合物、ジオール化合物及びヒドロキシ基を導入した発光性ホウ素化合物の仕込み比は、モル比で、2000:500:1~10000:2500:1が好ましく、4000:1000:1~8000:2000:1がより好ましい。
【0048】
プレポリマーの合成において、反応温度は、10~150℃が好ましく、15~100℃がより好ましい。反応時間は、1~100時間が好ましく、10~50時間がより好ましい。
【0049】
前記鎖延長剤としては、ポリウレタンの合成に用いられる従来公知のものを使用することができ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、キシリレングリコール、1,4-ビス(β-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、3,3-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、ヒドラジン、ジヒドラジドトリメチロールプロパン、グリセリン、2-メチルプロパンジオール等の低分子量ジオールや、エチレンジアミン、ブタンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、ヒドラジン等の低分子量ジアミンが挙げられる。なお、低分子量ジオールと低分子量ジアミンとを併用してもよい。
【0050】
前記鎖延長剤の使用量は、プレポリマー中のイソシアネート基1当量に対し、0.1~5当量が好ましく、0.5~2当量がより好ましい。前記鎖延長剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、鎖延長剤との反応において、反応温度及び反応時間は、それぞれプレポリマーの合成における反応温度及び反応時間と同様のものが好ましい。
【0051】
反応終了後、再沈殿等の公知の方法によって、発光性ホウ素化合物と複合化されたウレタンゴムを精製することができる。
【0052】
シリコーンゴムと前記発光性ホウ素化合物とを複合化する方法としては、例えば、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物と、ビニル基を導入した発光性ホウ素化合物とをヒドロシリル化反応させる方法が挙げられる。
【0053】
前記発光性ホウ素化合物にビニル基を導入する方法としては、公知の有機化学的方法を用いることができ、例えば、Arがハロゲン原子を有する複素芳香環である前記発光性ホウ素化合物と、ビニル基を有する化合物とを、触媒の存在下でカップリング反応させる方法が挙げられる。前記カップリング反応としては、公知のものを利用することができ、例えば、鈴木・宮浦カップリング、薗頭カップリング、Stillカップリング等を利用することができる。カップリング反応において使用される触媒、溶媒、反応条件等としては、一般的に用いられている公知のものを採用することができる。
【0054】
前記ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物としては、例えば、両末端にヒドロシリル基を有するジメチルポリシロキサン、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー等が挙げられる。
【0055】
前記ヒドロシリル化反応においては、必要に応じて溶媒を使用してもよい。前記溶媒としては、公知のものを使用することができ、例えば、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン等が挙げられる。前記溶媒の使用量は、前記ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物100質量部に対し、0.1~500質量部程度が好ましく、0.1~200質量部程度がより好ましい。前記溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0056】
前記ヒドロシリル化反応に用いられる触媒としては、公知のものを使用することができ、例えば、白金、白金担持触媒、塩化白金、塩化白金酸、塩化白金酸塩、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサンとの錯体等の白金系触媒等が挙げられる。前記触媒の使用量は、原料化合物100質量部に対し、0.0001~0.1質量部程度が好ましく、0.001~0.05質量部程度がより好ましい。前記触媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0057】
前記ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物及びビニル基を導入した発光性ホウ素化合物の仕込み比は、導入されたビニル基の数に応じて、適宜、調整することができる。例えば、前記ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物及びビニル基が2つ導入された発光性ホウ素化合物との仕込み比は、モル比で、0.2:1~5:1が好ましく、0.5:1~2:1がより好ましい。
【0058】
前記ヒドロシリル化反応において、反応温度は、10~100℃が好ましく、20~80℃がより好ましい。反応時間は、0.1~50時間が好ましく、0.5~20時間がより好ましい。
【0059】
シリコーンゴムと前記発光性ホウ素化合物とを複合化する方法としては、シリコンポッティング剤(例えば、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社のsilgard184)の様に、主剤と硬化剤の2液を混合させて硬化させる際に、前記発光性ホウ素化合物を混合する方法も採用できる。前記シリコンポッティング剤に対して、加える発光性ホウ素化合物の割合は、例えば、0.01~1.0質量%が好ましく、0.05~0.5質量%がより好ましい。
【0060】
本発明のメカノクロミックポリマーは、ひずみや応力等の機械的刺激に応答して発光波長が可逆的に変化する。本発明の発光性ホウ素化合物は、ピロール環をつなぐ単結合を軸とする旗蝶番のような構造を有し、延伸や緩和によって前記単結合を軸として回転して可逆的にコンホメーション変化を起こすため、発光波長が可逆的に変化するものと考えられる。本発明のメカノクロミックポリマーは、ひずみや応力等の機械的刺激を検出するためのセンサーとして利用できる。
【0061】
また、本発明の発光性ホウ素化合物とポリマーとを混合することで、得られたポリマーは、ひずみや応力等の機械的刺激に応答して発光波長が可逆的に変化する。すなわち、本発明の発光性ホウ素化合物は、ポリマーと混合することでも、ひずみや応力を検出するためのセンサーとして利用することができる。例えば、本発明の発光性ホウ素化合物とポリマーとを溶媒に溶解し、得られた溶液を用いてフィルムを形成することで、得られたフィルムはひずみや応力等の機械的刺激に応答して発光波長が可逆的に変化する。前記ポリマーとしては、前述したメカノクロミックポリマーに用いられるポリマーが挙げられる。本発明の発光性ホウ素化合物とポリマーとを混合する際の混合比は、質量比で、1:5000~1:20000が好ましく、1:10000~1:15000が好ましい。
【0062】
本発明の発光性ホウ素化合物やメカノクロミックポリマーは、波長変換材料、有機ELデバイス、電気化学発光材料(Electrochemiluminescence)、センサー、バイオイメージング等に利用することができる。
【実施例0063】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。なお、使用した装置は以下のとおりである。
1H-、13C-、19F-及び11B-NMR:Bruker製、Avance 400 超伝導核磁気共鳴装置(400 MHz)
・蛍光スペクトル:(株)日立ハイテクサイエンス製分光蛍光光度計F-7000
・量子収率:浜松ホトニクス製絶対PL量子収率測定装置C9920-02G
・発光寿命:浜松ホトニクス製蛍光寿命測定用分光蛍光光度計Quantum-Tau C11367-05
・光学分割:日本分析工業(株)製LaboACE LC-5060(カラム:(株)ダイセル製CHIRALPAK ID、溶離液:ヘキサン/ジクロロメタン=1/1(v/v)、流速:10.0 mL/分、UV検出器:UV-4ch 400 LA)
・円偏光発光(CPL)スペクトル:日本分光(株)製CPL-200
・円偏光二色性(CD)スペクトル:日本分光(株)製円二色性分散計J-1500
・引張試験機:(株)三弘製、その場観察用応力負荷試験機ISL-T300
【0064】
実施例で用いた化合物1~化合物4及び化合物a~化合物dは、以下のとおりである。
【化7】
【0065】
【化8】
【0066】
[1]発光性ホウ素化合物の合成
[実施例1-1]化合物1aの合成
【化9】
【0067】
化合物1(94mg、0.50mmol)及び化合物a(115mg、1.05mmol)をp-トルエンスルホン酸・一水和物(48mg、0.25mmol)と共に乾燥1,2-ジクロロエタン(40mL)に溶解させた。薄層クロマトグラフィー(TLC)で確認しながら化合物1が完全に消費されるまで、前記反応溶液を還流した。6時間還流した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.7mL、50mmol)を前記反応溶液に加え、20分間撹拌した。撹拌後、BF3・OEt2(2.0mL、16mmol)を前記反応溶液に加え、窒素保護下で6時間還流した。
その後、前記反応溶液を冷却し、そこへジクロロメタンを添加し、該溶液を水に入れ、ジクロロメタンで抽出した。抽出した有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。前記粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/ヘキサン=1/1)で精製した。さらに、再結晶を行うことで、化合物1aを茶色の固体として得た(収量13.4mg、収率4.8%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.86 (s, 2H), 8.50 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 8.22 (m, 2H), 7.46 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 4.3 Hz, 2H), 7.29-7.26 (m, 4H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ = 151.1, 146.0, 137.8, 137.3, 133.8, 125.9, 123.8, 118.8, 116.9, 110.5.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6): δ = (-134.03)-(-134.21) (m, 4F), (-144.40)-(-144.49) (m, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6): δ = 3.40 (brs, 2B), 1.75 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C20H14B4F8N8 [M]+ 562.1586; found: 562.1588.
【0068】
[実施例1-2]化合物1bの合成
【化10】
【0069】
化合物aのかわりに化合物b(115mg、1.05mmol)を用いた以外は、実施例1-1と同様の方法で合成を行い、化合物1bを赤色の固体として得た(収量88.3mg、収率24%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.89-8.88 (m, 4H), 8.34 (dd, J = 9.5, 2.1 Hz, 2H), 7.39-7.36 (m, 4H), 7.26 (s, 1H), 7.25 (s, 1H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ = 150.2, 148.1, 138.3, 137.6, 134.2, 125.9, 124.3, 118.9, 111.9, 109.4.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6): δ = (-133.96)-(-134.09) (m, 4F), (-143.36)-(-143.45) (m, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6): δ = 3.37 (brs, 2B), 1.77 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. For C20H12B4Br2F8N8 [M]+ 717.9796; found: 717.9795.
【0070】
[実施例1-3]化合物1cの合成
【化11】
【0071】
化合物aのかわりに化合物c(167mg、1.05mmol)を用いた以外は、実施例1-1と同様の方法で合成を行い、化合物1cを橙色の固体として得た(収量45.7mg、収率13%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.02 (s, 2H), 8.71 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 8.13 (dd, J = 8.1, 1.0 Hz, 2H), 7.96 (m, 2H), 7.89 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.65 (m, 2H), 7.59 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 4.1 Hz, 2H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ = 151.8, 146.0, 138.1, 136.3, 135.2, 133.7, 130.0, 126.2, 126.0, 124.9, 123.4, 119.2, 117.7, 109.9.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6): δ = (-132.39)-(-132.52) (m, 4F), (-143.50)-(-143.61) (m, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6): δ = 4.09 (brs, 2B), 1.65 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C28H18B4F8N8 [M]+ 662.1899; found: 662.1897.
【0072】
[実施例1-4]化合物1dの合成
【化12】
【0073】
化合物aのかわりに化合物d(173mg、1.05mmol)を用い、還流時間を10時間とした以外は、実施例1-1と同様の方法で合成を行い、化合物1dを橙赤色の固体として得た(収量21.8mg、収率6.5%)。
1H-NMR (400 MHz, Acetone-d6): δ = 8.69 (s, 2H), 8.12 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.73-7.65 (m, 4H), 7.54-
7.49 (m, 4H), 7.37 (d, J = 4.3 Hz, 2H).
19F-NMR (377 MHz, Acetone-d6): δ = (-136.77)-(-137.00) (m, 4F), (-145.79)-(-145.90) (m, 4F).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C24H14B4F8N8S2 [M]+ 674.1027; found: 674.1031.
【0074】
[実施例1-5]化合物2aの合成
【化13】
【0075】
化合物1のかわりに化合物2(150mg、0.50mmol)を用い、還流時間を10時間とした以外は、実施例1-1と同様の方法で合成を行い、化合物2aを黄色の固体として得た(収量140mg、収率42%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.76 (s, 2H), 8.40 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 8.08 (m, 2H), 7.29 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.16 (m, 2H), 2.84 (m, 4H), 2.31 (m, 4H), 1.22 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 0.99 (t, J = 7.6 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ = 151.1, 145.2, 139.0, 137.3, 135.8, 132.1, 131.8, 122.9, 116.1, 110.3, 17.4, 17.0, 16.9, 14.3.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6): δ = (-133.90)-(-134.29) (m, 2F), (-143.17)-(-144.28) (m, 6F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6): δ = 3.58 (brs, 2B), 1.34 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C28H30B4F8N8 [M]+ 674.2838; found: 674.2835.
【0076】
[実施例1-6]化合物2bの合成
【化14】
【0077】
化合物1のかわりに化合物2(150mg、0.50mmol)を用いた以外は、実施例1-2と同様の方法で合成を行い、化合物2bを黄色の固体として得た(収量15.6mg、収率16%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.80-8.79 (m, 4H), 8.20 (dd, J = 9.5, 2.1 Hz, 2H), 7.23 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 2.84 (m, 4H), 2.30 (m, 4H), 1.21 (t, J = 7.5 Hz, 6H), 0.98 (t, J = 7.6 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ = 150.1, 147.4, 139.7, 137.9, 136.2, 132.6, 132.0, 123.0, 111.8, 108.6, 17.4, 17.0, 16.9, 14.2.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6): δ = (-133.74)-(-134.15) (m, 2F), (-141.89)-( -142.20) (m, 2F), (-142.77)-( -143.57) (m, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6): δ = 3.25 (brs, 2B), 1.04 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C28H28B4Br2F8N8 [M]+ 830.1048; found: 830.1048.
【0078】
[実施例1-7]化合物2cの合成
【化15】
【0079】
化合物1のかわりに化合物2(150mg、0.50mmol)を用い、還流時間を10時間とした以外は、実施例1-3と同様の方法で合成を行い、化合物2cを橙色の固体として得た(収量20.2mg、収率5.2%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.93 (s, 2H), 8.55 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 8.06 (dd, J = 8.1, 1.0 Hz, 2H), 7.92 (m, 2H), 7.86 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.59 (m, 2H), 7.43 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 2.90 (m, 4H), 2.35 (m, 4H), 1.26 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 1.02 (t, J = 7.6 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ = 151.5, 145.1, 140.3, 136.7, 136.2, 133.3, 132.1, 129.7, 125.7, 123.1, 117.5, 109.9, 109.0, 17.4, 17.0, 14.2.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6): δ = (-132.28)-(-132.64) (m, 2F), (-141.81)-(-142.18) (m, 2F), (-142.42)-(-143.37) (m, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6): δ = 4.33 (brs, 2B), 1.56 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C36H34B4F8N8 [M]+ 774.3151; found: 774.3155.
【0080】
[実施例1-8]化合物2dの合成
【化16】
【0081】
化合物1のかわりに化合物2(150mg、0.50mmol)を用いた以外は、実施例1-4と同様の方法で合成を行い、化合物2dを黄色の固体として得た(収量93.3mg、収率23.7%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.87 (s, 2H), 7.64 (m, 2H), 7.62 (m, 2H), 7.49 (m, 2H), 7.32 (m, 2H), 2.81 (q, J = 7.6 Hz, 4H), 2.43 (q, J = 7.6 Hz, 4H), 1.34 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 1.07 (t, J = 7.6 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, CDCl3): δ = 141.4, 138.1, 137.5, 133.6, 132.4, 128.6, 128.3, 125.0, 123.7, 123.2, 115.3, 18.3, 18.0, 17.0, 14.6.
19F-NMR (377 MHz, CDCl3): δ = (-139.82)-(-140.18) (m, 2F), (-147.20)-(-147.51) (m, 2F), (-148.71)-(-149.00) (m, 4F).
11B-NMR (128 MHz, CDCl3): δ = 2.75 (brs, 2B), 0.56 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C32H30B4F8N8S2 [M]+ 786.2279; found: 786.2281.
【0082】
[実施例1-9]化合物3aの合成
【化17】
【0083】
化合物1のかわりに化合物3(136mg、0.50mmol)を用い、還流時間を10時間とした以外は、実施例1-1と同様の方法で合成を行い、化合物3aを橙色の固体として得た(収量40mg、収率12%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.84 (s, 2H), 8.46 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 8.20 (m, 2H), 7.42 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.24 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 7.10 (s, 2H), 2.81 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 1.63 (m, 4H), 0.98 (t, J = 7.4 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ = 151.0, 145.6, 140.3, 137.5, 137.3, 132.0, 123.9, 118.3, 116.4, 110.4, 26.6, 24.3, 13.6.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6): δ = -134.82 (d, J = 47.2 Hz, 4F), -143.67 (d, J = 36.1 Hz, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6): δ = 3.57 (brs, 2B), 1.74 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C26H26B4F8N8 [M]+ 646.2525; found: 646.2525.
【0084】
[実施例1-10]化合物3bの合成
【化18】
【0085】
化合物1のかわりに化合物3(136mg、0.50mmol)を用い、還流時間を10時間とした以外は、実施例1-2と同様の方法で合成を行い、化合物3bを橙赤色の固体として得た(収量58mg、収率14%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.88 (s, 2H), 8.85 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 8.31 (dd, J = 9.5, 2.1 Hz, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.09 (s, 2H), 2.81 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 1.62 (m, 4H), 0.98 (t, J = 7.4 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ = 150.0, 147.7, 140.9, 138.1, 137.5, 132.5, 124.1, 118.5, 111.9, 109.0, 26.6, 24.3, 13.6.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6): δ = -134.69 (d, J = 49.9 Hz, 4F), -142.54 (d, J = 36.1 Hz, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6): δ = 3.32 (brs, 2B), 1.50 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C26H24B4Br2F8N8 [M]+ 802.0735; found: 802.0735.
【0086】
[実施例1-11]化合物3cの合成
【化19】
【0087】
化合物1のかわりに化合物3(136mg、0.50mmol)を用い、還流時間を10時間とした以外は、実施例1-3と同様の方法で合成を行い、化合物3bを暗赤色の固体として得た(収量88mg、収率23%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.02 (s, 2H), 8.68 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 8.11 (d, J = 7.9 Hz, 2H),
7.95 (m, 2H), 7.89 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.64 (m, 2H), 7.55 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.17 (s, 2H), 2.88 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 1.68 (m, 4H), 1.02 (t, J = 7.4 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6): δ = 151.5, 145.5, 141.5, 138.0, 136.2, 133.5, 133.3, 129.8, 125.9, 124.1, 123.2, 118.7, 117.6, 109.8, 26.6, 24.3, 13.7.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6): δ = -133.15 (d, J = 47.2 Hz, 4F), -142.82 (d, J = 43.0 Hz, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6): δ = 4.31 (brs, 2B), 1.76 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C34H30B4F8N8 [M]+ 746.2838; found: 746.2840.
【0088】
[実施例1-12]化合物3dの合成
【化20】
【0089】
化合物1のかわりに化合物3(136mg、0.50mmol)を用いた以外は、実施例1-4と同様の方法で合成を行い、化合物3dを赤色の固体として得た(収量34mg、収率9%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.88 (s, 2H), 7.69 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.52 (m, 2H), 7.36 (m, 2H), 7.19 (s, 2H), 2.76 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 1.77 (m, 4H), 1.06 (t, J = 7.4 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, CDCl3): δ = 166.4, 143.0, 139.8, 137.6, 132.3, 128.6, 128.4, 125.2, 124.8, 123.2, 119.7, 115.4, 28.1, 24.6, 14.1.
19F-NMR (377 MHz, CDCl3): δ = -140.32 (d, J = 40.2 Hz, 4F), -147.97 (d, J = 31.9 Hz, 4F).
11B-NMR (128 MHz, CDCl3): δ = 2.86 (brs, 2B), 0.80 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C30H26B4F8N8S2 [M]+ 758.1966; found: 758.1968.
【0090】
[実施例1-13]化合物3BF2-2cの合成
【化21】
【0091】
N,N-ジイソプロピルエチルアミンのかわりに1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)(3.74mL、25mmol)を用いた以外は、実施例1-7と同様の方法で合成を行い、化合物3BF2-2cを赤色の固体として得た(収量13.5mg、収率3.7%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 11.84 (s, 1H), 8.10 (d, J = 9.38 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 8.38 Hz, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.79-7.75 (m, 2H), 7.64-7.61 (m, 2H), 7.56-7.46 (m, 4H), 7.42 (dd, J = 7.88, 1.13 Hz, 1H), 7.12 (m, 1H), 6.73 (d, J = 9.38 Hz), 2.84-2.76 (m, 4H), 2.60-2.40 (m, 4H), 1.35 (t, J = 7.63 Hz, 3H), 1.32 (t, J = 7.50, 7.63 Hz, 3H), 1.06 (t, J = 7.50, 7.63 Hz, 3H), 1.03 (t, J = 7.50, 7.63 Hz, 3H).
13C-NMR (101 MHz, CDCl3): δ = 159.1, 152.3, 143.7, 140.2, 139.3, 137.7, 137.3, 133.0, 132.7, 131.2, 131.0, 130.5, 129.1, 128.7, 128.3, 125.7, 123.5, 122.3, 118.7, 116.7, 105.0, 111.0, 29.9, 18.2, 18.1, 17.3, 17.1, 15.5, 15.4.
19F-NMR (377 MHz, CDCl3): δ = (-134.09)-(-134.56) (m, 1F), (-142.79)-(-143.22) (m, 1F), (-145.36)-(-145.75) (m, 1F), (-146.09)-(-146.46) (m, 1F), (-148.92)-(-149.41) (m, 1F), (-149.58)-(-150.07) (m, 1F).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C36H35B3F6N8 [M]+ 726.3168; found: 726.3166.
【0092】
[実施例1-14]化合物3BF2-3cの合成
【化22】
【0093】
N,N-ジイソプロピルエチルアミンのかわりにDBU(3.74mL、25mmol)を用いた以外は、実施例1-11と同様の方法で合成を行い、化合物3BF2-3cを濃緑色の固体として得た(収量13.5mg、収率3.7%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 12.83 (s, 1H), 8.21 (d, J = 9.26 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.38 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.85-7.79 (m, 2H), 7.67-7.61 (m, 4H), 7.55-7.49 (m, 3H), 7.18 (m, 1H), 6.90 (d, J = 9.26 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 2.75-2.69 (m, 4H), 1.81-1.70 (m, 4H), 1.07-1.03 (m, 6H).
13C-NMR (101 MHz, CDCl3): δ = 143.5, 142.3, 139.5, 138.7, 133.3, 131.4, 130.8, 130.3, 129.1, 128.4, 125.9, 124.9, 123.5, 122.6, 122.4, 118.9, 117.6, 116.9, 114.8, 28.0, 27.9, 24.6, 24.4, 14.1.
19F-NMR (377 MHz, CDCl3): δ = (-136.36)-(-136.59) (m, 2F), (-145.40)-(-145.58) (m, 2F), (-149.42)-(-149.65) (m, 2F).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C34H31B3F6N8 [M]+ 698.2855; found: 698.2851.
【0094】
[実施例1-15]化合物4aの合成
【化23】
【0095】
化合物4(136mg、0.50mmol)及び化合物a(115mg、1.05mmol)を、p-トルエンスルホン酸・一水和物(48mg、0.25mmol)と共に乾燥1,2-ジクロロエタン(40mL)に溶解させた。次いで、TLCで確認しながら化合物4が完全に消費されるまで、前記反応溶液を窒素保護下で還流した。18時間還流した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.7mL、50mmol)を前記反応溶液に加え、20分間撹拌した。撹拌後、BF3・OEt2(2.0mL、16mmol)を前記反応溶液に加え、窒素保護下で10時間還流した。
その後、前記反応溶液を冷却し、そこへジクロロメタンを添加し、該溶液を水に入れ、ジクロロメタンで抽出した。抽出した有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。前記粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/ヘキサン=1/1)で精製した。さらに、再結晶を行うことで、化合物4aを橙色の固体として得た(収量29.8mg、収率9%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, 298K): δ = 8.42 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 8.18 (m, 2H), 7.58 (d, J = 4.3 Hz, 2H), 7.44 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.23 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.07 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 1.83 (m, 4H), 0.98 (t, J = 7.4 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6, 298K): δ = 150.9, 150.1, 145.6, 137.2, 136.6, 125.7, 122.0, 118.3, 116.4, 110.4, 30.8, 24.5, 14.1.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6, 298K): δ = -134.31 (d, J = 47.2 Hz, 4F), -142.07 (d, J = 38.8 Hz, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6, 298K): δ = 3.99 (brs, 2B), 1.63 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C26H26B4F8N8 [M]+ 646.2525; found: 646.2528.
【0096】
[実施例1-16]化合物4cの合成
【化24】
【0097】
化合物aのかわりに化合物c(167mg、1.05mmol)を用いた以外は、実施例1-15と同様の方法で合成を行い、化合物4cを橙色の固体として得た(収量72.4mg、収率19%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6, 298K): δ = 8.66 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 8.11 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.96-7.88 (m, 4H), 7.69 (d, J = 4.3 Hz, 2H), 7.63 (m, 2H), 7.57 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 3.18 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 1.89 (m, 4H), 1.12 (t, J = 7.4 Hz, 6H).
13C-NMR (101 MHz, DMSO-d6, 323K): δ = 151.5, 151.3, 145.2, 137.2, 135.9, 133.2, 129.6, 125.7, 123.0, 122.7, 117.3, 109.6, 30.7, 24.4, 13.7.
19F-NMR (377 MHz, DMSO-d6, 298K): δ = -133.42 (d, J = 45.8 Hz, 4F), -141.23 (d, J = 43.0 Hz, 4F).
11B-NMR (128 MHz, DMSO-d6, 298K): δ = 4.72 (brs, 2B), 1.65 (brs, 2B).
HRMS (FAB, m/z): Calcd. for C34H30B4F8N8 [M]+ 746.2838; found: 746.2835.
【0098】
[2]光学特性評価
[実施例2-1~2-14]
化合物1a~1d、2a~2d及び3а~3dについて、ジクロロメタン(DCM)溶液における極大吸収波長(λabs max)、極大発光波長(λem max)、極大吸収波長で励起したときの量子収率、発光寿命及びストークスシフト、並びに固体粉末における波長400nmで励起したときの極大発光波長(λem max)、波長400nmで励起したときの量子収率及び発光寿命を評価した。また、化合物3BF2-2c及び3BF2-3cについて、ジクロロメタン(DCM)溶液における極大吸収波長(λabs max)、極大発光波長(λem max)、極大吸収波長で励起したときの量子収率、発光寿命及びストークスシフトを評価した。結果を表1及び2に示す。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
[実施例2-15、2-16]
化合物4a及び4cについて、固体粉末における波長400nmで励起したときの極大発光波長(λem max)、波長400nmで励起したときの量子収率及び発光寿命を評価した。結果を表3に示す。
【0102】
【表3】
【0103】
[実施例3-1~3-18]
化合物1a~1dについて、トルエン、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール(MeOH)又はジメチルスルホキシド(DMSO)に、濃度が1μmol/Lになるように溶解させ、得られた溶液における極大吸収波長(λabs max)、極大発光波長(λem max)、極大吸収波長で励起したときの量子収率、発光寿命及びストークスシフトを評価した。結果を表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】
[実施例3-19~3-28]
化合物4a及び4cについて、トルエン、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール(MeOH)又はジメチルスルホキシド(DMSO)に、濃度が1μmol/Lになるように溶解させ、得られた溶液における極大吸収波長(λabs max)、極大発光波長(λem max)、極大吸収波長で励起したときの量子収率、発光寿命及びストークスシフトを評価した。結果を表5に示す。
【0106】
【表5】
【0107】
表4及び5に示した結果より、本発明の発光性ホウ素化合物は、各種溶媒においても、良好な発光特性を示した。
【0108】
[実施例4-1~4-4]
化合物2a~2dについて、光学分割を行い、得られたエナンチオマー((R)体、(S)体)について、DCM溶液(1μmol/L)のCPLスペクトル及びCDスペクトルを測定した。結果を図1に示す。
【0109】
図1に示した結果より、化合物2a~2dの(R)体及び(S)体は、それぞれ負及び正の強度を有するCPLスペクトルを示し、(R)体及び(S)体のCDスペクトルと一致した。すなわち、化合物2a~2dの(R)体及び(S)体は、円偏光発光性を有することが示された。
【0110】
[3]メカノクロミックポリマーの作製
[実施例5-1]
(1)化合物1-OHの合成
【化25】
【0111】
シュレンク管に化合物1b(12mg、17μmol)、4-(ヒドロキシメチル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(23.9mg、0.102mmol)(シグマ-アルドリッチ社製)、Cs2CO3(46.6mg、0.143mmol)及びPd(PPh3)4(4.7mg、4.1μmol)を入れ、そこへシリンジを用いて1,4-ジオキサン(4.0mL)及び水(0.4mL)を加えた。その後、凍結-ポンプ-解凍サイクルを3回行った。反応溶液を90℃で24時間加熱した後、減圧して溶媒を除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=3/2→酢酸エチル100%)で精製することで、化合物1-OHを茶色の固体として得た(収量6.3mg、収率48%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.88 (m, 4H), 8.58 (dd, J = 9.3, 2.1 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.52 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 5.27 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 4.57 (d, J = 5.6 Hz, 2H).
19F-NMR (376 MHz, DMSO-d6): δ = -133.9 (m, 4F), -143.9 (m, 4F).
HRMS (FAB, positive): m/z Calcd. for C34H26B4F8N8O2 [M]+ 774.2423; found for 774.2423.
【0112】
(2)化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーの合成
化合物1-OH(0.66mg、0.85μmol)、ポリテトラヒドロフラン(Mn=2,000)(3.00g、1.50mmol)及び4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)(1.31g、5.25mmol)をTHF(30mL)に溶解させ、そこへジブチルスズジラウレート(シグマ-アルドリッチ社製)を3滴加え、得られた反応溶液を室温で3時間撹拌した。その後、1,4-ブタンジオール(315mg、3.50mmol)をTHF(10mL)に溶解させた溶液を加え、反応溶液を室温で48時間撹拌した。反応溶液にメタノール(2mL)を加えて30分間撹拌し、その後エタノール(500mL)に加えたところ、黄色沈殿が生じた。
得られた黄色沈殿を濾別し、THF(300mL)に溶解させた。得られた溶液を濾過し、エバポレーターを用いて溶媒を除去して体積が半分程度になるまで濃縮し、該濃縮液をヘキサン(400mL)に加えてポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾別し、室温で24時間真空乾燥させることで、化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーを橙色のゴム状固体として得た(収量4.5g)。
【0113】
(3)化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーフィルムの作製
化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマー(300mg)をTHF(10mL)に溶解させた。得られた溶液をテフロン(登録商標)基板(20mm×40mm×4mm)に塗布し、大気下で一晩溶媒を蒸発させ、得られたフィルムを更に減圧下、室温で一晩乾燥させ、化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーフィルム(膜厚0.08mm)を作製した。
【0114】
[実施例5-2]
(1)化合物2-OHの合成
【化26】
【0115】
シュレンク管に化合物1(12mg、17μmol)、化合物b(45mg、170μmol)、炭酸カリウム(33mg、238μmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)(6.2mg、6.8μmol)を入れ、そこへ2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル(13mg、27.2μmol)を、1,4-ジオキサン(8.0mL)及び水(0.8mL)と共に添加した。窒素バブリングを30分間行った後、反応溶液を90℃に加熱し、12時間撹拌し、セライトの薄いパッドでろ過し、THFで溶出した。減圧して溶媒を除去して粗生成物を得た後、THF及びヘキサンを用いて再沈殿を行い、ジクロロメタンで洗浄することで、化合物2-OHを赤色の固体として得た(収量24.3mg、収率86%)
1H-NMR (400 MHz, THF-d8): δ = 8.49 (d, J = 1.4 Hz, 2H), 8.39 (dd, J = 9.4, 2.0 Hz, 2H), 8.34 (s, 2H), 7.63 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.55 (s, 4H), 7.47 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 7.41 (s, 2H), 7.23 (d, J = 4.3 Hz, 2H), 4.66 (d, J = 4.7 Hz, 8H), 4.27 (t, J = 5.8 Hz, 4H).
19F-NMR (377 MHz, THF-d8): δ = -131.81 (s, 4F), -143.52 (s, 4F).
11B-NMR (128 MHz, THF-d8): δ = 3.44 (brs, 2B), 1.54 (brs, 2B). HRMS (ESI, m/s): Calcd. for C36H30B4F8N8O4 [M]+[Na]+ 857.2526; found: 857.2555.
【0116】
(2)化合物2-OH/ポリウレタン複合ポリマーの合成
化合物1-OHを化合物2-OH(0.71mg、0.85μmol)に変えた以外は、実施例5-1(2)と同様の方法で化合物2-OH/ポリウレタン複合ポリマーを得た(収量4.0g)。
【0117】
(3)化合物2-OH/ポリウレタン複合ポリマーフィルムの作製
化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーのかわりに化合物2-OH/ポリウレタン複合ポリマー用いた以外は、実施例5-1(3)と同様の方法で化合物2-OH/ポリウレタン複合ポリマーフィルム(膜厚0.08mm)を作製した。
【0118】
[4]化合物1-OH及び化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーの光学特性評価
[実施例6]
化合物1-OH及び化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーについて、発光特性を評価した。結果を表6に示す。
【0119】
【表6】
【0120】
化合物1-OHとウレタンゴムとを複合化することによって、極大吸収波長は7nmほど長波長側へシフトし、極大発光波長は5nmほど短波長側へシフトし、ストークスシフトが減少する結果が得られた。一方で、化合物1-OHとウレタンゴムとを複合化することで発光量子収率と発光寿命が増大し、ポリウレタンマトリックスによる分子運動の抑制に伴う発光特性の増大が示唆された
【0121】
[5]化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーのメカノクロミズム評価
[実施例7]
作製した化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーフィルムを幅5mm、長さ約15mmにカットし、引張試験機にセットした。引張試験機は初期間隔を4mmに設定し、そこから伸び率が750%になるように30mmほど延伸させた。緩和過程は、そこから伸び率が200%になるように22mmほど収縮させた。
【0122】
延伸過程及び緩和過程の発光スペクトル変化を評価した。延伸過程は伸び率0%から750%まで、緩和過程は伸び率750%から200%までを、100%毎にスペクトル測定を行った(ただし、700%から750%の間は50%毎に測定した)。ひずみ(伸び率)に対する極大発光波長のプロットを行った結果及び応力-ひずみ曲線を図2に示す。
【0123】
図2に示した結果より、延伸過程においては伸び率の増大とともに発光スペクトルの長波長側へのシフトが見られ、極大発光波長は4nmほど長波長側へシフトした。一方、緩和過程においては伸び率の減少とともに発光スペクトルの短波長側へシフトが見られ、極大発光波長は3.5nmほど短波長側へシフトした。これらの結果から、ウレタンゴムの伸び縮みに対して発光波長が可逆にシフトすることが示唆された。
また、ひずみの増大と共に極大発光波長が増大し、ひずみの減少と共に極大発光波長が減少し、この極大発光波長-ひずみプロットと応力-ひずみ曲線の概形が類似していたことから、ポリウレタンへ加わる応力を極大発光波長として観測できる可能性が示唆された。
【0124】
また、可逆性を調査するため、繰り返し試験を行った。化合物1-OH/ポリウレタン複合ポリマーフィルムの伸び率を0%、750%、200%、750%、200%・・・と繰り返し伸び縮みさせたときのそれぞれの極大発光波長を測定した。結果を図3に示す。
【0125】
図3に示した結果より、10サイクル後においても極大発光波長の増減が維持されたことから、非開裂的に繰り返し利用可能であることが示唆された。
【0126】
[6]化合物1-OH含有ポリウレタンフィルムのメカノクロミズム評価
[実施例8]
ポリテトラヒドロフラン(Mn=2,000)(3.00g、1.50mmol)及び4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)(1.31g、5.25mmol)をTHF(30mL)に溶解させ、そこへジブチルスズジラウレート(シグマ-アルドリッチ社製)を3滴加え、得られた反応溶液を室温で3時間撹拌した。その後、1,4-ブタンジオール(315mg、3.50mmol)をTHF(10mL)に溶解させた溶液を加え、反応溶液を室温で48時間撹拌した。反応溶液にメタノール(2mL)を加えて30分間撹拌し、その後エタノール(500mL)に加えたところ、白色沈殿が生じた。
得られた白色沈殿を濾別し、THF(300mL)に溶解させた。得られた溶液を濾過し、エバポレーターを用いて溶媒を除去して体積が半分程度になるまで濃縮し、該濃縮液をヘキサン(400mL)に加えてポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾別し、室温で24時間真空乾燥させることで、ポリウレタンAを橙色のゴム状固体として得た(収量3.3g)。
【0127】
化合物1-OH(0.198mg)及びポリウレタンA(1,386mg)をTHF(30mL)に溶解させた。得られた溶液をテフロン(登録商標)基板(20mm×40mm×4mm)に塗布し、大気下で一晩溶媒を蒸発させ、得られたフィルムを更に減圧下、室温で一晩乾燥させることで、化合物1-OH含有ポリウレタンフィルム(膜厚0.08mm)を作製した。
実施例6と同じ方法によって、可逆性を調査するための繰り返し試験を行った。結果を図4に示す。
【0128】
図4に示した結果より、10サイクル後においても極大発光波長の増減が維持されたことから、非開裂的に繰り返し利用可能であることが示唆された。
【0129】
[7]化合物2-OH/ポリウレタン複合ポリマーのメカノクロミズム評価
[実施例9]
化合物2-OH/ポリウレタン複合ポリマーフィルムの伸び率を0%、750%、300%、750%、300%・・・と繰り返し伸び縮みさせたときのそれぞれの極大発光波長を測定した。結果を図5に示す。
【0130】
図5に示した結果より、20サイクル以降においても極大発光波長の増減が維持されたことから、非開裂的に繰り返し利用可能であることが示唆された。
図1
図2
図3
図4
図5