(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154412
(43)【公開日】2023-10-19
(54)【発明の名称】ガス送達アセンブリおよびそれを備える反応器システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20231012BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20231012BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20231012BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/31 C
C23C16/455
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023060133
(22)【出願日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】63/327,910
(32)【優先日】2022-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・フィッツジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ルチク・バット
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA05
4K030EA06
4K030FA01
4K030GA02
4K030KA26
4K030KA30
4K030KA46
4K030KA47
4K030LA15
5F045AA08
5F045AF02
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5F045EK07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】活性種のより均一な分布を提供するためのガス送達アセンブリおよびガス送達システムを含む改善された反応器システムを提供する。
【解決手段】反応器システム100は、遠隔プラズマユニット116と、遠隔プラズマユニットの出口に流体結合され、第1の端部より断面寸法の大きい第2の端部を含む輸送管120と、第2の端部に結合され、上部プレート110と上部プレートに結合されたシャワーヘッドプレート112との間にプレナム領域118を備えるシャワーヘッドアセンブリ106と、プレナム領域と第2の端部との間に介在され、第1の領域と第1の領域の半径方向外側に第2の領域と、を備え、第2の領域の流体コンダクタンスが第1の領域の流体コンダクタンスよりも大きいバッフル122と、シャワーヘッドプレートに隣接する反応チャンバ104と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス送達アセンブリであって、
輸送管であって、
第1の端部の断面寸法を有する第1の端部と、
第2の端部の断面寸法を有する第2の端部と、を備え、
前記第1の端部の断面寸法が、前記第2の端部の断面寸法よりも小さい、輸送管と、
前記第2の端部に結合されたシャワーヘッドアセンブリであって、
上部プレートと、
前記上部プレートに結合されたシャワーヘッドプレートと、
前記上部プレートと前記シャワーヘッドプレートとの間のプレナム領域と、を備えるシャワーヘッドアセンブリと、
前記プレナム領域と前記第2の端部との間に介在されるバッフルであって、
第1の領域と、
前記第1の領域の半径方向外側に第2の領域と、を含み、
前記第2の領域の流体コンダクタンスが、前記第1の領域の流体コンダクタンスよりも大きい、バッフルと、を備えるガス送達アセンブリ。
【請求項2】
前記第2の端部および前記上部プレートに結合された第1のフランジをさらに備える、請求項1に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項3】
前記第1のフランジが前記第2の端部に溶接される、請求項2に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項4】
前記バッフルが前記第1のフランジに溶接される、請求項2に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項5】
前記第1のフランジが、第1のフランジ冷却流体チャネルを含む、請求項2に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の端部に結合された第2のフランジをさらに備える、請求項1に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項7】
前記第2のフランジが、第2のフランジ冷却流体チャネルを含む、請求項6に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の領域が、複数の穴を貫通する実質的に円筒形部分を備える、請求項1に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項9】
前記第2の領域が、複数の弓状の領域を含む、請求項1に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項10】
前記上部プレートが、上部プレート導管およびその中にヒータを備える、請求項1に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項11】
前記輸送管が、前記輸送管の内面上に管コーティングをさらに含む、請求項1に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項12】
前記管コーティングが、酸化アルミニウム、無電解ニッケルリン、および酸化イットリウムからなる群から選択される材料を含む、請求項11に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項13】
前記バッフルが、前記バッフルの表面上にバッフルコーティングをさらに含む、請求項1に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項14】
前記バッフルコーティングが、酸化アルミニウム、無電解ニッケルリン、および酸化イットリウムからなる群から選択される材料を含む、請求項13に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項15】
前記輸送管が、第1の実質的に直線のセクションおよび隣接する第2の先細りのセクションを含む、請求項1に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項16】
反応器システムであって、
遠隔プラズマユニットと、
前記遠隔プラズマユニットの出口に流体結合された輸送管であって、
第1の端部の断面寸法を有する第1の端部と、
第2の端部の断面寸法を有する第2の端部と、を備え、
前記第1の端部の断面寸法が、前記第2の端部の断面寸法よりも小さい、輸送管と、
前記第2の端部に結合されたシャワーヘッドアセンブリであって、
上部プレートと、
前記上部プレートに結合されたシャワーヘッドプレートと、
前記上部プレートと前記シャワーヘッドプレートとの間のプレナム領域と、を備えるシャワーヘッドアセンブリと、
前記プレナム領域と前記第2の端部との間に介在されるバッフルであって、
第1の領域と、
前記第1の領域の半径方向外側に第2の領域と、を備え、
前記第2の領域の流体コンダクタンスが、前記第1の領域の流体コンダクタンスよりも大きい、バッフルと、
前記シャワーヘッドプレートに隣接する反応チャンバと、を備える、反応器システム。
【請求項17】
前記輸送管が、酸化アルミニウム、無電解ニッケルリン、および酸化イットリウムからなる群から選択される材料で被覆される、請求項16に記載の反応器システム。
【請求項18】
ガス送達アセンブリであって、
輸送管であって、
第1の端部の断面寸法を有する第1の端部と、
第2の端部の断面寸法を有する第2の端部と、を備え、
前記第1の端部の断面寸法が前記第2の端部の断面寸法よりも小さい輸送管と、
前記第2の端部に結合されたシャワーヘッドアセンブリであって、
上部プレートと、
前記上部プレートに結合されたシャワーヘッドプレートと、
前記上部プレートと前記シャワーヘッドプレートとの間のプレナム領域と、を備えるシャワーヘッドアセンブリと、
前記プレナム領域と前記第2の端部との間に介在されるバッフルを備える、ガス送達アセンブリ。
【請求項19】
第1のフランジ冷却流体チャネルを含む第1のフランジを備える、請求項18に記載のガス送達アセンブリ。
【請求項20】
第2のフランジ冷却流体チャネルを含む第2のフランジを含む、請求項18に記載のガス送達アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、反応チャンバにガスを提供するためのアセンブリおよび気相反応器システムに関する。より具体的には、本開示は、活性種を反応チャンバおよびガス送達アセンブリを含む反応器システムに提供するのに適したガス送達アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
反応器システムは、多くの場合、半導体デバイスなどの電子デバイスの製造中に使用される。いくつかの製造工程については、例えば、活性種の助けを借りない、所望の反応の温度と比較して、比較的低温で所望の反応が起こるように、ラジカルなどの活性種を形成することが望ましい場合がある。
【0003】
例えば、水素ラジカルを使用して、反応チャンバ内の基材の表面を比較的低い温度で処理することができる。こうした処理は、クリーニング、所望の表面終端の提供、および/または基材表面からの天然酸化物の除去を含んでもよい。
【0004】
一般的に、活性種を用いた表面処理の間、反応チャンバ内の基材の表面に提供される活性種の均一な分布を有し、基材表面にわたって均一な処理を提供することが望ましい。活性種の均一な分布を提供する1つのアプローチは、シャワーヘッドデバイスの使用を含む。しかしながら、水素ラジカルなどの活性種は、その質量が低いため拡散速度が低く、水素ラジカルは、シャワーヘッドデバイス内の表面などの表面と衝突した後に再結合する傾向がある。結果として、典型的なシャワーヘッドデバイスでは、水素ラジカルは容易に再結合することができ、基材表面へのラジカルの分布が不均一となってしまう。
【0005】
したがって、活性種のより均一な分布を提供するための改善されたアセンブリおよびシステムが望まれる。
【発明の概要】
【0006】
本開示の様々な実施形態は、活性種(例えば、水素ラジカル)を基材の表面に供給するための改善されたアセンブリおよびシステムを提供する。例示的な方法およびシステムを使用して、炭素含有材料および/または酸素含有材料を基材の表面から除去し、および/または酸化コバルトなどの金属酸化物を低減することができる。様々な欠点がある従来技術の方法が以下でより詳細に論じられるが、概ね、本明細書に記載されるアセンブリおよびシステムは、基材の表面全体に活性種を比較的高濃度および/または均一に分配することができる。
【0007】
本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、ガス送達アセンブリは、輸送管、シャワーヘッドアセンブリ、およびバッフルを含む。これらの実施形態の態様によれば、輸送管は、第1の端部の断面寸法を有する第1の端部と、第2の端部の断面寸法を有する第2の端部を含み、第1の端部の断面寸法は、第2の端部の断面寸法よりも小さい。さらなる態様によれば、シャワーヘッドアセンブリは、輸送管の第2の端部に結合される。シャワーヘッドアセンブリは、上部プレート、上部プレートに結合されたシャワーヘッドプレート、および上部プレートとシャワーヘッドプレートとの間のプレナム領域を含む。さらなる態様によれば、バッフルは、プレナム領域と第2の端部との間に介在される。例示的なバッフルは、第1の領域および第1の領域の半径方向外側の第2の領域を含み、第2の領域の流体コンダクタンスは、第1の領域の流体コンダクタンスよりも大きい。ガス送達アセンブリは、第2の端部および上部プレートに結合された第1のフランジをさらに含んでもよい。第1のフランジは、第1のフランジ冷却流体チャネルを含んでもよい。ガス送達アセンブリは、第1の端部に結合された第2のフランジをさらに含んでもよい。第2のフランジは、第2のフランジ冷却流体チャネルを含んでもよい。一つまたは複数の輸送管およびバッフルは、コーティングを含んでもよい。コーティングは、ラジカルの再結合を軽減するように構成され得る。
【0008】
本開示の追加的実施形態によると、反応器システムは、遠隔プラズマユニット、反応チャンバ、およびガス送達アセンブリを含む。ガス送達アセンブリは、本明細書に記載されるとおりであってもよい。
【0009】
これらのおよび他の実施形態は、添付の図面を参照する以下の詳細な特定の実施形態から、当業者には容易に明らかとなることになり、本発明は、開示されるいかなる特定の実施形態にも限定されないことになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の実施形態のより完全な理解は、以下の例示的な図面に関連して考慮される場合、詳細な説明および特許請求の範囲を参照することによって得られる場合がある。
【0011】
【
図1】本開示の少なくとも1つの実施形態による反応器システムを図示する。
【
図2】
図1の反応器システムの一部分の拡大図を図示する。
【
図3】
図1の反応器システムの一部分の拡大図を示す。
【
図4】本開示の少なくとも1つの実施形態によるガス送達アセンブリの一部分を図示する。
【
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態による
図4のガス送達アセンブリの一部分を図示する。
【
図6】本開示の少なくとも1つの実施形態による
図4のガス送達アセンブリの一部分を図示する。
【
図7】本開示の少なくとも1つの実施形態によるバッフルを図示する。
【0012】
当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図面中のいくつかの要素の寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上に役立つために、他の要素に対して誇張されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に提供されるアセンブリおよびシステムの例示的な実施形態の説明は、単なる例示であり、例示のみを目的としている。以下の説明は、本開示の範囲又は特許請求の範囲を限定するものではない。さらに、述べられた特徴を有する複数の実施形態の列挙は、追加的な特徴を有する他の実施形態、または述べられた特徴の異なる組み合わせを組み込む他の実施形態を除外することを意図していない。
【0014】
以下により詳細に説明するように、本明細書に記載の例示的なアセンブリおよびシステムを、電子デバイス、例えば半導体デバイスの製造に使用することができる。特に、例示的なシステムは、特に比較的低いプロセス温度が望ましい場合に、様々な用途で使用するための基材の表面に比較的高い、および/または均一な濃度の活性種(例えば、水素に由来する)を提供するように使用され得る。
【0015】
加工温度の低下は、基材上のまたは他の層の劣化または損傷を最小化または低減するために望ましい場合がある。遠隔のプラズマ源によって生成される水素ラジカルなどの活性種は、200℃、250℃、300℃、または350℃未満などの比較的低温での材料の減少を可能にすることができる。低温処理は、基材上の材料の完全性および連続性の維持を容易にし、そうでない場合に、例えば、基材内の他の層に起こり得る損傷を低減することができる。水素ラジカルを使用して、金属酸化物を金属に還元することができる。水素ラジカルはまた、基材の表面から、炭素などの汚染物を取り除くためにも使用され得る。追加的または代替的に、水素ラジカルを使用して、例えば、後続の処理のための、所望の表面終端を提供することができる。さらに、水素ラジカルは比較的低い運動エネルギーを有し、それによってプロセス中の基材損傷を軽減する。本開示の様々な実施形態は、例えば、表面処理のために、水素ラジカルなどの活性種を基材に輸送するためのアセンブリおよびシステムを提供する。
【0016】
本明細書で使用する用語「基材」は、上に層を堆積させることができる任意の下層材料または材料を指すことができる。基材は、バルク材料、例えば、シリコン(例えば単結晶シリコン)、または他の半導体材料を含むことができ、および一つまたは複数の層、例えばバルク材料の上または下にある自然酸化物または別の層を含むことができる。さらに、基材は、様々なトポロジー、例えば基材の層および/またはバルク材料の少なくとも一部分内または上に形成される凹部、ライン等を含むことができる。特定の例として、基材は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ゲルマニウムスズ(GeSn)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコンゲルマニウムスズ(SiGeSn)、炭化シリコン(SiC)、またはIII-V族の半導体材料、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、もしくは窒化ガリウム(GaN)を含む一つまたは複数の材料を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、基材は、酸化物、窒化物、または酸窒化物を含む一つまたは複数の誘電体材料を含むことができるが、これらに限定されない。例えば、基材は、酸化ケイ素(例えば、SiO2)、金属酸化物(例えば、Al2O3)、窒化ケイ素(例えば、Si3N4)、または酸窒化ケイ素を含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、基材は、表面半導体層がバルク材料上に配置され、介在する埋め込み酸化物(BOX)がその間に配置される加工基材を含むことができる。パターン形成された基材は、基材の表面内または表面上に形成された機能部を含むことができ、例えば、パターン形成された基材は部分的に製造された半導体デバイス構造体、例えばトランジスタおよび/またはメモリ素子を含むことができる。一部の事例では、基材は、銅、コバルトなどの金属を含む層を含む。
【0017】
本明細書で使用する用語「膜」は、任意の連続的または非連続的な構造体および材料、例えば本明細書に開示の方法により堆積させた材料を指すことができる。例えば、「膜」としては、2D材料、または部分的もしくは完全な分子層、または部分的もしくは完全な原子層、または原子および/もしくは分子のクラスターを挙げることができる。膜は、ピンホールを有する材料を含むことができるが、少なくとも部分的に連続的である。用語「膜」と「層」は、同じ意味で使用されることができる。
【0018】
この開示では、ガスは、常温および常圧における気体、気化した固体、および/または気化した液体である材料を含んでもよく、また状況に依存して単一の気体または気体の混合物で構成されてもよい。
【0019】
さらにこの開示では、変数の任意の2つの数字は、その変数の実行可能な範囲を構成することができ、また示される任意の範囲は、端点を含んでもよく、または除外してもよい。さらに、一部の実施形態において、示される変数の任意の値は、(それらが約とともに示されているか否かにかかわらず、)正確な値またはおおよその値を指す場合があり、等価物を含んでもよく、平均値、中央値、代表値、大多数などを指す場合がある。さらに、一部の実施形態において、本開示において、含む、によって構成される、および、有するという用語は、典型的にまたは広く含む、含む、から本質的になる、または、から成る、を独立して指すことができる。本開示の態様によれば、用語のいかなる定義された意味も、その用語の通常の意味および慣習上の意味を必ずしも除外しない。
【0020】
ここで図を参照すると、
図1は本開示の例示的な実施形態による反応器システム100を示す。
図2および
図3は、反応器システム100の一部分の拡大図を示す。反応器システム100は、反応チャンバ104、ガス送達アセンブリ108、および遠隔プラズマユニット(RPU)116を含む、反応器102を含む。反応器システム100、ならびに本明細書に記載されるガス送達アセンブリは、反応器システムおよび/またはその構成要素内の活性種(例えば、水素ラジカル)に、より長い寿命を提供することができ、および/または活性種のより均一な分布および/または所望の分布を提供することができる。
【0021】
反応器102は、任意の適切な気相反応器であってもよく、またはそれらを含んでもよい。例として、反応器102は処理反応器であってもよく、または処理反応器を含んでもよい。図示したように、反応器102は、処理中に基材を支持するための基材支持体114を含んでもよい。
【0022】
反応チャンバ104は、少なくとも部分的に、基材が処理される空間を画定する。反応チャンバ104の下部または表面は、少なくとも部分的に、基材支持体114によって画定され得る。
【0023】
ガス送達アセンブリ108は、シャワーヘッドアセンブリ106、輸送管120、およびバッフル122を含む。ガス送達アセンブリ108は、遠隔プラズマユニット116から反応チャンバ104に活性種を提供する一方で、遠隔プラズマユニット内に形成されたラジカルの再結合を軽減するように構成される。さらに、ガス送達アセンブリ108は、遠隔プラズマユニット116と反応チャンバ104との間の任意の圧力降下を軽減しながら、活性種を提供することができる。
【0024】
シャワーヘッドアセンブリ106は、上部プレート110、上部プレート110に結合されたシャワーヘッドプレート112、および上部プレート110とシャワーヘッドプレート112との間にプレナム領域118を含む。上部プレート110は、金属などの任意の適切な材料から形成され得る。一例として、上部プレート110は、アルミニウム、例えば、様々なアルミニウムグレード(例えば、6000シリーズまたは5000シリーズ)、またはアルミニウム合金から形成されてもよく、それらのうちのいずれかは、異なる表面コーティングを含んでもよい。同様に、シャワーヘッドプレート112は、様々なアルミニウムグレード(例えば、6000シリーズまたは5000シリーズ)またはアルミ合金などの任意の適切な金属から、異なる表面コーティングを用いて形成することができる。上部プレート110はまた、上部プレート導管304およびヒータ306をその中に含むことができる。ヒータ306は、例えば、可撓性の抵抗ヒータであってもよい。熱電対308はまた、上部プレート110に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。
【0025】
シャワーヘッドプレート112は、プレナム領域118から反応チャンバ104への所望のガスの流れを促進するために、複数の穴202を含む。
【0026】
輸送管120は、遠隔プラズマユニット116内に形成された活性種を、ラジカルの再結合を軽減しながら、シャワーヘッドアセンブリ106のプレナム領域118に輸送するように構成される。輸送管120は、アルミニウム、例えば、6000または50000シリーズアルミニウムグレード、またはアルミニウム合金などの任意の適切な材料で、異なる表面コーティングを用いて形成することができる。輸送管120の内部表面524は、ラジカルの再結合をさらに緩和するために、酸化アルミニウム、無電解ニッケルリン、酸化イットリウムなどの管コーティングで被覆され得る。
【0027】
図1および
図4~
図6を参照すると、図示の例では、輸送管120は、第1の端部の断面寸法(例えば、第1の直径)404を有する第1の端部402と、第2の端部の断面寸法(例えば、第2の直径)504を有する第2の端部502とを含み、第1の端部の断面寸法404は、第2の端部の断面寸法504よりも小さい。第2の端部の断面寸法504は、第1の端部の断面寸法404よりも大きいため、再結合を軽減しながら、反応チャンバ104への活性種の流れを促進する。第2の端部502は、シャワーヘッドアセンブリ106に結合され得る。
【0028】
さらに図示するように、輸送管120は、第1のセクション406および隣接する第2のセクション408を含む。第1のセクション406は、実質的に真っ直ぐな中空の円筒形状とすることができる。第2のセクション408は、先細りまたは実質的に円錐台状の形状とすることができる。第1のセクション406および第2のセクション408は、単一本体として形成され得る。代替え的に、第1のセクション406および第2のセクション408は、一緒に密封可能に結合され得る。
【0029】
ガス送達アセンブリ108はまた、第1のフランジ410を含んでもよい。第1のフランジ410は、輸送管120の第2の端部502を上部プレート110に結合するために使用され得る。
図5および
図6に示すように、第1のフランジ410は、輸送管120の外面508と接触して輸送管120と第1のフランジ410との間にシールを形成する、内面506を含む。一部の事例では、第1のフランジ410(例えば、内面506)は、第2の端部502(例えば、外面508)に溶接される。
【0030】
第1のフランジ410はまた、上部プレート110と第1のフランジ410との間にシールを形成する底面512を含む。シールは、任意の適切な手段を使用して形成することができる。例えば、
図2に示すように、上部プレート110は、くぼみ208、210および封止部材204、206(例えば、Oリングなど)を含んで、上部プレート110と第1のフランジ410との間にシールを形成することができる。
【0031】
第1のフランジ410はまた、第1のフランジ冷却流体チャネル516を含んでもよい。第1のフランジ冷却流体チャネル516は、それを通って循環される冷却流体を有する冷却流体管518を受容するように構成されてもよく、および/または冷却流体チャネル516は、冷却流体を直接受容するように構成されてもよい。ガス送達アセンブリ108はまた、冷却流体管518を第1のフランジ冷却流体チャネル516内に保持するために、一つまたは複数のクリップ414などの一つまたは複数の締め具を含んでもよい。
【0032】
第1のフランジ410はまた、ボルトまたはねじなどの留め具212を受容するための複数の穴416を含んでもよい。締め具212は、第1のフランジ410を上部プレート110に連結するために使用することができる。
【0033】
ガス送達アセンブリ108はまた、第2のフランジ412を含んでもよい。第2のフランジ412は、輸送管120の第1の端部402を遠隔プラズマユニット116に連結するために使用することができる。
【0034】
第2のフランジ412は、輸送管120の外面604と接触して輸送管120と第2のフランジ412との間にシールを形成する内面602を含む。一部の事例では、第2のフランジ412(例えば、内面602)は、第1の端部402(例えば、外面604)に溶接することができる。
【0035】
第2のフランジ412はまた、遠隔プラズマユニット116と第2のフランジ412との間にシールを形成することができる上面606を含む。シールは、任意の適切な手段を使用して形成することができる。例えば、
図2および
図3に示すように、封止部材214(例えば、Oリングなど)を使用して、第2のフランジ412と遠隔プラズマユニット116との間にシールを形成することができる。
【0036】
第2のフランジ412は、第2のフランジ冷却流体チャネル520を含んでもよい。第2のフランジ冷却流体チャネル520は、冷却流体が内部を通って循環し得る冷却流体管522を受容するように構成されてもよく、および/または冷却流体を直接受容するように構成されてもよい。ガス送達アセンブリ108はまた、冷却流体管522を第2のフランジ冷却流体チャネル520内に保持するために、1つ以上のクリップ418などの1つまたは複数の締め具を含んでもよい。
【0037】
第2のフランジ412はまた、ボルトまたはねじなどの締め具302を受けるための複数の穴608を含んでもよい。締め具302は、第2のフランジ412を遠隔プラズマユニット116に結合するために使用することができ、その結果、輸送管120の第1の端部402は、遠隔プラズマユニット116の出口に流体的に結合される。
【0038】
バッフル122は、遠隔プラズマユニット116で生成された活性種をプレナム領域118に分配するように構成され得る。したがって、バッフル122は、プレナム領域118と第2の端部502との間に適切に介在され得る。バッフル122は、第1のフランジ410に密封可能に結合され得る。例えば、バッフル122を第1のフランジ410に溶接することができる。
【0039】
図7は、より詳細に例示的なバッフル122を示す。図示の例では、バッフル122は、第1の領域702と、第1の領域702の半径方向外側に配置される第2の領域704とを含む。活性種の所望の流れパターンを得るために、第2の領域704の流体コンダクタンスは、第1の領域702の流体コンダクタンスより大きくてもよい。
【0040】
第1の領域702は、複数の穴708を貫通する実質的に円筒形部分706を含んでもよい。第1の領域702は、活性種が反応チャンバ104内の基材の中心に向かって流れることを可能にするが、活性種の全てが基材の中心に向かって直接流れることを可能になるわけではないように構成され得る。穴708の数は、例えば、約10~約50または約20~約100の範囲とすることができる。各穴708のサイズは、約1~約7ミリメートルを範囲とすることができる。隣接する穴708の円周方向のピッチ(cp)は、放射状に変化してもよく、例えば、穴708は、中心712から離れた穴708の間隔に対して、バッフル122の中心712の近くで互いに近くなる。一部の事例では、穴708の放射状ピッチ(rp)は、比較的一定でもよい。
【0041】
第2の領域704は、実質的に中空の円筒形状を含んでもよい。図示の例では、第2の領域704は、複数の弓状または実質的に弓状の領域710を含む。弓状の領域の数は、例えば、約2~約4または約4~約8の範囲でありうる。
【0042】
バッフル122は、金属またはセラミック(例えば、サファイア、石英、融合シリカなど)などの任意の適切な材料で形成することができる。例示的な金属としては、本明細書に記載されるもの、アルミニウム合金、高融点金属などの様々なグレードのアルミニウムが挙げられる。一部の事例では、バッフル122は、バッフルの表面上にバッフルコーティングを含む。バッフルコーティングは、例えば、酸化アルミニウム、無電解ニッケルリン、酸化イットリウムなどでよく、またはこれらを含んでもよい。
【0043】
図1を再び参照すると、サセプタまたは基材支持体114は静止していてもよく、リフトピン(図示せず)を受容するように構成されてもよい。サセプタ114は、一つまたは複数のヒータおよび/または流体を冷却するための一つまたは複数の導管を含んでもよい。
【0044】
遠隔プラズマユニット116は、一つまたは複数のソースガス(例えば、H2などの水素含有ガス)から活性種(例えば、ラジカル)を生成する。次に、生成されたラジカルは、輸送管120を通して反応チャンバ104に入る。遠隔プラズマユニット116には、様々なRF周波数、例えば、100kHz、400kHz、2MHz、13.56MHz、60MHz、160MHzおよび/または2.45GHzのマイクロ波源で駆動される、トロイダル型のICP(誘導結合プラズマ)および/またはCCP(容量結合プラズマ)源、またはコイル式ICP源が含まれることができる。
【0045】
本開示の例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、本開示はそのように限定されないことを理解するべきである。例えば、システムおよびアセンブリは、水素ラジカルに関連して記載されているが、システムおよびアセンブリは、必ずしもこうしたラジカルとの使用に限定されない。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載のシステムおよび方法の様々な修正、変形、および強化がなされてもよい。
【外国語明細書】