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  • 特開-湿式スクラバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150847
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】湿式スクラバー
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/78 20060101AFI20231005BHJP
   B05B 1/14 20060101ALI20231005BHJP
   B01D 47/06 20060101ALI20231005BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B01D53/78 ZAB
B05B1/14 Z
B01D47/06 Z
B01D53/18 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060164
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 智孝
(72)【発明者】
【氏名】中谷 友昭
【テーマコード(参考)】
4D002
4D020
4D032
4F033
【Fターム(参考)】
4D002AA40
4D002BA02
4D002BA14
4D002CA01
4D002HA03
4D020AA10
4D020CB27
4D020CC15
4D020CD02
4D032AC01
4D032CA10
4F033BA03
4F033CA01
4F033EA03
(57)【要約】
【課題】稼働中は、スプレーノズルの位置をタンク内の所定の位置に安定的に維持することができ、尚且つ、スプレーノズルの定期的なメンテナンス作業時には、スプレーノズルの設置されている吸収液供給配管を、容易にタンクの外に取り出すことができるため、保守容易性にも優れる湿式スクラバーを提供すること。
【解決手段】吸収液供給配管11が、タンク3の内部に水平配置されているパイプ状の部材又は樋状の部材であるスプリンクラー支持部材2の内底面に載置された状態で支持されていて、スプリンクラー支持部材2の底面には、長さ方向に沿ってスプレーノズル引き出し用スリット21が吸収液供給配管11の引き出し方向側の端部に至るまで形成されていて、吸収液供給配管11は、スプレーノズル12が、スプレーノズル引き出し用スリット21からスプリンクラー支持部材2の外部に露出した状態で支持されている、湿式スクラバー10とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクと、スプリンクラーと、を備える、湿式スクラバーであって、
前記スプリンクラーは、前記タンクの外殻を貫通して該タンクの内部に挿入されて該タンクの内部に水平配置されている吸収液供給配管と、前記タンクの内部において、前記吸収液供給配管の側面に突出して設けられているスプレーノズルと、を備え、
前記吸収液供給配管が、前記タンクの内部に水平配置されているパイプ状の部材又は樋状の部材であるスプリンクラー支持部材の内底面に載置された状態で支持されていて、
前記スプリンクラー支持部材の底面には、長さ方向に沿ってスプレーノズル引き出し用スリットが前記吸収液供給配管の引き出し方向側の端部に至るまで形成されていて、
前記吸収液供給配管は、前記スプレーノズルが、前記スプレーノズル引き出し用スリットから前記スプリンクラー支持部材の外部に露出した状態で支持されている、
湿式スクラバー。
【請求項2】
前記スプリンクラー支持部材の前記吸収液供給配管の引き出し方向側の端部側の末端近傍部には、前記スプレーノズルの突出方向に向けて内径が広がるテーパ部が形成されていて、
前記スプレーノズル引き出し用スリットが前記テーパ部にも形成されている、
請求項1に記載の湿式スクラバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿式スクラバーに関する。本発明は、詳しくは、スプレーノズルを備えるスプリンクラーのタンク内での設置の安定性と、スプレーノズルのメンテンナンス作業の容易性とを両立させた、湿式スクラバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排ガスから有害成分等を除去する装置として、各種の湿式スクラバーが用いられている。この湿式スクラバーは、排ガス中の有害成分やダストを、吸収液の液滴や液膜中に捕集して無害化するものである。
【0003】
従来、多くの湿式スクラバーにおいては、タンクの内部に吸収液を広範囲に散布するための吸収液散布手段として、タンクの内部に水平配置されている吸収液供給配管の側面上に突出する態様で、複数のスプレーノズルが所定の間隔で、設置されてなる構造のスプリンクラー(以下、本明細書においてはこのような構造の吸収液散布手段のことを、単に「スプリンクラー」と称する)が、配設されている(特許文献1(図2)参照)。このような「スプリンクラー」は、通常、図4に示すように、吸収液供給配管11を、湿式スクラバーのタンク内において、U字ボルト4(4A、4B、4C、4D)等の固定具によって複数か所で固定することにより、タンク内での設置位置の安定性が確保されている。
【0004】
一方、湿式スクラバーにおいてタンクに導入される処理対象の排ガスには固形物が含まれているので、定期的にスプレーノズルの清掃或いは交換を行うメンテナンス作業が必要となる。このメンテナンス作業の実施時には、上記の「スプリンクラー」を、吸収液供給配管ごと、タンクの壁面の開口部分からタンクの外部に引き出すことが必要となる。ところが、上記のように、複数か所で「スプリンクラー」の吸収液供給配管がU字ボルト等の固定具によって固定されている従来の湿式スクラバーにおいては、スプレーノズルの定期的なメンテナンス作業時には、その都度、吸収液供給配管を引き出す際に支持手段に各スプレーノズルが引っ掛からないように、予め、吸収液供給配管を支持手段から開放しておく必要がある。そのため、従来の湿式スクラバーにおいては、スプレーノズルの定期的なメンテナンス作業の都度、作業員がタンクの内部に入って、一つ一つの支持手段から吸収液供給配管を開放する煩雑な作業を行うことを余儀無くされている。
【0005】
尚、仮に、吸収液供給配管を引き出す上記の開口部分から視て最奥側に位置するスプレーノズルよりも更に奥の位置のみに、上記の支持手段を配置する支持構造とすれば、吸収液供給配管の引き出し時にスプレーノズルが支持手段に引っ掛かることは回避できる。しかしながら、その場合は、吸収液供給配管を冗長化する必要があり、且つ、支持部材の数が少ないことで、吸収液供給配管の安定性が不十分となりスプレーノズルの位置が最適な位置からずれてしまいやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3195765号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、稼働中は、スプレーノズルの位置をタンク内の所定の位置に安定的に維持することができ、尚且つ、スプレーノズルの定期的なメンテナンス作業時には、スプレーノズルの設置されている吸収液供給配管を、容易にタンクの外に取り出せることができる湿式スクラバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者は、複数のスプレーノズルが側面に突出して設けられている吸収液供給配管を、タンクの内部に水平配置されているパイプ状の部材又は樋状の部材であるスプリンクラー支持部材の内底面に載置する取付け構造により、上記課題を解決できることに想到し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
(1) タンクと、スプリンクラーと、を備える、湿式スクラバーであって、前記スプリンクラーは、前記タンクの外殻を貫通して該タンクの内部に挿入されて該タンクの内部に水平配置されている吸収液供給配管と、前記タンクの内部において、前記吸収液供給配管の側面に突出して設けられているスプレーノズルと、を備え、前記吸収液供給配管が、前記タンクの内部に水平配置されているパイプ状の部材又は樋状の部材であるスプリンクラー支持部材の内底面に載置された状態で支持されていて、前記スプリンクラー支持部材の底面には、長さ方向に沿ってスプレーノズル引き出し用スリットが前記吸収液供給配管の引き出し方向側の端部に至るまで形成されていて、前記吸収液供給配管は、前記スプレーノズルが、前記スプレーノズル引き出し用スリットから前記スプリンクラー支持部材の外部に露出した状態で支持されている、湿式スクラバー。
【0010】
(1)の湿式スクラバーは、スプリンクラーを構成する吸収液供給配管を、スプリンクラー支持部材の長さ方向以外の方向への移動を制限することができ、必要に応じて、スプリンクラー支持部材の長さ方向に沿って移動させることができる構造とされている。従って、湿式スクラバーの稼働中においては、スプレーノズルの位置をタンク内の所定の位置に安定的に維持することができる。そして、尚且つ、スプレーノズルの定期的なメンテナンス作業時には、タンクの内部に作業員が入ることなく、スプレーノズルの設置されている吸収液供給配管を、容易にタンクの外に容易に取り出すことができるので、スプレーノズルのメンテンナンス作業時のスクラバー内の液抜き、洗浄が不要となり、作業員がタンク内で有害な液に接触するリスクも回避できる。上記メンテンナンスに要する作業時間も短縮できるので、湿式スクラバーの稼働率を向上させることもできる。
【0011】
(2) 前記スプリンクラー支持部材の前記吸収液供給配管の引き出し方向側の端部側の末端近傍部には、前記スプレーノズルの突出方向に向けて内径が広がるテーパ部が形成されていて、前記スプレーノズル引き出し用スリットが前記テーパ部にも形成されている、(1)に記載の湿式スクラバー。
【0012】
(2)の湿式スクラバーは、スプレーノズルの定期的なメンテナンス作業時に、スプレーノズルの設置されている吸収液供給配管を、極めて円滑に、より容易にタンクの外に引き出すことができる。これにより、(1)の湿式スクラバーの保守容易性を更に高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、稼働中は、スプレーノズルの位置をタンク内の所定の位置に安定的に維持することができ、尚且つ、スプレーノズルの定期的なメンテナンス作業時には、スプレーノズルの設置されている吸収液供給配管を、容易にタンクの外に取り出せることができる湿式スクラバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の湿式スクラバーの基本構造を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の湿式スクラバー(第1の実施形態)におけるスプリンクラー及びスプリンクラー支持手段の側断面図である。
図3図2のA-A線における断面図である。
図4】従来の湿式スクラバーにおけるスプリンクラー及びスプリンクラー支持手段の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<湿式スクラバーの基本構造>
図1は、本発明に係る湿式スクラバーの基本構造を模式的に示す断面図である。同図に示す湿式スクラバー10は、タンク3の内部の天面の近傍域の空間に、吸収液散布手段であるスプリンクラー1が設置されている。タンク3は、その外殻が、繊維強化プラスチック(FRP)によって構成されているものであることが好ましい。そして、タンク3の底面側には処理対象とする排ガスGを取り込むガス取り込み口31が設けられていて、タンク3の天面側には処理済の排ガスを排出するガス排出口32が設けられている。
【0016】
湿式スクラバー10において、スプリンクラー1は、吸収液供給配管11と、その側面に突出する態様で設置されている複数のスプレーノズル12(12A、12B、12C)によって構成されている。スプリンクラー1を構成する吸収液供給配管11は、タンク3の外殻の天面の近傍域に設けられているスプリンクラー取り出し用開口部13を通じてタンク3の外殻を貫通してタンク3の内部に挿入されている。そして吸収液供給配管11は、そのようにしてタンク3の内部に水平配置されている部分の側面に、複数のスプレーノズル12が任意の間隔で、下方に向けて設置されている。
【0017】
そして、湿式スクラバー10において、スプリンクラー1は、パイプ状の部材又は樋状の部材からなるスプリンクラー支持部材2の内底面に載置された状態で、タンク3の内部の天面の近傍域の空間に安定的に支持されている。この状態で、スプレーノズル12から、吸収液が、タンク3の内部において下方に向けて噴霧される。
【0018】
又、タンク3の上部には、スプレーノズル12のメンテンナンス作業時に、スプリンクラー1をタンク3の外側に取り出すためのスプリンクラー取り出し用開口部13が設けられている。プリンクラー取り出し用開口部13の内径は、吸収液供給配管11がスプレーノズル12を取り付けた状態のまま通り抜けることができる大きさとする。このようなスプリンクラー取り出し用開口部13の内径と吸収液供給配管11の外径の差の分だけ生じる隙間については、湿式スクラバー10の稼働中は、開閉用フランジ131で塞ぐことができる構造とすることが好ましい。この隙間は、粘土やパテ等で塞いでもよいが、上記のように開閉用フランジ131で塞いでおけば、圧力に耐えながらの繰り返しの開閉を速やかに行うことができ、スプリンクラー取り出し用開口部13に吸収液供給配管11を挿入した状態で、安全に運転することができる。
【0019】
[スプリンクラーの支持構造]
以下、本発明独自の構造材である、スプリンクラー支持部材2によって構成されるスプリンクラーの支持構造の詳細について説明する。
【0020】
湿式スクラバー10は、スプリンクラー1を安定的に支持するための支持構造として、パイプ状の部材又は樋状の部材からなるスプリンクラー支持部材2を備えることを主たる特徴とする。尚、上記の「パイプ状の部材」とは、図3に示すように、部材の長手方向に直交する断面が円形又は略円形である管状の部材のことを言う。又、上記の「樋状の部材」とは、図示は省略したが、部材の長手方向に直交する断面が半円形又は略半円形であって、スプリンクラー1を安定的に支持するために必要な下部側のみで構成されていて、上部側は開放されている、所謂、建築用等の「樋」と同様の半円筒形の部材のことを言う。
【0021】
図1に示すように、スプリンクラー支持部材2は、タンク3の内部に、水平方向に沿って設置されている。又、スプリンクラー支持部材2は、溶接、或いは、フランジを介した固定等により、タンク3に対して安定的に固定されている。
【0022】
そして、スプリンクラー1を構成する吸収液供給配管11は、図2及び図3の各図に示されるように、スプリンクラー支持部材2の内底面に載置されている。吸収液供給配管11はスプリンクラー支持部材2に沿って配置するので、吸収液供給配管11に沿ってスプレーノズル12が配置されている場合、スプリンクラー支持部材2を水平に配置することにより、スプレーノズル12は水平に配置されることになる。そして、この状態において、吸収液供給配管11は、スプリンクラー支持部材2の長さ方向以外の方向への移動が制限されている。又、この状態において、吸収液供給配管11を、必要に応じて、スプリンクラー支持部材2の長さ方向に沿って移動させることができる。
【0023】
尚、スプリンクラー支持部材2は、上述の通り、パイプ状の部材又は樋状の部材であることによって、スプリンクラー1を上記態様で支持することができるものであればよい。従って、上記態様でのスプリンクラー1の支持に直接寄与しない部分の形状については、特に限定されるものではない。上記態様でのスプリンクラー1の支持に直接寄与する部分の形状が、上記の各形状(パイプ状の部材又は樋状の部材)であれば、言うまでもなく、その他の部分の形状にかかわらずに本発明におけるスプリンクラー支持部材に該当する。
【0024】
スプリンクラー支持部材2の材料は、吸収液供給配管11を支持するために必要な剛性や、タンク内の稼働中の環境に耐え得る耐熱性や耐食性を有する材料であれば特に限定されないが、繊維強化プラスチック(FRP)をスプリンクラー支持部材2の好ましい材料の一例として挙げることができる。尚、FRPは、多層構造で軽量かつ強靭であるが、スプリンクラー支持部材2の内面側の最外層のトップコートをフッ素樹脂などの平滑性に優れる素材で構成しておくことで、吸収液供給配管11をスプリンクラー支持部材2上で摺動させて位置調整を、より容易に行うことできる。又、吸収液供給配管11の材質についても同様である。これらの部材を何れも同一の材料で構成することで互いに傷つけ合うリスクも少なくすることができる。
【0025】
図2及び図3は、本発明の湿式スクラバーにおけるスプリンクラーの支持構造を示している。同図に示されているように、この第1の実施形態においては、スプリンクラー支持部材2は、その長さ方向に沿ってスプレーノズル引き出し用スリット21が設けられている。スプレーノズル引き出し用スリット21は、図2及び図3に示すように、スプレーノズル12が鉛直下方に向けられている場合は、これに合せて、スプリンクラー支持部材2の最下方部に形成すればよい。但し、スプレーノズル引き出し用スリット21の形成位置は、必ずしもスプリンクラー支持部材2の下方側には限定されず、例えば、スプレーノズル12が鉛直上方に向けられている場合は、スプリンクラー支持部材2の上方側に形成する等、スプレーノズル12の突出方向に合せて、スプリンクラー支持部材2の側面の任意の位置に形成することができる。
【0026】
スプレーノズル引き出し用スリット21は、スプリンクラー支持部材2の底面に長さ方向に沿って、吸収液供給配管11の引き出し方向側の端部に至るまで設けられている切り欠きスリットである。又、このスプレーノズル引き出し用スリット21の幅は、スプレーノズル12の外径と同一か、同外径よりも僅かに大きな幅である。
【0027】
スプリンクラー支持部材2に、上記のようなスプレーノズル引き出し用スリット21が設けられている場合においては、スプレーノズル12が、このスプレーノズル引き出し用スリット21から、スプリンクラー支持部材2の外部に露出した状態で、吸収液供給配管11がスプリンクラー支持部材2に支持される。
【0028】
又、本発明の湿式スクラバーは、スプレーノズル12の定期的なメンテナンス作業時には、スプレーノズル12が、スプレーノズル引き出し用スリット21からスプリンクラー支持部材2の外部に露出した状態のままで、スプレーノズル引き出し用スリット21の延在方向に沿って、吸収液供給配管11をスプリンクラー支持部材2の内底面上を摺動させることで、スプレーノズル12が吸収液供給配管11に接合されている状態のままで、スプリンクラー1を、スプリンクラー取り出し用開口部13に向けて円滑に移動させることができる。
【0029】
本発明の湿式スクラバーを構成するためのスプリンクラー支持部材2は、吸収液供給配管11より僅かに半径の大きな円筒形のパイプ状の部材等にスプレーノズル引き出し用スリット21を形成する加工を施したもので構成することができる。
【0030】
又、本発明の湿式スクラバーを構成するためのスプリンクラー支持部材2は、図2に示すように、吸収液供給配管11の引き出し方向側の端部側の末端近傍部に、スプレーノズル12の突出方向に向けて内径が広がるテーパ部22が形成されているものとすることができる。スプレーノズルが下方側に向けられている場合は、下方側に向けてテーパ部を形成すればよい。この場合において、テーパ部22の末端の開口径は、これが接続されるタンク3の外殻の開口径(或いは、同か所に形成されるその他の接続構造の内径)と合わせればよい。そして、例えば、タンク3の開口径をスプリンクラー支持部材2の主要部分の外径の大きさより大きく取り、この径の大きさの差を下方側のテーパ部によって解消して接続部分の径を合わせる構成として、尚且つ、スプレーノズル引き出し用スリットは、このテーパ部22にも他の部分と同様に形成しておくことにより、スプレーノズルの設置されている吸収液供給配管を、極めて円滑に、より容易にタンクの外に引き出すことができる。
【符号の説明】
【0031】
1 スプリンクラー
11 吸収液供給配管
12(12A、12B、12C) スプレーノズル
13 スプリンクラー取り出し用開口部
131 開閉用フランジ
2 スプリンクラー支持部材
21 スプレーノズル引き出し用スリット
22 テーパ部
31 ガス取り込み口
32 ガス排出口
10 湿式スクラバー
3 タンク
4(4A、4B、4C、4D) U字ボルト
G 排ガス
g 処理済排ガス
w 吸収液
図1
図2
図3
図4