(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148311
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】フレーム洗浄機構及びフレーム洗浄方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20231005BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
H01L21/304 651B
H01L21/304 643C
H01L21/78 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056257
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】唐崎 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 英史
(72)【発明者】
【氏名】置田 尚吾
【テーマコード(参考)】
5F063
5F157
【Fターム(参考)】
5F063AA15
5F063DF06
5F063DF19
5F063DF20
5F063FF04
5F063FF35
5F157AA12
5F157AA98
5F157AB02
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB32
5F157BB45
5F157CB13
5F157CE06
5F157CE07
5F157CE10
5F157CE25
5F157CE32
5F157CF44
5F157DB02
5F157DB18
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】フレームを洗浄する際に洗浄液の飛散を抑制することが可能なフレーム洗浄機構及びフレーム洗浄方法を提供する。
【解決手段】テープ16を介在させて加工対象物12を固定した状態の環状のフレーム18を洗浄するフレーム洗浄機構100は、フレーム18を載置するテーブル14と、テーブル14を回転させるテーブル回転装置10と、テーブル14に洗浄液を吐出するノズル40と、テーブル回転装置10によってテーブル14が回転している間に、ノズル40をフレーム18の幅内で揺動させるノズル揺動機構30と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープを介在させて加工対象物を固定した状態の環状のフレームを洗浄するフレーム洗浄機構であって、
前記フレームを載置するテーブルと、
前記テーブルを回転させるテーブル回転装置と、
前記テーブルに洗浄液を吐出するノズルと、
前記テーブル回転装置によって前記テーブルが回転している間に、前記ノズルを前記フレームの幅内で揺動させるノズル揺動機構と、
を備える、フレーム洗浄機構。
【請求項2】
前記ノズルは、
直棒形状を有し、且つ、前記テーブルに対して略水平に設けられるアームと、
前記アームの一方端に設けられた吐出管ホルダと、
前記吐出管ホルダに保持される吐出管と、
を備え、
前記テーブルの回転中心から見た場合に、前記吐出管は、前記洗浄液の吐出方向が前記テーブルの回転方向と同じ方向の成分を有するように、前記テーブルに対して傾斜する、請求項1に記載のフレーム洗浄機構。
【請求項3】
テーブルを介在させて加工対象物を固定した状態の環状のフレームを洗浄するフレーム洗浄方法であって、
前記フレームを載置するテーブルを回転させる回転ステップと、
前記回転ステップを行っている間に、ノズルを前記フレームの幅内で揺動させながら、前記ノズルから前記フレームに洗浄液を吐出する吐出ステップと、
を含む、フレーム洗浄方法。
【請求項4】
前記吐出ステップにおいて、前記テーブルは複数回回転され、前記ノズルは前記フレームに投影された前記ノズルの軌跡が一つの閉曲線を形成しないように揺動される、請求項3に記載のフレーム洗浄方法。
【請求項5】
前記吐出ステップの後、前記フレームを一定時間放置する放置ステップと、
前記放置ステップの後、前記テーブルを回転させて、遠心力により前記洗浄液を前記フレームから除去する洗浄液除去ステップと、
を更に備える、請求項3または請求項4に記載のフレーム洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェハを固定するフレームを洗浄するフレーム洗浄機構及びフレーム洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造では、ダイシングテープを用いてウェハ(ワーク)を環状のフレームに固定し、フレームに固定した状態でウェハを各種の加工装置に搬送し、種々の膜をウェハの表面上に形成しつつ、ウェハを加工している。例えば、露光時にはウェハの表面にレジスト膜を形成したり、グルービング(溝加工)の際にはデバイス層を保護する保護膜を形成したりする。
【0003】
これらの膜を形成するために種々の塗布装置が用いられている。例えば、回転塗布装置では、ウェハの表面の中心付近に塗布液を供給し、そのウェハの中心軸(回転テーブルの中心軸)を回転軸としてウェハを回転させることにより、遠心力を用いて塗布液をウェハの表面全体に塗布している。フレームはウェハの外周側にあるため、回転塗布装置で塗布液をウェハに塗布する際、塗布液がフレーム上に飛散することがある。また、ウェハの搬送中にフレームに汚れが付着することもある。
【0004】
フレームが塗布液等で汚染された状態で以降の加工工程に進むと、その汚れがウェハに付着してウェハ上に形成されるチップに欠陥が生じる問題や、汚れの粘着性のためにウェハの搬送時にフレームが吸着パッドから離脱しにくくなるという問題が生じることがある。このような問題を避けるため、フレームを洗浄する工程が加工工程の間に行われることがある。
【0005】
例えば、特許文献1はフレーム洗浄工程を含む水溶性樹脂被膜方法を開示している。特許文献1に記載されたフレーム洗浄工程では、フレームと一体になったウェハをスピンナーテーブル(回転テーブル)上に保持した状態で、フレームの上方に設けられた洗浄水ノズルからフレームの上面に向けて洗浄水を噴出させると共にスピンナーテーブルを回転させることにより、樹脂被膜を形成する際にフレームの上面に付着した塗布液又は塗布膜を洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載されたフレーム洗浄工程では、ノズルからフレームに向けて噴出させた洗浄水がフレームから零れてウェハ上に飛散(水跳ね)することにより、ウェハ上に形成された塗布膜の品質が低下する(洗浄水で汚染される)可能性がある。
【0008】
ここで、洗浄水で汚染されることを抑制するために洗浄水の流量を下げたり、テーブルの回転数を下げたりすることが考えられる。しかし、この場合、フレームの全体の洗浄が完了するまでにかかる時間が長くなるため、洗浄効率が低下する可能性がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、フレームを洗浄する際に、洗浄液の飛散を抑制しつつ、効率的に洗浄を行うことが可能なフレーム洗浄機構及びフレーム洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るフレーム洗浄機構は、テープを介在させて加工対象物を固定した状態の環状のフレームを洗浄するフレーム洗浄機構であって、フレームを載置するテーブルと、テーブルを回転させるテーブル回転装置と、テーブルに洗浄液を吐出するノズルと、テーブル回転装置によってテーブルが回転している間に、ノズルをフレームの幅内で揺動させるノズル揺動機構と、を備える。
【0011】
第1の態様に係るフレーム洗浄機構では、テーブル回転装置によりテーブルを回転させながら、洗浄ノズルから洗浄液をフレーム上に吐出しながら、洗浄ノズル揺動機構により洗浄ノズルを略環状のフレームの幅内で揺動させる。これにより、洗浄液がフレームの表面に吐出される位置をずらしながら、フレームの全体に効率よく洗浄液をかけることができる。そのため、塗布膜の汚染を抑制するために低流量及び低テーブル回転数で洗浄液を吐出しながらも、効率的にフレームを洗浄することができる。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様に係るフレーム洗浄機構において、ノズルは、直棒形状を有し、且つ、テーブルに対して略水平に設けられるアームと、アームの一方端に設けられた吐出管ホルダと、吐出管に保持される吐出管と、を備え、テーブルの回転中心から見た場合に、吐出管は、洗浄液の吐出方向がテーブルの回転方向と同じ方向の成分を有するように、テーブルに対して傾斜する。
【0013】
第2の態様に係るフレーム洗浄機構では、洗浄液の吐出方向がテーブルの回転方向と同じ方向の成分を含むため、テーブルの回転方向と同じ方向の成分だけ、テーブルに対する洗浄液の相対的な吐出速度を遅くすることができる。これにより、塗布膜の汚染を一層効果的に抑制することができる。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第3の態様に係るフレーム洗浄方法は、テーブルを介在させて加工対象物を固定した状態の環状のフレームを洗浄するフレーム洗浄方法であって、フレームを載置するテーブルを回転させる回転ステップと、回転ステップを行っている間に、ノズルをフレームの幅内で揺動させながら、ノズルからフレームに洗浄液を吐出する吐出ステップと、を含む。
【0015】
第3の態様に係るフレーム洗浄方法では、テーブルを回転させながら、洗浄ノズルから洗浄液をフレーム上に吐出しながら、洗浄ノズルを環状のフレームの幅内で揺動させる。これにより、洗浄液がフレームの表面に吐出される位置をずらしながら、フレームの全体に効率よく洗浄液をかけることができる。そのため、塗布膜の汚染を抑制するために低流量及び低テーブル回転数で洗浄液を吐出しながらも、効率的にフレームを洗浄することができる。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第3の態様に係るフレーム洗浄方法の吐出ステップにおいて、テーブルは複数回回転され、ノズルはフレームに投影されたノズルの軌跡が一つの閉曲線を形成しないように揺動される。これにより、ムレなく万遍に洗浄液をフレームに吐出することができる。
【0017】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第3又は第4の態様に係るフレーム洗浄方法は、吐出ステップの後、フレームを一定時間放置する放置ステップと、放置ステップ後、テーブルを回転させて、遠心力により洗浄液をフレームから除去する洗浄液除去ステップと、を更に備える。
【0018】
第5の態様に係るフレーム洗浄方法では、放置時間中にフレーム上に付着した汚染を洗浄水に溶解させることができるため、効果的に洗浄を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、フレームを洗浄する場合に洗浄液の飛散を抑制しつつ、効率的に洗浄を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係るフレーム洗浄機構を適用した回転塗布装置の一例を示す斜視図である。
【
図4】テーブルの表面に対する吐出管の傾斜方向を説明する図である。
【
図6】本実施形態に係るフレーム洗浄方法の手順を示すフローチャートである。
【
図8】条件を変えてフレーム洗浄を行った結果を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。以下の説明において、例として加工対象物(ワーク)をウェハとするが、加工対象物を限定する趣旨ではない。
【0022】
まず、フレーム洗浄機構100の構成について説明する。
図1及び
図2は本実施形態に係るフレーム洗浄機構100を適用した回転塗布装置1の一例を示す斜視図及び平面図である。なお、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は互いに直交する方向であり、X軸方向は水平方向、Y軸方向はX軸方向に直交する水平方向、Z軸方向は上下方向(鉛直方向)である。
図1及び
図2に示す回転塗布装置1は、ウェハ12に塗布液を塗布し、塗布の後、洗浄液によりフレーム18に飛散した塗布液を洗浄する。
【0023】
図1及び
図2に示すように、回転塗布装置1は、テーブル14(
図3及び
図5参照)、テーブル回転装置10(
図3及び
図5参照)、遮蔽板19、塗布ノズル20、塗布ノズル駆動部30、洗浄ノズル40、洗浄ノズル駆動部50、及び制御部60を備える。また、
図1及び
図2において、テーブル14、テーブル回転装置10、洗浄ノズル40、洗浄ノズル駆動部50及び制御部60は、本実施形態に係るフレーム洗浄機構100を構成する。
【0024】
回転塗布装置1に洗浄ノズル40、洗浄ノズル駆動部50及び制御部60を追加するだけで、回転塗布装置1にフレーム洗浄機構100を適用することができるため、フレーム洗浄機構100を比較的安価に実現することが可能である。
【0025】
テーブル14は、水平方向に平行な表面(保持面)を有し、不図示の吸引装置を用いてウェハ12(フレーム18)を吸着保持する。例えば、略円板形状のウェハ12はダイシングテープ(テープ)16を介在させて略環状のフレーム18に固定された状態で、ウェハ12の中心がテーブル14の中心とほぼ一致するように、テーブル14上に載置される。すなわち、フレーム18はダイシングテープ16を介してテーブル14上に保持される。なお、
図1及び
図2では、テーブル14上にウェハ12が載置されている状態を示しているため、テーブル14は、ウェハ12、ダイシングテープ16及びフレーム18の下に隠れている。
【0026】
テーブル回転装置10は、不図示のモータを用いてテーブル14をZ軸に平行な回転軸を中心にしてテーブル14を回転させる。
【0027】
遮蔽板19は、テーブル14の周囲に、例えば略Z軸方向に垂直に立設される。また、遮蔽板19は、テーブル14の上部まで覆うように湾曲していてもよい。遮蔽板19は、塗布及び洗浄の際にテーブル14から飛散した塗布液及び洗浄液を遮蔽し、回転塗布装置1の外部に塗布液及び洗浄液が飛散することを抑制する。
【0028】
塗布ノズル20は、ウェハ12の表面の中心付近に塗布液を供給する。塗布液は、形成する膜の種類に応じて適切に任意に選択されるが、例えば、レジスト膜を形成する場合は塗布液としてレジスト剤溶液(感光性樹脂溶液)、デバイス層の保護膜を形成する場合は塗布液として保護膜形成用の樹脂溶液等が挙げられる。塗布ノズル20は、吐出口21と、アーム22と、回転シャフト23とを備える。アーム22は、例えば、直棒形状であり、テーブル14に対して略水平に設けられる。吐出口21は、アーム22の一方端に設けられ、不図示の配管を介して供給される塗布液をウェハ12の表面に向けて吐出する。回転シャフト23はZ軸方向に略平行に立設され、回転シャフト23の上端はアーム22の他方端に連結され、回転シャフト23の下端は塗布ノズル駆動部30に連結される。
【0029】
塗布ノズル駆動部30は、不図示のモータ及び伝達機構を備える。塗布ノズル駆動部30は、回転シャフト23を中心にして塗布ノズル20を回転(回動)させることにより、塗布ノズル20の吐出口21をテーブル14(ウェハ12)の表面の中心付近に移動させたり、テーブル14上から退避させたりする。
【0030】
塗布液を回転塗布する際には、塗布ノズル20からウェハ12の表面の中心付近に塗布液が吐出されると、テーブル回転装置10はテーブル14を比較的高速で回転させ(例えば、数百から数千min-1(又はrpm))、遠心力によって塗布液をウェハ12の全体に拡散させる。塗布時における塗布ノズル駆動部30による塗布ノズル20の移動及びテーブル回転装置10によるテーブル14の回転は、制御部60による制御に基づいて行われる。
【0031】
洗浄ノズル40は、本発明のノズルの一例であり、フレーム18の表面に洗浄液を吐出する。以下、
図3を用いて洗浄ノズル40の構成について説明する。
図3は、洗浄ノズル40の一例を示す概略構成図である。
図3に示すように洗浄ノズル40は、吐出管ホルダ41、アーム42、回転シャフト43及び吐出管44を備える。
【0032】
アーム42は、例えば直棒形状であり、テーブル14に対して略水平に設けられる。吐出管ホルダ41は、アーム42の一方端に設けられ、吐出管44を保持する。回転シャフト43はZ軸方向に略平行に立設され、回転シャフト43の上端はアーム42の他方端に連結され、回転シャフト43の下端は洗浄ノズル駆動部50に連結される。吐出管44は、例えば直管形状であり、不図示の配管を介して供給される洗浄液をフレーム18に向けて吐出する。洗浄液は、塗布膜の種類に応じて適切に任意に選択されるが、塗布膜が水溶性樹脂製である場合、例えば、洗浄液として水が用いられる。
【0033】
吐出管44の内径は、略環状のフレーム18の幅(フレーム18の内径と外径の差)よりも小さいことが好ましい。具体的には、吐出管44の口径(内径)は1mm以下であることが好ましい。ここで、本実施形態に係るフレーム洗浄機構100では、細径の吐出管44から十分に低流量で洗浄液をフレーム18に吐出しながら、洗浄ノズル40をフレーム18の幅内で揺動させる。つまり、フレーム洗浄機構100では、洗浄ノズル40を揺動させて洗浄液がフレーム18の表面に吐出(滴下)される位置をずらしながら、フレーム18の全体に効率よく洗浄液を吐出する。なお、洗浄ノズル40(又は吐出管44)は、塗布膜を塗布したウェハ12上に移動し、塗布膜を洗浄してもよい。
【0034】
また、吐出管44から吐出される洗浄液の流量(吐出流量)は、吐出管44から吐出された洗浄液がフレーム18から零れ落ちたり、洗浄液がウェハ12上に飛び散ってウェハ12に形成された塗布膜を汚染又は溶解(以下、単に、汚染と称する)させたりしない程度に低流量であることが好ましい。後述する実験結果によれば、望ましい洗浄液の流量(吐出流量)は0.1L/min以下である。また、十分な低流量を実現しやすくするために、吐出管44の内径は比較的小さいことが好ましく、例えば、1mmである。
【0035】
このように、フレーム洗浄機構100では、低流量で洗浄液を吐出することにより塗布膜の汚染を抑制しつつも、洗浄ノズル40を揺動させることにより効率的に洗浄を行うことができる。
【0036】
また、吐出管44の先端とテーブル14上に載置されるフレーム18の表面との間の離間距離(Z軸方向の距離)Dは比較的短いことが好ましい。好適な離間距離Dは実験的又は経験的に求めることが可能である。例えば、離間距離Dは10mm以下に設定され、より好ましくはその距離の半分以下(すなわち、5mm以下)に設定される。また、吐出管44から吐出される洗浄液の流量又は吐出管44の内径に応じて離間距離Dを可変できるように、回転塗布装置1は、フレーム18に対する吐出管44の先端の相対的な高さを変化させる高さ調整機構を備えてもよい。上記のように離間距離Dを短くすることで、吐出管44から吐出された洗浄液がフレーム18に衝突して周囲に飛散することを効果的に防ぐことができる。
【0037】
更に、吐出管ホルダ41によって保持される吐出管44は、Z軸方向(鉛直方向)に略平行、つまり、テーブル14(フレーム18)の表面に対して略垂直でもよいが、吐出管44はテーブル14の表面に対して傾斜していることが好ましい。以下、
図4を用いて、テーブル14の表面に対する吐出管44の傾斜方向について説明する。
図4において、符号4Aは回転中のテーブル14(フレーム18)と洗浄ノズル40の位置関係を示す斜視図であり、符号4Bは、テーブル14の回転中心から洗浄ノズル40の先端を見た図である。以下、説明のために、テーブル14の回転方向が時計回りであると仮定する(
図2から
図4及び
図7において矢印Aの方向)。
【0038】
図4の符号4A及び4Bに示すように、テーブル14の表面に対して吐出管44を傾斜させる場合、吐出管44の傾斜方向はテーブル14の回転方向と同じ方向の成分を有することが好ましい。符号4Aに示すような洗浄ノズル40とテーブル14との位置関係である場合、テーブル14の回転中心から洗浄ノズル40の先端を見ると、符号4Bに示すように、テーブル14の回転方向は矢印Aで示すようにX軸方向の正の向き(
図4では左から右に向かう向き)になる。
【0039】
吐出管44がテーブル14の表面に対して傾斜している場合、吐出直後の洗浄液の吐出方向は、吐出管44の傾斜方向とほぼ同じ方向(符号4Bにおいて矢印C)となる。なお、厳密には洗浄ノズル40が揺動しているため、洗浄液の吐出方向は揺動によって多少影響される。しかし、洗浄ノズル40の揺動速度は低速であり、洗浄液の吐出方向に対して揺動が与える影響は小さい(ほぼない)ため、ここでは揺動の影響は実質的にないものとして説明する。
【0040】
吐出管44がテーブル14の表面に対して傾斜している場合、吐出される洗浄液の吐出速度は、テーブル14の表面に平行な方向(水平方向)の成分と垂直方向の成分とに分解できる。例えば、符号4Bの例の場合、テーブル14の回転方向はX軸方向の正の向きであるため、吐出管44の傾斜方向はX軸方向の正の向きに傾斜することが望ましい。つまり、洗浄液の吐出方向がテーブル14の回転方向と同じ方向の成分を有するように、吐出管44が傾斜することが好ましい。
【0041】
洗浄液の吐出方向がテーブル14の回転方向と同じ方向の成分を含む場合、テーブル14の回転方向と同じ方向の成分だけ、テーブル14に対する洗浄液の相対的な吐出速度を遅くすることができる。テーブル14に対する洗浄液の相対的な吐出速度を遅くすることにより、洗浄液がフレーム18上から零れ落ちたり、洗浄液がウェハ12上に飛び散ってウェハ12に形成された塗布膜を汚染したりすることを一層抑制することができる。
【0042】
図1及び
図2に戻って、洗浄ノズル駆動部50は、本発明のノズル揺動機構の一例であり、不図示のモータ及び伝達機構を備える。洗浄ノズル駆動部50は、回転シャフト43を中心にして洗浄ノズル40を回転させることにより、洗浄ノズル40の吐出管44をフレーム18に対向するように所定の洗浄位置に移動させたり、洗浄位置から退避させたりする。
【0043】
更に、フレーム18を洗浄する際には、テーブル回転装置10によりテーブル14が回転されている間、洗浄ノズル40から洗浄液をフレーム18上に吐出しながら、洗浄ノズル駆動部50により、洗浄ノズル40を略環状のフレーム18の幅内で揺動させる。言い換えると、フレーム18を洗浄する際には、テーブル14を回転させながら(
図2から
図4及び
図7において矢印Aで示す)、洗浄ノズル40をフレーム18の内径と外径との間で往復移動させる(
図2、
図3及び
図7において、往復移動する範囲を矢印Bで示す)。洗浄時の洗浄ノズル40の揺動について、詳しくは後述する。洗浄時における洗浄ノズル駆動部50による洗浄ノズル40の移動(及び揺動)及びテーブル回転装置10によるテーブル14の回転は、制御部60による制御に基づいて行われる。
【0044】
制御部60は、テーブル回転装置10、塗布ノズル20、塗布ノズル駆動部30、洗浄ノズル40及び洗浄ノズル駆動部50を統合制御する。制御部60は、回転塗布装置1(フレーム洗浄機構100)に有線又は無線で接続される。
【0045】
制御部60は、例えばパーソナルコンピュータのような演算装置により構成され、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサとして、例えば、CPU(Central Processing Unit、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイスが挙げられる。また、プログラマブル論理デバイスとして、例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)等が挙げられる。なお、制御部60の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
【0046】
以下、
図5を用いて制御部60についての機能構成について説明する。
図5に示すように、制御部60は、塗布制御部61、テーブル回転制御部62、ノズル駆動制御部63、流量制御部64、及び、インターフェース65を備える。
【0047】
塗布制御部61は、流量制御弁(不図示)及び塗布ノズル駆動部30を制御することにより、塗布液の塗布時の塗布ノズル20の流量調整及び塗布ノズル20の駆動を行う。回転塗布装置1における回転塗布は公知の技術であるため、詳しい説明については省略する。テーブル回転制御部62は、テーブル回転装置10を制御することにより、塗布液の塗布時及びフレーム18の洗浄時に適切な回転数でテーブル14を回転させる。
【0048】
ノズル駆動制御部63は、フレーム18の洗浄時に洗浄ノズル40をフレーム18の幅内で揺動させる。流量制御部64は、不図示の流量制御弁を制御することによりフレーム18の洗浄時に洗浄液の流量を調整する。インターフェース65は、不図示の入出力部を介して、ユーザ及び回転塗布装置1との間で情報をやり取りする。
【0049】
以下、
図6を用いて、回転塗布装置1における塗布液の塗布及びフレーム18の洗浄の手順について説明する。まず、不図示の搬送アームにより、ウェハ12をテーブル14上に載置する(ステップS10)。続いて、塗布ノズル20から塗布液をウェハ12の中心付近に吐出し、その後、テーブル回転装置10によりテーブル14を回転させて塗布液をウェハ12全体に拡散させる(ステップS12)。塗布液を拡散させる際のテーブル14の回転数は、比較的高速である。塗布液の種類、形成する塗布膜の膜厚及びウェハ12の大きさ等に応じて異なるが、テーブル14の回転数は、例えば、数百から数千min
-1である。
【0050】
ステップS12で塗布が行われた後、フレーム18の洗浄が行われる。フレーム18の洗浄では、まず、洗浄ノズル40から吐出される洗浄液が零れ落ちないように、十分に低速でテーブル回転装置10によりテーブル14を回転させる(ステップS14)。テーブル14の回転数は、例えば、10min-1以下である。テーブル14の回転数を十分に低くすることにより、洗浄液がフレーム18から零れ落ちたり、洗浄液がウェハ12上に飛び散ってウェハ12に形成された塗布膜を汚染したりすることを抑制することができる。
【0051】
続いて、洗浄ノズル駆動部50により洗浄ノズル40を洗浄位置(洗浄開始位置)に移動させる(ステップS16)。更に、洗浄ノズル40から洗浄液をフレーム18上に吐出しながら、洗浄ノズル駆動部50により洗浄ノズル40を略環状のフレーム18の幅内で揺動させ、且つ、テーブル回転装置10によりテーブル14を1回転以上回転させる(ステップS18)。
【0052】
以下、
図7を用いてフレーム18を洗浄する際における洗浄ノズル40の揺動についてより詳しく説明する。
図7は、フレーム18を洗浄する場合における洗浄ノズル40の揺動を説明する図である。
図7において、黒い丸が吐出管44の先端が揺動する範囲の両端の位置を示す。
【0053】
図7に示すように、吐出管44の先端が揺動する範囲を示す黒い丸の一方はフレーム18の内周上に位置し、黒い丸の他方はフレーム18の外周上に位置する。つまり、吐出管44の先端は、フレーム18の内周と外周との間、言い換えると、フレーム18の幅内で揺動(往復移動)する。
【0054】
フレーム洗浄機構100において、吐出管44から十分に低流量で洗浄液を吐出できるように吐出管44の内径は小さいため、フレーム18の幅(フレーム18の内径と外径の差)よりも小さい。そこで、洗浄ノズル40をフレーム18の幅内(フレーム18の内径と外径の間)で揺動させることにより、フレーム18の幅全体に洗浄液を吐出させる。
【0055】
洗浄液がフレーム18の表面に吐出(滴下)される位置をずらしながら、フレーム18の全体に効率よく洗浄液をかけることができるため、低流量で洗浄液を吐出しながらも洗浄効率を向上させることができる。
【0056】
フレーム洗浄機構100では、吐出管44の内径が小さく、吐出流量も小さいため、洗浄液を吐出する際に、フレーム18から洗浄液がはみだすことを防止でき、ウェハ12上に形成された塗布膜を汚染することを抑制することができる。
【0057】
更に、テーブル14を回転させながら、洗浄ノズル40をフレーム18の幅内で揺動(往復移動)させる。これにより、フレーム18の全周にわたって洗浄液を吐出することが可能となる。その結果、フレーム18から洗浄液を飛散させることなく、フレーム18の全体の洗浄を行うことができる。
【0058】
ここで、洗浄液の吐出流量及びテーブル14の回転数は任意に設定可能であるが、フレーム18から洗浄液が飛散しないように、洗浄液の吐出流量及びテーブル14の回転数を十分に低くすることが好ましい。具体的には、吐出された洗浄液がフレーム18の表面上から零れ落ちることなく、表面張力によりフレーム18の表面上に滞留するように、洗浄液の吐出流量及びテーブル14の回転数を十分に低くすることが好ましい。
【0059】
また、洗浄液を吐出する際には、テーブル14を複数回回転し、洗浄ノズル40は、フレーム18に投影された洗浄ノズル40の軌跡が一つの閉曲線を形成しないように揺動されることが好ましい。フレーム18に投影された洗浄ノズル40の軌跡が一つの閉曲線を形成しないため、例えば、テーブル14を2回回転する場合、テーブル14の1回転目の洗浄ノズル40の軌跡は、テーブル14の2回転目の洗浄ノズル40の軌跡と完全には重なり合わない。テーブル14の2回転目において洗浄液がフレーム18の表面に吐出される位置を、テーブル14の1回転目からずらすことができるため、一層ムラなく万遍に洗浄液をフレーム18に吐出することが可能になる。
【0060】
ステップS18において洗浄液をフレーム18の全周に吐出した後、テーブル14の回転を停止し(ステップS20)、一定時間放置する(ステップS22)。この放置時間中に、フレーム18上に付着した汚染(レジスト剤溶液や保護膜形成用の樹脂溶液)を洗浄水に溶解させる。ここで、フレーム18に付着した汚染の洗浄液に対する溶解度が比較的高い場合、ステップS22を省いてもよい。
【0061】
続いて、テーブル回転装置10によりテーブル14を高速回転させて、遠心力によりフレーム18の表面上から洗浄液を飛散させる(ステップS24)。テーブル14の回転数は任意に設定可能であるが、例えば、数百から数千min-1である。
【0062】
洗浄液の除去後、フレーム18を目視又は不図示のカメラで撮影することにより、フレーム18を良好に洗浄できたか確認し、洗浄を繰り返すか終了するか判定する(ステップS26)。この判定は、ユーザによって行ってもよいし、カメラの観察画像に基づいて制御部60が自動的に行ってもよい。
【0063】
ステップS26において洗浄を繰り返すと判定した場合(ステップS26:NO)、ステップS14に戻る。ステップS26において洗浄を終了すると判定した場合(ステップS26:YES)、ウェハ12をテーブル14上から搬出し(ステップS28)、処理を終了する。
【0064】
このように、本実施形態によれば、洗浄液は、洗浄ノズル40の揺動によってフレーム18の幅方向全体に吐出管44の先端から吐出されながら、テーブル14の360度回転(1回転)によってフレーム18の周方向全体に吐出される。その際、吐出された洗浄液がフレーム18の表面上から零れ落ちることなく、表面張力によりフレーム18の表面上に滞留するように、洗浄液の吐出流量及びテーブル14の回転数を十分に低くする。これにより、洗浄液がフレーム18から零れ落ちたり、洗浄液がウェハ12上に飛び散ってウェハ12に形成された塗布膜を汚染したりことを抑制することができる。
【0065】
以下、
図8を用いて、好ましい洗浄条件について説明する。
図8は、吐出管44の内径が1mm、且つ、吐出管44の先端とフレーム18の表面との距離Dが4mmである場合に、実験例1から11においてテーブル14の回転数、洗浄水の吐出流量及び放置時間を変えて、フレーム18を洗浄した結果を示す。
【0066】
図8において、評価Aは洗浄結果が優れて良好、評価Bは良好、評価Cは部分的不良、評価Fは不良を示す。実験例1では、回転数が20min
-1、吐出流量が0.5L/min、及び洗浄液を吐出した後、放置することなく洗浄液を除去した。実験例1では、吐出された洗浄液がすぐにフレーム18の表面上から零れ落ちてしまい、評価結果はFである。
【0067】
実験例2及び実験例3では、実験例1における吐出流量を、それぞれ0.2L/min及び0.1L/minに変えた。実験例2及び実験例3でも、吐出された洗浄液がすぐにフレーム18の表面上から零れ落ちてしまうため、評価結果はFである。実験例1から実験例3から、テーブル14の回転数が20min-1である場合は回数数が高すぎるため、良好に洗浄を行うことができないことが分かる。
【0068】
実験例4から実験例6では、実験例1から実験例3の条件のうち回転数を15min-1に変えた。実験例4及び実験例5では、吐出された洗浄液がすぐにフレーム18の表面上から零れ落ちてしまうため、評価結果はFである。実験例6では、洗浄水はフレーム18表面上に溜まりやすくなったが、それでも洗浄液はフレーム18の表面上から零れ落ちてしまう頻度が高いため、評価結果はFである。実験例4から実験例6によれば、テーブル14の回転数が15min-1である場合でも、回数数がまだ高すぎるため良好に洗浄を行うことができないことが分かる。
【0069】
実験例7から実験例9は、実験例1から実験例3の条件のうち回転数を10min-1に変えた。実験例7では吐出された洗浄液がすぐにフレーム18の表面上から零れ落ちてしまい、評価結果はFである。実験例8では、洗浄水はフレーム18の表面上に溜まりやすくなったが、それでも洗浄液はフレーム18の表面上から零れ落ちてしまう頻度が高いため、評価結果はFである。一方、実験例9では、洗浄水はフレーム18の表面上に溜まり、零れ落ちることがなくなったが、汚染物(塗布液)がフレーム18の表面上に残るため、評価結果はCである。実験例7から実験例9によれば、テーブル14の回転数が10min-1であれば、他の洗浄条件を変更すれば良好な洗浄結果を得られる見込みがあることが分かる。
【0070】
実験例10では、実験例9と同じ条件で洗浄液を吐出後、30秒間放置してから洗浄液を除去した。実験例10では汚染物がかなり溶解しており洗浄結果が改善されたため、評価結果はBである。さらに、実験例11では、実験例9と同じ条件で洗浄液を吐出後、45秒間放置してから洗浄液を除去した。実験例11では汚染物はほぼすべて溶解しており洗浄結果がさらに改善されたため、評価結果はAである。
【0071】
これらの実験の結果から、テーブル14の回転数及び洗浄液の吐出流量を十分に低くし、放置時間を長くすれば、洗浄結果は良好になることが分かった。具体的には、
図8に示す実験例では、テーブル14の回転数を10min
-1、吐出流量を0.1L/min、放置時間を30秒以上にすれば、良好に洗浄を行うことができることが分かった。なお、上記の実験結果における具体的な数値は一例にすぎず、洗浄時のパラメータを限定する趣旨ではない。当然ながら、吐出管44の内径、吐出管44の先端とフレーム18の表面との離間距離D、汚染物(塗布膜)の種類、洗浄液の種類に応じて、好適なテーブル14の回転数、洗浄液の吐出流量及び放置時間が変化する。
【0072】
<効果>
以上説明したように、本実施形態に係るフレーム洗浄機構100によれば、テーブル回転装置10によりテーブル14を回転させつつ、洗浄ノズル40から洗浄液をフレーム18上に吐出し、さらには洗浄ノズル駆動部50により洗浄ノズル40を略環状のフレーム18の幅内で揺動させる。このように洗浄液がフレーム18の表面に吐出される位置をずらしながら、フレーム18の全体に効率よく洗浄液をかけることができるため、塗布膜の汚染を抑制するために低流量及び低テーブル回転数で洗浄液を吐出しながらも、効率的にフレーム18を洗浄することができる。
【0073】
また、吐出管44をテーブル14の回転中心から見た場合に、吐出管44は、洗浄液の吐出方向がテーブル14の回転方向と同じ方向の成分を有するように、テーブル14に対して傾斜した構成であることが好ましい。洗浄液の吐出方向がテーブル14の回転方向と同じ方向を含む場合、テーブル14の回転方向と同じ方向の成分だけ、テーブル14に対する洗浄液の相対的な吐出速度を遅くすることができる。これにより、塗布膜の汚染を一層抑制することができる。
【0074】
また、洗浄液を吐出した後、一定時間放置してから洗浄水を除去することが好ましい。この放置時間中にフレーム18上に付着した汚染を洗浄水に溶解させることができるため、効果的に洗浄を行うことができる。
【0075】
また、回転塗布装置1に洗浄ノズル40、洗浄ノズル駆動部50及び制御部60を追加するだけで、回転塗布装置1にフレーム洗浄機構100を適用することができるため、フレーム洗浄機構100を比較的安価に実現することが可能である。
<変形例>
上記の実施形態では吐出管44は直管形状であるとして説明した。しかし、テーブル14の回転中心から見た場合に、吐出管44は、洗浄液の吐出方向がテーブル14の回転方向と同じ方向の成分を有するように洗浄液を吐出することができればよいため、吐出管44は湾曲管でもよい。
【0076】
上記の実施形態では回転塗布装置1にフレーム洗浄機構100を適用する場合について説明した。しかし、既存のフレーム洗浄機構を用いて本実施形態に係るフレーム洗浄機構100を実現することも可能である。この場合、洗浄ノズル駆動部50が洗浄ノズル40を揺動させるようにノズル駆動制御部63の制御プログラムを変更するだけで、フレーム洗浄機構100を比較的安価に実現することが可能である。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【0078】
例えば、上記において、ウェハ12が固定された状態のフレーム18をテーブル14に載置して、フレーム18を洗浄する場合について説明したが、フレーム18だけをテーブル14に載置してフレーム18を洗浄することも当然可能である。
【符号の説明】
【0079】
1…回転塗布装置、100…フレーム洗浄機構、10…テーブル回転装置、12…ウェハ、14…テーブル、16…ダイシングテープ、18…フレーム、20…塗布ノズル、21…吐出口、22…アーム、23…回転シャフト、30…塗布ノズル駆動部、40…洗浄ノズル、41…吐出管ホルダ、42…アーム、43…回転シャフト、44…吐出管、50…洗浄ノズル駆動部、60…制御部、61…塗布制御部、62…テーブル回転制御部、63…ノズル駆動制御部、64…流量制御部、65…インターフェース