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特開2023-153782化学機械平坦化パッド用コンディショナおよび関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153782
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】化学機械平坦化パッド用コンディショナおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 53/017 20120101AFI20231011BHJP
   B24D 3/00 20060101ALI20231011BHJP
   B24B 53/12 20060101ALI20231011BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
B24B53/017 A
B24D3/00 340
B24B53/12 Z
B24D3/00 310D
H01L21/304 622M
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023112333
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2020564471の分割
【原出願日】2019-05-15
(31)【優先権主張番号】62/672,938
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ティワリ, ラジェッシュ
(72)【発明者】
【氏名】スリアガ, コンラッド
(72)【発明者】
【氏名】アーリントン, ブルース
(72)【発明者】
【氏名】ドーリング, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ガルピン, アンドリュー アラン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】化学機械処理(CMP)パッドのコンディショニングに有用なパッドコンディショナを含む、高精度に形成される表面を含む研磨面およびパッドコンディショナ、ならびに関連する方法を提供する。
【解決手段】化学機械処理(CMP)パッドのコンディショニングに有用なパッドコンディショナの研磨面10は、平坦なランド面24を含む。三次元形状の突起22は、平坦なランド面24から延在し、間隔26、間隔28によって離隔された、規則的な繰り返しパターンで配置される。突起22は、円形基部を有する円錐形であるが、他の形状もまた有用である。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械処理(CMP)パッドのコンディショニングのためのパッドコンディショナであって、前記パッドコンディショナが、平坦なランド面を有する研磨面と、前記平坦なランド面から延在する複数の高密度炭化ケイ素突起と、を含み、前記突起が高精度の形状を有する、パッドコンディショナ。
【請求項2】
前記高密度炭化ケイ素が5パーセント未満の空孔率を有する、請求項1に記載のパッドコンディショナ。
【請求項3】
各突起が、前記ランド面間に垂直方向に延在する高さと、前記突起の最も遠い表面と、を含み、前記突起の高さが、20~100マイクロメートルの範囲であり、前記研磨面の突起サンプルの前記高さの標準偏差が5未満である、請求項1または請求項2に記載のパッドコンディショナ。
【請求項4】
各突起が、幅が10~200マイクロメートルの範囲の基部幅を含み、前記研磨面の突起サンプルの前記基部幅の標準偏差が7マイクロメートル未満である、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のパッドコンディショナ。
【請求項5】
突起のパターン化された配置の突起間の間隔が1、000~10、000マイクロメートルの範囲であり、前記研磨面の間隔の標準偏差が5マイクロメートル未満である、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のパッドコンディショナ。
【請求項6】
前記突起が、尖った先端と、前記ランド面に対して傾斜した側壁と、を含み、前記ランド面に対する前記側壁の角度が30~70度の範囲であり、前記側壁の前記角度の標準偏差が5度未満である、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のパッドコンディショナ。
【請求項7】
前記突起が円錐形である、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のパッドコンディショナ。
【請求項8】
前記突起がレーザ切断によって形成される、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のパッドコンディショナ。
【請求項9】
前記研磨面が、前記ランド面上に堆積されたダイヤモンドコーティングと、複数の高密度炭化ケイ素突起と、をさらに備える、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のパッドコンディショナ。
【請求項10】
前記ダイヤモンドコーティングが化学蒸着法によって堆積される、請求項9に記載のパッドコンディショナ。
【請求項11】
炭化ケイ素本体上に研磨面を形成する方法であって、前記方法が、高密度炭化ケイ素表面を有する炭化ケイ素のブロックから、前記表面から高密度炭化ケイ素を除去して、平坦なランド面から延在する複数の高密度炭化ケイ素突起を生成することを含み、前記突起が高精度の形状を有する、方法。
【請求項12】
前記高密度炭化ケイ素が、レーザービームを使用して前記表面から前記高密度炭化ケイ素をレーザ切断することによって前記表面から除去され、前記ランド面面から延在する前記突起を残す、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記突起および平坦なランド面上にダイヤモンドコーティングを堆積させることを、さらに含む、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ダイヤモンドコーティングが化学蒸着法によって堆積される、請求項11~請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記高密度炭化ケイ素が5パーセント未満の空孔率を有する、請求項11~請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
各突起が、前記ランド面間に垂直方向に延在する高さと、前記突起の最も遠い表面と、を含み、前記突起の高さが、20~100マイクロメートルの範囲であり、前記研磨面の突起サンプルの前記高さの標準偏差が5未満である、請求項11~請求項15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
各突起が、幅が10~200マイクロメートルの範囲の基部幅を含み、前記研磨面の突起サンプルの前記基部幅の標準偏差が7マイクロメートル未満である、請求項11~請求項16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
突起のパターン化された配置の突起間の間隔が1、000~10、000マイクロメートルであり、前記研磨面の間隔の標準偏差が5マイクロメートル未満である、請求項11~請求項17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記突起が、尖った先端と、前記ランド面に対して傾斜した側壁と、を含み、前記ランド面に対する前記側壁の角度が30~70度の範囲であり、前記側壁の前記角度の標準偏差が5度未満である、請求項11~請求項18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
CMPツールを使用してCMPパッド表面をコンディショニングする方法であって、前記CMPツールが、頂部CMPパッド表面を有するCMPパッドを保持する回転プラテンと、少なくとも1つの開口部を有する少なくとも1つの支持体と、を含み、前記方法が、
前記少なくとも1つの開口部に1つまたは複数のパッドコンディショナを配置することを含み、前記1つまたは複数のパッドコンディショナが、平坦なランド面を有する研磨面と、前記平坦なランド面から延在する複数の高密度炭化ケイ素突起と、を含み、前記突起が高精度の形状を有し、
前記研磨面と前記CMPパッド表面との間の接触および運動を提供する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月17日に出願された米国仮特許出願第62/672、938号の35 USC 119に基づく利益を主張し、その開示は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
以下の説明は、半導体またはデジタルメモリワークピースなどのマイクロエレクトロニクスデバイスまたはメモリ基材を製作するために使用される化学機械平坦化パッド(CMPパッド)をコンディショニングするためのパッドコンディショナに有用な研磨面を有する研磨面を準備するための方法、デバイス、および器具に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクス、マイクロエレクトロニクス、データストレージ産業は、マイクロエレクトロニクス製品およびメモリデバイス製品のプロセス部品の高度に平坦化または研磨された表面を準備するために、化学機械平坦化(CMP)技術に依存している。これらの種類の製品の例は、シリコンまたは別の半導体材料に依存するマイクロプロセッサおよび他の集積回路、デジタルメモリデバイス(例えば、ソリッドステートおよびハードディスク)、光学材料およびデバイス、ならびに様々な他の市販および家庭用電子製品を含む、最新の電子デバイス、マイクロエレクトロニクスデバイス、磁気デバイス、および光学デバイスである。化学機械平坦化は、周知のように、これらの種類の製品のいずれかの機能部品として使用するために加工されるワークピース表面を、平坦化または研磨するためのプロセスである。ワークピース(別名「基材」)は、特に、製造過程のマイクロエレクトロニクス、半導体、メモリストレージ、または光学デバイスまたは基材であり得る。
【0004】
典型的なCMPプロセスでは、ワークピースに接触するCMPパッド表面を「コンディショニング」することで、最初の使用に備える必要がある。CMPパッドは、内部に小さな空隙または気泡を含むポリマー材料で製造されるが、元の未使用の状態では、パッドの対向する2つの主表面のそれぞれに、実質的に固体のポリマー材料の薄い外層が含まれている。CMPパッドの使用開始時には、表面の非多孔質(固体)材料の薄層を除去して、化学機械平坦化中に使用されるパッド内部(多孔質)部分を露出させる必要がある。薄い固体外面層を除去するために、パッドコンディショナ(または「コンディショナ」)を使用して、表面の固体材料を研磨除去し、気泡または空隙を有する内部ポリマー材料を露出させる。
【0005】
この最初のコンディショニング行程の後、CMPパッドはワークピースを処理するために使用することができる。CMPパッドの使用期間にわたって、化学機械処理中に発生する表面の摩耗および材料の蓄積により、CMPパッド表面の品質の劣化などで効果が低下し、定期的にリフレッシュ、すなわち“コンディショニング”される必要がある。マイクロエレクトロニクスデバイスのワークピースを処理するためのCMPパッドの使用中は、研磨パッドは、研磨粒子および化学物質を含むスラリーの存在下で、ワークピースに接触しながら移動される。化学機械平坦化中の使用で、CMPパッド表面は摩耗したり、研磨材および化学物質の影響を受けたりして、パッド表面に蓄積する可能性がある。その結果、「パッドグレージング」が発生し、ワークピース表面を平坦化または研磨する材料を除去するためのCMPパッド表面の有効性が低下し得る。さらに、継続して使用すると、CMPパッド表面に不均一な摩耗が発生し、好ましくない表面の不規則性をもたらし得る。そのため、使用済みCMPパッド表面を有用な形態に復元させるために、表面をコンディショニングする必要がある。パッド表面の復元プロセスは、パッドコンディショニングと呼ばれる。CMPパッドのコンディショニングは、パッドの最初の使用前(外側の固形層を除去するため)、研磨プロセス中(行程内(in-situ)コンディショニング)、または研磨工程の間(行程外(ex-situ)コンディショニング)に実施され得る。CMPパッドのコンディショニングは、CMPパッド表面を、パッド表面が設計および意図したように機能することを可能にする摩擦特性および表面テクスチャを含む特性を有するように準備または復元するために不可欠である。
【0006】
CMPパッドコンディショナの多くの例および種類が公知であり、市販されている。最小限、パッドコンディショナ(別名「コンディショナ」)は、パッドコンディショナ研磨面とCMPパッド表面との間を移動しながら、研磨面と接触したときにCMPパッド表面を補正してドレッシングすることができる少なくとも1つの研磨面を含む。例示的パッドコンディショナは、コンディショナの1つの面に研磨面を含んでもよく、他の例では2つの対向する面に研磨面を含んでもよい。好ましいコンディショナは、コンディショナを、CMPパッド表面をコンディショニングする行程の間、支持体内に(ワークピースの代わりに)配置できるように、CMPツールの支持体開口部内に取り付けられるように設計され得る。これらの考慮と一致して、多種の異なる種類のパッドコンディショナが、様々な種類のワークピースに適用されるCMP工程に関連するCMPパッドのコンディショニングのために製造、販売、または使用されている。
【発明の概要】
【0007】
本明細書によれば、出願人は、高密度炭化ケイ素から製造される高精度研磨面を特定した。当該研磨面は、任意にかつ好ましくはCVDダイヤモンドコーティングでコーティングされたパッドコンディショナの表面として使用可能である。パッドコンディショナの表面として使用される好ましい高精度研磨面は、例えばパッドコンディショナの研磨切削速度の有益なレベルの制御などの、パッドコンディショナの研磨特性の商業的に有利なレベルの制御を含む、有用なまたは所望の研磨特性を示すことができる。改良されたレベルの制御は、例えば、突起の同じサイズ、形状、および形態、ならびに突起の同じ間隔などの、研磨面の同じ物理的特徴を有するように製造される本発明のパッドの切削速度のパッド間でのばらつきの減少として示すことができる。研磨特性の改善された制御は、例えば、形成される突起のサイズ、形状、および形態(例えば、角度)、ならびに研磨面上の突起のパターンの突起の精密な間隔などの、研磨面の物理的特徴の高いレベルの精度によるものである。
【0008】
パッドコンディショナの指標は、CMPパッドから材料を除去する際のその「侵略性(aggressiveness)」のレベルである。パッドコンディショナの侵略性のレベルは、「パッド切削速度」(PCR)、すなわち、コンディショニング工程中にCMPパッドから材料が除去される速度として定量化できる。形成された面または研磨コーティングされた面で製造された従来のパッドコンディショナは、一般に、パッド切削速度によって測定した際に広い範囲の侵略性を有する可能性がある。パッド切削速度は、市販品のパッドコンディショナでさえ、制御が困難であることが立証されており、これは、パッド切削速度が、同一材料および同一方法で準備されたパッドコンディショナ間でさえ、パッドコンディショナ間で異なり得ることを意味する。
【0009】
出願人は、高密度炭化ケイ素から製造される研磨面は、例えば、低いパッド間のばらつきを有する予測可能に制御されたパッド切削速度の、良好にコントロールされたレベルの研磨材侵略性を有する、望ましいまたは有益な研磨特性を示す高精度研磨面に形成することができると結論付けた。高密度炭化ケイ素は、高精度の形状を有する形状の突起、突起間の高精度な間隔、任意にかつ好ましくは高精度(例えば、低い粗さ)のランド面、またはこれらの組み合わせを有する研磨面に形成され得るので、高密度炭化ケイ素は、コンディショニングパッドの切削速度の制御性を増加させるのに有効であり得る。
【0010】
高精度研磨面は、任意の好適な技術、例えば、研磨面の所望のレベルの精度(例えば、突起およびランド面の物理的特徴)を提供する任意の機械加工、エッチング、または切削技術を使用して、高密度炭化ケイ素から形成可能である。高精度の形状およびランド面を形成するための現在の好ましい技術は、レーザ切断、すなわち、精密かつ繰り返し可能なレーザ加工プロセスの使用によるものである。
【0011】
一態様では、本発明は、平坦なランド面と、平坦なランド面から延在する複数の高密度炭化ケイ素突起とを含む研磨面であって、突起が高精度の形状を有する研磨面に関する。
【0012】
別の側面において、本発明は、炭化ケイ素本体に研磨面を形成する方法に関する。方法は、高密度炭化ケイ素表面を有する炭化ケイ素のブロックから、表面から高密度炭化ケイ素を除去して、平坦なランド面から延在する複数の高密度炭化ケイ素突起を生成することを含み、突起は高精度の形状を有する
【0013】
さらに別の態様では、本発明は、CMPツールを使用してCMPパッド表面をコンディショニングする方法に関する。CMPツールは、頂部CMPパッド表面を有するCMPパッドを保持する回転プラテンと、少なくとも1つの開口部を有する少なくとも1つの支持体とを含む。方法は、1つまたは複数のパッドコンディショナを少なくとも1つの開口部に配置することを含み、1つまたは複数のパッドコンディショナのそれぞれは、本明細書に記載されているような研磨面を備える。方法はまた、研磨面とCMPパッド表面との間に接触および運動を提供することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本明細書記載の研磨面の上面概略図である。
図1B図1Aの研磨面の拡大斜視図である。
図2A】本明細書記載の研磨面の側面図である。
図2B】本明細書記載の研磨面の側面図である(図2Aの拡大図)。
図3A】レーザプロフィルメトリによって準備された記載されているような研磨面の個々の突起断面図である。
図3B】レーザプロフィルメトリによって準備された記載されているような研磨面の個々の突起断面図である。
図3C】レーザプロフィルメトリによって製造された、本発明ではない研磨面の個々の突起の断面の図である。
図4】記載されているようなパッドコンディショナの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1A図1B図2A図2B、および図4は概略であり、必ずしも原寸大ではない。
【0016】
本明細書によれば、出願人は、高密度炭化ケイ素から製造される高精度研磨面を特定した。当該研磨面は、任意にかつ好ましくはCVDダイヤモンドコーティングでコーティングされたパッドコンディショナの表面として使用可能である。パッドコンディショナの表面として使用される好ましい高精度研磨面は、例えばパッドコンディショナの研磨切削速度の有益なレベルの制御などのパッドコンディショナの研磨特性の商業的に有利なレベルの制御を含む、有用なまたは所望の研磨特性を示すことができる。切削速度などの研磨特性の改善された制御とは、低減されたばらつきを示す研磨特性、例えば、特定の切削速度を示すように準備されたパッドコンディショナ間の切削速度のばらつきの低減を示す研磨特性を意味する。研磨特性の改善された制御は、例えば突起の正確なサイズ、形状、および形成される形態(例えば角度)、研磨面上の突起パターンの突起の正確な間隔、研磨面のランド面の正確なレベルの平坦度、またはこれらの組み合わせ、のうちの1つまたは複数の研磨面の物理的特徴の高いレベルの精度によるものである。
【0017】
高精度炭化ケイ素研磨面は、一般に「ランド面」と呼ばれるx-y平面に延在する平面と、ランド面から延在する複数の高密度炭化ケイ素突起とを含む。突起は、高密度炭化ケイ素で製造されており、炭化ケイ素が高密度であるために、高精度(高精度)形状に形成可能である。これらの突起は、「高精度突起」などの用語を使用して本明細書で参照され得る。ランド面はまた、好ましくは、高密度炭化ケイ素で製造することができ、好ましくは、高密度炭化ケイ素突起と一体である。個々の高精度に形成される突起は、ランド面の平面に垂直な方向にランド面から延在し、突起は、所望により、例えば突起間でx-y平面内に規則的な(有利には精密な)間隔を有する高精度パターンで、ランド面上に配置可能である。
【0018】
記載されているように、出願人は、高密度炭化ケイ素は、高精度ランド面、ランド面から延在する高精度三次元突起、ランド面上の突起の高精度な配置(例えば、突起の間隔)、またはこれらの組み合わせを含む、有用または有利な高精度に形成される研磨面に形成することができることを確認した。形成される突起および好ましくはランド面は、高密度炭化ケイ素で製造され、これは、低空孔率または非常に低い空孔率、例えば、5、2、または1%未満の空孔率を有する炭化ケイ素を意味する。また、高密度炭化ケイ素は、少なくとも2.5グラム/立方センチメートルの密度を有することを特徴とし得る。高密度炭化ケイ素、および記載されているような研磨面形成の使用に適した高密度炭化ケイ素本体は、市販されており、例えば、蒸着法、焼結法、および反応結合法を含む、セラミックおよび炭化ケイ素の分野の当業者によって十分に理解される方法によって準備され得る。
【0019】
突起が高密度炭化ケイ素で製造され、ランド面もまた、好ましくは高密度炭化ケイ素で製造されてもよいが、一方の側の研磨面を含む炭化ケイ素本体(例えば、炭化ケイ素「パッド」または「セグメント」)の残りの材料は、高密度炭化ケイ素で製造されてもよく、または代わりに、非高密度(例えば、多孔質)炭化ケイ素で製造されてもよい。例えば、研磨面を含む面における炭化ケイ素本体の厚さの一部は、高密度炭化ケイ素で製造されてもよく、本体の残りの部分(すなわち、本体厚さの残部)は、非高密度炭化ケイ素で製造されてもよい。非高密度炭化ケイ素材は、例えば、10~80%の範囲の空孔率を有してもよい。
【0020】
出願人は、ランド面から延在し高密度炭化ケイ素で製造される形成される突起の研磨面は、突起の形状、サイズ、形態(例えば、角度)、および配置(間隔の距離)、ランド面の平坦度などの、研磨面の様々な物理的特徴の非常に高い精度を示すように形成できると結論付けた。研磨面のこれらの物理的特徴の高レベルの精度は、CMPパッドコンディショナなどの研磨面の特徴として含まれるとき、特に有用かつ有利であり得る。
【0021】
高精度研磨面は、研磨面の1つまたは複数の寸法または形状の特徴によって測定されるような、各形成される突起の高精度の物理的特徴を含み得る。突起の高精度な物理的特徴の例としては、ランド面からの各突起の高さ、基部における各突起の幅、各突起の先端の形状、例えば、側壁の交差する線の間に作られた角度、または先端の幅、ランド面に対する側壁の角度、突起の側壁の形状、例えば側壁の形状が、湾曲しているか、ギザギザしているか、または密接な相関がないと比較して線と強く関連するかどうかなど、のうちの1つ以上を(限定でないが)含み得る。
【0022】
任意にかつ好ましくは、高精度に形成される研磨面はまた、ランド面上の突起の高精度にパターン化された配置を含み、これは、突起の配置パターンおよび突起間の間隔が高精度であることを意味する。
【0023】
また、任意に、高精度研磨面は、高精度ランド面、すなわち、高さのばらつきが少ないランド面、例えば、非常に精密な粗さ、例えばレーザプロフィルメトリによって測定されるとき2~10μmの範囲の粗さ、および50マイクロメートル未満に測定される平坦度を有するランド面を含むことができる。
【0024】
記載されているような例示的な研磨面は、炭化ケイ素本体のランド面から延在する複数の個々の三次元構造体(例えば、突起)を含む。三次元の突起は、ランド面および炭化ケイ素本体と一体であってもよい。突起は、ランド面からランド面のx-y平面に垂直な方向に延在する。三次元構造体は、繰り返し、パターン化された、パターン化されていない(例えば、見かけ上ランダムな)、またはクラスタ化された配置でランド面に置かれてもよい。特定の好ましい三次元構造体は、例えば類似した繰り返しの三次元幾何学的形状の組の形態のパターン化された繰り返しであってもよい。
【0025】
各突起は、z方向の測定された高さを有することを特徴とすることができ、高さは、ランド面から突起上面までの垂直方向の距離として測定される。各突起はまた、突起がランド面と接触する位置、すなわち突起の水平基部で測定される幅寸法を含む。各突起はまた、幅に垂直であり、かつランド面の平面内にある長さ寸法を含むことができる。
【0026】
突起の形状は、研磨面に有効な任意の形状、例えば、本明細書に記載されているようなコンディショニング行程を実施するためのパッドコンディショナの研磨面の一部として有効な形状とすることができる。突起の特定の形状は、任意の有用な、または所望の三次元形状とすることができ、これは、好みに基づいて、研磨面のための所望の用途(例えば、パッドコンディショナとして)に基づいて、および研磨面の所望のレベルの侵略性などの所望の性能に基づいて選択され得る。突起は、丸みを帯びた、湾曲した、対称の、非対称の、角度をなす、角のある、または直線(線形)の任意の1つまたは複数の形態を含むように形成されてもよい。例示的な形状は、角錘形(任意の形状例えば、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、八角形などの基部を有する)、円錐形(円形または楕円形の基部を有する)、プリズム形(例えば、幾何学的な断面および細長い長さを有する)、畝形、台形、半球状、平坦な頂部、三角形、六角形、八角形、星形、ジグザグ形、正方形、長方形、細長い形(直線的または曲線的)、またはこれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0027】
突起の寸法または形態(例えば、角度、平坦度、線との対応など)は、公知のレーザプロフィルメトリ技術などの任意の好適な測定技術によって測定可能である。本明細書に示されるように、高密度炭化ケイ素から製造される研磨面の寸法および形態(例えば、角度)は、ランド面に分布かつ離間した複数の突起を含む研磨面上に、高い精度および再現性で製造可能であり、例えば、より低い密度およびより高い空孔率、例えば、20%を超える空孔率を有する炭化ケイ素の同等の構造を形成することによって達成された精度および再現性と比較して、改善された精度および再現性で製造可能である。これらの寸法および形態を測定するためには、様々な技術が有用であり、本明細書記載の研磨面の精度を、本発明ではない研磨面の精度と比較するために、様々な既知の分析的および統計的方法が利用可能である。
【0028】
本明細書記載の研磨面の精度の向上とは、研磨面のサイズ(寸法)、形態(角度、平面度、線との対応など)、または物理的特徴(突起物またはランド面)の配置の精度の向上を意味する。この点においての精度は、研磨面の物理的特徴のサイズ、形態、または配置のばらつきの観点から評価可能である。研磨面の特徴の形成および配置の精度を決定するために評価され得る研磨面の物理的特徴の例として、以下のうちの任意の1つまたは複数が挙げられる(限定されない):突起の寸法、例えば、突起の高さまたは幅、突起の形状または形態、例えば、ランド面に対する側壁の角度、円錐形または角錘形突起の先端の「幅」(これは、先端が、微細なスケールで(例えばマイクロメートルのスケールで)完全に鋭利にされるのとは対照的に丸みのついた程度を意味する)、突起の直線的な(所望の)側壁が、湾曲または強い相関性を欠くのとは対照的に、直線と相関する程度、研磨面の類似した特徴間の距離(x-y平面での)、例えば、突起の繰り返しパターンの突起(隣接するまたは隣接しない突起)の先端、中心、または類似の基部の位置間の距離、
【0029】
研磨面の複数の突起間の寸法精度を評価するために、突起の寸法または突起の間隔寸法を測定するとき、測定する寸法は、各突起の類似した寸法でなければならない。間隔を測定するために、一対の突起の同一位置間の間隔(距離)を測定してもよく、研磨面の突起のパターンの一部として、突起が同様に位置されるべきである。どのような測定においても、精度を評価するために測定される特定の寸法または間隔は、測定の重要な特徴ではないが、測定サンプルの各測定の終点は、測定間で一貫していなければならない。
【0030】
一般的事項として、突起は、研磨面の所望の研磨特性を達成するために有効な高さ、幅、および長さの寸法を有することができる。突起の寸法のスケールは、マイクロメートル、例えば、数十マイクロメートルまたは数百マイクロメートルのスケールであり得る。様々な形状および形態の突起の例示的な高さは、20~100マイクロメートル、例えば25~75マイクロメートルの範囲であり得る。突起の基部の例示的な幅(例えば、円形または丸みのついた基部の直径)は、10~200マイクロメートル、例えば、20~150マイクロメートルの範囲であり得る。(円形基部を含む突起の幅は、基部の直径であってもよい。他の幅寸法もまた、正方形または長方形の基部の対角線の寸法などの、研磨面の精度を評価するのに有用であり得る。)例示的な長さは、所望の研磨面の種類に応じて変化してもよく、例えば細長い突起に対しては、幅に相当するか、または幅よりも大きいか、または幅よりも実質的に大きい大きさであってもよい。一般的に、個々の、細長くない突起に対しては、長さは、一般に、基部における突起の幅の大きさと類似の範囲、例えば、20~1000マイクロメートル、例えば、25~75マイクロメートルの範囲であってもよい。研磨面上の突起のパターン化された配置では、近傍または隣接する2つの突起の対の間の間隔は、所望の研磨面の種類に応じて変化してもよく、隣接する突起の間の有用な間隔の例は、例えば、1、000~10、000マイクロメートルの間、例えば、1、500~7、000マイクロメートルの間、または、2、000~6、000マイクロメートルの間であってもよい。
【0031】
本明細書記載の研磨面で達成される精度の向上レベルは、非高密度炭化ケイ素で製造された他の同等の研磨面と比較して、分析および統計的方法の当業者には既知であり利用可能である測定および統計的方法によって示すことができる。記載されているような研磨構造によって達成される精度の向上レベルは、研磨面の物理的特徴、例えば、寸法、角度、または突起の形態、パターン内の2つの独立した突起の類似した位置間の間隔、ランド面の平坦度(例えば、粗さ)、またはその他の測定可能な物理的特徴のうちの1つまたは複数のばらつきで、統計的に有意な改善(減少)を示すことによりによって実証可能である。
【0032】
本明細書記載の方法または構造によって達成され得る有用または改善されたレベルの精度を実証するための一例として、単一の研磨面の突起サンプルの物理的特徴のばらつきは、物理的特徴のサンプルの測定値の標準偏差の点から述べることができる。本明細書で使用される場合、標準偏差という用語は、測定値グループ(すなわち、「母標準偏差」とは対照的に「標本標準偏差」)(「SD」、ギリシャ文字シグマσまたはラテン文字sでも表される)を参照して、統計学分野でその通常の意味を与えられ、すなわち、サンプルの値およびサンプル内の値の合計数に基づいて、データ値(測定値)のセットのばらつき量または分散量を定量化するために使用される計算値である。
【0033】
突起の幅(基部幅)、突起の高さ、および突起の間隔について本明細書で参照される例示的な値を参照すると、例示的または好ましい標準偏差は、以下のようになり得る。突起基部の幅(基部幅)の好ましい標準偏差は、7μm未満、例えば、6μm未満、または5μm未満であり得る。突起の高さの好ましい標準偏差は、5.0μm未満、例えば1.2μm未満、または1.0μm未満であり得る。一対の突起の位置間の間隔の好ましい標準偏差は、10μm未満、例えば4μm未満、または1μm未満であり得る。
【0034】
図1A(上面図)および図1B図1Aの側面拡大図)を参照すると、シリコンカーボン本体20(例えば、パッドコンディショナの炭化ケイ素「パッド」または「セグメント」)の例示的な研磨面10が示されている。研磨面10は、x方向およびy方向(「x-y平面」内)に延在する平坦なランド面24を含む。炭化ケイ素本体20はまた、z方向の深さまたは厚さ(図1Aには図示しない)と、平坦なランド面24に対向する、本体20の第2の面上の実質的に平行なx-y平面内の第2の表面(図示しない)とを含む。三次元形状の突起22は、平坦なランド面24からz方向に延在し、xおよびy方向に間隔(例えば、26、28)によって離隔された、規則的な繰り返しパターンで配置される。図示されているように、突起22は、円形基部を有する円錐形であるが、他の形状もまた有用である。
【0035】
研磨面の特定の高精度な物理的特徴の一例として、図2Aおよび図2B図2Aの拡大図)は、炭化ケイ素本体52の側面図を模式的に示し、炭化ケイ素本体は、ランド面56上に繰り返しパターンで配置された円錐形突起54を含む研磨面50を含む。円錐形(または角錘形)である個々の突起について、突起は、基部58(突起54とランド面56との接続部に位置する)から先端60までの高さ(h、z方向)の寸法を有し、先端60は、円錐形突起の2つの側壁に対応する線の交点で形成される角度の頂点の位置と対照的に、各突起54の上面構造であると考えられる。円錐形突起54の2つの側壁(62)に対応する線の交点で形成される角度(α)は、側壁間の角度として測定できる。別の角度(β)は、側壁とランド面56との間の角度とすることができる。円錐形突起の基部幅(Wb)は、基部の直径における基部58の幅である。円錐形(または角錘形)突起の先端幅(Wt)は、十分に高い倍率で見たときに、正確は尖っていないことが分かる先端の幅である。当業者であれば、先端幅のばらつきを評価する目的で、例えば標準偏差を決定することによって、研磨面上の突起サンプルの異なる突起間で先端幅の安定した測定値を作成するための技術を理解するであろう。
【0036】
配置の突起間の距離(d)または間隔は、任意の2つの突起の任意の2つの位置、例えば、2つの円錐形突起の同じ側の基部の端部間の距離を測定することによって評価可能である。標準偏差を同定するなどのばらつきを評価するための距離測定値の比較は、一対の突起サンプルにわたって同じ2つの位置の間で複数の測定を行うことによって実施可能である。図示されているように、例示的な研磨面50の距離dは、1、000~10、000オングストロームの範囲とすることができ、研磨面のサンプル間隔は、0.5オングストローム未満、0.4オングストローム未満、または0.3オングストローム未満の標準偏差を有する。
【0037】
研磨面50の円錐形突起54の高さ(h)の例は、20~100マイクロメートル、例えば25~75マイクロメートルの範囲とすることができ、研磨面の測定された高さのサンプルは、1.5マイクロメートル未満、例えば1.2マイクロメートル未満、または1.0マイクロメートル未満の標準偏差を有する。
【0038】
研磨面50の円錐形突起54の基部幅(Wb)の例は、10~200マイクロメートル、例えば50~150マイクロメートルの範囲とすることができ、研磨面の測定された基部幅のサンプルは、7マイクロメートル未満、例えば6マイクロメートル未満、または5マイクロメートル未満の標準偏差を有する。
【0039】
円錐形突起54の2つの側壁(62)に対応する線の交点で形成される角度(α)の例は、30~70度の範囲、例えば40~60度の範囲とすることができ、研磨面の測定された基部の角度のサンプルは、5度未満、例えば1度未満の標準偏差を有する。
【0040】
側壁62とランド面56との間の角度(β)の例は、30~70度の範囲、例えば40~60度の範囲とすることができ、研磨面の測定された角度のサンプルは、1未満、例えば0.5度、0.4度、または0.3度未満の標準偏差を有する。
【0041】
研磨面50の円錐形突起54の先端幅(Wt)の例は、10~30マイクロメートルの範囲とすることができ、研磨面の測定された先端幅のサンプルは、5μm未満、例えば2μm未満、または1μm未満の標準偏差を有する。
【0042】
突起表面の不完全性および輪郭を示さない概略図である図2Aおよび2Bと比較して、図3Aおよび3Bは、本明細書記載の円錐形(または角錘形)突起、例えば図2Aおよび2Bの突起54の、(レーザプロフィルメトリによって作成された)断面形態の例を示す。図2Aおよび2Bの突起54の概略図と比較して、図3Aおよび3Bの突起54の断面は、完全な線ではないが、ランド面と突起先端との間の線と強い相関関係を有する側壁を示している。図3Aの突起54の先端は、単一の鋭角ではないが、側壁を通る線により形成される角度の頂点と良好な相関関係を有している。突起54の先端は、多少丸みを帯びており、認識可能な先端幅を含む平坦な頂部を含む。したがって、図3Aおよび図3Bの各突起54は、任意の平坦な頂部(図3B)を有する円錐形または角錘形の突起の断面形状に対応する高精度な形態を有すると考えられる。
【0043】
対照的に、図3Cは、比較する突起の断面形態が高密度炭化ケイ素で製造されていない例を示す。図3Cの突起は、認識不能な先端および実質的に非線形の(湾曲した)側壁を有する丸みを帯びた頂部および側壁を含む、あまり精密に形成されていない表面を含む。
【0044】
炭化ケイ素などのセラミック材料を加工して、ランド面から延在する突起を含むセラミック研磨面を形成する方法としては、様々な製造方法が利用可能である。例としては、ワイヤ放電加工(EDM)、マスキング研磨加工、ウォータージェット加工、写真研磨加工、レーザ加工、および機械加工などによる従来型フライス加工、またはエッチング技術が挙げられる。これらの技術はいずれも、高密度炭化ケイ素から高精度の構造化された研磨面を形成することを含め、炭化ケイ素に三次元表面を形成するのに有用であり得る。本明細書に記載されるような炭化ケイ素に高精度研磨面を形成するために好ましい技術は、本明細書に記載されているような精密な物理的特徴を有する研磨面および突起を生成する技術であり、好ましい技術の一例はレーザ切断である。
【0045】
記載されているような炭化ケイ素研磨面の好ましい例は、高精度炭化ケイ素研磨面に化学蒸着ダイヤモンド(すなわち、「CVDダイヤモンド」)のコーティングを配置するようにさらに処理することができる。研磨面上に配置されたCVDダイヤモンドコーティングは、研磨面の性能および耐用年数を向上させるのに効果的であり得る。表面にCVDダイヤモンドコーティングを配置する方法は既知である。1つの例示的な方法によって、マイクロ波電力および/または電気電力、ホットフィラメント、レーザ、電子ビームなどを使用して炭素ガスを非常に高い温度でイオン化し、イオン化された炭素は、好ましくは連続的なダイヤモンドコーティングとして基材(例えば、記載されているような炭化ケイ素セグメントの三次元構造表面)上に堆積する。このプロセスの間、基材は約800℃の温度に達し得るので、セラミックセグメントのセラミック材料は、この高温に耐える種類でなければならない。
【0046】
一旦形成されると、本明細書に記載されているような研磨面を含む炭化ケイ素本体は、平坦で剛性のベースプレートに取り付けられる研磨炭化ケイ素「パッド」、「セグメント」、または「インサート」としてパッドコンディショナに組み込むことができる。例示的なパッドコンディショナの構造としては、高精度炭化ケイ素研磨面を有する1つまたは複数の炭化ケイ素本体を支持する剛性円盤状プレート(またはベース)が挙げられる。剛性プレートは、トッププレート表面と、ボトムプレート表面と、トッププレート表面およびボトムプレート表面の間に延在するプレート厚とを含む。1つまたは複数の炭化ケイ素セグメントは、プレートに取り付けられて、研磨面を提供する。
【0047】
好ましいコンディショナは、1つまたは好ましくは複数の研磨セグメント(または「パッド」または「コンディショニングセグメント」)が取り付けられた平坦で剛性のプレート(例えば、ディスク、支持体、基材など)を含み、それぞれの研磨セグメントは、高密度炭化ケイ素突起を含む、本明細書に記載されているような研磨面を含む。一例を図4に示す。パッドコンディショナ26は、プレート24の一方の面に取り付けられた炭化ケイ素セグメント20を有する剛性ベースプレート24を含む。各炭化ケイ素セグメント20は、本明細書記載の研磨面を含む。ベースプレート24は、実質的に平坦であり、剛性が高く、強く、厚さが実質的に均一であり、パッドコンディショナ26が、CMPツールのパッド表面を効果的な結果にコンディショニングするために使用できるように、研磨セグメント20を支持するのに効果的である。プレートとして有用な材料の例としては、金属材料およびセラミック材料が挙げられる。平らで剛性のプレートとして有用であり得る材料の具体的な例としては、ステンレス鋼、モリブデン、アルミニウム、およびセラミック、例えばアルミナ、ステアタイトもしくはジルコニア、または他の類似の金属(合金を含む)およびセラミック材料が挙げられるが、これらに限定されない。パッドコンディショナの研磨面を提供する目的で、研磨セグメントは、プレートの表面に接着剤で接着されるなど、任意のやり方でプレートに固定できる。
【0048】
使用中、本発明のパッドコンディショナ、例えば図4のパッドコンディショナ26は、化学機械平坦化パッド(CMPパッド)の表面をコンディショニングするためのCMPツールとともに使用可能である。有用なCMPツールの例として、露出面を有するCMPパッドを保持する回転プラテンが挙げられる。支持体は、典型的には、露出したパッド表面に隣接して(例えば、パッド表面の上面に)配置される。支持体の開口部は、パッドコンディショナに適合している。パッドコンディショナの研磨面がCMPパッド表面に対向する状態でパッドコンディショナが開口部に配置されると、研磨面とCMPパッド表面との間に接触および運動が提供される。接触および運動は、研磨面とCMPパッド表面との間に摩擦を生じ、研磨面がCMPパッド表面から材料を研磨する。
【0049】
記載されているようなパッドコンディショナは、有用な研磨性能を示すことができ、または好ましくは、他の点は同等だが、本明細書に記載されているような高精度炭化ケイ素研磨面を含まないパッドコンディショナと比較して、より精密に制御された(例えば、ばらつきが低減された)切削速度によって示されるような改善された研磨性能を示し得る。本明細書に基づいて、切削速度に関して研磨面の侵略性の所望のおよび良好に制御された(他のパッドコンディショナと比較して)レベルを達成するために高精度炭化ケイ素研磨面を準備できることを見出した。コンディショニング工程の類似の装置および条件(時間、温度、速度など)を用いた類似のCMPパッド(類似の組成、表面摩耗などのパッド)との切削速度の比較において、記載されているコンディショニングパッドは、所望の切削速度を有するように準備することができ、複数のそのようなパッドコンディショナの個々の切削速度(すなわち、パッド間のばらつき)は、本発明ではない研磨面を用いて作製されたパッドと比較して、より少ないばらつきを示す。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械処理(CMP)パッドのコンディショニングのためのパッドコンディショナであって、前記パッドコンディショナが、平坦なランド面と、前記平坦なランド面から延在する複数の高密度炭化ケイ素突起とを有する研磨面を含み、前記突起が高精度の形状を有する、パッドコンディショナ。
【外国語明細書】