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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147215
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】メモリユニット及びそのレイアウト
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20231004BHJP
   G11C 11/405 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
H10B12/00 801
G11C11/405
H10B12/00 671Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032970
(22)【出願日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】63/362,050
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/664,465
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100182143
【弁理士】
【氏名又は名称】赤川 誠一
(72)【発明者】
【氏名】劉 仁傑
(72)【発明者】
【氏名】呉 瑞仁
(72)【発明者】
【氏名】柯 文昇
(72)【発明者】
【氏名】呂 易倫
(72)【発明者】
【氏名】張 孟凡
【テーマコード(参考)】
5F083
5M024
【Fターム(参考)】
5F083AD69
5F083GA01
5F083GA05
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083ZA28
5M024AA62
5M024BB02
5M024CC02
5M024CC03
5M024LL04
5M024LL05
5M024PP03
5M024PP04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】データアクセスの非効率性を克服するメモリデバイスを提供する。
【解決手段】メモリユニットMC0、MC1と、を備えるメモリユニットペアを含む装置は、第1方向に延在する書き込みビット線WBL及び読み取りビット線と、前記第1方向に垂直な第2方向に延在する書き込みワード線WWL0、WWL1及び読み取りワード線RWL0、RWL1と、書き込みワード線に接続される第1ゲート電極、書き込みビット線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極及びデータ記憶ノードNS0、NS1に接続される第2ソース電極/ドレイン電極を含む書き込みトランジスタMW0、MW1と、データ記憶ノードに接続される第2ゲート電極、読み取りビット線に接続される第3ソース電極/ドレイン電極及び読み取りワード線に接続される第4ソース電極/ドレイン電極を含む読み取りトランジスタMR0、MR1と、を含む。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する書き込みビット線及び読み取りビット線と、
前記第1方向に垂直な第2方向に延在する第1書き込みワード線及び第1読み取りワード線と、
前記第1書き込みワード線に接続される第1ゲート電極、前記書き込みビット線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極、及び第1データ記憶ノードに接続される第2ソース電極/ドレイン電極を含む第1書き込みトランジスタと、前記第1データ記憶ノードに接続される第2ゲート電極、前記読み取りビット線に接続される第3ソース電極/ドレイン電極、及び前記第1読み取りワード線に接続される第4ソース電極/ドレイン電極を含む第1読み取りトランジスタと、を含む第1メモリユニットと、
を備えるメモリデバイス。
【請求項2】
前記第2方向に延在する第2書き込みワード線及び第2読み取りワード線と、
前記第1メモリユニットと同じ構造を有し、前記書き込みビット線、前記読み取りビット線、前記第2書き込みワード線及び前記第2読み取りワード線に接続され、且つ前記第1メモリユニットと組み合わせられて第1メモリユニットペアとして形成される第2メモリユニットと、
前記第1メモリユニットペアと隣接する第2メモリユニットペアと、
前記第1メモリユニットペアと前記第2メモリユニットペアとの間に接続されるダミートランジスタと、
を更に備える請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記ダミートランジスタは、
前記第1メモリユニットペア内の前記第1メモリユニットの前記第1データ記憶ノードに接続される第1ソース電極/ドレイン電極領域と、
前記第2メモリユニットペア内の前記第2メモリユニットの第2データ記憶ノードに接続される第2ソース電極/ドレイン電極領域と、
を含む請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記ダミートランジスタは、
前記第1メモリユニットペア内の前記第1メモリユニットの前記第1読み取りワード線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極領域と、
前記第2メモリユニットペア内の前記第2メモリユニットの前記第2読み取りワード線に接続される第2ソース電極/ドレイン電極領域と、
を含む請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1書き込みワード線に接続され、正電源電圧より低い非ゼロ電圧を出力するための電圧源回路を更に備える請求項1~4の何れか1項に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
複数行及び複数列に配列される複数のメモリユニットペアを含むメモリアレイを備えるメモリデバイスであって、
前記メモリユニットペア内の各々は、
第1書き込み信号に応答して第1入力データを第1データ記憶ノードに書き込む第1書き込みトランジスタと、前記第1データ記憶ノード上の前記第1入力データ及び第1読み取り信号に応答して第1出力データを読み取りビット線に出力するための第1読み取りトランジスタと、を含む第1メモリユニットと、
第2書き込み信号に応答して第2入力データを第2データ記憶ノードに書き込むための第2書き込みトランジスタと、前記第2データ記憶ノード上の前記第2入力データ及び第2読み取り信号に応答して第2出力データを前記読み取りビット線に出力するための第2読み取りトランジスタと、を含む第2メモリユニットと、
を備えるメモリデバイス。
【請求項7】
正電源電圧ノードと、
前記第1データ記憶ノードに接続されるソース電極/ドレイン電極領域を含み、前記正電源電圧ノードに接続されるゲート電極を含むp型ダミートランジスタと、
を更に備える請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
電源電圧ノードと、
前記第1データ記憶ノードに接続されるソース電極/ドレイン電極領域を含み、前記電源電圧ノードに接続されるゲート電極を含むn型ダミートランジスタと、
を更に備える請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記読み取りビット線に接続され、前記読み取りビット線の電流を検出するための電流検出回路を更に備える請求項6~8の何れか1項に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
第1方向に延在する書き込みビット線及び読み取りビット線と、
前記第1方向に垂直な第2方向に延在する書き込みワード線及び読み取りワード線と、
前記書き込みワード線に接続される第1ゲート電極、前記書き込みビット線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極、及びデータ記憶ノードに接続される第2ソース電極/ドレイン電極を含む書き込みトランジスタと、前記データ記憶ノードに接続される第2ゲート電極、前記読み取りビット線に接続される第3ソース電極/ドレイン電極、及び前記読み取りワード線に接続される第4ソース電極/ドレイン電極を含む読み取りトランジスタと、を含むメモリユニットと、
正電源電圧ノード又は電源電圧ノードである電源ノードと、
前記電源ノードに接続される第3ゲート電極と、前記データ記憶ノードに接続される第5ソース電極/ドレイン電極と、を含むダミートランジスタと、
を備えるメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、メモリユニット及びそのレイアウトに関し、特に、メモリユニットを備えるメモリユニット及びそのレイアウトに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路プロセッサは、メモリからデータを取得する必要がある。一般的に、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random-Access Memory;DRAM)が使用される。しかしながら、DRAMはアクセス速度及び電力消費の面で効率が十分ではない。データアクセスの非効率性は「メモリ・ウォール」(memory wall)と呼ばれる。高性能演算プロセッサに用いられる場合、「メモリ・ウォール」を克服しなければならない。
【発明の概要】
【0003】
本願の一実施例では、第1方向に延在する書き込みビット線及び読み取りビット線と、第1方向に垂直な第2方向に延在する第1書き込みワード線及び第1読み取りワード線と、第1書き込みワード線に接続される第1ゲート電極、書き込みビット線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極、及び第1データ記憶ノードに接続される第2ソース電極/ドレイン電極を含む第1書き込みトランジスタと、第1データ記憶ノードに接続される第2ゲート電極、読み取りビット線に接続される第3ソース電極/ドレイン電極、及び第1読み取りワード線に接続される第4ソース電極/ドレイン電極を含む第1読み取りトランジスタと、を含む第1メモリユニットと、を備えるメモリデバイスを提供する。
【0004】
本願の一実施例では、複数行及び複数列に配列される複数のメモリユニットペアを含むメモリアレイを備えるメモリデバイスであって、各メモリユニットペア内の各々は、第1書き込み信号に応答して第1入力データを第1データ記憶ノードに書き込むための第1書き込みトランジスタと、第1データ記憶ノード上の第1入力データ及び第1読み取り信号に応答して第1出力データを読み取りビット線に出力するための第1読み取りトランジスタと、を含む第1メモリユニットと、第2書き込み信号に応答して第2入力データを第2データ記憶ノードに書き込むための第2書き込みトランジスタと、第2データ記憶ノード上の第2入力データ及び第2読み取り信号に応答して第2出力データを読み取りビット線に出力するための第2読み取りトランジスタと、を含む第2メモリユニットと、を備えるメモリデバイスを提供する。
【0005】
本願の一実施例は、第1方向に延在する書き込みビット線及び読み取りビット線と、第1方向に垂直な第2方向に延在する書き込みワード線及び読み取りワード線と、書き込みワード線に接続される第1ゲート電極、書き込みビット線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極、及びデータ記憶ノードに接続される第2ソース電極/ドレイン電極を含む書き込みトランジスタと、データ記憶ノードに接続される第2ゲート電極、読み取りビット線に接続される第3ソース電極/ドレイン電極、及び読み取りワード線に接続される第4ソース電極/ドレイン電極を含む読み取りトランジスタと、を含むメモリユニットと、正電源電圧ノード又は電源電圧ノードである電源ノードと、電源ノードに接続される第3ゲート電極と、データ記憶ノードに接続される第5ソース電極/ドレイン電極と、を含むダミートランジスタと、を備えるメモリデバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示内容の各態様は、図面を参照しながら、以下の詳細な説明に基づいて最もよく理解することができる。各特徴は、業界の標準的な実務に応じて比例的に描かれていないことに注意すべきである。実際には、議論を明確にするために、様々な特徴のサイズは任意に増加又は減少することができる。
図1】いくつかの実施例によるメモリアレイを示す模式図である。
図2A】いくつかの実施例によるメモリユニットペアの回路図である。
図2B】いくつかの実施例による隣接する列における複数のメモリユニットペアの回路図である。
図3】いくつかの実施例によるダミートランジスタを含むメモリユニットペアのレイアウトである。
図4】いくつかの実施例によるメモリユニットペアの書き込み操作である。
図5】いくつかの実施例によるメモリユニットペアの書き込み操作である。
図6】いくつかの実施例によるメモリユニットペアの読み取り操作である。
図7】いくつかの実施例によるダミートランジスタを含むメモリユニットペアの回路図を示す。
図8】いくつかの実施例によるダミートランジスタを共有する2つの隣接するメモリユニットペアの回路図を示す。
図9A】いくつかの実施例によるダミートランジスタを共有する単一フィンメモリユニットペア及び複数フィンメモリユニットペアを含むレイアウトである。
図9B】いくつかの実施例によるダミートランジスタを共有する単一フィンメモリユニットペア及び複数フィンメモリユニットペアを含むレイアウトである。
図10】いくつかの実施例による細長いゲート電極を含むメモリユニットペアのレイアウトである。
図11】いくつかの実施例によるn型トランジスタを用いて形成されたメモリユニットペアの回路図である。
図12】いくつかの実施例によるn型トランジスタを用いて形成されたメモリユニットペアのレイアウトである。
図13】いくつかの実施例によるn型トランジスタを用いて形成されたメモリユニットペアの書き込み操作及び読み取り操作である。
図14】いくつかの実施例によるn型トランジスタを用いて形成されたメモリユニットペアの書き込み操作及び読み取り操作である。
図15】いくつかの実施例によるn型トランジスタを用いて形成された複数フィンメモリユニットペアのレイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の開示内容は、発明の異なる特徴を実現するためのいくつかの異なる実施例又は例を提供する。構成要素及び構成を説明する以下の特定の例は、本開示内容を簡略化するためのものである。もちろん、これらは例に過ぎず、制限を意図するものではない。例えば、以下の説明において、第2特徴の上方又はその上に第1特徴を形成することは、第1特徴と第2特徴が直接接触して形成される実施例を含んでもよく、第1特徴と第2特徴が直接接触しないように、第1特徴と第2特徴との間に追加的な特徴が形成される実施例を含んでもよい。また、本開示内容は、各例において構成要素の符号又は文字を繰り返すことができる。この繰り返しは、簡潔化と明確化を目的として、それ自体は、議論された様々な実施例又は配置間の関係を特定するものではない。
【0008】
また、容易に説明するために、図に示すような1つの構成要素又は特徴と別の構成要素又は特徴との関係について、本明細書において「…の下方」、「…の下」、「下方」、「…の上方」、「上方」のような空間的相対用語を用いて説明することができる。図に示される方向に加えて、空間的相対用語は、装置の使用中又は動作中の異なる方向をカバーすることを意図している。装置は、別の方法で方向づけられてもよく(90度回転するか、又は別の方向に応じる)、且つ本明細書で使用される空間的相対記述も、それに対応して解釈されてもよい。
【0009】
メモリユニット、対応するメモリユニットペア及びメモリアレイを提供する。本開示内容のいくつかの実施例によると、メモリユニットであって、書き込み信号に応答して入力データをデータ記憶ノードに書き込むための書き込みトランジスタと、データ記憶ノードに記憶されたデータ及び読み取り信号に応答して出力データを出力するための読み取りトランジスタと、を含む。書き込みトランジスタは、書き込みビット線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極領域(ソース電極領域又はドレイン電極領域であってもよい)、及びデータ記憶ノードに接続される第2ソース電極/ドレイン電極領域を有する。書き込みトランジスタの第1ゲート電極は、書き込みワード線に接続される。読み取りトランジスタは、データ記憶ノードに接続される第2ゲート電極、読み取りワード線に接続される第3ソース電極/ドレイン電極領域、及び読み取りビット線に接続される第4ソース電極/ドレイン電極領域を有する。メモリユニットは、ダミートランジスタを含んでも含まなくてもよい。トランジスタの数が少ない(2個以下)ため、メモリユニットは高い動作速度及び小寸法を有する。本明細書で論じた実施例は、本開示内容の目的を達成又は使用するための例を提供し、且つ異なる実施例の予期される範囲内に維持されると同時に可能な修正を当業者が容易に理解する。様々な図及び例示的な実施例では、同じ符号は、同じ構成要素を示すために用いられる。方法実施例は、特定の順序で実行されるように討議されてもよいが、他の方法実施例は、任意の論理順序で実行されてもよい。
【0010】
図1を参照して、メモリアレイ20が形成される。メモリアレイ20は、複数のメモリユニットペア(memory cell pair、MCP)を含み、これらのMCPは、複数列及び複数行に割り当てられる。メモリユニットペアの総列数はmであり、整数である。そのため、メモリユニットペアの列は、Row-1、Row-2……Row-mと表される。整数mは、2の倍数としてもよく、且つ64、128、256、512、1024等から選択される数としてもよい。これらのメモリユニットペアMCPのうちの各々は、2つのメモリユニットを含むため、メモリアレイ内のメモリユニットの総数は2*mに等しい。
【0011】
メモリユニットペアの総行数はnであり、整数である。そのため、メモリユニットペアの行は、Col-1、Col-2……Col-nと表される。整数nは、2の倍数であってもよく、且つ64、128、256、512、1024等から選択される数であってもよい。メモリユニットペアMCPの位置は、その対応する列番号の後に行番号が続くことによって示される。例えば、m列のn行目のメモリユニットペアは、メモリユニットペアMCPmn(又はMCPm_n)のように表記される。列番号及び行番号のうちの一方又は両方が複数の桁を含む時に、列番号及び行番号は、符号「_」で区切られてもよいことに注意すべきである。例えば、10列の12行目のメモリユニットMCPは、MCP1012ではなく、MCP10_12と呼ばれてもよい。そのため、メモリユニットペアの総数は、(m×n)に等しく、メモリアレイ20内のメモリユニットの総数は、(2×m×n)に等しい。
【0012】
図2Aはいくつかの実施例による2トランジスタ(two-transistor;2T)メモリユニットペアMCPの回路図を示す。メモリユニットペアMCPは、メモリユニットMC0及びメモリユニットMC1を含む。メモリユニットMC0とMC1は、互いに反転してミラーリングすることができる。そのため、メモリユニットMC0とMC1は、相互線対称と呼ばれることもある。いくつかの実施例によると、メモリユニットMC0とMC1の各々は、2つのトランジスタを含むため、対応するメモリユニットMC0とMC1は、2T利得ユニットと呼ばれる。代替実施例によると、メモリユニットMC0とMC1の各々は、2.5個のトランジスタ、3個のトランジスタ等、2個を超えるトランジスタを含んでもよい。
【0013】
メモリユニットMC0は、書き込みトランジスタMW0及び読み取りトランジスタMR0を含む。メモリユニットMC1は、書き込みトランジスタMW1及び読み取りトランジスタMR1を含む。書き込みトランジスタMW0の第1端(例えば、ソース電極)は、書き込みビット線WBLにカップリングされる(且つ直接接続されてもよい)。書き込みトランジスタMW0の第2端(例えば、ドレイン電極)は、データ記憶ノードNS0にカップリングされる(且つ直接接続されてもよい)。書き込みトランジスタMW0の制御端(ゲート電極)は、書き込みワード線WWL0にカップリングされる(且つ直接接続されてもよい)。
【0014】
読み取りトランジスタMR0の第1端(例えば、ソース電極)は、読み取りビット線RBLにカップリングされる(且つ直接接続されてもよい)。読み取りトランジスタMR0の第2端(例えば、ドレイン電極)は、読み取りワード線RWL0にカップリングされる(且つ直接接続されてもよい)。読み取りトランジスタMR0の制御端(ゲート電極)は、データ記憶ノードNS0にカップリングされる(且つ直接接続されてもよい)。
【0015】
メモリユニットMC1は、書き込みトランジスタMW1及び読み取りトランジスタMR1を含む。書き込みトランジスタMW1の第1端(例えば、ソース電極)は、書き込みビット線WBLにカップリングされる。書き込みトランジスタMW1の第2端(例えば、ドレイン電極)は、データ記憶ノードNS1にカップリングされる。書き込みトランジスタMW1の制御端(ゲート電極)は、書き込みワード線WWL1にカップリングされる。
【0016】
読み取りトランジスタMR1の第1端(例えば、ソース電極)は、読み取りビット線RBLにカップリングされる。読み取りトランジスタMR1の第2端(例えば、ドレイン電極)は、読み取りワード線RWL1にカップリングされる。第1読み取りトランジスタMR1の制御端(ゲート電極)は、データ記憶ノードNS1にカップリングされる。
【0017】
いくつかの実施例によると、書き込みトランジスタMW0及び読み取りトランジスタMR0の、読み取りビット線、書き込みビット線、読み取りワード線、書き込みビット線等への接続は、抵抗器、コンデンサ等の付加装置を含まない直接接続である。代替実施例によると、書き込みトランジスタMW0及び読み取りトランジスタMR0の、読み取りビット線、書き込みビット線、読み取りワード線、書き込みビット線等へのいくつかの接続は、抵抗器、コンデンサ等の付加装置を含んでもよい間接的接続である。
【0018】
いくつかの実施例によると、メモリユニットペアMCP内の全てのトランジスタ(書き込みトランジスタMW0とMW1、及び読み取りトランジスタMR0とMR1を含む)は、p型(p型ソース電極及びドレイン電極領域を有する)又はn型(n型ソース電極及びドレイン電極領域を有する)のような同じタイプである。また、メモリユニットペア内の全てのトランジスタは、平面トランジスタ構造、フィン電界効果トランジスタ(Fin Field-Effect Transistor、FinFET)構造、全周ゲート電極(Gate-All-Around、GAA)トランジスタ構造等の同じ構造を有してもよい。
【0019】
図2Bはいくつかの実施例による同一の行における複数の隣接する2トランジスタ(two-transistor、2T)メモリユニットペアMCPの回路図を示す。これらのメモリユニットペアMCPは、同一の書き込みビット線WBL及び同一の読み取りビット線RBLを共有し、且つ別々の書き込みビット線及び読み取りビット線を有する。
【0020】
いくつかの実施例によると、隣接する列のメモリユニットペアMCPは、ダミートランジスタMD1及び/又はMD2によって互いに分離されてもよい。ダミートランジスタMD1とMD2は、全機能トランジスタであり、且つメモリアレイ20の動作中にオフ状態に維持される。ダミートランジスタMD1とMD2がp型トランジスタであるいくつかの実施例によると、高電圧(例えば、VDD)は、ダミートランジスタMD1とMD2のゲート電極に接続されて、これらのトランジスタをオフにすることができる。ダミートランジスタMD1とMD2のソース電極及びドレイン電極領域は、隣接するメモリユニットペアMCP内のデータ記憶ノードNS0とNS1に接続される。ダミートランジスタMD1とMD2の機能は、図3の後続の説明において見出すことができる。ダミートランジスタMD1とMD2の導電タイプは、書き込みトランジスタMW0とMW1、及び読み取りトランジスタMR0とMR1の導電タイプと同じであっても異なってもよい。
【0021】
図3図2Bに示される実施例の例示的なレイアウトを示す。図3に示されるレイアウト(及び他の図中のレイアウト)は、物理的ウェハ(例えば、シリコンウェハ)上に形成されるメモリデバイスの上面図でもあることを理解すべきである。説明されるレイアウトは、例としてFinFETを使用し、他のタイプのトランジスタを使用してもよい。
【0022】
複数の(半導体)フィン(FINと表記され、フィンFIN0とFIN1を含む)は、互いに平行に形成され、且つY方向に延在する。複数のゲート電極スタック(ゲート電極)は、X方向に延在する。ゲート電極スタックは、ゲート電極スタックGDを含み、これらのゲート電極スタックGDは、ダミートランジスタMD1とMD2のゲート電極スタックである。ダミートランジスタMD1とMD2がp型トランジスタである場合に、ゲート電極スタックGDは、正電源電圧VDDに接続されてもよく、且つダミートランジスタMD1とMD2がn型トランジスタである場合に、ゲート電極スタックGDは、電源電圧VSSに(電気的接続)接続されてもよい。ゲート電極スタックは、ゲート電極スタックGFを更に含み、これらのゲート電極スタックGFは、機能トランジスタのゲート電極スタックとなり、書き込みトランジスタMW0とMW1を含み、且つ読み取りトランジスタは、MR0とMR1を含む。
【0023】
データ記憶ノードNS0とNS1は、隣接するゲート電極スタックGFとGDとの間に形成されてもよい。いくつかの実施例によると、データ記憶ノードNS0とNS1、読み取りワード線RWL0とRWL1、読み取りビット線RBLと書き込みビット線WBLは、ソース電極/ドレイン電極領域及び対応するソース電極/ドレイン電極コンタクトプラグを含んでもよい。
【0024】
図3に示すように、3つのメモリユニットペアMCP11、MCP21及びMCP31は、隣接する列にある。メモリユニットペアMCP11、MCP21及びMCP31の各々において、メモリユニットMC0とMC1は、対応するメモリユニットペアの中間部に位置し、且つX方向に延在する直線に対して互いに線対称となる。例えば、メモリユニットペアMCP11内のメモリユニットMC0とMC1は、直線26と線対称となる。又は、各メモリユニットペア内のメモリユニットMC0とMC1は、対応するメモリユニットペアの中間部の第1直線に対して反転し、前記直線はX方向に延在する。
【0025】
いくつかの実施例によると、同一の行における全てのメモリユニットペアの書き込みトランジスタMW0とMW1は、同一の半導体フィン(例えば、FIN0)を共有し、前記半導体フィンは、選択された位置でオフになってもよい。同一の行における全てのメモリユニットペアの読み取りトランジスタMR0とMR1は、同一の半導体フィン(例えば、半導体フィンFIN1)を共有する。また、半導体フィンFIN0は、書き込みビット線WBLに接続され、且つ同一の行における全てのメモリユニットまで延在する。半導体フィンFIN1は、読み取りビット線RBLに接続され、且つ同一の行における全てのメモリユニットまで延在する。
【0026】
図3に示すように、メモリユニットペアの寸法がコンパクトであるため、メモリユニットペアMCP11内のデータ記憶ノードNS0とメモリユニットペアMCP21内のデータ記憶ノードNS1との隣接距離は小さい。ダミートランジスタMD1は、隣接するデータ記憶ノードNS0とNS1との間に形成される。ダミートランジスタMD1がp型トランジスタであるいくつかの実施例によると、電圧VDDは、ダミートランジスタMD1のゲート電極GDに印加される。ダミートランジスタMD1がオフになることにより、メモリユニットペアMCP11内のデータ記憶ノードNS0とメモリユニットペアMCP21内のデータ記憶ノードNS1は、電気的及び信号的に切断される。
【0027】
代替実施例によると、2つの隣接するデータ記憶ノードNS0とNS1をダミートランジスタMD1によって電気的に切断する代わりに、フィンFIN0は、隣接するデータ記憶ノードNS0とNS1が物理的に(電気的にも)互いに分離されるように、ゲート電極GDの位置で実体的に切断してもよい。この場合、ダミートランジスタMD1のダミーゲート電極GDは形成されない。対応する回路図は、ダミートランジスタMD1が形成されない点を除いて、図2Bに示される回路図と同様である。
【0028】
同様に、メモリユニットペアの寸法がコンパクトであるため、メモリユニットペアMCP11内の読み取りワード線RWL0とメモリユニットペアMCP21内の読み取りワード線RWL1との隣接距離は小さい。ダミートランジスタMD2は、隣接する読み取りワード線RWL0とRWL1との間に形成される。ダミートランジスタMD2がp型トランジスタであるいくつかの実施例によると、電圧VDDは、ダミートランジスタMD2のゲート電極GDに印加される。ダミートランジスタMD2がオフになり、且つメモリユニットペアMCP11内の読み取りワード線RWL0とメモリユニットペアMCP21内の読み取りワード線RWL1は、電気的及び信号的に切断される。
【0029】
代替実施例によると、2つの隣接する読み取りワード線RWL0とRWL1をダミートランジスタMD2によって電気的に切断する代わりに、フィンFIN1は、隣接する読み取りワード線RWL0とRWL1が物理的に(電気的にも)互いに分離されるように、ゲート電極GDの位置でソリッドに切断してもよい。この場合、ダミートランジスタMD2のダミーゲート電極GDは形成されない。対応する回路図は、ダミートランジスタMD2が形成されない点を除いて、図2Bに示される回路図と同様である。
【0030】
以下に、いくつかの実施例による例示的な書き込み操作について図4及び図5を参照しながら説明する。図4は書き込み操作に用いられる対応する信号を示し、図5はメモリユニットペアMCP内の線、ノード及び書き込み操作中の対応する信号/電圧を示す表を示す。図4を参照して説明した例示的なトランジスタは、p型トランジスタである。
【0031】
図4を参照し、ある時点でメモリユニットMC0に書き込みたいと仮定すると、書き込みトランジスタMW0は、図5に示すように、書き込み信号SW0によって選択され、前記書き込み信号SW0は、電圧VSSに等しくてもよい。そのため、書き込みトランジスタMW0は、オンになる。書き込みトランジスタMW0は、書き込みビット線WBL上の第1入力データDIN0をデータ記憶ノードNS0に書き込む。そのため、データ記憶ノードNS0上の論理値を書き込み、前記論理値は、第1入力データDIN0の論理値と同じである。記憶されたデータは、それぞれ高電圧信号(例えば、VDD)及び低電圧信号(例えば、VSS)に対応する「H」(高)又は「L」(低)であってもよい。
【0032】
書き込み操作を実行する時に、読み取りワード線RWL0上の読み取り信号DR0(図4)は、低電圧VSSに等しくなる。そのため、データ記憶ノードNS0上の論理値(高い又は低く、図5に示す)にかかわらず、読み取りビット線RBL上には電流がない。そのため、書き込み操作中の電力消費を低減させる。
【0033】
いくつかの実施例による例示的な読み取り操作について図4及び図6を組み合わせて説明する。図4は読み取り操作に用いられる対応する信号を示し、図6は読み取り操作中の線、ノード及び対応する信号を示す表を示す。ある時点でメモリユニットMC0を読み取りたいと仮定すると、書き込みトランジスタMW0は、書き込みワード線WWL0上の第1書き込み信号SW0(SW0=VDD)によって選択される。そのため、書き込みトランジスタMW0は、オフになる。データノードNS0は、現在浮動ノードである。読み取り信号DR0は、読み取りワード線RWL0に印加される。読み取り信号DR0は、読み取り電圧Vreadに等しく、非ゼロ電圧である。読み取り電圧Vreadは、VSSより大きい電圧であり、且つ電圧VDD以下であってもよい。読み取り電圧Vreadは、電圧源22によって生成されてもよい。
【0034】
データ記憶ノードNS0にデータ「H」が記憶されている場合に、読み取りトランジスタMR0はオフになる(図6)。そのため、読み取りビット線RBL上の出力データは、読み取りビット線RBL上の「無電流」に関連付けられる。逆に、データ記憶ノードNS0にデータ「L」が記憶されている場合に、読み取りトランジスタMR0はオンになる(図6)。そのため、読み取りビット線RBL上の出力データは、読み取りビット線RBL上の「読み取り電流」に関連付けられる。読み取りビット線RBL上の電流は、読み取りビット線RBLに接続される電流検出回路24によって検出可能である。「読み取り電流」は、電圧Vreadに依存し、且つ電圧Vreadが高いほど、読み取りビット線RBL上の電流が大きい。電力消費を低減させるために、電流検出回路が、生成された電流を確実に検出できる限り、電圧Vreadを低減させる。例えば、いくつかの実施例によると、電圧Vreadは、約(1/5)*VDDとVDDとの間に範囲内であってもよく、且つ約(1/5)*VDDと約(4/5)*VDDとの間の範囲内であってもよい。メモリユニットMC1の動作は、メモリユニットMC0と実質的に同じである。
【0035】
図1に戻って参照し、制御回路28は、メモリアレイ20に接続され、且つメモリアレイ20の動作を制御する。例えば、メモリアレイ20の書き込み操作及び読み取り操作は、制御回路28によって制御される。制御回路28は、ワード線コントローラ、ビット線コントローラ、電圧源(図4における電圧源22)、図4における電流検出回路24、ダミートランジスタのオフ等を含んでもよい。制御回路28は、メモリアレイ20の書き込み操作及び読み取り操作を制御して同期させることができる。
【0036】
図7は3トランジスタ(three-transistor、3T)メモリユニットペアMCPを示し、メモリユニットMC0とMC1の各々は、書き込みトランジスタ(MW0又はMW1)、読み取りトランジスタ(MR0又はMR1)、及びダミートランジスタ(MD0又はMD1)を含む。ダミートランジスタMD0とMD1のゲート電極は、電圧VDD等の高電圧に接続される。そのため、メモリアレイ20の全動作中、ダミートランジスタMD0とMD1は、常に電圧VDDによってオフにされる。ダミートランジスタMD0とMD1は、メモリユニット及び/又はメモリユニットペア中のノード(例えば、データ記憶ノードNS0及びデータ記憶ノードNS1)が隣接するメモリユニット又はメモリユニットペアによって干渉されることを防止するように機能する。書き込みトランジスタMW0とMW1、及び読み取りトランジスタMR0とMR1について、読み取り操作及び書き込み操作中の動作は、図4図5及び図6を参照して説明した動作と同じであり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0037】
図8はいくつかの実施例による隣接するメモリユニットペア(隣接する列)に位置するメモリユニットペアMCPAとMCPBの一部の回路図を示す。これらの実施例は、各メモリユニットMC0とMC1に専用のダミートランジスタがなく、2つのダミートランジスタMD1とMD2が形成され、各ダミートランジスタが隣接するメモリユニットペアMCPAとMCPBによって共有される点を除いて、図7に示される実施例と同様である。各メモリユニットMCは、各ダミートランジスタMD1とMD2の半分を有すると考えられてもよい。そのため、各メモリユニットMCは、書き込みトランジスタ、読み取りトランジスタ及び2つのダミートランジスタMD1とMD2のそれぞれの半分を含む平均3つのトランジスタを有する。同様に、書き込みワード線WWLは、書き込みトランジスタMWのゲート電極に接続される。書き込みビット線WBLは、書き込みトランジスタMWのソース電極/ドレイン電極領域に接続される。読み取りビット線RBLは、読み取りトランジスタMRのソース電極/ドレイン電極領域に接続される。読み取りワード線RWLは、読み取りトランジスタMRのソース電極/ドレイン電極領域に接続される。
【0038】
メモリユニット及び対応するメモリアレイ20(図1)の全動作中、ダミートランジスタMD1とMD2もオフになる。いくつかの実施例によると、ダミートランジスタMD1とMD2は、p型トランジスタであり、且つ高電圧VDDは、p型ダミートランジスタMD1とMD2のゲート電極に接続されてそれをオフにしてもよい。代替実施例によると、2つのn型ダミートランジスタMD1とMD2が形成され、且つこれらのn型ダミートランジスタMD1とMD2のゲート電極は、n型ダミートランジスタMD1とMD2をオフにするように電圧VSSに接続される。ダミートランジスタMD1のソース電極/ドレイン電極領域は、隣接するメモリユニットペアMCPAとMCPB内の隣接するデータ記憶ノードNSに接続されるため、隣接するデータ記憶ノードNSを互いに電気的及び信号的にデカップリングする。ダミートランジスタMD2のソース電極/ドレイン電極領域は、読み取りワード線RWL0とRWL1に接続されるため、隣接するメモリユニットペアMCPAとMCPB内の読み取りワード線RWL0とRWL1を互いに電気的及び信号的にデカップリングする。
【0039】
図9A図8に示されるレイアウトを示す。ダミートランジスタMD1のゲート電極GDは半導体フィンFIN1上に延在することが分かる。メモリユニットペアMCPAでの半導体フィンFIN1の部分は、データ記憶ノードNS(NSAと表記)に接続される。メモリユニットペアMCPBでの半導体フィンFIN1の部分は、データ記憶ノードNS(NSBと表記)に接続される。そのため、ダミートランジスタMD1は、データ記憶ノードNSAとNSBを互いに電気的にデカップリングする。ダミートランジスタMD2のゲート電極GDは、半導体フィンFIN0上に位置する。メモリユニットペアMCPAでの半導体フィンFIN0の部分は、読み取りワード線RWL(RWLAと表記)に接続される。メモリユニットペアMCPBでの半導体フィンFIN1の部分は、読み取りワード線RWL(RWLBと表記)に接続される。そのため、ダミートランジスタMD2は、読み取りワード線RWLAとRWLBを互いに電気的にデカップリングする。いくつかの実施例によると、同一の列におけるダミートランジスタMD1とMD2は同一のゲート電極GDを共有し、前記ゲート電極GDは、メモリアレイ20の全ての行まで延在する長いゲート電極である。
【0040】
図9B図8に示される回路のレイアウトを示す。前記レイアウトは、図9Aに示されるレイアウトと同様であるが、図9Bは複数フィントランジスタを示すのに対して、図9Aは単一フィントランジスタを示す点で異なる。また、図9Bでは、複数の半導体フィンFIN2は、1行における書き込みビット線WBLに接続され、且つそのために用いられる。複数の半導体フィンFIN3は、1行における読み取りビット線RBLに接続され、且つそのために用いられる。メモリユニットの応答速度及び出力電流値は、半導体フィンの数の増加につれて増加する。いくつかの実施例によると、フィンFIN0とFIN1に基づくメモリユニットペアは、フィンFIN2とFIN3に基づくメモリユニットペアと線対称となる。
【0041】
図10はメモリユニットペアMCP11とMCP21のレイアウトを示す。これらの実施例によると、メモリユニットペアMCP21内の単一ゲート電極スタックGDは、半導体フィンFIN0とFIN1の両方まで延在し、また、そのためダミートランジスタMD1とMD2の両方は形成される。
【0042】
図11はいくつかの実施例によるメモリユニットペアMCPAとMCPBの部分を示す。これらの実施例は、図8に示される実施例と同様であるが、p型トランジスタの代わりに、n型トランジスタを用いてメモリユニットMC及びMCPペアであるMCPAとMCPBを形成する点で異なる。説明された部分は、メモリユニットペアMCPAの半分及びメモリユニットペアMCPBの半分を含む。各メモリユニットペアMCPAとMCPBの構造全体は、図2A図2B及び図4に示されるメモリユニットペアと同様であり、トランジスタはn型トランジスタに変更される。
【0043】
いくつかの実施例によると、2つのn型ダミートランジスタMD1とMD2は形成され、各n型ダミートランジスタは、2つのメモリユニットペアMCPAとMCPBによって共有される。各メモリユニットMCは、各ダミートランジスタMD1とMD2の半分を有すると考えられてもよい。そのため、各メモリユニットMCは、書き込みトランジスタ、読み取りトランジスタ及び2つのダミートランジスタMD1とMD2のそれぞれの半分を含む平均3つのトランジスタを有する。同様に、書き込みワード線WWLは、書き込みトランジスタMWのゲート電極に接続される。書き込みビット線WBLは、書き込みトランジスタMWのソース電極/ドレイン電極領域に接続される。読み取りビット線RBLは、読み取りトランジスタMRのソース電極/ドレイン電極領域に接続される。読み取りワード線RWLは、読み取りトランジスタMRのソース電極/ドレイン電極領域に接続される。
【0044】
メモリユニット及び対応するメモリアレイ20の全動作中、ダミートランジスタMD1とMD2もオフになる。いくつかの実施例によると、n型ダミートランジスタMD1とMD2を用いて、且つ低電圧(例えば、電圧VSS)は、n型ダミートランジスタMD1とMD2のゲート電極に接続されてそれをオフにしてもよい。ダミートランジスタMD1のソース電極/ドレイン電極領域は、隣接するメモリユニットペアMCPAとMCPB内の隣接するデータ記憶ノードNSに接続されるため、隣接するデータ記憶ノードNSを互いに電気的及び信号的にデカップリングする。ダミートランジスタMD2のソース電極/ドレイン電極領域は、隣接する読み取りワード線RWLに接続されるため、隣接するメモリユニットペアMCPAとMCPB内の読み取りワード線RWLを互いに電気的及び信号的にデカップリングする。代替実施例によると、2つのp型ダミートランジスタMD1とMD2は、図11に示される構造に使用されてもよく、且つp型ダミートランジスタMD1とMD2のゲート電極は、電圧VDD等の高電圧に接続され、p型ダミートランジスタMD1とMD2をオフにする。
【0045】
図12図11に示される回路のレイアウトを示す。ダミートランジスタMD1のゲート電極GDは半導体フィンFIN1上に延在することが分かる。メモリユニットペアMCPAでの半導体フィンFIN1の部分は、データ記憶ノードNS(NSAと表記)に接続される。メモリユニットペアMCPBでの半導体フィンFIN1の部分は、データ記憶ノードNS(NSBと表記)に接続される。そのため、ダミートランジスタMD1は、データ記憶ノードNSAとNSBを互いに電気的にデカップリングする。ダミートランジスタMD2のゲート電極GDは半導体フィンFIN0上に延在する。メモリユニットペアMCPAでの半導体フィンFIN0の部分は、読み取りワード線RWL(RWLAと表記)に接続される。メモリユニットペアMCPBでの半導体フィンFIN1の部分は、読み取りワード線RWL(RWLBと表記)に接続される。そのため、ダミートランジスタMD2は、読み取りワード線RWLAとRWLBを互いに電気的にデカップリングする。
【0046】
いくつかの実施例によると、以下に、n型トランジスタ(図11)から構成されるMCPユニットの例示的な書き込み操作を説明する。図13はメモリユニットペアMCP内の線、ノード及び書き込み操作中の対応する信号を示す表を示す。
【0047】
ある時点でメモリユニットMCに書き込みたいと仮定すると、書き込みトランジスタMWは、図13に示すように、書き込み信号SWによって選択され、前記書き込み信号SWは、電圧VDDに等しくてもよい。そのため、書き込みトランジスタMWは、オンになる。書き込みトランジスタMWは、書き込みビット線WBL上の入力データを対応するデータ記憶ノードNSに書き込む。そのため、データ記憶ノードNS上の論理値を書き込み、前記論理値は、入力データの論理値と同じである。記憶されたデータは、それぞれ高電圧信号(例えば、電圧VDD)及び低電圧信号(例えば、電圧VSS)に対応する「H」(高)又は「L」(低)であってもよい。
【0048】
書き込み操作を実行する時に、対応する読み取りワード線RWL上の読み取り信号DRは、低電圧(例えば、電圧VSS)に等しい。そのため、データ記憶ノードNS上の論理値(高い又は低く、図5に示す)にかかわらず、読み取りビット線RBL上には電流がない。そのため、書き込み操作中の電力消費を低減させる。
【0049】
図14はいくつかの実施例による例示的な読み取り操作を示す。図14は読み取り操作中の対応するメモリユニット内の線及びノードを示す表を示す。ある時点でメモリユニットMC(図11)を読み取りたいと仮定すると、書き込みトランジスタMWは、信号SWによって選択され、前記信号SWは低電圧VSSである。そのため、書き込みトランジスタMWは、オフになる。データノードNSは、現在浮動ノードである。読み取り信号DRは、読み取りワード線RWLに印加される。読み取り信号は、読み取り電圧Vreadに等しく、非ゼロ電圧である。読み取り電圧Vreadは、VSSより大きい電圧であり、且つ電圧VDD以下であってもよい。読み取り電圧Vreadは、制御回路28(図1)に位置する電圧源25(図11)によって生成されてもよい。
【0050】
データ記憶ノードNSにデータ「L」が記憶されている場合に、読み取りトランジスタMRはオフになる(図11)。そのため、読み取りビット線RBL上の出力データは、読み取りビット線RBL上の「無電流」に関連付けられる。逆に、データ記憶ノードNSにデータ「H」が記憶されている場合に、読み取りトランジスタMRはオンになる(図11)。そのため、読み取りビット線RBL上の出力データは、読み取りビット線RBL上の「読み取り電流」に関連付けられ、前記「読み取り電流」は、読み取りビット線RBLに接続される電流検出回路24(図11)によって検出可能である。「読み取り電流」は、電圧Vreadに依存し、且つ電圧Vreadが高いほど、読み取りビット線RBL上で生成された電流が大きい。電力消費を低減させるために、電流検出回路が、生成された電流を確実に検出できる限り、電圧Vreadは低く維持される。例えば、いくつかの実施例では、電圧Vreadは、約(1/5)*VDDとVDDの間の範囲内であってもよく、且つ約(1/5)*VDDと約(4/5)*VDDの間の範囲内であってもよい。
【0051】
図15図11に示される回路のレイアウトを示す。前記レイアウトは、図9Bに示されるレイアウトと同様であるが、トランジスタのソース電極/ドレイン電極領域はn型ドーパントがドーピングされたn型ソース電極/ドレイン電極領域である点で異なる。メモリユニット内のトランジスタは、複数フィントランジスタである。そのため、メモリユニットの応答速度及び出力電流値は、半導体フィンの数の増加につれて増加する。
【0052】
本開示の実施例はいくつかの有利な特徴を有する。本開示の実施例によるメモリユニットは、少量のトランジスタを有する。対応するメモリアレイの動作速度が高められる。メモリアレイの密度が増加する。そのため、メモリアレイは、高性能演算プロセッサの高速メモリとして用いられることができる。
【0053】
本開示のいくつかの実施例によると、装置であって、第1方向に延在する書き込みビット線及び読み取りビット線と、第1方向に垂直な第2方向に延在する第1書き込みワード線及び第1読み取りワード線と、第1書き込みワード線に接続される第1ゲート電極、書き込みビット線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極、及び第1データ記憶ノードに接続される第2ソース電極/ドレイン電極を含む第1書き込みトランジスタ、及び第1データ記憶ノードに接続される第2ゲート電極、読み取りビット線に接続される第3ソース電極/ドレイン電極、及び第1読み取りワード線に接続される第4ソース電極/ドレイン電極を含む第1読み取りトランジスタを含む第1メモリユニットと、を含む。実施例において、第1ゲート電極と第1書き込みワード線は直接接続され、第1ソース電極/ドレイン電極と書き込みビット線は直接接続され、第2ゲート電極と第1データ記憶ノードは直接接続され、且つ第3ソース電極/ドレイン電極と読み取りビット線は直接接続される。
【0054】
実施例において、第1メモリユニット内のトランジスタの総数は2つである。実施例において、第1書き込みトランジスタ及び第1読み取りトランジスタは、何れもp型トランジスタである。実施例において、第1書き込みトランジスタ及び第1読み取りトランジスタは、何れもn型トランジスタである。実施例において、前記装置は、第2方向に延在する第2書き込みワード線及び第2読み取りワード線と、第1メモリユニットと同じ構造を有する第2メモリユニットと、を更に含み、第2メモリユニットは、書き込みビット線、読み取りビット線、第2書き込みワード線、及び第2読み取りワード線に接続され、且つ第1メモリユニットと第2メモリユニットは、組み合わせられて第1メモリユニットペアとして形成される。実施例において、前記装置は、第1メモリユニットペアと隣接する第2メモリユニットペアと、第1メモリユニットペアと第2メモリユニットペアとの間に接続されるダミートランジスタと、を更に含む。
【0055】
実施例において、ダミートランジスタは、第1メモリユニットペア内の第1メモリユニットの第1データ記憶ノードに接続される第1ソース電極/ドレイン電極領域と、第2メモリユニットペア内の第2メモリユニットの第2データ記憶ノードに接続される第2ソース電極/ドレイン電極領域と、を含む。実施例において、ダミートランジスタは、第1メモリユニットペア内の第1メモリユニットの第1読み取りワード線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極領域と、第2メモリユニットペア内の第2メモリユニットの第2読み取りワード線に接続される第2ソース電極/ドレイン電極領域と、を含む。実施例において、前記装置は、読み取りビット線に接続される電流検出回路を更に備える。実施例において、前記装置は、第1書き込みワード線に接続され、正電源電圧VDDより小さい非ゼロ電圧を出力するための電圧源回路を更に備える。
【0056】
本開示のいくつかの実施例によると、装置は、複数行及び複数列に配列される複数のメモリユニットペアを含むメモリアレイを含み、これらのメモリユニットペアのうちの各々は、第1書き込み信号に応答して第1入力データを第1データ記憶ノードに書き込むための第1書き込みトランジスタと、第1データ記憶ノード上の第1入力データ及び第1読み取り信号に応答して第1出力データを読み取りビット線に出力するための第1読み取りトランジスタと、を含む第1メモリユニットと、第2書き込み信号に応答して第2入力データを第2データ記憶ノードに書き込むための第2書き込みトランジスタと、第2データ記憶ノード上の第2入力データ及び第2読み取り信号に応答して読み取りビット線に第2出力データを出力するための第2読み取りトランジスタと、を含む第2メモリユニットと、を含む。実施例において、第1メモリユニット及び第2メモリユニットは、メモリアレイの隣接する列に位置する。
【0057】
実施例において、前記装置は、VDD電圧ノードと、VDD電圧ノードに接続されるゲート電極を含み、第1データ記憶ノードに接続されるソース電極/ドレイン電極領域を含むp型ダミートランジスタと、を更に含む。実施例において、前記装置は、VSS電圧ノードと、VSS電圧ノードに接続されるゲート電極を含み、第1データ記憶ノードに接続されるソース電極/ドレイン電極領域を含むn型ダミートランジスタと、を更に含む。実施例において、前記装置は、読み取りビット線に接続され、読み取りビット線の電流を検出するための電流検出回路を更に備える。
【0058】
本開示のいくつかの実施例によると、装置は、第1方向に延在する書き込みビット線及び読み取りビット線と、第1方向に垂直な第2方向に延在する書き込みワード線及び読み取りワード線と、書き込みワード線に接続される第1ゲート電極、書き込みビット線に接続される第1ソース電極/ドレイン電極、及びデータ記憶ノードに接続される第2ソース電極/ドレイン電極を含む書き込みトランジスタと、データ記憶ノードに接続される第2ゲート電極、読み取りビット線に接続される第3ソース電極/ドレイン電極、及び読み取りワード線に接続される第4ソース電極/ドレイン電極を含む読み取りトランジスタと、を含むメモリユニットと、VDDノード又はVSSノードである電源ノードと、電源ノードに接続される第3ゲート電極、及びデータ記憶ノードに接続される第5ソース電極/ドレイン電極を含むダミートランジスタと、を更に含む。実施例において、ダミートランジスタは、p型トランジスタであり、且つ電源ノードは、VDDノードである。実施例において、ダミートランジスタは、n型トランジスタであり、且つ電源ノードは、VSSノードである。実施例において、メモリユニットは、2トランジスタユニットである。
【0059】
いくつかの実施例の特徴は、当業者が本開示内容の各態様をよりよく理解するために、以上で概説された。当業者は、本明細書に記載された実施例と同じ目的及び/又は同じ利点を実現するために、他の工程及び構造を設計又は修正する基礎として本開示の内容を容易に用いることができることを当業者であれば理解すべきである。これらの等価構造は、本開示の精神及び範囲から逸脱しないものであり、且つ本開示の精神及び範囲から逸脱しない限り、様々な変更、代替、及び変更を行うことができることを当業者にも認識すべきである。
【符号の説明】
【0060】
20 メモリアレイ
22、25 電圧源
24 電流検出回路
26 直線
28 制御回路
Col-1~Col-n 行
DIN0 第1入力データ
DR0 読み取り信号
FIN0~FIN3 フィン
GD、GF ゲート電極スタック
H 高
L 低
MC、MC0、MC1 メモリユニット
MCP、MCP11、MCP21、MCP31、MCPA、MCPB、MCPmn メモリユニットペア
MD0、MD1、MD2 ダミートランジスタ
MR、MR0、MR1 読み取りトランジスタ
MW、MW0、MW1 書き込みトランジスタ
NS、NS0、NS1、NSA、NSB データ記憶ノード
RBL 読み取りビット線
Row-1~Row-m 列
RWL、RWL0、RWL1、RWLA、RWLB 読み取りワード線
SW、SW0 書き込み信号
VDD 正電源電圧
VSS 電源電圧
WBL 書き込みビット線
WWL、WWL0、WWL1 書き込みワード線
X、Y 方向
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15