(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153840
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】アルコキシル化エステルアミンおよびその塩
(51)【国際特許分類】
C07C 229/08 20060101AFI20231011BHJP
C11D 3/30 20060101ALI20231011BHJP
C07C 227/18 20060101ALI20231011BHJP
C09J 175/02 20060101ALI20231011BHJP
C09J 175/04 20060101ALI20231011BHJP
C09J 177/00 20060101ALI20231011BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20231011BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20231011BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231011BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
C07C229/08 CSP
C11D3/30
C07C227/18
C09J175/02
C09J175/04
C09J177/00
C09J11/06
A61Q5/02
A61Q19/10
A61K8/86
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023116620
(22)【出願日】2023-07-18
(62)【分割の表示】P 2020500598の分割
【原出願日】2018-06-26
(31)【優先権主張番号】17180161.6
(32)【優先日】2017-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ,ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】エベルト,ゾフィア
(72)【発明者】
【氏名】ビットナー,クリスティアン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特に冷水洗浄条件下で液体洗濯洗剤の油洗浄性能を向上させ、白色度も改善されるアルコキシル化エステルアミンを提供する。
【解決手段】例えば、プロピレンオキシドでプロポキシ化したソルビトールと、2モルの6-アミノヘキサン酸とのエステルの、メタンスルホン酸塩のようなアルコキシル化エステルアミンが示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のエステルアミンおよびその塩
【化1】
(式中、互いに独立して、
nは、1~12の整数であり、
mは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位nごとの整数であり、
pは、0~12の整数であり、
oは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位pごとの整数であり、
rは、0~12の整数であり、
qは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位rごとの整数であり、
sは、0~100の整数であり、
tは、1~100の整数であり、
uは、0~100の整数であり、
vは、0~100の整数であり、
s、t、u、およびvの合計は、1以上であり;
A
1、A
2、A
3、およびA
4は、互いに独立して、かつ各繰り返し単位s、t、u、またはvごとに独立して、エチレンオキシ基、1,2-プロピレンオキシ基、1,2-ブチレンオキシ基、2,3-ブチレンオキシ基、i-ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、スチリルオキシ基、デセニルオキシ基、ドデセニルオキシ基、テトラデセニルオキシ基、およびヘキサデカニルオキシ基からなるリストから選択され、s、t、u、および/またはvが1に等しい場合、A
1、A
2、A
3、およびA
4基の酸素原子はB基に結合し、後続のA
1、A
2、A
3、およびA
4基は、常に酸素原子を介して前のA
1、A
2、A
3、およびA
4基に結合しており;
B
1、B
2、B
3、およびB
4は、互いに独立して、結合、直鎖C
1~C
12アルカンジイル基、および分岐C
1~C
12アルカンジイル基からなる群から選択され;
R
4、R
8、およびR
12は、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
1、R
2、およびR
3は、各繰り返し単位nの各繰り返し単位mごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
5、R
6、およびR
7は、各繰り返し単位pの各繰り返し単位oごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
9、R
10、およびR
11は、各繰り返し単位rの各繰り返し単位qごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
i)ただし、pおよびrがともに0に等しく、nが少なくとも1であるとき、Z
1およびZ
2は、独立して、OH、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、および式(II)による化合物からなる群から選択され、前記式(II)による化合物は、
*で標識された結合を介して、式(I)による化合物に連結し、ただし、少なくとも1個の置換基Z
1および/またはZ
2はOHではなく、かつR
3は2個以上の炭素原子を含有し;
【化2】
(式中、互いに独立して、
wは、0~12の整数であり、
R
13およびR
14は、各繰り返し単位wごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
15、R
16、R
17、およびR
18は、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択される)
ii)ただし、nおよびpが個別に1以上であり、rが0以上であるとき、Z
1、および/またはZ
2、および/またはZ
3、および/またはZ
4は、各繰り返し単位n、p、およびrごとに独立して、OH、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、および式(II)による化合物からなる群から選択され、前記式(II)による化合物は、
*で標識された結合を介して、式(I)による化合物に連結し、ただし、少なくとも1個の置換基Z
1、および/またはZ
2、および/またはZ
3、および/またはZ
4はOHでなく、nおよびpが1に等しく、rが0に等しい場合、少なくとも1つの単位A
1、A
2、またはA
3は、1,2-プロピレンオキシ基、1,2-ブチレンオキシ基、2,3-ブチレンオキシ基、i-ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、スチリルオキシ基、デセニルオキシ基、ドデセニルオキシ基、テトラデセニルオキシ基、およびヘキサデカニルオキシ基からなる群から選択される)。
【請求項2】
プロトン性有機酸またはプロトン性無機酸である酸による、アミン基の少なくとも部分的なプロトン化によって形成された、請求項1に記載のエステルアミンの塩。
【請求項3】
メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、および乳酸からなる群から選択される酸による、アミン基の少なくとも部分的なプロトン化によって形成された、請求項1または2に記載のエステルアミンの塩。
【請求項4】
A1、A2、A3、およびA4が、互いに独立して、かつ各繰り返し単位s、t、u、またはvごとに独立して、エチレンオキシ基、1,2-プロピレンオキシ基、および1,2-ブチレンオキシ基からなるリストから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載のエステルアミンまたはその塩。
【請求項5】
pおよびrがともに0に等しく、nが少なくとも1であり、Z1およびZ2は、独立して、OH、アラニン、グリシン、リジン、およびwが1~4の範囲の整数である式(II)による化合物からなる群から選択され、前記式(II)による化合物は、*で標識された結合を介して、式(I)による化合物に連結し、ただし、少なくとも1個の置換基Z1および/またはZ2はOHではなく、かつR3は2個以上の炭素原子を含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のエステルアミンまたはその塩。
【請求項6】
pおよびrがともに0に等しく、nが少なくとも1であり、mは1に等しく、R1およびR2はともに直鎖C2~C4アルキル基である、請求項1から4のいずれか一項に記載のエステルアミンまたはその塩。
【請求項7】
nおよびpが個別に1以上であり、rが0以上であるとき、Z1、および/またはZ2、および/またはZ3、および/またはZ4は、各繰り返し単位n、p、およびrごとに独立して、OH、アラニン、グリシン、リジン、およびwは1~4の範囲の整数である式(II)による化合物からなる群から選択され、前記式(II)による化合物は、*で標識された結合を介して、式(I)による化合物に連結し、ただし、少なくとも1個の置換基Z1、および/またはZ2、および/またはZ3、および/またはZ4はOHでない、請求項1から4のいずれか一項に記載のエステルアミンまたはその塩。
【請求項8】
nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoはともに0に等しく、B1は化学結合に等しく、R3、R4、R7、R8、およびR12はすべてHに等しい、請求項1から4のいずれか一項に記載のエステルアミンまたはその塩。
【請求項9】
nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoはともに0に等しく、B1はメチレンに等しく、R3、R4、R7、およびR8はすべてHに等しく、R12はエチルに等しい、請求項1から4のいずれか一項に記載のエステルアミンまたはその塩。
【請求項10】
請求項1に記載のエステルアミンまたはその塩を製造する方法であって、
a)式(III)
【化3】
(式中、互いに独立して、
nは、1~12の整数であり、
mは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位nごとの整数であり、
pは、0~12の整数であり、
oは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位pごとの整数であり、
rは、0~12の整数であり、
qは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位rごとの整数であり、
B
1、B
2、B
3、およびB
4は、互いに独立して、結合、直鎖C
1~C
12アルカンジイル基、および分岐C
1~C
12アルカンジイル基からなる群から選択され;
R
4、R
8、およびR
12は、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
1、R
2、およびR
3は、各繰り返し単位nの各繰り返し単位mごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
5、R
6、およびR
7は、各繰り返し単位pの各繰り返し単位oごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
9、R
10、およびR
11は、各繰り返し単位rの各繰り返し単位qごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択される)
によるアルコールを、1個以上のC
2~C
16アルキレンオキシドと反応させる工程、それに続く、
b)アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、式(IV)による酸、およびこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物で、アルコキシル化アルコールを少なくとも部分的にエステル化する工程
【化4】
(式中、wは0~12の整数であり、
R
13およびR
14は、各繰り返し単位wごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
15、R
16、R
17、およびR
18は、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択される)
を含む方法。
【請求項11】
式(III)によるアルコールの、C2~C12アルキレンオキシド全体に対するモル比が、1:1~1:400の範囲にある、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
酸の、アルコキシル化アルコールのヒドロキシル基に対するモル比が、0.1:1~1:1である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から9のいずれか一項に記載のエステルアミンおよびその塩を使用する方法であって、パーソナルケアにおいて、エポキシ樹脂の硬化剤として、ポリマー製造の反応物として、ポリウレタン、ポリ尿素中で、または熱可塑性ポリアミド接着剤として、使用する方法。
【請求項14】
シャンプーまたはボディウォッシュ配合物中で、請求項13に記載のエステルアミンおよびその塩を使用する方法。
【請求項15】
請求項1から9のいずれか一項に記載のエステルアミンおよびその塩を含むパーソナルケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコキシル化エステルアミンおよびその塩に関する。
【背景技術】
【0002】
合成繊維から作られた手入れしやすい布地の普及が進み、さらにはエネルギーコストが増加し、洗剤使用者の生態学的関心が高まっていることから、かつて一般的であった温水洗浄は、現在、冷水での布地洗浄に取って代わられている。多くの市販の洗濯洗剤は、40℃または30℃、さらには室温で、布地を洗浄するのに適していると宣伝されている。そのような低温での良好な洗浄結果、すなわち温水洗浄で得られる結果に匹敵する結果を得るために、低温洗剤に対する要求は特に高い。
従来の界面活性剤の洗浄力を高めて、60℃以下の温度での油汚れの除去を改善するために、洗浄剤組成物に特定の添加剤を含めることが知られている。
【0003】
US6346643は、ポリ(エチレングリコール)とアミノ酸塩酸塩とのエステルの製造方法を開示している。
【0004】
DE2025629は、グルタミン酸とC10~C18の脂肪アルコールおよび誘導体のエステルを開示している。
【0005】
WO2007/054226は、ガス水和物阻害剤としてピログルタミン酸エステルを使用する方法を記載している。ピログルタミン酸エステルは、ピログルタミン酸またはグルタミン酸を1~100個のヒドロキシル基を含むアルコールでエステル化することにより得られる。
【0006】
JP2003064282は、C2~C21アミノ酸によりエステル化されたトリエチレングリコールC1~C7モノエーテルをベースとする半導体粒子のリガンドを開示している。
【0007】
JP2005263890は、エトキシル化グリセロールのC6~C10のζ~κ-アミノ酸のエステルを開示している。
【0008】
WO2003059317は、医薬エアロゾル組成物の一部として、α-アミノ酸でエステル化されたポリエチレングリコールモノメチルまたは-エチルエーテルを記載している。
【0009】
油汚れは除去することが難しい汚れであるため、布地および他の汚れた材料から油汚れを除去する洗浄組成物に対する継続的な必要性がある。油除去を目的とする従来の洗浄組成物は、白色度に強い悪影響を及ぼす傾向がある各種アミン化合物を利用することが多い。結果として、布地および他の汚れた材料からの油除去能力を実現し、同時に、泥土洗浄能力または白色度に悪影響を与えないアミン化合物に対する、継続的な必要性が依然として存在する。低温で油洗浄能力を有する化合物に対する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US6346643
【特許文献2】DE2025629
【特許文献3】WO2007/054226
【特許文献4】JP2003064282
【特許文献5】JP2005263890
【特許文献6】WO2003059317
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記で特定した目的および必要性に適合する化合物を提供することであった。
【0012】
この目標は、本明細書で以下に説明され、特許請求の範囲に反映された本発明により、達成された。
【0013】
本明細書およびそれに続く特許請求の範囲全体を通じて、特に断りのない限り、「含む(comprise)」という単語、ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変化形は、記載された整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を包含することを意味し、他のいずれの整数もしくは工程または整数もしくは工程の群も除外することを意味しないと理解される。本明細書で使用するとき、「含む(comprising)」という用語は、「含有する(containing)」または「含む(including)」という用語で置き換えることができ、または場合によっては、本明細書で使用するとき、「有する(having)」という用語で置き換えられる。
【0014】
本明細書で使用するとき、「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲の項目において指定されていないいずれの要素、工程、または成分も除外する。本明細書で使用するとき、「から本質的になる」は、特許請求の範囲の基本的かつ新規な特性に実質的に影響を与えない材料または工程を除外しない。
【0015】
本明細書の各場合において、「含む(comprising)」、「本質的にからなる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」という用語のいずれかは、他の2つの用語のいずれかに置き換えられ得る。
【0016】
一般に、本明細書で使用するとき、「によって得ることができる(obtainable by)」という用語は、対応する生成物が、それぞれの特定の文脈で説明された対応する方法またはプロセスによって、生成される(すなわち、得られる)ことは必ずしも必要ではないが、前記対応する方法またはプロセスによって生成された(得られた)生成物のすべての特徴を示す生成物が含まれ、前記生成物は、実際には、そのような方法またはプロセスによって生成された(得られた)ものではなかったことをも意味する。ただし、「によって得ることができる」という用語は、「によって得られた」という、より限定的な用語も含み、すなわち、それぞれの特定の文脈で記載された方法またはプロセスによって実際に生成された(得られた)生成物を含む。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、式(I)のアルコキシル化エステルアミンおよびその塩に関する。
【0018】
【化1】
(式中、互いに独立して、
nは、1~12の整数であり、
mは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位nごとの整数であり、
pは、0~12の整数であり、
oは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位pごとの整数であり、
rは、0~12の整数であり、
qは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位rごとの整数であり、
sは、0~100の整数であり、
tは、1~100の整数であり、
uは、0~100の整数であり、
vは、0~100の整数であり、
s、t、u、およびvの合計は、1以上であり;
A
1、A
2、A
3、およびA
4は、互いに独立して、かつ各繰り返し単位s、t、u、またはvごとに独立して、エチレンオキシ基、1,2-プロピレンオキシ基、1,2-ブチレンオキシ基、2,3-ブチレンオキシ基、i-ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、スチリルオキシ基、デセニルオキシ基、ドデセニルオキシ基、テトラデセニルオキシ基、およびヘキサデカニルオキシ基からなるリストから選択され、s、t、u、および/またはvが1に等しい場合、A
1、A
2、A
3、およびA
4基の酸素原子はB基に結合し、後続のA
1、A
2、A
3、およびA
4基は、常に酸素原子を介して前のA
1、A
2、A
3、およびA
4基に結合しており、
B
1、B
2、B
3、およびB
4は、互いに独立して、結合、直鎖C
1~C
12アルカンジイル基、および分岐C
1~C
12アルカンジイル基からなる群から選択され;
R
4、R
8、およびR
12は、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
1、R
2、およびR
3は、各繰り返し単位nの各繰り返し単位mごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
5、R
6、およびR
7は、各繰り返し単位pの各繰り返し単位oごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
9、R
10、およびR
11は、各繰り返し単位rの各繰り返し単位qごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
i)ただし、pおよびrがともに0に等しく、nが少なくとも1であるとき、Z
1およびZ
2は、独立して、OH、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、および式(II)による化合物からなる群から選択され、前記式(II)による化合物は、
*で標識された結合を介して、式(I)による化合物に連結し、ただし、少なくとも1個の置換基Z
1および/またはZ
2はOHではなく、かつR
3は2個以上の炭素原子を含有し;
【0019】
【化2】
(式中、互いに独立して、
wは、0~12の整数であり、
R
13およびR
14は、各繰り返し単位wごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
15、R
16、R
17、およびR
18は、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択される)
ii)ただし、nおよびpが個別に1以上であり、rが0以上であるとき、Z
1、および/またはZ
2、および/またはZ
3、および/またはZ
4は、各繰り返し単位n、p、およびrごとに独立して、OH、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、および式(II)による化合物からなる群から選択され、前記式(II)による化合物は、
*で標識された結合を介して、式(I)による化合物に連結し、ただし、少なくとも1個の置換基Z
1、および/またはZ
2、および/またはZ
3、および/またはZ
4はOHでなく、nおよびpが1に等しく、rが0に等しい場合、少なくとも1つの単位A
1、A
2、またはA
3は、1,2-プロピレンオキシ基1,2-1,2-プロピレンオキシ基、1,2-ブチレンオキシ基、2,3-ブチレンオキシ基、i-ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、スチリルオキシ基、デセニルオキシ基、ドデセニルオキシ基、テトラデセニルオキシ基、およびヘキサデカニルオキシ基からなる群から選択される)。
【0020】
本発明によるエステルアミンは、洗浄組成物、例えば液体洗濯洗剤に使用されてよい。本発明によるエステルアミンは、例えば冷水洗浄条件で使用されるとき、前記組成物の改善された洗浄性能をもたらす。本発明によるエステルアミンは、驚くべきことに、特に冷水洗浄条件下で、液体洗濯洗剤の油洗浄性能を向上させる。本発明によるエステルアミンは、液体洗濯洗剤配合物において改善された適合性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の各種実施形態をより詳細に説明する。
【0022】
A1、A2、A3、およびA4は、互いに独立して、かつ各繰り返し単位s、t、u、またはvごとに独立して、エチレンオキシ基、1,2-プロピレンオキシ基、1,2-ブチレンオキシ基、2,3-ブチレンオキシ基、i-ブチレンオキシ基、ペンテニルオキシ基、ヘキシルオキシ基、スチリルオキシ基、デセニルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデセニルオキシ基およびヘキサデセニル基からなるリストから選択され、s、t、u、および/またはvが1に等しい場合、A1、A2、A3、およびA4基の酸素原子はB基に結合し、後続のA1、A2、A3、およびA4基は、常に酸素原子を介して前のA1、A2、A3、およびA4基に結合している。s、t、u、もしくはvのいずれかが2以上であるとき、各繰り返し単位s、t、u、もしくはvごとに独立して選択されたA1、A2、A3、およびA4はいずれも、各側鎖s、t、u、もしくはvごとに、各種アルキレニルオキシ単位のランダムに分布した側鎖を形成するか、または少なくとも1個のアルキレニルオキシ基がそれ自身を少なくとも2回繰り返したブロック構造を形成し、任意に、異なるアルキレニルオキシ基がそれ自身を少なくとも2回繰り返したさらなるブロックが後に続く。
【0023】
一実施形態において、A1、A2、A3、およびA4は、互いに独立して、かつ各繰り返し単位s、t、u、またはvごとに独立して、エチレンオキシ基、1,2-プロピレンオキシ基1,2-1,2-プロピレンオキシ基、および1,2-ブチレンオキシ基からなるリストから選択される。別の実施形態において、A1、A2、A3、およびA4はそれぞれ、少なくとも2個のエチレンオキシ基のブロックを形成し、その後に、少なくとも2個のプロピレンオキシ基のブロックが続き、任意に、その後に少なくとも2個のエチレンオキシ基の別のブロックが続く。別の実施形態において、A1、A2、A3、およびA4はそれぞれ、少なくとも2個の1,2-プロピレンオキシ基のブロックを形成し、その後に少なくとも2個のエチレンオキシ基のブロックが続き、任意に、少なくとも2個の1,2-プロピレンオキシ基1,2-1,2-プロピレンオキシ基の別のブロックが続く。別の実施形態において、A1、A2、A3、およびA4は、エチレンオキシ基、1,2-プロピレンオキシ基、および1,2-ブチレンオキシ基からなるリストから選択され、その結果、エチレンオキシ基、1,2-プロピレンオキシ基、または1,2-ブチレンオキシ基の少なくとも1個のブロックが形成され、任意に、エチレンオキシ基、1,2-プロピレンオキシ基、または1,2-ブチレンオキシ基の1個以上のブロックが続く。別の実施形態において、A1、A2、A3およびA4は、エチレンオキシ基である。別の実施形態において、A1、A2、A3およびA4は、1,2-プロピレンオキシ基である。別の実施形態において、A1、A2、A3、およびA4は、少なくともA1、A2、A3、およびA4のいずれか1個について、1~5個のエチレンオキシ基のブロックの後に1~3個のプロピレンオキシ基のブロックが続き、その後に、1~5個のエチレンオキシ基のブロックが続くように選択される。
【0024】
一実施形態において、s、u、またはvはそれぞれ個別に0~50の範囲にあり、tは1~50の範囲にある。別の実施形態において、s、u、またはvはそれぞれ個別に0~20の範囲にあり、tは1~20の範囲にある。
【0025】
本開示のアルコキシル化エステルアミンは、非対称的にアルコキシル化されてよいと認識され、このことは、アルコキシル化の程度が化合物の各部分で同じでなくてもよいことを意味する。言い換えると、s、t、u、およびvのうち少なくとも2つが少なくとも1である場合、s、t、u、およびvのうち少なくとも2つは、所定の化合物において互いに等しくなくてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態において、B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立して、結合、および直鎖C1~C12アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立して、結合、および直鎖C1~C6アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立して、結合、および直鎖C1~C3アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立して、結合、およびC1アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4はすべて、結合、およびC1アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4はすべて、結合である。
【0027】
本発明の一実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12はすべて、独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択される。一実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12はすべて、独立して、H、直鎖C1~C12アルキル、およびC1~C12分岐アルキルからなる群から選択される。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12はすべて、独立して、H、直鎖C1~C6アルキル、およびC1~C9分岐アルキルからなる群から選択される。
【0028】
いずれか1個のZ
1、Z
2、Z
3、およびZ
4に、式(II)による化合物が選択される場合、前記式(II)による化合物は、
*で標識された結合を介して、式(I)の化合物に連結する
【化3】
(式中、互いに独立して、
wは、0~12の整数であり、
R
13およびR
14は、各繰り返し単位wごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
15、R
16、R
17、およびR
18は、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択される)。本発明の一実施形態において、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17およびR
18はすべて、独立して、H、直鎖C
1~C
12アルキル、およびC
1~C
12分岐アルキルからなる群から選択される。別の実施形態において、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17およびR
18はすべて、独立して、H、直鎖C
1~C
6アルキル、およびC
1~C
9分岐アルキルからなる群から選択される。
【0029】
本発明の一実施形態において、pおよびrがともに0に等しく、nが少なくとも1であり、Z1およびZ2は、独立して、OH、アラニン、グリシン、リジン、およびwが1~4の範囲の整数である式(II)による化合物からなる群から選択され、前記式(II)による化合物は、*で標識された結合を介して、式(I)による化合物に連結し、ただし、少なくとも1個の置換基Z1および/またはZ2はHではなく、かつR3は2個以上の炭素原子を含有する。本発明の一実施形態において、pおよびrがともに0に等しく、nが少なくとも1であり、Z1およびZ2は、独立して、アラニン、w=0かつR15~R18がすべてHである式(II)による化合物、w=1かつR13~R18がすべてHである式(II)による化合物、およびw=3かつR13~R18がすべてHである式(II)による化合物からなる群から選択され、前記式(II)による化合物は、*で標識された結合を介して、式(I)による化合物に連結し、ただし、少なくとも1個の置換基Z1および/またはZ2はHではなく、かつR3は2個以上の炭素原子を含有する。
【0030】
本発明の一実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは0~10の範囲にあり、R8およびR12はHである。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは0~5の範囲にあり、R8およびR12はHである。一実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは少なくとも1であり、mは1に等しく、R1およびR2はともに直鎖C2~C4アルキル基である。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは0~1の範囲にあり、R8およびR12はHであり、B1およびB2は結合である。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは1であり、R3、R4、R8およびR12はHであり、R1およびR2はメチルであり、B1およびB2は結合である。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは1であり、R3、R4、R8およびR12はHであり、R1はブチルであり、R2はエチルであり、B1およびB2は結合である。本発明の別の実施形態において、pおよびrがともに0に等しく、nが1であり、mは1であり、R3、R4、R8およびR12はHであり、R1はメチルであり、R2はプロピルであり、B1およびB2は結合である。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは1であり、R4はプロピルであり、R3、R8およびR12はHであり、R1はHであり、R2はエチルであり、B1およびB2は結合である。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは5であり、mは0であり、R1、R2、R4、R8およびR12はHであり、B1およびB2は結合である。
【0031】
本発明の一実施形態において、pおよびrがともに0に等しく、nが1であり、mは0~10の範囲にあり、R8およびR12はHであり、tは1から10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは0~5の範囲にあり、R8およびR12はHであり、tは1から10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択される。一実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは少なくとも1であり、mは1に等しく、R1およびR2はともに直鎖C2~C4アルキル基であり、tは1~10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは0~1の範囲にあり、R8およびR12はHであり、tは1~10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは1であり、R3、R4、R8およびR12はHであり、R1およびR2はメチルであり、tは1~10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは1であり、R3、R4、R8およびR12はHであり、R1はブチルであり、R2はエチルであり、tは1~10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、B1およびB2は結合である。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは1であり、R3、R4、R8およびR12はHであり、R1はメチルであり、R2はプロピルであり、tは1~10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、B1およびB2は結合である。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは1であり、R3、R4、R8およびR12はHであり、R1はメチルであり、R2はプロピルであり、tは1~10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、B1およびB2は結合である。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは1であり、mは1であり、R4はプロピルであり、R3、R8およびR12はHであり、R1はHであり、R2はエチルであり、tは1~10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、B1およびB2は結合である。本発明の別の実施形態において、pおよびrはともに0に等しく、nは5であり、mは0であり、R3、R4、R8およびR12はHであり、tは1~10であり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、B1およびB2は結合である。
【0032】
本発明の一実施形態において、nおよびpは個別に1以上であり、rは0以上であり、Z1、および/またはZ2、および/またはZ3、および/またはZ4は、各繰り返し単位n、p、およびrごとに独立して、OH、アラニン、グリシン、リジンおよび式(II)からなる群から選択され、wは1~4の範囲の整数であり、式(II)は、*で標識された結合を介して、式(I)に連結し、ただし、少なくとも1個の置換基Z1、および/またはZ2、および/またはZ3、および/またはZ4はOHではない。本発明の別の実施形態において、nおよびpは個別に1以上であり、rは0以上であり、Z1、および/またはZ2、および/またはZ3、および/またはZ4は、各繰り返し単位n、p、およびrごとに独立して、アラニン、w=0かつR15~R18がすべてHである式(II)による化合物、w=1かつR13~R18がすべてHである式(II)による化合物、およびw=3かつR13~R18がすべてHである式(II)による化合物からなる群から選択され、前記式(II)による化合物は、*で標識された結合を介して、式(I)による化合物に連結し、nおよびpが1に等しく、rが0に等しい場合、少なくとも1つの単位A1、A2、またはA3が、1,2-プロピレンオキシ基、1,2-ブチレンオキシ基、2,3-ブチレンオキシ基、i-ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基、スチリルオキシ基、デセニルオキシ基、ドデセニルオキシ基、テトラデセニルオキシ基、およびヘキサデカニルオキシ基からなる群から選択される。
【0033】
一実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoはともに0に等しく、B1、B2、およびB3は化学結合に等しく、R3、R4、R7、R8、およびR12はすべてHに等しい。一実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoはともに0に等しく、B1、B2、およびB3はメタンジイルに等しく、R3、R4、R7、R8はすべてHに等しく、R12はエチルに等しい。一実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoは0に等しく、R4、R8、およびR12はHに等しい。一実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoは0に等しく、R4、R8、およびR12はHに等しく、B1、B2、およびB3はすべて結合である。別の実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoは1に等しく、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8はすべてHであり、R12はエチルであり、B1、B2、およびB3はすべて結合である。別の実施形態において、n、p、およびrはすべて1に等しく、m、o、およびqは1であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12はすべてHであり、B1、B2、B3、およびB4はすべて結合である。
【0034】
一実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoはともに0に等しく、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、A3は、各繰り返し単位vごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、B1、B2、およびB3は化学結合に等しく、R3、R4、R7、R8、およびR12はすべてHに等しい。一実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoはともに0に等しく、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、A3は、各繰り返し単位vごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、B1はメタンジイルに等しく、B2、およびB3は化学結合に等しく、R3、R4、R7、およびR8はすべてHに等しく、R12はエチルに等しい。一実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoは0に等しく、R4、R8、およびR12はHに等しい。一実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoは0に等しく、R4、R8、およびR12はHに等しく、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、A3は、各繰り返し単位vごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、B1、B2、およびB3はすべて結合である。別の実施形態において、nおよびpはともに1に等しく、rは0に等しく、mおよびoは1に等しく、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8はすべてHであり、R12はエチルであり、B1、B2、およびB3はすべて結合である。別の実施形態において、n、p、およびrはすべて1に等しく、m、o、およびqは1であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12はすべてHであり、A1は、各繰り返し単位tごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、uは1~10であり、A2は、各繰り返し単位uごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、A3は、各繰り返し単位vごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、A4は、各繰り返し単位sごとに、エチレンオキシ基および1,2-プロピレンオキシ基からなる群から選択され、B1、B2、B3、およびB4はすべて結合である。
【0035】
本発明によるエステルアミンは、遊離アミン、その塩、または遊離アミンと塩の混合物のいずれかとして得られる。塩は、プロトン性有機酸またはプロトン性無機酸である酸による、アミン基の少なくとも部分的なプロトン化によって、形成される。一実施形態において、アミン基の少なくとも部分的なプロトン化のための酸は、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、および乳酸からなる群から選択される。一実施形態において、酸は、メタンスルホン酸、塩酸、および硫酸の群から選択される。別の実施形態において、酸はメタンスルホン酸である。
【0036】
一実施形態における部分的プロトン化は、すべてのアミン基の1~99mol%の範囲における、アミン基のプロトン化であり、別の実施形態では、すべてのアミン基の10~90mol%の範囲、別の実施形態では、25~85mol%の範囲、別の実施形態では、すべてのアミン基の40~75mol%の範囲における、アミン基のプロトン化である。
【0037】
本発明はまた、本明細書に提示されている少なくとも2つの実施形態の組み合わせを含む。
【0038】
本発明はまた、エステルアミンまたはその塩を製造する方法であって、
a)式(III)
【化4】
(式中、互いに独立して、
nは、1~12の整数であり、
mは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位nごとの整数であり、
pは、0~12の整数であり、
oは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位pごとの整数であり、
rは、0~12の整数であり、
qは、0~12から独立に選択される各繰り返し単位rごとの整数であり、
B
1、B
2、B
3、およびB
4は、互いに独立して、結合、直鎖C
1~C
12アルカンジイル基、および分岐C
1~C
12アルカンジイル基からなる群から選択され;
R
4、R
8、およびR
12は、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
1、R
2、およびR
3は、各繰り返し単位nの各繰り返し単位mごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
5、R
6、およびR
7は、各繰り返し単位pの各繰り返し単位oごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
9、R
10、およびR
11は、各繰り返し単位rの各繰り返し単位qごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択される)
のアルコールを、1個以上のC
2~C
16アルキレンオキシドにより、アルコキシル化する工程、それに続く、
b)アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、および式(IV)の酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸で、アルコキシル化アルコールを少なくとも部分的にエステル化する工程
【0039】
【化5】
(式中、wは0~12の整数であり、
R
13およびR
14は、各繰り返し単位wごとに独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され;
R
15、R
16、R
17、およびR
18は、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択される)
を含む方法に関する。
【0040】
本発明の一実施形態において、B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立して、結合、および直鎖C1~C12アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立して、結合、および直鎖C1~C6アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立して、結合、および直鎖C1~C3アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4は、互いに独立して、結合、およびC1アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4はすべて、結合、およびC1アルカンジイル基からなる群から選択される。別の実施形態において、B1、B2、B3、およびB4はすべて、結合である。
【0041】
本発明の一実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12はすべて、独立して、H、直鎖アルキル、分岐アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択される。一実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12はすべて、独立して、H、直鎖C1~C12アルキル、およびC1~C12分岐アルキルからなる群から選択される。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、およびR12はすべて、独立して、H、直鎖C1~C6アルキル、およびC1~C9分岐アルキルからなる群から選択される。
【0042】
工程a)少なくとも1個のC2~C16アルキレンオキシドを用いた、式(III)によるアルコールのアルコキシル化
式(III)のアルコールを、1個の単一のC2~C16アルキレンオキシドまたは2個以上の異なるC2~C16アルキレンオキシドの組み合わせと反応させることができる。2個以上の異なるC2~C16アルキレンオキシドを使用するとき、得られるポリマーはブロックワイズ(block-wise)構造またはランダム構造として得られる。
式(III)のアルコールの、アルキレンオキシド全体に対するモル比は、1:1~1:400の範囲であってよい。一実施形態において、式(III)のアルコールのヒドロキシル基の、アルコキシル化反応実施時のアルキレンオキシドに対するモルのモル比は、1:1~1:100の範囲にあってよい。別の実施形態において、式(III)のアルコールのヒドロキシル基の、アルコキシル化反応実施時のアルキレンオキシドに対するモル比は、1:2~1:50の範囲にあってよく、別の実施形態では、1:3~1:10の範囲にあってよい。
【0043】
この反応は一般に、約70~約200℃、別の実施形態では約80~約160℃の反応温度にて、触媒の存在下で、実施することができる。この反応は、最大約10barの圧力で、別の実施形態では最大約8barの圧力で、影響を受けることがある。
【0044】
好適な触媒の例は、塩基性触媒、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウム、アルカリ金属アルコキシド、特にナトリウムおよびカリウムC1~C4-アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムtert-ブトキシド、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水素化物、例えば、水素化ナトリウムおよび水素化カルシウム、ならびにアルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムを含む。一実施形態では、アルカリ金属水酸化物が使用される。別の実施形態では、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムが使用される。塩基の典型的な使用量は、アルコールおよびC2~C16アルキレンオキシドの総量に対して0.01~10質量%、特に0.05~2質量%である。
【0045】
工程b)エステル化
エステル化反応は、当技術分野で知られているように実施してよい。無機または有機のプロトン酸を工程a)の生成物に添加してもよい。アミノ酸の、工程a)のアルコキシル化アルコールのヒドロキシル基に対するモル比は、0.8:1~1:1.5である。一実施形態において、プロセスは、酸の、工程a)のアルコキシル化アルコールのヒドロキシル基に対するモル比が0.1:1から1:1の範囲にある状態で、実施される。反応温度は、50℃~200℃、別の実施形態では80℃~160℃であってよい。1000mbar~1mbar、別の実施形態では500mbar~5mbarの真空を適用することにより、反応が影響を受ける場合がある。反応時間は2~48時間であり得る。反応に適した溶媒は、水、トルエン、キシレンである。
【0046】
本明細書で説明および例示されている洗濯の効果は、パーソナルケア用途に当てはめることができる。
【0047】
エステルアミンおよびその塩は、パーソナルケア用途において、エポキシ樹脂の硬化剤として、ポリウレタン、ポリ尿素中でのポリマー製造の反応物として、および熱可塑性ポリアミド接着剤として、使用することができる。それらは、シャンプーおよびボディウォッシュ配合物にも使用できる。エステルアミンおよびその塩は、パーソナルケア組成物に含まれていてもよい。
【0048】
方法
Bruker Avance 400mHz分光計によりMeODにおいて測定した1H NMR。
pHは10%水溶液中で測定する。
ヒドロキシル値はDIN 53240-1に従って測定する。
ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレングリコール)の分子量は、下記の式により、測定したヒドロキシル価から計算する。
分子量[g/mol]=1000/(ヒドロキシル価[mgKOH/g]/56.11)×一分子当たりのヒドロキシル基数
【実施例0049】
[比較例1]
6-アミノヘキサン酸とのブチルトリグリコールエステル、メタンスルホン酸塩
温度計、還流冷却器、窒素注入口、滴下漏斗、および撹拌棒を備えた四ツ口容器に、64.39gのブチルトリグリコールおよび39.35gの6-アミノヘキサン酸を入れ、90℃に加熱する。この混合物に、29.4gのメタンスルホン酸を10分以内に添加する。反応混合物を135℃に加熱し、135℃で4時間撹拌する。真空(5mbar)を適用し、反応混合物を130℃でさらに13.5時間撹拌する。122.0gの薄茶色の固体が得られる。MeODにおける1H-NMRは、6-アミノヘキサン酸酸(メタンスルホン酸塩としてのブチルトリグリコールエステル)への完全な変換を示す。
【0050】
[比較例2]
ポリエチレングリコール、Mw約200g/mol;6-アミノヘキサン酸とのエステル、メタンスルホン酸塩
温度計、還流冷却器、窒素注入口、滴下漏斗、および撹拌棒を備えた四ツ口容器に、30.0gのポリエチレングリコール(Mw約200g/mol)および39.35gの6-アミノヘキサン酸を入れ、90℃に加熱する。この混合物に、29.4gのメタンスルホン酸を10分以内に添加する。反応混合物を135℃に加熱し、135℃で4時間撹拌する。真空(5mbar)を適用し、反応混合物を135℃でさらに22時間撹拌する。97.0gの薄茶色の固体が得られる。MeODにおける1H-NMRは、6-アミノヘキサン酸酸(メタンスルホン酸塩としてのポリエチレングリコールエステル)への完全な変換を示す。
【0051】
[実施例1]
洗浄剤中の添加剤としての使用
ベーコン油を含有する青色ニットコットンの工業的汚れ見本をWarwick Equest Ltd.から購入した。Launder-O-meter内(SDL Atlas製)で、一つのキャニスター当たり500mLの洗浄液、20個の金属球、およびバラスト布地を使用して、室温にて、汚れを30分間洗浄した。洗浄液は、5000ppmの洗剤組成物DC1(表1)を含有していた。水の硬度は2.5mMであった(Ca2+:Mg2+は4:1であった)。添加剤を、各キャニスターの洗浄液に、以下に詳述する量で個別に添加した。添加後、pH値を、添加剤なしの洗浄液のpH値に再調整した。
標準的な比色分析測定を使用して、洗浄前後の各汚れのL*、a*、およびb*値を得た。L*、a*、およびb*値から、汚れと未処理の布地との間の色差ΔE(DIN EN ISO 11664-4に従って計算)として、汚れレベルを計算した。
見本からの汚れ除去を、下記のように計算した。
【0052】
【数1】
ΔE
initial=洗浄前の汚れレベル
ΔE
washed=洗浄後の汚れレベル
【0053】
汚れレベルは布地上の油の量に対応する。洗浄前の布地の汚れレベル(ΔΕinitial)は高く、洗浄プロセスにおいて汚れが除去され、洗濯後の汚れレベルはより低い(ΔEwashed)。汚れが良好に除去されるほど、ΔEwashedの値は小さくなり、ΔEinitialに対して差が大きくなる。したがって、汚れ除去指数の値は、洗浄性能が向上するにつれて増加する。
【0054】
本発明によるエステルアミンは、表1の洗剤組成物に使用することができる。
【0055】
【0056】
[実施例2]
12モルのプロピレンオキシドでプロポキシ化したソルビトール、2モルの6-アミノヘキサン酸とのエステル、メタンスルホン酸塩
2a 12モルのプロピレンオキシドでプロポキシ化したソルビトール:
2lオートクレーブに278.85gのソルビトールおよび2.65gのカリウムtert-ブチレートを入れ、混合物を140℃に加熱する。容器を窒素で3回パージして、1005.4gのプロピレンオキシドを15時間以内に少量ずつ添加する。反応を完結させるために、140℃で、さらに5時間、混合物を後反応させた。反応混合物を窒素により溶媒除去し、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去する。ろ過後、1325.0gの淡黄色のオイルを得る(水酸基価:375mgKOH/g)。
【0057】
2b 12モルのプロピレンオキシドでプロポキシ化したソルビトール、2モルの6-アミノヘキサン酸とのエステル、メタンスルホン酸塩
温度計、窒素注入口、滴下漏斗、および攪拌棒を備えた四ツ口容器に、12モルのプロピレンオキシドおよび26.0gの6-アミノヘキサン酸によりプロポキシ化した88.14gのソルビトールを入れる。この混合物を50℃に加熱し、一定の窒素流れ下で、19.6gのメタンスルホン酸を10分以内に添加する。添加中、温度は60℃まで上昇させる。反応混合物を135℃に加熱し、135℃で4時間撹拌する。真空(5mbar)を適用し、反応混合物を130℃でさらに11.0時間撹拌する。121.0gの茶色の固体が得られる。MeODにおける1H-NMRは、ヒドロキシル基のエステル化ヒドロキシル基への33%の変換を示す。
【0058】
[実施例3]
18モルのエチレンオキシドおよび6モルのプロピレンオキシドでアルコキシル化したソルビトール、2モルの6-アミノヘキサン酸とのエステル、メタンスルホン酸塩
3a 18モルのエチレンオキシドおよび6モルのプロピレンオキシドでアルコキシル化したソルビトール
2lオートクレーブに148.7gのソルビトールおよび2.1gのカリウムtert-ブチレートを入れ、混合物を130℃に加熱する。容器を窒素で3回パージして、634.3gのエチレンオキシドを20時間以内に添加する。この混合物をさらに5時間撹拌し、その後、278.8gのプロピレンオキシドを10時間以内に少量ずつ添加する。反応を完結させるために、130℃で、さらに5時間、混合物を後反応させる。反応混合物を窒素により溶媒除去し、揮発性化合物を80℃にて真空中で除去した。ろ過後、1060.0gの淡黄色のオイルを得た(水酸基価:250mgKOH/g)。
【0059】
3b 18モルのエチレンオキシドおよび6モルのプロピレンオキシドでアルコキシル化したソルビトール、6モルのDL-アラニンとのエステル、メタンスルホン酸塩
温度計、窒素注入口、滴下漏斗、および攪拌棒を備えた四ツ口容器に、18モルのエチレンオキシドおよび6モルのプロピレンオキシドでアルコキシル化した105.8gのソルビトールと42.8gのDL-アラニンを入れる。この混合物を50℃に加熱し、一定の窒素流れ下で、47.1gのメタンスルホン酸を10分以内に添加する。添加中、温度は60℃まで上昇させる。反応混合物を135℃に加熱し、135℃で13時間撹拌する。186.0gの茶色の固体が得られる。MeODにおける1H-NMRは、ヒドロキシル基のエステル化ヒドロキシル基への100%の変換を示す。
【0060】
洗剤中の添加物としての使用
wfk Testgewebe GmbHから入手した工業的汚れwfk20D(ポリエステル/綿65/35、汚物:顔料/皮脂)を使用した。洗浄手順および汚れ除去指数の決定は、上記のように行ったが、1584ppmの洗剤組成物2(表2)を使用した。添加剤ありの場合および添加剤なしの場合で、洗浄前の洗浄溶液のpHを、それぞれの場合でpH=8.0に調整した。
【0061】
メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、および乳酸からなる群から選択される酸による、アミン基の少なくとも部分的なプロトン化によって形成された、請求項1または2に記載のエステルアミンの塩。