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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147611
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】異常検知装置及び異常検知方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/165 20060101AFI20231005BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G01R19/165 L
G01R31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055204
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐見 雄大
【テーマコード(参考)】
2G035
2G036
【Fターム(参考)】
2G035AA15
2G035AB02
2G035AB03
2G035AC02
2G035AD28
2G035AD44
2G036AA17
2G036AA18
2G036BA35
2G036CA11
(57)【要約】
【課題】電源から負荷へ流れる過電流を精度良く検知する。
【解決手段】異常検知装置は、電源から負荷へ流れる電流の電流値を測定する電流測定部から前記電流値を予め定められた周期で取得する取得部と、前記取得部が取得した電流値のうち前記負荷を駆動するための電流値を超える電流値を過電流のパルスとして検知する検知部と、を備える。異常検知装置は、検知部が過電流のパルスを検知した場合、電源から負荷への電力供給を遮断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から負荷へ流れる電流の電流値を測定する電流測定部から前記電流値を予め定められた周期で取得する取得部と、
前記取得部が取得した電流値のうち前記負荷を駆動するための電流値を超える電流値を過電流のパルスとして検知する検知部と、
を備える異常検知装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記負荷を駆動するために流す電流の電流値を、前記電源の電圧と、前記電源から前記負荷までの経路の抵抗値及び前記負荷の抵抗値とに基づいて算出し、算出した電流値と、前記取得部が取得した電流値との差に基づいて前記パルスを検知する
請求項1に記載の異常検知装置。
【請求項3】
前記検知部は、温度を測定する温度測定部から前記温度を取得し、前記抵抗値を取得した温度に対応した抵抗値とする
請求項2に記載の異常検知装置。
【請求項4】
前記検知部は、前記負荷へ流す電流の電流値に対応する情報を取得し、取得した情報で特定される電流値と、算出した電流値との差に基づいて前記パルスを検知する
請求項2に記載の異常検知装置。
【請求項5】
前記取得部は、加速度を測定する加速度測定部から前記加速度を予め定められた周期で取得し、
前記検知部は、前記取得部が取得した加速度から特定した鉛直方向の変位が閾値以上となるタイミングに対応して、前記取得部が取得した電流値の変化量が閾値以上となる電流値を過電流のパルスとして検知する
請求項1に記載の異常検知装置。
【請求項6】
前記検知部は、前記電流値の変化量が閾値以上となる周期と、前記変位が閾値以上となる周期とに基づいて前記パルスを検知する
請求項5に記載の異常検知装置。
【請求項7】
前記検知部は、高速フーリエ変換により前記電流値と前記変位の周波数解析を行い、前記電流値でピークの周波数と、前記変位でピークの周波数とに基づいて前記パルスを検知する
請求項5に記載の異常検知装置。
【請求項8】
前記負荷へ流れる電流を前記パルスが発生するタイミングに応じて低減する
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の異常検知装置。
【請求項9】
前記負荷へ印加される電圧の降下量が予め定められた閾値以上の場合、前記負荷へ流れる電流を低減する
請求項8に記載の異常検知装置。
【請求項10】
車両が走行する路面の凹凸を検知し、前記負荷へ流れる電流を検知した凹凸に基づいて低減する
請求項8に記載の異常検知装置。
【請求項11】
前記パルスを検知した場合、前記負荷への電力供給を遮断する
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の異常検知装置。
【請求項12】
前記負荷へ電力を供給する電線の温度に基づいて前記負荷への電力供給を遮断する
請求項11に記載の異常検知装置。
【請求項13】
前記パルスを当該パルスの電流値に応じた回数以上検知した場合、前記負荷への電力供給を遮断する
請求項11に記載の異常検知装置。
【請求項14】
電源から負荷へ流れる電流の電流値を測定する電流測定部から前記電流値を予め定められた周期で取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した電流値のうち前記負荷を駆動するための電流値を超える電流値を過電流のパルスとして検知する検知ステップと、
を備える異常検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検知装置及び異常検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に設けられた電線に異常な電流が流れていることを判断する装置として、例えば特許文献1に開示された判断装置がある。この判断装置は、所定時間の間、バッテリからFET(Field Effect Transistor)を介して負荷へ電流を流し、センサで電流値を測定する。判断装置は、予め定めた閾値以上の電流が流れたオン時間と、閾値未満の電流が流れたオフ時間を累積し、電流値、オン時間、オフ時間から電線の熱量を演算する。判断装置は、演算した熱量が閾値を超えた場合、電線を発煙させる異常が発生したと判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-84654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、自動車に配索される電線で被覆が破損した場合、被覆の破損箇所から露出した導体と、車両の金属部分とが車両の振動により瞬間的に接触して短絡し、振動に応じて断続的に過電流が流れることがある。特許文献1に開示された装置は、測定した電流値が閾値を超えた場合に過電流が流れているとしているが、上述したように振動に応じて断続的に過電流が流れる場合、流れる電流は様々であり、測定した電流値が閾値を超えない場合も生じ得る。このように、測定した電流値が閾値を超えていない場合、特許文献1に開示された装置は、過電流が流れたと判断せず、過電流による発熱の演算を行わないため、実際より低い熱量を算出してしまう。そして、閾値未満である過電流が断続的に流れ続けた場合、異常を検出できずに電線が発熱して発煙に至る虞がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電源から負荷へ流れる過電流を精度良く検知する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る異常検知装置は、電源から負荷へ流れる電流の電流値を測定する電流測定部から前記電流値を予め定められた周期で取得する取得部と、前記取得部が取得した電流値のうち前記負荷を駆動するための電流値を超える電流値を過電流のパルスとして検知する検知部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る異常検知装置においては、前記検知部は、前記負荷を駆動するために流す電流の電流値を、前記電源の電圧と、前記電源から前記負荷までの経路の抵抗値及び前記負荷の抵抗値とに基づいて算出し、算出した電流値と、前記取得部が取得した電流値との差に基づいて前記パルスを検知する。
【0008】
本発明の一態様に係る異常検知装置においては、前記検知部は、温度を測定する温度測定部から前記温度を取得し、前記抵抗値を取得した温度に対応した抵抗値とする。
【0009】
本発明の一態様に係る異常検知装置においては、前記検知部は、前記負荷へ流す電流の電流値に対応する情報を取得し、取得した情報で特定される電流値と、算出した電流値との差に基づいて前記パルスを検知する。
【0010】
本発明の一態様に係る異常検知装置においては、前記取得部は、加速度を測定する加速度測定部から前記加速度を予め定められた周期で取得し、前記検知部は、前記取得部が取得した加速度から特定した鉛直方向の変位が閾値以上となるタイミングに対応して、前記取得部が取得した電流値の変化量が閾値以上となる電流値を過電流のパルスとして検知する。
【0011】
本発明の一態様に係る異常検知装置においては、前記検知部は、前記電流値の変化量が閾値以上となる周期と、前記変位が閾値以上となる周期とに基づいて前記パルスを検知する。
【0012】
本発明の一態様に係る異常検知装置においては、前記検知部は、高速フーリエ変換により前記電流値と前記変位の周波数解析を行い、前記電流値でピークの周波数と、前記変位でピークの周波数とに基づいて前記パルスを検知する。
【0013】
本発明の一態様に係る異常検知装置は、前記負荷へ流れる電流を前記パルスが発生するタイミングに応じて低減する。
【0014】
本発明の一態様に係る異常検知装置は、前記負荷へ印加される電圧の降下量が予め定められた閾値以上の場合、前記負荷へ流れる電流を低減する。
【0015】
本発明の一態様に係る異常検知装置は、車両が走行する路面の凹凸を検知し、前記負荷へ流れる電流を検知した凹凸に基づいて低減する。
【0016】
本発明の一態様に係る異常検知装置は、前記パルスを検知した場合、前記負荷への電力供給を遮断する。
【0017】
本発明の一態様に係る異常検知装置は、前記負荷へ電力を供給する電線の温度に基づいて前記負荷への電力供給を遮断する。
【0018】
本発明の一態様に係る異常検知装置は、前記パルスを当該パルスの電流値に応じた回数以上検知した場合、前記負荷への電力供給を遮断する。
【0019】
本発明の一態様に係る異常検知方法は、電源から負荷へ流れる電流の電流値を測定する電流測定部から前記電流値を予め定められた周期で取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した電流値のうち前記負荷を駆動するための電流値を超える電流値を過電流のパルスとして検知する検知ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電源から負荷へ流れる過電流を精度良く検知することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、第1実施形態に係る異常検知装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、負荷に流れる電流の変化と過電流のパルスの一例を示すグラフである。
図3図3は、第2実施形態に係る異常検知装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、第3実施形態に係る異常検知装置の構成を示すブロック図である。
図5図5は、第4実施形態に係る異常検知装置の構成を示すブロック図である。
図6図6は、負荷に流れる電流の変化と車両の変位の変化の一例を示すグラフである。
図7図7は、電線の温度変化の一例を示すグラフである。
図8図8は、制御部が記憶するテーブルの一例を示す図である。
図9図9は、第7実施形態に係る異常検知装置の構成を示すブロック図である。
図10図10は、第8実施形態に係る異常検知装置の構成を示すブロック図である。
図11図11は、負荷に流れる電流の変化と負荷に印加される電圧の変化の一例を示すグラフである。
図12図12は、第8実施形態に係る異常検知装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素については適宜同一の符号を付している。
【0023】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る異常検知装置の構成を示すブロック図である。バッテリ2は、車両に搭載される蓄電池である。バッテリ2が供給する電力は、異常検知装置1A及び電線4を介して負荷3へ供給される。負荷3は、車両においてバッテリ2から供給される電力で駆動する電装品であり、グランドGNDに接続されている。電線4は、負荷3へ電力を供給する電線である。異常検知装置1Aは、電線4で異常な電流が流れたことを検知する装置であり、車両に搭載されている。
【0024】
異常検知装置1Aは、制御部10、半導体スイッチ11、電圧測定部12及び電流測定部13を有する。半導体スイッチ11は、バッテリ2に接続されている。半導体スイッチ11は、例えばFETを含む回路で構成されたスイッチであり制御部10からの制御に応じて、バッテリ2から供給された電力の出力と遮断を行なう。電圧測定部12は、電圧を測定する回路を有し、バッテリ2から半導体スイッチ11へ印加される電圧の電圧値を測定する。電圧測定部12が測定した電圧値は、制御部10へ出力される。電流測定部13は、電流を測定する回路を有し、半導体スイッチ11と電線4に直列に接続されている。電流測定部13は、半導体スイッチ11から出力されて電線4を介して負荷3へ流れる電流の電流値を測定する。電流測定部13が測定した電流値は、制御部10へ出力される。
【0025】
制御部10は、電線4に異常な電流が流れたことを検知する機能の実現のために、異常検知装置1の動作を制御するための各種演算処理を行うプロセッサ、記憶部及び通信部を含んで構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサを含んで構成される。
【0026】
記憶部は、プロセッサが演算処理を行うために使用する各種プログラムやデータなどが格納される、たとえばROM(Read Only Memory)を備えている。また、記憶部は、プロセッサが演算処理を行う際の作業スペースやプロセッサの演算処理の結果などを記憶するなどのために使用される、たとえばRAM(Random Access Memory)を備えている。制御部10の機能は、プロセッサが記憶部から各種プログラムを読み出して実行することで、機能部として実現される。例えば、プロセッサが記憶部から各種プログラムを読み出して実行することにより取得部101と、検知部102が実現する。取得部101は、電圧測定部12から電圧値を取得し、電流測定部13から電流値を取得する。検知部102は、取得部101が取得した電流値から負荷3を駆動するための電流値を超える電流値を過電流のパルスとして検知する。
【0027】
図示省略した通信部は、図示省略した上位装置であるECU(Electronic Control Unit)と通信を行う通信モジュールを含む。通信部は、上位装置からの指示や情報を受信する。また、電線4に異常な電流が流れたことを機能部で検知した場合、異常な電流を検知したことを示す情報を通信部が上位装置へ送信する。
【0028】
次に異常検知装置1Aの動作例について説明する。制御部10は、電圧測定部12が出力する電圧値と、電流測定部13が出力する電流値を予め定められた周期で取得する。制御部10が電圧値及び電流値を取得する周期は、後述するパルスPuのパルス幅より短い時間とするのが好ましい。電圧値及び電流値を取得した制御部10は、負荷3に流す電流の電流値であるIload_calを式(1)により算出する。Iload_calは、負荷3を駆動するために負荷3へ流す電流の計算値である。
【0029】
【数1】
【0030】
式(1)においてEbは、電圧測定部12から取得した電圧値であり、Ronは、半導体スイッチ11がオンとなったときの半導体スイッチ11の抵抗値であり、Rloadは、負荷3の抵抗値であり、Rwireは、電線4の抵抗値である。なお、Ron、Rload、及びRwireは、予め制御部10の記憶部に記憶されている。Rwireは、例えば半導体スイッチ11から負荷3までの経路にプリント基板上のパターンが含まれ、このパターンの抵抗値を無視できない場合、プリント基板上のパターンの抵抗値を含んでもよい。制御部10は、Ron、Rload、及びRwireを演算のときに記憶部から取得する。電線4が短絡していない場合、式(1)で算出した電流値の電流が負荷3へ流れる。
【0031】
次に制御部10は、取得した電流値と、算出したIload_calを用いて、電線4を流れる過電流のパルスの検知を行なう。具体的には、制御部10は、式(2)の演算を行う。
【0032】
【数2】
【0033】
式(2)のIload_measは、電流測定部13から取得した電流値であり、Ipulseは、取得した電流値であるIload_measと、式(1)で算出したIload_calとの差分である。
【0034】
図2(a)は、電線4を流れる電流の変化の一例を示すグラフである。電線4の被覆が損傷した場合、損傷箇所から露出した導体は、車両の振動により車両の金属部分と断続的に接触することがある。この場合、導体と車両の金属部分との接触により過電流が流れるが、振動に応じて過電流が流れる時間は短時間であるため、例えば図2(a)に示すように、振動に応じて断続的に過電流のパルスPuが発生する。
【0035】
例えば、パルスPuが発生した時点t1のときに制御部10が電流値を取得した場合、式(2)の演算を行うと、Ipulse>0となる。また、パルスPuが発生していない時間t2のときに制御部10が電流値を取得した場合、式(2)の演算を行うと、Ipulse=0となる。
【0036】
図2(b)は、式2の演算結果を示すグラフである。制御部10は、式(2)の演算を行うことにより、Ipulse>0となったときのIpulseを過電流のパルスPuとして検知する。制御部10は、パルスPuを検知した場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。なお、制御部10は、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する場合、予め定められた期間内にパルスPuを検知した回数が予め定められた閾値以上となった場合にバッテリ2から負荷3への電力供給を遮断してもよい。
【0037】
本実施形態によれば、測定した電流から負荷3へ供給する分の電流を除いて過電流の成分を精度良く検知することができるため、電線4へ異常な電流が流れていることを精度良く検知して電力の供給を遮断し、電線4が発煙に至るのを防ぐことができる。
【0038】
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態に係る異常検知装置の構成を示す図である。第2実施形態に係る異常検知装置1Bは、異常検知装置1Aに対してさらに温度測定部14を備えている点で相違する。他の構成については、異常検知装置1Aと同じであるため、異常検知装置1Aと同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、第1実施形態との相違点について説明する。
【0039】
温度測定部14は、温度センサと、温度を測定する回路とを有する。温度測定部14は、電線4の周囲の温度を測定する。温度測定部14が測定した温度は、制御部10へ出力される。第2実施形態に係る取得部101は、温度測定部14が測定した温度を取得する。
【0040】
異常検知装置1Bの制御部10は、電圧測定部12が出力する電圧値、電流測定部13が出力する電流値、及び温度測定部14が測定する温度を予め定められた周期で取得する。電圧値、電流値及び温度を測定した制御部10は、電線4を介して負荷3へ流す電流の電流値であるIload_cal2を式(3)~式(6)により算出する。Iload_cal2は、負荷3を駆動するために負荷3へ流す電流の計算値である。
【0041】
【数3】
【0042】
【数4】
【0043】
【数5】
【0044】
【数6】
【0045】
制御部10が新たに取得した温度をT1とし、前回取得した温度をT0とした場合、Ron_T1は、温度がT1で半導体スイッチ11がオンとなったときの半導体スイッチ11の抵抗値であり、Rload_T1は、温度がT1のときの負荷3の抵抗値であり、Rwire_T1は、温度がT1のときの電線4の抵抗値である。Ron_T0は、温度がT0で半導体スイッチ11がオンとなったときの半導体スイッチ11の抵抗値であり、Rload_T0は、温度がT0のときの負荷3の抵抗値であり、Rwire_T0は、温度がT0のときの電線4の抵抗値である。Ron_T0は、式(4)の前回の演算で算出されたRon_T1の値とし、Rload_T0は、式(5)の前回の演算で算出されたRload_T0の値とし、Rwire_T0は、式(6)の前回の演算で算出されたRwire_T0の値とする。α_Ron_T0は、温度がT0で半導体スイッチ11がオンとなったときの半導体スイッチ11の抵抗の温度係数であり、α_Rload_T0は、温度がT0のときの負荷3の抵抗の温度係数であり、α_Rwire_T0は、温度がT0のときの電線4の抵抗の温度係数である。
【0046】
なお、制御部10の記憶部は、半導体スイッチ11がオンとなったときの半導体スイッチ11の抵抗の温度係数と温度との関係を格納したテーブル、負荷3の抵抗の温度係数と温度との関係を格納したテーブル、電線4の抵抗の温度係数と温度との関係を格納したテーブルを予め記憶しており、制御部10は、取得した温度に対応した温度係数を演算のときにテーブルから取得する。
【0047】
次に制御部10は、取得した電流値と、算出したIload_cal2を用いて、電線4を流れる過電流のパルスの検知を行なう。具体的には、制御部10は、式(7)の演算を行う。
【0048】
【数7】
【0049】
式(7)の場合、Ipulseは、取得した電流値であるIload_measと、式(3)で算出したIload_cal2との差分である。制御部10は、式(7)の演算を行うことにより、Ipulse>0となったときのIpulseをパルスPuとして検知する。制御部10は、パルスPuを検知した場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。
【0050】
本実施形態によれば、測定した電流から負荷3へ供給する分の電流を除いて過電流の成分を精度良く検知することができるため、電線4へ異常な電流が流れていることを精度良く検知して電力の供給を遮断し、電線4が発煙に至るのを防ぐことができる。
【0051】
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態に係る異常検知装置の構成を示す図である。第3実施形態に係る異常検知装置1Cは、異常検知装置1Aに対して電圧測定部12を備えていない点で相違する。他の構成については、異常検知装置1Aと同じであるため、異常検知装置1Aと同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、異常検知装置1Aとの相違点について説明する。
【0052】
異常検知装置1Cの制御部10は、負荷3が例えばモータである場合、モータの回転数とモータに流れる電流との関係を格納したテーブルを記憶部に記憶する。また、制御部10は、電流測定部13が出力する電流値を予め定められた周期で取得し、例えばモータの回転数を示す制御情報を予め定められた周期で上位装置から取得する。なお、異常検知装置1Cがモータの回転を制御する場合は、制御部10は、自身が有しているモータの回転数を示す制御情報を取得してもよい。また、制御部10は、モータを制御するECUがモータ側に設けられている場合、モータ側に設けられているECUから制御情報を取得してもよい。
【0053】
次に制御部10は、取得した制御情報が示す回転数のときにモータに流れる電流の電流値を記憶部に記憶されているテーブルから取得し、取得した電流値をIload_calとする。また、制御部10は、電流測定部13から取得した電流値をIload_measとし、式(2)の演算を行う。制御部10は、式(2)の演算を行い、Ipulse>0となったときのIpulseをパルスPuとして検知する。制御部10は、パルスPuを検知した場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。
【0054】
本実施形態によれば、電圧測定部12及び温度測定部14を有していない簡易な構成でも、電線4へ異常な電流が流れていることを検知して電力の供給を遮断し、電線4が発煙に至るのを防ぐことができる。
【0055】
[第4実施形態]
図5は、本発明の第4実施形態に係る異常検知装置の構成を示す図である。第4実施形態に係る異常検知装置1Dは、異常検知装置1Aに対して、電圧測定部12を備えておらず、加速度測定部15を備えている点で相違する。他の構成については、異常検知装置1Aと同じであるため、異常検知装置1Aと同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、異常検知装置1Aとの相違点について説明する。
【0056】
加速度測定部15は、3軸の加速度センサと、加速度を測定する回路を有する。加速度測定部15は、異常検知装置1Dを搭載する車両の加速度を測定する。加速度測定部15が測定した加速度は、制御部10へ出力される。第4実施形態に係る取得部101は、加速度測定部15が測定した加速度を取得する。
【0057】
異常検知装置1Dの制御部10は、電流測定部13が出力する電流値、及び加速度測定部15が測定する加速度を予め定められた周期で取得する。電流値を取得した制御部10は、負荷3へ流れる電流の変化から過電流によるパルスであるパルスPuaを検知する。例えば、制御部10は、取得した電流値について、前回取得した電流値からの変化量を算出する。制御部10は、算出した電流の変化量が予め定められた閾値を超えた場合、この電流の変化をパルスPuaとして検知する。例えば、図6(a)に示すように、閾値を超えるように電流が変化した場合、この電流の変化をパルスPuaとして検知する。
【0058】
また、制御部10は、取得した加速度に基づいて、鉛直方向への加速度を積分して鉛直方向への速度を求め、求めた速度を積分することにより鉛直方向への変位を演算する。次に制御部10は、算出した鉛直方向への変位について、前回算出した変位との差を算出する。制御部10は、算出した差が予め定められた閾値を超えた場合、この変位をパルスPubとして検知する。例えば、図6(b)に示すように、車両が閾値を超えるように鉛直方向へ変位した場合、この変位をパルスPubとして検知する。
【0059】
制御部10は、パルスPuaが生じた時刻と、パルスPubが生じた時刻との時間差が予め定められた時間内である場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。なお、制御部10は、パルスPuaが生じた時刻と、パルスPubが生じた時刻との時間差が予め定められた時間内となる状態が、予め定められた回数異常発生した場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断してもよい。
【0060】
また、制御部10は、パルスPuaとパルスPubを検知し、パルスPuaの周期と、パルスPubの周期との差が予め定められた時間内である場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断してもよい。
【0061】
また、制御部10は、電流測定部13が測定した電流の変化波形と、加速度測定部15の測定結果から算出した変位の変化波形に高速フーリエ変換解析の処理を行い、電流の変化波形の解析結果でピークとなる周波数と、変位の変化波形の解析結果でピークとなる周波数との差が予め定められた範囲内である場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断してもよい。
【0062】
本実施形態によれば、車両の振動に応じて生じる過電流の成分を測定した電流から検知することができるため、電線4へ異常な電流が流れていることを検知して電力の供給を遮断し、電線4が発煙に至るのを防ぐことができる。
【0063】
[第5実施形態]
第5実施形態に係る異常検知装置は、ハードウェア構成が異常検知装置1Bと同じであり、制御部10が行う処理が異常検知装置1Bと相違する。以下の説明においては、異常検知装置1Aとの相違点について説明する。
【0064】
第5実施形態に係る制御部10は、パルスPuを検知し、且つ、計算した電線4の温度が予め定められた閾値以上となった場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。
【0065】
図7は、電線4の温度変化の一例を示すグラフである。電線4は、パルスPuが発生すると、流れる電流の増加により温度が上昇し、その後、パルスPuの消失によって流れる電流が減少することにより温度が低下する。制御部10は、電線4の温度を式(8)と式(9)により算出する。式(8)は、電流の増加により発熱する電線4の温度を算出する式であり、式(9)は、電流の減少により放熱する電線4の温度を算出する式である。制御部10は、パルスPuを検知し、且つ、算出した温度が予め定められた閾値以上となった場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。
【0066】
【数8】
【0067】
【数9】
【0068】
T(n)は、n回目の演算で算出される電線4の温度であり、T(n-1)は、n-1回目の演算で算出された電線4の温度である。Io(n)は、n回目の演算のときに電流測定部13から取得した電流値であり、Io(n-1)は、n-1回目の演算のときに電流測定部13から取得した電流値である。rT(n)は、n回目の演算のときに温度測定部14から取得した温度における電線4の抵抗値であり、Rは、電線4の熱抵抗であり、α2は、電線4の熱時定数である。制御部10の記憶部は、予め温度と電線4の抵抗値の関係をテーブルで記憶しており、制御部10は、n回目の演算のときに取得した温度に対応した抵抗値をテーブルから取得し、取得した抵抗値をrT(n)とする。また、制御部10の記憶部は、Rとα2を予め記憶している。t(n)は、n回目の演算のときの時刻であり、t(n-1)は、n-1回目の演算のときの時刻である。
【0069】
制御部10は、パルスPuを検知した場合、式(8)により電線4の温度を算出する。また、制御部10は、パルスPuが消失した場合、式(9)により電線4の温度を算出する。制御部10は、パルスPuを検知し、式(8)で算出した温度が予め定められた閾値以上である場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。
【0070】
なお、異常検知装置1Cに温度測定部14を設け、異常検知装置1Cの制御部10でも式(8)及び式(9)の演算を行い、パルスPuを検知し、且つ、式(8)で算出した温度が予め定められた閾値以上である場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断してもよい。また、異常検知装置1Dに温度測定部14を設け、異常検知装置1Dの制御部10でも式(8)及び式(9)の演算を行い、パルスPuを検知し、且つ、式(8)で算出した温度が予め定められた閾値以上である場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断してもよい。
【0071】
本実施形態によれば、電線4が発煙に至る温度に達する前に電力の供給を遮断し、電線4が発煙に至るのを防ぐことができる。
【0072】
[第6実施形態]
第6実施形態に係る異常検知装置は、異常検知装置1A~1Dのいずれかの異常検知装置1Cのハードウェア構成を有する。第6実施形態に係る異常検知装置の制御部10は、パルスPuを検知した回数をカウントし、カウントした回数が予め定められた閾値以上となった場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。
【0073】
具体的には、制御部10の記憶部は、図8に示すテーブルで電流値の範囲と、パルス回数の閾値とを対応付けて記憶している。なお電流値の関係は、I<I<I<I<Iとなっている。図8に示すテーブルの場合、「I≦Iload_meas<I」には閾値として「80」が対応付けられている。制御部10は、I≦Iload_meas<Iである電流値からパルスPuを検知した回数が80回以上となると、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。また図8に示すテーブルの場合、「I≦Iload_meas<I」には閾値として「140」が対応づけられている。この場合、制御部10は、I≦Iload_meas<Iである電流値からパルスPuを検知した回数が140回以上となると、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。
【0074】
本実施形態によれば、電線4が発煙に至る温度に達する前に電力の供給を遮断し、電線4が発煙に至るのを防ぐことができる。
【0075】
[第7実施形態]
図9は、本発明の第7実施形態に係る異常検知装置の構成を示す図である。第7実施形態に係る異常検知装置1Eは、異常検知装置1Dに対してさらにスイッチSWとコンデンサCとを備えている点で相違する。他の構成については、異常検知装置1Dと同じであるため、異常検知装置1Dと同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、異常検知装置1Dとの相違点について説明する。
【0076】
スイッチSWは、一端が電線4に接続され、他端がコンデンサCに接続されている。スイッチSWは、制御部10によってオン/オフが制御される。コンデンサCは、一端がスイッチSWに接続され、他端がグランドGNDに接続されている。
【0077】
制御部10は、第4実施形態と同様にパルスPubを検知する。制御部10は、検知したパルスPubの周期を特定し、特定したパルスPubの周期に基づいて、パルスPubが発生するタイミングでスイッチSWをオンとする。制御部10は、スイッチSWをオンにした後、パルスPubが消失するタイミングでスイッチSWをオフにする。
【0078】
この構成によれば、パルスPuaが発生するタイミングで電線4がコンデンサCに接続されるため、コンデンサCにも電流が流れ、パルスPuaによる過電流が抑えられる。なお、スイッチSWとコンデンサCを備えていない異常検知装置1Dの場合、パルスPubが発生する期間で半導体スイッチ11をPWM制御し、負荷3へ流れる電流を振動が発生するタイミングで抑えるようにしてもよい。
【0079】
[第8実施形態]
図10は、本発明の第8実施形態に係る異常検知装置の構成を示す図である。第8実施形態に係る異常検知装置1Fは、異常検知装置1Aに対して電圧測定部12の接続位置が異なり、プルアップ抵抗R1を備えている点で相違する。他の構成については、異常検知装置1Aと同じであるため、異常検知装置1Aと同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、異常検知装置1Aとの相違点について説明する。
【0080】
プルアップ抵抗R1は、抵抗器であり、一端がバッテリ2と半導体スイッチ11との間に接続されており、他端が電線4に接続されている。電圧測定部12は、電線4に印加される電圧を測定する。
【0081】
異常検知装置1Fの制御部10は、電圧測定部12が出力する電圧値を予め定められた周期で取得する。なお、制御部10が電圧値を取得する周期は、パルスPuのパルス幅より短い時間とするのが好ましい。電圧値を取得した制御部10は、パルスPuの検知を行なう。具体的には、制御部10は、式(10)の演算を行う。
【0082】
【数10】
【0083】
V(n-1)は、電圧測定部12から前回取得した電圧値であり、V(n)は、電圧測定部12から新たに取得した電圧値である。即ち、Vpulseは、前回取得した電圧値と新たに取得した電圧値との差分である。
【0084】
図11(a)は、負荷3へ流れる電流の変化の一例を示すグラフであり、図11(b)は、電圧測定部12が測定した電圧の変化の一例を示すグラフである。電線4がプルアップ抵抗R1によってプルアップされているため、図11に示すように、例えば、パルスPuが発生した時点t1においては、電線4に印加される電圧が降下する。この電圧の降下量は、式(10)の演算を行うことにより得ることができる。
【0085】
例えば、パルスPuが発生した時点t1のときに制御部10が電圧値を取得した場合、式(10)の演算を行うと、Vpulse>0となる。また、パルスPuが発生していないときに制御部10が電圧値を取得した場合、式(10)の演算を行うと、Vpulse=0となる。制御部10は、Vpulseの値が予め定められた閾値以上である場合、Vpulse>0となったときのVpulseをパルスPuvとして検知する。制御部10は、パルスPuvを検知した場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断する。
【0086】
なお、制御部10は、パルスPuvを検知するとともに、前述の実施形態のいずれかの方法でパルスPuを検知し、パルスPuvのタイミングとパルスPuのタイミングとの時間差が予め定められた時間内である場合、半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断してもよい。
【0087】
本実施形態によれば、測定した電圧の変化から過電流によるパルスの発生を検知することができるため、電線4へ異常な電流が流れていることを検知して電力の供給を遮断し、電線4が発煙に至るのを防ぐことができる。
【0088】
[第9実施形態]
図12は、本発明の第9実施形態に係る異常検知装置の構成を示す図である。第9実施形態に係る異常検知装置1Gは、異常検知装置1Eに対して、加速度測定部15を備えておらず、車両に設けられたセンサ5が接続されている点で相違する。他の構成については、異常検知装置1Eと同じであるため、異常検知装置1Eと同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、異常検知装置1Eとの相違点について説明する。
【0089】
センサ5は、所謂3D-LiDAR(light detection and ranging)の技術で用いられる3次元測域センサである。第9実施形態に係る取得部101は、センサ5の測定結果を取得する。制御部10は、取得したセンサ5の測定結果から、車両が走行する路面の凹凸と、凹凸までの距離を特定する。
【0090】
制御部10は、上位装置から車両の速度を示す情報を取得し、取得した情報が示す速度と、特定した凹凸までの距離とから凹凸に到達するまでの時間を算出する。制御部10は、算出した時間が経過したタイミングとなると、スイッチSWをオンとする。制御部10は、スイッチSWをオンにした後、凹凸を通過したタイミングでスイッチSWをオフにする。この構成によれば、路面の凹凸によりパルスPuが発生するタイミングで電線4がコンデンサCに接続されるため、コンデンサCにも電流が流れ、パルスPuによる過電流が抑えられる。
【0091】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0092】
上述した各実施形態においては、制御部10は、パルスPu又はパルスPuvの検知に応じて半導体スイッチ11をオフに制御し、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断した場合、バッテリ2から負荷3への電力供給を遮断したことを通信部で上位装置へ通知してもよい。この場合、上位装置は、負荷3への電力供給で異常が発生したことを車両のメーターパネルで表示してもよい。
【符号の説明】
【0093】
1A、1B、1C、1D、1F、1G 異常検知装置
2 バッテリ
3 負荷
4 電線
5 センサ
10 制御部
11 半導体スイッチ
12 電圧測定部
13 電流測定部
14 温度測定部
15 加速度測定部
C コンデンサ
GND グランド
R1 プルアップ抵抗
SW スイッチ
Pu、Pua、Pub、Puv パルス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12