IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本ゼオン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-IABP駆動装置 図1
  • 特開-IABP駆動装置 図2
  • 特開-IABP駆動装置 図3
  • 特開-IABP駆動装置 図4
  • 特開-IABP駆動装置 図5
  • 特開-IABP駆動装置 図6
  • 特開-IABP駆動装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149922
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】IABP駆動装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0215 20060101AFI20231005BHJP
   A61M 60/139 20210101ALI20231005BHJP
   A61M 60/295 20210101ALI20231005BHJP
   A61M 60/497 20210101ALI20231005BHJP
   A61M 60/585 20210101ALI20231005BHJP
   A61M 60/531 20210101ALI20231005BHJP
【FI】
A61B5/0215 C
A61M60/139
A61M60/295
A61M60/497
A61M60/585
A61M60/531
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058738
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 克明
【テーマコード(参考)】
4C017
4C077
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017BB12
4C017BC11
4C017FF08
4C077AA04
4C077DD09
4C077FF04
4C077HH03
4C077HH13
4C077KK25
4C077KK27
(57)【要約】
【課題】ポンピング動作を停止することなく、測定圧力の修正を可能とする。
【解決手段】バルーン28に配された第1圧力センサ30による測定圧力P1を記憶し、バルーンを駆動するにあたり、所定時間毎に半膨張バルーン内の圧力を測定する第2圧力センサ32による測定圧力P2によりP1を校正するとともに、第1と第2の圧力センサとは別個の第3圧力センサ34から得られる圧力P3を用い、圧力P1が圧力P3より所定値を超えて小さいとき、P3とP1の差分OF2を用いて、記憶されていたP1を修正するか、差分OF2を表示して手動での調整を可能とするか、あるいは差分OF2を記憶する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値を用いて前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力を修正する修正手段と、
を有するIABP駆動装置。
【請求項2】
第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値を用いて前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力を修正する修正手段と、
を有するIABP駆動装置。
【請求項3】
第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第3の圧力の最大値と最小値の差である第2の差分を演算する第2演算手段と、
前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいことを判断する第3判断手段前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値を超えて小さいことを判断する第3判断手段と、
前記第1の圧力の最大値と最小値の差である第1の差分を演算する第1演算手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第3判断手段が、前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値を用いて前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力を修正する修正手段と、
を有するIABP駆動装置。
【請求項4】
第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を表示する表示手段と、
を有するIABP駆動装置。
【請求項5】
第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を表示する表示手段と、
を有するIABP駆動装置。
【請求項6】
第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第3の圧力の最大値と最小値の差である第2の差分を演算する第2演算手段と、
前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいことを判断する第3判断手段前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値を超えて小さいことを判断する第2判断手段と、
前記第1の圧力の最大値と最小値の差である第1の差分を演算する第1演算手段と、
と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第3判断手段が、前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を表示する表示手段と、
を有するIABP駆動装置。
【請求項7】
第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を記憶する第2の記憶手段と、
を有するIABP駆動装置。
【請求項8】
第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに適当量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングさせるシャトルガス供給手段と、
前記シャトルガス供給手段を制御する制御手段と、
所定時間間隔で前記バルーンが半膨張状態となるように、前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、ポンピング動作中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を記憶する第2の記憶手段と、
を有するIABP駆動装置。
【請求項9】
第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第3の圧力の最大値と最小値の差である第2の差分を演算する第2演算手段と、
前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいことを判断する第3判断手段と、
前記第1の圧力の最大値と最小値の差である第1の差分を演算する第1演算手段と、
と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第3判断手段が、前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を記憶する第2の記憶手段と、
を有するIABP駆動装置。
【請求項10】
IABP用バルーンにシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段を有するIABP駆動装置における測定血圧の校正/表示/記憶方法であって、
前記シャトルガス供給手段を制御して前記ポンピングを中止し、前記バルーンを半膨張状態とするステップと、
前記バルーンが半膨張状態であるとき、前記バルーンの外部に配された第1圧力センサにより測定された第1の圧力と、前記バルーンの内圧を測定する第2圧力センサにより測定された第2の圧力とを読み込み、それぞれ記憶するステップと、
記憶された前記第1の圧力と前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整し、その直後に、既に記憶された前記第1の圧力を前記第2の圧力で書き換える調整ステップと、
前記シャトルガス供給手段を制御して前記バルーンの前記半膨張状態を終了し、ポンピングを再開するステップと、
前回の零点調整時から所定時間を経過したか否かを判断する時間判断ステップと、
前記所定時間を経過していない場合、前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された第3の圧力を読み込むステップと、
前記所定時間を経過した場合、前記バルーンを半膨張状態とするステップへ戻るステップと、
を有し、
前記第1の圧力と前記第3の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断ステップと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より所定値を超えて小さいと判断する第2判断ステップと、
前記第1の圧力の最大値と最小値の差である第1の差分を検出し、前記第3の圧力の最大値と最小値の差である第2の差分を検出し、前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいことを判断する第3判断ステップの3つの判断ステップのうち、前記第1判断ステップの判断結果に応じて、あるいは、前記第1及び第2判断ステップの判断結果に応じて、あるいは、前記第1~第3判断ステップの判断結果に応じて、前記第3の圧力と前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力により既に前記第2の圧力により書き換えられ、記憶された前記第1の圧力を修正するステップと、前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を表示するステップと、前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を記憶するステップとの3つのステップの1つ又は複数を実行するよう構成されたIABP駆動装置における測定血圧の校正/表示/記憶方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIABP(大動脈内バルーンポンピング)法により、バルーンを駆動するIABP駆動装置(IABP用バルーン駆動装置の略称)に関する。
【背景技術】
【0002】
IABP(intra-aortic balloon pumping)法に用いられるバルーンは、カテーテルに取り付けられて、患者の体内の動脈内に挿入され、患者の心臓の近傍の大動脈内に留置される。IABP駆動装置は、かかるカテーテルを介して、バルーンの内部にヘリウムなどのシャトルガスを送り込み、バルーンを心臓の拍動に同期して繰り返し膨張させたり、収縮させたりすることによりポンピングを行い、例えば心筋梗塞、心不全、心筋症などの心疾患がある患者の心臓の冠動脈の血流を増加させて心筋酸素供給量を増加させたり、心臓の仕事量を軽減させたりして酸素消費量を軽減させるものである。かかる従来のIABP駆動装置としては、例えば下記の特許文献1及び特許文献2に開示されるものがある。
【0003】
特許文献1及び特許文献2に記載されたIABP駆動装置では、バルーンの外部に配された血圧センサにより、動脈内の血液の血圧を測定し、この測定値を表示できるようになっている。ところで、バルーンをポンピングするためのシャトルガスとしては、一般にヘリウムガスが用いられるが、カテーテルを介してバルーンに供給されるヘリウムガスは、バルーンの外部に配されている光センサなどの血圧センサの内部空間に漏れ出ることがある。光センサは、製造時には内部空間が真空である筒状部の先端にダイアフラムを有し、ダイアフラムが動脈内で血液による圧力を受けて、筒状部の軸方向に変位する量を計測することで、血圧を測定するものであるが、光センサの筒状部の内部空間にバルーン内のヘリウムガスが漏れ出ると、ヘリウムガスの圧力を受けてダイアフラムが筒状部から遠ざかる方向に変位してしまい、その結果、実際の血圧より低い血圧を検出し、測定が正しくできなくなる。このような現象をヘリウムガスによるマイナスドリフトと言う。図7は、光センサによる測定圧が時間とともに実際の血圧より低い値となり、実際の血圧から乖離する様子を示す図である。マイナスドリフト(図7では「圧ドリフト」と表示)により時間の経過とともに、光センサによる測定血圧値が実際の血圧より低く測定されてしまうのである。かかる不具合を防止するため、バルーンから光センサへのヘリウムガスの流入を防止するという対策があるが、一定程度の効果はあるものの、ヘリウムガスの流入を完全に防止することはできない。
【0004】
特許文献1に記載の動脈圧センサ付きバルーンポンプの駆動装置では、バルーンの先端に固定された動脈圧センサによる血圧測定値の零点が時間経過とともに変動して正確に血圧測定ができないという問題を解決するために、バルーンの内圧を測定する圧力センサを設け、動脈圧センサにより測定した血圧と、バルーンの内部の圧力を測定する圧力センサにより測定した血圧に差が生じたとき、この差がなくなるように動脈圧センサの零点を調整している。また、下記の特許文献2では、バルーンへ送出するシャトルガスを制御して、バルーンを半膨張状態として、バルーン内のガス圧を測定して、測定された圧力によりバルーンに結合された血圧センサによる測定値を較正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2902040号公報
【特許文献2】特許第5361383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1及び特許文献2に開示の構成では、操作者が正しい血圧を把握できるように測定値の校正(零点調整・較正)を実行するために、バルーンの内部の圧力を測定する圧力センサにより血圧を測定していて、そのためバルーンを半膨張状態としておく必要がある。この状態では、患者の心臓の拍動に同期させて、バルーンを膨張させたり、収縮させたりするポンピング動作により、患者の心臓の負荷を軽減するというIABP駆動装置の本来のバルーンポンピング動作を中止しなければならない(特許文献1の第2b図、特許文献2の段落0019、図2)という問題があった。すなわち、上記特許文献1と特許文献2によれば、校正の実行中にIABP駆動装置による本来のポンピング動作が中止されるので、その中止の時間帯においては、患者の心臓の機能を補助することができず、心疾患患者の心臓への血流増加が抑制されたり、心臓の負担が増大したりして、悪影響を与えることが懸念される。かかる校正は、光センサの経時的変化に対応するため、IABPカテーテル挿入時の他、一定時間間隔などで行う必要があるため、その度にポンピング動作が中止されてしまうのである。したがって、バルーンを半膨張状態にする必要のある校正を頻繁に行うことは望ましくなく、例えば6時間毎など長時間間隔で行うこととなる。このように、校正の時間間隔を広くとらなければならいが、この時間間隔内、すなわち、本来のIABP用バルーンの駆動中に、光センサへのヘリウム侵入により前述のマイナスドリフトの生じるという問題がある。このマイナスドリフトは、時として急激に生じることがあり、隣り合う校正の中途の時点、すなわちポンピング動作中において無視できないほどの変化が生じることがあり問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上記従来技術の課題を解決するために、バルーンに配された第1圧力センサによる第1の圧力を校正するために、バルーン内の圧力である第2の圧力を測定する第2圧力センサや第1圧力センサとは別個の第3圧力センサから得られる第3の圧力を用いて、第2の圧力により校正された第1の圧力が、第3の圧力より、所定値を超えて小さいと判断されたときに第3の圧力により、第1の圧力を校正するようにしている。
【0008】
すなわち、本発明によれば、第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値を用いて前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力を修正する修正手段と、
を有するIABP駆動装置が提供される。
【0009】
この構成により、隣り合う校正の間のIABP用バルーンの駆動中に、突如として好ましくないマイナスドリフトが生じた場合でも、第3の圧力により、それまでに第2の圧力により校正されて、記憶されていた第1の圧力を修正手段によりその時点の正しい圧力に校正することができるので、マイナスドリフトによる影響を解消することができ、IABP駆動装置によるポンピングを停止することなく圧力値の適正な修正が可能であり、よって患者の心臓の機能を的確に補助することができ、患者の心臓の負担を軽減することができる。
【0010】
また本発明によれば、第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値を用いて前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力を修正する修正手段と、
を有するIABP駆動装置が提供される。
【0011】
この構成により、前記修正手段の動作の条件を加えたことで、状況に応じて所望の条件により前記修正手段を動作させることができる。
【0012】
また本発明によれば、第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、両者の差異が第1の所定値以上であることを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第1の圧力の最大値と最小値の差である第1の差分を演算する第1演算手段と、
前記第3の圧力の最大値と最小値の差である第2の差分を演算する第2演算手段と、
前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいことを判断する第3判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力と前記第3の圧力の差異が前記第1の所定値以上であると判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値以上低いと判断し、かつ前記第3判断手段が、前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値を用いて前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力を修正する修正手段と、
を有するIABP駆動装置が提供される。
【0013】
この構成により、前記修正手段の動作の条件を加えたことで、状況に応じて所望の条件により前記修正手段を動作させることができる。
【0014】
また本発明によれば、第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を表示する表示手段と、
を有するIABP駆動装置が提供される。
【0015】
この構成により、第2のオフセット値を表示することにより、医師が手動でIABP駆動装置を制御することが可能となり、前記修正手段による制御とは別異の手動によるきめ細かな対応が可能であり、結果としてポンピングを中止する校正の頻度を低く抑えることが可能となり、また、マイナスドリフトによる影響を解消することができ、よって患者の心臓の機能を的確に補助することができ、患者の心臓の負担を軽減することができる。
【0016】
また本発明によれば、第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を表示する表示手段と、
を有するIABP駆動装置が提供される。
【0017】
この構成により、前記表示手段の動作の条件を加えたことで、状況に応じて所望の条件により前記表示手段を動作させることができる。
【0018】
また本発明によれば、第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第3の圧力の最大値と最小値の差である第2の差分を演算する第2演算手段と、
前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいことを判断する第3判断手段前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値を超えて小さいことを判断する第2判断手段と、
前記第1の圧力の最大値と最小値の差である第1の差分を演算する第1演算手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第3判断手段が、前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を表示する表示手段と、
を有するIABP駆動装置が提供される。
【0019】
この構成により、前記表示手段の動作の条件を加えたことで、状況に応じて所望の条件により前記表示手段を動作させることができる。
【0020】
また本発明によれば、第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を記憶する第2の記憶手段と、
を有するIABP駆動装置が提供される。
【0021】
この構成により、第2のオフセットを記憶することで、IABP駆動装置の実際の動作における第2のオフセットの変化を把握でき、その後のIABP駆動装置の動作をより的確なものとすることができ、結果としてポンピングを中止する校正の頻度を低く抑えることが可能となり、また、校正の間に生じるマイナスドリフトによる影響を解消することができ、よって患者の心臓の機能を的確に補助することができ、患者の心臓の負担を軽減することができる。
【0022】
また本発明によれば、第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を記憶する第2の記憶手段と、
を有するIABP駆動装置が提供される。
【0023】
この構成により、前記記憶手段の動作の条件を加えたことで、所望の条件により前記記憶手段を動作させることができる。
【0024】
また本発明によれば、第1の圧力を測定する第1圧力センサを有するIABP用バルーンを駆動するためのIABP駆動装置であって、
前記バルーンの内圧である第2の圧力を測定する第2圧力センサと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力、並びに第3の圧力を記憶可能な記憶手段と、
前記バルーンに制御された量のシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段と、
前記ポンピングをし、所定時間間隔で前記ポンピングを中止して半膨張状態とするよう前記シャトルガス供給手段を制御し、前記バルーンが半膨張状態のときに前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを前記記憶手段に記憶するよう制御する制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力と、前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整する調整手段と、
前記調整手段により、前記第1圧力センサの零点が調整された直後の前記第1の圧力を前記記憶手段に記憶する第1書込み手段と、
前記バルーンが前記半膨張状態ではなく、前記ポンピング中に前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された前記第3の圧力を示す血圧信号を受信する手段と、
前記第3の圧力を前記記憶手段に記憶する第2書込み手段と、
前記記憶手段にそれぞれ記憶された前記第1の圧力と前記第3の圧力とを比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断手段と、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、第2の所定値以上低いことを判断する第2判断手段と、
前記第3の圧力の最大値と最小値の差である第2の差分を演算する第2演算手段と、
前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいことを判断する第3判断手段と、
前記第1の圧力の最大値と最小値の差である第1の差分を演算する第1演算手段と、
前記第1判断手段が前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第2判断手段が、前記第1の圧力が前記第2の圧力より、前記第2の所定値を超えて小さいと判断し、かつ前記第3判断手段が、前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいと判断したとき、前記第3の圧力と前記記憶手段に記憶された前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を記憶する第2の記憶手段と、
を有するIABP駆動装置が提供される。
【0025】
この構成により、前記記憶手段の動作の条件を加えたことで、所望の条件により前記記憶手段を動作させることができる。
【0026】
また本発明によれば、IABP用バルーンにシャトルガスを供給して前記バルーンをポンピングし、かつ前記ポンピングを中止して前記バルーンを半膨張状態とするシャトルガス供給手段を有するIABP駆動装置における測定血圧の校正/表示/記憶方法であって、
前記シャトルガス供給手段を制御して前記ポンピングを中止し、前記バルーンを半膨張状態とするステップと、
前記バルーンが半膨張状態であるとき、前記バルーンの外部に配された第1圧力センサにより測定された第1の圧力と、前記バルーンの内圧を測定する第2圧力センサにより測定された第2の圧力とを読み込み、それぞれ記憶するステップと、
記憶された前記第1の圧力と前記第2の圧力とを比較し、両者の差である第1のオフセットがなくなるように前記第1圧力センサの零点を調整し、その直後に、既に記憶された前記第1の圧力を前記第2の圧力で書き換える調整ステップと、
前記シャトルガス供給手段を制御して前記バルーンの前記半膨張状態を終了し、ポンピングを再開するステップと、
前回の零点調整時から所定時間を経過したか否かを判断する時間判断ステップと、
前記所定時間を経過していない場合、前記第1圧力センサと前記第2圧力センサ以外の第3圧力センサにより測定された第3の圧力を読み込むステップと、
前記所定時間を経過した場合、前記バルーンを半膨張状態とするステップへ戻るステップと、
を有し、
前記第1の圧力と前記第3の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第3の圧力より所定値を超えて小さいことを判断する第1判断ステップと、
前記第1の圧力と前記第2の圧力を比較し、前記第1の圧力が前記第2の圧力より所定値を超えて小さいと判断する第2判断ステップと、
前記第1の圧力の最大値と最小値の差である第1の差分を検出し、前記第3の圧力の最大値と最小値の差である第2の差分を検出し、前記第2の差分から前記第1の差分を減じた値が、第3の所定値より小さいことを判断する第3判断ステップの3つの判断ステップのうち、前記第1判断ステップの判断結果に応じて、あるいは、前記第1及び第2判断ステップの判断結果に応じて、あるいは、前記第1~第3判断ステップの判断結果に応じて、前記第3の圧力と前記第1の圧力の差である第2のオフセット値を演算し、演算された前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力により既に前記第2の圧力により書き換えられ、記憶された前記第1の圧力を修正するステップと、前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を表示するステップと、前記第2のオフセット値又は前記第3の圧力を記憶するステップとの3つのステップの1つ又は複数を実行するよう構成されたIABP駆動装置における測定血圧の校正/表示/記憶方法が提供される。
【0027】
この構成により、3つの判断ステップにおける3条件の1つ以上に応じて、制御、表示
、記憶の1つ以上を実行することが可能となり、上述のIABP駆動装置における、修正手段、表示手段、記憶手段による各効果と同様の効果の1つ以上を得ることができる。
【発明の効果】
【0028】
請求項1~3のいずれか1つに記載の本発明のIABP駆動装置は、上記構成を有するので、IABP駆動装置によるポンピングを停止することなく修正手段により圧力値の適正な修正が可能であり、よって患者の心臓の機能を的確に補助しながら修正された圧力値を得ることができる。
【0029】
請求項4~6のいずれか1つに記載の本発明のIABP駆動装置は、上記構成を有するので、表示手段により第2のオフセット値を表示することにより、医師が手動でIABP駆動装置を制御することが可能となり、前記修正手段による修正とは別異の手動によるきめ細かな対応が可能であり、結果としてポンピングを中止する体内校正の頻度を低く抑えることが可能となり、よって患者の心臓の機能を的確に補助しながら修正された圧力値を得ることができる。
【0030】
請求項7~9のいずれか1つに記載の本発明のIABP駆動装置は、上記構成を有するので、記憶手段に第2のオフセットを記憶することで、IABP駆動装置の実際の動作における第2のオフセットの変化を把握でき、その後のIABP駆動装置の動作をより的確なものとすることができ、結果としてポンピングを中止する体内校正の頻度を低く抑えることが可能となり、よって患者の心臓の機能を的確に補助しながら修正された圧力値を得ることができる。
【0031】
請求項10に記載の本発明のIABP駆動装置における測定血圧の校正/表示/記憶方法は、上記構成を有するので、3条件の1つ以上に応じて、制御、表示、記憶の1つ以上を実行することが可能となり、上述のIABP駆動装置における、修正手段、表示手段、記憶手段による各効果と同様の効果の1つ以上を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明のIABP駆動装置の実施の形態における、第1の動作を示すフローチャートである。
図2図1のフローチャート中の1つのステップの詳細を示すフローチャートである。
図3】本発明のIABP駆動装置の実施の形態における、第2の動作を示すフローチャートである。
図4】本発明のIABP駆動装置の実施の形態における、第3の動作を示すフローチャートである。
図5】本発明のIABP駆動装置の実施の形態の本体を示す斜視図である。
図6】本発明のIABP駆動装置の実施の形態のブロック図である。
図7】従来のIABP駆動装置での動作を示す血圧測定値の時間変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図5は、本発明のIABP駆動装置の実施の形態の本体を示す斜視図である。IABP駆動装置10は、患者の近傍に配置され、医師が操作部12を操作し、表示部14に表示される血圧値や心電図を医師が目視できるよう構成されている。IABP駆動装置10の外観は従来のものと同様である。
【0034】
図6は、本発明のIABP駆動装置の実施の形態のブロック図である。IABP駆動装置10は、操作部12、表示部14、シャトルガス供給源16、制御部18、インターフェース20、記憶部22を有している。シャトルガス供給手段を構成するシャトルガス供給源16は、カテーテル24を介してIABP用バルーン28の内部にシャトルガスを供給する。シャトルガス供給源16は、図示省略の陽圧源と陰圧源、ヘリウムガスなどのガス源を有していて、制御部18からの制御信号に応じて、バルーン28の内部に供給するシャトルガスの流量を制御して、バルーン28が膨張と収縮を繰り返すよう構成されている。すなわち、シャトルガス供給源16は、バルーン28のポンピングを行ったり、ポンピングを一時中止したりしてバルーンを半膨張状態とすることができるが、これらの動作は、制御部18からの制御による。制御部18が生成する制御信号は、少なくとも制御部18内の第1の記憶手段として機能する所定レジスタを用いて生成される。バルーン28の外部には光センサ30が配されている。
【0035】
光センサ30は、図示省略の動脈内の血圧である第1の圧力P1を測定するものであり、第1圧力センサを構成する。光センサ30には、光ファイバ26の一端が接続され、光ファイバ26の他端は、インターフェース20に接続されている。なお、この例では光センサ30がバルーン28近傍の血圧である第1の圧力P1を測定する構成であるが、第1の圧力P1を測定するためのセンサは、光センサに限定されるものではない。なお、図6に示したカテーテル24、バルーン28,光センサ30は、IABP駆動装置10自体の構成要素ではなく、IABP駆動装置10にカテーテル24が接続され、バルーン28の内部にシャトルガスが供給され、光センサ30はバルーン28が配された動脈内の血圧を測定する構成となっている。
【0036】
カテーテル24には圧力センサ32が接続され、圧力センサ32は、バルーン28の内圧である第2の圧力P2を測定し、出力信号は受信手段を構成するインターフェース20に供給される。圧力センサ32は、第2圧力センサ32を構成する。この例では、第2圧力センサ32は、IABP駆動装置10の内部に設けられているが、外部に配されていてもよい。なお、IABP駆動装置では、患者の心電図を得るために、図示省略のセンサが患者に取り付けられ、かかるセンサの出力信号がIABP駆動装置に入力され、必要に応じて表示部14に心電図が表示される。
【0037】
第1圧力センサ30並びに第2圧力センサ32とは別個の圧力センサ34は、患者の体の所定位置における血圧である第3の圧力P3を測定するものであり、この圧力センサ34は第3圧力センサ34を構成する。第3圧力センサ34としては、例えば、ベッドサイドモニタに接続する用途に用いられる血圧測定用の圧力トランスデューサを用いることができる。すなわち、第3圧力センサ34は、バルーン28を半膨張状態としてバルーン28自体を血圧センサとして用いる校正の頻度極力減少させるために、また隣り合う校正間のIABP用バルーンを駆動中に生ずる恐れのあるマイナスドリフトによる影響を削減するため用いられるものであって、第1圧力センサ30並びに第2圧力センサ32とは別個の圧力センサであって、実際の血圧を可能な限り正しく測定できるものが望ましい。なお、第1圧力センサ30同様に、第3圧力センサ34もIABP駆動装置10自体の構成要素ではない。
【0038】
制御部18は、操作部12から入力される操作者からの指示に従って、シャトルガス供給源16を制御してカテーテル24を介してバルーン28に供給されるシャトルガスの流量を適切に制御して、バルーンが患者の心臓の拍動に同期してポンピングする(膨張・収縮を繰り返す)ようにする。かかる制御を実行するため、制御部18は、図示省略のCPU(中央演算処理装置)、一時記憶メモリであるRAM,CPUの動作のためのプログラムが記憶されているROMなどを有している。なお制御部18は、上記バルーンの膨張・収縮を制御する他、必要な情報を表示部14に表示したり、所定の情報を記憶部22に記憶したりするための制御も行う。すなわち、制御部18は、制御手段を構成するが、さらに記憶手段、調整手段、修正手段、第1~第3判断手段、第1及び第2演算手段、第1及び第2書込み手段をも構成する。
【0039】
図1は、本発明のIABP駆動装置の実施の形態における、第1の動作を示すフローチャートである。すなわち、図6中の制御部18中のCPUの動作を示している。図1のフローは、IABP駆動装置10の電源スイッチがオンとされ、ポンピング開始の指示が行われたときにスタートする。まず、ステップS1でIABP駆動装置10の操作者である医師からの校正の指示があるか否かを判断する。医師は、IABP駆動装置10の操作部12を用いて、校正が必要と思われるときに校正を行うための指示を入力することができる。校正を行うための指示があると、制御部18は、例えば対応するフラグを立てるなどして、校正の指示が入力されたことを示すこととなる。校正の指示がない場合は、ステップS1の判断はNOとなり、ステップS1を繰り返すこととなる。校正の指示があれば、ステップS1の判断はYESとなり、ステップS2へ行き、それまで行われていたバルーン28のポンピングを一時中止してバルーン28を半膨張状態とする。
【0040】
すなわち、制御部18がシャトルガス供給源16を制御して、カテーテル24を介してバルーン28に供給するシャトルガスの流量を制御し、バルーン28は半膨張状態とされる。半膨張状態のバルーン28の内圧は、周囲圧である動脈内の血圧と等しいと考えられるので、半膨張状態とされたバルーン28の内圧、すなわち、第2圧力センサ32の測定圧力P2が血圧を示すものと言える。ステップS1では、校正の指示の有無を判断しているが、これに限らず、所定タイマーにおける所定経過時間毎にステップS1の判断結果をYESとすることもできる。さらに、ステップS1では、校正の指示の有無の判断と、所定時間経過の判断の双方を行うこともできる。この場合、校正の指示によりステップS1がYESとなる場合により、医師が必要と思ったときに手動で校正を開始することができ、所定時間経過によりステップS1がYESとなる場合により、医師の判断にかかわらず、校正を所定時間経過後自動的に開始することができる。
【0041】
次のステップS3では、測定圧力である第1の圧力P1と第2の圧力P2を読み込む。これらの圧力P1、P2は、それぞれ制御部18内の第1の記憶手段として機能する所定レジスタに記憶される。なお、所定レジスタ以外にも、記憶部22に記憶することもできる。なお、これらの測定圧力P1、P2及び後述する測定圧力である第3の圧力P3は、時間とともに上昇、下降を繰り返すので、インターフェース20から入力された測定圧力P1、P2、P3は、それぞれ、時間平均値が演算され、後述する最大値、最小値を得る場合を除いて、得られた時間平均値が以下のステップで用いられる。なお、これらの圧力P1、P2、P3としては、時間平均値に代えて、時間とともに変化する数値を統計処理した他の値である、中央値やその他の統計処理値を用いることもできる。すなわち、以下のステップで用いられる圧力P1、P2、P3は、最大値、最小値を得る場合を除いて、瞬時値ではなく、統計処理値などの平均的な値である。図中には明示されていないが、ステップS3で測定圧力P1、P2が記憶されるまでの間、ステップS2でポンピングの中止が継続され、バルーン28は半膨張状態に保たれる。
【0042】
次のステップS4で第2の圧力P2と第1の圧力P1の差である第1のオフセット値OF1を演算する。次のステップS5では、第1のオフセット値OF1を用いて、第1圧力センサ30の零点調整を行う。換言すると、第1圧力センサ30による第1の圧力P1が校正されて、第2圧力センサ32で測定された第2の圧力P2に置き換えられ、制御部18内の第1の記憶手段として機能する所定レジスタに記憶される。なお、所定レジスタ以外にも、記憶部22に記憶することもできる。上記ステップS5における第1圧力センサ30の零点調整は、ハードウェア的に捉えれば、調整手段を構成する。ステップS5での零点調整が終了すると、零点が調整された直後の第1の圧力P1が記憶される。すなわち、バルーン28が半膨張状態にあり、ステップS3で読み込まれて、記憶された第1の圧力P1が零点調整された直後の第1の圧力P1により上書きされて書き換えれられる。この書き換えは、ハードウェア的に捉えれば、第1書込み手段を構成する。ステップS2で半膨張状態とされたバルーン28は、上記書き換えの後、半膨張状態から通常のポンピング動作に戻る。次いでステップS6にて、前回の零点調整時から所定時間を経過したか否かを判断する。所定時間としては、数時間、例えば、6時間程度とすることができる。この経過時間の判断は、所定時間がセットされたソフトウェアのタイマーを用いたり、あるいは1回目の零点調整時の時刻と現在時刻を比較したりするなどの方法によることができる。所定時間を経過するまでは、ステップS6の判断結果はNOとなり、ステップS7へ行く。
【0043】
一方。所定時間を経過すると、ステップS6の判断は、YESとなり、ステップS2に戻り、ステップS2~S4を介して再度ステップS5の零点調整が行われる。すなわち、ステップS6の所定時間が、例えば6時間であれば、6時間毎に、零点調整による校正が繰り返し行われるのである。なお、ステップS6での所定時間の例として6時間を挙げたが、IABP駆動装置10の動作開始後の初期段階では、例えば、動作開始から30分を経過した時点で1回、その後は動作開始から6時間経過までは1時間経過毎に1回、バルーンを半膨張状態とし、6時間を経過した後は、6時間毎に1回とすることもできる。すなわち、ステップS6における所定時間は、固定的なものではなく、IABP駆動装置10の動作開始からの経過時間により可変とすることもできる。
【0044】
上記所定時間が経過していなければ、すなわち、ステップS6の判断結果がNOのとき、ステップS7で測定圧力(第3の圧力)P3を読み込み、制御部18内の第1の記憶手段として機能する所定レジスタに記憶される。なお、所定レジスタ以外にも、記憶部22に記憶することもできる。上記ステップS7における第3の圧力P3の記憶は、ハードウェア的に捉えれば、第2書込み手段を構成する。次いでステップS8では、第3の圧力P3から第1の圧力P1を減算し、差分が第1の所定値T1より大きいか否かを判断する。換言すると、第1の圧力P1が第3の圧力P3より所定値を超えて小さいことを判断する。第1の所定値T1としては、例えば5mmHgとすることができる。一例として、今第1の圧力P1が45mmHgで、第3の圧力P3が55mmHgであるとすると、P3-P1=10mmHgとなり、T1が5mmHgであれば、10mmHg>5mmHgとなり、所定値を超えて第1の圧力P1が第3の圧力P3より所定値を超えて小さいこととなる。なお、第1の所定値T1は上記例にかかわらす、必要に応じてより大きく、あるいはより小さく設定することができ、0に設定した場合は、P3>P1となれば、ステップS8は、YESとなる。
【0045】
ステップS8の判断結果がNOであれば、ステップS7に戻る。YESであれば、ステップS9へ行き、第3の圧力P3から第1の圧力P1を減算して第2のオフセット値OF2を演算結果として得る。次いでステップS10で、第2のオフセット値OF2を用いて第1の圧力P1を修正する。すなわち、ステップS5で校正により、変更されて記憶された後の第1の圧力P1に第2のオフセット値OF2を加えた値に修正する。このことは、具体的には、第3圧力センサ34で得た第3の圧力P3を第1の圧力P1の代わりに用いる(換言すると、第1の圧力を第3の圧力で書き換える)ことと同じである。したがって、制御部18内の第1の記憶手段として機能する所定レジスタあるいは、記憶部22に記憶されていた第1の圧力P1は、第3の圧力P3により上書きされた形となる。
【0046】
ここで第3の圧力P3により上書きされる前の第1の圧力P1は、ステップS3で読み込まれた値ではなく、ステップS5で零点調整され、第2の圧力P2に置き換えられた値である。すなわち、ステップS5で校正により、変更されて記憶された後の第1の圧力P1を破棄して、第3の圧力P3に置き換えることなる。ステップS5での上記第2のオフセット値OF2を加えた値に修正すること、あるいは第3の圧力P3による第1の圧力の書き換えは、ハードウェア的に捉えれば、修正手段を構成する。次のステップS11では、医師からの終了指示の有無が判断される。終了指示は、前述の校正の指示と同様に、医師がIABP駆動装置10の操作部12を用いて、IABP駆動装置10の動作を終了させるために入力する指示である。終了の指示があると、制御部18は、例えば対応するフラグを立てるなどして、終了の指示が入力されたことを示すこととなる。終了の指示がない場合は、ステップS11の判断はNOとなり、ステップS6に戻る。終了の指示があると判断されると、ステップS11はYESとなり、図1のフローは終了する。ステップS11では、医師からの終了指示の有無が判断されたが、これに限らず、所定タイマーにおける所定経過時間毎にステップS11の判断結果をYESとすることもできる。
【0047】
ステップS11からステップS6に戻った場合、ステップS6で所定時間を経過していなければ、ステップS7~ステップS11が実行されるので、ステップS8dでYESとなれば、ステップS9、ステップS10によりそれまで記憶されていた第1の圧力P1を破棄して、第3の圧力P3に置き換えることなる。また、ステップS6で所定時間経過が判断されれば、ステップS2に戻り、ステップS2~ステップS5が実行される。したがって、ステップS11で第3の圧力P3により書き換えられた値は、次回の半膨張バルーンによる校正までに、再度マイナスドリフトが生じて、再度第1の圧力P1を破棄して、第3の圧力P3に置き換えるまで、あるいは、次回の半膨張バルーンによる校正まで採用されることとなる。
【0048】
図2は、図1中のステップS10を詳しく示すフローチャートである。ステップS10aでは、第2のオフセット値OF2を用いて上記修正が行われる。次のステップS10bでは、第2のオフセット値OF2が表示部14に表示される。IABP駆動装置10の操作者である医師は、表示部14に表示された第2のオフセット値OF2を利用して、必要に応じて操作部12を操作して校正の指示を出したり、その他の制御をしたりすることができる。ステップS10cでは、第2のオフセット値OF2を記憶部22に記憶する。記憶手段を構成する記憶部22としては、半導体によるRAMやハードディスクを用いることができる。第2のオフセット値OF2を記憶することで、IABP駆動装置10実際の動作における第2のオフセット値OF2の変化を把握でき、その後のIABP駆動装置10動作をより的確なものとすることができ、結果としてポンピングを中止する校正の頻度を低く抑えることが可能となる。なお、上記修正、表示、記憶は、第2のオフセット値OF2に基づく場合に限らず、第3の圧力P3に基づいてもよいし、表示や記憶については第2のオフセット値OF2と第3の圧力P3の双方を対象とすることができる。
【0049】
図2のフローチャートでは、上記3つの処理ステップであるステップS10a、ステップS10b、ステップS10cが順次実行されるように示されているが、これらの3つのステップは、図2のフローチャートの順番に実行されることは必要ではなく、これらの3つのステップの全てを任意の順番で実行することも可能であり、また、これら3つのステップのうちの1つのみを実行したり、あるいは2つのステップを任意の順番で実行したりすることもできる。すなわち、図1中のステップS10中の「修正/表示/記憶」の意味はこれら3つの動作の1つ以上を実行するという意味であり、2つ以上を実行する場合は任意の2つ又は3つを任意の順番で実行可能であることを意味する。なお、ステップS10を実行した結果、IABP駆動装置10が正しく圧力P1を校正していると認められれば、ポンピングを一時中止しての零点調整、すなわちステップS2~ステップS5の実行、の頻度を低くすることができる。そのためには、ステップS6における所定時間をより長い時間に設定することができる。
【0050】
図3は、本発明のIABP駆動装置10の実施の形態における、第2の動作を示すフローチャートである。図3中、図1と同一のステップは同一のステップ符号により示され、その説明は省略する。図3のフローチャートは図1のフローチャートと、次の点でのみ異なる。すなわち、図1のステップS8とステップS9の間に新たなステップS8aが加えられている。ステップS8aでは、第1の圧力P1と第2の圧力P2を比較し、両者の差異が第2の所定値T2より大きいか否かを判断する。第2の所定値T2としては、例えば20mmHgとすることができる。ステップS8aの判断結果がNOであれば、ステップS7に戻る。ステップS8aの判断結果がYESであれば、ステップS9へ行き、図1と同様の処理が行われる。
【0051】
図4は、本発明のIABP駆動装置10の実施の形態における、第3の動作を示すフローチャートである。図4中、図3と同一のステップは同一のステップ符号により示され、その説明は省略する。図4のフローチャートは図3のフローチャートと、次の点でのみ異なる。すなわち、図3のステップS8aとステップS9の間に新たなステップS8b、ステップS8c、ステップS8dが加えられている。ステップS8bでは、第1の圧力P1の最大値P1maxと、最小値P1minの第1の差分P1diffを演算し、ステップS8cでは、第3の圧力P3の最大値P3maxと、最小値P3minの第2の差分P3diffを演算する。次のステップS8dでは、第2の差分P3diffから第1の差分P1diffを減算し、差分が第3の所定値T3より少ないか否かを判断する。第3の所定値T3としては、例えば10mmHgとすることができる。ステップS8dの判断結果がNOであれば、ステップS7に戻る。ステップ8dの判断結果がYESであれば、ステップS9へ行き、図1図3と同様の処理が行われる。
【0052】
以上説明した図1図3図4のフローチャートに示されるように、ステップS11でNOの場合は、ステップS1に戻り、ステップS11での判断がYESとなるまで、繰り返される。すなわち、校正の指示が出た後、終了の指示が出るまでの間、ステップS2~ステップS10が実行され、ステップS10で第2オフセット値OF2を用いて制御したり、第2オフセット値OF2が表示部14に表示されたり、第2オフセット値OF2が記憶部22に記憶されたりするので、前述のような効果を奏することができる。
【0053】
以上説明した実施の形態では、本発明をIABP駆動装置あるいはIABP駆動装置の制御に関する方法として説明したが、IABP駆動装置10の制御部18の主要部であるCPUの動作を指示するためのプログラムとしても捉えることができる。換言すると、請求項10に記載したIABP駆動装置における測定血圧の校正/表示/記憶方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして本発明を把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係るIABP駆動装置は、上記構成を有しているので、IABP駆動装置の本来の動作であるバルーンの膨張・収縮動作を中止する時間を極力少なく抑えることが可能であり、よって患者の心臓の機能を的確に補助することができ、患者の心臓の負担を軽減することができるので、IABP駆動装置を開発、製造する医療機器産業、IABP駆動装置を使用する医療業を含む各種産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 IABP駆動装置
12 操作部
14 表示部(表示手段)
16 シャトルガス供給源(シャトルガス供給手段)
18 制御部(記憶手段、制御手段、調整手段、修正手段、第1~第3判断手段、第1及び第2演算手段、第1及び第2書込み手段)
20 インターフェース(受信手段)
22 記憶部(記憶手段)
24 カテーテル
26 光ファイバ
28 IABP用バルーン
30 光センサ(第1圧力センサ)
32 第2圧力センサ
34 第3圧力センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7