(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023151685
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】システムバランス変動及びその予兆の表示方法、当該方法を用いた情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20231005BHJP
G06F 11/32 20060101ALI20231005BHJP
G06F 11/07 20060101ALN20231005BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
G05B23/02 301Q
G06F11/32 140
G06F11/07 190
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061434
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】鍛冶 良作
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 匠
(72)【発明者】
【氏名】河合 洋明
(72)【発明者】
【氏名】大川 慶直
(72)【発明者】
【氏名】関 健一
(72)【発明者】
【氏名】土田 崇
(72)【発明者】
【氏名】泉 敬介
(72)【発明者】
【氏名】中島 栄一
【テーマコード(参考)】
3C223
5B042
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA02
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EA01
3C223EA09
3C223EB01
3C223EB07
3C223FF02
3C223FF03
3C223FF12
3C223FF13
3C223FF42
3C223FF52
3C223GG01
3C223HH03
3C223HH15
3C223HH17
3C223HH29
5B042JJ06
5B042KK15
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC08
5B042MC35
(57)【要約】
【課題】システムバランスの変動およびその予兆の表示を的確に行うことが可能な、システムバランス変動表示方法、当該方法を用いた情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】システムバランスの変動及びその予兆を表示する方法に用いる情報処理装置1であって、情報処理装置1は、システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出し、各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出し、割合を算出した各項目に色を割り当て、各日時について、各項目の貢献度を、前記算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示させる制御手段11を有する構成とした。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムバランスの変動及びその予兆を表示する方法において、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出するステップと、
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出するステップと、
割合を算出した各項目に色を割り当てるステップと、
各日時について、各項目の貢献度を、前記算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示するステップを有することを特徴とする、方法。
【請求項2】
システムバランスの変動およびその予兆を表示する方法において、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出するステップと、
各項目を縦軸上に並べ、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、貢献度の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示するステップを有することを特徴とする、方法。
【請求項3】
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各日時について各項目の貢献度の割合を算出するステップと、
各項目を縦軸上に並べ、前記算出された「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、貢献度の割合の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示するステップを有することを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
システムバランスの変動及びその予兆を表示する方法に用いる情報処理装置であって、
当該情報処理装置は、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出し、
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出し、
割合を算出した各項目に色を割り当て、
各日時について、各項目の貢献度を、前記算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示させる制御手段を有することを特徴とする、情報処理装置。
【請求項5】
システムバランスの変動及びその予兆を抽出する方法に用い、制御手段を有する情報処理装置を動作させるプログラムであって、
当該プログラムは、前記情報処理装置の前記制御手段に、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出させ、
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出させ、
割合を算出した各項目に色を割り当てさせ、
各日時について、各項目の貢献度を、前記算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示させることを特徴とする、プログラム。
【請求項6】
システムバランスの変動及びその予兆を抽出する方法に用いる情報処理装置であって、
当該情報処理装置は、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出し、
各項目を縦軸上に並べ、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、貢献度の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示させる制御手段を有することを特徴とする、情報処理装置。
【請求項7】
システムバランスの変動及びその予兆を抽出する方法に用い、制御手段を有する情報処理装置を動作させるプログラムであって、
当該プログラムは、前記情報処理装置の前記制御手段に、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出させ、
各項目を縦軸上に並べ、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、貢献度の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示させることを特徴とする、プログラム。
【請求項8】
前記制御手段が、各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各日時について各項目の貢献度の割合を算出し、
各項目を縦軸上に並べ、前記算出された「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、貢献度の割合の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示させることを特徴とする、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プログラムが、前記情報処理装置の前記制御手段に、
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各日時について各項目の貢献度の割合を算出させ、
各項目を縦軸上に並べ、前記算出された「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、貢献度の割合の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示させることを特徴とする、請求項7に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の変数の相関性を考慮した距離「マハラノビス距離」を用いて、対象の正常状態と異常状態を判別する多変量解析手法「MT法」を使用する、システムバランス変動表示方法、当該方法を用いた情報処理装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の変数の相関性を考慮した距離「マハラノビス距離」を用いて対象の正常状態と異常状態を判別する多変量解析手法「MT法」おいては、まず、基準空間データの各項目間の相関係数に係る相関係数行列を作成して、前記基準空間の相関係数行列の逆行列を使って、対象空間に係るマハラノビス距離DMを算出する。それにより、基準空間に対する対象空間の状態変化を把握する。
【0003】
なお、実数データを使用したマハラノビス距離DMの算出方法については、例えば、技術文献「試して究める!品質工学 MTシステム解析法入門」(日刊工業新聞社、2012年5月30日初版発行)、複素数データを使用したマハラノビス距離DMの算出方法については、例えば、特許文献「複数の変数を有するシステムの状態解析診断方法、及び当該方法を用いた情報処理装置」(特願2020-045873)の発行等に基づき、既知であるため、ここでは説明を割愛する。
【0004】
近年、このマハラノビス距離DMを用いて監視対象物の異常の有無を判定する方法や装置が多数開発されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、基板(ウェハ)が格納される格納容器であるポッドから、基板保持具であるボートへ基板を移載する基板移載機や基板移載機上の基板と、基板保持具や基板保持具上の基板とが互いに接触したことを、マハラノビス距離DMを用いて、高精度に検出することで、故障状態の前の軽微な異常を検出することができる基板処理装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献2では、生産設備の状態を示す複数の項目からなる項目群に基づいてマハラノビス距離DMを算出し、このマハラノビス距離DMと閾値とを比較して生産設備の異常の有無を判定し、生産設備の状態を示す項目が多数ある場合であっても、生産設備の診断を容易に行うことができる生産設備異常診断システムの構成が開示されている。
【0007】
また、特許文献3では、起動運転期間、定格速度運転期間と、運転状態が異なるそれぞれにおいて、対応する期間内で取得した状態量に基づき異なる単位空間を作成し、マハラノビス距離DMを算出する際に、また、求めたマハラノビス距離DMに基づいてプラントが正常であるか否かを判定する際に、評価時における期間が起動運転期間か定格速度運転期間かによって二つの単位空間のいずれかを選択し、マハラノビス距離DMを求め、正常か異常かを判定するプラントの状態を監視する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
これら特許文献1~3はいずれも、基準空間を適切に設定するための「時間軸の工夫」を示したものであり、設備・システムの正常/異常の診断を実現している。
【0012】
一方で、近年、正常/異常の判定に係る分析方法では、その判断経緯・根拠がブラックボックス化されている場合が多く、判断経緯・根拠の透明化が求められている状況にある。これは説明可能性が担保された人工知能(Explainable AI:XAI)とも呼ばれている。MT法では、マハラノビス距離DMと閾値を比較する等して、異常や事故が検出された際に、どの項目の影響が強いのか、どの項目がマハラノビス距離DMの増大に寄与しているのかを示す「貢献度」という概念があり、この「貢献度」を用いて、正常/異常の判断経緯・根拠の透明化が期待されている。この「貢献度」については、前述の技術文献「試して究める!品質工学MTシステム解析法入門」にあるように、以下の手順で算出する。
【0013】
システムから得られるN項目全てでマハラノビス距離DMを求める。次に、一つ項目を抜いて、N-1項目でマハラノビス距離DMを求める。そして、「N項目全てで算出されるマハラノビス距離DM」と「一つ項目を抜いた、N-1項目に係るマハラノビス距離DM」の差分を算出する。この差分が、当該項目(抜いた一つの項目)に係るマハラノビス距離DMへの「貢献度」となる。これらの手順を各項目について行うことで、各項目に係るマハラノビス距離DMへの「貢献度」が算出される。以降で「貢献度」と表現する時は、「マハラノビス距離DMへの貢献度」を示すものとする。
【0014】
従来から、専門家等のユーザは、以下の通り、この「貢献度」を用いて、事故や異常を分析し、事故や異常を起こした要因を把握しようと努めていた。
【0015】
図7に示すように、各日時の各項目に係る貢献度を積み上げて表示した貢献度スタック図を作成する。この貢献度スタック図の縦軸は、貢献度の値であり、横軸は、日時である。異常や事故が発生している日時は、他の日時と比べて、貢献度スタックが高くなるため、異常や事故が発生している日時を特定できる。PC等の情報処理装置のディスプレイ上に表示された貢献度スタック図は、注目日時(図では、5月1日18:00)のスタックに、カーソルを合わせると、円グラフが表示される。専門家等のユーザは、この円グラフから、当該日時の貢献度の比率(内訳)を把握することができる。そのため、ユーザは、カーソルをずらして連続的に見ていくことで、日時毎の貢献度の比率の推移を把握していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、上述した要因分析を行うための貢献度スタックを得るためには、適切な項目を選出する必要があり、相当な熟練と経験を積んだユーザでさえも、試行錯誤を必要とし、独自の経験に基づいて正解と判断するまで項目選択をやり直す必要があった。この過程で幾通りものMT分析結果を相互に比較する必要があり、全ての上述した円グラフの時系列変化を記憶に留めておくことは困難で、作業の長期化、断念が避けられなかった。
【0017】
このため、貢献度分析の結果をマハラノビス距離DMの値の高い部分に利用することしか視点が向かず、マハラノビス距離DMの値が小さくて拡大しない限りは確認不可能である期間については、貢献度の推移を利用して事故や異常の予兆、あるいはシステムバランスの変動を見出すという発想に至らない場合がほとんどであった。
【0018】
そこでこの発明は、上記問題点に対処するため、システムバランスの変動及びその予兆の表示を的確に行うことが可能な、システムバランス変動及びその予兆の表示方法、当該方法を用いた情報処理装置及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
システムバランスの変動及びその予兆を表示する方法において、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出するステップと、
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出するステップと、
割合を算出した各項目に色を割り当てるステップと、
各日時について、各項目の貢献度を、前記算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示するステップを有する、方法とした。
【0020】
また、請求項2に係る発明は、
システムバランスの変動およびその予兆を表示する方法において、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出するステップと、
各項目を縦軸上に並べ、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、貢献度の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示するステップを有する、方法とした。
【0021】
また、請求項3に係る発明は、
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各日時について各項目の貢献度の割合を算出するステップと、
各項目を縦軸上に並べ、前記算出された「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、貢献度の割合の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示するステップを有する、請求項2記載の方法とした。
【0022】
また、請求項4に係る発明は、
システムバランスの変動及びその予兆を表示する方法に用いる情報処理装置であって、
当該情報処理装置は、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出し、
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出し、
割合を算出した各項目に色を割り当て、
各日時について、各項目の貢献度を、前記算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示させる制御手段を有する、情報処理装置とした。
【0023】
また、請求項5に係る発明は、
システムバランスの変動及びその予兆を抽出する方法に用い、制御手段を有する情報処理装置を動作させるプログラムであって、
当該プログラムは、前記情報処理装置の前記制御手段に、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出させ、
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出させ、
割合を算出した各項目に色を割り当てさせ、
各日時について、各項目の貢献度を、前記算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示させる、プログラムとした。
【0024】
また、請求項6に係る発明は、
システムバランスの変動及びその予兆を抽出する方法に用いる情報処理装置であって、
当該情報処理装置は、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出し、
各項目を縦軸上に並べ、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、貢献度の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示させる制御手段を有する、情報処理装置とした。
【0025】
また、請求項7に係る発明は、
システムバランスの変動及びその予兆を抽出する方法に用い、制御手段を有する情報処理装置を動作させるプログラムであって、
当該プログラムは、前記情報処理装置の前記制御手段に、
システムから得られるN項目の時系列データを使用して貢献度を算出させ、
各項目を縦軸上に並べ、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、貢献度の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示させる、プログラムとした。
【0026】
また、請求項8に係る発明は、
前記制御手段が、各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各日時について各項目の貢献度の割合を算出し、
各項目を縦軸上に並べ、前記算出された「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、貢献度の割合の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示させる、請求項6に記載の情報処理装置とした。
【0027】
また、請求項9に係る発明は、
前記プログラムが、前記情報処理装置の前記制御手段に、
各日時について、算出された各項目に係る前記貢献度を、全ての項目に係る前記貢献度の合算値で除して、各日時について各項目の貢献度の割合を算出させ、
各項目を縦軸上に並べ、前記算出された「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、貢献度の割合の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示させる、請求項7に記載のプログラムとした。
【発明の効果】
【0028】
この発明では、貢献度スタックを10割で表示させることにより、貢献度スタックでは値が小さくて拡大しない限りは確認不可能であった日時毎の貢献度の比率や推移(=貢献度の比率の時系列的な変化が分かる)を確認することができる。同時に、各項目の貢献度の比率の変化点も確認することができ、その結果、システムバランスの変動およびその予兆を捉えることができる。
【0029】
この発明では、予兆項目を抽出し、予兆項目抽出図として表示させることで、各項目に係る情報が融合して表示され、気付きや違和感(矛盾)の視覚化・可視化が可能となる。上記のように情報をインプットとし、情報以上のものを創出する場を「情報触媒」と定義する。予兆項目抽出図は情報触媒として作用する。さらに、各項目を機能毎にまとめて表示させることにより情報触媒効果を促進させ、異常要因とそのメカニズム・ロジックを組み立てる際の視覚的な気付き(矛盾)を誘発させる。また、あたかも実システムを見ているかのように、状態の俯瞰的な把握を促進させる。更に、俯瞰的に把握させることにより、個別の課題のみならず、システム間に跨る課題や矛盾の発見を誘発させる。また、想定外の異常の予兆を捉えることや、新たな事象の発見につながる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】この発明の実施の形態例1の各日時のマハラノビス距離に対する各項目の貢献度を積み上げて、時系列で示した貢献度スタック図である。
【
図2】この発明の実施の形態例1の各日時のマハラノビス距離に対する各項目の貢献度を積み上げて、積み上げた貢献度を10割の割合の中で表示した貢献度スタックの10割表示図である。
【
図3】この発明の実施の形態例1の各日時のマハラノビス距離に対する各項目の貢献度を積み上げて、時系列で示した貢献度スタック図から作成した予兆項目抽出図である。
【
図4】この発明の実施の形態例1の各日時のマハラノビス距離に対する各項目の貢献度を積み上げて、時系列で示した貢献度スタック10割表示図から作成した予兆項目抽出図である。
【
図5】
図1と同図から作成される
図3を時間軸を合わせて縦に並べ、左側に配置し、
図2と同図から作成される
図4を時間軸を合わせて縦に並べ、右側に配置した比較図である。
【
図6】この発明の方法を実現するための情報処理装置の概略図である。
【
図7】各日時のマハラノビス距離に対する各項目の貢献度を積み上げて、時系列で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<実施の形態例1>
以下、添付図面を参照してこの発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。ただし、この実施の形態例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、後述する
図1及び
図5の一部では各項目の貢献度を積み上げて表示した貢献度スタック図が示されているが、説明の便宜上、貢献度を300までで区切って示しており、必ずしも各項目の貢献度の最大値が示されているわけではない。
【0032】
<マハラノビス距離DMの算出>
複数の変数の相関性を考慮した距離「マハラノビス距離」を用いて、対象の正常状態と異常状態を判別する多変量解析手法「MT法」においては、まず、基準空間データの各項目間の相関係数に係る相関係数行列を作成して、前記基準空間の「相関係数行列の逆行列」を使って、対象空間に係るマハラノビス距離DMを算出する。それにより、基準空間に対する対象空間の状態変化を把握する。
【0033】
なお、実数データを使用したマハラノビス距離DMの算出方法については、例えば、技術文献「試して究める!品質工学MTシステム解析法入門」(日刊工業新聞社、2012年5月30日初版発行)、複素数データを使用したマハラノビス距離DMの算出方法については、例えば、特許文献「複数の変数を有するシステムの状態解析診断方法、及び当該方法を用いた情報処理装置」(特願2020-045873)の発行等に基づき、既知であるため、ここでは説明を割愛する。
【0034】
MT法が適切に効果を発揮するためには、「基準空間の設定」(=捉えたい事故や異常の予兆に対して、如何に普通の状態のデータを選別するか)が肝要である。なお、基準空間の設定は、対象とするデータの期間(時間軸)とデータ項目(計測・取得している各種のデータの項目)を選定することである。
【0035】
<各項目の貢献度の算出>
マハラノビス距離DMと閾値を比較する等して、異常が検出された際に、どの項目の影響が強いのか、どの項目がマハラノビス距離DMの増大に寄与しているのかを示す「貢献度」については、以下の手順で算出する。
【0036】
システムから得られるN項目でマハラノビス距離DMを求める。次に、一つの項目を抜いて、N-1項目でマハラノビス距離DMを求める。そして、「N項目で算出したマハラノビス距離DM」と「一つの項目を抜いた、N-1項目に係るマハラノビス距離DM」の差分を算出する。この差分が、当該項目(抜いた一つの項目)に係る「貢献度」となる。これらの手順を各項目について行うことで、各項目に係る「貢献度」が算出される。なお、「N」は、特定の数を示したものではなく、マハラノビス距離DMを算出するために使用した項目の数を示している。
【0037】
<貢献度スタックの10割表示>
各日時について、算出された各項目に係る貢献度を、全ての項目に係る貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出する。また、各項目に色を割り当てる。そして、各日時について、各項目の貢献度を、算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示する。詳しくは例えば、割り当てられた色で全ての項目分縦軸方向に積み上げ10割を示す一本の棒グラフとし、前記一本の棒グラフを日時順に横軸に連結して表示する。これらのステップ(手順)を進めることにより、貢献度スタックは10割表示される。
【0038】
図1は、従来からある、各項目の貢献度を積み上げ、時系列で表示した「貢献度スタック図」である。この貢献度スタック図の縦軸は、貢献度の値であり、横軸は、日時である。一方、
図2は、貢献度スタックを10割で表示した貢献度スタックの10割表示図である。
【0039】
即ち、「貢献度スタックの10割表示」は、従来の「貢献度スタック表示」では値が小さくて拡大しない限りは確認不可能であった日時毎の貢献度の比率や推移を明確に表示させたものである。
【0040】
上記により、各項目の貢献度の比率の変化点を確認することができ、その結果、システムバランスの変動および予兆を捉えることができる。更に、基準空間の区分けの目途を立てることもできる。つまり、10割表示図は、適切な基準空間作成の判断材料になる。更に、貢献度が小さな領域において、主要な項目の推移を確認することができる。
【0041】
<予兆項目抽出表示>
各項目を縦軸上に並べ、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、貢献度の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示する。詳しくは例えば、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、例えば小さな値を青、大きな値を赤、その間の値を緑というように、グラデーションを用いた色付けをして横軸上に並べて横長のボックスとし、前記各項目のボックスを縦方向に同一の面積で並べて、同時刻の項目間の差異が縦のラインの色彩変化で目視できるように表示する。これらのステップ(手順)を進めることにより、貢献度の中で、異常の予兆を示す項目が抽出して表示される。
図3は、貢献度スタック図から作成した予兆項目抽出図である。
【0042】
一方、各日時について、算出された各項目に係る貢献度を、全ての項目に係る貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出する。そして、各項目を縦軸上に並べ、前記算出された「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、貢献度の割合の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示する。詳しくは例えば、「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、例えば小さな値を青、大きな値を赤、その間の値を緑というように、グラデーションを用いた色付けをして横軸上に並べて横長のボックスとし、前記「各項目のボックス」を縦方向に同一の面積で並べて、同時刻の項目間の差異が縦のラインの色彩変化で目視できるように表示する。これらのステップ(手順)を進めることにより、事故や異常の予兆を示す項目が抽出して表示される。
図4は、貢献度スタック10割表示図から作成した予兆項目抽出図である。
【0043】
図3は全体的な経時変化、システムのバランスの推移する様子がわかる。
図4は左側貢献度の小さい期間における予兆情報等が得られる。また、例えば時間軸の前半(左側)では貢献度の大きなエリア(時間x項目)が右下に移っていき、6/10の縦の太い赤ラインでシステムが停止した様子が見える。
【0044】
この時の項目を右端から読み取ると、「木質チップ供給量」から「流動層温度」、「缶水pH」、「排気圧力」、「缶水導電率」のような項目の遷移を把握することができる。上記のシステム停止までの推移の色合いが強調されているため、より細かな貢献度の高い項目の移り変わりを把握することができる。
【0045】
また、貢献度の強度を色で表示することにより、不要な項目(例えば、
図3及び
図4では青色で表示されている、貢献度が小さい項目)を容易に特定することができる。また、貢献度の大きな項目群の移り変わりを把握することができる。
【0046】
このように、予兆項目を抽出し、予兆項目抽出図として表示させることで、各項目に係る情報が融合して表示され、気付きや違和感(矛盾)の視覚化・可視化を可能とする。さらに、各項目を機能毎にまとめて表示させることにより情報触媒効果を促進させ(=情報を融合して表示させることにより、気づきや違和感を促進させる)、異常要因とそのメカニズム・ロジックを組み立てる際の視覚的な気付き(矛盾)を誘発させる。また、あたかも実システムを見ているかのように、状態の俯瞰的な把握を、促進させる。更に、俯瞰的に把握させることにより、個別の課題のみならず、システム間に跨る課題や矛盾の発見を誘発させる。また、想定外の異常の予兆を捉えることや、新たな事象の発見につながる。
【0047】
次に、
図3~
図5を用いて、「貢献度スタック図から作成した予兆項目抽出図」と「貢献度スタック10割表示図から作成した予兆項目抽出図」の差異について、具体的に説明する。なお、
図5は、
図1と同図から作成される
図3を時間軸を合わせて縦に並べ、左側に配置し、
図2と同図から作成される
図4を時間軸を合わせて縦に並べ、右側に配置した比較図である。
【0048】
図5左を見ると、各項目について、貢献度の大きさによって、昇順に「青→緑→赤」と、色分けされているため、システム全体のバランス状態を把握することができる。また、「青→緑」に変わっている箇所等から、各項目の変化の起点が分かる。更に、項目間の推移が分かる。また、缶水PHと缶水導電率、軸移動量と軸振動等、共通点を有する項目の変化を把握しやすい(
図5の左側の図の丸2及び丸4)。
【0049】
図5右を見ると、木質チップ供給量、缶水PH、缶水導電率、軸移動量等、貢献度の大きな項目が赤く明瞭に表示されている。また、「青→緑」に変わっている箇所等から、各項目の変化の起点がわかる。更に、缶水PHと缶水導電率、軸移動量と軸振動等、共通点を有する項目について、「青→赤」に変化し、あるいは「緑→赤」に変化し、各変化の起点が分かる。また例えば、木質チップ供給量及び缶水PHについて、4月になった位の時期に「青→赤」に変化していることが明瞭に表示され、予兆の発生状況がわかる(
図5の右側の図の丸1及び丸2)。
【0050】
図3、4を比較した結果、両図とも貢献度の大きい項目の発生期間は一致している。
【0051】
そして、貢献度スタック図から作成した予兆項目抽出図である「
図3」は、全項目のバランス変化の状況が良く表示されている。貢献度スタック10割表示図から作成した予兆項目抽出図である「
図4」は、事故や異常の予兆(期間、項目)が良く表示されている。詳しくは、予兆が出やすい項目の値が低い箇所は、貢献度スタック図から作成した予兆項目抽出図では、つぶれてしまって変化が見えない。しかし、貢献度スタック10割表示から作成した予兆項目抽出図では、各項目が拡大されているため、変化が見えるようになる。
【0052】
そのため、貢献度スタックの10割表示図や予兆項目抽出図(2種類)は、夫々単体で使用するとは限らず、各図から固有の情報が得られるため、貢献度スタック図と合わせて、
図4枚を並べて表示させて、見比べても良い。
【0053】
その上で、適宜項目を削除し、新しい項目セットでの相関係数行列を作り直し、その逆行列からマハラノビス距離D
Mを求め、貢献度を再計算し、
図4枚を見比べる。その結果、項目の削除が不適切であると感じた場合には、項目セットを元に戻す。あるいは、更に項目の削除が必要であると感じた場合には、項目を削除し、新しい項目セットでの相関係数行列を作り直し、その逆行列からマハラノビス距離D
Mを求め、貢献度を再計算し、
図4枚を見比べる。即ち、「
図4枚の見比べ」→「項目の削除」→「貢献度を計算」→「
図4枚の見比べ」といった作業手順を、適切な基準空間が得られるまで繰り返しても良い。
【0054】
<情報処理装置1の構成>
次に、システムバランスの変動及びその予兆の抽出を的確に行うことが可能な、システムバランス変動抽出方法を実現するための情報処理装置1について説明する。
【0055】
この情報処理装置1は、マハラノビス距離DMを算出し、各項目の貢献度を算出し、システムバランスの変動及びその予兆を表示する。
【0056】
次に、情報処理装置1のハードウェア構成について、
図6を参照して説明する。
図6は情報処理装置1のハードウェアを模式的に示した概念図である。
【0057】
図6において、制御手段11は、例えばCPUで実現され、後述する記憶手段12に含まれるハードディスク(HD)等に格納されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、記憶手段12に含まれるRAMにプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
【0058】
特に、制御手段11は、マハラノビス距離DMを算出する。即ち、制御手段11は、基準空間データの各項目間の相関係数に係る相関係数行列を作成して、前記基準空間の「相関係数行列の逆行列」を使って、対象空間に係るマハラノビス距離DMを算出する。
【0059】
また、制御手段11は、各項目の貢献度を算出する。即ち、制御手段11は、N項目全てでマハラノビス距離DMを求める。次に、一つ項目を抜いて、N-1項目でマハラノビス距離DMを求める。そして、「N項目すべてで算出したマハラノビス距離DM」と「一つの項目を抜いた、N-1項目に係るマハラノビス距離DM」の差分を算出する。この差分が、当該項目に係る「貢献度」となる。これらの手順を各項目について行うことで、各項目に係る「貢献度」が算出される。
【0060】
次に、制御手段11は、各日時について、算出された各項目に係る貢献度を、全ての項目に係る貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出する。また、各項目に色を割り当てる。そして、各日時について、各項目の貢献度を、算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示する。詳しくは例えば、割り当てられた色で全ての項目分縦軸方向に積み上げ10割を示す一本の棒グラフとし、前記一本の棒グラフを日時順に横軸に連結して表示手段14上に表示させる。
【0061】
あるいは、制御手段11は、各項目を縦軸上に並べ、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、貢献度の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示手段14上に表示させる。詳しくは例えば、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、例えば小さな値を青、大きな値を赤、その間の値を緑というように、グラデーションを用いた色付けをして横軸上に並べて横長のボックスとし、前記各項目のボックスを縦方向に同一の面積で並べて、同時刻の項目間の差異が縦のラインの色彩変化で目視できるように表示手段14上に表示させる。
【0062】
あるいは、制御手段11は、各日時について、算出された各項目に係る貢献度を、全ての項目に係る貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出する。そして、各項目を縦軸上に並べ、前記算出された「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、貢献度の割合の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示手段14上に表示させる。詳しくは例えば、「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、例えば小さな値を青、大きな値を赤、その間の値を緑というように、グラデーションを用いた色付けをして横軸上に並べて横長のボックスとし、前記「各項目のボックス」を縦方向に同一の面積で並べて、同時刻の項目間の差異が縦のラインの色彩変化で目視できるように表示手段14上に表示させる。
【0063】
記憶手段12は、各種情報を一時記憶するためのものであり、制御手段11の主メモリ、ワークエリア等として機能するRAMや、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種情報を記憶するROMを有している。また、大容量メモリとして機能するHDを有している。また、記憶手段12内に、マハラノビス距離DM、貢献度、10割スタック図、予兆項目抽出図等を記憶する構成としても良い。
【0064】
入力手段13は、ユーザから情報処理装置1に対する情報や命令の入力を受け付ける。例えば、キーボード、タッチパネル、ボタンである。なお、ユーザが、入力手段13を通じて、制御手段11を動作させる構成としても良い。詳しくは、例えば、制御手段11に、マハラノビス距離DMを算出させる。貢献度を算出させる。各日時について、算出された各項目に係る貢献度を、全ての項目に係る貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出させる。また、各項目に色を割り当てさせる。そして、各日時について、各項目の貢献度を、算出された貢献度の割合に基づき、前記割り当てられた色で積み上げて10割で表示させる。具体的には例えば、割り当てられた色で全ての項目分縦軸方向に積み上げ10割を示す一本の棒グラフとし、前記一本の棒グラフを日時順に横軸に連結して表示手段14上に表示させる。
【0065】
また、制御手段11に、各項目を縦軸上に並べ、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、貢献度の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示手段14上に表示させる。具体的には例えば、各項目の貢献度の大きさの時系列変化を、例えば小さな値を青、大きな値を赤、その間の値を緑というように、グラデーションを用いた色付けをして横軸上に並べて横長のボックスとし、前記各項目のボックスを縦方向に同一の面積で並べて、同時刻の項目間の差異が縦のラインの色彩変化で目視できるように表示手段14上に表示させる。
【0066】
また、制御手段11に、各日時について、算出された各項目に係る貢献度を、全ての項目に係る貢献度の合算値で除して、各項目の貢献度の割合を算出させる。そして、各項目を縦軸上に並べ、前記算出された「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、貢献度の割合の大きさに合わせて色分けし、横軸上に並べて表示手段14上に表示させる。具体的には例えば、「各項目の貢献度の割合」の時系列変化を、例えば小さな値を青、大きな値を赤、その間の値を緑というように、グラデーションを用いた色付けをして横軸上に並べて横長のボックスとし、前記「各項目のボックス」を縦方向に同一の面積で並べて、同時刻の項目間の差異が縦のラインの色彩変化で目視できるように表示手段14上に表示させる。
【0067】
また、制御手段11に、項目を削除させる。また、項目を元に戻させる。
【0068】
表示手段14は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットマトリクス型のディスプレイであり、入力手段13から入力された命令や、それに対する情報処理装置1の応答出力等を表示するものである。特に、表示手段14は、貢献度スタック図、同10割表示図、及び予兆項目抽出図、同10割抽出図等を表示する。
【0069】
バス16は、情報処理装置1内の流れを司るものである。通信手段15はインターフェイス(I/F)であり、情報処理装置1はこの通信手段15を介して外部機器と接続される。
【0070】
なお、以上の各装置と同等の機能を実現させるソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0071】
また、実施の形態例1では、この実施の形態例1に係るプログラム及び関連データを直接RAM等の記憶手段12にロードして実行させることもできるが、この実施の形態例1に係るプログラムを動作させる度に、既にプログラムがインストールされているHD等の記憶手段12にロードするようにしてもよい。また、この実施の形態例1に係るプログラムをROM等の記憶手段12に記憶しておき、これをメモリマップの一部をなすように構成し、直接CPU等の制御手段11で実行することも可能である。
【符号の説明】
【0072】
1:情報処理装置、11:制御手段、12:記憶手段、13:入力手段、14:表示手段、15:通信手段、16:バス