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特開2023-14648レーティング更新装置、レーティング更新方法、および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014648
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】レーティング更新装置、レーティング更新方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20230124BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20230124BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230124BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20230124BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230124BHJP
【FI】
A63B71/06 Z
A63F13/798
A63F13/79 500
A63B69/00 C
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118716
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】伊庭野 健造
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】グローバルなレーティングを算出するのに必要な、特定のプレイヤ以外のプレイヤとの対戦数を減らす。
【解決手段】レーティング更新装置(1)は、対戦における複数の対戦プレイヤの対戦結果を取得する対戦結果取得部(21)と、複数の対戦プレイヤのそれぞれが属するグループを特定するグループ特定部(22)と、複数の対戦プレイヤが互いに異なるグループに属する場合、対戦結果に応じて複数の対戦プレイヤのそれぞれのレーティングを更新し、かつ、該グループに属するが対戦を行っていない非対戦プレイヤのレーティングを、対戦結果に応じて更新するレーティング更新部(23)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦における複数の対戦プレイヤの対戦結果を取得する結果取得部と、
前記複数の対戦プレイヤのそれぞれが属するグループを特定するグループ特定部と、
前記複数の対戦プレイヤが互いに異なるグループに属する場合、前記対戦結果に応じて前記複数の対戦プレイヤのそれぞれのレーティングを更新し、かつ、該グループに属するが前記対戦を行っていない非対戦プレイヤのレーティングを、前記対戦結果に応じて更新するレーティング更新部と、を備える、レーティング更新装置。
【請求項2】
第1期間における、第1グループ内での対戦数および第2グループ内での対戦数が前記第1グループと第2グループとの間の対戦数よりも大きくなるように、複数のプレイヤはグループ化されている、請求項1に記載のレーティング更新装置。
【請求項3】
複数のプレイヤにおける対戦プレイヤの履歴に応じて、複数のプレイヤを複数のグループに分類するグループ分類部をさらに備える、請求項1または2に記載のレーティング更新装置。
【請求項4】
各プレイヤが所属する地域または組織に応じて、複数のプレイヤはグループ化されている、請求項1または2に記載のレーティング更新装置。
【請求項5】
前記レーティング更新部は、前記非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値を、前記対戦プレイヤの前記レーティングの変動値以下にする、請求項1から4のいずれか一項に記載のレーティング更新装置。
【請求項6】
前記レーティング更新部は、グループに属する前記非対戦プレイヤが多いほど、各非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値を小さくする、請求項1から5のいずれか一項に記載のレーティング更新装置。
【請求項7】
前記レーティング更新部は、第2期間における、前記非対戦プレイヤの対戦数、および前記非対戦プレイヤの対戦経験人数、の少なくとも1つに応じて、前記レーティングの変動値を決定する、請求項1から6の何れか一項に記載のレーティング更新装置。
【請求項8】
前記レーティング更新部は、第2期間における、前記非対戦プレイヤの他のグループとの対戦数、および前記非対戦プレイヤの他のグループとの対戦経験人数、の少なくとも1つに応じて、前記レーティングの変動値を決定する、請求項1から7の何れか一項に記載のレーティング更新装置。
【請求項9】
前記レーティング更新部は、前記複数の対戦プレイヤの属する複数のグループにおける前記対戦結果に応じた前記レーティングの変動値の総和がゼロになるよう、各プレイヤの前記レーティングを変更する、請求項1から8のいずれか一項に記載のレーティング更新装置。
【請求項10】
前記レーティング更新部は、前記非対戦プレイヤの前記レーティングに応じて、該非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値を異ならせる、請求項1から9のいずれか一項に記載のレーティング更新装置。
【請求項11】
前記レーティング更新部は、前記対戦プレイヤの前記レーティングに関する信頼性スコアが高いほど、該対戦プレイヤと同じグループに属する前記非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値を大きくする、請求項1から10のいずれか一項に記載のレーティング更新装置。
【請求項12】
前記レーティング更新部は、前記非対戦プレイヤの前記レーティングに関する信頼性スコアが低いほど、該非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値を大きくする、請求項1から9のいずれか一項に記載のレーティング更新装置。
【請求項13】
対戦における複数の対戦プレイヤの対戦結果を取得する結果取得ステップと、
前記複数の対戦プレイヤのそれぞれが属するグループを特定するグループ特定ステップと、
前記複数の対戦プレイヤが互いに異なるグループに属する場合、前記対戦結果に応じて前記複数の対戦プレイヤのそれぞれのレーティングを更新し、かつ、該グループに属するが前記対戦を行っていない非対戦プレイヤのレーティングを、前記対戦結果に応じて更新するレーティング更新ステップと、を含む、レーティング更新方法。
【請求項14】
請求項1に記載のレーティング更新装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記結果取得部、上記グループ特定部、および上記レーティング更新部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対戦結果に基づきプレイヤのレーティングを更新するレーティング更新装置、レーティング更新方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ、ゲーム等の対戦結果に基づき、プレイヤのランク付けを行うランキングシステムが知られている(特許文献1~3)。また、対戦型の競技において、相対評価で実力を表すために使われる指標の例として、イロレーティング(Elo rating)、グリコレーティング(Glicko rating)、特許文献3に記載のTrueSkill(商標)などが挙げられる。
【0003】
ここで、イロレーティングについて説明する。プレイヤaがプレイヤbに勝利する勝利確率Wabは次式(1)で表される。
【0004】
Wab={10(Rb-Ra)/400+1}-1 ・・・(1)。
【0005】
ここで、Raはプレイヤaのレーティングであり、Rbはプレイヤbのレーティングである。そして、プレイヤaの対戦後のレーティングRa´は次式(2)によって更新される。
【0006】
Ra´=Ra+K(gab-Wab) ・・・(2)。
【0007】
ここで、Kは、定数であり、累積試合などを考慮するファクタである。また、プレイヤaが勝利した場合、gab=1であり、プレイヤaが敗北した場合、gab=0であり、プレイヤaが引き分けた場合、gab=0.5である。同様にして、プレイヤbの対戦後のレーティングを算出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001-079274公報
【特許文献2】特開2003-029615公報
【特許文献3】特表2009-525807公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば、オンラインゲームの場合、グローバル規模で対戦を行うことができるので、グローバルなレーティングを算出することができる。一方、スポーツ、チェスなどの現実の競技では、一般プレイヤは特定のプレイヤと対戦することが多い。この場合に算出されるレーティングは、ローカルなレーティングであり、グローバルなレーティングは不明である。上記現実の競技にてグローバルなレーティングを算出するには、上記特定のプレイヤ以外のプレイヤと何度も対戦する必要がある。
【0010】
本発明の一態様は、上記グローバルなレーティングを算出するのに必要な、上記特定のプレイヤ以外のプレイヤとの対戦数を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るレーティング更新装置は、対戦における複数の対戦プレイヤの対戦結果を取得する結果取得部と、前記複数の対戦プレイヤのそれぞれが属するグループを特定するグループ特定部と、前記複数の対戦プレイヤが互いに異なるグループに属する場合、前記対戦結果に応じて前記複数の対戦プレイヤのそれぞれのレーティングを更新し、かつ、該グループに属するが前記対戦を行っていない非対戦プレイヤのレーティングを、前記対戦結果に応じて更新するレーティング更新部と、を備える構成である。
【0012】
上記の構成によると、異なるグループにそれぞれ属する複数のプレイヤが対戦した場合、前記異なるグループのそれぞれについて、非対戦プレイヤのレーティングが対戦結果に応じて更新される。これにより、前記非対戦プレイヤは、異なるグループのプレイヤと対戦したかのように、レーティングが更新される。その結果、上記グローバルなレーティングを算出するのに必要な、異なるグループのプレイヤと対戦数を減らすことができる。
【0013】
なお、対戦プレイヤは、2人以上であってもよいし、4人以上であってもよい。また、プレイヤとグループとを対応付けたグループ情報は、レーティング更新装置が記憶してもよいし、外部のサーバが記憶してもよい。また、レーティングの更新は、対戦ごとに行われてもよいし、複数の対戦ごとに行われてもよい。また、各プレイヤが属する地域または組織に応じて、複数のプレイヤはグループ化されていてもよい。
【0014】
また、第1期間における、第1グループ内での対戦数および第2グループ内での対戦数が前記第1グループと第2グループとの間の対戦数よりも大きくなるように、複数のプレイヤはグループ化されていることが好ましい。なお、この条件を満たすグループが少なくとも2つあればよい。また、前記条件を第1期間以外の期間では満たしていなくてもよい。
【0015】
前記レーティング更新装置は、複数のプレイヤにおける対戦プレイヤの履歴に応じて、複数のプレイヤを複数のグループに分類するグループ分類部をさらに備えてもよい。この場合、対戦履歴に応じてグループを動的に変更することができ、プレイヤが属するグループを登録する必要が無い。なお、各グループは4人以上のプレイヤを含むことが好ましい。また、一度分類されたグループの情報は、所定期間維持されることが好ましい。
【0016】
前記レーティング更新装置では、前記レーティング更新部は、前記非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値を、前記対戦プレイヤの前記レーティングの変動値以下にしてもよい。また、前記レーティング更新部は、グループに属する前記非対戦プレイヤが多いほど、各非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値を小さくしてもよい。これらの場合、グループ内の全プレイヤにおけるレーティングの変動値を合計した総変動量を抑えることができる。
【0017】
前記レーティング更新装置では、前記レーティング更新部は、第2期間における、前記非対戦プレイヤの対戦数、および前記非対戦プレイヤの対戦経験人数、の少なくとも1つに応じて、前記レーティングの変動値を決定してもよい。また、前記レーティング更新部は、第2期間における、前記非対戦プレイヤの他のグループとの対戦数、および前記非対戦プレイヤの他のグループとの対戦経験人数、の少なくとも1つに応じて、前記レーティングの変動値を決定してもよい。この場合、非対戦プレイヤの対戦経験に応じたレーティングの変動値とすることができる。なお、前記第2期間は、前記第1期間と同じであってもよい。
【0018】
前記レーティング更新装置では、前記レーティング更新部は、前記複数の対戦プレイヤの属する複数のグループにおける前記対戦結果に応じた前記レーティングの変動値の総和がゼロになるよう、各プレイヤの前記レーティングを変更してもよい。この場合、全プレイヤのレーティングの平均値が増減することを防止することができる。
【0019】
なお、該非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値は、所定値であってもよいし、前記非対戦プレイヤの前記レーティングに応じて変化してもよい。
【0020】
前記レーティング更新装置では、前記レーティング更新部は、前記対戦プレイヤの前記レーティングに関する信頼性スコアが高いほど、該対戦プレイヤと同じグループに属する前記非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値を大きくしてもよい。また、前記レーティング更新部は、前記非対戦プレイヤの前記レーティングに関する信頼性スコアが低いほど、該非対戦プレイヤの前記レーティングの変動値を大きくしてもよい。
【0021】
本発明の別の態様に係るレーティング更新方法は、対戦における複数の対戦プレイヤの対戦結果を取得する結果取得ステップと、前記複数の対戦プレイヤのそれぞれが属するグループを特定するグループ特定ステップと、前記複数の対戦プレイヤが互いに異なるグループに属する場合、前記対戦結果に応じて前記複数の対戦プレイヤのそれぞれのレーティングを更新し、かつ、該グループに属するが前記対戦を行っていない非対戦プレイヤのレーティングを、前記対戦結果に応じて更新するレーティング更新ステップと、を含む方法である。
【0022】
上記の方法によれば、上述のレーティング更新装置と同様の効果を奏することができる。
【0023】
本発明の各態様に係るレーティング更新装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記レーティング更新装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記レーティング更新装置をコンピュータにて実現させるレーティング更新装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、グローバルなレーティングを算出するのに必要な、特定のプレイヤ以外のプレイヤとの対戦数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に利用される拡張イロレーティングについて説明するための図である。
図2】上記拡張イロレーティングに基づいてレーティングを更新するレーティング更新装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】上記レーティング更新装置の記憶部に記憶されるプレイヤ情報の一例を表形式で示す図である。
図4】上記記憶部に記憶されるグループ情報の一例を表形式で示す図である。
図5】上段は、上記レーティング更新装置にて利用される分配関数の一例を示すグラフであり、下段は、当該分配関数によるレーティングの度数分布の変化を示すグラフである。
図6】上記レーティング更新装置におけるレーティングの更新処理を示すフローチャートである。
図7】上段は、上記分配関数の別の例を示すグラフであり、下段は、当該分配関数によるレーティングの分布の変化を示すグラフである。
図8】上記分配関数のさらに別の4例を示すグラフである。
図9】本発明の別の実施形態に係るレーティング更新装置の記憶部に記憶されたプレイヤ情報の一例を表形式で示す図である。
図10】本発明のさらに別の実施形態に係るレーティング更新装置の概略構成を示すブロック図である。
図11】上記レーティング更新装置の記憶部に記憶されるプレイヤ情報の一例を表形式で示す図である。
図12】イロレーティングについて説明するための参考図である。
図13】イロレーティングについて説明するための参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、適宜その説明を省略する。
【0027】
〔実施形態1〕
(拡張レーティングの概要)
本発明の一実施形態について説明する前に、本実施形態にて利用される拡張イロレーティングの概要について、図1図12、および図13を参照して説明する。なお、本実施形態では、テニス、バトミントン、卓球のような1対1の対戦を想定している。
【0028】
図12および図13は、従来のイロレーティングについて説明するための参考図である。図12の上段は、グループA(第1グループ)に所属する(属する)プレイヤどうしが対戦を行う一方、グループB(第2グループ)に所属するプレイヤどうしが対戦を行うことを示している。以下では、グループA・Bのそれぞれのプレイヤ数を2000人としている。
【0029】
図12の下段のグラフは、グループA・Bに所属するプレイヤの実力分布をイロレーティングに換算して示している。図12の下段のグラフを参照すれば、グループAに所属するプレイヤよりもグループBに所属するプレイヤの方が、実力が著しく上であることが理解できる。なお、図13および図1の下段のグラフは、図12の下段のグラフと同様である。
【0030】
一方、図12の中段のグラフは、グループA・Bのそれぞれについて、総当りの対戦を1回行うシミュレーションの結果、算出されるイロレーティングの分布を示している。この場合、グループA・Bのそれぞれにおける総対戦数は、2000×1999/2=1.999×106である。図12の中段に示すグラフを参照すれば、グループA・Bのレーティングの分布は、ほぼ同じであることが理解できる。従って、同じグループに所属するプレイヤどうしが対戦するのみでは、ローカルなレーティングを算出できても、グローバルなレーティングを算出できないことが理解できる。
【0031】
図13の上段は、図12の上段に示すようにグループ内で多数の対戦を行った後に、グループA・B間で対戦を行うことを示している。なお、以下では、グループ間の対戦を「対抗戦」と称する。図13の中段のグラフは、グループA・Bからプレイヤをランダムにそれぞれ選択して対戦する対抗戦を5000回行うシミュレーションの結果、算出されるイロレーティングの分布を示している。図13の中段のグラフを参照すれば、当該グラフの分布は、図12の中段に示すグラフの分布に比べて、図13の下段に示すグラフの分布に近づいてはいるが、未だに著しく異なることが理解できる。
【0032】
図1は、本実施形態にて利用される拡張イロレーティングについて説明するための図である。図1の上段は、図12の上段に示すようにグループ内で多数の対戦を行った後に、グループA・B間で対抗戦を行った場合、グループA・B内で上記対抗戦を行ったプレイヤ以外のプレイヤ(非対戦プレイヤ)にも、上記対戦の結果に基づきレーティングを更新することを示している。図1の中段のグラフは、グループA・Bからプレイヤをランダムに選択して対戦する対抗戦を1000回行うシミュレーションの結果、算出される拡張イロレーティングの分布を示している。図1の中段のグラフを参照すれば、図13にて行われた試合数よりも著しく少ない試合数で、図1の下段に示すグラフの分布(グローバルなレーティング分布)に近い分布が得られることが理解できる。
【0033】
(レーティング更新装置の概要)
図2は、図1に示す拡張イロレーティングに基づいてレーティングを更新するレーティング更新装置の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、レーティング更新装置1は、制御部11、記憶部12、および通信部13を備える構成である。
【0034】
制御部11は、レーティング更新装置1の各種構成の動作を統括的に制御するものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリを含むコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。
【0035】
記憶部12は、情報を記録するものであり、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶デバイスによって構成される。通信部13は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報の送受信を行うものである。
【0036】
(レーティング更新装置の詳細)
図2に示すように、制御部11は、対戦結果取得部21(結果取得部)、グループ特定部22、およびレーティング更新部23を備える構成である。また、記憶部12は、プレイヤ情報PIおよびグループ情報GIを記憶している。
【0037】
図3は、上記プレイヤ情報PIの一例を表形式で示す図である。図3に示すように、プレイヤ情報PIは、プレイヤを識別するためのプレイヤIDと、プレイヤのレーティングとが対応付けられている。
【0038】
図4は、上記グループ情報GIの一例を表形式で示す図である。図4に示すように、グループ情報GIは、複数のグループを識別するためのグループIDと、当該グループに所属する1または複数のプレイヤIDとが対応付けられている。本実施形態では、グループ情報GIはプレイヤによって予め登録されている。
【0039】
対戦結果取得部21は、端末(図示せず)から通信ネットワークおよび通信部13を介して、対戦結果gを取得するものである。上記対戦結果gの例としては、下記のものが挙げられる。すなわち、対戦した2人のプレイヤ(以下「対戦プレイヤ」と称する。)のうち、勝利したプレイヤ(以下「勝利プレイヤ」と称する。)には、対戦結果gである1と、当該プレイヤのプレイヤIDとが対応付けられている。一方、上記2人の対戦プレイヤのうち、敗北したプレイヤ(以下「敗北プレイヤ」と称する。)には、対戦結果gである0と、当該プレイヤのプレイヤIDとが対応付けられる。また、引き分けの場合には、対戦結果gである0.5と、上記2人の対戦プレイヤのプレイヤIDとが対応付けられる。対戦結果取得部21は、取得した対戦結果gをグループ特定部22に送出する。
【0040】
グループ特定部22は、記憶部12のグループ情報GIを参照して、上記2人の対戦プレイヤのプレイヤIDにそれぞれ対応するグループIDを特定するものである。グループ特定部22は、特定したグループIDを対戦結果gと共にレーティング更新部23に送出する。
【0041】
レーティング更新部23は、グループ特定部22からの対戦結果gおよびグループIDを用いて、プレイヤの新たなレーティングを算出し、記憶部12のプレイヤ情報PIを更新するものである。レーティング更新部23は、算出したプレイヤのレーティングを各プレイヤに対応付けられた端末に対し、通信部13を介して通知する。
【0042】
上記レーティングの算出の詳細は下記の通りである。すなわち、上記2人の対戦プレイヤのそれぞれについて、レーティング更新部23は、まず、記憶部12のプレイヤ情報PIを参照して、当該対戦プレイヤのプレイヤIDに対応するレーティングを読み出す。次に、レーティング更新部23は、読み出したレーティングと、上記対戦結果gとに基づいて、イロレーティングを算出する。例えば、対戦プレイヤのレーティングの変動量は「K×(gab-Wab)」である。Kは、定数であり、累積試合などを考慮するファクタである。また、プレイヤaが勝利した場合、gab=1であり、プレイヤaが敗北した場合、gab=0であり、プレイヤaが引き分けた場合、gab=0.5である。プレイヤaがプレイヤbに勝利する勝利確率Wabは前述の式(1)で表される。
【0043】
次に、上記2人の対戦プレイヤのグループIDが異なる場合には、上記2人の対戦プレイヤのそれぞれについて、レーティング更新部23は、記憶部12のグループ情報GIを参照して、当該対戦プレイヤのグループIDに対応する非対戦プレイヤのプレイヤIDの少なくとも一部を抽出する。次に、抽出した非対戦プレイヤのプレイヤIDのそれぞれについて、レーティング更新部23は、記憶部12のプレイヤ情報PIを参照して、上記プレイヤIDに対応するレーティングを読み出し、読み出したレーティングRと、上記対戦結果gと、分配関数D(R)と用いて、次式(3)により対戦後のレーティングR´を算出する。
【0044】
R´=R+K×(gab-Wab)×D(R) ・・・(3)。
【0045】
図5の上段は、上記分配関数D(R)の一例を示すグラフであり、図5の下段は、当該分配関数によるレーティングの度数分布の変化を示すグラフである。図5の下段では、対戦前のレーティングRの度数分布を破線で示し、対戦後のレーティングR´の度数分布を実線で示している。
【0046】
図5の上段の例では、分配関数D(R)は正の定数(係数)である。このため、図5の下段に示すように、勝利プレイヤが所属するグループ内の非対戦プレイヤのレーティングは、勝利した対戦プレイヤのレーティングの変動量(増加量)に上記定数を掛けた分だけ増加することになる。一方、敗北プレイヤが所属するグループ内の非対戦プレイヤのレーティングは、敗北した対戦プレイヤのレーティングの変動量(減少量)に上記定数を掛けた分だけ減少することになる。対戦プレイヤのレーティングの変動量と、同じグループに所属する非対戦プレイヤのレーティングの変動量とは同じであってもよい(D(R)=1)。非対戦プレイヤのレーティングの変動量は、同じグループに所属する対戦プレイヤのレーティングの変動量より小さくてもよい(0<D(R)<1)。
【0047】
また、例えば、対戦プレイヤのレーティングを、式(3)にしたがって更新してもよい。
【0048】
(レーティングの更新処理)
図6は、上記構成のレーティング更新装置1におけるレーティングの更新処理(レーティング更新方法)を示すフローチャートである。図6に示すように、対戦結果取得部21が対戦結果gを取得すると(結果取得ステップ)、グループ特定部22は、記憶部12のグループ情報GIを参照して、2人の対戦プレイヤがそれぞれ所属するグループ(グループID)を特定する(S11、グループ特定ステップ)。
【0049】
次に、レーティング更新部23は、上記2人の対戦プレイヤのそれぞれについて、対戦前のレーティングRと、上記対戦結果gとに基づいて、イロレーティングで更新(変更)する(S12、レーティング更新ステップ)。なお、ステップS11とステップS12とは入れ替えてもよい。
【0050】
次に、レーティング更新部23は、上記2人の対戦プレイヤが同じグループであるか否かを判断する(S13)。同じグループである場合(S13にてYES)、処理を終了する。
【0051】
一方、異なるグループである場合(S13にてNO)、上記2人の対戦プレイヤのそれぞれについて、レーティング更新部23は、記憶部12のグループ情報GIおよびプレイヤ情報PIを参照して、所属するグループ内の非対戦プレイヤのレーティングを、上記対戦結果gと、分配関数D(R)と用いて更新(変更)する(S14、レーティング更新ステップ)。その後、処理を終了する。
【0052】
(分配関数の変形例)
図7の上段は、分配関数D(R)の別の例を示すグラフであり、図7の下段は、当該分配関数によるレーティングの分布の変化を示すグラフである。図7の下段では、対戦前のレーティングRを破線で示し、対戦後のレーティングR´を実線で示している。
【0053】
図7の上段の例では、レーティングが最頻値のレーティング未満である場合、分配関数D(R)はゼロである一方、上記レーティングが上記最頻値のレーティング以上である場合、分配関数D(R)は正の定数である。従って、図7の下段に示すように、勝利プレイヤが所属するグループ内の非対戦プレイヤであって、最頻値のレーティング以上のレーティングを有する上記非対戦プレイヤのレーティングは、上記定数だけ増加することになる。
【0054】
図7に示す分配関数D(R)に関しては、上記勝利プレイヤが所属するグループにおいてレーティングが高い方である上記非対戦プレイヤは、敗北プレイヤと対戦しても勝利するであろう、という考え方に基づいている。従って、本変形例の場合、敗北プレイヤが所属するグループ内の非対戦プレイヤであって、最頻値のレーティング未満のレーティングを有する上記非対戦プレイヤのレーティングは、上記定数だけ減少することが望ましい。
【0055】
なお、上記定数は、対戦プレイヤの対戦前後のレーティングの増加量(変動値)以下であってもよい。また、グループに属する非対戦プレイヤが多いほど、上記定数を小さくしてもよい。これらの場合、グループ内の全プレイヤについて、レーティングの増加量を合計した総増加量(総変動量)を抑えることができる。
【0056】
図8は、分配関数D(R)のさらに別の4例を示すグラフである。
【0057】
図8の1段目のグラフでは、レーティングが最低値から増加するに従って分配関数D(R)が線形に増加し、レーティングが最頻値のレーティング以上になると、分配関数D(R)が一定となっている。この分配関数D(R)に関しては、図7に示す分配関数D(R)の上記考え方に加えて、上記勝利プレイヤが所属するグループにおいてレーティングが低い方である上記非対戦プレイヤは、レーティングが低くなるに従って、敗北プレイヤと対戦して勝利する可能性が低下するであろう、という考え方に基づいている。
【0058】
図8の2段目のグラフでは、レーティングが最頻値のレーティング未満である場合には、分配関数D(R)はゼロであり、上記レーティングが上記最頻値のレーティングである場合、分配関数D(R)は正の定数であり、上記レーティングが上記最頻値のレーティングから増加するに従って分配関数D(R)が線形に減少するようになっている。この分配関数D(R)に関しては、上記非対戦プレイヤは、上記勝利プレイヤが所属するグループにおいてレーティングが高い方である上記非対戦プレイヤは、レーティングが高くなるにつれて、上記敗北プレイヤに対する勝利確率も高くなるので、レーティングの増加量が少なくなる、という考え方に基づいている。
【0059】
図8の3段目のグラフでは、レーティングが最低値から増加するに従って、分配関数D(R)が線形に増加し、レーティングが最頻値のレーティング以上になると、分配関数D(R)が線形に減少するようになっている。この分配関数D(R)に関しては、レーティングが最頻値のレーティング未満である場合には、図8の1段目の分配関数D(R)の考え方に基づいており、レーティングが最頻値のレーティング以上である場合には、図8の2段目の分配関数D(R)の考え方に基づいている。
【0060】
図8の4段目のグラフでは、図5の下段に破線にて示すような対戦前のレーティングの度数分布を上下に反転させた形状となっている。この場合、度数が少ないレーティングを有するプレイヤに対しては、レーティングの増加量を多くなる一方、度数が多いレーティングを有するプレイヤに対しては、レーティングの増加量が少なくなる。従って、或るレーティングを有する複数のプレイヤの上記増加量の合計値を、各レーティングで揃えることができる。
【0061】
(付記事項)
本実施形態では、分配関数DをレーティングRの関数としているが、これは理解を容易にするためのものであり、これに限定されるものではない。実際の分配関数Dは、複数の特徴量の関数であり、該特徴量の例としては、レーティングR、対戦数、対抗戦数、対戦経験人数、対抗戦経験人数、などが挙げられる。そこで、実際の分配関数Dは、上記複数の特徴量を用いて機械学習を行うことにより最適化することが望ましい。
【0062】
なお、上記対戦数は、或るプレイヤが所定期間(第2期間)内に対戦した回数を意味する。上記対抗戦数は、或るプレイヤが他のグループのプレイヤと所定期間(第2期間)内に対戦した回数を意味する。上記対戦経験人数は、或るプレイヤが所定期間(第2期間)内に対戦した経験を有する非対戦プレイヤの総数を意味する。上記対抗戦経験人数は、或るプレイヤが所定期間(第2期間)内に対戦した経験を有する、他のグループに所属するプレイヤの総数を意味する。この場合、非対戦プレイヤの対戦経験に応じた分配関数Dとすることができる。
【0063】
また、レーティング更新装置1は、プレイヤ情報PIおよびグループ情報GIを外部のサーバに記憶させておき、必要な場合に当該サーバから取得してもよい。
【0064】
また、勝利した対戦プレイヤが属するグループにおける非対戦プレイヤのレーティングの増加量と、敗北した対戦プレイヤが属するグループにおける非対戦プレイヤのレーティングの減少量と、が同じであってもよい。換言すれば、2つの上記グループにおける非対戦プレイヤのレーティングの変動量(変動値)の総和がゼロであってもよい。この場合、全プレイヤのレーティングの平均値が増減することを防止することができる。
【0065】
〔実施形態2〕
本発明の別の実施形態について、図9を参照して説明する。
【0066】
本実施形態のレーティング更新装置1は、図1図6に示すレーティング更新装置1に比べて、イロレーティングに代えてグリコレーティングを利用する点が異なり、その他は同様である。グリコレーティングは、イロレーティングに対し、レーティング偏差を信頼性スコアとして追加されている。上記信頼性スコアは、対戦数、前回対戦からの経過時間、等によって変化する。
【0067】
図9は、本実施形態のレーティング更新装置1の記憶部12に記憶されたプレイヤ情報PI1の一例を表形式で示す図である。図9に示すプレイヤ情報PI1は、図3に示すプレイヤ情報PIに比べて、各プレイヤIDに対応付けられる信頼性スコアが追加されている点が異なり、その他は同様である。
【0068】
本実施形態では、レーティング更新部23は、上記2人の対戦プレイヤのグループが異なる場合、上記2人の対戦プレイヤのそれぞれについて、レーティング更新部23は、記憶部12のグループ情報GIおよびプレイヤ情報PI1を参照して、所属するグループ内の非対戦プレイヤのレーティングを、上記対戦結果gと、分配関数Dと、信頼性スコアRDと用いて更新する。
【0069】
本実施形態では、分配関数Dは、レーティングRと、信頼性スコアRDとの関数D(R,RD)である。分配関数D(R,RD)は、対戦プレイヤの信頼性スコアRDが低い(信頼性が高い)ほど、対戦プレイヤが所属するグループ内の非対戦プレイヤに対するレーティングの変化量を大きくすることが望ましい。これにより、信頼性が高いプレイヤの対戦結果を、非対戦プレイヤに強く影響させることができる。なお、分配関数D(R,RD)は、対戦プレイヤの信頼性スコアRDが低いほど、対戦プレイヤが所属するグループ内の非対戦プレイヤに対するレーティングの変化量を小さくしてもよい。
【0070】
〔実施形態3〕
本発明のさらに別の実施形態について、図10および図11を参照して説明する。本実施形態では、プレイヤが所属するグループは、対戦履歴に基づいて動的に変更される。これにより、プレイヤは、所属するグループをレーティング更新装置1に登録する必要がない。
【0071】
図10は、本実施形態のレーティング更新装置1の概略構成を示すブロック図である。図10に示すレーティング更新装置1は、図2に示すレーティング更新装置1に比べて、制御部11にグループ分類部24が追加されている点と、記憶部12にプレイヤ情報PIに代えてプレイヤ情報PI2が設けられている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0072】
図11は、上記プレイヤ情報PI2の一例を表形式で示す図である。図11に示すプレイヤ情報PI2は、図3に示すプレイヤ情報PIに対し、プレイヤIDに対応付けられる対戦履歴(対戦プレイヤの履歴)が追加されている点が異なり、その他は同様である。
【0073】
グループ分類部24は、記憶部12のプレイヤ情報PI2を参照して、プレイヤのグループの分類(グループ化)を行うものである。該グループの分類は、プレイヤ情報PI2の最近の所定期間(第1期間)内の対戦履歴に基づき、混合ガウスモデルなどを用いてクラスタリングを行うことにより実現してもよい。グループ分類部24は、上記グループの分類に基づきグループ情報GIを作成して、記憶部12のグループ情報GIを更新する。
【0074】
なお、各グループは2人以上のプレイヤを含むことが望ましい。また、上記所定期間において、各グループ内の対戦数が、グループ間の対抗戦数よりも多くなるように、グループの分類が行われることが望ましい。また、一度作成されたグループ情報GIは、所定期間維持されることが望ましい。また、本実施形態では、対戦履歴に基づいてグループを分類しているが、これに限定されるものではない。例えば、プレイヤが居住する地域、プレイヤが所属する組織、等に基づいてグループを分類してもよい。
【0075】
(付記事項)
上記実施形態では、1対1の対戦について説明しているが、これに限定されるものではない。上記実施形態は、野球、サッカー、ラグビー等のように、複数のプレイヤを含むチームどうしが対戦する場合にも適用可能である。この場合、上述のプレイヤは、個人では無く、チームとなる。また、本実施形態は、対戦ゲーム等のオンラインゲーム上で、1または複数のプレイヤどうしが対戦する場合にも適用可能である。
【0076】
また、上記実施形態は、トランプ、麻雀等のように、3人以上のプレイヤが対戦し、順位または勝敗がつくものにも適用可能である。この場合、レーティング更新装置1は、対戦結果(順位または勝敗)に基づき対戦プレイヤのレーティングの変動量を決定し、対戦プレイヤのレーティングの変動量に分配関数D(R)を乗じることで非対戦プレイヤのレーティングの変動量を決定してもよい。
【0077】
〔ソフトウェアによる実現例〕
レーティング更新装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部11に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0078】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0079】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0080】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0081】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0082】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1 レーティング更新装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
21 対戦結果取得部(結果取得部)
22 グループ特定部
23 レーティング更新部
24 グループ分類部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13