(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157533
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】飛行船
(51)【国際特許分類】
B64B 1/38 20060101AFI20231019BHJP
B64B 1/30 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
B64B1/38
B64B1/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067500
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】能見 基彦
(57)【要約】
【課題】船体部の姿勢を制御することができる飛行船が提供される。
【解決手段】飛行船1は、船体部3と、推進装置4と、姿勢制御装置5と、を備える。姿勢制御装置5は、前方搬送装置15と、後方搬送装置16と、前方搬送装置15の動作および後方搬送装置16の動作を制御する動作制御部25と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮揚ガスを充填するためのガスバッグが収容された船体部と、
前記船体部に推進力を発生させる推進装置と、
前記船体部の姿勢を制御する姿勢制御装置と、を備え、
前記姿勢制御装置は、
液体を貯留する貯留タンクと、
前記船体部の前方側に配置された前方補助タンクと、
前記船体部の後方側に配置された後方補助タンクと、
前記貯留タンク内の液体を前記前方補助タンクに搬送する前方搬送装置と、
前記貯留タンク内の液体を前記後方補助タンクに搬送する後方搬送装置と、
前記前方搬送装置の動作および前記後方搬送装置の動作を制御する動作制御部と、を備える、飛行船。
【請求項2】
前記前方搬送装置は、前記貯留タンクおよび前記前方補助タンクを接続する前方接続ラインに接続された前方搬送ポンプを備えており、
前記後方搬送装置は、前記貯留タンクおよび前記後方補助タンクを接続する後方接続ラインに接続された後方搬送ポンプを備えている、請求項1に記載の飛行船。
【請求項3】
前記姿勢制御装置は、前記船体部の前方方向の傾斜および/または後方方向の傾斜を検出する前後傾斜センサを備えており、
前記動作制御部は、前記前後傾斜センサから送られる検出信号に基づいて、前記前方搬送装置の動作および前記後方搬送装置の動作の少なくとも1つを制御する、請求項1または請求項2に記載の飛行船。
【請求項4】
前記姿勢制御装置は、
前記船体部の一側方側に配置された一側方補助タンクと、
前記船体部の他側方側に配置された他側方補助タンクと、
前記貯留タンク内の液体を前記一側方補助タンクに搬送する一側方搬送装置と、
前記貯留タンク内の液体を前記他側方補助タンクに搬送する他側方搬送装置と、を備えており、
前記動作制御部は、前記一側方搬送装置の動作および前記他側方搬送装置の動作を制御する、請求項1または請求項2に記載の飛行船。
【請求項5】
前記一側方搬送装置は、前記貯留タンクおよび前記一側方補助タンクを接続する一側方接続ラインに接続された一側方搬送ポンプを備えており、
前記他側方搬送装置は、前記貯留タンクおよび前記他側方補助タンクを接続する他側方接続ラインに接続された他側方搬送ポンプを備えている、請求項4に記載の飛行船。
【請求項6】
前記姿勢制御装置は、前記船体部の一側方方向の傾斜および/または他側方方向の傾斜を検出する側方傾斜センサを備えており、
前記動作制御部は、前記側方傾斜センサから送られる検出信号に基づいて、前記一側方搬送装置の動作および前記他側方搬送装置の動作の少なくとも1つを制御する、請求項4に記載の飛行船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行船に関する。
【背景技術】
【0002】
飛行船は、浮揚力を発生させるための船体部に浮揚ガスを充填することにより、空中に浮かぶ構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、飛行船は、その浮揚力により、上昇する構造を有しているため、飛行船の水平姿勢の安定性は、船舶の水平姿勢の安定性よりも著しく悪く、飛行船の姿勢は傾きやすい。したがって、飛行船が一度傾いてしまうと、元の姿勢に戻すことが困難である。このように、飛行船の姿勢制御は、困難である。
【0005】
そこで、本発明は、船体部の姿勢を制御することができる飛行船を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、浮揚ガスを充填するためのガスバッグが収容された船体部と、前記船体部に推進力を発生させる推進装置と、前記船体部の姿勢を制御する姿勢制御装置と、を備える飛行船が提供される。前記姿勢制御装置は、液体を貯留する貯留タンクと、前記船体部の前方側に配置された前方補助タンクと、前記船体部の後方側に配置された後方補助タンクと、前記貯留タンク内の液体を前記前方補助タンクに搬送する前方搬送装置と、前記貯留タンク内の液体を前記後方補助タンクに搬送する後方搬送装置と、前記前方搬送装置の動作および前記後方搬送装置の動作を制御する動作制御部と、を備える。
【0007】
一態様では、前記前方搬送装置は、前記貯留タンクおよび前記前方補助タンクを接続する前方接続ラインに接続された前方搬送ポンプを備えており、前記後方搬送装置は、前記貯留タンクおよび前記後方補助タンクを接続する後方接続ラインに接続された後方搬送ポンプを備えている。
一態様では、前記姿勢制御装置は、前記船体部の前方方向の傾斜および/または後方方向の傾斜を検出する前後傾斜センサを備えており、前記動作制御部は、前記前後傾斜センサから送られる検出信号に基づいて、前記前方搬送装置の動作および前記後方搬送装置の動作の少なくとも1つを制御する。
一態様では、前記姿勢制御装置は、前記船体部の一側方側に配置された一側方補助タンクと、前記船体部の他側方側に配置された他側方補助タンクと、前記貯留タンク内の液体を前記一側方補助タンクに搬送する一側方搬送装置と、前記貯留タンク内の液体を前記他側方補助タンクに搬送する他側方搬送装置と、を備えており、前記動作制御部は、前記一側方搬送装置の動作および前記他側方搬送装置の動作を制御する。
【0008】
一態様では、前記一側方搬送装置は、前記貯留タンクおよび前記一側方補助タンクを接続する一側方接続ラインに接続された一側方搬送ポンプを備えており、前記他側方搬送装置は、前記貯留タンクおよび前記他側方補助タンクを接続する他側方接続ラインに接続された他側方搬送ポンプを備えている。
一態様では、前記姿勢制御装置は、前記船体部の一側方方向の傾斜および/または他側方方向の傾斜を検出する側方傾斜センサを備えており、前記動作制御部は、前記側方傾斜センサから送られる検出信号に基づいて、前記一側方搬送装置の動作および前記他側方搬送装置の動作の少なくとも1つを制御する。
【発明の効果】
【0009】
姿勢制御装置を備える飛行船は、その姿勢を制御することができる。したがって、仮に飛行船の姿勢が傾いた場合であっても、姿勢制御装置は、飛行船の姿勢を修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図2(a)乃至
図2(c)は、動作制御部による姿勢制御を説明するための図である。
【
図3】姿勢制御装置の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0012】
図1は、飛行船の一実施形態を示す図である。
図1に示すように、飛行船1は、浮揚ガス(例えば、ヘリウムガス)を充填するためのガスバッグ2が収容された船体部3と、船体部3に推進力を発生させる推進装置4(例えば、ダクテッドファン)と、船体部3の姿勢を制御する姿勢制御装置5と、を備えている。
【0013】
本実施形態では、飛行船1は、船体部3に取り付けられた尾翼10と、船体部3の下部から吊り下げられ、かつ推進装置4が配置されたゴンドラ部11と、を備えている。ゴンドラ部11は、飛行船1の重心位置に配置されている。
【0014】
図1に示すように、姿勢制御装置5は、液体(例えば、水)を貯留する貯留タンク12と、船体部3の前方側に配置された前方補助タンク13と、船体部3の後方側に配置された後方補助タンク14と、貯留タンク12内の液体を前方補助タンク13に搬送する前方搬送装置15と、貯留タンク12内の液体を後方補助タンク14に搬送する後方搬送装置16と、前方搬送装置15の動作および後方搬送装置16の動作を制御する動作制御部25と、を備えている。
【0015】
船体部3の前方側(前方方向)は、飛行船1の進行方向であり、船体部3の後方側(後方方向)は、飛行船1の進行方向とは反対側の方向である。前方方向および後方方向に対して垂直な鉛直方向は、上空方向および地上方向である。船体部3は、ゴンドラ部11に対して上空方向に配置されており、ゴンドラ部11は、船体部3に対して地上方向に配置されている。貯留タンク12は、飛行船1の重心位置に配置されたゴンドラ部11に配置されている。言い換えれば、貯留タンク12は、飛行船1の重心位置に配置されている。
【0016】
本実施形態では、前方補助タンク13は船体部3の前方端3aから吊り下げられており、後方補助タンク14は船体部3の後方端3bから吊り下げられている。一実施形態では、前方補助タンク13および後方補助タンク14のそれぞれは、船体部3の内部に配置されてもよい。同様に、貯留タンク12も船体部3の内部に配置されてもよい。この場合であっても、貯留タンク12は、飛行船1の重心位置に配置されており、前方補助タンク13は、船体部3の前方側に配置されており、後方補助タンク14は、船体部3の後方側に配置されている。
【0017】
前方搬送装置15は、貯留タンク12および前方補助タンク13を接続する前方接続ライン20と、前方接続ライン20に接続された前方搬送ポンプ21と、を備えている。同様に、後方搬送装置16は、貯留タンク12および後方補助タンク14を接続する後方接続ライン22と、後方接続ライン22に接続された後方搬送ポンプ23と、を備えている。
【0018】
動作制御部25は、前方搬送ポンプ21および後方搬送ポンプ23のそれぞれに電気的に接続されており、前方搬送ポンプ21の動作および後方搬送ポンプ23の動作を制御するように構成されている。
【0019】
動作制御部25は、貯留タンク12内の液体を前方補助タンク13および後方補助タンク14のそれぞれに搬送して、前方補助タンク13および後方補助タンク14のそれぞれの水位を調整することにより、飛行船1の姿勢を制御する。
【0020】
より具体的には、動作制御部25が前方搬送ポンプ21を動作させると、貯留タンク12内の液体は、前方接続ライン20を通じて前方補助タンク13に搬送される。すると、前方補助タンク13の水位が上昇し、前方補助タンク13の重量は、前方補助タンク13内に貯留された液体によって、増加する。したがって、前方補助タンク13の重量の増加に起因する力が船体部3の前方端3aに作用し、飛行船1の重心位置が飛行船1の前方側に移動する。結果として、船体部3の前方端3aが地上方向に傾く。
【0021】
同様に、動作制御部25が後方搬送ポンプ23を動作させると、貯留タンク12内の液体は、後方接続ライン22を通じて後方補助タンク14に搬送される。すると、後方補助タンク14の水位が上昇し、後方補助タンク14の重量は、後方補助タンク14内に貯留された液体によって、増加する。したがって、後方補助タンク14の重量の増加に起因する力が船体部3の後方端3bに作用し、飛行船1の重心位置が飛行船1の後方側に移動する。結果として、船体部3の後方端3bが地上方向に傾く。
【0022】
図2(a)乃至
図2(c)は、動作制御部による姿勢制御を説明するための図である。
図2(a)乃至
図2(c)では、図面を見やすくするために、船体部3の図示は省略されている。
図2(a)では、貯留タンク12内の液体は、前方補助タンク13および後方補助タンク14のそれぞれには、搬送されておらず、飛行船1は水平姿勢を維持している。
【0023】
図2(b)に示すように、突風などの原因により、飛行船1が前方方向に傾く場合がある。この場合、動作制御部25は、後方搬送ポンプ23を動作させて、貯留タンク12内の液体を後方補助タンク14に搬送する。すると、
図2(c)に示すように、後方補助タンク14の重量が増加し、結果として、飛行船1の姿勢は、再び、水平姿勢に戻る。飛行船1の姿勢が水平姿勢に修正された後、動作制御部25は、後方搬送ポンプ23の動作を停止する。
【0024】
図2(a)乃至
図2(c)に示す実施形態では、姿勢制御装置5は、飛行船1(より具体的には、船体部3)の姿勢を水平姿勢に戻すのみならず、前方方向および後方方向における姿勢を任意に変更することができる。
【0025】
図1および
図2(a)乃至
図2(c)に示すように、姿勢制御装置5は、船体部3の前方側に配置された前方傾斜センサ30と、船体部3の後方側に配置された後方傾斜センサ31と、を備えてもよい。前方傾斜センサ30および後方傾斜センサ31のそれぞれは、動作制御部25に電気的に接続されており、動作制御部25は、前方傾斜センサ30および後方傾斜センサ31の少なくとも1つから送られる検出信号に基づいて、前方搬送装置15の動作および後方搬送装置16の動作の少なくとも1つを制御する。このような構成により、動作制御部25は、より精度よく、飛行船1の姿勢を制御することができる。
【0026】
図2(a)乃至
図2(c)に示すように、前方搬送装置15は、前方接続ライン20に接続された前方開閉バルブ32と、後方接続ライン22に接続された後方開閉バルブ33と、を備えてもよい。前方開閉バルブ32は、液体の搬送方向において、前方搬送ポンプ21の下流側に配置されており、後方開閉バルブ33は、液体の搬送方向において、後方搬送ポンプ23の下流側に配置されている。
【0027】
前方開閉バルブ32および後方開閉バルブ33のそれぞれは、動作制御部25に電気的に接続されており、動作制御部25は、前方開閉バルブ32および後方開閉バルブ33のそれぞれを開いた後に、前方搬送ポンプ21および後方搬送ポンプ23のそれぞれを動作させる。
【0028】
図3は、姿勢制御装置の他の実施形態を示す図である。姿勢制御装置5は、飛行船1の一側方方向および他側方方向における姿勢を任意に変更することができる。一側方方向および他側方方向は、前方方向および後方方向と垂直な水平方向である。
【0029】
図3に示すように、姿勢制御装置5は、船体部3の一側方側に配置された一側方補助タンク40と、船体部3の他側方側に配置された他側方補助タンク41と、貯留タンク12内の液体を一側方補助タンク40に搬送する一側方搬送装置42と、貯留タンク12内の液体を他側方補助タンク41に搬送する他側方搬送装置43と、を備えている。本実施形態において、動作制御部25は、一側方搬送装置42の動作および他側方搬送装置43の動作を制御するように構成されている。
【0030】
より具体的には、一側方搬送装置42は、貯留タンク12および一側方補助タンク40を接続する一側方接続ライン45と、一側方接続ライン45に接続された一側方搬送ポンプ46と、を備えている。他側方搬送装置43は、貯留タンク12および他側方補助タンク41を接続する他側方接続ライン47と、他側方接続ライン47に接続された他側方搬送ポンプ48と、を備えている。
【0031】
動作制御部25は、一側方搬送ポンプ46および他側方搬送ポンプ48のそれぞれに電気的に接続されており、一側方搬送ポンプ46の動作および他側方搬送ポンプ48の動作を制御するように構成されている。
【0032】
動作制御部25は、貯留タンク12内の液体を一側方補助タンク40および他側方補助タンク41のそれぞれに搬送して、一側方補助タンク40および他側方補助タンク41のそれぞれの水位を調整することにより、飛行船1の姿勢を制御する。本実施形態では、動作制御部25は、飛行船1の前方方向および後方方向の姿勢を制御するのみならず、一側方方向および他側方方向の姿勢をも制御することができる。このようにして、姿勢制御装置5は、飛行船1のヨー角度、ロール角度、ピッチ角度のそれぞれを微調整することができる。
【0033】
図3に示すように、姿勢制御装置5は、船体部3の一側方側に配置された一側方傾斜センサ50と、船体部3の他側方側に配置された他側方傾斜センサ51と、を備えてもよい。動作制御部25は、一側方傾斜センサ50および他側方傾斜センサ51のうちの少なくとも1つから送られる検出信号に基づいて、一側方搬送装置42の動作および他側方搬送装置43の動作の少なくとも1つを制御してもよい。
【0034】
一側方搬送装置42は、一側方接続ライン45に接続された一側方開閉バルブ52と、他側方接続ライン47に接続された他側方開閉バルブ53と、を備えてもよい。一側方開閉バルブ52および他側方開閉バルブ53のそれぞれは、動作制御部25に電気的に接続されており、動作制御部25は、一側方開閉バルブ52および他側方開閉バルブ53のそれぞれを開いた後に一側方搬送ポンプ46および他側方搬送ポンプ48のそれぞれを動作させる。
【0035】
一側方開閉バルブ52は、液体の搬送方向において、一側方搬送ポンプ46の下流側に配置されており、他側方開閉バルブ53は、液体の搬送方向において、他側方搬送ポンプ48の下流側に配置されている。
【0036】
一側方開閉バルブ52および他側方開閉バルブ53のそれぞれは、動作制御部25に電気的に接続されており、動作制御部25は、一側方開閉バルブ52および他側方開閉バルブ53のそれぞれを開いた後に、一側方搬送ポンプ46および他側方搬送ポンプ48のそれぞれを動作させる。
【0037】
上述した実施形態では、前方補助タンク13、後方補助タンク14、前方搬送ポンプ21、後方搬送ポンプ23、前方接続ライン20、後方接続ライン22のいずれも、船体部3の外部に配置されているが、これら姿勢制御装置5の構成要素は、必ずしも、船体部3の外部に配置される必要はない。船体部3の姿勢を制御することができれば、これら姿勢制御装置5の構成要素は、船体部3の内部(より具体的には、ガスバッグ2)に配置されてもよく、またはゴンドラ部11に配置されてもよい。
【0038】
上述した実施形態では、姿勢制御装置5は、船体部3の前方側に配置された前方傾斜センサ30と、船体部3の後方側に配置された後方傾斜センサ31と、を備えているが、一実施形態では、姿勢制御装置5は、船体部3の前方方向の傾斜および/または後方方向の傾斜を検出する前後傾斜センサを備えてもよい。前後傾斜センサは、前方傾斜センサ30および後方傾斜センサ31の複合的な役割を果たす単一の2軸傾斜センサである。前後傾斜センサは、ゴンドラ部11に配置されてもよい。
【0039】
上述した実施形態では、姿勢制御装置5は、船体部3の一側方側に配置された一側方傾斜センサ50と、船体部3の他側方側に配置された他側方傾斜センサ51と、を備えているが、姿勢制御装置5は、船体部3の一側方方向の傾斜および/または他側方方向の傾斜を検出する側方傾斜センサを備えてもよい。側方傾斜センサは、一側方傾斜センサ50および他側方傾斜センサ51の複合的な役割を果たす単一の2軸傾斜センサである。一側他側方傾斜センサは、ゴンドラ部11に配置されてもよい。
【0040】
一実施形態では、姿勢制御装置5は、船体部3の前方方向の傾斜、後方方向の傾斜、一側方方向の傾斜、および他側方方向の傾斜を検出する全方向傾斜センサを備えてもよい。全方向傾斜センサは、単一の4軸傾斜センサであり、ゴンドラ部11に配置されてもよい。
【0041】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0042】
1 飛行船
2 ガスバッグ
3 船体部
3a 前方端
3b 後方端
4 推進装置
5 姿勢制御装置
10 尾翼
11 ゴンドラ部
12 貯留タンク
13 前方補助タンク
14 後方補助タンク
15 前方搬送装置
16 後方搬送装置
20 前方接続ライン
21 前方搬送ポンプ
22 後方接続ライン
23 後方搬送ポンプ
30 前方傾斜センサ
31 後方傾斜センサ
32 前方開閉バルブ
33 後方開閉バルブ
40 一側方補助タンク
41 他側方補助タンク
42 一側方搬送装置
43 他側方搬送装置
45 一側方接続ライン
46 一側方搬送ポンプ
47 他側方接続ライン
48 他側方搬送ポンプ
50 一側方傾斜センサ
51 他側方傾斜センサ
52 一側方開閉バルブ
53 他側方開閉バルブ