(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146392
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】流通管理システム、サーバシステム、プログラム、端末装置及び流通管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231004BHJP
A63F 13/33 20140101ALI20231004BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231004BHJP
A63F 13/85 20140101ALI20231004BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20231004BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20231004BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/33
A63F13/79 520
A63F13/85
A63F13/792
A63F13/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053550
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 浩文
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC16
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】違法な移転を防止すること、及び、当該作者の権利を保護し、当該作成物の積極的な活用を促すことが可能なアイテム流通管理システムなどを提供すること。
【解決手段】流通管理サーバ装置30は、カスタマイズアイテムに内在する作成物の利用許諾情報と、各カスタマイズアイテムを利用する利用者の利用者情報と、を管理し、移転関連処理として、移転希望ユーザから移転先ユーザに、当該カスタマイズアイテムを利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理、利用権が移転する場合の当該カスタマイズアイテムに内在する作成物に関する価値を特定する価値特定処理、及び、利用権が移転希望ユーザから移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、移転対象のカスタマイズアイテムに関し、利用許諾情報及び利用者情報を更新する利用許諾情報等更新処理を実行する構成を有している。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物の流通を管理する流通管理システムであって、
各生成物に内在する前記作成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザへの、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記利用権が前記移転希望ユーザから前記移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、移転対象の生成物に関し、前記記憶手段に記憶されている前記利用者情報を更新することを特徴とする流通管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の流通管理システムにおいて、
前記価値特定手段が、
前記利用許諾情報及び前記利用者情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する、流通管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の流通管理システムにおいて、
前記利用許諾情報には、ライセンサーの数、及び、価値を決定するための利率の情報が少なくとも含まれる、流通管理システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の流通管理システムにおいて、
前記利用者情報には、現時点の利用者を特定する情報を示す利用者特定情報及び過去の移転状況を示す移転履歴情報を少なくとも含む、流通管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の流通管理システムにおいて、
前記移転履歴情報には、移転回数、移転内容、移転先の利用者を特定する利用者特定情報及び過去の利用者の人数の少なくともいずれか1が含まれる、流通管理システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の流通管理システムにおいて、
前記ユーザによって生成された生成物における前記作成物の利用に関する利用申請を受け付ける受け付け処理を実行する受付処理手段を更に備え、
前記管理手段が、
前記受け付け処理によって受け付けられた生成物の前記利用許諾情報を前記記憶手段に登録する、流通管理システム。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の流通管理システムにおいて、
前記生成物に画像化された前記作成物を検出する作成物検出手段を更に備え、
前記管理手段が、
前記検出された作成物が画像化されている生成物の前記利用許諾情報を前記記憶手段に登録する、流通管理システム。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の流通管理システムにおいて、
前記管理手段が、
前記作成物の加工に関する仕様が規定されている作成物データに基づいて前記生成物を生成する際に、当該作成物データに基づいて、当該生成された生成物の前記利用許諾情報を前記記憶手段に登録する、流通管理システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の流通管理システムにおいて、
前記特定された価値が支払われたことを検出する支払い検出処理を実行する支払い検出手段と、
前記支払い検出処理によって前記価値が支払われたことが検出された場合に、前記移転された生成物に正規の作成物であることを示す正規マークを付すための処理、及び、当該生成物の使用中に当該正規マークを表示させるための処理の少なくともいずれか一方を実行する正規マーク制御手段と、
を更に備える、流通管理システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の流通管理システムにおいて、
前記生成物として、ネットワーク上で電子データを用いて管理されている生成物である、流通管理システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の流通管理システムにおいて、
前記価値が特定された場合に、当該特定された価値を所与の端末装置に提供する提供手段を更に備える、流通管理システム。
【請求項12】
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を管理し、当該ユーザの端末装置と通信接続されたサーバシステムであって、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記端末装置と連動して、前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行することを特徴とするサーバシステム。
【請求項13】
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を管理し、当該ユーザによって操作される端末装置であって、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転の指示であって、前記移転希望ユーザ又は前記移転先ユーザのいずれかの指示を受け付ける受付処理手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記ユーザの指示に基づいて前記利用権の移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行することを特徴とする端末装置。
【請求項14】
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物の流通を管理するプログラムであって、
各生成物に内在する前記作成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザへの、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段、及び、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記管理手段が、
前記利用権が前記移転希望ユーザから前記移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、移転対象の生成物に関し、前記記憶手段に記憶されている前記利用者情報を更新することを特徴とするプログラム。
【請求項15】
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を管理し、当該ユーザの端末装置と通信接続された生成物流通管理サーバシステム用のプログラムであって、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段、
前記端末装置と連動して、前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段、及び、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記管理手段が、
前記移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項16】
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を管理し、当該ユーザによって操作される端末装置用のプログラムであって、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転の指示であって、前記移転希望ユーザ又は前記移転先ユーザのいずれかの指示を受け付ける受付処理手段、及び、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記管理手段が、
前記ユーザの指示に基づいて前記利用権の移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項17】
唯一性を有し、端末装置を操作するユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を、当該端末装置と通信接続するサーバ装置を用いることによって、実現するための流通管理方法であって、
前記サーバ装置が、
各生成物に内在する前記作成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザへの、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記利用権が前記移転希望ユーザから前記移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、移転対象の生成物に関し、前記記憶手段に記憶されている前記利用者情報を更新する場合に、
前記端末装置によって受け付けられた前記移転に関する指示を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置から移転に関する情報を受信する、
ことを特徴とする流通管理方法。
【請求項18】
唯一性を有し、端末装置を操作するユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を、当該端末装置と通信接続するサーバ装置を用いることによって、実現するための流通管理方法であって、
前記サーバ装置が、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記端末装置と連動して、前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行する場合に、
前記端末装置によって受け付けられた前記移転に関する指示を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置から移転に関する情報を受信する、
ことを特徴とする流通管理方法。
【請求項19】
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を、各ユーザによって操作される端末装置間において実現するための流通管理方法であって、
各端末装置が、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転の指示であって、前記移転希望ユーザ又は前記移転先ユーザのいずれかの指示を受け付ける受付処理手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記ユーザの指示に基づいて前記利用権の移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行する場合に、
第1の端末装置によって受け付けられた前記移転に関する指示が第2の端末装置に送信され、
前記第2の端末装置から送信された移転に関する情報が前記第1の端末装置によって受信される、
ことを特徴とする流通管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流通管理システム、サーバシステム、プログラム、端末装置及び流通管理方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル技術の発達とともに、通信技術やネットワークの発展に伴って、アニメやゲームの有名なキャラクタなどの作成物をSNS(Social Networking service)などを利用して新たな製作物のコンテンツとして提供することも一般化してきている。
【0003】
その一方で、SNNなどのネットワーク上においては、このような他者の作成物を安易に利用可能であり、当該作成物としての適切な保護が求められている。
【0004】
特に、最近では、ゲームなどにおいて当該ゲームに登場するキャラクタをネットワーク上などで友人や知人に閲覧させるための投稿などを行う場合には、適正なコンテンツについて、「マルシーマーク」などの作成物であることを示すマークを投稿内に付加して表示させるシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来から、上記のような他者の作成物となるキャラクタなどをユーザが独自にカスタマイズし、当該カスタマイズされたものをユーザ間において取引されていることも多く、特許文献1に記載のシステムなどにあっては、その管理を適切に実行することができない。
【0007】
また、例えば、配色やポーズを変更しただけでの作成物を利用した新たな生成物は、近年のデジタル技術の発達に伴って、安易にかつ大量に取引可能な状況にもなっており、適切な保護ができないと、積極的な当該作成物の活用を促進させることが難しいという側面もある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複製や利用が容易な電子的な作成物であっても、違法な移転を防止すること、及び、当該作者の権利を保護し、当該作成物の積極的な活用を促すことが可能なアイテム流通管理システムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物の流通を管理する流通管理システムであって、
各生成物に内在する前記作成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザへ
の、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記利用権が前記移転希望ユーザから前記移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、移転対象の生成物に関し、前記記憶手段に記憶されている前記利用者情報を更新する、構成を有している。
【0010】
この構成により、本発明は、例えば、ユーザによってカスタマイズされたキャラクタなどの他の作者の作成物を利用して生成された生成物を、ユーザ間において流通させる場合に、当該利用した作成物(例えば、キャラクタ)の利用許諾の管理、及び、当該作成物を利用する生成物の利用者の管理を行うことができるので、ユーザが生成した生成物であっても、作者の作成物を追跡することができる。
【0011】
すなわち、本発明は、ユーザが他人の著作物などの作成物を利用して新たに生成物を生成した場合に、作成物の利用許諾や当該生成物の流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該生成物の移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、生成物のユーザ間における流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができる。
【0012】
したがって、本発明は、著作権などの作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザが生成物を生成した場合であっても、当該作者の権利を保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができる。
【0013】
なお、「生成物」とは、基本的には、ゲームなどの仮想空間内で用いられるプレーヤキャラクタなどの電子的な生成物を示すが、おもちゃやキャラクタグッズなどのアナログ的な物品であってもよい。
【0014】
例えば、「生成物」には、
(A1)ゲームに使用するプレーヤキャラクタなどのユーザによって彩色や装備の装着、又は、特定の姿勢などのカスタマイズされたキャラクタ、及び、
(A2)キャラクタによって使用される武器や道具(プレーヤキャラクタに装着するものであってもよいし、運転するようなロボットや車両などの移動体であってもよい)、
などが含まれる。
【0015】
そして、「唯一性」とは、他人の作成物を利用しつつも、他には存在しない唯一(オリジナル)であって、独創性のあることを示す。
【0016】
また、「利用者情報」には、例えば、移転時の利用者を特定する情報(以下、「利用者特定情報」という。)及び当該移転時までの移転状況を示す移転履歴情報などを含む。
【0017】
例えば、利用者特定情報には、
(B1)各利用者の利用者識別情報(すなわち、利用者ID)、
(B2)利用者の氏名又は名称などの名称情報、
(B3)連絡先に関する情報(以下、「連絡先情報」という。)、及び、
(B4)特定の属性(例えば、プレミア会員などの特別会員の属性)を有しているか否か又はその情報の有無若しくはランクやレベル、
などが含まれる。
【0018】
例えば、移転履歴情報には、
(C1)移転回数、
(C2)移転内容(ライセンス額などの移転した際の作成物に関する価値、又は、過去の価値の総額)、
(C3)利用者の数(すなわち、過去の利用者の人数)、及び、
(C4)過去の利用者の利用者ID及び名称情報などの利用者特定情報、
などが含まれる。
【0019】
例えば、移転内容には、過去に得た利用権における生成物の種別や金額、移転によって生じたライセンス額などの作成物の価値、過去の作成物の価値を含めた総額、又は、移転した日時を含む。
【0020】
そして、「利用許諾情報」は、例えば、作成物が著作物に関する場合のライセンサーなどの生成物に内在する作成物の作者に関する情報である。
【0021】
特に、利用許諾情報には、例えば、作成物が著作物に関する場合において、ライセンサーの数、各ライセンサーの識別情報とその名称、及び、作成物の価値を決定するための料率(例えば、利用形態や期間などによって異なる料率が設定されている場合も含む。)などの補足情報が含まれる。例えば、ライセンサーの数とは、2以上の作成物が内在する場合において各作成物が異なる作者に属する場合の数を示す。
【0022】
さらに、「利用権」とは、基本的には、著作物などの作者の作成物が内在している状態で、かつ、当該作者から許諾されている権利であって、生成物をゲームに用いるなどの仮想空間内で利用(例えば、使用及び譲渡)すること、及び、実空間内において利用すること(例えば、使用及び譲渡)が可能な権利である。ただし、利用権には、さらに生成物においてカスタマイズなどの2次利用の権利が含まれていてもよい。
【0023】
上記に加えて、「作成物に関する価値」には、金銭的な価値に加えて、ゲーム内通貨的な価値、ポイント、及び、エネルギーなどの金額以外の「価値」も含む。
【0024】
また、「利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する」の「特定」とは、利用許諾情報、利用者情報又はその双方に基づいて、所定の計算式になどによって算定されること、又は、予め定められた金額を割り当てることなども示す。
【0025】
そして、「利用権が移転する場合」とは、利用権が既に移転した場合だけでなく、これから移転する場合(すなわち、見積もりとして価値を利用する場合)も含む。
【0026】
(2)また、本発明は、
前記価値特定手段が、
前記利用許諾情報及び前記利用者情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する、構成を有している。
【0027】
この構成により、本発明は、生成物毎、作成物を提供するライセンサー毎、移転希望ユーザ毎、又は、移転先ユーザ毎など生成物に応じて価値を特定することができるので、個々の状況に応じて当該利用許諾学を設定することができる。
【0028】
(3)また、本発明は、
前記利用許諾情報には、ライセンサーの数、及び、価値を決定するための利率の情報が少なくとも含まれる、構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明は、作成物が内在している生成物毎に応じた各生成物に内在する作成物の価値を特定することができる。
【0030】
(4)また、本発明は、
前記利用者情報には、現時点の利用者を特定する情報を示す利用者特定情報及び過去の移転状況を示す移転履歴情報を少なくとも含む、構成を有している。
【0031】
この構成により、本発明は、利用者における生成物の利用状況、又は、生成物の過去の取引状況に応じた当該生成物に内在する作成物の価値を特定することができる。
【0032】
(5)また、本発明は、
前記移転履歴情報には、移転回数、移転内容、移転先の利用者を特定する利用者特定情報及び過去の利用者の人数の少なくともいずれか1が含まれる、構成を有している。
【0033】
この構成により、本発明は、移転回数が多い若しくは利用者となった人数が多い場合には早く消尽するとして生成物に内在する作成物の価値を低額し、若しくは、プレミアになるとして高額にし、又は、移転元の利用者が特別な会員としてのステータスを有している場合に、価値を低額にすることができる。
【0034】
したがって、本発明は、生成物の状況やその履歴に基づいて、このような価値を調整することができるので、利用者における生成物の利用状況、又は、生成物の過去の取引状況に応じた価値を特定することができる。
【0035】
(6)また、本発明は、
前記ユーザによって生成された生成物における前記作成物の利用に関する利用申請を受け付ける受け付け処理を実行する受付処理手段を更に備え、
前記管理手段が、
前記受け付け処理によって受け付けられた生成物の前記利用許諾情報を前記記憶手段に登録する、構成を有している。
【0036】
この構成により、本発明は、例えば、他人の作成物の利用をしたユーザの申請に基づいて生成物のユーザ間の移転管理を開始することができるので、生成物の移転に伴う当該生成物に内在する作成物の利用許諾料の回収を確実に行うことができる。
【0037】
(7)また、本発明は、
前記生成物に画像化された前記作成物を検出する作成物検出手段を更に備え、
前記管理手段が、
前記検出された作成物が画像化されている生成物の前記利用許諾情報を前記記憶手段に登録する、構成を有している。
【0038】
この構成により、本発明は、ユーザ間で流通する他の作者の作成物が内在する生成物において、利用許諾情報に基づいて、作者の権利を的確に保護することができる。
【0039】
(8)また、本発明は、
前記管理手段が、
前記作成物の加工に関する仕様が規定されている作成物データに基づいて前記生成物を生成する際に、当該作成物データに基づいて、当該生成された生成物の前記利用許諾情報を前記記憶手段に登録する、構成を有している。
【0040】
この構成により、本発明は、作成物が内在する生成物の生成に用いるデータに基づいて、利用許諾情報を登録することができるので、利用許諾情報についても容易に登録することができるとともに、作成物データの提供が作者からあれば、作成物の使用許諾管理から利用許諾情報の登録まで一括に処理することもできるので、ユーザに作成物の権利に関する煩わしさを低減させつつ、作者の権利を的確に保護することができる。
【0041】
なお、作成物データとしては、例えば、彩色の変更、姿勢の変更、又は、装着可能な装備の変更が可能な作成物に関する画像データであり、加工可能にユーザに提供されているデータを示す。
【0042】
(9)また、本発明は、
前記特定された価値が支払われたことを検出する支払い検出処理を実行する支払い検出手段と、
前記支払い検出処理によって前記価値が支払われたことが検出された場合に、前記移転された生成物に正規の作成物であることを示す正規マークを付すための処理、及び、当該生成物の使用中に当該正規マークを表示させるための処理の少なくともいずれか一方を実行する正規マーク制御手段と、
を更に備える、構成を有している。
【0043】
この構成により、本発明は、ユーザ間で流通する他の作者の作成物を利用した生成物において、利用許諾情報に基づいて、作者の権利を的確に保護することができる。
【0044】
なお、「正規の作成物」とは、作者に真正品として認められた作成物(例えば、著作物としての作成物)であることを示す。
【0045】
また、「正規マークを付すための処理」とは、実世界に生成物が実在する場合に、当該生成部に貼り付けるための処理を示す。
【0046】
そして、「正規マークを表示させるための処理」とは、例えば、生成物が画像などによって表示される際に、「マルシーマーク」などの当該生成物に内在した作成物であること示すマークを表示させるため処理である。
【0047】
(10)また、本発明は、
前記生成物として、前記ネットワーク上で電子データを用いて管理されている生成物である、構成を有している。
【0048】
この構成により、本発明は、ユーザ間で流通する他の作者の作成物を利用した物理的な生成物又は電子的な生成物において、利用許諾情報に基づいて、作者を的確に保護することができる。
【0049】
なお、「生成物」としては、電子的な生成物であってもよいし、物理的な生成物であってもよい。ただし、物理的な生成物の場合には、識別情報などの物理的な生成物に関する情報がネットワーク上で電子データを用いて管理される。
【0050】
(11)また、本発明は、
前記価値が特定された場合に、当該特定された価値を所与の端末装置に提供する提供手段を更に備える、構成を有している。
【0051】
この構成により、本発明は、利用許諾料の支払いを容易に認識することができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0052】
なお、「所与の端末装置」には、例えば、移転希望ユーザ又は移転先ユーザの端末装置が含まれる。
【0053】
(12)また、本発明は、
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を管理し、当該ユーザの端末装置と通信接続された生成物流通管理サーバシステムであって、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記端末装置と連動して、前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行する、構成を有している。
【0054】
この構成により、本発明は、ユーザが他人の作成物を利用して新たに生成物を生成した場合に、作成物の利用許諾や当該生成物の流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該生成物の移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、生成物のユーザ間における流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができる。
【0055】
したがって、本発明は、作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザが生成物を生成した場合であっても、当該作者の権利を保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができる。
【0056】
なお、「情報分散管理処理」とは、例えば、ブロックチェーン技術などを用いた複数の移転情報から構成されるブロックデータを分散的に台帳管理する分散型台帳管理に基づく処理を示し、1のサーバシステムによって管理する集中管理型台帳管理に基づく処理とは相反する処理である。
【0057】
(13)また、本発明は、
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を管理し、当該ユーザによって操作される端末装置であって、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転の指示であって、前記移転希望ユーザ又は前記移転先ユーザのいずれかの指示を受け付ける受付処理手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記ユーザの指示に基づいて前記利用権の移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行する、構成を有している。
【0058】
この構成により、本発明は、ユーザが他人の作成物を利用して新たに生成物を生成した場合に、作成物の利用許諾や当該生成物の流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該生成物の移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、生成物のユーザ間における流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができる。
【0059】
したがって、本発明は、作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザが生成物を生成した場合であっても、当該作者の権利を保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができる。
【0060】
(14)また、本発明は、
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物の流通を管理するプログラムであって、
各生成物に内在する前記作成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザへの、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段、及び、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記管理手段が、
前記利用権が前記移転希望ユーザから前記移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、移転対象の生成物に関し、前記記憶手段に記憶されている前記利用者情報を更新する、構成を有している。
【0061】
この構成により、本発明は、ユーザが他人の作成物を利用して新たに生成物を生成した場合に、作成物の利用許諾や当該生成物の流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該生成物の移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、生成物のユーザ間における流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができる。
【0062】
したがって、本発明は、作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザが生成物を生成した場合であっても、当該作者の権利を保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができる。
【0063】
(15)また、本発明は、
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を管理し、当該ユーザの端末装置と通信接続された生成物流通管理サーバシステム用のプログラムであって、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段、
前記端末装置と連動して、前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段、及び、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記管理手段が、
前記移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行する、構成を有している。
【0064】
この構成により、本発明は、ユーザが他人の作成物を利用して新たに生成物を生成した場合に、作成物の利用許諾や当該生成物の流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該生成物の移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、生成物のユーザ間における流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができる。
【0065】
したがって、本発明は、作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザが生成物を生成した場合であっても、当該作者の権利を保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができる。
【0066】
(16)また、本発明は、
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を管理し、当該ユーザによって操作される端末装置用のプログラムであって、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転の指示であって、前記移転希望ユーザ又は前記移転先ユーザのいずれかの指示を受け付ける受付処理手段、及び、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記管理手段が、
前記ユーザの指示に基づいて前記利用権の移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行する、構成を有している。
【0067】
この構成により、本発明は、ユーザが他人の作成物を利用して新たに生成物を生成した場合に、作成物の利用許諾や当該生成物の流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該生成物の移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、生成物のユーザ間にお
ける流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができる。
【0068】
したがって、本発明は、作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザが生成物を生成した場合であっても、当該作者の権利を保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができる。
【0069】
(17)また、本発明は、
唯一性を有し、端末装置を操作するユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を、当該端末装置と通信接続するサーバ装置を用いることによって、実現するための流通管理方法であって、
前記サーバ装置が、
各生成物に内在する前記作成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザへの、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転検出処理を実行する移転検出手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記利用権が前記移転希望ユーザから前記移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、移転対象の生成物に関し、前記記憶手段に記憶されている前記利用者情報を更新する場合に、
前記端末装置によって受け付けられた前記移転に関する指示を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置から移転に関する情報を受信する、構成を有している。
【0070】
この構成により、本発明は、ユーザが他人の作成物を利用して新たに生成物を生成した場合に、作成物の利用許諾や当該生成物の流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該生成物の移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、生成物のユーザ間における流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができる。
【0071】
したがって、本発明は、作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザが生成物を生成した場合であっても、当該作者の権利を保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができる。
【0072】
(18)また、本発明は、
唯一性を有し、端末装置を操作するユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を、当該端末装置と通信接続するサーバ装置を用いることによって、実現するための流通管理方法であって、
前記サーバ装置が、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記端末装置と連動して、前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転を検出する移転
検出処理を実行する移転検出手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行する場合に、
前記端末装置によって受け付けられた前記移転に関する指示を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置から移転に関する情報を受信する、構成を有している。
【0073】
この構成により、本発明は、ユーザが他人の作成物を利用して新たに生成物を生成した場合に、作成物の利用許諾や当該生成物の流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該生成物の移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、生成物のユーザ間における流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができる。
【0074】
したがって、本発明は、作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザが生成物を生成した場合であっても、当該作者の権利を保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができる。
【0075】
(19)また、本発明は、
唯一性を有し、ユーザとは異なる作者の作成物が内在する当該ユーザによって生成された生成物における流通を、各ユーザによって操作される端末装置間において実現するための流通管理方法であって、
各端末装置が、
各生成物の利用許諾に関する情報であって記憶手段に記憶されている各生成物の利用許諾情報と、各生成物を利用するための権利を有する利用者の情報であって前記記憶手段に記憶されている各生成物の利用者情報と、を管理する管理手段と、
前記生成物の移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、前記生成物を利用するための利用権の移転の指示であって、前記移転希望ユーザ又は前記移転先ユーザのいずれかの指示を受け付ける受付処理手段と、
少なくとも前記利用許諾情報に基づいて、前記利用権が移転する場合の当該生成物に内在する作成物に関する価値を特定する価値特定手段と、
を備え、
前記管理手段が、
前記ユーザの指示に基づいて前記利用権の移転が実行される毎に、移転対象の生成物の利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に前記記憶手段に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の前記記憶手段に分散的に記憶させる情報分散管理処理を実行する場合に、
第1の端末装置によって受け付けられた前記移転に関する指示が第2の端末装置に送信され、
前記第2の端末装置から送信された移転に関する情報が前記第1の端末装置によって受信される、構成を有している。
【0076】
この構成により、本発明は、ユーザが他人の作成物を利用して新たに生成物を生成した場合に、作成物の利用許諾や当該生成物の流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該生成物の移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、生成物のユーザ間における流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができる。
【0077】
したがって、本発明は、作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザが生成物を生成した場合であっても、当該作者の権利を保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】一実施形態のゲームアイテム流通管理システムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態のゲームサーバ装置の機能ブロックを示す図である。
【
図3】一実施形態の端末装置の機能ブロックを示す図である。
【
図4】一実施形態の流通管理サーバ装置の機能ブロックを示す図である。
【
図5】一実施形態におけるユーザによって生成されたカスタマイズアイテムの移転関連処理の概要について説明するための図である。
【
図6】一実施形態の利用許諾情報記憶部に記憶される利用許諾情報の一例である。
【
図7】一実施形態の利用者情報記憶部に記憶される利用者情報の一例である。
【
図8】一実施形態のゲームサーバ装置によって実行されるカスタマイズ処理について説明するための図である。
【
図9】一実施形態の流通管理サーバ装置によって実行される正規マーク表示制御処理について説明するための図である。
【
図10】一実施形態において、情報分散管理型流通管理サーバ装置に基づくゲームアイテム流通管理システムの構成を示すシステム構成の一例を示す図(その1)である。
【
図11】一実施形態において、情報分散管理型流通管理サーバ装置に基づくゲームアイテム流通管理システムの構成を示すシステム構成の一例を示す図(その2)である。
【
図12】一実施形態の情報分散管理流通ネットワークシステムの構成を示すシステム構成のその他の例を示す図である。
【
図13】一実施形態の流通管理サーバ装置において実行される取引管理を含むカスタマイズアイテム登録処理の動作を示すフローチャートである。
【
図14】一実施形態の流通管理サーバ装置において実行される移転関係処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下、本実施形態について説明する。
【0080】
なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0081】
また、以下の実施形態において、アイテムの「移転」とは、電子的なアイテム又は物理的なアイテムを問わず、当該アイテムの所有権が移転されることを示す。特に、以下の実施形態においては、「移転」として、当該アイテムをユーザが利用するための権利(以下、「利用権」という。)が移転することを示す。
【0082】
[1]ゲームアイテム流通管理システム
まず、
図1を用いて本実施形態のゲームアイテム流通管理システム1の概要及び概要構成について説明する。なお、
図1は、本実施形態のゲームアイテム流通管理システム1の
構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0083】
本実施形態のゲームアイテム流通管理システム1は、
図1に示すように、ゲームサービスを提供するゲームサーバ装置10と、端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)と、ユーザによって生成されたゲームに用いるプレーヤキャラクタなどのゲームアイテムのユーザ間の流通を管理する流通管理サーバ装置30と、がインターネット(ネットワークの一例)に接続可能に構成されている。
【0084】
ユーザ(すなわち、プレーヤ又は視聴者)は、端末装置20からゲームサーバ装置10にアクセスすることにより、インターネットを介してゲームサーバ装置10から送信されてくるゲームをプレイすることができる。
【0085】
また、ユーザは、端末装置20からゲームサーバ装置10にアクセスすることにより、他のユーザとの間でコミュニケーションを図ることができるようになっている。
【0086】
さらに、ユーザは、端末装置20を用いてゲームに用いるプレーヤキャラクタや装備品をアイテムとしてカスタマイズ(生成)することができるとともに、流通管理サーバ装置30の管理の下、当該カスタマイズしたアイテムを他のユーザに移転すること、及び、他のユーザがカスタマイズしたアイテムであって移転を希望したアイテムを獲得することができるようになっている。
【0087】
ゲームサーバ装置10は、インターネットを介して通信接続された端末装置20を用いて、ユーザにゲームをプレイさせるサービスを提供することが可能な情報処理装置である。また、ゲームサーバ装置10は、コミュニケーション型のサービスを提供するSNSサーバとして機能してもよい。ここで、SNSサーバとは、複数のユーザ間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であってもよい。
【0088】
また、ゲームサーバ装置10は、例えば、SNSサーバとして機能する場合には、提供するSNSの動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、及び、プラットフォーム等)を利用して実行されるソーシャルゲーム(Social Game)と呼ばれるゲームを提供することができるようになっている。
【0089】
そして、ゲームサーバ装置10は、端末装置20のWebブラウザ上で提供されるブラウザゲームを提供してもよいし、専用のプラットフォームによって実行するオンラインゲームを提供してもよい。
【0090】
特に、ゲームサーバ装置10は、ブラウザゲームを提供する場合には、例えばHTML、FLASH(登録商標)、CGI、PHP、shockwave、Java(登録商標)アプレット、JavaScript(登録商標)など様々な言語で作られたザゲーム(Webブラウザで設置サイトを開くだけで起動するゲーム)を提供することができるようになっている。
【0091】
なお、ソーシャルゲームとは、既存のオンラインゲームとは違い、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、WebブラウザとSNSのアカウントのみで利用可能なゲームが含まれる。
【0092】
また、ゲームサーバ装置10は、オンラインゲームを提供する場合には、ネットワークを介して他のユーザの端末装置(スマートフォン、パソコン、ゲーム機など)20と接続し、オンラインでゲーム進行を共有することが可能な構成を有している。
【0093】
一方、ゲームサーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0094】
そして、ゲームサーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部140)に記憶される課金情報及びゲームプレイ情報等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよいし、SNSサーバとして機能する場合には、記憶領域に記憶されるプレーヤ情報記憶部146等の情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0095】
具体的には、本実施形態のゲームサーバ装置10は、端末装置20のユーザ(すなわち、ゲームを実行するプレーヤ)の操作に基づく入力情報を受信し、受信した入力情報に基づいてゲーム処理を行うようになっている。そして、ゲームサーバ装置10は、ゲーム処理結果を端末装置20に送信し、端末装置20は、ゲームサーバ装置10から受信したゲーム処理結果を端末装置20に、ユーザ(すなわち、プレーヤ)に閲覧可能に提供する各種の処理を行うようになっている。
【0096】
端末装置20は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム機等、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30に接続可能な装置である。
【0097】
なお、端末装置20とゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0098】
また、端末装置20は、Webページ(HTML形式のデータ)を閲覧可能なWebブラウザを備えている。すなわち、端末装置20は、ゲームサーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及び、ゲームサーバ装置10から受信したデータ(Webデータ、HTML形式で作成されたデータなど)を用いて表示制御を行う。
【0099】
そして、端末装置20は、ユーザ操作のデータをゲームサーバ装置10に送信するWebブラウザ機能などを備え、ゲーム画面や配信されたゲーム実況に関する画面をユーザに提供する各種の処理を実行し、ユーザによってゲームを実行させ、又は、ゲーム実況を視聴させるようになっている。ただし、端末装置20は、ゲームサーバ装置10から提供されたゲームプレイ情報を取得して所定のゲーム処理を実行し、ゲーム処理に基づくゲームを実行してもよい。
【0100】
具体的には、端末装置20は、所定ゲームを行う旨の要求をゲームサーバ装置10に対して行うと、ゲームサーバ装置10のゲームサイトに接続され、ゲームが開始される。特に、端末装置20は、必要に応じてAPIを用いることにより、SNSサーバとして機能するゲームサーバ装置10に所定の処理を行わせ、又は、SNSサーバとして機能するゲームサーバ装置10が管理するプレーヤ情報記憶部146を取得させてゲームを実行する構成を有している。
【0101】
特に、端末装置20は、必要に応じてAPIを用いることにより、SNSサーバとして機能するゲームサーバ装置10に所定の処理を行わせ、又は、SNSサーバとして機能するゲームサーバ装置10が管理するプレーヤ情報記憶部146を取得させてゲームを実行する構成を有している。
【0102】
一方、端末装置20は、ゲームに用いるプレーヤキャラクタや当該プレーヤキャラクタ
に装着させる装備品などをカスタマイズ(加工)し、流通管理サーバ装置30を介して他のユーザ(具体的には他のユーザの端末装置20)に移転させる。
【0103】
流通管理サーバ装置30は、インターネットを介して通信接続された端末装置20を介して、NFT(Non-Fungible Token)などのアイテムの移転を希望する移転希望ユーザから当該アイテムが移転される移転先ユーザへの当該アイテムの移転を管理するための各種の処理を実行する情報処理装置である。
【0104】
なお、流通管理サーバ装置30は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0105】
また、流通管理サーバ装置30の記憶領域(後述する記憶部340)に記憶されるゲーム視聴情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよいし、記憶領域に記憶される配信用のプログラムなどの情報を、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0106】
[2]ゲームサーバ装置
次に、
図2を用いて本実施形態のゲームサーバ装置10について説明する。なお、
図2は、本実施形態のゲームサーバ装置10の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態のゲームサーバ装置10は
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0107】
ゲームサーバ装置10は、システム管理者やその他の入力に用いるための入力部120、所定の表示を行う表示部130、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、端末装置20やその他と通信を行う通信部196、主に提供するゲームに関する処理を実行する処理部100、及び、主にゲームに用いる各種のデータを記憶する記憶部140を含む。
【0108】
入力部120は、システム管理者等がゲームに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部120は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0109】
表示部130は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部130は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
【0110】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0111】
通信部196は、外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0112】
記憶部140は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部140に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。
【0113】
また、本実施形態の記憶部140は、主記憶部142の他に、
(A1)ゲーム実況プレイ中のゲームプレイに関する情報をゲームプレイ情報として記憶されるゲームデータ記憶部144と、
(A2)各プレーヤに関する情報を示すプレーヤ情報及びプレーヤのゲームに関する情報(以下、「プレーヤ関連情報」という。)が記憶されるプレーヤ情報記憶部146と、
(A3)カスタマイズ可能な各アイテムにおける利用許諾に関する基本情報(以下、「利用許諾基本情報」という。)が記憶される利用許諾基本情報記憶部148と、
を有している。
【0114】
ゲームデータ記憶部144には、プレーヤキャラクタなどのゲームに登場するゲームが実施されるゲームフィールドの情報、及び、各種の判定に用いる条件情報、ゲームフィールド上の各オブジェクトの情報、各オブジェクトを変更するための情報、各種のテーブル情報、各プレーヤのプレーヤキャラクタに関する情報及びゲームに用いられる各アイテムに関する情報などが記憶される。
【0115】
プレーヤ情報記憶部146には、プレーヤ毎に、プレーヤのニックネームやプレーヤID、得点やレベル、及び、課金履歴やログイン履歴などの各種のプレーヤに関する情報が記憶される。
【0116】
また、プレーヤ情報には、各プレーヤが保有するゲーム上に用いられるカスタマイズアイテムが含まれる。
【0117】
利用許諾基本情報記憶部148には、各キャラクタのなどのアイテムのライセンサーの識別情報、名称、又は、価値を決定するための料率などが予め定められた利用許諾基本情報として記憶されている。
【0118】
処理部100は、記憶部140内の主記憶部142をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0119】
処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0120】
例えば、処理部100(プロセッサ)は、情報記憶媒体に記憶されているプログラムに基づいて、ゲームサーバ装置10全体の制御を行うとともに、各部間におけるデータ等の受け渡しの制御などの各種の処理を行う。さらに、端末装置20からの要求に応じた各種サービスを提供する処理を行う。
【0121】
具体的には、本実施形態の処理部100は、通信制御部101、Web処理部102、ゲーム管理部103、プレーヤ管理部104、カスタマイズ処理部105、タイマ管理部109、及び、情報提供部110を少なくとも有している。
【0122】
通信制御部101は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。すなわち、ゲームサーバ装置10は、通信制御部101によって端末装置20等から受信した情報に基づいて各種処理を行う。
【0123】
Web処理部102は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部102は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザ211の要求に
応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザ211によって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0124】
なお、本実施形態では、ゲームサーバ装置10がSNSサーバとしての機能も備えていている場合を例に説明するが、ゲームサーバ装置10を、ゲーム用のサーバと、SNS用のサーバと別々に形成してもよい。また、本実施形態のゲームの処理は、ゲームサーバ装置10が一部又は全部を行ってもよいし、端末装置20が一部を行ってもよい。
【0125】
ゲーム管理部103は、端末装置20と連動し、仮想空間としてのゲーム空間を構築し、当該端末装置20を介して入力されたプレーヤの操作に基づいて、複数のプレーヤによって対戦すると戦闘若しくは格闘などを行うバトルゲーム、アクションゲーム、RPG、音ゲーム、又は、スポーツゲームなどの各種の対戦ゲームに関する各種のゲーム処理を実行する。
【0126】
また、ゲーム管理部103は、端末装置20から送信されたプレーヤ指示に基づいて各種のゲーム処理を実行する。
【0127】
プレーヤ管理部104は、プレーヤが所有するアイテム、及び、獲得した特典を、プレーヤ関連情報として、プレーヤ情報記憶部146に登録して管理するとともに、ゲーム中にプレーヤによって設定されたプレーヤキャラクタ又はそれを設定したデッキの管理を行う。
【0128】
カスタマイズ処理部105は、端末装置20と連動し、プレーヤの指示の下に、プレーヤキャラクタのなどのゲームに登場するキャラクタ又は当該キャラクタに装着される装備品などのアイテムを加工し、当該キャラクタなどの当該プレーヤとは異なる作者(例えば、ゲーム提供者)の作成物が内在する唯一性のある新たなアイテムとして生成する。
【0129】
そして、カスタマイズ処理部105は、生成したアイテムをプレーヤ関連情報としてプレーヤ情報記憶部146に登録する。
【0130】
タイマ管理部109は、タイマ機能を有し、ゲームの進行状況を管理するために用いる。特に、タイマ管理部109は、ゲーム管理部103と連動し、現在時刻や予め設定された時刻を各部に出力する。また、タイマ管理部109は、各端末装置と同期を取るために用いられる。
【0131】
情報提供部110は、端末装置20によってゲームを処理させるため各種のゲーム制御情報を生成して該当する端末装置20に提供する。
【0132】
[3]端末装置
次に、
図3を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、
図3は、本実施形態の端末装置20の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態の端末装置20は
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0133】
入力部260は、プレーヤからの入力情報を入力するための機器であり、プレーヤの入力情報を処理部200に出力する。本実施形態の入力部260は、プレーヤの入力情報(入力信号)を検出する検出部262を備える。入力部260は、例えば、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、キーボード、マウスなどがある。
【0134】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機
能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270は、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272とを含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0135】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0136】
処理部200は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0137】
なお、本実施形態では、ゲームサーバ装置10や流通管理サーバ装置30が有する情報記憶媒体180や記憶部140に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやゲームデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280に記憶する。ゲームサーバ装置10や流通管理サーバ装置30から受信したプログラムやデータを記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信してネットワークシステムを機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0138】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレー)などにより実現できる。音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。なお、例えば、表示部290は、本発明の表示手段を構成する。
【0139】
通信部296は、外部(例えば他の端末、サーバ)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0140】
処理部200(プロセッサ)は、通信部296を介してゲームサーバ装置10から取得したゲームに関する情報(すなわち、ゲーム制御情報)を取得し、入力部260からの入力情報、又は、プログラムなどに基づいて、ゲーム処理、表示制御、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0141】
また、処理部200は、ゲームサーバ装置10と連動して、プレーヤキャラクタなどのゲーム用のアイテム(以下、「ゲームアイテム」という。)をカスタマイズして新たなゲームアイテム(以下、「カスタマイズアイテム」という。)を生成し、当該生成したカスタマイズアイテムをプレーヤのゲーム内で使用可能にプレーヤ情報記憶部146に登録する。
【0142】
そして、処理部200は、流通管理サーバ装置30と連動し、プレーヤ情報記憶部146に既に登録されているカスタマイズアイテムを他のユーザに移転させるための各種の処理を実行する。
【0143】
この処理部200は、記憶部270内の主記憶部271をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0144】
処理部200は、通信制御部210、Webブラウザ211、ゲーム処理部212、表示制御部213、キャラクタ生成部214、描画部220、音処理部230を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0145】
通信制御部210は、ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30のそれぞれとデータを送受信する処理を行う。また、通信制御部210は、ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30から受信したデータを記憶部270に格納する処理、受信したデータを解析する処理、その他のデータの送受信に関する制御処理等を行う。
【0146】
なお、通信制御部210は、サーバの宛先情報(IPアドレス、ポート番号)を情報記憶媒体280に記憶し、管理する処理を行うようにしてもよい。そして、通信制御部210は、プレーヤからの通信開始の入力情報を受け付けた場合に、ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30との通信を行うようにしてもよい。
【0147】
特に、通信制御部210は、ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30にプレーヤの識別情報や操作情報を送信して、ゲームに関する情報(プレーヤ情報、ゲームカード情報、プレーヤのWebページ、及び、ゲーム画面等)やゲーム実況プレイに関する情報をゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30から受信する処理を行う。
【0148】
なお、通信制御部210は、所定周期でゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30とデータ送受信を行ってもよいし、入力部260からの入力情報を受け付けた場合に、ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30とデータ送受信を行ってもよい。特に、本実施形態の通信制御部210は、ゲーム画面やゲーム実況プレイ画面を、ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30から受信する処理を行う。
【0149】
Webブラウザ211は、Webページ(ゲーム画面やゲーム実況プレイ画面)を閲覧するためのアプリケーションプログラムであって、Webサーバ(ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30)から、HTMLファイルや画像ファイル等をダウンロードし、レイアウトを解析して表示制御する。また、Webブラウザ211は、入力フォーム(リンクやボタンやテキストボックス等)を用いてデータをWebサーバ(ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30)に送信する。
【0150】
本実施形態のWebブラウザ211は、ブラウザゲーム、又は、ゲーム実況の視聴を実現することができる。例えば、Webブラウザ211は、Webサーバ(ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30)から受信したJavaScript(登録商標)、FLASH(登録商標)、Java(登録商標)等で記述されたプログラムを実行するものであってもよい。
【0151】
端末装置20は、Webブラウザ211によって、インターネットを介してURLによって指定されたWebサーバからの情報を表示させることができる。例えば、端末装置20は、ゲームサーバ装置10又は流通管理サーバ装置30から受信したゲーム画面(HTML等のデータ)、又は、ゲーム実況プレイ画面をWebブラウザ211によって表示させることができる。
【0152】
また、Webブラウザ211は、ゲーム実況プレイを視聴中に、視聴中のユーザ(すなわち、視聴者)の属性などの視聴者に関連する情報(以下、「視聴者関連情報」という。)と、視聴者によって入力部260を介して入力されたコメントなどの視聴者入力情報と、を流通管理サーバ装置30に提供する。
【0153】
ゲーム処理部212は、種々のゲーム演算処理を行う。例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを実行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0154】
そして、ゲーム処理部212は、プレーヤキャラクタ、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行うようにしてもよい。
【0155】
ここでオブジェクト空間とは、仮想空間であり、2次元空間、3次元空間の両方を含む。2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
【0156】
また、ゲーム処理部212は、ログイン時の各種の情報の送受信制御、ゲームサーバ装置10と連動してリアルタイムでゲームを実行する場合にはプレーヤの操作に基づくゲーム処理の実行、及び、自動演算によってゲームを実行する場合には受信した自動演算データの再生を含むゲーム処理を実行する。
【0157】
また、表示制御部213は、表示部290に表示する処理を行う。例えば、表示制御部213は、Webブラウザ211を用いて表示してもよい。
【0158】
キャラクタ生成部214は、流通管理サーバ装置30と連動し、又は、単独で、プレーヤ(すなわち、ユーザ)の指示に基づいて、ゲームに用いられるプレーヤキャラクタや装備品などのアイテムをカスタマイズし、新たなアイテムをカスタマイズアイテムとして生成するための処理を実行する。
【0159】
描画部220は、処理部200で行われる種々の処理(例えば、ゲーム処理)に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示制御部213によって表示部290に出力する。描画部220が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。
【0160】
音処理部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部292に出力する。
【0161】
[4]流通管理サーバ装置
次に、
図4を用いて本実施形態の流通管理サーバ装置30について説明する。なお、
図4は、本実施形態の流通管理サーバ装置30の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態の流通管理サーバ装置30は、
図4の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0162】
流通管理サーバ装置30は、システム管理者やその他の入力に用いるための入力部320、所定の表示を行う表示部330、所定の情報が記憶された情報記憶媒体380、端末装置20やその他と通信を行う通信部396、主にカスタマイズアイテムのユーザ間の流通を管理するための各種の処理を実行する処理部300、及び、主にカスタマイズアイテムのユーザ間の流通を管理するために用いる各種のデータを記憶する記憶部340を含む。
【0163】
入力部320は、カスタマイズアイテムの流通に関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部320は、マウスやキーボ
ード等によって構成される。
【0164】
表示部330は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部330は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
【0165】
情報記憶媒体380(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0166】
通信部396は、外部(例えば、端末、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0167】
記憶部340は、処理部300や通信部396などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部340に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。
【0168】
また、本実施形態の記憶部340は、主記憶部342の他に、
(A1)カスタマイズアイテムのライセンスなどの利用許諾情報が記憶される利用許諾情報記憶部344と、
(A2)カスタマイズアイテムの自己のゲーム内での使用などの当該カスタマイズアイテムを利用する権利を有している利用者(すなわち、ユーザでありプレーヤ)に関する情報が記憶される利用者情報記憶部346と、
を有し、本発明の記憶手段を構成する。
【0169】
処理部300は、記憶部340内の主記憶部342をワーク領域として各種処理を行う。処理部300の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0170】
処理部300は、情報記憶媒体380に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。すなわち、情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0171】
例えば、処理部300(プロセッサ)は、情報記憶媒体に記憶されているプログラムに基づいて、流通管理サーバ装置30全体の制御を行うとともに、各部間におけるデータ等の受け渡しの制御などの各種の処理を行う。さらに、端末装置20からの要求に応じた各種ゲーム実況の配信サービスを提供する処理を行う。
【0172】
具体的には、本実施形態の処理部300は、通信制御部301、Web処理部302、アイテム管理部303、移転検出部304、価値特定部305、認定マーク付与制御部306、及び、タイマ管理部309を少なくとも有している。
【0173】
なお、例えば、本実施形態のアイテム管理部303は、本発明の管理手段、受付処理手段を構成し、移転検出部304は、本発明の移転検出手段、作成物検出手段、支払い検出手段及び提供手段を構成する。また、本実施形態の価値特定部305は、本発明の価値特定手段を構成し、認定マーク付与制御部306は、本発明の正規マーク制御手段を構成する。
【0174】
通信制御部301は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。すなわち、流通管理サーバ装置30は、通信制御部301によって端末装置20等から受信した情報に基づいて、カスタマイズアイテムの流通に関する各種処理を行う。
【0175】
Web処理部302は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部302は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザ211の要求に応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザ211によって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0176】
アイテム管理部303は、カスタマイズアイテムが生成されたとき、当該カスタマイズアイテムに内在する他人の著作物などの作成物に関する利用許諾情報(例えば、ライセンス情報)を利用許諾情報記憶部344に登録するとともに、生成したユーザ(すなわち、最初の利用者)の情報を利用者情報として利用者情報記憶部346に登録する。
【0177】
また、アイテム管理部303は、カスタマイズアイテムが生成された場合、又は、当該カスタマイズアイテムの第1のユーザから第2のユーザへの移転が検出された場合に、当該カスタマイズアイテムに内在する他人の作成物に関する利用許諾情報を利用許諾情報記憶部344に登録するとともに、第1のユーザ(すなわち、最初の利用者であって移転希望ユーザ)と第2のユーザ(すなわち、移転先ユーザ)の情報を利用者情報として利用者情報記憶部346に登録する。
【0178】
そして、アイテム管理部303は、既に登録されているカスタマイズアイテムの第1のユーザ(すなわち、移転希望ユーザ)から第2のユーザ(すなわち、移転先ユーザ)への移転を検出した場合に、既に登録されている利用許諾情報及び利用者情報の更新を行う。
【0179】
さらに、アイテム管理部303は、移転希望ユーザから移転(例えば、販売)を希望するカスタマイズアイテムの管理をしつつ、移転先として希望するユーザと、移転希望ユーザとの取引が成立した場合に、対価の支払いを実行するための各種の処理を実行する。
【0180】
移転検出部304は、移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザへの、カスタマイズアイテムの移転(すなわち、当該カスタマイズアイテムを利用するための利用権の移転)を検出する移転検出処理を実行する。
【0181】
価値特定部305は、カスタマイズアイテムが移転する場合(すなわち、利用権が移転する場合)のカスタマイズアイテムに内在する作成物に関する価値を特定する。
【0182】
そして、価値特定部305は、通信制御部301を介して、特定した価値を該当するユーザの端末装置20に提供(通知)する。
【0183】
認定マーク付与制御部306は、生成された又は移転されたカスタマイズアイテムに内在する作成物に対する価値が支払われたことが検出する。
【0184】
そして、認定マーク付与制御部306は、価値が支払われたことが検出された場合に、移転されたカスタマイズアイテムに正規の作成物であることを示す正規マークを付すための処理、及び、当該カスタマイズアイテムの使用中に当該正規マークを表示させるための処理の少なくともいずれか一方を実行する。
【0185】
タイマ管理部309は、タイマ機能を有し、ゲーム管理部103と連動し、現在時刻や予め設定された時刻を各部に出力する。また、タイマ管理部109は、各端末装置20と
同期を取るために用いられる。
【0186】
[5]本実施形態の手法
[5.1]概要
次に、
図5を用いて本実施形態のユーザによって生成されたカスタマイズアイテムの移転に関する処理(以下、「移転関連処理」という。)の概要について説明する。
【0187】
なお、
図5は、本実施形態のユーザによって生成されたカスタマイズアイテムの移転関連処理の概要について説明するための図である。
【0188】
本実施形態の流通管理サーバ装置30は、唯一性を有し、当該ユーザ(以下、「生成ユーザ」という。)とは異なる作者(例えば、ゲームメーカやゲームを創作した創作者)の作成物が内在する生成物であって、ユーザによって生成された生成物としてのカスタマイズアイテムにおける流通を管理するサーバ装置である。
【0189】
すなわち、本実施形態の流通管理サーバ装置30は、例えば、ユーザによってカスタマイズされたゲームに用いられるオリジナルのプレーヤキャラクタなどの、作成物を利用して生成されたNFTとしてのカスタマイズアイテム(生成物)を、ユーザ間において流通させる場合に用いられる構成を有している。
【0190】
そして、本実施形態の流通管理サーバ装置30は、当該利用した作成物(すなわち、オリジナルのプレーヤキャラクタ)の利用許諾の管理、及び、当該作成物を利用するカスタマイズアイテムをゲームなどによって利用するユーザ(以下、「利用ユーザ」又は「利用者」とおいう。)の管理をし、生成ユーザが生成したカスタマイズアイテムであっても、作者の作成物として移転に関する追跡を可能にする構成を有している。
【0191】
具体的には、本実施形態の流通管理サーバ装置30は、
図5に示すように、各カスタマイズアイテムに内在する作成物の利用許諾情報と、各カスタマイズアイテムを利用する利用者の利用者情報と、を管理する構成を有している。
【0192】
そして、流通管理サーバ装置30は、
図5に示すように、移転関連処理として、
(A1)カスタマイズアイテムの移転を希望する移転希望ユーザから、移転先のユーザである移転先ユーザに、当該カスタマイズアイテムを利用するための利用権の移転を検出する処理(以下、「移転検出処理」という。)、
(A2)利用権が移転する場合の当該カスタマイズアイテムに内在する作成物に関する価値を特定する処理(以下、「価値特定処理」という。)、及び、
(A3)利用権が移転希望ユーザから移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、移転対象のカスタマイズアイテムに関し、利用許諾情報及び利用者情報を更新する処理(以下、「利用許諾情報等更新処理」という。)、
を実行する構成を有している。
【0193】
なお、
図5には、ゲームに用いるゲームキャラクタ(勇者)の作成物が内在され、カスタマイズ処理が実行されたことよって生成されたカスタマイズアイテムのアイテムAについて、
(B1)移転希望ユーザの端末装置20-1から移転希望が指示されて販売サイトに登録された場合であって、
(B2)当該登録されたアイテムAについて、移転先ユーザの端末装置20-2から取得希望が指示された場合に、
(B3)当該アイテムAが端末装置20-1から端末装置20-2に移転される場合、
が例示されている。
【0194】
また、
図5には、このような場合において、流通管理サーバ装置30によって移転検出処理、価値特定処理及び利用許諾情報等更新処理が実行される場合の例が示されている。ただし、
図5においては、カスタマイズアイテムが端末装置20-1から端末装置20-2に移転することが示されているが、実際には、流通管理サーバ装置30において、ユーザの端末装置20間を仮想的に移転していること、利用許諾情報及び利用者情報が異なるユーザに対応付けて記憶及び更新され、当該流通管理サーバ装置30から読み出されることによって移転先のユーザがカスタマイズアイテムを使用することができるようになっている。
【0195】
本実施形態の流通管理サーバ装置30及びそれを含むゲームアイテム流通管理システム1は、このような構成を有することによって、ユーザがゲームメーカなどの他人の作成物を利用して新たにカスタマイズアイテムを生成した場合に、作成物の利用許諾や当該カスタマイズアイテムの流通に関する適切な管理を実行し、かつ、当該カスタマイズアイテムの移転に伴って作成物の価値を特定することができるので、当該カスタマイズアイテムのユーザ間における流通に伴う作成物の利用許諾料をも徴収することができるようになっている。
【0196】
そして、本実施形態の流通管理サーバ装置30及びそれを含むゲームアイテム流通管理システム1は、作成物を創作した作者の権利を保護しつつ、例えば、ゲームやネットワークなどの仮想空間上に存在する利用が容易な電子的な作成物を利用してユーザがカスタマイズアイテムを生成した場合であっても、当該作者の権利を適切に保護することができるので、当該作成物の積極的な活用を促すことができるようになっている。
【0197】
なお、本実施形態においては、生成物として、電子的に生成されて流通可能なゲームに用いるカスタマイズアイテムを用いて説明する。
【0198】
[5.2]各種の情報
[5.2.1]利用許諾情報
次に、
図6を用いて本実施形態の利用許諾情報について説明する。なお、
図6は、本実施形態の利用許諾情報記憶部344に記憶される利用許諾情報の一例である。
【0199】
利用許諾情報は、各カスタマイズアイテムに内在する作成物の利用許諾に関する情報であって、カスタマイズアイテム毎に、利用許諾情報記憶部344に記憶される。
【0200】
特に、利用許諾情報は、例えば、ライセンサーなどの生成物に内在する作成物の作者に関する情報であって予め付与又は特定されている情報である。
【0201】
例えば、利用許諾情報には、
図6に示されるように、
(A1)ライセンサーの数、
(A2)各ライセンサーの識別情報、
(A3)各ライセンサーの名称、及び、
(A3)価値を決定するための料率(例えば、利用形態や期間などによって異なる料率が設定されている場合も含む。)、
などの情報が含まれる。
【0202】
そして、ライセンサーの数とは、2以上の作成物が内在する場合において各作成物が異なる作者に属する場合の数を示す。
【0203】
また、ライセンサー情報に、2以上のライセンサーが含まれる場合には、それぞれのラ
イセンサーについて、識別情報、名称、及び、価値の料率(以下、「利用許諾料率」という。)が含まれる。
【0204】
[5.2.2]利用者情報
次に、
図7を用いて本実施形態の利用者情報について説明する。なお、
図7は、本実施形態の利用者情報記憶部346に記憶される利用者情報の一例である。
【0205】
利用者情報は、各カスタマイズアイテムに内在する著作物などの作成物を利用するための権利を有する利用者の情報であり、カスタマイズアイテムの移転時の利用者(最新の利用者)を特定する情報(以下、「利用者特定情報」という。)及び当該移転時までの移転状況を示す移転履歴情報を含む。
【0206】
特に、利用者情報は、各カスタマイズアイテムに内在する作成物の利用が正規に許諾されたことを示す利用権を証明するものとして機能し、現在の利用者情報に登録されているユーザに、当該カスタマイズアイテムに内在する作成物に限ってゲームや端末装置20において利用させることを許諾していることを示す情報である。
【0207】
すなわち、利用権とは、基本的には、ゲーム提供者などの作者の作成物が内在している状態で、かつ、当該作者から許諾されている権利であって、カスタマイズアイテムをゲームに用いるなどの仮想空間内で利用(例えば、使用及び譲渡)すること、及び、実空間内において利用すること(例えば、使用及び譲渡)が可能な権利であり、利用情報は、これらを規定する情報である。
【0208】
例えば、利用者特定情報には、
(A1)各利用者の利用者識別情報(すなわち、利用者ID)、
(A2)利用者の氏名又は名称などの名称情報、
(A3)連絡先に関する情報(以下、「連絡先情報」という。)、及び、
(A4)特定の属性(例えば、プレミア会員などの特別会員の属性)を有しているか否か又はその情報の有無若しくはランクやレベル、
などが含まれる。
【0209】
また、例えば、移転履歴情報には、
(B1)移転回数、
(B2)移転内容(移転した際の作成物に関する価値、又は、過去の価値の総額)、
(B3)利用者になった数(すなわち、過去の利用者の人数)、及び、
(B4)過去の利用者の利用者ID及び名称情報などの利用者特定情報、
などが含まれる。
【0210】
特に、移転内容には、例えば、過去に得た利用権における生成物の種別や金額、移転によって生じた作成物の価値、過去の価値を含めた総額、又は、移転した日時を含む。
【0211】
[5.3]移転関連処理の前提となる処理
[5.3.1]カスタマイズ処理
次に、
図8を用いて本実施形態のカスタマイズアイテムの移転の前提となるゲームサーバ装置10によって実行される処理であって、当該カスタマイズアイテムを生成する処理(以下、「カスタマイズ処理」という。)について説明する。
【0212】
なお、
図8は、本実施形態のゲームサーバ装置10によって実行されるカスタマイズ処理について説明するための図である。
【0213】
カスタマイズ処理部105は、端末装置20と連動し、アイテムを加工してカスタマイズアイテムを生成するカスタマイズ処理を実行する。
【0214】
特に、カスタマイズ処理部105は、ゲームによって提供されているキャラクタや装備品などのアイテムとしての作成物を加工し、唯一性のある新たなアイテムをカスタマイズアイテムとして生成する。
【0215】
すなわち、カスタマイズ処理部105は、プレーヤであるユーザの指示に従って、ゲーム提供者である他人の作成物を利用しつつも、他には存在しない唯一性(オリジナル)を有し、新たなアイテムをカスタマイズアイテムとして生成することが可能な構成を有している。
【0216】
具体的には、カスタマイズ処理部105は、カスタマイズアイテムとして
(A1)ゲームに使用するプレーヤキャラクタなどのユーザによって彩色や装備の装着、又は、特定の姿勢などのカスタマイズされたキャラクタ、及び、
(A2)キャラクタによって使用される武器や道具(プレーヤキャラクタに装着するものであってもよいし、運転するようなロボットや車両などの移動体であってもよい)、
などをカスタマイズ(生成)する。
【0217】
一方、本実施形態においては、カスタマイズアイテム処理を実行する手法については特に限定されないが、例えば、ゲームの提供者などによって提供されたカスタマイズ用のテンプレートのデータ(以下、「テンプレートデータ」という。)を用いることが可能である。
【0218】
すなわち、本実施形態において、カスタマイズ処理部105は、カスタマイズアイテムに利用するゲームに登場するキャラクタなどの作成物の加工に関する仕様が規定されている作成物データとしてのテンプレートデータを用いてカスタマイズ処理を実行してもよい。
【0219】
具体的には、カスタマイズ処理部105は、アイテム毎に、又は、アイテムの種別毎に、例えば、
図8に示すように、配色を規定するためのテンプレートデータ、代替のパーツが規定されたテンプレートデータ、所定のポーズや予め定められた動き(連続的なポーズ)が規定されたテンプレートデータ、又は、これらのうちいずれか2以上の組み合わせが規定されたテンプレートデータを用いる。
【0220】
特に、カスタマイズ処理部105は、このように、カスタマイズを希望するユーザによって、テンプレートデータに基づく操作指示を受け付けた場合に、該当するプレーヤキャラクタに対して該当するテンプレートデータを用いてカスタマイズ処理を実行する。
【0221】
例えば、プレーヤキャラクタの配色を規定するためのテンプレートデータとしては、一色で着色する範囲(腕の部分、角の部分又は脚の部分など)及び選択可能な色(赤、青、黄色など)が規定されている。
【0222】
また、例えば、ポーズを規定するためのテンプレートデータとしては、プレーヤキャラクタの各パーツの可動範囲に基づく位置、入れ替える各パーツ、及び、着脱可能な装備の種類とその取付位置が規定されている。
【0223】
なお、
図8には、作成物としての勇者のゲームキャラクタに対して、テンプレートデータとして、勇者の剣を有しているボディのパーツ(以下、「ボディパーツA」という。)と、デザインが異なる2つのボディパーツ(以下、「ボディパーツB」及び「ボディパー
ツC」という。)が提供されている場合の例が示されている。
【0224】
また、
図8には、最終的に、ユーザの選択により作成物に対してボディパーツCが選択されたカスタマイズアイテムが生成されている例が示されている。
【0225】
カスタマイズ処理部105は、上述したように、生成したユーザに対応付けて生成したカスタマイズアイテムをプレーヤ関連情報としてプレーヤ情報記憶部146に登録する。
【0226】
また、カスタマイズ処理部105は、カスタマイズアイテムを新たに生成すると、固有の識別情報(アイテムID)を付与し、生成したユーザのユーザIDとともに、利用許諾情報及び利用者情報を、それぞれ、利用許諾情報記憶部344及び利用者情報記憶部346を新規に登録する。
【0227】
[5.3.2]取引管理
次に、本実施形態のカスタマイズアイテムの移転の起因となる流通管理サーバ装置30によって実行されるカスタマイズアイテムの取引に関する処理(以下、「取引処理」)及びその管理(すなわち、取引管理)について説明する。
【0228】
アイテム管理部303は、ゲーム内又はゲーム外において、通信販売サイト、フリーマケットサイト、又は、オークションサイトなどのカスタマイズアイテムのユーザ間における取引を行うWebサイトを運営するための各種の処理を実行する。
【0229】
そして、アイテム管理部303は、通信制御部301と連動しつつ、端末装置20に入力された各ユーザの指示に基づいて、カスタマイズアイテムの他のユーザへの移転を希望すると、取引するための価格(すなわち、販売価格)や著作権に関する情報など当該カスタマイズアイテムをユーザ間において取引するための各種の情報を収集してサイト内で販売するための情報(すなわち、他のユーザに閲覧可能に掲示するための情報)を生成し、当該情報を販売サイトで他のユーザが閲覧可能に表示するための処理を実行する。
【0230】
なお、アイテム管理部303は、通信制御部301を介して、他のユーザからカスタマイズアイテムの獲得希望の指示を受信すると、代金の支払いに関する処理、及び、カスタマイズアイテムの電子データとしての移転に関する処理など、移転希望ユーザから移転先ユーザへの当該カスタマイズアイテムの取引に関する処理を実行する。
【0231】
[5.3.3]カスタマイズアイテム登録処理
次に、本実施形態の流通管理サーバ装置30によって実行されるカスタマイズアイテムの移転対象として登録を行う処理(以下、「カスタマイズアイテム登録処理」という。)について説明する。
【0232】
アイテム管理部303は、カスタマイズアイテムが生成されると、ユーザの指示に基づいて、ユーザによって生成されたカスタマイズアイテムにおける作成物の利用に関する利用申請を受け付ける受付処理を実行する。
【0233】
そして、アイテム管理部303は、受け付けられた利用申請の指示に基づいて、生成されたカスタマイズアイテムに対応付けて、上述のように、少なくとも当該カスタマイズアイテムの利用許諾情報を利用許諾情報記憶部344に登録する。
【0234】
特に、アイテム管理部303は、カスタマイズアイテムが新たに生成されると、固有の識別情報(アイテムID)を付与し、生成したユーザのユーザIDとともに、利用許諾情報及び利用者情報を、それぞれ、利用許諾情報記憶部344及び利用者情報記憶部346
に新規に登録する。
【0235】
なお、新規な登録される利用許諾情報に含まれる各情報は、ゲームサーバ装置10から取得する。
【0236】
例えば、ライセンサー情報には、
図6に示されるように、
(A1)ライセンサーの数、
(A2)各ライセンサーの識別情報、
(A3)各ライセンサーの名称、及び、
(A3)価値を決定するための利用許諾料率(例えば、利用形態や期間などによって異なる料率が設定されている場合も含み、複数のライセンサーが設定されている場合には、合計の料率も含む。)、
などの情報が含まれる。
【0237】
なお、アイテム管理部303は、基本的には、利用許諾情報を登録する際に、上述のように、カスタマイズアイテムの生成及び登録を申請しているユーザの端末装置20から当該ユーザのプレーヤ情報を取得し、当該取得したプレーヤ情報を利用者情報として利用者情報記憶部346に記憶する。
【0238】
[5.4]移転関連処理
[5.4.1]移転検出処理
次に、本実施形態の流通管理サーバ装置30によって実行される移転関連処理のうち、移転検出処理について説明する。
【0239】
移転検出部304は、上記のように生成されたカスタマイズアイテムの移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザへの当該カスタマイズアイテムの移転(具体的には、利用権の移転)を検出する移転検出処理を実行する。
【0240】
具体的には、移転検出部304は、移転希望ユーザ(すなわち、第1のユーザ)がカスタマイズアイテムの他のユーザへの移転を希望し、第2のユーザ(すなわち、移転先ユーザ)が当該カスタマイズの引き取りを希望し、かつ、移転希望ユーザと移転先ユーザとが当該カスタマイズアイテムの移転に合意した場合に、移転希望ユーザの管理下にあるカスタマイズアイテムの利用権が、移転先ユーザの管理下に移動した場合に、当該カスタマイズアイテムの移転を検出する。
【0241】
例えば、移転検出部304は、上述のようなに、移転希望ユーザがゲーム内の取引サイトにカスタマイズアイテムを出品した場合に、当該移転希望ユーザがカスタマイズアイテムの他のユーザへの移転を希望したことを検出する。
【0242】
また、例えば、移転検出部304は、移転先ユーザが移転希望ユーザによって出品したカスタマイズアイテムの購入を要求した場合(購入のための支払いを含む。)に、当該移転先ユーザが当該カスタマイズの獲得を希望したことを検出する。
【0243】
そして、例えば、移転検出部304は、購入代金の支払いの完了又は着金、及び、移転対象のカスタマイズアイテムの電子データの送信又は受領を検出した場合に、移転希望ユーザと移転先ユーザとが当該カスタマイズアイテムの移転に合意したことを検出する。
【0244】
このように、各条件を具備した場合に、移転検出部304は、当該カスタマイズアイテムが移転希望ユーザから移転先ユーザに移転したことを検出する。
【0245】
なお、移転検出部304は、カスタマイズアイテムがゲームに用いられるアイテムの場合には、ゲームサーバ装置10と連動し、当該カスタマイズアイテムの各情報を、移転先ユーザに対応付けてプレーヤ情報記憶部146に記憶する。
【0246】
[5.4.2]価値特定処理
次に、本実施形態の流通管理サーバ装置30によって実行される利用許諾移転関連処理のうち、価値特定処理について説明する。
【0247】
価値特定部305は、上記のようにカスタマイズアイテムが移転する場合(すなわち、当該カスタマイズアイテムの利用権の移転)のカスタマイズアイテムに内在する作成物に関する価値を特定する価値特定処理を実行する。
【0248】
特に、価値特定部305は、カスタマイズアイテムの移転が実行される場合(すなわち、当該カスタマイズアイテムの利用権が移転する場合)に、当該カスタマイズアイテムの利用許諾情報及び利用者情報を利用許諾情報記憶部344又は利用者情報記憶部346から読み出す。
【0249】
そして、価値特定部305は、読み出した利用許諾情報、利用者情報、又は、その双方に基づいて、所定の計算式などによって対象のカスタマイズアイテムに内在する作成物に関する価値を算定する。
【0250】
具体的には、価値特定部305は、利用許諾情報として、ライセンサーの数、及び、価値を決定するための利率の情報を用いて、対象のカスタマイズアイテムに内在する作成物に関する価値を算定する。
【0251】
また、価値特定部305は、価値を決定するための利率の情報を用いつつ、利用者情報として、過去の移転状況を示す履歴情報であって、移転が発生するまでの移転状況を示す移転履歴情報を用いて、対象のカスタマイズアイテムに内在する作成物に関する価値を算定してもよい。
【0252】
特に、価値特定部305は、価値を決定するための利率の情報を用いつつ、利用情報として、移転回数、移転内容(移転した際の作成物に関する価値、又は、過去の価値の総額)、利用者の数(すなわち、過去の利用者の人数)などを用いて、対象のカスタマイズアイテムに内在する作成物に関する価値を算定してもよい。
【0253】
なお、移転内容には、過去に得た利用権におけるカスタマイズアイテムの種別や金額、移転によって生じた作成物の価値、過去の価値を含めた総額などが含まれる。
【0254】
例えば、価値特定部305は、ライセンサーの数が多ければ、その数が少ない場合に比べて移転毎に発生する価値を低額にし、移転回数が多ければ、その回数が少ない場合に比べて発生する価値が低額にする。ただし、価値特定部360は、移転回数を用いて価値を特定する場合には、移転が繰り返される毎に少なくなるように、当該価値を特定する。
【0255】
また、例えば、価値特定部305は、移転回数が多い若しくは利用者となった人数が多い場合には早く消尽するとしてカスタマイズアイテムに内在する作成物の価値を低額にし、若しくは、プレミアになるとして高額にし、又は、移転元の利用者が特別な会員としてのステータスを有している場合に、低額にしてもよい。
【0256】
一方、価値特定部305は、特定した価値については移転先ユーザ又は移転希望ユーザの端末装置20に通知してもよい。
【0257】
例えば、価値特定部305は、特定した価値については、当該移転希望ユーザがカスタマイズアイテムの他のユーザへの移転を希望したことを検出した場合、すなわち、移転希望ユーザがゲーム内の取引サイトにカスタマイズアイテムを出品した場合に、価値を特定する。
【0258】
この場合には、価値特定部305は、ゲームサーバ装置10や移転検出部304と連動して、出品されたカスタマイズアイテムの他のユーザに閲覧させるための閲覧情報内に、特定した価値を表示するための制御を実行する。
【0259】
なお、該当する端末装置20は、Webブラウザ機能によって、閲覧情報を取得すると、当該取得した閲覧情報に基づいて、価値を含む販売価格が明示されたカスタマイズアイテムを販売するための画像を表示する。
【0260】
また、この場合には、アイテム管理部303は、販売中のカスタマイズアイテムにおいて特定のユーザによって購入されてその販売額が決済されると、その一部を作成物の利用する権利に充当される利用許諾料として作者への支払いに関する処理(作者の銀行などの口座へ振り込む決済処理の指示など)を実行する。
【0261】
さらに、アイテム管理部303は、移転検出処理の実行後に、上述のように価値を特定し、当該特定した価値を移転先ユーザの端末装置20に通知してよい。
【0262】
この場合には、アイテム管理部303は、移転先ユーザの端末装置20価値の支払いについてはカスタマイズアイテムの移転時の決済とは異なる決済を実行してもよい。
【0263】
また、この場合には、価値特定部305は、移転先ユーザの端末装置20に、特定した価値を通知する場合には、利用者情報に記憶された現在の利用者の情報に基づいて、当該通知を実行する。
【0264】
[5.4.3]更新処理
次に、本実施形態の流通管理サーバ装置30によって実行される利用許諾移転関連処理のうち、更新処理について説明する。
【0265】
アイテム管理部303は、移転対象のカスタマイズアイテムが移転希望ユーザから移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、当該カスタマイズアイテムに関し、利用者情報記憶部346に記憶されている利用者情報を更新する。
【0266】
特に、アイテム管理部303は、移転対象のカスタマイズアイテムの移転先ユーザへの移転が完了した場合に、該当する利用者情報の更新を行う。
【0267】
具体的には、アイテム管理部303は、利用者情報の利用者特定情報に記憶されている各情報を、移転履歴情報に組み込むとともに、移転先ユーザに関する情報を該当する端末装置20から取得し、当該取得した移転先ユーザの情報に利用者特定情報を書き換える。
【0268】
なお、アイテム管理部303は、カスタマイズアイテムに内在する作成物の利用許諾料の料率を変更する場合には、移転対象のカスタマイズアイテムが移転希望ユーザから移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、利用情報とともに利用許諾情報記憶部344に記憶されている該当するカスタマイズアイテムの作成物の利用許諾情報も更新する。
【0269】
[5.5]正規マーク表示制御処理
次に、
図9を用いて本実施形態の流通管理サーバ装置30によって実行される正規マーク表示制御処理について説明する。
【0270】
なお、
図9は、本実施形態の流通管理サーバ装置30によって実行される正規マーク表示制御処理について説明するための図である。
【0271】
認定マーク付与制御部306は、上述のように移転関連処理によって、生成された又は移転されたカスタマイズアイテムに内在する作成物に対する価値が支払われたことが検出する。
【0272】
そして、認定マーク付与制御部306は、価値が支払われたことを検出した場合に、カスタマイズアイテムの使用中に当該正規マークを表示させるための正規マーク表示制御処理を実行する。
【0273】
具体的には、認定マーク付与制御部306は、上述のように、移転対象のカスタマイズアイテムが移転希望ユーザから移転先ユーザに移転されたことが検出された場合に、カスタマイズアイテムに内在する作成物に対する価値が支払われたと検出する。
【0274】
また、認定マーク付与制御部306は、当該作成物に対する価値が支払われたと検出すると、移転関連処理によって新たにゲームサーバ装置10において移転先ユーザのアイテムとして登録したされたカスタマイズアイテムの情報に、カスタマイズアイテムの使用中に当該正規マークを表示させるための制御データ(以下、「正規マーク表示制御データ」という。)を付加する正規マーク表示制御処理を実行する。
【0275】
なお、端末装置20は、正規マーク表示制御データを有するカスタマイズアイテムを表示する場合には、受信したゲーム制御データに含まれる正規マーク表示制御データに基づいて、例えば、
図9に示すように、ゲーム画面の所与の位置に、いわゆる、著作権により保護されている作成物が存在していることを示すマルシーマークを表示させる。
【0276】
また、
図9には、カスタマイズアイテムについて正規マーク「2022株式会社○○」が表示されている例が示されている。
【0277】
[5.6]変形例
次に、
図10~
図12を用いて本実施形態の変形例について説明する。
【0278】
なお、
図10及び
図11は、変形例4おける情報分散管理型流通管理サーバ装置に基づくゲームアイテム流通管理システムの構成を示すシステム構成の一例を示す図であり、
図12は、変形例5おける情報分散管理流通ネットワークシステムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0279】
(変形例1:サーバ装置の他の構成例)
本実施形態のゲームアイテム流通管理システム1においては、ゲームサーバ装置10及び流通管理サーバ装置30をそれぞれ別個独立させているが、双方の機能を有する1台のサーバ装置によって実現してもよい。
【0280】
(変形例2:生成物がアナログの場合)
本実施形態では、生成物として電子的なカスタマイズアイテムを用いて説明しているが、おもちゃ、又は、キャラクタグッズなどのアナログ的な物品であっても上記の流通管理システムに適用してもよい。
【0281】
例えば、物品に対して2次元バーコードや識別番号などの識別情報を付与し、当該識別情報を用いて各物品の流通管理を行う。
【0282】
具体的には、アイテム管理部303は、カスタマイズアイテムに代えて、当該カスタマイズアイテム毎に付与された識別情報(アイテムID)を電子的に移転させて物品としてのカスタマイズアイテムの流通を管理する。ただし、この場合であっても、利用許諾情報及び利用者情報については電子的なアイテムと同様に、流通管理サーバ装置30又はゲームアイテム流通管理システム1によって管理される。
【0283】
一方、カスタマイズアイテムがアナログ的な物品の場合において、正規マーク表示制御処理としては、印刷などの出力を行うことによって、物理的な正規マークをカスタマイズアイテムに貼り付けるための貼付け制御処理を実行してもよいし、当該正規マークを電子的に表示するための電子表示制御処理を実行してもよい。
【0284】
例えば、端末装置20は、貼付け制御処理として、図示しない印刷装置などの出力装置に有線又は無線によって接続され、流通管理サーバ装置30から提供されたデータにも基づいて、カスタマイズアイテムに貼り付けるための正規マークを印刷出力させる。
【0285】
また、例えば、端末装置20は、電子表示制御処理として、カスタマイズアイテムと通信接続を実行し、当該カスタマイズアイテムの一部に設けられたディスプレイに表示させるための正規マークを提供する。
【0286】
(変形例3:画像検出に基づくカスタマイズアイテムの登録処理)
上記の実施形態においては、カスタマイズアイテムを生成したユーザの申請に基づいて、当該カスタマイズアイテムのユーザ間の流通における登録を実行しているが、ユーザの利用申請にかかわらず、画像検出処理を用いて当該カスタマイズアイテムの登録を実行してもよい。
【0287】
特に、アイテム管理部303は、画像として構成されるカスタマイズアイテムの流通過程(例えば、販売サイトへの登録時又は移転時)で、流通中のカスタマイズアイテムに内在する作成物における利用許諾情報、利用者情報又はその双方の情報の登録の有無を検出し、当該利用許諾情報などが未登録と判定した場合に、該当するカスタマイズアイテムについて利用許諾情報及び利用者情報を登録するカスタマイズアイテムの登録処理を実行する。
【0288】
具体的には、アイテム管理部303は、流通過程のカスタマイズアイテムにおいて、当該カスタマイズアイテムの利用許諾情報及び利用者情報の有無を検出し、当該利用許諾情報及び利用者情報の登録の無いカスタマイズアイテムを特定する。
【0289】
そして、アイテム管理部303は、特定したカスタマイズアイテムの画像と、予め登録されている作成物の画像と、を比較し、当該作成物の画像と同一又は同一とみなされる画像を有しているカスタマイズを検出する。
【0290】
このとき、アイテム管理部303は、同一とみなされる画像としては、カスタマイズアイテムの画像を構成する各画素(特徴点)の特徴量と作成物として登録された画像を構成する各画素の特徴量との差を算出し、当該算出した差がしきい値以上の場合に、同一とみなされる画像を有しているカスタマイズアイテムであると検出する。
【0291】
また、アイテム管理部303は、予め登録されている作成物の画像と同一又は同一とみ
なされる画像を有しているカスタマイズアイテムを検出した場合に、当該カスタマイズアイテムの利用許諾情報及び利用者情報を新規に、利用許諾情報記憶部344又は利用者情報記憶部346に記憶する。
【0292】
なお、例えば、アイテム管理部303は、ユーザ間における取引を行うためのWebサイトに掲載される新規なカスタマイズアイテムの画像をチェックすることによって、流通過程のカスタマイズアイテムの利用許諾情報及び利用者情報の有無を検出する。ただし、アイテム管理部303は、移転関連処理の実行中に、カスタマイズアイテムの画像をチェックしてもよい。
【0293】
また、例えば、アイテム管理部303は、登録すべき利用許諾情報及び利用者情報としては、利用許諾基本情報記憶部148、又は、該当するユーザのプレーヤとしてのプレーヤ情報を読み出し、当該読み出した利用許諾情報及び利用者情報を新規に利用許諾情報記憶部344又は利用者情報記憶部346に記憶する。
【0294】
(変形例4:情報分散管理型流通管理サーバ装置)
上記実施形態において、情報分散管理型の流通管理サーバ装置を用いて、例えば、ブロックチェーン技術などを用いてデータ(特にNFTのデータ)を分散的に台帳管理する分散型台帳管理に基づく処理(以下、「情報分散管理処理」という。)を実行してもよい。
【0295】
すなわち、本変形例は、
図10に示すように、情報分散管理型の流通管理サーバ装置(以下、「情報分散管理型流通管理サーバ装置」という。)31を用いて、特定の管理者が存在し、限定されたユーザのみが利用可能なプライベート型のゲームアイテム流通管理システムにおいても適用可能である。
【0296】
特に、情報分散管理型流通管理サーバ装置31は、
図10に示すように、上記のような移転が実行される毎に、移転対象のカスタマイズアイテムの利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に複数のデータベース440に記憶されている他の移転情報に基づいて、特定の暗号化処理を実行して移転暗号化情報を生成し、当該生成した移転暗号化情報を複数のデータベース440に分散的に記憶させる暗号化分散管理処理を実行する。
【0297】
具体的には、情報分散管理型流通管理サーバ装置31は、1のカスタマイズアイテムの利用者情報が更新される毎に、又は、管理すべきカスタマイズアイテムが増加する毎に、(A1)移転対象の各カスタマイズアイテムの移転情報をそれぞれ所与のフォーマット(移転先ユーザなどの利用者の秘密鍵)で暗号化しつつ、1以上の移転情報によってブロック化し、
(A2)IDとして機能し、その前にブロックとして各データベース440に記憶されている他の移転情報のブロックの内容から一定の演算によって算出されたハッシュ値などの規則性のない固定長の値(以下、「前ブロック特定値」ともいう。)を特定し、
(A3)ナンス値などの調整するための値(以下、「調整値」ともいう。)を特定し、
(A4)前ブロック特定値、移転情報ブロックと、調整値を用いてブロックを生成し、
(A5)生成したブロックを複数のデータベース440にそれぞれ記憶する。
【0298】
なお、情報分散管理型流通管理サーバ装置31は、利用情報及び利用許諾情報の記録管理以外の処理については、上述の実施形態の流通管理サーバ装置30と同様であるため、その説明を省略する。ただし、移転関連処理などによって移転情報を読み出す場合には、該当する利用者の秘密鍵を用いて復号化する。
【0299】
また、本変形例においては、所定のタイミング毎として、移転が実行される毎に、新規
のカスタマイズアイテムが生成される毎に、予め定められた時間毎(例えば、10分毎)に、ブロックを生成している。
【0300】
さらに、
図11に示すように、複数の情報分散管理型流通管理サーバ装置31を有し、複数の管理主体が存在することによって形成されたコンソーシアム型のゲームアイテム流通管理システムにおいても適用可能である。
【0301】
(変形例5:情報分散管理流通ネットワークシステム)
上記実施形態において、複数の端末装置20によって形成され、各端末装置20に形成された記憶部240又は複数のデータベースによって形成されたシステムであって、例えば、ブロックチェーン技術などを用いてデータ(特にNFTのデータ)を分散的に台帳管理する分散型台帳管理に基づく情報分散管理処理を実行してもよい。
【0302】
すなわち、本変形例は、
図12に示すように、上記の実施形態における各処理を、移転希望ユーザの端末装置20又は移転先ユーザの端末装置20によって情報分散管理処理を実行してもよい。
【0303】
具体的には、各端末装置20は、各カスタマイズアイテムの利用許諾に関する情報であって各端末装置20に記憶されている各カスタマイズアイテムの利用許諾情報と、各カスタマイズアイテムを利用するための権利を有する利用者の情報であって各端末装置20に記憶されている各カスタマイズアイテムの利用者情報と、を管理する。
【0304】
また、各端末装置20は、
(B1)カスタマイズアイテムの移転を希望する移転希望ユーザから移転先のユーザである移転先ユーザに、当該カスタマイズアイテムを利用するための利用権の移転の指示であって、移転希望ユーザ又は移転先ユーザのいずれかの指示を受け付ける受付処理、
(B2)ユーザの指示に基づいて利用権が移転する場合の当該カスタマイズアイテムに内在する作成物に関する価値を特定する価値特定処理、及び、
(B3)ユーザの指示に基づいて利用権の移転が実行される毎に、移転対象のカスタマイズアイテムの利用者情報及び利用許諾情報の少なくともいずれか一方の情報を含む当該移転に関する情報を示す移転情報を、既に記憶部240に記憶されている他の移転情報に基づいて特定された不規則性の値とともに、ブロック化したブロック情報を生成し、当該生成したブロック情報を複数の記憶部240に分散的に記憶させる情報分散管理処理、
を実行する構成を有している。
【0305】
なお、移転関連処理などによって移転情報を読み出す場合には、該当する利用者の秘密鍵を用いて復号化する。
【0306】
また、本変形例においては、移転が実行される毎に、新規のカスタマイズアイテムが生成される毎に、予め定められた時間毎(例えば、10分毎)に、ブロックを生成する。
【0307】
(変形例6:利用許諾情報及び利用者情報の一体的記憶及び管理)
上記の実施形態においては、利用許諾情報及び利用者情報をそれぞれ別の記憶部に記憶しているが、アイテムIDに対応付けて一体的に当該記憶部に記憶させてもよい。
【0308】
[6]本実施形態における動作
[6.1]取引管理を含むカスタマイズアイテム登録処理
次に、
図13を用いて本実施形態の流通管理サーバ装置30において実行される取引管理を含むカスタマイズアイテム登録処理の動作について説明する。
【0309】
なお、
図13は、本実施形態の流通管理サーバ装置30において実行される取引管理を含むカスタマイズアイテム登録処理の動作を示すフローチャートである。
【0310】
本動作においては、既にカスタマイズ処理が実行されて新たなカスタマイズアイテムが生成されているものとする。
【0311】
まず、アイテム管理部303は、通信制御部301を介して端末装置20から送信された新たなカスタマイズアイテムの利用申請要求を受信すると(ステップS101)、生成されたカスタマイズアイテムにアイテムIDを付与する(ステップS102)。
【0312】
次いで、アイテム管理部303は、ゲームサーバ装置10と連動して、当該カスタマイズアイテムに内在する作成物の利用許諾基本情報を取得する(ステップS103)。
【0313】
次いで、アイテム管理部303は、端末装置20と連動して、ユーザ情報だけでなく、当該端末装置20のIDなどの当該端末装置20の情報(以下、「端末情報」という。)取得する(ステップS104)。
【0314】
次いで、アイテム管理部303は、付与したアイテムIDに対応付けつつ、当該ユーザのユーザIDに基づいて、取得した利用許諾情報及び利用者情報を、それぞれ、利用許諾情報記憶部344及び利用者情報記憶部346へ新規に登録する(ステップS105)。
【0315】
次いで、アイテム管理部303は、端末装置20と連動し、該当するユーザの端末装置20に、カスタマイズアイテムの他のユーザへの移転を希望するか否かを問い合わせ(ステップS106)、その結果を判定する(ステップS107)。
【0316】
このとき、アイテム管理部303は、カスタマイズアイテムの他のユーザへの移転を希望しないと判定されると、そのまま本動作を終了させる。
【0317】
また、アイテム管理部303は、問い合わせ結果が移転可能と判定された場合には、各種の情報を収集して販売サイト内で販売するための登録(すなわち、他のユーザに閲覧可能に掲示するための情報の登録)などの各種の処理をして(ステップS108)、本動作を終了させる。
【0318】
[6.2]移転関係処理
次に、
図14を用いて本実施形態の流通管理サーバ装置30において実行される移転関係処理の動作について説明する。
【0319】
なお、
図14は、本実施形態の流通管理サーバ装置30において実行される移転関係処理の動作を示すフローチャートである。
【0320】
本動作においては、既にカスタマイズ処理が実行されて新たなカスタマイズアイテムが生成され、販売サイトに登録されているものとする。
【0321】
また、本動作においては、既に販売サイトに登録されているカスタマイズアイテムは、既に、他人の作成物の利用に関する利用許諾情報が利用許諾情報記憶部344に登録されているものとする。
【0322】
まず、移転検出部304が、通信制御部301を介して移転先ユーザの端末装置20から送信された特定のカスタマイズアイテムの移転要求を受信すると(ステップS201)、移転希望ユーザの端末装置20及び移転先ユーザの端末装置20と連動して該当するカ
スタマイズアイテムの移転を検出する移転検出処理を開始する(ステップS202)。
【0323】
次いで、移転検出部304は、該当するカスタマイズアイテムにおける利用許諾情報及び利用者情報に基づいて、当該移転対象のカスタマイズアイテムに内在する作成物の価値を特定する価値特定処理を実行する(ステップS203)。
【0324】
次いで、移転検出部304は、特定した価値の情報を移転先ユーザの端末装置20に通知する(ステップS204)。
【0325】
次いで、移転検出部304は、移転先ユーザの購入意志を受信したか否かを判定することによって、移転の有無を判定する移転検出処理を実行する(ステップS205)。すなわち、移転検出部304は、最終的に移転先ユーザの購入意志を受信したことによってカスタマイズアイテムの移転が実行されたことを検出する。
【0326】
このとき、移転検出部304は、移転が発生したと判定した場合には、ステップS206に移行し、当該移転が発生していないと判定した場合には、本動作を終了させる。
【0327】
次いで、アイテム管理部303は、移転が実行されたと判定した場合には、対象のカスタマイズアイテムに関し、利用者情報記憶部346に記憶されている利用者情報を更新する更新処理を実行する(ステップS206)。
【0328】
最後に、認定マーク付与制御部306は、移転先ユーザのアイテムとして登録されたカスタマイズアイテムの情報に、カスタマイズアイテムの使用中に当該正規マークを表示させるための正規マーク表示制御データを付加する正規マーク表示制御処理を実行して(ステップS207)本動作を終了させる。
【0329】
なお、本動作において、移転検出部304は、ステップS202の移転検出処理の実行中に、移転対象のカスタマイズアイテムにおける利用許諾情報の登録が無い場合には、画像解析による作成物の利用の有無を検出し、当該移転対象のカスタマイズアイテムが他人の作成物を利用しているアイテムであるか否かを判定し、かつ、当該作成物を利用している場合には当該利用許諾情報の登録をしてもよい。
【0330】
[7]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0331】
本実施形態は、1のゲームサーバ装置10によって各ゲームを端末装置20に提供してもよいし、複数のゲームサーバ装置10を連動させてサーバシステムを構築し、各ゲームを端末装置に提供してもよい。
【0332】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0333】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるで
あろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0334】
1 :ゲームアイテム流通管理システム
10 :ゲームサーバ装置
20 :端末装置
30 :流通管理サーバ装置
31 :情報分散管理型流通管理サーバ装置
100 :処理部
101 :通信制御部
102 :Web処理部
103 :ゲーム管理部
104 :プレーヤ管理部
105 :カスタマイズ処理部
109 :タイマ管理部
110 :情報提供部
120 :入力部
130 :表示部
140 :記憶部
142 :主記憶部
144 :ゲームデータ記憶部
146 :プレーヤ情報記憶部
148 :利用許諾基本情報記憶部
180 :情報記憶媒体
196 :通信部
200 :処理部
210 :通信制御部
211 :Webブラウザ
212 :ゲーム処理部
213 :表示制御部
214 :キャラクタ生成部
220 :描画部
230 :音処理部
240 :記憶部
260 :入力部
262 :検出部
270 :記憶部
271 :主記憶部
272 :画像バッファ
280 :情報記憶媒体
290 :表示部
292 :音出力部
296 :通信部
300 :処理部
301 :通信制御部
302 :Web処理部
303 :アイテム管理部
304 :移転検出部
305 :価値特定部
306 :認定マーク付与制御部
309 :タイマ管理部
320 :入力部
330 :表示部
340 :記憶部
342 :主記憶部
344 :利用許諾情報記憶部
346 :利用者情報記憶部
360 :価値特定部
380 :情報記憶媒体
396 :通信部
440 :データベース