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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015406
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】光回路
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/125 20060101AFI20230124BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
G02B6/125 301
G02B6/12 301
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189122
(22)【出願日】2022-11-28
(62)【分割の表示】P 2019078781の分割
【原出願日】2019-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】地蔵堂 真
(72)【発明者】
【氏名】小熊 学
(72)【発明者】
【氏名】那須 悠介
(72)【発明者】
【氏名】伊熊 雄一郎
(57)【要約】
【課題】光損失および位相誤差を抑制しつつ、電気実装と光実装を容易にする、シリコン導波路による光回路を提供する。
【解決手段】左右に対向して配置され、左右方向からそれぞれ入力光が入力される2つの光分岐手段と、上下に背向して配置され、それぞれから出力される干渉光が上下方向へ出力される2つの光結合手段を備えた光回路において、第1の光分岐手段における光の伝搬方向の中心軸は、第2の光分岐手段における光の伝搬方向の中心軸と重ならず、第1の光結合手段における光の伝搬方向の中心軸は、第2の光結合手段における光の伝搬方向の中心軸と重ならないように配置した。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入力光を等しい位相を有する第1の出力光および第2の出力光に分岐する第1の光分岐手段と、
第2の入力光を90度の位相差を有する第3の出力光および第4の出力光に分岐する第2の光分岐手段と、
前記第1の出力光と前記第3の出力光とを合波して第1および第2の干渉光を生成する第1の光結合手段と、
前記第2の出力光と前記第4の出力光とを合波して第3および第4の干渉光を生成する第2の光結合手段
とを備えた光回路であって、
前記第1の光分岐手段と前記第2の光分岐手段は、左右に対向して配置され、それぞれに入力される前記第1および第2の入力光は、左右方向から入力されるようにされており、
前記第1の光結合手段と前記第2の光結合手段は、上下に背向して配置され、それぞれから生成される前記第1ないし第4の干渉光は、上下方向へ出力するようにされており、
前記第1の光分岐手段における光の伝搬方向の中心軸は、前記第2の光分岐手段における光の伝搬方向の中心軸と重ならず、
前記第1の光結合手段における光の伝搬方向の中心軸は、前記第2の光結合手段における光の伝搬方向の中心軸と重ならない
ように構成されたことを特徴とする光回路。
【請求項2】
前記第1の出力光を導波する導波路、前記第2の出力光を導波する導波路、前記第3の出力光を導波する導波路、および、前記第4の出力光を導波する導波路が、それぞれ互いに交差しないことを特徴とする請求項1に記載の光回路。
【請求項3】
前記第1の出力光を導波する導波路の光路長と前記第2の出力光を導波する導波路の光路長とが等しく、前記第3の出力光を導波する導波路の光路長と前記第4の出力光を導波する導波路の光路長とが等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の光回路。
【請求項4】
前記第1の出力光を導波する導波路の光路長と前記第2の出力光を導波する導波路の光路長と前記第3の出力光を導波する導波路の光路長と前記第4の出力光を導波する導波路の光路長とが、それぞれ等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の光回路。
【請求項5】
シリコン光導波路チップに形成され、
前記第1および第2の干渉光を差動受光する第1の光電変換部を有し、
前記第3および第4の干渉光を差動受光する第2の光電変換部を有し、
前記第1または前記第2の入力光が伝搬する導波路は、前記第1または前記第2の光電変換部と前記シリコン光導波路チップの端部との間を通り、
前記第1および前記第2の入力光の入力の方向が一致する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送システムにおけるコヒーレント受信方式に用いられる光受信機を構成する光回路に関する。詳しくは、本発明は、シリコン導波路で形成された平面型の光90度ハイブリッド回路に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコン導波路による光回路は、石英など従来の材料で構成された光回路に比して回路サイズを飛躍的に小さくできる利点を有し、研究開発が盛んにおこなわれている。100Gbit/s超の次世代の超高速光伝送システムの実現に向けて、光多値変調方式、特にDP-QPSK(Dual Polarization Quadrature Phase-Shift Keying)などのコヒーレント受信方式が注目されている。
【0003】
コヒーレント受信方式で用いられる光受信機の構成部品の中で、光90度ハイブリッド回路に関しては、平面基板上に石英などの材料を用いて作製された平面光波回路(PLC: planar lightwave circuit)から構成される製品が既に開発、製品化されている。光90度ハイブリッド回路に対しても、シリコン導波路による光回路は、石英など従来の材料で構成された光回路に比して回路サイズを飛躍的に小さくできる利点を有している。
【0004】
また、コヒーレント光受信機における光90度ハイブリッド回路以外の構成部品も、シリコン導波路による光回路で同時に作製することにより、より小型高集積なコヒーレント光受信機の提供が可能となる。このような背景から、シリコン導波路で形成された光90度ハイブリッド回路の実用化が期待されている。
【0005】
図1は、光導波路で形成された光90度ハイブリッドの第1の従来例を示す構成図である(特許文献1参照)。DQPSK(Differential Quadrature Phase-Shift Keying)信号の復調に用いられる光遅延干渉回路は、コヒーレント受信方式に用いられる光受信機を構成する部品には該当しないが、2つの光波を合波し、In-phase成分とQuadrature成分とに分離する光90度ハイブリッド回路としての機能を回路の一部に含んでいる。以下、In-phase成分を「I成分」と表記し、Quadrature成分を「Q成分」と表記する。図1には、特許文献1に記載された光回路の中で、光90度ハイブリッド機能を実現するために必要な回路部分のみの構成を抽出して示している。
【0006】
ここで、図1の従来の光90度ハイブリッド回路に入力された光の伝搬過程を説明する。外部から入力された信号光は、信号光入力導波路101を介して第1の光分岐手段である光スプリッタ103によって2つに分岐される。外部から入力された局部発振光は、局部発振光入力導波路102を介して第2の光分岐手段である光スプリッタ104によって2つに分岐される。
【0007】
光スプリッタ103によって2つに分岐された光は、アーム導波路105、108を介して第1および第2の光結合手段である2つの光結合器109、110に入力される。光スプリッタ104によって2つに分岐された光は、アーム導波路106、107を介して第1および第2の光結合手段である2つの光結合器109、110に入力される。
【0008】
光結合器109及び光結合器110に入力された信号光及び局部発振光は、各々、合波されて干渉し、その干渉光の位相差が180度になるように2つに分岐され、出力される。
【0009】
光結合器109から出力される信号光と局部発振光との干渉光は、干渉光出力導波路111、112を経由して、外部回路として形成され、光電変換部として機能する差動受光部115に出力される。光結合器110から出力される信号光と局部発振光との干渉光は、干渉光出力導波路113、114を経由して、外部回路として形成され、光電変換部として機能する差動受光部116に出力される。
【0010】
局部発振光が入力される光スプリッタ104は、2入力2出力の構造をもつ。ここで、光スプリッタ104は、2入力2出力の方向性結合器、またはMMI(Multimode Interferometer)を用いる。このとき、方向性結合器またはMMIで構成された光スプリッタ104の2つの出力光は、その位相が互いに90度ずれている。これにより、光結合器109、110の各々から出力導波路111、112、113、114を介して出力される干渉光を差動受光器115及び116で差分検波することができ、入力された変調信号のI成分とQ成分とを分離することが可能になる。
【0011】
ここで、変調信号のI成分及びQ成分を同時に検出するために、光スプリッタ103で分岐された信号光を伝送する2つのアーム導波路105、108の導波路長、及び光スプリッタ104で分岐された局部発振光を伝送する2つのアーム導波路106、107の導波路長を、それぞれ等長とする必要がある。さらに、4本のアーム導波路105~108すべての導波路長を、等しくすることにより、DQPSK等の差動位相変調信号を受信するための光遅延干渉回路を構成する光90度ハイブリッド回路としても利用することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2011/001679号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Hang Guan et al, "Compact and low loss 90° optical hybrid on a silicon-on-insulator platform", OPTICS EXPRESS, Vol. 25, No. 23, pp.28957-28968, (2017)
【非特許文献2】Takeshi Fujisawa et al, "Low-loss, compact, and fabrication-tolerant Si-wire 90° waveguide bend using clothoid and normal curves for large scale photonic integrated circuits", OPTICS EXPRESS, Vol. 25, No. 8, pp.9150-9159, (2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
シリコン導波路による光回路は、クラッドにシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの材料を用いることが一般的であり、石英などの材料を用いた導波路と比較し、コアの屈折率が高く、コアとクラッドの屈折率コントラストが大きい。このため、石英などの材料を用いた導波路と比較して、シリコン導波路を用いた光回路は、コアの導波路幅や導波路厚の変動に対する伝搬する光の実行屈折率および伝搬定数の変動が大きい。
【0015】
したがって、図1で示したような2つのアーム導波路が交差し、かつアームを等長すなわちアームを伝搬する光の光路長を等長とする必要のある構造をもつ光90度光ハイブリッドでは、石英などの低屈折率材料を用いた場合と比較してシリコン導波路を用いた場合のほうが、コア導波路の加工誤差による位相誤差がより発生しやすい。また、図1で示した光90度ハイブリッドの構造において、光スプリッタ間を接続するアーム導波路105~108が長ければ長いほど、導波路の加工誤差の影響が大きくなり、光損失および位相誤差がより大きくなる。
【0016】
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、光損失および位相誤差を抑制しつつ、電気実装と光実装を容易にする、シリコン導波路による光90度ハイブリッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一態様は、このような目的を達成するために、以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0018】
(構成1)
第1の入力光を等しい位相を有する第1の出力光および第2の出力光に分岐する第1の光分岐手段と、
第2の入力光を90度の位相差を有する第3の出力光および第4の出力光に分岐する第2の光分岐手段と、
第1の出力光と第3の出力光とを合波して第1および第2の干渉光を生成する第1の光結合手段と、
第2の出力光と第4の出力光とを合波して第3および第4の干渉光を生成する第2の光結合手段
とを備えた光回路であって、
第1の光分岐手段と第2の光分岐手段は、左右に対向して配置され、それぞれに入力される第1および第2の入力光は、左右方向から入力されるようにされており、
第1の光結合手段と第2の光結合手段は、上下に背向して配置され、それぞれから生成される第1ないし第4の干渉光は、上下方向へ出力するようにされており、
第1の光分岐手段における光の伝搬方向の中心軸は、第2の光分岐手段における光の伝搬方向の中心軸と重ならず、
第1の光結合手段における光の伝搬方向の中心軸は、第2の光結合手段における光の伝搬方向の中心軸と重ならない
ように構成されたことを特徴とする光回路。
【0019】
(構成2)
第1の出力光を導波する導波路、第2の出力光を導波する導波路、第3の出力光を導波する導波路、および、第4の出力光を導波する導波路が、それぞれ互いに交差しないことを特徴とする構成項1に記載の光回路。
【0020】
(構成3)
第1の出力光を導波する導波路の光路長と第2の出力光を導波する導波路の光路長とが等しく、第3の出力光を導波する導波路の光路長と第4の出力光を導波する導波路の光路長とが等しいことを特徴とする構成1または2に記載の光回路。
【0021】
(構成4)
第1の出力光を導波する導波路の光路長と第2の出力光を導波する導波路の光路長と第3の出力光を導波する導波路の光路長と第4の出力光を導波する導波路の光路長とが、それぞれ等しいことを特徴とする構成1または2に記載の光回路。
【0022】
(構成5)
シリコン光導波路チップに形成され、
第1および第2の干渉光を差動受光する第1の光電変換部を有し、
第3および第4の干渉光を差動受光する第2の光電変換部を有し、
第1または第2の入力光が伝搬する導波路は、第1または第2の光電変換部と前記シリコン光導波路チップの端部との間を通り、
第1および第2の入力光の入力の方向が一致する
ことを特徴とする構成1ないし4のいずれか1項に記載の光回路。
【発明の効果】
【0023】
以上記載したように、本発明によれば、光損失および位相誤差を抑制しつつ、電気実装と光実装を容易にする、シリコン導波路による光90度ハイブリッドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来の光90度ハイブリッドの構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態1の構成例1の光90度ハイブリッドの構成を示す図である。
図3】伝搬する光のTE基本モードとTE1次モードの電力比と過剰損失の関係を示す図である。
図4】伝搬する光のTE基本モードとTE1次モードの電力比と位相差の関係を示す図である。
図5】本発明の実施形態1の構成例2の光90度ハイブリッド回路の構成を示す図である。
図6】本発明の実施形態1の構成例3の光90度ハイブリッド回路の構成を示す図である。
図7】本発明の実施形態1の構成例4の光90度ハイブリッド回路の構成を示す図である。
図8】光電変換部を光導波路チップ端に配置しつつ、信号光と局部発振光の入力位置をそろえる構成を示す図である。
図9】光電変換部を光導波路チップ端に配置しつつ、信号光と局部発振光の入力位置をそろえる別構成を示す図である。
図10】本発明の実施形態2の光90度ハイブリッド回路の構成を示す図である。
図11】本発明の実施形態2の光90度ハイブリッド回路の別構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[実施形態1]
図2に本発明の実施形態1の光90度ハイブリッドの構成例1を示す。この構成では、光90度ハイブリッドに左右から信号光および局部発振光がそれぞれ入力され、これらの入力光を分岐・出力する前段の光スプリッタ202および213が左右に対向して配置されている。また、各々の光スプリッタにより分岐された信号光と局部発振光の分岐光を入力、合波して、上下方向に干渉光として出力する光結合器206および219が、上下に背向して配置されている。このような構造で、光スプリッタと光結合器間を接続するアームどうしの交差を必要としない構造となっている。
【0026】
ここで、図2の光90度ハイブリッド回路に入力された光の伝搬過程を説明する。外部から入力された信号光は、信号光入力導波路201を介して光スプリッタ202によって2つに分岐される。外部から入力された局部発振光は、局部発振光入力導波路214を介して光スプリッタ213によって2つに分岐される。
【0027】
光スプリッタ202によって2つに分岐された信号光は、アーム導波路203~205、225~223を介して2つの光結合器の206、219に入力される。
【0028】
同様に、光スプリッタ213によって2つに分岐された局部発振光は、アーム導波路212~210、216~218を介して2つの光結合器206、219に入力される。
【0029】
光結合器206及び光結合器219に入力された信号光及び局部発振光は、各々、合波されて干渉し、その干渉光の位相差が180度になるように2つに分岐され、出力される。
【0030】
光結合器206から出力される信号光と局部発振光との干渉光は、出力導波路207、209を経由して、外部回路として形成され、光電変換部として機能する差動受光部208に出力される。
【0031】
同様に、光結合器219から出力される信号光と局部発振光との干渉光は、出力導波路222、220を経由して、外部回路として形成され、光電変換部として機能する差動受光部221に出力される。
【0032】
ここで、図2の光90度ハイブリッドにおいて、光スプリッタ213は図1の光90度ハイブリッドと同様に方向性結合器またはMMIからなる2入力2出力の光スプリッタであり、その2つの光出力は互いに90度の位相差をもつ。その結果、光結合器206、219の各々から出力導波路207、209、222、220を介して出力される干渉光を、差動受光器208及び221で差分検波することにより、入力された変調信号のI成分とQ成分とを分離することが可能になる。
【0033】
変調信号のI成分及びQ成分を同時に検出するために、光スプリッタ202で分岐された信号光を伝送する2つのアーム導波路の導波路長、及び光スプリッタ213で分岐された局部発振光を伝送する2つのアーム導波路の導波路長を、それぞれ等長とする必要がある。さらに、4本のアーム導波路の導波路長を、等しくすることにより、DQPSK等の差動位相変調信号を受信するための光遅延干渉回路を構成する光90度ハイブリッド回路としても利用することが可能となる。
【0034】
ここで、図2の光90度ハイブリッドにおけるアーム導波路の導波路204、211、217、224は、曲げ角90度の曲げ導波路を用いている。高い屈折率コントラストをもつシリコン導波路では、石英を用いた光導波路と比べ、その曲率を大幅に小さくすることが可能となる。このような曲げ導波路を用いてアームどうしの交差を用いないことで、図1で示すようなアームどうしの交差をもつ構造に比べ、光スプリッタと光結合器間を接続するアームの導波路長を短くすることができる。
【0035】
したがって、図2の構造は図1の従来構造に比べ、コア導波路の加工誤差による位相誤差を小さくすることができる。また、アームどうしの交差を用いないため、導波路を交差させるための構造が不要となり、光損失を抑制できる。
【0036】
以上のように、シリコン導波路を用いた光90度ハイブリッドにおいて、入力される信号光および局部発振光がそれぞれ入力される2つの光スプリッタを対向して配置し、かつ各々のスプリッタにより分岐された信号光と局部発振光とが合波・干渉出力される2つの光結合器を背向して配置することで、光スプリッタと光結合器間を接続するアームどうしの交差を必要としない構造となり、位相誤差の低減および光損失の低減が可能となる。
【0037】
(再結合)
図2の本発明の実施形態1による光90度ハイブリッドでは、信号光が入力される光スプリッタと、局部発振光が入力される光スプリッタとが対向に配置される。このとき、それぞれの光スプリッタで生じた放射モード成分は、対向する光スプリッタへと再度入射されたうえで再結合し、局部発振光の入力部と信号光の入力部へそれぞれ伝搬する。これらの再結合された光は、局部発振光や信号光を生成する光源への戻り光となることから、コヒーレント受信機における受信特性の劣化を招く。
【0038】
(高次モード成分)
また、図2の光90度ハイブリッドにおいて、シリコン導波路を用いた光回路における曲率の小さな曲げ導波路では、伝搬する光の一部が高次モード成分や放射モード成分となり、後段に接続される要素回路への高次モード成分の入力または光損失が発生し、光回路としての性能劣化を招く。ここで、シリコン導波路が完全なシングルモード条件下であり、かつ曲げ導波路の曲率が十分に大きい設計であれば、曲げ導波路での高次モード成分は抑制される。
【0039】
しかしながら、シリコン導波路において、1次モードカットオフ条件より大幅に導波路幅を小さくすると、伝搬損失が大きくなる傾向にある。そのため、厚さ220nmのシリコン導波路かつC帯付近の通信波長で使用する場合は、C帯での1次モードカットオフ幅付近の450nmから500nm程度の幅で設計されることが一般的である。このとき、シリコン導波路の加工誤差により1次モードカットオフ幅を超えてシリコン導波路が作製された場合、曲げ導波路により高次モード成分が励起されてしまう。
【0040】
曲げ導波路の曲率を十分に大きくすることで、曲げ導波路での光損失と高次モード成分励起を抑制できるが、曲率を大きくすると、同時に曲げ導波路の導波路長が長くなり、加工誤差により光90度ハイブリッドにおける各アーム導波路間で幅や厚みに差が生じた際の各アーム間の光路長差が大きくなり、光90度ハイブリッドとしての位相誤差が増大しやすい。
【0041】
ここで、導波路で発生した高次モード成分が、図2の光結合器206、219へ入力される場合について説明する。
【0042】
図3は、2入力2出力のMMIの2つの入力ポートうち片方のポートにTE偏波の基本モードを入射する際の、入力されるTE偏波の基本モードに対する高次モード成分の電力比(横軸)とMMIの過剰損失(縦軸:dB)との関係を示した図である。
【0043】
図4は、2入力2出力のMMIの2つの入力ポートうち片方のポートにTE偏波の基本モードを入射する際の、入力されるTE偏波の基本モードに対する高次モード成分の電力比(横軸)とMMIの2つの出力導波路を伝搬する光の位相差(縦軸:deg)との関係を示した図である。ここで、図3および図4の計算に用いたMMIは、コア厚220nm、MMI幅4μm、MMI長58μm、クラッドはSiO2である。
【0044】
図3および図4で示すように、2入力2出力MMIの片方の入力ポートに入力される入力光の高次モード成分が増大するのに伴い、光損失と位相誤差(90度からのずれ) も増大する。このため、図2で説明したような光90度ハイブリッドにおいて、光スプリッタで分岐された信号光と局部発振光が2つの光結合器でそれぞれ合波される際、曲げ導波路部で発生した高次モード成分が光結合器に入射されることにより光損失や位相誤差を生じることとなる。以上のことから、光90度ハイブリッドの各アームで用いられる曲げ導波路は、光路長を短くでき、かつ高次モード成分や光損失を抑制できる構造が望ましい。
【0045】
[実施形態1の構成例2]
図5は、本発明の実施形態1の構成例2に係る光90度ハイブリッドについて説明する。図5は、本実施形態1における対向する光スプリッタ、光結合器の間の放射モードの再結合を抑制する光90度ハイブリッドの構成を示す平面図である。
【0046】
図5で、左の信号光入力導波路501より入力された信号光は、第1の光分岐手段である光スプリッタ502により分岐され、直線形状に形成された導波路503、525から、90度の円弧形状に形成された導波路504、524および直線形状に形成された導波路505、523を介して、第1および第2の光結合手段である光結合器506、519へ入力される。
【0047】
同様に図5で、右の局部発振光入力導波路514から入力された局部発振光は、第2の光分岐手段である光スプリッタ513により分岐され、直線形状に形成された導波路512、516から、90度の円弧形状に形成された導波路511、517および直線形状に形成された導波路510、518を介して、第1および第2の光結合手段である光結合器506、519へ入力される。
【0048】
このとき、光スプリッタ513で分岐された2つの局部発振光は、それぞれ互いに90度の位相差をもつ。導波路504、511、517、524は光スプリッタと光結合器間を接続するアーム導波路の一部であり、円弧形状の曲線形状を有する曲げ導波路である。
【0049】
1入力2出力型の光スプリッタ502で分岐された2つの出力光(信号光)は、光結合器506、519に入射される際に同位相である必要があり、かつ2入力2出力型の光スプリッタ513で分岐された2つの出力光(局部発振光)は、光結合器506、519に入力される際にその位相差が90度でなければならない。
【0050】
図5に示した実施形態1の構造においては、光スプリッタと光結合器間を接続する4経路のアーム導波路のうち、導波路503、504、505によって構成されるアーム導波路と、導波路523、524、525によって構成されるアーム導波路は、その光路長(各アーム導波路を構成する3本の導波路の光路長の和)において等長である。同様に、導波路510、511、512によって構成されるアーム導波路と、導波路516、517、518によって構成されるアーム導波路は、その光路長において等長である。これらアーム導波路2対の光路長を等長とすることにより、光90度ハイブリッドとしての位相関係が維持される。
【0051】
本構成例2では、光スプリッタ502、513により分岐される信号光と局部発振光が伝搬するアーム導波路の4つの直線形状の出力導波路のうち、一方の導波路525および512を他方の導波路503および516に比べて長く形成してある。かつまた、光結合器506および519に接続されるアーム導波路の4つの直線形状の入力導波路のうち、一方の導波路505および518を他方の導波路510および523に比べて長く形成してある。
【0052】
このように、各光スプリッタの出力導波路および光結合器の入力導波路の各2本のうち、一方を他方に比して長くすることにより、信号光が入力される光スプリッタ502と局部発振光が入力される光スプリッタ513との、光の伝搬方向の中心軸(図5のc502、c513で示す、スプリッタの2つの出力導波路の間の線)どうしが互いに重ならない、ずれた構造となる。
【0053】
これらの対向して配置された光スプリッタ502および513の、光の伝搬方向の中心軸にずれを設けることで、一方の光スプリッタより放射される放射モードが対向配置された他方の光スプリッタにそれぞれ再結合されることを抑制できる。2つの中心軸C502、C513は、必ずしも平行にずれる必要は無く、放射モードの再結合が抑制される程度に光軸が互いに重ならなければ充分である。これにより対抗する光スプリッタどうしの放射モードの再結合を抑制することができ、光90度ハイブリッドを含めたコヒーレント受信機の受信特性の劣化を抑制できる。
【0054】
同様に、光結合器506における光の伝搬方向の中心軸(C506)も、光結合器519における光の伝搬方向の中心軸(C519)と重ならない、ずれた構造とする。これにより背向する光結合器どうしの放射モードの再結合を抑制することができ、光90度ハイブリッドを含めたコヒーレント受信機の受信特性の劣化をさらに抑制できる。要すれば、対向する2つの光分岐手段と、背向する2つの光結合手段を備えた光90度ハイブリッド回路において、光軸が互いに重ならないように、光分岐手段と光結合手段を配置している。
【0055】
なお、以下の実施例を含め4経路の各アーム導波路を構成する3つの導波路における直線と曲線の部分の区別は、説明及び設計・実装上の便宜のためのものであって必須なものでは無く、対向する光分岐手段または背向する光結合手段における光の伝搬方向の中心軸が重ならないことが要点であって、例えば曲線導波路のみで各アーム導波路を構成することも可能である。
【0056】
[実施形態1の構成例3]
図6は、実施形態1の構成例3として、対向する光スプリッタ、背向する光結合器の間の放射モードの再結合を抑制する光90度ハイブリッドの構造において、アーム導波路の曲げ導波路にオフセットを設けた構成例を示す平面図である。
【0057】
ここでのオフセットとは、曲げ導波路の導波路幅はそのままに、4つの曲げ導波路の円弧の曲率半径をわずかに小さく(例えば曲率半径として、数nmから数十nm程度小さくする。)して、曲げの中心側にずらして配置することである。オフセットを設けた円弧により描画される曲げ導波路では、図8に示すように円弧形状の曲げ導波路と前後の導波路部分との接続部分において、導波路幅方向にわずかに食い違いが生じるが、曲げ導波路では光ビームの中心が曲げの外側にずれるため、前後の直線導波路部分との整合がとれ、オフセットを設けない場合に比して光損失および高次モードを抑制できる。
【0058】
アーム導波路の曲げ導波路の円弧形状の前後の接続部分に、このようなオフセットを設けることにより、光損失および高次モードを抑制できる。
【0059】
各アーム導波路で用いる円弧形状の曲げ導波路604、611、617、624にオフセットを設けることで、同曲げ導波路で発生する光損失および高次モードを抑制することができる。
【0060】
図6で、左の信号光入力導波路601より入力された信号光は、第1の光分岐手段である光スプリッタ602により分岐され、直線形状に形成された導波路603、625から、90度の円弧形状に形成された導波路604、624および直線形状に形成された導波路605、623を介して、第1および第2の光結合手段である光結合器606、619へ入力される。
【0061】
同様に図6で、右の局部発振光入力導波路614から入力された局部発振光は、第2の光分岐手段である光スプリッタ613により分岐され、直線形状に形成された導波路612、616から、90度の円弧形状に形成された導波路611、617および直線形状に形成された導波路610、618を介して、第1および第2の光結合手段である光結合器606、619へ入力される。
【0062】
このとき、光スプリッタ613で分岐された2つの局部発振光は、それぞれ互いに90度の位相差をもつ。
【0063】
また、図6においては、図5で示した構造と同様に、光スプリッタ602、613の4ついの直線形状の出力導波路のうち、一方の導波路625、612を他方の導波路603、616に比して長く形成してある。かつまた、光結合器606、619の4つの直線形状の入力導波路のうち一方の導波路605、618を他方の導波路610、623に比して長く形成している。
【0064】
1入力2出力型の光スプリッタ602で分岐された2つの信号光が伝搬する2本のアーム導波路(603~605、625~623)が、その光路長(各アーム導波路を構成する3本の導波路の光路長の和)において等長であり、かつ光スプリッタ613で分岐された2つの局部発振光が伝搬する2本のアーム導波路(612~610、616~618)が、その光路長において等長である。
【0065】
以上のような構造により、対向する光スプリッタまたは光結合器の中心軸にずれを設け、互いに重ならない配置としつつ、対向する光スプリッタどうしの放射モードの再結合による光90度ハイブリッドの受信特性の劣化を抑制でき、さらにアーム導波路の曲げ導波路にオフセットを設けることにより、各光スプリッタ間を接続するアーム導波路で用いられる曲げ導波路の光路長を短くしつつ、同曲げ導波路で発生する光損失および位相誤差を抑制することができ、光90度ハイブリッドにおける光損失および位相誤差を一層抑制することができる。
【0066】
[実施形態1の構成例4]
図7は、実施形態1の構成例4として、アーム導波路で用いられる曲げ導波路を、クロソイド曲線によって描画される曲線部分を含む曲げ導波路とした、光90度ハイブリッドの構造を示す図である。
【0067】
図7で、左の信号光入力導波路701より入力された信号光は、第1の光分岐手段である光スプリッタ702により分岐され、直線形状に形成された導波路703、725から、クロソイド曲線形状に形成された導波路704、724および直線形状に形成された導波路705、723を介して、第1および第2の光結合手段である光結合器706、719へ入力される。
【0068】
同様に図7で、右の局部発振光入力導波路714より入力された局部発振光は、第2の光分岐手段である光スプリッタ713により分岐され、直線形状に形成された導波路712、716から、クロソイド曲線形状に形成された導波路711、717および直線形状に形成された導波路710、718を介して、第1および第2の光結合手段である光結合器706、719へ入力される。
【0069】
このとき、光スプリッタ713で分岐された2つの局部発振光は、それぞれ互いに90度の位相差をもつ。
【0070】
ここで、クロソイド曲線とは、曲率( 曲率半径の逆数)が曲線長に比例して一様に増大または減少して変化する螺旋状の曲線であるが、クロソイド曲線を用いた曲げ導波路は、同サイズの円弧を用いた曲げ導波路に比して低損失かつ高次モードを抑制できることが知られている。クロソイド曲線を用いた曲げ導波路に関しては、非特許文献2に詳しい。本変形例2では、クロソイド曲線の区間の両端における接線が90度の角度差となる曲線形状を、曲げ導波路の曲線形状として用いている。
【0071】
図7の構成例4では図6で示した構成例3の構造と同様に、各スプリッタ間を接続する4本のアーム導波路で用いられる曲げ導波路704、711、717、724を、端部において傾きが90度異なるクロソイド曲線の形状の曲げ導波路とすることで、曲げ導波路で発生する高次モードを抑制できる。
【0072】
また、図5および図6で示した実施形態1の構成例2,3と同様に、光スプリッタ702、713の4つの直線形状の出力導波路のうち、一方の導波路725、712を他方の導波路703、716に比して長く形成し、かつ光結合器706、719の4つの直線形状の入力導波路のうち、一方の導波路705、718を他方の導波路710、723に比して長く形成してある。かつ光スプリッタ702で分岐された2つの信号光が伝搬する2本のアーム導波路(703~705、725~723)が、その光路長において等長であり、かつ光スプリッタ713で分岐された2つの局部発振光が伝搬する2本のアーム導波路(710~712、716~718)が、その光路長において等長である。
【0073】
以上のような構造により、対向する光スプリッタまたは背向する光結合器の中心軸にずれを設け、互いに重ならない配置としつつ、対向する光スプリッタまたは光結合器どうしの放射モードの再結合による光90度ハイブリッドの受信特性の劣化を抑制でき、さらにアーム導波路で用いられる曲げ導波路をクロソイド曲線の形状することで、各光スプリッタ間を接続するアーム導波路で用いられる曲げ導波路の光路長を短くしつつ、同曲げ導波路で発生する光損失および位相誤差を抑制することができ、光90度ハイブリッドにおける光損失および位相誤差を更に一層抑制することができる。
【0074】
[実施形態2]
本発明の実施形態1の光90度ハイブリッドの構造を用いる際、図2のように信号光と局部発振光の入射の向きは互いに対向している。これら入射の向きを同方向にそろえることができれば、光90度ハイブリッドを含むコヒーレント光受信機へ信号光と局部発振光とをファイバアレイ等を用いてまとめて光接続できるため、部品点数を削減でき実装コストを低減できる。さらに、光電変換部の電気実装容易性および高周波特性の向上のためには、光電変換部を光回路チップの端部にまとめることが好ましい。
【0075】
信号光と局部発振光の入射の向きを同方向にそろえつつ、光電変換部を光回路チップの端部にまとめるためには、図8で示すように信号光入力導波路403と光結合器から光電変換部409へ接続する干渉光出力導波路406、407を交差させるか、あるいは図9のように局部発振光入力導波路413と光結合器から光電変換部419へ接続する干渉光出力導波路416、417を交差させる必要がある。
【0076】
ここで、図8図9の点線で囲んだ回路401、411は、それぞれ2つの光スプリッタと2つの光結合器、4つのアーム導波路からなる回路であり、図2で示した光90度ハイブリッドにおける光電変換部を除いた構造の概略図である。このとき、図8においては信号光が、図9においては局部発振光が、それぞれ2本の導波路と交差することで、光損失を生じてしまう。
【0077】
図8および図9に示した光90度ハイブリッドの構造では、光電変換部における電気実装容易性および高周波特性の向上のため光電変換部を光導波路チップ端部に配置し、かつ信号光と局部発振光の光入力部における光接続容易性向上のため信号光と局部発振光の入力位置を揃える構造を示した。この構造では、信号光を入力する導波路と光電変換部へ接続される導波路とが交差する箇所、あるいは局部発振光を入力導波路と光電変換部へ接続される導波路とが交差する箇所が生じる。信号光または局部発振光が交差を計2か所通過することから、光損失が増大することが問題であった。
【0078】
図10図11には、本発明の実施形態2として、光90度ハイブリッドの導波路どうしが交差せず、かつ信号光と局部発振光の入力位置および入力の向きを揃えることができ、かつ光電変換部を光導波路チップ端部に配置することが可能となる構造を示す。
【0079】
図10図11には、それぞれ信号光入力導波路803、812および局部発振光入力導波路802、813が示される。また、それぞれ2つの光スプリッタと2つの光結合器、4経路のアーム導波路からなる回路801、811が示され、これは図2,5,6,7の各々で示した光90度ハイブリッドにおける光電変換部を除いた構造の概略図となっている。図10図11には、光電変換部808、809、818、819が示され、光回路チップ端部810、820も示されている。
【0080】
図10に示すように、信号光入力導波路803を、チップ端部810と光電変換部809の間を迂回させるように通すことにより、光導波路どうしの交差を回避することができる。このとき、信号光入力導波路803は、チップ端部810と光電変換部809の間を通すだけではなく、チップ端部810と光電変換部808の間を通すことでも同様の効果が得られる。
【0081】
また、図11に示すように、局部発振光と信号光の入力の位置関係を図10と反転させ、局部発振光入力導波路813をチップ端部820と光電変換部819との間を迂回させるように通すことにより、光導波路どうしの交差を回避することができる。このとき、信号光入力導波路813は、チップ端部820と光電変換部819の間を通すだけではなく、チップ端部820と光電変換部818の間を通すことでも同様の効果が得られる。なお、図10,11で示すように、光電変換部808、809および818、819はチップ端部810および820に隣接して配置することがでる。
【0082】
以上のように、光90度ハイブリッドへの入力光である信号光または局部発振光の入力導波路を、チップ端部と光電変換部の間を通すことにより、光導波路どうしの交差を回避することができ、光損失の増大することなく、信号光と局部発振光の入力位置を揃えることができ、光入力部の光接続容易性を向上させられる。同時に、光電変換部を光回路チップ端部に隣接して配置することができ、電気および光実装の容易性の向上と高周波特性の向上に寄与することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上述べたように、本発明によれば光損失および位相誤差を抑制しつつ、電気実装と光実装を容易にする、シリコン導波路による光90度ハイブリッドを提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0084】
101、201、501、601、701、403、412、803、812 信号光入力導波路
102、214、514、614、714、402、413、802、813 局部発振光入力導波路
103、104、202、213、502、513、602、613、702、713 光スプリッタ
111~114、207、209、220、222、404~407、414~417、507、509、520、522、607、609、620、622、707、709、720、722、804~807、814~817 干渉光出力導波路
105~108、203~205、210~212、216~218、223~225、
503~505、510~512、516~518、523~525、603~605、610~612、616~618、623~625、703~705、710~712、716~718、723~725、 (アーム)導波路
215、515、615、715 入力導波路
109、110、206、219、506、519、606、619、706、719 光結合器
115、116、208、221、508、521、608、621、708、721 差動受光部
408、409、418、419、808、809、818、819 光電変換部
401、411、802、813 回路
410,420、810、820 チップ端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11