IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社荏原製作所の特許一覧

特開2023-155151基板処理システムおよび基板処理方法
<>
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図1
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図2
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図3
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図4
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図5
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図6
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図7
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図8
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図9
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図10
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図11
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図12
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図13
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図14
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図15
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図16
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図17
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図18
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図19
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図20
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図21
  • 特開-基板処理システムおよび基板処理方法 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023155151
(43)【公開日】2023-10-20
(54)【発明の名称】基板処理システムおよび基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231013BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20231013BHJP
   B24B 57/02 20060101ALI20231013BHJP
   B24B 55/06 20060101ALI20231013BHJP
   B24B 53/017 20120101ALI20231013BHJP
【FI】
H01L21/304 647Z
H01L21/304 644Z
H01L21/304 644A
H01L21/304 648K
H01L21/304 621D
H01L21/304 622M
H01L21/304 622P
H01L21/304 622Q
B24B37/10
B24B57/02
B24B55/06
B24B53/017 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005644
(22)【出願日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2022063911
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】高橋 広毅
(72)【発明者】
【氏名】伊東 伴
(72)【発明者】
【氏名】尹 昇鎬
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 航平
【テーマコード(参考)】
3C047
3C158
5F057
5F157
【Fターム(参考)】
3C047AA15
3C047AA21
3C047AA34
3C047EE11
3C047FF08
3C047FF17
3C047FF19
3C047GG01
3C158AA07
3C158AA19
3C158AC04
3C158AC05
3C158CB01
3C158DA17
3C158EA11
3C158EB01
5F057AA21
5F057CA12
5F057DA03
5F057DA39
5F057EB27
5F057EC30
5F057FA37
5F057FA39
5F057GA29
5F157AA16
5F157AA96
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC56
5F157BA07
5F157BA08
5F157BA13
5F157BA14
5F157BA31
5F157BB37
5F157BB73
5F157BB79
5F157BD25
5F157BD26
5F157BD28
5F157BD33
5F157BD35
5F157BD36
5F157BE12
5F157CC03
5F157CF04
5F157CF14
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF99
5F157DB02
5F157DB03
5F157DB18
(57)【要約】
【課題】処理液の供給ラインの途中にサイズの大きな気泡を発生させることなく、かつ高濃度の微細気泡を含んだ処理液を被処理基板へ供給することが可能な基板処理システムが提供される。
【解決手段】ガス溶解水生成タンク51と、薬液希釈モジュール52と、基板処理モジュールと、を備える、基板処理システム50が提供される。基板処理モジュールは、基板Wに向けて処理液を供給する処理液供給ノズルを備える。処理液供給ノズルは、希釈薬液からガスの微細気泡を発生させる減圧開放部を有している。処理液供給ノズルは、基板Wをスクラブ処理する工程において、微細気泡を含む希釈薬液を供給する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを純水中に第1の圧力で溶解させるガス溶解水生成タンクと、
薬液と、前記ガス溶解水生成タンクで生成されたガス溶解水と、を所定の体積比で混合させる薬液希釈モジュールと、
基板を処理する基板処理モジュールと、を備え、
前記基板処理モジュールは、
前記基板を保持する基板保持機構と、
前記基板に接触して前記基板をスクラブ処理するスクラブ処理部材と、
前記基板に向けて処理液を供給する処理液供給ノズルと、を備え、
前記処理液供給ノズルは、前記薬液希釈モジュールで混合された希釈薬液を前記第1の圧力から第2の圧力まで減圧させることによって、前記希釈薬液から前記ガスの微細気泡を発生させる減圧開放部を有しており、
前記処理液供給ノズルは、前記基板をスクラブ処理する工程において、前記微細気泡を含む希釈薬液を供給する、基板処理システム。
【請求項2】
前記減圧開放部は、前記処理液供給ノズルの内部流路またはその直前の流路に配置された、少なくとも一つ以上のオリフィス板から構成されており、
前記オリフィス板は、自身が有する圧力損失作用によって、前記希釈薬液を前記第2の圧力まで減圧させると同時に前記微細気泡を発生させる、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記基板処理システムは、前記ガス溶解水生成タンクの上流側の流路に配置されたガス供給源と、純水供給源と、送水ポンプと、を備えており、
前記送水ポンプは、前記ガス溶解水生成タンク内の圧力が前記第1の圧力となるように純水を前記ガス溶解水生成タンクに移送する、請求項1または請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記ガスは、窒素、水素、酸素、オゾン、二酸化炭素、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトンの少なくとも一つ以上の成分から構成されている、請求項1または請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記基板処理システムは、前記薬液希釈モジュールの上流側の流路に配置された送液ポンプを備えており、
前記送液ポンプは、前記第1の圧力となるように前記薬液を前記薬液希釈モジュールに移送する、請求項1または請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記基板処理モジュールは、洗浄モジュールを備えており、
前記薬液は、洗浄液の原液であり、
前記スクラブ処理部材は、スポンジ洗浄部材およびバフ洗浄部材のうちの少なくとも一つを備えている、請求項1または請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記処理液供給ノズルは、前記洗浄モジュールにおいて、回転している前記基板の半径方向に対して揺動する揺動アームに配置されており、前記基板の中心部から周縁部にかけて一様に前記微細気泡を含む洗浄液を供給する、請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記処理液供給ノズルは、前記洗浄モジュールにおいて、前記基板の位置から離間されたセルフ洗浄位置に配置されており、前記セルフ洗浄位置で待機している前記スクラブ処理部材に向けて前記微細気泡を含む洗浄液または前記微細気泡を含むガス溶解水を供給する、請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記基板処理モジュールは、研磨モジュールを備えており、
前記薬液は、スラリーの原液であり、
前記スクラブ処理部材は、研磨パッドを備えている、請求項1または請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項10】
前記処理液供給ノズルは、前記研磨モジュールにおいて、回転している前記研磨パッドの上方に配置されており、回転している前記基板と前記研磨パッドとの接触界面に浸入するように前記微細気泡を含む前記スラリーを供給する、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項11】
基板処理システムは、前記研磨パッドの半径方向に延び、かつ前記ガス溶解水から前記微細気泡を発生させる減圧開放部を有する純水供給ノズルを備えており、
前記純水供給ノズルは、前記基板の研磨終了後、前記研磨パッドのドレッシング中において、前記微細気泡を含むガス溶解水を供給する、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項12】
前記基板処理システムは、前記研磨パッドの半径方向に揺動可能なノズルアームに配置された、前記微細気泡を含むガス溶解水を前記研磨パッド上に供給する単数または複数のガス溶解水ノズルを備えており、
前記ガス溶解水ノズルは、前記基板の研磨終了後、前記基板を前記研磨パッドに接触させた状態で、前記微細気泡を含むガス溶解水を前記研磨パッド上に供給する、請求項9に記載の基板処理システム。
【請求項13】
基板を処理する基板処理方法であって、
ガス溶解水生成タンクにおいて、ガスを純水中に第1の圧力で溶解させ、
薬液希釈モジュールにおいて、薬液と、前記ガス溶解水生成タンクで生成されたガス溶解水と、を所定の体積比で混合させ、
前記薬液希釈モジュールで混合された希釈薬液を、処理液供給ノズルの内部流路またはその直前の流路に配置された減圧開放部を通過させて、前記第1の圧力から第2の圧力まで減圧させることによって、前記希釈薬液から前記ガスの微細気泡を発生させ、
前記基板をスクラブ処理する工程において、前記微細気泡を含む希釈薬液を供給する、基板処理方法。
【請求項14】
前記ガスは、窒素、水素、酸素、オゾン、二酸化炭素、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトンの少なくとも一つ以上の成分から構成されている、請求項13に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記薬液は、洗浄液の原液であり、
スポンジ洗浄部材およびバフ洗浄部材のうちの少なくとも一つを備えるスクラブ処理部材を前記基板に接触させながら、前記微細気泡を含む希釈薬液を供給する、請求項13または請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記薬液は、スラリーの原液であり、
研磨パッドを備えるスクラブ処理部材を前記基板に接触させながら、前記微細気泡を含む希釈薬液を供給する、請求項13または請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記基板の研磨終了後、前記研磨パッドのドレッシング中において、前記ガス溶解水から前記微細気泡を発生させる減圧開放部を有する純水供給ノズルから前記微細気泡を含むガス溶解水を供給する、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記基板の研磨終了後、前記基板を前記研磨パッドに接触させた状態で、前記研磨パッドの半径方向に揺動可能なノズルアームに配置された、前記微細気泡を含むガス溶解水を前記研磨パッド上に供給する単数または複数のガス溶解水ノズルから、前記微細気泡を含むガス溶解水を前記研磨パッド上に供給する、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記基板をスクラブ処理した後、前記スクラブ処理部材を、前記基板の位置から離間されたセルフ洗浄位置に搬送し、
前記セルフ洗浄位置で待機している前記スクラブ処理部材に向けて前記微細気泡を含む洗浄液または前記微細気泡を含むガス溶解水を供給する、請求項15に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理システムおよび基板処理方法に関するもので、特に基板を研磨処理または洗浄処理する基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造において、基板の表面を平坦化処理するCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置では、砥粒と研磨助剤とを含む懸濁液(スラリー)を用いて基板の表面を研磨処理した後に洗浄液を用いて基板の表面および裏面に付着したスラリーを除去する洗浄処理と、洗浄処理によって基板の表面および裏面に付着した液滴を除去する乾燥処理と、が行われる。
【0003】
洗浄処理が適切でない場合、素子の構造に欠陥が生じ、それによって素子の特性不良が生じるため、素子の破壊や腐食を生じることなく、短時間で確実にスラリーを除去する洗浄処理方法の選択が必要である。
【0004】
例えば特許文献1に記載の基板洗浄方法に示されるように、ロール状あるいはペンシル状のスポンジ部材によるスクラブ洗浄が適用され、そのスクラブ洗浄の過程において各種薬液からなる洗浄液が供給される。
【0005】
特許文献2に記載の基板処理装置は、基板をスクラブ洗浄する時に、洗浄効果の高いナノバブルを含有する洗浄液を洗浄部材(スポンジ部材)の内部に供給して、洗浄液を洗浄部材の表面から基板上へ到達させるように構成されている。ナノバブルを含有する洗浄液の供給部は、洗浄液供給源と、気体溶解部と、フィルタと、供給ラインと、を有する。洗浄液供給源は、予め所定の濃度でかつ脱気された洗浄液を調整するとともに供給ラインに接続されている。気体溶解部は、供給ラインを流れる洗浄液に対して、例えばメンブレンを介して気体を加圧することで、洗浄液に気体を溶解させる。この時に過飽和状態まで洗浄液に気体を含ませることによって洗浄液中にナノバブルを発生させることを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5866227号公報
【特許文献2】特開2020-174081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の基板処理装置では、気体溶解部がメンブレンを介した気体の加圧によって過飽和状態まで気体を溶解させるため、洗浄液中に余剰気体成分がサイズの大きなバブルとして発生する。サイズの大きなバブルは、供給ラインの途中にある屈曲箇所に滞留して洗浄液の流れを著しく阻害する課題があり、その対策として供給ラインにフィルタを設けるなどしてサイズの大きなバブルを除去する機構の追加が必要である。また、メンブレンを介した溶解方法の場合、洗浄液の圧力を一定値未満に下げる必要があるが、その一方で気体の飽和溶解濃度は液体の圧力にも依存するため、高濃度の気体の溶解および高濃度のバブルの発生が困難であるという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、処理液の供給ラインの途中にサイズの大きな気泡を発生させることなく、かつ高濃度の微細気泡を含んだ処理液を被処理基板へ供給することが可能な基板処理システムおよび基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、ガスを純水中に第1の圧力で溶解させるガス溶解水生成タンクと、薬液と、前記ガス溶解水生成タンクで生成されたガス溶解水と、を所定の体積比で混合させる薬液希釈モジュールと、基板を処理する基板処理モジュールと、を備える基板処理システムが提供される。前記基板処理モジュールは、前記基板を保持する基板保持機構と、前記基板に接触して前記基板をスクラブ処理するスクラブ処理部材と、前記基板に向けて処理液を供給する処理液供給ノズルと、を備え、前記処理液供給ノズルは、前記薬液希釈モジュールで混合された希釈薬液を前記第1の圧力から第2の圧力まで減圧させることによって、前記希釈薬液から前記ガスの微細気泡を発生させる減圧開放部を有しており、前記処理液供給ノズルは、前記基板をスクラブ処理する工程において、前記微細気泡を含む希釈薬液を供給する。
【0010】
一態様では、前記減圧開放部は、前記処理液供給ノズルの内部流路またはその直前の流路に配置された、少なくとも一つ以上のオリフィス板から構成されており、前記オリフィス板は、自身が有する圧力損失作用によって、前記希釈薬液を前記第2の圧力まで減圧させると同時に前記微細気泡を発生させる。
一態様では、前記基板処理システムは、前記ガス溶解水生成タンクの上流側の流路に配置されたガス供給源と、純水供給源と、送水ポンプと、を備えており、前記送水ポンプは、前記ガス溶解水生成タンク内の圧力が前記第1の圧力となるように純水を前記ガス溶解水生成タンクに移送する。
一態様では、前記ガスは、窒素、水素、酸素、オゾン、二酸化炭素、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトンの少なくとも一つ以上の成分から構成されている。
【0011】
一態様では、前記基板処理システムは、前記薬液希釈モジュールの上流側の流路に配置された送液ポンプを備えており、前記送液ポンプは、前記第1の圧力となるように前記薬液を前記薬液希釈モジュールに移送する。
一態様では、前記基板処理モジュールは、洗浄モジュールを備えており、前記薬液は、洗浄液の原液であり、前記スクラブ処理部材は、スポンジ洗浄部材およびバフ洗浄部材のうちの少なくとも一つを備えている。
一態様では、前記処理液供給ノズルは、前記洗浄モジュールにおいて、回転している前記基板の半径方向に対して揺動する揺動アームに配置されており、前記基板の中心部から周縁部にかけて一様に前記微細気泡を含む洗浄液を供給する。
一態様では、前記処理液供給ノズルは、前記洗浄モジュールにおいて、前記基板の位置から離間されたセルフ洗浄位置に配置されており、前記セルフ洗浄位置で待機している前記スクラブ処理部材に向けて前記微細気泡を含む洗浄液または前記微細気泡を含むガス溶解水を供給する。
【0012】
一態様では、前記基板処理モジュールは、研磨モジュールを備えており、前記薬液は、スラリーの原液であり、前記スクラブ処理部材は、研磨パッドを備えている。
一態様では、前記処理液供給ノズルは、前記研磨モジュールにおいて、回転している前記研磨パッドの上方に配置されており、回転している前記基板と前記研磨パッドとの接触界面に浸入するように前記微細気泡を含む前記スラリーを供給する。
一態様では、基板処理システムは、前記研磨パッドの半径方向に延び、かつ前記ガス溶解水から前記微細気泡を発生させる減圧開放部を有する純水供給ノズルを備えており、前記純水供給ノズルは、前記基板の研磨終了後、前記研磨パッドのドレッシング中において、前記微細気泡を含むガス溶解水を供給する。
一態様では、前記基板処理システムは、前記研磨パッドの半径方向に揺動可能なノズルアームに配置された、前記微細気泡を含むガス溶解水を前記研磨パッド上に供給する単数または複数のガス溶解水ノズルを備えており、前記ガス溶解水ノズルは、前記基板の研磨終了後、前記基板を前記研磨パッドに接触させた状態で、前記微細気泡を含むガス溶解水を前記研磨パッド上に供給する。
【0013】
一態様では、基板を処理する基板処理方法が提供される。基板処理方法は、ガス溶解水生成タンクにおいて、ガスを純水中に第1の圧力で溶解させ、薬液希釈モジュールにおいて、薬液と、前記ガス溶解水生成タンクで生成されたガス溶解水と、を所定の体積比で混合させ、前記薬液希釈モジュールで混合された希釈薬液を、処理液供給ノズルの内部流路またはその直前の流路に配置された減圧開放部を通過させて、前記第1の圧力から第2の圧力まで減圧させることによって、前記希釈薬液から前記ガスの微細気泡を発生させ、前記基板をスクラブ処理する工程において、前記微細気泡を含む希釈薬液を供給する。
【0014】
一態様では、前記ガスは、窒素、水素、酸素、オゾン、二酸化炭素、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトンの少なくとも一つ以上の成分から構成されている。
一態様では、前記薬液は、洗浄液の原液であり、スポンジ洗浄部材およびバフ洗浄部材のうちの少なくとも一つを備えるスクラブ処理部材を前記基板に接触させながら、前記微細気泡を含む希釈薬液を供給する。
一態様では、前記薬液は、スラリーの原液であり、研磨パッドを備えるスクラブ処理部材を前記基板に接触させながら、前記微細気泡を含む希釈薬液を供給する。
【0015】
一態様では、前記基板の研磨終了後、前記研磨パッドのドレッシング中において、前記ガス溶解水から前記微細気泡を発生させる減圧開放部を有する純水供給ノズルから前記微細気泡を含むガス溶解水を供給する。
一態様では、前記基板の研磨終了後、前記基板を前記研磨パッドに接触させた状態で、前記研磨パッドの半径方向に揺動可能なノズルアームに配置された、前記微細気泡を含むガス溶解水を前記研磨パッド上に供給する単数または複数のガス溶解水ノズルから、前記微細気泡を含むガス溶解水を前記研磨パッド上に供給する。
一態様では、前記基板をスクラブ処理した後、前記スクラブ処理部材を、前記基板の位置から離間されたセルフ洗浄位置に搬送し、前記セルフ洗浄位置で待機している前記スクラブ処理部材に向けて前記微細気泡を含む洗浄液または前記微細気泡を含むガス溶解水を供給する。
【発明の効果】
【0016】
処理液供給ノズルは、ガスの微細気泡を発生させる減圧開放部を有している。したがって、供給ラインの途中でサイズの大きな気泡は発生せず、基板の処理がなされるユースポイント付近で微細気泡が発生する。これにより、高濃度の微細気泡を含んだ薬液を被処理基板へ供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
図2】基板処理システムを示す図である。
図3】第1洗浄モジュールを示す図である。
図4】第2洗浄モジュールを示す図である。
図5】第1洗浄モジュールにおいて微細気泡を含んだ希釈薬液を供給する機構の一実施形態を示す図である。
図6】第2洗浄モジュールにおいて微細気泡を含んだ希釈薬液を供給する機構の一実施形態を示す図である。
図7】基板処理システムの他の実施形態を示す図である。
図8】研磨モジュールを示す図である。
図9】研磨モジュールにおいて微細気泡を含んだスラリーを供給する機構の一実施形態を示す図である。
図10】第1洗浄モジュールによる基板の表面および裏面の洗浄工程を示す図である。
図11】第2洗浄モジュールによる基板の表面および裏面の洗浄工程を示す図である。
図12】研磨モジュールによる基板の研磨工程を示す図である。
図13】微細気泡を含む洗浄液で基板を洗浄したときの効果を示す図である。
図14】微細気泡を含むスラリーで基板を研磨したときの効果を示す図である。
図15】液体供給機構を示す図である。
図16】制御装置による、基板の処理フローを示す図である。
図17】研磨装置の他の実施形態を示す図である。
図18】制御装置による、基板の処理フローの他の実施形態を示す図である。
図19】第1洗浄モジュールの他の実施形態を示す斜視図である。
図20図19に示す第1洗浄モジュールを示す断面図である。
図21】第2洗浄モジュールの他の実施形態を示す斜視図である。
図22図21に示す第2洗浄モジュールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、基板処理装置の全体構成を示す平面図である。図1に示すように、基板処理装置1は、ハウジング10と、多数の半導体ウェーハ等の基板をストックする基板カセットが載置されるロードポート12と、を備えている。ロードポート12は、ハウジング10に隣接して配置されている。
【0019】
基板処理装置1は、ハウジング10の内部に配置された研磨部2および洗浄部4を備えている。研磨部2は、複数(本実施形態では4つ)の研磨モジュール14a~14dを備えている。洗浄部4は、研磨された基板を洗浄する第1洗浄モジュール16および第2洗浄モジュール18と、洗浄された基板を乾燥させる乾燥モジュール20と、を備えている。
【0020】
研磨モジュール14a~14dは、基板処理装置1の長手方向に沿って配列されている。同様に、第1洗浄モジュール16、第2洗浄モジュール18、および乾燥モジュール20は、基板処理装置1の長手方向に沿って配列されている。
【0021】
基板処理装置1は、ロードポート12に隣接して配置された第1搬送ロボット22と、研磨モジュール14a~14dに隣接して配置された搬送モジュール24と、を備えている。第1搬送ロボット22は、研磨前の基板をロードポート12から受け取って搬送モジュール24に受け渡すとともに、乾燥後の基板を乾燥モジュール20から受け取ってロードポート12に戻す。搬送モジュール24は、第1搬送ロボット22から受け取った基板を搬送して、各研磨モジュール14a~14dとの間で基板の受け渡しを行う。
【0022】
基板処理装置1は、第1洗浄モジュール16と第2洗浄モジュール18との間に配置された第2搬送ロボット26と、第2洗浄モジュール18と乾燥モジュール20との間に配置された第3搬送ロボット28と、を備えている。第2搬送ロボット26は、搬送モジュール24と、各洗浄モジュール16,18との間で基板の受け渡しを行う。第3搬送ロボット28は、各モジュール18,20との間で基板の受け渡しを行う。
【0023】
基板処理装置1は、ハウジング10の内部に配置された制御装置30を備えている。制御装置30は、基板処理装置1の各機器の動きを制御するように構成されている。本実施形態では、制御装置30は、特に、後述する基板処理システム50の動作を制御するように構成されている。
【0024】
図2は、基板処理システムを示す図である。基板処理装置1は、基板処理システム50を備えている。基板処理システム50は、ガスを純水中に第1の圧力で溶解させるガス溶解水生成タンク51と、薬液とガス溶解水とを所定の体積比で混合させる薬液希釈モジュール52と、基板を処理する基板処理モジュールと、を備えている。一実施形態では、薬液は加熱された加熱薬液であってもよい。
【0025】
本実施形態では、基板処理システム50は、基板処理モジュールとして、基板を洗浄処理する第1洗浄モジュール16および第2洗浄モジュール18を備えているが、一実施形態では、基板処理システム50は、第1洗浄モジュール16および第2洗浄モジュール18のうちのいずれかを備えてもよい。
【0026】
図3は、第1洗浄モジュールを示す図である。図3に示すように、第1洗浄モジュール16は、基板Wを保持しつつ回転させる基板保持機構60と、基板Wに接触して、基板Wをスクラブ処理するスクラブ処理部材(本実施形態では、洗浄部材)61,62と、基板Wの表面および裏面に向けて、処理液(本実施形態では、希釈薬液)を供給する処理液供給ノズル(本実施形態では、薬液供給ノズル)65,66と、基板Wの表面および裏面に向けて、処理液(本実施形態では、純水)を供給する処理液供給ノズル(本実施形態では、純水供給ノズル)67,68と、を備えている。
【0027】
各洗浄部材61,62は、円筒形状を有し、かつ長手方向の長さが基板Wの直径よりも長いスポンジ部材である。スポンジ部材の材質として、親水性の高い材質が好ましく、例えばPU(ポリウレタン)やPVAc(ポリビニルアセタール)などが望ましい。一実施形態では、各洗浄部材61,62は、バフ洗浄部材であってもよい。
【0028】
各洗浄部材61,62は、その中心軸の方向が基板Wの面(すなわち、表面および裏面)に対して平行に配置されている。以下、洗浄部材61を上側ロール洗浄部材61と呼ぶことがあり、洗浄部材62を下側ロール洗浄部材62と呼ぶことがある。
【0029】
基板保持機構60は、基板Wの表面を上向きにして基板Wを水平に保持し、回転させる4つのローラー60a~60dを備えている。ローラー60a~60dは、図示しない駆動機構(例えば、エアシリンダ)によって、互いに近接および離間する方向に移動可能に構成されている。本実施形態では、基板保持機構60は、その構成要素として、ローラー60a~60dを備えているが、基板保持機構60は、基板Wの側面を保持できるものであればよく、ローラーに限定されない。ローラーの代わりに、例えば複数のクランプ(図示しない)を備えてもよい。クランプは、基板Wの周縁部を保持する位置と、基板Wから離間した位置との間を移動可能に構成されている。
【0030】
一実施形態では、基板保持機構60は、基板Wを鉛直方向に保持するように構成されてもよい。この場合、ローラー60a~60d(またはクランプ)は、縦置きに配置される。第1洗浄モジュール16は、上側ロール洗浄部材61および下側ロール洗浄部材62を回転させる回転機構63a,63bを備えている。
【0031】
上側ロール洗浄部材61および下側ロール洗浄部材62のそれぞれは、昇降機構64a,64bに支持されており、昇降機構64a,64bによって上下方向に移動可能である。昇降機構64a,64bのそれぞれの一例として、ボールねじを用いたモータ駆動機構またはエアシリンダを挙げることができる。
【0032】
基板Wの搬入搬出時では、上側ロール洗浄部材61および下側ロール洗浄部材62は互いに離間している。基板Wの洗浄時には、上側ロール洗浄部材61および下側ロール洗浄部材62は、互いに近接する方向に移動して、基板Wの表面および裏面に接触する。その後、上側ロール洗浄部材61および下側ロール洗浄部材62のそれぞれは、回転機構63a,63bによって回転して、基板Wをスクラブする(スクラブ洗浄)。
【0033】
図4は、第2洗浄モジュールを示す図である。図4に示すように、第2洗浄モジュール18は、基板Wを保持しつつ回転させる基板保持機構70と、基板Wに接触して、基板Wをスクラブ処理するスクラブ処理部材(本実施形態では、洗浄部材)71と、洗浄部材71と連結されたアーム(より具体的には、揺動アーム)73と、アーム73を水平方向に揺動させるアーム揺動機構79と、基板Wの表面および裏面に向けて、処理液(本実施形態では、希釈薬液)を供給する処理液供給ノズル(本実施形態では、薬液供給ノズル)75,76と、基板Wの表面および裏面に向けて、処理液(本実施形態では、純水)を供給する処理液供給ノズル(本実施形態では、純水供給ノズル)77,78と、を備えている。
【0034】
基板保持機構70は、基板Wの周縁部を保持するチャック70a~70dと、チャック70a~70dに連結されたモータ70eと、を備えている。チャック70a~70dは、基板Wを保持し、モータ70eを駆動させることにより、基板Wはその軸心を中心に回転される。
【0035】
洗浄部材71は、ペンシル形状を有し、かつ洗浄部材71の中心軸の周りに回転しながら、基板Wの表面に接触して、基板Wをスクラブするスポンジ部材である。以下、洗浄部材71をペンシル洗浄部材71と呼ぶことがある。
【0036】
アーム73は、基板Wの上方に配置されており、アーム揺動機構79と連結されている。アーム揺動機構79は、旋回軸79aと、回転機構79bと、を備えている。アーム73の一端は、旋回軸79aと連結されており、アーム73の他端にはペンシル洗浄部材71が連結されている。ペンシル洗浄部材71の中心軸の方向は、基板Wの表面(または裏面)に対して垂直である。
【0037】
旋回軸79aには、アーム73を旋回させる回転機構79bが連結されている。回転機構79bは、旋回軸79aを所定の角度回転させることにより、アーム73を基板Wと平行な平面内で旋回させるように構成されている。ペンシル洗浄部材71は、アーム73の旋回によって基板Wの半径方向に移動する。旋回軸79aは、昇降機構(図示しない)によって上下方向に移動可能であり、ペンシル洗浄部材71を所定の圧力で基板Wの表面に押し付けて基板Wをスクラブする(スクラブ洗浄)。昇降機構の一例として、ボールねじを用いたモータ駆動機構またはエアシリンダが挙げられる。
【0038】
上述したように、第1洗浄モジュール16は、ロール洗浄部材61および下側ロール洗浄部材62が基板Wをスクラブしているとき、薬液供給ノズル65,66を通じて、基板Wの表面および裏面に薬液を供給する。同様に、第2洗浄モジュール18は、ペンシル洗浄部材71が基板Wをスクラブしているとき、薬液供給ノズル75,76を通じて、基板Wの表面および裏面に薬液を供給する。
【0039】
図2に示すように、基板処理システム50は、ガス溶解水生成タンク51の上流側の流路に配置されたガス供給源GSおよび純水供給源PSと、送水ポンプ53と、を備えている。送水ポンプ53は、ガス溶解水生成タンク51内の圧力が所定の圧力(すなわち、第1の圧力)となるように純水をガス溶解水生成タンク51に移送するように構成されている。言い換えれば、送水ポンプ53の吐出圧力は第1の圧力に相当する。ガスは、窒素、水素、酸素、オゾン、二酸化炭素、希ガス(ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン)の少なくとも一つ以上の成分から構成されている。
【0040】
基板処理システム50は、ガス供給源GSおよびガス溶解水生成タンク51を接続するガスラインGLと、純水供給源PSおよびガス溶解水生成タンク51を接続する純水ラインPLと、を備えている。送水ポンプ53は純水ラインPLに接続されている。
【0041】
ガスおよび純水のそれぞれがガスラインGLおよび純水ラインPLのそれぞれを通じてガス溶解水生成タンク51に供給されると、ガスおよび純水がガス溶解水生成タンク51で第1の圧力で混合される。ガスおよび純水の混合液としてのガス溶解水は、ガス溶解水生成タンク51で貯留される。
【0042】
ガス溶解水生成タンク51の上部には、余剰ガスを排出するガス排出ラインDLが接続されている。ガス排出ラインDLには、バルブDVLが接続されている。バルブDVLを開くと、ガス溶解水生成タンク51内の余剰ガスは、ガス排出ラインDLを通じて外部に排出される。
【0043】
基板処理システム50は、ガス溶解水生成タンク51内のガス溶解水を循環させる循環ラインCLと、循環ラインCLを流れるガス溶解水を純水供給ノズル67,68に供給するガス溶解水供給ラインSL1と、循環ラインCLを流れるガス溶解水を純水供給ノズル77,78に供給するガス溶解水供給ラインSL2と、を備えている。循環ラインCLには、圧力計P1が接続されている。
【0044】
ガス溶解水供給ラインSL1には、バルブVL1が接続されており、ガス溶解水供給ラインSL2には、バルブVL2が接続されている。バルブVL1は、後述するバルブ67b,68b(図5参照)に相当し、バルブVL2は、後述するバルブ77b,78b(図6参照)に相当する。
【0045】
ガス溶解水生成タンク51内のガス溶解水は、循環ラインCLを循環する。ガス溶解水が循環ラインCLを循環すると、ガス溶解水に含まれるガスのバブル濃度および/またはガス溶解水の流量が安定する。
【0046】
図2に示すように、基板処理システム50は、供給ラインSL2の、循環ラインCLとの接続部分よりも下流側に配置されたバルブVaと、バルブVaの下流側の循環ラインCLと供給ラインSL1とを接続するバイパスラインBLと、バイパスラインBLに接続されたバルブVbと、を備えている。バルブVaは循環ラインCLに接続されている。
【0047】
制御装置30がバルブVa,Vbを閉じて、バルブVL1,VL2を開くと、循環ラインCLを流れるガス溶解水は、純水供給ノズル67,68,77,78のそれぞれを通じて基板Wに供給される。
【0048】
一実施形態では、基板処理システム50は、循環ラインCLに接続された気泡濃度計および/または流量計を備えてもよい。このような構成により、制御装置30は、気泡濃度計および/または流量計によって検出された信号に基づいて、バルブVL1,VL2の開閉動作を制御することができる。
【0049】
バイパスラインBLは、循環ラインCLの循環流路を短縮させるために配置されている。バルブVL1,VL2,Vaを閉じて、バルブVbを開くことにより、ガス溶解水は、循環ラインCLの一部と、バイパスラインBLと、の間を循環する。
【0050】
基板処理システム50は、循環ラインCLを流れるガス溶解水を薬液希釈モジュール52に移送するための接続ラインL1,L2と、接続ラインL1,L2に接続されたバルブV1,V2と、を備えている。
【0051】
接続ラインL1は、ガス溶解水を薬液希釈モジュール52に移送する配管である。接続ラインL1は、循環ラインCLおよび薬液希釈モジュール52を接続しており、循環ラインCLを流れるガス溶解水の流れ方向において、接続ラインL2の上流側に配置されている。接続ラインL2は、循環ラインCLおよび接続ラインL1に接続されている。接続ラインL2は、ガス溶解水を薬液希釈モジュール52に移送しない場合に、循環ラインCLを介して、ガス溶解水をガス溶解水生成タンク51に戻すための配管である。
【0052】
バルブV1を開き、かつバルブV2を閉じると、循環ラインCLを流れるガス溶解水は、接続ラインL1を通じて薬液希釈モジュール52に移送される。バルブV1を閉じ、かつバルブV2を開くと、循環ラインCLを流れるガス溶解水は、接続ラインL2(および接続ラインL1)を通じてガス溶解水生成タンク51に戻される。
【0053】
基板処理システム50は、薬液希釈モジュール52の上流側の流路に配置された薬液供給源MSと、薬液希釈モジュール52および薬液供給源MSを接続する薬液ラインCMLと、薬液ラインCMLに接続された送液ポンプ54と、を備えている。送液ポンプ54は、薬液希釈モジュール52の上流側の流路に配置されており、所定の圧力(すなわち、第1の圧力)となるように、薬液を薬液希釈モジュール52に移送するように構成されている。本実施形態では、薬液は、洗浄液の原液である。
【0054】
図2に示すように、基板処理システム50は、薬液ラインCMLに接続された流量コントローラ55と、接続ラインL1に接続された流量コントローラ57と、を備えている。制御装置30は、流量コントローラ55,57によって検出された信号に基づいて、薬液ラインCMLを流れる薬液の流量と、接続ラインL1を流れるガス溶解水の流量と、を測定し、薬液希釈モジュール52に供給される薬液の流量およびガス溶解水の流量を制御する。このようにして、制御装置30は、薬液希釈モジュール52において、薬液とガス溶解水とを所定の体積比で混合させることができる。
【0055】
基板処理システム50は、薬液希釈モジュール52で混合された希釈薬液を薬液ノズル65,66および薬液ノズル75,76に供給する薬液供給ラインSLaと、薬液供給ラインSLaに接続された圧力計56と、薬液供給ラインSLaに接続されたバルブVLaおよびバルブVLbと、を備えている。バルブVLaは、後述するバルブ65b,66b(図5参照)に相当し、バルブVLbは、後述するバルブ75b,76b(図6参照)に相当する。以下、基板Wに微細気泡を含んだ薬液を供給する機構について説明する。
【0056】
図5は、第1洗浄モジュールにおいて微細気泡を含んだ希釈薬液を供給する機構の一実施形態を示す図である。第1洗浄モジュール16は、基板Wの表面W1および裏面W2に向けて、希釈薬液を供給する薬液供給ノズル65,66を備える。薬液供給ノズル65,66のそれぞれは、薬液供給ラインSLaに接続されている。
【0057】
図5に示すように、薬液供給ノズル65,66のそれぞれは、その内部流路に配置された、薬液希釈モジュール52から供給される希釈薬液の圧力を低下させる減圧開放部65a,66aのそれぞれを有している。
【0058】
減圧開放部65a,66aは、高い圧力損失が得られる機構であり、一例としてオリフィス板が挙げられる。減圧開放部65a,66aのそれぞれは、薬液希釈モジュール52で混合された希釈薬液を第1の圧力(例えば、0.4~0.5MPa)から第2の圧力(例えば、静水圧(約0.1MPa))まで減圧させることによって、希釈薬液からガスの微細気泡を発生させるように構成されている。第2の圧力は第1の圧力よりも小さな圧力である。微細気泡は、ウルトラファインバブル(すなわち、ナノバブル)、マイクロバブルを含む上位概念である。
【0059】
より具体的には、減圧開放部65a,66aのそれぞれは、ガス溶解水生成タンク51で飽和状態まで混合されたガス溶解水(すなわち、飽和溶液)の急減圧により微細気泡を発生させる加圧溶解方式によって、希釈薬液からガスの微細気泡を発生させる。ガス溶解水生成タンク51内で溶解されない余剰ガスは、ガス排出ラインDLを通じて外部に排出される。
【0060】
希釈薬液が減圧開放部65a,66aを通過すると、希釈薬液の圧力が急激に低下し、それまで高い圧力作用で薬液中に溶解していた高濃度のガスが微細気泡として発生する。これによって、高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液が洗浄処理中(すなわち、基板をスクラブ処理する工程において)の基板へ供給される。
【0061】
本実施形態では、減圧開放部65a,66aは、薬液供給ノズル65,66の内部に配置されているが、一実施形態では、減圧開放部65a,66aは、薬液供給ノズル65,66の直前の流路(すなわち、バルブ65b,66bよりも薬液供給ノズル65,66に近接した薬液供給ラインSLa)に備えられてもよい。本実施形態においても同様に、高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液を生成することができる。
【0062】
減圧開放部65a,66aは薬液供給ノズル65,66の構成要素の一部であり、減圧開放部65a,66aが薬液供給ラインSLaに配置された場合であっても、薬液供給ノズル65,66は減圧開放部65a,66aを有している。
【0063】
図5に示すように、純水供給ノズル67,68は、その内部流路、もしくは純水供給ノズル67,68の直前の流路(すなわち、バルブ67b,68bよりも薬液供給ノズル67,68に近接した薬液供給ラインSL1)に配置された減圧開放部67a,68aを有してもよい。このような構成により、高濃度の微細気泡を含んだ純水を洗浄処理中の基板へ供給することができる。
【0064】
図6は、第2洗浄モジュールにおいて微細気泡を含んだ希釈薬液を供給する機構の一実施形態を示す図である。第2洗浄モジュール18は、固定された位置から基板Wの表面W1および裏面W2に向けて、希釈薬液を供給する薬液供給ノズル75,76と、アーム73の下面から基板Wの表面W1に向けて、希釈薬液を供給する移動式薬液供給ノズル72と、を備えている。
【0065】
移動式薬液供給ノズル72は、ペンシル洗浄部材71と同様にアーム73の旋回によって、回転している基板Wの半径方向に移動する。移動式薬液供給ノズル72は、ペンシル洗浄部材71が基板Wの中心部から周縁部へ移動する過程において、ペンシル洗浄部材71よりも前方に位置している。言い換えれば、移動式薬液供給ノズル72は、基板Wの回転方向において、ペンシル洗浄部材71よりも前方側に配置されている。
【0066】
薬液供給ノズル72,75,76のそれぞれは、その内部流路に配置された、薬液希釈モジュール52から供給される希釈薬液の圧力を低下させる減圧開放部72a,75a,76aのそれぞれを有している。希釈薬液が減圧開放部72a,75a,76aを通過すると、希釈薬液の中に溶解していた高濃度のガスが微細気泡として発生する。一実施形態では、減圧開放部72a,75a,76aは、薬液供給ノズル72,75,76の直前の流路に配置されてもよい。
【0067】
純水供給ノズル77,78のそれぞれは、その内部流路に配置された、もしくは純水供給ノズル77,78のそれぞれの直前の流路に配置された、減圧開放部77a,78aのそれぞれを有してもよい。減圧開放部72a,75a,76a,77a,78aの構成は、減圧開放部65a,66a,67a,68aの構成と同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0068】
本実施形態によれば、ガス溶解水生成タンク51において高い圧力で高濃度のガスが溶解され、その高い圧力を維持したまま薬液希釈モジュール52において希釈薬液が調整される。さらに基板処理モジュールに備えられた処理液供給機構付近の減圧開放部において微細気泡が発生する。したがって、供給ラインSLa,SL1の途中でサイズの大きな気泡は発生せず、基板の処理がなされるユースポイント付近で微細気泡が発生する。結果として、基板処理システム50は、高濃度の微細気泡を含んだ薬液(およびガス溶解水)を被処理基板へ供給することができる。
【0069】
図7は、基板処理システムの他の実施形態を示す図である。本実施形態において、上述した実施形態と同一の構造については、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0070】
図7に示すように、基板処理システム50は、ガスを純水中に第1の圧力で溶解させるガス溶解水生成タンク51と、薬液(本実施形態では、スラリーの原液)とガス溶解水とを所定の体積比で混合させる薬液希釈モジュール52と、基板処理モジュールとして、基板を研磨処理する研磨モジュール14a~14dと、を備えている。本実施形態では、基板処理システム50は、4台の研磨モジュール14a~14dを備えているが、一実施形態では、基板処理システム50は、少なくとも1台の研磨モジュール14を備えてもよい。
【0071】
本実施形態では、基板処理システム50は、研磨モジュール14a~14dの数に対する数を有するバルブ82b(すなわち、図7に示すVLa,VLb,VLc,VLd)を備えている(後述する図8参照)。バルブ82bは、薬液供給ラインSLaに接続されている。
【0072】
同様に、基板処理システム50は、研磨モジュール14a~14dの数に対する数を有するガス溶解水供給ラインSL1,SL2,SL3,SL4およびバルブ85b(すなわち、図7に示すVL1,VL2,VL3,VL4)を備えている(後述する図8参照)。バルブ85bは、ガス溶解水供給ラインSL1~SL4のそれぞれに接続されている。ガス溶解水供給ラインSL1~SL3のそれぞれには、バイパスラインBLが接続されている。
【0073】
図8は、研磨モジュールを示す図である。以下に示す実施形態では、研磨モジュール14a~14dを総称して研磨モジュール14と呼ぶことがあり、ガス溶解水供給ラインSL1~SL4を総称してガス溶解水供給ラインSLと呼ぶことがある。
【0074】
研磨モジュール14は、スクラブ処理部材として、研磨面84aを有する研磨パッド84を使用して基板Wの研磨を行うことができるように構成されている。図8に示すように、研磨モジュール14は、研磨パッド84を支持する研磨テーブル80と、基板Wを保持して研磨面84aに押し当てる基板保持機構(トップリング)81と、研磨面84aの表面にスラリーを供給する処理液供給ノズル(本実施形態では、スラリー供給ノズル)82と、研磨面84aの表面に付着したスラリーを除去するための純水(すなわち、ガス溶解水)を供給する処理液供給ノズル(本実施形態では、純水供給ノズル)85と、を備えている。純水供給ノズル85は、言い換えれば、アトマイザである。したがって、以下、純水供給ノズル85をアトマイザ85と呼ぶことがある。
【0075】
研磨モジュール14は、研磨パッド84をドレッシングするためのドレッシング装置110をさらに備えている。ドレッシング装置110は、研磨パッド84の研磨面84aに摺接されるドレッサ115と、ドレッサ115を支持するドレッサアーム111と、ドレッサアーム111を旋回させるドレッサ旋回軸112と、を備えている。ドレッサ旋回軸112は、研磨パッド84の外側に配置されている。
【0076】
ドレッサアーム111の旋回に伴って、ドレッサ115は研磨面84a上を揺動する。ドレッサ115の下面は、ダイヤモンド粒子などの多数の砥粒からなるドレッシング面を構成する。ドレッサ115は、研磨面上を揺動しながら回転し、研磨パッド84を僅かに削り取ることにより研磨面をドレッシングする。
【0077】
図7および図8に示すように、スラリー供給ノズル82は薬液供給ラインSLaに接続されており、アトマイザ85(すなわち、純水供給ノズル)はガス溶解水供給ラインSLに接続されている。したがって、スラリー供給ノズル82は、薬液供給ラインSLaを通じて、微細気泡を含んだ希釈スラリーを研磨パッド84上に供給し、アトマイザ85は、ガス溶解水供給ラインSLを通じて、微細気泡を含むガス溶解水を研磨パッド84上に供給する。一実施形態では、アトマイザ85は、超音波振動により励起されたガス溶解水(メガソニック水)を供給してもよい。
【0078】
研磨テーブル80は、円盤状に形成されており、その中心軸を回転軸線として回転可能に構成されている。研磨テーブル80の上面には、研磨パッド84が貼り付けられている。研磨パッド84は、図示しないモータによって研磨テーブル80が回転することにより、研磨テーブル80と一体に回転する。
【0079】
トップリング81は、その下面において、基板Wを真空吸着などによって保持する。トップリング81は、図示しないモータからの動力により基板Wとともに回転可能に構成されている。トップリング81の上部は、シャフト81aを介して支持アーム81bに接続されている。トップリング81は、図示しないエアシリンダによって上下方向に移動可能であり、研磨テーブル80からの距離が調節される。これにより、トップリング81は、保持した基板Wを研磨パッド84の研磨面84aに押し当てることができる。
【0080】
支持アーム81bは、図示しないモータによって揺動可能に構成されており、トップリング81を研磨面84aと平行な方向に移動させる。本実施形態では、トップリング81は、図示しない基板Wの受取位置と、研磨パッド84の上方位置とで移動可能に構成されているとともに、研磨パッド84に対する基板Wの押し当て位置を変更可能なように構成されている。
【0081】
スラリー供給ノズル82は、研磨テーブル80の上方に設けられており、研磨テーブル80に支持される研磨パッド84上に微細気泡を含むスラリーを供給する。スラリー供給ノズル82は、シャフト83によって支持されている。シャフト83は、図示しないモータによって移動可能に構成され、スラリー供給ノズル82は、研磨処理中にスラリーの滴下位置を変更できる。このように、スラリー供給ノズル82は、回転している基板Wと研磨パッド84との接触界面に浸入するように微細気泡を含んだスラリーを供給する。
【0082】
アトマイザ85は、研磨テーブル80の上方に設けられており、研磨テーブル80の径方向に沿って延びるように配置されている。アトマイザ85は、スラリーによる基板Wの研磨処理工程の直後に、所定の流量で研磨パッド84に向けて微細気泡を含むガス溶解水を噴射し、研磨面84aと基板Wに付着している一部のスラリーを洗い流す。
【0083】
なお、制御装置30は、研磨モジュール14の動作全般を制御するように構成されている。制御装置30は、CPU、メモリーなどの構成要素を備えており、ソフトウェアを用いて所望の機能を実現するマイクロコンピューターとして構成されてもよいし、専用の演算処理を行うハードウェア回路として構成されてもよい。
【0084】
制御装置30は、過去に実施された研磨処理におけるスラリーの型番と、研磨パッド84の型番と、各種センサー出力値と、研磨処理レシピと、実際の研磨速度との相関関係を予め機械学習しておき、人工知能を用いて研磨処理中の研磨速度を推定するように構成されてもよい。
【0085】
図9は、研磨モジュールにおいて微細気泡を含んだスラリーを供給する機構の一実施形態を示す図である。研磨モジュール14は、研磨パッド84の研磨面84aに向けて、スラリーを供給するスラリー供給ノズル82を備える。スラリー供給ノズル82は、その内部流路に配置された、薬液希釈モジュール52から供給されるスラリーの圧力を低下させる減圧開放部82aを有している。スラリーが減圧開放部82aを通過すると、スラリーの圧力が急激に低下し、スラリーの中に溶解していた高濃度のガスが微細気泡として発生する。これにより、高濃度の微細気泡を含んだスラリーが研磨処理中の研磨面84aと基板Wとの界面へ供給される。
【0086】
減圧開放部82aは、スラリー供給ノズル82の直前の流路(すなわち、バルブ82bよりもスラリー供給ノズル82に近接した薬液供給ラインSLa)に備えられてもよい。本実施形態においても同様に、高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液を生成することができる。減圧開放部82aはスラリー供給ノズル82の構成要素の一部であり、減圧開放部82aが薬液供給ラインSLaに配置された場合であっても、スラリー供給ノズル82は減圧開放部82aを有している。
【0087】
図9に示すように、アトマイザ85は、その内部流路、もしくはアトマイザ85の直前の流路(すなわち、バルブ85bよりもアトマイザ85に近接したガス溶解水供給ラインSL)に配置された、減圧開放部85aを有してもよい。このような構成により、高濃度の微細気泡を含んだ純水(すなわち、ガス溶解水)をスラリーによる研磨工程直後の研磨面84aと基板Wとの界面へ供給することができる。減圧開放部85aはアトマイザ85の構成要素の一部であり、減圧開放部85aがガス溶解水供給ラインSLに配置された場合であっても、アトマイザ85は減圧開放部85aを有している。
【0088】
図10は、第1洗浄モジュールによる基板の表面および裏面の洗浄工程を示す図である。まず、搬送モジュール24(図1参照)で待機中の基板Wを第1洗浄モジュール16に搬送する。以下、一連の工程について、図5を参照しながら説明する。
【0089】
基板保持機構60は、第1洗浄モジュール16に搬送された基板Wを保持し、この状態で、基板Wの回転が開始される(ステップS101参照)。その後、制御装置30は、バルブ65b,66bを開き、基板Wの表面W1および裏面W2に対して、高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液の供給を開始する(ステップS102参照)。高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液の供給が開始された後、制御装置30は、洗浄部材61,62を所定の待機位置から所定の処理位置まで移動させて、洗浄部材61,62を基板Wの両面に接触させる(ステップS103参照)。
【0090】
その後、制御装置30は、基板Wに対する洗浄部材61,62のスクラブを開始し(ステップS104参照)、基板Wのスクラブ洗浄を実行する。基板Wのスクラブ洗浄が終了した後、洗浄部材61,62を基板Wから離間させて(ステップS105参照)、洗浄部材61,62を待機位置に移動させる(ステップS106参照)。
【0091】
その後、制御装置30は、バルブ65b,66bを閉じ、高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液の供給を停止する(ステップS107参照)。その後、制御装置30は、バルブ67b,68bを開き、高濃度の微細気泡を含んだ純水の供給を開始し(ステップS108参照)、基板Wのリンス洗浄を実行する。一定時間が経過すると、制御装置30は、バルブ67b,68bを閉じ、高濃度の微細気泡を含んだ純水の供給を停止する(ステップS109参照)。
【0092】
ステップS106、ステップS107、およびステップS108は、順次行ってもよく、または同時に行ってもよい。これらのステップを同時に行う場合、基板処理システム50は、一連の洗浄シーケンスの時間短縮を実現することができる。
【0093】
ステップS102からステップS107では、希釈薬液の代りに純水を用いてもよい。この場合、基板Wの表面W1および裏面W2に対して、高濃度の微細気泡を含んだ純水が供給された状態で、基板Wのスクラブ洗浄が実行される。そのため、基板Wの表面W1および裏面W2に残留する希釈薬液を除去するためのステップS108を省略できるため、基板処理システム50は、一連の洗浄シーケンスの時間短縮を実現することができる。また、基板処理システム50は、一連の洗浄シーケンスの薬液使用量を低減し、環境負荷の低減を実現することができる。
【0094】
図11は、第2洗浄モジュールによる基板の表面および裏面の洗浄工程を示す図である。まず、第1洗浄モジュール16(図1参照)で洗浄処理が完了した基板Wを第2洗浄モジュール18に搬送する。以下、一連の工程について、図6を参照しながら説明する。
【0095】
基板保持機構70は、第1洗浄モジュール18に搬送された基板Wを保持し、この状態で、基板Wの回転が開始される(ステップS201参照)。その後、制御装置30は、バルブ75b,76bを開き、基板Wの表面W1および裏面W2に対して、高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液の供給を開始する(ステップS202参照)。高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液の供給が開始された後、ペンシル洗浄部材71は、アーム73の旋回によって待機位置から処理位置まで移動し、基板Wの表面1に接触する(ステップS203参照)。
【0096】
その後、制御装置30は、バルブ75bを閉じるとともに、薬液供給ノズル72のバルブ72b(図6参照)を開き(ステップS204参照)、高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液を供給する供給ノズルを切り替える。その後、制御装置30は、アーム73を旋回させて基板Wの半径方向に移動させることで、回転している基板Wの表面W1に対して、洗浄部材71によるスクラブを開始して(ステップS205参照)、基板Wのスクラブ洗浄を実行する。
【0097】
基板Wのスクラブ洗浄が終了した後、制御装置30は、洗浄部材71を基板Wから離間させ(ステップS206参照)、薬液供給ノズル72のバルブ72bを閉じるとともに、バルブ75bを開き(ステップS207参照)、高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液を供給する供給ノズルを再び切り替える。
【0098】
その後、ペンシル洗浄部材71は、アーム73の旋回によって待機位置に移動する(ステップS208参照)。その後、制御装置30は、バルブ75b,76bを閉じ、高濃度の微細気泡を含んだ希釈薬液の供給を停止する(ステップS209参照)。その後、制御装置30は、バルブ77b,78bを開き、高濃度の微細気泡を含んだ純水の供給を開始し(ステップS210参照)、基板Wのリンス洗浄を実行する。一定時間が経過すると、制御装置30は、バルブ77b,78bを閉じ、高濃度の微細気泡を含んだ純水の供給を停止する(ステップS211参照)。
【0099】
ステップS208、ステップS209、およびステップS210は、順次行ってもよく、または同時に行ってもよい。これらのステップを同時に行う場合、基板処理システム50は、一連の洗浄シーケンスの時間短縮を実現することができる。
【0100】
ステップS202からステップS209では、希釈薬液の代りに純水を用いてもよい。この場合、基板Wの表面W1および裏面W2に対して、高濃度の微細気泡を含んだ純水が供給された状態で、基板Wの表面W1スクラブ洗浄が実行される。そのため、基板Wの表面W1および裏面W2に残留する希釈薬液を除去するためのステップS210を省略できるため、基板処理システム50は、一連の洗浄シーケンスの時間短縮を実現することができる。また、基板処理システム50は、一連の洗浄シーケンスの薬液使用量を低減し、環境負荷の低減を実現することができる。
【0101】
図12は、研磨モジュールによる基板の研磨工程を示す図である。まず、ロードポート12に収容された研磨前の基板を第1搬送ロボット22および搬送モジュール24によって研磨モジュール14に搬送する。以下、一連の工程について、図9を参照しながら説明する。
【0102】
研磨テーブル80が回転を開始し(ステップS301参照)、基板Wを保持したトップリング81が基板Wの回転を開始する(ステップS302参照)。その後、制御装置30は、バルブ82bを開き、微細気泡を含んだスラリーの供給を開始する(ステップS303参照)
【0103】
ステップS303の後、制御装置30は、トップリング81を下降させて、基板Wを研磨パッド84の研磨面84aに接触させ(ステップS304参照)、トップリング81から基板Wに加えられる押圧力を増加させて、スラリー研磨を開始する(ステップS305参照)。
【0104】
所定時間の経過後、制御装置30は、バルブ82bを閉じて、スラリーの供給を終了する(ステップS306参照)。その後、制御装置30は、トップリング81から基板Wに加えられる押圧力を減少させて、基板Wのスラリー研磨を終了する(ステップS307参照)。
【0105】
その後、制御装置30は、基板Wを研磨パッド84に接触させた状態で(より具体的には、正の圧力で基板Wを研磨パッド84に押し付けた状態、またはゼロ圧力で基板Wを研磨パッド84に接触させた状態)、バルブ85bを開き、微細気泡を含んだガス溶解水を供給して、基板Wの水研磨および研磨パッド84の洗浄を開始する(ステップS308参照)。その後、制御装置30は、トップリング81を上昇させて、基板Wを研磨パッド84から離間し、基板Wの水研磨を終了する(ステップS309参照)。
【0106】
ステップS309の後、制御装置30は、トップリング81による基板Wの回転を終了し(ステップS310参照)、バルブ85bを閉じて、研磨パッド84の洗浄を終了する(ステップS311参照)。ステップS311の後、制御装置30は、研磨テーブル80の回転を終了する(ステップS312参照)。
【0107】
図8に示すように、研磨モジュール14は、ドレッシング装置110を備えている。したがって、基板Wの水研磨の終了後、制御装置30は、ドレッサ115を研磨パッド84上に移動させつつ、バルブ85bを開いて、微細気泡を含むガス溶解水を研磨パッド84上に供給してもよい。このように、アトマイザ85は、基板Wの研磨終了後、研磨パッド84のドレッシング中において、微細気泡を含むガス溶解水を研磨パッド84上に供給してもよい。
【0108】
図13は、微細気泡を含む洗浄液で基板を洗浄したときの効果を示す図である。図13から明らかなように、微細気泡を含む洗浄液で基板Wを洗浄したときの欠陥数は、従来の洗浄液(すなわち、微細気泡を含まない洗浄液)で基板Wを洗浄したときの欠陥数と比較して、著しく少ない。本実施形態によれば、洗浄モジュールにおいて、高濃度の微細気泡を含んだ洗浄液が供給された状態で基板をスクラブ洗浄処理する。したがって、基板処理システムは、高いパーティクル除去性能を得ることができる。
【0109】
図14は、微細気泡を含むスラリーで基板を研磨したときの効果を示す図である。図14から明らかなように、微細気泡を含むスラリーで基板Wを研磨したときの研磨レートは、従来のスラリー(すなわち、微細気泡を含まないスラリー)で基板Wを研磨したときの研磨レートと比較して、著しく高い。本実施形態によれば、研磨モジュールにおいて、高濃度の微細気泡を含んだスラリーが供給された状態で基板Wを研磨処理する。したがって、基板処理システム50は、高い研磨レートを得ることができる。
【0110】
さらに、本実施形態によれば、高濃度の窒素ガスまたは水素ガスの微細気泡を含んだ薬液(洗浄液、スラリー)が基板Wへ供給される。微細気泡を含んだ薬液は基板Wの処理中において大気成分の溶け込みを抑制することができる。したがって、溶存酸素濃度の低い薬液で研磨処理と洗浄処理が実行されるため、基板W上に形成された金属膜の腐食を抑制することができる。
【0111】
図15は、液体供給機構を示す図である。以下では、バブルのサイズ分布を制御する場合の実施形態について説明する。図15に示すように、基板処理システム50は、液体供給機構104を備えてもよい。液体供給機構104は、研磨テーブル80の半径方向に移動可能なノズルアーム130と、ノズルアーム130の先端部分130aに配置されたスラリー供給ノズル82と、ノズルアーム130のアーム部分130bに配置された純水ノズル132およびガス溶解水ノズル133A,133B,133C,133D,133Eと、を備えている。
【0112】
ノズルアーム130は、ノズルアーム130を旋回させるノズル旋回軸(図示しない)に連結されている。ノズル旋回軸は、研磨パッド84の外側に配置されている。ノズルアーム130は、ノズル旋回軸の駆動(より具体的には、ノズル旋回軸に連結されたモータ)によって、研磨パッド84の外側にある退避位置と研磨パッド84の上方にある処理位置との間を移動可能に構成されている。
【0113】
図15に示すように、ノズルアーム130が処理位置にあるとき、ノズルアーム130の先端部分130aは、研磨パッド84の中心の上方に配置される。したがって、ノズルアーム130の先端部分130aに配置されたスラリー供給ノズル82は、その噴射口が研磨パッド84の中心に対向するように、研磨パッド84の中心の上方に配置される。
【0114】
ノズルアーム130が処理位置にあるとき、ガス溶解水ノズル133A~133Eのそれぞれは、その噴射口が研磨パッド84の中心と研磨パッド84の外周部との間の領域に対向するように、この領域の上方に配置される。純水ノズル132は、スラリー供給ノズル82に隣接して配置されており、ガス溶解水ノズル133Aは、純水ノズル132に隣接して配置されている。
【0115】
ガス溶解水ノズル133A~133Eは、ノズルアーム130の先端側(すなわち、先端部分130a)から基端側に向かって、この順に配置されている。ガス溶解水ノズル133A~133Eのそれぞれは、単管形状を有してもよく、スプレーノズル形状を有してもよい。
【0116】
図15に示す実施形態では、液体供給機構104は、複数(より具体的には、5つ)のガス溶解水ノズルを備えているが、ガス溶解水ノズルの数は、本実施形態には限定されない。一実施形態では、液体供給機構104は、1つのガス溶解水ノズルを備えてもよく、2つ以上のガス溶解水ノズルを備えてもよい。
【0117】
液体供給機構104は、スラリー供給ノズル82に接続されたスラリーライン142と、スラリーライン142を開閉する開閉弁143と、スラリーライン142を通じて、スラリー供給ノズル82にスラリーを供給するスラリー供給源141と、を備えている。同様に、液体供給機構104は、純水ノズル132に接続された純水ライン145と、純水ライン145を開閉する開閉弁146と、純水ライン145を通じて、純水ノズル132に純水を供給する純水供給源144と、を備えている。
【0118】
開閉弁143,146は、制御装置30に電気的に接続されている。制御装置30が開閉弁143を開くと、スラリーは、スラリーライン142を通じて、スラリー供給源141からスラリー供給ノズル82に供給される。同様に、制御装置30が開閉弁146を開くと、純水は、純水ライン145を通じて、純水供給源144から純水ノズル132に供給される。
【0119】
基板処理システム50は、循環ラインCLおよびガス溶解水ノズル133Aに接続されたガス溶解水供給ライン152と、ガス溶解水供給ライン152に接続されたバイパスライン157と、ガス溶解水供給ライン152に接続されたマイクロバブルフィルタ159と、バイパスライン157に接続されたウルトラファインバブルフィルタ158と、を備えている。
【0120】
基板処理システム50は、ファインバブル液供給ライン152に接続された処理液供給ノズル151を備えている。処理液供給ノズル151は、循環ラインCLを流れるガス溶解水を第1の圧力から第2の圧力まで減圧させることによって、ガス溶解水からガスの微細気泡を発生させる減圧開放部151aを有している。
【0121】
基板処理システム50は、バイパスライン157をガス溶解水供給ライン152に接続する三方弁156A,156Bを備えている。三方弁156A,156Bのそれぞれは、制御装置30に電気的に接続されている。制御装置30は、三方弁156A,156Bのそれぞれを動作させることにより、ガス溶解水の流れを、マイクロバブルフィルタ159を通過させる流れと、ウルトラファインバブルフィルタ158を通過させる流れと、の間で切り替えることができる。
【0122】
マイクロバブルフィルタ159は、1マイクロメートルから100マイクロメートル以下のバブル直径を有するマイクロバブルの通過を許容し、マイクロバブルよりも大きなサイズのバブルを捕捉(除去)する。したがって、ガス溶解水がマイクロバブルフィルタ159を通過すると、1マイクロメートルから100マイクロメートル以下のバブル直径を有するマイクロバブルを含むガス溶解水が供給される。
【0123】
ウルトラファインバブルフィルタ158は、1マイクロメートル以下のバブル直径を有するウルトラファインバブル(すなわち、ナノバブル)の通過を許容し、ウルトラファインバブルよりも大きなサイズのバブルを捕捉(除去)する。したがって、ガス溶解水がウルトラファインバブルフィルタ158を通過すると、1マイクロメートル以下のバブル直径を有するウルトラファインバブルを含むガス溶解水が供給される。このようにして、基板処理システム50は、マイクロバブルを含むガス溶解水と、ウルトラファインバブルを含むガス溶解水と、を供給することができる。
【0124】
基板処理システム50は、ガス溶解水の流れ方向において、三方弁156Aの下流側に配置されたパーティクルカウンター160をさらに備えてもよい。パーティクルカウンター160は、ガス溶解水に含まれるバブル数を計測するように構成されている。したがって、基板処理システム50は、パーティクルカウンター160によって計測されたバブル数に基づいて、ガス溶解水に含まれるバブル数が所定の基準数に到達した後に、ガス溶解水をガス溶解水ノズル133A~133Eのそれぞれから供給してもよい。所定の基準数を満たすバブルを有するガス溶解水は、その性質を十分に発揮することができる。一実施形態では、パーティクルカウンター160は、レーザー回析・散乱方式の気泡濃度計であってもよい。
【0125】
図1乃至図14に示す実施形態に係る基板処理システム50は、上述したパーティクルカウンター160を備えてもよい。この場合においても、パーティクルカウンター160は、減圧開放部の下流側に配置されている。
【0126】
図15に示すように、ウルトラファインバブルフィルタ158およびマイクロバブルフィルタ159は、ノズルアーム130(より具体的には、ガス溶解水ノズル133A~133E)に隣接して配置されている。フィルタ158,159とガス溶解水ノズル133A~133Eとの間の距離が大きいと、ガス溶解水がガス溶解水ノズル133A~133Eに移動する間に、ガス溶解水に含まれるバブルが消失してしまうおそれがある。本実施形態では、このような配置により、ガス溶解水に含まれるバブルの消失を確実に防止することができる。
【0127】
基板処理システム50は、ガス溶解水ノズル133A~133Eに接続された分岐ライン153A,153B,153C,153D,153Eを備えている。基板処理システム50は、分岐ライン153A,153B,153C,153D,153Eに接続された開閉弁154A,154B,154C,154D,154Eと、ガス溶解水供給ライン152に接続された開閉弁155と、を備えている。開閉弁154A,154B,154C,154D,154Eおよび開閉弁155は、制御装置30に電気的に接続されている。制御装置30は、開閉弁154A,154B,154C,154D,154Eのそれぞれの動作と、開閉弁155の動作と、を制御可能である。
【0128】
ガス溶解水をガス溶解水ノズル133A~133Eから供給する場合には、制御装置30は、開閉弁154A~154Eを開き、かつ開閉弁155を閉じる。この動作により、ガス溶解水供給ライン152を流れるガス溶解水は、ガス溶解水ノズル133A~133Eから供給される。
【0129】
開閉弁154A~154Eは、ガス溶解水ノズル133A~133Eに対応している。したがって、制御装置30は、開閉弁154A~154Eのそれぞれを制御することにより、ガス溶解水を供給すべきガス溶解水ノズル133A~133Eを任意に選択することができる。
【0130】
例えば、制御装置30は、開閉弁154Aを開き、開閉弁154B,154C,154D,154Eおよび開閉弁155を閉じることにより、ガス溶解水は、ガス溶解水ノズル133Aからのみ供給される。制御装置30は、開閉弁155を開き、開閉弁154A,154B,154C,154D,154Eを閉じることにより、ガス溶解水は、ガス溶解水ノズル133A~133Eのいずれからも供給されず、ガス溶解水供給ライン152を通じて循環ラインCLに排出される。
【0131】
図16は、制御装置による、基板の処理フローを示す図である。制御装置30は、ノズルアーム130を動作させて、ノズルアーム130の先端部分130aを研磨パッド84の中心の上方に配置させる。制御装置30は、研磨テーブル80を回転させつつ、開閉弁143を開き、研磨パッド84上にスラリーを供給する(図16のステップS401参照)。
【0132】
一実施形態では、上述した実施形態で説明したように、微細気泡を含むスラリーを供給してもよい。微細気泡を含むスラリーを供給する構成は、図7に示す実施形態に係る構成であってもよく、図15に示す実施形態に係る液体供給機構104が微細気泡を含むスラリーを供給する構成を有してもよい。
【0133】
この状態で、制御装置30は、トップリング81で保持された基板Wを回転させつつ、研磨パッド84に押し付けて、基板Wをスラリー研磨する(ステップS402参照)。ステップS402において、制御装置30は、研磨パッド84およびトップリング81を同一方向に回転させて、基板Wを研磨する。
【0134】
このとき、制御装置30は、ガス溶解水を安定的に供給するための供給準備を、基板Wの研磨動作(すなわち、ステップS402)と並行して実行する(ステップS403参照)。より具体的には、制御装置30は、ガス溶解水を供給するために、三方弁156A,156Bを操作して、バイパスライン157を開く。すると、ガス溶解水は、マイクロバブルフィルタ159を通過せずに、ウルトラファインバブルフィルタ158を通過し、結果として、基板処理システム50は、ウルトラファインバブルを含むガス溶解水を供給する。
【0135】
制御装置30が開閉弁154A~154Eを閉じて、開閉弁155を開くことにより、ガス溶解水は、ガス溶解水ノズル133A~133Eから供給されずに、ガス溶解水供給ライン152を通じて、循環ラインCLに戻される。制御装置30は、パーティクルカウンター160によって計測されたバブル数に基づいて、ガス溶解水のバブル数が安定しているか否かを判断する。
【0136】
その後、制御装置30は、開閉弁143を閉じて、基板Wのスラリー研磨を終了する。基板Wのスラリー研磨終了後、制御装置30は、基板Wの水研磨(本実施形態では、ガス溶解水研磨)を開始する(ステップS404参照)。より具体的には、制御装置30は、開閉弁154A~154Eのうちの少なくとも1つを開き、かつ開閉弁155を閉じて、基板Wを研磨パッド84に接触させた状態で、ガス溶解水を、ガス溶解水ノズル133A~133Eの少なくとも1つから、研磨パッド84上に供給する。
【0137】
ガス溶解水が研磨パッド84上に供給されると、ガス溶解水に含まれるバブルは破裂する。破裂したバブルの衝撃によって、局所的にエネルギー(発光、高温高圧、衝撃波など)が放出され、このエネルギーによって基板Wの表面に付着した研磨屑や研磨液の砥粒が除去される。また、ガス溶解水の気液界面がマイナスの電位を帯びるため、ガス溶解水は、プラスの電位を帯びた電解質イオンや汚れを吸着し、除去する。
【0138】
バブルの衝撃の大きさは、バブル直径に依存する。したがって、研磨パッド84上に供給されるガス溶解水がガス溶解水である場合、ガス溶解水に含まれるバブルの破裂に起因する衝撃は、ガス溶解水に含まれるバブルの破裂に起因する衝撃よりも大きい。
【0139】
本実施形態では、基板Wは、ガス溶解水で研磨される。したがって、バブルの破裂に起因して、基板Wに与える衝撃は小さい。基板Wは、微細な構造を有している場合があるため、基板Wをガス溶解水で研磨することにより、基板Wが受けるダメージを小さくすることができる。結果として、基板Wに欠陥が生じることを防止することができる。さらに、このような構成により、基板Wの処理時間を長くする必要はなく、基板Wのスループットを向上させることができる。
【0140】
基板Wのガス溶解水研磨を終了した後、制御装置30は、開閉弁154A~154Eを閉じつつ、開閉弁146を開いて、純水を研磨パッド84上に供給する。その後、制御装置30は、研磨テーブル80およびトップリング81を回転させつつ、基板Wをトップリング81に吸着させる(ステップS405参照)。この状態で、制御装置30は、トップリング81を上昇させて、トップリング81を研磨パッド84の上方に位置させる。
【0141】
制御装置30は、ガス溶解水を安定的に供給するための供給準備を、基板Wの搬送動作(すなわち、ステップS405および後述するステップS407)と並行して実行する(ステップS406参照)。より具体的には、制御装置30は、ガス溶解水を供給するために、三方弁156A,156Bを操作して、バイパスライン157を閉じつつ、ガス溶解水供給ライン152の一部(より具体的には、三方弁156Aの上流側および三方弁156Bの下流側)を開く。すると、ガス溶解水は、マイクロバブルフィルタ159を通過し、結果として、基板処理システム50は、マイクロバブルを含むガス溶解水を供給する。
【0142】
制御装置30が開閉弁154A~154Eを閉じて、開閉弁155を開くことにより、ガス溶解水は、ガス溶解水ノズル133A~133Eから供給されずに、ガス溶解水供給ライン152を通じて、循環ラインCLに戻される。制御装置30は、パーティクルカウンター160によって計測されたバブル数に基づいて、ガス溶解水のバブル数が安定しているか否かを判断する。
【0143】
ステップS405の後、制御装置30は、基板Wを吸着したトップリング81を研磨パッド84の外部に移動させて、基板Wを次の工程に搬送する(ステップS407参照)。ステップS407の後、制御装置30は、ドレッサ115を研磨パッド84上に移動させつつ、ガス溶解水を研磨パッド84上に供給して、研磨パッド84をドレッシングする(ステップS408参照)。
【0144】
研磨パッド84のドレッシング時において、制御装置30は、研磨パッド84の上方に配置されたアトマイザ85から大流量の洗浄液を研磨パッド84の表面に噴射させてもよい。一実施形態では、ノズルアーム130から供給されるガス溶解水の流量は、1L/minであり、アトマイザ85から供給されるガス溶解水の流量は、10L/minである。
【0145】
本実施形態では、基板処理システム50は、ノズルアーム130を通じて、ガス溶解水を供給するように構成されている。一実施形態では、基板処理システム50は、アトマイザ85を通じて、ガス溶解水を供給するように構成されてもよい。このような構成により、基板処理システム50は、ノズルアーム130を通じてガス溶解水を供給するのみならず、アトマイザ85を通じて大流量のガス溶解水を研磨パッド84上に供給することができる。アトマイザ85からガス溶解水を供給する構造については、ノズルアーム130からガス溶解水を供給する構造(または上述した実施形態(図1乃至図14)に係る構造)と同一であるため、説明を省略する。
【0146】
研磨パッド84のドレッシング中において、基板処理システム50は、ガス溶解水を研磨パッド84上に供給する。より具体的には、制御装置30は、開閉弁154A~154Eのうちの少なくとも1つを開き、かつ開閉弁155を閉じて、マイクロバブルを含むガス溶解水を、ガス溶解水ノズル133A~133Eの少なくとも1つから、研磨パッド84上に供給する。
【0147】
上述したように、ガス溶解水に含まれるバブルの破裂に起因する衝撃は、ガス溶解水に含まれるバブルの破裂に起因する衝撃よりも大きい。したがって、基板処理システム50は、バブルの破裂に起因して、研磨パッド84の表面(研磨面)に大きな衝撃を与えることができる。
【0148】
このような構成により、研磨パッド84の目詰まりをより確実に解消することができる。したがって、研磨パッド84のドレッシング時において、研磨パッド84の削り取る量を小さくすることができる。結果として、研磨パッド84の長寿命化を実現することができ、研磨レートや基板Wのプロファイルに悪影響を及ぼすことはない。さらに、ドレッシング時間が短縮し、スループットを向上させることができる。
【0149】
本実施形態によれば、基板処理システム50は、基板Wの研磨終了後に、高い洗浄力を有するガス溶解水(すなわち、ガス溶解水、ガス溶解水)を研磨パッド84上に供給することにより、基板Wの研磨プロセスの安定化を実現することができる。
【0150】
図17は、研磨装置の他の実施形態を示す図である。図17に示すように、基板処理システム50は、ガス溶解水を研磨モジュール14の構成要素(本実施形態では、トップリング81、液体供給機構104、およびドレッシング装置110)に分配するガス溶解水分配装置170を備えてもよい。
【0151】
ガス溶解水分配装置170は、ガス溶解水供給ライン152に接続された分配ライン171Aと、分配ライン171Aに接続された洗浄ノズル172Aと、分配ライン171Aに接続された開閉弁173Aと、を備えている。
【0152】
洗浄ノズル172Aは、退避位置に配置されたトップリング81に隣接して配置されており、基板処理システム50は、トップリング81の下方からトップリング81に向けてガス溶解水を噴射する。高い洗浄力を有するガス溶解水の噴射により、トップリング81をより効果的に洗浄することができる。
【0153】
図16のステップS409に示すように、制御装置30は、基板Wの搬送後、トップリング81を研磨パッド84の外部に位置する退避位置に移動させ、ガス溶解水を、退避位置に配置されたトップリング81に供給して、トップリング81を洗浄する。基板処理システム50は、トップリング81が退避位置に配置された状態で、トップリング81を洗浄するため、トップリング81を洗浄したガス溶解水が研磨パッド84上に落下することを防止することができる。
【0154】
開閉弁173Aは、制御装置30に電気的に接続されている。制御装置30は、開閉弁154A~154Eを閉じつつ、開閉弁155(図15参照)および開閉弁173Aを開いて、ガス溶解水をトップリング81に供給する。ステップS408において、基板処理システム50は、ガス溶解水を供給するため、ステップS409においても、基板処理システム50は、トップリング81にガス溶解水を供給する。
【0155】
図17に示すように、ガス溶解水分配装置170は、ガス溶解水供給ライン152に接続された分配ライン171Bと、分配ライン171Bに接続された洗浄ノズル172B,172Dと、を備えてもよい。
【0156】
洗浄ノズル172Bは、退避位置に配置されたノズルアーム130に隣接して配置されている。洗浄ノズル172Bには、分配ライン171Bから分岐した分岐ライン171Baが接続されており、分岐ライン171Baには、開閉弁173Bが接続されている。
【0157】
洗浄ノズル172Dは、退避位置に配置されたドレッサ115に隣接して配置されている。洗浄ノズル172Dに隣接して、分配ライン171Bに接続された開閉弁1173Dが配置されている。
【0158】
制御装置30は、開閉弁154A~154Eを閉じつつ、開閉弁155および開閉弁173B,173Dを開いて、ガス溶解水をノズルアーム130およびドレッサ115に供給することができる。例えば、制御装置30は、図16のステップS409において、トップリング81のみならず、ノズルアーム130およびドレッサ115のうちの少なくとも1つを洗浄してもよい。
【0159】
図18は、制御装置による、基板の処理フローの他の実施形態を示す図である。図18に示すように、制御装置30は、研磨パッド84上にスラリーを供給し、基板Wをスラリー研磨する(ステップS501,S502参照)。制御装置30は、ガス溶解水を安定的に供給するための供給準備を、基板Wの研磨動作(すなわち、ステップS502)と並行して実行し、(ステップS503参照)、ガス溶解水分配装置170を通じて、ガス溶解水をドレッサ115に供給してもよい(ステップS504参照)。一実施形態では、制御装置30は、ドレッサ115のみならず、アトマイザ85をも洗浄してもよい。
【0160】
その後、制御装置30は、基板Wのガス溶解水研磨を開始し(ステップS505参照)、ステップS505が終了した後、制御装置30は、基板Wをトップリング81に吸着させる(ステップS506参照)。
【0161】
ステップS507に示すように、制御装置30は、ガス溶解水を安定的に供給するための供給準備を、基板Wの搬送動作(すなわち、ステップS506および後述するステップS508)と並行して実行し、基板Wを次の工程に搬送した後(ステップS508参照)、ガス溶解水を研磨パッド84上に供給して、研磨パッド84をドレッシングする(ステップS509参照)。
【0162】
制御装置30は、基板Wの搬送後、ガス溶解水を、退避位置に配置されたトップリング81に供給して、トップリング81を洗浄する(ステップS510参照)。図18に示す実施形態では、基板処理システム50は、ステップS504において、ドレッサ115を洗浄しているため、ステップS510において、ドレッサ115を洗浄する必要はない。
【0163】
図示しないが、図1乃至図14に示す実施形態と、図15乃至図18に示す実施形態と、は、適宜、組み合わせてもよい。
【0164】
図19は、第1洗浄モジュールの他の実施形態を示す斜視図である。図19に示すように、第1洗浄モジュール16は、基板Wを保持しつつ、回転させるスピンチャック120と、基板Wの直径よりも長い洗浄ローラー121と、洗浄ローラー121に巻き付けられた洗浄部材122と、基板Wの表面に向けて洗浄液を供給する洗浄液ノズル123と、洗浄ローラー121を移動可能に支持する支持柱128と、を備えている。
【0165】
図19に示す実施形態では、洗浄ローラー121および洗浄部材122は、上述した洗浄部材61,62(図3参照)に相当する構成を有している。スピンチャック120は、基板Wの周縁部を保持する駒127と、駒127を回転可能に保持するスピンドル126と、を備えている。
【0166】
本実施形態では、スピンチャック120は、複数のスピンドル126と、スピンドル126の数に対応する数の駒127と、を備えている。スピンドル126の上端に保持された駒127が回転すると、駒127の回転力が基板Wに伝達され、基板Wは、駒127とともに回転する。
【0167】
第1洗浄モジュール16は、洗浄された基板Wの位置から離間されたセルフ洗浄位置(洗浄ローラー121および洗浄部材122の待機位置)に配置されたセルフクリーニング部124と、セルフクリーニング部124に配置された処理液供給ノズル(セルフクリーニング液ノズル)180と、を備えている。
【0168】
セルフクリーニング部124は、スピンチャック120に隣接して配置されている。支持柱128は、図19のX方向、Y方向、およびZ方向に移動可能である。したがって、支持柱128は、スピンチャック120が配置された基板洗浄位置と、セルフクリーニング部124が配置されたセルフ洗浄位置と、の間で、洗浄ローラー121を移動させるように構成されている。
【0169】
洗浄液ノズル123は、スピンチャック120に保持された基板Wの表面に洗浄液を供給し、基板W上に配置された洗浄部材122(および洗浄ローラー121)は、回転する基板Wの表面をスクラブ洗浄する(例えば、図10のステップS104参照)。基板Wのスクラブ洗浄によって、洗浄液ノズル123から供給された洗浄液に含まれるパーティクルは、洗浄部材122に付着する。
【0170】
そこで、基板Wのスクラブ洗浄を終了した後、支持柱128は、洗浄ローラー121を基板洗浄位置からセルフ洗浄位置に移動する(図19の矢印参照)。セルフ洗浄位置に移動された洗浄ローラー121(および洗浄部材122)は、セルフクリーニング液ノズル180から供給された洗浄液によって、セルフクリーニング部124で洗浄される。
【0171】
図20は、図19に示す第1洗浄モジュールを示す断面図である。図20に示すように、セルフクリーニング部124は、セルフクリーニング液ノズル180から供給された洗浄液を受けるセルフクリーニング槽140と、セルフクリーニング槽140に供給された洗浄液を排出する排液配管181と、セルフクリーニング槽140に配置された石英板129と、を備えている。
【0172】
セルフクリーニング液ノズル180は、薬液希釈モジュール52から供給される洗浄液の圧力を低下させる減圧開放部180aを有している。減圧開放部180aは、上述した減圧開放部(例えば、減圧開放部65a,66a,67a,68a)と同一の構成を有している。
【0173】
セルフクリーニング液ノズル(すなわち、処理液供給ノズル)180は、セルフ洗浄位置で待機している洗浄部材122(すなわち、スクラブ処理部材)に向けて、微細気泡を含む洗浄液または微細気泡を含むガス溶解水を供給する。微細気泡は、減圧開放部180aによって発生される。このようにして、セルフクリーニング液ノズル180は、洗浄部材122に付着したパーティクルを除去する。洗浄部材122の洗浄中において、洗浄部材122を石英板129に押し付けて、洗浄部材122からのパーティクルの除去を促進してもよい。
【0174】
図21は、第2洗浄モジュールの他の実施形態を示す斜視図である。図21に示すように、第2洗浄モジュール18は、基板Wを保持しつつ、回転させるスピンチャック202と、基板Wをスクラブ処理する洗浄部材203(すなわち、スクラブ処理部材)と、洗浄部材203を回転可能に支持する回転軸210と、回転軸210を介して洗浄部材203を揺動させる揺動アーム207と、基板Wの表面に洗浄液を供給する洗浄液ノズル208と、を備えている。
【0175】
基板Wがスピンチャック202に保持された状態で、スピンチャック202が回転すると、基板Wは、スピンチャック202とともに回転する。洗浄液ノズル208は、スピンチャック202に保持された基板Wの表面に洗浄液を供給し、基板W上に配置された洗浄部材203は、基板Wの表面をスクラブ洗浄する(例えば、図10のステップS104参照)。基板Wのスクラブ洗浄によって、洗浄液ノズル208から供給された洗浄液に含まれるパーティクルは、洗浄部材203に付着する。
【0176】
第2洗浄モジュール18は、洗浄された基板Wの位置から離間されたセルフ洗浄位置(洗浄部材203の待機位置)に配置されたセルフクリーニング部209と、セルフクリーニング部209に配置された処理液供給ノズル(セルフクリーニング液ノズル)216と、を備えている。
【0177】
セルフクリーニング部209は、スピンチャック202に隣接して配置されている。揺動アーム207は、スピンチャック202が配置された基板洗浄位置と、セルフクリーニング部209が配置されたセルフ洗浄位置と、の間で、洗浄部材203を移動させるように構成されている。
【0178】
基板Wのスクラブ洗浄を終了した後、揺動アーム207は、洗浄部材203を基板洗浄位置からセルフ洗浄位置に移動する。セルフ洗浄位置に移動された洗浄部材203は、セルフクリーニング部209で洗浄される。
【0179】
図22は、図21に示す第2洗浄モジュールを示す断面図である。図22に示すように、セルフクリーニング液ノズル216は、薬液希釈モジュール52から供給される洗浄液の圧力を低下させる減圧開放部216aを有している。減圧開放部216aは、上述した減圧開放部(例えば、減圧開放部65a,66a,67a,68a)と同一の構成を有している。
【0180】
図22に示すように、セルフクリーニング部209は、セルフクリーニング液ノズル216から供給された洗浄液を受けるセルフクリーニング槽220と、セルフクリーニング槽220に供給された洗浄液を排出する排液配管221と、セルフクリーニング槽220に配置された石英板215と、石英板215を支持する支持板214と、を備えている。支持板214は、図示しない支持軸に固定されている。
【0181】
セルフクリーニング液ノズル216(すなわち、処理液供給ノズル)は、セルフ洗浄位置で待機している洗浄部材203(すなわち、スクラブ処理部材)に向けて、微細気泡を含む洗浄液または微細気泡を含むガス溶解水を供給する。微細気泡は、減圧開放部216aによって発生される。このようにして、セルフクリーニング液ノズル216は、基板Wのスクラブ洗浄によって、洗浄部材203に付着したパーティクルを除去する。洗浄部材203の洗浄中において、洗浄部材203を石英板215に押し付けてもよい。
【0182】
図示しないが、図19乃至図22は、適宜、図1乃至図18に適用されてもよい。例えば、図19および図20を参照して説明したセルフクリーニング部124および処理液供給ノズル180は、図3を参照して説明した第1洗浄モジュール16に適用されてもよい。同様に、図21および図22を参照して説明したセルフクリーニング部209および処理液供給ノズル216は、図4を参照して説明した第2洗浄モジュール18に適用されてもよい。
【0183】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0184】
1 基板処理装置
2 研磨部
4 洗浄部
10 ハウジング
12 ロードポート
14a~14d 研磨モジュール
16 第1洗浄モジュール
18 第2洗浄モジュール
20 乾燥モジュール
22 第1搬送ロボット
24 搬送モジュール
26 第2搬送ロボット
28 第3搬送ロボット
30 制御装置
50 基板処理システム
51 ガス溶解水生成タンク
52 薬液希釈モジュール
53 送水ポンプ
54 送液ポンプ
55 流量コントローラ
56 圧力計
57 流量コントローラ
60 基板保持機構
61,62 スクラブ処理部材(洗浄部材)
63a,63b 回転機構
64a,64b 昇降機構
65,66 処理液供給ノズル(薬液供給ノズル)
65a,66a 減圧開放部
65b,66b バルブ
67,68 処理液供給ノズル(純水供給ノズル)
67a,68a 減圧開放部
67b,68b バルブ
70 基板保持機構
70a~70d チャック
70e モータ
71 スクラブ処理部材(洗浄部材)
72 移動式薬液供給ノズル
72a 減圧開放部
72b バルブ
73 アーム
75,76 処理液供給ノズル(薬液供給ノズル)
75a,76a 減圧開放部
75b,75b バルブ
77,78 処理液供給ノズル(純水供給ノズル)
77a,78a 減圧開放部
77b,78b バルブ
79 アーム揺動機構
79a 旋回軸
79b 回転機構
80 研磨テーブル
81 基板保持機構(トップリング)
81a シャフト
81b 支持アーム
82 処理液供給ノズル(スラリー供給ノズル)
82a 減圧開放部
82b バルブ
83 シャフト
84 研磨パッド
84a 研磨面
85 処理液供給ノズル(純水供給ノズル)
85a 減圧開放部
85b バルブ
104 液体供給機構
110 ドレッシング装置
111 ドレッサアーム
112 ドレッサ旋回軸
115 ドレッサ
120 スピンチャック
121 洗浄ローラー
122 洗浄部材
123 洗浄液ノズル
124 セルフクリーニング部
126 スピンドル
127 駒
128 支持柱
129 石英板
130 ノズルアーム
130a 先端部分
130b アーム部分
132 純水ノズル
133A~133E ガス溶解水供給ノズル
140 セルフクリーニング槽
141 スラリー供給源
142 スラリーライン
143 開閉弁
144 純水供給源
145 純水ライン
146 開閉弁
151 処理液供給ノズル
151a 減圧開放部
152 ガス溶解水供給ライン
153A~153E 分岐ライン
154A~154E 開閉弁
155 開閉弁
156A,156B 三方弁
157 バイパスライン
158 ウルトラファインバブルフィルタ
159 マイクロバブルフィルタ
160 パーティクルカウンター
170 ガス溶解水分配ライン
171A,171B 分配ライン
171Ba 分岐ライン
172A,172B,172D 洗浄ノズル
180 セルフクリーニング液ノズル(処理液供給ノズル)
180a 減圧開放部
202 スピンチャック
203 洗浄部材(スクラブ処理部材)
207 揺動アーム
208 洗浄液ノズル
209 セルフクリーニング部
210 回転軸
214 支持板
215 石英板
216 セルフクリーニング液ノズル(処理液供給ノズル)
216a 減圧開放部
220 セルフクリーニング槽
221 排液配管
GS ガス供給源
GL ガスライン
PS 純水供給源
PL 純水ライン
DL ガス排出ライン
DVL バルブ
MS 薬液供給源
CML 薬液ライン
CL 循環ライン
SL1~SL4 ガス溶解水供給ライン
SLa 薬液供給ライン
P1 圧力計
VL1(67b,68b)バルブ
VL2(77b,78b)バルブ
VLa~VLd バルブ
Va,Vb バルブ
V1,V2 バルブ
BL バイパスライン
L1,L2 接続ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22