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  • 特開-回路基板の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150460
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/03 20060101AFI20231005BHJP
   G03F 7/035 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H05K1/03 610H
G03F7/035
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059573
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】591021305
【氏名又は名称】太陽ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】横山 裕
(72)【発明者】
【氏名】米田 一善
【テーマコード(参考)】
2H225
【Fターム(参考)】
2H225AC21
2H225AC36
2H225AC54
2H225AC80
2H225AD07
2H225AD15
2H225AD34
2H225AE12P
2H225AE15P
2H225AM64P
2H225AM92P
2H225AN79P
2H225AN82P
2H225AN94P
2H225AN95P
2H225AP03P
2H225AP08P
2H225BA16P
2H225BA20P
2H225BA22P
2H225BA38P
2H225CA13
2H225CB02
2H225CC01
2H225CC13
(57)【要約】
【課題】回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面が平滑化されており、更に回路同士の隙間を埋める樹脂層の硬化物についての絶縁信頼性に優れた回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】回路基板の製造方法は、カルボキシル基含有樹脂を含む樹脂層を有する積層構造体を準備する工程と、前記積層構造体の樹脂層を回路基板上に積層する工程と、前記回路基板上に積層された前記樹脂層を露光して、その樹脂層の硬化物を生成する工程と、露光後の前記樹脂層の硬化物を有する回路基板を現像する工程と、現像後の前記樹脂層の硬化物を有する回路基板を加熱する工程とを含む回路基板の製造方法であって、前記カルボキシル基含有樹脂が、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を含み、そして前記の露光後の樹脂層の硬化物についての吸水率が、1.0~4.0である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボキシル基含有樹脂とカルボキシル基を有しない光硬化性化合物と光重合開始剤と無機充填剤と熱硬化性樹脂とを含む樹脂層を有する積層構造体を準備する工程と、
前記積層構造体の樹脂層を回路基板上に積層する工程と、
前記回路基板上に積層された前記樹脂層を露光して、その樹脂層の硬化物を生成する工程と、
露光後の前記樹脂層の硬化物を有する回路基板を現像する工程と、
現像後の前記樹脂層の硬化物を有する回路基板を加熱する工程と、
を含む回路基板の製造方法であって、
前記カルボキシル基含有樹脂が、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を含み、そして
前記の露光後の樹脂層の硬化物についての吸水率が、1.0~4.0であることを特徴とする、回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂が、酸価が20~70mgKOH/gの範囲であるウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂、および/または酸価が80~150mgKOH/gの範囲であるウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を含む、請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記積層構造体の樹脂層が難燃剤を含む、請求項1または2に記載の回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂層を有する積層構造体を使用し、その樹脂層に含まれるカルボキシル基含有樹脂がウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を含み、そして露光後の樹脂層の硬化物の吸水率が1.0~4.0であることを特徴とする、回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すような、基板1と、その基板上に設けられた銅回路2と、銅回路同士の隙間を埋めるように設けられた樹脂層の硬化物3とが含まれている回路基板10が知られている。この回路基板においては、図1に示すような、銅回路の高さと樹脂層の硬化物の高さとが同一であること、すなわち、銅回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面が側面視で平滑面であることが望まれている。この理由としては、樹脂層の硬化物の高さが銅回路の高さよりも高くなってしまった場合には、例えば、銅回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面に対して、新たな別の部材を適切に配置することができないという不都合または所望のソルダーレジストを更に形成することができないという不都合が生じてしまうからである。一方、樹脂層の硬化物の高さが銅回路の高さよりも低くなってしまった場合には、すなわち、樹脂層の硬化物が窪んでしまった場合には、例えば、その窪みに半田が入ってしまったり、絶縁信頼性が低下したり、新たな別の部材を積層した際に割れやすいという不都合が生じてしまうからである。
【0003】
銅回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面を平滑化させるための従来技術の発明として、特許文献1には、可とう性絶縁フィルムと、接着剤層と、電気伝導回路とを順に含み、その電気伝導回路同士の隙間において紫外線硬化型インクの硬化物が設けられたフレキシブル回路基板が開示されている。この紫外線硬化型インクの硬化物は、電気伝導回路同士の隙間に紫外線硬化型インクを充填して、その後、可とう性絶縁フィルム側から紫外線を照射して得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-73739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、可とう性絶縁フィルムおよび接着剤層を介して紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射しているので、露光量を調整したとしても紫外線が紫外線硬化型インクの上面に均等に照射されない恐れがあり、これによって、回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面を平滑化させることは困難である。
【0006】
上記の回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面が平滑化されていることに加えて、回路同士の隙間を埋める樹脂層の硬化物については、絶縁信頼性にも優れていることが望ましい。
【0007】
よって、本発明の目的は、回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面が平滑化されており、更に回路同士の隙間を埋める樹脂層の硬化物についての絶縁信頼性に優れた回路基板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特許文献1に記載の発明のような液状の硬化性樹脂組成物を使用する代わりに、樹脂層を含む積層構造体を使用することに注目すると共に、更に、その積層構造体における樹脂層に含まれるカルボキシル基含有樹脂の種類と露光後の硬化物の吸水率とに着目した結果、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、前記の目的は、本発明による、
カルボキシル基含有樹脂とカルボキシル基を有しない光硬化性化合物と光重合開始剤と無機充填剤と熱硬化性樹脂とを含む樹脂層を有する積層構造体を準備する工程と、
前記積層構造体の樹脂層を回路基板上に積層する工程と、
前記回路基板上に積層された前記樹脂層を露光して、その樹脂層の硬化物を生成する工程と、
露光後の前記樹脂層の硬化物を有する回路基板を現像する工程と、
現像後の前記樹脂層の硬化物を有する回路基板を加熱する工程と、を含む回路基板の製造方法であって、
前記カルボキシル基含有樹脂が、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を含み、そして前記の露光後の樹脂層の硬化物についての吸水率が、1.0~4.0であることを特徴とする、回路基板の製造方法によって達成することができる。
【0010】
本発明による回路基板の製造方法の好ましい態様によれば、前記ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂が、酸価が20~70mgKOH/gの範囲であるウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂、および/または酸価が80~150mgKOH/gの範囲であるウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を含む。
【0011】
本発明による回路基板の製造方法の好ましい態様によれば、前記積層構造体の樹脂層が、難燃剤を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明の回路基板の製造方法によれば、回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面が平滑化しており、更に回路同士の隙間を埋める樹脂層の硬化物についての絶縁信頼性に優れた回路基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面が平滑化されている状態を示す模式的断面側面図である。
図2】回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面が平滑化されていない状態を示す模式的断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の回路基板の製造方法は、樹脂層を有する積層構造体を準備する工程と、前記積層構造体の樹脂層を回路基板上に積層する工程と、前記回路基板上に積層された前記樹脂層を露光して、その樹脂層の硬化物を生成する工程と、露光後の前記樹脂層の硬化物を有する回路基板を現像する工程と、現像後の前記樹脂層の硬化物を有する回路基板を加熱する工程とを含む。
各工程は、公知の条件によって行うことができる。以下に、各工程の一例を説明する。
【0015】
[樹脂層を有する積層構造体を準備する工程]
(積層構造体)
本発明に使用される積層構造体は、樹脂層を有しており、第1のフィルム(支持体、キャリアフィルムとも言う。)も有していることが好ましい。この積層構造体は、第1のフィルム上に硬化性樹脂組成物を塗布して、公知の乾燥手段で乾燥させることによって樹脂層を形成して得ることができる。場合により、積層構造体の樹脂層の表面に塵等が付着するのを防止するとともに取扱性を向上させる目的で、樹脂層の第1のフィルムとは反対側の面に第2のフィルム(保護フィルム、カバーフィルムとも言う。)を設けることもできる。
【0016】
(第1のフィルム)
第1のフィルムとは、積層構造体の樹脂層を支持する役割を有するものである。この第1のフィルムとして、一般にプラスチックフィルムが用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等を用いることができる。第1のフィルムの厚みについては、好ましくは10~150μmの範囲である。
【0017】
(樹脂層)
樹脂層は、露光および現像することによって回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面が平滑化され、回路基板の回路間に硬化物が設けられる。なお、樹脂層に含まれる各成分については、各工程の説明の後に説明する。
【0018】
[積層構造体の樹脂層を回路基板上に積層する工程]
積層する工程は、ラミネート工程を含むことができる。
ラミネート工程では、真空下において、特定の範囲のラミネート温度で、積層構造体を構成する樹脂層および第1のフィルムが、その樹脂層が回路基板側となる状態で、回路基板に加圧される。この加圧によって、回路基板上に樹脂層および第1のフィルムが積層され、樹脂層が回路間に埋め込まれる。
ラミネート工程は、真空ラミネータ(例えば、ニッコー・マテリアルズ株式会社製のラミネータCVP-300(全自動型2-ステージラミネータ))を使用して行うことができる。ここで、本発明において真空下とは、好ましくは4.0hPa以下の真空状態に到達した後、さらに10~40秒間保持することによって得られる状態であることが好ましい。ラミネート温度は、好ましくは60~110℃である。プレス圧力は、好ましくは0.3~0.5MPaである。プレス時間は、好ましくは10~120秒である。
なお、必要に応じて第2ラミネート工程を続けて実施してもよい。第2ラミネート工程は、例えば、大気圧下に開放して、ラミネート温度を60~110℃とし、回路基板上に積層された樹脂層および第1のフィルムをさらに加圧する。第2ラミネート工程は、上記と同じ真空ラミネータを使用して行うことができる。この大気圧下とは、標準大気圧(1013hPa)および極端な加圧または極端な減圧が行われていない圧力状態を意味しており、例えば、992~1033hPaである。プレス圧力は、例えば、6.0~10.0kgf/cmとし、プレス時間は、例えば、10~120秒とする。
なお、回路の材料としては、銅、銀、金等の導電性の材料であればよい。
【0019】
[回路基板上に積層された樹脂層を露光する工程]
露光工程では、樹脂層に所定のパターン状に光照射を行うことにより回路間の樹脂層が光硬化され、回路上の樹脂層は未硬化の状態で残る。光照射の露光量は、好ましくは250~500mJ/cmである。露光時における樹脂層および第1のフィルムが積層された回路基板の環境温度(樹脂層および第1のフィルムが積層された基板の周囲温度)は、好ましくは10~40℃である。光照射は、紫外線、電子線、化学線等の活性エネルギー線の照射により行われる。所定部分に活性エネルギー線を照射する方法としては、所定のパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線を照射する方法でもよく、直接描画装置(例えば、コンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)を用いてもよい。露光は、第1のフィルムを介して行うことができる。ただし、露光は、樹脂層から第1のフィルムを剥離した後に行ってもよい。
【0020】
[露光後の樹脂層の硬化物を有する回路基板を現像する工程]
現像工程では、所定のパターン状に露光された樹脂層が現像される。すなわち、現像工程では、第1のフィルムを剥離した後、アルカリ水溶液による現像により、回路上の未硬化の樹脂層を除去して、回路間にのみ硬化物を形成することができる。現像方法としては、スプレー現像等の公知の方法が挙げられる。また、現像液としては、アルカリ水溶液(例えば、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム、水酸化カリウム、アミン類、2-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH))、または、これらの混合液を用いることができる。現像液の温度は、25~35℃であることが好ましく、現像時間は、40~90秒であることが好ましく、現像液のスプレー圧は、0.1~0.3MPaであることが好ましい。
【0021】
[現像後の樹脂層の硬化物を有する回路基板を加熱する工程]
現像工程後において、熱硬化工程を行う。熱硬化工程において、硬化温度は好ましくは150~170℃であり、硬化時間は好ましくは30~90分である。熱硬化工程においては、公知の機器を使用することができる。
【0022】
[任意の工程]
現像工程後において、任意の水によるすすぎ工程および/または任意の紫外線照射工程を行うことができる。水によるすすぎ工程において、水温は好ましくは20~30℃であり、スプレー圧は好ましくは0.05~0.15MPaであり、すすぎ時間は好ましくは30~120秒である。紫外線照射工程において、紫外線照射量は好ましくは1~2J/cmである。
【0023】
[樹脂層に含まれる各成分]
樹脂層には、カルボキシル基含有樹脂とカルボキシル基を有しない光硬化性化合物と光重合開始剤と無機充填剤と熱硬化性樹脂とが含まれる。また、樹脂層には、難燃剤を含むこともできる。
以下、樹脂層に含まれる各成分について説明する。
【0024】
[カルボキシル基含有樹脂]
カルボキシル基含有樹脂としては、分子中にカルボキシル基を有している従来公知の各種樹脂を使用することができるが、このカルボキシル基含有樹脂には、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を含む必要がある。カルボキシル基含有樹脂は、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有しても有さなくてもよいが、特に、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂が、光硬化性や耐現像性の面から好ましい。分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する場合は、カルボキシル基含有樹脂は光硬化性樹脂に相当する。エチレン性不飽和二重結合は、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはそれらの誘導体由来であることが好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合には、組成物を光硬化性とするためには、後述するカルボキシル基を有しない光重合性化合物を併用する必要がある。
【0025】
本発明において、回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面が平滑になりやすいという点を考慮すると、カルボキシル基含有樹脂の酸価は20~150mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
【0026】
カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000~150,000の範囲であり、5,000~100,000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が2,000以上のカルボキシル基含有樹脂を用いることにより、樹脂層のタックフリー性能を向上させることができる。また、重量平均分子量が150,000以下のカルボキシル基含有樹脂を用いることにより現像性や貯蔵安定性を向上させることができる。
【0027】
カルボキシル基含有樹脂の含有量は、固形分換算で、樹脂層の全質量に対して、好ましくは20~70質量%である。
【0028】
(ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂)
ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂の具体例としては、例えば、以下の樹脂(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)を挙げることができる。以下の樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
(1)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキサイド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
【0029】
(2)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
【0030】
(3)前記(1)または(2)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子内に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
【0031】
(4)前記(1)または(2)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子内に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
【0032】
(5)前記(1)~(4)の樹脂にさらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
【0033】
ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂としては、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型のカルボキシル基含有ウレタン樹脂を使用することが好ましい。
【0034】
上記のウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂において、酸価が20~70mgKOH/gの範囲(好ましくは、30~60mgKOH/gの範囲)であるウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂(以下、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂A)、および/または酸価が80~150mgKOH/gの範囲(好ましくは、90~120mgKOH/gの範囲)であるウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂(以下、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂B)を使用することが好ましい。なお、本発明において、カルボキシル基含有樹脂の酸価とは、当該樹脂の固形分の酸価を意味する。
ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂Bの方が、酸価が高いので、よりきれいな平滑面を得ることができる。このため、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂として、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂Bのみを使用する場合には、回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面をより平滑にすることができる。
ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂Aおよびウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂Bの両方を使用する場合には、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂Aとウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂Bとの質量比(ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂A:ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂B)は、好ましくは1:0.01~1:100、より好ましくは1:0.1~1:10である。
なお、上記のウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂が有する特定の酸価は、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂に含まれる各樹脂の酸価の情報に基づいて得ることができ、本明細書において、酸価および重量平均分子量は下記の方法で測定した値である。
<酸価の測定方法>
カルボキシル基含有樹脂を約0.5g取り、2-ブトキシエタノール50mlに完全に溶解させた後、0.1Nのエタノール性水酸化カリウム溶液で滴定し下記の計算式から酸価を算出する。
酸価(mgKOH/g)={N×f×56100×(V-BL}}/(1000×W)
W:サンプル量(g)
N:水酸化カリウム溶液の濃度(mol/l)
f:力価
V:滴定量(ml)
BL:ブランクの滴定量
<重量平均分子量(Mw)の測定方法>
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC)法(ポリスチレン標準)により、下記測定装置、測定条件にて測定し重量平均分子量(Mw)を得る。
測定装置:Waters製「Waters 2695」
検出器:Waters製「Waters2414」、RI(示差屈折率計)
カラム:Waters製「HSPgel Column,HR MB-L,3μm,6mm×150mm」×2+Waters製「HSPgel Column,HR1,3μm,6mm×150mm」×2
測定条件:
カラム温度:40℃
RI検出器設定温度:35℃
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/分
サンプル量:10μl
サンプル濃度:0.5wt%
【0035】
市販されているウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂としては、例えば、日本化薬株式会社製のSN-172(酸価45mgKOH/g)および日本化薬株式会社製のUXE-3002(酸価100mgKOH/g)が挙げられる。
【0036】
ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂の含有量は、固形分換算で、カルボキシル基含有樹脂の全質量に対して、好ましくは20~80質量%、より好ましくは40~65質量%である。
【0037】
(ウレタン骨格を有しないカルボキシル基含有樹脂)
カルボキシル基含有樹脂には、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂と共に、ウレタン骨格を有しないカルボキシル基含有樹脂を含むことができる。
ウレタン骨格を有しないカルボキシル基含有樹脂の具体例としては、例えば、以下のような樹脂(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)を挙げることができる。
【0038】
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α-メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂(低級アルキル(メタ)アクリレートとして、メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる)。
【0039】
(2)2官能またはそれ以上の多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0040】
(3)2官能エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0041】
(4)2官能オキセタン化合物にアジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
【0042】
(5)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、p-ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0043】
(6)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0044】
(7)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0045】
(8)前記(1)~(7)の樹脂にさらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0046】
ウレタン骨格を有しないカルボキシル基含有樹脂としては、具体的には、ビフェニル骨格を有するカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂およびビスフェノールA型またはビスフェノールF型のカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が挙げられ、特に、ビフェニル骨格を有するカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。
【0047】
市販されているウレタン骨格を有しないカルボキシル基含有樹脂としては、例えば、ZFR-1491HおよびZCR-1569H(いずれも日本化薬株式会社製)が挙げられる。
【0048】
ウレタン骨格を有しないカルボキシル基含有樹脂の含有量は、固形分換算で、カルボキシル基含有樹脂の全質量に対して、好ましくは20~80質量%、より好ましくは35~60質量%である。
【0049】
[カルボキシル基を有しない光硬化性化合物]
カルボキシル基を有しない光硬化性化合物とは、エチレン性不飽和基を有する化合物であり、光硬化性ポリマー、光硬化性オリゴマー、光硬化性モノマーなどが挙げられ、それらの混合物であってもよい。カルボキシル基を有しない光硬化性化合物を含むことにより、硬化物の強度を向上させることができる。カルボキシル基を有しない光硬化性化合物は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
光硬化性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル系オリゴマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、フェノールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0051】
光硬化性モノマーとしては、例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレンオキサイド誘導体のモノまたはジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコールまたはこれらのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の多価(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート類;およびメラミン(メタ)アクリレートが挙げられる。光重合性モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、カルボキシル基を有しない光硬化性化合物としては、ビスフェノールAまたはビスフェノールFのポリメチロール体とフェノール類の縮合反応で得られた、分子中に2つ以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物のフェノール性水酸基の一部または全部を、アルコール性水酸基を有するオキシアルキル基に変換し、生じたオキシアルキル基の末端水酸基にアクリル酸および/またはメタクリル酸の付加を行なうことによって得られる光硬化性化合物も好ましい。
【0052】
市販品としては、例えば、日本化薬株式会社製のDPCA-60が挙げられる。
【0053】
カルボキシル基を有しない光硬化性化合物の含有量は、固形分換算で、樹脂層の全質量に対して、好ましくは0.1~30質量%である。
【0054】
[光重合開始剤]
光重合開始剤は、カルボキシル基含有樹脂および/またはカルボキシル基を有しない光硬化性化合物を露光により反応させるためのものである。光重合開始剤としては、公知のものをいずれも用いることができる。光重合開始剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
光重合開始剤としては、例えば、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等のビスアシルホスフィンオキサイド類;2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2-メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のモノアシルホスフィンオキサイド類;フェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸エチル、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn-プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p-メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル)-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;エチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、2-(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p-ジメチル安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類;1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス[2,6-ジフルオロ-3-(2-(1-ピル-1-イル)エチル)フェニル]チタニウム等のチタノセン類;フェニルジスルフィド2-ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。
【0056】
α-アミノアセトフェノン系光重合開始剤の市販品としては、IGM Resins社製のOmnirad 907、369、369E、379等が挙げられる。また、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、IGM Resins社製のOmnirad 819等が挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤の市販品としては、BASFジャパン株式会社製のIrgacure OXE01、OXE02、株式会社ADEKA製N-1919、アデカアークルズ NCI-831、NCI-831E、常州強力電子新材料社製TR-PBG-304などが挙げられる。チタノセン系光重合開始剤の市販品としては、IGM Resins社製のOmnirad 784が挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤の市販品としては、日本化薬株式会社製のKAYACURE DETX-Sが挙げられる。
【0057】
その他、特開2004-359639号公報、特開2005-097141号公報、特開2005-220097号公報、特開2006-160634号公報、特開2008-094770号公報、特表2008-509967号公報、特表2009-040762号公報、特開2011-80036号公報記載のカルバゾールオキシムエステル化合物等を挙げることができる。
【0058】
光重合開始剤の含有量は、固形分換算で、樹脂層の全質量に対して、0.01~30質量%である。
【0059】
上記した光重合開始剤と併用して、光開始助剤または増感剤を用いてもよい。光開始助剤または増感剤としては、ベンゾイン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、およびキサントン化合物などを挙げることができる。これらの化合物は、光重合開始剤として用いることができる場合もあるが、光重合開始剤と併用して用いることが好ましい。また、光開始助剤または増感剤は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0060】
[無機充填剤]
無機充填剤としては、公知の無機充填剤を使用することができる。無機充填剤としては、例えば非結晶性シリカ、結晶性シリカ、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華等の無機充填剤を用いることができ、これらの組み合わせでもよい。無機充填剤としては、水酸化アルミニウムおよびハイドロタルサイトの少なくとも1種を含むことが好ましい。
市販品としては、例えば、日本軽金属株式会社製のBF013(水酸化アルミニウム)および東亜合成株式会社製のIXEPLAS-A1(ハイドロタルサイト系のイオン捕捉剤)が挙げられる。
【0061】
無機充填剤の含有量は特に限定されるものではないが、粘度、塗布性、成形性等の観点から、固形分換算で、樹脂層の全質量に対して、好ましくは0.1~50質量%である。なお、充填剤は、硬化性樹脂組成物中での分散性を高めるために、カップリング剤で表面処理されたものであってもよい。
【0062】
[熱硬化性樹脂]
熱硬化性樹脂としては、公知のものをいずれも使用することができる。積層構造体の樹脂層が、熱硬化性樹脂を含むことにより、硬化物の耐熱性を向上させることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、エポキシ樹脂、オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂、ビスマレイミド、カルボジイミド樹脂等の公知の熱硬化性樹脂を使用することができる。特に好ましいのは、分子中に複数の環状エーテル基または環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略す)を有する熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0063】
上記の分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性樹脂は、分子中に3、4または5員環の環状(チオ)エーテル基を複数有する樹脂であり、例えば、分子内に複数のエポキシ基を有する樹脂、すなわち多官能エポキシ樹脂、分子内に複数のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物、分子内に複数のチオエーテル基を有する樹脂、すなわちエピスルフィド樹脂等が挙げられる。
【0064】
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0065】
市販されるエポキシ樹脂としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のjER 806、807、828、834、YX8000、YX8034、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のYD-128、YDF-170、ZX-1059、ST-3000、DIC株式会社製のEPICLON 830、835、840、850、N-730A、N-695、N-870-75EA、HP-7200L、および日本化薬株式会社製のRE-306、NC-3000H、NC-3000L等が挙げられる。
【0066】
多官能オキセタン化合物としては、例えば、ビス[(3-メチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4-ビス[(3-メチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3-メチル-3-オキセタニル)メチルアクリレート、(3-エチル-3-オキセタニル)メチルアクリレート、(3-メチル-3-オキセタニル)メチルメタクリレート、(3-エチル-3-オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマーまたは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p-ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、またはシルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂とのエーテル化物等が挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体等も挙げられる。
【0067】
分子中に複数の環状チオエーテル基を有する樹脂としては、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂なども用いることができる。
【0068】
メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂としては、メチロールメラミン化合物、メチロールベンゾグアナミン化合物、メチロールグリコールウリル化合物およびメチロール尿素化合物等が挙げられる。
【0069】
イソシアネート化合物としては、ポリイソシアネート化合物を配合することができる。ポリイソシアネート化合物としては、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、o-キシリレンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネートおよび2,4-トリレンダイマー等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;並びに先に挙げたイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体およびイソシアヌレート体等が挙げられる。
【0070】
ブロックイソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤との付加反応生成物を用いることができる。イソシアネートブロック剤と反応し得るイソシアネート化合物としては、例えば、上述のポリイソシアネート化合物等が挙げられる。イソシアネートブロック剤としては、例えば、フェノール系ブロック剤;ラクタム系ブロック剤;活性メチレン系ブロック剤;アルコール系ブロック剤;オキシム系ブロック剤;メルカプタン系ブロック剤;酸アミド系ブロック剤;イミド系ブロック剤;アミン系ブロック剤;イミダゾール系ブロック剤;イミン系ブロック剤等が挙げられる。
【0071】
熱硬化性樹脂の含有量は、固形分換算で、樹脂層の全質量に対して、好ましくは1~50質量%である。
【0072】
[難燃剤]
難燃剤として、下記の難燃剤の態様A~Cに示される化合物を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(難燃剤の態様A)
積層構造体の樹脂層に含有させることのできる難燃剤の態様の1つとして、基本骨格としてヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン構造を有する化合物を使用することができる。
【0073】
当該構造中の6個のフェノキシ基のいずれも置換されていない化合物を使用することができる。
当該構造中の6個のフェノキシ基のうちの少なくとも1個のフェノキシ基における水素原子(好ましくは、1個の水素原子)が、シアノ基(-CN)または水酸基(-OH)により置換されている化合物を使用することもできる。
例えば、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン構造中のリン原子に結合する2個のフェノキシ基のうちのいずれか一方のみが1個のシアノ基(-CN)により置換され、且つこのように置換されたフェノキシ基をヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン構造全体として2個以上4個以下有する化合物を難燃剤として使用することができる。
【0074】
ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン構造中のリン原子に結合する2個のフェノキシ基がいずれも1個シアノ基(-CN)により置換され、且つこのように置換されたフェノキシ基を、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン構造全体として6個全て有する化合物を難燃剤として使用することができる。
【0075】
ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン構造中のリン原子に結合する2個のフェノキシ基のうちのいずれか一方のみが1個の水酸基(-OH)により置換され、且つこのように置換されたフェノキシ基を、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン構造全体として3個有する化合物を難燃剤として使用することができる。
【0076】
上記難燃剤の態様Aにおける市販されている難燃剤としては、例えば、FP-100、FP-300B、FP-300、SPH-100(いずれも伏見製薬株式会社製)を挙げることができる。
【0077】
例えば、6個のフェノキシ基のいずれも置換されていない化合物と6個のフェノキシ基のうちの少なくとも1個のフェノキシ基における水素原子が、シアノ基(-CN)または水酸基(-OH)により置換されている化合物との両方を使用する場合には、前者化合物と後者化合物との比は、好ましくは1:0.01~1:100、より好ましくは1:0.1~1:10である。
【0078】
(難燃剤の態様B)
難燃剤の態様Bとして、ホスファゼン構造を有しないリン含有化合物を挙げることができる。
【0079】
ホスファゼン構造を有しないリン含有化合物としては、ホスファゼン構造を有しない有機リン系難燃剤として公知のものが挙げられ、好適なものとしては、リン酸エステルおよび縮合リン酸エステルや、リン元素含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有するリン化合物、フェノール性水酸基を有するリン含有化合物、下記化学式で表される化合物等の反応性を有するリン含有化合物が挙げられる。
【化1】
(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、ハロゲン原子以外の置換基を示す。)
【0080】
リン元素含有(メタ)アクリレートは、具体的には、上記一般式(I)におけるRとRが水素原子であり、Rが(メタ)アクリレート誘導体である化合物が挙げられる。一般に9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイドと公知慣用の多官能(メタ)アクリレートモノマーとのマイケル付加反応により合成することができる。リン元素含有(メタ)アクリレートの市販品としては、RAYLOCK1722(ダイセル・オルネクス株式会社製)等がある。
【0081】
好ましい難燃剤としては、上記化学式中、R、Rが水素原子または炭素原子数1~4のアルキル基であって、Rが2,5-ジヒドロキシフェニル基、または3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル基であるものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0082】
難燃剤の態様Bにおける特に好ましい難燃剤としては、下記の化学式:
【化2】
を有する難燃剤である。
【0083】
上記化学式で表されるリン含有化合物の市販品としては、HCA、SANKO-220、M-ESTER、HCA-HQ(いずれも三光株式会社製)等がある。
【0084】
また、フェノール性水酸基を有するオリゴマーもしくはポリマーであるリン含有化合物を使用することができる。カルボン酸を有するオリゴマーとして下記一般式(II)で表されるリン元素含有ジカルボン酸またはその無水物を用いることもできる。
【化3】
【0085】
上記一般式(II)中のR、Rで表される炭素原子数1~6の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のアルケニル基、シクロアルキル基、フェニル基が挙げられる。炭素原子数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基等、炭素原子数1~6のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3-ブテニル基、イソブテニル基、4-ペンテニル基、5-ヘキセニル基等が挙げられる。炭素原子数1~6の炭化水素基は分岐および置換の何れか一方がされていてもよい。
【0086】
上記リン元素含有ジカルボン酸またはその無水物の例としては、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイドとイタコン酸とを反応させて得られる化合物およびその無水物等が挙げられる。
【0087】
(難燃剤の態様C)
難燃剤の態様Cとしては、態様Aおよび態様Bと異なるものであり、ホスフィン酸金属塩等の金属塩を有するリン含有化合物を使用することができる。ホスフィン酸金属塩を構成するホスフィン酸の具体例としては、ホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル-n-プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン-1,4-(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
【0088】
ホスフィン酸塩を構成する金属成分としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ビスマス、マンガン、ナトリウム、カリウムが挙げられる。好ましくは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛である。
【0089】
ホスフィン酸金属塩の市販品としては、例えば、EXOLIT OP 930およびEXOLIT OP 935(いずれもクラリアント社製)が挙げられる。
【0090】
難燃剤の含有量(実際に使用される上記難燃剤の態様A~Cの合計含有量)は、固形分換算で、樹脂層の全質量に対して、好ましくは0.1~60質量%、より好ましくは1~30質量%である。
【0091】
例えば、上記の難燃剤の態様Aおよび上記の難燃剤の態様Bを使用する場合には、難燃剤の態様Aと難燃剤の態様Bとの質量比は、好ましくは1:0.01~1:100、より好ましくは1:0.01~1:30である。
例えば、上記の難燃剤の態様Aおよび上記の難燃剤の態様Cを使用する場合には、難燃剤の態様Aと難燃剤の態様Cとの質量比は、好ましくは1:0.01~1:100、より好ましくは1:0.01~1:50である。
【0092】
[着色剤]
本発明の積層構造体の樹脂層には、着色剤を配合することができる。着色剤としては、特に限定されず、赤、青、緑、黄色等の公知の着色剤を1種または複数組合せて使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよいが、環境負荷の低減や人体への影響が少ない観点からハロゲンを含有しない着色剤であることが好ましい。
【0093】
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等があり、具体的には以下のようなカラ-インデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyersand Colourists)発行)番号が付されているものが挙げられる。
【0094】
モノアゾ系赤色着色剤としては、Pigment Red 1,2,3,4,5,6,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,112,114,146,147,151,170,184,187,188,193,210,245,253,258,266,267,268,269等が挙げられる。また、ジスアゾ系赤色着色剤としては、Pigment Red 37,38,41等が挙げられる。また、モノアゾレーキ系赤色着色剤としては、Pigment Red 48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53:1,53:2,57:1,58:4,63:1,63:2,64:1,68等が挙げられる。また、ベンズイミダゾロン系赤色着色剤としては、Pigment Red 171,175,176、185、208等が挙げられる。また、ぺリレン系赤色着色剤としては、Solvent Red 135,179,Pigment Red 123,149,178,179,190,194,224等が挙げられる。また、ジケトピロロピロール系赤色着色剤としては、Pigment Red 254,255,264,270,272等が挙げられる。また、縮合アゾ系赤色着色剤としては、Pigment Red 220,144,166,214,220,221,242等が挙げられる。また、アントラキノン系赤色着色剤としては、Pigment Red 168,177,216、Solvent Red 149,150,52,207等が挙げられる。また、キナクリドン系赤色着色剤としては、Pigment Red 122,202,206,207,209等が挙げられる。
【0095】
青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられ、例えば、Pigment Blue 15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,60。染料系としては、Solvent Blue 35,63,68,70,83,87,94,97,122,136,67,70等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
【0096】
黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等が挙げられ、例えば、アントラキノン系黄色着色剤としては、Solvent Yellow 163,Pigment Yellow 24,108,193,147,199,202等が挙げられる。イソインドリノン系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 110,109,139,179,185等が挙げられる。縮合アゾ系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 93,94,95,128,155,166,180等が挙げられる。ベンズイミダゾロン系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 120,151,154,156,175,181等が挙げられる。また、モノアゾ系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,9,10,12,61,62,62:1,65,73,74,75,97,100,104,105,111,116,167,168,169,182,183等が挙げられる。また、ジスアゾ系黄色着色剤としては、Pigment Yellow 12,13,14,16,17,55,63,81,83,87,126,127,152,170,172,174,176,188,198等が挙げられる。
【0097】
その他、紫、オレンジ、茶色、黒等の着色剤を加えてもよい。具体的には、Pigment Black 1,6,7,8,9,10,11,12,13,18,20,25,26,28,29,30,31,32、Pigment Violet 19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet13,36、C.I.Pigment Orange 1,5,13,14,16,17,24,34,36,38,40,43,46,49,51,61,63,64,71,73、PigmentBrown 23,25,カーボンブラック等が挙げられる。その他、上記着色剤を複数組み合わせて混色としても良い。例えば、赤色着色剤と青色着色剤と黄色着剤を組み合わせてアンバー色の着色剤としても良い。
【0098】
着色剤の含有量は、固形分換算で、樹脂層の全質量に対して、好ましくは0.01~15質量%である。
【0099】
[熱硬化触媒]
本発明の積層構造体の樹脂層には、熱硬化触媒を配合することができる。熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。また、市販品としては、例えば、四国化成工業株式会社製の2MZ-A、2MZ-OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ株式会社製のU-CAT 3513N(ジメチルアミン系化合物の商品名)、DBU、DBN、U-CAT SA 102(いずれも二環式アミジン化合物およびその塩)、三菱ケミカル株式会社製のDICY7(ジシアンジアミドの商品名)が挙げられる。
【0100】
さらに、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS-トリアジン誘導体を用いることもできる。熱硬化触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0101】
熱硬化触媒の含有量は、固形分換算で、樹脂層の全質量に対して、好ましくは0.01~30質量%である。
【0102】
[有機溶剤]
本発明の積層構造体の樹脂層を得るための硬化性樹脂組成物には、組成物の調製または第1のフィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を配合することができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤を使用することができる。
【0103】
有機溶剤の含有量は、特に限定されず、硬化性樹脂組成物を調製し易いように目的の粘度に応じて適宜設定することができる。
【0104】
[その他の添加成分]
本発明の積層構造体の樹脂層には、必要に応じてさらに、電子材料の分野において公知の物質、例えば、重合禁止剤、シアネート化合物、エラストマー、メルカプト化合物、チキソ化剤、密着促進剤、ブロック共重合体、連鎖移動剤、銅害防止剤、酸化防止剤、防錆剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、増粘剤(例えば、モンモリロナイト)、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤、分散剤、およびレベリング剤を配合することができる。
市販される分散剤としては、例えば、DisperBYK145およびBYK-361N(いずれもビックケミー・ジャパン株式会社製)が挙げられる。
【0105】
[露光後の樹脂層の硬化物の吸水率]
露光後の樹脂層の硬化物の吸水率は、露光は行っているが、露光後の現像および現像後の加熱も行っていない樹脂層の硬化物における吸水率である。
この吸水率は、露光後の樹脂層の硬化物がどれくらい水を吸水するかの割合を示したものであり、以下の式:
吸水率=[[(露光後の硬化物を24時間水に浸漬した後の重量(g))-(露光後の硬化物を水に浸漬する前の重量(g))]/(露光後の硬化物を水に浸漬する前の重量(g))]×100
を使用して算出することができる。
この吸水率の具体的な測定方法は、以下の通りである。
まず、第1のフィルムとして厚さ25μmポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「E5041」)を用意する。次いで、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂を含むカルボキシル基含有樹脂とカルボキシル基を有しない光硬化性化合物と光重合開始剤と無機充填剤と熱硬化性樹脂とを含有する硬化性樹脂組成物を該フィルム上に塗布し、80℃の温度にて15分乾燥し、厚み25μmの樹脂層を形成する。このようにして、第1のフィルムと樹脂層を有する積層構造体を得る。得られた積層構造体を幅100mm、長さ80mmの大きさに切り出し、樹脂層を幅160mm、長さ110mm、および厚さ1mmのガラス基板に真空ラミネータ(ニッコー・マテリアルズ株式会社製のラミネータCVP-300)を用いて貼り付ける。ラミネート温度は70℃、真空保持時間は20秒、加圧時間は90秒とする。このようにして、ガラス基板に樹脂層を有する評価用基板を作製する。
得られた評価用基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(株式会社オーク製作所製、HMW-680-GW20)を用いて20℃、最適露光量(400mJ/cm)で光照射して露光後の硬化物を有する評価用基板を得る。第1のフィルムを硬化物から剥離した後、評価用基板の重さを測定し、ガラス基板自体の重さを差し引いて硬化物の重量、すなわち、露光後の硬化物を水に浸漬する前の重量を得る。
その後、硬化物が十分に浸漬する多量の純水(20℃)をビーカーに入れ、評価用基板を浸漬し、24時間後に評価用基板を取り出す。ガラス基板と硬化物の表面の水を除去した後、評価用基板の重さを測定し、ガラス基板自体の重さを差し引いて浸漬後の硬化物の重量、すなわち、露光後の硬化物を24時間水に浸漬した後の重量を得る。得られた硬化物の重量に基づき吸水率を上記式にて算出する。
【0106】
露光後の樹脂層の硬化物の吸水率は、樹脂層に含まれる成分のうち吸水率が高い成分(主として、カルボキシ含有樹脂(例えば、後述の実施例の場合にはウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂)および任意の難燃剤)の吸水率を考慮して決定することができる。
露光後の樹脂層の硬化物の吸水率は、1.0~4.0、好ましくは1.0~3.0である。
露光後の樹脂層の硬化物の吸水率が1.0未満の場合には、例えば、図2(a)に示すように回路のエッジを覆う露光後の樹脂層の硬化物を流し落とすことができずに露光後の硬化物の残渣(参照番号4)が存在して、回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面を平滑化することができない。この現象は、推測ではあるが、露光後の樹脂層の硬化物が現像液に溶け難くなるために起こると考えられる。
露光後の樹脂層の硬化物の吸水率が4.0越えの場合には、例えば、図2(b)に示すように回路同士の間の露光後の樹脂層の硬化物が凹んでしまい、回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面を平滑化することができない。この現象は、推測ではあるが、露光後の樹脂層の硬化物が現像液に溶け易くなるために(すなわち、過現像になってしまうために)起こると考えられる。
なお、露光後の樹脂層の硬化物の吸水率が1.0~4.0の場合には、図1に示すように回路のエッジを覆う露光後の樹脂層の硬化物も流し落とすことができ、回路の上面と樹脂層の硬化物の上面とで形成される面を平滑化することができる。
【実施例0107】
以下、本発明の実施例等により具体的に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0108】
<硬化性樹脂組成物の調製>
表1(実施例1~9)および表2(比較例1~4)に示す割合で各成分を配合し、これらをディゾルバーで攪拌した(室温、回転数500rpm、5分間)。その後、ビーズミルを用いてジルコニアビーズ(1mm)にて分散を2時間行い、実施例用の硬化性樹脂組成物(実施例1~9)および比較例用の硬化性樹脂組成物(比較例1~4)を得た。
<積層構造体の作製>
第1のフィルムとして厚さ25μmポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製「E5041」)を用意した。上記で得られた硬化性樹脂組成物を該フィルム上に塗布し、80℃の温度にて15分乾燥し、厚み25μmの樹脂層を形成した。このようにして、第1のフィルムと樹脂層を有する、実施例1~9および比較例1~4の積層構造体を得た。
【0109】
<露光後の硬化物の吸水率>
得られた実施例1~9および比較例1~4の積層構造体の樹脂層について、下記方法により露光後の硬化物の吸水率を測定した。その測定結果は、表1および表2に示す。
(吸水率の測定方法)
実施例1~9および比較例1~4の積層構造体を幅100mm、長さ80mmの大きさに切り出し、得られた積層構造体の樹脂層をガラス基板(長さ160mm×110mm×厚み1mm)に真空ラミネータ(ニッコー・マテリアルズ株式会社製のラミネータCVP-300)を用いて貼り付けた。ラミネート温度は70℃、真空保持時間は20秒、加圧時間は90秒とした。このようにして、ガラス基板に樹脂層と第1のフィルムを有する評価用基板を作製した。
得られた評価用基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(株式会社オーク製作所製、HMW-680-GW20)を用いて、20℃、最適露光量(400mJ/cm2)で光照射して露光後の樹脂層の硬化物を得た。第1のフィルムを硬化物から剥離した後、評価用基板の重さを測定し、ガラス基板自体の重さを差し引いて硬化物の重量、すなわち、露光後の硬化物を水に浸漬する前の重量を得た。その後、硬化物が十分に浸漬する多量の純水(20℃)をビーカーに入れ、評価基板を浸漬し、24時間後に評価基板を取り出した。ガラス基板と硬化物表面の水を除去した後、評価用基板の重さを測定し、ガラス基板自体の重さを差し引いて浸漬後の硬化物の重量、すなわち、露光後の硬化物を24時間水に浸漬した後の重量を得た。得られた硬化物の重量に基づき吸水率を下記式にて算出した。
吸水率=[[(露光後の硬化物を24時間水に浸漬した後の重量(g))-(露光後の硬化物を水に浸漬する前の重量(g))]/(露光後の硬化物を水に浸漬する前の重量(g))]×100
【0110】
得られた実施例1~9および比較例1~4の積層構造体について、下記の難燃性、断面平滑性、および絶縁信頼性の試験を行った。なお、それらの試験結果は、表1および表2に示す。
【0111】
<難燃性>
上記各実施例および各比較例の積層構造体の樹脂層を、25μm、12.5μm厚のポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製、カプトン(登録商標)100H(25μm)、カプトン(登録商標)50H(12.5μm))の両面に真空ラミネータ(ニッコー・マテリアルズ株式会社製のラミネータCVP-300)を用いて貼り付けた。ラミネート温度は70℃、真空保持時間は20秒、プレス時間は90秒であった。得られた両面基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(株式会社オーク製作所製、HMW-680-GW20)を用いて20℃、最適露光量400mJ/cmで樹脂層を全面露光し、30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像を行い、150℃で60分間熱硬化を行い評価サンプルとした。この難燃性評価用サンプルについて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。
難燃性試験を以下の基準で評価した。
◎:UL94でVTM-0達成。1回目の着火にて2秒以内に消化する。
〇:UL94でVTM-0達成。1回目の着火にて2秒超5秒以内で消化する。
×:UL94でVTM-0未達成。
【0112】
<断面平滑性>
上記各実施例および比較例の積層構造体の樹脂層を、25μm厚のポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製カプトン(登録商標)100H)に真空ラミネータ(ニッコー・マテリアルズ株式会社製のラミネータCVP-300)を用いて貼り付けた。ラミネート温度は70℃、真空保持時間は20秒、加圧時間は90秒とした。得られた基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(株式会社オーク製作所製、HMW-680-GW20)を用いて20℃、最適露光量400mJ/cmで樹脂層を露光し、30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像し、150℃で60分加熱して樹脂層を硬化した。
熱硬化後の回路基板を封止材「株式会社ストルアス社製冷間埋め込み樹脂」で封止し、その後、断面を削り出して断面を光学顕微鏡で観察した。
断面平滑性を以下の基準で評価した。
◎:回路上に残渣がなく、回路間が完全に平滑である。回路の際が十分に充填されている。
〇:回路上に残渣がなく、回路間が後工程に支障がない程度に平滑である。回路の際が十分に充填されている。
×:回路上に残渣があるか、回路間が平滑でない。回路の際が十分に充填されていない。
なお、比較例1における「硬化物の残渣あり」は図2(a)に示す状態であり、比較例2~3における「硬化物の窪みあり」は図2(b)に示す状態である。
【0113】
<絶縁信頼性>
上記各実施例および各比較例の積層構造体の樹脂層を、L/S=50/50μmのポリイミド基板(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製 エスパネックス(登録商標))上に真空ラミネータ(ニッコー・マテリアルズ株式会社製のラミネータCVP-300)を用いて貼り付けた。ラミネート温度は70℃、真空保持時間は20秒、加圧時間は90秒とした。得られた基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(株式会社オーク製作所製、HMW-680-GW20)を用いて20℃、最適露光量400mJ/cmで樹脂層を露光し、30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で60秒間現像し、150℃で60分加熱して硬化した。得られた評価基板にDC50Vのバイアス電圧を印加し、85℃、85%R.H.の恒温恒湿槽(エスペック株式会社製、高加速寿命試験装置)にて抵抗値を連続測定にて確認した。絶縁信頼性を以下の基準で評価した。
○:1000時間経過後においてショートの発生無し。
×:1000時間以内にショートの発生有り。
【0114】
表1:実施例
【表1】
*1:日本化薬株式社製のZFR-1491H:固形分62.5質量%、ビスフェノールF骨格を有するカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂(酸価:100mgKOH/g、重量平均分子量:15,000)
*2:日本化薬株式社製のZCR-1569H:固形分70質量%、ビフェニル骨格を有するカルボキシル基含有エポキシアクリレート樹脂(酸価:100mgKOH/g、重量平均分子量:45,000)
*3:日本化薬株式社製のSN-172:固形分60質量%、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂(酸価:45mgKOH/g、重量平均分子量:10,000)
*4:日本化薬株式社製のUXE-3002:固形分65質量%、ウレタン骨格を有するカルボキシル基含有樹脂(酸価:100mgKOH/g、重量平均分子量:7,500)
*5:日本化薬株式会社製のKAYARAD DPCA-60、6個のアクリロイル基を有し、カルボキシル基を有しない光硬化性化合物
*6:ビックケミー・ジャパン株式会社製のDisperBYK145
*7:ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK-361N
*8:日産化学株式会社製のメラミン
*9:日本軽金属株式会社製のBF013:水酸化アルミニウム
*10:東亜合成株式会社製のIXEPLAS-A1:ハイドロタルサイト系のイオン捕捉剤
*11:日本化薬株式会社製のNC-3000L-CA75:固形分75質量%、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂
*12:三菱ケミカル株式会社製のjER828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂
*13:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
*14:日本化薬株式社製のKAYACURE DETX-S、チオキサントン系光重合開始剤
*15:IGM Resins社製のOmnirad 784、チタノセン系光重合開始剤
*16:ダイセル・オルネクス株式会社製のRAYLOK1722、難燃剤の態様B、リン元素含有アクリレート
*17:伏見製薬株式会社製のFP-100、難燃剤の態様A、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン構造を有する化合物
*18:伏見製薬株式会社製のFP-300B、難燃剤の態様A、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン構造を有し、その構造を構成するフェノキシ基における水素原子がシアノ基に置換されている化合物
*19:三光株式会社製のHCA-HQ、難燃剤の態様B
*20:クラリアント社製のEXOLIT OP 935、難燃剤の態様C、ホスフィン酸金属塩
*21:アンバー系着色剤(Pigment Yellow 147:Pigment Red 149:フタロシアニンブルー=7.5:2.5:1の混合物)
*22:DIC株式会社製のPigment Blue 15:3
*23:DIC株式会社製のPigment Yellow 147
*24:三菱ケミカル株式会社製のカーボンブラック
【0115】
表2:比較例
【表2】
上記表2における*1~*24の化合物に関する情報は、表1における*1~*24の化合物に関する情報と同様である。
【符号の説明】
【0116】
1・・・基板;2・・・回路;3・・・樹脂層の硬化物;4・・・露光後の硬化物の残渣;10・・・回路基板
図1
図2