(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159132
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】サーバシステム、プレイデータコミュニティシステムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/497 20140101AFI20231024BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20231024BHJP
A63F 13/215 20140101ALI20231024BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20231024BHJP
A63F 13/86 20140101ALI20231024BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20231024BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20231024BHJP
A63F 13/525 20140101ALI20231024BHJP
H04L 67/131 20220101ALI20231024BHJP
H04N 21/234 20110101ALI20231024BHJP
H04N 21/231 20110101ALI20231024BHJP
【FI】
A63F13/497
A63F13/35
A63F13/215
A63F13/54
A63F13/86
A63F13/533
A63F13/55
A63F13/525
H04L67/131
H04N21/234
H04N21/231
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125548
(22)【出願日】2023-08-01
(62)【分割の表示】P 2019066481の分割
【原出願日】2019-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】塚中 健介
(57)【要約】
【課題】1つのオリジナルのゲームプレイに対する今までに無い全く新しい楽しみ方を実現するための技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100は、オリジナルデータ710に基づいて過去にプレイされたゲームプレイを仮想3次元空間にて再現し、その様子を実況ユーザのユーザ端末1500にて表示させる。それとともに、実況ユーザによる実況付加操作入力に基づいて、オリジナルのゲームプレイに存在しなかった実況オブジェクト(アタバー7やコメントオブジェクト10)を仮想3次元空間に登場させ、追加の仮想カメラ(追加カメラCM1)を仮想3次元空間に追加して、オリジナルのゲームプレイの再現プレイに改変を加える。そして、サーバシステム1100は、改変された再現プレイを再現することが可能な改変再現データ760を生成し、オリジナルデータ710と対応づけて管理する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末と通信可能なサーバシステムであって、
過去のゲームプレイを再現することが可能なオリジナルデータを記憶するオリジナルデータ記憶手段と、
1)前記オリジナルデータに基づいて前記ゲームプレイを再現することで改変ユーザ端末から再生出力させる端末再生出力制御と、2)当該改変ユーザ端末の操作入力に基づいて、前記ゲームプレイの再現プレイに改変を加えた改変再現プレイを再現することが可能な改変再現データを生成する改変再現データ生成手段と、
前記ゲームプレイおよび前記改変再現プレイを再生出力ユーザ端末に選択可能に提示し、選択プレイを再現することで当該再生出力ユーザ端末から再生出力させる制御を行う選択再生出力制御手段と、
を備え、
前記改変再現データ生成手段は、前記改変ユーザ端末からの、前記オリジナルデータに基づくオブジェクトの行動を変更させる操作である行動変更操作入力に基づいて、前記ゲームプレイとは異なる「もしも」の仮想プレイに係る脚色の設定を前記改変再現データに含めて生成する、
サーバシステム。
【請求項2】
前記改変再現データ生成手段は、前記ゲームプレイに存在しなかったオブジェクトを前記改変ユーザ端末の操作入力に基づいて登場させるオブジェクト登場制御、前記改変ユーザ端末の操作入力に基づいて視聴者アクションオブジェクトを出現させる視聴者アクションオブジェクト出現制御、前記改変ユーザ端末から入力された音声を前記ゲームプレイに重畳させる音声重畳制御、および、画像生成の基準となる視点を前記改変ユーザ端末の操作入力に基づいて設定する視点設定制御、のうちの少なくとも1つを行って、前記改変再現データを生成する、
請求項1に記載のサーバシステム。
【請求項3】
前記オリジナルデータは、前記ゲームプレイ中の仮想3次元空間を再構築することが可能なデータを含み、
前記改変再現データは、前記改変再現プレイ中の仮想3次元空間を再構築することが可能なデータを含む、
請求項1又は2に記載のサーバシステム。
【請求項4】
前記改変再現データ生成手段は、前記端末再生出力制御において前記改変ユーザ端末の操作入力に基づいて再生スピードを設定し、当該再生スピードの設定を前記改変再現データに含めて生成する、
請求項1~3の何れか一項に記載のサーバシステム。
【請求項5】
前記改変再現データ生成手段は、前記端末再生出力制御において前記改変ユーザ端末の操作入力に基づいてリプレイ再生を設定し、当該リプレイ再生の設定を前記改変再現データに含めて生成する、
請求項1~4の何れか一項に記載のサーバシステム。
【請求項6】
前記ユーザ端末でゲームプレイを行ったデータに基づいて前記オリジナルデータを生成して前記オリジナルデータ記憶手段に記憶させるオリジナルデータ生成登録手段、
を更に備えた請求項1~5の何れか一項に記載のサーバシステム。
【請求項7】
前記改変再現データに基づいて前記改変再現プレイを再現した動画を所定の動画サイトへ自動投稿する制御を行う投稿制御手段、
を更に備えた請求項1~6の何れか一項に記載のサーバシステム。
【請求項8】
複数のユーザ端末と、
前記複数のユーザ端末と通信可能な請求項1~7の何れか一項に記載のサーバシステムと、
を具備したプレイデータコミュニティシステム。
【請求項9】
過去のゲームプレイを再現することが可能なオリジナルデータを記憶する記憶部を備えるコンピュータシステムが実行する制御方法であって、
1)前記オリジナルデータに基づいて前記ゲームプレイを再現することで改変ユーザ端末から再生出力させる端末再生出力制御と、2)当該改変ユーザ端末の操作入力に基づいて、前記ゲームプレイの再現プレイに改変を加えた改変再現プレイを再現することが可能な改変再現データを生成する改変再現データ生成制御と、
前記ゲームプレイおよび前記改変再現プレイを再生出力ユーザ端末に選択可能に提示し、選択プレイを再現することで当該再生出力ユーザ端末から再生出力させる制御を行う選択再生出力制御と、
を実行し、
前記改変再現データ生成制御は、前記改変ユーザ端末からの、前記オリジナルデータに基づくオブジェクトの行動を変更させる操作である行動変更操作入力に基づいて、前記ゲームプレイとは異なる「もしも」の仮想プレイに係る脚色の設定を前記改変再現データに含めて生成すること、を含む、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザ端末と通信可能なサーバシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームの楽しみ方は、ゲームをプレイすること自体に限られない。ゲームプレイの様子を動画にしたゲームプレイ動画を公開して視聴してもらう楽しみ方や、ゲームプレイの画面を友人の間で共有する楽しみ方も知られるところである。例えば、特許文献1には、ゲーム映像の他に様々な映像を配信することが可能な動画配信システムの技術が開示されている。特許文献2には、ホストユーザがプレイしているゲーム画像を、同時にゲストユーザが視聴できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-11849号公報
【特許文献2】特開2016-42238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした1つのゲームプレイを素材として(より砕けた言い方をすると「ネタ」として)複数のユーザで楽しむことは、ユーザ間のコミュニケーションを活性化させ、ひいてはゲームの魅力を大いに高めてくれることが期待される。しかし、1つのゲームプレイを素材として複数のユーザで楽しむ観点からすると、従来の方法では限界があった。
【0005】
具体的には、特許文献1に開示された技術や、近年の動画投稿サイト(動画共有サイト)で人気の実況動画(ゲームプレイ動画に実況や解説の映像や音声を合成した動画)のサービスであっても、オリジナルのゲームプレイそのものを編集したり改変したりすることはできなかった。できることは、オリジナルのゲームプレイの映像に対して、実況者のアバターや視聴者のアバターの画像を貼り付けるように合成表示したり、視聴者のコメントテキストをオリジナルプレイ動画の手前側に画面上を流れるように合成表示したり、実況音声を合成する、といったことに過ぎなかった。オリジナルのゲームプレイの映像自体に変化はなかった。ゲームプレイを行う側と、実況者や視聴者との間には、厳然たる隔たりがあった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、1つのオリジナルのゲームプレイに対する今までに無い全く新しい楽しみ方を実現するための技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための第1の発明は、複数のユーザ端末と通信可能なサーバシステムであって、過去のゲームプレイを再現することが可能なオリジナルデータを記憶するオリジナルデータ記憶手段(例えば、
図14のサーバ記憶部500s、
図15のオリジナルデータ710)と、
1)前記オリジナルデータに基づいて前記ゲームプレイを再現することで第1ユーザ端末から再生出力させる第1端末再生出力制御と、2)前記ゲームプレイに存在しなかった第1オブジェクトを前記第1ユーザ端末の操作入力に基づいて登場させる第1オブジェクト登場制御、前記第1ユーザ端末の操作入力に基づいて第1コメントオブジェクトを出現させる第1コメントオブジェクト出現制御、前記第1ユーザ端末から入力された第1音声を前記ゲームプレイに重畳させる第1音声重畳制御、および、画像生成の基準となる第1視点を前記第1ユーザ端末の操作入力に基づいて設定する第1視点設定制御、のうちの少なくとも1つと、を行って前記ゲームプレイの再現プレイに改変を加えた第1改変再現プレイを再現することが可能な第1改変再現データを生成する第1改変再現データ生成手段(例えば、
図14のサーバ処理部200s、実況付加管理部220、第1改変再現データ生成部224、
図15の改変再現データ760、
図27のステップS58)と、
a)前記第1改変再現データに基づいて前記第1改変再現プレイを再現することで第2ユーザ端末から再生出力させる第2端末再生出力制御と、b)前記第1改変再現プレイに存在しなかった第2オブジェクトを前記第2ユーザ端末の操作入力に基づいて登場させる第2オブジェクト登場制御、前記第2ユーザ端末の操作入力に基づいて第2コメントオブジェクトを出現させる第2コメントオブジェクト出現制御、前記第2ユーザ端末から入力された第2音声を前記第1改変再現プレイに重畳させる第2音声重畳制御、および、画像生成の基準となる第2視点を前記第2ユーザ端末の操作入力に基づいて設定する第2視点設定制御、のうちの少なくとも1つと、を行って前記第1改変再現プレイに改変を加えた第2改変再現プレイを再現することが可能な第2改変再現データを生成する第2改変再現データ生成手段(例えば、
図14のサーバ処理部200s、実況付加管理部220、第2改変再現データ生成部226、
図15の改変再現データ760、
図27のステップS58)と、
前記ゲームプレイ、前記第1改変再現プレイ、及び前記第2改変再現プレイを第3ユーザ端末に選択可能に提示し、選択プレイを再現することで前記第3ユーザ端末から再生出力させる制御を行う選択再生出力制御手段(例えば、
図11の視聴設定画面W11、
図14のサーバ処理部200s、選択再生出力制御部240、
図23の視聴設定データ787、
図28のステップS102)と、を備えたサーバシステムである。
【0008】
また、第2の発明は、複数のユーザ端末と通信可能なサーバシステムであって、過去のゲームプレイを再現することが可能なオリジナルデータを記憶するオリジナルデータ記憶手段と、1)前記オリジナルデータに基づいて前記ゲームプレイを再現することで第1ユーザ端末から再生出力させる第1端末再生出力制御と、2)前記ゲームプレイに存在しなかった第1オブジェクトを前記第1ユーザ端末の操作入力に基づいて登場させる第1オブジェクト登場制御、前記第1ユーザ端末の操作入力に基づいて第1コメントオブジェクトを出現させる第1コメントオブジェクト出現制御、前記第1ユーザ端末から入力された第1音声を前記ゲームプレイに重畳させる第1音声重畳制御、および、画像生成の基準となる第1視点を前記第1ユーザ端末の操作入力に基づいて設定する第1視点設定制御、のうちの少なくとも1つと、を行って前記ゲームプレイの再現プレイに改変を加えた第1改変再現プレイを再現することが可能な第1改変再現データを生成する第1改変再現データ生成手段と、a)前記オリジナルデータに基づいて前記ゲームプレイを再現することで第2ユーザ端末から再生出力させる第2端末再生出力制御と、b)前記ゲームプレイに存在しなかった第2オブジェクトを前記第2ユーザ端末の操作入力に基づいて登場させる第2オブジェクト登場制御、前記第2ユーザ端末の操作入力に基づいて第2コメントオブジェクトを出現させる第2コメントオブジェクト出現制御、前記第2ユーザ端末から入力された第2音声を前記ゲームプレイに重畳させる第2音声重畳制御、および、画像生成の基準となる第2視点を前記第2ユーザ端末の操作入力に基づいて設定する第2視点設定制御、のうちの少なくとも1つと、を行って前記第ゲームプレイの再現プレイに改変を加えた第2改変再現プレイを再現することが可能な第2改変再現データを生成する第2改変再現データ生成手段と、前記ゲームプレイ、前記第1改変再現プレイ、および、前記第2改変再現プレイを第3ユーザ端末に選択可能に提示し、選択プレイを再現することで前記第3ユーザ端末から再生出力させる制御を行う選択再生出力制御手段と、
を備えたサーバシステムである。
【0009】
ここで言う「サーバシステム」は、単数のコンピュータは勿論、複数のコンピュータが連携して構成されるものでもよい。また、「第1ユーザ端末」「第2ユーザ端末」「第3ユーザ端末」は、理解を容易にするために識別して記しているのであって、これらのユーザ端末の1つまたは複数が物理的に同一のユーザ端末であってもよい。
【0010】
第1又は第2の発明によれば、実況者や視聴者といったプレーヤ以外のユーザ毎に、オリジナルのゲームプレイに登場したオブジェクトとは別に新たなオブジェクト(第1オブジェクト、第2オブジェクト)を登場させたり、新たなコメントオブジェクト(第1コメントオブジェクト、第2コメントオブジェクト)を出現させたり、オリジナルのゲームプレイのゲーム画面を生成するための視点とは別に新たな視点(第1視点、第2視点)を追加したり、オリジナルのゲームプレイの音声とは別の新たな音声(第1音声、第2音声)を追加する、といったことが可能になる。そして、視聴の際は、オリジナルのゲームプレイは勿論のこと、新たなオブジェクトや視点、音声が追加されて改変された再現プレイを視聴できるようになる。つまり、オリジナルのゲームプレイが再現される再現プレイにおいて、実況者や視聴者の行動が再現プレイにて反映されるようになる。1つのオリジナルのゲームプレイに対する今までに無い新しい楽しみ方を実現するための技術を提供することができる。
【0011】
第3の発明は、前記オリジナルデータは、前記ゲームプレイ中の仮想3次元空間を再構築することが可能なデータを含み、前記第1改変再現データは、前記第1改変再現プレイ中の仮想3次元空間を再構築することが可能なデータを含み、前記第2改変再現データは、前記第2改変再現プレイ中の仮想3次元空間を再構築することが可能なデータを含む、第1又は第2の発明のサーバシステムである。
【0012】
第3の発明によれば、仮想3次元空間にオブジェクトと仮想カメラを配置し、仮想カメラで撮影した仮想3次元空間内の様子をゲームプレイ画面として提供する、いわゆる3DCGを用いたゲームにおいても、第1または第2の発明の効果が得られる。
【0013】
第4の発明は、前記オリジナルデータが、前記ゲームプレイの画像を生成する際の基準となるオリジナル視点のデータを含み、前記第1改変再現データ生成手段は、前記第1視点設定制御を行い、前記第2改変再現データ生成手段は、前記第2視点設定制御を行い、前記選択再生出力制御手段は、前記ゲームプレイを前記第3ユーザ端末から再生出力させる場合には、前記オリジナル視点から見た前記ゲームプレイの映像を前記第3ユーザ端末から出力させ、前記第1改変再現プレイを前記第3ユーザ端末から再生出力させる場合には、前記第1視点から見た前記第1改変再現プレイの映像を前記第3ユーザ端末から出力させ、前記第2改変再現プレイを前記第3ユーザ端末から出力させる場合には、前記第2視点から見た前記第2改変再現プレイの映像を前記第3ユーザ端末から出力させる、第1~第3の何れかの発明のサーバシステムである。
【0014】
また、第5の発明は、前記オリジナルデータが、前記ゲームプレイの画像を生成する際の基準となるオリジナル視点のデータを含み、前記第1改変再現データ生成手段は、前記第1視点設定制御を行い、前記第2改変再現データ生成手段は、前記第2視点設定制御を行い、前記選択再生出力制御手段は、前記オリジナル視点、前記第1視点、および、前記第2視点を前記第3ユーザ端末に選択可能に提示し、選択視点から前記選択プレイを見た映像を前記第3ユーザ端末から出力させる制御を行う、第1~第3の何れかの発明のサーバシステムである。
【0015】
第4または第5の発明によれば、オリジナルのゲームプレイでのカメラワークとは別に新たなカメラワークを追加したり、追加された新たなカメラワークに係る視点から見た再現プレイの画像を視聴できるようになるといった新たな楽しみ方を実現することが可能となる。
【0016】
第6の発明は、前記第1改変再現データ生成手段が、前記第1音声重畳制御を行い、前記第2改変再現データ生成手段は、前記第2音声重畳制御を行い、前記選択再生出力制御手段は、前記第1音声、および、前記第2音声を前記第3ユーザ端末に選択可能に提示し、前記選択プレイを再現する際の音声を選択音声として前記第3ユーザ端末から出力させる制御を行う、第1~第5の何れかの発明のサーバシステムである。
【0017】
第6の発明によれば、オリジナルのゲームプレイの音声とは別に新たな音声を追加したり、追加された新たな音声を重畳させた音声で再現プレイを視聴できるといった新たな楽しみ方を実現することが可能となる。
【0018】
第7の発明は、前記第1改変再現データ生成手段が、前記第1コメントオブジェクト出現制御を行い、前記第2改変再現データ生成手段が、前記第2コメントオブジェクト出現制御を行い、前記選択再生出力制御手段が、前記第1コメントオブジェクト、および、前記第2コメントオブジェクトを前記第3ユーザ端末に選択可能に提示し、前記第3ユーザ端末の選択操作に基づいて選択されたコメントオブジェクトを、前記選択プレイを再現する際に出現させる制御を行う、第1~第5の何れかの発明のサーバシステムである。
【0019】
第7の発明によれば、第1ユーザと第2ユーザとが別々のコメントオブジェクトを追加したり、視聴ユーザである第3ユーザが、追加された全てのコメントオブジェクトが出現する再現プレイを視聴したり、選択したユーザのコメントオブジェクトが出願する再現プレイを視聴するといったことができるようになる。
【0020】
第8の発明は、前記第1改変再現データ生成手段が、前記第1端末再生出力制御において前記第1ユーザ端末の操作入力に基づいて再生スピードを設定し、当該再生スピードの設定を前記第1改変再現データに含めて生成する、第1~第7の何れかの発明のサーバシステムである。
【0021】
また、第9の発明は、前記第2改変再現データ生成手段が、前記第2端末再生出力制御において前記第2ユーザ端末の操作入力に基づいて再生スピードを設定し、当該再生スピードの設定を前記第2改変再現データに含めて生成する、第1~第8の何れかの発明のサーバシステムである。
【0022】
第8または第9の発明によれば、オリジナルのゲームプレイとは別の再生スピード(例えば、スローモーションや、コマ送り、早送り、逆回し、ジャンプ、など)を設定できる。つまり、実況者や視聴者といったプレーヤ以外のユーザは、オリジナルのゲームプレイとは異なる再生スピードの再現プレイを創作できるようになる。
【0023】
第10の発明は、前記第1改変再現データ生成手段が、前記第1端末再生出力制御において前記第1ユーザ端末の操作入力に基づいてリプレイ再生を設定し、当該リプレイ再生の設定を前記第1改変再現データに含めて生成する、第1~第9の何れかの発明のサーバシステムである。
【0024】
また、第11の発明は、前記第2改変再現データ生成手段が、前記第2端末再生出力制御において前記第2ユーザ端末の操作入力に基づいてリプレイ再生を設定し、当該リプレイ再生の設定を前記第2改変再現データに含めて生成する、第1~第10の何れかの発明のサーバシステムである。
【0025】
第10または第11の発明によれば、オリジナルのゲームプレイにおける適当なタイミングにリプレイ再生を設定することができる。例えば、オリジナルのゲームプレイの一部を振り返ってもう一度見直すシーンを追加した再現プレイを創作する、といったことが可能となる。
【0026】
第12の発明は、再現プレイを再生するためのゲーム進行制御機能(例えば、
図14の第1再現ゲーム進行制御部222、第2再現ゲーム進行制御部232)、を更に備え、前記第1改変再現データ生成手段は、前記第1端末再生出力制御において、前記第1ユーザ端末の操作入力に基づく脚色を設定した再現プレイを前記ゲーム進行制御機能に再生させ、当該脚色の設定を前記第1改変再現データに含めて生成する、第1~第11の何れかの発明のサーバシステムである。
【0027】
また、第13の発明は、前記ゲーム進行制御機能が、再現プレイにおいてコンピュータ制御オブジェクトを自動制御し、前記第1改変再現データ生成手段は、前記第1ユーザ端末の操作入力に基づいて、前記コンピュータ制御オブジェクトに影響を与える脚色を設定する、第12の発明のサーバシステムである。
【0028】
また、第14の発明は、再現プレイを再生するためのゲーム進行制御機能、を更に備え、前記第2改変再現データ生成手段は、前記第2端末再生出力制御において、前記第2ユーザ端末の操作入力に基づく脚色を設定した再現プレイを前記ゲーム進行制御機能に再生させ、当該脚色の設定を前記第2改変再現データに含めて生成する、第1~第13の何れかの発明のサーバシステムである。
【0029】
また、第15の発明は、前記ゲーム進行制御手段が、再現プレイにおいてコンピュータ制御オブジェクトを自動制御し、前記第2改変再現データ生成手段は、前記第2ユーザ端末の操作入力に基づいて、前記コンピュータ制御オブジェクトに影響を与える脚色を設定する、第14の発明のサーバシステムである。
【0030】
第12~第15の何れかの発明によれば、オリジナルのゲームプレイでは起きなかったことを「もしも○○であったならば」「私ならば△△するところだが、やってみたらどうだったろう?」といった脚色を設定した再現プレイを実現できる。
【0031】
第16の発明は、前記ユーザ端末でゲームプレイを行ったデータに基づいて前記オリジナルデータを生成して前記オリジナルデータ記憶手段に記憶させるオリジナルデータ生成登録手段(例えば、
図14のサーバ処理部200s、オリジナルデータ生成登録部212)、を更に備えた第1~第15の何れかの発明のサーバシステムである。
【0032】
第16の発明によれば、ユーザ端末でゲームプレイを行ったデータに基づいて前記オリジナルデータを生成できる。
【0033】
第17の発明は、前記第1改変再現データに基づいて前記第1改変再現プレイを再現した動画、及び/又は、前記第2改変再現データに基づいて前記第2改変再現プレイを再現した動画、を所定の動画サイトへ自動投稿する制御を行う投稿制御手段(例えば、
図14のサーバ処理部200s、投稿制御部242、
図29の投稿制御処理)、を更に備えた第1~第16の何れかの発明のサーバシステムである。
【0034】
第17の発明によれば、ユーザ端末以外の電子機器での再現プレイの視聴を可能にできる。
【0035】
第18の発明は、複数のユーザ端末と、前記複数のユーザ端末と通信可能な第1~第17の何れかの発明のサーバシステムと、を具備したプレイデータコミュニティシステムである。
【0036】
第18の発明によれば、第1~第17の何れかの発明と同様の効果を奏するプレイデータコミュニティシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】プレイデータコミュニティシステムの構成例を示す図。
【
図5】実況付加に係る新たな時間進行と新たな制御の追加について説明するための図。
【
図6】実況動画の公開登録について説明するための図。
【
図7】公開動画の視聴について説明するための図(その1)。
【
図8】動画視聴後の処理について説明するための図(その1)。
【
図9】公開動画の視聴について説明するための図(その2)。
【
図10】動画視聴後の処理について説明するための図(その2)。
【
図12】ゲームオブジェクトのリアクションの自動制御について説明するための図。
【
図13】実況オブジェクトとのリアクションの自動制御について説明するための図。
【
図14】第1実施形態におけるサーバシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図15】第1実施形態におけるサーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【
図16】オブジェクト定義データのデータ構成例を示す図。
【
図17】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
【
図20】実況付加管理データのデータ構成例を示す図。
【
図24】視聴者アクションデータのデータ構成例を示す図。
【
図25】ユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図26】ゲームプレイ管理処理の流れについて説明するためのフローチャート。
【
図27】実況付加管理処理の流れについて説明するためのフローチャート。
【
図28】視聴管理処理の流れについて説明するためのフローチャート。
【
図29】投稿制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図30】第2実施形態におけるサーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図31】第2実施形態のサーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【
図32】第2実施形態のユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0039】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態のプレイデータコミュニティシステム1000の構成例を示す図である。プレイデータコミュニティシステム1000は、ネットワーク9を介して相互にデータ通信が可能に接続されたサーバシステム1100と、複数のユーザ端末1500(1500a,1500b,…)とを含む。
【0040】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0041】
サーバシステム1100は、例えば、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを有し、本体装置1101には制御基板1150を搭載する。
【0042】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0043】
そして、サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、
1)ユーザの登録や、ユーザ別の情報を管理するユーザ管理機能と、
2)登録ユーザであるユーザ2(2a,2b,…)がプレーヤとなってユーザ端末1500(1500a,1500b,…)でゲームプレイするのに必要なデータを提供するゲームサービス機能と、
3)公開登録されたゲームプレイを再現する動画を、ユーザ端末1500にて表示させるためのデータを作成するデータ作成サービス機能と、
4)公開登録されたゲームプレイを再現する動画を、ユーザ端末1500にて視聴可能とする公開サービス機能と、
を実現する。
【0044】
なお、
図1では、サーバシステム1100を1台のサーバ装置として描いているが、オンライン接続された複数のサーバ装置が、ユーザ管理機能・ゲームプレイ機能・データ作成サービス機能・公開サービス機能の1つまたは複数の機能を分担する構成であってもよい。また、サーバシステム1100は、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。離れた場所に設置された独立した複数のサーバ装置を、ネットワーク9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0045】
ユーザ端末1500(1500a,1500c,…)は、ユーザ2(2a,2b,…)がゲームプレイ、実況付加作業、公開登録されたゲームプレイを再現した動画の視聴、のために個別に使用するコンピュータシステムであって、ネットワーク9を介してサーバシステム1100にアクセスできる電子装置(電子機器)である。機能的に言えば、ユーザ端末1500はゲーム装置、実況動画の編集装置、動画視聴装置、となるものである。本実施形態のユーザ端末1500は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、携帯型ゲーム装置や、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、などでもよい。
【0046】
図2は、本実施形態におけるユーザ端末1500の構成例を示す正面図である。
ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、スピーカ1510と、内蔵バッテリー1509と、マイク1512と、イメージセンサーユニット1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。また、ゲームプレイ等の対価の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置などを設けるとしてもよい。
【0047】
制御基板1550は、
1)CPU1551や、GPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、
2)VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、
3)ネットワーク9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、
4)インターフェース回路1557、などを搭載する。
【0048】
インターフェース回路1557には、タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502およびボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、イメージセンサーユニット1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
【0049】
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、本実施形態のゲームのユーザ端末としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0050】
なお、本実施形態では、ユーザ端末1500はプログラムや各種設定データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
【0051】
図3は、ゲームプレイについて説明するための図である。
サーバシステム1100は、プレーヤであるユーザ2(
図3の例では、ユーザ2p)のユーザ端末1500(
図3の例では、ユーザ端末1500p)でオンラインゲームを実行させる。
【0052】
サーバシステム1100は、当該ゲームプレイに係るプレイデータ700を記憶する。プレイデータ700は、ゲーム進行制御に係る各種データを格納している。本実施形態におけるゲーム画面は、ゲームプレイ用に用意された仮想3次元空間に、各種のゲームオブジェクトと仮想カメラを配置・制御して、仮想カメラで撮影した画像をレンダリングした画像を元にする、いわゆる3DCGにより作成される。よって、プレイデータ700には、固有のプレイID701と、ゲームオブジェクト制御履歴データ707と、仮想カメラ制御履歴データ708と、操作入力履歴データ709と、を含む。
【0053】
ゲームオブジェクト制御履歴データ707は、プレーヤキャラクタ4(4a,4b,…)や、敵キャラクタ6といった各種ゲームオブジェクト毎に用意され、ゲームオブジェクトを制御するために必要な情報(例えば、仮想3次元空間における位置や姿勢、速度、動作制御情報、ゲーム上の能力パラメータ値など)を時系列に格納する。
【0054】
仮想カメラ制御履歴データ708は、オリジナルのゲームプレイの画像を生成する際の基準の視点となる仮想カメラ(オリジナルカメラ;オリジナル視点)の位置・姿勢・画角などの情報を時系列に格納する。
図3の例では、1つのみ記しているが、複数の仮想カメラを切り換えて使用する場合には、適宜複数設けることができる。
【0055】
操作入力履歴データ709は、プレーヤによるプレイ操作入力を時系列に格納する。
【0056】
ゲームが終了すると、サーバシステム1100は、プレーヤであるユーザ2が所定の公開登録操作を入力すると、直前のゲームプレイ(オリジナルのゲームプレイ)の映像を含むゲームプレイ動画(オリジナルプレイ動画)を、他のユーザがユーザ端末1500で視聴できるように必要なデータと対応付けて公開登録する。
【0057】
具体的には、プレイデータ700に含まれるデータに基づいてオリジナルデータ710を作成する。オリジナルデータ710は、過去のゲームプレイを再現することが可能なデータであり、オリジナルのゲームプレイ中の仮想3次元空間を再構築することが可能なデータである。ゲームプレイを実現するためのデータの種類や形式は様々であるが、本実施形態では、プレイID701と、ゲームオブジェクト制御履歴データ707と、仮想カメラ制御履歴データ708と、操作入力履歴データ709と、を含む。
【0058】
サーバシステム1100は、編集素材作成用の仮想3次元空間を用意して、ここに、作成したオリジナルデータ710に基づいてゲームオブジェクトや仮想カメラを配置・制御して、プレイされたオリジナルのゲームプレイを再現して、編集素材作成用の素材となる動画を作成する。
【0059】
サーバシステム1100は、プレーヤのユーザ端末1500pにて、動画編集操作の入力を可能とする。例えば、サーバシステム1100は、公知の動画編集と同様のインターフェースをユーザ端末1500pに提供し、編集作業用の素材となった動画から、公開する部分のゲームプレイのシーンを切り分けて繋ぐ。そして、サーバシステム1100は、編集操作に基づいて、編集データ712とメタデータ714とを作成し、オリジナルデータ710に追加する。
【0060】
編集データ712は、オリジナルデータ710に基づいて再現されるオリジナルのゲームプレイを1本の動画として形成して公開するための定義データである。例えば、オリジナルのゲームプレイ開始からの経過時間の範囲を編集カット順に格納する。オリジナルデータ710に基づいて再現されるゲームプレイの動画、すなわち「オリジナルプレイ動画」を決定づけるためのデータといえる。
【0061】
メタデータ714は、オリジナルプレイ動画を公開する際に提供される付属情報である。ゲームタイトル、プレーヤのユーザアカウント、ゲームプレイされた日時、登録日時、動画再生時間、視聴回数、などを含めることができる。
【0062】
そして、サーバシステム1100は、オリジナルプレイ動画のサムネイルデータを作成して、当該サムネイルをインデクスとして公開登録する。これにより、オリジナルプレイ動画という動画データは存在しないが、オリジナルプレイ動画となる映像を再生するためのデータが用意されたことになり、視聴可能になる。プレイデータコミュニティシステム1000としては、動画投稿サイトへの投稿が完了したことと同じ状態になる。
【0063】
よって以降では、公開対象とするゲームプレイの一部または全部を再現可能なデータを用意して、公開対象として登録することをもって「動画の公開」「公開登録」とし、再現可能なデータに基づき再生される内容を「公開されている動画」と呼ぶ。
【0064】
さて、公開登録すると、動画視聴を希望するユーザには、サムネイルと、メタデータ714の内容が提供され、どの動画を視聴するかの選択や検索に利用される。そして、ユーザ2は、実況ユーザとなって、公開されている動画に対して実況を付加する等して改変した実況動画(改変動画)を再現可能とする各種のデータを作成することができる。
【0065】
図4は、実況の付加について説明するための図である。
実況ユーザであるユーザ2(
図4の例では、ユーザ2j)は、ユーザ端末1500(
図4の例では、ユーザ端末1500j)を使用し、所定の実況付加リクエスト操作を行う。サーバシステム1100は、当該リクエストを要求したユーザ端末1500jにて、実況付加操作の受け付けを開始する。
【0066】
具体的には、先ず、サーバシステム1100は、実況付加リクエストを要求したユーザ端末1500jから、実況付加の対象とする動画の選択を受け付け、選択された動画を実況付加の対象(素材)として設定する。実況付加の対象となる動画は、プレイデータコミュニティシステム1000内で公開登録されている動画であればどれでもよいが、以降では、オリジナルプレイ動画に実況を付加するものとして説明する。
【0067】
実況を付加するにあたり、サーバシステム1100は、実況付加の際のモニター映像を生成するために、モニター用の仮想3次元空間を用意する。そして、モニター用の仮想3次元空間に、実況付加の対象とされた映像のオリジナルデータ710に基づいて、ゲームオブジェクトとオリジナルカメラCM0(オリジナル視点:オリジナルのゲームプレイにおいてゲーム画像を生成する視点とされた仮想カメラ)とを配置・制御して、オリジナルデータ710に基づいて過去のオリジナルのゲームプレイを再現する。再現の様子は、当初、オリジナルカメラCM0を基準視点とするモニター映像として生成され、実況ユーザのユーザ端末1500jにて表示される。
【0068】
実況ユーザ(ユーザ2j)は、実況付加として、オリジナルのゲームプレイに存在しなかった新たな音声の追加、新たなオブジェクトの追加、新たな視点(新たな仮想カメラの追加、新たな時間進行の追加、新たな制御の追加、を行うことができる。
【0069】
具体的には、実況ユーザ2jのユーザ端末1500jにて実況音声入力がなされると、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500jのマイク1512で集音された音声を「実況音声」として録音する。録音に伴い作成される実況音声データは、実況付加対象とされる動画のオリジナル音声(ゲーム音声)に重畳制御する素材とするために、実況データ740の一部として記録管理される。
【0070】
また、実況ユーザ2jのユーザ端末1500jにてアバター追加操作入力がなされると、サーバシステム1100は、モニター用の仮想3次元空間に、実況ユーザ2jが予め登録しておいたアバター7のキャラクタオブジェクト(実況オブジェクトの1つ、ゲームプレイに存在しなかった実況ユーザ由来のオブジェクト)を配置して動作制御する。アバター7の動作制御は、実況ユーザ2j自身をユーザ端末1500jで撮影してモーションキャプチャーにより実現してもよいし、コマンド入力により予め用意された動作を選択して実行することで実現してもよい。アバター7の動作制御を実現するためのデータは実況データ740の一部として記録管理される。
【0071】
また、実況ユーザ2jのユーザ端末1500jにてコメント追加操作入力がなされると、サーバシステム1100は、モニター用の仮想3次元空間に、入力されたコメントを示すテキストや絵文字、画像等を表示するコメントオブジェクト10(実況オブジェクトの1つ、ゲームプレイに存在しなかった実況ユーザ由来のオブジェクト)を出現・配置させる制御をする。
【0072】
コメントオブジェクト10は、例えば「吹き出し」型の板オブジェクトとしてデザインされる。そして、アバター7が既に配置されている場合には、アバター7の頭上近傍に配置され、あたかも浮遊しているように動作制御される。また、コメントオブジェクト10は、その法線方向が適度にゆらぎながらも仮想カメラCM1を向いているように自動姿勢制御される。そして、コメントオブジェクト10は、配置から所定時間経過すると消去される。コメントオブジェクト10の配置制御を実現するためのデータは実況データ740の一部として記録管理される。なお、アバター7が配置されていなくても、コメントオブジェクト10のみを追加配置できるのは勿論である。
【0073】
また、実況ユーザ2jのユーザ端末1500jにて視点追加操作入力がなされると、サーバシステム1100は、仮想3次元空間に新たな仮想カメラである追加カメラCM1を配置して、所与のカメラワーク操作入力に基づいて追加カメラCM1を制御する。そして、実況ユーザ2jは、モニター映像の生成の基準とする仮想カメラを、オリジナルカメラCM0と追加カメラCM1との中から選択する「カメラ切り換え」を設定できる。追加カメラCM1の動作制御のデータや、カメラ切り換えを実現するためのデータは、実況データ740の一部として記録管理される。
【0074】
また、実況ユーザ2jのユーザ端末1500jにて再生スピードの変更操作入力がなされると、サーバシステム1100は、当該操作入力に従って仮想3次元空間での時間進行の方向と速さを変更する。これにより、実況ユーザ2jは、実況付加対象とされる動画の一部または全部の再生スピードを変更し、スローモーションにしたり、コマ送りにしたり、早送りにしたり、巻き戻しにしたり、といったことができる。再生スピードの変更のデータ(例えば、どのタイミングからどのタイミングまで、どれだけのスピードで再生するか)は実況データ740の一部として記録管理される。
【0075】
また、実況ユーザ2jのユーザ端末1500jにてリプレイ再生操作入力がなされると、サーバシステム1100は、当該操作入力に従って仮想3次元空間での時間進行を一部で繰り返しさせる。これにより、実況ユーザ2jは、実況付加対象とされる動画の一部をリプレイ再生できる。リプレイ再生の制御データ(例えば、どのタイミングからどのタイミングまで、何回繰り返すか)は実況データ740の一部として記録管理される。
【0076】
図5は、実況付加に係る新たな時間進行と新たな制御の追加について説明するための図である。サーバシステム1100は、実況ユーザ2jのユーザ端末1500jにて仮想プレイの開始操作入力を検出すると、モニター用の仮想3次元空間に配置されているゲームオブジェクトへの仮想プレイ操作入力の受け付けを開始する。
【0077】
「仮想プレイ」とは、オリジナルのゲームプレイにおいて無かった操作入力を仮想的に追加して、「もしも」の世界を実況映像内で実現することであり、オリジナルのゲームプレイでは無かった新たな時間進行と、新たな制御の追加を伴う。具体的には、視聴ユーザは、仮想プレイ操作を入力するタイミングを決定するために、先ず、時間巻き戻し操作をする。時間巻き戻し操作がなされると、サーバシステム1100は、モニター用の仮想3次元空間のコピーを作成して、モニター映像の生成を開始する。そして、当該操作に従ってコピーされた仮想3次元空間の時間進行を巻き戻す。
【0078】
そして、実況ユーザ2jが、ゲームオブジェクトの行動変更操作を入力する。行動変更操作は、「もしも」の世界を構成するためのプレイ操作入力であって、操作入力可能な選択肢は、オリジナルのゲームプレイと同じである。
図5の例では、武器へ雷特性を付加する魔法の詠唱の操作入力が、行動変更操作として実況ユーザ2jにより行われている。
【0079】
行動変更操作が入力されると、巻き戻された時点から時間進行が再開するとともにオリジナルのゲームプレイではなかった操作入力(行動変更操作)が適用される。サーバシステム1100は、コピーされた仮想3次元空間において、巻き戻し時点でオリジナルのゲームプレイで実行中とされる制御を中断し、行動変更操作に基づく制御に置き換え実行する。結果、コピーされた仮想3次元空間では、実況ユーザ2jが「もしも」と思った世界が展開される。実況動画を俯瞰視すれば、こうした仮想プレイに基づいて再現されたゲームプレイは、実況動画の再生を一時停止して、実況動画の再生途中に差し込まれた格好となる。
【0080】
そして、実況ユーザ2jが、所定の仮想プレイの終了操作を入力すると、サーバシステム1100は、コピーした仮想3次元空間を破棄し、元のモニター用の仮想3次元空間に基づく映像の生成に戻る。こうした仮想プレイ操作に係る制御を実現するためのデータは、実況データ740の一部として記録管理される。
【0081】
図4に戻って、また、サーバシステム1100は、実況付加と実況ユーザ2jについての情報、例えば、実況日時、実況ユーザのユーザアカウント、などのメタデータを、実況データ740の一部として記録管理する。
【0082】
こうした実況付加の作業により作成された実況データ740は、実況付加の対象とされた映像のオリジナルデータ710と対応づけられ、改変再現データ760を構成する要素となる。換言すると、改変再現データ760は、オリジナルプレイ動画として再現される再現プレイに改変を加えた改変再現プレイを再現することが可能なデータ群であって、実況が付与されたゲームプレイ(第1改変再現プレイ)中の仮想3次元空間を再構築することが可能なデータ(第1改変再現データ)である。
【0083】
図6は、実況動画の公開登録について説明するための図である。
実況付加の終了後、ユーザ端末1500jにて所定の公開登録操作の入力がなされたならば、サーバシステム1100は、サムネイル作成用に仮想3次元空間を用意し、改変されたゲームプレイを改変再現データ760に基づいて再現して、実況動画のサムネイルを作成する。そして、新たな実況動画として公開登録する。
【0084】
実況動画を公開登録すると、動画視聴を希望するユーザには、実況動画のサムネイルと、オリジナルデータ710のメタデータと、実況データ740の実況付加に関するメタデータとの内容が提供され、どの動画を視聴するかの選択や検索に利用される。そして、ユーザ2は、視聴ユーザとなって、公開されているオリジナルプレイ動画や、その実況動画(改変再現プレイ動画)を視聴することができる。
【0085】
図7は、公開動画の視聴について説明するための図である。視聴ユーザ(
図7の例では、ユーザ2a)は、ユーザ端末1500(
図7の例では、ユーザ端末1500a)を使用し、所定の視聴リクエスト操作を行う。すると、視聴ユーザ2aのユーザ端末1500aは、所定の視聴リクエストをサーバシステム1100へ送信するので、サーバシステム1100は、当該リクエストを要求したユーザ端末1500aにて、視聴対象とする動画の選択操作の受け付けを開始する。
【0086】
視聴対象の動画(視聴動画)が選択されると、サーバシステム1100は、視聴動画の生成のために視聴用の仮想3次元空間を用意して、視聴動画の改変再現データ760を参照して、当該仮想3次元空間にオブジェクトと仮想カメラとを配置・制御する。
【0087】
視聴動画が、オリジナルプレイ動画であれば、視聴用の仮想3次元空間に配置されるオブジェクトはゲームオブジェクトのみであるし、配置される仮想カメラは、オリジナルカメラCM0のみとなる。視聴動画が、実況動画であれば、配置されるオブジェクトはゲームオブジェクトに、アバター7などの実況オブジェクトが追加される。また、配置される仮想カメラはオリジナルカメラCM0に追加カメラCM1が加わることになる。
【0088】
視聴動画の生成の基準となる視点は、追加カメラCM1がある場合には、オリジナルカメラCM0より優先される。つまり、視聴動画が実況動画である場合には、実況付加で追加された新たな視点からら見た視聴用の仮想3次元空間の画像が、視聴ユーザのユーザ端末1500aにて表示されることになる。
【0089】
従来の実況動画では、アバター7の画像は、ゲームプレイ動画の上に(手前側に)、スーパーインポーズのように合成されるに過ぎなかった。ゲームプレイ動画と、アバター7とは、あからさまに別別の世界に存在して見えるのが従来の実況動画であった。
【0090】
しかし、本実施形態では、視聴動画が実況動画であれば、オリジナルのゲームプレイのゲーム世界の中にアバター7が追加される。従来の実況動画と本実施形態の実況動画とでは、視聴ユーザ(ユーザ2a)が見て感じる「臨場感」の違いは明らかであり、視聴ユーザ(ユーザ2a)は、従来よりもプレーヤや実況ユーザとの共有感をより高めることとなる。
【0091】
また、新たに追加された視点(追加カメラCM1)に基づいて生成される実況動画は、オリジナルプレイ動画の内容を引き継いでいながら、実況ユーザの主張や演出意図に基づくカメラワークが付けられた動画となる。これにより、オリジナルプレイ動画の2次著作としての意義が高まる。実況ユーザにとってみれば、創作範囲が従来の実況動画の作成よりも遥かに広がることを意味する。視聴ユーザにとっても、同じ出来事を別視点から見ることができるので、エンターテイメントとしての価値が上がることになる。
【0092】
さて、視聴ユーザ(ユーザ2a)は、動画の視聴に合わせて、視聴者アクションを行うことができる。「視聴者アクション」は、視聴ユーザが視聴に伴って抱いた感情を、その動画に反映させ、他の視聴ユーザへ向けて発信する行為である。例えば、動画の内容への共感や、称賛、講義、喜怒哀楽、などを表現する行為である。
【0093】
本実施形態では、視聴者アクションには、「投げ銭」行為が含まれる。「投げ銭」とは、称賛や共感、応援を意味する行為である。具体的には視聴ユーザ(ユーザ2a)が予めオンラインショッピングなどで入手した投げ銭アイテム8を、視聴動画の関係者(オリジナルプレイ動画のプレーヤや、実況動画の実況ユーザ)へ譲渡する行為であるとも言える。
【0094】
視聴ユーザが所定の投げ銭操作入力をすると、サーバシステム1100が、操作入力された投げ銭アイテム8のオブジェクト(視聴者アクションオブジェクト;ゲームプレイに存在しなかった視聴ユーザ由来のオブジェクト)を、視聴用の仮想3次元空間に出現させて移動させる。あたかも仮想3次元空間に投入されたかのように扱うのである。出現した投げ銭アイテム8は、視聴用の仮想3次元空間に留まり、所定の消滅条件(例えば、停止後に所定時間が経過し場合や、他のゲームオブジェクトにヒットした場合、など)が満たされると消滅し、当該投げ銭アイテムは視聴動画の関係者に譲渡される。投げ銭を実現するためのデータ(例えば、指定された投げ銭アイテム8の種類、投入数、投入位置、投入方向、投入力、など)は、視聴者アクションデータ790に含めて記憶される。
【0095】
また、視聴者アクションには、コメントの投稿が含まれる。コメントの投稿は、テキストでもよいし音声でもよい。コメントをテキスト表示で行う場合は、コメントテキストを表示するための実況オブジェクト(コメントオブジェクト)が新たに追加され、それを実現するためのデータ(例えば、実況オブジェクトの種類、コメントテキスト、出現位置、移動経路、など)は、視聴者アクションデータ790に含めて記憶される。コメントを音声で行う場合は、コメントの音声データが、視聴者アクションデータ790に含めて記憶される。
【0096】
なお、視聴者アクションに、新たな視点(新たな追加カメラ)の設定を含める構成も可能である。その場合、新たな視点の追加を実行するための情報(例えば、配置位置、姿勢、撮影画角の設定、フィルターの設定、配置後の移動パターン、など)は、視聴者アクションデータ790に含めて記憶される。
【0097】
そして、視聴者アクションデータ790は、視聴動画のオリジナルデータ710と紐付けられ、それ以降は当該視聴動画の改変再現データ760を構成する一部となる。これにより、視聴動画の改変再現データ760は、視聴に伴って改変されたこととなる。よって、視聴を経ることで更に改変された改変再現データ760は、視聴者オブジェクトが付加されたゲームプレイ(第2改変再現プレイ)中の仮想3次元空間を再構築することが可能なデータ(第2改変再現データ)となる。
【0098】
図8は、動画視聴後の処理について説明するための図である。動画の視聴が終了すると、サーバシステム1100は、サムネイル更新用に仮想3次元空間を用意し、今回改変された結果である改変再現データ760に基づいて、改変されたゲームプレイを再現して視聴動画およびサムネイルを生成し、視聴動画の登録情報を更新する。
【0099】
そして、サーバシステム1100は、視聴ユーザ(ユーザ2a)と、視聴動画の関係者にユーザポイントを付与する。「ユーザポイント」は、プレイデータコミュニティシステム1000の登録ユーザ別に設定・管理されるポイントである。ユーザポイントは、特典の付与の判定などに用いられる。
【0100】
このように、実況ユーザによるオリジナルプレイ動画への実況付加や、視聴ユーザによる視聴者アクションを行った結果は、視聴用の仮想3次元空間への新たなオブジェクトの追加、新たな視点の追加、新たな音声の追加、の何れかの形で反映されることになる。
【0101】
図9は、別の視聴ユーザ(ユーザ2b)が、
図7の視聴ユーザ(ユーザ2a)の視聴後(投げ銭アイテムが消滅する前)に同じ動画を視聴して視聴者アクションを行った場合を示している。別の視聴ユーザ(ユーザ2b)が視聴する動画を選択する時点では、
図7の視聴ユーザ(ユーザ2a)の視聴に伴って改変された改変再現データ760には、視聴ユーザ(ユーザ2a)の視聴に伴って作成された視聴者アクションデータ790が含まれている。
【0102】
よって、別の視聴ユーザ(ユーザ2b)が視聴する動画を生成するために用意される視聴用の仮想3次元空間には、アバター7が配置されるし、視聴者アクションデータ790に基づく視聴者アクションオブジェクト(投げ銭アイテム8(8a))が残っている。
【0103】
従来の実況動画では、投げ銭アイテムの画像は、ゲームプレイ動画の上(手間側)に、スーパーインポーズのように合成され、一種の字幕のような扱いに過ぎなかった。しかし、本実施形態では、視聴動画が実況動画であれば、オリジナルのゲームプレイでは存在しなかった投げ銭アイテム8(8a)が、ゲームプレイを再現している世界に存在することになる。従来と、本実施形態での実況動画とでは、視聴ユーザが見て感じる「臨場感」の違いは明らかであり、別の視聴ユーザ(ユーザ2a)は、先の視聴ユーザ(ユーザ2a)、プレーヤ、実況ユーザとの共有感をより高めることとなる。
【0104】
そして勿論、別の視聴ユーザ(ユーザ2b)も、独自に視聴者アクションをすることができる。
図9の例では、1つ目の視聴者アクションとして、人参の投げ銭アイテム8(8b)を指定して投げ銭をしている。この人参のオブジェクト(視聴者アクションオブジェクト)もまた、外部から投入されたかのようにして視聴用の仮想3次元空間に出現・移動表示される。それを実現するためのデータは、新たな視聴者アクションデータ790として記録される。そして、新たな視聴者アクションデータ790は、視聴動画のオリジナルデータ710と紐付けされる。これにより、視聴動画の改変再現データ760は、改変されて、新たな視聴者アクションデータ790はその一部を構成することとなる。
【0105】
また、
図9の例では、別の視聴ユーザ(ユーザ2b)は、2つ目の視聴者アクションとして、コメントを投稿している。コメントは、当該視聴ユーザのアバター7bとともにコメントオブジェクト10bで表示される。視聴ユーザのコメントオブジェクト10bも、実況ユーザのコメントオブジェクト10(
図4参照)と同様に制御される。なお、アバター7bの追加配置を省略して、コメントオブジェクト10bのみを追加配置するとしてもよい。
【0106】
別の視聴ユーザ(ユーザ2b)が、視聴を終了すると、
図10に示すように、サーバシステム1100は、サムネイル更新用に仮想3次元空間を用意し、今回改変された結果である改変再現データ760に基づいて改変されたゲームプレイを再現して動画を作成する。そして、これからサムネイルを生成し、視聴動画の登録情報を更新する。そして、サーバシステム1100は、別の視聴ユーザ(ユーザ2b)と、視聴動画の関係者にユーザポイントを付与する。
【0107】
この様に、公開されているオリジナルプレイ動画には、実況ユーザによる実況の付加や、視聴ユーザによる視聴行為の影響が蓄積されてゆく。また、同じオリジナルプレイ動画に対して異なる実況ユーザがそれぞれに実況を付加すると、公開登録上は別の実況動画として登録される。しかし、当該オリジナルプレイ動画のオリジナルデータ710には、それぞれの実況データ740が紐付けられており、いつでも参照できる状態に管理されている。これは、1つのオリジナルプレイ動画という素材を、どのような形で楽しむかの選択肢がどんどん増えることを意味する。オリジナルプレイ動画を素材とした様々なバージョンを視聴できるようになると言い換えることができる。
【0108】
本実施形態では、視聴ユーザのユーザ端末1500では、視聴開始前に、どのバージョンの動画を視聴するかを選択できる。
具体的には、視聴ユーザのユーザ端末1500では、デフォルトの設定では、視聴対象として選択した動画(オリジナルプレイ動画または実況動画)のゲームプレイが再現されて視聴動画として表示される。しかし、視聴ユーザのユーザ端末1500にて所定の視聴設定開始操作を入力すると、
図11に示すように視聴設定画面W11が表示され、視聴動画の再現プレイを再現する際に適用される実況音声や、カメラワーク、視聴者アクションをユーザ指定できるようになる。
【0109】
視聴設定画面W11は、サムネイル画像20と、音声指定部22と、カメラワーク指定部24と、第1視聴者アクション指定部26と、第2視聴者アクション指定部27と、を含む。
【0110】
サーバシステム1100は、視聴ユーザのユーザ端末1500にて所定の視聴設定開始操作を検出すると、視聴動画の改変再現データ760の実況データ740毎の実況音声を、音声指定部22にて選択肢としてユーザ選択可能に提示する。それぞれの選択肢名には、それぞれの実況データ740のメタデータに含まれる実況ユーザのアカウント名を表示すると好適である。
【0111】
同様にして、サーバシステム1100は、カメラワーク指定部24にて、実況データ740別に選択肢をユーザ選択可能に提示する。
【0112】
同様にして、サーバシステム1100は、第1視聴者アクション指定部26では、改変再現データ760の視聴者アクションデータ790別に、投げ銭アイテム8(
図7、
図9参照)の表示に係る選択肢をユーザ選択可能に提示する。また、サーバシステム1100は、第2視聴者アクション指定部27では、改変再現データ760の視聴者アクションデータ790別に、視聴ユーザによるコメントオブジェクト10(
図4、
図9参照)の表示に係る選択肢をユーザ選択可能に提示する。更に、サーバシステム1100は、第2視聴者アクション指定部28では、改変再現データ760の視聴者アクションデータ790別に、音声重畳する視聴ユーザの音声の選択肢をユーザ選択可能に提示する。
【0113】
視聴ユーザが、これらの指定部にて指定操作して、所定の適用操作を入力すると、サーバシステム1100は、カメラワーク指定部24での選択に該当する実況データ740に基づいて、アバター7と追加カメラを視聴用の仮想3次元空間に配置し制御する。また、音声指定部22での選択に該当する実況データ740の実況音声を、オリジナルのゲームプレイの音声に音声重畳制御する。また、第1視聴者アクション指定部26での選択に該当する視聴者アクションデータ790のうち投げ銭に係る視聴者アクションオブジェクトを視聴用の仮想3次元空間に配置し制御し、第2視聴者アクション指定部27での選択に該当する視聴者のコメントオブジェクト10を視聴用の仮想3次元空間に配置し制御する。また、第3視聴者アクション指定部28での選択に該当する視聴ツーザの音声の音声重畳の制御をする。
【0114】
また、上述のように、オリジナルのゲームプレイを構成するゲームオブジェクトに、実況ユーザが実況を付加する毎に新たなアバター7の実況オブジェクトが追加され、視聴ユーザが視聴者アクションをする毎に新たな視聴者アクションオブジェクトが追加される。そこで、こうした新たなオブジェクトの追加を利用して、本実施形態では臨場感をより高めるために、サーバシステム1100がリアクションの自動制御を行う。
【0115】
図12は、ゲームオブジェクトのリアクションの自動制御について説明するための図である。ゲームオブジェクト(
図12の例では、敵キャラクタ6のオブジェクト)には、それぞれリアクションを発動させるための要件を記述したリアクション発動要件が設定されている。そして、当該要件が満たされると、サーバシステム1100は、モニター用の仮想3次元空間や視聴用の仮想3次元空間において、満たされた要件に対応づけられている所定のリアクションを自動実行する。
【0116】
図12の例では、ゲームにおける敵キャラクタ6と、実況ユーザのアバター7が存在し、実況音声で当該敵キャラクタの弱点に言及している。敵キャラクタ6のリアクション発動要件には、「アバター7が所定範囲に存在する」且つ「弱点に言及する単語が音声認識された」が設定されている。結果、アバター7が接近した状態で、実況ユーザが弱点に言及すると、サーバシステム1100は、敵キャラクタ6がアバター7に「余計なことを言うな」の意味合いのリアクションを自動実行している。
【0117】
このように、リアクションの設定と実行により、オリジナルのゲームプレイに存在しない実況オブジェクトが追加されるだけでなく、ゲームオブジェクトと実況オブジェクトとの相互作用を、オリジナルのゲームプレイでは無かったゲームオブジェクトの行動という形で追加できる。よって、実況ユーザや視聴ユーザが、プレーヤがゲームプレイしていたゲーム空間内の現場に居合わせているような臨場感を感じることができる。
【0118】
勿論、ゲームオブジェクトの実況オブジェクトへのリアクション、言い換えると、ゲームオブジェクトと実況オブジェクトとの相互作用は、
図12の例に限らない。例えば、実況オブジェクトとして、視聴ユーザが、注目箇所を明示するための実況オブジェクト(例えば、矢印オブジェクトや、円環オブジェクト)を仮想3次元空間内に浮遊させて追加できる構成であれば、ゲームオブジェクトがそれらの矢印オブジェクトや円環オブジェクトに接触したことをリアクション発動要件として、あたかも接触による反力が生じているかのようなリアクションを設定することもできる。
【0119】
図13は、実況オブジェクトとのリアクションの自動制御について説明するための図である。実況オブジェクト(
図13の例ではアバター7)には、それぞれリアクションを発動させるための要件を記述したリアクション発動要件が設定されている。そして、当該要件が満たされると、サーバシステム1100は、満たされた要件に対応づけられている所定のリアクションを自動実行する。
【0120】
図13の例では、アバター7に、「所定種の投げ銭アイテム8が新規追加」且つ「投げ銭アイテム8が所定範囲に接近」をリアクション発動要件としている。そして、それにより発動されるリアクションとして、投げ銭した視聴ユーザへ、投げ銭を認識したこと、投げ銭を感謝していること、を示すリアクションが設定されている。
【0121】
また、視聴ユーザの行動が、再現されているゲームプレイは勿論、視聴動画を通じて関連する他ユーザへも影響を及ぼしていることを、視聴ユーザに更に明確に感じさせるために、本実施形態では、リアクションに含む形で、ユーザポイントと、再現されているゲームプレイへの視聴ユーザ情報の反映を行う。
【0122】
具体的には、視聴者アクションに係るポイント付与要件と、当該要件が満たされた場合に付与するポイントと、を予め設定しておく。「ポイント付与要件」には、例えば、投げ銭の実行や、視聴ユーザによる今回視聴における投げ銭の合計回数、特別種の投げ銭アイテム8の投げ銭、などを設定する。そして、サーバシステム1100は、満たされたポイント付与要件に対応して設定されているユーザポイントを、視聴動画の関係ユーザ(
図13の例では、プレーヤ(ユーザ2p)、実況ユーザ(ユーザ2j)、視聴ユーザ(ユーザ2a))に付与する。勿論、付与される関係ユーザは、適宜設定可能である。
【0123】
また、視聴者アクションに係る視聴者名表示要件を予め設定しておく。「視聴者名表示要件」は、例えば、視聴ユーザによる今回視聴における投げ銭の合計回数、視聴ユーザによる過去から今回までの全視聴における投げ銭の合計回数、当該視聴動画における投げ銭の合計回数、投げ銭頻度、投げ銭の合計額、などに基づいて要件を設定することができる。そして、サーバシステム1100は、視聴者名表示要件が満たされると、視聴ユーザのアカウント名を、再現中のゲームプレイ内にて表示する。本実施形態では、アバター7にアカウント名を表示する表示オブジェクト30を添付する。或いは、アバター7の外観テクスチャにアカウント名のテキストを合成して適用するとしてもよい。
【0124】
次に、プレイデータコミュニティシステム1000の機能構成について説明する。
図14は、サーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。
サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0125】
操作入力部100sは、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段である。
図1のキーボード1106がこれに該当する。
【0126】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500などから受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
【0127】
そして、サーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、ゲーム管理部210と、オリジナルデータ生成登録部212と、公開登録部214と、実況付加管理部220と、視聴管理部230と、選択再生出力制御部240と、投稿制御部242と、特典付与部244と、音声認識部246と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0128】
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理及びユーザアカウントに紐付けられる各ユーザのデータの管理を行う。本実施形態では、ユーザ管理部202は、1)登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与と、2)ユーザアカウント別に個人情報(例えば、アカウント名)を登録管理する登録情報管理と、3)課金要素(本実施形態ではオンラインショッピングとプレイ対価など)の支払いで消費される電子決済媒体の帳簿管理と、4)ゲームプレイするためのログイン及びログアウトの履歴等を管理するプレイ履歴管理と、5)ゲームセーブデータの管理と、の各機能を有する。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理機能も適宜含めることができる。
【0129】
オンラインショッピング管理部204は、オンラインショッピングに関する制御を担う。公知のオンラインショッピング技術を適宜利用して実現できる。本実施形態では、プレーヤは、オンラインショッピングによって、プレーヤキャラクタ4や、各種アイテム(投げ銭アイテム8など)、を購入することができる。オンラインショッピングにおける販売対象は、これら以外にも適宜設定可能である。
【0130】
ゲーム管理部210は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。よって、ゲーム管理部210は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。ゲーム管理部210は、プレイデータ700を管理する。
【0131】
オリジナルデータ生成登録部212は、ユーザ端末1500でゲームプレイを行ったデータに基づいてオリジナルデータ710(
図3参照)を生成してサーバ記憶部500s(オリジナルデータ記憶手段)に記憶させる。
【0132】
公開登録部214は、登録ユーザ向けに動画を視聴可能に登録する制御を行う。公開登録部214は、登録される動画のサムネイルの生成も行う。
【0133】
実況付加管理部220は、実況付加に関する制御を行う(
図4参照)。そして、実況付加管理部220は、第1再現ゲーム進行制御部222を有し、第1改変再現データ生成部224と、第2改変再現データ生成部226して機能する。
【0134】
第1再現ゲーム進行制御部222は、実況付加に伴う再現プレイを再生するためのゲーム進行制御を行う。通常、実況動画は、オリジナルプレイ動画をベースにして作成するので、第1再現ゲーム進行制御部222は、実況付加対象の動画が、オリジナルプレイ動画の場合は、オリジナルデータ710に基づいてモニター用の仮想3次元空間にオブジェクトと仮想カメラとを配置・制御して、モニター映像の生成に係る制御を行う。
【0135】
そして、第1再現ゲーム進行制御部222は、再現プレイにおいてコンピュータ制御オブジェクトを自動制御する。いわゆる、NPC(ノンプレイアブルキャラクタ)の自動制御である。本実施形態では敵キャラクタ6のオリジナルのゲームプレイに基づく自動制御がこれに該当する。また、NPCのリアクションの制御もこれに該当する(
図12、
図13参照)。
【0136】
そして、実況付加管理部220は、実況付加操作に基づいて、実況データ740を作成し、実況動画を再現するための改変再現データ760を生成する。その際、実況付加対象がオリジナルプレイ動画である場合、実況付加管理部220は、第1改変再現データ生成部224として機能する。
【0137】
第1改変再現データ生成部224は、1)オリジナルデータ710に基づいてオリジナルのゲームプレイを再現することで第1ユーザ端末(この場合、実況ユーザのユーザ端末)から再生出力させる第1端末再生出力制御と、2)オリジナルのゲームプレイに存在しなかった、第1オブジェクト(この場合、実況オブジェクト)を第1ユーザ端末の操作入力に基づいて登場させる第1オブジェクト登場制御、第1ユーザ端末の操作入力に基づいて第1コメントオブジェクトを出現させる第1コメントオブジェクト出現制御、第1ユーザ端末から入力された第1音声(この場合、実況音声)をオリジナルのゲームプレイに重畳させる第1音声重畳制御、および、画像生成の基準となる第1視点(この場合、追加カメラCM1)を第1ユーザ端末の操作入力に基づいて設定する第1視点設定制御、のうちの少なくとも1つと、を行ってオリジナルのゲームプレイの再現プレイに改変を加えた第1改変再現プレイを再現することが可能な第1改変再現データ(改変再現データ760)を生成する。
【0138】
また、第1改変再現データ生成部224は、第1端末再生出力制御において第1ユーザ端末の操作入力に基づいて再生スピードを設定し、当該再生スピードの設定を第1改変再現データに含めて生成する。
【0139】
また、第1改変再現データ生成部224は、第1端末再生出力制御において第1ユーザ端末の操作入力に基づいてリプレイ再生を設定し、当該リプレイ再生の設定を第1改変再現データに含めて生成する。
【0140】
また、第1改変再現データ生成部224は、第1端末再生出力制御において、第1ユーザ端末の操作入力に基づく脚色を設定した再現プレイを第1再現ゲーム進行制御部222に再生させ、当該脚色の設定を第1改変再現データに含めて生成する。具体的には、第1改変再現データ生成部224は、第1ユーザ端末の操作入力に基づいて、再現プレイにおいて自動制御されるコンピュータ制御オブジェクトに影響を与える脚色を設定する。
【0141】
本実施形態で言う所の「仮想プレイ」による「もしも」のゲームプレイの再現制御が脚色に該当する(
図5参照)。また、リアクションの実行により、オリジナルのゲームプレイでは無かった制御が含まれる場合も、脚色に該当する(
図12、
図13参照)。
【0142】
また、第1改変再現データ生成部224は、第1ユーザ端末の操作入力に基づいて第1コメントオブジェクトを出現させる制御を行う。
【0143】
改変再現データ760を生成する際、オリジナルプレイ動画から改変された動画(例えば、実況動画や、実況者オブジェクトが付加された実況動画)である場合、実況付加管理部220は、第2改変再現データ生成部226として機能する。
【0144】
第2改変再現データ生成部226は、a)第1改変再現データに基づいて第1改変再現プレイを再現することで第2ユーザ端末(例えば、実況動画に対して実況を付加しようとする実況ユーザのユーザ端末)から再生出力させる第2端末再生出力制御と、b)第1改変再現プレイに存在しなかった第2オブジェクト(例えば、実況付加対象の実況動画に登場しない新たな実況オブジェクト)を第2ユーザ端末の操作入力に基づいて登場させる第2オブジェクト登場制御、第2ユーザ端末の操作入力に基づいて第2コメントオブジェクトを出現させる第2コメントオブジェクト出現制御、第2ユーザ端末から入力された第2音声(例えば、実況付加対象の動画の実況動画にコメントの音声)を第1改変再現プレイに重畳させる第2音声重畳制御、および、画像生成の基準となる第2視点(例えば、実況付加対象の実況動画に無い新たな追加カメラ)を第2ユーザ端末の操作入力に基づいて設定する第2視点設定制御、のうちの少なくとも1つと、を行って第1改変再現プレイに改変を加えた第2改変再現プレイを再現することが可能な第2改変再現データを生成する。
【0145】
また、第2改変再現データ生成部226は、第2端末再生出力制御において第2ユーザ端末の操作入力に基づいて再生スピードを設定し、当該再生スピードの設定を第2改変再現データに含めて生成する。
【0146】
また、第2改変再現データ生成部226は、第2端末再生出力制御において第2ユーザ端末の操作入力に基づいてリプレイ再生を設定し、当該リプレイ再生の設定を第2改変再現データに含めて生成する。
【0147】
また、第2改変再現データ生成部226は、第2端末再生出力制御において、第2ユーザ端末の操作入力に基づく脚色を設定した再現プレイを第1再現ゲーム進行制御部222に再生させ、当該脚色の設定を第2改変再現データに含めて生成する。具体的には、第2改変再現データ生成部226は、第2ユーザ端末の操作入力に基づいて、再現プレイにおいて自動制御されるコンピュータ制御オブジェクトに影響を与える脚色を設定する。
【0148】
また、第2改変再現データ生成部226は、第2ユーザ端末の操作入力に基づいて第2コメントオブジェクトを出現させる制御を行う。
【0149】
視聴管理部230は、登録ユーザ向けに公開されている動画をユーザ端末1500にて視聴させるための制御を行う(
図7、
図9参照)。そして、視聴管理部230は、第2再現ゲーム進行制御部232、を有する。
【0150】
第2再現ゲーム進行制御部232は、視聴動画における再現プレイを再生するためのゲーム進行制御を行う。通常、視聴動画がオリジナルプレイ動画であれば、第2再現ゲーム進行制御部232は、オリジナルデータ710に基づいて視聴用の仮想3次元空間にゲームオブジェクトとオリジナルカメラとを配置・制御して、視聴用の映像の生成に係る制御を行う。視聴動画が実況動画であれば、改変再現データ760に基づいて視聴用の仮想3次元空間にゲームオブジェクトと、実況オブジェクトと、オリジナルカメラCM0と、追加カメラCM1とを配置・制御して、視聴用の映像の生成に係る制御を行う。
【0151】
そして、視聴管理部230は、視聴者アクション操作に基づいて、視聴者アクションデータ790を作成し、視聴対象動画に視聴者アクションが付加されたゲームプレイを再現するための改変再現データ760を生成する(
図7、
図9参照)。
【0152】
選択再生出力制御部240は、ゲームプレイ、第1改変再現プレイ、および、第2改変再現プレイを第3ユーザ端末(この場合、視聴ユーザのユーザ端末)に選択可能に提示し、プレイを再現することで第3ユーザ端末から再生出力させる制御を行う。本実施形態では、視聴設定画面W11(
図11参照)の表示制御と、当該選択画面における視聴ユーザの選択操作に基づく視聴用の仮想3次元空間へ配置するオブジェクトや仮想カメラの配置および制御、当該選択画面における視聴ユーザの選択操作に基づく音声重畳制御、がこれに該当する。
【0153】
すなわち、選択再生出力制御部240は、デフォルトとして、オリジナルのゲームプレイを第3ユーザ端末から再生出力させる場合には、オリジナル視点から見たゲームプレイの映像を第3ユーザ端末から出力させ、第1改変再現プレイを第3ユーザ端末から再生出力させる場合には、第1視点から見た第1改変再現プレイの映像を第3ユーザ端末から出力させ、第2改変再現プレイを第3ユーザ端末から出力させる場合には、第2視点から見た第2改変再現プレイの映像を第3ユーザ端末から出力させる。
【0154】
視聴ユーザのユーザ端末1500にて所定の視聴設定開始操作の入力を検出すると選択再生出力制御部240は、オリジナル視点、第1視点、および、第2視点を第3ユーザ端末に選択可能に提示し、選択視点から選択プレイを見た映像を第3ユーザ端末から出力させる制御を行う。
【0155】
また、選択再生出力制御部240は、視聴設定開始操作の入力を検出すると、第1音声、および、第2音声を第3ユーザ端末に選択可能に提示し、選択プレイを再現する際の音声を選択音声として第3ユーザ端末から出力させる制御を行う。
【0156】
また、選択再生出力制御部240は、第1コメントオブジェクト、および、第2コメントオブジェクトを第3ユーザ端末に選択可能に提示し、第3ユーザ端末の選択操作に基づいて選択されたコメントオブジェクトを、選択プレイを再現する際に出現させる制御を行う。
【0157】
投稿制御部242は、第1改変再現データに基づいて第1改変再現プレイを再現した動画、及び/又は、第2改変再現データに基づいて第2改変再現プレイを再現した動画、を所定の動画サイトへ自動投稿する制御を行う。
【0158】
特典付与部244は、少なくとも改変再現データ760の生成に伴ってユーザに設定されているパラメータ値(本実施形態で言う所の「ユーザポイント」)を変更し、当該パラメータ値に基づいて、当該ユーザに所与の特典を付与する。
【0159】
音声認識部246は、音声認識処理を実行して、認識した単語の情報を出力する。本実施形態では、実況音声の音声認識に用いる。
【0160】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0161】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理やゲームプレイ、実況付加、動画視聴に係る操作音やBGMなどの音声データを生成或いはデコードする。また、音生成部290sは、複数の音声を重畳合成する音声重畳制御を実行する。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
【0162】
音出力部390sは、入力された音声信号で放音する。
図1の例では本体装置やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0163】
画像生成部292sは、画像の生成、画像の合成、画像表示部392sにそれらを表示させる画像信号の出力を行う。本実施形態では、サーバシステム1100のシステム管理に関する画像や、ゲーム画像(又はゲーム画像をユーザ端末1500で表示させるためのデータ)、などの各種の画像・映像を生成する機能の一部を担う。例えば、画像生成部292sは、仮想3次元空間に設置された仮想カメラで撮影した画像のレンダリングなどを行う。
【0164】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0165】
通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信装置1153が該当する。
【0166】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例では本体装置が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体、及びストレージ1140がこれに該当する。
【0167】
図15は、本実施形態におけるサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用クライアントプログラム503と、ゲーム初期設定データ510と、実況オブジェクト用のオブジェクト定義データ520Bと、視聴者アクションオブジェクト用のオブジェクト定義データ520Cと、音声認識辞書データ554と、特典定義データ556と、を記憶する。
【0168】
また、サーバ記憶部500sは、逐次生成・管理されるデータとして、ユーザ管理データ600と、プレイデータ700と、オリジナルデータ710と、公開管理データ720と、実況付加管理データ730と、改変再現データ760と、視聴管理データ780と、現在日時900と、を含む。勿論、サーバ記憶部500sは、その他のプログラムやデータ(例えばタイマや、カウンタ、各種フラグなど)も適宜記憶できる。
【0169】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ユーザ管理部202~音声認識部246(
図14参照)としての機能を実現させるためのプログラムである。
【0170】
配信用クライアントプログラム503は、ユーザ端末1500へ提供されるクライアントプログラムのオリジナルである。本実施形態では、1つの配信用クライアントプログラム503に、ユーザ端末1500にてオンラインゲームを実行させるための配信用ゲームクライアントプログラム503aと、ユーザ端末1500を実況付加作業のための端末として機能させるための配信用実況クライアントプログラム503bと、ユーザ端末1500を動画視聴のための端末として機能させるための配信用視聴クライアントプログラム503cと、を含む。これらは、別々にユーザ端末1500へ配信されるとしてもよい。
【0171】
ゲーム初期設定データ510は、オンラインゲームの実行に必要な各種初期設定データを含む。例えば、ゲーム初期設定データ510は、ゲームオブジェクト用のオブジェクト定義データ520Aを含んでいる。ゲームオブジェクト用のオブジェクト定義データ520Aは、ゲームオブジェクト(プレーヤキャラクタ4、敵キャラクタ6、その他のNPCオブジェクト、景観オブジェクトなど)の種類毎に用意され、当該オブジェクトに係る各種情報を格納する。
【0172】
実況オブジェクト用のオブジェクト定義データ520Bは、実況オブジェクトの種類毎に用意され、当該オブジェクトに係る各種情報を格納する。
視聴者アクションオブジェクト用のオブジェクト定義データ520Cは、視聴者アクションオブジェクトの種類毎に用意され、当該オブジェクトに係る各種情報を格納する。
【0173】
ゲームオブジェクト用のオブジェクト定義データ520Aと、実況オブジェクト用のオブジェクト定義データ520Bと、視聴者アクションオブジェクト用のオブジェクト定義データ520Cとは、例えば
図16に示すようなデータ構成を有する。
【0174】
すなわち、オブジェクト定義データ520(520A,520B,520C,520D)は、固有のオブジェクトID521と、当該定義データがゲームオブジェクト/実況オブジェクト/視聴者アクションオブジェクトの何れであるかを示すオブジェクトカテゴリ522と、オブジェクト種類523と、モデルデータ524と、動作パターン定義データ526と、リアクション定義データ530と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0175】
動作パターン定義データ526は、当該オブジェクトの動作パターン毎に用意される。特に、実況オブジェクト用のオブジェクト定義データ520Bにおける動作パターン定義データ526は、
図16に示すように、固有のパターンID526aと対応付けて、操作入力コマンド526bと、モーションデータ526cとを対応付けて格納する。
【0176】
操作入力コマンド526bは、操作をコマンド入力方式とするならば操作アイコンや操作ボタンの入力パターンとし、音声入力方式とするならば音声認識のキーワードとし、モーション入力方式とするならばモーションパターンとする。
【0177】
リアクション定義データ530は、リアクション(
図12、
図13参照)の内容毎に用意され、当該リアクションに係る各種設定データを格納する。1つのリアクション定義データ530は、例えば固有のリアクションパターンID531と、リアクション発動要件532と、リアクション内容データ533と、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0178】
リアクション発動要件532は、当該定義データのリアクションを発動させるために満たすべき条件を記述している。例えば、リアクション発動要件532は、オブジェクト位置条件532a、音声認識条件532b、視聴者アクション条件532c、などを用いて記述される。
【0179】
オブジェクト位置条件532aは、対象とするオブジェクト種類の組み合わせと、オブジェクト同士の位置関係に関する範囲と、を含む。これにより、例えば、「アバター7が敵キャラクタ6に近づいた」場合に発動するリアクションや、「新たに出現した投げ銭アイテム8がアバター7に当たった」場合に発動するリアクションを定義できる。
【0180】
音声認識条件532bは、音声認識の結果についての条件である。例えば、敵キャラクタ6の弱点のキーワードを設定すれば、実況音声で弱点についての言及があった場合に発動するリアクションを定義できる。
【0181】
視聴者アクション条件532cは、視聴者アクションの種類や内容についての条件である。例えば、動画視聴に係る視聴者アクションの合計が所定数に達した場合に発動するリアクションや、特定の視聴者アクション(例えば、特定種の投げ銭アイテム8の投げ銭)が実行されると発動するリアクションを定義できる。
【0182】
リアクション内容データ533は、リアクションを実現するのに必要な情報を格納する。例えば、リアクション内容データ533は、リアクションが動作であればモーションデータを格納し、リアクションがユーザポイントの付与であれば、プレーヤ/実況ユーザ/視聴ユーザの誰にどれだけユーザポイントを付与するかを決定するための情報を格納する。
【0183】
図15に戻って、特典定義データ556は、特典の内容毎に用意される。1つの特典定義データ556は、付与要件と、当該条件を満たした場合に付与される特典内容と、を対応づけて格納する。付与要件は、ユーザに設定されているパラメータ値の閾値や範囲で定義できる。例えば、ユーザポイントの範囲、ユーザレベルの閾値、などとすることができる。また、付与要件の記述には、公開されている動画毎の視聴回数や視聴時間についての条件を用いることができる。
【0184】
ユーザ管理データ600は、プレイデータコミュニティシステム1000の登録ユーザ毎に用意され、当該ユーザに関する各種データを格納する。1つのユーザ管理データ600は、例えば
図17に示すように、固有のユーザアカウント601と、アバター設定データ603と、ゲームプレイや実況付加にともない自動的に設定されるユーザレベル605と、累積ユーザポイント607と、プレイ履歴情報610と、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納するとしてもよい。
【0185】
プレイ履歴情報610は、ゲームタイトル別に作成され、当該ゲームのプレイ履歴に関する各種の情報(データ)を含む。例えば、ゲームタイトル611と、ログインログアウト履歴612と、セーブデータ613と、進行制御パラメータ値履歴614と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0186】
進行制御パラメータ値履歴614は、当該ゲームをプレイする際に進行制御のために作成されるプレイデータ700で管理される進行制御パラメータ値の履歴データである。プレーヤキャラクタ4のゲーム空間での移動履歴であったり、獲得したアイテムや、クリアしたイベントなどの情報が、過去分から直近のゲームプレイ分まで記録される。
【0187】
図15に戻って、プレイデータ700は、ユーザ端末1500にてゲームプレイされる毎に作成され、最新のゲーム進行状況を示す各種情報を格納する。
プレイデータ700は、例えば
図18に示すように、固有のプレイID701と、ゲームタイトル702と、ゲームプレイ日時703と、プレーヤアカウント704と、プレイ用仮想3次元空間データ705と、ゲームオブジェクト制御履歴データ707と、仮想カメラ制御履歴データ708と、操作入力履歴データ709と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0188】
図15に戻って、公開管理データ720は、登録ユーザ向けに公開登録された動画毎に作成し、当該動画に係る各種情報を格納する。1つの公開管理データ720は、例えば
図19に示すように、固有の公開動画ID721と、起源プレイID722と、サムネイルデータ723と、視聴回数724と、改変再現データID725と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0189】
起源プレイID722には、当該管理データで管理される公開動画がオリジナルプレイ動画である場合に、そのオリジナルデータ710(
図3参照)のプレイID701が設定される。当該管理データで管理される公開動画に実況が付加されて新しい実況動画が公開登録される場合には、当該実況動画の公開管理データ720に起源プレイID722が引き継がれる。
【0190】
改変再現データID725は、当該管理データで管理される公開動画がオリジナルプレイ動画である場合には未定を示す所定値が格納されるが、当該管理データで管理される公開動画に実況が付加されて新しい実況動画として公開される場合には、実況付加にともない生成された改変再現データ760の識別情報(再現データID)が設定される。
【0191】
図15に戻って、実況付加管理データ730は、実況付加の作業毎に作成され、作業状況を示す各種データを格納する。
1つの実況付加管理データ730は、例えば
図20に示すように、固有の実況ID731と、実況ユーザアカウント732と、実況対象公開動画ID733と、実況対象起源プレイID734と、モニター用仮想3次元空間データ735と、リアクション制御データ736と、実況データ740と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0192】
実況対象公開動画ID733には、実況ユーザが実況付加対象の動画として選択した動画の公開動画ID721(
図19参照)がコピーされる。
実況対象起源プレイID734には、実況ユーザが実況付加対象の動画として選択した動画の起源プレイID722(
図19参照)がコピーされる。
【0193】
モニター用仮想3次元空間データ735には、ゲームオブジェクト制御データ735aと、オリジナルカメラ制御データ735bと、実況オブジェクト制御データ735cと、追加カメラ制御データ735dと、が含まれる。実況対象動画の改変再現データ760があって、視聴者アクションデータ790が対応付けられている場合には、モニター用仮想3次元空間データ735は、視聴者アクションオブジェクト制御データ735eを含むこととなる。視聴者アクションオブジェクト制御データ735eは、投げ銭アイテム8や、視聴ユーザのアバター7bや、視聴ユーザに由来するコメントオブジェクト10b(
図9参照)の制御データを含む。
【0194】
実況データ740は、例えば
図21に示すように、実況ID741(実況ID731のコピー)と、実況付加日時742と、実況ユーザアカウント743と、実況対象公開動画ID744(実況対象公開動画ID732のコピー)と、実況対象起源プレイID745(実況対象起源プレイID734のコピー)と、実況音声データ751と、実況オブジェクト制御履歴データ752と、追加カメラ制御履歴データ753と、再生スピード変更設定データ754と、リプレイ再生設定データ755と、仮想プレイ設定データ756と、改変編集データ757と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0195】
実況オブジェクト制御履歴データ752は、実況オブジェクト(実況ユーザのアバター7のキャラクタオブジェクト、実況ユーザのコメントオブジェクト10;
図4参照)毎に用意され、当該実況オブジェクトの制御情報を時系列に格納する。
【0196】
追加カメラ制御履歴データ753は、追加カメラの追加毎に用意され、当該追加カメラの制御情報を時系列に格納する。
【0197】
再生スピード変更設定データ754は、再生スピード変更操作がされる毎に作成される。1つの再生スピード変更設定データ754は、変更開始タイミングと、変更終了タイミングと、再生スピード値と、を対応づけて格納する。
【0198】
リプレイ再生設定データ755は、リプレイ再生操作がされる毎に作成される。1つのリプレイ再生設定データ755は、リプレイ開始タイミングと、リプレイ終了タイミングと、リプレイ回数と、再生スピード値と、を対応付けて格納する。
【0199】
仮想プレイ設定データ756は、仮想プレイ毎に作成される。1つの仮想プレイ設定データ756は、巻き戻し先タイミングと、行動変更内容と、仮想プレイ実施時間長と、を対応づけて格納する。
【0200】
改変編集データ757は、実況付加対象の動画の部分を切り出して編集してから実況を付加する場合に作成されるデータであって、再編集の内容を記録する。具体的には、オリジナルデータ710に基づくゲームプレイの再現開始からの経過時間の範囲を編集カット順に格納する。
【0201】
図15に戻って、改変再現データ760は、オリジナルのゲームプレイが改変された改変後のゲームプレイを再現するためのデータである。改変再現データ760は、公開されている動画に対する最初の改変(最初の実況付加、または視聴に伴う最初の視聴者アクションの実行)が行われたときに作成され、以降、実況付加や、新たな視聴ユーザによる視聴者アクションの実行が行われる毎に更新(再改変)される。
【0202】
1つの改変再現データ760は、例えば
図22に示すように、固有の改変再現データID761と、起源プレイID762と、オリジナルデータ763と、実況データ764と、視聴者アクションデータ766と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0203】
起源プレイID762は、直近の実況付加対象または視聴対象とされた公開動画の公開管理データ720(
図19参照)の起源プレイID722のコピーである。
【0204】
オリジナルデータ763は、直近の実況付加対象または視聴対象とされた公開動画の公開管理データ720(
図19参照)の起源プレイID722にプレイID701が合致するオリジナルデータ710(
図3、
図15参照)のコピーである。
【0205】
実況データ764は、実況付加時に生成される実況データ740(
図21参照)を、実況付加後の公開登録操作後にコピーしたものである。オリジナルプレイ動画に最初に実況を付加した状態では、実況データ764は1つだけであり、実況付加が繰り返される毎に増えてゆくことになる。
【0206】
視聴者アクションデータ766は、視聴時に視聴ユーザが視聴者アクションを実行すると生成される視聴者アクションデータ790(
図23,
図24参照)を、視聴終了後にコピーしたものである。オリジナルプレイ動画に最初に実況を付加した状態では、視聴者アクションデータ766は無いことになる。視聴ユーザが実況動画を視聴しつつ視聴者アクションを行うと、視聴終了後に、当該視聴で作成された視聴者アクションデータ790(
図23、
図24参照)が新規登録される。
【0207】
図15に戻って、視聴管理データ780は、視聴ユーザのユーザ端末1500にて公開されている動画の視聴が行われる毎に作成される。
1つの視聴管理データ780は、例えば
図23に示すように、固有の視聴ID781と、視聴ユーザアカウント782と、視聴対象公開動画ID783と、視聴対象起源プレイID784と、視聴対象動画オリジナルデータ785と、視聴対象動画改変再現データ786と、視聴設定データ787と、視聴用仮想3次元空間データ788と、リアクション制御データ789と、視聴者アクションデータ790と、を有する。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0208】
視聴対象公開動画ID783は、視聴対象とされた公開動画の公開動画ID721(
図19参照)のコピーである。
視聴対象起源プレイID784は、視聴対象とされた公開動画の起源プレイID722(
図19参照)のコピーである。
【0209】
視聴対象動画オリジナルデータ785は、視聴対象とされた公開動画の起源プレイID722(
図19参照)に合致するオリジナルデータ710(
図3参照)のコピーである。
【0210】
視聴対象動画改変再現データ786は、視聴対象とされた公開動画の改変再現データID725(
図19参照)に改変再現データID761が合致する改変再現データ760(
図22参照)のコピーである。
【0211】
視聴設定データ787は、視聴設定画面W11(
図11参照)における指定操作の結果を格納する。
【0212】
視聴用仮想3次元空間データ788には、ゲームオブジェクト制御データ788aと、オリジナルカメラ制御データ788bと、が含まれる。視聴対象の動画が実況動画であれば、更に実況オブジェクト制御データ788cと、追加カメラ制御データ788dと、が含まれる。また、既に視聴ユーザに視聴され、そこで視聴者アクションが実行されていれば、視聴者アクションオブジェクト制御データ788eを更に含むこととなる。
【0213】
視聴者アクションデータ790は、例えば
図24に示すように、固有の視聴ID791と、視聴日時792と、視聴ユーザアカウント793と、視聴対象公開動画ID794(視聴対象公開動画ID783のコピー)と、視聴対象起源プレイID795(視聴対象起源プレイID784のコピー)と、視聴者アクションオブジェクト制御履歴データ796と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0214】
視聴者アクションオブジェクト制御履歴データ796は、視聴者アクションオブジェクト(視聴ユーザのアバター7bのキャラクタオブジェクト、視聴ユーザのコメントオブジェクト10b;
図9参照)毎に用意され、当該オブジェクトの制御情報を時系列に格納する。
【0215】
図25は、本実施形態におけるユーザ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。ユーザ端末1500は、操作入力部100と、音声入力部102と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0216】
操作入力部100は、プレーヤによってなされた各種の操作入力に応じた操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール、などによって実現できる。
図2の方向入力キー1502や、ボタンスイッチ1504、タッチパネル1506、イメージセンサーユニット1520、がこれに該当する。
【0217】
音声入力部102は、ユーザが発する音声(ユーザ音声)や環境音を集音し、音声信号を端末処理部200へ出力する。
図2の例では、マイク1512がこれに該当する。
【0218】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。
図2の制御基板1550がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部260と、計時部280と、音生成部290と、通信制御部294と、を備える。
【0219】
ユーザ端末演算部260は、操作信号送信制御部261と、画像表示制御部262とを含む。
【0220】
操作信号送信制御部261は、操作入力部100へなされた操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1100へ送信するための処理を実行する。本実施形態では、音声入力部102で集音されたユーザ音声の音声データの生成と、外部送信に関する制御も行う。
【0221】
画像表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいてゲーム画面等を表示するための制御を行う。本実施形態では、ゲームプレイの画像をサーバシステム1100にて生成する構成とするが、ゲーム空間画像をユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、画像表示制御部262は、例えば3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を含むこととなる。
【0222】
そして、画像表示制御部262は、画像表示部392へ画像信号を出力する。
画像表示部392は、画像表示制御部262から入力される画像信号に基づいて各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、
図2のタッチパネル1506がこれに該当する。
【0223】
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号、実況動画の作成や、動画視聴に係る操作音や効果音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。
【0224】
音出力部390は、音生成部290から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。
図2のスピーカ1510がこれに該当する。
【0225】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、
図2の無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0226】
端末記憶部500は、端末処理部200にユーザ端末1500を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
図2の制御基板1550が搭載するICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。オンラインストレージを利用する構成も可能である。
【0227】
本実施形態の端末記憶部500は、クライアントプログラム502、を記憶する。勿論、これら以外のプログラムやデータも適宜記憶することができる。
【0228】
クライアントプログラム502は、端末処理部200が読み出して実行することによってユーザ端末演算部260としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトウェアである。本実施形態では、クライアントプログラム502は、サーバシステム1100から提供される配信用クライアントプログラム503(
図15参照)のコピーである。なお、クライアントプログラム502は、専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグインなどにより構成するとしても良い。
【0229】
次に、本実施形態のプレイデータコミュニティシステム1000の動作について説明する。
【0230】
図26は、オリジナルのゲームプレイに係るゲームプレイ管理処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
ゲームプレイを希望するユーザ2が、ユーザ端末1500でプレイデータコミュニティシステム1000にログインし、所定のゲームプレイ開始操作を入力すると、当該ユーザ端末1500は、所定のゲームプレイリクエストをサーバシステム1100へ送信する。
【0231】
サーバシステム1100は、ゲームプレイリクエストに応じて、ゲームプレイ用の仮想3次元空間を用意し、ゲーム初期設定データ510に従って、ゲームオブジェクトとオリジナルの仮想カメラ(オリジナルカメラCM0)を配置する(ステップS10)。そして、サーバシステム1100は、プレーヤであるユーザ2のユーザ端末1500にてオンラインゲームのプレイを開始させる(ステップS12)。プレイの開始とともに、サーバシステム1100は、プレイデータ700、つまりオリジナルデータ710の元になるデータの記録と管理を開始する(ステップS14)。
【0232】
ゲームプレイ終了後(ステップS16)、サーバシステム1100は、所定の公開登録操作の入力を検出すると(ステップS18のYES)、プレイデータ700に基づいてオリジナルデータ710を作成する(ステップS20)。
【0233】
次に、サーバシステム1100は、オリジナルプレイ動画の編集処理を実行する(ステップS22)。具体的には、オリジナルプレイ動画作成用の仮想3次元空間を用意して、ここに初期状態のオリジナルデータ710に基づいて、直前にプレイされたゲームプレイを再現してゲームプレイ動画を生成して編集の素材として提供する。そして、ユーザ端末1500にて、動画編集操作の入力を受け付ける。サーバシステム1100は、動画編集操作の入力に基づいて、オリジナルデータ710に、編集データ712と、メタデータ714とを追加し(
図3参照)、公開用のサムネイルを作成する。これで、オリジナルプレイ動画と呼ばれる動画データは存在しないが、ユーザ端末1500にて実況を付加したり、視聴する際に、オリジナルのゲームプレイを再現するためのデータの用意ができたことになる。なお、編集の素材とするゲームプレイの動画は、あらかじめゲームプレイ中に録画された映像とすることもできる。
【0234】
次に、サーバシステム1100は、オリジナルプレイ動画の公開登録を行う(ステップS24)。すなわち、サーバシステム1100は新たな公開管理データ720(
図19参照)を生成する。
【0235】
図27は、実況付加管理処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
プレイデータコミュニティシステム1000にて登録ユーザ向けに公開されている動画に対して、実況の付加を希望する視聴ユーザが、ユーザ端末1500でプレイデータコミュニティシステム1000にログインし、所定の実況付加リクエスト操作を入力すると、当該ユーザ端末1500は、所定の実況付加リクエストをサーバシステム1100へ送信する。
【0236】
サーバシステム1100は、当該リクエストの発信元のユーザ端末1500にて、実況付加の対象とする公開動画の選択を受け付け(ステップS50)、モニター用の仮想3次元空間を用意してオブジェクトと仮想カメラを配置する(ステップS52)。具体的には、サーバシステム1100は、選択された公開動画の公開管理データ720の起源プレイID722(
図19参照)が示すオリジナルデータ710に基づいてゲームオブジェクトと仮想カメラ(オリジナルカメラCM0)とを配置し、それらの制御を開始する。
【0237】
次に、サーバシステム1100は、モニター用の仮想3次元空間の映像をモニター映像として提供しつつ、実況ユーザのユーザ端末1500での実況付加操作の受け付けを開始し、実況付加処理を開始する(ステップS54)。
実況付加処理を開始すると、サーバシステム1100は、実況音声入力操作に応じて実況音声データを録音し、実況付加対象とされる動画の音声に対して音声重畳制御を開始する。また、アバター追加操作入力に応じて、モニター用の仮想3次元空間に、実況ユーザのアバター7を配置アバター7の動作制御を開始する。また、コメント追加操作入力に応じて、コメントオブジェクト10の配置と制御を開始する。また、視点追加操作入力に応じて追加カメラCM1の配置と制御を開始する。また、再生スピード変更操作入力に応じて実況付加対象とされる動画の一部または全部の再生スピードを変更する。また、リプレイ再生操作入力に応じて、実況付加対象とされる動画の一部をリプレイ再生する。また、「もしも」の世界や「もしも」のプレイを実際に行ってみる仮想プレイの開始操作入力に応じて「仮想プレイ」を実行する。実況付加の結果は、実況付加管理データ730(
図20参照)に記憶されている。
【0238】
公開登録操作の入力を検出すると(ステップS56)、サーバシステム1100は、実況データ740(
図21参照)を作成し、改変再現データ760(
図22参照)を作成又は変更する(ステップS58)。
【0239】
次いで、サーバシステム1100は、実況付加された動画を公開登録する(ステップS60)。すなわち、実況動画としての動画データではなく、実況動画として表示される改変されたゲームプレイを再現するためのデータを用意して、公開対象として登録する。
【0240】
次いで、サーバシステム1100は、実況付加の対象とされた動画のプレーヤと、実況ユーザの少なくとも一方にユーザポイントを付与し(ステップS62)、実況付加管理処理を終了する。
【0241】
図28は、視聴管理処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
プレイデータコミュニティシステム1000にて登録ユーザ向けに公開されている動画の視聴を希望する視聴ユーザが、ユーザ端末1500でプレイデータコミュニティシステム1000にログインし、所定の視聴リクエスト操作を入力すると、当該ユーザ端末1500は、所定の視聴リクエストをサーバシステム1100へ送信する。
【0242】
サーバシステム1100は、当該リクエストの発信元のユーザ端末1500にて、視聴対象とする動画の選択を受け付け(ステップS100)、視聴設定を受け付ける(ステップS102)。すなわち、視聴設定画面W11(
図11参照)を表示させて、視聴の際に適用される音声・カメラワーク・視聴者アクションの選択を受け付ける。
【0243】
次に、サーバシステム1100は、視聴用の仮想3次元空間を用意して、視聴対象とされた動画のオリジナルデータ710に基づいて、ゲームオブジェクトとオリジナルカメラとを配置し、制御を開始する(ステップS104)。
【0244】
また、サーバシステム1100は、視聴対象とされた動画の改変再現データ760と、視聴設定とに基づいて、実況オブジェクト、追加カメラ、視聴者アクションオブジェクトの追加配置およびそれらの制御を開始する(ステップS106)。
また、サーバシステム1100は、視聴対象とされた動画の改変再現データ760に基づく視聴用の仮想3次元空間における時間進行制御を開始する(ステップS108)。
また、サーバシステム1100は、視聴対象とされた動画の改変再現データ760と、視聴設定とに基づく音声重畳制御を開始する(ステップS110)。
【0245】
次に、サーバシステム1100は、視聴用の映像の生成と視聴ユーザのユーザ端末1500での表示を開始する(ステップS112)。これにより、視聴ユーザは、希望した動画を視聴することとなる。
【0246】
また、視聴の開始とともに、サーバシステム1100は、視聴者アクション操作の受け付けを開始し、視聴者アクションの実行を開始する(ステップS114)。
【0247】
視聴が終了すると(ステップS116)、サーバシステム1100は、今回の視聴に基づく視聴者アクションデータ790(
図24参照)を生成し、視聴対象とされた公開動画の改変再現データ760へ生成した視聴者アクションデータ790を追加して、当該改変再現データ760を変更する(ステップS118)。
【0248】
そして、サーバシステム1100は、公開管理データ720を更新して(ステップS120)、視聴の対象とされた動画の関係者の少なくとも何れかにユーザポイントを付与し(ステップS122)、視聴管理処理を終了する。
【0249】
図29は、投稿制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理は、サーバシステム1100が周期的に自動実行する処理である。同処理において、サーバシステム1100は先ず、登録ユーザ向けに公開されている動画のうち、自動投稿要件を満たす動画を抽出する(ステップS150)。
【0250】
自動投稿要件は適宜設定可能である。例えば、自動投稿要件を「新たなオリジナルプレイ動画が公開登録された」「新たな実況動画が公開登録された」「視聴回数が所定数に達した」「視聴回数の増加率が所定の基準に達した」などとすることができる。その他、投げ銭の額や視聴ユーザのコメントの数に基づく条件を満たすことを自動投稿要件としてもよい。なお、自動投稿要件の定義データは、別途サーバ記憶部500sに用意しておくものとする。
【0251】
次に、サーバシステム1100は、投稿動画生成用の仮想3次元空間を用意して、抽出された動画の改変再現データ760に基づいてオブジェクトや仮想カメラを配置し、それらの動作制御を開始し、音声重畳制御を開始して(ステップS152)、所定の動画データ形式による投稿動画の動画データを生成する(ステップS154)。
【0252】
そして,サーバシステム1100は、所定の動画投稿サイト(動画共有サイト)に、生成した投稿動画を自動投稿制御して(ステップS156)、投稿制御処理を終了する。
【0253】
以上、本実施形態によれば、ゲームプレイの映像を公開して楽しむ新しい方法を提供することができる。
【0254】
すなわち、ゲームプレイの映像を公開して楽しむ従来の方法では、オリジナルのゲームプレイの動画は変化することはなかった。また、実況ユーザが実況を付ける行為や、視聴ユーザが視聴者アクションを行っても、オリジナルのゲームプレイの動画にはなんら影響を与えるものではなく、プレーヤと、実況ユーザや視聴ユーザとの間には、厳然たる隔たり感があった。
【0255】
しかし、本実施形態が提供する新しい方法では、実況ユーザが実況を付ける行為や、視聴ユーザが視聴者アクションを行うと、実況や視聴者アクションに応じた新たなオブジェクトがオリジナルのゲームプレイのゲーム世界に登場するようになる。したがって、実況ユーザや、視聴ユーザは、自分達がオリジナルのゲームプレイの世界に関与している実感を得ながらオリジナルのゲームプレイを実況したり視聴できる。そこには、従来の厳然たる隔たり感は無く、むしろ高い共有感が生まれる。
【0256】
また、実況ユーザが実況を付ける行為や視聴ユーザが視聴者アクションを行った結果、ゲームオブジェクトと、追加された実況オブジェクトや視聴者アクションオブジェクトとの間に関わり合いが生じると、ゲームオブジェクトが自動的にリアクションを行うように制御されるので、従来の動画視聴ではあり得なかった臨場感を楽しめる。
【0257】
実況ユーザや視聴ユーザといったオリジナルゲームをプレイしたプレーヤ以外のユーザ毎に、オリジナルのゲームプレイに登場したオブジェクトとは別に新たなオブジェクト(第1オブジェクト、第2オブジェクト)を登場させたり、オリジナルのゲームプレイのゲーム画面を生成するための視点とは別に新たな視点(第1視点、第2視点)を追加したり、オリジナルのゲームプレイの音声とは別の新たな音声(第1音声、第2音声)を追加する、といったことが可能になる。そして、視聴の際は、オリジナルのゲームプレイは勿論のこと、新たなオブジェクトや視点、音声が追加されて改変された再現プレイを視聴できるようになる。つまり、オリジナルのゲームプレイが再現される再現プレイにおいて、実況ユーザや視聴ユーザの行動が再現プレイにて反映されるようになる。1つのオリジナルのゲームプレイに対する今までに無い新しい楽しみ方を実現するための技術を提供することができる。
【0258】
また、本実施形態によれば、改変再現データ760の実況データ764(
図22参照;実況データ740のコピー;
図21参照)によって、どのオリジナルプレイ(実況対象の起源プレイID762から判明)に、誰が(実況ユーザアカウント743から判明;
図21参照)、どのような実況を行ったか(実況音声データ751,実況オブジェクト制御履歴データ752、追加カメラ制御履歴データ753、再生スピード変更設定データ754、リプレイ再生設定データ755、仮想プレイ設定データ756、などから判明)、を理解するための情報が記憶されることになる。
【0259】
そして、改変再現データ760の視聴者アクションデータ766(
図22参照;視聴者アクションデータ790のコピー;
図24参照)から、どの視聴ユーザ(視聴ユーザアカウント793から判明)が視聴後にどのような行動をしたか(視聴ユーザ別のプレイ履歴情報610から判明;
図17参照)を知ることができる。言い換えると、動画視聴が、視聴ユーザの行動に与えた影響を推測することができる。
【0260】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。なお、以降では主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素には、第1実施形態と同じ符号を付与して重複する説明は省略する。
【0261】
本実施形態は、第1実施形態ではサーバシステム1100が実行していた処理のうち、実況の付加に関する処理と、視聴に関する処理を、ユーザ端末1500にて実行する点が異なる。
【0262】
図30は、本実施形態におけるサーバシステム1100Bの機能構成例を示すブロック図である。サーバシステム1100Bは、第1実施形態のサーバシステム1100の機能構成から、ゲーム管理部210と、オリジナルデータ生成登録部212と、実況付加管理部220と、視聴管理部230と、選択再生出力制御部240と、音声認識部246と、が省略されている。
【0263】
図31は、本実施形態のサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。基本的には、第1実施形態におけるサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータと同様であるが、サーバプログラム501Bは、サーバ処理部200sにユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、公開登録部214と、投稿制御部242と、特典付与部244と、しての機能を実現させる。
【0264】
また、配信用クライアントプログラム503Bは、上述の省略された機能部の機能を、本実施形態のユーザ端末1500Bの端末処理部200にて実現することができる。
【0265】
また、本実施形態のサーバ記憶部500sからは、プレイデータ700と、実況付加管理データ730と、改変再現データ760が除外されている。
【0266】
図32は、本実施形態のユーザ端末1500Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。ユーザ端末1500Bの機能構成は、第1実施形態のユーザ端末1500のそれと比較すると、ユーザ端末演算部260が省略され、ゲーム管理部210と、オリジナルデータ生成登録部212と、実況付加管理部220と、視聴管理部230と、選択再生出力制御部240と、音声認識部246と、が追加されている。
【0267】
そして、本実施形態の端末記憶部500は、配信用クライアントプログラム503Bをダウンロードしたクライアントプログラム502Bを記憶する。また、本実施形態の端末記憶部500は、プレイデータ700と、実況付加管理データ730と、改変再現データ760とを記憶する。
【0268】
なお、ゲームプレイや、実況付加、視聴の実現に必要な各種データ(例えば、ゲーム初期設定データ510、オブジェクト定義データ520B、オブジェクト定義データ520C、音声認識辞書データ554など)は、必要都度にサーバシステム1100Bからダウンロードするものとする。勿論、配信用クライアントプログラム503Bとともに予めダウンロードして記憶しておくとしてもよい。
【0269】
本実施形態では、ゲームプレイからのオリジナルプレイ動画の公開に至るまでの処理、実況付加に関する処理、視聴に関する処理は、第1実施形態におけるサーバシステム1100におけるそれと基本的に同じであり(
図26~
図28参照)、適宜各ステップの実行主体をユーザ端末1500Bと読み替えれば良い。
【0270】
ユーザ端末1500Bにてユーザ管理データ600を参照・変更する必要がある処理を実行する場合には、適宜サーバシステム1100Bへ必要なデータの提供や照合等をリクエストする。或いは、処理そのものをリクエストして対処するものとする。
【0271】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0272】
[変形例その1]
例えば、機能構成の配分に関しては、第2実施形態は、第1実施形態からゲーム管理部210と、オリジナルデータ生成登録部212と、実況付加管理部220と、視聴管理部230と、選択再生出力制御部240と、音声認識部246と、をユーザ端末1500Bへ移管した構成となっているが、移管する機能部は、これら全てに限らず限定的に移管した構成も可能である。
【0273】
[変形例その2]
また、上記実施形態では、実況付加の対象となる動画は、オリジナルプレイ動画は勿論のこと、既存の実況動画や、視聴により新たな視聴者アクションオブジェクトが追加されて改変された動画であってもよいとしたが、実況付加の対象をオリジナルプレイ動画に限定した構成も可能である。
【0274】
その場合、第1改変再現データ生成部224は、1)オリジナルデータに基づいてオリジナルのゲームプレイを再現することで第1ユーザ端末(この場合、実況ユーザのユーザ端末)から再生出力させる第1端末再生出力制御と、2)オリジナルのゲームプレイに存在しなかった第1オブジェクトを第1ユーザ端末の操作入力に基づいて登場させる第1オブジェクト登場制御、第1ユーザ端末から入力された第1音声をオリジナルのゲームプレイに重畳させる第1音声重畳制御、および、画像生成の基準となる第1視点を第1ユーザ端末の操作入力に基づいて設定する第1視点設定制御、のうちの少なくとも1つと、を行ってオリジナルのゲームプレイの再現プレイに改変を加えた第1改変再現プレイを再現することが可能な第1改変再現データを生成する。
【0275】
また、第2改変再現データ生成部226は、a)オリジナルデータに基づいてゲームプレイを再現することで第2ユーザ端末(この場合、実況ユーザのユーザ端末)から再生出力させる第2端末再生出力制御と、b)オリジナルのゲームプレイに存在しなかった第2オブジェクトを第2ユーザ端末の操作入力に基づいて登場させる第2オブジェクト登場制御、第2ユーザ端末から入力された第2音声をオリジナルのゲームプレイに重畳させる第2音声重畳制御、および、画像生成の基準となる第2視点を第2ユーザ端末の操作入力に基づいて設定する第2視点設定制御、のうちの少なくとも1つと、を行ってオリジナルのゲームプレイの再現プレイに改変を加えた第2改変再現プレイを再現することが可能な第2改変再現データを生成する。
【符号の説明】
【0276】
2(2a,2b,…)…ユーザ
7…アバター
8…投げ銭アイテム
10…コメントオブジェクト
200s…サーバ処理部
210…ゲーム管理部
212…オリジナルデータ生成登録部
214…公開登録部
220…実況付加管理部
222…第1再現ゲーム進行制御部
224…第1改変再現データ生成部
226…第2改変再現データ生成部
230…視聴管理部
232…第2再現ゲーム進行制御部
240…選択再生出力制御部
242…投稿制御部
244…特典付与部
246…音声認識部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
503…配信用クライアントプログラム
510…ゲーム初期設定データ
520A,520B,520C,520D…オブジェクト定義データ
530…リアクション定義データ
700…プレイデータ
701…プレイID
705…プレイ用仮想3次元空間データ
707…ゲームオブジェクト制御履歴データ
708…仮想カメラ制御履歴データ
710…オリジナルデータ
720…公開管理データ
722…起源プレイID
730…実況付加管理データ
734…実況対象起源プレイID
735…モニター用仮想3次元空間データ
736…リアクション制御データ
740…実況データ
751…実況音声データ
752…実況オブジェクト制御履歴データ
753…追加カメラ制御履歴データ
754…再生スピード変更設定データ
755…リプレイ再生設定データ
756…仮想プレイ設定データ
757…改変編集データ
760…改変再現データ
761…改変再現データID
762…起源プレイID
763…オリジナルデータ
764…実況データ
766…視聴者アクションデータ
780…視聴管理データ
785…視聴対象動画オリジナルデータ
786…視聴対象動画改変再現データ
787…視聴設定データ
788…視聴用仮想3次元空間データ
789…リアクション制御データ
790…視聴者アクションデータ
795…実況対象起源プレイID
796…視聴者アクションオブジェクト制御履歴データ
1000…プレイデータコミュニティシステム
1100…サーバシステム
1500…ユーザ端末
CM0…オリジナルカメラ
CM1…追加カメラ
W11…視聴設定画面