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特開2023-152716内視鏡システム、内視鏡システムの作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152716
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】内視鏡システム、内視鏡システムの作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20231005BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20231005BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A61B1/00 631
A61B1/00 550
A61B1/045 615
G02B23/24 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019226
(22)【出願日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】P 2022058994
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】弁理士法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川本 裕太
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 恒史
(72)【発明者】
【氏名】横田 友則
(72)【発明者】
【氏名】小山内 隆
(72)【発明者】
【氏名】小澤 聡
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040AA00
2H040BA00
2H040CA04
2H040DA15
2H040DA21
2H040DA56
2H040DA57
2H040GA02
2H040GA11
4C161CC06
4C161DD03
4C161HH51
4C161JJ11
4C161JJ17
4C161LL02
4C161SS21
4C161YY07
4C161YY14
(57)【要約】
【課題】効率よく修理を行うことが可能な内視鏡システム、内視鏡システムの作動方法を提供する。
【解決手段】内視鏡システム10は、内視鏡12、プロセッサ装置20を備える。プロセッサ装置20は、異常検出部76、異常情報生成部80、異常情報管理部82として機能する。異常検出部76は、内視鏡12の画像センサ60で検出した情報を用いて、内視鏡12の異常を検出する。異常情報生成部80は、異常検出時及びその前後の所定期間に画像センサ60が検出したセンサ情報、内視鏡12の稼働情報を含む異常情報を生成する。異常情報管理部82は、異常情報をメモリ70に記憶する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内を撮影する内視鏡と、プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記内視鏡に設けられたセンサで検出した情報を用いて、前記内視鏡の異常を検出し、
異常検出時及びその前後の所定期間に前記センサが検出したセンサ情報、及び、前記内視鏡の操作状況を含む稼働情報を、内部メモリに記憶する、内視鏡システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記センサ情報及び前記稼働情報を、ネットワークを介して接続されたサーバに送信する、請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、検出した異常の種別と発生タイミングとを含むエラー履歴を、前記内部メモリに記憶する、請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記エラー履歴を、前記サーバに送信する、請求項3に記載の内視鏡システム
【請求項5】
前記内部メモリに記憶された情報を用いて、前記内視鏡に将来発生する可能性がある異常を予測する異常予測ユニット、を備えた、請求項1~4のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記異常予測ユニットの予測結果を報知する報知ユニット、を備えた、請求項5に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記報知ユニットは、前記予測結果を表示する表示装置である、請求項6に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記稼働情報は、前記操作状況の他に、前記内視鏡の使用回数、前記内視鏡の使用頻度のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記センサは、前記内視鏡において前記撮影を行う画像センサ、前記内視鏡の内部の湿度を検出する湿度センサ、前記内視鏡の操作部の操作トルクを検出するトルクセンサ、及び、前記内視鏡の先端部の向きを検出するアングルセンサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記内視鏡には、前記センサとして複数のセンサが設けられ、
前記プロセッサは、異常を検出した場合、全てのセンサについて、前記センサ情報を、前記内部メモリに記憶する、請求項1~4のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、異常を検出した場合、全てのセンサについて、前記センサ情報を、前記サーバに送信する、請求項10に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
内視鏡に設けられたセンサで検出した情報を用いて、前記内視鏡の異常を検出するステップと、
異常検出時及びその前後の所定期間に前記センサが検出したセンサ情報、及び、前記内視鏡の操作状況を含む稼働情報を、内部メモリに記憶するステップと、を備える、内視鏡システムの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡とプロセッサとを備えた内視鏡システム、及び、内視鏡システムの作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡、及び、プロセッサ装置(プロセッサ)を有する内視鏡システムは、定期的または異常が発生した場合にメンテナンスが行われて、長期間使用される。メンテナンス時期は、内視鏡システム毎に異なり、適切に把握することが難しい。このため、下記特許文献1に記載された内視鏡システムでは、内視鏡の稼働状況、及び、エラーが発生した場合にはエラー番号を、サーバに送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-187494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、メンテナンス時期の把握には適しているものの、内視鏡に異常が発生し、修理が必要な場合については、効率よく修理を行うことが難しいといった問題があった。つまり、修理を行う場合は、異常を再現しながら原因や修理箇所の特定が行われるが、内視鏡の稼働状況とエラー番号(発生したエラーの種類)だけでは異常を再現するのに不十分であり、異常の再現に手間がかかってしまう、または、異常を再現できず見込み修理により正常な部位についても交換してしまうといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、異常の再現を容易とすることにより、効率よく修理を行うことが可能な内視鏡システム、及び、内視鏡システムの作動方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の内視鏡システムは、体腔内を撮影する内視鏡と、プロセッサと、を備え、プロセッサは、内視鏡に設けられたセンサで検出した情報を用いて、内視鏡の異常を検出し、異常検出時及びその前後の所定期間にセンサが検出したセンサ情報、及び、内視鏡の操作状況を含む稼働情報を、内部メモリに記憶する。
【0007】
プロセッサは、センサ情報及び稼働情報を、ネットワークを介して接続されたサーバに送信してもよい。
【0008】
プロセッサは、検出した異常の種別と発生タイミングとを含むエラー履歴を、内部メモリに記憶してもよい。
【0009】
プロセッサは、エラー履歴を、サーバに送信してもよい。
【0010】
内部メモリに記憶された情報を用いて、内視鏡に将来発生する可能性がある異常を予測する異常予測ユニット、を設けてもよい。
【0011】
異常予測ユニットの予測結果を報知する報知ユニット、を設けてもよい。
【0012】
報知ユニットは、予測結果を表示する表示装置でもよい。
【0013】
稼働情報は、操作状況の他に、内視鏡の使用回数、内視鏡の使用頻度のうちの少なくとも1つを含む、ものでもよい。
【0014】
センサは、内視鏡において撮影を行う画像センサ、内視鏡の内部の湿度を検出する湿度センサ、内視鏡の操作部の操作トルクを検出するトルクセンサ、及び、内視鏡の先端部の向きを検出するアングルセンサのうちの少なくとも1つを含む、ものでもよい。
【0015】
内視鏡には、センサとして複数のセンサが設けられ、プロセッサは、異常を検出した場合、全てのセンサについて、センサ情報を、内部メモリに記憶する、ものでもよい。
【0016】
プロセッサは、異常を検出した場合、全てのセンサについて、センサ情報を、サーバに送信する、ものでもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の内視鏡システムの作動方法は、内視鏡に設けられたセンサで検出した情報を用いて、内視鏡の異常を検出するステップと、異常検出時及びその前後の所定期間にセンサが検出したセンサ情報、及び、内視鏡の操作状況を含む稼働情報を、内部メモリに記憶するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、異常の再現が容易であり、効率よく修理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
図2】プロセッサ装置の機能と内視鏡の構成を示すブロック図である。
図3】プロセッサ装置の機能と内視鏡の構成を示すブロック図である。
図4】プロセッサ装置の機能と内視鏡の構成を示すブロック図である。
図5】プロセッサ装置の機能と内視鏡の構成を示すブロック図である。
図6】プロセッサ装置の機能と内視鏡の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、ディスプレイ16(表示装置)と、ユーザーインターフェース18と、プロセッサ装置20(プロセッサ)と、を有する。
【0021】
内視鏡システム10では、内視鏡12が、光源装置14と光学的に接続され、且つ、プロセッサ装置20と電気的に接続されている。また、内視鏡システム10では、プロセッサ装置20が、内視鏡システム10の各部(内視鏡12、光源装置14、ディスプレイ16、ユーザーインターフェース18)と電気的に接続されている。さらに、内視鏡システム10では、プロセッサ装置20が、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク22を介して、サーバ24に接続されている。
【0022】
内視鏡12は、観察対象の体内(体腔内)に挿入される挿入部30と、挿入部30の基端側に接続された操作部32と、挿入部30の先端側に設けられた湾曲部34及び先端部36と、を有している。操作部32には、鉗子等の処置具を挿通するための鉗子チャンネルの入口38が設けられている。また、操作部32には、湾曲部34の湾曲、被写体撮影時のズーム、静止画撮影指示、撮影モードの切り替え、送気及び送水など、ユーザーからの操作を受け付ける各種操作部材が設けられている。そして、本実施形態では、前述した操作部材として、回転操作される回転ダイヤル40、42、44、及び、押圧操作される押圧ボタン46、48、50を設けている。
【0023】
先端部36には、照明光を出射させる照明窓、照明窓から照射され、被写体によって反射された反射光を取り込む観察窓、鉗子チャンネルの出口、送気・送水口などが設けられている。また、先端部36には、観察窓の背後に画像センサ60(センサ)が設けられている。画像センサ60は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)など、撮影画像をデジタルな画像信号として出力するイメージセンサである。画像センサ60によって撮影された画像は、プロセッサ装置20に入力される。
【0024】
光源装置14は、内視鏡12に照明光を供給する。ディスプレイ16は、例えば、周知の液晶ディスプレイであり、内視鏡12(画像センサ60)で撮影した画像の他、後述する稼働情報、エラー履歴、異常情報などの各種情報を表示する。ユーザーインターフェース18は、プロセッサ装置20への入力等を行う入力デバイスであり、キーボード、マウス、フットペダル、タッチパネル、マイク、及び/または、モーションセンサなどである。
【0025】
図2に示すように、プロセッサ装置20は、メモリ70(内部メモリ)、中央制御部72が設けられている。メモリ70には、各種処理または制御などに関するプログラムが格納されている。中央制御部72は、メモリ70に格納されたプログラムを動作させることにより、稼働情報管理部74、異常検出部76、エラー履歴管理部78、異常情報生成部80、異常情報管理部82、として機能する。
【0026】
稼働情報管理部74は、内視鏡12の稼働情報を管理する。稼働情報は、内視鏡12の使用回数、使用頻度、操作状況などである。使用回数は、内視鏡12を用いて内視鏡検査が行われた回数である。使用頻度は、一定期間(例えば、直近の1ヶ月間)の使用回数である。操作状況は、操作部32を操作する、光源装置14やプロセッサ装置20において設定を切り替える、など、内視鏡システム10に対して行われた操作の内容や操作タイミングなどを示すものである。稼働情報管理部74は、これら稼働情報を、メモリ70に記憶して管理する。また、稼働情報管理部74は、稼働情報を、ネットワーク22を介してサーバ24に送信し、サーバ24に記憶させる。メモリ70、サーバ24に記憶された稼働情報は、ユーザーからの要求に応じ、任意のタイミングで、例えば、ディスプレイ16に表示させるなどして確認できる。
【0027】
異常検出部76は、内視鏡12に設けられたセンサで検出した情報を用いて、内視鏡12の異常を検出する。本実施形態では、センサとして画像センサ60が設けられており、異常検出部76は、画像センサ60で検出した情報として、画像センサ60により撮影された撮影画像を用いて異常を検出する。具体的には、撮影画像を解析し、例えば、輝度、色合い、輪郭形状等に基づいて算出したスコアが所定の閾値を上回る撮影画像(または、このような撮影画像が所定フレーム以上連続した撮影画像群)が存在するか否かを判定し、閾値を上回る撮影画像(または、撮影画像群)が存在すると判定された場合に、内視鏡12に異常が発生したと検出する。
【0028】
エラー履歴管理部78は、異常の発生履歴(エラー履歴)を管理する。エラー履歴には、異常検出部76が検出した異常の種別と、発生タイミング(発生日時)、内視鏡12の機器情報(内視鏡12を特定するための情報であり、機器のシリアルナンバー、内視鏡12の種別、設置先の医療機関名など)が含まれる。エラー履歴管理部78は、エラー履歴を、メモリ70に記憶して管理する。また、エラー履歴管理部78は、エラー履歴を、ネットワーク22を介してサーバ24に送信し、サーバ24に記憶させる。メモリ70、サーバ24に記憶されたエラー履歴は、ユーザーからの要求に応じ、任意のタイミングで、例えば、ディスプレイ16に表示させるなどして確認できる。
【0029】
異常情報生成部80は、異常検出部76により異常が検出された場合に、この異常の発生状況を示す異常情報を生成する。異常情報は、エラー履歴管理部78により管理される情報、すなわち、異常の種別、発生タイミング、内視鏡12の機器情報を含む。また、異常情報は、異常検出時及びその前後の所定期間にセンサ(本実施形態では、画像センサ60)が取得したセンサ情報、及び、稼働情報を含む。具体的には、本実施形態では、センサ情報として、異常と判定された撮影画像(または、撮影画像群)及びその前後の所定期間(例えば、10秒間)に撮影された一連の撮影画像を含む。稼働情報は、前述のように稼働情報管理部74により管理された、内視鏡12の使用回数、使用頻度、及び、操作状況に関する情報である。異常情報には、異常検出時及びその前後の所定期間における稼働情報が含まれる。
【0030】
異常情報管理部82は、異常情報生成部80が生成した異常情報を管理する。具体的には、異常情報生成部80が生成した異常情報をメモリ70に記憶して管理する。また、異常情報管理部82は、異常情報生成部80が生成した異常情報を、ネットワーク22を介してサーバ24に送信し、サーバ24に記憶させる。メモリ70、サーバ24に記憶された異常情報は、ユーザーからの要求に応じ、任意のタイミングで、例えば、ディスプレイ16に表示させるなどして確認できる。
【0031】
このように、第1実施形態の内視鏡システム10では、異常を検出すると異常情報を生成しメモリ70に記憶させている。そして、異常情報には、異常検出時及びその前後の所定期間にセンサが検出したセンサ情報、及び、異常検出時及びその前後の所定期間の稼働情報が含まれる。このため、異常が発生した状況の把握・再現が容易であり、効率よくメンテナンスを行うことが可能である。
【0032】
[第2実施形態]
図3に示すように、第2実施形態の内視鏡システム100では、内視鏡12に、前述した画像センサ60に加えて湿度センサ102(センサ)を設けている。なお、図3以降の図面を用いた説明では、前述した実施形態と同様の部材については同様の符号を付して説明を省略している。
【0033】
湿度センサ102は、例えば、挿入部30(先端部36)に内蔵され、挿入部30(先端部36)内の湿度を検出する。そして、内視鏡システム100では、異常検出部76が、湿度センサ102により検出された情報(湿度)に基づき、例えば、湿度が所定の閾値を上回る場合や、単位時間あたりの湿度の変化量が所定の閾値を上回る場合に、内視鏡12に異常が発生したと検出する。また、異常情報生成部80が、異常検出時及びその前後の所定期間に湿度センサ102により検出された情報を含む異常情報を生成し、異常情報管理部82が、このようにして生成された異常情報をメモリ70に記憶、及び、サーバ24に送信(記憶)して管理する。
【0034】
なお、湿度センサ102からの情報に基づいて異常が検出された場合に、この異常検出時及びその前後に湿度センサ102以外のセンサ(本例では、画像センサ60)で検出された情報を、異常情報に含ませてもよい。もちろん、湿度センサ102以外のセンサからの情報に基づいて異常が検出された場合に、この異常検出時及びその前後に湿度センサ102で検出された情報を、異常情報に含ませてもよい。
【0035】
[第3実施形態]
図4に示すように、第3実施形態の内視鏡システム200では、内視鏡12に、前述した画像センサ60、湿度センサ102、に加えて、トルクセンサ202(センサ)を設けている。トルクセンサ202は、操作部32に設けられた操作部材を操作する際に加えられた操作力を検出するものであり、本実施形態では、湾曲部34を湾曲させるための回転ダイヤル40の操作力を、トルクセンサ202によって検出している。
【0036】
そして、内視鏡システム200では、異常検出部76が、トルクセンサ202により検出された情報(操作力)に基づき、例えば、操作力が所定の閾値を上回る場合や、単位時間あたりの操作力の変化量が所定の閾値を上回る場合に、内視鏡12に異常が発生したと検出する。また、異常情報生成部80が、異常検出時及びその前後の所定期間にトルクセンサ202により検出された情報を含む異常情報を生成し、異常情報管理部82が、このようにして生成された異常情報をメモリ70に記憶、及び、サーバ24に送信(記憶)して管理する。
【0037】
なお、トルクセンサ202からの情報に基づいて異常が検出された場合に、この異常検出時及びその前後にトルクセンサ202以外のセンサ(本例では、画像センサ60、湿度センサ102)で検出された情報を、異常情報に含ませてもよい。もちろん、トルクセンサ202以外のセンサからの情報に基づいて異常が検出された場合に、この異常検出時及びその前後にトルクセンサ202で検出された情報を、異常情報に含ませてもよい。また、本実施形態では、回転ダイヤル40の操作力を検出する構成を例に説明をしたが、他の操作部材の操作力を検出する構成としてもよい。さらに、複数のトルクセンサを設けて、複数の操作部材の操作力を検出する構成としてもよい。
【0038】
[第4実施形態]
図5に示すように、第4実施形態の内視鏡システム300では、内視鏡12に、前述した画像センサ60、湿度センサ102、トルクセンサ202、に加えて、アングルセンサ302(センサ)を設けている。アングルセンサ302は、内視鏡12の先端部36のアングル(湾曲部34の湾曲方向と湾曲量)を検出するものである。
【0039】
そして、内視鏡システム300では、異常検出部76が、アングルセンサ302により検出された情報(先端部36のアングル)に基づき、例えば、先端部36のアングルを変更するため操作部材の操作量(操作方向)に対し、先端部36のアングルの変化量(変化方向)が所定の閾値以上異なる場合に、内視鏡12に異常が発生したと検出する。なお、操作部材の操作量(操作方向)によらず、アングルの変化量(変化方向)が所定の閾値を上回る場合や、単位時間あたりのアングルの変化量(変化方向)が所定の閾値を上回る場合に内視鏡12に異常が発生したと検出してもよい。また、異常情報生成部80が、異常検出時及びその前後の所定期間にアングルセンサ302により検出された情報を含む異常情報を生成し、異常情報管理部82が、このようにして生成された異常情報をメモリ70に記憶、及び、サーバ24に送信(記憶)して管理する。
【0040】
なお、アングルセンサ302からの情報に基づいて異常が検出された場合に、この異常検出時及びその前後にアングルセンサ302以外のセンサ(本例では、画像センサ60、湿度センサ102、トルクセンサ202)で検出された情報を、異常情報に含ませてもよい。もちろん、アングルセンサ302以外のセンサからの情報に基づいて異常が検出された場合に、この異常検出時及びその前後にアングルセンサ302で検出された情報を、異常情報に含ませてもよい。
【0041】
また、上述した第1~第4実施形態では、センサとして、画像センサ60、湿度センサ102、トルクセンサ202、アングルセンサ302設ける例で説明をしたが、これ以外のセンサ、例えば、温度センサ、気密(気圧)センサ、及び/または、電流(電圧)センサなどを設け、これらから検出された情報を用いて、異常の検出、及び、異常情報の記憶(管理)を行う構成としてもよい。さらに、上述した実施形態では、内視鏡12に設けたセンサで検出した情報を用いて異常の検出、及び、異常情報の管理を行う例で説明をしたが、光源装置14、及び/または、プロセンサ装置20に設けたセンサで検出した情報を用いて異常の検出、及び、異常情報の管理を行う構成としてもよい。
【0042】
[第5実施形態]
図6に示すように、第5実施形態の内視鏡システム400は、プロセッサ装置20の中央制御部72が、メモリ70に格納されたプログラムを動作させることにより、前述した各部(稼働情報管理部74、異常検出部76、エラー履歴管理部78、異常情報生成部80、異常情報管理部82)に加えて、異常予測部402(異常予測ユニット)、予測結果報知部404(報知ユニット)として機能する。
【0043】
異常予測部402は、定期的(例えば、内視鏡検査を行う毎、1ヶ月毎など)、及び/または、ユーザーからの指示に応じて、内視鏡12に将来発生する可能性のある異常の種別及び発生タイミングを予測する。この予測には、メモリ70に記憶された、稼働情報、エラー履歴、異常情報などが用いられる。また、この予測には、同型または類似構成の別の内視鏡において発生した異常に関するデータ(以下、予測用データ)が用いられる。予測用データは、発生した異常の種別、各異常の発生頻度、各異常の発生時の稼働情報などを対応付けしたものである。予測用データは、予めメモリ70に格納されており、異常予測部402は、メモリ70から予測用データを読み出して予測を行う。なお、予測用データをサーバ24に格納し、サーバ24から予測用データを読み出して予測を行ってもよい。
【0044】
予測結果報知部404は、異常予測部402が予測を行う毎、ユーザーからの指示に応じて、及び/または、異常予測部402により予測された異常の発生タイミングまでの期間が所定期間(例えば、半年)以下となった場合に、異常予測部402が実行した予測の結果を、ディスプレイ16に表示することによりユーザーに報知する。なお、スピーカを設け、スピーカから出力する音声により予測結果を報知する構成としてもよい。また、予測結果をサーバ24に送信し、サーバ24側(サーバ24と接続されたディスプレイ、スピーカなど)で報知する構成としてもよい。
【0045】
上記実施形態において、稼働情報管理部74、異常検出部76、エラー履歴管理部78、異常情報生成部80、異常情報管理部82、異常予測部402、予測結果報知部404などの各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array) などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0046】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0047】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。
【0048】
なお、上記実施形態では、画像センサ(イメージセンサ)が設けられた光学式の内視鏡に本発明を適用する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されない。超音波センサ(超音波プローブ)が設けられた超音波内視鏡に本発明を適用してもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、内視鏡の種類によらず共通の方法(検出アルゴリズム)で異常を検出する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されない。プロセッサ装置によっては、異なる種類の内視鏡(例えば、上部内視鏡と下部内視鏡など)が接続されて用いられる場合があり、このような場合は、内視鏡の種類に応じて異常の検出アルゴリズムを異ならせる構成とすることが好ましい。具体的には、中央制御部72を(図2図6参照)を、プロセッサ装置に接続された内視鏡の種別を判別する判別部としても機能させ、異常検出部76が、判別部によって判別された内視鏡の種類に応じた検出アルゴリズムを用いて異常を検出する構成とすることが好ましい。
【符号の説明】
【0050】
10、100、200、300、400 内視鏡システム
12 内視鏡
14 光源装置
16 ディスプレイ(表示装置)
18 ユーザーインターフェース
20 プロセッサ装置(プロセッサ)
22 ネットワーク
24 サーバ
30 挿入部
32 操作部
34 湾曲部
36 先端部
38 入口
40、42、44 回転ダイヤル
46、48、50 押圧ボタン
60 画像センサ(センサ)
70 メモリ(内部メモリ)
72 中央制御部
74 稼働情報管理部
76 異常検出部
78 エラー履歴管理部
80 異常情報生成部
82 異常情報管理部
102 湿度センサ(センサ)
202 トルクセンサ(センサ)
302 アングルセンサ(センサ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6