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▶ エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023156357
(43)【公開日】2023-10-24
(54)【発明の名称】多重荷電粒子ビーム装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/09 20060101AFI20231017BHJP
   H01J 37/12 20060101ALI20231017BHJP
   H01J 37/14 20060101ALI20231017BHJP
   H01J 37/145 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H01J37/09 A
H01J37/12
H01J37/14
H01J37/145
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023122122
(22)【出願日】2023-07-27
(62)【分割の表示】P 2021567033の分割
【原出願日】2020-05-18
(31)【優先権主張番号】62/853,670
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/984,760
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レン,ウェイミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シュエドン
(72)【発明者】
【氏名】フー,シュエラン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ゾン-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】マーセン,マルティヌス,ゲラルドス,ヨハネス,マリア
(57)【要約】
【課題】マルチビーム装置におけるクーロン効果を軽減するシステム及び方法が開示される。
【解決手段】マルチビーム装置は、主光軸に沿って一次荷電粒子ビームを生成するように構成された荷電粒子源と、一次荷電粒子ビームから生じる多数の一次ビームレットを生成するように構成されたある形状を有する第1の多数のアパーチャを含む第1のアパーチャアレイと、主光軸に沿って調整可能な平面を含む集光レンズと、多数のビームレットに対応するプロービングビームレットを生成するように構成された第2の多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイとを含み得、多数のプロービングビームレットの各々は、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づく対応する一次ビームレットの荷電粒子の一部分を含む。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主光軸に沿って一次荷電粒子ビームを生成するように構成された荷電粒子源と、
前記一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成された第1の多数のアパーチャを含む第1のアパーチャアレイと、
前記主光軸に沿って調整可能な平面を含む集光レンズと、
多数のプロービングビームレットを生成するように構成された第2の多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイと
を含む、荷電粒子ビーム装置であって、
前記多数のプロービングビームレットの各々が、対応する一次ビームレットの荷電粒子の一部分を含み、
前記荷電粒子の前記一部分が、前記集光レンズの前記平面の位置及び前記第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定される、荷電粒子ビーム装置。
【請求項2】
前記第1のアパーチャアレイが、前記荷電粒子源と前記集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のアパーチャアレイが、オンアクシスビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャを含み、前記オンアクシスビームレットが、前記第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のアパーチャアレイが、オフアクシスビームレットを生成するように構成されたオフアクシスアパーチャを含み、前記オフアクシスビームレットが、前記第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のアパーチャアレイの前記オフアクシスアパーチャが、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のアパーチャアレイの前記オフアクシスアパーチャが、湾曲形状を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記オフアクシスアパーチャが、前記主光軸に向かうにつれて前記幅が細くなるように方向付けられる、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記集光レンズが、前記オフアクシスビームレットの一部分が前記多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記第2のアパーチャアレイが、前記集光レンズと対物レンズとの間に配置されたビーム制限アパーチャアレイを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の多数のアパーチャが、前記多数のプロービングビームレットのサイズ及び形状を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第2のアパーチャアレイの前記特性が、前記第2の多数のアパーチャのサイズ、形状及び配列の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記集光レンズが、静電、電磁又は電磁複合レンズを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の多数のアパーチャが、多数のオフアクシスアパーチャを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記多数のオフアクシスアパーチャが、第2のオフアクシスアパーチャと重複する第1のオフアクシスアパーチャを有するアパーチャを含み、前記第1のオフアクシスアパーチャが、前記第2のアパーチャアレイが第1のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにし、前記第2のオフアクシスアパーチャが、前記第2のアパーチャアレイが第2のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令セットが、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
前記第1のアパーチャアレイ及び前記第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することと
を含む方法を前記マルチビーム装置に実行させ、
前記第1のアパーチャアレイが、第1の多数のアパーチャを使用して、前記一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成され、
前記多数の一次ビームレットの各一次ビームレットの荷電粒子の一部分が、対応するプロービングビームレットを形成し、
前記荷電粒子の前記一部分が、前記集光レンズの前記平面の位置及び前記第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定される、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2019年5月28日に出願された米国特許出願第62/853,670号及び2020年3月3日に出願された米国特許出願第62/984,760号の優先権を主張し、同特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書で提供される実施形態は、マルチビーム装置を開示し、より具体的には、ビーム電流及びビーム位置の変動に対応するように構成され、クーロン効果を軽減するように構成されたアパーチャを有するアパーチャアレイを含むマルチビーム荷電粒子顕微鏡を開示する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成又は完成回路コンポーネントは、それらが設計に従って製造され、欠陥がないことを保証するために検査が行われる。走査電子顕微鏡(SEM)など、光学顕微鏡又は荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡を利用する検査システムを採用することができる。ICコンポーネントの物理的なサイズが縮小し続けるにつれて、欠陥検出における精度及び歩留まりがより重要になる。複数の電子ビームを使用してスループットを増大させることはできるが、プローブ電流の変動における制限により、信頼できる欠陥検出及び分析に対して望ましい撮像分解能が制限され、検査ツールは、それらの所望の目的に見合わないものになる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示の一態様では、荷電粒子ビーム装置が開示される。荷電粒子ビーム装置は、主光軸に沿って一次荷電粒子ビームを生成するように構成された荷電粒子源と、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成された第1の多数のアパーチャを含む第1のアパーチャアレイと、主光軸に沿って調整可能な平面を含む集光レンズと、多数のプロービングビームレットを生成するように構成された第2の多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイとを含む。多数のプロービングビームレットの各々は、対応する一次ビームレットの荷電粒子の一部分を含み、荷電粒子の一部分は、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定される。
【0005】
[0005] 第1のアパーチャアレイは、荷電粒子源と集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイを含み得る。第1のアパーチャアレイは、オンアクシスビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャを含み得、オンアクシスビームレットは、第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する。第1のアパーチャアレイは、オフアクシスビームレットを生成するように構成されたオフアクシスアパーチャをさらに含み得、オフアクシスビームレットは、第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する。第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャは、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含み得る。第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャは、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含み、湾曲形状を有し得る。オフアクシスアパーチャは、主光軸に向かうにつれて幅が細くなるように方向付けることができる。
【0006】
[0006] 集光レンズは、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成することができる。集光レンズは、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成することができる。第2の多数のアパーチャは、多数のプロービングビームレットのサイズ及び形状を決定するように構成することができる。第2のアパーチャアレイの特性は、第2の多数のアパーチャのサイズ、形状及び配列の少なくとも1つを含み得る。集光レンズは、静電、電磁又は電磁複合レンズを含み得る。
【0007】
[0007] 第1の多数のアパーチャは、多数のオフアクシスアパーチャを含み得る。多数のオフアクシスアパーチャは、第2のオフアクシスアパーチャと重複する第1のオフアクシスアパーチャを有するアパーチャを含み得、第1のオフアクシスアパーチャは、第2のアパーチャアレイが第1のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにし、第2のオフアクシスアパーチャは、第2のアパーチャアレイが第2のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにする。第1のアパーチャアレイの多数のオフアクシスアパーチャの各々は、第1のアパーチャアレイの基板材料によって分離することができる。第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャは、実質的に円形であり得、第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャの面積は、オフアクシスアパーチャの面積と実質的に同様である。
【0008】
[0008] 本開示の別の態様では、荷電粒子ビーム装置の第1のアパーチャアレイが開示される。第1のアパーチャアレイは、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成された第1の多数のアパーチャを含み得る。多数の一次ビームレットの各一次ビームレットの荷電粒子の一部分は、多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成し、荷電粒子の一部分は、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定され、第2のアパーチャアレイは、多数のプロービングビームレットを生成するように構成される。
【0009】
[0009] 本開示のさらなる別の態様では、マルチビーム装置を使用してサンプルを観察する方法が開示される。方法は、一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、第1のアパーチャアレイを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することと、第2のアパーチャアレイを使用して、多数の一次ビームレットに対応する多数のプロービングビームレットを生成することと、第1及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することと、多数のプロービングビームレットから、サンプルの表面に入射する多数のプローブスポットを生成することとを含み得、多数のプロービングビームレットの各々は、多数の一次ビームレットの対応する一次ビームレットの荷電粒子の一部分を含み、荷電粒子の一部分は、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定される。
【0010】
[0010] 集光レンズの平面の位置を調整することにより、プロービングビームレットの電流を含むプロービングビームレットの特性を修正することができる。多数の一次ビームレットを生成することは、オンアクシスビームレット及びオフアクシスビームレットを生成することを含み得る。方法は、集光レンズを使用して、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するようにすることをさらに含み得る。
【0011】
[0011] 本開示のさらなる別の態様では、第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。命令セットは、マルチビーム装置を使用してサンプルを観察する方法をマルチビーム装置に実行させることができる。方法は、一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、第1及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することとを含み得、第1のアパーチャアレイは、第1の多数のアパーチャを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成され、多数の一次ビームレットの各一次ビームレットの荷電粒子の一部分は、対応するプロービングビームレットを形成し、荷電粒子の一部分は、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定される。
【0012】
[0012] 本開示のさらなる別の態様では、荷電粒子ビーム装置が開示される。荷電粒子ビーム装置は、主光軸に沿って一次荷電粒子ビームを生成するように構成された荷電粒子源と、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成された複数のアパーチャセットを含む第1のアパーチャアレイと、主光軸に垂直な平面に配置された集光レンズと、多数のプロービングビームレットを生成するように構成された多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイとを含む。多数のプロービングビームレットの各プロービングビームレットは、第1のアパーチャアレイのアパーチャセットと関連付けられ、プロービングビームレットを形成するアパーチャセットのアパーチャは、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定される。
【0013】
[0013] 第1のアパーチャアレイは、荷電粒子源と集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイを含み得る。第1のアパーチャアレイは、オンアクシス一次ビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャをさらに含み得、オンアクシス一次ビームレットは、第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する。第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャは、実質的に円形であり得る。第1のアパーチャアレイは、多数のオフアクシス一次ビームレットを生成するように構成された複数のオフアクシスアパーチャセットを含み得、オフアクシス一次ビームレットは、第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する。
【0014】
[0014] 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットは、湾曲経路に沿って配置されたアパーチャを含み得る。複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットは、異なるサイズを有する少なくとも2つのアパーチャを含み得る。複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットは、対応する一次ビームレットの電流を決定するようにサイズ指定されたアパーチャを含み得る。複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットは、均一ピッチを有するアパーチャを含み得る。複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットは、不均一ピッチを有するアパーチャを含み得る。複数のオフアクシスアパーチャセットは、円形、長方形、楕円形又は多角形の断面を有するアパーチャを含み得る。
【0015】
[0015] 集光レンズは、多数の一次ビームレットの各一次ビームレットが多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成することができる。集光レンズは、静電、電磁又は電磁複合レンズを含み得る。第2のアパーチャアレイは、集光レンズと対物レンズとの間に配置されたビーム制限アパーチャアレイを含み得る。第2の多数のアパーチャは、多数のプロービングビームレットのサイズ及び形状を決定するように構成することができる。
【0016】
[0016] 本開示のさらなる別の態様では、荷電粒子ビーム装置の第1のアパーチャアレイが開示される。第1のアパーチャアレイは、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成された複数のアパーチャセットを含み得る。多数のプロービングビームレットの各プロービングビームレットは、第1のアパーチャアレイの複数のアパーチャセットの各セットと関連付けられ、プロービングビームレットを形成するアパーチャセットのアパーチャは、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定される。
【0017】
[0017] 本開示のさらなる別の態様では、マルチビーム装置を使用してサンプルを観察する方法が開示される。方法は、一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、第1のアパーチャアレイを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することと、第1及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することと、多数のプロービングビームレットからサンプルの表面に入射する多数のプローブスポットを生成することとを含み得る。多数のプロービングビームレットの各プロービングビームレットは、第1のアパーチャアレイのアパーチャセットと関連付けることができ、プロービングビームレットを形成するアパーチャセットのアパーチャは、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定される。
【0018】
[0018] 集光レンズの平面の位置を調整することにより、プロービングビームレットの特性を修正することができる。集光レンズの平面の位置を調整することにより、プロービングビームレットの電流を修正することができる。多数の一次ビームレットを生成することは、オンアクシス一次ビームレット及びオフアクシス一次ビームレットを生成することを含み得る。
【0019】
[0019] マルチビーム装置を使用してサンプルを観察する方法は、集光レンズを使用して、オフアクシス一次ビームレットが多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するようにすることをさらに含み得る。
【0020】
[0020] 本開示のさらなる別の態様では、第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。命令セットは、マルチビーム装置を使用してサンプルを観察する方法をマルチビーム装置に実行させることができる。方法は、一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、第1のアパーチャアレイ及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することとを含み得、第1のアパーチャアレイは、多数のアパーチャセットを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成され、多数の一次ビームレットの各一次ビームレットは、対応するプロービングビームレットを形成し、プロービングビームレットを形成するアパーチャセットのアパーチャは、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定される。
【0021】
[0021] 本開示のさらなる別の態様では、荷電粒子ビーム装置が開示される。装置は、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成された第1の多数のアパーチャを含む第1のアパーチャアレイを含み得る。第1の多数のアパーチャの各アパーチャは、第1の電圧であるように構成された第1のアパーチャプレートと、一次荷電粒子ビームの荷電粒子の経路の調整を可能にする電界を生成するために第1の電圧とは異なる第2の電圧であるように構成された第2のアパーチャプレートとを含み得る。装置は、第1の電圧と実質的に同様の第3の電圧であるように構成された第3のアパーチャプレートをさらに含み得る。装置は、主光軸に沿って調整可能な平面を含む集光レンズと、多数のプロービングビームレットを生成するように構成された第2の多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイとをさらに含み得、多数のプロービングビームレットの各々は、対応する一次ビームレットの荷電粒子の一部分を含み、荷電粒子の一部分は、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づく。
【0022】
[0022] 第1及び第3の電圧は、参照電圧を含み得る。第2のアパーチャプレートは、電気的活性化に応答して荷電粒子の経路を調整するように構成された荷電粒子ビーム偏向器を含み得る。荷電粒子ビーム偏向器は、単極偏向器又は多極偏向器を含み得る。第2のアパーチャプレートの電気的活性化は、電界を生成するために電圧信号が印加されることを含み得る。荷電粒子の経路は、第2のアパーチャプレートに印加される電圧信号の特性に基づいて調整される。電圧信号の特性は、極性又は振幅を含み得る。第1の多数のアパーチャの各アパーチャは、第1のアパーチャプレートの第1のアパーチャと、第2のアパーチャプレートの第2のアパーチャと、第3のアパーチャプレートの第3のアパーチャとを含み得、第2のアパーチャプレートは、第1のアパーチャプレートと第3のアパーチャプレートとの間に配置され、第1、第2及び第3のアパーチャの幾何学的中心は、位置合わせされる。第1及び第2のアパーチャのサイズには相違があり得、第1及び第3のアパーチャのサイズは実質的に同様であり得る。
【0023】
[0023] 第3のアパーチャプレートは、第2のアパーチャを出た荷電粒子の一部分をブロックするように構成することができる。第1のアパーチャアレイは、荷電粒子源と集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイを含み得る。第1のアパーチャアレイは、オンアクシスビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャを含み得、オンアクシスビームレットは、第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する。第1のアパーチャアレイは、オフアクシスビームレットを生成するように構成されたオフアクシスアパーチャを含み、オフアクシスビームレットは、第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する。第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャは、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含み得る。第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャは、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含み、湾曲形状を有し得る。オフアクシスアパーチャは、主光軸に向かうにつれて幅が細くなるように方向付けることができる。
【0024】
[0024] 集光レンズは、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成することができる。集光レンズは、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成することができる。第2の多数のアパーチャは、多数のプロービングビームレットのサイズ及び形状を決定するように構成することができる。第2のアパーチャアレイの特性は、第2の多数のアパーチャのサイズ、形状及び配列の少なくとも1つを含み得る。集光レンズは、静電、電磁又は電磁複合レンズを含み得る。
【0025】
[0025] 第1の多数のアパーチャは、多数のオフアクシスアパーチャを含み得る。多数のオフアクシスアパーチャは、第2のオフアクシスアパーチャと重複する第1のオフアクシスアパーチャを有するアパーチャを含み得、第1のオフアクシスアパーチャは、第2のアパーチャアレイが第1のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにし、第2のオフアクシスアパーチャは、第2のアパーチャアレイが第2のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにする。第1のアパーチャアレイの多数のオフアクシスアパーチャの各々は、第1のアパーチャアレイの基板材料によって分離することができる。第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャは、実質的に円形であり得、第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャの面積は、オフアクシスアパーチャの面積と実質的に同様である。
【0026】
[0026] 本開示のさらなる別の態様では、荷電粒子ビーム装置を使用してサンプルを観察する方法が開示される。方法は、一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、第1のアパーチャアレイの第1のアパーチャプレート及び第2のアパーチャプレートを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することであって、第1のアパーチャプレートが、第1の電圧で動作し、第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートを出た荷電粒子の経路を調整するために第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作する、生成することと、第2のアパーチャアレイを使用して、多数の一次ビームレットに対応する多数のプロービングビームレットを生成することと、多数のプロービングビームレットから、サンプルの表面に入射する多数のプローブスポットを生成することとを含み得る。方法は、第1の電圧と実質的に同様の第3の電圧で第3のアパーチャプレートを動作することをさらに含み得、第1及び第3の電圧は、参照電圧を含む。方法は、第2のアパーチャプレートを電気的に活性化することによって、荷電粒子の経路を調整することをさらに含み得、第2のアパーチャプレートの電気的活性化は、電界を生成するために電圧信号を印加することを含む。方法は、第1及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することをさらに含み得、集光レンズの平面の位置を調整することにより、多数のプロービングビームレットの特性が修正され、集光レンズの平面の位置を調整することにより、多数のプロービングビームレットの電流が修正され、多数の一次ビームレットを生成することは、オンアクシスビームレット及びオフアクシスビームレットを生成することを含む。方法は、集光レンズを使用して、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するようにすることをさらに含み得る。
【0027】
[0027] 本開示のさらなる別の態様では、第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。命令セットは、マルチビーム装置を使用してサンプルを観察する方法をマルチビーム装置に実行させることができる。方法は、一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、第1のアパーチャアレイの第1、第2及び第3のアパーチャプレートを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することであって、第1及び第3のアパーチャプレートが、実質的に第1の電圧で動作し、第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートを出た荷電粒子の経路を調整するために第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作する、生成することと、第2のアパーチャアレイを使用して、多数の一次ビームレットに対応する多数のプロービングビームレットを生成することと、多数のプロービングビームレットから、サンプルの表面に入射する多数のプローブスポットを生成することとを含み得る。
【0028】
[0028] 本開示のさらなる別の態様では、荷電粒子ビーム装置が開示される。装置は、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成された第1の多数のアパーチャを含む第1のアパーチャアレイを含み得る。第1の多数のアパーチャの各アパーチャは、第1の電圧であるように構成された第1のアパーチャプレートと、第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間に電界を生成するために第1の電圧とは異なる第2の電圧であるように構成された第2のアパーチャプレートと、対応する一次ビームレットからプロービングビームレットを生成するように構成された第2のアパーチャアレイであって、プロービングビームレットのビーム電流が調整可能である、第2のアパーチャアレイとを含み得る。第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界は、実質的に固定することができ、ビーム電流は、第1のアパーチャアレイの第1の多数のアパーチャの各アパーチャのサイズに基づいて離散的に調整される。第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界は調整可能であり得、ビーム電流は、第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界に基づいて調整される。
【0029】
[0029] 本開示のさらなる別の態様では、荷電粒子ビーム装置を使用してサンプルを観察する方法が開示される。方法は、一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、第1のアパーチャアレイの第1のアパーチャプレート及び第2のアパーチャプレートを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することであって、第1のアパーチャプレートが、第1の電圧で動作し、第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートを出た荷電粒子の経路を調整するために第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作する、生成することと、第2のアパーチャアレイを使用して、対応する一次ビームレットからプロービングビームレットを生成することであって、プロービングビームレットのビーム電流が調整可能である、生成することと、プロービングビームレットから、サンプルの表面に入射するプローブスポットを生成することとを含み得る。方法は、荷電粒子の経路を調整することをさらに含み得、経路を調整することは、第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間に形成された電界に基づいて荷電粒子を偏向させることを含む。第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界は、実質的に固定することができ、プロービングビームレットのビーム電流を調整することは、第1のアパーチャアレイのアパーチャのサイズに基づく。第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界は調整可能であり得、プロービングビームレットのビーム電流を調整することは、第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界を調整することを含む。荷電粒子を偏向させることは、電界を生成するために電圧信号を印加することによって第2のアパーチャプレートを電気的に活性化することによって引き起こすことができる。方法は、第1の電圧と実質的に同様の第3の電圧で第3のアパーチャプレートを動作することをさらに含み得、第1及び第3の電圧は、参照電圧を含む。
【0030】
[0030] 本開示のさらなる別の態様では、第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令セットが、マルチビーム装置に方法を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。方法は、一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、第1のアパーチャアレイの第1のアパーチャプレート及び第2のアパーチャプレートを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することであって、第1のアパーチャプレートが、第1の電圧で動作し、第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートを出た荷電粒子の経路を調整するために第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作する、生成することと、第2のアパーチャアレイを使用して、対応する一次ビームレットからプロービングビームレットを生成することであって、プロービングビームレットのビーム電流が調整可能である、生成することと、プロービングビームレットから、サンプルの表面に入射するプローブスポットを生成することとを含み得る。
【0031】
[0031] 本開示のさらなる別の態様では、荷電粒子ビーム装置が開示される。装置は、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成されたプレビームレット形成アパーチャセットと、対応する一次ビームレットからプロービングビームレットを形成するように構成されたビーム制限アパーチャであって、プロービングビームレットのビーム電流が、一次ビームレットを形成するプレビームレット形成アパーチャセットのアパーチャの特性に基づいて決定される、ビーム制限アパーチャとを含み得る。プレビームレット形成アパーチャセットのアパーチャの特性は、アパーチャのサイズ、形状又は場所を含み得る。プロービングビームレットのビーム電流は、プレビームレット形成アパーチャセットのアパーチャのサイズに基づいて離散的に調整することができる。装置は、多数のプレビームレット形成アパーチャセットの第1のアレイと、一次荷電粒子ビームの主光軸に沿って第1のアレイの下流に配置された多数のビーム制限アパーチャの第2のアレイとを含み得る。プロービングビームレットを形成するプレビームレット形成アパーチャセットのアパーチャは、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定することができ、集光レンズの特性は、主光軸に沿った集光レンズの平面の位置を含み得る。集光レンズの平面の位置の変更は、プロービングビームレットのビーム電流に影響を及ぼすように構成することができる。集光レンズは、プレビームレット形成アパーチャセットの異なるアパーチャを通過するように一次荷電粒子ビームの一部分を誘導することによって、プロービングビームレットのビーム電流に作用を及ぼすように構成することができる。平面の第1の位置に位置する集光レンズは、第1の一次ビームレットを形成するために一次荷電粒子ビームの第1の部分がプレビームレット形成アパーチャセットの第1のアパーチャを通過するように構成することができ、平面の第2の位置に位置する集光レンズは、第2の一次ビームレットを形成するために一次荷電粒子ビームの第2の部分がプレビームレット形成アパーチャセットの第2のアパーチャを通過するように構成することができる。
【0032】
[0032] 第1のアレイは、オンアクシス一次ビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャを含み得、オンアクシス一次ビームレットは、第2のアレイのオンアクシスアパーチャに入射し、プレビームレット形成アパーチャセットは、オフアクシス一次ビームレットを生成するように構成された多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャを含み得、オフアクシス一次ビームレットは、第2のアレイの対応するオフアクシスビーム制限アパーチャに入射する。オフアクシスプレビームレット形成アパーチャの各々は、第1のアレイの基板材料によって分離することができる。多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャは、湾曲経路に沿って配置することができる。多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャは、異なるサイズを有する少なくとも2つのアパーチャを含み得る。多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャは、多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャの各アパーチャを通過した時点で生成される一次ビームレットのビーム電流を決定するようにサイズ指定することができる。多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャの各アパーチャは、均一ピッチ又は不均一ピッチを有し得る。
【0033】
[0033] 本開示の実施形態の他の利点は、添付の図面と併せて取り入れられる以下の説明から明らかになるであろう。以下の説明では、例示及び例として、本発明のある特定の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】[0034]本開示の実施形態と一致する、例示的な電子ビーム検査(EBI)システムを示す概略図である。
図2】[0035]本開示の実施形態と一致する、図1の例示的な電子ビーム検査システムの一部であり得る例示的な電子ビームツールを示す概略図である。
図3】[0036]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置の調整可能な集光レンズの例示的な構成を示す概略図である。
図4A】[0037]本開示の実施形態と一致する、図3のマルチビーム装置のアパーチャアレイにおけるプローブ電流を変化させた例示的な荷電粒子ビームプロファイルを示す概略図である。
図4B】[0037]本開示の実施形態と一致する、図3のマルチビーム装置のアパーチャアレイにおけるプローブ電流を変化させた例示的な荷電粒子ビームプロファイルを示す概略図である。
図4C】[0037]本開示の実施形態と一致する、図3のマルチビーム装置のアパーチャアレイにおけるプローブ電流を変化させた例示的な荷電粒子ビームプロファイルを示す概略図である。
図5A】[0038]本開示の実施形態と一致する、図3のマルチビーム装置のアパーチャアレイにおけるプローブ電流を変化させた例示的な荷電粒子ビームプロファイルを示す概略図である。
図5B】[0038]本開示の実施形態と一致する、図3のマルチビーム装置のアパーチャアレイにおけるプローブ電流を変化させた例示的な荷電粒子ビームプロファイルを示す概略図である。
図5C】[0038]本開示の実施形態と一致する、図3のマルチビーム装置のアパーチャアレイにおけるプローブ電流を変化させた例示的な荷電粒子ビームプロファイルを示す概略図である。
図6A】[0039]本開示の実施形態と一致する、アパーチャアレイの細長いアパーチャの例示的な配列を示す概略図である。
図6B】[0039]本開示の実施形態と一致する、アパーチャアレイの細長いアパーチャの例示的な配列を示す概略図である。
図7A】[0040]本開示の実施形態と一致する、アパーチャアレイの例示的な湾曲アパーチャを示す概略図である。
図7B】[0040]本開示の実施形態と一致する、アパーチャアレイの例示的な湾曲アパーチャを示す概略図である。
図8A】[0041]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置のアパーチャアレイのアパーチャの例示的な配列を示す概略図である。
図8B】[0041]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置のアパーチャアレイのアパーチャの例示的な配列を示す概略図である。
図9】[0042]本開示の実施形態と一致する、図3のマルチビーム装置のビーム制限アパーチャアレイのアパーチャの例示的な配列を示す概略図である。
図10】[0043]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置のアパーチャアレイの部分重複アパーチャの例示的な投影を示す概略図である。
図11A】[0044]本開示の実施形態と一致する、図10のアパーチャアレイのマージアパーチャの例示的な配列を示す概略図である。
図11B】[0045]本開示の実施形態と一致する、図10のアパーチャアレイのアパーチャの例示的な配列を示す。
図11C】[0046]本開示の実施形態と一致する、図11Bのアパーチャによって形成されたビームレットのスポットサイズとビーム電流との間の関係を示す。
図11D】[0047]本開示の実施形態と一致する、図10のアパーチャアレイのアパーチャの例示的な配列を示す。
図11E】[0048]本開示の実施形態と一致する、アクティブアパーチャアレイの例示的なアパーチャの拡大図を示す。
図11F】[0049]本開示の実施形態と一致する、図11Eの例示的なアパーチャの断面図を示す。
図12】[0050]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査ツールを使用してサンプルを観察する例示的な方法を表すプロセスフローチャートである。
図13】[0051]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査ツールを使用してサンプルを観察する例示的な方法を表すプロセスフローチャートである。
図14】[0052]本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査ツールを使用してサンプルを観察する例示的な方法を表すプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[0053] ここでは、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例は、添付の図面に示されている。以下の説明は、添付の図面を参照し、別段の表現がない限り、異なる図面における同じ番号は、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明において記載される実装形態は、すべての実装形態を表すわけではない。代わりに、それらの実装形態は、添付の請求項において記述されるように、開示される実施形態に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。例えば、いくつかの実施形態は、電子ビームの利用に関する文脈において説明されているが、本開示は、そのように限定されない。他のタイプの荷電粒子ビームを同様に適用することができる。その上、光学撮像、写真検出、X線検出など、他の撮像システムを使用することができる。
【0036】
[0054] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成された回路で構築される。多くの回路は、同じシリコン片上にまとめて形成することができ、集積回路又はICと呼ばれる。これらの回路のサイズは劇的に減少しており、その結果、さらに多くの回路を基板に適合させることができる。例えば、スマートフォンのICチップは、親指の爪ほどの大きさしかないが、それにもかかわらず、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪のサイズの1/1000未満である。
【0037】
[0055] これらの極めて小さなICの作成は、多大な時間を要する複雑且つ高価なプロセスであり、数百もの個々のステップを伴う場合が多い。1つのステップにおける誤差でさえ、完成ICに欠陥をもたらす可能性があり、完成ICは、無用なものとなる。従って、製造プロセスの目標の1つは、プロセスで作成される機能可能なICの数を最大化するため、すなわち、プロセスの総歩留まりを向上させるために、そのような欠陥を回避することである。
【0038】
[0056] 歩留まりを向上させる要素の1つは、十分な数の機能可能な集積回路を生産することを保証するために、チップ作成プロセスをモニタすることである。プロセスをモニタする方法の1つは、それらの形成の様々な段階でチップ回路構造を検査することである。検査は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して行うことができる。SEMは、これらの極めて小さな構造を撮像するために使用することができ、実際には、構造の「ピクチャ」を撮影する。画像は、構造が正しく形成されたかどうか、また、構造が正しい場所に形成されたかどうかを判断するために使用することができる。構造に欠陥がある場合は、欠陥が再発する可能性が低くなるようにプロセスを調整することができる。
【0039】
[0057] マルチビームSEMなどの多重荷電粒子ビーム撮像システムは、ウェーハ検査スループットの増大において有用であり得るが、マルチビームSEMの撮像分解能は、クーロン相互作用効果によるマイナスの影響を受ける可能性がある。高スループットを達成するため、ビームはできる限り多くの電子を含むことが望ましい。しかし、電子間の反発するクーロン相互作用により、大多数の電子を非常に小さなボリューム内に閉じ込めることは難しい。その上、これらの相互作用は、ビームの幅を広げ、電子の飛行方向を変更する可能性がある。その結果、プローブスポットはより大きくなり、従って、SEMの全分解能にマイナスのインパクトを及ぼすことになる。従って、マルチビームSEMの高分解能を維持するためにクーロン相互作用効果を軽減することが望ましい。
【0040】
[0058] クーロン相互作用効果を緩和するため、アパーチャアレイは、周辺の電子を削除するか又は一次電子ビームを複数のビームレットに分けるために、電子源の近くに配置することができる。しかし、分解能を調整するためにプロービングビーム電流を調整することにより、アパーチャアレイを通じるビーム経路が変更される可能性がある。遭遇し得るいくつかの問題のうちの1つは、クーロン相互作用効果を軽減するために十分に小さな面積を維持しながら、様々なサイズ及び位置のビームの通過を可能にするようにアパーチャアレイのアパーチャを構成できない場合があることである。
【0041】
[0059] その上、撮像分解能はクーロン相互作用効果による悪影響を受ける可能性があることを理由に、プロービングビーム電流の変動に対応するため、それらのアパーチャの不均一な形状にかかわらず、アパーチャの全面積の均一性を維持することが望ましいかもしれない。アパーチャアレイのアパーチャ間のクーロン相互作用効果の変動により、同じ画像内の領域の分解能の不均一性が生じ、例えば、欠陥を検出及び識別するユーザの能力に影響が及ぶ可能性がある。
【0042】
[0060] 従来のSEM及びマルチビームSEMでは、プロービング電子ビームのサイズ又はプローブスポットサイズにより、撮像分解能を決定することができる。例えば、高ビーム電流を有する大きなプローブスポットは、低分解能をもたらし得、低ビーム電流を有する小さなプローブスポットは、より優れた分解能をもたらし得る。大きなビームスポットサイズからの低撮像分解能は、高電流ビームにおけるクーロン相互作用効果の増強に部分的に起因し得る。
【0043】
[0061] 大きな範囲のビーム電流は、マルチビームSEMツールにおけるウェーハ検査の間の様々な動作の実行に対して望ましいかもしれない。例えば、高電流ビームは、ウェーハ上の大きなエリアの低分解能のマクロスコピック検査を実行するために使用することができ、低電流及び高分解能走査は、マイクロスコピック又はナノスコピックレベルの徹底的な欠陥調査を実行することが望ましいかもしれない。マルチビームSEMの単一の電子源から大きな範囲のビーム電流を生成するためのいくつかの方法のうちの1つは、電子が通過し得るアパーチャのサイズ又は長さを増加することを含み得る。しかし、複数の大きなアパーチャは、クーロン相互作用効果を増大させるのみならず、アパーチャアレイの機械的完全性にマイナスの影響を及ぼし得る。従って、クーロン相互作用効果の低減及びアパーチャアレイの機械的完全性の維持を行いながら大きな範囲のビーム電流を提供することができる、例えば、マルチビームSEMなどの撮像ツールを有することが望ましいかもしれない。
【0044】
[0062] 本開示のいくつかの実施形態では、マルチビーム装置は、多数の細長いアパーチャを含むアパーチャアレイを含み得、多数の細長いアパーチャは、テーパ状の幅を有し、一次荷電粒子ビームと関連付けられた多数のビームレットを生成するように構成される。また、装置は、主光軸に沿った調整可能な平面上の集光レンズや、プロービングビームレットを生成するように構成された多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイも含み得る。第1の多数のアパーチャの形状は、プロービングビームレットの調整可能なプローブ電流と関連付けられた対応するビームレットの経路、集光レンズの平面の調整性並びに第2のアパーチャアレイの特性(アパーチャのサイズ、形状及び位置決めなど)に基づく。
【0045】
[0063] 本開示のいくつかの実施形態では、マルチビーム装置は、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成された多数のアパーチャセットを含む第1のアパーチャアレイを含み得る。また、装置は、多数のプロービングビームレットを生成するように構成された多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイも含み得る。プロービングビームレットは、アパーチャセットと関連付けることができ、プロービングビームレットを形成するアパーチャセットのアパーチャは、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定することができる。
【0046】
[0064] 図面では、コンポーネントの相対寸法は、明確にするために拡大され得る。以下の図面の説明内では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に対する違いのみを説明する。本明細書で使用される場合、別段の具体的な記述がない限り、「又は」という用語は、実行不可能な場合を除いて、考えられるすべての組合せを包含する。例えば、コンポーネントがA又はBを含み得るということが記述されている場合は、別段の具体的な記述がない限り又は実行不可能でない限り、コンポーネントは、A又はB、或いはA及びBを含み得る。第2の例として、コンポーネントがA、B又はCを含み得るということが記述されている場合は、別段の具体的な記述がない限り又は実行不可能でない限り、コンポーネントは、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA、B及びCを含み得る。
【0047】
[0065] ここで図1を参照すると、図1は、本開示の実施形態と一致する、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示している。図1に示されるように、荷電粒子ビーム検査システム100は、メインチャンバ10、装填・ロックチャンバ20、電子ビームツール40及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)30を含む。電子ビームツール40は、メインチャンバ10内に位置する。説明及び図面は電子ビームを対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するためには使用されないことが理解されている。
【0048】
[0066] EFEM 30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM 30は、追加の装填ポートを含み得る。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、検査予定のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ若しくは他の材料で作られたウェーハ)又はサンプルを含むウェーハ前面開口式一体型ポッド(FOUP)を受け取る(以下では、ウェーハ及びサンプルは、集合的に「ウェーハ」と呼ばれる)。EFEM 30の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填・ロックチャンバ20にウェーハを移送する。
【0049】
[0067] 装填・ロックチャンバ20は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、装填/ロック真空ポンプシステムは、大気圧を下回る第1の圧力に達するように装填・ロックチャンバ20内の気体分子を取り除く。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填・ロックチャンバ20からメインチャンバ10にウェーハを移送する。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、メインチャンバ真空ポンプシステムは、第1の圧力を下回る第2の圧力に達するようにメインチャンバ10内の気体分子を取り除く。第2の圧力に達した後、ウェーハに対して、電子ビームツール40による検査が行われる。いくつかの実施形態では、電子ビームツール40は、シングルビーム検査ツールを含み得る。他の実施形態では、電子ビームツール40は、マルチビーム検査ツールを含み得る。
【0050】
[0068] コントローラ50は、電子ビームツール40に電子的に接続することができ、また、他のコンポーネントにも電子的に接続することができる。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査システム100の様々な制御を実行するように構成されたコンピュータであり得る。また、コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填・ロックチャンバ20及びEFEM 30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部でもあり得ることが理解されている。
【0051】
[0069] 本開示は、電子ビーム検査システムを収納するメインチャンバ10の例を提供しているが、本開示の態様は、広い意味で、電子ビーム検査システムを収納するチャンバに限定されないことに留意すべきである。むしろ、前述の原理は、他のチャンバにも適用できることが理解されている。
【0052】
[0070] ここで図2を参照すると、図2は、本開示の実施形態と一致する、図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部であり得る例示的な電子ビームツール40を示す概略図を示している。電子ビームツール40(本明細書では、装置40とも呼ばれる)は、電子源101、ガンアパーチャ103を有するガンアパーチャプレート171、集光レンズ110、供給源変換ユニット120、一次投影光学系130、サンプルステージ(図2には図示せず)、二次光学系150及び電子検出デバイス140を含む。一次投影光学系130は、対物レンズ131を含み得る。電子検出デバイス140は、多数の検出要素140_1、140_2、140_3を含み得る。ビームセパレータ160及び偏向走査ユニット132は、一次投影光学系130内に配置することができる。装置40の一般的に知られている他のコンポーネントを必要に応じて適切に追加/省略できることを理解することができる。
【0053】
[0071] 電子源101、ガンアパーチャプレート171、集光レンズ110、供給源変換ユニット120、ビームセパレータ160、偏向走査ユニット132及び一次投影光学系130は、装置100の主光軸100_1と位置合わせすることができる。二次光学系150及び電子検出デバイス140は、装置40の副光軸150_1と位置合わせすることができる。
【0054】
[0072] 電子源101は、カソード、抽出器又はアノードを含み得、一次電子は、カソードから放出し、次いで、抽出するか又は加速させ、クロスオーバー(虚像又は実像)101sを形成する一次電子ビーム102を形成することができる。一次電子ビーム102は、クロスオーバー101sから放出されると視覚化することができる。
【0055】
[0073] 供給源変換ユニット120は、像形成要素アレイ(図2には図示せず)、収差補償器アレイ(図示せず)、ビーム制限アパーチャアレイ(図示せず)及び事前屈曲マイクロ偏向器アレイ(図示せず)を含み得る。像形成要素アレイは、一次電子ビーム102の多数のビームレットを用いてクロスオーバー101sの多数の平行像(虚像又は実像)を形成するために、多数のマイクロ偏向器又はマイクロレンズを含み得る。図2は、例として、3つのビームレット102_1、102_2、102_3を示しており、供給源変換ユニット120は、いかなる数のビームレットも取り扱えることが理解されている。
【0056】
[0074] 集光レンズ110は、一次電子ビーム102を集束させるように構成される。供給源変換ユニット120の下流のビームレット102_1、102_2、102_3の電流は、集光レンズ110の集束力を調整することによって又はビーム制限アパーチャアレイ内の対応するビーム制限アパーチャの半径サイズを変更することによって、変化させることができる。電流は、ビーム制限アパーチャの半径サイズと集光レンズ110の集束力の両方を変えることによって変更することができる。集光レンズ110は、その第1の原理平面の位置を動かせるように構成することができる調整可能な集光レンズであり得る。調整可能な集光レンズは、磁性を持たせるように構成することができ、それにより、オフアクシスビームレット102_2及び102_3は、ある回転角度で供給源変換ユニット120に照射される。回転角度は、調整可能な集光レンズの集束力又は第1の主平面の位置と共に変更することができる。それに従って、集光レンズ110は、集光レンズ110の集束力を変更しながら、回転角度を変更しないまま維持するように構成することができる回転防止集光レンズであり得る。いくつかの実施形態では、集光レンズ110は、集光レンズ110の集束力及び第1の主平面の位置を変化させた際に回転角度を変更しない調整可能な回転防止集光レンズであり得る。
【0057】
[0075] 対物レンズ131は、検査のためにサンプル190上にビームレット102_1、102_2、102_3を集束させるように構成することができ、サンプル190の表面に3つのプローブスポット102_1s、102_2s、102_3sを形成することができる。ガンアパーチャプレート171は、クーロン相互作用効果を低減するために、一次電子ビーム102の未使用の周辺の電子をブロックすることができる。クーロン相互作用効果は、プローブスポット102_1s、102_2s、102_3sの各々のサイズを拡大し、従って、検査分解能を悪化させる恐れがある。
【0058】
[0076] ビームセパレータ160は、静電双極子場E1及び磁気双極子場B1(図2には両方とも図示せず)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタタイプのビームセパレータであり得る。それらの場が印加された場合、静電双極子場E1によってビームレット102_1、102_2、102_3の電子にかかる力は、磁気双極子場B1によって電子にかかる力に対して、大きさは等しく、方向は反対方向である。従って、ビームレット102_1、102_2、102_3は、ビームセパレータ160をゼロ偏向角度で真っすぐに通過することができる。
【0059】
[0077] 偏向走査ユニット132は、サンプル190の表面のセクションの3つの小さな走査エリアにわたってプローブスポット102_1s、102_2s、102_3sを走査するために、ビームレット102_1、102_2、102_3を偏向することができる。ビームレット102_1、102_2、102_3がプローブスポット102_1s、102_2s、102_3sに入射することに応答して、3つの二次電子ビーム102_1se、102_2se、102_3seをサンプル190から放出することができる。二次電子ビーム102_1se、102_2se、102_3seの各々は、二次電子(エネルギー≦50eV)及び後方散乱電子(50eVとビームレット102_1、102_2、102_3の着地エネルギーとの間のエネルギー)を含む、エネルギーが分配された電子を含み得る。ビームセパレータ160は、二次電子ビーム102_1se、102_2se、102_3seを二次光学系150に向けて誘導することができる。二次光学系150は、二次電子ビーム102_1se、102_2se、102_3seを電子検出デバイス140の検出要素140_1、140_2、140_3に集束させることができる。検出要素140_1、140_2、140_3は、対応する二次電子ビーム102_1se、102_2se、102_3seを検出し、サンプル190の対応する走査エリアの画像を構築するために使用される対応する信号を生成することができる。
【0060】
[0078] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、画像処理システムを含み得、画像処理システムは、画像取得器(図示せず)及びストレージ(図示せず)を含む。画像取得器は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。例えば、画像取得器は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイス及び同様のもの、又は、それらの組合せを含み得る。画像取得器は、数ある中でも特に、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機又はそれらの組合せなどの媒体を通じて、装置40の電子検出デバイス140に通信可能に結合することができる。いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス140から信号を受信し、画像を構築することができる。従って、画像取得器は、サンプル190の画像を取得することができる。また、画像取得器は、輪郭の生成、取得画像へのインジケータの重畳及び同様のものなどの様々な後処理機能を実行することもできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を実行するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリ及び同様のものなどの記憶媒体であり得る。ストレージは、画像取得器と結合し、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存したり、後処理された画像を保存したりするために使用することができる。
【0061】
[0079] いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス140から受信された撮像信号に基づいてサンプルの1つ又は複数の画像を取得することができる。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するための走査動作に相当し得る。取得画像は、多数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。単一の画像は、ストレージに格納することができる。単一の画像は、多数の領域に分割され得るオリジナルの画像であり得る。領域の各々は、サンプル190の特徴を含む撮像エリアを1つずつ含み得る。取得画像は、時系列にわたって複数回サンプリングされたサンプル190の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像は、ストレージに格納することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、サンプル190の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを実行するように構成することができる。
【0062】
[0080] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、検出された二次電子の分布を得るために、測定回路(例えば、アナログ/デジタル変換器)を含み得る。検出時間窓の間に収集された電子分布データは、ウェーハ表面に入射した一次ビームレット102_1、102_2、102_3の各々の対応する走査経路データと組み合わせて、検査中のウェーハ構造の画像を再構築するために使用することができる。再構築された画像は、サンプル190の内部又は外部の構造の様々な特徴を明らかにするために使用することができ、従って、ウェーハに存在し得るいかなる欠陥も明らかにするために使用することができる。
【0063】
[0081] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、検査の間にサンプル190を動かすように電動ステージ(図示せず)を制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、電動ステージが、ある方向に一定の速さで継続的にサンプル190を動かせるようにすることができる。他の実施形態では、コントローラ50は、電動ステージが、走査プロセスのステップに応じて、サンプル190が動く速さを経時的に変更できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、二次電子ビーム102_1se、102_2se、102_3seの画像に基づいて、一次投影系130又は二次投影系150の構成を調整することができる。
【0064】
[0082] 図2は、電子ビームツール40が3つの一次電子ビームを使用することを示しているが、電子ビームツール40は、2つ以上の一次電子ビームを使用できることが理解されている。本開示は、装置40で使用される一次電子ビームの数を限定しない。
【0065】
[0083] ここで図3を参照すると、図3は、本開示の実施形態と一致する、調整可能な集光レンズ110の例示的な構成を示すマルチビーム装置300の概略図である。マルチビーム装置300は、荷電粒子ビーム検査システム(例えば、図1の電子ビーム検査システム100)の一部であり得ることが理解されている。
【0066】
[0084] マルチビーム装置300は、電子源101、プレビームレット形成アパーチャメカニズム172、集光レンズ110、対物レンズ131及び供給源変換ユニット120を含み得、供給源変換ユニット120は、ビーム制限アパーチャアレイ121及び像形成要素アレイ122を含み得る。いくつかの実施形態では、電子源101は、一次電子を放出し、一次電子ビーム102を形成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ガンアパーチャプレート(図示せず)は、クーロン効果を低減するために、一次電子ビーム102の周辺の電子をブロックするように構成することができる。いくつかの実施形態では、プレビームレット形成アパーチャメカニズム172は、クーロン効果を低減するために、一次電子ビーム102の周辺の電子をさらに削除する。一次電子ビーム102は、プレビームレット形成アパーチャメカニズム172を通過した後、3つの一次電子ビームレット102_1、102_2、102_3(又は他の任意の数のビームレット)に削減することができる。電子源101、ガンアパーチャプレート171、プレビームレット形成アパーチャメカニズム172及び集光レンズ110は、マルチビーム電子ビームツール300の主光軸100_1と位置合わせすることができる。
【0067】
[0085] いくつかの実施形態では、供給源変換ユニット120には、ビーム制限アパーチャアレイ121及び像形成要素アレイ122を提供することができる。ビーム制限アパーチャアレイ121は、ビーム制限アパーチャ121_1、121_2、121_3を含み得る。図3は、3つのアパーチャのみを示しているが、必要に応じて適切に、いかなる数のアパーチャも使用できることが理解されている。ビーム制限アパーチャ121_1、121_2、121_3は、一次電子ビーム102のビームレット102_1、102_2、102_3のサイズを制限することができる。像形成要素アレイ122は、像形成偏向器122_1、122_2、122_3を含み得る。偏向器122_1、122_2、122_3は、主光軸100_1に向けて角度を変化させることによって、ビームレット102_1、102_2、102_3を偏向するように構成することができる。いくつかの実施形態では、偏向器は、主光軸100_1から離れるほど、ビームレットの偏向度は大きくなる。その上、像形成要素アレイ122は、複数の層(図示せず)を含み得、偏向器122_1、122_2、122_3を別個の層に提供することができる。偏向器122_1、122_2、122_3は、互いに無関係に個別に制御することができる。いくつかの実施形態では、偏向器は、サンプル190の表面に形成されるプローブスポット(例えば、102_1S、102_2S、102_3S)のピッチを調整するように制御することができる。本明細書で言及される場合、プローブスポットのピッチは、サンプル190の表面上の2つの直接隣接するプローブスポット間の距離として定義することができる。
【0068】
[0086] 像形成要素アレイ122の中央に位置する偏向器は、マルチビーム装置300の主光軸100_1と位置合わせすることができる。従って、いくつかの実施形態では、中央の偏向器は、ビームレット102_1の軌道を真っすぐに維持するように構成することができる。いくつかの実施形態では、中央の偏向器は、省略することができる。しかし、いくつかの実施形態では、一次電子源101は、必ずしも供給源変換ユニット120の中心と位置合わせされるとは限らない。その上、図3は、ビームレット102_1が主光軸100_1上に位置する装置300の側面図を示しているが、ビームレット102_1は、異なる側から観察した際に、主光軸100_1外に位置してもよいことが理解されている。すなわち、いくつかの実施形態では、ビームレット102_1、102_2、102_3はすべて、オフアクシスであり得る。オフアクシスコンポーネントは、主光軸100_1に対してオフセットを設けることができる。
【0069】
[0087] 偏向ビームレットの偏向角度は、1つ又は複数の基準に基づいて設定することができる。図3に示されるように、偏向器122_2及び122_3は、半径方向外側に又は主光軸100_1から離れるように(図示せず)、オフアクシスビームレットを偏向することができる。いくつかの実施形態では、偏向器122_2及び122_3は、半径方向内側に又は主光軸100_1に向けて、オフアクシスビームレットを偏向することができる。ビームレットの偏向角度は、ビームレット102_1、102_2、102_3がサンプル190に垂直に着地するように設定することができる。レンズ(対物レンズ131など)に起因する像のオフアクシス収差は、レンズを通過するビームレットの経路を調整することによって低減することができる。従って、偏向器122_2及び122_3によって生成されるオフアクシスビームレット102_2及び102_3の偏向角度は、プローブスポット102_2S及び102_3Sが小さな収差を有するように設定することができる。ビームレットは、オフアクシスプローブスポット102_2S及び102_3Sの収差を減少するために、対物レンズ131の前焦点又はその近くを通過するように偏向することができる。いくつかの実施形態では、偏向器は、プローブスポット102_1S、102_2S、102_3Sが小さな収差を有すると同時に、ビームレット102_1、102_2、102_3がサンプル1に垂直に着地するように設定することができる。
【0070】
[0088] プレビームレット形成アパーチャメカニズム172は、クーロンアパーチャアレイを含み得る。プレビームレット形成メカニズム172の中央のアパーチャ(本明細書ではオンアクシスアパーチャとも呼ばれる)及び供給源変換ユニット120の中央の偏向器は、マルチビーム装置300の主光軸100_1と位置合わせすることができる。プレビームレット形成メカニズム172には、多数の事前削減アパーチャ(例えば、クーロンアパーチャアレイ)172_1、172_2、172_3を提供することができる。プレビームレット形成メカニズム172の中央のアパーチャ172_1は、主光軸100_1と位置合わせすることができ、集光レンズ110の上方且つ電子源101の近くに提供することができる。図3では、一次電子ビーム102が3つの事前削減アパーチャを通過した際に、3つのビームレット102_1、102_2、102_3が生成されており、一次電子ビーム102の残りの部分の大半は、削除されている。すなわち、プレビームレット形成メカニズム172は、3つのビームレット102_1、102_2、102_3を形成しない一次電子ビーム102からの電子の大半又は大部分を削減することができる。プレビームレット形成メカニズム172は、一次電子ビーム102が供給源変換ユニット120に入る前に、プローブスポット102_1S、102_2S、102_3Sを形成するために最終的に使用されない電子を削減することができる。この方法では、ビーム制限アパーチャアレイ121の上方において、クーロン効果を大幅に低減することができる。この開示で使用される場合、「プレビームレット」は、ビーム制限アパーチャに入る前の中間ビーム電流値を有する一次ビームレットを指す。いくつかの実施形態では、初期の段階で電子を削除するために、ガンアパーチャプレート(図示せず)を電子源101の近くに提供することができると同時に、多数のビームレットの周りの電子をさらに削除するために、プレビームレット形成メカニズム172も提供することができる。図3は、プレビームレット形成メカニズム172の3つのアパーチャを示しているが、必要に応じて適切に、いかなる数のアパーチャも存在し得ることが理解されている。
【0071】
[0089] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172は、集光レンズ110の下方に配置することができる。プレビームレット形成メカニズム172を電子源101により近く配置するほど、クーロン効果をより効果的に低減することができる。いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172を電子源101の十分近くに位置付けることができると同時に依然として製造可能である際は、ガンアパーチャプレートを省略することができる。いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172は、主光軸100_1に垂直な平面172Pに沿って配置することができる。
【0072】
[0090] 集光レンズ110は、ビームレット102_1、102_2、102_3の電流を調整するために調整可能であるように構成することができる。調整可能な集光レンズ110は、図3に示されるように、主光軸100_1に垂直な主平面110_2を有し得る。主平面110_2は、マルチビーム装置300の主光軸100_1に沿って動かすことができる。例えば、主平面110_2は、ビームレット102_1、102_2、102_3の電流を低減するために、電子源101からさらに離れるように動かすことができ、主平面110_2は、ビームレット102_1、102_2、102_3の電流を増加するために、電子源101にさらに近づくように動かすことができる。それに加えて、ビームレット102_1、102_2、102_3の電流は、ビーム制限アパーチャアレイ121のビーム制限アパーチャ121_1、121_2、121_3のサイズを変更することによって変更することができる。
【0073】
[0091] ここで図4A~4Cを参照すると、図4A~4Cは、本開示の実施形態と一致する、平面172Pに投影されたプローブ電流を変化させた例示的な荷電粒子ビームプロファイル(例えば、電子ビームのプロファイル)の概略図を示している。ビームプロファイル(例えば、PC1、PC2、PC3)は、ビーム制限アパーチャアレイ121を出るビームレットの平面172P上における仮想投影を表す。ビームプロファイルを表す円は、ビーム制限アパーチャアレイを出るプロービングビームレットのサイズ及び対応するプロービングビームレットが生成されるビームレットの一部分のサイズに対する視覚支援と見なすものとする。図4A~4Cは、調整可能な回転防止静電集光レンズを含む構成における、ビーム制限アパーチャアレイ121の下流のビームレット102_1、102_2、102_3のビームプロファイルを示し、調整可能な回転防止静電集光レンズでは、回転角度は、集光レンズ110の集束力及び主平面110_2の位置が変化しても変更されない。プレビームレット形成メカニズム172の平面172P上におけるビームプロファイルは、単に例証的な目的のために示される仮想投影であることが理解されている。
【0074】
[0092] 図4Aは、平面172Pに投影された高ビーム電流(プローブ電流3(PC3)として表される)を有するビームレット102_1、102_2、102_3のビームプロファイルを示す。ビームプロファイルPC3を構成する電子は、ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャを通過するビームレット102_1、102_2、102_3の各々の電子の一部分を識別することができ、ビームレット102_1、102_2、102_3の残りの電子は、ビーム制限アパーチャアレイ121によってブロックされ得る。プレビームレット形成メカニズム172のアパーチャを通過するビームレットの電流は、例えば、主光軸100_1に沿った集光レンズ110の主平面110_2の位置及びビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャのサイズに基づき得る。例えば、図4Aに示されるビームプロファイルに関し、集光レンズ110の主平面110_2は、電子源101の方により近く、プレビームレット形成メカニズム172の下方に位置し、その結果、ビーム制限アパーチャアレイ121の下流のオンアクシスビームレット102_1並びにオフアクシスビームレット102_2及び102_3のビーム電流は高くなり得る。PC1及びPC2を表す破線の円は、単なる比較例証を目的とする。
【0075】
[0093] 図4Bは、平面172Pに投影された中ビーム電流(プローブ電流2(PC2)として表される)を有するビームレット102_1、102_2、102_3のビームプロファイルを示す。ビームプロファイルPC2を構成する電子は、ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャを通過するビームレット102_1、102_2、102_3の各々の電子の一部分を識別することができ、ビームレット102_1、102_2、102_3の残りの電子は、ビーム制限アパーチャアレイ121によってブロックされ得る。プレビームレット形成メカニズム172のアパーチャを通過するビームレットの電流は、例えば、主光軸100_1に沿った集光レンズ110の主平面110_2の位置及びビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャのサイズに基づき得る。例えば、図4Bに示されるビームレットプロファイルに関し、集光レンズ110の主平面110_2は、プレビームレット形成メカニズム172とビーム制限アパーチャアレイ121との間の距離の中心の方により近く位置し、その結果、ビーム制限アパーチャアレイ121を出るオンアクシスビームレット102_1並びにオフアクシスビームレット102_2及び102_3の中ビーム電流が生じる。いくつかの実施形態では、ビームレットプロファイルPC2の位置は、集光レンズ110の集光力の変更の結果として生じるビーム電流の変更に伴い、軸(例えば、x軸)に沿ってシフトし得る。いくつかの実施形態では、ビームレットプロファイルPC2の位置は、複数の軸(例えば、x軸とy軸)において変更し得る。
【0076】
[0094] 図4Cは、平面172Pに投影された低ビーム電流(プローブ電流1(PC1)として表される)を有するビームレット102_1、102_2、102_3のビームプロファイルを示す。ビームプロファイルPC1を構成する電子は、ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャを通過するビームレット102_1、102_2、102_3の各々の電子の一部分を識別することができ、ビームレット102_1、102_2、102_3の残りの電子は、ビーム制限アパーチャアレイ121によってブロックされ得る。プレビームレット形成メカニズム172のアパーチャを通過するビームレットの電流は、例えば、主光軸100_1に沿った集光レンズ110の主平面110_2の位置及びビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャのサイズに基づき得る。例えば、図4Cに示されるビームレットプロファイルに関し、集光レンズ110の主平面110_2は、プレビームレット形成メカニズム172とビーム制限アパーチャアレイとの間に位置するが、ビーム制限アパーチャアレイ121の方により近く、その結果、ビーム制限アパーチャアレイ121を出るオンアクシスビームレット102_1並びにオフアクシスビームレット102_2及び102_3の低ビーム電流が生じる。ビームレットプロファイルPC1の位置は、ビーム電流の変更に伴い、軸(例えば、x軸)に沿ってシフトし得ることが理解されている。いくつかの実施形態では、ビームレットプロファイルPC1の位置は、複数の軸(例えば、x軸とy軸)において変更し得る。
【0077】
[0095] ここで図5A~5Cを参照すると、図5A~5Cは、本開示の実施形態と一致する、平面172Pに投影されたプローブ電流を変化させた例示的な荷電粒子ビームプロファイル(例えば、電子ビームのプロファイル)の概略図を示している。図5A~5Cは、調整可能な電磁集光レンズを含む構成における、ビーム制限アパーチャアレイ121を出るビームレット102_1、102_2、102_3の投影ビームプロファイルを示し、調整可能な電磁集光レンズにより、オフアクシスビームレット102_2及び102_3は、ある回転角度でビーム制限アパーチャアレイ121に照射される。回転角度は、調整可能な集光レンズ110の集束力又は主光軸100_1に沿った調整可能な集光レンズ110の主平面110_2の位置と共に変更することができる。プレビームレット形成メカニズム172の平面172P上の投影ビームプロファイルは、単に例証的な目的のために示される仮想投影である。
【0078】
[0096] 図5A~5Cは、ビーム電流を変化させたビームレット102_1、102_2、102_3のプロファイル(PC1、PC2及びPC3として表される)を示す。プレビームレット形成メカニズム172のアパーチャを通過するビームレットの電流は、例えば、主光軸100_1に沿った集光レンズ110の主平面110_2の位置及びビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャのサイズに基づき得る。
【0079】
[0097] 図5AのビームレットプロファイルPC3を図5B及び5CのビームレットプロファイルPC2及びPC1のそれぞれと比較すると、ビームレットプロファイルPC3は、集光レンズ110、電子源101及びプレビームレット形成メカニズム172の相対的位置決めに基づいて、より大きく見える。例えば、集光レンズ110の主平面110_2が電子源101の方により近く、プレビームレット形成メカニズム172の下方に位置する際は、ビームレットプロファイルPC3は、集光レンズ110の主平面110_2が電子源101からさらに離れ、ビーム制限アパーチャアレイ121の方により近く位置する際より、大きく見える。
【0080】
[0098] 図5Bを参照すると、集光レンズ110の主平面110_2は、プレビームレット形成メカニズム172とビーム制限アパーチャアレイ121との間の距離の中心の方により近く位置し、その結果、中ビーム電流を有する、ビーム制限アパーチャアレイ121を出るオンアクシスビームレット102_1並びにオフアクシスビームレット102_2及び102_3が生じる。中ビーム電流を有するビームのプロファイルは、PC2によって表されている。
【0081】
[0099] 図5Cを参照すると、集光レンズ110の主平面110_2は、ビーム制限アパーチャアレイ121の方により近く位置し、その結果、ビーム制限アパーチャアレイ121を出るオンアクシスビームレット102_1並びにオフアクシスビームレット102_2及び102_3のより小さなビーム電流が生じる。小ビーム電流を有するビームの投影は、PC1によって表されている。
【0082】
[00100] いくつかの実施形態では、調整可能な電磁複合集光レンズを含むマルチビーム装置300において、ビームレットプロファイルPC1、PC2又はPC3の位置は、両方の軸(例えば、x軸とy軸)に沿って変化し得、その結果、位置は、図5A~5Cに示されるような湾曲経路に沿ってトレースすることができる。本明細書で使用される場合、ビームレットの位置は、ビームレットの中心軸の位置を指し得る。
【0083】
[00101] ここで図6A及び6Bを参照すると、図6A及び6Bは、本開示の実施形態と一致する、プレビームレット形成メカニズム172のアパーチャの例示的な配列の概略図を示している。いくつかの実施形態では、図6Aに示されるように、プレビームレット形成メカニズム172は、オンアクシスアパーチャ172_1並びにオフアクシスアパーチャ172_2及び172_3を含み得る。オンアクシスアパーチャ172_1は、一次荷電粒子ビーム102からオンアクシスビームレット102_1を生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、オンアクシスアパーチャ172_1は、PC1、PC2又はPC3などの様々なサイズのビームレットが通過できるほど十分に大きなものであり得る。いくつかの実施形態では、オンアクシスアパーチャ172_1の幾何学的中心は、主光軸100_1と位置合わせすることができる。オンアクシスアパーチャ172_1は、円形、楕円形、実質的に円形の断面又は他の適切な断面を有し得る。
【0084】
[00102] オフアクシスアパーチャ172_2及び172_3は、オフアクシスビームレット102_2及び102_3をそれぞれ生成するように構成することができる。図6Aに示されるように、オフアクシスアパーチャ172_2及び172_3は、クーロン効果を最小化するために全アパーチャサイズを小さく維持しながら、高プローブ電流を有するビームレットの通過を可能にするように構成することができる。例えば、1つ又は複数のオフアクシスアパーチャ(例えば、アパーチャ172_2及び172_3)は、長軸に沿って細くなる楕円形でも、端部が丸い円錐台でも、他の適切な形状でもよい。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャは、軸に沿って対称でも、非対称でもよい。
【0085】
[00103] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172を出るオフアクシスビームレット102_2は、オフアクシスアパーチャ172_2の形状と実質的に同様の形状を有し得る。ビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャを出るビームレットのプロファイルは、集光レンズ110の位置及びビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャのサイズに基づいて、PC1、PC2又はPC3として表すことができる。オフアクシスビームレット102_2及び102_3など、ビーム制限アパーチャアレイ121を出るオフアクシスビームレットの断面は、円形又は実質的に円形であり得る。
【0086】
[00104] いくつかの実施形態では、図6Bに示されるように、プレビームレット形成メカニズム172は、1つのオンアクシスアパーチャ172_1と、アパーチャ172_2、172_3、172_4、172_5、172_6、172_7、172_8、172_9などの8つのオフアクシスアパーチャとを含み得、それらのアパーチャは、一次電子ビーム102から9つのビームレットを生成するように構成される。オフアクシスアパーチャは、オンアクシスアパーチャ172_1の周りに対称的に配列することも、非対称的に配列することもできる。各オフアクシスアパーチャは、形状、サイズ又は断面において均一であり得る。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャは、形状、サイズ又は断面において不均一であり得る。図6Bは9つのアパーチャを示しているが、要望に応じて、いかなる数のアパーチャ及び対応するビームレットも存在し得ることが理解されている。
【0087】
[00105] ここで図7A及び7Bを参照すると、図7A及び7Bは、本開示の実施形態と一致する、プレビームレット形成メカニズム172のアパーチャの例示的な配列の概略図を示している。いくつかの実施形態では、図7Aに示されるように、プレビームレット形成メカニズム172は、オンアクシスアパーチャ172_1並びにオフアクシスアパーチャ172_2C及び172_3Cを含み得る。オフアクシスアパーチャ(例えば、172_2C及び172_3C)は、湾曲した楕円形であり得、アパーチャがx-y座標の原点に近づくにつれて細くなるものであり得、主光軸100_1は、x-y平面の原点を実質的に通過する。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャ172_2C及び172_3Cの向きは、電磁集光レンズを通過する際のビームレットの回転角度及びビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャの位置に基づき得る。いくつかの実施形態では、ビームレットの回転は、集光レンズの電気励起に基づいて変化し得る。
【0088】
[00106] いくつかの実施形態では、図7Bに示されるように、プレビームレット形成メカニズム172は、1つのオンアクシスアパーチャ172_1と、アパーチャ172_2C、172_3C、172_4C、172_5C、172_6C、172_7C、172_8C、172_9Cなどの8つのオフアクシスアパーチャとを含み得、それらのアパーチャは、一次電子ビーム102から9つのビームレットを生成するように構成される。オフアクシスアパーチャは、隣接するアパーチャ間の重複がないように配列することができる。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャは、形状、サイズ、向き又は断面において均一であり得る。いくつかの実施形態では、アパーチャは、形状、サイズ、向き又は断面において不均一であり得る。
【0089】
[00107] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172とビーム制限アパーチャアレイ121との間の領域のクーロン効果は、プレビームレット形成メカニズム172のアパーチャによって生成されるビームレットのサイズに依存し得る。例えば、オフアクシスビームレット(例えば、図6Aの102_2及び102_3)は、オンアクシスビームレット(例えば、図6Aの102_1)と比べて、より大きなクーロン効果を有し得るが、その理由は、非円形のオフアクシスアパーチャ(例えば、図6Aの172_2又は172_3)の全面積が、円形のオンアクシスアパーチャ172_1の全面積より大きいためである。オンアクシスビームレットとオフアクシスビームレットとの間のクーロン効果の差により、画像内の分解能の差が生じ得る。例えば、オフアクシスビームレット102_2及び102_3によって形成されたプローブスポットに対応する画像の領域は、オンアクシスビームレット102_1によって形成されたプローブスポットに対応する画像の領域より低い分解能を有し得る。画像内の分解能の差は、欠陥の確実な分析及び検出を行うユーザの能力に影響を及ぼし得るため望ましくない。
【0090】
[00108] ここで図8A及び8Bを参照すると、図8A及び8Bは、本開示の実施形態と一致する、マルチビーム装置300のプレビームレット形成メカニズム172のアパーチャの例示的な配列の概略図を示している。図8Aは、調整可能な回転防止静電集光レンズ(例えば、図3の集光レンズ110)を含むマルチビーム装置300の3つのアパーチャの配列を示し、調整可能な回転防止静電集光レンズでは、回転角度は、集光レンズ110の集束力及び主平面110_2の位置が変化しても変更されない。図8Bは、調整可能な電磁集光レンズを含むマルチビーム装置300の3つのアパーチャの配列を示し、調整可能な電磁集光レンズにより、オフアクシスビームレット102_2及び102_3は、ある回転角度でビーム制限アパーチャアレイ121に照射され得る。回転角度は、調整可能な集光レンズ110の集束力又は主光軸100_1に沿った調整可能な集光レンズ110の主平面(例えば、図3の主平面110_2)の位置と共に変更することができる。
【0091】
[00109] 図8A及び8Bに示されるように、オンアクシスアパーチャ172_1のサイズを拡大することができ、その結果、オンアクシスアパーチャ172_1の全面積とオフアクシスアパーチャ(例えば、172_2及び172_3)の全面積との差が低減され、従って、プローブスポット(例えば、図3のプローブスポット102_1S、102_2S、102_3S)によって生成された画像内の分解能の差が最小化される。図8A及び8Bは円形のオンアクシスアパーチャ172_1を示しているが、これらに限定されないが、楕円形、多角形、三角形又は任意の非円形の断面を含む他の断面を使用することもできる。いくつかの実施形態では、オンアクシスアパーチャ172_1の形状及びサイズは、オフアクシスアパーチャ(例えば、図8Aのオフアクシスアパーチャ172_2又は図8Bのオフアクシスアパーチャ172_2C)と同様であり得る。
【0092】
[00110] ここで図9を参照すると、図9は、本開示の実施形態と一致する、ビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャの例示的な配列を示している。図9は9つのアパーチャを示しているが、ビーム制限アパーチャアレイ121は、いかなる数のアパーチャも含み得る。いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイ121は、例えば、長方形、円形、螺旋形、多角形又は同様の形状を有するパターンなど、規則的に配列されたアパーチャを含み得る。いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャは、形状、サイズ、断面、ピッチ又はそれらの任意の組合せにおいて均一であり得る。本明細書で使用される場合、円形のアパーチャを有するアレイのピッチは、2つの直接隣接するアパーチャの中心間の距離を指し得る。いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャは、ランダムに配列することができ、形状、サイズ、断面、ピッチ又はそれらの任意の組合せにおいて不均一であり得る。
【0093】
[00111] いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャの数により、サンプル表面に入射してプローブスポットを生成するビームレットの数を決定することができる。いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャの数は、プレビームレット形成メカニズム172のアパーチャの数と等しくとも、その数より少なくとも、その数より多くともよい。
【0094】
[00112] いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイ121は、図3に示されるように、集光レンズ110の下方に位置し得る。集光レンズ110は、ビームレット102_1、102_2、102_3をコリメートするように構成することができ、その結果、ビームレット102_1、102_2、102_3は、主光軸100_1に実質的に平行であり、ビーム制限アパーチャアレイ121に垂直に入射する。いくつかの実施形態では、集光レンズ110は、図7Bのプレビームレット形成メカニズム172のアパーチャ172_1~172_9によって生成されたビームレットをコリメートすることができ、その結果、ビームレットは、主光軸100_1に実質的に平行であり、図9のビーム制限アパーチャアレイ121に垂直に入射する。ビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャのサイズにより、供給源変換ユニット120を出るビームレットのサイズを決定することができ、最終的には、サンプル190の表面上に生成されるプローブスポットのサイズを決定することができる。
【0095】
[00113] ここで図10を参照すると、図10は、本開示の実施形態と一致する、電磁複合集光レンズ及びビーム制限アパーチャアレイ121を含むマルチビーム装置300のプレビームレット形成メカニズム172のアパーチャの例示的な輪郭を示している。いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャのピッチは、図10に示されるように、プレビームレット形成メカニズム172の対応するオフアクシスアパーチャが部分的に重複する領域1010_1、1010_2、1010_3、1010_4を含むほど小さ過ぎるものであり得る。例えば、オフアクシスアパーチャ1072_3及び1072_9は、重複領域1010_1を含み得、オフアクシスアパーチャ1072_5及び1072_8は、重複領域1010_2を含み得、オフアクシスアパーチャ1072_2及び1072_7は、重複領域1010_3を含み得、オフアクシスアパーチャ1072_4及び1072_6は、重複領域1010_4を含み得る。いくつかの実施形態では、重複領域は、形状及びサイズにおいて均一であっても、形状及びサイズにおいて不均一であってもよい。
【0096】
[00114] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172のアパーチャプロファイルの重複は、集光レンズ110の位置とビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャサイズの組合せに基づくプローブ電流の大きな変動が原因で生じ得る。例えば、集光レンズが、小さなピッチのアパーチャを含むビーム制限アパーチャアレイ121の方により近く位置決めされる場合は、プレビームレット形成メカニズム172の対応するアパーチャは、部分的に重複し得る(例えば、重複領域1010_1)。
【0097】
[00115] ここで図11Aを参照すると、図11Aは、本開示の実施形態と一致する、プレビームレット形成メカニズム172の部分重複アパーチャの例示的な配列を示している。図11Aのプレビームレット形成メカニズム172は、1つのオンアクシスアパーチャ1172_1と、4つのオフアクシスマージアパーチャ1101C、1102C、1103C、1104Cを含み得る。いくつかの実施形態では、図10の重複領域1010を含むプレビームレット形成メカニズム172のアパーチャは、オフアクシスマージアパーチャ1101C、1102C、1103C、1104Cを形成するためにマージすることができる。例えば、オフアクシスアパーチャ1172_3及び1172_9は、オフアクシスマージアパーチャ1101Cを形成するためにマージすることができ、オフアクシスアパーチャ1172_5及び1172_8は、オフアクシスマージアパーチャ1102Cを形成するためにマージすることができ、オフアクシスアパーチャ1172_2及び1172_7は、オフアクシスマージアパーチャ1103Cを形成するためにマージすることができ、オフアクシスアパーチャ1172_4及び1172_6は、オフアクシスマージアパーチャ1104Cを形成するためにマージすることができる。
【0098】
[00116] いくつかの実施形態では、図11Aのオンアクシスアパーチャ1172_1のサイズは、例えば、1101Cなどのオフアクシスマージアパーチャとオンアクシスアパーチャ1172_1の全面積の差を低減するために相応に調整することができ、従って、図8A及び8Bに関して論じられるように、クーロン効果の変化による画像内の分解能の差を最小化することができる。
【0099】
[00117] ここで図11Bを参照すると、図11Bは、本開示の実施形態と一致する、プレビームレット形成メカニズム172Bのアパーチャの例示的な配列を示している。図11Bのプレビームレット形成メカニズム172Bは、1つのオンアクシスアパーチャ1172_1と、少なくとも1つのオフアクシスアパーチャセット1105Cとを含み得る。図11Bに示されるように、いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172Bは、複数のオフアクシスアパーチャセット1105Cを含み得る。
【0100】
[00118] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172Bは、多数のアパーチャを有する平面構造を含み得る。平面構造は、金属、合金、複合材料、半導体又は同様のものを含む材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、材料は、導電体でも、導電性の材料でコーティングすることも可能である。プレビームレット形成メカニズム172Bのアパーチャは、これらに限定されないが、機械加工、微小電気機械システム(MEMS)製作技法、化学エッチング、レーザ切断などを含む技法を使用して形成することができる。
【0101】
[00119] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172Bは、オンアクシスアパーチャ1172_1の幾何学的中心が主光軸100_1と一致するように位置合わせすることができる。オンアクシスアパーチャ1172_1の断面は、円形又は実質的に円形であり得る。いくつかの実施形態では、オンアクシスアパーチャ1172_1によって形成されたオンアクシス一次ビームレットの少なくとも一部分は、ビーム制限アパーチャアレイ121のオンアクシスアパーチャに入射し得る。いくつかの実施形態では、オンアクシスアパーチャ1172_1のサイズは、ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するオンアクシスアパーチャのサイズより大きいか又は実質的に同様であるように構成することができる。いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイ121のオンアクシスアパーチャのサイズにより、ビーム制限アパーチャアレイ121を出るプロービングビームレットのサイズを決定することができる。
【0102】
[00120] マルチビームSEMでは、低分解能撮像及び高分解能撮像に対してツールを使用できるようにするために大きな電流範囲を有する複数のビームを生成することが望ましいかもしれない。アパーチャのサイズを増加することによって大きく且つ連続的な電流範囲を遂行できるが、大きなアパーチャは、数ある問題の中でも特に、構造(例えば、アパーチャアレイ)の機械的及び構造的完全性にマイナスのインパクトを及ぼし、クーロン相互作用効果を増大する恐れがある。機械的及び構造的完全性を維持しながら、複数のビーム及び大きな電流範囲の生成を可能にするアパーチャアレイを製作することが望ましいかもしれない。
【0103】
[00121] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172Bは、例示的なオフアクシスアパーチャ1105C_1、1105C_2、1105C_3、1105C_4、1105C_5、1105C_6を含むオフアクシスアパーチャセット1105Cを含み得る。オフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャは、同等のサイズの大きなアパーチャによって提供される連続的な電流範囲に対して、離散的な電流範囲を有するビームレットの生成を可能にすることができる。オフアクシスアパーチャセット1105Cは6つのオフアクシスアパーチャを含むように示されているが、必要に応じて適切に、いかなる数のオフアクシスアパーチャも存在し得ることが理解されている。
【0104】
[00122] 図11Bに示されるようなプレビームレット形成メカニズム172Bは、5×5アレイのプロービングビームレットを生成するように構成された装置において使用することができる。いくつかの実施形態では、各オフアクシスアパーチャセット1105C及びオンアクシスアパーチャ1172_1は、図3のビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャと関連付けることができる。例えば、その関連性に基づいて、プレビームレット形成メカニズム172Bのオフアクシスアパーチャセットの数は、ビーム制限アパーチャアレイ121のオフアクシスアパーチャの数と等しいものであり得る。生成されるプロービングビームレットの数、延いては、プレビームレット形成メカニズム172Bのオフアクシスアパーチャセット1105C及びオンアクシスアパーチャを含むアパーチャの数は、その用途及び所望の離散的な電流設定の数に基づいて決定することができる。例えば、7×7アレイのアパーチャは、より大きな電流範囲のプロービングビームレットが望ましい用途において使用することができ、3×3アレイのアパーチャは、空間制限のある用途又はツールにおいて使用することができる。
【0105】
[00123] マルチビーム装置(例えば、図1のEBIシステム100)のプレビームレット形成メカニズム172Bは、数ある中でも特に、本明細書で論じられる利点のいくつか又はすべてを有し得る。
i. 大きなビーム電流範囲-マルチビームSEMによって複数の動作又は機能を実行するため、大きな範囲のビーム電流が望ましいかもしれない。ビーム電流の範囲は、クーロン相互作用効果を低減しながら、図11Bに示されるように、オフアクシスアパーチャセット内に様々なサイズのアパーチャを提供することによって拡大することができる。
ii. 構造的完全性の強化-オフアクシスアパーチャセット内のアパーチャは、プレビームレット形成メカニズム172Bの材料によって分離することができ、従って、サンプルを検査するためのビーム電流の範囲を増大しながら、構造の機械的剛性を維持することができる。
iii. クーロン相互作用効果の低減-クーロン相互作用は、アパーチャアレイの透過面積の関数であり、従って、システムに対してアパーチャの大きさと共に増大する。オフアクシスアパーチャセットのアパーチャは、電子の透過面積を低減することによってクーロン相互作用効果を低減しながら、またその結果として撮像分解能を向上させながら、大きな範囲のビーム電流の生成を可能にする。
iv. 製造可能性-プレビームレット形成メカニズム172などのアパーチャアレイのアパーチャを製作することは、電子を通過させるための経路を形成するために材料を取り除くことを含み得る。より大きなアパーチャは、連続的な電流範囲を増大する一方で、アパーチャの形成後に残る支持材料が不十分であることが原因で、アレイの製造可能性にマイナスの影響を及ぼし得る。プレビームレット形成メカニズム172Bは、オフアクシスアパーチャセット内のアパーチャが、プレビームレット形成メカニズム172Bが作られる材料によって分離されるため、簡単且つ確実に製造可能であり得る。
【0106】
[00124] いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cのオフアクシスアパーチャ(例えば、1105C_1、1105C_2、1105C_3、1105C_4、1105C_5、1105C_6)のサイズは異なり得る。図11Bに示されるように、円形のオフアクシスアパーチャの半径は異なり得る。例えば、アパーチャ1105C_1の半径は、1105C_2の半径より小さいものであり得、アパーチャ1105C_2の半径は、アパーチャ1105C_3の半径より小さいものであり得、アパーチャ1105C_3の半径は、アパーチャ1105C_4の半径より小さいものであり得、アパーチャ1105C_4の半径は、アパーチャ1105C_5の半径より小さいものであり得、アパーチャ1105C_5の半径は、アパーチャ1105C_6の半径より小さいものであり得る。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセットの少なくとも2つのオフアクシスアパーチャのサイズは異なり得る。オフアクシスアパーチャのサイズにより、オフアクシスアパーチャから生成される一次ビームレットの電流を決定することができ、異なるサイズのアパーチャは、より大きな電流範囲を有するビームレットの生成を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cのオフアクシスアパーチャは、ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するオフアクシスアパーチャより小さなものでも、等しいものでも、大きなものでもあり得る。
【0107】
[00125] いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャの断面は、円形、長方形、実質的に円形、楕円形、又は多角形又は同様のものであり得る。アパーチャの断面により、それにより生成される一次ビームレットの断面及び形状を決定することができる。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cは、異なる断面を有するアパーチャを含み得る。例えば、アパーチャ1105C_1及び1105C_3は円形であり得、アパーチャ1105C_2及び1105C_4は楕円形であり得る。
【0108】
[00126] いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャのピッチは均一であり得る。この開示の文脈では、円形のアパーチャの事例では、図11Bに示されるように、ピッチは、直接隣接するアパーチャの幾何学的中心間の最短距離として定義することができる。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャのピッチは不均一であり得る。
【0109】
[00127] いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャは、仮想経路(例えば、図11Bの経路1172_P1及び1172_P2)によって示されるように、湾曲経路に沿って配置することができる。仮想経路1172_P1及び1172_P2を示す破線は、単なる例証を目的とする。それに沿ってオフアクシスアパーチャセットのアパーチャが配置される経路の湾曲線の半径は、オフアクシスアパーチャセット間で変化し得ることが理解されている。また、湾曲線の異なる半径を有する複数の経路に沿ってオフアクシスアパーチャセット(例えば、図11Bの1105C)のアパーチャを配置できることも理解されている。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャは、直線経路に沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、それに沿ってオフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャが配置される経路は、集光レンズ110の特性に基づき得る。
【0110】
[00128] いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセットは、隣接するオフアクシスアパーチャセットと交差し得、その結果、アパーチャは、複数のオフアクシスアパーチャセットに相当し得る。例えば、アパーチャ1105C_8は、経路1172_P1に沿ったオフアクシスアパーチャセットと、経路1172_P2に沿ったオフアクシスアパーチャセットとに相当し得る。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセットは、1つ又は複数のオフアクシスアパーチャセットと交差し得る。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセットのアパーチャは、アパーチャの少なくとも一部分が互いに重複するように、交差しているオフアクシスアパーチャセットのアパーチャに直接隣接して配置することができる。
【0111】
[00129] その中にオフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャを配置することができる境界を示す湾曲した先細の楕円形1172_Vは、例証的な目的のための単なる視覚支援であることに留意すべきである。
【0112】
[00130] いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cの各アパーチャは、プレビームレット形成メカニズム172Bの下流に配置された集光レンズ110に入射する一次ビームレットを生成することができる。いくつかの実施形態では、集光レンズ110は、一次ビームレットが、ビーム制限アパーチャアレイ121を出る多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成された調整可能な電磁レンズを含み得る。集光レンズ110の設定に基づいて、オフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャによって形成された一次ビームレットは、ある回転角度でビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャに入射することができる。回転角度は、調整可能な集光レンズ110の集束力又は主光軸100_1に沿った調整可能な集光レンズ110の主平面110_2の位置と共に変更することができる。例えば、集光レンズ110が電子源101の方により近く位置決めされた場合は、アパーチャ1105C_6から生成されたプロービングビームレットは、ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するオフアクシスアパーチャに入射し得る。ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するオフアクシスアパーチャのサイズがアパーチャ1105C_6のサイズより大きい場合は、ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャを出るプロービングビームレットのプローブ電流は、プレビームレット形成メカニズム172Bのアパーチャ1105C_6のサイズに基づいて決定され得る。或いは、ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するオフアクシスアパーチャのサイズがアパーチャ1105C_6のサイズより小さい場合は、ビーム制限アパーチャアレイ121の対応するアパーチャを出るプロービングビームレットのプローブ電流は、ビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャのサイズに基づいて決定され得る。
【0113】
[00131] いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cは、プレビームレット形成アパーチャセット1105Cと呼ぶこともできる。対応するプロービングビームレットのプローブ電流は、プレビームレット形成アパーチャセット1105Cのアパーチャの特性に基づいて決定することができる。プレビームレット形成アパーチャセット1105Cの各アパーチャ(例えば、アパーチャ1105C_1~1105_C6)は、プロービングビームレットのプローブ電流に作用を及ぼすように構成することができる。プレビームレット形成アパーチャセット1105Cのアパーチャの特性は、これらに限定されないが、数ある配列特性の中でも特に、サイズ、形状又は場所を含み得る。プロービングビームレットのプローブ電流は、例えば、一次ビームレットを形成するプレビームレット形成アパーチャセット1105Cのアパーチャのサイズに基づいて、離散的に調整可能であり得る。
【0114】
[00132] いくつかの実施形態では、主光軸100_1に沿った集光レンズ110の位置の調整は、対応する一次ビームレットによって形成されるプロービングビームレットのプローブ電流に影響又は作用を及ぼし得る。例として、第1の位置に配置された集光レンズ110は、あるビーム電流値を有する一次ビームレットを形成するために、一次電子ビーム102の第1の部分がプレビームレット形成アパーチャセット1105Cのアパーチャを通過するようにすることができる。第1の場所とは異なる第2の場所に配置された集光レンズ110は、異なるビーム電流値を有する異なる一次ビームレットを形成するために、一次電子ビームの第2の部分がプレビームレット形成アパーチャセット1105Cの異なるアパーチャを通過するようにすることができ、従って、対応する一次ビームレットから形成されるプロービングビームレットのプローブ電流に影響が及ぶ。
【0115】
[00133] ここで図11Cを参照すると、図11Cは、オフアクシスアパーチャセット1105Cのアパーチャによって形成されたビームレットのプローブスポットサイズとビーム電流との間の関係を示している。示されるように、大きなアパーチャ(例えば、アパーチャ1105C_6)は、より多くの電子の通過を可能にし、従って、形成されるビームレットは、より大きな電流値及びより大きなスポットサイズを有し得る。小さなアパーチャ(例えば、図11Bのアパーチャ1105C_1)は、より少ない電子の通過を可能にし、従って、アパーチャ1105C_1によって形成されるビームレットは、より小さな電流値及びより小さなスポットサイズを有し得る。より小さなビームレットは、クーロン相互作用効果を低減し、またその結果として撮像分解能を向上させることができる。アパーチャ1105C_1~1105C_6が同じサイズを有するいくつかの実施形態では、アパーチャによって形成されるビームレットは、アパーチャの各々に対して異なる電流値を有し得る。さらに、1つのアパーチャによって形成されるビームレットの電流値は、仮想経路に沿って隣接するアパーチャによって形成されるビームレットの電流値より大きいものでも、小さいものでもあり得る。
【0116】
[00134] ここで図11Dを参照すると、図11Dは、本開示の実施形態と一致する、プレビームレット形成メカニズム172Dのアパーチャの例示的な配列を示している。図11Bのプレビームレット形成メカニズム172Bと比べると、オフアクシスアパーチャセット1105Cは、少なくとも1つの非円形のアパーチャ1105C_7を含み得る。図11Dに示されるように、アパーチャ1105C_7の断面は楕円形であり得る。これらに限定されないが、先細の楕円形、湾曲した楕円形、多角形などを含む他の断面を有するアパーチャも採用することができる。
【0117】
[00135] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172Dのアパーチャ1105C_7は、アパーチャ1105C_7から生成されるビームレットのビーム電流が低くなるように、主光軸100_1又はオンアクシスアパーチャ1172_1の方により近く位置決めすることができる。より大きなアパーチャ1105C_7は、低ビーム電流を理由に低いクーロン相互作用効果を維持しながら、連続的な電流範囲を提供する上で有用であり得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のオフアクシスアパーチャセット1105Cは、アパーチャ1105C_7を含み得る。
【0118】
[00136] マルチビームSEMでは、低分解能撮像及び高分解能撮像に対してツールを使用できるようにするために大きな電流範囲を有する複数のビームを生成することが望ましいかもしれない。アパーチャのサイズを増加することによって大きく且つ連続的な電流範囲を遂行できるが、大きなアパーチャは、数ある問題の中でも特に、クーロン相互作用効果を増大する恐れがある。高分解能への適用の場合、クーロン相互作用効果により、得られる画像の分解能が制限され得る(ただし、アパーチャが小さいほど生成されるプローブスポットは小さくなる)。従って、クーロン相互作用効果を低減し、画像分解能を向上させながら、広い電流範囲の複数のビームの生成を可能にするアパーチャアレイを製作することが望ましいかもしれない。
【0119】
[00137] クーロン相互作用効果を軽減するためのいくつかの方法のうちの1つは、アクティブアパーチャアレイを含むプレビームレット形成メカニズム172Bを使用することを含み得る。この開示の文脈では、「アクティブアパーチャ」は、アパーチャ又はアパーチャアセンブリ内に電界が生み出されるように電気的に活性化するように構成可能なアパーチャ又はアパーチャアセンブリを指す。
【0120】
[00138] ここで図11Eを参照すると、図11Eは、上部アパーチャプレート1120、アクティブ偏向器1130及び下部アパーチャプレート1140を含む例示的なアクティブアパーチャ1105_C6Aの拡大図を示している。アクティブアパーチャ1105_C6Aは、3つの要素を含むように示されているが、必要に応じて適切に、スペーサ層、マイクロレンズなど、より多くの要素が存在し得ることが理解されている。いくつかの実施形態では、上部アパーチャプレート1120、アクティブ偏向器1130及び下部アパーチャプレート1140は、それらの間にいかなるスペーサ層も配置することなく積層することができる。いくつかの実施形態では、アクティブアパーチャ1105_C6Aは、アクティブアパーチャアセンブリ又はアクティブアパーチャスタックと呼ぶこともできる。いくつかの実施形態では、アクティブアパーチャ1105_C6Aは、上部アパーチャプレート1120を含まない場合があり、他の実施形態では、アクティブアパーチャ1105_C6Aは、下部アパーチャプレート1142を含まない場合がある。
【0121】
[00139] いくつかの実施形態では、例えば、図11Bのプレビームレット形成メカニズム172Bのアパーチャ1105C_6は、アクティブアパーチャを含み得る。いくつかの実施形態では、プレビームレット形成メカニズム172Bの1つ又は複数のオフアクシスアパーチャがアクティブアパーチャを含むことも、1つ又は複数のオフアクシスアパーチャセット(例えば、1105Cなど)がアクティブアパーチャを含むことも、プレビームレット形成メカニズム172Bがアクティブアパーチャアレイを含むことも可能である。本明細書で使用される場合、「アクティブアパーチャアレイ」は、1105_C6Aなどのアクティブアパーチャのアレイを指す。アクティブアパーチャアレイは、異なるサイズ、断面、形状、構成又は材料のアクティブアパーチャを含み得ることが理解されている。
【0122】
[00140] いくつかの実施形態では、アクティブアパーチャ1105_C6Aは、これらに限定されないが、機械加工、MEMS製作技法、化学エッチング、レーザ切断、微小機械加工又は同様のものを含む技法を使用して製作されたアクティブアパーチャアセンブリを含み得る。アクティブアパーチャアレイを含むプレビームレット形成メカニズム172Bは、用途に基づいて、導電性、半導電性又は絶縁材料から製作することができる。例えば、いくつかの実施形態では、アクティブアパーチャ1105_C6Aの上部アパーチャプレート1120、アクティブ偏向器1130及び下部アパーチャプレート1140は、半導電性材料を使用して製作することができ、スペーサ層(図11Eには図示せず)は、電気絶縁材料を使用して製作することができる。
【0123】
[00141] いくつかの実施形態では、上部アパーチャプレート1120は、所望の電流設定に基づいて一次電子ビーム102の電子の一部分が通過できるように構成することができる。上部アパーチャプレート1120は、上部アパーチャプレート1120が製作される材料によって分離される多数のオフアクシスアパーチャ1122を含み得る。オフアクシスアパーチャ1122は、これらに限定されないが、円形、楕円形、長方形、細長い、非円形、多角形の断面を有するアパーチャを含み得る。プレビームレット形成メカニズム172Bのアクティブアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャ1122は、サイズ、ピッチ、断面又は同様のものにおいて不均一であり得る。
【0124】
[00142] いくつかの実施形態では、下部アパーチャプレート1140は、下部アパーチャプレート1140が製作される材料によって分離される多数のオフアクシスアパーチャ1142を含み得る。オフアクシスアパーチャ1142は、これらに限定されないが、円形、楕円形、長方形、細長い、非円形、多角形の断面を有するアパーチャを含み得る。プレビームレット形成メカニズム172Bのアクティブアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャ1142は、サイズ、ピッチ、断面又は同様のものにおいて不均一であり得る。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャ1122の幾何学的中心は、対応するオフアクシスアパーチャ1142の幾何学的中心と位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャ1122及び対応するオフアクシスアパーチャ1142のサイズは、実質的に同様であり得る。
【0125】
[00143] いくつかの実施形態では、上部アパーチャプレート1120又は下部アパーチャプレート1140は、電気的に接地することができる。この開示の文脈では、電気的な接地は、印加電圧が測定されるアクティブアパーチャ1105_C6Aの基準点を指す。例えば、上部アパーチャプレート1120又は下部アパーチャプレート1140が電気的に接地され、アクティブ偏向器1130に+100Vの電圧信号が印加される場合は、アクティブ偏向器1130に印加される実効電圧は+100Vである。
【0126】
[00144] いくつかの実施形態では、アクティブ偏向器1130は、一次電子ビーム102の電子の一部分の経路に作用を及ぼすために電気的に活性化するように構成された単極偏向器又は多極偏向器を含み得る。図11Eは2極偏向器を示しているが、アクティブ偏向器1130は、必要に応じて適切に、いかなる数の極も含み得る。アクティブ偏向器1130の極は、主光軸100_1に実質的に垂直な平面且つ上部アパーチャ1120又は下部アパーチャプレート1140に実質的に平行な平面に沿って半径方向に配置することができる。いくつかの実施形態では、アクティブ偏向器プレート1130に形成されるアパーチャ1132のサイズは、オフアクシスアパーチャ1122又は1142のサイズ以上であり得る。
【0127】
[00145] オフアクシスアパーチャセットのアパーチャは、電子の透過面積を低減することによってクーロン相互作用効果を低減しながら、大きな範囲のビーム電流の生成を可能にするが、高分解能への適用の場合は、クーロン相互作用効果のさらなる低減が望ましいかもしれない。いくつかの実施形態では、アクティブアパーチャアレイは、クーロン相互作用効果をさらに低減しながら、一次電子ビーム102から多数のオフアクシスビームレットを生成するように構成することができる。
【0128】
[00146] いくつかの実施形態では、アクティブ偏向器1130は、数ある中でも特に、所望の電流設定、画像分解能、又は電子の偏向又はビームレットサイズを含む因子に基づいて1つ又は複数の極に電気信号を印加することによって、電気的に活性化することができる。いくつかの実施形態では、電気信号は、オフアクシスアパーチャ1122を出た一次電子ビーム102の電子の一部分の偏向に適した電圧信号を含み得る。いくつかの実施形態では、所望のビームレット特性に基づいて、アクティブ偏向器1130の1つ又は複数の極を電気的に接地することも、アクティブ偏向器1130の1つ又は複数の極を電気的に活性化することも、それらの組合せを行うこともできる。
【0129】
[00147] いくつかの実施形態では、下部アパーチャプレート1140は、対応するオフアクシスアパーチャ1132又は対応するオフアクシスアパーチャ1122と位置合わせされたアパーチャ1142を含み得る。アパーチャ1142のサイズは、アクティブ偏向器プレート1130のアパーチャ1132と比べてより小さなものであり得る。いくつかの実施形態では、アパーチャ1142は、アパーチャ1132を出た偏向電子をブロックするように構成することができ、それにより、より少ない電子を含むビームレットが生成され、その結果として、生成されたビームレット内のクーロン相互作用効果が低減する。
【0130】
[00148] いくつかの実施形態では、装置300は、1105Cなどの1つ又は複数のオフアクシスアクティブアパーチャセットを含む図11Bのプレビームレット形成メカニズム172Bを含み得、また、図3のビーム制限アパーチャアレイ121も含み得る。アクティブアパーチャ1105_C6Aは、一次電子ビーム102からオフアクシス一次ビームレット(例えば、図2のビームレット102_2)を生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、ビーム制限アパーチャ121_2は、対応する一次ビームレットから、ビームレット102_2を受信し、関連ビーム電流を有するプロービングビームレットを生成するように構成することができる。プロービングビームレットの関連ビーム電流は、オフアクシスアパーチャ1122のサイズ、上部アパーチャプレート1120とアクティブ偏向器1130との間の電界又はその両方に少なくとも基づいて調整可能であり得る。
【0131】
[00149] いくつかの実施形態では、プロービングビームレットの関連ビーム電流は、離散的な範囲で調整可能であり得る。例えば、オフアクシスアクティブアパーチャセット1105_CA(図示されていないが、いくつかの実施形態では、図11Bの1105Cと同様)は、多数のオフアクシスアクティブアパーチャ(1105_C1A、1105_C2A、1105_C3A、1105_C4A、1105_C5A、1105_C6A、図示されていないが、いくつかの実施形態では、1105C_1~1105C_6と同様)を含み得る。1つ又は複数のオフアクシスアクティブアパーチャは、サイズ、形状又は断面において相違があり得る。オフアクシスアパーチャのサイズにより、通過するビームのサイズ又は電子の数を決定することができ、それにより、ビームが通過するように誘導されるオフアクシスアクティブアパーチャのサイズに基づくビーム電流の調整が可能になる。オフアクシスアクティブアパーチャセット1105_CAは、必要に応じて、より少ない又はより多くのアクティブアパーチャを含み得ることが理解されている。
【0132】
[00150] いくつかの実施形態では、アクティブ偏向器1130に印加される電圧信号は、固定するか又は実質的に固定することができる。上部アパーチャプレート1120及びアクティブ偏向器1130に固定電圧信号が印加された結果として形成される電界は、固定するか又は実質的に固定することができる。そのような事例では、プロービングビームレットのビーム電流は、オフアクシスアパーチャ1122の選択されるアパーチャサイズに少なくとも基づいて調整することができる。いくつかの実施形態では、選択されるオフアクシスアパーチャ1122は、これらに限定されないが、数ある中でも特に、材料、所望の分析、分解能フィードバックを含む因子に基づいて、事前に決定しておくことも、動的に決定することもできる。
【0133】
[00151] いくつかの実施形態では、アクティブ偏向器1130に印加される電圧信号は、調整可能であり得る。アクティブ偏向器1130に調整可能な電圧信号が印加された結果として形成される電界は、調整可能であり得る。そのような事例では、プロービングビームレットのビーム電流は、上部アパーチャプレート1120とアクティブ偏向器1130との間の電界に基づいて決定することができる。上部アパーチャプレート1120とアクティブ偏向器1130との間の印加電圧信号の差によって形成される電界により、アクティブアパーチャ1105_C6Aを通過する荷電粒子(例えば、電子)の一部分の経路を偏向することができ、その結果、周辺の電子のいくつかは、下部アパーチャプレート1140によってブロックされ得る。形成される一次ビームレットは、電界による偏向及び周辺の電子のブロックの結果として、より少ない電子を含み、従って、形成される対応するプロービングビームレットのビーム電流は低減し得る。
【0134】
[00152] いくつかの実施形態では、プロービングビームレットのビーム電流は、アクティブアパーチャ1105_C6Aのアパーチャ1122のサイズを選択するか、又は、上部アパーチャプレート1120に印加される電圧信号とアクティブ偏向器1130に印加される電圧信号との差を調整することによってアクティブアパーチャ1105_C6Aの電界を調整することによって、又は通過が可能なビームレットのサイズに基づいてプロービングビームレットを生成するように構成されたビーム制限アパーチャアレイ121のアパーチャを選択することによって、或いは、それらの組合せによって、調整することができる。
【0135】
[00153] ここで図11Fを参照すると、図11Fは、本開示の実施形態と一致する、アクティブアパーチャ1105_C6Aの断面図を示している。図11Fに示されるように、一次電子ビーム102の一部分は、上部アパーチャプレート1120のアパーチャ1122を通じてアクティブアパーチャ1105_C6Aに入ることができ、ビームレット102_AAは、下部アパーチャプレート1140のアパーチャ1142を通じてアクティブアパーチャ1105_C6Aを出ることができる。いくつかの実施形態では、アクティブ偏向器1130は、下部アパーチャプレート1140によって一次電子ビーム102の周辺の電子をブロックできるようにそれらの電子を偏向するために電気的に活性化することができる。周辺の電子の偏向は、アクティブ偏向器1130に印加される電気信号の特性に基づいて決定することができる。電気信号は、電圧信号を含み得、電圧信号の特性は、数ある中でも特に、極性又は振幅を含み得る。
【0136】
[00154] いくつかの実施形態では、アクティブ偏向器1130の電気的活性化は、数ある中でも特に、用途、所望の分析又はシステム性能に基づいて動的に調整することができる。例えば、撮像分解能は、フィードバックメカニズムを使用して得られた走査分解能情報に基づいてアクティブ偏向器1130の電気的活性化を調整することによって調整することができる。いくつかの実施形態では、アクティブアパーチャ1105_C6Aは、回路(図11E及び11Fには図示せず)を使用して制御が行われるように構成することができる。回路は、数ある中でも特に、マイクロプロセッサ、検知回路、オンオフ駆動回路、電圧調節回路、メモリ、タイミング回路を含み得る。回路は、必要に応じて適切に、他の関連コンポーネントを含み得ることが理解されている。
【0137】
[00155] いくつかの実施形態では、電流設定に対応する実質的に同様のアパーチャサイズを有するアクティブアパーチャアレイのアクティブアパーチャの偏向器極は、電気的にグループ分けすることができる。実質的に同様のサイズを有するアクティブアパーチャの偏向器極の電気的なグループ分けは、それによって電気接続の数を制限することができ、従って、システム統合、操作及び制御を改善できることを理由に望ましいかもしれない。
【0138】
[00156] ここで図12を参照すると、図12は、本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査ツールを使用してサンプルを観察する例示的な方法1200を表すプロセスフローチャートを示している。方法1200は、例えば、図1に示されるようなEBIシステム100のコントローラ50によって実行することができる。コントローラ50は、方法1200の1つ又は複数のステップを実施するようにプログラムすることができる。例えば、コントローラ50は、荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動するように及び他の機能を行うように荷電粒子ビーム装置のモジュールに指示することができる。
【0139】
[00157] ステップ1210では、荷電粒子源(例えば、図2の電子源101)を起動することによって荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次電子ビーム102)を生成することができる。例えば、電子源101は、主光軸に沿って形成される一次電子ビームを放出させるために電源を入れることができる。電子源は、例えば、制御回路を通じて電子源に給電するためのコントローラのプロセッサ用のソフトウェア、アプリケーション又は命令セットを使用することによって、リモート操作で起動することができる。一次電子ビームは、ガンアパーチャプレート(例えば、図2のガンアパーチャプレート171)、アパーチャアレイ(例えば、図2のプレビームレット形成メカニズム172)又はその両方によって削減することができる。
【0140】
[00158] ステップ1220では、プレビームレット形成メカニズム(例えば、図3のプレビームレット形成メカニズム172)を通過した後、多数のビームレット(例えば、図3のビームレット102_1、102_2、102_3)を生成することができる。生成されるビームレットの数は、プレビームレット形成メカニズムの事前削減アパーチャの数に基づき得る。例証的な目的のため、例えば、図3では、3つのビームレット及び3つの事前削減アパーチャが示されている。一次電子ビームがプレビームレット形成メカニズムを通過した後に生成されるビームレットは、1つのオンアクシスビームレットと、少なくとも1つのオフアクシスビームレットとを含み得る。いくつかの実施形態では、多数のオフアクシスビームレットを生成することができる。プレビームレット形成メカニズムは、1つのオンアクシスアパーチャと、少なくとも1つのオフアクシスアパーチャとを含み得る。オンアクシスアパーチャの形状又は断面は、円形又は実質的に円形であり得る。オフアクシスアパーチャは、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャであり得る。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャは、細長く湾曲したものであり得る(例えば、図7Bのオフアクシスアパーチャ172_2C~172_9Cなど)。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャのうちの1つ又は複数は、第2のアパーチャと重複する第1のアパーチャ(例えば、図11Aのマージアパーチャ1101C~1104C)を伴い得る。いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャの形状は、プロービングビームレットの調整可能なプローブ電流と関連付けられた対応するビームレットの経路、集光レンズの平面の調整性及び第2のアパーチャアレイの特性に基づき得る。
【0141】
[00159] ステップ1230では、主光軸に沿って集光レンズ(例えば、図2の集光レンズ110)の平面(例えば、図3の主平面110_2)の位置を調整することができる。いくつかの実施形態では、調整可能な平面は、集光レンズの主平面であり得る。集光レンズの主平面の位置は、ビーム制限アパーチャアレイによって生成されるプロービングビームレットのプローブ電流を調整するために、プレビームレット形成メカニズム及びビーム制限アパーチャアレイ(例えば、図3のビーム制限アパーチャアレイ121)の位置との関連で調整することができる。例えば、集光レンズの主平面がプレビームレット形成メカニズムよりビーム制限アパーチャアレイの方に近い場合は、ビーム制限アパーチャアレイを出るオンアクシスビームレット及びオフアクシスビームレットのビーム電流は、主平面がプレビームレット形成メカニズムの方により近い際より低いものであり得る。
【0142】
[00160] いくつかの実施形態では、調整可能な電磁集光レンズを含むマルチビーム装置では、オフアクシスビームレットは、ある回転角度でビーム制限アパーチャアレイに照射することができる。回転角度は、調整可能な集光レンズの集束力又は主光軸に沿った調整可能な集光レンズの主平面の位置と共に変更することができる。オフアクシスビームレットは、オフアクシスビームレットがビーム制限アパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャを通過する角度で回転することができる。
【0143】
[00161] いくつかの実施形態では、集光レンズの主平面の位置を調整することにより、ビーム制限アパーチャアレイを出るプロービングビームレットの特性を修正することができる。プロービングビームレットの特性は、これらに限定されないが、プロービングビームレットのプローブ電流、プロービングビームレットを生成することができるビームレットの一部分などを含み得る。
【0144】
[00162] ステップ1240では、ビーム制限アパーチャアレイ(例えば、図3及び9のビーム制限アパーチャアレイ121)によって多数のビームレットからプロービングビームレットを生成することができる。プロービングビームレットの特性は、ビーム制限アパーチャアレイの特性に基づいて決定することができる。ビーム制限アパーチャアレイの特性は、これらに限定されないが、アパーチャのサイズ、断面、形状、ピッチ、位置決めを含み得る。プロービングビームレットの特性は、ビーム制限アパーチャアレイの1つ又は複数の特性によって決定することができる。
【0145】
[00163] いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイの位置を固定することができる。例えば、ビーム制限アパーチャアレイは、集光レンズ又はプレビームレット形成メカニズムから既定の距離にある主光軸に垂直な平面に配置することができる。いくつかの実施形態では、ビーム制限アパーチャアレイは、均一な形状、サイズ、断面及びピッチを有するアパーチャを含み得る。いくつかの実施形態では、アパーチャは、不均一なものでもあり得る。
【0146】
[00164] ステップ1250では、プローブスポット(例えば、図2のプローブスポット102_1S、102_2S、102_3S)を形成するために、ビーム制限アパーチャアレイによって生成されたプロービングビームレットを集束させ、サンプル(例えば、図2のサンプル190)に向けて誘導することができる。いくつかの実施形態では、多数のプロービングビームレットの各々は、サンプル上にプローブスポットを形成することができる。プロービングビームレットは、対物レンズ(例えば、図3の対物レンズ131)を使用して集束することができる。プロービングビームレットは、サンプル表面に垂直に入射することができる。サンプルに入射したプロービングビームレットの一次電子は、二次電子を発生し得る。二次電子は、二次電子検出器又は後方散乱電子検出器を使用して検出することができ、従って、精査しているサンプルについての情報が明らかになる。
【0147】
[00165] ここで図13を参照すると、図13は、本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査ツールを使用してサンプルを観察する例示的な方法1300を表すプロセスフローチャートを示している。方法1300は、例えば、図1に示されるようなEBIシステム100のコントローラ50によって実行することができる。コントローラ50は、方法1300の1つ又は複数のステップを実施するようにプログラムすることができる。例えば、コントローラ50は、荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動するように及び他の機能を行うように荷電粒子ビーム装置のモジュールに指示することができる。
【0148】
[00166] ステップ1310では、荷電粒子源(例えば、図2の電子源101)を起動することによって荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次電子ビーム102)を生成することができる。例えば、電子源101は、主光軸(例えば、図2の主光軸100_1)に沿って形成される一次電子ビームを放出させるために電源を入れることができる。電子源は、例えば、制御回路を通じて電子源に給電するためのコントローラのプロセッサ用のソフトウェア、アプリケーション又は命令セットを使用することによって、リモート操作で起動することができる。一次電子ビームは、ガンアパーチャプレート(例えば、図2のガンアパーチャプレート171)、アパーチャアレイ(例えば、図2のプレビームレット形成メカニズム172)又はその両方によって削減することができる。
【0149】
[00167] ステップ1320では、プレビームレット形成メカニズム(例えば、図11Bのプレビームレット形成メカニズム172B)を通過した後、多数のビームレット(例えば、図3のビームレット102_1、102_2、102_3)を生成することができる。生成される一次ビームレットの数は、プレビームレット形成メカニズムのアパーチャの数に基づき得る。例証的な目的のため、例えば、図3では、3つのビームレット及び3つのアパーチャが示されている。一次電子ビームがプレビームレット形成メカニズムを通過した後に生成されるビームレットは、1つのオンアクシス一次ビームレットと、少なくとも1つのオフアクシス一次ビームレットとを含み得る。いくつかの実施形態では、多数のオフアクシスビームレットを生成することができる。プレビームレット形成メカニズムは、1つのオンアクシスアパーチャと、少なくとも1つのオフアクシスアパーチャセット(例えば、図11Bのオフアクシスアパーチャセット1105C)とを含み得る。オンアクシスアパーチャの形状又は断面は、円形又は実質的に円形であり得る。オフアクシスアパーチャセットのアパーチャの断面は、円形、長方形、実質的に円形、楕円形、多角形又は同様のものであり得る。アパーチャの断面により、それにより生成される一次ビームレットの断面及び形状を決定することができる。プレビームレット形成メカニズム172Bのアパーチャによって生成された一次ビームレットは、集光レンズ(例えば、図2の集光レンズ110)に入射することができる。
【0150】
[00168] ステップ1330では、主光軸に沿って集光レンズの平面(例えば、図3の主平面110_2)の位置を調整することができる。いくつかの実施形態では、集光レンズ110は、一次ビームレットが、ビーム制限アパーチャアレイ(例えば、図3及び9のビーム制限アパーチャアレイ121)を出る対応するプロービングビームレットを形成するように構成された調整可能な電磁レンズを含み得る。集光レンズ110の設定に基づいて、オフアクシスアパーチャセットのアパーチャによって形成された一次ビームレットは、ある回転角度でビーム制限アパーチャアレイの対応するアパーチャに入射することができる。回転角度は、調整可能な集光レンズの集束力又は主光軸に沿った調整可能な集光レンズの主平面の位置と共に変更することができる。例えば、集光レンズが電子源の方により近く位置決めされる場合は、アパーチャ(例えば、図11Bの1105C_6)から生成されたプロービングビームレットは、ビーム制限アパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射することができる。
【0151】
[00169] ステップ1340では、ビーム制限アパーチャアレイによって多数の一次ビームレットから多数のプロービングビームレットを生成することができる。オンアクシスプロービングビームレットは、対応するオンアクシス一次ビームレットと関連付けることができ、オフアクシスプロービングビームレットは、プレビームレット形成メカニズム172Bの対応するオフアクシスアパーチャセットと関連付けることができる。形成されるプロービングビームレットの特性は、ビーム制限アパーチャアレイの特性に基づいて決定することができる。ビーム制限アパーチャアレイの特性は、これらに限定されないが、アパーチャのサイズ、断面、形状、ピッチ、位置決めを含み得る。プロービングビームレットの特性は、ビーム制限アパーチャアレイの1つ又は複数の特性によって決定することができる。
【0152】
[00170] ステップ1350では、プローブスポット(例えば、図2のプローブスポット102_1S、102_2S、102_3S)を形成するために、ビーム制限アパーチャアレイによって生成されたプロービングビームレットを集束させ、サンプル(例えば、図2のサンプル190)に向けて誘導することができる。いくつかの実施形態では、多数のプロービングビームレットの各々は、サンプル上にプローブスポットを1つずつ形成することができる。プロービングビームレットは、対物レンズ(例えば、図3の対物レンズ131)を使用して集束することができる。プロービングビームレットは、サンプル表面に垂直に入射することができる。サンプルに入射したプロービングビームレットの一次電子は、二次電子を発生し得る。二次電子は、二次電子検出器又は後方散乱電子検出器を使用して検出することができ、従って、精査しているサンプルについての情報が明らかになる。
【0153】
[00171] ここで図14を参照すると、図14は、本開示の実施形態と一致する、マルチビーム検査ツールを使用してサンプルを観察する例示的な方法1400を表すプロセスフローチャートを示している。方法1400は、例えば、図1に示されるようなEBIシステム100のコントローラ50によって実行することができる。コントローラ50は、方法1400の1つ又は複数のステップを実施するようにプログラムすることができる。例えば、コントローラ50は、荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動するように及び他の機能も行うように荷電粒子ビーム装置のモジュールに指示することができる。
【0154】
[00172] ステップ1410では、荷電粒子源(例えば、図2の電子源101)を起動することによって荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次電子ビーム102)を生成することができる。例えば、電子源101は、主光軸(例えば、図2の主光軸100_1)に沿って形成される一次電子ビームを放出させるために電源を入れることができる。電子源は、例えば、制御回路を通じて電子源に給電するためのコントローラのプロセッサ用のソフトウェア、アプリケーション又は命令セットを使用することによって、リモート操作で起動することができる。一次電子ビームは、ガンアパーチャプレート(例えば、図2のガンアパーチャプレート171)、アパーチャアレイ(例えば、図2のプレビームレット形成メカニズム172)又はその両方によって削減することができる。
【0155】
[00173] ステップ1420では、プレビームレット形成メカニズム(例えば、図11Bのプレビームレット形成メカニズム172B)を通過した後、多数のビームレット(例えば、図3のビームレット102_1、102_2、102_3)を生成することができる。生成される一次ビームレットの数は、プレビームレット形成メカニズムのアパーチャの数に基づき得る。例証的な目的のため、例えば、図3では、3つのビームレット及び3つのアパーチャが示されている。一次電子ビームがプレビームレット形成メカニズムを通過した後に生成されるビームレットは、1つのオンアクシス一次ビームレットと、少なくとも1つのオフアクシス一次ビームレットとを含み得る。いくつかの実施形態では、多数のオフアクシスビームレットを生成することができる。プレビームレット形成メカニズムは、1つのオンアクシスアパーチャと、少なくとも1つのオフアクシスアパーチャセット(例えば、図11Bのオフアクシスアパーチャセット1105C)とを含み得る。
【0156】
[00174] いくつかの実施形態では、オフアクシスアパーチャセット1105Cは、アクティブアパーチャ(例えば、図11Eのアクティブアパーチャ1105_C6A)を含み得る。例示的なアクティブアパーチャ1105_C6Aは、上部アパーチャプレート(例えば、図11Eの上部アパーチャプレート1120)、アクティブ偏向器(例えば、図11Eのアクティブ偏向器1130)及び下部アパーチャプレート(例えば、図11Eの下部アパーチャプレート1140)を含み得る。アクティブアパーチャ1105_C6Aは3つの要素を含むように示されているが、必要に応じて適切に、スペーサ層、マイクロレンズなど、より多くの要素が存在し得ることが理解されている。いくつかの実施形態では、アクティブアパーチャ1105_C6Aは、これらに限定されないが、機械加工、MEMS製作技法、化学エッチング、レーザ切断、微小機械加工又は同様のものを含む技法を使用して製作されたアクティブアパーチャアセンブリを含み得る。アクティブアパーチャアレイを含むプレビームレット形成メカニズム172Bは、用途に基づいて、導電性、半導電性又は絶縁材料から製作することができる。
【0157】
[00175] 上部アパーチャプレートは、所望の電流設定に基づいて一次電子ビームの電子の一部分の通過を可能にするように構成することができる。下部アパーチャプレートは、上部アパーチャプレートが製作される材料によって分離された多数のオフアクシスアパーチャ(例えば、図11Eのアパーチャ1142)を含み得る。上部アパーチャプレート及び下部アパーチャプレートは、電気的に接地するか又は参照電圧に維持することができる。アクティブ偏向器は、一次電子ビームの電子の一部分の経路に作用を及ぼすために電気的に活性化するように構成された単極偏向器又は多極偏向器を含み得る。
【0158】
[00176] アクティブ偏向器は、1つ又は複数の極に電気信号を印加することによって電気的に活性化することができる。いくつかの実施形態では、電気信号は、オフアクシスアパーチャ1122を出た一次電子ビームの電子の一部分の偏向に適した電圧信号を含み得る。いくつかの実施形態では、アクティブ偏向器は、下部アパーチャプレートによって一次電子ビームの周辺の電子をブロックできるようにそれらの電子を偏向するために電気的に活性化することができる。周辺の電子の偏向は、アクティブ偏向器に印加される電気信号の特性に基づいて決定することができる。電気信号は、電圧信号を含み得、電圧信号の特性は、数ある中でも特に、極性、振幅を含み得る。
【0159】
[00177] オンアクシスアパーチャの形状又は断面は、円形又は実質的に円形であり得る。オフアクシスアパーチャセットのアパーチャの断面は、円形、長方形、実質的に円形、楕円形、多角形又は同様のものであり得る。アパーチャの断面により、それにより生成される一次ビームレットの断面及び形状を決定することができる。プレビームレット形成メカニズム172Bのアパーチャによって生成された一次ビームレットは、集光レンズ(例えば、図2の集光レンズ110)に入射することができる。
【0160】
[00178] ステップ1430では、ビーム制限アパーチャアレイによって多数の一次ビームレットから多数のプロービングビームレットを生成することができる。オンアクシスプロービングビームレットは、対応するオンアクシス一次ビームレットと関連付けることができ、オフアクシスプロービングビームレットは、プレビームレット形成メカニズム172Bの対応するオフアクシスアパーチャセットと関連付けることができる。形成されるプロービングビームレットの特性は、ビーム制限アパーチャアレイの特性に基づいて決定することができる。ビーム制限アパーチャアレイの特性は、これらに限定されないが、アパーチャのサイズ、断面、形状、ピッチ、位置決めを含み得る。プロービングビームレットの特性は、ビーム制限アパーチャアレイの1つ又は複数の特性によって決定することができる。
【0161】
[00179] ステップ1440では、プローブスポット(例えば、図2のプローブスポット102_1S、102_2S、102_3S)を形成するために、ビーム制限アパーチャアレイによって生成されたプロービングビームレットを集束させ、サンプル(例えば、図2のサンプル190)に向けて誘導することができる。いくつかの実施形態では、多数のプロービングビームレットの各々は、サンプル上にプローブスポットを形成することができる。プロービングビームレットは、対物レンズ(例えば、図3の対物レンズ131)を使用して集束することができる。プロービングビームレットは、サンプル表面に垂直に入射することができる。サンプルに入射したプロービングビームレットの一次電子は、二次電子を発生し得る。二次電子は、二次電子検出器又は後方散乱電子検出器を使用して検出することができ、従って、精査しているサンプルについての情報が明らかになる。
【0162】
[00180] 実施形態については、以下の条項を使用してさらに説明する。
1. 主光軸に沿って一次荷電粒子ビームを生成するように構成された荷電粒子源と、
一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成された第1の多数のアパーチャを含む第1のアパーチャアレイと、
主光軸に沿って調整可能な平面を含む集光レンズと、
多数のプロービングビームレットを生成するように構成された第2の多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイと
を含む、荷電粒子ビーム装置であって、
多数のプロービングビームレットの各々が、対応する一次ビームレットの荷電粒子の一部分を含み、
荷電粒子の一部分が、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定される、荷電粒子ビーム装置。
2. 第1のアパーチャアレイが、荷電粒子源と集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイを含む、条項1に記載の装置。
3. 第1のアパーチャアレイが、オンアクシスビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャを含み、オンアクシスビームレットが、第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する、条項1又は2に記載の装置。
4. 第1のアパーチャアレイが、オフアクシスビームレットを生成するように構成されたオフアクシスアパーチャを含み、オフアクシスビームレットが、第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する、条項1~3のいずれか一項に記載の装置。
5. 第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャが、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含む、条項4に記載の装置。
6. 第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャが、湾曲形状を有する、条項5に記載の装置。
7. オフアクシスアパーチャが、主光軸に向かうにつれて幅が細くなるように方向付けられる、条項4~6のいずれか一項に記載の装置。
8. 集光レンズが、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成される、条項4~7のいずれか一項に記載の装置。
9. 第2のアパーチャアレイが、集光レンズと対物レンズとの間に配置されたビーム制限アパーチャアレイを含む、条項1~8のいずれか一項に記載の装置。
10. 第2の多数のアパーチャが、多数のプロービングビームレットのサイズ及び形状を決定するように構成される、条項1~9のいずれか一項に記載の装置。
11. 第2のアパーチャアレイの特性が、第2の多数のアパーチャのサイズ、形状及び配列の少なくとも1つを含む、条項1~10のいずれか一項に記載の装置。
12. 集光レンズが、静電、電磁又は電磁複合レンズを含む、条項1~11のいずれか一項に記載の装置。
13. 第1の多数のアパーチャが、多数のオフアクシスアパーチャを含む、条項1~12のいずれか一項に記載の装置。
14. 多数のオフアクシスアパーチャが、第2のオフアクシスアパーチャと重複する第1のオフアクシスアパーチャを有するアパーチャを含み、第1のオフアクシスアパーチャが、第2のアパーチャアレイが第1のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにし、第2のオフアクシスアパーチャが、第2のアパーチャアレイが第2のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにする、条項13に記載の装置。
15. 第1のアパーチャアレイの多数のオフアクシスアパーチャの各々が、第1のアパーチャアレイの基板材料によって分離される、条項13に記載の装置。
16. 第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャが、実質的に円形である、条項3~15のいずれか一項に記載の装置。
17. 第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャの面積が、オフアクシスアパーチャの面積と実質的に同様である、条項4~16のいずれか一項に記載の装置。
18. 一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成された第1の多数のアパーチャ
を含む、第1のアパーチャアレイであって、
多数の一次ビームレットの各一次ビームレットの荷電粒子の一部分が、多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成し、
荷電粒子の一部分が、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定され、第2のアパーチャアレイが、多数のプロービングビームレットを生成するように構成される、第1のアパーチャアレイ。
19. 荷電粒子源と集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイをさらに含む、条項18に記載の第1のアパーチャアレイ。
20. オンアクシスビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャをさらに含む、条項18又は19に記載の第1のアパーチャアレイであって、オンアクシスビームレットが、第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する、第1のアパーチャアレイ。
21. オフアクシスビームレットを生成するように構成されたオフアクシスアパーチャをさらに含む、条項18~20のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイであって、オフアクシスビームレットが、第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する、第1のアパーチャアレイ。
22. オフアクシスアパーチャが、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含む、条項21に記載の第1のアパーチャアレイ。
23. オフアクシスアパーチャが、湾曲形状を有する、条項22に記載の第1のアパーチャアレイ。
24. オフアクシスアパーチャが、主光軸に向かうにつれて幅が細くなるように方向付けられる、条項21~23のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
25. 第1の多数のアパーチャが、多数のオフアクシスアパーチャを含む、条項18~24のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
26. 多数のオフアクシスアパーチャが、第2のオフアクシスアパーチャと重複する第1のオフアクシスアパーチャを有するアパーチャを含み、第1のオフアクシスアパーチャが、第2のアパーチャアレイが第1のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにし、第2のオフアクシスアパーチャが、第2のアパーチャアレイが第2のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにする、条項25に記載の第1のアパーチャアレイ。
27. 多数のオフアクシスアパーチャの各々が、第1のアパーチャアレイの基板材料によって分離される、条項25又は26に記載の第1のアパーチャアレイ。
28. オンアクシスアパーチャが、実質的に円形である、条項20~27のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
29. 第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャの面積が、オフアクシスアパーチャの面積と実質的に同様である、条項21~28のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
30. マルチビーム装置を使用してサンプルを観察する方法であって、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
第1のアパーチャアレイを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することと、
第2のアパーチャアレイを使用して、多数の一次ビームレットに対応する多数のプロービングビームレットを生成することと、
第1及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することと、
多数のプロービングビームレットから、サンプルの表面に入射する多数のプローブスポットを生成することと
を含む、方法であり、
多数のプロービングビームレットの各々が、多数の一次ビームレットの対応する一次ビームレットの荷電粒子の一部分を含み、
荷電粒子の一部分が、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定される、方法。
31. 集光レンズの平面の位置を調整することにより、プロービングビームレットの特性が修正される、条項30に記載の方法。
32. 集光レンズの平面の位置を調整することにより、プロービングビームレットの電流が修正される、条項30又は31に記載の方法。
33. 多数の一次ビームレットを生成することが、オンアクシスビームレット及びオフアクシスビームレットを生成することを含む、条項30~32のいずれか一項に記載の方法。
34. 集光レンズを使用して、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するようにすることをさらに含む、条項33に記載の方法。
35. 第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令セットが、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
第1のアパーチャアレイ及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することと
を含む方法をマルチビーム装置に実行させ、
第1のアパーチャアレイが、第1の多数のアパーチャを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成され、
多数の一次ビームレットの各一次ビームレットの荷電粒子の一部分が、対応するプロービングビームレットを形成し、
荷電粒子の一部分が、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づいて決定される、非一時的なコンピュータ可読媒体。
36. 主光軸に沿って一次荷電粒子ビームを生成するように構成された荷電粒子源と、
一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成された複数のアパーチャセットを含む第1のアパーチャアレイと、
主光軸に垂直な平面に配置された集光レンズと、
多数のプロービングビームレットを生成するように構成された多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイと
を含む、荷電粒子ビーム装置であって、
多数のプロービングビームレットの各プロービングビームレットが、第1のアパーチャアレイのアパーチャセットと関連付けられ、
プロービングビームレットを形成するアパーチャセットのアパーチャが、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定される、荷電粒子ビーム装置。
37. 第1のアパーチャアレイが、荷電粒子源と集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイを含む、条項36に記載の装置。
38. 第1のアパーチャアレイが、オンアクシス一次ビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャを含み、オンアクシス一次ビームレットが、第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する、条項36又は37に記載の装置。
39. 第1のアパーチャアレイが、多数のオフアクシス一次ビームレットを生成するように構成された複数のオフアクシスアパーチャセットを含み、オフアクシス一次ビームレットが、第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する、条項36~38のいずれか一項に記載の装置。
40. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、湾曲経路に沿って配置されたアパーチャを含む、条項36~39のいずれか一項に記載の装置。
41. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、異なるサイズを有する少なくとも2つのアパーチャを含む、条項36~40のいずれか一項に記載の装置。
42. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、対応する一次ビームレットの電流を決定するようにサイズ指定されたアパーチャを含む、条項36~41のいずれか一項に記載の装置。
43. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、均一ピッチを有するアパーチャを含む、条項36~42のいずれか一項に記載の装置。
44. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、不均一ピッチを有するアパーチャを含む、条項36~42のいずれか一項に記載の装置。
45. 複数のオフアクシスアパーチャセットが、円形、長方形、楕円形又は多角形の断面を有するアパーチャを含む、条項36~44のいずれか一項に記載の装置。
46. 集光レンズが、多数の一次ビームレットの各一次ビームレットが多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成される、条項36~45のいずれか一項に記載の装置。
47. 第2のアパーチャアレイが、集光レンズと対物レンズとの間に配置されたビーム制限アパーチャアレイを含む、条項36~46のいずれか一項に記載の装置。
48. 第2の多数のアパーチャが、多数のプロービングビームレットのサイズ及び形状を決定するように構成される、条項36~47のいずれか一項に記載の装置。
49. 集光レンズが、静電、電磁又は電磁複合レンズを含む、条項36~48のいずれか一項に記載の装置。
50. 第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャが、実質的に円形である、条項38~49のいずれか一項に記載の装置。
51. 一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成された複数のアパーチャセット
を含む、第1のアパーチャアレイであって、
多数のプロービングビームレットの各プロービングビームレットが、第1のアパーチャアレイの複数のアパーチャセットの各セットと関連付けられ、
プロービングビームレットを形成するアパーチャセットのアパーチャが、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定される、第1のアパーチャアレイ。
52. 荷電粒子源と集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイをさらに含む、条項51に記載の第1のアパーチャアレイ。
53. オンアクシス一次ビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャをさらに含む、条項51又は52に記載の第1のアパーチャアレイであって、オンアクシス一次ビームレットが、第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する、第1のアパーチャアレイ。
54. オンアクシスアパーチャが、実質的に円形である、条項53に記載の第1のアパーチャアレイ。
55. 複数のオフアクシスアパーチャセットが、多数のオフアクシスビームレットを生成するように構成され、オフアクシスビームレットが、第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する、条項51~54のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
56. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、湾曲経路に沿って配置されたアパーチャを含む、条項51~55のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
57. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、異なるサイズを有する少なくとも2つのアパーチャを含む、条項51~56のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
58. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、対応する一次ビームレットの電流を決定するようにサイズ指定されたアパーチャを含む、条項51~57のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
59. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、均一ピッチを有するアパーチャを含む、条項51~58のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
60. 複数のオフアクシスアパーチャセットの各セットが、不均一ピッチを有するアパーチャを含む、条項51~58のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
61. 複数のオフアクシスアパーチャセットが、円形、長方形、楕円形又は多角形の断面を有するアパーチャを含む、条項51~60のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
62. マルチビーム装置を使用してサンプルを観察する方法であって、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
第1のアパーチャアレイを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することと、
第2のアパーチャアレイを使用して、多数の一次ビームレットに対応する多数のプロービングビームレットを生成することと、
第1及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することと、
多数のプロービングビームレットから、サンプルの表面に入射する多数のプローブスポットを生成することと
を含む、方法であり、
多数のプロービングビームレットの各プロービングビームレットが、第1のアパーチャアレイのアパーチャセットと関連付けられ、
プロービングビームレットを形成するアパーチャセットのアパーチャが、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定される、方法。
63. 集光レンズの平面の位置を調整することにより、プロービングビームレットの特性が修正される、条項62に記載の方法。
64. 集光レンズの平面の位置を調整することにより、プロービングビームレットの電流が修正される、条項62又は63に記載の方法。
65. 多数の一次ビームレットを生成することが、オンアクシス一次ビームレット及びオフアクシス一次ビームレットを生成することを含む、条項62~64のいずれか一項に記載の方法。
66. 集光レンズを使用して、オフアクシス一次ビームレットが多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するようにすることをさらに含む、条項65に記載の方法。
67. 第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令セットが、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
第1のアパーチャアレイ及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することと
を含む方法をマルチビーム装置に実行させ、
第1のアパーチャアレイが、多数のアパーチャセットを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成され、
多数の一次ビームレットの各一次ビームレットが、対応するプロービングビームレットを形成し、
プロービングビームレットを形成するアパーチャセットのアパーチャが、集光レンズの特性に少なくとも基づいて決定される、非一時的なコンピュータ可読媒体。
68. 一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成された第1の多数のアパーチャを含む第1のアパーチャアレイ
を含む荷電粒子ビーム装置であって、第1の多数のアパーチャの各アパーチャが、
第1の電圧であるように構成された第1のアパーチャプレートと、
一次荷電粒子ビームの荷電粒子の経路の調整を可能にする電界を生成するために第1の電圧とは異なる第2の電圧であるように構成された第2のアパーチャプレートと
を含む、荷電粒子ビーム装置。
69. 第1の電圧と実質的に同様の第3の電圧であるように構成された第3のアパーチャプレートをさらに含む、条項68に記載の装置。
70. 主光軸に沿って調整可能な平面を含む集光レンズと、
多数のプロービングビームレットを生成するように構成された第2の多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイと
をさらに含む、条項68又は69に記載の装置であって、
多数のプロービングビームレットの各々が、対応する一次ビームレットの荷電粒子の一部分を含み、荷電粒子の一部分が、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づく、装置。
71. 第1及び第3の電圧が、参照電圧を含む、条項69又は70に記載の装置。
72. 第2のアパーチャプレートが、電気的活性化に応答して荷電粒子の経路を調整するように構成された荷電粒子ビーム偏向器を含む、条項68~71のいずれか一項に記載の装置。
73. 荷電粒子ビーム偏向器が、単極偏向器又は多極偏向器を含む、条項72に記載の装置。
74. 第2のアパーチャプレートの電気的活性化が、電界を生成するために電圧信号が印加されることを含む、条項72又は73に記載の装置。
75. 荷電粒子の経路が、第2のアパーチャプレートに印加される電圧信号の特性に基づいて調整される、条項74に記載の装置。
76. 電圧信号の特性が、極性又は振幅を含む、条項75に記載の装置。
77. 第1の多数のアパーチャの各アパーチャが、
第1のアパーチャプレートの第1のアパーチャと、
第2のアパーチャプレートの第2のアパーチャと、
第3のアパーチャプレートの第3のアパーチャと
を含み、
第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートと第3のアパーチャプレートとの間に配置され、
第1、第2及び第3のアパーチャの幾何学的中心が位置合わせされる、条項69~76のいずれか一項に記載の装置。
78. 第1及び第2のアパーチャのサイズには相違があり、第1及び第3のアパーチャのサイズが実質的に同様である、条項77に記載の装置。
79. 第3のアパーチャプレートが、第2のアパーチャを出た荷電粒子の一部分をブロックするように構成される、条項77又は78に記載の装置。
80. 第1のアパーチャアレイが、荷電粒子源と集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイを含む、条項70~79のいずれか一項に記載の装置。
81. 第1のアパーチャアレイが、オンアクシスビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャを含み、オンアクシスビームレットが、第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する、条項70~80のいずれか一項に記載の装置。
82. 第1のアパーチャアレイが、オフアクシスビームレットを生成するように構成されたオフアクシスアパーチャを含み、オフアクシスビームレットが、第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する、条項70~81のいずれか一項に記載の装置。
83. 第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャが、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含む、条項82に記載の装置。
84. 第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャが、湾曲形状を有する、条項83に記載の装置。
85. オフアクシスアパーチャが、主光軸に向かうにつれて幅が細くなるように方向付けられる、条項82~84のいずれか一項に記載の装置。
86. 集光レンズが、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するように構成される、条項82~85のいずれか一項に記載の装置。
87. 第2のアパーチャアレイが、集光レンズと対物レンズとの間に配置されたビーム制限アパーチャアレイを含む、条項70~86のいずれか一項に記載の装置。
88. 第2の多数のアパーチャが、多数のプロービングビームレットのサイズ及び形状を決定するように構成される、条項70~87のいずれか一項に記載の装置。
89. 第2のアパーチャアレイの特性が、第2の多数のアパーチャのサイズ、形状及び配列の少なくとも1つを含む、条項70~88のいずれか一項に記載の装置。
90. 集光レンズが、静電、電磁又は電磁複合レンズを含む、条項70~89のいずれか一項に記載の装置。
91. 第1の多数のアパーチャが、多数のオフアクシスアパーチャを含む、条項68~90のいずれか一項に記載の装置。
92. 多数のオフアクシスアパーチャが、第2のオフアクシスアパーチャと重複する第1のオフアクシスアパーチャを有するアパーチャを含み、第1のオフアクシスアパーチャが、第2のアパーチャアレイが第1のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにし、第2のオフアクシスアパーチャが、第2のアパーチャアレイが第2のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにする、条項91に記載の装置。
93. 第1のアパーチャアレイの多数のオフアクシスアパーチャの各々が、第1のアパーチャアレイの基板材料によって分離される、条項91又は92に記載の装置。
94. 第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャが、実質的に円形である、条項81~93のいずれか一項に記載の装置。
95. 第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャの面積が、オフアクシスアパーチャの面積と実質的に同様である、条項82~94のいずれか一項に記載の装置。
96. 荷電粒子ビーム装置を使用してサンプルを観察する方法であって、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
第1のアパーチャアレイの第1のアパーチャプレート及び第2のアパーチャプレートを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することであって、第1のアパーチャプレートが、第1の電圧で動作し、第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートを出た荷電粒子の経路を調整するために第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作する、生成することと、
第2のアパーチャアレイを使用して、多数の一次ビームレットに対応する多数のプロービングビームレットを生成することと、
多数のプロービングビームレットから、サンプルの表面に入射する多数のプローブスポットを生成することと
を含む、方法。
97. 第1の電圧と実質的に同様の第3の電圧で第3のアパーチャプレートを動作することをさらに含む、条項96に記載の方法であって、第1及び第3の電圧が、参照電圧を含む、方法。
98. 第2のアパーチャプレートを電気的に活性化することによって、荷電粒子の経路を調整することをさらに含む、条項96又は97に記載の方法。
99. 第2のアパーチャプレートの電気的活性化が、電界を生成するために電圧信号を印加することを含む、条項98に記載の方法。
100. 第1及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することをさらに含む、条項96~99のいずれか一項に記載の方法。
101. 集光レンズの平面の位置を調整することにより、多数のプロービングビームレットの特性が修正される、条項100に記載の方法。
102. 集光レンズの平面の位置を調整することにより、多数のプロービングビームレットの電流が修正される、条項100又は101に記載の方法。
103. 多数の一次ビームレットを生成することが、オンアクシスビームレット及びオフアクシスビームレットを生成することを含む、条項96~102のいずれか一項に記載の方法。
104. 集光レンズを使用して、オフアクシスビームレットの一部分が多数のプロービングビームレットの対応するプロービングビームレットを形成するようにすることをさらに含む、条項100~103のいずれか一項に記載の方法。
105. 第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令セットが、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
第1のアパーチャアレイの第1のアパーチャプレート及び第2のアパーチャプレートを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することであって、第1及び第3のアパーチャプレートが、実質的に第1の電圧で動作し、第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートを出た荷電粒子の経路を調整するために第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作する、生成することと、
第2のアパーチャアレイを使用して、多数の一次ビームレットに対応する多数のプロービングビームレットを生成することと、
多数のプロービングビームレットから、サンプルの表面に入射する多数のプローブスポットを生成することと
を含む方法をマルチビーム装置に実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
106. 一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成された第1の多数のアパーチャを含む第1のアパーチャアレイであって、第1の多数のアパーチャの各アパーチャが、
第1の電圧であるように構成された第1のアパーチャプレートと、
第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間に電界を生成するために第1の電圧とは異なる第2の電圧であるように構成された第2のアパーチャプレートと
を含む、第1のアパーチャアレイと、
対応する一次ビームレットからプロービングビームレットを生成するように構成された第2のアパーチャアレイであって、プロービングビームレットのビーム電流が調整可能である、第2のアパーチャアレイと
を含む、荷電粒子ビーム装置。
107. 第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界が、実質的に固定される、条項106に記載の装置。
108. ビーム電流が、第1のアパーチャアレイの第1の多数のアパーチャの各アパーチャのサイズに基づいて離散的に調整される、条項106又は107に記載の装置。
109. 第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界が調整可能である、条項106に記載の装置。
110. ビーム電流が、第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界に基づいて調整される、条項106又は109に記載の装置。
111. 電界が、一次荷電粒子ビームの荷電粒子の経路の調整を可能にするように構成される、条項106~110のいずれか一項に記載の装置。
112. 第1の電圧と実質的に同様の第3の電圧であるように構成された第3のアパーチャプレートをさらに含む、条項106~111のいずれか一項に記載の装置。
113. 第1及び第3の電圧が、参照電圧を含む、条項112に記載の装置。
114. 第2のアパーチャプレートが、電気的活性化に応答して荷電粒子の経路を調整するように構成された荷電粒子ビーム偏向器を含む、条項111~113のいずれか一項に記載の装置。
115. 荷電粒子ビーム偏向器が、単極偏向器又は多極偏向器を含む、条項114に記載の装置。
116. 第2のアパーチャプレートの電気的活性化が、電界を生成するために電圧信号が印加されることを含む、条項114又は115に記載の装置。
117. 荷電粒子の経路が、第2のアパーチャプレートに印加される電圧信号の特性に基づいて調整される、条項116に記載の装置。
118. 第1の多数のアパーチャの各アパーチャが、
第1のアパーチャプレートの第1のアパーチャと、
第2のアパーチャプレートの第2のアパーチャと、
第3のアパーチャプレートの第3のアパーチャと
を含み、
第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートと第3のアパーチャプレートとの間に配置され、
第1、第2及び第3のアパーチャの幾何学的中心が位置合わせされる、条項106~117のいずれか一項に記載の装置。
119. 第1及び第2のアパーチャのサイズには相違があり、第1及び第3のアパーチャのサイズが実質的に同様である、条項118に記載の装置。
120. 第3のアパーチャプレートが、第2のアパーチャを出た荷電粒子の一部分をブロックするように構成される、条項118又は119に記載の装置。
121. 第1のアパーチャアレイが、オンアクシスビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャを含み、オンアクシスビームレットが、第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する、条項106~120のいずれか一項に記載の装置。
122. 第1のアパーチャアレイが、オフアクシスビームレットを生成するように構成されたオフアクシスアパーチャを含み、オフアクシスビームレットが、第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する、条項106~121のいずれか一項に記載の装置。
123. 第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャが、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含む、条項122に記載の装置。
124. 第1のアパーチャアレイのオフアクシスアパーチャが、湾曲形状を有する、条項123に記載の装置。
125. オフアクシスアパーチャが、主光軸に向かうにつれて幅が細くなるように方向付けられる、条項122~124のいずれか一項に記載の装置。
126. オフアクシスビームレットの一部分が対応するプロービングビームレットを形成するように構成された集光レンズをさらに含む、条項122~125のいずれか一項に記載の装置。
127. 第2のアパーチャアレイが、集光レンズと対物レンズとの間に配置されたビーム制限アパーチャアレイを含む、条項126に記載の装置。
128. 第2のアパーチャアレイが、多数のプロービングビームレットを生成するように構成された第2の多数のアパーチャを含む、条項106~127のいずれか一項に記載の装置。
129. 第2の多数のアパーチャが、多数のプロービングビームレットのサイズ及び形状を決定するように構成される、条項128に記載の装置。
130. プロービングビームレットが、集光レンズの平面の位置及び第2のアパーチャアレイの特性に少なくとも基づく対応する一次ビームレットの荷電粒子の一部分を含む、条項126~129のいずれか一項に記載の装置。
131. 第2のアパーチャアレイの特性が、第2の多数のアパーチャのサイズ、形状及び配列の少なくとも1つを含む、条項130に記載の装置。
132. 集光レンズが、静電、電磁又は電磁複合レンズを含む、条項126~131のいずれか一項に記載の装置。
133. 第1の多数のアパーチャが、多数のオフアクシスアパーチャを含む、条項106~132のいずれか一項に記載の装置。
134. 多数のオフアクシスアパーチャが、第2のオフアクシスアパーチャと重複する第1のオフアクシスアパーチャを有するアパーチャを含み、第1のオフアクシスアパーチャが、第2のアパーチャアレイが第1のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにし、第2のオフアクシスアパーチャが、第2のアパーチャアレイが第2のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにする、条項133に記載の装置。
135. 第1のアパーチャアレイの多数のオフアクシスアパーチャの各々が、第1のアパーチャアレイの基板材料によって分離される、条項133又は134に記載の装置。
136. 第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャが、実質的に円形である、条項121~135のいずれか一項に記載の装置。
137. 第1のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャの面積が、オフアクシスアパーチャの面積と実質的に同様である、条項121~136のいずれか一項に記載の装置。
138. 荷電粒子ビーム装置を使用してサンプルを観察する方法であって、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
第1のアパーチャアレイの第1のアパーチャプレート及び第2のアパーチャプレートを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することであって、第1のアパーチャプレートが、第1の電圧で動作し、第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートを出た荷電粒子の経路を調整するために第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作する、生成することと、
第2のアパーチャアレイを使用して、対応する一次ビームレットからプロービングビームレットを生成することであって、プロービングビームレットのビーム電流が調整可能である、生成することと、
プロービングビームレットから、サンプルの表面に入射するプローブスポットを生成することと
を含む、方法。
139. 荷電粒子の経路を調整することが、第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間に形成された電界に基づいて荷電粒子を偏向させることを含む、条項138に記載の方法。
140. 第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界が、実質的に固定され、プロービングビームレットのビーム電流を調整することが、第1のアパーチャアレイのアパーチャのサイズに基づく、条項138又は139に記載の方法。
141. 第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界が調整可能であり、プロービングビームレットのビーム電流を調整することが、第1のアパーチャプレートと第2のアパーチャプレートとの間の電界を調整することを含む、条項138又は139に記載の方法。
142. 荷電粒子を偏向させることが、電界を生成するために電圧信号を印加することによって第2のアパーチャプレートを電気的に活性化することによって引き起こされる、条項139~141のいずれか一項に記載の方法。
143. 第1の電圧と実質的に同様の第3の電圧で第3のアパーチャプレートを動作することをさらに含む、条項138~142のいずれか一項に記載の方法であって、第1及び第3の電圧が、参照電圧を含む、方法。
144. 第1及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することをさらに含む、条項138~143のいずれか一項に記載の方法。
145. 集光レンズの平面の位置を調整することにより、プロービングビームレットの特性が修正される、条項144に記載の方法。
146. 集光レンズの平面の位置を調整することにより、プロービングビームレットのビーム電流が修正される、条項144又は145に記載の方法。
147. 集光レンズを使用して、オフアクシス一次ビームレットの一部分が対応するプロービングビームレットを形成するようにすることをさらに含む、条項144~146のいずれか一項に記載の方法。
148. 多数の一次ビームレットを生成することが、オンアクシス一次ビームレット及びオフアクシス一次ビームレットを生成することを含む、条項138~147のいずれか一項に記載の方法。
149. 第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令セットが、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
第1のアパーチャアレイの第1のアパーチャプレート及び第2のアパーチャプレートを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成することであって、第1のアパーチャプレートが、第1の電圧で動作し、第2のアパーチャプレートが、第1のアパーチャプレートを出た荷電粒子の経路を調整するために第1の電圧とは異なる第2の電圧で動作する、生成することと、
第2のアパーチャアレイを使用して、対応する一次ビームレットからプロービングビームレットを生成することであって、プロービングビームレットのビーム電流が調整可能である、生成することと、
プロービングビームレットから、サンプルの表面に入射するプローブスポットを生成することと
を含む方法をマルチビーム装置に実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
150. 一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを形成するように構成されたプレビームレット形成アパーチャセットと、
対応する一次ビームレットからプロービングビームレットを形成するように構成されたビーム制限アパーチャであって、プロービングビームレットのビーム電流が、一次ビームレットを形成するプレビームレット形成アパーチャセットのアパーチャの特性に基づいて決定される、ビーム制限アパーチャと
を含む、荷電粒子ビーム装置であって、
プレビームレット形成アパーチャセットの各アパーチャが、形成されるプロービングビームレットのビーム電流に作用を及ぼすように構成される、荷電粒子ビーム装置。
151. プレビームレット形成アパーチャセットのアパーチャの特性が、アパーチャのサイズ、形状又は場所を含む、条項150に記載の装置。
152. プロービングビームレットのビーム電流が、プレビームレット形成アパーチャセットのアパーチャのサイズに基づいて離散的に調整される、条項150又は151に記載の装置。
153. 多数のプレビームレット形成アパーチャセットの第1のアレイと、
一次荷電粒子ビームの主光軸に沿って第1のアレイの下流に配置された多数のビーム制限アパーチャの第2のアレイと
を含む、条項150~152のいずれか一項に記載の装置。
154. プロービングビームレットを形成するプレビームレット形成アパーチャセットのアパーチャが、集光レンズの特性に基づいて決定される、条項150~153のいずれか一項に記載の装置。
155. 集光レンズの特性が、主光軸に沿った集光レンズの平面の位置を含む、条項154に記載の装置。
156. 集光レンズの平面の位置の変更が、プロービングビームレットのビーム電流に影響を及ぼすように構成される、条項154又は155に記載の装置。
157. 集光レンズが、プレビームレット形成アパーチャセットの異なるアパーチャを通過するように一次荷電粒子ビームの一部分を誘導することによって、プロービングビームレットのビーム電流に作用を及ぼすように構成される、条項154~156のいずれか一項に記載の装置。
158. 平面の第1の位置に配置された集光レンズが、第1の一次ビームレットを形成するために一次荷電粒子ビームの第1の部分がプレビームレット形成アパーチャセットの第1のアパーチャを通過するように構成され、
平面の第2の位置に配置された集光レンズが、第2の一次ビームレットを形成するために一次荷電粒子ビームの第2の部分がプレビームレット形成アパーチャセットの第2のアパーチャを通過するように構成される、条項155~157のいずれか一項に記載の装置。
159. 第1のアレイが、オンアクシス一次ビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャを含み、オンアクシス一次ビームレットが、第2のアレイのオンアクシスアパーチャに入射する、条項153~158のいずれか一項に記載の装置。
160. プレビームレット形成アパーチャセットが、オフアクシス一次ビームレットを生成するように構成された多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャを含み、オフアクシス一次ビームレットが、第2のアレイの対応するオフアクシスビーム制限アパーチャに入射する、条項153~159のいずれか一項に記載の装置。
161. オフアクシスプレビームレット形成アパーチャの各々が、第1のアレイの基板材料によって分離される、条項160に記載の装置。
162. 多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャが、湾曲経路に沿って配置される、条項160又は161に記載の装置。
163. 多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャが、異なるサイズを有する少なくとも2つのアパーチャを含む、条項160~162のいずれか一項に記載の装置。
164. 多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャが、多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャの各アパーチャを通過した時点で生成される一次ビームレットのビーム電流に作用を及ぼすようにサイズ指定される、条項160~163のいずれか一項に記載の装置。
165. 多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャの各アパーチャが、均一ピッチを有する、条項160~164のいずれか一項に記載の装置。
166. 多数のオフアクシスプレビームレット形成アパーチャの各アパーチャが、不均一ピッチを有する、条項160~164のいずれか一項に記載の第1のアパーチャアレイ。
【0163】
[00181] 画像検査、画像取得、ステージ位置決め、ビーム集束、電界調整、ビーム屈曲、集光レンズ調整、荷電粒子源の起動、ビーム偏向、アクティブアパーチャの電気的活性化などを行うためにコントローラ(例えば、図1のコントローラ40)のプロセッサに対する命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。非一時的な媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ又は他の任意の磁気データ記憶媒体、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、他の任意の光データ記憶媒体、ホールのパターンを有する任意の物理的な媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去型プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM又は他の任意のフラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、及び、それらのネットワーク接続バージョンを含む。
【0164】
[00182] 本開示の実施形態は、上記で説明してきた及び添付の図面で示してきた通りの構造に限定されないことや、その範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行えることが理解されよう。本開示は、様々な実施形態と関連付けて説明しており、本明細書で開示される発明の仕様及び実践を考慮することから、本発明の他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。仕様及び例は単なる例示と見なされ、本発明の真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【0165】
[00183] 上記の説明は、制限ではなく、例示を意図する。従って、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、説明されるように修正を行えることが当業者に明らかであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成された第1の多数のアパーチャを含む第1のアパーチャアレイと、
多数のプロービングビームレットを生成するように構成された第2の多数のアパーチャを含む第2のアパーチャアレイと、
を含み、
前記第1の多数のアパーチャが、多数のオフアクシスビームレットを生成するように構成された多数のオフアクシスアパーチャを含み、前記多数のオフアクシスアパーチャが湾曲経路に沿って配置されたアパーチャを有する、
アパーチャアレイセット。
【請求項2】
前記第2の多数のアパーチャが、多数のプロービングビームレットのサイズ及び形状を決定するように構成される、請求項1に記載のアパーチャアレイセット。
【請求項3】
前記第1のアパーチャアレイが、荷電粒子源と集光レンズとの間に配置されたプレビームレット形成アパーチャアレイを含む、請求項1又は2に記載のアパーチャアレイセット。
【請求項4】
前記第1のアパーチャアレイがオンアクシスビームレットを生成するように構成されたオンアクシスアパーチャをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のアパーチャアレイ。
【請求項5】
前記オンアクシスビームレットが、前記第2のアパーチャアレイのオンアクシスアパーチャに入射する、請求項4に記載のアパーチャアレイ。
【請求項6】
前記多数のオフアクシスビームレットが、前記第2のアパーチャアレイの対応するオフアクシスアパーチャに入射する、請求項1~5のいずれか一項に記載のアパーチャアレイ。
【請求項7】
前記多数のオフアクシスアパーチャが、丸い端部及びテーパ状の幅を有する細長いアパーチャを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のアパーチャアレイ。
【請求項8】
前記多数のオフアクシスアパーチャが、湾曲形状を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のアパーチャアレイ。
【請求項9】
前記多数のオフアクシスアパーチャが、主光軸に向かうにつれて幅が細くなるように方向付けられる、請求項1~8のいずれか一項に記載のアパーチャアレイ。
【請求項10】
前記多数のオフアクシスアパーチャが、第2のオフアクシスアパーチャと重複する第1のオフアクシスアパーチャを有するアパーチャを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のアパーチャアレイ。
【請求項11】
前記第1のオフアクシスアパーチャが、前記第2のアパーチャアレイが第1のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにし、前記第2のオフアクシスアパーチャが、前記第2のアパーチャアレイが第2のオフアクシスプロービングビームレットを生成できるようにする、請求項10に記載のアパーチャアレイ。
【請求項12】
前記多数のオフアクシスアパーチャの各々が、前記第1のアパーチャアレイの基板材料によって分離される、請求項1~11のいずれか一項に記載のアパーチャアレイ。
【請求項13】
前記オンアクシスアパーチャが、実質的に円形である、請求項4に記載の第1のアパーチャアレイ。
【請求項14】
前記オンアクシスアパーチャの面積が、前記多数のオフアクシスアパーチャの面積と実質的に同様である、請求項4に記載の第1のアパーチャアレイ。
【請求項15】
第1及び第2のアパーチャアレイを有するマルチビーム装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、命令セットが、
一次荷電粒子ビームを生成するために荷電粒子源を起動することと、
第1のアパーチャアレイ及び第2のアパーチャアレイとの関連で主光軸に沿って集光レンズの平面の位置を調整することと
を含む方法をマルチビーム装置に実行させ、
第1のアパーチャアレイが、第1の多数のアパーチャを使用して、一次荷電粒子ビームから多数の一次ビームレットを生成するように構成され、
多数の一次ビームレットの各一次ビームレットの荷電粒子の一部分が、対応するプロービングビームレットを形成し、
前記第1のアパーチャアレイがオフアクシスビームレットを生成するように構成されたオフアクシスアパーチャを含み、
前記オフアクシスアパーチャが湾曲形状を有する、
非一時的なコンピュータ可読媒体。
【外国語明細書】