IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ディスコの特許一覧

<>
  • 特開-レーザー加工方法 図1
  • 特開-レーザー加工方法 図2
  • 特開-レーザー加工方法 図3
  • 特開-レーザー加工方法 図4
  • 特開-レーザー加工方法 図5
  • 特開-レーザー加工方法 図6
  • 特開-レーザー加工方法 図7
  • 特開-レーザー加工方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148049
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】レーザー加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231005BHJP
   B23K 26/352 20140101ALI20231005BHJP
【FI】
H01L21/304 622N
B23K26/352
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055878
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100202692
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 吉文
(72)【発明者】
【氏名】前田 充史
(72)【発明者】
【氏名】須藤 友紀
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 勇人
(72)【発明者】
【氏名】芳野 知輝
【テーマコード(参考)】
4E168
5F057
【Fターム(参考)】
4E168CA06
4E168CB03
4E168CB07
4E168CB23
4E168DA02
4E168DA03
4E168DA04
4E168DA46
4E168DA47
4E168EA15
4E168HA01
4E168JA12
5F057AA12
5F057BA11
5F057BB05
5F057BB12
5F057CA11
5F057DA05
5F057DA11
5F057DA31
5F057DA40
(57)【要約】
【課題】削加工が困難なウエーハを、比較的容易に表面の研削加工が可能となる状態に加工するレーザー加工方法を提供する。
【解決手段】レーザー加工装置を用いて被加工物の表面に加工を施すレーザー加工方法であって、1パルス当たりのエネルギーであるパルスエネルギーとパルス間隔との相関関係から被加工物の上面に角質層を形成する相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成工程と、レーザー照射手段から照射されるパルスレーザー光線のパルスエネルギーが該相関関係閾値以上であり、且つパルス間隔が該相関関係閾値以下になるようにレーザー加工条件を設定するレーザー加工条件設定工程と、該チャックテーブルに保持された被加工物に、該レーザー加工条件に基づきパルスレーザー光線を照射して被加工物の上面に角質層を形成する角質層形成工程と、を含み構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物に吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を照射するレーザー照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー照射手段とを相対的に加工送りする送り手段と、を含み構成されるレーザー加工装置を用いて被加工物の表面に加工を施すレーザー加工方法であって、
1パルス当たりのエネルギーであるパルスエネルギーとパルス間隔との相関関係から被加工物の上面に角質層を形成する相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成工程と、
レーザー照射手段から照射されるパルスレーザー光線のパルスエネルギーが該相関関係閾値以上であり、且つパルス間隔が該相関関係閾値以下になるようにレーザー加工条件を設定するレーザー加工条件設定工程と、
該チャックテーブルに保持された被加工物に、該レーザー加工条件に基づきパルスレーザー光線を照射して被加工物の上面に角質層を形成する角質層形成工程と、を含み構成されるレーザー加工方法。
【請求項2】
該角質層は、パルスレーザー光線が照射された被加工物の局所に急速に膨張しようとする大きな熱応力が生じ、その大きな熱応力が低温な周辺に拘束されて被加工物の降伏応力を超えることで生じる圧縮塑性歪みの連鎖によって生成される請求項1に記載のレーザー加工方法。
【請求項3】
相関関係閾値生成工程における相関関係閾値は近似式によって特定され、該近似式は、横軸をパルス間隔[μs]とし、縦軸をパルスエネルギー[μJ]とした場合、
パルスエネルギー=a{b-(パルス間隔/[μs]-c)
で表され、係数a、b、cは、被加工物の種類によって設定される請求項1に記載のレーザー加工方法。
【請求項4】
被加工物がシリコン(Si)の場合、該係数a、b、cは、
a=4、b=1、c=0.9
に設定され、該近似式は、
パルスエネルギー=4{1-(パルス間隔/[μs]-0.9)
で表され、パルス間隔は0.02μs以上0.8μs以下の範囲で設定される請求項3に記載のレーザー加工方法。
【請求項5】
パルスレーザー光線の照射ピッチは、10~200nmの範囲で設定される請求項1に記載のレーザー加工方法。
【請求項6】
パルスレーザー光線のパルス幅は、0.3~100psの範囲で設定される請求項1に記載のレーザー加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー加工装置を用いて被加工物に加工を施すレーザー加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが、分割予定ラインによって区画されて表面に形成されたウエーハは、研削装置によって裏面が研削され所望の厚みに形成された後、ダイシング装置、レーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割され、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
研削装置は、ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハを研削する研削砥石が環状に配設された研削ホイールとを回転可能に装着した研削手段と、から概ね構成されていて、ウエーハを所望の状態に加工することができる(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6366308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したウエーハは、Si基板、SiC基板、GaN基板、サファイアー基板等の基板によって構成され、各基板の特性に応じた各種のデバイスチップが生産されるが、研削装置による研削が困難なウエーハが存在し、生産性が悪いという問題がある。
【0006】
また、Si基板から構成されたウエーハは脆性であり、研削加工によるストレスによってデバイスに損傷が生じないように時間を掛けて研削する必要があり、上記と同様に生産性悪いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、研削加工が困難なウエーハを、比較的容易に表面の研削加工が可能となる状態に加工するレーザー加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、板状の被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物に吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を照射するレーザー照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー照射手段とを相対的に加工送りする送り手段と、を含み構成されるレーザー加工装置を用いて被加工物の表面に加工を施すレーザー加工方法であって、1パルス当たりのエネルギーであるパルスエネルギーとパルス間隔との相関関係から被加工物の上面に角質層を形成する相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成工程と、レーザー照射手段から照射されるパルスレーザー光線のパルスエネルギーが該相関関係閾値以上であり、且つパルス間隔が該相関関係閾値以下になるようにレーザー加工条件を設定するレーザー加工条件設定工程と、該チャックテーブルに保持された被加工物に、該レーザー加工条件に基づきパルスレーザー光線を照射して被加工物の上面に角質層を形成する角質層形成工程と、を含み構成されるレーザー加工方法が提供される。
【0009】
該角質層は、パルスレーザー光線が照射された被加工物の局所に急速に膨張しようとする大きな熱応力が生じ、その大きな熱応力が低温な周辺に拘束されて被加工物の降伏応力を超えることで生じる圧縮塑性歪みの連鎖によって生成されることが好ましい。
【0010】
該相関関係閾値生成工程における相関関係閾値は近似式によって特定され、該近似式は、横軸をパルス間隔[μs]とし、縦軸をパルスエネルギー[μJ]とした場合、
パルスエネルギー=a{b-(パルス間隔/[μs]-c)
で表され、係数a、b、cは、被加工物の種類によって設定されることが好ましい。
【0011】
さらに、被加工物がシリコン(Si)の場合、該係数a、b、cは、
a=4、b=1、c=0.9
に設定され、該近似式は、
パルスエネルギー=4{1-(パルス間隔/[μs]-0.9)
で表され、パルス間隔は0.02μs以上0.8μs以下の範囲で設定されることが好ましい。
【0012】
パルスレーザー光線の照射ピッチは、10~200nmの範囲で設定されることが好ましい。また、パルスレーザー光線のパルス幅は、0.3~100psの範囲で設定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のレーザー加工方法は、板状の被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物に吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を照射するレーザー照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー照射手段とを相対的に加工送りする送り手段と、を含み構成されるレーザー加工装置を用いて被加工物の表面に加工を施すレーザー加工方法であって、1パルス当たりのエネルギーであるパルスエネルギーとパルス間隔との相関関係から被加工物の上面に角質層を形成する相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成工程と、レーザー照射手段から照射されるパルスレーザー光線のパルスエネルギーが該相関関係閾値以上であり、且つパルス間隔が該相関関係閾値以下になるようにレーザー加工条件を設定するレーザー加工条件設定工程と、該チャックテーブルに保持された被加工物に、該レーザー加工条件に基づきパルスレーザー光線を照射して被加工物の上面に角質層を形成する角質層形成工程と、を含み構成されることから、板状の被加工物に形成された角質層によって、研削加工が困難な被加工物を、比較的容易に表面の研削加工が可能となり、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)本実施形態のレーザー加工装置の全体斜視図、(b)(a)に記載のレーザー加工装置に配設されるレーザー照射手段の光学系を示すブロック図である。
図2】本実施形態で加工されるウエーハの斜視図である。
図3】相関関係閾値生成工程において実施されるレーザー加工実験の実施態様を示す斜視図である。
図4】(a)図3に示すレーザー加工実験により角質層が生成されたウエーハの斜視図、(b)(a)に示すウエーハの一部拡大断面図である。
図5】相関関係閾値生成工程により作成された相関関係図である。
図6図3に示すレーザー加工実験の別の実施態様を示す斜視図である。
図7】(a)研削装置のチャックテーブルにウエーハを載置する態様を示す斜視図、(b)研削加工の実施態様を示す斜視図である。
図8図1(b)に示すレーザー照射手段の別の形態の光学系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に基づいて構成されるレーザー加工方法に係る実施形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0016】
図1(a)には、本実施形態のレーザー加工方法を実施するのに好適なレーザー加工装置1が示されている。レーザー加工装置1は、基台1a上に配設されており、被加工物を保持するチャックテーブル23を有する保持手段2と、チャックテーブル23に保持された被加工物にパルスレーザー光線を照射するレーザー照射手段3と、チャックテーブル23とレーザー照射手段3とを相対的に加工送りする送り手段4と、を含み構成されている。
【0017】
保持手段2は、X軸方向において移動自在に基台1aに搭載された矩形状のX軸方向可動板21と、Y軸方向において移動自在にX軸方向可動板21に搭載された矩形状のY軸方向可動板22とを備え、上記したチャックテーブル23は、Y軸方向可動板22の上面に図示を省略する回転駆動手段により回転可能に配設されている。チャックテーブル23は、X座標及びY座標で特定されるXY平面を保持面25として被加工物を保持する手段であり、保持面25は、通気性を有する部材により構成されている。保持面25は、チャックテーブル23を通る流路によって図示しない吸引手段に接続されており、該吸引手段を作動させることにより、保持面25に負圧を生成して板状の被加工物を吸引保持することが可能である。
【0018】
送り手段4は、チャックテーブル23をX軸方向に移動するX軸移動手段41と、チャックテーブル23をY軸方向に移動するY軸移動手段44と、を備えている。X軸移動手段41は、モータ42の回転運動を、ボールねじ43を介して直線運動に変換してX軸方向可動板21に伝達し、基台1a上にX軸方向に沿って配設された一対の案内レール1d、1dに沿ってX軸方向可動板21をX軸方向に移動させる。Y軸移動手段44は、モータ45の回転運動を、ボールねじ46を介して直線運動に変換してY軸方向可動板22に伝達し、X軸方向可動板21上にY軸方向に沿って配設された一対の案内レール24、24に沿ってY軸方向可動板22をY軸方向に移動させる。
【0019】
レーザー加工装置1は、基台1a上のX軸移動手段41、Y軸移動手段44の側方に立設される垂直壁部1bを備え、垂直壁部1bは、上端部から水平方向に延びる水平壁部1cを備えている。水平壁部1cの内部には、上記のレーザー照射手段3を構成する光学系、及び撮像手段5が収容されている。水平壁部1cの先端部下面側には、該レーザー照射手段3の一部を構成し、レーザー光線を被加工物に照射する集光器31が配設されている。撮像手段5は、保持手段2に保持された被加工物を撮像して、レーザー光線を照射すべき位置等を検出する手段であり、前記の集光器31に対して図中矢印Xで示すX軸方向で隣接する位置に配設されている。
【0020】
図1(b)には、上記のレーザー照射手段3の光学系の概略を示すブロック図が示されている。レーザー照射手段3は、レーザー光線LBを発振する発振器32と、発振器32が発振したレーザー光線LBの光路を集光器31に向けて変更する反射ミラー33と、被加工物であるウエーハ10にレーザー光線LBを集光する集光器31に配設された集光レンズ34と、を少なくとも備えている。また、レーザー照射手段3の発振器32には、制御手段100が接続されており、発振器32からレーザー光線LBを発振する際のレーザー加工条件は、制御手段100によって調整される。
【0021】
制御手段100は、コンピュータにより構成され、制御プログラムに従って演算処理する中央演算処理装置(CPU)と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)と、検出した検出値、演算結果等を一時的に格納するための読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)と、入力インターフェース、及び出力インターフェースとを備えている(詳細についての図示は省略する)。制御手段100には、上記したレーザー照射手段3の他、送り手段4、撮像手段5、表示手段6等が接続される。
【0022】
本実施形態のレーザー加工方法を実施するのに好適なレーザー加工装置1は、概ね上記したような構成を備えておりレーザー加工装置1を使用して実施される本実施形態のレーザー加工方法について、以下に説明する。
【0023】
本実施形態のレーザー加工方法によって加工される板状の被加工物は、例えば、図2に示すような、複数のデバイス12が分割予定ライン14によって区画されて表面10aに形成された700μmの厚みのシリコン(Si)のウエーハ10である。以下に説明するレーザー加工は、ウエーハ10の裏面10bを、後述する研削加工に適した所望の状態とするための加工である。
【0024】
本実施形態のレーザー加工方法を実施するに際し、まず初めに、1パルス当たりのエネルギーであるパルスエネルギーPeとパルス間隔Pwとの相関関係から被加工物の上面に後述する角質層が形成される相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成工程を実施する。
【0025】
該相関関係閾値生成工程を実施するに際し、図2に示すように、シリコン(Si)のウエーハ10を用意する。次いで、上記のウエーハ10の表面10aに保護テープTを貼着してウエーハ10を反転し、ウエーハ10の裏面10bを上方に、保護テープTを下方に向けて、レーザー加工装置1のチャックテーブル23の保持面25に載置して吸引保持する。なお、図2では、説明の都合上、相関関係閾値生成工程を実施する際にも、表面10aにデバイス12が形成されたウエーハ10を使用する例を示すが、相関関係閾値生成工程は、レーザー加工実験により、被加工物の上面に角質層が形成される領域と、形成されない領域とを区別する相関関係閾値を生成するものであることから、デバイス12及び分割予定ライン14が形成されていない以外は、ウエーハ10と同じ寸法及び材質のいわゆるダミーウエーハを使用することが好ましい。
【0026】
上記したウエーハ10を用意したならば、撮像手段5の直下にウエーハ10を位置付けて、ウエーハ10を撮像して適宜表示手段6に表示すると共に、ウエーハ10の外形等を検出する。次いで、撮像手段5によって検出されたウエーハ10の情報に基づき、適宜の加工開始位置、例えばY軸方向の端部にレーザー照射手段3の集光器31を位置付ける。次いで、後述するレーザー加工条件に基づき、図3(a)に示すように、ウエーハ10の裏面10bにパルスレーザー光線LBの集光点を位置付けて照射すると共に、チャックテーブル23と共にウエーハ10をX軸方向に加工送りしてウエーハ10の裏面10bにレーザー加工を施す。このようにレーザー加工を実施したならば、ウエーハ10をY軸方向に所定の間隔(例えば15μm)だけ割り出し送りして、Y軸方向で隣接する未加工の領域を、集光器31の直下に位置付ける。そして、上記したのと同様にしてパルスレーザー光線LBの集光点を、ウエーハ10の裏面10bに位置付けて照射し、ウエーハ10をX軸方向に加工送りする。このような加工を繰り返すことにより、図4(a)に示すように、ウエーハ10の裏面10bの全域に対して、上記したレーザー加工が施される。
【0027】
上記の相関関係閾値生成工程では、上記したレーザー加工を実施する際のレーザー加工条件を適宜変化させることにより、1パルス当たりのエネルギーであるパルスエネルギーPe[μJ]とパルス間隔Pw[μs]との相関関係に応じて、図4(b)に示す如く、ウエーハ10の裏面10bに良好な角質層18が生成されるか否かの閾値を見出すためのレーザー加工実験が実施される。
【0028】
角質層18は、パルスレーザー光線LBがウエーハ10の裏面10bに照射され、該ウエーハ10の局所に急速に膨張しようとする大きな熱応力が生じ、その大きな熱応力が低温な周辺に拘束されてウエーハ10を構成するシリコン(Si)の降伏応力を超えることで生じる圧縮塑性歪みの連鎖によって生成される層である。図4(b)に示すウエーハ10の内部の構成の一部を拡大した画像から明らかなように、該圧縮塑性歪みの連鎖によって、ウエーハ10の内部に、XY平面に沿う界面16が生成されて、該界面16を境にして上面側に剥離する層が本実施形態の角質層18となる。本実施形態におけるレーザー加工実験は、例えば以下に示すレーザー加工条件の範囲で、各パラメータを変化させることにより実施される。
【0029】
<レーザー加工条件>
対象ウエーハ :シリコン(Si)ウエーハ
波長 :266nm、355nm、532nm、1064nm
平均出力 :1~50W
繰り返し周波数 :0.1~50MHz
パルス幅 :0.3~1000ps
*パルスエネルギーPe :平均出力/繰り返し周波数 [μJ]
*パルス間隔Pw :1s/繰り返し周波数 [μs]
【0030】
上記したレーザー加工条件のうち、波長266nm、355nm、532nmは、シリコン(Si)に対して吸収性を有する波長であり、波長1064nmは、シリコン(Si)に対して透過性を有する波長である。また、上記しているように、パルス間隔Pwは、繰り返し周波数を決定することで一義的に決定する値であり、該繰り返し周波数及び平均出力を決定することで、パルスレーザー光線LBの1パルス当たりのエネルギーであるパルスエネルギーPeが決定する。以下に上記したレーザー加工実験の手順について説明する。
【0031】
<レーザー加工実験の手順>
ア)レーザー照射手段3の発振器32から照射する波長(本実施形態では532nm)を決定する。
イ)平均出力を1~50Wの範囲で適宜変化させる。
ウ)繰り返し周波数を0.1~50MHzの範囲で適宜変化させる。
エ)パルス幅を0.3~1000psの範囲で適宜変化させる。
オ)パルスレーザー光線LBを照射してレーザー加工を実施する。
【0032】
上記した手順により、各値(平均出力、繰り返し周波数、パルス幅)を変更しながら、レーザー加工を施して、上記の角質層18が良好に形成されたか否かを適宜の電子顕微鏡により確認すると共に、ウエーハ10の裏面10b側から容易に角質層18を剥離させることができるか否かを確認した。
【0033】
上記したレーザー加工実験の手順に従いレーザー加工条件を変更してレーザー加工を実施し、その都度、上記の角質層18が良好に形成された否かを確認した結果、以下に示す閾値1~10が相関関係閾値として確認された。
【0034】
1)閾値1
パルス間隔Pw :0.02μs(繰り返し周波数 :50MHz)
パルスエネルギーPe:0.25μJ(平均出力 :12.5W)
2)閾値2
パルス間隔Pw :0.04μs(繰り返し周波数 :25MHz)
パルスエネルギーPe:0.5μJ(平均出力 :12.5W)
3)閾値3
パルス間隔Pw :0.1μs(繰り返し周波数 :10MHz)
パルスエネルギーPe:1μJ(平均出力 :10W)
4)閾値4
パルス間隔Pw :0.2μs(繰り返し周波数 :5MHz)
パルスエネルギーPe:1.8μJ(平均出力 :9W)
5)閾値5
パルス間隔Pw :0.25μs(繰り返し周波数 :4MHz)
パルスエネルギーPe:2.2μJ(平均出力 :8.8W)
6)閾値6
パルス間隔Pw :0.4μs(繰り返し周波数 :2.5MHz)
パルスエネルギーPe:3μJ(平均出力 :7.5W)
7)閾値7
パルス間隔Pw :0.5μs(繰り返し周波数 :2MHz)
パルスエネルギーPe:3.3μJ(平均出力 :6.6W)
8)閾値8
パルス間隔Pw :0.6μs(繰り返し周波数 :1.66MHz)
パルスエネルギーPe:3.5μJ(平均出力 :5.8W)
9)閾値9
パルス間隔Pw :0.7μs(繰り返し周波数 :1.42MHz)
パルスエネルギーPe:3.6μJ(平均出力 :5.1W)
10)閾値10
パルス間隔Pw :0.8μs(繰り返し周波数 :1.25MHz)
パルスエネルギーPe:3.8μJ(平均出力 :4.75W)
【0035】
なお、本発明者らは、上記したレーザー加工実験において、閾値10を超える下記のレーザー加工条件でもレーザー加工を実施したが、角質層18が良好に生成されなかったことから、下記のレーザー加工条件が、角質層18が良好に生成されない限界値であることが確認された。
パルス間隔Pw :0.9μs(繰り返し周波数 :1.11MHz)
パルスエネルギーPe:3.8μJ(平均出力 :4.22W)
【0036】
上記の閾値1~10を、図5に示すような、横軸をパルス間隔Pw[μs]、縦軸をパルスエネルギーPe[μJ]とする相関関係図に実測値としてプロットして直線で連結して示す(参考として上記限界値を×で示している)。閾値1~10は、上記のレーザー加工実験により、上記の角質層18が良好に形成される領域(A)と、該角質層18が良好に形成されない領域(B)を分ける相関関係閾値として見出された実測値である。すなわち、上記したレーザー加工実験により、パルスエネルギーPeが該相関関係閾値以上で、且つパルス間隔Pwが該相関関係閾値以下の領域(A)でレーザー加工条件を設定すると良好な角質層18が形成され、パルスエネルギーPeが該相関関係閾値未満で、且つパルス間隔Pwが該相関関係閾値より大きい領域(B)でレーザー加工条件を設定すると、良好な角質層18形成されないことが確認され、制御手段100に該相関関係閾値を記憶する。
【0037】
なお、上記したレーザー加工実験において、照射するパルスレーザー光線LBの波長としてシリコンウエーハに対して吸収性を有する他の波長266nm、355nmを選択して実験した場合でも、同様の相関関係閾値を得ることができたのに対し、照射するパルスレーザー光線LBの波長としてシリコンウエーハに対して透過性を有する波長1064nmを選択して上記のレーザー加工実験を実施した場合は、いずれの領域でも、良好な角質層は形成されなかった。
【0038】
以上のようにして、1パルス当たりのエネルギーであるパルスエネルギーPeとパルス間隔Pwとの相関関係から被加工物の上面に角質層を形成することが可能である相関関係閾値が生成されて、該相関関係閾値を制御手段100に記憶することで、相関関係閾値生成工程が完了する。
【0039】
なお、本発明は、上記したように、実測値に基づき相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成工程を実施することに替えて、相関関係閾値を近似式によって生成するものであってもよい。本発明者らは、上記した相関関係閾値を生成する際のレーザー加工実験により良好な結果を示したレーザー加工実験の範囲において、以下に示す近似式(1)で、上記の実測値に基づく相関関係閾値を近似できることを見出した。
【0040】
近似式(1)は、横軸をパルス間隔Pw[μs]とし、縦軸をパルスエネルギーPe[μJ]とした場合、以下のように特定される。
Pe=a{b-(Pw/[μs]-c)} ・・・(1)
*パルス間隔Pwを単位[μs]で除算することにより無次元化している。
*係数a、b、cは、被加工物の種類(例えば、Si、SiC、GaN、サファイアー等)によって設定される。
【0041】
上記したレーザー加工実験は、シリコン(Si)のウエーハ10に対して実験を行ったものであり、シリコン(Si)のウエーハ10について、上記の近似式(1)を適用した場合は、少なくとも、パルス間隔Pwが0.02μs以上、0.8μs以下の範囲で、該係数a、b、cを、a=4、b=1、c=0.9に設定することで、良好な角質層18が生成される相関関係閾値として利用できることを見出した。すなわち、該近似式(1)は、以下の近似式(2)で表され、下記の近似式(2)を使用することで、良好な角質層18を生成できるレーザー加工条件を容易に設定することが可能になる。
Pe=4{1-(Pw/[μs]-0.9)} ・・・(2)
【0042】
上記したように、実測値に基づき、又は近似式に基づき相関関係閾値を生成する相関関係閾値生成工程を実施したならば、被加工物であるウエーハ10を用意し(図2を参照)、制御手段100によって、レーザー照射手段3から照射されるパルスレーザー光線LBのパルスエネルギーPeが相関関係閾値以上であり、且つパルス間隔Pwが相関関係閾値以下になるようにレーザー加工条件を設定するレーザー加工条件設定工程を実施する。すなわち、図5に示す相関関係図において、パルスレーザー光線LBのパルスエネルギーPeとパルス間隔Pwとが領域(A)内で設定されるように、レーザー加工条件を設定する。なお、繰り返し周波数を高くしてパルス間隔Pwを小さくすることで、より小さいパルスエネルギーPeで角質層18を形成することが可能になり、また、パルスエネルギーPeを大きくすることにより、角質層18の厚みをより大きく調整することができることから、エネルギー効率や、形成しようとする角質層18の厚み等を考慮して、パルスレーザー光線LBのパルスエネルギーPeとパルス間隔Pwとを設定するとよい。また、パルスレーザー光線LBのパルスエネルギーPeの値が大きすぎると、漏れ光がデバイス12に達して損傷を起こすおそれがあることから、デバイス12の損傷が起きない範囲で設定される。
【0043】
上記したレーザー加工実験においては、パルスレーザー光線LBのパルス幅を、0.3~100psに設定することで、角質層18の厚みと界面16の厚みとが安定的に形成されることが確認されたことから、上記のレーザー加工条件設定工程では、パルス幅を上記の範囲で設定することが好ましい。また、上記のレーザー加工実験においては、ウエーハ10に照射されるパルスレーザー光線LBの照射ピッチが10~200nmである場合に良好な角質層18が形成されることも確認されており、パルスレーザー光線LBの繰り返し周波数に応じてX軸方向の加工送り速度を適宜調整して、上記の照射ピッチ範囲になるように調整することが好ましい。
【0044】
上記したように、レーザー加工条件設定工程を実施したならば、ウエーハ10の表面10aに保護テープTを貼着して、上記したレーザー加工装置1のチャックテーブル23に吸引保持し、上記のレーザー加工条件設定工程により設定した条件に基づいて、ウエーハ10の裏面10bの全域に対して、パルスレーザー光線LBを照射して角質層形成工程を実施する。これにより、ウエーハ10の裏面10b上に、上記した角質層18が形成される。該角質層18の厚みは、例えば200μmである。この角質層形成工程は、上記の図3図4に基づき説明した加工と同様の加工手順により実施されるものであり、詳細な説明は省略する。
【0045】
上記したように、相関関係閾値生成工程によって得られた相関関係閾値に基づきレーザー加工条件設定工程を実施し、該レーザー加工条件設定工程によって設定されたレーザー加工条件によって角質層形成工程を実施することで、ウエーハ10の裏面10bに、良好な角質層18が形成される。
【0046】
なお、上記した図3図4では、角質層18を形成する際に、チャックテーブル23をX軸方向に加工送りして、直線状にパルスレーザー光線LBを照射するようにしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、図6に示すように、上記のレーザー加工条件設定工程において設定されたレーザー加工条件に基づき、ウエーハ10の裏面10bの外周端にパルスレーザー光線LBを照射し、チャックテーブル23を矢印R1で示す方向に回転させると共に、チャックテーブル23を矢印X軸方向に移動して、パルスレーザー光線LBの照射位置をウエーハ10の中心Oまで移動させることで、ウエーハ10の裏面10b側に対し、螺旋状にパルスレーザー光線LBを照射するようにしてもよい。このようにパルスレーザー光線LBを照射した場合であっても、上記した実施形態と同様に、ウエーハ10の裏面10bに、良好な角質層18を形成することができる。
【0047】
上記した相関関係閾値生成工程と、レーザー加工条件設定工程と、角質層形成工程と、を含むレーザー加工方法を実施することにより、ウエーハ10の裏面10bに形成された角質層18によって、研削加工が困難なウエーハを、比較的容易に表面の研削加工が可能となり、生産性が向上する。
【0048】
上記したレーザー加工方法によってウエーハ10の裏面10bに角質層18を形成したならば、図7に示す研削装置80(一部のみを示している)に搬送して、研削加工を実施する。図7(a)に示すように、研削装置80は、吸着チャック81bと、該吸着チャック81bを囲繞する枠体81aを含むチャックテーブル81を備えている。チャックテーブル81の枠体81aには、図示を省略する吸引手段が接続されており、該吸引手段を作動することにより吸着チャック81bの表面に負圧を生成する。
【0049】
また、研削装置80は、図7(b)に示すようにチャックテーブル81に吸引保持された被加工物を研削して薄化するための研削手段82を備えている。研削手段82は、図示しない回転駆動機構により回転させられる回転スピンドル83と、回転スピンドル83の下端に装着されたホイールマウント84と、ホイールマウント84の下面に取り付けられ、下面側に複数の研削砥石86が環状に配設された研削ホイール85とを備えている。
【0050】
上記した角質層18が裏面10bに形成されたウエーハ10を、該裏面10bを上方に向けてチャックテーブル81に載置して吸引保持したならば、図示を省略する駆動モータを作動して研削手段82の回転スピンドル83を、図7(b)おいて矢印R2で示す方向に、例えば6000rpmで回転させると共に、チャックテーブル81を矢印R3で示す方向に、例えば300rpmで回転させる。次いで、図示しない研削水供給手段により、研削水をウエーハ10の裏面10b上に供給しつつ、研削砥石86をウエーハ10の裏面10bに接触させ、研削ホイール85を、例えば1μm/秒の研削送り速度で下方に向けて研削送りする。この際、図示しない接触式の測定ゲージによりウエーハ10の厚みを測定しながら研削を進めることができ、ウエーハ10の裏面10bを所定量研削してウエーハ10を所望の厚さとしたならば、研削手段82を停止し、洗浄、乾燥工程等を経て、図7(c)に示すようにウエーハ10を薄化して裏面10bを平坦面にする研削加工が完了する。
【0051】
本実施形態における研削加工では、上記したように、ウエーハ10の裏面10bに角質層18が形成されており、界面16を境界にして剥がれやすい状態となっている。したがって、研削加工を実施する際に、ウエーハ10の裏面10bから、上記の角質層18が研削手段82によって破壊されながら大きい個体として離脱するため、研削加工に係る時間を短縮することが可能となって生産性が向上する。さらに、角質層18が研削手段82によって破壊されながら大きい個体として離脱することから、研削に使用された研削水を容易に浄化して再利用することが可能になることから、環境負荷が低い研削加工を実現することが可能になる。
【0052】
本発明は、上記した実施形態に限定されない。例えば、図1に示すレーザー加工装置1に配設されたレーザー照射手段3に替えて、図8に示す別の形態のレーザー照射手段7を備えてもよい。図示のレーザー光線照射手段7は、パルスレーザー光線LBを発振する発振器72と、発振器72が発振したパルスレーザー光線LBをX軸方向に揺動するX軸ガルバノスキャナー74と、パルスレーザー光線LBをY軸方向に揺動するY軸ガルバノスキャナー75と、X軸方向およびY軸方向に揺動したパルスレーザー光線LBをチャックテーブル23に保持されたウエーハ10の所望の位置に照射するfθレンズ76を含む集光器71と、を備えている。
【0053】
X軸ガルバノスキャナー74およびY軸ガルバノスキャナー75は、図示を省略するミラー及び該ミラーの反射角度を調整する角度調整アクチュエータを有する公知の構成で構成される。fθレンズ76は、X軸ガルバノスキャナー74およびY軸ガルバノスキャナー75の作用によりX軸方向およびY軸方向に揺動したパルスレーザー光線LBを、ウエーハ10の裏面10bに対して垂直に照射するようになっている。発振器72、X軸ガルバノスキャナー74、Y軸ガルバノスキャナー75は、制御手段100’によって制御される。なお、本実施形態におけるX軸ガルバノスキャナー74及びY軸ガルバノスキャナー75が、本発明におけるチャックテーブルとレーザー照射手段とを相対的に加工送りする送り手段として機能する。
【0054】
レーザー照射手段7の発振器72が発振したパルスレーザー光線LBは、X軸ガルバノスキャナー74およびY軸ガルバノスキャナー75によってX軸方向およびY軸方向に揺動されてfθレンズ76に導かれた後、fθレンズ76を介してチャックテーブル23に保持されたウエーハ10の裏面10bの所望の位置に照射される。
【0055】
上記のレーザー照射手段7を備えたレーザー加工装置1においても、本実施形態の相関関係閾値生成工程によって生成された相関関係閾値に基づきレーザー加工条件設定工程が実施され、該レーザー加工条件に基づき上記のレーザー照射手段7を使用してウエーハ10の裏面10bに角質層形成工程を実施する。これにより、ウエーハ10の裏面10bに図4に基づき説明したのと同等の角質層18が形成される。そして、レーザー照射手段7によってウエーハ10の裏面10bに角質層18を形成したウエーハ10の裏面10bを、図7に基づき説明した研削装置80によって研削することで、先に説明した実施形態と同様に、良好な研削加工を実施することができる。
【0056】
上記した実施形態では、シリコン(Si)のウエーハ10を被加工物として、上記の相関関係閾値生成工程と、レーザー加工条件設定工程と、角質層形成工程とを実施したが、本発明はこれに限定されず、他の材質の板状の被加工物、例えばSiC基板、GaN基板、サファイアー基板等の基板に対しても同様に実施することができ、該被加工物に形成された角質層によって、研削加工が困難な被加工物を、比較的容易に表面の研削加工が可能となり、生産性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0057】
1:レーザー加工装置
1a:基台
1b:垂直壁部
1c:水平壁部
1d:案内レール
2:保持手段
21:X軸方向可動板
22:Y軸方向可動板
23:チャックテーブル
24:案内レール
25:保持面
3:レーザー照射手段
31:集光器
32:発振器
33:反射ミラー
34:集光レンズ
4:送り手段
41:X軸移動手段
42:モータ
43:ボールねじ
44:Y軸移動手段
45:モータ
46:ボールねじ
5:撮像手段
6:表示手段
7:レーザー照射手段
71:集光器
72:発振器
74:X軸ガルバノスキャナー
75:Y軸ガルバノスキャナー
76:fθレンズ
10:ウエーハ
10a:表面
10b:裏面
12:デバイス
14:分割予定ライン
16:界面
18:角質層
80:研削装置
81:チャックテーブル
82:研削手段
83:回転スピンドル
84:ホイールマウント
85:研削ホイール
86:研削砥石
100、100’:制御手段
Pe:パルスエネルギー
Pw:パルス幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8