(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153076
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】金属シリサイド層を有する半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/28 20060101AFI20231010BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
H01L21/28 301S
H01L21/52 D
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023057564
(22)【出願日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】17/712,738
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501209070
【氏名又は名称】インフィネオン テクノロジーズ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】INFINEON TECHNOLOGIES AG
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ランゲル, グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】ケルン, ロニー
(72)【発明者】
【氏名】ケーニッヒ, アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ポエナリュー, ヴィクトリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ローズナー, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルチェ, エヴァルト
【テーマコード(参考)】
4M104
5F047
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104AA02
4M104AA03
4M104AA04
4M104AA05
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4M104HH15
5F047AA11
5F047BB01
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(57)【要約】 (修正有)
【課題】金属シリサイド層を有する半導体デバイス及び半導体デバイスを製造する方法を提供する。
【解決手段】半導体デバイスを製造する方法は、第1の層112を、炭化ケイ素(SiC)を含む半導体層102の上に形成する。第1の層112は金属を含み、半導体層層から遠い第1の面114及び半導体層に近い第2の面116を有する。方法はまた、第1の熱エネルギー119を、第1の層112の第1の面114に向け、第1の層112の金属及び半導体層層102のケイ素から金属シリサイド層120を形成する。金属シリサイド層120は、半導体層102から遠い第1の面122及び半導体層102に近い第2の面124を有する。方法はさらに、第2の熱エネルギーを、金属シリサイド層120の第1の面122に向け、金属シリサイド層120の第1の面の表面粗さを減少させる。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスを製造する方法であって、
第1の層を炭化ケイ素(SiC)層の上に形成するステップであって、
前記第1の層は、前記SiC層から遠い第1の面、及び前記SiC層に近い第2の面を有し、
前記第1の層は、金属を含むステップと、
第1の熱エネルギーを、前記第1の層の前記第1の面に向け、前記第1の層の前記金属及び前記SiC層のケイ素から金属シリサイド層を形成するステップであって、前記金属シリサイド層は、前記SiC層から遠い第1の面、及び前記SiC層に近い第2の面を有するステップと、
第2の熱エネルギーを、前記金属シリサイド層の前記第1の面に向け、前記金属シリサイド層の前記第1の面の表面粗さを減少するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の熱エネルギーを前記第1の層の前記第1の面に向ける第1の時刻と前記第2の熱エネルギーを前記金属シリサイド層の前記第1の面に向ける第2の時刻との間の持続時間は、少なくとも持続時間閾値である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の層の前記第1の面に向けられる前記第1の熱エネルギーは、前記第1の層の金属を溶融させ、溶融金属を形成し、
前記持続時間閾値は、前記溶融金属の凝固時間に基づいており、
前記溶融金属は、前記第2の時刻の前に凝固する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の熱エネルギーを前記金属シリサイド層の前記第1の面に向けた後に、1つ又は複数の金属層を前記金属シリサイド層の上に形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ又は複数の金属層の層をリードフレームに貼着するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記金属は、ニッケルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
200nm未満の厚さを有するように前記第1の層を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
半導体デバイスを製造する方法であって、
第1の層を炭化ケイ素(SiC)層の上に形成するステップであって、
前記第1の層の電気的接触部形成領域は、前記SiC層から遠い第1の面、及び前記SiC層に近い第2の面を有し、
前記第1の層は、金属を含むステップと、
前記第1の層の前記電気的接触部形成領域の前記第1の面に複数のレーザーショットを実行し、前記第1の層の前記金属及び前記SiC層のケイ素から金属シリサイド層を形成するステップであって、
前記複数のレーザーショットのうちのレーザーショットは、レーザーパルスを前記第1の面の区分に照明するステップを含み、
前記複数のレーザーショットのうちの少なくとも2つのレーザーショットを介して、前記第1の面の各区分に照明するステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記複数のレーザーショットは、第1のレーザーショット及び第2のレーザーショットを含み、
前記第1のレーザーショットは、第1のレーザーパルスを前記第1の面の第1の区分に照明するステップを含み、
前記第2のレーザーショットは、第2のレーザーパルスを前記第1の面の前記第1の区分に照明するステップを含み、
前記第1のレーザーショットと前記第2のレーザーショットとの間の持続時間は、少なくとも持続時間閾値である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のレーザーショットは、前記第1の層の金属を溶融させ、溶融金属を形成し、
前記持続時間閾値は、前記溶融金属の凝固時間に基づいており、
前記溶融金属は、前記第2のレーザーショットの前に凝固する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のレーザーショットの後、及び前記第2のレーザーショットの前に、前記第1の面の前記第1の区分は、第1の表面粗さを有し、
前記第2のレーザーショットの後に、前記第1の面の前記第1の区分は、前記第1の表面粗さ未満の第2の表面粗さを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の面の前記第1の区分を含む前記第1の面の第2の区分に前記第1のレーザーパルスを照明し、
前記第1の面の前記第1の区分を含む前記第1の面の第3の区分に前記第2のレーザーパルスを照明し、
前記第1の面の前記第3の区分を、前記第1の面の前記第2の区分からずらし、
前記第3の区分及び前記第2の区分は、前記第1の区分で重複する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のレーザーショットを実行した後に、1つ又は複数の金属層を前記金属シリサイド層の上に形成するステップと、
前記1つ又は複数の金属層の層をリードフレームに貼着するステップと
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の層は、ケイ素を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記金属は、ニッケルを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
200nm未満の厚さを有するように前記第1の層を形成する、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
炭化ケイ素(SiC)層と、
前記SiC層の上の金属シリサイド層であって、
前記金属シリサイド層は、前記SiC層から遠い第1の面、及び前記SiC層に近い第2の面を有し、
前記第1の面の表面粗さは、多くても200nmである金属シリサイド層と、
前記金属シリサイド層の上の1つ又は複数の金属層と
を含む半導体デバイス。
【請求項18】
前記金属シリサイド層の厚さは、300nm未満である、請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記金属シリサイド層は、ニッケルを含む、請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記1つ又は複数の金属層の層は、リードフレームに貼着されている、請求項17に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを、携帯電話、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、腕時計、ゲーム機、産業用エレクトロニクス、商業用エレクトロニクス、及び/又は家庭用エレクトロニクスで使用してもよい。半導体デバイスは、半導体デバイス内の構成要素を外部回路に接続するために使用可能な半導体と金属との間の電気的接触部を含んでもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
この概要は、詳細な説明で更に後述される簡単な形で概念の選択を導入するために与えられる。この概要は、特許請求の範囲に記載の主題の主要な要因又は基本的な特徴を識別するように意図されておらず、また特許請求の範囲に記載の主題の範囲を限定するために使用されるように意図されていない。
【0004】
実施形態において、半導体デバイスを製造する方法を提供する。第1の層を、炭化ケイ素(SiC)層の上に形成する。第1の層は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有する。第1の層は、金属を含む。第1の熱エネルギーを、第1の層の第1の面に向け、第1の層の金属及びSiC層のケイ素から金属シリサイド層を形成してもよい。金属シリサイド層は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有する。第2の熱エネルギーを、金属シリサイド層の第1の面に向け、金属シリサイド層の第1の面の表面粗さを減少してもよい。
【0005】
実施形態において、半導体デバイスを製造する方法を提供する。第1の層を、SiC層の上に形成する。第1の層の電気的接触部形成領域は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有する。第1の層は、金属を含む。第1の層の電気的接触部形成領域の第1の面に複数のレーザーショットを実行し、第1の層の金属及びSiC層のケイ素から金属シリサイド層を形成してもよい。複数のレーザーショットのうちのレーザーショットは、レーザーパルスを第1の面の区分に照明するステップを含む。複数のレーザーショットのうちの少なくとも2つのレーザーショットを介して、第1の面の各区分に照明する。
【0006】
実施形態において、半導体デバイスを提供する。半導体デバイスは、SiC層を含んでもよい。半導体デバイスは、SiC層の上の金属シリサイド層を含んでもよい。金属シリサイド層は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有する。第1の面の表面粗さは、多くても200nmである。半導体デバイスは、金属シリサイド層の上の1つ又は複数の金属層を含んでもよい。
【0007】
上述の関連目的を達成するために、下記の説明及び添付図面は、特定の例示的な態様及び実装形態を示す。これらの説明及び添付図面は、1つ又は複数の態様を使用することができる様々な方法のうち少数の方法を示す。開示の他の態様、利点、及び新規な特徴は、添付図面と併せて考えれば、下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】様々な例による半導体デバイスを製造する動作を概略的に例示する。
【
図1B】様々な例による半導体デバイスを製造する動作を概略的に例示する。
【
図1C】様々な例による半導体デバイスを製造する動作を概略的に例示する。
【
図1D】様々な例による半導体デバイスを製造する動作を概略的に例示する。
【
図1E】様々な例による半導体デバイスを製造する動作を概略的に例示する。
【
図3A】様々な例による層の上面にレーザーショットを実行するステップを概略的に例示する。
【
図3B】様々な例による層の上面にレーザーショットを実行するステップを概略的に例示する。
【
図3C】様々な例による層の上面にレーザーショットを実行するステップを概略的に例示する。
【
図4A】様々な例による層の上面にレーザーショットを実行するステップを概略的に例示する。
【
図4B】様々な例による層の上面にレーザーショットを実行するステップを概略的に例示する。
【
図6】様々な例による半導体デバイスを製造する動作を概略的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
さて、特許請求の範囲に記載の主題について、全体にわたって同じ要素を意味するために同じ参照符号を使用する図面を参照して説明する。下記の明細書において、説明の目的で、特許請求の範囲に記載の主題の完全な理解を与えるために、多くの特定の詳細を記載する。しかし、特許請求の範囲に記載の主題をこれらの特定の詳細無しで実施することができることは明らかである。他の場合、特許請求の範囲に記載の主題の説明を容易にするために、周知の構造及びデバイスを、ブロック図の形で示す。
【0010】
実施形態の下記の説明は、限定する意味で解釈されるべきではないものとする。本開示の範囲は、例示に過ぎないと解釈される後述の実施形態又は図面によって限定されるように意図されていない。図面は、略図と見なされるべきであり、図面に例示の要素を、必ずしも原寸に比例して示すとは限らない。むしろ、要素の機能及び汎用が当業者に明らかになるように、様々な要素を示す。
【0011】
ここに記載の詳細な説明及び特許請求の範囲内の全数値は、「約」又は「略」指示値によって修正され、当業者によって予期される実験誤差及び変動を考慮する。
【0012】
用語「の上に(over)」及び/又は「の上に横たわって(overlying)」は、「の真上に(directly over)」及び/又は「と直接接触する(having direct contact with)」だけを意味すると解釈されるべきではない。むしろ、1つの要素が、別の要素「の上に(over)」ある、及び/又は別の要素「の上に横たわって(overlying)」いる(例えば、領域が、別の領域の上に横たわっている)場合、更なる要素(例えば、更なる領域)を、2つの要素の間に位置決めしてもよい(例えば、第1の領域が、第2の領域「の上に(over)」ある、及び/又は第2の領域「の上に横たわって(overlying)」いる場合、更なる領域を、第1の領域と第2の領域との間に位置決めしてもよい)。更に、第1の要素が、第2の要素「の上に(over)」ある、及び/又は第2の要素「の上に横たわって(overlying)」いる場合、垂直線が第1の要素及び第2の要素と交差可能であるように、第1の要素の少なくとも一部は、第2の要素と垂直に一致してもよい。
【0013】
半導体基板又は本体は、主延在面に沿って延在してもよい。この明細書で使用されるような用語「水平な」は、この主延在面と実質的に平行な向きを記述するように意図されている。半導体基板又は本体の第1又は主水平の側は、水平方向と実質的に平行してもよく、又は主延在面と多くても8度(又は多くても6度)の角度を成す面区分を有してもよい。第1又は主水平の側は、例えば、ウェハー又はダイの面であることができる。水平方向は、横方向と呼ばれることもある。
【0014】
この明細書で使用されるような用語「垂直な」は、水平方向と実質的に直角に配置される向き(例えば、半導体基板又は本体の第1の側の法線方向と平行、又は半導体基板又は本体の第1の側の面区分の法線方向と平行)を記述するように意図されている。
【0015】
半導体デバイスは、半導体層と金属との間に電気的接触部(例えば、オーミック接触部)を含んでもよい。半導体層と金属との間の金属シリサイド層を用いて、電気的接触部を形成してもよい。金属シリサイド層の面は、第1の表面粗さを有してもよく、及び/又は突起(例えば、金属シリサイド層の高さの局所ピーク(例えば、隆起、丘及び/又は小丘))を有してもよい。金属の面(裏側面)の表面粗さ及び/又は突起は、金属シリサイド層の面の表面粗さ及び/又は突起に左右される。例えば、より高い表面粗さ及び/又はより大きい突起を有する金属シリサイド層は、より高い表面粗さ及び/又はより大きい突起を有する金属の面になることがある。幾つかの例において、金属の面を、構成要素(例えば、ウェハー試験用の測定チャック、リードフレームなどのうちの少なくとも1つ)に電気的に接続してもよい。面のより高い表面粗さ及び/又はより大きい突起は、例えば、金属と構成要素との間のボイドの増加のために、金属と構成要素との間の電気的接続の伝導性を減少することがある。
【0016】
本開示によれば、半導体デバイス、及び半導体デバイスを製造する方法を提供する。半導体デバイスは、金属シリサイド層を含んでもよい。幾つかの例において、金属シリサイド層の面は、金属シリサイド層のより低い表面粗さ、より小さい及び/又はより短い突起、及び/又は減少した量の突起を有してもよい。幾つかの例において、半導体層(例えば、炭化ケイ素(SiC)層)、及び金属を含む半導体層の上に横たわる第1の層から、金属シリサイド層を形成してもよい。例において、第1の熱エネルギーを、第1の層の面に向け、第1の層の金属及び半導体層のケイ素から金属シリサイド層を形成してもよい。第2の熱エネルギーを、金属シリサイド層の面に向け、金属シリサイド層の上面の表面粗さを減少してもよい。第2の熱エネルギーは、金属シリサイド層の面の突起の量、大きさ及び/又は高さを減少してもよい。1つ又は複数の金属層を、金属シリサイド層の上に形成してもよい(例えば、金属シリサイド層は、1つ又は複数の金属層と半導体層との間に電気的接触部を設けてもよい)。面の減少した表面粗さ、及び/又は面の減少した量、大きさ及び/又は高さの突起は、1つ又は複数の金属層と半導体層との間の改良した電気的接触部(例えば、オーミック接触部)、及び/又は1つ又は複数の金属層と1つ又は複数の金属層に接続される構成要素との間のより高い伝導性を与えることができ、これによって、半導体デバイスの動作及び/又は性能を向上させることができる。
【0017】
本開示の実施形態のうち実施形態において、半導体デバイスを製造する方法を提供する。方法は、第1の層を半導体層(例えば、半導体基板)の上に形成するステップを含んでもよい。幾つかの例において、半導体層は、SiC層(例えば、SiC基板)である。幾つかの例において、第1の層は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有する。第1の層は、金属を含む。幾つかの例において、金属は、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ニッケルアルミナイド(NiAl)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化タングステン(WN)及び/又は他の金属を含む。
【0018】
方法は、第1の熱エネルギーを、第1の層の第1の面に向け、第1の層の金属及び半導体層のケイ素から金属シリサイド層を形成するステップを含んでもよい。第1の層の第1の面に向けられている第1の熱エネルギーは、第1の層の金属を溶融させ、及び/又は金属と半導体層のケイ素との間のケイ素化反応が生じるようにする。幾つかの例において、第1の層の金属が第1の熱エネルギーの熱エネルギーによって十分に溶融されたか否かを示す1つ又は複数の測定を実行するために、測定デバイスを使用してもよい。幾つかの例において、第1の層の金属が熱エネルギーによって十分に溶融されていないという判定に基づいて、第1の熱エネルギーの更なる熱エネルギーを、第1の層の第1の面に向けてもよい。幾つかの例において、第1の熱エネルギーは、第1の層の第1の面の少なくとも一部に照明するレーザーを介して、第1の層及び/又は半導体層に導入されるエネルギーを含む。例えば、レーザーは、レーザー源によって出力されるレーザーパルスを含んでもよい。幾つかの例において、第1の熱エネルギーは、多数のレーザーパルス(例えば、第1の層の第1の面の異なる区分に照明するために、多数のレーザーパルスをレーザー源によって出力してもよい)を介して、第1の層及び/又は半導体層に導入されるエネルギーを含んでもよい。代わりに及び/又は更に、レーザーは、レーザー源によって出力される連続レーザーを含んでもよい。
【0019】
金属シリサイド層は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有する。方法は、第2の熱エネルギーを、金属シリサイド層の第1の面に向けるステップを含んでもよい。金属シリサイド層の第1の面に向けられている第2の熱エネルギーは、金属シリサイド層の金属を溶融(例えば、再溶融)させる。幾つかの例において、第2の熱エネルギーは、金属シリサイド層の第1の面の少なくとも一部に照明するレーザーを介して、金属シリサイド層及び/又は半導体層に導入されるエネルギーを含む。例えば、レーザーは、レーザー源によって出力されるレーザーパルスを含んでもよい。幾つかの例において、第2の熱エネルギーは、多数のレーザーパルス(例えば、金属シリサイド層の第1の面の異なる区分に照明するために、多数のレーザーパルスをレーザー源によって出力してもよい)を介して、金属シリサイド層及び/又は半導体層に導入されるエネルギーを含んでもよい。代わりに及び/又は更に、レーザーは、レーザー源によって出力される連続レーザーを含んでもよい。
【0020】
幾つかの例において、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向ける前に、金属シリサイド層の第1の面は、第1の表面粗さを有する。第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向けた後に、金属シリサイド層の第1の面は、第2の表面粗さを有する。第2の表面粗さは、第1の表面粗さ未満である(例えば、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向けると、第1の面の表面粗さが減少する)。例えば、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向けると、金属シリサイド層の第1の面が平滑になる。
【0021】
代わりに及び/又は更に、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向ける前に、金属シリサイド層の第1の面は、第1の量の突起(例えば、金属シリサイド層の高さの局所ピーク(例えば、隆起、丘及び/又は小丘))を有してもよい。幾つかの例において、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向けた後に、金属シリサイド層の第1の面は、第2の量の突起を有する。第2の量の突起は、第1の量の突起よりも少なくてもよい(例えば、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向けると、第1の面の突起の量が減少する)。代わりに及び/又は更に、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向ける前の金属シリサイド層の第1の面の突起は、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向けた後の第1の面の突起と比較して大きい及び/又は高くてもよい(例えば、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向けると、第1の面の突起の大きさ及び/又は高さが減少する)。
【0022】
幾つかの例において、第1の熱エネルギーを第1の層の第1の面に向ける第1の時刻と第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向ける第2の時刻との間の持続時間は、少なくとも持続時間閾値である。例において、第1の熱エネルギーは、第1の層の金属を溶融させ、溶融金属を形成し、持続時間閾値は、溶融金属の凝固時間に基づいている。凝固時間は、溶融金属が凝固するのにかかる時間に対応する。幾つかの例において、凝固時間は、金属の1つ又は複数の特性、第1のレーザーパルスのエネルギー準位、及び/又は溶融金属に導入される第1の熱エネルギーのエネルギーが散逸するのにかかる時間に左右される。例において、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向ける第2の時刻の前に溶融金属が凝固するように、持続時間閾値は、凝固時間以上である。持続時間閾値は、少なくとも3msから多くても1000msの範囲、及び/又は少なくとも3msから多くても333msの範囲にあってもよい。
【0023】
幾つかの例において、第1の層は、ケイ素を含む。ケイ素は、金属シリサイド層の形成中に炭素放出を抑制してもよい。例えば、半導体層(例えば、SiC層)からの炭素は、金属シリサイド層の形成中に金属シリサイド層に抑えてもよい。例において、炭素クラスターは、金属シリサイド層内に形成してもよく、及び/又は、炭素層は、金属シリサイド層の第1の面の上に形成してもよい。第1の層にケイ素を含むと、金属シリサイド層に存在する炭素量を減少することができる。
【0024】
方法は、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向けた後に、1つ又は複数の金属層を金属シリサイド層の上に形成するステップを含んでもよい。方法は、1つ又は複数の金属層の金属層をリードフレームに貼着するステップを含んでもよい。幾つかの例において、金属層をリードフレームにはんだ付けしてもよい。金属シリサイド層は、半導体層と1つ又は複数の金属層との間に電気的接触部(例えば、オーミック接触部)を設けてもよい。
【0025】
幾つかの例において、200nm未満の厚さを有するように第1の層を形成する。第1の層の厚さは、少なくとも10nmから多くても200nmの範囲、少なくとも10nmから多くても100nmの範囲、及び/又は少なくとも10nmから多くても30nmの範囲にあってもよい。第1のシナリオにおいて、第1の層の厚さは、少なくとも10nmから多くても30nmの範囲にあってもよい。第2のシナリオにおいて、第1の層の厚さは、40nm以上であってもよい。第1のシナリオで形成される金属シリサイド層の第1の面の表面粗さは、第2のシナリオで形成される金属シリサイド層の第1の面の表面粗さ未満であってもよい。代わりに及び/又は更に、第1のシナリオで形成される金属シリサイド層の第1の面の突起は、第2のシナリオで形成される金属シリサイド層の第1の面の突起よりも小さい及び/又は短くてもよい。
【0026】
本開示の実施形態のうち実施形態において、半導体デバイスを製造する方法を提供する。方法は、第1の層を半導体層(例えば、半導体基板)の上に形成するステップを含んでもよい。幾つかの例において、半導体層は、SiC層(例えば、SiC基板)である。
【0027】
幾つかの例において、第1の層の電気的接触部形成領域は、半導体層から遠い第1の面、及び半導体層に近い第2の面を有する。第1の層は、金属を含む。幾つかの例において、金属は、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、NiAl、TiN、TaN、MoN、WN及び/又は他の金属を含む。幾つかの例において、第1の層の電気的接触部形成領域は、半導体層と1つ又は複数の金属層との間に電気的接触部(例えば、オーミック接触部)を形成するために金属シリサイド層を形成する、第1の層の領域に対応する。
【0028】
第1の例において、電気的接触部形成領域は、第1の層の全部を含む。例において、電気的接触部形成領域の第1の面は、第1の層の面である。
【0029】
第2の例において、電気的接触部形成領域は、第1の層の一部を含む。例において、電気的接触部形成領域の第1の面は、第1の層の面の一部である。
【0030】
方法は、第1の層の電気的接触部形成領域の第1の面に複数のレーザーショットを実行し、第1の層の金属及び半導体層のケイ素から金属シリサイド層を形成するステップを含んでもよい。複数のレーザーショットのうちのレーザーショット(及び/又は複数のレーザーショットのうち各レーザーショット)は、レーザーパルスを第1の面の区分に照明するステップを含む。複数のレーザーショットのうちの少なくとも2つのレーザーショットを介して、第1の面の各区分に照明する。
【0031】
幾つかの例において、複数のレーザーショットは、第1のレーザーショット及び第2のレーザーショットを含む。第1のレーザーショットは、第1のレーザーパルスを第1の面の第1の区分に照明するステップを含む。第2のレーザーショットは、第2のレーザーパルスを第1の面の第1の区分に照明するステップを含む。第1のレーザーショットと第2のレーザーショットとの間の持続時間は、少なくとも持続時間閾値である。
【0032】
幾つかの例において、第1のレーザーショットは、第1の層の金属を溶融させ、溶融金属を形成し、持続時間閾値は、溶融金属の凝固時間(例えば、溶融金属が凝固するのにかかる時間)に基づいている。幾つかの例において、凝固時間は、金属の1つ又は複数の特性、第1のレーザーパルスのエネルギー準位、及び/又は溶融金属に導入される第1のレーザーパルスのエネルギーが散逸するのにかかる時間に左右される。例において、溶融金属が第2のレーザーショットの前に凝固するように、持続時間閾値は、凝固時間以上である。持続時間閾値は、少なくとも3msから多くても1000msの範囲、及び/又は少なくとも3msから多くても333msの範囲にあってもよい。
【0033】
幾つかの例において、第1のレーザーショットの後、及び第2のレーザーショットの前に、第1の面の第1の区分は、第1の表面粗さを有する。第2のレーザーショットの後に、第1の面の第1の区分は、第2の表面粗さを有する。第2の表面粗さは、第1の表面粗さ未満である(例えば、第2のレーザーショットを実行すると、第1の面の第1の区分の表面粗さが減少する)。例えば、第2のレーザーショットの実行を指示すると、第1の面の第1の区分が平滑になる。
【0034】
代わりに及び/又は更に、第1のレーザーショットの後、及び第2のレーザーショットの前に、第1の面の第1の区分は、第1の量の突起を有してもよい。幾つかの例において、第2のレーザーショットの後に、第1の面の第1の区分は、第2の量の突起を有する。第2の量の突起は、第1の量の突起よりも少なくてもよい(例えば、第2のレーザーショットを実行すると、第1の面の第1の区分の突起の量が減少する)。代わりに及び/又は更に、第2のレーザーショットの前の金属シリサイド層の第1の面の第1の区分の突起は、第2のレーザーショットの後の第1の面の第1の区分の突起と比較して大きい及び/又は高くてもよい(例えば、第2のレーザーショットを実行すると、第1の面の第1の区分の突起の大きさ及び/又は高さが減少する)。
【0035】
幾つかの例において、第1の面の第1の区分を含む第1の面の第2の区分に、第1のレーザーパルスを照明する。第1の面の第1の区分を含む第1の面の第3の区分に、第2のレーザーパルスを照明する。第1の面の第3の区分を、第1の面の第2の区分からずらす。第3の区分及び第2の区分は、第1の区分で重複する。
【0036】
幾つかの例において、200nm未満の厚さを有するように第1の層を形成する。第1の層の厚さは、少なくとも10nmから多くても200nmの範囲、少なくとも10nmから多くても100nmの範囲、及び/又は少なくとも10nmから多くても30nmの範囲にあってもよい。
【0037】
幾つかの例において、第1の層は、ケイ素を含む。ケイ素は、金属シリサイド層の形成中に炭素放出を抑制してもよい。
【0038】
方法は、複数のレーザーショットを実行した後に、1つ又は複数の金属層を金属シリサイド層の上に形成するステップを含んでもよい。方法は、1つ又は複数の金属層の金属層をリードフレームに貼着するステップを含んでもよい。金属層は、リードフレームにはんだ付けされていてもよい。
【0039】
本開示の実施形態のうち実施形態において、半導体デバイスを提供する。半導体デバイスは、半導体層(例えば、半導体基板)を含んでもよい。幾つかの例において、半導体層は、SiC層(例えば、SiC基板)である。半導体デバイスは、半導体層の上の金属シリサイド層を含んでもよい。金属シリサイド層は、半導体層から遠い第1の面、及び半導体層に近い第2の面を有する。第1の面の表面粗さは、多くても200nmである。半導体デバイスは、金属シリサイド層の上の1つ又は複数の金属層を含んでもよい。表面粗さは、第1の面の平均表面粗さ(例えば、第1の面にわたって平均された表面粗さ)に対応してもよい。例えば、第1の面の突起及び/又は窪みの平均垂直延在部は、多くても200nmであってもよい(例えば、平均垂直延在部は、第1の面の突起及び/又は窪みの垂直延在部の平均に対応してもよい)。
【0040】
幾つかの例において、金属シリサイド層の厚さは、300nm未満である。
【0041】
幾つかの例において、金属は、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、NiAl、TiN、TaN、MoN、WN及び/又は他の金属を含む。
【0042】
幾つかの例において、1つ又は複数の金属層の金属層は、リードフレームに貼着されている。金属層は、リードフレームにはんだ付けされていてもよい。
【0043】
図1A~
図1Eは、本開示の様々な例による半導体デバイスの製造に関する態様を例示する。1001(
図1Aに例示)で、半導体層102を設ける。半導体層102は、結晶性半導体材料を含んでもよい。半導体層102は、半導体素子(例えば、ケイ素、ゲルマニウム及び/又は他の半導体素子)及び/又は半導体化合物(例えば、SiC、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)及び/又は他の半導体化合物)を含んでもよい。半導体層102は、ドーパント(例えば、窒素(N)、リン(P)、ベリリウム(Be)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及び/又は他のドーパント)を含んでもよい。代わりに及び/又は更に、半導体層102は、不純物(例えば、水素、フッ素、酸素及び/又は他の不純物)を含んでもよい。幾つかの例において、半導体層102は、半導体基板(例えば、SiC基板)である。半導体層102の厚さ108は、少なくとも10μmから多くても500μmの範囲、少なくとも50μmから多くても200μmの範囲、及び/又は少なくとも80μmから多くても140μmの範囲にあってもよい。半導体層102は、第1の面104、及び第1の面104と反対側の第2の面106を有する。幾つかの例において、第1の面104は、半導体層102の裏側(例えば、ウェハー裏側)に対応する。幾つかの例において、第2の面106は、半導体層102の表側(例えば、ウェハー表側)に対応する。
【0044】
1002(
図1Aに例示)で、第1の層112を、半導体層102の上に形成する。第1の層112は、金属を含む。幾つかの例において、金属は、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、NiAl、TiN、TaN、MoN、WN及び/又は他の金属を含む。第1の層112は、半導体層102の上に横たわってもよい。幾つかの例において、第1の層112は、第1の層112及び半導体層102から金属シリサイド形成中に炭素放出を抑制するために、(例えば、金属に加えて)非金属(例えば、ケイ素)を含んでもよい。例において、第1の層112は、ニッケル及びケイ素を含み、ニッケルは、少なくとも重量で2%から多くても重量で95%の範囲、少なくとも重量で2%から多くても重量で50%の範囲、少なくとも重量で6%から多くても重量で16%の範囲、及び/又は少なくとも重量で10%から多くても重量で12%の範囲にあってもよい。第1の層112は、半導体層102から遠い第1の面114、及び半導体層102に近い第2の面116を有する。幾つかの例において、第1の層112の第1の面114は、半導体層102の第1の面104に隣接していてもよく、及び/又は半導体層102の第1の面104と接触(例えば、直接接触)していてもよい。幾つかの例において、半導体層102の第1の面104に第1の層112をスパッターするステップを含むスパッタリング処理を介して、第1の層112を形成する。幾つかの例において、第1の層112は、200nm未満の厚さ118を有する。第1の層112の厚さ118は、少なくとも10nmから多くても200nmの範囲、少なくとも10nmから多くても100nmの範囲、及び/又は少なくとも10nmから多くても30nmの範囲にあってもよい。
【0045】
1003(
図1B及び
図1Cに示す例)で、第1の熱エネルギー119を、第1の層112の第1の面114に向け、第1の層112の金属及び半導体層102のケイ素から金属シリサイド層120を形成する。金属シリサイド層120は、半導体層102から遠い第1の面122、及び半導体層102に近い第2の面124を有する。幾つかの例において、金属シリサイド層120は、半導体層102と1つ又は複数の金属層(例えば、
図6に示す1つ又は複数の金属層606)との間に電気的接触部(例えば、オーミック接触部)を形成する。例えば、金属シリサイド層120は、外部回路と半導体デバイスに配設された1つ又は複数の構成要素(例えば、半導体層102に埋設された1つ又は複数の構成要素)との間に接続部を設けてもよい。幾つかの例において、半導体デバイスに配設された1つ又は複数の構成要素は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、電界効果トランジスタ(FET)、金属酸化膜半導体FET(MOSFET)を含むトランジスタ、及び/又は他のタイプのトランジスタを含む。例において、電気的接触部は、トランジスタのドレイン(例えば、MOSFETのドレイン)に接続されてもよく、及び/又はトランジスタのドレインに対応してもよい。幾つかの例において、半導体デバイスに配設された1つ又は複数の構成要素は、ダイオードを含み、電気的接触部は、ダイオードの電極に接続されてもよく、及び/又はダイオードの電極に対応してもよい。
【0046】
図1Bは、第1の熱エネルギー119を第1の層112の第1の面114の全部に向ける動作1003の例1003aを示す。
【0047】
図1Cは、第1の熱エネルギー119を第1の層112の第1の面114の一部126に向ける動作1003の例1003bを示す。幾つかの例において、第1の面114の一部126は、第1の層112の電気的接触部形成領域127の上面に対応する。幾つかの例において、第1の層112の電気的接触部形成領域127は、金属シリサイド層120を形成して電気的接触部を形成する、第1の層112の領域に対応する。例えば
図1Cに示す幾つかの例において、電気的接触部形成領域127は、第1の層112の単に一部であってもよい。例えば
図1Bに示す幾つかの例において、電気的接触部形成領域127は、第1の層112の全部を含んでもよい。
【0048】
幾つかの例において、第1の熱エネルギー119を、第1の層112の第1の面114に向け、第1の層112の少なくとも一部及び/又は半導体層102の少なくとも一部を第1の温度に加熱する。第1の温度は、少なくとも900℃から多くても1300℃の範囲、少なくとも950℃から多くても1100℃の範囲、及び/又は少なくとも970℃から多くても1010℃の範囲にあってもよい。第1の層112の第1の面114に向けられている第1の熱エネルギー119は、第1の層112の金属を溶融させ、及び/又はケイ素化反応が生じるようにする。第1の層112がニッケルを含み、半導体層102がSiCを含む例において、ケイ素化反応は、SiC+2Ni→Ni2Si+Cを含んでもよい。代わりに及び/又は更に、第1の層112がニッケルを含み、半導体層102がSiCを含む例において、金属シリサイド層120は、Ni2Si、Ni31Si12、Ni3Siなどのうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
幾つかの例において、半導体デバイスの1つ又は複数の部分を第1の温度に加熱しないように、動作1003を実行する。例において、半導体デバイスの1つ又は複数の部分に配設された1つ又は複数の構成要素を損傷することなく、ケイ素化反応が生じるように、第1の熱エネルギー119を、第1の層112の第1の面114に向けてもよい(例えば、第1の熱エネルギー119を、半導体デバイスの第1の部分に限局し、ケイ素化反応を引き起こしてもよく、第1の部分は、第1の層112の少なくとも一部及び/又は半導体デバイスの少なくとも一部を含んでもよい)。幾つかの例において、半導体デバイスの1つ又は複数の部分は、半導体層102の第2の面106に近い半導体層102の一部を含んでもよい(例えば、1つ又は複数の構成要素を、半導体層102の一部に配設する)。例において、動作1003は、第1の層112の第1の面114に1つ又は複数のレーザーショット、例えば、レーザー熱アニール(LTA)処理の1つ又は複数のレーザーショット(例えば、1つ又は複数のレーザーショットは、
図3A~
図3Cに関して図示及び/又は記載の第1の複数のレーザーショットを含んでもよい)を実行するステップを含む。
【0050】
1004(
図1D及び
図1Eに示す例)で、第2の熱エネルギー121を、金属シリサイド層120の第1の面122に向け、金属シリサイド層120の第1の面122の表面粗さを減少する。幾つかの例において、金属シリサイド層120の厚さ128(
図1Dに示す)は、300nm未満である(例えば、厚さ128は、第1の層112の厚さ118よりも厚くてもよい)。
【0051】
図1Dは、動作1003の例1003a(
図1Bに示す)を実行した後に動作1004を実行する動作1004の例1004aを示す。
図1Eは、動作1003の例1003b(
図1Cに示す)を実行した後に動作1004を実行する動作1004の例1004bを示す。
【0052】
幾つかの例において、第2の熱エネルギー121を、金属シリサイド層120の第1の面122に向け、金属シリサイド層120の少なくとも一部を第2の温度に加熱する。第2の温度は、少なくとも900℃から多くても1300℃の範囲、少なくとも950℃から多くても1100℃の範囲、及び/又は少なくとも970℃から多くても1010℃の範囲にあってもよい。幾つかの例において、第2の温度は、第1の温度と略同じである。幾つかの例において、金属シリサイド層120の第1の面122に向けられている第2の熱エネルギー121は、金属シリサイド層120の金属を溶融させる。
【0053】
幾つかの例において、半導体デバイスの1つ又は複数の部分を第2の温度に加熱しないように、動作1004を実行する。例えば、半導体デバイスの1つ又は複数の部分に配設された1つ又は複数の構成要素を損傷することなく、半導体デバイスの第2の部分(例えば、第2の部分は、金属シリサイド層120及び/又は半導体デバイスの少なくとも一部を含んでもよい)を加熱するように、第2の熱エネルギー121を、金属シリサイド層120の第1の面122に向けてもよい(例えば、第2の熱エネルギー121を、半導体デバイスの第2の部分に限局してもよい)。例において、動作1004は、金属シリサイド層120の第1の面122に1つ又は複数のレーザーショット、例えば、LTA処理の1つ又は複数のレーザーショット(例えば、1つ又は複数のレーザーショットは、
図3A~
図3Cに関して図示及び/又は記載の第2の複数のレーザーショットを含んでもよい)を実行するステップを含む。
【0054】
幾つかの例において、第1の熱エネルギー119を第1の層112の第1の面114に向ける第1の時刻と第2の熱エネルギー121を金属シリサイド層120の第1の面122に向ける第2の時刻との間の持続時間は、少なくとも持続時間閾値である。幾つかの例において、持続時間閾値は、溶融金属(例えば、第1の熱エネルギー119によって溶融される金属)の凝固時間に基づいている(例えば、凝固時間以上である)。
【0055】
幾つかの例において、動作1003を実行した後、及び動作1004を実行する前に、金属シリサイド層120の第1の面122は、第1の表面粗さを有する。幾つかの例において、動作1004を実行した後に、金属シリサイド層120の第1の面122は、第2の表面粗さを有する。第2の表面粗さは、第1の表面粗さ未満である(例えば、動作1004を実行するステップは、第1の面122の表面粗さを減少する)。例えば、動作1004を実行するステップは、金属シリサイド層120の第1の面122を平滑化する。
【0056】
代わりに及び/又は更に、動作1003を実行した後、及び動作1004を実行する前に、金属シリサイド層120の第1の面122は、第1の量の突起を有してもよい。幾つかの例において、動作1004を実行した後に、金属シリサイド層120の第1の面122は、第2の量の突起を有する。第2の量の突起は、第1の量の突起よりも少なくてもよい(例えば、動作1004を実行するステップは、第1の面122の突起の量を減少する)。代わりに及び/又は更に、動作1004を実行する前の金属シリサイド層120の第1の面122の突起は、動作1004を実行した後の第1の面122の突起と比較して大きい及び/又は高くてもよい(例えば、動作1004を実行するステップは、第1の面122の突起の大きさ及び/又は高さを減少する)。
【0057】
図2は、半導体デバイスを製造する方法200の例示である。202で、第1の層(例えば、第1の層112)を、半導体層(例えば、SiC層などの半導体層102)の上に形成する。第1の層は、半導体層から遠い第1の面(例えば、第1の面114)、及び半導体層に近い第2の面(例えば、第2の面116)を有する。第1の層は、金属を含む。204で、第1の熱エネルギー(第1の熱エネルギー119)を、第1の層の第1の面に向け、第1の層の金属及び半導体層のケイ素から金属シリサイド層(例えば、金属シリサイド層120)を形成する。金属シリサイド層は、半導体層から遠い第1の面(例えば、第1の面122)、及び半導体層に近い第2の面(例えば、第2の面124)を有する。206で、第2の熱エネルギー(例えば、第2の熱エネルギー121)を、金属シリサイド層の第1の面に向け、金属シリサイド層の第1の面の表面粗さを減少する。
【0058】
図3A~
図3C及び
図4A~
図4Bは、第1の層(例えば、第1の層112)の上面306に複数のレーザーショットを実行し、第1の層の金属及び第1の層の下にある半導体層(例えば、半導体層102)のケイ素から金属シリサイド層(例えば、金属シリサイド層120)を形成するステップに関する態様を例示する。例において、第1の層の上面306は、
図1Bに示す第1の層112の第1の面114に対応する。例において、第1の層の上面306は、
図1Cに示す第1の層112の第1の面114の一部126に対応する(例えば、上面306は、第1の層112の電気的接触部形成領域127の上面に対応する)。複数のレーザーショットのうちのレーザーショットは、レーザーパルスを上面306の区分に照明するステップを含む。複数のレーザーショットのうちの少なくとも2つのレーザーショットを介して、上面306の各区分に照明する。
【0059】
図3A~
図3Cは、複数のレーザーショットを実行するステップの第1の例を示す。第1の層の上面306の境界の例を、点線ボックスで示す。複数のレーザーショットは、第1の複数のレーザーショット(例えば、
図3A~
図3Bの動作3001~3003に対して記載)及び第2の複数のレーザーショット(例えば、
図3B~
図3Cの動作3004~3005に対して記載)を含んでもよい。幾つかの例において、少なくとも1回上面306(例えば、上面306の全部)に照明する(例えば、照射する)ように実行される第1のLTA処理で、第1の複数のレーザーショットを実行する。例えば、第1の層の上面306にわたる第1の層の金属を、第1のLTA処理中に少なくとも1回溶融させてもよい。
【0060】
3001(
図3Aに示す)で、第1の複数のレーザーショットのうち第1のレーザーショットは、上面306の一部を含む照明区域LS1にレーザーパルスを照明する(例えば、照射する)。例えば、レーザー源を用いて、第1のレーザーショットを実行してもよい。第1のレーザーショットは、照明区域LS1内の第1の層の金属が、溶融して溶融金属を形成するようにする。幾つかの例において、照明区域LS1の幅302は、少なくとも10mmと多くても20mmとの間(例えば、約15mm)である。幾つかの例において、照明区域LS1の長さ304は、少なくとも10mmと多くても20mmとの間(例えば、約15mm)である。幾つかの例において、幅302は、長さ304と略同じである。幾つかの例において、照明区域LS1のサイズは、レーザー源(例えば、レーザー源によるレーザーショットの電力容量)に左右される。例えば、サイズは、電力容量の関数であってもよく、サイズは、電力容量の増加に伴って増加してもよい。
【0061】
3002(
図3Aに示す)で、第2のレーザーショットは、上面306の一部を含む照明区域LS2にレーザーパルスを照明する。幾つかの例において、照明区域LS2は、重複領域OR1で照明区域LS1と重複する。幾つかの例において、レーザーショットを介して上面306の各区分に照明することを保証するために照明区域LS2が照明区域LS1と重複するように(例えば、照明区域LS1と照明区域LS2との間の区域が第1の複数のレーザーショットの全体にわたって非アニールのままでないように)、第2のレーザーショットを実行する。従って、2つのレーザーショット(例えば、第1のレーザーショット及び第2のレーザーショット)を介して、重複領域OR1内の上面306の区分に照明する。
【0062】
幾つかの例において、第1の層を含むウェハーを、ウェハーの位置を制御するウェハーステージに設定する。例えば、第1のレーザーショット(例えば、動作3001)と第2のレーザーショット(例えば、動作3002)との間で、照明区域LS2(レーザー源によって出力されるレーザーパルスによって照明される)を照明区域LS1からずらすように、及び/又は照明区域LS2が重複領域OR1で照明区域LS1と重複するように、ウェハー及び/又はウェハーステージの位置を、第1の位置(例えば、第1のレーザーショットを実行する場合のウェハー及び/又はウェハーステージの位置)から第2の位置(例えば、第2のレーザーショットを実行する場合のウェハー及び/又はウェハーステージの位置)に変更する。幾つかの例において、ウェハーステージの位置を制御するモーター(例えば、ステッピングモーター)を用いて、ウェハー及び/又はウェハーステージの位置を、第1の位置から第2の位置に変更する。
【0063】
3003(
図3Bに示す)で、上面306の一部を含む他の照明区域(例えば、照明区域LS1及びLS2以外)にレーザーパルスを照明するように、第1の複数のレーザーショットのうちのレーザーショット(例えば、第1のレーザーショット及び第2のレーザーショットの後の第1の複数のレーザーショットのうち残りのレーザーショット)を実行する。例において、他の照明区域は、第1の複数のレーザーショットのうち第3のレーザーショットによって照明される照明区域LS3、第1の複数のレーザーショットのうち第4のレーザーショットによって照明される照明区域LS4などを含む。第1の複数のレーザーショットの照明区域が上面306の全部を含む区域を覆うまで、第1の複数のレーザーショットのうちのレーザーショットを連続的に実行してもよい。
図3Bに示すように、第1の複数のレーザーショットの照明区域は、上面306の全部を覆ってもよい。幾つかの例において、第1の複数のレーザーショットのうちの少なくとも1つのレーザーショットを介して上面306の全部に照明することを保証するために、第1の複数のレーザーショットの1つ又は複数の照明区域(例えば、照明区域LS1、照明区域LS2、照明区域LS4など)の少なくとも一部は、上面306の外側にある。
【0064】
例において、照明区域LS2は、重複領域OR2で照明区域LS3と重複する(例えば、2つのレーザーショット(例えば、第2のレーザーショット及び第3のレーザーショット)を介して、重複領域OR2内の上面306の区分に照明する)。照明区域LS3は、重複領域OR3で照明区域LS4と重複してもよい(例えば、2つのレーザーショット(例えば、第3のレーザーショット及び第4のレーザーショット)を介して、重複領域OR3内の上面306の区分に照明する)。照明区域LS4は、重複領域OR4で照明区域LS1と重複してもよい(例えば、2つのレーザーショット(例えば、第4のレーザーショット及び第1のレーザーショット)を介して、重複領域OR4内の上面306の区分に照明する)。重複領域OR5で、照明区域LS1、照明区域LS2、照明区域LS3及び照明区域LS4は、重複してもよい(4つのレーザーショットを介して、重複領域OR5内の上面306の区分に照明する)。
【0065】
幾つかの例において、第1の面の突起は、第1の複数のレーザーショットのうちただ1つのレーザーショットを介して照明される上面306の区分と比較して、第1の複数のレーザーショットの照明区域の重複領域(例えば、重複領域OR1、OR2、OR3、OR4、OR5など)内の量、大きさ及び/又は高さがより大きくてもよい。
【0066】
幾つかの例において、少なくとも1回上面306(例えば、上面306の全部)に照明する(例えば、照射する)ように実行される第2のLTA処理で、第2の複数のレーザーショットを実行する。例えば、第1の層の上面306にわたる第1の層の金属を、第2のLTA処理中に少なくとも1回溶融させてもよい。
【0067】
3004(
図3Bに示す)で、第2の複数のレーザーショットのうち第5のレーザーショットは、上面306の一部を含む照明区域LS5にレーザーパルスを照明する(例えば、照射する)。第5のレーザーショットは、照明区域LS5内の第1の層の金属を溶融させ、溶融金属を形成する。明確にするために、
図3Bにおいて、破線ボックスで示す第1の複数のレーザーショットの照明区域を重ねる実線ボックスで、照明区域LS5を示す。幾つかの例において、
図3Bに示すように、照明区域LS5を照明区域LS1からずらす(322)。例において、照明区域LS5の隅部323が照明区域LS1内の点(例えば、照明区域LS1の略中心点)であるように、照明区域LS5と照明区域LS1との間のずれ322を実施する。幾つかの例において、第2の複数のレーザーショットの照明区域を、第1の複数のレーザーショットの照明区域からずらしてもよい(322)(例えば、第2の複数のレーザーショットの照明区域の隅部が点(例えば、第1の複数のレーザーショットの照明区域の略中心点)であるように、第2の複数のレーザーショットの各照明区域を、第1の複数のレーザーショットの照明区域からずらしてもよい(322))。
【0068】
例において、照明区域LS5は、重複領域OR6で照明区域LS1と重複する(例えば、複数のレーザーショットのうち2つのレーザーショットを介して、重複領域OR6内の上面306の区分に照明する)。重複領域OR7で、照明区域LS5、照明区域LS1及び照明区域LS2は、重複してもよい(例えば、複数のレーザーショットのうち3つのレーザーショットを介して、重複領域OR7内の上面306の区分に照明する)。照明区域LS5は、重複領域OR8で照明区域LS2と重複してもよい(例えば、複数のレーザーショットのうち2つのレーザーショットを介して、重複領域OR8内の上面306の区分に照明する)。重複領域OR9で、照明区域LS5、照明区域LS2及び照明区域LS3は、重複してもよい(例えば、複数のレーザーショットのうち3つのレーザーショットを介して、重複領域OR9内の上面306の区分に照明する)。照明区域LS5は、重複領域OR10で照明区域LS3と重複してもよい(例えば、複数のレーザーショットのうち2つのレーザーショットを介して、重複領域OR10内の上面306の区分に照明する)。重複領域OR11で、照明区域LS5、照明区域LS3及び照明区域LS4は、重複してもよい(例えば、複数のレーザーショットのうち3つのレーザーショットを介して、重複領域OR11内の上面306の区分に照明する)。照明区域LS5は、重複領域OR12で照明区域LS4と重複してもよい(例えば、複数のレーザーショットのうち2つのレーザーショットを介して、重複領域OR12内の上面306の区分に照明する)。重複領域OR13で、照明区域LS5、照明区域LS4及び照明区域LS1は、重複してもよい(例えば、複数のレーザーショットのうち3つのレーザーショットを介して、重複領域OR13内の上面306の区分に照明する)。重複領域OR14で、照明区域LS5、照明区域LS4、照明区域LS3、照明区域LS2、及び照明区域LS1は、重複してもよい(例えば、複数のレーザーショットのうち5つのレーザーショットを介して、重複領域OR14内の上面306の区分に照明する)。
【0069】
3005(
図3Cに示す)で、上面306の一部を含む他の照明区域(例えば、照明区域LS5以外)にレーザーパルスを照明するように、第2の複数のレーザーショットのうちのレーザーショット(例えば、第5のレーザーショットの後の第2の複数のレーザーショットのうち残りのレーザーショット)を実行する。明確にするために、
図3Cにおいて、第2の複数のレーザーショットの照明区域を実線ボックスで示し、第1の複数のレーザーショットの照明区域を破線ボックスで示す。幾つかの例において、第2の複数のレーザーショットの照明区域を含む区域を、第1の複数のレーザーショットの照明区域を含む区域からずらす(322)(例えば、第2の複数のレーザーショットのパターンを、第1の複数のレーザーショットのパターンからずらす(322))。第2の複数のレーザーショットの照明区域が上面306の全部を含む区域を覆うまで、第2の複数のレーザーショットのうちのレーザーショットを連続的に実行してもよい。
図3Cに示すように、第2の複数のレーザーショットの照明区域は、上面306の全部を覆ってもよい。幾つかの例において、第2の複数のレーザーショットの幾つかの照明区域の少なくとも一部は、上面306の外側にあり、これによって、第2の複数のレーザーショットのうちの少なくとも1つのレーザーショットを介して上面306の全部に照明することを保証する。
【0070】
幾つかの例において、第2の複数のレーザーショットの照明区域と第2の複数のレーザーショットの照明区域との間のずれ322を実施すると、レーザーショットを、上面の区分に一層均一に照射することができる。例えば、ずれ322を実施することによって、複数のレーザーショットのうち2つのレーザーショットを介して上面306の1つ又は複数の区分のうちの少なくとも1つに照明する(例えば、2つのレーザーショットを介して照明される上面306の1つ又は複数の区分は、重複領域OR6、OR8、OR10、OR12などのうちの少なくとも1つの内部にあってもよい)、複数のレーザーショットのうち3つのレーザーショットを介して上面306の1つ又は複数の区分に照明する(例えば、3つのレーザーショットを介して照明される上面306の1つ又は複数の区分は、重複領域OR7、OR9、OR11、OR13などのうちの少なくとも1つの内部にあってもよい)、及び/又は複数のレーザーショットのうち5つのレーザーショットを介して上面306の1つ又は複数の区分に照明する(例えば、5つのレーザーショットを介して照明される上面306の1つ又は複数の区分は、重複領域OR14及び他の重複領域の内部にあってもよい)ように、複数のレーザーショットを実行してもよい。従って、ずれ322を実施することによって、上面306の単一区分に照射される最大量のレーザーショット(例えば、5つ)と上面306の単一区分に照射される最小量のレーザーショット(例えば、2つ)との間の差は、3つであることがある。しかし、ずれ322を実施しないシナリオ(例えば、第2の複数のレーザーショットの照明区域が第1の複数のレーザーショットの照明区域と一致するシナリオ)において、複数のレーザーショットのうち2つのレーザーショットを介して上面306の1つ又は複数の区分に照明してもよく、複数のレーザーショットのうち4つのレーザーショットを介して上面306の1つ又は複数の区分に照明してもよく、及び/又は複数のレーザーショットのうち8つのレーザーショットを介して上面306の1つ又は複数の区分に照明してもよい。従って、ずれ322を実施することなく、上面306の単一区分に照射される最大量のレーザーショット(例えば、8つ)と上面306の単一区分に照射される最小量のレーザーショット(例えば、2つ)との間の差は、6つであることがある。ずれ322を実施することによって得られるより小さい差は、複数のレーザーショットを実行することによって形成される金属シリサイド層のより低い表面粗さ、及び/又はより小さい及び/又はより短い突起を与えることができる。第2の複数のレーザーショットの照明区域が第1の複数のレーザーショットの照明区域と一致する(例えば、第2の複数のレーザーショットの各照明区域が第1の複数のレーザーショットの照明区域と略同じである)実施形態が考えられることが分かる。
【0071】
幾つかの例において、複数のレーザーショットのうちのレーザーショットを、持続時間閾値に基づいて実行してもよい。例えば、第1のレーザーショットに先行する第2のレーザーショットの第2の照明区域と重複する第1の照明区域に関する対する第1のレーザーショットを、第2のレーザーショットを実行した時刻から持続時間閾値が経過した時又は後に実行してもよい。例において、照明区域LS5に関連する第5のレーザーショットを、第1の時刻に実行してもよく、第1の時刻は、照明区域LS5と重複する照明区域に関連する1つ又は複数のレーザーショットを実行する時刻に基づいてもよい。例えば、1つ又は複数のレーザーショットは、照明区域LS1に関連する第1のレーザーショット、照明区域LS2に関連する第2のレーザーショット、照明区域LS3に関連する第3のレーザーショット、及び照明区域LS5に関連する第5のレーザーショットを含んでもよい。第1の時刻と1つ又は複数のレーザーショットを実行する時刻との間の持続時間は、持続時間閾値以上であってもよい。従って、持続時間閾値が凝固時間以上である例において、1つ又は複数のレーザーショットを介して、照明区域LS5内の第1の層の金属を溶融させ、溶融金属は、照明区域LS5に実行される第5のレーザーショットの前に凝固する。
【0072】
図4A~
図4Bは、複数のレーザーショットを実行する第2の例を示す。第1の層の上面306の境界の例を、点線ボックスで示す。4001(
図4Aに示す)で、複数のレーザーショットのうち第1のレーザーショットは、上面306の一部を含む照明区域LS1にレーザーパルスを照明する(例えば、照射する)。4002(
図4Aに示す)で、複数のレーザーショットのうち第2のレーザーショットは、上面306の一部を含む照明区域LS2にレーザーパルスを照明する。
図3A~
図3Cに示す複数のレーザーショットを実行する第1の例と比較して、第2の例における第2のレーザーショット(
図4A~
図4Bに関して図示及び/又は記載)は、第1の例における第2の複数のレーザーショットのうちのレーザーショットに対応してもよい(例えば、第2のレーザーショットの照明区域LS2は、第2の複数のレーザーショットのうち第5のレーザーショットの照明区域LS5と一致してもよい)。一方、第2の例において、第1の複数のレーザーショットの完了の前に、第2のレーザーショットを実行してもよい。幾つかの例において、照明区域LS2を、照明区域LS1からずらす(322)。例において、照明区域LS2の隅部402が照明区域LS1内の点(例えば、照明区域LS1の略中心点)であるように、照明区域LS2と照明区域LS1との間のずれ322を実施する。照明区域LS2は、重複領域OR1で照明区域LS1と重複してもよい。幾つかの例において、第1のレーザーショットと第2のレーザーショットとの間の持続時間は、持続時間閾値以上である。
【0073】
4003(
図4Bに示す)で、複数のレーザーショットのうち第3のレーザーショットは、上面306の一部を含む照明区域LS3にレーザーパルスを照明する(例えば、照射する)。照明区域LS3は、重複領域OR2、OR3及び/又はOR4で照明区域LS1及び/又は照明区域LS2と重複してもよい。幾つかの例において、第2のレーザーショットと第3のレーザーショットとの間の持続時間は、持続時間閾値以上である。
【0074】
4004(
図4Bに示す)で、複数のレーザーショットのうち第4のレーザーショットは、上面306の一部を含む照明区域LS4にレーザーパルスを照明する(例えば、照射する)。幾つかの例において、第3のレーザーショットと第4のレーザーショットとの間の持続時間は、持続時間閾値以上である。幾つかの例において、照明区域LS4を、照明区域LS3からずらす(322)。例において、照明区域LS4の隅部404が照明区域LS3内の点(例えば、照明区域LS3の略中心点)であるように、照明区域LS4と照明区域LS3との間のずれ322を実施する。照明区域LS4は、重複領域OR5、OR6及び/又はOR7で照明区域LS2及び/又は照明区域LS3と重複してもよい。幾つかの例において、第3のレーザーショットと第4のレーザーショットとの間の持続時間は、持続時間閾値以上である。
【0075】
幾つかの例において、第4のレーザーショットを実行した後、複数のレーザーショットのうち残りのレーザーショットを実行する(例えば、複数のレーザーショットの照明区域が上面306の全部を含む区域を覆うまで、複数のレーザーショットのうちのレーザーショットを実行する、及び/又は複数のレーザーショットのうちの少なくとも2つのレーザーショットを介して上面306の各区分に照明する)。例において、複数のレーザーショットの照明区域は、
図3Cに示す照明区域の配置を有してもよい。
【0076】
幾つかの例において、複数のレーザーショットのうちのレーザーショットを実行する順序は、
図3A~
図3C及び/又は
図4A~
図4Bに関して図示及び/又は記載の順序の例と異なってもよい。
【0077】
幾つかの例において、ここに提供(例えば、
図3A~
図4B及び/又は
図4A~
図4Bに関して図示及び/又は記載)の技法のうち1つ又は複数の技法に従って複数のレーザーショットを実行することによって、第1の層の金属及び半導体層のケイ素から形成される金属シリサイド層(例えば、金属シリサイド層120)の上面は、ここに提供の技法のうち1つ又は複数の技法を使用することなく形成される金属シリサイド層と比較して、より低い表面粗さ(及び/又は少量の突起及び/又はより小さい及び/又はより短い突起)を有する上面(例えば、第1の面122)を有してもよい。例えば、より低い表面粗さ(及び/又は少量の突起及び/又はより小さい及び/又はより短い突起)は、(例えば、ただ1つのレーザーショットによって上面306の各区分に照明するのではなく)少なくとも2つのレーザーショットによって上面306の各区分に照明するように複数のレーザーショットを実行した結果であってもよい。
【0078】
図5は、半導体デバイスを製造する方法500の例示である。502で、第1の層(例えば、第1の層112)を、半導体層(例えば、SiC層などの半導体層102)の上に形成する。第1の層の電気的接触部形成領域は、半導体層から遠い第1の面(例えば、上面306)、及び半導体層に近い第2の面を有する。幾つかの例において、電気的接触部形成領域は、第1の層の全部を含む(例えば、第1の面は、第1の層112の第1の面114に対応する)。幾つかの例において、電気的接触部形成領域は、第1の層の一部を含む(例えば、第1の面は、
図1Cに示す第1の層112の第1の面114の一部126に対応する)。第1の層は、金属を含む。504で、複数のレーザーショット(例えば、
図3A~
図3C及び/又は
図4A~
図4Bに関して図示及び/又は記載の複数のレーザーショット)を、第1の層の電気的接触部形成領域の第1の面に実行し、第1の層の金属及び半導体層のケイ素から金属シリサイド層(例えば、金属シリサイド層120)を形成する。複数のレーザーショットのうちのレーザーショットは、レーザーパルスを第1の面の区分に照明するステップを含む。複数のレーザーショットのうちの少なくとも2つのレーザーショットを介して、第1の面の各区分に照明する。
【0079】
図6は、本開示の様々な例による半導体デバイスの製造に関する態様を例示する。6001で、半導体層102及び金属シリサイド層602を含む半導体構造体を設ける。ここに提供(例えば、
図1A~
図1E、
図2、
図3A~
図3C、
図4A~
図4B及び/又は
図5に関して図示及び/又は記載)の技法のうち1つ又は複数の技法を用いて、金属シリサイド層602を形成してもよい。例えば、金属シリサイド層を形成するためにここに記載の技法のうち1つ又は複数の技法を使用することなく形成される第2の金属シリサイド層と比較して表面粗さが減少した面604を有するように金属シリサイド層602を形成してもよい。例において、ただ1つのレーザーパルスを層の面の少なくとも幾つかの区分に照明するLTA処理を用いて、第2の金属シリサイド層を形成してもよい。第2の金属シリサイド層の面は、最大約400nm及び/又は最大約1000nmの局所高さを有する突起を有してもよい。しかし、ここに提供の技法のうち1つ又は複数の技法を用いて形成される金属シリサイド層602の面604は、第2の金属シリサイド層の面よりも小さい突起を有してもよく、及び/又は、金属シリサイド層602の面604の突起は、約140nmの最大局所高さを有してもよい。
【0080】
6002で、1つ又は複数の金属層606を、金属シリサイド層602の上に形成する。例えば、1つ又は複数の金属層606を、バックサイド金属(BSM)処理で形成してもよい。幾つかの例において、1つ又は複数の金属層606は、金属シリサイド層602の面604と接触(例えば、直接接触)していてもよい。例において、金属シリサイド層602は、1つ又は複数の金属層606と半導体層102との間に電気的接触部(例えば、オーミック接触部)を形成する。幾つかの例において、スパッタリング処理、蒸発蒸着処理、及び/又は1つ又は複数の他の蒸着処理を介して、1つ又は複数の金属層606のうち金属層を形成してもよい。
【0081】
幾つかの例において、金属シリサイド層602の面604の表面粗さの減少は、1つ又は複数の金属層606の面608の表面粗さの減少をもたらす。例において、1つ又は複数の金属層606の面608は、1つ又は複数の金属層606のうち最上金属層の上面に対応してもよい。幾つかの例において、面608は、半導体層102、金属シリサイド層602及び/又は1つ又は複数の金属層606を含むウェハーの裏側に対応する。幾つかの例において、ここに提供の技法のうち1つ又は複数の技法を用いて金属シリサイド層602を形成した結果、1つ又は複数の金属層606の面608は、減少した表面粗さを有してもよく、及び/又は、減少した量の突起及び/又は減少した大きさ及び/又は高さの突起を有してもよい。
【0082】
幾つかの例において、1つ又は複数の動作を、動作6001の後に、動作6002の前に、実行してもよい。幾つかの例において、1つ又は複数の動作は、1つ又は複数の液体及び/又は気体を用いて、金属シリサイド層602から炭素を除去する(例えば、面604上の炭素を除去する)ステップを含む。例において、炭素を除去するために、(例えば、O2フラッシュを実行することによって)酸素プラズマを面604に照射してもよい。幾つかの例において、1つ又は複数の動作は、1つ又は複数の液体及び/又は1つ又は複数の気体を用いて、例えば、1つ又は複数のエッチング化学物質(例えば、フッ化水素酸及び/又は1つ又は複数の他のエッチング化学物質)を用いて、金属シリサイド層602から酸化物を除去する(例えば、面604から酸化物を除去する)ステップを含む。例において、酸化物は、金属酸化物(例えば、ニッケルを含む層から金属シリサイド層602を形成するシナリオにおける酸化ニッケル)及び/又は酸化ケイ素(例えば、酸素プラズマを面604に照射した結果、酸化物を形成してもよい)を含んでもよい。
【0083】
6003で、ウェハーを、リードフレーム610に貼着する。幾つかの例において、面608を有する1つ又は複数の金属層606のうち最上金属層を、リードフレーム610に貼着する。例えば、1つ又は複数の金属層606のうち最上金属層の面608を、リードフレーム610にはんだ付けしてもよく、最上金属層は、1つ又は複数の金属層606のうち他の金属層の1つを超える、他の金属層の一部及び/又は全部である厚さを有してもよい。幾つかの例において、例えば、減少した表面粗さを有する面608のために、及び/又は、減少した量の突起及び/又は減少した大きさ及び/又は高さの突起を有する面608のために、金属層の面608とリードフレーム610との間により少ない及び/又はより小さいボイドがあってもよい。より少ない及び/又はより小さいボイドは、1つ又は複数の金属層606とリードフレーム610との間の電気的接続を向上させることができ、ウェハーを含むシステムの動作及び/又は性能を向上させることができる。
【0084】
幾つかの例において、ウェハーは、ウェハー試験処理を受けてもよい(例えば、動作6003の前に、ウェハー試験処理をウェハーに対して実行してもよい)。ウェハー試験処理において、面608は、1つ又は複数の金属層606から電流を測定するように構成されている測定チャックと接触(例えば、直接接触)していてもよい。減少した表面粗さを有する面608、及び/又は、減少した量の突起及び/又は減少した大きさ及び/又は高さの突起を有する面608は、ウェハー試験処理における電流測定(例えば、電流測定)をより正確に実行するように、測定チャックと面608との間の接触の向上(即ち、1つ又は複数の金属層606と測定チャックとの間の伝導性の増加)が得られる。
【0085】
代わりに及び/又は更に、金属シリサイド層602を含むウェハーは、ここに提供の技法のうち1つ又は複数の技法を使用することなく形成される金属シリサイド層(例えば、第2の金属シリサイド層)を有する他のウェハーと比較して、改善されたVF(順方向バイアス接合電圧)分布及び/又は改善されたVF値を有してもよい。
【0086】
金属シリサイド層の面の突起を埋めしようとして、ここに提供の技法のうち1つ又は複数の技法無しで形成される幾つかの半導体デバイスに、より厚い金属層が形成される。ここに提供の技法のうち1つ又は複数の技法を実施すると、例えば、減少した表面粗さを有する面608のために、及び/又は、減少した量の突起及び/又は減少した大きさ及び/又は高さの突起を有する面608のために、1つ又は複数の金属層606の厚さを減少することができることが分かる。1つ又は複数の金属層606の厚さの減少は、より低い材料コスト及び/又はより小さいサイズの半導体デバイスが得られる。
【0087】
金属シリサイド層602に実行される場合、半導体の表面平滑化のために典型的に使用される幾つかの技法(例えば、化学機械研磨及び/又は平坦化(CMP))は、金属シリサイド層602を損傷する、及び/又は金属シリサイド層602を平滑化しないことがあることが分かる。例えば、金属シリサイド層602を平滑化するために金属シリサイド層602にCMPを実行すると、金属シリサイド層602を損傷する、及び/又は金属シリサイド層602の一部を除去することがあり、その結果、正確に機能しない電気的接触部(例えば、オーミック接触部)が形成されることになる。
【0088】
幾つかの実施形態によれば、半導体デバイスを製造する方法を提供する。方法は、第1の層をSiC層の上に形成するステップであって、第1の層は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有し、第1の層は、金属を含むステップと、第1の熱エネルギーを、第1の層の第1の面に向け、第1の層の金属及びSiC層のケイ素から金属シリサイド層を形成するステップであって、金属シリサイド層は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有するステップと、第2の熱エネルギーを、金属シリサイド層の第1の面に向け、金属シリサイド層の第1の面の表面粗さを減少するステップとを含む。
【0089】
幾つかの実施形態によれば、第1の熱エネルギーを第1の層の第1の面に向ける第1の時刻と第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向ける第2の時刻との間の持続時間は、少なくとも持続時間閾値である。
【0090】
幾つかの実施形態によれば、第1の層の第1の面に向けられる第1の熱エネルギーは、第1の層の金属を溶融させ、溶融金属を形成し、持続時間閾値は、溶融金属の凝固時間に基づいており、溶融金属は、第2の時刻の前に凝固する。
【0091】
幾つかの実施形態によれば、方法は、第2の熱エネルギーを金属シリサイド層の第1の面に向けた後に、1つ又は複数の金属層を金属シリサイド層の上に形成するステップを含む。
【0092】
幾つかの実施形態によれば、方法は、1つ又は複数の金属層の層をリードフレームに貼着するステップを含む。
【0093】
幾つかの実施形態によれば、金属は、ニッケルを含む。
【0094】
幾つかの実施形態によれば、200nm未満の厚さを有するように第1の層を形成する。
【0095】
幾つかの実施形態によれば、半導体デバイスを製造する方法を提供する。方法は、第1の層をSiC層の上に形成するステップであって、第1の層の電気的接触部形成領域は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有し、第1の層は、金属を含むステップと、第1の層の電気的接触部形成領域の第1の面に複数のレーザーショットを実行し、第1の層の金属及びSiC層のケイ素から金属シリサイド層を形成するステップであって、複数のレーザーショットのうちのレーザーショットは、レーザーパルスを第1の面の区分に照明するステップを含み、複数のレーザーショットのうちの少なくとも2つのレーザーショットを介して、第1の面の各区分に照明するステップとを含む。
【0096】
幾つかの実施形態によれば、複数のレーザーショットは、第1のレーザーショット及び第2のレーザーショットを含み、第1のレーザーショットは、第1のレーザーパルスを第1の面の第1の区分に照明するステップを含み、第2のレーザーショットは、第2のレーザーパルスを第1の面の第1の区分に照明するステップを含み、第1のレーザーショットと第2のレーザーショットとの間の持続時間は、少なくとも持続時間閾値である。
【0097】
幾つかの実施形態によれば、第1のレーザーショットは、第1の層の金属を溶融させ、溶融金属を形成し、持続時間閾値は、溶融金属の凝固時間に基づいており、溶融金属は、第2のレーザーショットの前に凝固する。
【0098】
幾つかの実施形態によれば、第1のレーザーショットの後、及び第2のレーザーショットの前に、第1の面の第1の区分は、第1の表面粗さを有し、第2のレーザーショットの後に、第1の面の第1の区分は、第1の表面粗さ未満の第2の表面粗さを有する。
【0099】
幾つかの実施形態によれば、第1の面の第1の区分を含む第1の面の第2の区分に第1のレーザーパルスを照明し、第1の面の第1の区分を含む第1の面の第3の区分に第2のレーザーパルスを照明し、第1の面の第3の区分を、第1の面の第2の区分からずらし、第3の区分及び第2の区分は、第1の区分で重複する。
【0100】
幾つかの実施形態によれば、方法は、複数のレーザーショットを実行した後に、1つ又は複数の金属層を金属シリサイド層の上に形成するステップと、1つ又は複数の金属層の層をリードフレームに貼着するステップとを含む。
【0101】
幾つかの実施形態によれば、第1の層は、ケイ素を含む。
【0102】
幾つかの実施形態によれば、金属は、ニッケルを含む。
【0103】
幾つかの実施形態によれば、200nm未満の厚さを有するように第1の層を形成する。
【0104】
幾つかの実施形態によれば、半導体デバイスを提供する。半導体デバイスは、SiC層と、SiC層の上の金属シリサイド層であって、金属シリサイド層は、SiC層から遠い第1の面、及びSiC層に近い第2の面を有し、第1の面の表面粗さは、多くても200nmである金属シリサイド層と、金属シリサイド層の上の1つ又は複数の金属層とを含む。
【0105】
幾つかの実施形態によれば、金属シリサイド層の厚さは、300nm未満である。
【0106】
幾つかの実施形態によれば、金属シリサイド層は、ニッケルを含む。
【0107】
幾つかの実施形態によれば、1つ又は複数の金属層の層は、リードフレームに貼着されている。
【0108】
異なる図面に関して記載の実施形態の組み合わせを含む、ここに記載の1つ又は複数の実施形態の組み合わせがここで考えられることが分かる。
【0109】
構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で主題を説明しているけれども、添付の特許請求の範囲に規定の主題は、上述の特定の特徴又は動作に必ずしも限定されるとは限らないものとする。むしろ、上述の特定の特徴及び動作を、特許請求の範囲を実施する形態の例として開示する。
【0110】
「例」としてここに記載の任意の態様又は設計は、他の態様又は設計よりも有利であると必ずしも解釈されるべきであるとは限らない。むしろ、用語「例」の使用は、ここに提示の技法に関連する1つの可能な態様及び/又は実装形態を提示するように意図されている。このような例は、このような技法に必要でなく、又は限定するように意図されていない。このような技法の様々な実施形態は、単独で、又は他の特徴と組み合わせて、このような例を含んでもよく、及び/又は、図示の例を変更及び/又は省略してもよい。
【0111】
この出願で使用されるように、用語「又は(or)」は、排他的「又は(or)」ではなく、包含的「又は(or)」を意味するように意図されている。即ち、特に指定のない限り、又は文脈から明らかでない限り、「XはA又はBを使用する(X employs A or B)」は、自然包含的順列の何れかを意味するように意図されている。即ち、XはAを使用する、XはBを使用する、又は、XはA及びBを使用する場合、「XはA又はBを使用する(X employs A or B)」を、上述の場合の何れかの下で満たす。更に、この出願及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は一般的に、単数形を対象にするように、特に指定のない限り、又は文脈から明らかでない限り、「1つ又は複数の(one or more)」を意味するように解釈される。更に、特に指定のない限り、「第1の(first)」、「第2の(second)」などは、時間的態様、空間的態様、順序付けなどを意味するように意図されていない。むしろ、このような用語は、特徴、要素、項目などに対して、識別子、名前などとして単に使用される。例えば、第1の要素及び第2の要素は一般的に、要素A及び要素B、又は2つの異なる又は2つの同じ要素又は同一要素に対応する。
【0112】
更に、開示は、1つ又は複数の実装形態に関して図示及び記載されているけれども、この出願及び添付図面の解釈及び理解に基づいて、均等な変更及び修正が、当業者の心に浮かぶ。開示は、このような全修正及び変更を含み、下記の特許請求の範囲によってのみ限定される。特に、上述の構成要素(例えば、要素、資源など)によって実行される様々な機能に関して、このような構成要素を記載するために使用される用語は、開示の実装形態の例に示すここに記載の機能を実行する開示の構造と構造的に同等でなくても、特に指定のない限り、記載の構成要素(例えば、機能的に同等)の指定の機能を実行する任意の構成要素に対応するように意図されている。更に、開示の特定の特徴は、幾つかの実装形態のうち1つだけに関して開示されているけれども、このような特徴を、任意の所与又は特定の用途に対して望ましくて有利であるように、他の実装形態の1つ又は複数の他の特徴と組み合わせてもよい。更に、用語「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、又はこれらの変型例を、詳細な説明又は特許請求の範囲で使用する範囲で、このような用語は、用語「含む(comprising)」と同様な方法で包含的であるように意図されている。
【0113】
主題は、例示的な実施形態を参照して説明されているけれども、この説明は、限定する意味で解釈されるように意図されていない。例示的な実施形態の様々な修正及び組み合わせ、及び本開示の他の実施形態は、説明を参照すれば当業者に明らかになるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、任意のこのような修正又は実施形態を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0114】
102 半導体層
104 第1の面
106 第2の面
108 厚さ
112 第1の層
114 第1の面
116 第2の面
118 厚さ
119 第1の熱エネルギー
120 金属シリサイド層
121 第2の熱エネルギー
122 第1の面
124 第2の面
126 一部
128 厚さ
127 電気的接触部形成領域
302 幅
304 長さ
306 上面
322 ずれ
323 隅部
402 隅部
404 隅部
602 金属シリサイド層
604 面
606 金属層
608 面
610 リードフレーム
【外国語明細書】