(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144878
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】光源装置および光源装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/02208 20210101AFI20231003BHJP
H01S 5/024 20060101ALI20231003BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20231003BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H01S5/02208
H01S5/024
H01L23/02 F
H01L23/36 D
H01L23/36 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052066
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】宮田 忠明
【テーマコード(参考)】
5F136
5F173
【Fターム(参考)】
5F136BA30
5F136BB01
5F136BC01
5F136BC07
5F136DA34
5F136FA82
5F173MA08
5F173MC12
5F173MC30
5F173MD07
5F173MD23
5F173MD58
5F173MD59
5F173MD64
5F173ME02
5F173ME12
5F173ME14
5F173ME22
5F173ME47
5F173ME48
5F173ME55
5F173ME56
5F173ME57
5F173ME63
5F173ME65
5F173ME90
(57)【要約】
【課題】レーザダイオードが収容されるパッケージ内の空間を気密封止するための封止構造を提供する。
【解決手段】光源装置は、支持面を有する基板と、基板の上に設けられ、第1上面と、内壁面と、を有し、内壁面によって空間を規定している側壁部と、空間内に位置する1つ以上のレーザダイオードと、レーザダイオードの上面が接続される第1実装面、および、第1実装面の反対側に位置する第2上面を有する第1サブマウントと、第1上面および第2上面に接合され、空間を封止する封止部材と、第1サブマウントの上方に位置する放熱ブロックと、第1サブマウントと放熱ブロックとの間に位置する熱伝導部材とを備える。支持面から第1上面までの高さと、支持面から第2上面までの高さとが異なっている。熱伝導部材は、第1サブマウントと放熱ブロックとに熱的に接触し、放熱ブロックは、封止部材を介して側壁部の第1上面に接合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持面を有する基板と、
前記基板の上に設けられ、第1上面と、内壁面と、を有し、前記内壁面によって空間を規定している側壁部と、
前記空間内に位置する1つ以上のレーザダイオードと、
前記レーザダイオードの上面が接続される第1実装面、および、前記第1実装面の反対側に位置する第2上面を有する第1サブマウントと、
前記第1上面および前記第2上面に接合され、前記空間を封止する封止部材と、
前記第1サブマウントの上方に位置する放熱ブロックと、
前記第1サブマウントと前記放熱ブロックとの間に位置する熱伝導部材と、
を備え、
前記支持面から前記第1上面までの高さと、前記支持面から前記第2上面までの高さとが異なっており、
前記熱伝導部材は、前記第1サブマウントと前記放熱ブロックとに熱的に接触し、
前記放熱ブロックは、前記封止部材を介して前記側壁部の前記第1上面に接合される、光源装置。
【請求項2】
前記熱伝導部材は、10W/mK以上の熱伝導率を有する、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記放熱ブロックは、無機材料から形成された接合部材を介して前記封止部材に接合され、前記側壁部の前記第1上面は、前記接合部材を介して前記封止部材に接合される、請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記放熱ブロックと前記封止部材との間に位置する前記接合部材は、前記第1サブマウントと前記放熱ブロックとの間の、前記熱伝導部材が位置する空間を外部と繋ぐ開口部を有する、請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記レーザダイオードは、前記側壁部の前記内壁面に対向し、レーザ光が出射される発光領域が位置する光出射面と、前記光出射面と反対側に位置する背面とを有し、
前記開口部は、前記レーザダイオードの前記背面が位置する側の、前記放熱ブロックと前記封止部材との間に設けられている、請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記支持面の法線方向から見る上面視において、前記側壁部の前記第1上面の外形は矩形環状であり、
前記放熱ブロックは、前記外形が有する4辺のうちの少なくとも2辺によって支持される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項7】
前記接合部材の硬度は、前記熱伝導部材の硬度よりも高い、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項8】
前記封止部材は金属箔である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項9】
前記金属箔は、前記第2上面に接合された第1部分と、前記第1上面に接合された第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを連結する連結部と、前記第1部分と前記連結部との境界に位置する第1変形部と、前記第2部分と前記連結部との境界に位置する第2変形部と、を含む、請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
前記熱伝導部材と前記第1サブマウントとの間に、前記第1部分の少なくとも一部が位置している、請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
前記支持面から前記第2上面までの高さは、前記支持面から前記第1上面までの高さよりも小さい、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項12】
前記支持面の法線方向から見る上面視において、前記第1変形部は、前記第1サブマウントの外縁よりも内側に位置している、請求項9または10に記載の光源装置。
【請求項13】
前記支持面から前記第2上面までの高さは、前記支持面から前記第1上面までの高さよりも大きく、
前記放熱ブロックは、前記熱伝導部材、および前記第1サブマウントの少なくとも一部を収容する凹部を有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項14】
前記支持面の法線方向から見る上面視において、前記熱伝導部材の外縁の少なくとも一部は、前記第1サブマウントの外縁よりも外側に位置している、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項15】
前記支持面に接合される下面、および、前記下面の反対側に位置し、前記レーザダイオードが配置される第2実装面を有する第2サブマウントをさらに備え、
前記レーザダイオードは、前記第2サブマウントを介して前記支持面に接合されている、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項16】
サブマウント、および前記サブマウントに接合されたレーザダイオードを有する光源部を基板の支持面に接合する工程と、
前記光源部を囲む側壁部を前記支持面に接合する工程と、
封止部材を、前記サブマウントと、前記側壁部とに接合し、前記基板と前記側壁部とによって規定される空間内に前記光源部を封止する工程と、
前記光源部の上側に位置する前記サブマウントの上方に熱伝導部材を配置する工程と、
前記熱伝導部材を変形させて、放熱ブロックを前記封止部材を介して前記側壁部に接合し、前記放熱ブロックと前記熱伝導部材とを熱的に接触させる工程と、
を含む光源装置の製造方法。
【請求項17】
前記熱伝導部材を硬化させる工程をさらに含み、
前記熱伝導部材の硬化後の硬度は、硬化前の硬度よりも高い、請求項16に記載の光源装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源装置および光源装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザダイオードが収容されるパッケージ内の空間を封止する封止構造を備える発光装置が開発されている。特許文献1は、上部基板と、上部基板に対向する下部基板と、レーザダイオードを支持するサブマウントと、波長変換体とを備える発光装置を開示している。この発光装置において、レーザダイオードは、サブマウントを接合する下部基板と、上部基板との間に配置される。波長変換体によってレーザダイオードを封止する空間が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、レーザダイオードが収容されるパッケージ内の空間を気密封止するための新たな封止構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の光源装置は、非限定的で例示的な実施形態において、支持面を有する基板と、前記基板の上に設けられ、第1上面と、内壁面と、を有し、前記内壁面によって空間を規定している側壁部と、前記空間内に位置する1つ以上のレーザダイオードと、前記レーザダイオードの上面が接続される第1実装面、および、前記第1実装面の反対側に位置する第2上面を有する第1サブマウントと、前記第1上面および前記第2上面に接合され、前記空間を封止する封止部材と、前記第1サブマウントの上方に位置する放熱ブロックと、前記第1サブマウントと前記放熱ブロックとの間に位置する熱伝導部材と、を備え、前記支持面から前記第1上面までの高さと、前記支持面から前記第2上面までの高さとが異なっており、前記熱伝導部材は、前記第1サブマウントと前記放熱ブロックとに熱的に接触し、前記放熱ブロックは、前記封止部材を介して前記側壁部の前記第1上面に接合される。
【0006】
本開示の光源装置の製造方法は、非限定的で例示的な実施形態において、サブマウント、および前記サブマウントに接合されたレーザダイオードを有する光源部を基板の支持面に接合する工程と、前記光源部を囲む側壁部を前記支持面に接合する工程と、封止部材を、前記サブマウントと、前記側壁部とに接合し、前記基板と前記側壁部とによって規定される空間内に前記光源部を封止する工程と、前記光源部の上方に位置する前記サブマウントの上方に熱伝導部材を配置する工程と、前記熱伝導部材を変形させて、放熱ブロックを前記封止部材を介して前記側壁部に接合し、前記放熱ブロックと前記熱伝導部材とを熱的に接触させる工程と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の例示的な実施形態によれば、レーザダイオードが収容されるパッケージ内の空間を気密封止するための新たな封止構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態に係る光源装置のYZ平面に平行な断面図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1実施形態に係る光源装置のXY平面に平行な断面図である。
【
図3】
図3は、本開示の第1実施形態に係る光源装置の平面図である。
【
図4】
図4は、本開示の第1実施形態に係る、外部接続電極が基板の支持面に設けられた光源装置のXY平面に平行な断面図である。
【
図5A】
図5Aは、
図1における、側壁部の第1上面と、放熱ブロックの下面とに接合する封止部材の部分を拡大して示す拡大断面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図2における、側壁部の第1上面と、放熱ブロックの下面とに接合する封止部材の部分を拡大して示す拡大断面図である。
【
図6】
図6は、本開示の第1実施形態に係る光源装置の他の構成例のYZ平面に平行な断面図である。
【
図7】
図7は、上面視における封止部材の他の構造例の平面図である。
【
図8】
図8は、本開示の第1実施形態に係る光源装置の更なる他の構成例のXY平面に平行な断面図である。
【
図9】
図9は、本開示の第1実施形態に係る光源装置の更なる他の構成例のYZ平面に平行な断面図である。
【
図10】
図10は、本開示の第1実施形態に係る光源装置の更なる他の構成例のYZ平面に平行な断面図である。
【
図11】
図11は、側壁部の第1上面に接合された封止部材の第2部分の平面図である。
【
図12A】
図12Aは、側壁部の第1上面と、放熱ブロックの下面とに接合する封止部材の部分を拡大して示す拡大断面図である。
【
図12B】
図12Bは、側壁部の第1上面と、放熱ブロックの下面とに接合する封止部材の部分を拡大して示す拡大断面図である。
【
図13】
図13は、接合部材がレーザダイオードの背面側に開口部を有する構造を説明するための平面図である。
【
図14】
図14は、接合部材がレーザダイオードの背面側に開口部を有する構造を説明するための拡大断面図である。
【
図15】
図15は、本開示の第1実施形態に係る光源装置の変形例のYZ平面に平行な断面図である。
【
図16】
図16は、本開示の第1実施形態に係る光源装置の変形例のXY平面に平行な断面図である。
【
図17】
図17は、本開示の第1実施形態に係る光源装置の変形例の平面図である。
【
図18】
図18は、本開示の第1実施形態に係る光源装置の他の変形例のYZ平面に平行な断面図である。
【
図19A】
図19Aは、本開示の第1実施形態に係る光源装置の製造方法の例に含まれる各製造工程を説明するための工程断面図である。
【
図19B】
図19Bは、本開示の第1実施形態に係る光源装置の製造方法の例に含まれる各製造工程を説明するための工程断面図である。
【
図19C】
図19Cは、本開示の第1実施形態に係る光源装置の製造方法の例に含まれる各製造工程を説明するための工程断面図である。
【
図19D】
図19Dは、本開示の第1実施形態に係る光源装置の製造方法の例に含まれる各製造工程を説明するための工程断面図である。
【
図19E】
図19Eは、本開示の第1実施形態に係る光源装置の製造方法の例に含まれる各製造工程を説明するための工程断面図である。
【
図20】
図20は、本開示の第2実施形態に係る光源装置のXY平面に平行な断面図である。
【
図21】
図21は、本開示の第2実施形態に係る光源装置の他の構成例のXY平面に平行な断面図である。
【
図22】
図22は、基板の支持面の法線方向から見る上面視における、2個のレーザダイオード、2個の導電部材および支持部材を支持した状態の第2サブマウントの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による光源装置は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序等は、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。また、以下に説明する様々な態様は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0010】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の光源装置における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
【0011】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。
【0012】
本明細書または特許請求の範囲において、三角形、四角形などの多角形は、数学的に厳密な意味の多角形に限定されず、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含む。また、多角形の隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に多角形と呼ぶ。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、“多角形”に含まれる。
【0013】
本明細書または特許請求の範囲において、ある名称によって特定される要素が複数あり、それぞれの要素を区別して表現する場合に、要素のそれぞれの頭に“第1”、“第2”などの序数詞を付記することがある。これらの序数詞は、付加する対象を区別するためのラベルに過ぎない。これらの個数や、順序、順番などに特別の意味はない。例えば、特許請求の範囲に記載された請求項1において、“第1サブマウント”の用語が使用され、“第2サブマウント”の用語が使用されていない場合、請求項1に係る発明は、1個のサブマウントを備えていればよく、そのサブマウントは、明細書中の“第1サブマウント”に限定されず、“第2サブマウント”であり得る。
【0014】
本開示の実施形態に係る光源装置は、支持面を有する基板と、基板の上に設けられ、内壁面によって空間を規定している側壁部と、空間内に位置する1つ以上のレーザダイオードと、レーザダイオードの上面が接続される第1実装面、および、第1実装面の反対側に位置する第2上面を有する第1サブマウントと、側壁部の第1上面および第1サブマウントの第2上面に接合され、空間を封止する封止部材と、第1サブマウントの上方に位置する放熱ブロックと、第1サブマウントと放熱ブロックとの間に位置する熱伝導部材とを備える。ここで、支持面から第1上面までの高さと、支持面から第2上面までの高さとが異なっている。封止部材は、レーザダイオードを収容する空間を気密封止するパッケージのキャップとして機能する。封止部材の例は、金属箔である。封止部材に金属箔を用いることで、第1上面と第2上面との高低差を吸収することが容易になる。また、熱伝導部材は、第1サブマウントと放熱ブロックとに熱的に接触している。熱伝導部材によって、レーザダイオードから発せられる熱を放熱ブロックによって外部に効率的に逃がすことが可能となる。さらに、放熱ブロックは、封止部材を介して側壁部の第1上面に接合される。側壁部によって放熱ブロックを支持することにより、放熱ブロックを保持する機械的強度が確保され得る。
【0015】
(第1実施形態)
図1から
図18を参照して、本開示の第1実施形態に係る光源装置の構成例を説明する。図面には、参考のために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が示されている。以降、X軸、Y軸およびZ軸の方向を、それぞれ、X方向、Y方向およびZ方向と記載する。Z方向は、レーザダイオードから光が出射される方向である。また、Y方向は、基板の支持面に垂直な方向である。以下の説明において、「上面視」という用語は、基板の支持面の法線方向、つまりY方向から見る上面視を意味する。
【0016】
図1は、光源装置100のYZ平面に平行な断面図である。
図1に示す断面は、レーザダイオード30および導電部材40の断面を含む。レーザダイオード30の光出射面30EからZ方向に出射されるレーザ光Lが破線で示されている。
図2は、光源装置100のXY平面に平行な断面図である。
図2に示される断面は、レーザダイオード30の光出射面30Eを含む。
図3は、上面視における光源装置100の平面図である。
【0017】
図1および
図2に例示する光源装置100は、基板10と、第1サブマウント20と、第2サブマウント25と、レーザダイオード30と、導電部材40と、封止部材50と、放熱ブロック60と、熱伝導部材70とを備える。光源装置100は、1個のレーザダイオード30を備える。ただし、後述するように、本開示の実施形態に係る光源装置は複数のレーザダイオード30を備え得る。製品仕様または要求仕様に応じて、光源装置100は、ツェナーダイオードに代表される保護素子および/またはサーミスタのような内部温度を測定するための温度センサを備え得る。さらに、光源装置100は、レーザダイオード30から出射されるレーザ光Lの強度をモニタするための、フォトダイオードのような受光素子を備え得る。
【0018】
図3に例示するように、基板10の支持面10Aの法線方向、つまり、上面視において、光源装置100の形状は四角形である。ただし光源装置の形状は、これに限定されない。例えば、光源装置100のX方向におけるサイズは1.0mm~30.0mm程度であり、Z方向におけるサイズは1.0mm~10.0mm程度である。Y方向における光源装置100の厚さは1.0mm~10.0mm程度であり得る。
【0019】
(基板10)
光源装置100における基板10は板状の部材である。基板10は、レーザダイオード30を直接または間接的に支持する支持面10A、および、支持面10Aと反対側に位置する下面10Bを有する。基板10の支持面10Aに、側壁部15、第2サブマウント25などの他の部材との接合のために金などの金属膜が形成され得る。基板10は、セラミック、金属、樹脂などを主材料として形成することができる。例えば、セラミックを用いる場合には、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、ケイ素、炭化ケイ素を基板の主材料に用いることができる。金属を用いる場合には、銅、アルミニウム、鉄、複合物として銅モリブデン、銅-ダイヤモンド複合材料、銅タングステンなどを基板の主材料に用いることができる。ただし、金属を用いる場合は、導体配線層を基板に設けるために、支持面10Aおよび下面10Bに絶縁処理が必要となる。また、レーザダイオード30の直下を金属で形成し、それ以外の場所をセラミックで形成してもよい。
【0020】
基板10は、レーザダイオード30に電気的に接続される導体配線層および外部接続電極を有する。導体配線層および外部接続電極は、タングステン、モリブデン、ニッケル、金、銀、白金、チタン、銅、アルミニウム、またはルテニウムなどの金属材料から形成され得る。基板10の支持面10Aおよび基板10の内部のそれぞれに導体配線層が設けられ、基板10の下面10Bに外部接続電極11および外部接続電極12が設けられ得る。支持面10Aに設けられた導体配線層と、下面10Bに設けられた外部接続電極11および外部接続電極12とは、基板10に設けられた導体配線層およびビアホールを介して電気的に接続されている。
【0021】
外部接続電極11は、レーザダイオード30が有するp側電極面またはn側電極面の一方に電気的に接続される。外部接続電極12は、レーザダイオード30が有するp側電極面またはn側電極面の他方に電気的に接続される。例えば、レーザダイオード30を駆動するための外部電源または外部の駆動回路を、外部接続電極11および外部接続電極12を介してレーザダイオード30に電気的に接続することが可能である。外部接続電極11および外部接続電極12は、
図1に例示するように下面10Bに設けられる必要はなく、例えば支持面10Aに設けられていてもよい。
【0022】
図4は、外部接続電極11および外部接続電極12が支持面10Aに設けられた光源装置101のXY平面に平行な断面図である。外部接続電極11および/または外部接続電極12は、支持面10Aに設けることができる。
図4に例示するように、上面視における基板10のサイズを側壁部15のサイズよりも大きくし、外部接続電極11および外部接続電極12を支持面10Aにおける側壁部15の外側の領域に設けてもよい。
【0023】
(側壁部15)
側壁部15は、レーザダイオード30を囲うように設けられ、支持面10Aに接合されている。側壁部15は、Y方向に延びる部材である。側壁部15は、第1上面15A、下面15Bおよび内壁面15Cを有する。内壁面15Cは、レーザダイオード30を囲い、レーザダイオード30が収容される空間V1を規定する。側壁部15の下面15Bが基板10の支持面10Aに接合されている。接合は、無機材料または有機材料から形成される接合部材を介して実現され得る。接合は、例えば、焼結、ろう付け、はんだ付け、超音波、抵抗溶接、またはレーザ溶接によってなされる。接合部材の材料は、例えば、金錫、はんだ合金などの金属、金ペースト、銀ペーストなどの、金属粒子を含む金属ペースト、または金属箔を用いることができる。金属ペーストは、有機バインダとその中に分散される複数の金属粒子とを有する。金属ペースト中の有機バインダは加熱中に揮発し、硬化熱処理後に硬化した残りの複数の金属粒子が接合部材を形成する。ただし、青色または緑色の光を発するレーザダイオードを用いる場合、レーザ光による集塵の影響を考慮すると有機材料の使用は避けることが好ましい。
【0024】
側壁部15は、支持面10Aにおいて、レーザダイオード30から出射されるレーザ光Lを横切る位置に配置されており、レーザ光Lを透過する部分を含む。側壁部15のうちの少なくともレーザ光Lが透過する当該部分は、アルカリガラス、無アルカリガラス、サファイア、蛍光体を含有するガラス、セラミックなどの材料から形成され得る。「アルカリガラス」は、Na+、Ka+、Li+などのアルカリ金属元素の可動イオンを含有するケイ酸化合物ガラスである。アルカリ酸化物の濃度が0.1質量%以下であるケイ酸化合物ガラスを「無アルカリガラス」と称する。なお、ケイ酸化合物ガラスの例は、ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、および石英ガラスを含む。側壁部15のうちのレーザ光Lが透過しない部分は、例えば、シリコン、ガラス、セラミック、または前述した基板10と同じ材料から形成されていてもよい。側壁部15の表面には、金属膜または誘電体膜などが形成されていてもよい。
【0025】
本開示の実施形態において、基板10と側壁部15とは別部材である。基板10と側壁部15との部材を総称して「パッケージ」と記載する場合がある。パッケージは、基板10および側壁部15が一体的に形成された構造を備えていてもよい。
【0026】
(レーザダイオード30)
レーザダイオード30は、p側電極と、n側電極と、p側半導体層、n側半導体層、およびこれらの層の間に位置する活性層を含む半導体積層構造体と、を有する。p側電極およびn側電極に電圧を印加して内部に電流を流すことによって、レーザダイオード30の光出射面30Eからレーザ光Lが出射される。本実施形態におけるレーザダイオード30は、レーザ光Lを出射する光出射面30Eを有する端面発光型である。レーザダイオード30は、1個のエミッタを有するシングルエミッタのレーザダイオードであってもよく、2個以上のエミッタを有するマルチエミッタのレーザダイオードであってもよい。
【0027】
本実施形態において、n側電極の表面を「n側電極面30A」と称し、p側電極の表面を「p側電極面30B」と称する。レーザダイオード30は、p側電極面30Bと、p側電極面30Bの反対側に位置するn側電極面30Aとを有する。
【0028】
レーザダイオード30には、例えば、青色の光を出射するレーザダイオード、緑色の光を出射するレーザダイオード、または、赤色の光を出射するレーザダイオードなどを採用することができる。また、可視光以外の光、例えば近赤外線または紫外線を出射するレーザダイオードを採用してもよい。
【0029】
本明細書において、青色の光は、発光ピーク波長が420nm~494nmの範囲内にある光である。緑色の光は、発光ピーク波長が495nm~570nmの範囲内にある光である。赤色の光は、発光ピーク波長が605nm~750nmの範囲内にある光である。
【0030】
青色の光を発するレーザダイオード、または、緑色の光を発するレーザダイオードとして、例えば、窒化物半導体を含むレーザダイオードが挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、およびAlGaNを用いることができる。赤色の光を発するレーザダイオードとして、InAlGaP系やGaInP系、GaAs系やAlGaAs系の半導体を含むもの等が挙げられる。
【0031】
レーザダイオードから出射されるレーザ光は、速軸および遅軸方向にそれぞれ広がりを有し、レーザ光の光出射面に平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。レーザ光は、遅軸方向よりも速軸方向に大きく発散する。FFPは、光出射面から離れた位置におけるレーザ光の光強度分布によって規定される。この光強度分布において、ピーク強度値に対して1/e
2以上の強度を有する部分を「ビーム断面」と呼んでもよい。
図1に示すレーザ光Lの破線は、ビーム断面の外縁を規定する光を示している。レーザダイオード30から出射されるレーザ光Lの光軸は、Z方向に平行である。速軸方向および遅軸方向は、それぞれ、Y方向およびX方向に平行である。ここで、平行とは±5度以内の誤差を含み得る。ただし、レーザ光Lの光軸は、Z方向に平行でなくてもよい。
【0032】
レーザ光Lは、
図1に例示するように、レーザダイオード30の光出射面30Eから出射された後、速軸方向および遅軸方向、つまりY方向およびX方向に発散して広がる。このため、レーザ光Lは、レンズを含む光学系によってコリメートまたは収束されることが好ましい。そのような光学系は、光源装置100の内部または外部に設けられ得る。
【0033】
(第1サブマウント20および第2サブマウント25)
第1サブマウント20および第2サブマウント25のそれぞれは放熱部材であり、典型的には、直方体である。ただし、各サブマウントの形状はこれに限定されない。各サブマウントは、レーザダイオード30から発生した熱を逃がす役割を果たす。放熱性をより向上させる観点から、各サブマウントは、レーザダイオード30よりも熱伝導率の高い材料から形成されることが好ましい。当該材料に、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化ケイ素などのセラミック材料、銅、アルミニウム、銀、鉄、ニッケル、モリブデン、タングステン、および銅モリブデンなどの金属材料、またはダイヤモンドが用いられる。
【0034】
第1サブマウント20は、
図2に示すように、基板10の支持面10Aとレーザダイオード30を挟んで逆側に位置する第1実装面20B、および、第1実装面20Bの反対側に位置する第2上面20Aを有する。第1サブマウント20は、レーザダイオード30に電気的に接続される第1配線層21を第1実装面20Bに有する。
図1および
図2に示す例において、レーザダイオード30のn側電極面30Aは、第1配線層21に接合される。これにより、レーザダイオード30は、第1サブマウント20に熱的に接触し、かつ、電気的に接続される。ここで、「熱的に接触」という用語は、電極面が固体の導電部材を介してサブマウントに間接的に接触することだけでなく、電極面がサブマウントに直接的に接触することも意味する。
【0035】
レーザダイオード30のn側電極面30Aと第1配線層21との接合は、接合部材を介して接合され得る。接合部材は、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、金錫、はんだなどの金属、金、銀、銅、金錫、はんだなどの導電性を有する金属粒子を含む金属ペーストである。以下で説明する「接合部材」は、特に指定が無い限り、前述した材料から形成され得る。
【0036】
第2サブマウント25は、
図2に例示するように、支持面10Aに接合される下面25B、および、下面25Bの反対側に位置する第2実装面25Aを有する。第2実装面25Aは、第1サブマウント20の第1実装面20Bに対向する。第2サブマウント25は、レーザダイオード30に電気的に接続される第2配線層26を第2実装面25Aに有する。下面25Bは、接合部材を介して基板10の支持面10Aに接合され得る。
【0037】
第2サブマウント25の第2実装面25Aに、レーザダイオード30が配置されている。第2サブマウント25にビアホールが設けられ得る。
図1および
図2に示す例において、レーザダイオード30は、第2サブマウント25を介して支持面10Aに接合されている。より詳しく説明すると、レーザダイオード30のp側電極面30Bは、接合部材を介して第2配線層26に接合され得る。p側電極面30Bは、第2配線層26と、第2サブマウント25の下面25Bに設けられた導体配線層とを電気的に接続するビアホールを介して基板10の導体配線層に電気的に接続される。
【0038】
第1サブマウント20および第2サブマウント25は、レーザダイオード30を挟み込むように配置される。レーザダイオード30を一対のサブマウントで挟み込むことにより、レーザダイオード30から生じる熱を第1サブマウント20および第2サブマウント25にそれぞれ効率よく逃がすことが可能となる。この放熱効果は、レーザダイオード30の厚さを20μm以下、好ましくは数μm程度とすることで、より向上すると考えられ得る。特にレーザダイオード30の熱伝導率よりも第1サブマウント20および第2サブマウント25の熱伝導率が高い場合に、レーザダイオード30の厚さを薄くすることで放熱効果が向上すると考えられ得る。
【0039】
図1および
図2に示す光源装置100の例において、第1サブマウント20のサイズは、第2サブマウント25のサイズに等しい。ただし、第1サブマウント20のサイズは、第2サブマウント25のサイズと異なっていてもよい。例えば、上面視において、第1サブマウント20は、第2サブマウント25を包含していてもよいし、これとは逆に、第2サブマウント25は第1サブマウント20を包含していてもよい。Y方向において第1サブマウント20は第2サブマウント25よりも厚くてもよいし、薄くてもよい。また上面視において、第1サブマウント20の中心と、第2サブマウント25の中心との位置は、X方向および/またはZ方向にずれていてもよい。
【0040】
前述したように、レーザダイオード30のn側電極面30Aは、第1サブマウント20が有する第1配線層21に接合される。p側電極面30Bは、第2サブマウント25が有する第2配線層26に接合される。ただし、n側電極面30Aおよびp側電極面30Bの上下を反転させて、n側電極面30Aを第2配線層26に接合し、p側電極面30Bを第1配線層21に接合することも可能である。
【0041】
レーザダイオード30のp側電極面30Bまたはn側電極面30Aの一方が、基板10の支持面10Aに接合され、p側電極面30Bまたはn側電極面30Aの他方が、第1サブマウント20の第1実装面20Bに接合され得る。ここで、p側電極面30Bまたはn側電極面30Aの一方が支持面10Aに接合されることは、その一方が支持面10Aに直接的または間接的に接合されることを意味する。
図1および
図2に示す光源装置100の例において、p側電極面30Bが第2サブマウント25を介して基板10の支持面10Aに間接的に接合され、n側電極面30Aが第1サブマウント20の第1実装面20Bに接合されている。なお、第2サブマウント25がない場合には、p側電極面30Bは基板10の支持面10Aに直接的に接合され得る。このような接合により、外部接続電極11はp側電極面30Bに電気的に接続され、外部接続電極12は、後述する導電部材40を介してn側電極面30Aに電気的に接続されている。p側電極面30Bまたはn側電極面30Aの一方が支持面10Aに直接的に接合される場合、基板10のうち、レーザダイオード30が接合される部分は、基板10の他の部分よりも厚いことが好ましい。基板10による、レーザダイオード30から出射された光のケラレを防止できるからである。
【0042】
p側電極およびn側電極は、レーザダイオード30の、第1サブマウント20に対向する上面または第2サブマウント25に対向する下面のいずれかの同じ面に位置し得る。言い換えると、n側電極面30Aおよびp側電極面30Bは、レーザダイオード30の同じ面に位置し得る。n側電極面30Aおよびp側電極面30Bが位置するレーザダイオード30の面(「電極面」と呼ぶ。)が、第1サブマウント20の第1配線層21に電気的に接続する場合には、レーザダイオード30の電極面と反対側に位置する面は、第2サブマウント25に熱的に接触する。これとは逆に、レーザダイオード30の電極面が、第2サブマウント25の第2配線層26に電気的に接続する場合には、レーザダイオード30の電極面と反対側に位置する面は、第1サブマウント20に熱的に接触する。
【0043】
レーザダイオード30は、第2サブマウント25に接合された状態で基板10の支持面10Aに間接的に実装されている。レーザダイオード30は基板10と第1サブマウント20との間に位置している。ただし、レーザダイオード30は、第2サブマウント25を介さずに支持面10Aに直接、接合され得る。そのため、本実施形態において第2サブマウント25は必ずしも必須の部材ではない。ただし、第2サブマウント25を利用することによって、高さ方向、つまりY方向におけるレーザダイオード30の発光領域の位置調整を、第2サブマウント25の厚さを調整することで比較的容易に行うことができるという利点が得られる。
【0044】
(導電部材40)
導電部材40は、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、金錫、はんだなどの金属から形成される部材である。導電部材40は、レーザダイオード30と同じ厚さになるように形成され得る。導電部材40は、第1サブマウント20の第1実装面20Bに対向する上面と、当該上面の反対側に位置し、かつ、第2実装面25Aに接合する下面とを有する。導電部材40は、例えば、直方体の部材であるが、第2実装面25Aに接合する下面を有する限りこの形状に限定されない。
【0045】
導電部材40は、第1サブマウント20および第2サブマウント25に接合され、第1配線層21と第2配線層26とを電気的に接続する。導電部材40の下面は、具体的には、第2実装面25Aに設けられた第2配線層26に接合される。導電部材40の上面は、第1実装面20Bに設けられた第1配線層21に接合される。導電部材40は、接合部材を介して、第1配線層21および第2配線層26に接合され得る。これにより、レーザダイオード30のn側電極面30Aは、第1配線層21と第2配線層26とに電気的に接続される。その結果、n側電極面30Aは、基板10の下面10Bに設けられた外部接続電極12に電気的に接続することが可能になる。このような配線例によれば、n側電極面30Aから第2配線層26に金などのワイヤを引き出す従来のワイヤボンディングが不要となるために、レーザダイオード30と第1サブマウント20とを熱的に接合させやすくなる。ただし、導電部材40を用いずに、n側電極面30Aと第2配線層26とをワイヤボンディングによって電気的に接続してもよい。
【0046】
Y方向における導電部材40の高さを、レーザダイオード30の高さに揃えることによって、第1実装面20Bと第2実装面25Aとを平行に保ちつつ、レーザダイオード30および導電部材40のそれぞれを第1サブマウント20と第2サブマウント25とに、接合する作業が容易になり得る。ここで、平行は±5度以内の誤差を含む。
【0047】
(封止部材50)
本開示の実施形態における封止部材50は、レーザダイオード30を収容する空間V1を気密封止するパッケージのキャップとして機能する。封止部材50の例は、金属箔である。金属箔の厚さは、概ね10μm~300μmである。金属箔の厚さは、一様である必要はない。例えば、封止部材50のうち、後述する変形部51の厚さは、封止部材50の他の部分の厚さよりも薄くてもよい。金属箔の母材として、例えば、アルミニウム、銅、金、コバール、チタン、ステンレス、タングステン、ベリリウム銅、チタン、ニッケル、銀、白金、ニクロム、ステンレス、タンタル、モリブデン、ニオブからなる群から選択される少なくとも1つまたはその合金が用いられる。
【0048】
母材は、例えば、金、白金、チタン、ニッケル、クロム、パラジウム、ルテニウムからなる群から選択される少なくとも1つの材料から形成される金属膜で覆われていることが好ましい。金属膜は、例えばスパッタ、めっきなどの成膜処理によって母材の表面に形成され得る。
【0049】
(放熱ブロック60)
図1および
図2に例示する放熱ブロック60は、第1サブマウント20または第2サブマウント25と同様に、直方体であるが、これに限定されない。放熱ブロック60は、前述したサブマウントの材料と同じ材料から形成され得る。放熱ブロック60は第1サブマウント20の上方に位置している。放熱ブロック60は、第1サブマウント20の第2上面20Aに対向する下面60Bを有する。
図3に例示するように、XZ平面内における放熱ブロック60のサイズは、XZ平面内における側壁部15または基板のサイズと同程度である。ただし、放熱ブロック60は、側壁部15の第1上面15Aの少なくとも一部によって支持されていればよく、上面視で任意の形状またはサイズを有し得る。
図4に例示するように、XZ平面内における放熱ブロック60のサイズは、XZ平面内における基板10のサイズよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。あるいは、XZ平面内における放熱ブロック60のサイズは、XZ平面内における側壁部15のサイズよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
【0050】
図5Aは、
図1に示す断面における、側壁部15の第1上面15Aと、放熱ブロック60の下面60Bとに接合する封止部材50の部分を拡大して示す拡大断面図である。
図5Bは、
図2に示す断面における、側壁部15の第1上面15Aと、放熱ブロック60の下面60Bとに接合する封止部材50の部分を拡大して示す拡大断面図である。
【0051】
放熱ブロック60は、封止部材50を介して側壁部15の第1上面15Aに接合される。封止部材50は、側壁部15の第1上面15Aと、第1サブマウント20の第2上面20Aとに接合され、さらに、放熱ブロック60の下面60Bに接合される。放熱ブロック60の下面60Bは、接合部材90aを介して封止部材50に接合され、側壁部15の第1上面15Aは、接合部材90bを介して封止部材50に接合される。第1サブマウント20の第2上面20Aは、接合部材90cを介して封止部材50に接合される。接合部材90a、90bおよび90cのそれぞれは、例えば、無機材料から形成され、好ましくは金属材料から形成され、より好ましくは金錫から形成され得る。特に、接合部材90a、90bの材料に金錫を用いることにより、接合部材の強度および耐久性を向上させることができる。接合部材90a、90bおよび90cは、同じ材料から形成されてもよいし、異なる材料から形成されてもよい。また、接合部材90aの材料はアウトガス(有機分子)を放出し得る物質を含んでいてもよい。封止部材50で空間V1は封止されているので、アウトガスの空間V1への入り込みを抑制できるからである。第1実施形態における接合部材90a、90bおよび90cは、同じ材料から形成されている。各接合部材は、例えば、焼結、ろう付け、はんだ付け、超音波、抵抗溶接、またはレーザ溶接によって形成される。
【0052】
封止部材50による気密封止の構造は、
図1および
図2に示す例に限られない。図示する例における封止部材50は、側壁部15の第1上面15Aの全体に接合されているが、例えば、第1上面15Aの一部に接合され得る。気密封止を実現できる限りにおいて様々な気密封止の構造が採用され得る。本明細書において気密封止とは、空間V1において外気との対流が遮断されている程度に封止されていることを意味する。空間V1を気密封止することで、空間V1に配置された部材が実質的に劣化しなくなる。
【0053】
(熱伝導部材70)
図5Aまたは
図5Bに示すように、熱伝導部材70は、第1サブマウント20と放熱ブロック60との間に形成された空間V2内に位置する。言い換えると、熱伝導部材70は、放熱ブロック60の下面60Bと、接合部材90aと、封止部材50とによって形成された空間V2内に配置される。第1サブマウント20と放熱ブロック60との間には、第1上面15Aと第2上面20Aとの高低差に起因して隙間が生じる。隙間の間隔は、例えば十~数百μm程度である。なお、この高低差については後述する。
【0054】
熱伝導部材70は、第1サブマウント20と放熱ブロック60との間の隙間を埋め、かつ、レーザダイオード30から発生した熱を放熱ブロック60に伝える部材として機能する。このため、熱伝導部材70は、放熱性に優れ、変形し易い部材であることが好ましい。言い換えると、熱伝導部材70は、比較的に高い熱伝導率を有し、かつ、比較的に低い硬度を有していることが好ましい。硬度は、例えばデュロメータ硬さ試験またはロックウェル硬さ試験によって測定され得る材料の機械的性質である。さらには、光源装置の駆動時に発生する熱の影響を受けて各部材が膨張する可能性がある。この点を考慮すると、熱伝導部材70は、空間V1内に位置する部材と側壁部15との間の熱膨張率の差異による、前述した隙間の間隔の変化を吸収できるように、熱伝導部材70の線膨張係数が第1サブマウント20および/または放熱ブロック60の線膨張係数と同等もしくは大きい部材であることが好ましい。温度上昇時の熱伝導部材70の膨張を第1サブマウント20および/または放熱ブロック60の膨張よりも大きくすることで、これらが熱的に離隔することを抑制できる。熱伝導部材70は、例えば、放熱樹脂または放熱グリスなどの材料から形成され得る。この場合、熱伝導部材70を形成する物質の状態は、液体であっても固体であってもよいし、それらの状態が混ざっていてもよい。あるいは、熱伝導部材70として、例えば、クッション性を有する金属シート、金属繊維シート、積層グラファイトシート、カーボンシート、シリコーンシートなどの熱伝導シートを用いることができる。熱伝導シートは、例えば加圧して封止部材50と放熱ブロック60とに接合できる。
【0055】
または、熱伝導部材70は、金または金錫などの金属粒子を含む金属ペーストから形成され得る。あるいは、熱伝導部材70は、鉛はんだのようなある程度粘性を有する合金材料から形成され得る。熱伝導部材70が、製造時の硬化熱処理で揮発しきれずに残ってしまった有機物を含んでいてもよい。その場合であっても、封止部材50が存在することにより、アウトガスが空間V1内に入り込み、レーザダイオード30の光出射面の近傍に到達することを抑制できる。このため、光源装置100の信頼性が担保される。
【0056】
または、熱伝導部材70は、液体金属から形成され得る。液体金属を用いる場合、液体金属と上記の熱伝導シートとを組み合わせてもよい。液体金属を使用することで、後述する、側壁部15の第1上面15Aと第1サブマウント20の第2上面20Aとの高低差の初期ばらつきおよび経時変化を吸収することができる。また、液体金属と熱伝導シートとを組み合わせることで、初期ばらつきを吸収しやすくなる。
【0057】
熱伝導部材70の硬度は、第1サブマウント20または放熱ブロック60の硬度よりも低い。本開示の実施形態では、さらに、熱伝導部材70の硬度は、接合部材90aまたは90bの硬度よりも低い。この硬度の大小関係により、封止部材50で空間V1を封止するときに、第1サブマウント20または放熱ブロック60よりも柔らかい熱伝導部材70が変形することによって、隙間が熱伝導部材70で埋まる。その結果、放熱ブロック60を熱伝導部材70に熱的に接触させ易くなり得る。
【0058】
熱伝導部材70は、第1サブマウント20と放熱ブロック60とに熱的に接触している。この熱的な接触は、熱伝導部材70が封止部材50を介して第1サブマウント20に間接的に接触することだけでなく、封止部材50を介さずに第1サブマウント20に直接的に接触することも意味する。
図1または
図2に示す光源装置100における熱伝導部材70は、封止部材50を介して第1サブマウント20に熱的に接触している。熱伝導部材70は、例えば1W/mK以上の熱伝導率を有することが好ましく、例えば10W/mK以上の熱伝導率を有することがより好ましい。第1サブマウント20と放熱ブロック60との間の隙間を埋める熱伝導部材70によって、レーザダイオード30から発せられる熱は、第1サブマウント20、熱伝導部材70および放熱ブロック60にこの順番で伝わる。これにより、熱を外部に効率的に逃がすことが可能となり、高い放熱性が確保され得る。
【0059】
本開示の実施形態において、支持面10Aから第1サブマウント20の第2上面20Aまでの高さは、支持面10Aから側壁部15の第1上面15Aまでの高さと異なる。
図1および
図2に示す光源装置100において、支持面10Aから第2上面20Aまでの高さは、支持面10Aから第1上面15Aまでの高さよりも小さい。第1上面15Aと第2上面20Aとの間の高低差は、第1サブマウント20、第2サブマウント25および側壁部15などの各部材の厚さの製造ばらつきに依存し得る。本開示の実施形態における高低差は、例えば10μm~300μm程度である。封止部材50は、この高低差に起因して生じる変形部51を有する。変形部51は、屈曲していてもよいし、湾曲していてもよい。
【0060】
封止部材50は、第1サブマウント20の第2上面20Aに接合された第1部分50Aと、側壁部15の第1上面15Aに接合された第2部分50Bと、第1部分50Aと第2部分50Bとを連結する連結部50Cと、を含む。変形部51は、第1部分50Aと連結部50Cとの境界に位置する第1変形部51Aと、第2部分50Bと連結部50Cとの境界に位置する第2変形部51Bとを含む。
図1および
図2に例示するように、熱伝導部材70と第1サブマウント20との間に、第1部分50Aの少なくとも一部が位置し得る。
【0061】
図6は、光源装置102のYZ平面に平行な断面図である。
図7は、上面視における封止部材50-1の平面図である。
図6に例示するように、熱伝導部材70と第1サブマウント20との間に第1部分50Aが形成されていなくてもよい。この場合、第1部分50Aは、第1サブマウント20の第2上面20Aの周縁領域にのみ形成され得る。
【0062】
放熱ブロック60に熱的に接触する熱伝導部材70は、封止部材50のうちの第1部分50Aを介して、あるいは、介さずに第1サブマウント20に熱的に接触する。その結果、レーザダイオード30から第1サブマウント20を伝わる熱を熱伝導部材70および放熱ブロック60によって外部に効率よく逃がすことができる。
【0063】
図7に例示する封止部材50-1は封止部材50とは異なり、開口55が形成された第1部分50Aを有する。開口55は、略矩形形状の中央部55A、および中央部55Aの矩形の対角線に沿って延びる4個の突出部55Bを含む。なお、
図7に示す開口55の形状は一例であり、設計仕様などに応じて異なり得る。封止部材50-1の中央に位置する第1部分50Aに、突出部55Bを含む開口55を設けることにより、封止部材を折り曲げたときに生じるよれやしわを効果的に抑制することが可能となる。光源装置102における熱伝導部材70は、第1サブマウント20の第2上面20A(
図6を参照)のうちの開口55の中央部55Aの形状に整合した部分に接触している。なお、開口55は、第2部分50Bに設けてもよい。
【0064】
図8は、複合部材から形成された基板10を備える光源装置103AのXY平面に平行な断面図である。図示される光源装置103Aにおいて、基板10は複合部材から形成される。基板10は、例えば銅のような金属から形成される中央部分10S、および、例えばセラミックから形成される周辺部分10T(中央部分10S以外の部分)を含む。基板の中央部分10Sは、第2サブマウント25の直下に位置している。これにより、光源装置の放熱性を向上させることができる。また、
図8に示す例における第2サブマウント25は、ビアホールを有しない。この場合、ビアホールを介さずに、第2配線層26と基板10の導体配線層とを例えばワイヤ77によって電気的に接続してもよい。ワイヤ77は、金、銅、アルミまたはそれらを含む合金などの材料から形成され得る。
【0065】
図9は、放熱部材61をさらに備える光源装置103BのYZ平面に平行な断面図である。図示されるように、光源装置103Bは放熱部材61をさらに備え得る。放熱部材61は基板10の下面10Bに配置され得る。放熱部材61は、放熱ブロック60と同じ材料から形成されてもよく、異なる材料から形成されてもよい。放熱部材61として、例えば、放熱ブロック60に比べて薄い板状の部材を採用してもよいし、スパッタなどで金属膜の層を形成してもよい。放熱部材61を備えることにより、第2サブマウント25を伝わる熱を外部に効率よく逃がすことができる。結果として、更なる放熱効果が得られる。
【0066】
図3を参照する。
図3において、第1サブマウント20と放熱ブロック60との相対的な位置関係が分かるように、パッケージの内部に位置する第1サブマウント20の第2上面20Aの外形が点線で示されている。封止部材50が有する第1変形部51Aおよび第2変形部51Bのそれぞれは、破線で示されている。
【0067】
図3に例示するように、上面視において、放熱ブロック60は第1サブマウント20を包含する。言い換えると、XZ平面内における放熱ブロック60のサイズは、XZ平面内における第1サブマウント20のサイズよりも大きい。
図3に示す例における第2部分50Bは、封止部材50において最も外側に位置する領域である。第2部分50Bは、放熱ブロック60に重なっている。第2部分50Bの領域のうち、放熱ブロック60に重ならない領域があってもよい。第2部分50Bの一部または全部に重なるほどの大きなサイズを有する放熱ブロック60を、熱伝導部材70を介して第1サブマウント20に熱的に接触させることにより、光源装置100の放熱性を向上させることが可能となる。
【0068】
第1サブマウント20は、外縁に沿った第1側面20Sを有する。上面視において、第1変形部51Aは、第1側面20Sの内側に位置している。すなわち、第1変形部51Aは、第1サブマウント20の外縁よりも内側に位置している。第1変形部51Aは、第1サブマウント20の第2上面20Aと第1側面20Sとが接する辺(つまり、部材の角)に接触しない。第1変形部51Aが部材の角に接触しないように第1変形部51Aの位置を調整することにより、第1変形部51Aが部材の角に接触することによって生じ得る封止部材50の破損を抑制できる。
【0069】
箔のような薄い金属は展延性(特に延性)を発揮することができる。延性のある金属箔をパッケージのキャップに用いることにより、側壁部15の第1上面15Aと、第1サブマウント20の第2上面20Aとの間の高低差を吸収しつつ、熱応力による封止部材50の破損を抑制することができる。また、封止部材50が、第1上面15A、第2上面20Aおよび放熱ブロック60の下面60Bの少なくとも1つの面から剥離することを抑制することが可能となる。
【0070】
青色または緑色の光を発するレーザダイオードを用いる場合、パッケージの空間V1を気密封止することが好ましい。気密封止により、レーザ光による集塵の影響を抑制できるためである。気密封止を必要とするパッケージにおいて、レーザダイオードの両面を一対のサブマウント部材に接合するようなチップの両面接合が求められる場合がある。その場合、気密封止とチップの両面接合との両立が困難である。具体的に説明すると、支持面10Aを基準とした第1上面15Aの高さが第2上面20Aの高さに整合するように、レーザダイオード30の両面を接合しながら、パッケージの空間V1を気密封止することが求められる。しかしながら、チップの両面接合を行うときに、例えば、接合部材に荷重が加わる。この荷重によって、接合部材が均一に変形するとは限らない。結果として、部材そのものが最初から有する形状のばらつきに加え、第1上面15Aと第2上面20Aとの間に、前述した各部材の寸法の製造ばらつきによる高低差、および接合部材の高さのばらつきによる高低差が生じ得る。このため、生じ得る高低差が製造ごとに変化し得る。このことが気密封止とチップの両面接合との両立を困難にする。
【0071】
第1実施形態によれば、変形部51を有する封止部材50を、パッケージを封止するキャップとして用いることにより、第1上面15Aと第2上面20Aとの間の高低差を吸収することができる。このため、各部材の緻密な高さ調整が不要となり、レーザダイオード30の両面接合が容易になる。このように、気密封止とチップの両面接合とを両立させることが可能な封止構造が提供される。また、熱伝導部材70によって、レーザダイオード30から発せられる熱を放熱ブロック60によって外部に効率的に逃がすことが可能となる。さらに、側壁部15によって放熱ブロック60を支持することにより、放熱ブロック60を保持する機械的強度が確保され得る。
【0072】
図10は、光源装置104のYZ平面に平行な断面図である。上面視において、熱伝導部材70の外縁の少なくとも一部は、第1サブマウント20の外縁よりも外側に位置し得る。
図10に示す光源装置104において、熱伝導部材70は、第1サブマウント20と放熱ブロック60との間の隙間(または
図5Aに示す空間V2)の全体を埋めている。光源装置104によれば、熱伝導部材70の容量を増やすことができるために、放熱性がさらに向上し得る。
【0073】
第1実施形態に係る光源装置は、熱伝導部材70からアウトガスが発生した場合に空間V2からアウトガスを光源装置の外部に逃がすための開口部を備え得る。
【0074】
図11は、側壁部15の第1上面15Aに接合された封止部材50の第2部分50Bの平面図である。
図12Aおよび
図12Bのそれぞれは、側壁部15の第1上面15Aと、放熱ブロック60の下面60Bとに接合する封止部材50の部分を拡大して示す拡大断面図である。
図12Aに示す拡大断面図は、
図5Aに示す拡大断面図に対応し、
図12Bに示す拡大断面図は、
図5Bに示す拡大断面図に対応する。
【0075】
図11に示すように、放熱ブロック60は、側壁部15の第1上面15Aの外形が有する4辺のうちの少なくとも2辺によって支持され得る。上面視において、第1上面15Aの外形および封止部材50の第2部分50Bの外形は、それぞれ、矩形環状である。封止部材50の第2部分50Bに含まれる、第1上面15AのうちのX方向に延びる一対の領域15A-1に位置する部分には、接合部材90aが設けられ、Z方向に延びる一対の領域15A-2(領域15A-1以外の領域)に位置する他の部分には、接合部材90aが設けられていない。
【0076】
図12Aおよび
図12Bに示す例における放熱ブロック60は、側壁部15の第1上面15Aの外形が有する4辺のうちのX方向に延びる2辺によって支持されている。より具体的に説明すると、放熱ブロック60は、第1上面15Aの外形が有する4辺のうちのX方向に延びる2辺に設けられた、X方向に延びる接合部材90aによって支持されている。このような位置に接合部材90aを設けても、空間V1は、接合部材90bおよび封止部材50によって気密封止される。
【0077】
放熱ブロック60と封止部材50との間に位置する接合部材90aは、第1サブマウント20と放熱ブロック60との間の、熱伝導部材70が位置する空間V2を外部と繋ぐ開口部を有し得る。
図12Aおよび
図12Bに示す構成例によれば、封止部材50と放熱ブロック60との間にZ方向に沿って開口部91が形成される。開口部91は、熱伝導部材70から発生し得るアウトガスを光源装置の外部に逃がす役割を果たし得る。これにより、有機物を含む熱伝導部材70からアウトガスが生じた場合であっても、開口部91から外部にアウトガスを排気することが可能となり、レーザ光の集塵への影響を低減できる。
【0078】
図13および
図14は、それぞれ、接合部材がレーザダイオード30の背面30R側に開口部91を有する構造を説明するための平面図および拡大断面図である。
図13に示す平面図および
図14に示す断面図は、それぞれ、
図11に示す平面図および
図12Aに示す拡大断面図に対応する。
【0079】
図14に例示するように、レーザダイオード30は、側壁部15の内壁面15Cに対向し、レーザ光が出射される発光領域が位置する光出射面30Eと、光出射面30Eと反対側に位置する背面30Rとを有する。
図13および
図14に示す構成例における開口部91は、レーザダイオード30の背面30Rが位置する側の、放熱ブロック60と封止部材50との間に設けられている。言い換えると、レーザダイオード30の背面30R側の、放熱ブロック60と側壁部15との間には接合部材90bだけが設けられている。他方、光出射面30E側の、放熱ブロック60と側壁部15との間には接合部材90aおよび接合部材90bが設けられている。
【0080】
開口部91をレーザダイオード30の背面30R側に設け、光出射面30Eから極力離すことによって、アウトガスがレーザダイオード30の出射領域の近傍に到達することを抑制できる。また、放熱ブロック60は、側壁部15の第1上面15Aの外形が有する4辺のうちのZ方向に延びる2辺、およびX方向に延びる1辺の3辺によって支持されるために、放熱ブロック60と封止部材50との接合面積が増え、放熱ブロック60を保持する機械的強度が確保され得る。なお、開口部91の形状および位置は前述した例に限定されない。開口部91は、空間V2から外部にアウトガスを排気する機能を発揮できる形状を有していればよい。例えば、開口部91として、1また複数の排気孔が接合部材90aの一部に局所的に設けられ得る。
【0081】
図15は、第1実施形態の変形例である光源装置105のYZ平面に平行な断面図である。
図15に示す断面は、レーザダイオード30および導電部材40の断面を含む。レーザダイオード30の光出射面30EからZ方向に出射されるレーザ光Lが破線で示されている。
図16は、光源装置105のXY平面に平行な断面図である。
図16に示す断面は、レーザダイオード30の光出射面30Eを含む。
図17は、上面視における光源装置105の平面図である。
図17において、第1サブマウント20と放熱ブロック60との相対的な位置関係が分かるように、パッケージの内部に位置する第1サブマウント20の第2上面20Aの外形が点線で示され、封止部材50が有する第1変形部51Aおよび第2変形部51Bのそれぞれが、破線で示されている。以下、光源装置100と光源装置105との差異点を主に説明する。
【0082】
図15および
図16に例示する光源装置105においては、支持面10Aから第1上面15Aまでの高さが、支持面10Aから第2上面20Aまでの高さよりも小さい。光源装置105における放熱ブロック60は、XY平面に平行な断面、およびYZ平面に平行な断面においてU字形状を有する。放熱ブロック60は、熱伝導部材70、および第1サブマウント20の少なくとも一部を収容する凹部62を有する。
【0083】
図17に例示するように、上面視において、放熱ブロック60は第1サブマウント20を包含する。言い換えると、XZ平面内における放熱ブロック60のサイズは、XZ平面内における第1サブマウント20のサイズよりも大きい。上面視において、第1変形部51Aは、第1サブマウント20の第1側面20Sの外側に位置している。このように、第1変形部51Aは、第1サブマウント20の第2上面20Aと第1側面20Sとが接する辺(つまり、部材の角)に接触しない。光源装置105においても、第1変形部51Aが部材の角に接触しないように第1変形部51Aの位置を調整することにより、第1変形部51Aが部材の角に接触することによって生じ得る封止部材50の破損を抑制できる。
【0084】
光源装置105においても、変形部51を有する封止部材50を、パッケージを封止するキャップとして用いることにより、第2上面20Aと第1上面15Aとの間の高低差を吸収することができる。このため、光源装置100と同様に、各部材の緻密な高さ調整が不要となり、レーザダイオード30の両面接合が容易になる。また、熱伝導部材70によって放熱性が向上し、さらに、側壁部15によって放熱ブロック60を支持することにより、放熱ブロック60を保持する機械的強度が確保され得る。
【0085】
図18は、第1実施形態の他の変形例である光源装置106のYZ平面に平行な断面図である。
図18に例示するように、熱伝導部材70と第1サブマウント20との間に封止部材50の第1部分50Aが形成されていなくてもよい。この場合、前述した光源装置102と同様に、第1部分50Aは、第1サブマウント20の第2上面20Aの周縁領域にのみ形成され得る。
【0086】
第1実施形態に係る光源装置100の製造方法の例を説明する。本製造方法の例では、封止部材50として金属箔が用いられる。
図19A~
図19Eは、光源装置100の製造方法の例に含まれる各製造工程を説明するための工程断面図である。
【0087】
先ず、
図19Aに示すように、第1サブマウント20、および第1サブマウント20に接合されたレーザダイオード30を有する光源部Uを基板10の支持面10Aに接合する。例えば、第2サブマウント25にレーザダイオード30および導電部材40を実装し、続いて、第1サブマウント20をレーザダイオード30および導電部材40に接合することによって、光源部Uを作製する。基板10の支持面10Aに光源部Uを接合する。
【0088】
次に、
図19Bに示すように、光源部Uを囲むように側壁部15を支持面10Aに接合する。例えば、焼結、ろう付け、はんだ付け、超音波、抵抗溶接、またはレーザ溶接によって、側壁部15の下面15Bを支持面10Aに接合部材を介して接合する。接合部材の材料の例は前述したとおりである。光源部Uと基板10の支持面10Aとを接合する前に、側壁部15の下面15Bを支持面10Aに接合してもよい。
【0089】
次に、
図19Cに示すように、封止部材50を、第1サブマウント20と、側壁部15とに接合し、基板10と側壁部15とによって規定される空間V1内に光源部Uを封止する。より具体的に説明すると、封止部材50の第2部分50Bを側壁部15の第1上面15Aに接合部材90b(
図5Aを参照)を介して接合し、封止部材50の第1部分50Aを第1サブマウント20の第2上面20Aに接合部材90c(
図5Aを参照)を介して接合して、光源部Uを実装したパッケージを気密封止する。この気密封止において、第1上面15Aと第2上面20Aとの間に高低差があっても、金属箔が変形することで高低差を吸収することができる。
【0090】
次に、
図19Dに示すように、光源部Uの上側に位置する第1サブマウント20の上方に熱伝導部材70を配置する。熱伝導部材70は、封止部材50の第1部分50Aに配置される。後述するように、封止部材50の接合および熱伝導部材70の配置の順番は逆でもよい。例えば、封止部材50の接合の前に、熱伝導部材70を封止部材50に配置し、硬化熱処理によって熱伝導部材70を封止部材50に接合してもよい。言い換えると、熱伝導部材70が接合された封止部材50を、第1サブマウント20と、側壁部15とに接合してもよい。
【0091】
封止部材50と側壁部15との接合、封止部材50と第1サブマウント20との接合、および、熱伝導部材70と封止部材50との接合のそれぞれに、様々な接合方法を採用し得る。第1の例において、前述した接合部材90bおよび90c(
図5Aを参照)を、それぞれ、側壁部15の第1上面15Aと、第1サブマウント20の第2上面20Aとに塗布し、例えば、焼結、ろう付け、はんだ付け、超音波、抵抗溶接、またはレーザ溶接による硬化熱処理で封止部材50を第1上面15Aと第2上面20Aとに接合する。熱処理温度(硬化温度)の範囲は、例えば200℃以上300℃未満である。
【0092】
封止部材50を第1上面15Aと第2上面20Aとに接合した後に、熱伝導部材70を硬化させる。例えば、前述した熱伝導部材70を封止部材50の第1部分50Aに付与し、加熱またはレーザ光で照射して硬化させることによって熱伝導部材70を封止部材50に接合することができる。熱伝導部材70として、例えば放熱グリスまたはカーボンシートを用いる場合には、熱伝導部材70と封止部材50との接合は不要であり、熱伝導部材70を封止部材50に接触させればよい。ここで、熱伝導部材70の硬化後の硬度は、硬化前の硬度よりも高い。例えば、硬化前の状態が液体であった熱伝導部材70が、硬化後に固体の状態に変化する。
【0093】
第2の例において、接合部材90bおよび90cを、それぞれ、側壁部15の第1上面15Aと、第1サブマウント20の第2上面20Aとに塗布し、かつ、熱伝導部材70を封止部材50の第1部分50Aに付与する。接合部材90bおよび90cを昇温によって融解させながら、熱圧着(または拡散接合)することによって熱伝導部材70を封止部材50に接合する。熱圧着の後、降温によって接合部材90bおよび90cを硬化させることによって封止部材50を第1上面15Aと第2上面20Aとに接合する。
【0094】
第3の例において、接合部材90bおよび90cを、それぞれ、側壁部15の第1上面15Aと、第1サブマウント20の第2上面20Aとに塗布し、かつ、熱伝導部材70を封止部材50の第1部分50Aに付与する。例えば、パッケージの外側からレーザ光で接合部材90bを照射して加熱し、融解させる一方で、ヒータのような熱源を用いて基板10の下面10Bの側からパッケージを加熱し、接合部材90cおよび熱伝導部材70に熱を伝えて硬化させてもよい。このように、封止部材50と側壁部15との接合、および、熱伝導部材70と封止部材50との接合を、両者の接合温度の間に温度差を生じさせながら行ってもよい。また、第1上面15Aの全体に荷重をかけることを避け、荷重をかける範囲を限定してもよい。また、第1上面15Aにおける特定のスポットをレーザ光で照射して、レーザ溶接によって封止部材50を側壁部15に接合してもよい。これにより、封止部材50を塑性変形させることが容易になり、その結果、封止部材50の密着性を向上させることが可能となる。
【0095】
他の例として、例えば超音波接合によって金バンプで封止部材50を側壁部15に固定し、一方で、ヒータのような熱源を用いて基板10の下面10Bの側からパッケージを加熱し、熱伝導部材70に熱を伝えて硬化させてもよい。あるいは、第1熱源を用いて、パッケージの上側から側壁部15の外周部分を加熱して、接合部材90bおよび90cを融解させる一方で、第1熱源の温度よりも低温の第2熱源を用いて基板10の下面10Bの側からパッケージを加熱し、熱伝導部材70に熱を伝えて硬化させてもよい。
【0096】
第4の例において、接合部材90bおよび90cを、それぞれ、側壁部15の第1上面15Aと、第1サブマウント20の第2上面20Aとに塗布する前に、熱圧着によって熱伝導部材70を封止部材50の第1部分50Aに接合しておく。熱伝導部材70が接合された封止部材50を、フィレット形状を形成するように変形させた状態で、第1上面15Aと第2上面20Aとに接合してもよい。
【0097】
最後に、
図19Eに示すように、熱伝導部材70を変形させて、封止部材50を介して放熱ブロック60を側壁部15に接合し、放熱ブロック60と熱伝導部材70とを熱的に接触させる。具体的に説明すると、封止部材50の第2部分50Bに接合部材90a(
図5Aを参照)を塗布し、例えば、焼結、ろう付け、はんだ付け、超音波、抵抗溶接、またはレーザ溶接による硬化熱処理で放熱ブロック60を封止部材50に接合する。
【0098】
上記の工程を経て光源装置100が得られる。
【0099】
第1実施形態に係る光源装置100の製造方法の他の例を説明する。
【0100】
第2サブマウント25にレーザダイオード30および導電部材40を実装し、光源部Uを作製する。基板10の支持面10Aに光源部Uを接合し、光源部Uを囲う側壁部15を支持面10Aに接合する。これらの工程とは別に、封止部材50に第1サブマウント20を接合することにより、パッケージを封止するためのキャップユニットを作製する。続いて、キャップユニットに含まれる第1サブマウント20をレーザダイオード30と導電部材40とに接合した後、キャップユニットに含まれる封止部材50の第2部分50Bを側壁部15の第1上面15Aに接合して、光源部Uおよび側壁部15を実装したパッケージを、キャップユニットで気密封止する。続いて、熱伝導部材70を封止部材50の第1部分50Aに付与する。最後に、熱伝導部材70を変形させて、放熱ブロック60を封止部材50を介して側壁部15に接合し、放熱ブロック60と熱伝導部材70とを熱的に接触させる。
【0101】
前述した製造例において、例えば、複数の光源部、および、複数の光源部をそれぞれ囲う側壁部を基板に実装する。次に、封止部材、放熱ブロックおよび熱伝導部材を設ける。上記の製造方法の例のように、各光源部に個別に第1サブマウントを設けた後に、側壁部を覆う封止部材を設け、その後に各光源部に個別に放熱ブロックを設けてもよい。上記の製造方法の他の例のように、キャップユニットを作製し、各光源部に個別に接合してもよい。最後に、隣り合う光源部の間の側壁部15の位置で、デバイス単位にダイシングなどによって、各部材を実装した基板を分割することにより、複数の光源装置を製造することが可能である。いずれの方法においても、封止部材と側壁部とを接合し、気密封止がなされた状態で分割するために、分割した後の各デバイスにおいても気密封止は維持される。
【0102】
(第2実施形態)
図20から
図22を参照して、本開示の第2実施形態に係る光源装置の構成例を説明する。以下、第1実施形態に係る光源装置との相違点を主に説明する。
【0103】
図20は、複数のレーザダイオード30を備える光源装置107のXY平面に平行な断面図である。
図20に示す例において、光源装置107は2個のレーザダイオード30を備える。2個のレーザダイオード30のそれぞれは、p側電極面30Bおよびn側電極面30Aを有する。光源装置107が備えるレーザダイオード30の個数は、2個に限定されず、3個以上であってもよい。複数のレーザダイオード30は、互いに相違する色の光を出射し得る。例えば、RGBの光をそれぞれ出射する3個のレーザダイオードを光源装置に実装することにより、表示装置のバックライトに利用し得る光源装置が実現される。または、複数のレーザダイオード30は、それぞれ、同じ色の光を出射してもよい。この場合、高出力のレーザ光を出射することが可能な光源装置が実現され得る。
【0104】
前述した導電部材40に代えて、リボンワイヤ17を用いてレーザダイオード30と、外部接続電極11、12とが電気的に接続され得る。これにより、第1サブマウント20に配線層を設ける必要がなくなる。
図20に例示する光源装置107において、2個のレーザダイオード30のうちの一方の上面に位置するn側電極面30Aは、リボンワイヤ17によって支持面10Aの導体配線層に電気的に接続され、第1サブマウント20の配線層にも導電部材にも接続されていない。他方のn側電極面30Aは、リボンワイヤ17によって第2サブマウント25の第2配線層26に電気的に接続され、第1サブマウント20の配線層にも導電部材にも接続されていない。2個のレーザダイオード30のそれぞれのp側電極面30Bは、第2サブマウント25の第2配線層26に電気的に接続されている。さらに、第2サブマウント25の第2配線層26と支持面10Aの導体配線層とはリボンワイヤ17によって電気的に接続されている。したがって、外部接続電極11、リボンワイヤ17、レーザダイオード30、リボンワイヤ17、レーザダイオード30、リボンワイヤ17および外部接続電極12が、この順番で電気的に直列に接続される。
【0105】
リボンワイヤ17は、金、銅、アルミニウムなどの金属材料、またはこれらの合金から形成される。電蝕対策の観点から言えば、金または銅の金属材料を用いることが好ましい。リボンワイヤ17は、例えばはんだ付けまたは超音波接合によって、前述した接合部材を介して、レーザダイオード30の電極面、支持面10Aの導体配線層または第2サブマウント25の第2配線層26に接合され得る。リボンワイヤ17の厚さは、例えば0.01mm~0.5mm程度である。このようにリボンワイヤ17は薄いために、前述した部材の高さのばらつきを抑制し易くなる。さらに、リボンワイヤの許容電流量は比較的大きいために、より多くの電流をレーザダイオードに流すことが可能となる。
【0106】
第2実施形態に係る光源装置の他の例は、複数のレーザダイオード、複数のレーザダイオードにそれぞれ対応した複数の導電部材、および1以上の支持部材を備える。すなわち、導電部材と支持部材の総数は、レーザダイオードの個数よりも多くなる。
【0107】
図21は、光源装置108のXY平面に平行な断面図である。
図22は、上面視における、2個のレーザダイオード30、2個の導電部材40および1個の支持部材45を支持した状態の第2サブマウント25の平面図である。
図21に示す例において、2個のレーザダイオード30-1、30-2に対応する2個の導電部材40-1、40-2、および1個の支持部材45が、第1サブマウント20と第2サブマウント25との間に配置されている。
【0108】
2個のレーザダイオード30-1、30-2は、それぞれ、同じ極性の電極面が第1配線層21または第2配線層26の側を向くように配置される。
図21に示す例では、n側電極面30Aが第1配線層21に接合され、p側電極面30Bが第2配線層26に接合される。この場合、外部接続電極11は、導電部材40-1を介して、レーザダイオード30-1のn側電極面30Aに電気的に接続され、レーザダイオード30-1のp側電極面30Bは、導電部材40-2を介して、レーザダイオード30-2のn側電極面30Aに電気的に接続され、レーザダイオード30-2のp側電極面30Bは、外部接続電極12に電気的に接続される。すなわち、この例では、外部接続電極11、レーザダイオード30-1、レーザダイオード30-2、外部接続電極12は、この順番で、2個の導電部材40-1、40-2を介して直列に接続されている。
【0109】
支持部材45は、導電に寄与しない部材であり、例えば金属、シリコン、ガラス、セラミック、または前述した基板10と同じ材料から形成され得る。支持部材45は、レーザダイオード30と同じ厚さになるように形成され得る。第2実施形態における支持部材45は、導電部材40と同じサイズの直方体の部材であるが、この形状に限定されない。支持部材45の下面は、接合部材を介して、第2サブマウント25の第2配線層26に接合され、支持部材45の上面は、接合部材を介して、第1サブマウント20の第1配線層21に接合され得る。
【0110】
図22に示す例において、導電部材40-1、レーザダイオード30-1、導電部材40-2、レーザダイオード30-2、および支持部材45は、この順番でX方向に沿って間隔をあけて並んでいる。レーザダイオード30、導電部材40および支持部材45の外形は、それぞれ、上面視において略矩形である。レーザダイオード30-1の外形は、頂点p1~p4を結んで形成され、レーザダイオード30-2の外形は、頂点p5~p8を結んで形成される。同様に、導電部材40-1の外形は、頂点q1~q4を結んで形成され、導電部材40-2の外形は、頂点q5~q8を結んで形成され、支持部材45の外形は、頂点q9~q12を結んで形成される。レーザダイオード30、導電部材40および支持部材45のそれぞれの矩形の長辺はZ方向に平行であり、矩形の短辺はX方向に平行である。ここで、平行とは±5度以内の誤差を含み得る。
【0111】
図22に示す例において、レーザダイオード30の頂点p1~p8を結んで形成される第1幾何図形は矩形であり、導電部材40および支持部材45の頂点q1~q12を結んで形成される第2幾何図形も矩形である。
図22において、第1幾何図形は点線で示され、第2幾何図形は一点鎖線で示されている。導電部材40-1、レーザダイオード30-1、導電部材40-2、レーザダイオード30-2、および支持部材45は、第1幾何図形の重心G1と第2幾何図形の重心G2とが略一致するように、第2サブマウント25上に配置される。レーザダイオード30-1、30-2の外形の中心は、それぞれ、第2幾何図形の内側に位置している。
【0112】
光源装置108によると、支持部材45を用いることにより、前述したキャップユニットを側壁部15に接合するときにレーザダイオード30および導電部材40に加わる荷重および/またはキャップユニットの重心のバランスをとることが可能となる。特に、第1幾何図形の重心と第2幾何図形の重心とを略一致させることにより、接合時の安定性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本開示の光源装置は、高出力のレーザ光源が必要とされる産業用分野、例えば各種材料の切断、穴あけ、局所的熱処理、表面処理、金属の溶接、3Dプリンティングなどの光源として好適に利用され得る。
【符号の説明】
【0114】
10 :基板
10A :支持面
10B :下面
10S :中央部分
10T :周辺部分
11、12 :外部接続電極
15 :側壁部
15A :第1上面
15B :下面
15C :内壁面
17 :リボンワイヤ
20 :第1サブマウント
20A :第2上面
20B :第1実装面
20S :第1側面
21 :第1配線層
25 :第2サブマウント
25A :第2実装面
25B :下面
26 :第2配線層
30 :レーザダイオード
30A :n側電極面
30B :p側電極面
30E :光出射面
30R :背面
40 :導電部材
45 :支持部材
50 :封止部材
50A :第1部分
50B :第2部分
50C :連結部
51 :変形部
51A :第1変形部
51B :第2変形部
55 :開口
60 :放熱ブロック
60B :下面
60S :第2側面
61 :放熱部材
62 :凹部
70 :熱伝導部材
77 :ワイヤ
90a、90b、90c :接合部材
91 :開口部
100~102、103A、103B、104~108 :光源装置