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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149472
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】血液ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/422 20210101AFI20231005BHJP
   F04D 13/06 20060101ALI20231005BHJP
   A61M 60/122 20210101ALN20231005BHJP
   A61M 60/232 20210101ALN20231005BHJP
   A61M 60/861 20210101ALN20231005BHJP
【FI】
A61M60/422
F04D13/06 H
F04D13/06 B
A61M60/122
A61M60/232
A61M60/861
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058064
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(71)【出願人】
【識別番号】522129638
【氏名又は名称】有吉 洸希
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】佐野 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】池田 拓士
(72)【発明者】
【氏名】芦田 良二
(72)【発明者】
【氏名】有吉 洸希
【テーマコード(参考)】
3H130
4C077
【Fターム(参考)】
3H130AA05
3H130AB22
3H130AB42
3H130AC18
3H130BA73G
3H130BA87G
3H130CA24
3H130DD04X
3H130DJ06X
3H130EA08G
3H130EC13G
3H130EC14G
3H130EC16G
4C077AA04
4C077CC03
4C077CC04
4C077CC05
4C077DD08
4C077KK27
(57)【要約】
【課題】ポンプ部とモータ部との位置決めを確実とし、固定された大きさの隙間をポンプ部とモータ部との間に形成することができる血液ポンプ装置を提供する。
【解決手段】人工心臓に使用される血液ポンプ装置は、永久磁石10を備えた羽根車7、および羽根車7を収容する羽根車ケーシング6を有するポンプ部1と、永久磁石10に作用する回転磁界を生成するモータ部2と、予め設定された大きさの隙間Gをポンプ部1とモータ部2との間に形成し、かつモータ部2をポンプ部1に固定する固定構造体30を備える。固定構造体30は、隙間Gを延びる連結部材32を有しており、連結部材32は生体適合性材料から構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工心臓に使用される血液ポンプ装置であって、
永久磁石を備えた羽根車、および前記羽根車を収容する羽根車ケーシングを有するポンプ部と、
前記永久磁石に作用する回転磁界を生成するモータ部と、
予め設定された大きさの隙間を前記ポンプ部と前記モータ部との間に形成し、かつ前記モータ部を前記ポンプ部に固定する少なくとも1つの固定構造体を備え、
前記固定構造体は、前記隙間を延びる連結部材を有しており、
前記連結部材は生体適合性材料から構成されている、血液ポンプ装置。
【請求項2】
前記隙間の大きさは、2mm~10mmの範囲内にある、請求項1に記載の血液ポンプ装置。
【請求項3】
前記固定構造体は、前記ポンプ部の中心の周りに配列された少なくとも3つの固定構造体である、請求項1または2に記載の血液ポンプ装置。
【請求項4】
前記固定構造体は、前記モータ部を前記ポンプ部に着脱可能に固定している、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の血液ポンプ装置。
【請求項5】
前記連結部材の一端は前記ポンプ部に接続され、前記連結部材の他端は前記モータ部に形成された挿入穴に挿入されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の血液ポンプ装置。
【請求項6】
前記羽根車ケーシングは、生体適合性材料から構成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の血液ポンプ装置。
【請求項7】
前記ポンプ部は身体内に配置され、
前記モータ部は前記身体外に配置され、
前記連結部材は、前記身体の外皮層に予め形成されている貫通穴を通って延びている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の血液ポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液を送るための人工心臓として使用される血液ポンプ装置に関し、特にポンプ部が体内に配置される血液ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
身体埋込型の人工心臓として使用されるポンプ装置は、身体に埋め込む必要があるため、ポンプの小型化と軽量化が求められてきた。そこで、特許文献1のように、ポンプ装置のポンプ部とモータ部を分離させ、ポンプ部を体内に埋め込み、モータ部を体外に配置するポンプ装置がある。ポンプ部とモータ部との間には皮膚と脂肪層が挟まれており、ポンプ部とモータ部はマグネットカップリングで連結される。このような構成によれば、体内に埋め込まれるポンプ装置の部分の体積を小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-178816号公報
【特許文献2】国際公開第2019/070048号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポンプ部とモータ部はマグネットカップリングにより連結されているために、モータ部のポンプ部に対する相対位置が変化することがある。モータ部の相対位置が変化すると、ポンプ部の動作不具合を引き起こす可能性がある。特に、モータ部がポンプ部から離れてしまうと、ポンプ部が停止してしまい、血液の循環が止まってしまう。また、ポンプ部とモータ部は磁力により互いに引き付けられているために、皮膚と脂肪層がポンプ部とモータ部との間に強く挟まれ、皮膚と脂肪層に阻血(虚血)が起こるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、ポンプ部とモータ部との位置決めを確実とし、固定された大きさの隙間をポンプ部とモータ部との間に形成することができる血液ポンプ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、人工心臓に使用される血液ポンプ装置であって、永久磁石を備えた羽根車、および前記羽根車を収容する羽根車ケーシングを有するポンプ部と、前記永久磁石に作用する回転磁界を生成するモータ部と、予め設定された大きさの隙間を前記ポンプ部と前記モータ部との間に形成し、かつ前記モータ部を前記ポンプ部に固定する少なくとも1つの固定構造体を備え、前記固定構造体は、前記隙間を延びる連結部材を有しており、前記連結部材は生体適合性材料から構成されている、血液ポンプ装置が提供される。
【0007】
一態様では、前記隙間の大きさは、2mm~10mmの範囲内にある。
一態様では、前記固定構造体は、前記ポンプ部の中心の周りに配列された少なくとも3つの固定構造体である。
一態様では、前記固定構造体は、前記モータ部を前記ポンプ部に着脱可能に固定している。
一態様では、前記連結部材の一端は前記ポンプ部に接続され、前記連結部材の他端は前記モータ部に形成された挿入穴に挿入されている。
一態様では、前記羽根車ケーシングは、生体適合性材料から構成されている。
一態様では、前記ポンプ部は身体内に配置され、前記モータ部は前記身体外に配置され、前記連結部材は、前記身体の外皮層に予め形成されている貫通穴を通って延びている。
【発明の効果】
【0008】
固定構造体は、予め設定された大きさの隙間をポンプ部とモータ部との間に形成し、かつモータ部のポンプ部に対する相対位置を固定することができる。したがって、モータ部はポンプ部の羽根車を安定して回転させることができる。身体の外皮層(皮膚および脂肪層を含む)は、固定された大きさの隙間内に位置しており、ポンプ部とモータ部との間に磁気的引力が発生しているときでも、外皮層はポンプ部とモータ部との間に挟まれない。したがって、外皮層に阻血(虚血)が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】血液ポンプ装置の一実施形態を示す断面図である。
図2図1に示すA-A線断面図である。
図3】固定構造体の一実施形態を説明するための拡大断面図である。
図4】固定構造体の他の実施形態を説明するための拡大断面図である。
図5】固定構造体のさらに他の実施形態を説明するための拡大断面図である。
図6】血液ポンプ装置の他の実施形態を示す断面図である。
図7図6に示すB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、血液ポンプ装置の一実施形態を示す断面図である。以下に説明する血液ポンプ装置は、血液を移送するための人工心臓として使用されるポンプ装置である。特に、図1に示すように、血液ポンプ装置は、その一部が身体に埋め込まれる埋込み型ポンプ装置である。
【0011】
血液ポンプ装置は、血液を移送するためのポンプ部1と、ポンプ部1を駆動するためのモータ部2を備えている。ポンプ部1は、羽根車7と、羽根車7を収容する羽根車ケーシング6を備えている。羽根車ケーシング6は、その内部にボリュート室5を有しており、羽根車7はボリュート室5内に配置されている。羽根車ケーシング6は、ボリュート室5に連通する吸込み口18および吐出し口19を有している。
【0012】
羽根車7は、ボリュート室5内に配置された支持軸8により回転可能に支持されている。羽根車7のラジアル荷重は、支持軸8によって受けられる。一実施形態では、羽根車7のラジアル荷重は、羽根車7の回転によって昇圧された、ボリュート室5内の血液の動圧によって受けられるようにしてもよい。この場合は、支持軸8は設けられなくてもよい。
【0013】
羽根車7は、複数の永久磁石10を備えている。これら永久磁石10は羽根車7内に埋設されており、羽根車7の表面には露出していない。モータ部2は、永久磁石10に作用する回転磁界を生成するモータステータ12と、モータステータ12が内部に配置されたステータハウジング15を備えている。モータステータ12は、複数のコイル16と、これらコイル16に電流を供給する電力線17を備えている。
【0014】
コイル16に電流(より具体的には三相交流電流)が供給されると、モータ部2は回転磁界を発生する。この回転磁界は、羽根車7の永久磁石10に作用し、羽根車7を回転させる。羽根車7の回転に伴い、血液は吸込み口18からポンプ部1内に流入し、羽根車7の回転により昇圧され、ポンプ部1から吐出し口19を通って吐き出される。
【0015】
羽根車7の回転により昇圧された血液は、羽根車7の背面と羽根車ケーシング6の内面との隙間を満たし、羽根車7を吸い込み側に押すスラスト荷重を発生させる。ポンプ部1は、上記スラスト荷重を受けるために、羽根車7の吸い込み側に配置された非接触型スラスト軸25を備えている。図1に示す実施形態では、非接触型スラスト軸25は動圧軸受である。より具体的には、羽根車7の吸い込み側の面にはスパイラル溝26が形成されており、スパイラル溝26は羽根車7の回転時に血液の動圧を発生させる。この血液の動圧により羽根車7のスラスト荷重が受けられる。
【0016】
血液ポンプ装置は、予め設定された大きさの隙間Gをポンプ部1とモータ部2との間に形成し、かつモータ部2をポンプ部1に固定する固定構造体30を備えている。隙間Gの大きさは、固定構造体30の大きさによって決まる。本実施形態では、血液ポンプ装置は、3つの固定構造体30が設けられている。ポンプ部1に対するモータ部2の相対位置は、これらの固定構造体30によって決まる。各固定構造体30は、隙間Gを延びる連結部材32と、連結部材32に螺合されたねじ35を有している。
【0017】
血液ポンプ装置が使用されるとき、ポンプ部1は身体内に配置され、モータ部2は身体外に配置される。身体の皮膚および脂肪層を含む外皮層Sは、ポンプ部1とモータ部2との間の隙間Gに位置している。固定構造体30の連結部材32は、身体の外皮層Sを通って延びている。すなわち、各連結部材32は、身体内から身体外に延びている。
【0018】
図2は、図1に示すA-A線断面図である。図2に示すように、3つの固定構造体30は、ポンプ部1の中心CPの周りに配列されている。図2に示す実施形態では、3つの固定構造値は、ポンプ部1の中心CPの周りに等間隔で配列されているが、一実施形態では3つの固定構造値がポンプ部1の中心CPを囲むように配列されていれば、等間隔で配列されていなくてもよい。
【0019】
一実施形態では、単一の固定構造体30、2つの固定構造体30、または4つ以上の固定構造体30が設けられてもよい。
【0020】
図3は、固定構造体30の一実施形態を説明するための拡大断面図である。図3に示すように、連結部材32の一端はポンプ部1に接続(固定)されている。連結部材32は、ポンプ部1と一体に構成されてもよい。連結部材32の他端はモータ部2に形成された挿入穴40に挿入されている。モータ部2は、その表面で開口する開口穴41を有している。挿入穴40と開口穴41との間には、小径部44がある。この小径部44は、挿入穴40の直径および開口穴41の直径よりも小さい直径を有する穴である。挿入穴40、小径部44、および開口穴41は、一直線状に並んでいる。連結部材32の上記他端は小径部44に接触しており、これにより、挿入穴40から突出する連結部材32の長さ、すなわちポンプ部1とモータ部2との隙間Gの大きさが定まる。
【0021】
固定構造体30は、モータ部2をポンプ部1に着脱可能に固定している。固定構造体30は、連結部材32に形成されたねじ穴48(雌ねじ)と、モータ部2を連結部材32に固定するためのねじ35(雄ねじ)を有している。ねじ35は、開口穴41および小径部44に挿入され、ねじ穴48にねじ込まれる。ねじ35の頭部は小径部44を連結部材32に押し付け、これによりモータ部2はポンプ部1に固定構造体30により固定され、かつポンプ部1とモータ部2との間の隙間Gの大きさが固定される。ねじ35を連結部材32から外すことにより、モータ部2をポンプ部1から切り離すことができる。
【0022】
固定構造体30の連結部材32は、外皮層(皮膚および脂肪層を含む)Sに予め形成されている貫通穴100を通って延びている。この連結部材32は外皮層Sに接触することがありうるので、連結部材32は生体適合性材料から構成されている。生体適合性材料の例としては、チタン、チタン合金、SUS316、セラミック、ジルコニアなどが挙げられるが、生体適合性材料はこれらの例に限定されない。ねじ35も、生体適合性材料から構成されてよい。
【0023】
ポンプ部1は、身体内に配置されることが可能に設計されている。より具体的には、ポンプ部1が身体に接触する部分である羽根車ケーシング6は、生体適合性材料から構成されている。
【0024】
固定構造体30は、予め設定された大きさの隙間Gをポンプ部1とモータ部2との間に形成し、かつモータ部2のポンプ部1に対する相対位置を固定することができる。したがって、モータ部2はポンプ部1の羽根車7を安定して回転させることができる。身体の外皮層Sは、固定された大きさの隙間G内に位置しており、ポンプ部1とモータ部2との間に磁気的引力が発生しているときでも、外皮層Sはポンプ部1とモータ部2との間に挟まれない。したがって、外皮層Sに阻血(虚血)が生じることがない。
【0025】
隙間Gの大きさは、外皮層Sの厚さよりも大きい。隙間Gの大きさは、2mm~10mm、より具体的には3mm~4mmの範囲内である。
【0026】
図4は、固定構造体30の他の実施形態を示す拡大断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図1乃至図3を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図4に示す実施形態では、固定構造体30は、モータ部2を連結部材32に固定するための第1磁石51および第2磁石52を有している。第1磁石51は連結部材32に固定されており、第2磁石52はモータ部2に固定されている。より具体的には、第1磁石51は連結部材32の端部に固定されており、第2磁石52はモータ部2の挿入穴40の底部に固定されている。
【0027】
連結部材32および第1磁石51を、モータ部2の挿入穴40に挿入すると、モータ部2に固定されている第2磁石52は第1磁石51に磁力により引き付けられる。その結果、モータ部2は、固定構造体30によりポンプ部1に固定され、かつポンプ部1とモータ部2との間の隙間Gの大きさが固定される。連結部材32の一部はモータ部2の挿入穴40内に位置しているので、ポンプ部1に対するモータ部2の位置決めが達成される。隙間Gの大きさは、連結部材32の長さ、および第1磁石51と第2磁石52の厚さにより定まる。モータ部2をポンプ部1から遠ざけると、第2磁石52は第1磁石51から離れ、モータ部2をポンプ部1から切り離すことができる。
【0028】
図5は、固定構造体30の他の実施形態を示す拡大断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図1乃至図3を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図5に示す実施形態では、固定構造体30は、連結部材32とモータ部2とを接合する接着剤60を有している。すなわち、連結部材32の端部は、モータ部2の挿入穴40の底部に接着剤60により固定される。その結果、モータ部2は、固定構造体30によりポンプ部1に固定され、かつポンプ部1とモータ部2との間の隙間Gの大きさが固定される。隙間Gの大きさは、連結部材32の長さおよび接着剤60の厚さにより定まる。連結部材32の一部はモータ部2の挿入穴40内に位置しているので、ポンプ部1に対するモータ部2の位置決めが達成される。
【0029】
固定構造体30は、図3乃至図5に示す具体的構造以外の構成を有してもよい。
【0030】
上述した実施形態では、3つの固定構造体30が設けられているが、固定構造体30の数はこれら実施形態に限られない。4つ以上の固定構造体30が設けられてもよいが、連結部材32が貫通する貫通穴100を外皮層Sに形成する必要があるため、多くの固定構造体30を設けることは好ましくない。3つの固定構造体30は、モータ部2のポンプ部1に対する相対位置を安定させることができる点、モータ部2とポンプ部1との機械的結合が高められる点、および身体への負担を低くできる点から好ましい。
【0031】
一方、図6に示すように、単一の固定構造体30が設けられてもよい。図6に示す実施形態では、単一の固定構造体30は、ポンプ部1およびモータ部2の中央に位置している。図7は、図6のB-B線断面図である。図7に示すように、連結部材32および挿入穴40は、多角形状(図7の例では六角形)を有している。多角形状の断面を有する連結部材32および挿入穴40は、モータ部2がポンプ部1に対して回転することを防止することができる。
【0032】
図4および図5の実施形態は、図6および図7に示す実施形態に適用することができる。
【0033】
上述した実施形態に係る血液ポンプ装置は、人間のための人工心臓に適用可能であるのみならず、動物のための人工心臓にも適用することができる。
【0034】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0035】
1 ポンプ部
2 モータ部
5 ボリュート室
6 羽根車ケーシング
7 羽根車
8 支持軸
10 永久磁石
12 モータステータ
15 ステータハウジング
16 コイル
17 電力線
18 吸込み口
19 吐出し口
25 非接触型スラスト軸
26 スパイラル溝
30 固定構造体
32 連結部材
35 ねじ
40 挿入穴
41 開口穴
44 小径部
48 ねじ穴
51 第1磁石
52 第2磁石
60 接着剤
100 貫通穴
G 隙間
S 外皮層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7