(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152832
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】ガラス振動板、及び、振動子付きガラス振動板
(51)【国際特許分類】
H04R 7/22 20060101AFI20231005BHJP
H04R 7/10 20060101ALI20231005BHJP
H04R 1/00 20060101ALI20231005BHJP
H04R 1/02 20060101ALN20231005BHJP
【FI】
H04R7/22
H04R7/10
H04R1/00 310F
H04R1/02 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043389
(22)【出願日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2022056653
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 研人
(72)【発明者】
【氏名】秋山 順
【テーマコード(参考)】
5D016
5D017
【Fターム(参考)】
5D016AA01
5D017AE11
(57)【要約】
【課題】マウント部が所望の強度でガラス板積層体に固定されるガラス振動板、及び、振動子付きガラス振動板を提供すること。
【解決手段】ガラス振動板1は、第1ガラス板12、板状体13、及び第1ガラス板12と板状体13との間の挟持される中間膜14を有するガラス板積層体11と、ガラス板積層体11に固定され、ガラス板積層体11を振動させる振動子10が取り付けられるマウント部16と、マウント部16におけるガラス板積層体11の第1端面11cと対向する部分から中間膜14および板状体13の少なくとも一方の内部へ延伸する留め具31と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ガラス板と、板状体と、前記第1ガラス板と前記板状体との間に位置する中間膜と、を有するガラス板積層体と、
前記ガラス板積層体に固定され、前記ガラス板積層体を振動させる振動子が取り付けられるマウント部と、
前記マウント部における前記ガラス板積層体の第1端面と対向する部分から前記中間膜および前記板状体の少なくとも一方の内部へ延伸する留め具と、を有する、
ガラス振動板。
【請求項2】
前記留め具はピン状である、
請求項1に記載のガラス振動板。
【請求項3】
前記留め具は、前記内部への挿入向きの先端側とは逆側に延伸する返し部を有する、
請求項2に記載のガラス振動板。
【請求項4】
前記留め具は、前記内部に向かって螺旋構造を有する、
請求項1又は2に記載のガラス振動板。
【請求項5】
前記留め具は、ねじ構造を有する、
請求項1又は2に記載のガラス振動板。
【請求項6】
前記マウント部と前記第1端面とは接着層を介して接している、
請求項1から5のいずれか1項に記載のガラス振動板。
【請求項7】
前記マウント部は、前記第1端面と対向する部分に貫通孔を有し、
前記留め具は、前記第1端面の外側に配置される保持部と接続され、
前記保持部は、前記貫通孔内の少なくとも一部に配置される、
請求項1から6のいずれか1項に記載のガラス振動板。
【請求項8】
前記貫通孔は、前記第1端面側に向かうにつれて幅狭となるテーパ構造を有する、
請求項7に記載のガラス振動板。
【請求項9】
前記貫通孔と前記保持部は、ねじ構造によって締結される、
請求項7又は8に記載のガラス振動板。
【請求項10】
前記保持部は、
前記第1端面と前記マウント部との間に配置され、前記マウント部側に溝部を有する本体部と、
前記マウント部の前記貫通孔と前記溝部に嵌る接続部材と、を有する、
請求項7から9のいずれか1項に記載のガラス振動板。
【請求項11】
前記接続部材は、ねじ構造を有する、
請求項10に記載のガラス振動板。
【請求項12】
前記マウント部は、前記ガラス板積層体の第1主面と対向する、
請求項1から11のいずれか1項に記載のガラス振動板。
【請求項13】
前記マウント部と前記第1主面とは、接着層によって固定されている、
請求項12に記載のガラス振動板。
【請求項14】
前記マウント部は、前記第1端面の少なくとも一部と対向する第1部分と、前記第1主面の少なくとも一部と対向する第2部分を有し、
前記第1部分と前記第2部分とが、機械的に固定されている、
請求項12又は13に記載のガラス振動板。
【請求項15】
前記第1部分と前記第2部分とは、凹凸構造によって係合されている、
請求項14に記載のガラス振動板。
【請求項16】
前記マウント部は、前記ガラス板積層体の第2主面と対向する部分を有し、
前記マウント部と前記第2主面とは、接着層によって固定されている、
請求項12から15のいずれか1項に記載のガラス振動板。
【請求項17】
前記ガラス板積層体は、前記第1端面を有する第1辺と、前記第1辺と接続し第2端面を有する第2辺を含み、
前記マウント部は、前記第1端面と前記第2端面と対向し、
前記留め具は、前記第1端面から前記内部に挿入される第1留め具と、前記第2端面から前記内部に挿入される第2留め具と、を有する、
請求項1から16のいずれか1項に記載のガラス振動板。
【請求項18】
前記留め具は、前記ガラス板積層体に挿入される長さが2mm以上である、
請求項1から17のいずれか1項に記載のガラス振動板。
【請求項19】
前記板状体は、第2ガラス板であり、
前記ガラス板積層体が合わせガラスであって、
前記留め具は、前記中間膜の前記内部に延伸する、
請求項1から18のいずれか1項に記載のガラス振動板。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか1項に記載のガラス振動板と、前記振動子と、を有する、
振動子付きガラス振動板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス振動板、及び、振動子付きガラス振動板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な板状の部材として、例えば、電子機器用部材、車両用窓部材、車両等の輸送機械の内装用部材を、振動させてスピーカーとして機能させる技術が検討されている。例えば、特許文献1~5には、電気的に振動させるエキサイタ(振動子、アクチュエータ)の振動をガラス板などの振動板に伝える構造が開示されている。
【0003】
特許文献1には、ガラス板の主面に、ソール、ベース、及びアタッチメントを積層して、ソール及びベースとガラス板の一部を覆うプラスチック部によって、これらを固定し、アタッチメントとエキサイタとを接続する構造が開示されている。特に、アタッチメントについては、ねじ構造、グリップ構造、ノッチ構造やフック構造等の固定手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/229179号
【特許文献2】国際公開第2021/229180号
【特許文献3】国際公開第2019/172076号
【特許文献4】特開2010-263512号公報
【特許文献5】特開2009-100223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ガラス振動板の中には、ガラス板積層体と、ガラス板積層体を振動させる振動子が取り付けられるマウント部と、を有して、マウント部が接着層によってガラス板積層体に固定(接合)される構造を含むものがある。ところが、上記構造のガラス振動板は、接着層の経年劣化による接着強度の低下が問題となる。具体的には、ガラス板積層体の板厚方向に衝撃が繰り返し加わると、接着層に部分的な凝集破壊が発生して、亀裂が発生したり、発生した亀裂が進展したりする。つまり、ガラス板積層体へのマウント部の固定強度には、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、マウント部が所望の強度でガラス板積層体に固定されるガラス振動板、及び、振動子付きガラス振動板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係るガラス振動板、及び、振動子付きガラス振動板は、下記を特徴としている。
【0008】
(1)
第1ガラス板と、板状体と、前記第1ガラス板と前記板状体との間に位置する中間膜と、を有するガラス板積層体と、
前記ガラス板積層体に固定され、前記ガラス板積層体を振動させる振動子が取り付けられるマウント部と、
前記マウント部における前記ガラス板積層体の第1端面と対向する部分から前記中間膜および前記板状体の少なくとも一方の内部へ延伸する留め具と、を有する、
ガラス振動板。
(2)
(1)に記載のガラス振動板と、前記振動子と、を有する、
振動子付きガラス振動板。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るガラス振動板、及び、振動子付きガラス振動板によれば、マウント部が所望の強度でガラス板積層体に固定される。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動子付きガラス振動板の概略平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2実施形態に係るガラス振動板の概略断面図である(
図2に相当)。
【
図4】
図4は、本発明の第3実施形態に係るガラス振動板の概略断面図である(
図2に相当)。
【
図5A】
図5Aは、本発明の第4実施形態に係るガラス振動板の概略断面図である(
図2に相当)。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aに示すガラス振動板を第1主面側からみた概略平面図である(ただし、マウント部の図示省略)。
【
図6】
図6は、本発明の第5実施形態に係るガラス振動板の概略断面図である(
図2に相当)。
【
図7】
図7は、
図6に示すガラス振動板の保持部を第1端面側からみた概略平面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第5実施形態に係るガラス振動板の概略断面図である(
図2に相当、係合構造の図示省略)。
【
図9】
図9は、
図8に示すガラス振動板における第1部分と第2部分との係合構造の一例を示す概略断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第6実施形態に係るガラス振動板の概略断面図である(
図2に相当)。
【
図12】
図12は、本発明の第7実施形態に係るガラス振動板を第1主面側からみた概略平面図である。
【
図13】
図13は、本発明における留め具の第1変形例を示す概略平面図である。
【
図14】
図14は、本発明における留め具の第2変形例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明について説明する。各図面において、同一の構成箇所については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。更に、各図面において、本発明の内容を理解しやすいように、形状、寸法等を一部誇張している場合がある。更に、以下の各実施形態において、本発明を達成できるものであれば、各種構成や各種構造等をそれぞれ組み合わせ可能である。なお、第2実施形態以降の各実施形態については、第1実施形態との相違点についてのみ具体的に説明する。
【0013】
<第1実施形態>
第1実施形態について、
図1~
図2を参照して説明する。
図1は、振動子付きガラス振動板100の概略平面図である。
図2は、
図1におけるA-A線の概略断面図である。
【0014】
図1に示すように、振動子付きガラス振動板100は、ガラス振動板1と、振動を発生する振動子10と、を備える。振動子付きガラス振動板100は、振動子10の駆動によって、ガラス振動板1を振動させて所望の音響を発生させる。
【0015】
なお、振動子10は、振動子本体に接触する対象物を振動板として利用し、振動板から音を発生させる加振装置である。振動子10としては、エキサイタ等の公知のアクチュエータを使用できる。
【0016】
例えば、振動子付きガラス振動板100を車両のサイドウインドウとして設ける場合、ベルトラインBLよりも下方の昇降機構(図示省略)との接続部側(紙面の下側、接続部の図示省略)に、振動子10を配置する。これにより、車室内にガラス板積層体11から発生する音響を供給できる。ベルトラインBLは、サイドウインドウを車両(ドア)に取り付けたとき、サイドウインドウが全閉状態における開口部の下辺と略一致する。なお、詳細は後述するが、振動子付きガラス振動板100の用途はこれに限らない。
【0017】
図2に示すように、ガラス振動板1は、ガラス板積層体11と、振動子10をガラス板積層体11に固定するマウント部16と、を有する。
【0018】
ガラス板積層体11は、第1ガラス板12と、板状体13と、第1ガラス板12と板状体13との間に位置する中間膜14と、を含む構成である。第1ガラス板12と板状体13とは、互いに対向する一対の板であり、中間膜14を挟んだ状態で固着されている。換言すると、中間膜14は、第1ガラス板12と板状体13とを接合する膜である。
【0019】
第1ガラス板12の材料としては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等の無機ガラスが特に制限なく用いられる。また、第1ガラス板12は、強度を高める観点から、物理強化ガラス板(風冷強化ガラス板)や化学強化ガラス板でもよい。
【0020】
板状体13としては、例えば、第1ガラス板12と同様に、無機ガラスからなるガラス板(本発明の第2ガラス板に対応)を使用できる。この場合、ガラス板積層体11は、いわゆる合わせガラスである。
【0021】
また、板状体13としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリスチレン(PS)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)系樹脂、セルロース系樹脂等の透明樹脂からなる板状体、すなわち有機ガラスが使用できる。この場合、ガラス板積層体11としては、公知(例えば、国際公開第2021/065616号等)のものが使用できる。
【0022】
また、第1ガラス板12及び板状体13の少なくとも一方の表面には、導電膜を形成してもよい。導電膜としては、Ag(銀)膜などの金属膜、ITO(酸化インジウム・スズ)膜などの金属酸化膜、または導電性微粒子を含む樹脂膜、複数種類の膜を積層した積層体などが挙げられる。導電膜の具体例として、低放射性能を発揮するLow-E(Low
Emissivity)膜などの低放射膜や、赤外線反射膜が挙げられる。さらに、導電膜としては、電圧印加による発熱によってガラス板積層体11の防氷機能や防曇機能を有するものでもよく、電圧印加によって可視光透過率を変化させる調光フィルムでもよい。
【0023】
中間膜14としては、例えば、液体や液晶等の流体からなる流体層、ゲル状体又は固体フィルムが好ましく、中でも、固体フィルムが好ましい。なお、「流体」とは、液体、半固体、固体粉末と液体との混合物、固体のゲル(ゼリー状物質)に液体を含浸させたもの等、液体を含む流動性を有するものを全て包含する意味とする。中間膜14に固体フィルムを用いる場合、中間膜14の材料としては、合わせガラスの中間膜として好適に用いられるポリビニルブチラール樹脂(PVB)、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー(COP)等が挙げられ、中でも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
さらに、EC(Electrochromic)方式、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)方式、GHLC(Guest-Host Liquid Crystal)方式、SPD(Suspended Particle Device)方式、ガスクロミック方式などの調光機能を有するフィルム材料を中間膜14として用いてもよい。
【0024】
マウント部16は、ガラス板積層体11の任意の位置に配置できるが、外縁の一部又は外縁の近傍に配置するのが好ましい。なお、上述したガラス板積層体11の平面視における形状は、特に限定されないが、例えば、四角形、又は四角形に凹凸、曲線形状等が追加された略四角形であると好ましい。この場合、マウント部16は、四角形又は略四角形の一辺の外縁に沿って配置できる。上述したように、ガラス板積層体11がサイドウインドウである場合(
図1参照)、ベルトラインBLよりも下方にマウント部16及び振動子10を配置すると、サイドウインドウを車両に取り付けたとき、これらが乗員から視認されないので好ましい。
【0025】
マウント部16は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属材料、セラミックス、ガラス、樹脂材料、等の素材で形成できる。樹脂材料としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ウレタン、ポリプロピレン、ABS樹脂等、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスチレン(PS)、ナイロン66、等が挙げられ、成形性に優れた構成にできる。さらに上記はガラス繊維や炭素繊維を含む繊維強化プラスチックとするとより好ましい。上記材料を用いることで、マウント部17に割れ等を生じず、十分な接続強度が得られる。
マウント部17は単一の材料で構成されていてもよいが、アルミニウム合金とステンレス、または樹脂材料とステンレスなどといった複合材料で構成されていてもよい。
【0026】
マウント部16は、ガラス板積層体11の第1主面11a及び第1端面11cの各々と対向するように、略L字状に形成される。マウント部16における第1端面11cと対向する部分(以下、「第1部分16a」ともいう)には、中間膜14の内部へ延伸するピン状の留め具31(「第1留め具31c」ともいう)が、挿入・固定されている。マウント部16の第1部分16aへの留め具31の保持手段は、例えば圧入やインサート成形等によって実現可能であり、特に限定されない。
【0027】
留め具31は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金、チタン、マグネシウム、ステンレス鋼等の金属材料、セラミックス、ガラス、樹脂材料、等の素材で形成できる。樹脂材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ウレタン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスチレン(PS)、ナイロン66、等が使用でき、成形性に優れた構成にできる。
【0028】
留め具31は、紙面の上下方向に延びて、上側(中間膜14の内部)に向かうにつれて径が小さくなるテーパ構造を有するピン状部31aを含む。留め具31はさらに、ピン状部31aの外周から紙面下側に向けて傾斜するように延びる返し部31bが一体に構成されてもよい。これにより、返し部31bが中間膜14に引っ掛かり、留め具31の下側への変位が規制され、留め具31の中間膜14からの抜けが抑制される。つまり、ガラス板積層体11からのマウント部16の離脱が抑制される。
【0029】
留め具31は、
図1のガラス板積層体11において、中間膜14(即ち、ガラス板積層体11)の上下方向の長さが10mm以上2000mm以下、且つ、紙面の奥行き方向の長さ(即ち、厚さ)が0.1mm以上5mm以下、且つ、紙面の左右方向の長さ(即ち、幅)が10mm以上2000mm以下である場合、中間膜14の内部に2mm以上15mm以下の範囲の長さで挿入されていることが好ましい。また、該長さは、3mm以上でもよく、4mm以上でもよく、5mm以上でもよい。さらに該長さは、14mm以下でもよく、12mm以下でもよく、10mm以下でもよい。
【0030】
また、上記条件において、留め具31は、最大径が0.1mm以上1mm以下であり、最小径が0.001mm以上0.8mm以下であることが好ましい。
【0031】
なお、留め具31は、板状体13が有機ガラスであれば、板状体13の内部に挿入されてもよい。さらに、留め具31は、板状体13が有機ガラスである場合、中間膜14と板状体13(有機ガラス)の両方に接するように挿入されてもよい。留め具31は、板状体13の内部に挿入される場合、最大径が0.1mm以上5mm以下であり、最小径が0.001mm以上1mm以下であることが好ましい。また、留め具31の最大径は、中間膜14の厚さに応じて、0.1mm以上1.0mm以下でもよく、0.1mm以上0.5mm以下でもよく、0.1mm以上0.4mm以下でもよく、0.1mm以上0.3mm以下でもよい。
【0032】
ガラス板積層体11の第1主面11aとマウント部16の第1主面11aと対向する部分(以下、「第2部分16b」ともいう)とは、接着層15を介して接している。つまり、接着層15は、第1主面11aとマウント部16とを接合している。これにより、留め具31のみの固定に比べて、ガラス板積層体11からマウント部16が離脱されにくくなる。なお、接着層15は、ガラス板積層体11の第1端面11cとマウント部16の第1部分16aとの間に設けられてもよい。
【0033】
接着層15としては、例えば、熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤、湿気硬化型接着剤、嫌気性接着剤、2液混合型接着剤、及び熱可塑性接着剤、等の各種の接着剤を使用できる。熱硬化型接着剤の場合、接着剤中に入れる材料の種類や比率を工夫することで架橋密度を上げられ、硬化後の耐熱性の向上、耐薬品性、耐湿性の向上を図れる。光硬化型接着剤の場合、可視光や紫外線を照射することにより瞬間接着できるため、接着作業時間の短縮が図れる。湿気硬化型接着剤の場合、塗布後に熱や紫外線などのエネルギーを加えることなく硬化物を得ることができる。嫌気性接着剤の場合、接着プロセス後、圧着状態を維持し、空気との接触部を少なくすることで硬化物を得ることができる。2液混合型接着剤については、2つの材料を混ぜ合わせることで接着を発現させるものであり、接着剤使用前の保存安定性が良く、プロセス管理も好ましい。以上については、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、エポキシ系、シアノアクリレート系、フェノール系などが好ましく、またはそれぞれを組み合わせた構造物でもよい。また、接着剤が、熱可塑させて接着性を発現する群の場合、熱をかけながら圧着することで硬化物(接着層)を得ることができる。接着層15の材料としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、ウレタン樹脂、ホットメルト型の接着剤を使用できる。さらに、熱可塑性接着剤に加え、膨張性マイクロカプセル入りの接着剤や、通電剥離型粘接着剤をはじめとする解体性接着剤を使用することもできる。また、接着層15の材料としては、ガラスとの接合時において、線膨張差によるガラス割れを防止する観点から、熱膨張および収縮時に強固な引張応力や圧縮応力が発現するものは好ましくない。使用温度域(-40℃~90℃)で、圧縮貯蔵弾性率が1×109以下の弾性率のものが好ましい。
【0034】
ガラス振動板1は、例えば、下記(i)~(iii)の工程により製造できる。
(i)準備工程:準備工程では、ガラス板積層体11、留め具31及びマウント部16を準備する。(ii)マウント部取付工程:マウント部取付工程では、接着剤等によって、ガラス板積層体11にマウント部16を固定する。(iii)留め具挿入工程:留め具挿入工程では、マウント部16の第1部分16aから中間膜14及び板状体13(有機ガラス)の少なくとも一方の内部に留め具31を挿入する。
【0035】
また、ガラス振動板1は、下記(I)~(III)の工程によって製造してもよく、さらに、下記(III)の後に下記(IV)の工程を経てもよい。(I)準備工程:準備工程では、ガラス板積層体11、留め具31及びマウント部16を準備する。(II)マウント部-留め具一体化工程:マウント部-留め具一体化工程では、マウント部16の第1部分16aに、留め具31を固定する。(III)留め具付きマウント部取付工程:留め具付きマウント部取付工程では、留め具31が中間膜14及び板状体13(有機ガラス)の少なくとも一方の内部に挿入されるように、ガラス板積層体11に留め具付きマウント部を取り付ける。(IV)接着工程:接着工程では、マウント部16とガラス振動板1との間の接着層によってこれらを接着固定する。
なお、上記(III)では、上記のように、留め具31をマウント部16に圧入させたり、インサート成形によってこれらを一体化(マウント部16に留め具31を保持)させたりしてもよい。また、上記(IV)では、ガラス板積層体11とマウント部16との間に湿気硬化性接着剤や2液混合硬化性接着剤などを注入してもよく、予めマウント部16に取り付けていた熱硬化性樹脂/紫外線硬化性樹脂に、熱/紫外線エネルギーを付与して、これらを固定させてもよい。
【0036】
<第2実施形態>
第2実施形態について、
図3を参照して説明する。
図3は、ガラス振動板2の概略断面図である。
【0037】
ガラス振動板2では、ガラス板積層体11とマウント部16との固定箇所が、第1端面11cと第1部分16aとのみである。換言すると、第1実施形態では、マウント部16の第2部分16bが、第1部分16aの右端部から上側に向けて延びていたのに対し、第2実施形態では、第2部分16bが、第1部分16aの右端部から下側(平面視におけるガラス板積層体11の外側)に向けて延びている。
【0038】
ガラス振動板2においても、マウント部16の第1部分16aには、中間膜14の内部へ延伸するピン状の留め具31が、挿入・固定されている。これにより、ガラス板積層体11からのマウント部16の離脱が抑制される。また、ガラス板積層体11の第1端面11cとマウント部16(即ち、第1部分16a)とは、接着層15を介して接している。これにより、留め具31のみの固定に比べて、ガラス板積層体11からマウント部16が離脱されにくくなる。なお、ガラス振動板2に取り付けられる、不図示の振動子は、マウント部16の第2部分16bの任意の位置に配置できる。
【0039】
<第3実施形態>
第3実施形態について、
図4を参照して説明する。
図4は、ガラス振動板3の概略断面図である。
【0040】
ガラス振動板3では、マウント部17の第1部分に、上下方向に延びる貫通孔17aが設けられている。貫通孔17a内には、留め具31と接続される保持部32が配置される。マウント部17における保持部32の保持手段は、例えば圧入やインサート成形、ねじ等によって実現可能であり、特に限定されない。また、留め具31と保持部32との接続手段についても、例えば圧入やインサート成形等によって実現可能であり、特に限定されない。
【0041】
保持部32は、貫通孔17aに対応する形状を有し、ガラス板積層体11の外部且つ貫通孔17a内の少なくとも一部に配置されて、マウント部17に保持されている。これにより、ガラス板積層体11からマウント部17が離脱されにくくなる。
【0042】
なお、本実施形態では、貫通孔17aは、上側に向かうにつれて孔径が小さくなる(幅狭となる)テーパ構造を有している。
【0043】
<第4実施形態>
第4実施形態について、
図5A~
図5Bを参照して説明する。
図5Aは、ガラス振動板4の概略断面図である。
図5Bは、
図5Aに示すガラス振動板4を第1主面11a側からみた概略平面図である(ただし、マウント部18の図示省略)。
【0044】
ガラス振動板4では、マウント部18の第1部分に上下方向に延びる貫通孔18aが設けられている。貫通孔18aは、上下方向の全域に亘って孔径が一定である。貫通孔18a内には、留め具33と接続される保持部34の大部分が配置される。
【0045】
保持部34は、貫通孔18aに対応する形状且つ貫通孔18aよりも上下方向に長いように構成され、ガラス板積層体11の外部に配置されて、マウント部18に保持されている。保持部34は、このように貫通孔18aから飛び出た態様においても、マウント部18に保持される。
【0046】
また、ガラス振動板4では、留め具33は平板状に形成されている(特に
図5B参照)。留め具33の先端部(上端部)は、板厚方向に対向する面が、上側(中間膜14の内部方向)に向かうにつれて互いに近づくテーパ構造を有している(特に
図5A参照)。これにより、中間膜14への留め具33の挿入が容易となる。
【0047】
<第5実施形態>
第5実施形態について、
図6~
図7を参照して説明する。
図6は、ガラス振動板5の概略断面図である。
図7は、
図6に示すガラス振動板5の保持部35を第1端面11c側からみた概略平面図である
【0048】
ガラス振動板5では、マウント部19の第1部分に上下方向に延びる貫通孔19aが設けられている。貫通孔19aは、上下方向の全域に亘って孔径が一定でもよく、テーパを有してもよい。貫通孔19a内には、留め具31と接続される保持部35の接続部材35cが配置される。
【0049】
保持部35は、第1端面11cとマウント部19との間に配置されて、下面から上側に窪む溝部35bを有する本体部35aと、貫通孔19aと溝部35bとに嵌る接続部材35cと、を有している。接続部材35cとしては、例えばねじを使用でき、溝部35bとしては、ねじ穴が使用される(
図7参照)。これにより、保持部35がマウント部19により適正に保持される。
【0050】
<第6実施形態>
第6実施形態について、
図8~
図10を参照して説明する。
図8は、ガラス振動板6の概略断面図である(ただし、係合構造の図示省略)。
図9は、ガラス振動板6における第1部分21と第2部分22との係合構造の一例を示す概略断面図である。
図10は、
図9に示す係合構造の変形例を示す概略断面図である。
【0051】
ガラス振動板6では、マウント部20は、第1部分21と第2部分22とからなる二体構造であり、所定の係合構造によって第1部分21と第2部分22とが係合されている。所定の係合構造の一例として、互いに係合し合う凸部と凹部とが摺動自在に組み合わされるインロー構造(即ち、凹凸構造)が使用できる(
図9~
図10参照)。
【0052】
第1部分21には第2部分22側(紙面の右側)に突出する凸部21aが設けられ、この凸部21aが係合される凹部22aが第2部分22に設けられている(
図9参照)。凸部21aは、先端(紙面の右側)に向かって幅寸法が漸増している。また、凹部22aは、凸部21aの幅寸法に対応するように、溝底(紙面の右側)に向かうほど溝幅が広がる(いわゆる、ほぞ穴)形状を有している。凸部21a及び凹部22aは、奥行き方向(紙面垂直方向)に沿って直線状に延びて形成されている。つまり、凸部21aと凹部22aは、互いに係合してその長手方向へ摺動自在に組み合わされている。
【0053】
このように、第1部分21と第2部分22とを、凸部21aと凹部22aとの係合によって組み合わせることで、双方の位置決め精度と接合強度が高められる。また、第1部分21と第2部分22とを、互いにスライドさせて装着する作業で接合でき、組み立ての作業性を向上できる。なお、凸部21aと凹部22aとは、第1部分に凹部を設け、に第2部分22に凸部を設けた構成にしてもよい。その場合も上記同様に、位置決め精度、接合強度及び組み立ての作業性をそれぞれ向上できる。
【0054】
また、ガラス振動板6では、第1部分21は、凸部21aと凹部22aとの摩擦によって位置ずれが抑えられ、さらに接着層15によりガラス板積層体11に固定されるため、確実に第2部分22から抜け止めされる。なお、凸部21aと凹部22aとの界面には、接着層を介してさらにこれらを固定してもよい。その接着層としては、例えば、接着層15と同様の材料を使用できる。さらに、第1部分21と第2部分22とをねじ等を併用して固定してもよい。
【0055】
なお、凸部21aと凹部22aとの形状はこれに限らない。例えば、凸部21aは、第2部分22側に突出する柱部分と、柱部分の先端部に設けられる柱部分よりも幅広のフランジ部分と、から構成される、断面視略T字状に形成されてもよい(
図10参照)。この場合にも、凹部22aは、凸部21aに対応する形状を有する。これにより、第1部分21と第2部分22とがインロー構造で組み合わされる。
【0056】
<第7実施形態>
第7実施形態について、
図11を参照して説明する。
図11は、ガラス振動板7の概略断面図である。
【0057】
ガラス振動板7では、マウント部23は、ガラス板積層体11の第1主面11a、第1端面11c、及び第2主面11bの各々と対向するように、略矩形U字状に形成される。換言すると、マウント部23は、第1端面11cと対向する第1部分と、第1主面11aと対向する第2部分と、第2主面と対向する第3部分と、を含んで構成されている、
【0058】
ガラス積層体11とマウント部23とは、接着層15aを介して接している。具体的には、ガラス板積層体11の第1主面11aとマウント部23の第2部分、ガラス板積層体11の第2主面11bとマウント部23の第3部分、及び、ガラス板積層体11の第1端面11cとマウント部の第1部分は、接着層15aを介して接している。つまり、接着層15aは、ガラス積層体11とマウント部23とを接合している。
【0059】
<第8実施形態>
第8実施形態について、
図12を参照して説明する。
図12は、ガラス振動板8を第1主面11a側からみた概略平面図である。
【0060】
ガラス振動板8では、マウント部24は、第1主面11a、第1端面11c、及び、第1端面11cを有する第1辺11eと接続する第2辺11fにおける第2端面11dの各々と対向するように、対応する形状に形成されている。また、ガラス振動板8では、第1留め具31cが、第1端面11cから中間膜14の内部に、第2留め具31dが、第2端面11dから中間膜14の内部にそれぞれ挿入される。なお、
図12に示すガラス振動板8では、マウント部24が、第1辺11eと第2辺11fとが接続する部分を覆わないように配置されているが、これら2つの辺が接続する部分を覆う形状でもよい。この場合、マウント部24は、第1端面11cと第2端面11dとが接続する部分も覆うように構成される。
【0061】
<留め具の変形例>
図13に示すように、留め具36は、螺旋構造を有していてもよい。また、
図14に示すように、留め具37は、ねじ構造を有していてもよい。
【0062】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0063】
<作用・効果>
このように、本発明の各実施形態に係るガラス振動板、及び、振動子付きガラス振動板は、マウント部が所望の強度でガラス板積層体に固定される。
【0064】
ここで、上述した本発明に係るガラス振動板、及び、振動子付きガラス振動板の実施形態の特徴をそれぞれ以下(1)~(20)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
第1ガラス板と、板状体と、前記第1ガラス板と前記板状体との間に位置する中間膜と、を有するガラス板積層体と、
前記ガラス板積層体に固定され、前記ガラス板積層体を振動させる振動子が取り付けられるマウント部と、
前記マウント部における前記ガラス板積層体の第1端面と対向する部分から前記中間膜および前記板状体の少なくとも一方の内部へ延伸する留め具と、を有する、
ガラス振動板。
(2)
前記留め具は、ピン状である、
(1)に記載のガラス振動板。
(3)
前記留め具は、前記内部への挿入向きの先端側とは逆側に延伸する返し部を有する、
(2)に記載のガラス振動板。
(4)
前記留め具は、前記内部に向かって螺旋構造を有する、
(1)又は(2)に記載のガラス振動板。
(5)
前記留め具は、ねじ構造を有する、
(1)又は(2)に記載のガラス振動板。
(6)
前記マウント部と前記第1端面とは接着層を介して接している、
(1)から(5)のいずれか1つに記載のガラス振動板。
(7)
前記マウント部は、前記第1端面と対向する部分に貫通孔を有し、
前記留め具は、前記第1端面の外側に配置される保持部と接続され、
前記保持部は、前記貫通孔内の少なくとも一部に配置される、
(1)から(6)のいずれか1つに記載のガラス振動板。
(8)
前記貫通孔は、前記第1端面側に向かうにつれて幅狭となるテーパ構造を有する、
(7)に記載のガラス振動板。
(9)
前記貫通孔と前記保持部は、ねじ構造によって締結される、
(7)又は(8)に記載のガラス振動板。
(10)
前記保持部は、
前記第1端面と前記マウント部との間に配置され、前記マウント部側に溝部を有する本体部と、
前記マウント部の前記貫通孔と前記溝部に嵌る接続部材と 、を有する、
(7)から(9)のいずれか1つに記載のガラス振動板。
(11)
前記接続部材は、ねじ構造を有する、
(10)に記載のガラス振動板。
(12)
前記マウント部は、前記ガラス板積層体の第1主面と対向する、
(1)から(11)のいずれか1つに記載のガラス振動板。
(13)
前記マウント部と前記第1主面とは、接着層によって固定されている、
(12)に記載のガラス振動板。
(14)
前記マウント部は、前記第1端面の少なくとも一部と対向する第1部分と、前記第1主面の少なくとも一部と対向する第2部分を有し、
前記第1部分と前記第2部分とが、機械的に固定されている、
(12)又は(13)に記載のガラス振動板。
(15)
前記第1部分と前記第2部分とは、凹凸構造によって係合されている、
(14)に記載のガラス振動板。
(16)
前記マウント部は、前記ガラス板積層体の第2主面と対向する部分を有し、
前記マウント部と前記第2主面とは、接着層によって固定されている、
(12)から(15)のいずれか1つに記載のガラス振動板。
(17)
前記ガラス板積層体は、前記第1端面を有する第1辺と、前記第1辺と接続し第2端面を有する第2辺を含み、
前記マウント部は、前記第1端面と前記第2端面と対向し、
前記留め具は、前記第1端面から前記内部に挿入される第1留め具と、前記第2端面から前記内部に挿入される第2留め具と、を有する、
(1)から(16)のいずれか1つに記載のガラス振動板。
(18)
前記留め具は、前記ガラス板積層体に挿入される長さが2mm以上である、
(1)から(17)のいずれか1つに記載のガラス振動板。
(19)
前記板状体は、第2ガラス板であり、
前記ガラス板積層体が合わせガラスであって、
前記留め具は、前記中間膜の前記内部に延伸する、
(1)から(18)のいずれか1つに記載のガラス振動板。
(20)
(1)から(19)のいずれか1つに記載のガラス振動板と、前記振動子と、を有する、
振動子付きガラス振動板。
【符号の説明】
【0065】
1,2,3,4,5,6,7,8 ガラス振動板
10 振動子
11 ガラス板積層体
11a 第1主面
11b 第2主面
11c 第1端面
11d 第2端面
11e 第1辺
11f 第2辺
12 第1ガラス板
13 板状体
14 中間膜
15,15a 接着層
16,17,18,19,20,23,24 マウント部
17a,18a,19a 貫通孔
21 第1部分
21a 凸部
22 第2部分
22a 凹部
31,33,36,37 留め具
31a ピン状部
31b 返し部
31c 第1留め具
31d 第2留め具
32,34,35 保持部
35a 本体部
35b 溝部
35c 接続部材
100 振動子付きガラス振動板