(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154255
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】バッテリ状態判定システム、バッテリ状態判定装置、バッテリ状態判定方法、バッテリ状態判定プログラム、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20231012BHJP
G01R 31/392 20190101ALI20231012BHJP
G01R 31/389 20190101ALI20231012BHJP
G01R 31/3842 20190101ALI20231012BHJP
B60R 16/04 20060101ALI20231012BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231012BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
H02J7/02 U
G01R31/392
G01R31/389
G01R31/3842
B60R16/04 W
H02J7/00 Y
H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063466
(22)【出願日】2022-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142871
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 哲昌
(74)【代理人】
【識別番号】100094743
【弁理士】
【氏名又は名称】森 昌康
(72)【発明者】
【氏名】温田 透
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G216BA23
2G216BA42
2G216BA53
2G216BA59
2G216CB45
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503DA04
5G503EA01
5G503EA05
5G503EA08
5G503GD03
5G503GD06
5H030AA01
5H030AS08
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
【課題】充電可能バッテリの充電不足の判定精度を高めることができるバッテリ状態判定装置、バッテリ状態判定方法、バッテリ状態判定プログラム、および記憶媒体を提供する。
【解決手段】バッテリ状態判定システム2は、充電可能バッテリ11の電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値R1を取得するように構成されるコントローラ14を備える。コントローラ14は、内部抵抗値R1および判定閾値THに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能バッテリの電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値を取得するように構成されるコントローラを備え、
前記コントローラは、前記内部抵抗値および判定閾値に基づいて前記充電可能バッテリの充電不足を判定するように構成される、
バッテリ状態判定システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記充電可能バッテリに電気的に接続される負荷を始動できる前記充電可能バッテリの限界の放電量である始動限界放電量に基づいて前記判定閾値を算出するように構成される、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記充電可能バッテリの開回路電圧、前記負荷の始動に必要な前記充電可能バッテリの最低電圧値、および前記負荷の始動に必要な前記充電可能バッテリの最低電流値に基づいて前記始動限界放電量に対応する始動限界抵抗値を算出するように構成される、
請求項2に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記充電可能バッテリの放電量と前記充電可能バッテリの内部抵抗との関係を示す関係情報と、前記始動限界抵抗値と、に基づいて前記始動限界放電量を算出するように構成される、
請求項3に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記充電可能バッテリの放電量の履歴に関する放電量履歴情報と前記始動限界放電量とに基づいて前記判定閾値を算出するように構成される、
請求項4に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記充電可能バッテリに電気的に接続される負荷に関する負荷情報および前記充電可能バッテリに関するバッテリ情報の少なくとも1つに基づいて前記判定閾値を更新するように構成される、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記内部抵抗値、前記内部抵抗値の変化量、および前記内部抵抗値の変化率の少なくとも1つを前記判定閾値と比較することで前記充電可能バッテリの前記充電不足を判定するように構成される、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項8】
前記判定閾値は、抵抗閾値を含み、
前記コントローラは、前記内部抵抗値が前記抵抗閾値より大きい場合に前記充電可能バッテリが前記充電不足であると判定するように構成される、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項9】
前記判定閾値は、差分閾値を含み、
前記コントローラは、前記内部抵抗値と第1基準抵抗値との差分である前記内部抵抗値の前記変化量が前記差分閾値よりも大きい場合に前記充電可能バッテリが前記充電不足であると判定するように構成される、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項10】
前記判定閾値は、比率閾値を含み、
前記コントローラは、第2基準抵抗値に対する前記内部抵抗値の比率である前記内部抵抗値の前記変化率が前記比率閾値より大きい場合に前記充電可能バッテリが前記充電不足であると判定するように構成される、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記充電可能バッテリが負荷への電気の供給を停止している状態で前記充電可能バッテリを複数回放電させた際に取得される前記電流値および前記電圧値に基づいて前記内部抵抗値を算出するように構成される、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記内部抵抗値に基づいて前記充電可能バッテリの劣化状態を判定するように構成され、
前記コントローラは、前記劣化状態に基づいて前記判定閾値を補正するように構成される、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項13】
前記コントローラに電気的に接続され前記充電可能バッテリの前記電流値を測定するように構成される電流センサと、
前記コントローラに電気的に接続され前記充電可能バッテリの前記電圧値を測定するように構成される電圧センサと、をさらに備える、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項14】
前記充電可能バッテリに電気的に接続される負荷を含む本体装置と、
外部装置と、を備え、
前記本体装置および前記外部装置の少なくとも1つは、前記コントローラの少なくとも一部を含む、
請求項1に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記本体装置および前記外部装置の一方に含まれる第1コントローラと、前記本体装置および前記外部装置の他方に含まれる第2コントローラと、を含み、
前記第1コントローラは、前記内部抵抗値、前記内部抵抗値の前記変化量、および前記内部抵抗値の前記変化率の少なくとも1つを前記判定閾値と比較することで前記充電可能バッテリの前記充電不足を判定するように構成される、
請求項14に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項16】
前記第1コントローラは、前記充電可能バッテリが前記充電不足であることを示す充電不足判定結果を前記第2コントローラに送信するように構成される、
請求項15に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項17】
前記第2コントローラは、前記充電不足判定結果を前記バッテリ状態判定システムのユーザに報知するように構成される、
請求項16に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項18】
前記外部装置は、前記第1コントローラを含み、
前記第1コントローラは、前記内部抵抗値および前記判定閾値の少なくとも1つを算出するために用いられる算出情報を複数の本体装置から取得するように構成され、
前記第1コントローラは、前記算出情報に基づいて学習処理を実行するように構成される、
請求項15に記載のバッテリ状態判定システム。
【請求項19】
充電可能バッテリの電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値を取得するように構成されるコントローラを備え、
前記コントローラは、前記内部抵抗値および判定閾値に基づいて前記充電可能バッテリの充電不足を判定するように構成される、
バッテリ状態判定装置。
【請求項20】
充電可能バッテリの電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値をコントローラにより取得すること、および
前記内部抵抗値および判定閾値に基づいて前記充電可能バッテリの充電不足を前記コントローラにより判定すること、
を備えるバッテリ状態判定方法。
【請求項21】
請求項20に記載の前記バッテリ状態判定方法をコンピュータに実行させる、
バッテリ状態判定プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載の前記バッテリ状態判定プログラムを記憶する、
コンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に開示される技術は、バッテリ状態判定システム、バッテリ状態判定装置、バッテリ状態判定方法、バッテリ状態判定プログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バッテリの電圧値を用いてバッテリ上がりを防止する方法が記載される。特許文献2には、電池の健康状態(SOH)を用いて電池の充電不足を判定する方法が記載される。特許文献3には、バッテリ残存充電量を用いてエンジン始動が可能か否かを判定する方法が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4053918号公報
【特許文献2】特許第4670778号公報
【特許文献3】特開昭63-298078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願に開示される技術の課題は、充電可能バッテリの充電不足の判定精度を高めることができるバッテリ状態判定システム、バッテリ状態判定装置、バッテリ状態判定方法、バッテリ状態判定プログラム、および記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の特徴によれば、バッテリ状態判定システムは、充電可能バッテリの電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値を取得するように構成されるコントローラを備える。コントローラは、内部抵抗値および判定閾値に基づいて充電可能バッテリの充電不足を判定するように構成される。
【0006】
第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、コントローラが内部抵抗値および判定閾値に基づいて充電可能バッテリの充電不足を判定するので、内部抵抗値に基づいて正確に充電可能バッテリの充電不足を判定できる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度を高めることができる。
【0007】
第2の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、コントローラは、充電可能バッテリに電気的に接続される負荷を始動できる充電可能バッテリの限界の放電量である始動限界放電量に基づいて判定閾値を算出するように構成される。
【0008】
第2の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、コントローラが始動限界放電量に基づいて判定閾値を算出するので、充電可能バッテリの仕様に応じて判定閾値の精度を高めることができる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより高めることができる。
【0009】
第3の特徴によれば、第2の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、コントローラは、充電可能バッテリの開回路電圧、負荷の始動に必要な充電可能バッテリの最低電圧値、および負荷の始動に必要な充電可能バッテリの最低電流値に基づいて始動限界放電量に対応する始動限界抵抗値を算出するように構成される。
【0010】
第3の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、充電可能バッテリの仕様に応じて始動限界放電量に対応する始動限界抵抗値を算出できる。したがって、始動限界抵抗値を用いることで充電可能バッテリの仕様に応じて判定閾値の精度を高めることができ、充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより高めることができる。
【0011】
第4の特徴によれば、第3の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、コントローラは、充電可能バッテリの放電量と充電可能バッテリの内部抵抗との関係を示す関係情報と、始動限界抵抗値と、に基づいて始動限界放電量を算出するように構成される。
【0012】
第4の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、コントローラが関係情報と始動限界抵抗値とに基づいて始動限界放電量を算出する。したがって、充電可能バッテリの仕様に応じて判定閾値の精度を高めることができ、充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。
【0013】
第5の特徴によれば、第4の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、コントローラは、充電可能バッテリの放電量の履歴に関する放電量履歴情報と始動限界放電量とに基づいて判定閾値を算出するように構成される。
【0014】
第5の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、放電量履歴情報を考慮して判定閾値を算出することで、判定閾値の精度をさらに高めることができる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。
【0015】
第6の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、コントローラは、充電可能バッテリに電気的に接続される負荷に関する負荷情報および充電可能バッテリに関するバッテリ情報の少なくとも1つに基づいて判定閾値を更新するように構成される。
【0016】
第6の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、負荷および充電可能バッテリの仕様に応じて判定閾値を更新できる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。なお、第6の特徴は、第1の特徴のみに適用されるだけでなく、第2から第5の特徴にも適用することができる。
【0017】
第7の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、コントローラは、内部抵抗値、内部抵抗値の変化量、および内部抵抗値の変化率の少なくとも1つを判定閾値と比較することで充電可能バッテリの充電不足を判定するように構成される。
【0018】
第7の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。なお、第7の特徴は、第1の特徴のみに適用されるだけでなく、第2から第6の特徴にも適用することができる。
【0019】
第8の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、判定閾値は、抵抗閾値を含む。コントローラは、内部抵抗値が抵抗閾値より大きい場合に充電可能バッテリが充電不足であると判定するように構成される。
【0020】
第8の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、内部抵抗値および抵抗閾値を用いることで充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。なお、第8の特徴は、第1の特徴のみに適用されるだけでなく、第2から第7の特徴にも適用することができる。
【0021】
第9の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、判定閾値は、差分閾値を含む。コントローラは、内部抵抗値と第1基準抵抗値との差分である内部抵抗値の変化量が差分閾値よりも大きい場合に充電可能バッテリが充電不足であると判定するように構成される。
【0022】
第9の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、内部抵抗値の変化量および差分閾値を用いることで充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。なお、第9の特徴は、第1の特徴のみに適用されるだけでなく、第2から第8の特徴にも適用することができる。
【0023】
第10の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、判定閾値は、比率閾値を含む。コントローラは、第2基準抵抗値に対する内部抵抗値の比率である内部抵抗値の変化率が比率閾値より大きい場合に充電可能バッテリが充電不足であると判定するように構成される。
【0024】
第10の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、内部抵抗値の変化率および比率閾値を用いることで充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。なお、第10の特徴は、第1の特徴のみに適用されるだけでなく、第2から第9の特徴にも適用することができる。
【0025】
第11の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、コントローラは、充電可能バッテリが負荷への電力の供給を停止している状態で充電可能バッテリを複数回放電させた際に取得される電流値および電圧値に基づいて内部抵抗値を算出するように構成される。
【0026】
第11の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、充電可能バッテリを複数回放電させた際の電流値および電圧値を用いてコントローラが内部抵抗値を算出するので、内部抵抗値の算出精度を高めることができる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。なお、第11の特徴は、第1の特徴のみに適用されるだけでなく、第2から第10の特徴にも適用することができる。
【0027】
第12の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、コントローラは、内部抵抗値に基づいて充電可能バッテリの劣化状態を判定するように構成される。コントローラは、劣化状態に基づいて判定閾値を補正するように構成される。
【0028】
第12の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、充電可能バッテリの劣化状態に応じて補正された判定閾値を用いることができる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。なお、第12の特徴は、第1の特徴のみに適用されるだけでなく、第2から第11の特徴にも適用することができる。
【0029】
第13の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムは、電流センサおよび電圧センサをさらに備える。電流センサは、コントローラに電気的に接続され、充電可能バッテリの電流値を測定するように構成される。電圧センサは、コントローラに電気的に接続され、充電可能バッテリの電圧値を測定するように構成される。
【0030】
第13の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、電流センサの測定電流値および測定電圧値をコントローラが比較的迅速に取得できるので、充電可能バッテリの充電不足の判定速度を高めることができる。なお、第13の特徴は、第1の特徴のみに適用されるだけでなく、第2から第12の特徴にも適用することができる。
【0031】
第14の特徴によれば、第1の特徴に係るバッテリ状態判定システムは、充電可能バッテリに電気的に接続される負荷を含む本体装置と、
外部装置と、を備える。本体装置および外部装置の少なくとも1つは、コントローラの少なくとも一部を含む、
第14の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、本体装置および外部装置の少なくとも1つがコントローラの少なくとも一部を含むので、本体装置および外部装置で充電可能バッテリの充電不足の判定処理を本体装置および外部装置で分担できる。したがって、本体装置および外部装置の仕様によっては、充電可能バッテリの充電不足の判定精度および判定速度の少なくとも1つを高めることができる。なお、第14の特徴は、第1の特徴のみに適用されるだけでなく、第2から第13の特徴にも適用することができる。
【0032】
第15の特徴によれば、第14の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、コントローラは、本体装置および外部装置の一方に含まれる第1コントローラと、本体装置および外部装置の他方に含まれる第2コントローラと、を含む。第1コントローラは、内部抵抗値、内部抵抗値の変化量、および内部抵抗値の変化率の少なくとも1つを判定閾値と比較することで充電可能バッテリの充電不足を判定するように構成される。
【0033】
第15の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、充電可能バッテリの充電不足の判定処理を第1コントローラが実行するので、第1コントローラが本体装置に含まれる場合は、内部抵抗値を算出するための情報を第1コントローラが得やすくなり、充電不足の判定速度が向上する。また、第1コントローラが外部装置に含まれる場合は、第1コントローラで充電不足を判定した後に本体装置および本体装置以外の装置と情報を共有しやすくなる。
【0034】
第16の特徴によれば、第15の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、第1コントローラは、充電可能バッテリが充電不足であることを示す充電不足判定結果を第2コントローラに送信するように構成される。
【0035】
第16の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、第1コントローラが充電不足判定結果を第2コントローラに送信するので、充電不足判定結果を本体装置および外部装置の間で共有でき、バッテリ状態判定システムの利便性が向上する。
【0036】
第17の特徴によれば、第16の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、第2コントローラは、充電不足判定結果をバッテリ状態判定システムのユーザに報知するように構成される。
【0037】
第17の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、本体装置および外部装置の一方で充電不足の判定処理が実行されても、本体装置および外部装置の他方で充電不足判定結果をユーザに報知できる。したがって、バッテリ状態判定システムの利便性がさらに向上する。
【0038】
第18の特徴によれば、第15の特徴に係るバッテリ状態判定システムにおいて、外部装置は、第1コントローラを含む。第1コントローラは、内部抵抗値および判定閾値の少なくとも1つを算出するために用いられる算出情報を複数の本体装置から取得するように構成される。第1コントローラは、算出情報に基づいて学習処理を実行するように構成される。
【0039】
第18の特徴に係るバッテリ状態判定システムでは、外部装置に含まれる第1コントローラが複数の本体装置から取得された算出情報に基づいて学習処理を実行するので、内部抵抗値および判定閾値の少なくとも1つの算出精度を複数の車両から取得したデータに基づいて高めることができ、充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。なお、第18の特徴は、第15の特徴のみに適用されるだけでなく、第16または第17の特徴にも適用することができる。
【0040】
第19の特徴によれば、バッテリ状態判定装置は、充電可能バッテリの電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値を取得するように構成されるコントローラを備える。コントローラは、内部抵抗値および判定閾値に基づいて充電可能バッテリの充電不足を判定するように構成される。
【0041】
第19の特徴に係るバッテリ状態判定装置では、コントローラが内部抵抗値および判定閾値に基づいて充電可能バッテリの充電不足を判定するので、内部抵抗値に基づいて正確に充電可能バッテリの充電不足を判定できる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度を高めることができる。
【0042】
第20の特徴によれば、バッテリ状態判定方法は、充電可能バッテリの電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値をコントローラにより取得すること、および、内部抵抗値および判定閾値に基づいて充電可能バッテリの充電不足をコントローラにより判定すること、を備える。
【0043】
第20の特徴に係るバッテリ状態判定方法では、内部抵抗値および判定閾値に基づいて充電可能バッテリの充電不足がコントローラにより判定されるので、内部抵抗値に基づいて正確に充電可能バッテリの充電不足を判定できる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度を高めることができる。
【0044】
第21の特徴によれば、バッテリ状態判定プログラムは、第20の特徴に係るバッテリ状態判定方法をコンピュータに実行させる。
【0045】
第21の特徴に係るバッテリ状態判定プログラムでは、内部抵抗値および判定閾値に基づいて充電可能バッテリの充電不足がコントローラにより判定されるので、内部抵抗値に基づいて正確に充電可能バッテリの充電不足を判定できる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度を高めることができる。
【0046】
第22の特徴によれば、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体は、第21の特徴に係るバッテリ状態判定プログラムを記憶する。
【0047】
第22の特徴に係る記憶媒体では、バッテリ状態判定プログラムがコンピュータにより実行されることで、内部抵抗値および判定閾値に基づいて充電可能バッテリの充電不足がコントローラにより判定されるので、内部抵抗値に基づいて正確に充電可能バッテリの充電不足を判定できる。したがって、充電可能バッテリの充電不足の判定精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0048】
本願に開示される技術によれば、充電可能バッテリの充電不足の判定精度を高めることができるバッテリ状態判定システム、バッテリ状態判定装置、バッテリ状態判定方法、バッテリ状態判定プログラム、およびバッテリ状態判定プログラムを記憶する記憶媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1は、バッテリ状態判定システムの概略ブロック図である。
【
図2】
図2は、充電可能バッテリの放電量と内部抵抗との関係を示すグラフである。
【
図3】
図3は、
図1に示すバッテリ状態判定システムにおける情報のやりとりを示す概略ブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すバッテリ状態判定システムにおいて実行されるバッテリ状態判定方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図1に示すバッテリ状態判定システムにおいて実行されるバッテリ状態判定方法を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、充電可能バッテリの放電量と内部抵抗との関係を示すグラフである(第1変形例)。
【
図7】
図7は、第1変形例に係るバッテリ状態判定システムにおいて実行されるバッテリ状態判定方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、充電可能バッテリの放電量と内部抵抗との関係を示すグラフである(第2変形例)。
【
図9】
図9は、第2変形例に係るバッテリ状態判定システムにおいて実行されるバッテリ状態判定方法を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第3変形例に係るバッテリ状態判定システムにおける情報のやりとりを示す概略ブロック図である。
【
図11】
図11は、第3変形例に係るバッテリ状態判定システムにおいて実行されるバッテリ状態判定方法を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第3変形例に係るバッテリ状態判定システムにおいて実行されるバッテリ状態判定方法を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、第4変形例に係るバッテリ状態判定システムにおける情報のやりとりを示す概略ブロック図である。
【
図14】
図14は、第4変形例に係るバッテリ状態判定システムにおいて実行されるバッテリ状態判定方法を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、第4変形例に係るバッテリ状態判定システムにおいて実行されるバッテリ状態判定方法を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第5変形例に係るバッテリ状態判定システムにおける情報のやりとりを示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。図中において同じ符号は、対応するまたは同一の構成を示している。
【0051】
図1に示すように、バッテリ状態判定システム2は、本体装置10と、外部装置30と、を備える。本体装置10は、充電可能バッテリ11と、充電可能バッテリ11に電気的に接続される負荷12を含む。本体装置10の例は、充電可能バッテリ11が搭載される車両を含む。充電可能バッテリ11は、負荷12に電気を供給するように負荷12に電気的に接続される。充電可能バッテリ11は、例えば、鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリ、およびニッケル水素バッテリなどの二次バッテリを含む。したがって、充電可能バッテリ11は、二次バッテリ11とも称し得る。
【0052】
負荷12は、充電可能バッテリ11から供給される電気により動作する。負荷12は、少なくとも1つの電気機器を含む。充電可能バッテリ11が車両に搭載される場合、電気機器の例は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)、ライト、ヒータ、オーディオ機器、センサ、およびカメラを含む。
【0053】
車両の例は、自動車を含む。自動車の例は、動力源としてエンジン(内燃機関)が搭載される自動車、動力源としてエンジンおよび車両駆動モータが搭載されるハイブリッド車、および動力源として車両駆動モータが搭載される電気自動車または燃料電池自動車を含む。したがって、例えば、充電可能バッテリ11が車両駆動用に用いられてもよいし、充電可能バッテリ11以外に車両駆動用バッテリが車両に搭載されてもよい。車両は上記の車両に限定されない。また、充電可能バッテリ11は、車両以外の用途に用いられてもよい。
【0054】
本体装置10は、バッテリ状態判定装置13を含む。すなわち、バッテリ状態判定システム2は、バッテリ状態判定装置13を含む。バッテリ状態判定装置13は、充電可能バッテリ11の状態を判定するように構成される。具体的には、バッテリ状態判定装置13は、充電可能バッテリ11が充電不足にあるか否かを判定するように構成される。
【0055】
外部装置30は、例えば、サーバ31およびユーザ端末41を含む。サーバ31は、インターネットに接続可能である。バッテリ状態判定装置13およびユーザ端末41は、インターネットを介してサーバ31に接続可能である。バッテリ状態判定装置13は、インターネットを介してサーバ31と通信するように構成される。ユーザ端末41は、インターネットを介してサーバ31と通信するように構成される。ユーザ端末41の例は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータを含む。なお、バッテリ状態判定装置13とユーザ端末41とは、インターネットを介して互いに通信するように構成されていてもよい。
【0056】
バッテリ状態判定装置13は、充電回路15を含む。充電可能バッテリ11は、充電回路15に電気的に接続される。充電回路15は、充電可能バッテリ11に電気を供給し、充電可能バッテリ11を充電する。充電可能バッテリ11が車両に搭載される場合、例えば、充電回路15は、オルタネータおよび車両駆動モータなどの発電装置を含む。
【0057】
負荷12は、充電可能バッテリ11から供給される電気により始動する。例えば、車両のスタートボタンが押されたり、スタートキーが回されたりすると、充電可能バッテリ11から負荷12への電気の供給が開始され、負荷12が始動する。
【0058】
負荷12が稼働中において、充電可能バッテリ11は、負荷12への電気の供給(放電)と、充電回路15による充電と、を繰り返す。しかし、充電可能バッテリ11が充電回路15から充電されない状態で、充電可能バッテリ11が長時間放電されたり、負荷12により電気が消費されたりすると、充電可能バッテリ11の負荷12を始動できる限界の放電量である始動限界放電量DLを超えて充電可能バッテリ11が放電する場合がある。
【0059】
このような、いわゆるバッテリ上がりを避けるために、バッテリ状態判定システム2は、充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。ここで、充電不足とは、バッテリ上がりと、所定の期間が経過するとバッテリが上がる可能性があるような状態を含む。
【0060】
バッテリ状態判定装置13は、コントローラ14を備える。すなわち、バッテリ状態判定システム2は、コントローラ14を備える。本体装置10および外部装置30の少なくとも1つは、コントローラ14の少なくとも一部を含む。本実施形態では、本体装置10がバッテリ状態判定装置13を含むので、本体装置10がコントローラ14全体を含む。しかし、外部装置30(例えば、サーバ31)がコントローラ14全体を含んでいてもよい。また、本体装置10がコントローラ14の一部を含み、外部装置30がコントローラ14の残りの部分を含んでいてもよい。同様に、外部装置30がバッテリ状態判定装置13全体を含んでいてもよい。本体装置10がバッテリ状態判定装置13の一部を含み、外部装置30がバッテリ状態判定装置13の残りの部分を含んでいてもよい。
【0061】
本実施形態では、コントローラ14は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)を構成する。コントローラ14は、充電可能バッテリ11に電気的に接続される。コントローラ14は、例えば、プロセッサ14P、メモリ14M、回路基板14C、およびバス14Bを含む。
【0062】
プロセッサ14Pは、例えば、CPU(Central Processing Unit)および/またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。メモリ14Mは、例えば、揮発性および/不揮発性メモリを含む。揮発性メモリの例は、RAM(Random Access Memory)および/またはDRAM(Dynamic Random Access Memory)を含む。不揮発性メモリの例は、ROM(Read Only Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)を含む。メモリ14Mは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体(Computer-readable storage medium)とも称し得る。プロセッサ14Pおよびメモリ14Mは、電気的に回路基板14C上に搭載される。プロセッサ14Pおよびメモリ14Mは、および回路基板14Cを介して互いに電気的に接続される。プロセッサ14Pは、ハードウェアプロセッサ14Pとも称し得る。メモリ14Mは、ハードウェアメモリ14Mとも称し得る。
【0063】
コントローラ14は、バッテリ状態判定システム2およびバッテリ状態判定装置13の制御アルゴリズムを実現するようにプログラムされている。コントローラ14のメモリ14Mは、例えば、バッテリ状態判定装置13の制御アルゴリズムを実現するためのプログラムなどのソフトウェアを記憶する。プロセッサ14Pは、メモリ14Mに記憶されるプログラムを読み出して実行することにより、バッテリ状態判定装置13の制御アルゴリズムを実現する。
【0064】
コントローラ14の構成は、プロセッサ14P、メモリ14M、回路基板14Cおよびバス14Bに限定されない。コントローラ14の構成は、ハードウェアのみ、または、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現可能である。また、プロセッサ14Pおよびメモリ14Mは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)のように1チップで構成されてもよい。なお、コントローラ14は、コントローラ回路(Controller circuit)14、コントローラ回路構成(Controller circuitry)14、回路(Circuit)14、および/または回路構成(Circuitry)14とも称し得る。
【0065】
コントローラ14は、充電可能バッテリ11に電気的に接続される。コントローラ14は、充電可能バッテリ11に電気的に接続される電源回路14Sを含む。コントローラ14は、充電可能バッテリ11から電源回路14Sに供給される電気により動作する。電源回路14Sは、例えば、充電可能バッテリ11から供給される電圧(例えば、12V)を必要に応じて所定の電圧(例えば、3.3Vまたは5V)に変換する。電源回路14Sは、回路基板14Cおよびバス14Bを介してプロセッサ14Pおよびメモリ14Mに電気的に接続される。
【0066】
図1に示すように、バッテリ状態判定装置13は、コントローラ14に電気的に接続されるインターフェース20をさらに備える。インターフェース20は、入力情報を受けるように、および/または、サーバ31および/またはユーザ端末41へバッテリ状態判定結果を送信するように構成される。バッテリ状態判定結果は、例えば、充電可能バッテリ11が充電不足であることを示す充電不足判定結果を含む。インターフェース20は、回路基板14Cおよびバス14Bを介してプロセッサ14Pおよびメモリ14Mに電気的に接続される。インターフェース20は、コントローラ14から供給される電気により動作する。インターフェース20は、ユーザインターフェース22および通信部24を含む。
【0067】
ユーザインターフェース22は、コントローラ14に電気的に接続される。ユーザインターフェース22は、回路基板14Cおよびバス14Bを介してプロセッサ14Pおよびメモリ14Mに電気的に接続される。ユーザインターフェース22は、入力情報をユーザから受けるように構成される。コントローラ14は、ユーザインターフェース22から入力される入力情報をメモリ14Mに記憶する。ユーザインターフェース22の例は、タッチパネルなどの操作パネルを含む。
【0068】
通信部24は、コントローラ14に電気的に接続される。通信部24は、回路基板14Cおよびバス14Bを介してプロセッサ14Pおよびメモリ14Mに電気的に接続される。通信部24は、入力情報をサーバ31および/またはユーザ端末41から受信するように構成される。コントローラ14は、通信部24に入力される入力情報をメモリ14Mに記憶する。また、通信部24は、バッテリ状態判定結果(例えば、充電不足判定結果)をサーバ31および/またはユーザ端末41へ送信するように構成される。
【0069】
通信部24は、無線通信回路を含む。無線通信回路は、コントローラ14に電気的に接続され、例えば、インターネットに無線で接続可能である。無線通信回路は、バッテリ状態判定結果(例えば、充電不足判定結果)をサーバ31へインターネットを介して送信するように構成される。充電可能バッテリ11が車両に搭載される場合、通信部24は、例えば、無線通信回路およびゲートウェイECUを含む。
【0070】
無線通信回路は、例えば、アンテナ、無線送信回路、および無線受信回路を含む。アンテナは、無線送信回路および無線受信回路に電気的に接続される。無線送信回路は、アンテナを介して無線で信号を送信するように構成される。無線受信回路は、アンテナを介して無線で信号を受信するように構成される。無線送信回路は、所定のプロトコルで信号を暗号化するように構成される。無線受信回路は、所定のプロトコルで無線信号を復号化するように構成される。
【0071】
図1に示すように、サーバ31は、例えば、データセンタまたはクラウドの一部を構成し、インターネットに接続可能である。サーバ31は、コントローラ32、インターフェース33、およびディスプレイ34を備える。インターフェース33およびディスプレイ34は、コントローラ32に電気的に接続される。ディスプレイ34は、コントローラ32に電気的に接続され、情報を表示するように構成される。コントローラ32は、情報を表示するようにディスプレイ34を制御するように構成される。
【0072】
コントローラ32は、例えば、プロセッサ32P、メモリ32M、回路基板32C、およびバス32Bを含む。プロセッサ32Pは、例えば、CPUおよび/またはMPUを含む。メモリ32Mは、例えば、揮発性および/不揮発性メモリを含む。揮発性メモリの例は、RAMおよび/またはDRAMを含む。不揮発性メモリの例は、ROMおよびEEPROMを含む。メモリ32Mは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体(Computer-readable storage medium)とも称し得る。プロセッサ32Pおよびメモリ32Mは、電気的に回路基板32C上に搭載される。プロセッサ32Pおよびメモリ32Mは、および回路基板32Cを介して互いに電気的に接続される。プロセッサ32Pは、ハードウェアプロセッサ32Pとも称し得る。メモリ32Mは、ハードウェアメモリ32Mとも称し得る。
【0073】
コントローラ32は、サーバ31の制御アルゴリズムを実現するようにプログラムされている。コントローラ32のメモリ32Mは、例えば、サーバ31の制御アルゴリズムを実現するためのプログラムなどのソフトウェアを記憶する。プロセッサ32Pは、メモリ32Mに記憶されるプログラムを読み出して実行することにより、サーバ31の制御アルゴリズムを実現する。
【0074】
コントローラ32の構成は、プロセッサ32P、メモリ32M、回路基板32Cおよびバス32Bに限定されない。コントローラ32の構成は、ハードウェアのみ、または、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現可能である。また、プロセッサ32Pおよびメモリ32Mは、ASICまたはFPGAのように1チップで構成されてもよい。なお、コントローラ32は、コントローラ回路(Controller circuit)32、コントローラ回路構成(Controller circuitry)32、回路(Circuit)32、および/または回路構成(Circuitry)32とも称し得る。
【0075】
インターフェース33は、回路基板32Cおよびバス32Bを介してプロセッサ32Pおよびメモリ32Mに電気的に接続される。インターフェース33は、ユーザインターフェース35および通信部36を含む。
【0076】
ユーザインターフェース35は、コントローラ32に電気的に接続される。ユーザインターフェース35は、回路基板32Cおよびバス32Bを介してプロセッサ32Pおよびメモリ32Mに電気的に接続される。ユーザインターフェース35は、ユーザがサーバ31の操作をする際に用いられる。ユーザインターフェース35の例は、キーボード、マウス、およびタッチパネルを含む。
【0077】
通信部36は、コントローラ32に電気的に接続される。通信部36は、回路基板32Cおよびバス32Bを介してプロセッサ32Pおよびメモリ32Mに電気的に接続される。通信部36は、バッテリ状態判定装置13およびユーザ端末41と通信するように構成される。
【0078】
通信部36は、例えば、有線通信回路を含む。有線通信回路は、コントローラ32に電気的に接続され、例えば、インターネットに有線で接続可能である。有線通信回路は、バッテリ状態判定装置13およびユーザ端末41とインターネットを介して通信するように構成される。通信部36は、無線通信回路を含んでいてもよい。
【0079】
図3に示すように、通信部36は、バッテリ状態判定装置13から充電不足判定結果を受信するように構成される。通信部36は、バッテリ状態判定装置13から受信した充電不足判定結果をユーザ端末41に送信するように構成される。通信部36は、入力情報をユーザ端末41から受信するように構成される。通信部36は、ユーザ端末41から受信した入力情報をバッテリ状態判定装置13に送信するように構成される。
【0080】
図1に示すように、ユーザ端末41は、サーバ31と通信するように構成される。ユーザ端末41は、バッテリ状態判定システム2のユーザが使用するための装置である。ユーザ端末41は、サーバ31から送信されるバッテリ状態判定結果(例えば、充電不足判定結果)を表示するように構成される。また、ユーザ端末41は、バッテリ状態判定システム2のユーザからのバッテリ状態判定に必要な情報の入力を受けるように構成され、入力情報をサーバ31に送信するように構成される。ユーザ端末41の例は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータを含む。なお、ユーザ端末41は、バッテリ状態判定装置13と通信するように構成されていてもよい。
【0081】
ユーザ端末41は、コントローラ42、インターフェース43、およびディスプレイ44を備える。インターフェース43およびディスプレイ44は、コントローラ42に電気的に接続される。ディスプレイ44は、コントローラ42に電気的に接続され、情報を表示するように構成される。コントローラ42は、情報を表示するようにディスプレイ44を制御するように構成される。
【0082】
コントローラ42は、例えば、プロセッサ42P、メモリ42M、回路基板42C、およびバス42Bを含む。プロセッサ42Pは、例えば、CPUおよび/またはMPUを含む。メモリ42Mは、例えば、揮発性および/不揮発性メモリを含む。揮発性メモリの例は、RAMおよび/またはDRAMを含む。不揮発性メモリの例は、ROMおよびEEPROMを含む。メモリ42Mは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体(Computer-readable storage medium)とも称し得る。プロセッサ42Pおよびメモリ42Mは、電気的に回路基板42C上に搭載される。プロセッサ42Pおよびメモリ42Mは、および回路基板42Cを介して互いに電気的に接続される。プロセッサ42Pは、ハードウェアプロセッサ42Pとも称し得る。メモリ42Mは、ハードウェアメモリ42Mとも称し得る。
【0083】
コントローラ42は、ユーザ端末41の制御アルゴリズムを実現するようにプログラムされている。コントローラ42のメモリ42Mは、例えば、ユーザ端末41の制御アルゴリズムを実現するためのプログラムなどのソフトウェアを記憶する。プロセッサ42Pは、メモリ42Mに記憶されるプログラムを読み出して実行することにより、ユーザ端末41の制御アルゴリズムを実現する。
【0084】
コントローラ42の構成は、プロセッサ42P、メモリ42M、回路基板42Cおよびバス42Bに限定されない。コントローラ42の構成は、ハードウェアのみ、または、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現可能である。また、プロセッサ42Pおよびメモリ42Mは、ASICまたはFPGAのように1チップで構成されてもよい。なお、コントローラ42は、コントローラ回路(Controller circuit)42、コントローラ回路構成(Controller circuitry)42、回路(Circuit)42、および/または回路構成(Circuitry)42とも称し得る。
【0085】
インターフェース43は、回路基板42Cおよびバス42Bを介してプロセッサ42Pおよびメモリ42Mに電気的に接続される。インターフェース43は、ユーザインターフェース45および通信部46を含む。
【0086】
ユーザインターフェース45は、コントローラ42に電気的に接続される。ユーザインターフェース45は、回路基板42Cおよびバス42Bを介してプロセッサ42Pおよびメモリ42Mに電気的に接続される。ユーザインターフェース45は、入力情報をユーザから受けるように構成される。コントローラ42は、ユーザインターフェース45から入力される入力情報をメモリ42Mに記憶する。ユーザインターフェース45の例は、キーボード、マウス、およびタッチパネルを含む。
【0087】
通信部46は、コントローラ42に電気的に接続される。通信部46は、回路基板42Cおよびバス42Bを介してプロセッサ42Pおよびメモリ42Mに電気的に接続される。通信部46は、サーバ31と通信するように構成される。通信部46は、無線通信回路を含む。無線通信回路は、コントローラ42に電気的に接続され、インターネットを介してサーバ31と無線で通信するように構成される。無線通信回路は、インターネットを介してバッテリ状態判定装置13と無線で通信するように構成されていてもよい。
【0088】
通信部24と同様に、通信部46の無線通信回路は、例えば、アンテナ、無線送信回路、および無線受信回路を含む。アンテナは、無線送信回路および無線受信回路に電気的に接続される。無線送信回路は、アンテナを介して無線で信号を送信するように構成される。無線受信回路は、アンテナを介して無線で信号を受信するように構成される。無線送信回路は、所定のプロトコルで信号を暗号化するように構成される。無線受信回路は、所定のプロトコルで無線信号を復号化するように構成される。
【0089】
図3に示すように、通信部46は、インターネットを介して入力情報をサーバ31へ送信するように構成される。通信部46は、サーバ31から送信される充電不足判定結果をインターネットを介して受信するように構成される。
【0090】
図1に示すように、バッテリ状態判定装置13は、電流センサ16および電圧センサ18をさらに備える。すなわち、バッテリ状態判定システム2は、電流センサ16および電圧センサ18をさらに備える。電流センサ16は、コントローラ14に電気的に接続され、充電可能バッテリ11の電流値を測定するように構成される。電圧センサ18は、コントローラ14に電気的に接続され、充電可能バッテリ11の電圧値を測定するように構成される。
【0091】
電流センサ16は、充電可能バッテリ11と負荷12との間、および、充電可能バッテリ11と充電回路15との間に配置される。電流センサ16は、充電可能バッテリ11から負荷12へ流れる放電電流値の電流値を測定するように構成され、充電回路15から充電可能バッテリ11へ流れる充電電流の電流値を測定するように構成される。コントローラ14は、電流センサ16の測定電流値を所定の周期で取得し、取得した測定電流値をメモリ14Mに記憶する。また、コントローラ14は、必要に応じて測定電流値の積算値を算出するように構成される。
【0092】
コントローラ14は、充電可能バッテリ11の充放電が停止している状態で電圧センサ18の測定電圧値を所定の周期で取得し、取得した測定電圧値を開回路電圧OCVとしてメモリ14Mに記憶する。コントローラ14は、電流センサ16の測定電流値に基づいて、充電可能バッテリ11が放電中であるか否か、および、充電可能バッテリ11が充電中であるか否かを判定するように構成される。すなわち、コントローラ14は、負荷12が停止中であるか否かを判定するように構成される。
【0093】
コントローラ14は、充電可能バッテリ11の電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値R1を取得するように構成される。本実施形態では、コントローラ14は、電流値および電圧値に基づいて内部抵抗値R1を算出するように構成される。コントローラ14は、電流センサ16の測定電流値および電圧センサ18の測定電圧値に基づいて内部抵抗値R1を算出するように構成される。外部装置30(例えば、サーバ31)が内部抵抗値R1を算出するように構成されてもよい。
【0094】
コントローラ14は、充電可能バッテリ11が負荷12への電力の供給を停止している状態(すなわち、車両等の機能を最低限維持する電力のみが供給されている状態。いわゆる暗電流による電力のみが供給されている状態も含む。)で充電可能バッテリ11を複数回放電させた際に取得される電流値および電圧値に基づいて内部抵抗値R1を算出するように構成される。バッテリ状態判定装置13は、放電回路19を備える。放電回路19は、充電可能バッテリ11を放電させるように構成される。放電回路19は、充電可能バッテリ11を所定の周波数でパルス放電させるように構成される。放電回路19は、充電可能バッテリ11を所定の放電パターンで放電させるように構成されてもよく、充電可能バッテリ11を所定の周波数でパルス放電させるように構成されてもよい。コントローラ14は、充電可能バッテリ11を放電させるように放電回路19を制御する。コントローラ14は、所定の放電パターンで放電させるように放電回路19を制御してもよく、所定の周波数でパルス放電させるように放電回路19を制御してもよい。
【0095】
コントローラ14は、放電前の電流A0、放電中の電流A1、放電前の電圧V0、および放電中の電圧V1を取得するように構成される。コントローラ14は、電流A0、電流A1、電圧V0、および電圧V1を用いて、以下の式(1)に基づいて内部抵抗値R1を算出するように構成される。
【0096】
R1=(V1-V0)/(A1-A0) ・・・(1)
コントローラ14は、電流A0、電流A1、電圧V0、および電圧V1を所定の周期で取得し、式(1)に基づいて内部抵抗値R1を所定の周期で算出するように構成される。コントローラ14は、内部抵抗値R1をメモリ14Mに記憶する。コントローラ14は、負荷12の停止中において、所定の周期で内部抵抗値R1を算出し、内部抵抗値R1をメモリ14Mに記憶する。
【0097】
なお、内部抵抗値R1は、別の方法で算出されてもよい。例えば、充電可能バッテリ11が負荷12に電気を供給している状態で測定される電流値および電圧値に基づいて内部抵抗値R1が算出されてもよい。また、内部抵抗値R1は、充電可能バッテリ11の温度やコントローラ14の周囲の温度等により補正された値としてもよい。また、以下で説明する判定閾値THは、充電可能バッテリ11の温度やコントローラ14の周囲温度等により補正された値としてもよい。
【0098】
コントローラ14は、内部抵抗値R1および判定閾値THに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。コントローラ14は、内部抵抗値R1、内部抵抗値R1の変化量ΔR、および内部抵抗値R1の変化率RRの少なくとも1つを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。
【0099】
本実施形態では、コントローラ14は、内部抵抗値R1を判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。判定閾値THは、抵抗閾値TH1を含む。コントローラ14は、内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1より大きい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される。コントローラ14は、内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1より小さい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成される。コントローラ14は、内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1と等しい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される。しかし、コントローラ14が、内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1と等しい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成されてもよい。また、コントローラ14が、内部抵抗値R1以外の情報(例えば、充電可能バッテリ11の電圧に関する情報)を判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成されてもよい。
【0100】
図2に示すように、コントローラ14は、判定閾値THを算出するように構成される。コントローラ14は、抵抗閾値TH1を算出するように構成される。コントローラ14は、充電可能バッテリ11に電気的に接続される負荷12を始動できる充電可能バッテリ11の限界の放電量である始動限界放電量DLに基づいて判定閾値THを算出するように構成される。コントローラ14は、始動限界放電量DLに基づいて抵抗閾値TH1を算出するように構成される。
【0101】
例えば、コントローラ14は、始動限界放電量DLを算出するように構成される。コントローラ14は、充電可能バッテリ11の開回路電圧OCV、充電可能バッテリ11の負荷12の始動に必要な最低電圧値VM、および充電可能バッテリ11の負荷12の始動に必要な最低電流値AMに基づいて始動限界放電量DLに対応する始動限界抵抗値RLを算出するように構成される。コントローラ14は、負荷12の停止中に電圧センサ18により測定される電圧値を開回路電圧OCVとして取得する。コントローラ14は、開回路電圧OCVをメモリ14Mに記憶する。
【0102】
最低電圧値VMおよび最低電流値AMは、負荷12に関する負荷情報および充電可能バッテリ11に関するバッテリ情報により決まる。最低電圧値VMおよび最低電流値AMは、負荷12の消費電力および充電可能バッテリ11の定格放電容量により決まる。コントローラ14は、負荷情報およびバッテリ情報をメモリ14Mに記憶し、負荷情報およびバッテリ情報に基づいて最低電圧値VMおよび最低電流値AMを取得する。例えば、コントローラ14は、少なくとも2つの負荷12の型番、少なくとも2つの充電可能バッテリ11の型番、各負荷12の型番および各充電可能バッテリ11の型番に対応する最低電圧値VM、および各負荷12の型番および各充電可能バッテリ11の型番に対応する最低電流値AMを示すテーブルをメモリ14Mに記憶する。コントローラ14は、負荷12の型番、充電可能バッテリ11の型番、およびテーブルに基づいて最低電圧値VMおよび最低電流値AMを取得し、取得した最低電圧値VMおよび最低電流値AMをメモリ14Mに記憶する。なお、最低電圧値VMは固定値を使用してもよい。また、最低電流値AMのデータが記録されていない場合、駐車直前のこれまでの最低電流計測値を最低電流値AMとして使用してもよい。
【0103】
インターフェース20は、負荷情報およびバッテリ情報の入力をユーザまたは外部装置30から受けるように構成される。インターフェース20は、負荷12の型番および充電可能バッテリ11の型番をユーザまたは外部装置30から受けるように構成される。例えば、コントローラ14は、ユーザインターフェース22を介してユーザにより入力される負荷情報(例えば、負荷12の型番)およびバッテリ情報(例えば、充電可能バッテリ11の型番)をメモリ14Mに記憶する。しかし、コントローラ14は、通信部24を介して負荷情報(例えば、負荷12の型番)およびバッテリ情報(例えば、充電可能バッテリ11の型番)を外部装置30(例えば、サーバ31)から取得するように構成されてもよい。
【0104】
コントローラ14は、以下の式(2)に基づいて始動限界抵抗値RLを算出するように構成される。
【0105】
RL=(OCV-VM)/AM ・・・(2)
コントローラ14は、充電可能バッテリ11の放電量と充電可能バッテリ11の内部抵抗との関係を示す関係情報RSと、始動限界抵抗値RLと、に基づいて始動限界放電量DLを算出するように構成される。コントローラ14は、
図2に示す関係情報RSをメモリ14Mに記憶する。コントローラ14は、関係情報RSに基づいて始動限界抵抗値RLに対応する放電量を始動限界放電量DLとして取得し、始動限界放電量DLをメモリ14Mに記憶する。
【0106】
コントローラ14は、充電可能バッテリ11の放電量の履歴に関する放電量履歴情報と始動限界放電量DLとに基づいて判定閾値THを算出するように構成される。コントローラ14は、電流センサ16の測定電流値の積算値を放電履歴情報として算出するように構成される。コントローラ14は、負荷12の停止中において電流センサ16により測定される充電可能バッテリ11の暗電流の積算値を算出するように構成される。コントローラ14は、バッテリ情報に基づいて単位時間あたりの推定自己放電量を取得するように構成される。コントローラ14は、単位時間あたりの暗電流の積算値と、単位時間あたりの推定自己放電量と、に基づいて、負荷12が停止中における充電可能バッテリ11の単位時間あたりの放電量を算出するように構成される。推定自己放電量は、例えば、温度特性等を考慮して算出された近似式、または、充電可能バッテリ11の種類に応じた1日あたりの代表値(容量に対するパーセント/日)をベースに温度特性を考慮したテーブル、を用いて算出される。なお、暗電流値は、加重平均値、移動平均値、または前回待機状態時または過去の最低電流を用いてもよい。
【0107】
また、コントローラ14は、充電不足を報知してから現在の放電量が始動限界放電量DLに達するまでの猶予時間を取得するように構成される。例えば、インターフェース20は、猶予時間の入力をユーザから受けるように構成される。コントローラ14は、インターフェース20を介して入力される猶予時間をメモリ14Mに記憶する。猶予時間は、予め定められた時間であってもよい。コントローラ14は、単位時間あたりの放電量に猶予時間を乗算することで、差分放電量ΔDを算出するように構成される。コントローラ14は、始動限界放電量DLから差分放電量ΔDを減算することで放電量閾値DTを算出するように構成される。コントローラ14は、
図2に示す関係情報RSと放電量閾値DTとに基づいて抵抗閾値TH1を算出するように構成される。なお、コントローラ14は、駐車中等の負荷12の停止中に、充電可能バッテリ11の残容量を算出し、駐車中等における放電量を減算していき、所定の判定閾値を下回ったら充電不足であると判定するように構成されていてもよい。
【0108】
コントローラ14は、充電可能バッテリ11に電気的に接続される負荷12に関する負荷情報および充電可能バッテリ11に関するバッテリ情報の少なくとも1つに基づいて判定閾値THを更新するように構成される。コントローラ14は、負荷情報およびバッテリ情報に基づいて抵抗閾値TH1を更新するように構成される。例えば、コントローラ14は、インターフェース20を介して新たに入力される負荷12の型番および充電可能バッテリ11の型番に基づいて最低電圧値VMおよび最低電流値AMを新たに取得し、取得した最低電圧値VMおよび最低電流値AMをメモリ14Mに記憶する。例えば、充電可能バッテリ11が本体装置10に装着される場合、インターフェース20を介して負荷12の型番および充電可能バッテリ11の型番が新たに入力される。コントローラ14は、新たに取得した最低電圧値VM、最低電流値AM、式(2)、および
図2の関係情報RSに基づいて判定閾値THを算出するように構成される。コントローラ14は、新たに取得した最低電圧値VM、最低電流値AM、式(2)、および
図2の関係情報RSに基づいて抵抗閾値TH1を算出するように構成される。こうして、コントローラ14により、負荷情報およびバッテリ情報に基づいて判定閾値TH(例えば、抵抗閾値TH1)が更新される。
【0109】
コントローラ14は、内部抵抗値R1に基づいて充電可能バッテリ11の劣化状態を判定するように構成される。コントローラ14は、劣化状態に基づいて判定閾値THを補正するように構成される。コントローラ14は、劣化状態に基づいて抵抗閾値TH1を補正するように構成される。
【0110】
コントローラ14は、充電可能バッテリ11が新品に交換された後に最初のパルス放電で得られる内部抵抗値R1を初期内部抵抗値R0としてメモリ14Mに記憶する。コントローラ14は、内部抵抗値R1を算出する度に内部抵抗値R1を初期内部抵抗値R0と比較する。コントローラ14は、充電可能バッテリ11の初期内部抵抗値R0と、算出された内部抵抗R1の満充電時相当の値との関係性を使って判定閾値TH1を補正するように構成されていてもよく、充電可能バッテリ11の現在の満充電容量SOH(State of Health)、または周知の劣化度の指標等を使って、判定閾値TH1を補正するように構成されていてもよい。
【0111】
ここで、補正に使う特徴量を調整する係数を用いて、この係数が負荷情報およびバッテリ情報の少なくとも1つに基づいて決定されるようにしてもよい。これにより、充電可能バッテリ11の劣化状態に応じて判定閾値THを補正でき、判定精度の低下を抑制または防止、あるいは、判定精度の向上が期待できる。
【0112】
コントローラ14は、算出した内部抵抗値R1を判定閾値TH(例えば、抵抗閾値TH1)と比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。コントローラ14は、内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1以上の場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される。コントローラ14は、内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1より小さい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成される。
【0113】
図1に示すように、バッテリ状態判定装置13は、報知装置26を備える。報知装置26は、コントローラ14に電気的に接続される。報知装置26は、回路基板14Cおよびバス14Bを介してプロセッサ14Pおよびメモリ14Mに電気的に接続される。コントローラ14は、バッテリ判定の結果に基づいて報知装置26を制御するように構成される。報知装置26は、コントローラ14から供給される電気により動作する。
【0114】
報知装置26は、充電可能バッテリ11が充電不足にあることをユーザに報知するように構成される。報知装置26は、例えば、インジケータ、ディスプレイ、およびスピーカの少なくとも1つを含む。コントローラ14は、報知装置26がユーザに充電可能バッテリ11が充電不足にあることを報知するように報知装置26を制御するように構成される。
【0115】
コントローラ14は、充電可能バッテリ11が充電不足であると判定する場合、充電不足判定結果を生成するように構成される。報知装置は、充電不足判定結果に基づいて充電可能バッテリ11が充電不足にあることをユーザに報知するように構成される。例えば、報知装置は、充電不足判定結果に基づいて充電可能バッテリ11が充電不足にあることを表示するように構成される。これにより、車両のユーザは、充電可能バッテリ11が充電不足であることを認識できる。
【0116】
また、コントローラ14は、通信部24を介して充電不足判定結果を外部装置30に送信する。コントローラ14は、通信部24を介して充電不足判定結果をサーバ31に送信する。サーバ31のコントローラ14は、通信部36を介して充電不足判定結果をユーザ端末41に送信する。ユーザ端末41のコントローラ14は、ディスプレイ44に充電可能バッテリ11が充電不足であることを表示する。これにより、バッテリ状態判定システム2のユーザは、充電可能バッテリ11が充電不足であることを認識できる。
【0117】
図3~
図5を参照しながらバッテリ状態判定システム2の動作について説明する。
図4および
図5に示すように、バッテリ状態判定装置13のコントローラ14は、以下に説明するバッテリ状態判定方法を実行するように構成される。コントローラ14は、バッテリ状態判定プログラムをメモリ14Mに記憶する。すなわち、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体は、バッテリ状態判定プログラムを記憶する。バッテリ状態判定プログラムは、バッテリ状態判定方法をコンピュータに実行させる。コントローラ14のプロセッサ14Pは、メモリ14Mに記憶されるバッテリ状態判定プログラムを読み込み実行することで、以下に説明するバッテリ状態判定方法を実現する。
【0118】
図4に示すように、バッテリ状態判定方法は、充電可能バッテリ11の電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値R1をコントローラ14により取得すること(例えば、ステップS8)、および、内部抵抗値R1および判定閾値THに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足をコントローラ14により判定すること(例えば、ステップS10)、を備える。
【0119】
電流センサ16および電圧センサ18により電流値および電圧値の測定が開始される(ステップS1)。情報の入力の有無がコントローラ14により確認される(ステップS2)。例えば、負荷情報、バッテリ情報、および猶予時間の少なくとも1つが入力されたか否かがコントローラ14により確認される。負荷情報、バッテリ情報、および猶予時間の少なくとも1つが入力された場合、負荷情報、バッテリ情報、および猶予時間の少なくとも1つがコントローラ14のメモリに記憶される(ステップS3)。例えば、車両の種類(ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車)が負荷情報として入力された場合、入力された車両の種類がコントローラ14のメモリに記憶される。充電可能バッテリ11を特定できる情報(メーカ、型番)がバッテリ情報として入力された場合、入力された情報がコントローラ14のメモリに記憶される。猶予時間が入力された場合、入力された猶予時間がコントローラ14のメモリに記憶される。バッテリ情報が入力された場合、バッテリ情報に基づいてコントローラ14により最低電圧値VM、最低電流値AM、および推定自己放電量が選択されメモリに記憶される。
【0120】
負荷12が停止中か否かがコントローラ14により判定される(ステップS4)。負荷12が停止中の場合、充電可能バッテリ11から負荷12への電気の供給および充電回路15から充電可能バッテリ11への充電が停止している。負荷12が稼働中の場合、充電可能バッテリ11から負荷12への電気の供給および充電回路15から充電可能バッテリ11への充電の少なくとも1つが実行される。負荷12が停止中ではない場合、情報の入力の確認がコントローラ14により繰り返される(ステップS2~S4)。
【0121】
一方、負荷12が停止中の場合、暗電流の積算値の算出がコントローラ14により開始される(ステップS5)。例えば、電流センサ16により測定される電流値の積算値がコントローラ14により算出される。また、開回路電圧OCVがコントローラ14により取得される(ステップS6)。例えば、充電可能バッテリ11の充放電停止中において電圧センサ18により測定される電圧値がコントローラ14のメモリに開回路電圧OCVとして記憶される。
【0122】
コントローラ14により判定閾値THが算出される(ステップS7)。例えば、コントローラ14により抵抗閾値TH1が算出される。具体的には、開回路電圧OCV、最低電圧値VM、最低電流値AM、および式(2)に基づいて始動限界放電量DLに対応する始動限界抵抗値RLがコントローラ14により算出される。充電可能バッテリ11の放電量と充電可能バッテリ11の内部抵抗との関係を示す関係情報RSと、始動限界抵抗値RLと、に基づいてコントローラ14により始動限界放電量DLが算出される。充電可能バッテリ11の放電量の履歴に関する放電量履歴情報と始動限界放電量DLとに基づいてコントローラ14により判定閾値THが算出される。単位時間あたりの暗電流の積算値と、単位時間あたりの推定自己放電量と、に基づいて、負荷12が停止中における充電可能バッテリ11の単位時間あたりの放電量がコントローラ14により算出される。単位時間あたりの放電量に猶予時間を乗算することでコントローラ14により差分放電量ΔDが算出される。始動限界放電量DLから差分放電量ΔDを除算することでコントローラ14により放電量閾値DTが算出される。
図2に示す関係情報RSと放電量閾値DTとに基づいてコントローラ14により抵抗閾値TH1が算出される。こうして、コントローラ14により判定閾値THが算出される。算出された判定閾値THはコントローラ14のメモリに記憶される。
【0123】
ステップS7において始動限界抵抗値RLが算出される際に、ステップS2およびS3において新たに入力されたバッテリ情報に基づいて取得された最低電圧値VMおよび最低電流値AMが用いられることで、始動限界抵抗値RLが充電可能バッテリ11に適合する抵抗値に更新される。すなわち、更新された始動限界抵抗値RLを用いることで、判定閾値THが更新される。
【0124】
負荷12の停止中において充電可能バッテリ11の内部抵抗値R1がコントローラ14により算出される(ステップS8)。具体的には、負荷12の停止中において所定の周波数で充電可能バッテリ11のパルス放電が放電回路19により行われる。負荷12の停止中において、放電前の電流A0、放電中の電流A1、放電前の電圧V0、および放電中の電圧V1がコントローラ14により取得される。放電前の電流A0、放電中の電流A1、放電前の電圧V0、および放電中の電圧V1を用いて、以下の式(1)に基づいて内部抵抗値R1がコントローラ14により算出される。算出された内部抵抗値R1はコントローラ14のメモリに記憶される。
【0125】
コントローラ14により判定閾値THが補正される(ステップS9)。例えば、内部抵抗値R1および初期内部抵抗値R0に基づいて、判定閾値THがコントローラ14により補正される。内部抵抗値R1および初期内部抵抗値R0に基づいて、抵抗閾値TH1がコントローラ14により補正される。
【0126】
内部抵抗値R1を判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足がコントローラ14により判定される(ステップS10)。内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1未満の場合、充電可能バッテリ11は充電不足ではないとコントローラ14により判定され、コントローラ14により充電不足フラグがOFFになる(ステップS10およびS11)。内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1未満の場合、負荷12が停止中であるか否かがコントローラ14により判定される(ステップS12)。負荷12が停止中でない場合、暗電流の積算値の算出がコントローラ14により停止される(ステップS12およびS13)。一方、負荷12が停止中の場合、プロセスがステップS6に戻る(ステップS12)。
【0127】
ステップS10において内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1以上の場合、充電可能バッテリ11が充電不足であるとコントローラ14により判定される。したがって、内部抵抗値R1が抵抗閾値TH1以上の場合、充電不足フラグがONになる(ステップS10および
図5のステップS14)。
【0128】
図5に示すように、充電可能バッテリ11が充電不足であることを示す充電不足判定結果BRが報知装置によりユーザに報知される(ステップS15)。充電不足判定結果BRが通信部を介して外部装置30(サーバ31)に送信される(ステップS16)。充電不足判定結果はサーバ31からユーザ端末41に送信され、ユーザ端末41のディスプレイに充電不足判定結果BRが表示される(ステップS17)。こうして、バッテリ状態判定システム2のユーザが充電可能バッテリ11の充電不足を知ることができる。
【0129】
以上に説明したように、バッテリ状態判定システム2およびバッテリ状態判定装置13は、充電可能バッテリ11の電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値R1を取得するように構成されるコントローラ14を備える。コントローラ14は、内部抵抗値R1および判定閾値THに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。
【0130】
バッテリ状態判定システム2およびバッテリ状態判定装置13では、コントローラ14が内部抵抗値R1および判定閾値THに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足を判定するので、内部抵抗値R1に基づいて正確に充電可能バッテリ11の充電不足を判定できる。したがって、充電可能バッテリ11の充電不足の判定精度を高めることができる。
【0131】
また、バッテリ状態判定方法は、充電可能バッテリ11の電流値および電圧値に基づいて算出される内部抵抗値R1をコントローラ14により取得すること(例えば、ステップS8)、および、内部抵抗値R1および判定閾値THに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足をコントローラ14により判定すること(例えば、ステップS10)、を備える。
【0132】
バッテリ状態判定方法では、内部抵抗値R1および判定閾値THに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足がコントローラ14により判定されるので、内部抵抗値R1に基づいて正確に充電可能バッテリ11の充電不足を判定できる。したがって、充電可能バッテリ11の充電不足の判定精度を高めることができる。
【0133】
前述の実施形態では、コントローラ14は、内部抵抗値R1を判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。しかし、コントローラ14は、内部抵抗値R1、内部抵抗値R1の変化量、および内部抵抗値R1の変化率の少なくとも1つを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成さてもよい。
【0134】
例えば、
図6および
図7に示すように、第1変形例に係るバッテリ状態判定システム2では、コントローラ14は、内部抵抗値R1の変化量ΔRを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成されてもよい。この場合、判定閾値THは、差分閾値TH2を含む。コントローラ14は、内部抵抗値R1と第1基準抵抗値R3との差分である内部抵抗値R1の変化量ΔRが差分閾値TH2よりも大きい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される(ステップS30)。コントローラ14は、内部抵抗値R1の変化量ΔRが差分閾値TH2よりも小さい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成される。コントローラ14は、内部抵抗値R1の変化量ΔRが差分閾値TH2と等しい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される。しかし、コントローラ14が、内部抵抗値R1の変化量ΔRが差分閾値TH2と等しい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成されてもよい。
【0135】
図7に示すように、コントローラ14は、内部抵抗値R1の変化量ΔRを算出するように構成される(ステップS28)。コントローラ14は、電流値、電圧値、および第1基準抵抗値R3に基づいて内部抵抗値R1の変化量ΔRを算出するように構成される。例えば、前述の実施形態と同様に、コントローラ14は、電流値および電圧値に基づいて内部抵抗値R1を算出するように構成される。さらに、コントローラ14は、内部抵抗値R1から第1基準抵抗値R3を減算することで内部抵抗値R1の変化量ΔRを算出するように構成される。
【0136】
また、コントローラ14は、差分閾値TH2を算出するように構成される(ステップS27)。コントローラ14は、抵抗閾値TH1から第1基準抵抗値R3を減算することで差分閾値TH2を算出するように構成される。
【0137】
コントローラ14は、差分閾値TH2を補正するように構成される(ステップS29)。例えば、コントローラ14は、内部抵抗値R1および初期内部抵抗値R0に基づいて、抵抗閾値TH1を補正するように構成される。コントローラ14は、補正された抵抗閾値TH1から第1基準抵抗値R3を減算することで差分閾値TH2を算出するように構成される。こうして、差分閾値TH2が補正される。
【0138】
内部抵抗値R1の変化量ΔRが補正された差分閾値TH2よりも大きい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であるとコントローラ14により判定される(ステップS30)。内部抵抗値R1の変化量ΔRが補正された差分閾値TH2よりも小さい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないとコントローラ14により判定される。
【0139】
また、
図8および
図9に示すように、第2変形例に係るバッテリ状態判定システム2では、コントローラ14は、内部抵抗値R1の変化率RRを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成されてもよい。この場合、判定閾値THは、比率閾値TH3を含む。コントローラ14は、第2基準抵抗値R4に対する内部抵抗値R1の比率である内部抵抗値R1の変化率RRが比率閾値TH3より大きい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される(ステップS40)。コントローラ14は、内部抵抗値R1の変化率RRが比率閾値TH3よりも小さい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成される。コントローラ14は、内部抵抗値R1の変化率RRが比率閾値TH3と等しい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される。しかし、コントローラ14が、内部抵抗値R1の変化率RRが比率閾値TH3と等しい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成されてもよい。
【0140】
図9に示すように、コントローラ14は、内部抵抗値R1の変化率RRを算出するように構成される(ステップS38)。コントローラ14は、電流値、電圧値、および第2基準抵抗値R4に基づいて内部抵抗値R1の変化率RRを算出するように構成される。例えば、前述の実施形態と同様に、コントローラ14は、電流値および電圧値に基づいて内部抵抗値R1を算出するように構成される。コントローラ14は、内部抵抗値R1から第2基準抵抗値R4を減算することで内部抵抗値R1の変化量ΔRを算出するように構成される。さらに、コントローラ14は、第2基準抵抗値R4により変化量ΔRを除算することで変化率RRを算出するように構成される。
【0141】
また、コントローラ14は、比率閾値TH3を算出するように構成される(ステップS37)。コントローラ14は、抵抗閾値TH1から第2基準抵抗値R4を減算することで差分閾値TH2を算出するように構成される。さらに、コントローラ14は、第2基準抵抗値R4により差分閾値TH2を除算することで比率閾値TH3を算出するように構成される。
【0142】
コントローラ14は、比率閾値TH3を補正するように構成される(ステップS39)。例えば、コントローラ14は、内部抵抗値R1および初期内部抵抗値R0に基づいて、抵抗閾値TH1を補正するように構成される。コントローラ14は、補正された抵抗閾値TH1から第2基準抵抗値R4を減算することで差分閾値TH2を算出するように構成される。コントローラ14は、差分閾値TH2を用いて比率閾値TH3を算出するように構成される。こうして、比率閾値TH3が補正される。
【0143】
内部抵抗値R1の変化率RRが補正された比率閾値TH3より大きい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であるとコントローラ14により判定される(ステップS40)。内部抵抗値R1の変化率RRが補正された比率閾値TH3よりも小さい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないとコントローラ14により判定される。
【0144】
なお、前述の実施形態では、バッテリ状態判定装置13においてステップS1~S16が実行されるが、以下に説明するように、ステップS1~S16の少なくとも一部が外部装置30(例えば、サーバ31)で実行されてもよい。
【0145】
例えば、
図10に示す第3変形例に係るバッテリ状態判定システム302では、
図11および
図12に示すように、サーバ331においてステップS10、S11、およびS14が実行される。
図10に示すように、バッテリ状態判定システム302は、バッテリ状態判定装置313およびユーザ端末41を含む。バッテリ状態判定装置313は、バッテリ管理装置311およびサーバ331を備える。バッテリ管理装置311の基本構成は、バッテリ状態判定装置13の基本構成と実質的に同じである。サーバ331の基本構成は、サーバ31の基本構成と実質的に同じである。サーバ331がバッテリ状態判定を実行するので、サーバ331をバッテリ状態判定装置とも称し得る。
【0146】
図10に示すように、バッテリ状態判定システム302およびバッテリ状態判定装置313は、コントローラ350を備える。第3変形例では、コントローラ350は、本体装置10および外部装置30の一方に含まれる第1コントローラ332と、本体装置10および外部装置30の他方に含まれる第2コントローラ314と、を含む。第3変形例では、第1コントローラ332はサーバ331に含まれ、第2コントローラ314は本体装置10に含まれる。第1コントローラ332は、サーバ31のコントローラ32と実質的に同じ構成を有する。第2コントローラ314は、バッテリ状態判定装置13のコントローラ14と実質的に同じ構成を有する。
【0147】
バッテリ状態判定プログラムの一部は、サーバ331の第1コントローラ332のメモリ32Mに記憶され、第1コントローラ332のプロセッサ32Pにより読み込まれることで、サーバ331によりステップS10、S11、およびS14が実行される。
【0148】
第1コントローラ332は、内部抵抗値R1、内部抵抗値R1の変化量ΔR、および内部抵抗値R1の変化率RRの少なくとも1つを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。第3変形例では、第1コントローラ332は、内部抵抗値R1を判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。しかし、第1変形例および第2変形例と同様に、第1コントローラ332は、内部抵抗値R1、内部抵抗値R1の変化量ΔR、および内部抵抗値R1の変化率RRの少なくとも1つを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成されてもよい。
【0149】
第3変形例では、第1コントローラ332は、充電可能バッテリ11が充電不足であることを示す充電不足判定結果BRを第2コントローラ314に送信するように構成される。第2コントローラ314は、充電不足判定結果BRをバッテリ状態判定システム2のユーザに報知するように構成される。第2コントローラ314は、充電不足判定結果BRをバッテリ状態判定システム2のユーザに報知するように報知装置26を制御するように構成される。
【0150】
図10~
図12に示すように、バッテリ管理装置311は、ステップS1~S9を実行することで内部抵抗値R1および判定閾値TH(例えば、抵抗閾値TH1)を取得する(ステップS1~S9)。バッテリ管理装置311は、内部抵抗値R1および判定閾値TH(例えば、抵抗閾値TH1)をサーバ331へ送信する(ステップS309)。サーバ331は、ステップS10を実行することで、充電可能バッテリ11が充電不足であるか否かを判定する(ステップS10)。サーバ331は、充電可能バッテリ11が充電不足であると判定する場合、充電不足判定結果BRをバッテリ管理装置311およびユーザ端末41へ送信する(ステップS316)。バッテリ管理装置311の報知装置26は、充電不足判定結果BRに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足を報知する(ステップS15)。ユーザ端末41は、充電不足判定結果BRに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足を表示する(ステップS17)。
【0151】
また、
図13に示す第4変形例に係るバッテリ状態判定システム402では、
図14に示すように、サーバ431においてステップS7~S11およびS14が実行される。
図13に示すように、バッテリ状態判定システム402は、バッテリ状態判定装置413およびユーザ端末41を含む。バッテリ状態判定装置413は、バッテリ管理装置411およびサーバ431を備える。バッテリ管理装置411の基本構成は、バッテリ状態判定装置13の基本構成と実質的に同じである。サーバ431の基本構成は、サーバ31の基本構成と実質的に同じである。サーバ431がバッテリ状態判定を実行するので、サーバ431をバッテリ状態判定装置とも称し得る。
【0152】
図13に示すうように、バッテリ状態判定システム402およびバッテリ状態判定装置313は、コントローラ450を備える。第4変形例では、第3変形例と同様に、コントローラ450は、本体装置10および外部装置30の一方に含まれる第1コントローラ432と、本体装置10および外部装置30の他方に含まれる第2コントローラ414と、を含む。第1コントローラ432はサーバ431に含まれ、第2コントローラ414は本体装置10に含まれる。第1コントローラ432は、サーバ31のコントローラ32と実質的に同じ構成を有する。第2コントローラ414は、バッテリ状態判定装置13のコントローラ14と実質的に同じ構成を有する。
【0153】
バッテリ状態判定プログラムの一部は、サーバ431の第1コントローラ432のメモリ32Mに記憶され、第1コントローラ432のプロセッサ32Pにより読み込まれることで、サーバ431によりステップS7~S11およびS14が実行される。
【0154】
第1コントローラ432は、内部抵抗値R1、内部抵抗値R1の変化量ΔR、および内部抵抗値R1の変化率RRの少なくとも1つを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。第4変形例では、第1コントローラ432は、内部抵抗値R1を判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。しかし、第1変形例および第2変形例と同様に、第1コントローラ432は、内部抵抗値R1、内部抵抗値R1の変化量ΔR、および内部抵抗値R1の変化率RRの少なくとも1つを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成されてもよい。
【0155】
第4変形例では、第1コントローラ432は、充電可能バッテリ11が充電不足であることを示す充電不足判定結果BRを第2コントローラ414に送信するように構成される。第2コントローラ414は、充電不足判定結果BRをバッテリ状態判定システム2のユーザに報知するように構成される。第2コントローラ414は、充電不足判定結果BRをバッテリ状態判定システム2のユーザに報知するように報知装置26を制御するように構成される。
【0156】
図13~
図15に示すように、バッテリ管理装置411は、ステップS1~S6を実行することで内部抵抗値R1および判定閾値TH(例えば、抵抗閾値TH1)を取得するために必要なデータ(例えば、電流値、電圧値、負荷情報、バッテリ情報、および猶予時間)を取得する。バッテリ管理装置411からサーバ431へデータが送信される(ステップS409)。サーバ431は、バッテリ管理装置411から取得したデータに基づいて内部抵抗値R1および判定閾値TH(例えば、抵抗閾値TH1)を算出する(ステップS7~S9)。サーバ431は、ステップS10を実行することで、充電可能バッテリ11が充電不足であるか否かを判定する(ステップS10)。サーバ431は、充電可能バッテリ11が充電不足であると判定する場合、充電不足判定結果BRをバッテリ管理装置411およびユーザ端末41へ送信する(ステップS416)。バッテリ管理装置411の報知装置26は、充電不足判定結果BRに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足を報知する(ステップS15)。ユーザ端末41は、充電不足判定結果BRに基づいて充電可能バッテリ11の充電不足を表示する(ステップS17)。
【0157】
なお、前述の実施形態および第1~第4変形例に係るバッテリ状態判定システム2、302および402、バッテリ状態判定方法、およびバッテリ状態判定プログラムでは、負荷12の停止中に充電可能バッテリ11を強制的に放電させることで内部抵抗値R1が算出される。しかし、負荷12が稼働中において充電可能バッテリ11が負荷12へ電気を供給する際(すなわち、充電可能バッテリ11が放電する際)に取得される電流値および電圧値に基づいて内部抵抗値R1が算出されてもよい。
【0158】
また、
図2の横軸は、放電量以外に、経過時間や日数、あるいは、予め算出した初期容量および放電量から算出された充電率(SOC:State of Charge)が用いられてもよい。
【0159】
また、前述の実施形態および変形例では、コントローラ14は、充電可能バッテリ11に電気的に接続される負荷12を始動できる充電可能バッテリ11の限界の放電量である始動限界放電量DLに基づいて判定閾値THを算出するように構成される。コントローラ14は、始動限界放電量DLに基づいて抵抗閾値TH1を算出するように構成される。しかし、コントローラ14は、負荷12の始動に必要な最低電圧値VMに基づいて判定閾値THを算出するように構成されてもよい。この場合、判定閾値THは、電圧閾値TH5を含む。コントローラ14は、最低電圧値VMに基づいて電圧閾値TH5を算出するように構成される。コントローラ14は、前述の差分放電量ΔDに相当する差分電圧値ΔVを算出し、最低電圧値VMに差分電圧値ΔVを加算することで電圧閾値TH5を算出するように構成される。
【0160】
判定閾値THとして電圧閾値TH5が用いられる場合、コントローラ14は、充電可能バッテリ11の電圧に関する情報を判定閾値TH(この場合、電圧閾値TH5)と比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。充電可能バッテリ11の電圧に関する情報は、例えば、充電可能バッテリ11の放電性能SOF(State of Function)および放電性能SOFの傾きを含む。
【0161】
電圧に関する情報として放電性能SOFが用いられる場合、コントローラ14は、放電性能SOFが電圧閾値TH5より小さい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される。コントローラ14は、放電性能SOFが電圧閾値TH5より大きい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成される。コントローラ14は、放電性能SOFが電圧閾値TH5と等しい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される。しかし、コントローラ14が、放電性能SOFが電圧閾値TH5と等しい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成されてもよい。
【0162】
例えば、コントローラ14は、開回路電圧OCV、内部抵抗値R1、および負荷12の始動に必要な最低電流値AMに基づいて放電性能SOFを算出するように構成される。最低電流値AMは、例えば、最新の最低電流値が用いられる。コントローラ14は、以下の式(5)に基づいて放電性能SOFを算出するように構成される。
【0163】
SOF=OCV+R1×AM ・・・(5)
さらに、電圧に関する情報として放電性能SOFの傾き(単位時間あたりの放電性能SOFの変化量)が用いられる場合、コントローラ14は、式(5)に基づいて所定の周期で放電性能SOFを算出し、前回の放電性能SOFと最新の放電性能SOFとの差分を放電性能SOFの傾きとして算出する。コントローラ14は、放電性能SOFの傾きを判定閾値TH(例えば、傾き閾値TH6)と比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するように構成される。具体的には、コントローラ14は、放電性能SOFの傾きが傾き閾値TH6より大きい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される。コントローラ14は、放電性能SOFの傾きが傾き閾値TH6より小さい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成される。コントローラ14は、放電性能SOFの傾きが傾き閾値TH6と等しい場合に充電可能バッテリ11が充電不足であると判定するように構成される。しかし、コントローラ14が、放電性能SOFの傾きが傾き閾値TH6と等しい場合に充電可能バッテリ11は充電不足ではないと判定するように構成されてもよい。
【0164】
前述の実施形態および第1~第4変形例に係るバッテリ状態判定システム2、302および402、バッテリ状態判定方法、およびバッテリ状態判定プログラムが、様々なユーザからデータを収集し、閾値および関係情報(関係式およびマップ等)などの情報の精度が向上するように学習するように構成されてもよい。
【0165】
前述の第3および第4変形例では、外部装置30は本体装置10のみから情報を受信しているが、外部装置30が複数の本体装置から情報を受信し、その情報を用いて内部抵抗値および判定閾値の少なくとも1つの学習処理を実行してもよい。この場合、例えば、
図16に示すように、外部装置30は、第1コントローラ432を含む。第1コントローラ432は、内部抵抗値R1および判定閾値THの少なくとも1つを算出するために用いられる算出情報INFを複数の本体装置10Aおよび10Bから取得するように構成される。第1コントローラ432は、算出情報INFに基づいて学習処理を実行するように構成される。例えば、第1コントローラ432は、バッテリ管理装置411の第2コントローラ414から、内部抵抗値R1および判定閾値THを取得するために必要なデータ(例えば、電流値、電圧値、負荷情報、バッテリ情報、および猶予時間)を算出情報INFとして本体装置10Aおよび10Bから取得する。第1コントローラ432は、本体装置10Aおよび10Bから取得した算出情報INFに基づいて充電可能バッテリ11の種類ごとの放電量および内部抵抗値の少なくとも1つを算出したり、あるいは、算出情報INFに含まれる充電可能バッテリ11の種類ごとの放電量および内部抵抗値の少なくとも1つを取得したりすることで、充電可能バッテリ11の放電量と充電可能バッテリ11の内部抵抗との関係を示す関係情報RS(例えば、
図2参照)に対して学習処理を実行し、関係情報RSを更新する。第1コントローラ432は、更新された関係情報RSを用いて判定閾値THを算出する。これにより、内部抵抗値R1および判定閾値THの少なくとも1つの算出精度を複数の車両10Aおよび10Bから取得したデータに基づいて高めることができ、充電不足の判定精度をより確実に高めることができる。
図16に示す変形例は、
図10に示す第3変形例およびその他の変形例にも適用可能である。また、車両の総数は、3つ以上であってもよい。
【0166】
また、前述の実施形態および第1~第4変形例に係るバッテリ状態判定システム2、302および402、バッテリ状態判定方法、およびバッテリ状態判定プログラムでは、始動限界に関する情報(例えば、始動限界放電量DL、最低電圧値VM、最低電流値AM等)をコントローラ14が算出および/または記憶しているが、始動限界に関する情報を複数の装置(複数の本体装置または複数の外部装置)から取得して、取得した始動限界に関する情報を用いて必要な数値を算出し充電不足の判定を行ってもよい。例えば、コントローラ14が、複数の本体装置から取得した始動限界に関する情報に基づいて放電性能SOFの算出式から内部抵抗値R1を算出し、関係式およびマップなどの関係情報を用いて始動限界放電量DLを算出してもよい。また、あらかじめ計測した基準とする始動限界時の放電量、電流電圧を第1コントローラ432に保持させておき、車両毎の始動時の電流電圧を計測し、それらと基準との関係性を示す特徴量を使って車両の始動限界放電量DLを決定してもよい。さらに、始動限界放電量DLまたは始動限界放電量DLに放電量閾値DTを加味した値を用いて、前述の関係情報RSによって抵抗閾値TH1を算出してもよい。
【0167】
また、前述の実施形態および第1~第4変形例に係るバッテリ状態判定システム2、302および402、バッテリ状態判定方法、およびバッテリ状態判定プログラムにおいて、サーバ31、331および431以外に、バッテリ状態判定方法の一部の処理を実行する別のサーバが設けられてもよい。
【0168】
また、
図4、
図7および
図9に示すフローチャートの少なくとも2つを組み合わせることで、内部抵抗値R1、内部抵抗値R1の変化量ΔR、および内部抵抗値R1の変化率RRの少なくとも1つを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するようにコントローラ14を構成し得る。例えば、
図4、
図7および
図9に示すフローチャートを組み合わせることで、内部抵抗値R1、内部抵抗値R1の変化量ΔR、および内部抵抗値R1の変化率RRを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するようにコントローラ14を構成し得る。
図4および
図7に示すフローチャートを組み合わせることで、内部抵抗値R1および内部抵抗値R1の変化量ΔRを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するようにコントローラ14を構成し得る。
図4および
図9に示すフローチャートを組み合わせることで、内部抵抗値R1および内部抵抗値R1の変化率RRを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するようにコントローラ14を構成し得る。
図7および
図9に示すフローチャートを組み合わせることで、内部抵抗値R1の変化量ΔRおよび内部抵抗値R1の変化率RRを判定閾値THと比較することで充電可能バッテリ11の充電不足を判定するようにコントローラ14を構成し得る。
【0169】
なお、前述の実施形態および第1~第4変形例に係るバッテリ状態判定システム2、302および402、バッテリ状態判定方法、およびバッテリ状態判定プログラムは、例えば、個人が所有する車両、レンタカーとして使用される車両、およびカーシェアリングに利用される車両に適用可能である。個人が所有する車両にバッテリ状態判定システム2、302および402の少なくとも1つが適用される場合、例えば、ユーザ端末41は、車両の所有者またはドライバーが車両に搭載される充電可能バッテリ11の充電不足を監視するために使用される。レンタカーとして使用される車両にバッテリ状態判定システム2、302および402の少なくとも1つが適用される場合、例えば、ユーザ端末41は、レンタカー会社およびそのスタッフが、貸し出した車両に搭載される充電可能バッテリ11の充電不足を監視するために使用される。また、カーシェアリングに利用される車両にバッテリ状態判定システム2、302および402の少なくとも1つが適用される場合、例えば、ユーザ端末41は、カーシェアリング会社およびそのスタッフが、シェアされる車両に搭載される充電可能バッテリ11の充電不足を監視するために使用される。
【0170】
また、前述の実施形態および第1~第5変形例に係るバッテリ状態判定システム2、302および402、バッテリ状態判定方法、およびバッテリ状態判定プログラムは、車両以外の装置にも適用可能である。例えば、太陽光発電システムなどで発電された電気を蓄積しておく充電可能バッテリ11の監視にも利用可能である。
【0171】
なお、本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0172】
本願において、「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在していることを暗に意味しているわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在していることを暗に意味しているわけではない。
【0173】
程度を表す「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言は、最終結果が大きく変わらないような合理的なずれ量を意味し得る。本願に記載される全ての数値は、「実質的に」、「約」、および「およそ」などの文言を含むように解釈され得る。
【0174】
また、本開示における「AおよびBのうち少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、および(3)AおよびBの両方、のいずれも包含している。「A、BおよびCのうち少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、(3)Cのみ、(4)AおよびB、(5)BおよびC、(6)AおよびC、(7)A、BおよびCの全て、のいずれも包含している。本開示では、「AおよびBのうち少なくとも1つ」という表現は、「Aのうち少なくとも1つおよびBのうち少なくとも1つ」とは解釈されない。
【0175】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。
【符号の説明】
【0176】
2、302、402:バッテリ状態判定システム
10 :本体装置
11 :充電可能バッテリ
12 :負荷
13、313、413:バッテリ状態判定装置
14、350、450:コントローラ
15 :充電回路
16 :電流センサ
18 :電圧センサ
19 :放電回路
20 :インターフェース
30 :外部装置
31、331、431:サーバ
32 :コントローラ
41 :ユーザ端末
42 :コントローラ
311 :バッテリ管理装置
332、432:第1コントローラ
314、414:第2コントローラ
TH :判定閾値
TH1 :抵抗閾値
TH2 :差分閾値
TH3 :比率閾値