IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 西日本技術開発株式会社の特許一覧 ▶ 九州電力株式会社の特許一覧 ▶ 一般財団法人電力中央研究所の特許一覧

特開2023-154566空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム
<>
  • 特開-空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム 図1
  • 特開-空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム 図2
  • 特開-空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム 図3
  • 特開-空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム 図4
  • 特開-空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム 図5
  • 特開-空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム 図6
  • 特開-空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム 図7
  • 特開-空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023154566
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20231013BHJP
   G01S 13/88 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G01V3/12 B
G01S13/88 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063971
(22)【出願日】2022-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】594162308
【氏名又は名称】西日本技術開発株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000164438
【氏名又は名称】九州電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000173809
【氏名又は名称】一般財団法人電力中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】楠 貞則
(72)【発明者】
【氏名】飯笹 真也
(72)【発明者】
【氏名】山田 智規
(72)【発明者】
【氏名】池田 博嗣
(72)【発明者】
【氏名】三浦 輝久
(72)【発明者】
【氏名】府川 和樹
【テーマコード(参考)】
2G105
5J070
【Fターム(参考)】
2G105AA02
2G105BB11
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE01
2G105FF13
2G105GG03
2G105LL02
5J070AC03
5J070AE11
5J070AH19
5J070AK39
5J070BG08
(57)【要約】
【課題】覆工コンクリートの空洞調査に要する時間の短縮、品質向上(バラツキ低減)、及び省人化を図ることができる空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラムを提供する。
【解決手段】空洞判定装置1は、計測点に電磁波を照射して得られる反射波のデータである計測データD1を入力する入力部31と、入力部31から入力される計測データD1から、反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行う前処理部32と、反射波の極値に関する極値データと、反射波が得られた計測点における空洞の有無を示す教師データとを用いて学習された、反射波の極値と空洞の有無との関係を示す学習済みモデルMDと、前処理部32で取得された極値データとを用いて、入力部31に入力された計測データが得られた計測点における空洞の有無を判定する判定部33と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測点に電磁波を照射して得られる反射波のデータである計測データを入力する入力部と、
前記入力部から入力される前記計測データから、前記反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行う前処理部と、
前記反射波の極値に関する極値データと、前記反射波が得られた計測点における空洞の有無を示す教師データとを用いて学習された、前記反射波の極値と前記空洞の有無との関係を示す学習済みモデルと、前記前処理部で取得された前記極値データとを用いて、前記入力部に入力された前記計測データが得られた計測点における空洞の有無を判定する判定部と、
を備える空洞判定装置。
【請求項2】
前記前処理部は、前記反射波の極値のうち、予め規定された閾値を超える大きさを有するものに関する前記極値データを取得する、請求項1記載の空洞判定装置。
【請求項3】
前記学習済みモデルは、少なくとも、1つの計測点で得られる前記反射波について正極性の極値と負極性の極値とが交互に出現する第1特徴量と、隣接する複数の計測点で得られる前記反射波の各々についての前記第1特徴量が計測点の方向に連続する第2特徴量と、前記空洞の有無との関係を学習したものであり、
前記判定部は、前記前処理部で取得された前記極値データについて、前記第1特徴量及び前記第2特徴量の有無を判定することにより、計測点における空洞の有無を判定する、
請求項2記載の空洞判定装置。
【請求項4】
前記極値データには、前記反射波の極値が現れる回数である極値出現回数を示すデータが含まれる、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の空洞判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、隣接する3つの計測点のうちの真ん中に位置する第1計測点における空洞の有無の判定結果が、他の2つの計測点である第2計測点における空洞の有無の判定結果と異なる場合には、前記第1計測点における空洞の有無の判定結果を、前記第2計測点における空洞の有無の判定結果に変更する、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の空洞判定装置。
【請求項6】
前記反射波の極値に関する極値データと、前記反射波が得られた計測点における空洞の有無を示す教師データとに基づいて、前記学習済みモデルを生成する生成部を備える、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の空洞判定装置。
【請求項7】
前記教師データは、隣接する複数の計測点で得られた前記反射波の極値に関する極値データに対して設定される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の空洞判定装置。
【請求項8】
入力部が、計測点に電磁波を照射して得られる反射波のデータである計測データを入力する入力ステップと、
前処理部が、前記入力部から入力される前記計測データから、前記反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行う前処理ステップと、
判定部が、前記反射波の極値に関する極値データと、前記反射波が得られた計測点における空洞の有無を示す教師データとを用いて学習された、前記反射波の極値と前記空洞の有無との関係を示す学習済みモデルと、前記前処理部で取得された前記極値データとを用いて、前記入力部に入力された前記計測データが得られた計測点における空洞の有無を判定する判定ステップと、
を有する空洞判定方法。
【請求項9】
コンピュータに、
計測点に電磁波を照射して得られる反射波のデータである計測データを入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された前記計測データから、前記反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行う前処理ステップと、
前記反射波の極値に関する極値データと、前記反射波が得られた計測点における空洞の有無を示す教師データとを用いて学習された、前記反射波の極値と前記空洞の有無との関係を示す学習済みモデルと、前記前処理ステップで取得された前記極値データとを用いて、前記入力ステップで入力された前記計測データが得られた計測点における空洞の有無を判定する判定ステップと、
を実行させるための空洞判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
トンネルの覆工背面に空洞が存在すると、突発的な崩落等が生じたりする可能性がある。このため、トンネルの保守管理を行う事業者によって、トンネルの覆工背面の空洞調査が、定期又は不定期に実施されている。近年、このような空洞調査の多くは、電磁波レーダ探査機を用いて行われている。
【0003】
電磁波レーダ探査機を用いた空洞調査は、計測点に電磁波を照射して得られる反射波を受信して電磁波レーダ反射波画像(レーダ画像)を生成し、そのレーダ画像を技術者が参照することによって行われる。以下の特許文献1,2には、このような電磁波レーダ探査機等を用いて覆工コンクリートの空洞調査を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-066236号公報
【特許文献2】特開2008-076386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電磁波レーダ探査機を用いた空洞調査では、ベテラン技術者が、取得したレーダ画像から空洞の有無を判定する作業を行っているが、この作業には長年の経験に基づくノウハウが必要になるとともに、データ確認のための多大な時間が必要になる。ここで、空洞調査を行う場合には、作業の効率化による調査期間の短縮が望まれている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、覆工コンクリートの空洞調査に要する時間の短縮、品質向上(バラツキ低減)、及び省人化を図ることができる空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様による空洞判定装置(1)は、計測点に電磁波を照射して得られる反射波のデータである計測データ(D1)を入力する入力部(31)と、前記入力部から入力される前記計測データから、前記反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行う前処理部(32)と、前記反射波の極値に関する極値データと、前記反射波が得られた計測点における空洞の有無を示す教師データ(D12)とを用いて学習された、前記反射波の極値と前記空洞の有無との関係を示す学習済みモデル(MD)と、前記前処理部で取得された前記極値データとを用いて、前記入力部に入力された前記計測データが得られた計測点における空洞の有無を判定する判定部(33)と、を備える。
【0008】
また、本発明の第2の態様による空洞判定装置は、第1の態様による空洞判定装置において、前記前処理部が、前記反射波の極値のうち、予め規定された閾値を超える大きさを有するものに関する前記極値データを取得する。
【0009】
また、本発明の第3の態様による空洞判定装置は、第1又は第2の態様による空洞判定装置において、前記学習済みモデルが、少なくとも、1つの計測点で得られる前記反射波について正極性の極値と負極性の極値とが交互に出現する第1特徴量と、隣接する複数の計測点で得られる前記反射波の各々についての前記第1特徴量が計測点の方向に連続する第2特徴量と、前記空洞の有無との関係を学習したものであり、前記判定部が、前記前処理部で取得された前記極値データについて、前記第1特徴量及び前記第2特徴量の有無を判定することにより、計測点における空洞の有無を判定する。
【0010】
また、本発明の第4の態様による空洞判定装置は、第1から第3の態様の何れかの態様による空洞判定装置において、前記極値データには、前記反射波の極値が現れる回数である極値出現回数を示すデータが含まれる。
【0011】
また、本発明の第5の態様による空洞判定装置は、第1から第4の態様の何れかの態様による空洞判定装置において、前記判定部が、隣接する3つの計測点のうちの真ん中に位置する第1計測点における空洞の有無の判定結果が、他の2つの計測点である第2計測点における空洞の有無の判定結果と異なる場合には、前記第1計測点における空洞の有無の判定結果を、前記第2計測点における空洞の有無の判定結果に変更する。
【0012】
また、本発明の第6の態様による空洞判定装置は、第1から第5の態様の何れかの態様による空洞判定装置において、前記反射波の極値に関する極値データと、前記反射波が得られた計測点における空洞の有無を示す教師データ(D12)とに基づいて、前記学習済みモデルを生成する生成部(23)を備える。
【0013】
また、本発明の第7の態様による空洞判定装置は、第1から第6の態様の何れかの態様による空洞判定装置において、前記教師データが、隣接する複数の計測点で得られた前記反射波の極値に関する極値データに対して設定される。
【0014】
本発明の一態様による空洞判定方法は、入力部(31)が、計測点に電磁波を照射して得られる反射波のデータである計測データ(D1)を入力する入力ステップ(S21)と、前処理部(32)が、前記入力部から入力される前記計測データから、前記反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行う前処理ステップ(S22)と、判定部(33)が、前記反射波の極値に関する極値データと、前記反射波が得られた計測点における空洞の有無を示す教師データ(D12)とを用いて学習された、前記反射波の極値と前記空洞の有無との関係を示す学習済みモデル(MD)と、前記前処理部で取得された前記極値データとを用いて、前記入力部に入力された前記計測データが得られた計測点における空洞の有無を判定する判定ステップ(S23)と、を有する。
【0015】
本発明の一態様による空洞判定プログラムは、コンピュータに、計測点に電磁波を照射して得られる反射波のデータである計測データ(D1)を入力する入力ステップ(S21)と、前記入力ステップで入力された前記計測データから、前記反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行う前処理ステップ(S22)と、前記反射波の極値に関する極値データと、前記反射波が得られた計測点における空洞の有無を示す教師データ(D12)とを用いて学習された、前記反射波の極値と前記空洞の有無との関係を示す学習済みモデル(MD)と、前記前処理ステップで取得された前記極値データとを用いて、前記入力ステップで入力された前記計測データが得られた計測点における空洞の有無を判定する判定ステップ(S23)と、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、覆工コンクリートの空洞調査に要する時間の短縮、品質向上(バラツキ低減)、及び省人化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による空洞判定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による空洞判定装置における計測データの表示例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による空洞判定装置の学習済みモデルの生成に係る機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態で用いられる学習用データセットの一例を示す説明図である。
図5】本発明の一実施形態で行われる前処理を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態による空洞判定装置が行うモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態による空洞判定装置の空洞判定に係る機能的構成の一例を示すブロック図である。
図8】本発明の一実施形態による空洞判定装置が行う空洞判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による空洞判定装置、空洞判定方法、及び空洞判定プログラムについて詳細に説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成には限定されない。
【0019】
〈空洞判定装置〉
図1は、本発明の一実施形態による空洞判定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図1に示す通り、空洞判定装置1は、操作部11、表示部12、通信部13、入出力部14、格納部15、及び処理部16を備える。このような空洞判定装置1は、例えば、デスクトップ型、ノート型、若しくはタブレット型のコンピュータ、又は、ワークステーション等で実現される。
【0020】
操作部11は、例えば、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置を備えており、空洞判定装置1を使用する作業者の操作に応じた指示(空洞判定装置1に対する指示)を処理部16に出力する。表示部12は、例えば、液晶表示装置等の表示装置を備えており、処理部16から出力される各種情報を表示する。尚、操作部11及び表示部12は、物理的に分離されたものであってもよく、表示機能と操作機能とを兼ね備えるタッチパネル式の液晶表示装置のように物理的に一体化されたものであっても良い。
【0021】
通信部13は、処理部16の制御の下で、外部の機器(図示省略)と通信を行う。通信部13は、外部の機器と直接通信を行ってもよく、インターネット等のネットワーク(図示省略)を介して通信を行ってもよい。また、通信部13は、有線による通信を行うものであってもよく、無線による通信を行うものであってもよい。入出力部14は、処理部16の制御の下で、外部の記録媒体(図示省略)に対するデータの入出力を行う。尚、外部の記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等である。
【0022】
格納部15は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)等の補助記憶装置を備えており、空洞判定装置1で用いる各種データを格納する。格納部15は、例えば、計測データD1及び学習済みモデルMDを格納する。尚、格納部15は、空洞判定装置1の機能を実現するプログラムを格納してもよい。
【0023】
計測データD1は、調査対象となっているトンネルの計測点に電磁波を照射して得られた反射波のデータである。計測データD1は、例えば、Geophysical Survey Systems, Inc(以下、GSSI社)のデータ形式であるRADANフォーマットで形成されている。学習済みモデルMDは、トンネルに電磁波を照射して得られる反射波の極値と空洞の有無との関係を示すモデルであり、過去の調査結果を用いて機械学習を行うことによって生成される。尚、学習済みモデルMDの詳細については後述する。
【0024】
処理部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により実現され、操作部11から入力される操作指示に基づいて、空洞判定装置1の動作を統括して制御する。処理部16は、例えば、空洞の有無を判定する上で必要となる計測データD1に対する前処理、学習済みモデルMDと前処理が行われた計測データD1とを用いた空洞の有無の判定処理、その他の処理を行う。
【0025】
また、処理部16は、操作部11から入力される操作指示に基づいて、計測データD1を表示部12に表示させることも可能である。例えば、処理部16は、1つの計測点(1トレース)で得られた計測データD1から、その計測点で得られた反射波の波形を示す画像(Aモード)を表示させることが可能である。また、処理部16は、複数の計測点(複数トレース)で得られた計測データD1から、各々の計測点で得られた反射波を、その大きさに応じて色分け表示したレーダ画像(Bモード)を表示させることが可能である。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態による空洞判定装置における計測データの表示例を示す図である。尚、図2(a)は、計測データD1をAモードで表示した場合の表示例であり、図2(b)は、計測データD1をBモードで表示した場合の表示例である。図2(a)に示す通り、Aモードは、横軸に計測データD1の計測値をとり、縦軸に深度をとったグラフである。また、Bモードは、横軸に距離(トンネルの長さ方向における距離)をとり、縦軸に深度をとった2次元画像である。技術者は、操作部11を操作し、Aモード又はBモードを表示部12に表示させて、空洞の有無を判定している。
【0027】
空洞判定装置1の機能(空洞を判定するために必要な機能)は、例えば、それらの機能を実現するプログラム(不図示の記録媒体に記録されたプログラムを含む)がCPU等のハードウェアによって実行されることによって実現されてもよい。つまり、空洞判定装置1の機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することによって実現されてもよい。勿論、空洞判定装置1の機能、FPGA、LSI、ASIC等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0028】
〈学習済みモデルの生成〉
図3は、本発明の一実施形態による空洞判定装置の学習済みモデルの生成に係る機能的構成の一例を示すブロック図である。図3に示す通り、空洞判定装置1は、入力部21、前処理部22、生成部23、モデル生成格納部24、及びモデル格納部25を備える。入力部21、前処理部22、及び生成部23は、図1に示す処理部16によって実現される。即ち、処理部16が、格納部15に格納されたモデル生成プログラムを実行することにより、入力部21、前処理部22、及び生成部23の機能が実現される。モデル生成格納部24及びモデル格納部25は、図1に示す格納部15によって実現される。
【0029】
入力部21は、学習用データセットDSを入力する。入力部21へ学習用データセットDSを入力する態様としては、例えば、図1に示す操作部11からの入力、図1に示す通信部13による外部装置からの入力、図1に示す入出力部14による記録媒体からの入力が挙げられる。尚、入出力部14に入力された学習用データセットDSは、図1に示す格納部15に一時的に格納されてもよい。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態で用いられる学習用データセットの一例を示す説明図である。図4に示す通り、学習用データセットDSは、学習用サンプルSP1~SPnを含む(nは、2以上の整数)。各学習用サンプルSP1~SPnは、過去に行われたトンネルの調査結果から得られるものであり、計測データD11及び教師データD12を含む。
【0031】
計測データD11は、過去に調査が行われたトンネルの計測点に電磁波を照射して得られた反射波のデータである。計測データD11は、図1に示す計測データD1と同様に、例えば、GSSI社のデータ形式であるRADANフォーマットで形成されている。教師データD12は、反射波が得られた計測点における空洞の有無を示すデータである。教師データD12は、例えば、技術者が、計測データD11を図2(a)に示すAモード又は図2(b)に示すBモードで表示させ、その表示内容を参照して空洞の有無を判断することによって生成される。
【0032】
ここで、空洞調査で得られる計測データ(計測データD1,D11)は、トンネルの長さ方向における25メートルを区切りとして1ファイルのデータになっている。空洞調査では、1メートル当たり70トレースを計測する。つまり、電磁波を照射して計測が行われる計測点は、1メートル当たり70点である。従って、トンネルの長さ方向における25メートル当たりの想定トレース数は1750トレースになる。
【0033】
しかしながら、トンネルの長さ方向における距離計測誤差又は凹凸のある覆工表面へのレーダ接地に起因する誤差から、トンネルの長さ方向における25メートル当たりの実際のトレース数は1750トレースとは異なることがある。このため、25メートル当たりの実際のトレース数が1750トレースよりも少ない場合には25メートルとなるように拡大し、多い場合には縮小して、1メートル毎に教師データD12を設定するのが望ましい。
【0034】
ここで、上述の拡大又は縮小を行った場合には、実際の対応計測点(教師データD12を設定するために観察したトレース)が分からなくなる。そこで、1メートル毎に設定される格子点の近くの複数のトレースに対して、教師データD12を設定するのが望ましい。例えば、格子点におけるトレースと、その格子点に前後する2トレースとの計5トレースに対して教師データD12を設定するのが望ましい。このような5トレースの極値の最大値という特徴量は、5トレースのどの値が選ばれたかには関係なく、教師データD12付近のトレースの特徴と考えることができる。
【0035】
また、連続するトレースの計測値(連続する計測点で得られた計測データ)によって形成されるレーダ画像に対して教師データD12を設定してもよい。このような教師データD12を設定する場合には、個々のトレースだけを見るのではなく、隣接するトレースの状況も含めて総合的に判断して教師データD12を設定するのが望ましい。
【0036】
前処理部22は、入力部21から入力される学習用データセットDSに対し、学習済みモデルMDを作成するために必要となる前処理を行う。具体的に、前処理部22は、学習用データセットDSに含まれる計測データD11から反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行う。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態で行われる前処理を説明するための図である。図5に示すグラフは、学習用データセットDSに含まれる計測データD11の一例を示すグラフであり、横軸に計測値をとり、縦軸に深度をとってある。縦軸の深度は、電磁波が照射される覆工コンクリートの表面の位置からの深さである、尚、深度「0」の位置は、覆工コンクリートの表面の位置である。
【0038】
前処理部22は、反射波の極値のうち、予め規定された閾値TH1,TH2を超える大きさを有するものに関する極値データを取得する。このような極値データを取得するのは、多重波等に由来する境界面以外からの小さな反射波を排除するためである。図5に示す例において、前処理部22は、9個の極値PK1~PK9に関する極値データを取得している。尚、極値PK1,PK3,PK6,PK8は、大きさが閾値TH1を超えるものであり、極値PK2,PK4,PK5,PK7,PK9は、大きさの絶対値が閾値TH2の絶対値を超えるものである。
【0039】
前処理部22は、極値PK1~PK9に関する極値データとして、極値PK1~PK9の各々の深度を示すデータ及び極値PK1~PK9の各々の大きさ(計測値)を示すデータを取得する。また、前処理部22は、閾値TH1,TH2を超える大きさを有する極値(極値PK1~PK9)が現れる回数である極値出現回数(図5に示す例では「「9」)を示すデータも極値データとして取得する。
【0040】
ここで、空洞がない場所で得られる反射波は大きさの変化(計測値の変化)が少ないのに対し、空洞がある場所で得られる反射波は大きさの変化(計測値の変化)が激しい傾向がある。このため、例えば、極値出現回数を用いることで、空洞がない場所で得られる計測データを除外し、空洞がある場所で得られる計測データを学習の対象とすることができる。つまり、学習の対象とする計測データのスクリーニングを行うことができる。
【0041】
生成部23は、前処理部22で前処理が行われた学習用データセットDSを用いて学習モデルを訓練して、学習済みモデルMDを生成する。ここで、前処理部22で前処理が行われた学習用データセットDSは、前処理部22で取得された極値データと教師データD12とを含むものでるから、生成される学習済みモデルMDは、トンネルに電磁波を照射して得られる反射波の極値と空洞の有無との関係を示すモデルであるということができる。
【0042】
ここで、学習済みモデルMDは、少なくとも、以下に示す第1特徴量及び第2特徴量と、空洞の有無との関係を学習したものであることが望ましい。また、学習済みモデルMDは、以下に示す第1~第3特徴量と空洞の有無との関係を学習したものであってもよい。
・第1特徴量(多重波特徴量):1つの計測点で得られる反射波について正極性の極値と負極性の極値とが交互に出現する特徴量
・第2特徴量(連続性特徴量):隣接する複数の計測点で得られる反射波の各々についての第1特徴量が計測点の方向(トンネルの長さ方向)に連続する特徴量
・第3特徴量(極性特徴量):計測点で得られる反射波の最初に現れる極値の極性を示す特徴量
【0043】
また、学習済みモデルMDは、上記の第1~第3特徴量に加えて、以下に示す第4,5特徴量と、空洞の有無との関係を学習したものであってもよい。
・第4特徴量(多重波波形特徴量):強い第2波が第1波とは逆に湾曲して出現し、レーダ画像において目球のような模様が出現する特徴量
・第5特徴量(遅れ波形特徴量):滞水した空洞等の影響で深部に大きな極値が現れる特徴量
【0044】
生成部23で生成される学習済みモデルMDは、例えば、決定木モデルである。但し、学習済みモデルMDは、決定木モデルに限定される訳ではなく、例えば、ニューラルネットワークを用いて表されるモデル、又は、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、ガウス過程回帰等他のアルゴリズムを用いて表されるモデルとすることも可能である。
【0045】
モデル生成格納部24は、生成部23で訓練中の学習モデルとパラメータとを格納する。モデル格納部25は、生成部23で生成された学習済みモデルMDを格納する。
【0046】
図6は、本発明の一実施形態による空洞判定装置が行うモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、例えば、空洞判定装置1のユーザが、空洞判定装置1の操作部11を操作して、学習開始指示を行うことによって開始される。尚、説明を簡単にするために、図3に示すモデル生成格納部24には、学習モデル、パラメータが格納されているものとする。
【0047】
図6に示すフローチャートの処理が開始すると、まず、空洞判定装置1の入力部21は、学習用データセットDSを取得する(ステップS11)。次に、空洞判定装置1の前処理部22は、取得した学習用データセットDSの前処理を行う(ステップS12)。例えば、図5を用いて説明した閾値TH1,TH2を超える大きさを有する極値PK1~PK9を抽出し、これら極値PK1~PK9に関する閾値データを取得する。尚、前処理部22は、例えば、学習用データセットDSに含まれる計測データD11に対し、標準化処理又は正規化処理を行ってもよい。
【0048】
次いで、空洞判定装置1の生成部23は、前処理が行われた学習用データセットDSを用いた機械学習を実施する(ステップS13)。ここで、学習用データセットDSには、教師データD12が含まれていることから、生成部23は、教師あり学習を実施する。尚、生成部23は、学習用データセットDSに含まれる学習用サンプルSP1~SPnのうち、前処理部22で取得された閾値データに含まれる極値出現回数が所定値よりも少ないものを除外して機械学習を行ってもよい。続いて、生成部23は、機械学習が終了であるか否かを判断する(ステップS14)。
【0049】
機械学習が終了ではないと判断した場合(ステップS14の判断結果が「NO」の場合)には、生成部23は、機械学習を継続する(ステップS13)。例えば、学習用データセットDSに含まれる学習用サンプルSP1~SPnのうち、機械学習に用いられていないものを用いて機械学習を実施する。これに対し、機械学習が終了であると判断した場合(ステップS14の判断結果が「YES」の場合)には、生成部23は、生成された学習済みモデルMDをモデル格納部25に格納させる(ステップS15)。以上の処理によって、図6に示す一連の処理が終了する。
【0050】
尚、本実施形態では、学習済みモデルMDが空洞判定装置1で生成される例について説明している。しかしながら、学習済みモデルMDは、空洞判定装置1とは異なる他の装置で生成されてもよい。学習済みモデルMDが他の装置で生成される場合には、学習済みモデルMDは、当該他の装置から供給されることによって、モデル格納部25にされてもよい。
【0051】
〈空洞の有無の判定〉
図7は、本発明の一実施形態による空洞判定装置の空洞判定に係る機能的構成の一例を示すブロック図である。図7に示す通り、空洞判定装置1は、モデル格納部25に加えて、入力部31、前処理部32、判定部33、及び判定結果表示部34を備える。入力部31~判定部33は、図1に示す処理部16によって実現される。即ち、処理部16が、格納部15に格納された空洞判定プログラムを実行することにより、入力部31~判定部33の機能が実現される。モデル格納部25は、図1に示す格納部15によって実現され、判定結果表示部34は、図1に示す表示部12によって実現される。
【0052】
入力部31は、図1に示す空洞判定装置1の格納部15に格納された計測データD1を入力する。つまり、入力部31は、空洞の有無を調査する対象となっているトンネルの計測点に電磁波を照射して得られた反射波のデータを入力する。尚、計測データD1が格納部15に格納されていない場合には、計測データD1の入力は、例えば、図1に示す通信部13による外部装置からの入力であってもよく、図1に示す入出力部14による記録媒体からの入力であってもよい。
【0053】
前処理部32は、入力部31から入力される計測データD1に対し、空洞の有無を判定する上で必要となる前処理を行う。具体的に、前処理部32は、図3に示す前処理部22と同様に、計測データD1から反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行う。例えば、前処理部32は、図5を用いて説明した通り、多重波等に由来する境界面以外からの小さな反射波を排除するために、反射波の極値のうち、予め規定された閾値TH1,TH2を超える大きさを有するものに関する極値データを取得する。
【0054】
前処理部32は、前処理部22と同様に、極値に関する極値データとして、極値の各々の深度を示すデータ及び極値の各々の大きさ(計測値)を示すデータを取得する。また、前処理部32は、閾値TH1,TH2を超える大きさを有する極値が現れる回数である極値出現回数を示すデータも極値データとして取得する。
【0055】
判定部33は、モデル格納部25に格納された学習済みモデルMDと、前処理部32で取得された極値データとを用いて、入力部31に入力された計測データD1が得られた計測点における空洞の有無を判定する。具体的に、判定部33は、前処理部32で取得された極値データについて、前述した第1特徴量(多重波特徴量)及び第2特徴量(連続性特徴量)の有無を判定することにより、計測点における空洞の有無を判定する。
【0056】
また、判定部33は、隣接する計測点における空洞の有無の判定結果を考慮して、空洞の有無の判定結果を変更する。具体的に、隣接する3つの計測点のうちの真ん中に位置する計測点における空洞の有無の判定結果が、他の2つの計測点における空洞の有無の判定結果と異なる場合には、真ん中に位置する計測点における空洞の有無の判定結果を変更する。このような変更を行うのは、空洞がある区間及び空洞がない区間は連続する傾向にあり、トレース毎に空洞の有無が変化することは殆どないためである。
【0057】
例えば、真ん中に位置する計測点における判定結果が「空洞あり」であり、他の2つの計測点における判定結果が「空洞なし」である場合には、真ん中に位置する計測点における判定結果を「空洞なし」に変更する。逆に、真ん中に位置する計測点における判定結果が「空洞なし」であり、他の2つの計測点における判定結果が「空洞あり」である場合には、真ん中に位置する計測点における判定結果を「空洞あり」に変更する。
【0058】
判定結果表示部34は、判定部33の判定結果(空洞の有無の判定結果)を表示する。尚、判定部33は、判定部33の判定結果以外に、前処理部32で取得された極値データ、前述した第1特徴量(多重波特徴量)及び第2特徴量(連続性特徴量)の有無の判定結果、その他の情報を表示しても良い。
【0059】
図8は、本発明の一実施形態による空洞判定装置が行う空洞判定処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートの処理は、例えば、空洞判定装置1のユーザが、空洞判定装置1の操作部11を操作して、空洞判定処理の開始指示を行うことによって開始される。
【0060】
図8に示すフローチャートの処理が開始すると、まず、空洞判定装置1の入力部31は、調査対象となっているトンネルの計測点に電磁波を照射して得られた反射波のデータである計測データD1を取得する。例えば、入力部31は、格納部15に格納された計測データD1を取得する。
【0061】
次に、空洞判定装置1の前処理部32は、取得した計測データD1の前処理を行う。例えば、前処理部32は、図5を用いて説明した閾値TH1,TH2を超える大きさを有する極値PK1~PK9を抽出し、これら極値PK1~PK9に関する閾値データを取得する。
【0062】
次いで、空洞判定装置1の判定部33は、モデル格納部25に格納された学習済みモデルMDと、前処理部32で取得された極値データとを用いて、入力部31に入力された計測データD1が得られた計測点における空洞の有無を判定する(ステップS23)。具体的に、判定部33は、前処理部32で取得された極値データについて、前述した第1特徴量(多重波特徴量)及び第2特徴量(連続性特徴量)の有無を判定することにより、計測点における空洞の有無を判定する。
【0063】
また、判定部33は、隣接する計測点における空洞の有無の判定結果を考慮して、空洞の有無の判定結果を変更する。例えば、真ん中に位置する計測点における判定結果が「空洞あり」であり、他の2つの計測点における判定結果が「空洞なし」である場合には、真ん中に位置する計測点における判定結果を「空洞なし」に変更する。
【0064】
判定部33は、空洞の有無の判定結果を判定結果表示部34に出力する(ステップS24)。これにより、判定部33における空洞の有無の判定結果が、判定結果表示部34に表示される。
【0065】
以上説明した通り、本実施形態による空洞判定装置1は、前処理部32が、入力部31から入力される計測データD1から、反射波の極値に関する極値データを取得する前処理を行い、判定部33が、学習済みモデルMDと、前処理部32で取得された極値データとを用いて、入力部31に入力された計測データD1が得られた計測点における空洞の有無を判定するようにしている。これにより、覆工コンクリートの空洞調査に要する時間の短縮、品質向上(バラツキ低減)、及び省人化を図ることができる。
【0066】
また、本実施形態による空洞判定装置1は、計測データD11及び教師データD12を含む学習用サンプルSP1~SPn(学習用データセットDS)を用いて、学習済みモデルMDを生成する生成部23を備える。これにより、蓄積されたノウハウ及び過去の調査結果が反映された学習済みモデルMDを生成することができるため、蓄積されたノウハウ及び過去の調査結果を有効活用することができる。
【0067】
尚、図3に示した入力部21、前処理部22、及び生成部23の機能、並びに図7に示した入力部31、前処理部32、及び判定部33の機能は、処理部16がプログラムを実行することによって実現されることとして説明した。つまり、入力部21、前処理部22、生成部23、入力部31、前処理部32、及び判定部33の機能は、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現される例について説明した。しかしながら、入力部21、前処理部22、生成部23、入力部31、前処理部32、及び判定部33の機能は、例えば、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)を用いて実現することも可能である。
【0068】
また、本明細書では、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0069】
尚、以上に説明した空洞判定装置1を実現するためのプログラム(情報処理プログラム)を、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記憶されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 空洞判定装置
23 生成部
31 入力部
32 前処理部
33 判定部
D1 計測データ
D12 教師データ
MD 学習済みモデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8