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特開2023-150849角膜上皮細胞増殖促進剤及び角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤及び角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、並びに角膜上皮の修復促進剤及び角膜上皮の修復促進用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150849
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】角膜上皮細胞増殖促進剤及び角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤及び角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、並びに角膜上皮の修復促進剤及び角膜上皮の修復促進用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/192 20060101AFI20231005BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20231005BHJP
   C12N 5/071 20100101ALI20231005BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20231005BHJP
   A23L 2/52 20060101ALN20231005BHJP
   A23F 5/24 20060101ALN20231005BHJP
【FI】
A61K31/192
A61P27/02
C12N5/071
A23L33/10
A23L2/52
A23L2/00 F
A23F5/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060170
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】591082421
【氏名又は名称】丸善製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】吉野 進
(72)【発明者】
【氏名】池岡 佐和子
(72)【発明者】
【氏名】田邊 瑞穂
【テーマコード(参考)】
4B018
4B027
4B065
4B117
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB08
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE05
4B018MD08
4B018MD10
4B018ME14
4B027FB24
4B027FC06
4B027FK02
4B027FK04
4B027FQ19
4B065AA93X
4B065AC14
4B065BA22
4B065BB08
4B065BD27
4B065BD29
4B065CA17
4B065CA41
4B065CA44
4B117LC04
4B117LK06
4B117LL09
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA21
4C206KA01
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA37
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA72
4C206MA78
4C206NA14
4C206ZA33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】優れた角膜上皮細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い角膜上皮細胞増殖促進剤及び角膜上皮細胞増殖促進用組成物、優れた角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用を有し、かつ安全性が高い角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤及び角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、並びに優れた角膜上皮の修復促進作用を有し、かつ安全性が高い角膜上皮の修復促進剤及び角膜上皮の修復促進用組成物の提供。
【解決手段】特定の構造式で表される3-フェニルプロピオン酸化合物の少なくとも1種を含む角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、又は角膜上皮の修復促進剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を含むことを特徴とする角膜上皮細胞増殖促進剤。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【請求項2】
請求項1に記載の角膜上皮細胞増殖促進剤を含むことを特徴とする角膜上皮細胞増殖促進用組成物。
【請求項3】
下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を含むことを特徴とする角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【請求項4】
請求項3に記載の角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤を含むことを特徴とする角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物。
【請求項5】
下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を含むことを特徴とする角膜上皮の修復促進剤。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【請求項6】
請求項5に記載の角膜上皮の修復促進剤を含むことを特徴とする角膜上皮の修復促進用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角膜上皮細胞増殖促進剤及び角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤及び角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、並びに角膜上皮の修復促進剤及び角膜上皮の修復促進用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
角膜は、表面側から上皮、実質、内皮の三層に分けられる。上皮は外気にさらされており、角膜を外界から守るバリアとしての働きと、酸素を取り入れる働きを有する。
【0003】
人間の眼の角膜は、傷ついて角膜上皮が失われた場合は、角膜輪部から供給された角膜上皮細胞が増殖して速やかに治癒することが知られている。そのため、角膜上皮細胞の増殖を促進することができれば、角膜障害等の眼疾患の予防や治療に有用と考えられる。
【0004】
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン及びグリシンの3つのアミノ酸からなるトリペプチドであり、細胞内の主要なシステイン残基を有する化合物である。細胞内におけるグルタチオンは、ラジカルの捕捉、酸化還元による細胞機能の調節、異物代謝、各種酵素のSH供与体としての機能を果たすものであり、活性酸素等に対する抗酸化成分としても知られている。その作用発現は、システイン残基に由来すると考えられている。しかしながら、過剰な酸化ストレスや異物の付加、加齢などにより、細胞内のグルタチオン量が欠乏または低下することが報告されており、このことが細胞の酸化ストレスに対する防御能を低下させ、細胞のDNA及びタンパク質等の構成成分にダメージを与える一因であると考えられている。
【0005】
このような、細胞内のグルタチオン量の低下または欠乏が病態と関連することが知られている。すなわち、グルタチオンの産生を促進することは、細胞の酸化ストレスに対する防御能を高め、細胞内のグルタチオン量が低下または欠乏することに起因する疾患群を予防又は治療することができると考えられる。角膜においてもグルタチオンは重要な役割を担っており、角膜中のグルタチオン量の低下は角膜機能の低下を示すことが知られている。実験的に発症させた角膜障害(卵白アルブミンによるアレルギー性角膜炎、農薬による眼障害、放射線性角膜炎)において角膜中のグルタチオン量の低下と角膜障害の程度に関係があることが明らかとなっており、グルタチオン量の回復により、角膜障害を軽減させたり、回復を促進したりすることができると考えられる。
グルタチオン産生促進作用を有するものとして、琥珀熱水抽出物(例えば、特許文献1参照)などが知られている。
【0006】
しかしながら、角膜上皮細胞増殖促進作用、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用、及び角膜上皮の修復促進作用の少なくともいずれかの作用を有し、かつ安全性が高く、そのため、飲食品、医薬品、化粧料、研究用試薬などの成分として広く利用が可能な新たな素材に対する要望は依然として強く、その速やかな開発が求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-235551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた角膜上皮細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い角膜上皮細胞増殖促進剤及び角膜上皮細胞増殖促進用組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、優れた角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用を有し、かつ安全性が高い角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤及び角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、優れた角膜上皮の修復促進作用を有し、かつ安全性が高い角膜上皮の修復促進剤及び角膜上皮の修復促進用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物が、優れた角膜上皮細胞増殖促進作用、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用、及び角膜上皮の修復促進作用を有し、かつ安全性が高く、角膜上皮細胞増殖促進、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進、及び角膜上皮の修復促進に有用であることを知見した。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0010】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を含むことを特徴とする角膜上皮細胞増殖促進剤である。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
<2> 前記<1>に記載の角膜上皮細胞増殖促進剤を含むことを特徴とする角膜上皮細胞増殖促進用組成物である。
<3> 下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を含むことを特徴とする角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤である。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
<4> 前記<3>に記載の角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤を含むことを特徴とする角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物である。
<5> 下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を含むことを特徴とする角膜上皮の修復促進剤である。
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
<6> 前記<5>に記載の角膜上皮の修復促進剤を含むことを特徴とする角膜上皮の修復促進用組成物である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の角膜上皮細胞増殖促進剤及び角膜上皮細胞増殖促進用組成物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れた角膜上皮細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い角膜上皮細胞増殖促進剤及び角膜上皮細胞増殖促進用組成物を提供することができる。
本発明の角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤及び角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れた角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用を有し、かつ安全性が高い角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤及び角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物を提供することができる。
本発明の角膜上皮の修復促進剤及び角膜上皮の修復促進用組成物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れた角膜上皮の修復促進作用を有し、かつ安全性が高い角膜上皮の修復促進剤及び角膜上皮の修復促進用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤)
本発明の角膜上皮細胞増殖促進剤は、下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分として含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明の角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤は、下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分として含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明の角膜上皮の修復促進剤は、下記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種を有効成分として含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【0013】
前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物が、角膜上皮細胞増殖促進作用、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用、及び角膜上皮の修復促進作用の少なくともいずれかの優れた作用を有し、角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、又は角膜上皮の修復促進剤として有用であることは、従来は全く知られておらず、本発明者らによる新たな知見である。
本明細書において、角膜上皮の修復促進作用とは、損傷を受けた角膜上皮の修復を促進することをいう。なお、修復の程度としては、完全に修復するものだけではなく、一部を修復するものも含まれる。
【0014】
<構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物>
下記構造式(1)で表される化合物の名称は、3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(英名:3-(4-Hydroxy-3-methoxyphenyl)propionic acid)(以下、「HMPA」と称することがある。)である。
【化21】
【0015】
下記構造式(2)で表される化合物の名称は、3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸(英名:3,4-Dihydroxyhydrocinnamic acid)である。
【化22】
【0016】
下記構造式(3)で表される化合物の名称は、3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(英名:3-(4-Hydroxyphenyl)propionic acid)である。
【化23】
【0017】
下記構造式(4)で表される化合物の名称は、3-フェニルプロピオン酸(英名:3-Phenylpropionic acid)である。
【化24】
【0018】
前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物は、いずれも公知の化合物であり、市販品を用いてもよいし、植物等から抽出したものを用いることもできる。
【0019】
前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物は、抱合体の態様であってもよい。前記抱合体を形成する水溶性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸、グルクロン酸、グルタチオン、アミノ酸などが挙げられる。前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物と、前記水溶性物質との結合モル比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0020】
前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物は、いずれか1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】
本発明の角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤における前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の合計含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤は、前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の少なくとも1種のみからなるものであってもよい。
前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤が、前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物のうち2種以上を含有する場合における各化合物の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0022】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤の利用形態に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料、美白剤、保湿剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、皮膚栄養剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記その他の成分の前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0024】
<用途>
前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬品、医薬部外品、飲食品、化粧品などが挙げられる。
前記角膜上皮細胞増殖促進剤は、優れた角膜上皮細胞増殖促進作用を有し、安全性が高いので、例えば、後述する角膜上皮細胞増殖促進用組成物の有効成分として好適に用いることができる。
前記角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤は、優れた角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用を有し、安全性が高いので、例えば、後述する角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物の有効成分として好適に用いることができる。
前記角膜上皮の修復促進剤は、優れた角膜上皮の修復促進作用を有し、安全性が高いので、例えば、後述する角膜上皮の修復促進用組成物の有効成分として好適に用いることができる。
【0025】
本発明の角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、その作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することもできる。
【0026】
前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤の用法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口、非経口、外用などの用法が挙げられる。
【0027】
前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤の使用部位、用法、及び剤型としては、その使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0028】
前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤型に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。
前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤は、他の組成物(例えば、後述する角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、角膜上皮の修復促進用組成物等)に配合して使用することができるほか、注射剤、点滴剤、坐剤等の非経口投与剤や、軟膏剤、点眼剤、外用液剤、貼付剤などとして使用することもできる。
【0029】
前記角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤の使用量、使用期間、使用間隔等の使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0030】
また、本発明の角膜上皮細胞増殖促進剤は角膜上皮細胞増殖促進作用、本発明の角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤は角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用、本発明の角膜上皮の修復促進剤は角膜上皮の修復促進作用の作用機構に関する研究のための試薬としても用いることができる。
【0031】
(角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物)
本発明の角膜上皮細胞増殖促進用組成物は、本発明の角膜上皮細胞増殖促進剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
本発明の角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物は、本発明の角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
本発明の角膜上皮の修復促進用組成物は、本発明の角膜上皮の修復促進剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
【0032】
<角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤>
前記角膜上皮細胞増殖促進剤は、上述した本発明の角膜上皮細胞増殖促進剤である。
前記角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤は、上述した本発明の角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤である。
前記角膜上皮の修復促進剤は、上述した本発明の角膜上皮の修復促進剤である。
【0033】
前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物における前記角膜上皮細胞増殖促進剤の含有量としては、特に制限はなく、前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物の形態などによって適宜調整することができるが、前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の合計量に換算して、0.0001質量%~20質量%が好ましく、0.0001質量%~10質量%がより好ましい。前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物は、前記角膜上皮細胞増殖促進剤のみからなるものであってもよい。
【0034】
前記角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物における前記角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤の含有量としては、特に制限はなく、前記角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物の形態などによって適宜調整することができるが、前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の合計量に換算して、0.0001質量%~20質量%が好ましく、0.0001質量%~10質量%がより好ましい。前記角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物は、前記角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤のみからなるものであってもよい。
【0035】
前記角膜上皮の修復促進用組成物における前記角膜上皮の修復促進剤の含有量としては、特に制限はなく、前記角膜上皮の修復促進用組成物の形態などによって適宜調整することができるが、前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の合計量に換算して、0.0001質量%~20質量%が好ましく、0.0001質量%~10質量%がより好ましい。前記角膜上皮の修復促進用組成物は、前記角膜上皮の修復促進剤のみからなるものであってもよい。
【0036】
<その他の成分>
前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物におけるその他の成分としては、特に制限はなく、前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物の利用形態に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した角膜上皮細胞増殖促進剤、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤、及び角膜上皮の修復促進剤の項目に記載したその他の成分と同様のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記その他の成分の前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0038】
<態様>
前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬品、医薬部外品、飲食品、化粧品などが挙げられる。
本発明の角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物は、日常的に使用することが可能であり、有効成分である前記構造式(1)~(4)のいずれかで表される化合物の働きによって、角膜上皮細胞増殖促進作用、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用、及び角膜上皮の修復促進作用をはじめとする様々な生理活性作用を極めて効果的に発揮させることができる。
【0039】
本発明の角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することもできる。
【0040】
本発明の角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物の用法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口、非経口、外用などの用法が挙げられる。
【0041】
前記外用の組成物としては、その区分に制限はなく、医薬部外品、医薬品、皮膚化粧料などを幅広く含むものである。
前記外用の組成物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、軟膏、点眼用液、洗眼用液、化粧水、乳液、クリーム、美容液、ローション、ジェル、美容オイル、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、ファンデーション、入浴剤、石鹸、ボディーソープ、アストリンゼント、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ポマード、シャンプー、リンス、コンディショナーなどが挙げられる。
前記外用の組成物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0042】
前記経口用の組成物としては、例えば、上述した経口投与剤や飲食品が挙げられる。ここで、飲食品とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品などの区分に制限されるものではない。したがって、前記飲食品は、経口的に摂取される一般食品、健康食品(機能性飲食品)、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、医薬部外品、医薬品等を構成する飲食品を幅広く含むものを意味する。
【0043】
前記経口用の組成物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、茶飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、コーヒー入り清涼飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;サラダ、漬物等の惣菜;種々の形態の健康・美容・栄養補助食品;錠剤、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、エキス剤、シロップ剤、ドリンク剤、トローチ、うがい薬等の医薬品、医薬部外品;口中清涼剤、口臭防止剤等の口腔内で使用する口腔清涼剤、歯磨剤などが挙げられる。
【0044】
前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物の製造方法としては、特に制限はなく、前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
【0045】
前記角膜上皮細胞増殖促進用組成物、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物、及び角膜上皮の修復促進用組成物の使用量、使用期間、使用間隔等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0046】
上述したように、本発明の角膜上皮細胞増殖促進剤及び角膜上皮細胞増殖促進用組成物は、優れた角膜上皮細胞増殖促進作用を有する。
したがって、本発明は、個体に前記角膜上皮細胞増殖促進剤及び角膜上皮細胞増殖促進用組成物からなる群から選択される少なくとも1種を投与することを特徴とする角膜上皮細胞増殖促進方法にも関する。
【0047】
上述したように、本発明の角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤及び角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物は、角膜上皮細胞における優れたグルタチオン産生促進作用を有する。
したがって、本発明は、個体に前記角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進剤及び角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進用組成物からなる群から選択される少なくとも1種を投与することを特徴とする角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進方法にも関する。
【0048】
上述したように、本発明の角膜上皮の修復促進剤及び角膜上皮の修復促進用組成物は、角膜上皮の修復促進作用を有する。
したがって、本発明は、個体に前記角膜上皮の修復促進剤及び角膜上皮の修復促進用組成物からなる群から選択される少なくとも1種を投与することを特徴とする角膜上皮の修復促進方法にも関する。
【実施例0049】
以下、本発明の試験例、配合例を説明するが、本発明は、これらの試験例、配合例に何ら限定されるものではない。
【0050】
(被験試料)
後述の試験例で用いる被験試料として、下記のものを用意した。
(1) 前記構造式(1)で表される化合物(東京化成工業製)
(2) 前記構造式(1)で表される化合物の硫酸抱合体(Toronto Research Chemicals製)
(3) 前記構造式(1)で表される化合物のグルクロン酸抱合体(Toronto Research Chemicals製)
(4) 前記構造式(2)で表される化合物(Sigma-Aldrich製)
(5) 前記構造式(3)で表される化合物(Sigma-Aldrich製)
(6) 前記構造式(4)で表される化合物(東京化成工業製)
【0051】
(試験例1:角膜上皮細胞増殖促進作用試験)
上記した被験試料を用い、下記の試験方法により、角膜上皮細胞増殖促進作用を試験した。
【0052】
正常ヒト角膜上皮細胞(HCEC)を、増殖培地(OcuLife Comp Kit;クラボウ)を用いて培養した後、トリプシン処理にて細胞を回収した。回収した細胞を6.0×10cells/mLの細胞密度になるように増殖培地で希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、被験試料(最終濃度は下記表1を参照)を添加した増殖培地または試料無添加の増殖培地を各ウェルに100μL添加し、3日間培養した。
角膜上皮細胞増殖促進作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。前記3日間培養後、培地を除去し、終濃度0.4mg/mLでPBS緩衝液に溶解したMTTを各ウェルに100μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2-プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。
得られた結果から、下記式により角膜上皮細胞増殖促進率(%)を算出した。結果を表1に示す。
角膜上皮細胞増殖促進率(%)=A/B×100
上記式中のA~Bは、それぞれ以下を表す。
A : 被験試料を添加した細胞でのブルーホルマザン生成量
B : 試料無添加の細胞でのブルーホルマザン生成量
【0053】
【表1】
【0054】
表1の結果から、上記した被験試料が、優れた角膜上皮細胞増殖促進作用を示すことが確認された。
【0055】
(試験例2:角膜上皮細胞を用いたグルタチオン産生促進作用試験)
上記した被験試料を用い、下記の試験方法により、角膜上皮細胞におけるグルタチオン産生促進作用を試験した。
【0056】
正常ヒト角膜上皮細胞(HCEC)を、増殖培地(OcuLife Comp Kit;クラボウ)を用いて前培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を5.0×10cells/mLの細胞密度になるように増殖培地で希釈した後、コラーゲンコートした48ウェルプレートに1ウェル当たり200μLずつ播種し、48時間培養した。
培養後、培地を除去し、増殖培地に溶解した被験試料(最終濃度は下記表2を参照)を各ウェルに200μL添加し、24時間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の増殖培地を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルから培地を除去し、300μLのPBS(-)緩衝液にて洗浄後、150μLのM-PER(PIERCE社製)を使用して細胞を溶解した。
このうちの100μLを使用して総グルタチオンの定量を行った。すなわち、96ウェルプレートに溶解した細胞抽出液100μL、0.1mol/Lリン酸緩衝液50μL、2mmol/L NADPH25μL及びグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5unit/mL)を加え37℃で10分間加温した後、10mMの5,5’-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)25μLを加え、5分後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は、酸化型グルタチオン(和光純薬社製)を使用して作成した検量線をもとに算出した。
得られた値を総タンパク量当たりのグルタチオン量に補正した後、下記式によりグルタチオン産生促進率(%)を算出した。結果を表2に示す。
グルタチオン産生促進率(%)=A/B×100
上記式中のA~Bは、それぞれ以下を表す。
A : 被験試料を添加した細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量
B : 試料無添加の細胞中における総タンパク量当たりのグルタチオン量
【0057】
【表2】
【0058】
表2の結果から、上記した被験試料が、角膜上皮細胞における優れたグルタチオン産生促進作用を示すことが確認された。
【0059】
(配合例1)
常法により、以下の組成を有する錠剤を製造した。
・ 前記構造式(1)で表される化合物 5.0mg
・ ドロマイト 83.4mg
(カルシウム20%、マグネシウム10%含有)
・ カゼインホスホペプチド 16.7mg
・ ビタミンC 33.4mg
・ マルチトール 136.8mg
・ コラーゲン 12.7mg
・ ショ糖脂肪酸エステル 12.0mg
【0060】
(配合例2)
常法により、以下の組成を有する経口液状製剤を製造した。
<1アンプル(1本100mL)中の組成>
・ 前記構造式(2)で表される化合物 0.3質量%
・ ソルビット 12.0質量%
・ 安息香酸ナトリウム 0.1質量%
・ 香料 1.0質量%
・ 硫酸カルシウム 0.5質量%
・ 精製水 残部
【0061】
(配合例3)
常法により、以下の組成を有するコーヒー飲料を製造した。
・ 前記構造式(3)で表される化合物 0.1質量%
・ コーヒー抽出液(L(明度)=20、Brix=3) 40.0質量%
・ マルチトール 2.0質量%
・ 香料 適量
・ 水 残部
【0062】
(配合例4)
常法により、以下の組成を有するカプセル剤を製造した。なお、カプセルとしては、1号ハードゼラチンカプセルを使用した。
<1カプセル(1錠200mg)中の組成>
・ 前記構造式(4)で表される化合物 30.0mg
・ コーンスターチ 70.0mg
・ 乳糖 80.0mg
・ 乳酸カルシウム 10.0mg
・ ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L) 10.0mg
【0063】
(配合例5)
常法により、以下の組成を有する点眼剤を製造した。
・ 前記構造式(1)で表される化合物 1.0質量%
・ フマル酸ケトチフェン 0.7質量%
・ アズレンスルホン酸ナトリウム 0.2質量%
・ クロモグリク酸ナトリウム 9.8質量%
・ L-アスパラギン酸カリウム 8.5質量%
・ アラントイン 3.0質量%
・ 塩酸テトラヒドロゾリン 0.5質量%
・ メチル硫酸ネオスチグミン 0.05質量%
・ 塩化ベンザルコニウム液 0.1質量%
・ グリセリン 25.0質量%
・ pH調節剤 適量
・ 精製水 残部