IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の特許一覧

特開2023-152854脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法
<>
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図1
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図2
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図3
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図4
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図5
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図6
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図7
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図8
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図9
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図10
  • 特開-脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152854
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A01K29/00 D
A01K29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045975
(22)【出願日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2022057430
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】平野 清
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 也恭
(72)【発明者】
【氏名】柿原 秀俊
(57)【要約】
【課題】家畜の脱柵前行動を検出可能な検出装置等を実現する。
【解決手段】家畜に装着可能な、少なくとも1つの加速度センサ(11)を含む行動センサと、制御装置(12)とを備えた脱柵前行動の検出装置(10)であって、制御装置(12)は、行動センサ(11)から取得した検知結果が、家畜の脱柵前行動を示すかを判定する判定部(13)を含み、判定部(13)は、家畜の前屈行動を含む検知結果を、脱柵前行動を示すものと判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家畜に装着可能な、少なくとも1つの加速度センサを含む行動センサと、制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記行動センサから取得した検知結果が、前記家畜の脱柵前行動を示すものか否かを判定する判定部を含み、
前記判定部は、前記家畜の前屈行動を含む前記検知結果を、前記脱柵前行動を示すものと判定する、脱柵前行動の検出装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記前屈行動と、前記家畜の採食行動との組み合わせを含む前記検知結果を、前記脱柵前行動を示すものと判定する、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記行動センサは、3軸の前記加速度センサを含む、請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記行動センサは、1軸の前記加速度センサと、複数の気圧センサとを含み、
前記判定部は、前記検知結果のうち前記加速度センサの出力が前記採食行動を示すものか否かを判定し、前記気圧センサの出力が前記前屈行動を示すものか否かを判定する、請求項2に記載の検出装置。
【請求項5】
通知を受信する受信装置と通信可能な通信装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記判定部が、前記検知結果が前記脱柵前行動を示すものと判定した場合にのみ、前記通信装置から前記受信装置に前記通知を送信する通知部をさらに含む、請求項1から4の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の検出装置が備える前記制御装置としてコンピュータを機能させるための検出プログラムであって、前記判定部としてコンピュータを機能させるための検出プログラム。
【請求項7】
家畜に装着された、少なくとも1つの加速度センサを含む行動センサから取得した検知結果が、前記家畜の脱柵前行動を示すものか否かを判定する判定工程を含み、
前記判定工程では、前記家畜の前屈行動を含む前記検知結果を、前記脱柵前行動を示すものと判定する、脱柵前行動の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱柵前行動の検出装置、検出プログラムおよび検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家畜の放牧地は通常、電気牧柵等の牧柵により囲むことで、家畜が放牧地外に出ることを防止する。しかしながら、例えば放牧地内に生える摂食可能な草等の可食物が不足すると、家畜は、放牧地外の可食物を求めて脱柵を試みる場合がある。放牧地内に生えている草が摂食可能か否かは一見して判断しづらい場合があるため、放牧地内の草の残存量を確認するだけでは、脱柵の防止策としては不十分であるといえる。
【0003】
非特許文献1には、家畜が電気牧柵から脱柵するまでの行動過程が示されている。また、家畜の行動を監視する観点からは、特許文献1には、GPS(Global Positioning System)センサを利用した、家畜の放牧管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-99098号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】黒毛和種繁殖雌牛が電気牧柵から脱柵するまでの行動過程、日畜会報、79(4),535-541,2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1には、家畜が脱柵するまでの行動過程は記載されているが、当該行動過程を行動センサによりモニタリングすることおよびその具体的な方法については、何ら開示されていない。また、特許文献1に記載の放牧管理システムでは、GPSセンサにより脱柵後の家畜の位置を把握することは可能と考えられるが、家畜の脱柵を予防することは困難である。
【0007】
本発明の一態様は、家畜の脱柵前行動を検出可能な検出装置等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る脱柵前行動の検出装置は、家畜に装着可能な、少なくとも1つの加速度センサを含む行動センサと、制御装置とを備え、前記制御装置は、前記行動センサから取得した検知結果が、前記家畜の脱柵前行動を示すものか否かを判定する判定部を含み、前記判定部は、前記家畜の前屈行動を含む前記検知結果を、前記脱柵前行動を示すものと判定する。
【0009】
本発明の態様2に係る脱柵前行動の検出装置は、前記態様1において、前記判定部は、前記前屈行動と、前記家畜の採食行動との組み合わせを含む前記検知結果を、前記脱柵前行動を示すものと判定してもよい。
【0010】
本発明の態様3に係る脱柵前行動の検出装置は、前記態様1または2において、前記行動センサは、3軸の前記加速度センサを含んでもよい。
【0011】
本発明の態様4に係る脱柵前行動の検出装置は、前記態様2において、前記行動センサは、1軸の前記加速度センサと、複数の気圧センサとを含み、前記判定部は、前記検知結果のうち前記加速度センサの出力が前記採食行動を示すものか否かを判定し、前記気圧センサの出力が前記前屈行動を示すものか否かを判定してもよい。
【0012】
本発明の態様5に係る脱柵前行動の検出装置は、前記態様1から4のいずれかにおいて、通知を受信する受信装置と通信可能な通信装置をさらに備え、前記制御装置は、前記判定部が、前記検知結果が前記脱柵前行動を示すものと判定した場合にのみ、前記通信装置から前記受信装置に前記通知を送信する通知部をさらに含んでいてもよい。
【0013】
本発明の各態様に係る脱柵前行動の検出装置が備える制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記制御装置をコンピュータにて実現させる検出装置の制御プログラム(検出プログラム)、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0014】
前記の課題を解決するために、本発明の態様6に係る脱柵前行動の検出方法は、家畜に装着された、少なくとも1つの加速度センサを含む行動センサから取得した検知結果が、前記家畜の脱柵前行動を示すものか否かを判定する判定工程を含み、前記判定工程では、前記家畜の前屈行動を含む前記検知結果を、前記脱柵前行動を示すものと判定する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、家畜の脱柵前行動を検出可能な検出装置等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1に係る第1検出装置および受信装置の機能ブロック構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る第1検出装置が備える制御装置の処理フローを示すフロー図である。
図3】実施形態1に係る第1検出装置が判定する、脱柵前行動を示す検知結果の一例を示す図である。
図4】実施形態1の変形例に係る第1検出装置が判定する、脱柵前行動を示す検知結果の一例を示す図である。
図5】実施形態1の他の変形例に係る第1検出装置が判定する、脱柵前行動を示す検知結果の一例を示す図である。
図6】実施形態2に係る第1検出装置、第2検出装置および受信装置の機能ブロック構成を示すブロック図である。
図7】実施形態2に係る第1検出装置が備える制御装置の処理フローを示すフロー図である。
図8】実施形態2に係る第1検出装置が判定する、脱柵前行動を示す検知結果の一例を示す図である。
図9】実施形態2の変形例に係る第1検出装置が判定する、脱柵前行動を示す検知結果の一例を示す図である。
図10】実施形態2の他の変形例に係る第1検出装置、第2検出装置および受信装置の機能ブロック構成を示すブロック図である。
図11】実施形態2の他の変形例に係る第1検出装置が判定する、脱柵前行動を示す検知結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図1~3を参照して以下に説明する。
【0018】
(第1検出装置の構成)
本発明の一実施形態に係る脱柵前行動の検出装置である第1検出装置10は、家畜に装着可能に構成される。本実施形態では、第1検出装置10が、家畜の頸部に装着可能な首輪の一部として構成される例について説明する。第1検出装置10を装着する家畜は、放牧により飼育される動物であればよく、例えば、牛が好適に挙げられる。本明細書では、牛に第1検出装置10を装着する場合を例として説明する。
【0019】
図1に示すように、第1検出装置10は、牛の行動を検知する行動センサである3軸加速度センサ11と、制御装置12と、記憶装置15と、第1通信装置16とを備えている。第1検出装置10は、3軸加速度センサ11の出力を行動センサの検知結果として取得し、当該検知結果に基づいて、牛の脱柵前行動を検出する。
【0020】
3軸加速度センサ11は、互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)それぞれの方向の加速度を検知可能な加速度センサ(3軸の加速度センサ)である。3軸加速度センサ11は、検知した各軸の加速度を出力する。第1検出装置10は、3軸加速度センサ11により牛の行動を3次元的に検知できる。
【0021】
第1検出装置10が備える行動センサは、加速度センサとしての機能を含んでいればよく、3軸加速度センサ11以外のセンサを含むものであってもよい。第1検出装置10が備える行動センサは、例えば9軸センサであってもよい。9軸センサは、3軸の加速度センサに加え、3軸の角速度センサ(ジャイロセンサともいう)および3軸の方位センサ(磁力センサ、地磁気センサまたはコンパスセンサ等ともいう)を含むセンサである。
【0022】
制御装置12は、判定部13と、通知部14とを含む。制御装置12は、第1検出装置10の各部の動作を統括して制御する部材である。制御装置12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であってよい。
【0023】
判定部13は、3軸加速度センサ11から取得した検知結果が、牛の脱柵前行動を示すものか否かを判定する機能ブロックである。判定部13は、牛の前屈行動を含む前記検知結果を、脱柵前行動を示すものと判定する。また、判定部13は、前屈行動と、牛の採食行動との組み合わせを含む前記検知結果を、脱柵前行動を示すものと判定してもよい。判定部13による脱柵前行動の具体的な判定方法について、詳細は後述する。
【0024】
通知部14は、判定部13の検知結果が脱柵前行動を示すものと判定した場合、すなわち第1検出装置10が脱柵前行動を検出した場合にのみ、第1通信装置16から受信装置30に通知を送信してもよい。ここで、受信装置30は、第1検出装置10から通知を受信する装置であり、第3通信装置31と、通知装置32とを備える。第3通信装置31は、第1検出装置10が備える第1通信装置16と通信可能な通信装置であれば、特に限定されない。
【0025】
受信装置30は、第1検出装置10および/または受信装置30のユーザに対して、第1検出装置10が送信した通知を伝達可能な通知装置32を備える電子機器であれば、特に限定されない。受信装置30は、例えば、スマートフォン等の携帯端末であってもよく、PC(Personal Computer)等の備え付けの電子機器であってもよく、通知専用の警報装置であってもよい。受信装置30が備える通知装置32は、受信装置30の態様により、画像表示装置、振動装置、スピーカおよび発光装置等の何れか、またはこれらの組み合わせであってよいが、これに限定されない。
【0026】
このように、通知部14は、第1検出装置10が脱柵前行動を検出した場合にのみ、通知のための通信を行うことができる。そうすると、第1検出装置10は、脱柵前行動が検出されない限りは通信を行わないため、例えば従来技術が備えるGPSセンサ等により常時位置を把握する場合と比較して、大きく省電力化できる。したがって、第1検出装置10は、バッテリの大型化等をせずとも、長期間メンテナンスフリーでの安定した運用が容易となる。
【0027】
また、第1検出装置10が脱柵前行動を検出した場合の通知は、通信により受信装置30に送信される態様に限定されない。通知部14は、例えば、第1検出装置10が発光装置等の通知装置(不図示)を備えている場合には、受信装置30との通信を行わず、当該通知装置に通知を実行させてもよい。
【0028】
記憶装置15は、第1検出装置10が取得または生成した情報を記憶する部材である。記憶装置15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)またはROM(Read Only Memory)等が挙げられる。
【0029】
第1通信装置16は、受信装置30と通信可能な通信装置である。また、第1通信装置16は、受信装置30以外の装置とも通信可能に構成されてもよい。第1通信装置16は、LPWA(Low Power Wide Area)方式での無線通信が可能であることが、広大な放牧地で好適に利用できるため好ましい。
【0030】
(脱柵前行動の検出方法の一例)
本発明の一実施形態に係る脱柵前行動の検出方法の一例について、図2および図3を参照して説明する。ここでは、3軸加速度センサ11の検知結果が、前屈行動と採食行動との組み合わせを含む場合に、当該検知結果が脱柵前行動を示すと判定する場合の検出方法を例示する。
【0031】
図2に示すように、まず判定部13は、3軸加速度センサ11の出力を行動センサの検知結果として取得する(S1)。そして、判定部13は、取得した検知結果が牛の採食行動を示す出力を含むか否かを判定する(S2)。
【0032】
ここで、採食行動を示す出力とは、例えば図3に示すように、牛の頸部に装着された3軸加速度センサ11が小刻みな振動を検知することによる、振動波形を示す出力であってよい。このような出力は、牛が摂食している場合の咀嚼等の動きを反映するものであり、摂食行動を示すものといえる。なお、図3の左図は、牛が頭部を下げて摂食行動を行っているが、脱柵前行動ではない場合の例を示しており、図3の右図は、牛の行動が脱柵前行動である場合の例を示している。このような左右の図の対応関係は、図4、5、8~10についても同様である。
【0033】
判定部13は、取得した検知結果が採食行動を示す出力を含まないと判定した場合(S2でNo)、当該検知結果が脱柵前行動を示すものではないと判定し(S3)、処理をS1に戻す。一方、判定部13は、取得した検知結果が採食行動を示す出力を含むと判定した場合(S2でYes)、さらに、当該検知結果が、牛の前屈行動を示す出力についても含むか否かを判定する(S4)。
【0034】
図3に示すように、牛は、採食行動を行っているときは頭部を下げているが、前屈行動は取らず、起立した状態である。一方で、脱柵前行動では、牧柵Fを潜り抜けるために、前脚を折りたたんだ前屈行動を見せる。したがって、脱柵前行動の検出には、前屈行動の有無を判定することが重要な要素となる。
【0035】
また、牛が脱柵を行う場合、牧柵Fの内側の可食物が少ないことが原因である場合が多い。すなわち、牛は脱柵前行動において、牧柵Fの周辺に生えている草を食べる採食行動を、前屈行動と共に行う場合が多い。したがって、本実施形態に係る脱柵前行動の検出方法では、採食行動と前屈行動との組み合わせを用いて脱柵前行動の検出を行うことで、検出精度の向上を達成している。これにより、脱柵以外の目的で牛が前屈行動を行った場合に、誤って脱柵前行動であると判定してしまう偽陽性判定を防止できる。
【0036】
判定部13は、前屈行動を示す出力について、例えば、牛の頸部の状態を、3軸加速度センサ11が検知する少なくとも2軸の加速度の比較により判定してよい。当該2軸は、牛の前後方向(頭尾方向)と、上下方向(背腹方向)とに対応する軸であることが好ましい。なお、本実施形態のように第1検出装置10が牛の頸部に装着される場合、3軸加速度センサ11は、X軸が牛の前後方向に、Y軸が牛の上下方向に、Z軸が牛の左右方向にそれぞれ対応する方向に装着されていると仮定して説明する。ただし、3軸加速度センサ11の牛への装着方向は、特に限定されない。
【0037】
図3の左図に示すように、牛が採食行動を行っているが前屈行動は取っていない状態では、頸部が重力方向に対して斜めに傾く状態となる。この場合、3軸加速度センサ11の出力では、X軸方向およびY軸方向の加速度の大きさが同程度となる。一方で、図3の右図に示すように、牛が前屈行動を取る場合頸部は水平に近い状態となるため、Y軸方向の加速度が大きくなる一方で、X軸方向の加速度は非常に小さくなる。
【0038】
判定部13は、Y軸方向の加速度が、X軸方向の加速度との比較において所定の閾値を超えていれば、牛が前屈行動を取っていると判定してよい。牛が前屈行動を取っていると判定する場合のY軸方向の加速度の閾値は、例えば、X軸方向の加速度に対して等倍以上としてよい。牛が前屈行動を取っていると判定する場合のY軸方向の加速度の閾値は、これに限られず、例えば、牛の頚部における3軸加速度センサ11の装着位置、または放牧地の地形の影響等を考慮して、適宜調整されてよい。
【0039】
以上に例示するように、牛が頸部を下げた場合に、その行動が前屈行動かそれ以外かについて、判定部13は、3軸加速度センサ11の検知結果から判定できる。
【0040】
判定部13は、取得した検知結果が牛の前屈行動を示す出力を含まないと判定した場合(S4でNo)、当該検知結果が脱柵前行動を示すものではないと判定し(S3)、処理をS1に戻す。一方、判定部13は、取得した検知結果が前屈行動を示す出力を含むと判定した場合(S4でYes)、当該検知結果が脱柵前行動を示すものであると判定する(S5、判定工程)。
【0041】
判定部13が脱柵前行動を検出した場合、通知部14は、受信装置30のユーザに、脱柵前行動を検出したことを伝えるための通知を生成する。当該通知の内容は、受信装置30が備える通知装置32の種類によって適切な内容が選択されてよい。例えば、受信装置30がスマートフォンであり、通知装置32が画像表示装置であれば、通知部14は、「牛(管理番号XX)の脱柵前行動が検出されました」という内容を含むショートメッセージまたは電子メールを生成してよい。また、通知部14は脱柵前行動が検出されたことを示す情報のみを通知として生成し、ユーザに対する具体的な通知内容は受信装置30が適宜生成してもよい。
【0042】
通知部14は、生成した通知を、第1通信装置16と第3通信装置31との間の通信を介して、受信装置30に送信する(S6)。受信装置30は、受信した通知に基づいて、通知装置32によりユーザに対して通知を行う。これによりユーザは、第1検出装置10が脱柵前行動を検出した場合、速やかにその旨を把握して対応することができる。
【0043】
以上に示すように、本実施形態に係る脱柵前行動の検出方法によれば、少なくとも加速度センサを含む簡易的な行動センサを備えた第1検出装置10により、精度よく脱柵前行動を検出できる。GPSセンサ等を利用した従来の放牧管理システムと比較して、比較的安価な第1検出装置10を利用しながら、従来では困難だった脱柵の未然防止が可能となる。
【0044】
また、本発明の一実施形態に係る脱柵前行動の検出装置および検出方法によれば、放牧地の全体において可食物の残量を把握しきれていなくても、家畜の脱柵を未然に防止した上で、問題の発見および対応が可能である。例えば、耕作放棄地での放牧は、省力的であり、耕作放棄地の解消および農地保全にとっても優れた方法であるが、その面積または植生によっては家畜の可食物の管理が困難な場合がある。本発明の一実施形態によれば、家畜の脱柵を効果的に防止できるため、耕作放棄地での放牧が容易となり、耕作放棄地の活用等を進めることができる。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)の、例えば目標15「陸の豊かさも守ろう」等の達成に貢献できる。
【0045】
〔実施形態1の変形例〕
本発明の一実施形態は上述の構成に限定されず、様々なバリエーションが想定される。例えば図4に示すように、本発明の一実施形態に係る脱柵前行動の検出装置は、牛の頸部に装着される第1検出装置10ではなく、牛の前脚に装着される第1検出装置10aであってもよい。第1検出装置10aは、牛の前脚に装着される点以外については、第1検出装置10と同様の構成を有するものであってよい。
【0046】
この場合、判定部13は、第1検出装置10aが備える3軸加速度センサ11が検知する前脚の状態の検知結果から牛の前屈行動を検出した場合に、当該検知結果が脱柵前行動を示すと判定できる。
【0047】
判定部13は、前屈行動を示す出力について、例えば、牛の前脚の状態を、3軸加速度センサ11が検知する少なくとも2軸の加速度の比較により判定してよい。当該2軸は、牛の前後方向(頭尾方向)と、上下方向(背腹方向)とに対応する軸であることが好ましい。なお、本変形例のように第1検出装置10aが前脚に装着される場合、3軸加速度センサ11は、X軸が前脚の延伸方向(牛の上下方向)に、Y軸が牛の前後方向に、Z軸が牛の左右方向にそれぞれ対応する方向に装着されていると仮定して説明する。
【0048】
図4の左図に示すように、牛が前屈行動を取っていない状態では、前脚は牛の上下方向に延びた状態となるため、3軸加速度センサ11においてX軸方向の加速度が重力とほぼ釣り合う一方、Y軸方向の加速度はほぼ検知されないか、非常に小さい。一方で、図4の右図に示すように、牛が前屈行動を取る場合、前脚を折りたたむため、Y軸の下方向の加速度が重力とほぼ釣り合う一方、X軸方向の加速度がほぼ検知されないか、非常に小さくなる。
【0049】
判定部13は、Y軸方向の加速度が、X軸方向の加速度との比較において所定の閾値を超えていれば、牛が前屈行動を取っていると判定してよい。牛が前屈行動を取っていると判定する場合のY軸方向の加速度の閾値は、例えば、X軸方向の加速度に対して、絶対値において3倍以上としてもよく、6倍以上としてもよい。ここで、牛の前脚が90°以上曲がりX軸方向の加速度がマイナスになる可能性があるため、Y軸方向の加速度の閾値については、X軸方向の加速度に対しての比率の絶対値を用いて設定することが好ましい。
【0050】
牛が前屈行動を取っていると判定する場合のY軸方向の加速度の閾値は、上述に限られず、例えば、牛の前脚における3軸加速度センサ11の装着位置、または放牧地の地形の影響等を考慮して、適宜調整されてよい。
【0051】
本変形例に示すように、判定部13は、図2に示す検出方法において、S2の採食行動の有無を判定する工程をスキップしてもよい。すなわち、判定部13は、取得した検知結果が前屈行動を示す出力を含むか否かのみにより、脱柵前行動の検出を行ってもよい。これは本変形例に限られず、頸部に装着される第1検出装置10を用いる場合も同様である。
【0052】
この場合、横伏行動等を誤って脱柵前行動として検出してしまう偽陽性判定が生じ得る。しかしながら、採食行動を伴わない脱柵前行動についても検出できるため、偽陽性判定よりもはるかに問題の大きい、牛が脱柵前行動を取っているにも関わらず検出しない偽陰性判定の可能性を低減できる。
【0053】
また、図5に示すように、本発明の一実施形態に係る脱柵前行動の検出装置は、牛の腰部に装着される第1検出装置10bであってもよい。第1検出装置10bは、牛の腰部に装着される点以外については、第1検出装置10と同様の構成を有するものであってよい。
【0054】
この場合、判定部13は、第1検出装置10bが備える3軸加速度センサ11が検知する腰部の動きの検知結果から牛の前屈行動を検出した場合に、当該検知結果が脱柵前行動を示すと判定できる。
【0055】
判定部13は、前屈行動を示す出力について、例えば、牛の腰部の状態を、3軸加速度センサ11が検知する少なくとも2軸の加速度の比較により判定してよい。当該2軸は、牛の前後方向(頭尾方向)と、上下方向(背腹方向)とに対応する軸であることが好ましい。なお、本変形例のように第1検出装置10bが腰部に装着される場合、3軸加速度センサ11は、X軸が牛の前後方向に、Y軸が牛の上下方向に、Z軸が牛の左右方向にそれぞれ対応する方向に装着されていると仮定して説明する。
【0056】
図5の左図に示すように、牛が前屈行動を取っていない状態では、牛の腰部は地面に対して略平行な状態となる。そのため、3軸加速度センサ11においてX軸方向の加速度の大きさが重力の大きさとほぼ釣り合う一方、Y軸方向の加速度はほぼ検知されないか、非常に小さい。一方で、図5の右図に示すように、牛が前屈行動を取る場合、体躯が前方に傾くため、3軸加速度センサ11の出力では、X軸方向およびY軸方向の加速度の大きさが同程度となる。
【0057】
判定部13は、Y軸方向の加速度が、X軸方向の加速度との比較において所定の閾値を超えていれば、牛が前屈行動を取っていると判定してよい。牛が前屈行動を取っていると判定する場合のY軸方向の加速度の閾値は、例えば、X軸方向の加速度に対して2倍以下としてよい。牛が前屈行動を取っていると判定する場合のY軸方向の加速度の閾値は、これに限られず、例えば、牛の腰部における3軸加速度センサ11の装着位置、または放牧地の地形の影響等を考慮して、適宜調整されてよい。
【0058】
以上に例示するように、判定部13は、牛の腰部に装着した第1検出装置10bが備える3軸加速度センサ11の検知結果によっても、牛の前屈行動の有無を判定できる。
【0059】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図6~8を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0060】
図6に示すように、本実施形態に係る脱柵前行動の検出装置は、第1検出装置10cおよび第2検出装置20により構成されている。このように、本発明の一実施形態に係る脱柵前行動の検出装置は、複数の装置により構成されていてもよい。
【0061】
第1検出装置10cは、牛の頸部に装着される点では第1検出装置10と同様であるが、3軸加速度センサ11ではなく1軸加速度センサ11aを備えている点において、第1検出装置10と異なっている。また、第1検出装置10cは、第1通信装置16を介して、受信装置30に加えて第2検出装置20とも通信可能に構成されている。
【0062】
1軸加速度センサ11aは、3軸加速度センサ11と異なり、単一方向の加速度を検知可能な1軸の加速度センサである。なお、第1検出装置10cが備える加速度センサは1軸以上の加速度を検知可能であればよく、3軸の加速度センサであってもよい。
【0063】
第2検出装置20は、3軸加速度センサ21と、第2通信装置22とを備えており、牛の前脚に装着される。3軸加速度センサ21は、実施形態1に係る第1検出装置10が備える3軸加速度センサ11と同様の加速度センサであってよい。このように、本実施形態に係る脱柵前行動の検出装置は、1軸加速度センサ11aと、3軸加速度センサ21との2つのセンサを、行動センサとして備えている。すなわち、本発明の一実施形態に係る脱柵前行動の検出装置が備える行動センサは、2つ以上の加速度センサを含んでいてもよい。
【0064】
第2通信装置22は、第1検出装置10cが備える第1通信装置16と通信可能な通信装置である。第2通信装置22は、第1通信装置16とは異なり、受信装置30が備える第3通信装置31と通信可能に構成されていることを要さない。そのため、第2通信装置22は、同一個体の牛に装着される第1通信装置16との間でのみ通信可能であればよいため、例えば、第1通信装置16よりも通信可能範囲が狭いが消費電力が小さい通信装置であってもよい。
【0065】
第1検出装置10cが備える制御装置12は、判定部13により、1軸加速度センサ11aからの出力と、3軸加速度センサ21からの出力との両方を牛の行動センサの検知結果として取得し、脱柵前行動の有無の判定を行ってよい。
【0066】
図7および図8に示すように、本実施形態に係る脱柵前行動の検出方法では、まず判定部13が、1軸加速度センサ11aの出力を取得する(S11)。当該出力は、第1検出装置10cが装着された牛の頸部の状態を示す。そして、判定部13は、1軸加速度センサ11aの出力が採食行動を示すものであるか否かを判定する(S12)。
【0067】
ここで、採食行動を示す出力とは、実施形態1にて上述の通り振動波形を示す出力であってよい。このような振動波形は、3軸加速度センサ11ではなく、1軸加速度センサ11aでも問題なく検知可能である。
【0068】
判定部13は、取得した1軸加速度センサ11aの出力が採食行動を示すものではないと判定した場合(S12でNo)、行動センサの検知結果が脱柵前行動を示すものではないと判定し(S13)、処理をS11に戻す。一方、判定部13は、取得した1軸加速度センサ11aの出力が採食行動を示すものであると判定した場合(S12でYes)、続けて、3軸加速度センサ21の出力を取得する(S14)。3軸加速度センサ21の出力は、第2検出装置20が装着された牛の前脚の状態を示す。
【0069】
判定部13は、3軸加速度センサ21の出力が、牛の前屈行動を示すものであるか否かを判定する(S15)。判定部13による牛の前屈行動の有無の判定方法は、実施形態1の変形例に係る第1検出装置10aの場合と同様であってよいため、ここでは説明を省略する。
【0070】
なお、判定部13は、1軸加速度センサ11aおよび3軸加速度センサ21の出力をまとめて取得した後、それぞれの出力を用いた判定(S12、S15)を行ってもよい。しかしながら、判定部13が、S12でYesだった場合にのみ3軸加速度センサ21の出力を取得する構成によれば、第1検出装置10cと第2検出装置20との間の通信頻度を大きく低減できる。これにより、第1検出装置10cおよび第2検出装置20の省電力化が可能である。
【0071】
判定部13は、取得した3軸加速度センサ21の出力が牛の前屈行動を示すものではないと判定した場合(S15でNo)、行動センサの検知結果が脱柵前行動を示すものではないと判定し(S13)、処理をS11に戻す。一方、判定部13は、取得した3軸加速度センサ21の出力が前屈行動を示すものであると判定した場合(S15でYes)、行動センサの検知結果が脱柵前行動を示すものであると判定する(S16、判定工程)。
【0072】
判定部13が脱柵前行動を検出した場合、通知部14は、受信装置30のユーザに、脱柵前行動を検出したことを伝えるための通知を生成し、当該通知を受信装置30に送信する(S17)。受信装置30は、受信した通知に基づいて、通知装置32によりユーザに対して通知を行う。
【0073】
以上に示すように、本実施形態に係る脱柵前行動の検出方法によれば、頸部に装着された1軸加速度センサ11aと、前脚に装着された3軸加速度センサ21との両方からの出力を行動センサの検知結果として用い、精度よく脱柵前行動を検出できる。
【0074】
なお、本実施形態のように、脱柵前行動の検出装置が複数の装置により構成されている場合、判定部13および通知部14の各機能は、第1検出装置10cが備える制御装置12に集約されていなくてもよい。これらの機能は、第2検出装置20が備える制御装置(不図示)により実現してもよく、第1検出装置10cが備える制御装置12および第2検出装置20が備える制御装置の両方により実現してもよい。
【0075】
〔実施形態2の変形例〕
本発明の一実施形態は上述の構成に限定されず、様々なバリエーションが想定される。例えば図9に示すように、本発明の一実施形態に係る脱柵前行動の検出装置の一つは、牛の前脚に装着される第2検出装置20ではなく、牛の腰部に装着される第2検出装置20aであってもよい。第2検出装置20aは、牛の腰部に装着される点以外については、第2検出装置20と同様の構成を有するものであってよい。
【0076】
この場合、判定部13は、第1検出装置10cが備える1軸加速度センサ11aの出力から牛の採食行動を検出すると共に、第2検出装置20aが備える3軸加速度センサ21の出力から牛の前屈行動を検出する。判定部13による、腰部の状態を示す3軸加速度センサ21の出力から牛の前屈行動の有無を判定する方法は、実施形態1の変形例に係る第1検出装置10bの場合と同様であってよいため、ここでは説明を省略する。
【0077】
また、図10および図11に示すように、第1検出装置10dは、行動センサとして、1軸加速度センサ11aに加え、第1気圧センサ11bを含んでいてもよい。また、第2検出装置20bは、行動センサとして、3軸加速度センサ21ではなく第2気圧センサ21aを含んでいてもよい。本変形例のように、本発明の一実施形態に係る脱柵前行動の検出装置は、行動センサとして3軸ではなく1軸の加速度センサと、複数の気圧センサとを含んでいるものであってもよい。
【0078】
本変形例では、第1検出装置10dは牛の頸部に装着され、第2検出装置20bは牛の腰部に装着される。判定部13は、行動センサの検知結果のうち、1軸加速度センサ11aの出力が採食行動を示すものか否かを判定し、第1気圧センサ11bおよび第2気圧センサ21aの出力が前屈行動を示すものか否かを判定する。
【0079】
牛の採食行動の有無の判定方法については実施形態1にて説明済みのため、ここでは説明を省略する。以下に、第1気圧センサ11bおよび第2気圧センサ21aの出力に、牛の前屈行動が含まれているか否かを判定する方法の一例について説明する。
【0080】
判定部13は、牛の前屈行動について、第1気圧センサ11bと第2気圧センサ21aとの間の気圧差により判定できる。図11の左図に示すように、牛が前屈行動を取っていない状態では、頸部が下方に下がるが、腰部の位置は通常の起立時と変わらない。図11の右図に示すように、牛が前屈行動を取る場合、頸部は下方にさらに下がる一方、腰部は上方に突き上がる体勢となる。したがって、牛が前屈行動を取る場合、第1気圧センサ11bと第2気圧センサ21aとの間の気圧差は、例えば起立して採食行動を行っている場合と比較して大きくなる。
【0081】
したがって、判定部13は、第1気圧センサ11bの出力が示す気圧と、第2気圧センサ21aの出力が示す気圧との差分値が所定の値以上となった場合に、牛が前屈行動を取っていると判定してよい。ここでの「所定の値」は、牛の各個体の大きさによって適宜最適な値を設定してもよいし、起立して採食行動を行っている場合の前記気圧差を基準として、適宜最適な値を設定してもよい。
【0082】
〔ソフトウェアによる実現例〕
第1検出装置10(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に、制御装置12の各機能ブロック)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0083】
この場合、前記装置は、前記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により前記プログラムを実行することにより、前記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0084】
前記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、前記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、前記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して前記装置に供給されてもよい。
【0085】
また、前記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、前記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより前記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0086】
また、前記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは前記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0087】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
10、10a、10b、10c、10d 第1検出装置(検出装置)
11 3軸加速度センサ(行動センサ、加速度センサ)
11a 1軸加速度センサ(行動センサ、加速度センサ)
11b 第1気圧センサ(行動センサ、気圧センサ)
12 制御装置
13 判定部
14 通知部
20、20a、20b 第2検出装置(検出装置)
21 3軸加速度センサ(行動センサ、加速度センサ)
21a 第2気圧センサ(行動センサ、気圧センサ)
30 受信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11