(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000152
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供装置、及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20221222BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100810
(22)【出願日】2021-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003285
【氏名又は名称】千代田化工建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】米山 徹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】プラントの状態を検知するための技術を向上させる。
【解決手段】情報提供システム1は、プラント10の状態を分析するために必要な情報を検知するためにプラント10に設置されたセンサ11と、センサ11により検知された検知情報を記憶領域に転送する転送装置15と、通信網3を介してアクセス可能であり、プラント10の所有者又は管理者がアクセス権を管理可能なクラウドの記憶領域と、記憶領域に格納された検知情報をクラウド内で分析する分析部と、分析部による分析結果をクラウドから提示する提示部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの状態を分析するために必要な情報を検知するために前記プラントに設置されたセンサと、
前記センサにより検知された検知情報をクラウドの記憶領域に転送する転送装置と、
ネットワークを介してアクセス可能であり、前記プラントの所有者又は管理者がアクセス権を管理可能な前記クラウドの記憶領域と、
前記記憶領域に格納された前記検知情報を前記クラウド内で分析する分析部と、
前記分析部による分析結果を前記クラウドから提示する提示部と、
を備える情報提供システム。
【請求項2】
前記プラントの所有者又は管理者により指定された場所に設置された前記クラウドの記憶領域に前記検知情報を格納する
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
ネットワークを介してアクセス可能であり、プラントの所有者又は管理者がアクセス権を管理可能な記憶領域に格納された、前記プラントの状態を分析するために必要な情報を検知するために前記プラントに設置されたセンサにより検知された検知情報を取得する検知情報取得部と、
前記検知情報取得部により取得された検知情報を分析する分析部と、
前記分析部による分析結果を提示する提示部と、
を備える情報提供装置。
【請求項4】
当該情報提供装置は、前記検知情報が格納された記憶領域が設けられたクラウド内の別の記憶領域に設けられる
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記検知情報に対する当該情報提供装置のアクセス権は、前記クラウドにおいて提供される機能を利用して、前記プラントの所有者又は管理者により管理される
請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記検知情報取得部は、前記クラウドにおいて提供される機能を利用して、前記記憶領域に格納された前記検知情報を取得する
請求項4又は5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記分析結果の提供の対価の課金を管理する課金管理部を更に備える
請求項3から6のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記対価は、前記センサの設置、利用、又は保守の費用を含む
請求項7に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記課金管理部は、前記対価をサブスクリプション方式で課金する
請求項7又は8記載の情報提供装置。
【請求項10】
コンピュータを、
ネットワークを介してアクセス可能であり、プラントの所有者又は管理者がアクセス権を管理可能な記憶領域に格納された、前記プラントの状態を分析するために必要な情報を検知するために前記プラントに設置されたセンサにより検知された検知情報を取得する検知情報取得部と、
前記検知情報取得部により取得された検知情報を分析する分析部と、
前記分析部による分析結果を提示する提示部と、
として機能させるための情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プラントに関する情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
石油プラント、化学プラントなど、様々な種類、規模のプラントが多数運用されている。それぞれのプラントの運用年数も様々であり、運用開始からかなりの年数が経過したプラントも多く存在している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「Society 5.0」、内閣府、https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運用年数の長いプラントにおいては、設備の老朽化などに起因して、プラントを安全に運用するためのコストが年々増加している。また、少子化などによる人手不足や、ベテラン作業員の減少などの問題も顕在化している。
【0005】
こうした課題を解決するために、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより経済発展と社会的課題の解決の両立を目指すSociety 5.0の仕組みをプラントに取り入れることが望まれる(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、長年、独自のアーキテクチャや仕様で構築されたクローズドシステムにより高い安全性やリアルタイム性を担保するオペレーショナルテクノロジー(Operational Technology:OT)によって安全な操業が支えられてきたプラントに、Society 5.0の仕組みを取り入れるには、セキュリティや投資効果の観点から高い敷居があることを本発明者らは課題として認識した。
【0007】
本開示の目的は、プラントの状態を検知するための技術を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の情報提供システムは、プラントの状態を分析するために必要な情報を検知するためにプラントに設置されたセンサと、センサにより検知された検知情報を記憶領域に転送する転送装置と、ネットワークを介してアクセス可能であり、プラントの所有者又は管理者がアクセス権を管理可能なクラウドの記憶領域と、記憶領域に格納された検知情報をクラウド内で分析する分析部と、分析部による分析結果をクラウドから提示する提示部を備える。
【0009】
本開示の別の態様は、情報提供装置である。この装置は、ネットワークを介してアクセス可能であり、プラントの所有者又は管理者がアクセス権を管理可能な記憶領域に格納された、プラントの状態を分析するために必要な情報を検知するためにプラントに設置されたセンサにより検知された検知情報を取得する検知情報取得部と、検知情報取得部により取得された検知情報を分析する分析部と、分析部による分析結果を提示する提示部を備える。
【0010】
本開示のさらに別の態様は、情報提供プログラムである。このプログラムは、コンピュータを、ネットワークを介してアクセス可能であり、プラントの所有者又は管理者がアクセス権を管理可能な記憶領域に格納された、プラントの状態を分析するために必要な情報を検知するためにプラントに設置されたセンサにより検知された検知情報を取得する検知情報取得部と、検知情報取得部により取得された検知情報を分析する分析部と、分析部による分析結果を提示する提示部として機能させる。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、プラントの状態を検知するための技術を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態に係る情報提供システムの全体構成を示す図である。
【
図2】実施の形態に係る情報提供方法の手順を示すシーケンス図である。
【
図3】情報提供装置からオーナー端末に提供される分析結果の提示画面の例を示す図である。
【
図4】実施の形態に係る情報提供装置の構成を示す図である。
【
図5】実施の形態に係るオーナー端末の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示において、プラントの状態を分析して分析結果をプラントの管理者や所有者(オーナー)などに提供する技術について説明する。本開示の実施の形態に係る情報提供装置は、プラントに設置されたセンサから、プラントの状態を分析するために必要な検知情報を取得し、取得した検知情報を分析した分析結果をプラントのオーナーなどに提供する。これにより、プラントのオーナーは、プラントの状態を的確に把握し、老朽箇所を保守したり、故障などの発生を予測して修繕計画に反映させたりすることができる。したがって、事故の発生を未然に防ぐことができるとともに、プラントを安全に運用するためのコストを低減させることができる。
【0015】
このような情報提供サービスを低コストで運用するために、クラウドコンピューティングやIoTなどの情報技術(Information Technology:IT)を利用することが考えられる。クラウドコンピューティングサービスやIoT機器は、圧倒的な技術革新と標準化により短期間に爆発的に普及しており、専用のストレージやセンサを設ける場合よりも低コストで運用可能である。また、IoT機器により検知された検知情報をクラウドに集積して保存することにより、プラントの状態を把握するだけでなく、プラントの将来の状態を予測したり、運転を最適化したり、異常を検知したりするためにも利用することが可能となる。
【0016】
しかし、上述したように、OTにITを融合させることは、プラントのオーナーにとって、セキュリティ面や投資効果の観点から高い敷居がある。したがって、セキュリティ面や投資効果に関するプラントのオーナーの懸念を払拭するような技術が求められる。
【0017】
例えば、一般的な民生用のIoT機器は、様々な製造主体のCPUや、仕様が公開されたOSなどを使用しているため、外部からサイバー攻撃を受けるリスクをはらんでいる。エネルギープラントや、化学プラントなど、事故が起こったときの被害が甚大となりうるプラントにおいては、非常に高いレベルのセキュリティ性や安全性が要求されるので、一般的な民生用のIoT機器のレベルでは十分とは言えない。
【0018】
そのため、高度なセキュリティ性や、防爆性などの安全性を有するIoTセンサをプラントに設置する必要があるが、そのようなセンサは高額であるので、センサをプラントに設置してプラントの状態を可視化するための初期費用が多大となりうる。したがって、プラントのオーナーにとっては費用対効果が乏しく、IoTセンサの導入に対する納得感が得られにくい。
【0019】
このような課題を解決するために、本開示の実施の形態においては、本開示に係るサービスのサービス提供者などにより提供される高度なセキュリティ性及び安全性を有するセンサをプラントに設置する。これにより、プラントのセキュリティ性及び安全性を高いレベルに維持しつつ、プラントの状態を可視化することができる。また、単に、センサにより検知された検知情報を提供するだけでなく、検知情報を分析することにより得られた分析結果をプラントのオーナーに提供する。これにより、IoTセンサの導入の付加価値を高めることができるので、IoTセンサの導入に必要な投資に対するプラントのオーナーの納得感を得ることができる。また、専門家による的確な情報を提供することができるので、作業員の経験やレベルなどによらず、プラントを適切に運用することができるとともに、日常業務を省力化することができる。また、未熟な作業員を教育するために利用することができる。さらに、情報提供サービスの対価として、分析結果の対価だけでなく、IoTセンサ及び通信装置本体とその設置、利用、保守などの対価を含め、それらの対価をサブスクリプション方式でプラントのオーナーに課金する。これにより、初期費用を大幅に抑えることができるので、IoTセンサの導入に対する敷居を下げ、IoTセンサの導入を促進することができる。
【0020】
また、従来のクラウドコンピューティングサービスを利用したIoTプラットフォームやデータプラットフォームにおいては、サービス提供者がクラウドのテナントに構築したストレージにデータを直接保存するため、プラントのオーナーなどのエンドユーザーが、保存されたデータに対するアクセス権を管理したり、アクセス履歴を確認したりして、データの秘匿性や健全性を管理したり、エンドユーザー自身がデータを分析したり、他のサービスプロバイダーを利用したデータの二次利用をしたりすることが困難であった。
【0021】
このような課題を解決するために、本開示の実施の形態においては、IoTセンサにより検知された検知情報を、プラントのオーナーにより指定された場所に記憶装置が設置されたクラウドにおけるプラントのオーナー自身のテナントに保存する。プラントのオーナーは、クラウドコンピューティングサービスにおいて提供される機能を利用して、情報提供サービスの提供者に対して、情報提供サービスのために必要な検知情報のアクセス権を払い出す。情報提供サービスの提供者は、同じクラウドにおける自己のテナントに情報提供装置を構築する。情報提供装置は、クラウドコンピューティングサービスにおいて提供されるデータ取得機能を利用して、必要な検知情報を必要な単位でプラントのオーナーのテナントから取得する。これにより、プラントのオーナーが、IoTセンサにより検知された検知情報を自ら管理することができるので、情報のセキュリティ性や健全性を確保することができる。また、分析により得られたデータや加工されたデータも、必要に応じてオーナーのテナントへフィードバックする。これにより、プラントのオーナーが全てのデータを確実に管理することができるので、安心感を得ることができる。また、検知情報を別のサービス提供者に開示して再利用することもできるので、IoTセンサを導入する価値を高めることができる。また、プラントのオーナーにより指定された場所、例えば自国内や自国が属する領域内に設置されたデータセンターなどに検知情報などの情報を保存し、同じデータセンター内に構築された情報提供装置により検知情報などを分析するので、重要な情報が国外や域外に流出するのを防ぐことができる。
【0022】
図1は、実施の形態に係る情報提供システムの全体構成を示す。情報提供システム1は、プラント10と、クラウド20と、オーナー端末12を備える。
【0023】
プラント10には、プラント10の状態を分析するために必要な情報を検知するためのセンサ11が設置される。センサ11は、プラント10において要求されるセキュリティ性及び安全性が担保されるように、プラント10のベンダーであるサービス提供者2によって設計された、必要なセキュリティと機能要件を満たす仕様を備える。センサ11により検知された検知情報は、転送装置15により通信網3を介してクラウド20に転送される。転送装置15は、センサ11に内蔵されていてもよい。転送装置15は、複数のセンサ11から検知情報を取得してクラウド20に転送してもよい。
【0024】
クラウド20は、クラウドコンピューティングサービス提供者により提供される。クラウド20を構成する記憶装置には、プラント10のオーナーに割り当てられた記憶領域であるオーナーテナント21と、サービス提供者2に割り当てられた記憶領域であるベンダーテナント22が設けられる。オーナーテナント21は、複数のプラント10のオーナーごとに設けられる。プラントのオーナーは、オーナーテナント21が構築される記憶装置の設置場所を任意に指定可能である。
【0025】
サービス提供者2は、ベンダーテナント22に、本実施の形態の情報提供装置100を実現するためのデータやプログラムなどを格納し、情報提供装置100を構築する。
【0026】
オーナー端末12は、プラント10のオーナーが、オーナーテナント21に格納された検知情報のアクセス権を管理したり、情報提供装置100から提供された分析結果を表示したりするために使用される。
【0027】
図2は、実施の形態に係る情報提供方法の手順を示すシーケンス図である。プラント10のオーナーは、サービス提供者2に、情報提供サービスを申し込む。サービス提供者2は、プラント10のオーナーに提供するサービスの内容をプラント10のオーナーとの間で協議する。具体的には、プラント10に関する分析の内容、その分析のために必要な検知情報の種類、その検知情報を取得するために必要なセンサ11の種類、数、仕様、転送装置15の種類、数、仕様、オーナーテナント21の容量、仕様、記憶装置の設置場所、プラント10のオーナーに対する課金額、課金方法などを協議する。協議が成立すると、サービス提供者2とプラント10のオーナーとの間で契約を締結する(S10)。
【0028】
サービス提供者2は、契約に基づいて、プラント10の状態を分析するために必要な情報を検知するためのセンサ11と転送装置15をプラント10に設置する(S12)。
【0029】
プラント10のオーナーは、クラウド20において提供されるアクセス権管理機能を利用して、センサ11からオーナーテナント21にアップロードされる検知情報に対してサービス提供者2がベンダーテナント22からアクセスする権利を付与する(S14)。
【0030】
センサ11は、検知情報を検知し、転送装置15を介してオーナーテナント21に送信する(S20)。転送装置15は、ゼロトラストポリシーに基づいて設計された通信方式によって、通信網3を介してクラウド20のオーナーテナント21に検知情報を送信してもよい。センサ11や転送装置15が検知や通信などの機能を実行するために使用するプログラムは、情報提供装置100からセンサ11や転送装置15に提供され、随時更新されてもよい。これにより、新たな脅威に対しても適切に対策を施すことができるので、高いセキュリティ性を維持することができる。
【0031】
情報提供装置100は、クラウド20において提供されるクラウド連携データ取得機能を利用して、オーナーテナント21に格納されている検知情報を要求する(S22)。データ取得機能は、要求された検知情報を情報提供装置100に回答する(S24)。
【0032】
情報提供装置100は、取得した検知情報を分析する(S26)。情報提供装置100は、検知情報に基づいてプラント10の状態を分析し、プラント10の状態を可視化するための表示画面を生成する。
【0033】
オーナー端末12は、情報提供装置100にアクセスし、分析結果を要求する(S28)。情報提供装置100は、オーナー端末12に分析結果を提示する(S30)。
【0034】
情報提供装置100は、契約に基づいて、プラント10のオーナーにサービスの対価を課金する(S32)。この対価は、分析結果の提供の対価だけでなく、センサ11の設置、利用、保守などの対価も含む。情報提供装置100は、サービスの対価をサブスクリプション方式でプラント10のオーナーに課金する。情報提供装置100は、所定の期間、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、半年、1年ごとに、対価をプラント10のオーナーに課金してもよい。プラント10のオーナーは、サービス提供者2に対価を支払う(S34)。
【0035】
図3は、情報提供装置100からオーナー端末12に提供される分析結果の提示画面の例を示す。情報提供装置100は、単に検知情報を提示するだけでなく、プラント10のベンダーとしての知見を加味した高度な分析結果を提示する。
【0036】
図4は、実施の形態に係る情報提供装置100の構成を示す。情報提供装置100は、クラウド20のベンダーテナント22に構築される。
【0037】
情報提供装置100は、申込受付部121、検知情報取得部122、検知情報分析部123、分析結果提示部124、及び課金管理部125を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、又はそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0038】
申込受付部121は、プラント10のオーナーからサービスの申込を受け付ける。申込受付部121は、プラント10に関する分析の内容、その分析のために必要な検知情報の種類、その検知情報を取得するために必要なセンサ11の種類、数、仕様、オーナーテナント21の容量、仕様、プラント10のオーナーに対する課金額、課金方法などをオーナー端末12から受け付ける。
【0039】
検知情報取得部122は、オーナーテナント21に格納された検知情報を取得する。検知情報分析部123は、検知情報取得部122により取得された検知情報を分析する。分析結果提示部124は、検知情報分析部123により分析された結果をオーナー端末12に提示する。課金管理部125は、サービスの対価をプラント10のオーナーに課金する。
【0040】
図5は、実施の形態に係るオーナー端末12の構成を示す。オーナー端末12は、通信装置31、表示装置32、入力装置33、処理装置40、及び記憶装置34を備える。
【0041】
通信装置31は、無線又は有線による通信を制御する。通信装置31は、通信網3を介して、他の装置との間でデータを送受信する。表示装置32は、処理装置40により生成された表示画像を表示する。入力装置33は、処理装置40に指示を入力する。記憶装置34は、処理装置40が使用するデータ及びコンピュータプログラムを格納する。
【0042】
処理装置40は、サービス申込部41、アクセス権管理部42、分析結果取得部43、分析結果表示部44、及び支払管理部45を備える。これらの構成も、ハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、又はそれらの組合せによっていろいろな形で実現できる。
【0043】
サービス申込部41は、情報提供装置100にサービスの提供を申し込む。サービス申込部41は、サービスの内容に関するプラント10のオーナーの要望を受け付け、情報提供装置100に送信する。
【0044】
アクセス権管理部42は、クラウド20にアクセスし、オーナーテナント21に格納されたデータのアクセス権を管理する。アクセス権管理部42は、オーナーテナント21に格納された検知情報に対するアクセス履歴などの情報をクラウドサービスから取得して提示してもよい。分析結果取得部43は、情報提供装置100にアクセスし、分析結果を取得する。分析結果表示部44は、分析結果取得部43により取得された分析結果を表示装置32に表示する。支払管理部45は、情報提供装置100から通知された課金額をサービス提供者2に支払うための処理を実行する。
【0045】
クラウドコンピューティングサービスにおいて、クラウド20のオーナーテナント21に格納されたデータのアクセス権を管理するための機能が、ウェブブラウザによりアクセス可能に提供される場合は、アクセス権管理部42は、ウェブブラウザにより実現されてもよい。アクセス権管理部42は、クラウドコンピューティングサービスにより提供される専用のアプリケーションなどにより実現されてもよい。
【0046】
情報提供装置100による分析結果の表示機能が、ウェブブラウザによりアクセス可能に提供される場合は、分析結果取得部43及び分析結果表示部44は、ウェブブラウザにより実現されてもよい。分析結果取得部43及び分析結果表示部44は、サービス提供者により提供される専用のアプリケーションなどにより実現されてもよい。
【0047】
以上、本開示を、実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0048】
実施の形態では、プラントに関する情報を提供する技術について説明したが、本実施の形態の技術は、OTにより管理されているプラント以外の分野、例えば、発電所、鉄道などの分野にも適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 情報提供システム、2 サービス提供者、3 通信網、10 プラント、11 センサ、12 オーナー端末、15 転送装置、20 クラウド、21 オーナーテナント、22 ベンダーテナント、31 通信装置、32 表示装置、33 入力装置、34 記憶装置、40 処理装置、41 サービス申込部、42 アクセス権管理部、43 分析結果取得部、44 分析結果表示部、45 支払管理部、100 情報提供装置、121 申込受付部、122 検知情報取得部、123 検知情報分析部、124 分析結果提示部、125 課金管理部。