(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015920
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】ケーブル収容容器
(51)【国際特許分類】
E03F 5/10 20060101AFI20230125BHJP
E03F 5/04 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
E03F5/10 A
E03F5/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120006
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】前野 耕一
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 博紀
(72)【発明者】
【氏名】貝塚 啓
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】久保田 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】川上 好弘
(72)【発明者】
【氏名】富田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】武藤 亮平
(72)【発明者】
【氏名】椎名 菜摘
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063BA11
2D063CA05
2D063CA27
2D063DA02
2D063DA07
(57)【要約】
【課題】敷設されるケーブルおよび排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることのできるケーブル収容容器を提供する。
【解決手段】排水設備を構成する集水桝4が設置された道路3の路面Gに沿って敷設されるケーブル2を収容するケーブル収容容器1であって、ケーブル2の延伸方向における、集水桝4の排水流入空間4a4に位置する部分を収容する桝用ケーブル収容部10を備えている。これにより、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水設備を構成する集水桝が設置された道路の路面に沿って敷設されるケーブルを収容するケーブル収容容器であって、
前記ケーブルの延伸方向における、前記集水桝の排水流入空間に位置する部分を収容する桝用ケーブル収容部を備える
ケーブル収容容器。
【請求項2】
前記桝用ケーブル収容部の少なくとも下部側には、所定形状の孔が形成されている
請求項1に記載のケーブル収容容器。
【請求項3】
前記桝用ケーブル収容部の下面に当接することにより、前記桝用ケーブル収容部を下方から支持する支持部材を備える
請求項1または2に記載のケーブル収容容器。
【請求項4】
前記桝用ケーブル収容部の両端部を閉鎖する閉鎖部材を備える
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【請求項5】
前記集水桝を貫通して排水流入空間の内側と外側とを連通し、前記桝用ケーブル収容部の一端部と他端部との間の中間部に接続される接続管を備える
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【請求項6】
前記桝用ケーブル収容部は、開口部を有する桝用収容部本体と、前記開口部を開放可能に閉鎖する桝用蓋体と、前記桝用蓋体によって閉鎖された前記開口部の閉鎖状態を保持するロック機構と、を有している
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【請求項7】
前記桝用ケーブル収容部は、前記排水流入空間において、一端側の延伸方向に対して他端側の延伸方向が所定の角度を成すように曲がりを有するケーブルを収容する
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【請求項8】
それぞれ前記集水桝に接続され、前記排水流入空間に位置するケーブルの一端側および他端側のそれぞれが連続して前記集水桝の外側に延びるケーブルを収容する一対の埋設用ケーブル収容部を備え、
前記桝用ケーブル収容部の両端部は、それぞれ、一対の前記埋設用ケーブル収容部のそれぞれの収容空間に位置している
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【請求項9】
前記桝用ケーブル収容部は、前記埋設用ケーブル収容部の前記収容空間の幅方向に移動可能である
請求項8に記載のケーブル収容容器。
【請求項10】
一対の前記埋設用ケーブル収容部には、複数の前記桝用ケーブル収容部が並設される
請求項8または9に記載のケーブル収容容器。
【請求項11】
前記排水流入空間には、電力を供給する強電用ケーブルと、信号を伝達する弱電用ケーブルと、が位置し、
前記強電用ケーブルは、複数の前記桝用ケーブル収容部うちの一の前記桝用ケーブル収容部に収容され、
前記弱電用ケーブルは、複数の前記桝用ケーブル収容部のうちの他の前記桝用ケーブル収容部に収容される
請求項10に記載のケーブル収容容器。
【請求項12】
前記桝用ケーブル収容部の一端部と他端部との間の中間部に一端部が接続される分岐桝用ケーブル収容部と、
前記集水桝に接続され、前記分岐桝用ケーブル収容部を介して前記集水桝の外側に延びるケーブルを収容する分岐埋設用ケーブル収容部と、を備える
請求項8乃至11いずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【請求項13】
前記埋設用ケーブル収容部に収容されるケーブルを、前記埋設用ケーブル収容部の前記収容空間の上部側に係止するケーブル係止部材を備える
請求項8乃至12のいずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【請求項14】
前記埋設用ケーブル収容部の前記収容空間を上下に仕切る仕切部材を備え、
前記埋設用ケーブル収容部に収容されるケーブルは、前記仕切部材によって仕切られた前記収容空間の上部側の空間に配置される
請求項8乃至13のいずれか1項に記載のケーブル収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の路面に沿って敷設されるケーブルを収容するケーブル収容容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のケーブル収容容器としては、ケーブルが収容される収容空間が下側に設けられ、雨水等が流通する排水路が上側に設けられた排水設備と一体に形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている排水設備では、排水路の下方にケーブルの収容空間が配置されているため、排水路を流通する雨水等を流入させる集水桝を設置する場合に、排水路に対して水平方向に隣接した位置に集水桝を設置する必要があり、敷設されるケーブルおよび排水設備の設置スペースが大型化するおそれがある。
【0005】
本発明の目的とするところは、敷設されるケーブルおよび排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることのできるケーブル収容容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るケーブル収容容器は、排水設備を構成する集水桝が設置された道路の路面に沿って敷設されるケーブルを収容するケーブル収容容器であって、前記ケーブルの延伸方向における、前記集水桝の排水流入空間に位置する部分を収容する桝用ケーブル収容部を備える。
【0007】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記桝用ケーブル収容部の少なくとも下部側に、所定形状の孔が形成されている。
【0008】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記桝用ケーブル収容部の下面に当接することにより、前記桝用ケーブル収容部を下方から支持する支持部材を備える。
【0009】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記桝用ケーブル収容部の両端部を閉鎖する閉鎖部材を備える。
【0010】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記集水桝を貫通して排水流入空間の内側と外側とを連通し、前記桝用ケーブル収容部の一端部と他端部との間の中間部に接続される接続管を備える。
【0011】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記桝用ケーブル収容部が、開口部を有する桝用収容部本体と、前記開口部を開放可能に閉鎖する桝用蓋体と、前記桝用蓋体によって閉鎖された前記開口部の閉鎖状態を保持するロック機構と、を有している。
【0012】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記桝用ケーブル収容部が、前記排水流入空間において、一端側の延伸方向に対して他端側の延伸方向が所定の角度を成すように曲がりを有するケーブルを収容する。
【0013】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、それぞれ前記集水桝に接続され、前記排水流入空間に位置するケーブルの一端側および他端側のそれぞれが連続して前記集水桝の外側に延びるケーブルを収容する一対の埋設用ケーブル収容部を備え、前記桝用ケーブル収容部の両端部は、それぞれ、一対の前記埋設用ケーブル収容部のそれぞれの収容空間に位置している。
【0014】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記桝用ケーブル収容部が、前記埋設用ケーブル収容部の前記収容空間の幅方向に移動可能である。
【0015】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、一対の前記埋設用ケーブル収容部に、複数の前記桝用ケーブル収容部が並設される。
【0016】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記排水流入空間に、電力を供給する強電用ケーブルと、信号を伝達する弱電用ケーブルと、が位置し、前記強電用ケーブルは、複数の前記桝用ケーブル収容部うちの一の前記桝用ケーブル収容部に収容され、前記弱電用ケーブルは、複数の前記桝用ケーブル収容部のうちの他の前記桝用ケーブル収容部に収容される。
【0017】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記桝用ケーブル収容部の一端部と他端部との間の中間部に一端部が接続される分岐桝用ケーブル収容部と、前記集水桝に接続され、前記分岐桝用ケーブル収容部を介して前記集水桝の外側に延びるケーブルを収容する分岐埋設用ケーブル収容部と、を備える。
【0018】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記埋設用ケーブル収容部に収容されるケーブルを、前記埋設用ケーブル収容部の前記収容空間の上部側に係止するケーブル係止部材を備える。
【0019】
また、本発明に係るケーブル収容容器は、前記埋設用ケーブル収容部の前記収容空間を上下に仕切る仕切部材を備え、前記埋設用ケーブル収容部に収容されるケーブルは、前記仕切部材によって仕切られた前記収容空間の上部側の空間に配置される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、集水桝の排水流入空間において保守管理作業を行う作業者がケーブルに直接的に接触することがないので、集水桝の排水流入空間にケーブルを配置することが可能となり、敷設されるケーブルおよび排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る集水桝およびケーブル収容容器の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る
図2のA-A断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る
図2のB-B断面図である。
【
図5】
図5(a)および(b)は、本発明の第1実施形態に係る埋設用ケーブル収容部の収容空間における桝用ケーブル収容部の幅方向の設置位置を説明する図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態に係る集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の第3実施形態に係る集水桝およびケーブル収容容器の側面断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第3実施形態に係る集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第4実施形態に係る集水桝およびケーブル収容容器の側面断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第5実施形態に係るケーブル収容容器の側面断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第6実施形態に係るケーブル収容容器の側面断面図である。
【
図12】
図12(a)は、本発明の第6実施形態に係る閉鎖部材の一例を示す平面図であり、
図12(b)は、本発明の第6実施形態に係る閉鎖部材の一例を示す側面図であり、
図12(c)は、本発明の第6実施形態に係る閉鎖部材のその他の例を示す平面図であり、
図12(d)は、本発明の第6実施形態に係る閉鎖部材のその他の例を示す側面図である。
【
図13】
図13は、本発明の第7実施形態に係る閉鎖部材の正面図である。
【
図14】
図14は、本発明の第8実施形態に係る集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の第9実施形態に係る集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の第10実施形態に係る集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の第11実施形態に係る埋設用ケーブル収容部の側面断面図である。
【
図18】
図18は、本発明の第12実施形態に係る埋設用ケーブル収容部の側面断面図である。
【
図19】
図19は、本発明の第13実施形態に係る埋設用ケーブル収容部の平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
図1乃至
図5は、本発明の第1実施形態を示すものである。
図1は集水桝およびケーブル収容容器の概略図であり、
図2は集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図であり、
図3は
図2のA-A断面図であり、
図4は
図2のB-B断面図であり、
図5は埋設用ケーブル収容部の収容空間における桝用ケーブル収容部の幅方向の設置位置を説明する図である。
【0023】
本実施形態のケーブル収容容器1は、発電所から供給される電力を各需要設備に対して送る送電線または配電線等の強電用ケーブルや、複数の無線基地局装置と交換局との間で送受信される信号を送るための通信線等の弱電用ケーブルを含む複数のケーブル2が収容される。
【0024】
本実施形態のケーブル収容容器1は、例えば、
図1に示すように、車両Vが走行する車道3aと歩行者Pが通行する歩道3bとを有する道路3の幅方向端部側において、道路3の延伸方向および路面Gに沿ってケーブル2を敷設する際に用いられるものである。
【0025】
道路3は、路面Gの幅方向中央部から幅方向端部に向かってなだらかに下り傾斜となっている。また、道路3の路面Gの幅方向端部側には、排水設備を構成するものであり、降雨等によって生じる路面G上の雨水や、路面Gの清掃時に散布される水等(以降、雨水等と記載する)を流入させるための集水桝4が設置されている。
【0026】
集水桝4は、上面に開口部4a1が形成された桝本体4aと、桝本体4aの開口部4a1を開閉可能な開閉蓋体4bと、からなる。
【0027】
桝本体4aは、コンクリート製または樹脂製の部材からなる。桝本体4aは、矩形状に形成された底面部4a2と、底面部4a2の外周側を上方に延びる角筒状の側面部4a3と、を有し、内部に雨水等が流入する排水流入空間4a4が形成されている。側面部4a3の上部側には、図示しない側溝等を流通する雨水等を流入させるための排水流入口4a5が設けられている。また、側面部4a3の上部側には、後述する埋設用ケーブル収容部が接続される。また、桝本体4aの側面部4a3の下部側には、排水流入空間4a4に流入した雨水等を排水流入空間4a4の外側に流出させるための排水流出口4a6が設けられている。排水流出口4a6から流出した雨水等は、排水管4a7を介して図示しない雨水管等に流入する。
【0028】
開閉蓋体4bは、例えば、直線状に延びる鋼製の複数の主部材を互いに間隔をおいて配置するとともに、複数の主部材に対して直交する方向に延びる鋼製の複数の副部材を互いに間隔をおいて配置することで格子状に組み付けた矩形状のグレーチングである。即ち、桝本体4aの排水流入空間4a4には、路面Gを流通して開閉蓋体4bを通り抜けた雨水等が流入する。開閉蓋体4bは、一端部が桝本体4aに対して回動自在に連結され、開口部4a1の開閉が可能である。集水桝4は、開閉蓋体4bを操作して開口部4a1を開放することによって、作業者による排水流入空間4a4内の保守管理作業が可能となる。
【0029】
ケーブル収容容器1は、
図1乃至
図4に示すように、敷設されるケーブル2の延伸方向における、集水桝4の排水流入空間4a4の上部側に位置する部分を収容するための桝用ケーブル収容部10と、それぞれ集水桝4に接続され、排水流入空間4a4の上部側に位置するケーブル2の一端側および他端側のそれぞれが連続して集水桝4の外側に延びるケーブル2を収容する一対の埋設用ケーブル収容部20と、を備えている。
【0030】
桝用ケーブル収容部10は、上面が開口部11aとなる横断面がU字状に形成された桝用収容部本体11と、桝用収容部本体11の開口部11aを閉鎖する桝用蓋体12と、から構成される。
【0031】
桝用収容部本体11は、樹脂製の部材からなる。桝用収容部本体11は、矩形の板状に形成された底面部11bと、底面部11bの短手方向の両側のそれぞれから上方に延びる幅方向一対の側面部11cと、を有する部材である。桝用収容部本体11の底面部11bおよび一対の側面部11cに囲まれる部分には、ケーブル2を収容するための収容空間11dが形成される。
【0032】
桝用蓋体12は、樹脂製の部材からなり、短手方向および長手方向の大きさが桝用収容部本体11の短手方向および長手方向の大きさと略同一に形成されている。桝用蓋体12は、桝用収容部本体11に対して着脱可能である。
【0033】
一対の埋設用ケーブル収容部20は、それぞれ、上面が開口部21aとなる横断面がU字状に形成された複数の埋設用収容部本体21と、複数の埋設用収容部本体21のそれぞれの開口部21aを閉鎖する複数の埋設用蓋体22と、から構成される。
【0034】
埋設用収容部本体21は、樹脂製の部材からなる。埋設用収容部本体21は、矩形の板状に形成された底面部21bと、底面部21bの短手方向の両側のそれぞれから上方に延びる幅方向一対の側面部21cと、を有する部材である。複数の埋設用収容部本体21は、それぞれ、底面部21bおよび側面部21cの長手方向の端部を道路3の延出する方向に向けた姿勢で隙間なく並べられる。並べられた複数の埋設用収容部本体21には、底面部21bおよび一対の側面部21cに囲まれる収容空間21dが形成され、収容空間21dにケーブル2が収容される。複数の埋設用収容部本体21は、それぞれ、開口部21aが路面Gと略同一の高さとなるように埋設され、収容空間21dが集水桝4の排水流入空間4a4に連通する。
【0035】
埋設用蓋体22は、樹脂製の矩形状の板状部材からなり、短手方向および長手方向の大きさが埋設用収容部本体21の短手方向および長手方向の大きさと略同一に形成されている。埋設用蓋体22は、埋設用収容部本体21に対して着脱可能である。
【0036】
ここで、桝用ケーブル収容部10は、短手方向および高さ方向の大きさが、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dに収まる大きさである。また、桝用ケーブル収容部10は、長手方向の大きさが、集水桝4の排水流入空間4a4に位置するケーブル2の長さよりも大きく形成されている。
【0037】
即ち、桝用ケーブル収容部10は、排水流入空間4a4に位置するケーブル2を収容している状態において、一端部が一方の埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dに位置し、他端部が他方の埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dに位置している。また、桝用ケーブル収容部10は、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dの幅方向の大きさの範囲内で、幅方向に移動可能である。
【0038】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、道路3の幅方向端部側および路面Gに沿って敷設されるケーブル2の大部分は、埋設用ケーブル収容部20に収容された状態となる。
【0039】
また、一対の埋設用ケーブル収容部20のそれぞれの端部が接続された集水桝4の排水流入空間4a4に位置するケーブル2は、桝用ケーブル収容部10に収容された状態となる。このため、集水桝4の排水流入空間4a4に位置するケーブル2は、集水桝4の保守管理を行う作業者がケーブル2に直接的に接触することはない。
【0040】
また、道路3の路面Gは、幅方向中央部から幅方向両端部に向かって下り傾斜となっている。このため、路面Gから集水桝4の排水流入空間4a4に流入する雨水等は、集水桝4が道路3の幅方向の一端側に設置されているか、他端側に設置されているかによって、路面Gから開閉蓋体4bを介して排水流入空間4a4に対する雨水等の流入方向が異なる。そこで、埋設用ケーブル収容部20に対する桝用ケーブル収容部10の位置を、道路3の端部側に配置することにより、
図5(a)および
図5(b)に示すように、路面Gから開閉蓋体4bを介して排水流入空間4a4に流入する雨水等が桝用ケーブル収容部10に直接的に接触する状態を抑制することが可能となる。
【0041】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、排水設備を構成する集水桝4が設置された道路3の路面Gに沿って敷設されるケーブル2を収容するケーブル収容容器1であって、ケーブル2の延伸方向における、集水桝4の排水流入空間4a4に位置する部分を収容する桝用ケーブル収容部10を備える。
【0042】
これにより、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0043】
また、それぞれ集水桝4に接続され、排水流入空間4a4に位置するケーブル2の一端側および他端側のそれぞれが連続して集水桝4の外側に延びるケーブル2を収容する一対の埋設用ケーブル収容部20を備え、桝用ケーブル収容部10の両端部は、それぞれ、一対の埋設用ケーブル収容部20のそれぞれの収容空間21dに位置している、ことが好ましい。
【0044】
これにより、排水流入空間4a4において、ケーブル2が露出することはなく、排水流入空間4a4に位置するケーブル2を桝用ケーブル収容部10によって確実に収容することが可能となる。
【0045】
また、桝用ケーブル収容部10は、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dの幅方向に移動可能である、ことが好ましい。
【0046】
これにより、路面Gから開閉蓋体4bを介して排水流入空間4a4に流入する雨水等が桝用ケーブル収容部10に直接的に接触する状態を抑制することが可能となるので、桝用ケーブル収容部10に収容されたケーブル2に対して雨水等が接触する可能性の低減を図ることが可能となる。
【0047】
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態を示すものであり、集水桝およびケーブル収容容器の側面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0048】
本実施形態のケーブル収容容器1は、
図6に示すように、桝用ケーブル収容部10の桝用収容部本体11の底面部11bに、所定形状の孔11b1が形成されている。桝用収容部本体11の底面部11bには、長手方向に間隔をおいて複数の孔11b1が配置されている。孔11b1は、例えば、円形状、多角形状等であり、特に形状が限定されるものではない。また、孔11b1は、桝用収容部本体11の少なくとも下部側に設けられていればよく、桝用収容部本体11の上部側や桝用蓋体12に形成されていてもよい。
【0049】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、集水桝4の排水流入空間4a4の上部側まで雨水等が貯留された状態になった場合に、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dに雨水等が流入する可能性がある。桝用ケーブル収容部10の収容空間11dに流入した雨水等は、排水流入空間4a4の水位が低下したときに、桝用収容部本体11に形成された孔11b1から流出する。このため、桝用ケーブル収容部10に収容されたケーブル2は、継続的に雨水等に浸漬された状態となることはない。
【0050】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0051】
また、桝用ケーブル収容部10の少なくとも下部側には、所定形状の孔11b1が形成されている、ことが好ましい。
【0052】
これにより、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dに雨水等が流入した場合に、収容空間11dに流入した雨水等を、孔11b1を介して収容空間11dの外側に流出させることが可能となるので、桝用ケーブル収容部10に収容されたケーブル2が継続的に雨水等に浸漬される状態を解消することが可能となる。
【0053】
<第3実施形態>
図7および
図8は、本発明の第3実施形態を示すものであり、
図7は集水桝およびケーブル収容容器の側面断面図であり、
図8は集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0054】
本実施形態のケーブル収容容器1は、桝用ケーブル収容部10の下面に当接することにより、桝用ケーブル収容部10を下方から支持する支持部材13を備えている。
【0055】
支持部材13は、直線状に延びる棒状の部材からなり、一端部が集水桝4の桝本体4aの底面部4a2に当接し、他端部が桝用ケーブル収容部10の桝用収容部本体11の底面部11bの下面に当接している。支持部材13は、桝用ケーブル収容部10の長手方向の両端側に設けられている。
【0056】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、集水桝4の排水流入空間4a4の上部側まで雨水等が貯留された状態になると、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dに雨水等が浸入して流通する。桝用ケーブル収容部10は、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを流通する雨水等の水圧が作用して、雨水等の流通方向に移動する可能性がある。しかし、桝用ケーブル収容部10は、長手方向の両端側が支持部材13によって下方から支持されているため、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを流通する雨水等の水圧が作用した場合に移動が抑制される。
【0057】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0058】
また、桝用ケーブル収容部10の下面に当接することにより、桝用ケーブル収容部10を下方から支持する支持部材13を備える、ことが好ましい。
【0059】
これにより、支持部材13によって桝用ケーブル収容部10の位置が保持することができるので、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを流通する雨水等の水圧による桝用ケーブル収容部10の位置ずれの発生を抑制することが可能となる。
【0060】
<第4実施形態>
図9は、本発明の第4実施形態を示すものであり、集水桝およびケーブル収容容器1の側面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0061】
本実施形態のケーブル収容容器1は、桝用ケーブル収容部10の下面に当接することにより、桝用ケーブル収容部10を下方から支持する支持部材14を備えている。
【0062】
支持部材14は、集水桝4の桝本体4aの側面部4a3に固定されるブラケット14aと、ブラケット14aの上面から上方に延びる支持部14bと、を有し、支持部14bの上端部が桝用ケーブル収容部10の桝用収容部本体11の底面部11bの下面に当接している。
【0063】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、集水桝4の排水流入空間4a4の上部側まで雨水等が貯留された状態になると、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dに雨水等が浸入して流通する。桝用ケーブル収容部10は、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを流通する雨水等の水圧が作用して、雨水等の流通方向に移動する可能性がある。しかし、桝用ケーブル収容部10は、長手方向の両端側が支持部材14によって下方から支持されているため、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを流通する雨水等の水圧が作用した場合に移動が抑制される。
【0064】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0065】
また、桝用ケーブル収容部10の下面に当接することにより、桝用ケーブル収容部10を下方から支持する支持部材14を備える、ことが好ましい。
【0066】
これにより、第3実施形態と同様に、支持部材14によって桝用ケーブル収容部10の位置が保持することができるので、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを流通する雨水等の水圧による桝用ケーブル収容部10の位置ずれの発生を抑制することが可能となる。
【0067】
<第5実施形態>
図10は、本発明の第5実施形態を示すものであり、集水桝およびケーブル収容容器1の側面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0068】
本実施形態のケーブル収容容器1は、桝用ケーブル収容部10の下面に当接することにより、桝用ケーブル収容部10を下方から支持する支持部材15を備えている。
【0069】
支持部材15は、直線状に延びる棒状の部材からなり、一端部が埋設用ケーブル収容部20の埋設用収容部本体21の底面部21bに当接し、他端部が桝用ケーブル収容部10の桝用収容部本体11の底面部11bの下面に当接している。
【0070】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、集水桝4の排水流入空間4a4の上部側まで雨水等が貯留された状態になると、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dに雨水等が浸入して流通する。桝用ケーブル収容部10は、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを流通する雨水等の水圧が作用して、雨水等の流通方向に移動する可能性がある。しかし、桝用ケーブル収容部10は、支持部材13によって下方から支持されているため、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを流通する雨水等の水圧が作用した場合に移動が抑制される。
【0071】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0072】
また、桝用ケーブル収容部10の下面に当接することにより、桝用ケーブル収容部10を下方から支持する支持部材15を備える、ことが好ましい。
【0073】
これにより、第3実施形態および第4実施形態と同様に、支持部材15によって桝用ケーブル収容部10の位置が保持することができるので、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを流通する雨水等の水圧による位置ずれの発生を抑制することが可能となる。
【0074】
<第6実施形態>
図11および
図12は、本発明の第6実施形態を示すものであり、
図11はケーブル収容容器1の側面断面図であり、
図12(a)は閉鎖部材の一例を示す平面図、
図12(b)は閉鎖部材の一例を示す側面図、
図12(c)は閉鎖部材のその他の例を示す平面図、
図12(d)は閉鎖部材のその他の例を示す側面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0075】
本実施形態のケーブル収容容器1は、桝用ケーブル収容部10の両端部を閉鎖する閉鎖部材16を備えている。
【0076】
閉鎖部材16は、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dの両端側に配置される。閉鎖部材16は、上部側に位置する上部側部材16aと、下部側に位置する下部側部材16bと、から構成されている。上部側部材16aの下部側および下部側部材16bの上部側には、ケーブル2を貫通させるための切欠きが形成され、ケーブル2の上部側に上部側部材16aを配置し、ケーブル2の下部側に下部側部材16bを配置した状態で桝用ケーブル収容部10の収容空間11dに取り付けられる。
【0077】
また、閉鎖部材16は、
図12の(a)および(b)に示すように、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dの外側の面を、桝用ケーブル収容部10の長手方向に対して直交する方向に延びる平面に形成する。
【0078】
また、閉鎖部材16は、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dの外側の面を、
図12の(c)に示すように、桝用ケーブル収容部10の幅方向一方から他方に向かって下り傾斜となる平面を形成してもよいし、
図12の(d)に示すように、桝用ケーブル収容部10の下方に向かって下り傾斜となる平面を形成してもよい。
【0079】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、集水桝4の排水流入空間4a4の上部側まで雨水等が貯留された状態になると、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dに雨水等が浸入して流通する。このとき、桝用ケーブル収容部10の端部からは、雨水等と共に落ち葉等の固形物が収容空間11dに流入する可能性がある。しかし、桝用ケーブル収容部10の端部は、閉鎖部材16によって閉鎖されているため、収容空間11dに対する固形物の進入が規制される。
【0080】
また、
図12(c)において、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dの雨水等は、閉鎖部材16に向かって流通する場合に、幅方向一方から他方に案内されるため、雨水等と共に流通する固形物についても幅方向一方に案内され、収容空間11dに対する固形物の浸入が有効に規制される。さらに、
図12(d)において、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dの雨水等は、閉鎖部材16に向かって流通する場合に、下方に案内されるため、雨水等と共に流通する固形物についても下方に案内され、収容空間11dに対する固形物の浸入が有効に規制される。
【0081】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0082】
また、桝用ケーブル収容部10の両端部を閉鎖する閉鎖部材16を備える、ことが好ましい。
【0083】
これにより、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを雨水等が流通する場合に、閉鎖部材16によって、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dに対する固形物の浸入を規制することが可能となるので、ケーブル2の保守管理作業を容易に行うことができる。
【0084】
<第7実施形態>
図13は、本発明の第7実施形態を示すものであり、閉鎖部材の正面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0085】
本実施形態のケーブル収容容器1は、第6実施形態と同様に、桝用ケーブル収容部10の両端部を閉鎖する閉鎖部材17を備えている。
【0086】
閉鎖部材17は、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dの両端側に配置される。閉鎖部材17は、ケーブル2を貫通させるための切欠き17aが上部側に形成された一部材から形成されている。閉鎖部材17は、切欠き17aにケーブル2を配置した状態で桝用ケーブル収容部10の収容空間11dに取り付けられる。
【0087】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、第6実施形態と同様に、桝用ケーブル収容部10の端部は、閉鎖部材17が閉鎖されているため、収容空間11dに対する固形物の進入が規制される。
【0088】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0089】
また、桝用ケーブル収容部10の両端部を閉鎖する閉鎖部材17を備える、ことが好ましい。
【0090】
これにより、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを雨水等が流通する場合に、閉鎖部材17によって、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dに対する固形物の浸入を規制することが可能となるので、ケーブル2の保守管理作業を容易に行うことができる。
【0091】
<第8実施形態>
図14は、本発明の第8実施形態を示すものであり、集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0092】
本実施形態のケーブル収容容器1は、集水桝4に接続された一対の埋設用ケーブル収容部20に対して複数の桝用ケーブル収容部10a,10bが並べて配置されている。
【0093】
集水桝4の排水流入空間4a4に位置する複数のケーブル2のうちの強電用ケーブル2aは、複数の桝用ケーブル収容部10a,10bのうちの一の桝用ケーブル収容部10aに収容される。また、複数のケーブル2のうちの弱電用ケーブル2bは、複数の桝用ケーブル収容部10a,10bのうちの他の桝用ケーブル収容部10bに収容される。さらに、少なくとも強電用ケーブル2aが収容される桝用ケーブル収容部10aは、桝用蓋体12によって閉鎖された桝用収容部本体11の開口部11aの閉鎖状態を保持するためのロック機構10cを有している。また、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dは、仕切21eによって、強電用ケーブル2a側の空間と、弱電用ケーブル2b側の空間と、に仕切られている。
【0094】
尚、集水桝4の排水流入空間4a4に位置する複数のケーブル2が、強電用ケーブル2aのみで構成されている場合、または、弱電用ケーブル2bのみで構成される場合には、収容空間21dに仕切21eを配置することなく、複数の桝用ケーブル収容部10a,10bのそれぞれに強電用ケーブル2aまたは弱電用ケーブル2bを収容すればよい。
【0095】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0096】
また、一対の埋設用ケーブル収容部20には、複数の桝用ケーブル収容部10が並設される、ことが好ましい。
【0097】
これにより、集水桝4の排水流入空間4a4に位置する複数のケーブル2を、種類別または用途別に設置することが可能となるので、ケーブル2の保守管理作業を容易に行うことが可能となる。
【0098】
また、排水流入空間4a4には、電力を供給する強電用ケーブル2aと、信号を伝達する弱電用ケーブル2bと、が位置し、強電用ケーブル2aは、複数の桝用ケーブル収容部10a,10bうちの一の桝用ケーブル収容部10aに収容され、弱電用ケーブル2bは、複数の桝用ケーブル収容部10a,10bのうちの他の桝用ケーブル収容部10bに収容される、ことが好ましい。
【0099】
これにより、強電用ケーブル2aおよび弱電用ケーブル2bが、それぞれ分けられて桝用ケーブル収容部10a,10bに収容されることになるため、弱電用ケーブル2bが受ける強電用ケーブル2aの電磁界の影響を小さくすることが可能となる。
【0100】
また、桝用ケーブル収容部10aは、開口部11aを有する桝用収容部本体11と、開口部11aを開放可能に閉鎖する桝用蓋体12と、桝用蓋体12によって閉鎖された開口部11aの閉鎖状態を保持するロック機構10cと、を有している、ことが好ましい。
【0101】
これにより、桝用ケーブル収容部10aのメンテナンス作業を行う作業者以外の者による開口部11aの開放を抑制することができるので、例えば、桝用ケーブル収容部10aに収容されている強電用ケーブル2aに対する不用意に接触することを防止し、安全性を向上させることが可能となる。
【0102】
<第9実施形態>
図15は、本発明の第9実施形態を示すものであり、集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0103】
本実施形態のケーブル収容容器1は、集水桝4を貫通して桝用ケーブル収容部10の一端部と他端部との間の中間部に接続される接続管18を備えている。
【0104】
接続管18は、地中に埋設される管部材であり、桝用ケーブル収容部10の桝用収容部本体11の側面部11cに一端部が接続されている。また、接続管18の他端側は、集水桝4の外側において、受電設備または無線基地局装置等の設置個所の近傍に位置している。接続管18には、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dに収容される複数のケーブル2の一部が収容されている。
【0105】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0106】
また、集水桝4を貫通して排水流入空間4a4の内側と外側とを連通し、桝用ケーブル収容部10の一端部と他端部との間の中間部に接続される接続管18を備える、ことが好ましい。
【0107】
これにより、桝用ケーブル収容部10に収容されている複数のケーブル2の一部または分岐したケーブル2を接続管18に収容した状態で受電設備または無線基地局装置等の設置個所まで敷設することが可能となる。
【0108】
<第10実施形態>
図16は、本発明の第10実施形態を示すものであり、集水桝およびケーブル収容容器の平面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0109】
本実施形態のケーブル収容容器1は、桝用ケーブル収容部10の一端部と他端部との間の中間部に一端部が接続される分岐桝用ケーブル収容部19と、集水桝4に接続され、分岐桝用ケーブル収容部を介して集水桝4の外側に延びるケーブルを収容するための分岐埋設用ケーブル収容部20aと、を備えている。
【0110】
分岐桝用ケーブル収容部19には、桝用ケーブル収容部10の収容空間11dに収容される複数のケーブル2の一部が収容されている。分岐埋設用ケーブル収容部20aには、分岐桝用ケーブル収容部19から集水桝4の外側に延びるケーブル2が収容される。
【0111】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0112】
また、桝用ケーブル収容部10の一端部と他端部との間の中間部に一端部が接続される分岐桝用ケーブル収容部19と、集水桝4に接続され、分岐桝用ケーブル収容部19を介して集水桝4の外側に延びるケーブル2を収容する分岐埋設用ケーブル収容部20aと、を備える、ことが好ましい。
【0113】
これにより、桝用ケーブル収容部10に収容されている複数のケーブル2の一部または分岐したケーブル2を、分岐桝用ケーブル収容部19および分岐埋設用ケーブル収容部20aによって目的の場所に向かって敷設することが可能となる。
【0114】
<第11実施形態>
図17は、本発明の第11実施形態を示すものであり、埋設用ケーブル収容部の側面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0115】
本実施形態のケーブル収容容器1は、埋設用ケーブル収容部20に収容されるケーブル2を、収容空間21dの上部側に係止するケーブル係止部材23と、収容空間21dを幅方向に仕切る仕切21eと、を備えている。
【0116】
ケーブル係止部材23は、ケーブル2を保持する保持部を有する部材であり、埋設用ケーブル収容部20の埋設用収容部本体21の側面部21cの上部側に固定される。ケーブル係止部材23は、埋設用ケーブル収容部20の延伸方向に間隔をおいて複数個所に取り付けられる。
【0117】
収容空間21dは、仕切21eによって幅方向に仕切られるため、強電用ケーブルおよび弱電用ケーブルをそれぞれ別々の空間に収容することが可能となる。
【0118】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、埋設用ケーブル収容部20に収容されるケーブル2は、延伸方向の全体にわたって、ケーブル係止部材23によって収容空間21dの上部側に係止される。また、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dに浸入する雨水等は、収容空間21dの下側を流通する。このため、埋設用ケーブル収容部20に収容されるケーブル2は、収容空間21dに雨水等が浸入している状態においても、雨水等に浸漬された状態が継続することはない。
【0119】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0120】
また、埋設用ケーブル収容部20に収容されるケーブル2を、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dの上部側に係止するケーブル係止部材23を備える、ことが好ましい。
【0121】
これにより、埋設用ケーブル収容部20に収容されるケーブル2が、収容空間21dの上部側に配置され、埋設用ケーブル収容部20に浸入した雨水等が、収容空間21dの下部側を流通するため、継続的にケーブル2が雨水等に浸漬される状態を抑制することが可能となる。
【0122】
<第12実施形態>
図18は、本発明の第12実施形態を示すものであり、埋設用ケーブル収容部の側面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0123】
本実施形態のケーブル収容容器1は、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを上下に仕切る仕切部材24と、仕切部材24によって仕切られた収容空間21dの上部側を幅方向に仕切る仕切21eと、を備えている。
【0124】
仕切部材24によって仕切られた収容空間21dの上部側の空間は、仕切21eによって幅方向に仕切られるため、強電用ケーブルおよび弱電用ケーブルをそれぞれ別々の空間に収容することが可能となる。
【0125】
仕切部材24は、板状部材であり、埋設用ケーブル収容部20の埋設用収容部本体21の一対の側面部21cの上下方向の中間部に固定される。仕切部材24は、埋設用ケーブル収容部20の延伸方向にわたって、収容空間21dを上部側の空間と下部側の空間とに仕切っている。
【0126】
以上のように構成されたケーブル収容容器1において、埋設用ケーブル収容部20に収容されるケーブル2は、仕切部材24によって仕切られた収容空間21dの上部側の空間に配置される。また、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dに浸入する雨水等は、収容空間21dの下側の空間を流通する。このため、埋設用ケーブル収容部20に収容されるケーブル2は、収容空間21dに雨水等が浸入している状態においても、雨水等に浸漬されることはない。
【0127】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0128】
また、埋設用ケーブル収容部20の収容空間21dを上下に仕切る仕切部材24を備え、埋設用ケーブル収容部20に収容されるケーブルは、仕切部材24によって仕切られた収容空間21dの上部側の空間に配置される、ことが好ましい。
【0129】
これにより、埋設用ケーブル収容部20に収容されるケーブル2が、収容空間21dの上部側の空間に配置され、埋設用ケーブル収容部20に浸入した雨水等が、収容空間21dの下部側の空間を流通するため、ケーブル2が雨水等に浸漬される状態を抑制することが可能となる。
【0130】
<第13実施形態>
図19は、本発明の第13実施形態を示すものであり、埋設用ケーブル収容部の平面断面図である。尚、前記実施形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して示す。
【0131】
本実施形態のケーブル収容容器1は、
図19に示すように、桝用ケーブル収容部10が、集水桝4の排水流入空間4a4において、一端側の延伸方向に対して他端側の延伸方向が所定の角度を成すように曲がりを有するケーブル2を収容する。
【0132】
図19(a)に示す桝用ケーブル収容部10は、直線状に延びる一端側直線部10d1と、一端側直線部10d1に対して略直交する方向に直線状に延びる他端側直線部10d2と、湾曲して延びるように形成され、一端側直線部10d1と他端側直線部10d2との間を接続する湾曲部10d3と、を有している。
【0133】
また、
図19(b)に示す桝用ケーブル収容部10は、直線状に延びる一端側直線部10e1と、一端側直線部10eに対して略直交する方向に直線状に延びる他端側直線部10e2と、箱状に形成され、一端側直線部10e1と他端側直線部10e2との間を接続する箱部10e3と、を有している。
【0134】
さらに、
図19(c)に示す桝用ケーブル収容部10は、一端部と他端部との間の全体にわたって湾曲して延びる湾曲部10fを有している。
【0135】
このように、本実施形態のケーブル収容容器1によれば、第1実施形態と同様に、集水桝4の排水流入空間4a4において保守管理作業を行う作業者がケーブル2を直接的に接触することがないので、集水桝4の排水流入空間4a4にケーブル2を配置することが可能となり、敷設されるケーブル2および排水設備の設置スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0136】
また、桝用ケーブル収容部10は、排水流入空間4a4において、一端側の延伸方向に対して他端側の延伸方向が所定の角度を成すように曲がりを有するケーブルを収容する、ことが好ましい。
【0137】
これにより、曲がりを有する道路3に沿ってケーブルを敷設する場合等、排水流入空間4a4においてケーブル2の延伸方向を変化させることが可能となる。
【符号の説明】
【0138】
1 ケーブル収容容器
2 ケーブル
3 道路
4 集水桝
4a4 排水流入空間
10 桝用ケーブル収容部
11 桝用収容部本体
11b1 孔
12 桝用蓋体
13 支持部材
14 支持部材
15 支持部材
16 閉鎖部材
17 閉鎖部材
18 接続管
19 分岐桝用ケーブル収容部
20 埋設用ケーブル収容部
20a 分岐埋設用ケーブル収容部
21d 収容空間
23 ケーブル係止部材
24 仕切部材