(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015781
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】無線通信システム、及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
H04L 27/36 20060101AFI20230125BHJP
H04L 27/38 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
H04L27/36
H04L27/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119764
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】899000068
【氏名又は名称】学校法人早稲田大学
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗山 圭太
(72)【発明者】
【氏名】福園 隼人
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 正文
(72)【発明者】
【氏名】宮城 利文
(72)【発明者】
【氏名】前原 文明
(57)【要約】
【課題】電波により送信機から受信機にシングルキャリア伝送でデータを伝送する無線通信システムであって、変調次数を下げることなく増幅器に入力する変調波のPAPRを抑制することが可能な無線通信システムを提案する。
【解決手段】本開示に係る無線通信システムの送信機は、ベース信号空間ダイアグラム及びオフセット信号空間ダイアグラムに従って、伝送信号点に応じたベース信号点及びオフセット信号点を算出し、ベース信号点及びオフセット信号点に応じたベース変調波及びオフセット変調波を生成する。その後、所定の電力まで増幅させ、増幅したベース変調波とオフセット変調波を合成した伝送変調波により電波を送出する。そして、受信機において、受信した電波に係る受信信号をスケール情報に基づいてスケール調整した後、受信信号の復調を行う。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直角位相振幅変調に基づく電波により送信機から受信機にシングルキャリア伝送でデータを伝送する無線通信システムであって、
伝送信号点は、伝送する前記データに対応する信号点であり、
信号範囲は、前記伝送信号点が基づく信号空間ダイアグラムに係る信号点の範囲であり、
前記送信機は、
前記信号範囲を等分割する所定の分割に対して分割部分における前記伝送信号点の位置を規定するベース信号空間ダイアグラム及び前記分割に係る前記分割部分の位置に応じた前記ベース信号空間ダイアグラムのオフセットを規定するオフセット信号空間ダイアグラムに従って、前記伝送信号点に応じたベース信号点及びオフセット信号点を算出する信号点算出部と、
前記ベース信号点に応じたベース変調波を生成するベース変調波生成部と、
前記ベース変調波を所定の電力まで増幅させるベース変調波増幅部と、
前記オフセット信号点に応じたオフセット変調波を生成するオフセット変調波生成部と、
前記オフセット変調波を所定の電力まで増幅させるオフセット変調波増幅部と、
前記ベース変調波増幅部により増幅した前記ベース変調波と前記オフセット変調波増幅部により増幅した前記オフセット変調波を合成し、伝送変調波を得る合成部と、
前記伝送変調波により前記電波を送出する送信アンテナと、
を備え、
前記受信機は、
前記電波を受信する受信アンテナと、
前記信号範囲のスケールを示すスケール情報に基づいて前記電波に係る受信信号のスケールを調整して復調を行う復調部と、
を備える
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記スケール情報は、前記データの伝送を行う前に前記送信機から前記受信機に送信される
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムであって、
前記スケール情報は、前記信号範囲に含まれる信号点の位置と、その信号点に対する前記ベース信号点及び前記オフセット信号点の位置の系列である
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
直角位相振幅変調に基づく電波により送信機から受信機にシングルキャリア伝送でデータを伝送する無線通信方法であって、
伝送信号点は、伝送する前記データに対応する信号点であり、
信号範囲は、前記伝送信号点が基づく信号空間ダイアグラムに係る信号点の範囲であり、
前記信号範囲を等分割する所定の分割に対して分割部分における前記伝送信号点の位置を規定するベース信号空間ダイアグラム及び前記分割に係る前記分割部分の位置に応じた前記ベース信号空間ダイアグラムのオフセットを規定するオフセット信号空間ダイアグラムに従って、前記伝送信号点に応じたベース信号点及びオフセット信号点を算出する信号点算出処理と、
前記ベース信号点に応じたベース変調波を生成するベース変調波生成処理と、
前記ベース変調波を所定の電力まで増幅させるベース変調波増幅処理と、
前記オフセット信号点に応じたオフセット変調波を生成するオフセット変調波生成処理と、
前記オフセット変調波を所定の電力まで増幅させるオフセット変調波増幅処理と、
前記ベース変調波増幅処理により増幅した前記ベース変調波と前記オフセット変調波増幅処理により増幅した前記オフセット変調波を合成し、伝送変調波を得る合成処理と、
前記伝送変調波により前記電波を送出する送信処理と、
前記電波を受信する受信処理と、
前記信号範囲のスケールを示すスケール情報に基づいて前記電波に係る受信信号のスケールを調整して復調を行う復調処理と、
を含んでいることを特徴とする無線通信方法。
【請求項5】
請求項4に記載の無線通信方法であって、
前記スケール情報は、前記データの伝送を行う前に前記送信機から前記受信機に送信される
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の無線通信方法であって、
前記スケール情報は、前記信号範囲に含まれる信号点の位置と、その信号点に対する前記ベース信号点及び前記オフセット信号点の位置の系列である
ことを特徴とする無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電波により送信機から受信機にシングルキャリア伝送でデータを伝送する無線通信システム、及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA;Single carrier frequency division multiple access)変調方式にピーク電力低減手法であるトレリスシェイピング(TS;Trellis shaping)技術を適用することが可能な新たな変調方式が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】李泰雨, 落合秀樹, ”トレリスシェイピングを用いたSC-FDMA信号のピーク電力低減に関する検討”,信学技報 pp.29-34, WBS-2012-6(2012-05)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線通信に係る送信機において、増幅器に入力する変調波のピーク電力が増幅器の直線特性を超えて大きくなると、増幅器の出力に非線形歪みが発生し送信電波の品質が劣化する。このため、増幅器に入力する変調波は、このような非線形歪みが発生しないように入力電力のバックオフが行われる。従って、増幅器に入力する変調波のピーク対平均電力比(PAPR;Peak to average power ratio)を抑制することにより、バックオフを小さくすることができる。延いては、平均送信出力の増加や消費電力の低減といった効果がある。
【0005】
シングルキャリア伝送により無線通信を行うことで、マルチキャリア伝送(例えば、OFDMA(Orthogonal frequency-division multiple access))により無線通信を行う場合と比較して、変調波のPAPRを抑制することができる。しかしながら、シングルキャリア伝送による無線通信を行う場合でも、変調波の変調次数が増加するに従ってPAPRが大きくなるという課題がある。
【0006】
本開示は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、変調次数を下げることなく増幅器に入力する変調波のPAPRを抑制することが可能な無線通信システム、及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の開示は、直角位相振幅変調に基づく電波により送信機から受信機にシングルキャリア伝送でデータを伝送する無線通信システムに関する。この無線通信システムの送信機は、信号範囲を等分割する所定の分割に対して分割部分における伝送信号点の位置を規定する信号空間ダイアグラム及び分割に係る分割部分の位置に応じたベース信号空間ダイアグラムのオフセットを規定するオフセット信号空間ダイアグラムに従って、伝送信号点に応じたベース信号点及びオフセット信号点を算出する信号点算出部と、ベース信号点に応じたベース変調波を生成するベース変調波生成部と、ベース変調波を所定の電力まで増幅させるベース変調波増幅部と、オフセット信号点に応じたオフセット変調波を生成するオフセット変調波生成部と、オフセット変調波を所定の電力まで増幅させるオフセット変調波増幅部と、ベース変調波増幅部により増幅したベース変調波とオフセット変調波増幅部により増幅したオフセット変調波を合成し、伝送変調波を得る合成部と、伝送変調波により電波を送出する送信アンテナと、を備えている。またこの無線通信システムの受信機は、電波を受信する受信アンテナと、信号範囲のスケールを示すスケール情報に基づいて受信した電波に係る受信信号のスケールを調整して復調を行う復調部と、を備えている。ここで、伝送信号点は、伝送するデータに対応する信号点であり、信号範囲は、伝送信号点が基づく信号空間ダイアグラムに係る信号点の範囲である。
【0008】
第2の開示は、第1の開示に係る無線通信システムに対して、さらに以下の特徴を含む無線通信システムに関する。
スケール情報は、データの伝送を行う前に送信機から受信機に送信される。
【0009】
第3の開示は、第1又は第2の開示に係る無線通信システムに対して、さらに以下の特徴を含む無線通信システムに関する。
スケール情報は、信号範囲に含まれる信号点の位置と、その信号点に対するベース信号点及び前記オフセット信号点の位置の系列である。
【0010】
第4の開示は、直角位相振幅変調に基づく電波により送信機から受信機にシングルキャリア伝送でデータを伝送する無線通信方法に関する。この無線通信方法は、信号範囲を等分割する所定の分割に対して分割部分における伝送信号点の位置を規定するベース信号空間ダイアグラム及び分割に係る分割部分の位置に応じたベース信号空間ダイアグラムのオフセットを規定するオフセット信号空間ダイアグラムに従って、伝送信号点に応じたベース信号点及びオフセット信号点を算出する信号点算出処理と、ベース信号点に応じたベース変調波を生成するベース変調波生成処理と、ベース変調波を所定の電力まで増幅させるベース変調波増幅処理と、オフセット信号点に応じたオフセット変調波を生成するオフセット変調波生成処理と、オフセット変調波を所定の電力まで増幅させるオフセット変調波増幅処理と、ベース変調波増幅処理により増幅したベース変調波とオフセット変調波増幅処理により増幅したオフセット変調波を合成し、伝送変調波を得る合成処理と、伝送変調波により電波を送出する送信処理と、電波を受信する受信処理と、信号範囲のスケールを示すスケール情報に基づいて受信した電波に係る受信信号のスケールを調整して復調を行う復調処理と、を含んでいる。ここで、伝送信号点は、伝送するデータに対応する信号点であり、信号範囲は、伝送信号点が基づく信号空間ダイアグラムに係る信号点の範囲である。
【0011】
第5の開示は、第4の開示に係る無線通信方法に対して、さらに以下の特徴を含む無線通信方法に関する。
スケール情報は、データの伝送を行う前に送信機から受信機に送信される。
【0012】
第6の開示は、第4又は第5の開示に係る無線通信方法に対して、さらに以下の特徴を含む無線通信方法に関する。
スケール情報は、信号範囲に含まれる信号点の位置と、その信号点に対するベース信号点及び前記オフセット信号点の位置の系列である。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る無線通信システム及び無線通信方法によれば、ベース信号点に係る変調次数及びオフセット信号点に係る変調次数を、伝送信号点に係る変調次数よりも小さくすることができる。これにより、変調次数を下げることなく増幅器に入力する変調波(ベース変調波及びオフセット変調波)のPAPRを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】QAMの信号空間ダイアグラムの例を示す概念図である。
【
図2】ベース信号空間ダイアグラム及びオフセット信号空間ダイアグラムの例を示す概念図である。
【
図3】伝送信号点に応じて算出するベース信号点及びオフセット信号点について説明するための概念図である。
【
図4】
図2に示す伝送信号点に応じて算出されるベース信号点及びオフセット信号点を例として、ベース信号点とオフセット信号点の和の定数倍により伝送信号点が与えられることを示す概念図である。
【
図5】2つのオフセット信号空間ダイアグラムが与えられる場合の例を示す概念図である。
【
図6】本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る無線通信方法において実行する処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図7に示すステップS110において実行する処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図7に示すステップS120において実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲などの数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数が特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示に係る思想が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構成等は、特に明示した場合や原理的に明らかにそれに特定される場合を除いて、本開示に係る思想に必ずしも必須のものではない。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を附しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0016】
1.導入
本開示に係る無線通信システムは、直角位相振幅変調(QAM;Quadrature amplitude modulation)に基づく電波により送信機から受信機にシングルキャリア伝送でデータを伝送する無線通信システム(以下、このような無線通信システムを単に「無線通信システム」と称する。)に適用される。
【0017】
QAMは、公知であるように、伝送するデータに応じて位相が直交する関係にある2つの搬送波それぞれの振幅を変調し、その合成を変調波とする変調方式である。
【0018】
QAMにおいて、伝送するデータと2つの搬送波それぞれの変調との関係は、一般に信号空間ダイアグラムにより与えられる。また、信号空間ダイアグラムに従って、データに応じた2つの搬送波それぞれの変調が行われる。
【0019】
図1に、QAMの信号空間ダイアグラムの例を示す。信号空間ダイアグラムは、1つの搬送波の振幅を示す同相軸(I軸)と、もう一方の搬送波の振幅を示す直交位相軸(Q軸)と、データに対応した複数の信号点と、により構成される。
図1に示す信号空間ダイアグラムでは、16個の信号点を含んでおり、それぞれの信号点には4bitのデータが対応している。つまり、
図1は、16QAMに係る信号空間ダイアグラムを示しており、
図1に示す信号空間ダイアグラムに従う場合、変調波は、1シンボル当たり4bitのデータを示すことができる。例えば、0110のデータは、I軸に対応する搬送波の振幅をa、Q軸に対応する搬送波の振幅をbとするように変調した変調波により示される。
【0020】
QAMに基づいてシングルキャリア伝送を行う場合、変調次数(1シンボル当たりのビット数)の大きい変調方式を採用するほど、変調波のPAPRが大きくなることが知られている。また、変調次数を増加させるほど、所要の信号雑音比(SNR;Signal-noise ratio)が大きくなることが知られている。表1に、変調方式(及び変調方式の変調次数)に対する変調波のPAPR及び所要SNRの程度の比較を示す。
【0021】
【0022】
ここで、変調波のPAPR及び所要SNRの程度(最小~最大)は、表1に示す5つの変調方式の間での比較関係を示している。また、QPSKは、四位相偏移変調(QPSK;Quadrature phase-shift keying)を示す。QPSKは、4QAMとして実装することもできる。
【0023】
表1に示すように、変調次数の小さい変調波は、PAPRが小さくなる。PAPRを抑制することができれば、バックオフを小さくすることができる。延いては、平均送出電力の増加や消費電力の低減を行うことができる。また、変調次数の小さい変調波は、所要SNRが小さく、SNRを改善することができる。しかしながら、変調次数の小さい変調波による送信電波で無線通信を行えば、当然にデータの伝送速度が低下してしまう。
【0024】
本実施形態に係る無線通信システム及び無線通信方法は、変調次数を下げることなく増幅器に入力する変調波のPAPRを抑制する。以下、本実施形態に係る無線通信システム及び無線通信方法について説明する。
【0025】
2.無線通信システム
2-1.概要
まず、本実施形態に係る無線通信システムについて説明する。本実施形態に係る無線通信システムでは、まず伝送するデータに対応する信号点(以下、「伝送信号点」とも称する。)に応じて、ベース信号空間ダイアグラムに係る信号点(以下、「ベース信号点」とも称する。)、及びオフセット信号空間ダイアグラムに係る信号点(以下、「オフセット信号点」とも称する。)を算出する。ここで、ベース信号空間ダイアグラムは、伝送信号点が基づく信号空間ダイアグラム(以下、「伝送信号空間ダイアグラム」とも称する。)に係る信号点の範囲(以下、「信号範囲」とも称する。)を等分割する所定の分割に対して、分割部分における伝送信号点の位置を規定する信号空間ダイアグラムである。また、オフセット信号空間ダイアグラムは、分割部分の位置に応じたベース信号空間ダイアグラムのオフセットを規定する信号空間ダイアグラムである。
【0026】
図2は、ベース信号空間ダイアグラム及びオフセット信号空間ダイアグラムの例を示す概念図である。
図2の上部は、伝送信号空間ダイアグラムを示し、
図2の下部は、伝送信号空間ダイアグラムに係る信号範囲1の分割に応じたベース信号空間ダイアグラム及びオフセット信号空間ダイアグラムを示している。なお、
図2は、64QAMに基づいてデータを伝送する場合を示しており、伝送信号空間ダイアグラムは64個の信号点により構成されている。
【0027】
図2において、信号範囲1は、64個の信号点を囲む正方形の範囲(点線で囲む範囲)である。そして、信号範囲1の分割は、
図2に示すように、正方形の範囲を4等分するように与えるものとする(1点鎖線)。従って、それぞれの分割部分には、16個の信号点が含まれることとなる。
【0028】
このとき、ベース信号空間ダイアグラムは、
図2に示すように、16個の信号点により構成される。ここで、ベース信号空間ダイアグラムを構成する16個の信号点それぞれは、分割部分に含まれる16個の信号点それぞれに対応し、分割部分における伝送信号点の位置を規定している。
【0029】
また、オフセット信号空間ダイアグラムは、
図2に示すように、4個の信号点により構成される。ここで、オフセット信号空間ダイアグラムを構成する4個の信号点それぞれは、4等分された分割部分それぞれに対応し、ベース信号空間ダイアグラムのオフセットを規定している。
【0030】
なお、ベース信号空間ダイアグラムとオフセット信号空間ダイアグラムの和は、伝送信号空間ダイアグラムの相似形となる。つまり、ベース信号空間ダイアグラムとオフセット信号空間ダイアグラムの和に係る信号範囲は、伝送信号空間ダイアグラムの信号範囲と互いに相似の関係となる。
【0031】
ベース信号空間ダイアグラムは、従来のQAMに係る信号空間ダイアグラムにより実現することができる。例えば、
図2に示すベース信号空間ダイアグラムは、16QAMに係る信号空間ダイアグラムであって良い。
【0032】
また、オフセット信号空間ダイアグラムは、従来の変調方式に係る信号空間ダイアグラムにより実現されていても良い。例えば、
図2に示すオフセット信号空間ダイアグラムは、4PSK(又は4QAM)に係る信号空間ダイアグラムであって良い。オフセット信号空間ダイアグラムは、形式的には、位相偏移変調に係る信号空間ダイアグラムにより実現することができる。ただし、伝送信号空間ダイアグラムに係る信号範囲の分割を適当に与えることにより、その他の従来の変調方式に係る信号空間ダイアグラムによりオフセット信号空間ダイアグラムを実現しても良い。例えば、
図2に示す信号範囲1を16等分するように分割を与えるとき、オフセット信号空間ダイアグラムを16QAMに係る信号空間ダイアグラムにより実現しても良い。
【0033】
なお、伝送信号空間ダイアグラムに係る信号範囲の分割、ベース信号空間ダイアグラム、及びオフセット信号空間ダイアグラムは、従来の変調方式に係る信号空間ダイアグラムに依らずに適当に与えられていても良い。
【0034】
このように、ベース信号空間ダイアグラム及びオフセット信号空間ダイアグラムを構成することで、伝送信号点と一対一に対応するベース信号点とオフセット信号点の組み合わせを与えることができる。
図3は、伝送信号点2に応じて算出するベース信号点3及びオフセット信号点4について説明するための概念図である。
図3には、3つの伝送信号点2a、2b、及び2cそれぞれに応じて算出するベース信号点3a、3b、及び3cと、オフセット信号点4a、4b、及び4cを示している(黒丸)。ここで、
図3に示す伝送信号空間ダイアグラム、ベース信号空間ダイアグラム、及びオフセット信号空間ダイアグラムは、
図2に示すものと同等である。なお、それぞれの信号空間ダイアグラムにおける信号点の位置は、点線で囲む白丸で示している。
【0035】
伝送信号点2aは、信号範囲1の右上の分割部分に含まれている。また、分割部分における伝送信号点2aは、16個の信号点のうちの内側4個の信号点の右上に位置している。このとき、ベース信号点3aは、
図3に示すように、分割部分における伝送信号点2aの位置と対応し、内側4個の信号点の右上の位置となる。そして、オフセット信号点4aは、伝送信号点2aが含まれる分割部分の位置と対応し、4個の信号点の右上の位置となる。
【0036】
伝送信号点2bは、信号範囲1の左下の分割部分に含まれている。また、分割部分における伝送信号点2bは、16個の信号点のうちの外側12個の信号点の左上に位置している。このとき、ベース信号点3bは、
図3に示すように、分割部分における伝送信号点2bの位置と対応し、外側12個の信号点の左上の位置となる。そして、オフセット信号点4bは、伝送信号点2bが含まれる分割部分の位置と対応し、4個の信号点の左下の位置となる。
【0037】
伝送信号点2cは、信号範囲1の右下の分割部分に含まれている。また、分割部分における伝送信号点2cは、16個の信号点のうちの外側12個の信号点の右下に位置している。このとき、ベース信号点3cは、
図3に示すように、分割部分における伝送信号点2cの位置と対応し、外側12個の信号点の右下の位置となる。そして、オフセット信号点4cは、伝送信号点2cが含まれる分割部分の位置と対応し、4個の信号点の右下の位置となる。
【0038】
このように、伝送信号点2に応じて、ベース信号点3及びオフセット信号点4を算出する。前述したように、ベース信号空間ダイアグラムとオフセット信号空間ダイアグラムの和は、伝送信号空間ダイアグラムの相似形となるから、伝送信号点2は、算出したベース信号点3とオフセット信号点4の和の定数倍により与えられる。つまり、伝送信号点2に係る位置ベクトルをs、算出したベース信号点3に係る位置ベクトルをa、算出したオフセット信号点4に係る位置ベクトルをbとするとき、以下の式(1)が成り立つ。ここで、Wは、定数倍を与える定数である。
【0039】
【0040】
図4に、
図2に示す伝送信号点2bに応じて算出されるベース信号点3b及びオフセット信号点4bを例として、ベース信号点3bとオフセット信号点4bの和(
図4中の5b)の定数倍により伝送信号点2bが与えられることを概念的に示す。なお、
図4中の6は、ベース信号空間ダイアグラムとオフセット信号空間ダイアグラムの和に係る信号範囲を示している。
【0041】
Wは、信号範囲1と信号範囲6との間のスケールの補正を与え、信号範囲1のスケールを示している。また、信号範囲1及び信号範囲6において少なくとも四隅(I軸とQ軸の振幅の和が最大となる位置)が信号点となることを鑑みれば、Wは、信号範囲1の四隅の信号点の位置と、その信号点に対応するベース信号点3及びオフセット信号点4の位置の系列から算出することができる。例えば、信号範囲1の四隅の1つの信号点の位置が(s1,s2)であり、その信号点に対応するベース信号点3の位置が(a1,a2)、オフセット信号点4の位置が(b1,b2)のとき、Wは、以下の式(2)により算出することができる。
【0042】
【0043】
なお、オフセット信号空間ダイアグラムは、複数与えられていても良い。この場合、伝送信号点2に応じて、それぞれのオフセット信号空間ダイアグラムに係る複数のオフセット信号点4が算出される。そして、伝送信号点2に係る位置ベクトルをs、算出したベース信号点3に係る位置ベクトルをa、算出した複数のオフセット信号点4に係る位置ベクトルをそれぞれbi(i=1,2,・・・,N)とするとき、以下の式(3)が成り立つ。ここで、Nは、与えるオフセット信号空間ダイアグラムの数である。
【0044】
【0045】
図5に、2つのオフセット信号空間ダイアグラム(第1信号空間ダイアグラム及び第2信号空間ダイアグラム)が与えられる場合の例を概念的に示す。
図5においては、伝送信号点2に応じて、ベース信号点3、第1オフセット信号点4s、及び第2オフセット信号点4tが算出されている。
図5は、例えば、
図2に示す信号範囲1を16等分するように分割する場合である。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る無線通信システムでは、伝送信号点に応じてベース信号点及びオフセット信号点が算出される。次に、本実施形態に係る無線通信システムでは、算出したベース信号点に応じた変調波(以下、「ベース変調波」とも称する。)及び算出したオフセット信号点に応じた変調波(以下、「オフセット変調波」とも称する。)を生成する。
【0047】
ベース信号点及びオフセット信号点それぞれに応じた変調波の生成は、好適な公知技術を採用して良い。例えば、
図2で説明したようにベース信号空間ダイアグラム及びオフセット信号空間ダイアグラムを与える場合、ベース信号点に応じた変調波の生成は、従来の16QAMに係る変調器により実現し、オフセット信号点に応じた変調波の生成は、従来のQPSKに係る変調器により実現して良い。
【0048】
次に、本実施形態に係る無線通信システムでは、ベース変調波及びオフセット変調波を増幅器に入力し所定の電力まで増幅させる。その後、ベース変調波及びオフセット変調波を合成する。
【0049】
次に、本実施形態に係る無線通信システムでは、ベース変調波とオフセット変調波を合成した変調波(以下、「伝送変調波」とも称する。)により電波を送出する。
【0050】
次に、本実施形態に係る無線通信システムでは、受信機において、電波を受信し受信信号を得る。
【0051】
そして、本実施形態に係る無線通信システムでは、スケール情報に基づいて受信信号のスケールを調整した後、受信信号の復調を行い、受信信号が示すデータを得る。
【0052】
ここで、スケール情報は、式(1)(又は式(3))において説明した定数Wであって良い。あるいは、信号範囲1に含まれる信号点の位置と、その信号点に対応するベース信号点3及びオフセット信号点4の位置の系列である。この場合、系列は、式(2)に示すようにスケールを算出することができるように与えられる。特に、式(2)において説明したように、信号範囲1に含まれる信号点を、信号範囲1の四隅の信号点とすることができる。
【0053】
また、スケール情報は受信機にあらかじめ与えられていても良いし、送信機がデータの伝送を行う前に、スケール情報を受信機に送信するように構成しても良い。これにより、伝送するデータに応じてスケール情報を適当に与えることができる。
【0054】
なお、スケール調整した受信信号が示す信号点は、式(1)(又は式(3))で示すように、伝送信号点となる。従って、本実施形態に係る無線通信システムにおいて、変調次数は、伝送信号点に係る変調次数となる。
【0055】
ところで、ベース信号空間ダイアグラム及びオフセット信号空間ダイアグラムの与え方から、ベース信号点に係る変調次数及びオフセット信号点に係る変調次数は、伝送信号点に係る変調次数よりも小さくなる。つまり、ベース変調波及びオフセット変調波のPAPRは、伝送信号点に応じて生成する変調波のPAPRよりも小さい。そして、本実施形態に係る無線通信システムでは、ベース変調波及びオフセット変調波を増幅器に入力する。すなわち、本実施形態に係る無線通信システムでは、変調次数を下げることなく増幅器に入力する変調波のPAPRを抑制することができる。
【0056】
2-2.構成例
以下、本実施形態に係る無線通信システムの構成例について説明する。
図6は、本実施形態に係る無線通信システム10の構成例を示すブロック図である。
図6の上部には、送信機100の構成例を示し、
図6の下部には、受信機200の構成例を示している。
図6に示す無線通信システム10は、電波により送信機100から受信機200にデータを伝送する。ここで、
図6に示す無線通信システム10は、256QAMに基づいてデータを伝送する場合の構成例を示している。つまり、1シンボル当たり8ビットのデータを伝送する。
【0057】
また、
図6に示す無線通信システム10では、ベース信号空間ダイアグラムを、64QAMに係る信号空間ダイアグラムで与え、オフセット信号空間ダイアグラムを、QPSKに係る信号空間ダイアグラムで与えているとする。
【0058】
送信機100は、情報処理装置110と、変調器120a及び120bと、増幅器140a及び140bと、加算器150と、送信アンテナ160と、を備えている。
【0059】
情報処理装置110(信号点算出部)は、伝送するデータに対応する信号点(伝送信号点)に応じて、ベース信号点及びオフセット信号点を算出する。算出したベース信号点及びオフセット信号点は、それぞれ変調器120a及び120bに伝達される。情報処理装置110は、典型的には、送信機100に組み込まれたマイクロコントローラである。この場合、情報処理装置110は、メモリに記憶するプログラムをプロセッサが実行することにより、ベース信号点及びオフセット信号点を算出する。プログラムは、例えば、ベース信号空間ダイアグラム及びオフセット信号空間ダイアグラムに従って、伝送するデータ(8ビット毎)とベース信号点及びオフセット信号点との対応を与える処理を記述する。
【0060】
変調器120a(ベース変調波生成部)は、情報処理装置110から伝達されるベース信号点に応じたベース変調波を生成する。変調器120aは、従来の64QAMに係る変調器によって実現されていて良い。
【0061】
変調器120b(オフセット変調波生成部)は、情報処理装置110から伝達されるオフセット信号点に応じたオフセット変調波を生成する。変調器120bは、従来のQPSKに係る変調器によって実現されていて良い。
【0062】
増幅器140a(ベース変調波増幅部)は、ベース変調波を所定の電力まで増幅させる。
【0063】
増幅器140b(オフセット変調波増幅部)は、オフセット変調波を所定の電力まで増幅させる。
【0064】
ここで、増幅器140a及び140bは、公知の増幅器により実現されていて良い。
【0065】
加算器150(合成部)は、増幅器140a及び増幅器140bにより増幅したベース変調波とオフセット変調波を合成し、伝送変調波を得る。加算器150は、一般的な電子回路により実現されていて良い。
【0066】
送信アンテナ160は、伝送変調波により電波を送出する。送信アンテナ160は、無線通信システム10を適用する環境に応じて好適なアンテナを採用して良い。例えば、アレーアンテナ、ダイポールアンテナ等が例示される。
【0067】
受信機200は、受信アンテナ260と、復調器220と、を備えている。
【0068】
受信アンテナ260は、送信アンテナ160から送出された電波を受信し、受信信号を得る。受信アンテナ260は、無線通信システム10を適用する環境に応じて好適なアンテナを採用して良い。受信アンテナ260により得られた受信信号は、復調器220に伝達される。
【0069】
復調器220(復調部)は、スケール情報に基づいて受信信号のスケールを調整した後、受信信号の復調を行い、受信信号が示すデータを得る。ここで、スケール調整した受信信号が示す信号点は伝送信号点となる。つまり、
図6に示す無線通信システム10において、変調次数は256QAMと同等となる。
【0070】
なお、スケール情報は、復調器220にあらかじめ与えられていても良いし、受信機200に備えるメモリ等の装置にあらかじめ与えられ、復調器220がそれらの装置からスケール情報を読みだしても良い。あるいは、送信機100がデータの伝送を行う前にスケール情報を送信し、受信機200がスケール情報を受信するように構成しても良い。スケール情報は、例えば、式(1)(又は式(3))において説明した定数Wである。あるいは、信号範囲1に含まれる信号点の位置と、その信号点に対応するベース信号点3及びオフセット信号点4の位置の系列である。この場合、系列は、式(2)に示すようにスケールを算出することができるように与えられる。特に、式(2)において説明したように、信号範囲1に含まれる信号点を、信号範囲1の四隅の信号点とすることができる。
【0071】
また、スケール調整をした後の受信信号の復調処理については、従来の256QAMに係る復調処理を適用して良い。
【0072】
3.無線通信方法
次に、本実施形態に係る無線通信方法について説明する。ただし、以下の説明において、前述した内容と重複する事項については適宜省略している。
【0073】
図7は、本実施形態に係る無線通信方法において実行する処理を示すフローチャートである。
図7に示す処理は、伝送するデータが与えられ、無線通信を行うときに開始する。
【0074】
ステップS100(信号点算出処理)では、伝送するデータに対応する信号点(伝送信号点)に応じて、ベース信号点及びオフセット信号点を算出する。ステップS100の後、処理はステップS110に進む。
【0075】
ステップS110では、ステップS100で算出したベース信号点に応じたベース変調波を生成する。また、生成したベース変調波を加工する。
【0076】
図8に、ステップS110において実行する処理を示す。
【0077】
ステップS111(ベース変調波生成処理)では、ベース信号点に応じたベース変調波を生成する。ステップS111の後、処理はステップS113に進む。
【0078】
ステップS113(ベース変調波増幅処理)では、ベース変調波を所定の電力まで増幅させる。ステップS113の後、ステップS110において実行する処理は終了する。
【0079】
再度
図7を参照する。ステップS110の後、処理はステップS120に進む。
【0080】
ステップS120では、ステップS100で算出したオフセット信号点に応じたオフセット変調波を生成する。また、生成したオフセット変調波を加工する。
【0081】
図9に、ステップS120において実行する処理を示す。
【0082】
ステップS121(オフセット変調波生成処理)では、オフセット信号点に応じたオフセット変調波を生成する。ステップS121の後、処理はステップS123に進む。
【0083】
ステップS123(オフセット変調波増幅処理)では、オフセット変調波を所定の電力まで増幅させる。ステップS123の後、ステップS120において実行する処理を終了する。
【0084】
再度
図7を参照する。ステップS120の後、処理はステップS130に進む。
【0085】
なお、ステップS110とステップS120の処理の順序は逆であっても良い。つまり、ステップS120の後、ステップS110が実行されても良い。あるいは、ステップS110とステップS120の処理は並列に実行されても良い。
【0086】
ステップS130(合成処理)では、ステップS113及びステップS123により増幅したベース変調波とオフセット変調波を合成し、伝送変調波を得る。ステップS130の後、処理はステップS140に進む。
【0087】
ステップS140(送信処理)では、伝送変調波に応じた電波を送出する。ステップS140の後、処理はステップS150に進む。
【0088】
ステップS150(受信処理)では、ステップS140において送出された電波を受信し、受信信号を得る。ステップS150の後、処理はステップS160に進む。
【0089】
ステップS160(復調処理)では、ステップS150において得られた受信信号に対して、スケール情報に基づいてスケール調整を行う。その後、スケール調整した受信信号の復調を行い、受信信号が示すデータを得る。これにより、無線通信によるデータの伝送が完了する。ステップS160の後、処理は終了する。
【0090】
ここで、スケール調整した受信信号が示す信号点は伝送信号点となる。スケール情報は、例えば、式(1)(又は式(3))において説明した定数Wである。あるいは、信号範囲1に含まれる信号点の位置と、その信号点に対応するベース信号点3及びオフセット信号点4の位置の系列である。この場合、系列は、式(2)に示すようにスケールを算出することができるように与えられる。特に、式(2)において説明したように、信号範囲1に含まれる信号点を、信号範囲1の四隅の信号点とすることができる。
【0091】
また、スケール情報は受信機にあらかじめ与えられていても良いし、送信機がデータの伝送を行う前に、スケール情報を受信機に送信しても良い。これにより、伝送するデータに応じてスケール情報を適当に与えることができる。
【0092】
図7に示す無線通信方法は、
図6に示す無線通信システム10と同等の構成により実現することができる。ただし、その他の構成により実現されていても良い。
【0093】
4.効果
以上説明したように、本実施形態に係る無線通信システム10及び無線通信方法によれば、ベース信号点に係る変調次数及びオフセット信号点に係る変調次数を、伝送信号点に係る変調次数よりも小さくすることができる。これにより、変調次数を下げることなく増幅器に入力する変調波(ベース変調波及びオフセット変調波)のPAPRを抑制することができる。延いては、バックオフを小さくすることができ、平均送信出力の増加や消費電力の低減を行うことができる。
【0094】
また、増幅器に入力する変調波の変調次数が小さくなることにより、所要SNRを小さくすることができ、SNRを改善することができる。
【0095】
なお、本開示に係る無線通信システム10及び無線通信方法は、送信アンテナ160又は受信アンテナ260を複数備えることで、MIMO(Multiple-input and multiple-output)技術に適用することができる。この場合においても、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 信号範囲
2 伝送信号点
3 ベース信号点
4 オフセット信号点
10 無線通信システム
100 送信機
110 情報処理装置(信号算出部)
120a 変調器(ベース変調波生成部)
120b 変調器(オフセット変調波生成部)
140a 増幅器(ベース変調波増幅部)
140b 増幅器(オフセット変調波増幅部)
150 加算器(合成部)
160 送信アンテナ
200 受信機
220 復調器(復調部)
260 受信アンテナ