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  • 特開-熱伝導性注封組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159356
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】熱伝導性注封組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 59/42 20060101AFI20231024BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20231024BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20231024BHJP
   C08K 5/09 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
C08G59/42
C08K3/22
C08K3/013
C08K5/09
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023136348
(22)【出願日】2023-08-24
(62)【分割の表示】P 2021547612の分割
【原出願日】2018-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】レイ・ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ハオ
(72)【発明者】
【氏名】チウ・シュエユー
(72)【発明者】
【氏名】シエ・シュエ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】低い粘度、高い熱伝導率、高い靭性および優れた熱衝撃性能を有する熱伝導性注封組成物を提供する。
【解決手段】A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ、およびD2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体を含む充填材、並びにE)酸無水物硬化剤を含む硬化剤、を含む熱伝導性注封組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材、並びに
E)硬化剤
を含んでなる熱伝導性注封組成物。
【請求項2】
成分A)の含有量は組成物の総重量に基づいて1~40重量%である、請求項1に記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項3】
成分B)の含有量は組成物の総重量に基づいて0.1~20重量%である、請求項1または2に記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項4】
成分B)は3個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂である、請求項1~3のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項5】
成分C)の含有量は組成物の総重量に基づいて1~50重量%である、請求項1~4のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項6】
成分D1)の含有量は組成物の総重量に基づいて30~80重量%である、請求項1~5のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項7】
成分D1)は0.001~5重量%のシランを含有する、請求項1~6のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項8】
成分D2)の含有量は組成物の総重量に基づいて5~80重量%である、請求項1~7のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項9】
成分E)の含有量は組成物の総重量に基づいて1~20重量%である、請求項1~8のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項10】
硬化促進剤を更に含んでなる、請求項1~9のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項11】
二成分熱伝導性注封組成物であって、
パートAは、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材
を含んでなり、
パートBは、
E)硬化剤
を含んでなる、二成分熱伝導性注封組成物。
【請求項12】
新エネルギー車のための、請求項1~10のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物または請求項11に記載の二成分熱伝導性注封組成物の使用。
【請求項13】
請求項1~10のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物または請求項11に記載の二成分熱伝導性注封組成物の硬化生成物を含んでなる、新エネルギー車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱伝導性注封組成物に関する。特に、本発明は、低い粘度、高い熱伝導率、高い靭性(即ち、優れた接合強度)、および新エネルギー車にとって優れた熱衝撃性能を有する熱伝導性注封組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
石油依存度、大気汚染、二酸化炭素排出量を削減するために、近年、例えば電池式電気自動車(BEV)およびプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)といった一部または全てを電気で駆動する自動車である新エネルギー車(NEV)の開発が世界的に、特に中国で急速に進んでいる。例えば、中国における新エネルギー車の累計販売台数は、2011年には8,159台にすぎなかったが、2017年には1,728,447台に増加している。
【0003】
新エネルギー車産業の発展に伴い、高馬力には、電池、モーターおよび発電機などの電気部品からの高い電力密度が必要とされる。より小さくてより軽くてより安価な部品は、今後ますます人気を集めるであろう。そのような部品により、省スペース化だけでなく、作業効率の向上に加えてコスト削減が可能となる。従来の含浸加工では、新たな熱伝導性の要求に応えることはできなかった。熱伝導性注封組成物の供給は、電力部品からヒートシンクに熱を効果的に伝導させるための理想的な方法である。
【0004】
新エネルギー車では通常、コイル装置全体が、例えばエポキシ樹脂に基づく注型用樹脂に封入されている。導体間の全てのスペースは、空洞または気泡を伴わずに含浸されている。注封組成物であってよい注型用樹脂は、多種多様な性質を有する。それらは例えば、導体間全てのスペースが(例えば空洞または気泡を伴わずに)完全に含浸されるような加工時の低い粘度、および全体的に高い剛性を提供し、それによって各巻線のより正確な位置決めを提供するための高弾性率を包含する。注型用樹脂は、導体構造から冷却層への効率的な熱移動をもたらすために、良好な熱伝導率を有し得る。注型用樹脂は、使用温度範囲で可能な限り一定の特性プロファイルが達成されるように、高いガラス転移温度に反映される高い耐熱性を有し得る。注型用樹脂は、(使用時と硬化温度からの冷却時の両方で加熱された際にコイルユニットにクラックおよび剥離を招き得る)機械的応力を抑制し、それによって単純なクラック形成を抑制するために、〔例えば、可能であれば、使用される他の材料(銅の導体、絶縁層)の熱膨張係数と同等の〕低い熱膨張係数を有し得る。このような観点から、高い耐クラック性にも言及すべきである。また、高い部分放電抵抗、低い誘電損率、難燃性、および経済性にも言及すべきである。
【0005】
エポキシ系注型用樹脂を注封組成物として使用できる。例えば、US 9,074,108 B2には、少なくとも1種のポリマーナノ粒子性充填材が分散した支持マトリックスからなり、電子部品、特に勾配コイルのような大容量コイルの注封に適した注封組成物が開示されている。この注封組成物は、良好な難燃性および低い粘度を有するが、新エネルギー車の熱管理の要求を満たすことはできず、新エネルギー車にとっての接合の要求および耐熱衝撃性の要求を同時に満たすこともできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US 9,074,108 B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
低い粘度、高い熱伝導率、高い靭性および優れた熱衝撃性能を有する熱伝導性注封組成物に対する要求が存在する。
【0008】
本発明の目的は、低い粘度、高い熱伝導率、高い靭性および優れた熱衝撃性能を有する熱伝導性注封組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材、並びに
E)硬化剤
を含んでなる熱伝導性注封組成物を提供する。
【0010】
本発明はまた、二成分熱伝導性注封組成物であって、
パートAは、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材
を含んでなり、
パートBは、
E)硬化剤
を含んでなる、二成分熱伝導性注封組成物を提供する。
【0011】
本発明は更に、本発明の熱伝導性注封組成物または本発明の二成分熱伝導性注封組成物の新エネルギー車のための使用を提供する。
【0012】
本発明はまた、本発明の熱伝導性注封組成物または本発明の二成分熱伝導性注封組成物の硬化生成物を含んでなる新エネルギー車を提供する。
【0013】
本発明の熱伝導性注封組成物は、低い粘度、高い熱伝導率、高い靭性(即ち、優れた接合強度)、および新エネルギー車にとって優れた熱衝撃性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施例1~5および比較例1~6の組成物の耐熱衝撃性を測定するためのデバイスの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の段落で、本発明をより詳細に説明する。記載された各実施態様は、反対であることが明示されていない限り、他の実施態様と組み合わせてもよい。特に、好ましいまたは有利であると記載されている全ての特徴は、好ましいまたは有利であると記載されている他の全ての特徴と組み合わせてよい。
【0016】
本明細書において、使用されている用語は、特に記載のない限り、下記定義に従って解釈されるものとする。
【0017】
本明細書において、単数形「a」、「an」および「the」は、明細書に明らかに記載されてない限り、単数形および複数形の両方を包含する。
【0018】
本明細書において、「含んでなり」、「含んでなる」および「含まれている」という用語は、「包含し」、「包含する」または「含有し」、「含有する」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の記載されていない部材、要素、またはプロセスステップを除外するものではない。
【0019】
数値の終点の記載には、記載された終点だけでなく、各範囲内に含まれる数値および分数の全てが含まれる。
【0020】
本明細書に記載した全ての参考文献は、その全体を引用してここに組み込まれる。
【0021】
特に記載のない限り、技術用語および科学用語を含む本明細書で使用されている全ての用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解される意味を有する。更なるガイダンスにより、本発明の教示をよりよく理解するために、用語の定義は含まれる。
【0022】
本発明において、熱伝導性注封組成物は、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材、並びに
E)硬化剤
を含んでなる。
【0023】
A)エポキシ樹脂
本発明において、エポキシ樹脂は、少なくとも500mPa・s、好ましくは少なくとも1000mPa・s、より好ましくは少なくとも5000mPa・s、特に好ましくは少なくとも10000mPa・sの25℃での粘度を有する。本明細書では、特に記載のない限り、粘度値の全てはBrookfield Viscometerを用いて測定した値である。
【0024】
好ましくは、エポキシ樹脂は、ビスフェノール-Aエポキシ樹脂、ビスフェノール-Fエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂およびフェノール系エポキシ樹脂からなる群から選択されてよい。より好ましくは、エポキシ樹脂はビスフェノール-Aエポキシ樹脂であってよい。
【0025】
本発明に適したエポキシ樹脂は、例えば、NPEL-127、NPEL-127E、NPEL-127H、NPEL-128、NPEL-128E、NPEL-128G、NPEL-128R、NPEL-128S、NPEF-170、NPEF-180、NPEF-185、NPEF-187、NPEF-198、NPPN-630L、NPPN-630、およびNPPN-631(全てNAN YA EPOXY RESINから市販);850(Blue Star New Chemical Materials Co., Ltd.から市販);CYD 128(Baling Petrochemical Corporationから市販);YD 128(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社から市販);EP4100(株式会社ADEKAから市販);R140(三井化学株式会社から市販);D.E.R. 331(Dow Chemical Companyから市販);NPEL128(Nanya Epoxy Resinから市販);およびYD128(Kukdo Chemical Co., Ltd.から市販)を包含する。好ましくは、市販のエポキシ樹脂の例はNPEL-128である。
【0026】
エポキシ樹脂は、熱伝導性注封組成物の総重量に基づいて、1~40重量%、好ましくは5~25重量%の量で存在する。エポキシ樹脂の含有量が1%未満であると、熱伝導性注封組成物は良好な接合強度および良好な耐熱衝撃性を示さない。エポキシ樹脂の含有量が40重量%より大きいと、熱伝導性注封組成物の粘度は高すぎ、熱伝導性充填材を組成物に添加できず、従って、組成物は低い粘度および高い熱伝導率を示すことはできない。
【0027】
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂
本発明では、少なくとも3個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂は、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の、好ましくは50~800mPa・s、好ましくは100~600mPa・sの25℃での粘度を有する。
【0028】
好ましい実施態様では、変性エポキシ樹脂は3個のエポキシ官能基を含む。
【0029】
本発明の熱伝導性注封組成物において、少なくとも3個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂は、エポキシ反応性希釈剤として作用し、組成物の粘度を低下するだけでなく、硬化反応に関与する。好ましくは、変性エポキシ樹脂は、トリグリシジルエーテルからなる群から選択され得る。より好ましくは、変性エポキシ樹脂は、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルである。
【0030】
本発明に適した変性エポキシ樹脂は、例えば、HeloxyTM Modifier 48、HeloxyTM Modifier 84およびHeloxyTM Modifier 505(全てHexion Specialty Chemicals, Incから市販);Epodil(登録商標)733およびEpodil(登録商標)762(いずれもEvonik Industries AGから市販)を包含する。好ましくは、市販の変性エポキシ樹脂の例はHeloxyTM Modifier 48である。
【0031】
変性エポキシ樹脂は、熱伝導性注封組成物の総重量に基づいて、0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1.5~5重量%の量で存在する。変性エポキシ樹脂の含有量が0.1%未満であると、熱伝導性注封組成物の粘度は低減されない。変性エポキシ樹脂の含有量が20%より大きいと、熱伝導性注封組成物は物性に劣り、注封組成物の硬化生成物は非常に脆くなる。
【0032】
C)コアシェルナノ粒子
本発明において、コアシェルナノ粒子の20重量%は、0.01~1μm、好ましくは0.1~0.8μm、より好ましくは0.3~0.7μmの粒度を有する。
【0033】
本発明の熱伝導性注封組成物において、コアシェルナノ粒子は、強化剤として作用する。本発明に適したコアシェルナノ粒子は、本発明の目的のために使用できるものである限り、いずれのコアシェルナノ粒子であってもよい。好ましくは、コアシェルナノ粒子は、カルボキシル末端ブタジエンアクリロニトリル(CTBN)液状ゴム、アミン末端ブタジエンアクリロニトリル(ATBN)液状ゴム、ビニル末端ブタジエンアクリロニトリル(VTBN)液状ゴムのような反応性液状ゴム;エラストマーラテックス製のコアシェルポリマーまたは熱可塑性粉体のような予備成形粒子;コアシェル構造を有するInterpentrating Polymer Network(IPN)強化剤からなる群から選択され得る。
【0034】
本発明に適した変性エポキシ樹脂は、例えば、HypoxTM RA840(CVC Thermoset Specialtiesから市販);Kane AceTM MX267、Kane AceTM MX120、Kane AceTM MX125、Kane AceTM MX153、Kane AceTM MX154、Kane AceTM MX156、Kane AceTM MX257、Kane AceTM MX960、Kane AceTM MX170、Kane AceTM MX135、Kane AceTM MX136、Kane AceTM MX416、Kane AceTM MX451、Kane AceTM MX217およびKane AceTM MX717(全て株式会社カネカから市販)を包含する。
【0035】
コアシェルナノ粒子は、熱伝導性注封組成物の総重量に基づいて、1~50重量%、好ましくは2~20重量%の量で存在する。コアシェルナノ粒子の含有量が1%未満であると、熱伝導性注封組成物の靭性が改善され得ず、注封組成物が非常に硬質になり、耐熱衝撃性を示さない。コアシェルナノ粒子の含有量が50%より大きいと、熱伝導性注封組成物の粘度が高くなりすぎ、その耐熱性が低くなる。
【0036】
D)充填材
D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ
本発明において、シラン表面変性球状アルミナは、15μmより大きく100μm以下の平均粒度、好ましくは15μmより大きく70μm以下の平均粒度、より好ましくは17μmより大きく35μm以下の平均粒度を有する。
【0037】
本発明において、シラン表面変性球状アルミナは、様々なタイプの多官能性シランにより変性されていてよい。本発明に適したシラン表面変性球状アルミナは、HypoxTM RA840(CVC Thermoset Specialtiesから市販);Kane AceTM MX267(株式会社カネカから市販);並びにdynasylan 1146および9496(いずれもEvonik Industries AGから市販)を含する。好ましくは、シラン表面変性球状アルミナは、HypoxTM RA840およびKane AceTM MX267からなる群から選択される。
【0038】
好ましくは、成分 D1)は0.001~5重量%のシランを含有する。
【0039】
成分D1)は、熱伝導性注封組成物の総重量に基づいて、30~80重量%、好ましくは42~75重量%、より好ましくは45~68重量%の量で存在する。
【0040】
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
本発明において、熱伝導性粉体は、0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度、好ましくは2μmより大きく10μm以下の平均粒度、より好ましくは3μmより大きく5μm以下の平均粒度を有する。
【0041】
本発明に適した熱伝導性粉体は、本発明の目的のために使用できるものである限り、いずれの、0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体であってもよい。例えば、本発明の熱伝導性粉体は、Al2O3、MgO、SiO2、Al(OH)3、Mg(OH)2、BN、AlN、SiC、SiN、またはそれらの組み合わせであってよい。好ましくは、本発明の熱伝導性粉体は球状アルミナ粉体である。例えば、熱伝導性粉体の例は、BAK-2、BAK-5およびBAK-10(全てBestry Performance Materials Corporationから市販)を包含する。
【0042】
熱伝導性粉体は、熱伝導性注封組成物の総重量に基づいて、5~80重量%、好ましくは8~50重量%、より好ましくは10~25重量%の量で存在する。熱伝導性粉体の含有量が5%未満であると、熱伝導性注封組成物の熱伝導率は低くなりすぎ、この場合、熱伝導性粉体はデバイスの熱を効果的に分散できない。熱伝導性粉体の含有量が80%より大きいと、熱伝導性注封組成物の粘度が高くなりすぎ、これは、注封組成物の加工にとって不利である。
【0043】
E)硬化剤
本発明において、硬化剤は、本発明の目的のために使用できるものである限り、いずれの硬化剤であってもよい。本発明に適した硬化剤は、無水物およびアミン硬化剤を包含する。好ましくは、硬化剤は、低い粘度の無水物およびアミン硬化剤から選択され得る。より好ましくは、硬化剤は、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびポリエーテルアミンからなる群から選択され得る。例えば、硬化剤の例は、MHHPA(Shangdong QING YANG Corporationから市販);D230(Huntsman Corporationから市販)を包含する。
【0044】
硬化剤は、熱伝導性注封組成物の総重量に基づいて、1~20重量%、好ましくは5~15重量%の量で存在する。硬化剤の含有量が1%未満または20%超であると、熱伝導性注封組成物は硬化できない。
【0045】
本発明の熱伝導性注封組成物は、必要に応じて、様々な他の添加剤を含有してよい。成分A)~E)のそれぞれおよび/または成分A)~E)の任意の2以上の混合物に所望の物理的および化学的特性をもたらすため、およびそれから得られる注封組成物の硬化反応生成物に所望の物理的および化学的特性をもたらすために、注封組成物における任意の添加剤は、例えば、1以上のタイプの硬化促進剤、接着促進剤、チキソトロープ、他の助剤;またはそれらの組み合わせを包含する。もちろん、添加剤は、用途での使用を可能にする硬化反応生成物の特性に悪影響を与えてはならない。
【0046】
硬化促進剤
硬化促進剤は、ゲル化時間を大幅に短縮する、および/または硬化の完了を促進する材料である。第三級アミン、イミド、ポリアミン、環状アミンおよびアリールアミンのような様々な化合物を、本発明の熱伝導性注封組成物に配合できる。潜在的な促進剤として下記種も包含されるが、これらに限定されない:強酸、有機酸および無機酸、フルオロ酸、フルオロスルホン酸、フルオロ酢酸、水、アルコール、フェノール、フルオロフェノール、サリチル酸、アミン、カルシウム、および上記のいずれかまたは全ての酸の金属塩、ポリオール、活性水素材料、並びにそれらの塩および/または錯体等。例えば、本発明に適した硬化促進剤は、DMP-30(Huntsman Corporationから市販)を包含する。
【0047】
硬化促進剤の有用な量は、典型的には、組成物全体の0~30重量%の範囲内である。好ましくは、硬化促進剤は、組成物全体の0.001~10重量%の量で存在する。
【0048】
接着促進剤
本発明の熱伝導性注封組成物は、基材表面に対する、注封組成物の反応生成物の接着性の改善を助けるために、1以上の生成物を含むことができる。有用な接着促進材料は、エポキシ樹脂とキレート官能基含有化合物との反応生成物(ここでは「キレート変性エポキシ樹脂」と称する)、および官能性シランを包含する。
【0049】
そのような反応生成物は、一般的に「キレートエポキシ」または「キレートエポキシ樹脂」と称されている物質を包含する。キレート官能基は、それ自体で、または同じ分子に配置された他の官能基と協力して、二価または多価の金属原子とキレート結合を形成できる官能基を包含する。本発明に適したキレート官能基は、例えば、リン含有酸基(例えば、--PO(OH)2)、カルボン酸基(--CO2H)、イオウ含有酸基(例えば、--SO3H)、アミノ基、ヒドロキシル基(特に、芳香環上で互いに隣接するヒドロキシル基)を包含する。そのような反応生成物の調製は、当業者に公知の方法、例えば、米国特許第4,702,962号および第4,340,716号、欧州特許第EP 342 035号、並びにJP 58-063758およびJP 58-069265に記載されている方法により実施してよい(前記特許文献の各々は、その全体を引用してここに組み込む)。エポキシ樹脂とキレート官能基含有化合物との反応生成物は市販もされており、その例は、ADEKA Resins EP-49-10N、EP-49-55C、EP-49-10、EP-49-20、EP-49-23およびEP-49-25(株式会社旭電化から販売)である。
【0050】
金属キレート特性を有する他の化合物を、基材表面に対する、注封組成物の反応生成物の接着性の強化を助けるために使用してもよく、そのような他の化合物は、例えば、米国特許出願第2005/0129955号に記載されている接着促進剤を包含する(前記特許文献は、その全体を引用してここに組み込む)。また、K-FLEX XM-B301の商品名でKing Industriesにより販売されているアセト酢酸官能化変性樹脂も、接着促進剤としての使用に適している。
【0051】
いくつかの官能性シランは、組成物と結合または相互作用できる反応性成分、基材と反応できるシラン成分、および/または他のシラン変性材料および加水分解性成分を包含する。いくつかのエポキシ反応性成分含有官能性シランは、Momentive Performance Materials Inc.(コネチカット在)により販売されている。
【0052】
本発明の熱伝導性注封組成物は、例えば、6重量%までの接着促進剤を含有してよい。接着促進剤は、必要に応じて、成分A)~E)の任意の1、2またはそれ以上に配合できる。
【0053】
チキソトロープ
任意の適当なチキソトロープを本発明の熱伝導性注封組成物に配合できる。本発明に適したチキソトロープ剤は、例えば、Disparlon 6100、Disparlon 6200〔King Industries, Science Rd.(コネチカット州ノーウォーク在)〕、有機クレイ、ヒュームドシリカ、不活性および/または機能性充填材、プラスチック充填材、およびポリアミド粉体を包含する。チキソトロープの有用な量は、典型的には、組成物全体の0~30重量%の範囲内である。好ましくは、チキソトロープは、組成物全体の1~10重量%の量で存在する。
【0054】
助剤
本発明の熱伝導性注封組成物は、注封組成物および/または注封組成物から得られる硬化反応生成物の物理的および化学的特性を更に変更するために、任意に、流動助剤、カップリング剤(例えばシラン)、粘着付与剤、難燃剤、レオロジー調整剤、阻害剤、腐食防止剤、酸化防止剤、安定剤、増粘剤、可塑剤、エラストマー、熱可塑性樹脂、着色剤、貯蔵寿命延長剤(例えば塩化亜鉛)、工業用マイクロバイオスタット、界面活性剤または湿潤剤(例えば、DuPontから販売されているZonyl(登録商標)FSO)、重合禁止剤、その他のよく知られている添加剤のような他の一般的な助剤、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0055】
必要な特性に応じて、個々の成分の割合は、比較的広い範囲内で変更してよい。助剤は、必要に応じて、成分の任意の1、2またはそれ以上に配合できる。
【0056】
本発明の熱伝導性注封組成物は、熱伝導性注封組成物を製造する公知の方法を用いて、必要に応じて他の添加剤と共に、成分A)~E)を混合することにより製造してよい。例えば、上述した量で上述した成分を混合することにより製造してよい。各成分の添加の順は、本発明の目的に応じた熱伝導性注封組成物が得られる限り、特に限定されない。
【0057】
本発明の熱伝導性注封組成物において、成分A)~D)および成分E)は別個に貯蔵できる。使用直前に、上記成分の全てを均一に混合して注封組成物を生成できる。減圧により脱気すると成分の混合により気泡が除去されるので、好ましい実施態様では、混合物を減圧により脱気する。混合した組成物は、室温または高温で、好ましくは60℃で適用され得る。別の好ましい実施態様では、それから得られた生成物を、20~60分以内に60℃で減圧を伴って注封のために使用する。
【0058】
好ましい実施態様では、本発明の熱伝導性注封組成物は、
A)1~40重量%の、少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)0.1~20重量%の、少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)1~50重量%の、その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)30~80重量%の、D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ、および
5~80重量%の、D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材、並びに
E)1~20重量%の硬化剤
を含んでなり、成分の重量比は、熱伝導性注封組成物の総重量に基づく。
【0059】
本発明はまた、二成分熱伝導性注封組成物であって、
パートAは、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材
を含んでなり、
パートBは、
E)硬化剤
を含んでなる、二成分熱伝導性注封組成物を提供する。
【0060】
存在する場合の上記添加剤は、パートAおよびBの一方または両方に存在してよい。
【0061】
パートAおよびパートBは分離して貯蔵されている。2つのパートおよび存在する場合の上記添加剤は、使用直前に均一に混合されて本発明の熱伝導性注封組成物を形成することができる。減圧により脱気するとパートAおよびBの混合により気泡が除去されるので、好ましい実施態様では、混合物を減圧により脱気する。混合した組成物は、室温または高温で、好ましくは60℃で適用され得る。別の好ましい実施態様では、それから得られた生成物を、20~60分以内に60℃で減圧を伴って注封のために使用する。
【0062】
一実施態様では、パートAおよびパートBはそれぞれ、2パート注封パッケージの成分であってよい。各パートは、使い勝手が良いように、化学的に分離され、パッケージ化されている。
【0063】
本発明の熱伝導性注封組成物は、電池式電気自動車(BEV)およびプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)を包含する新エネルギー車、産業機器、および航空宇宙用・民生用電子機器などの用途に使用することができる。
【0064】
従って、本発明は、本発明の熱伝導性注封組成物または本発明の二成分熱伝導性注封組成物の、新エネルギー車、産業機器、航空宇宙用および民生用電子機器のための使用を提供する。また、本発明は、本発明の熱伝導性注封組成物または本発明の二成分熱伝導性注封組成物の硬化生成物を含んでなる新エネルギー車も提供する。
【0065】
本発明の熱伝導性注封組成物は、低い粘度、高い熱伝導率、高い靭性(即ち、優れた接合強度)、および新エネルギー車にとって優れた熱衝撃性能を有する。
【0066】
以下の実施例は、当業者が本発明をよりよく理解し、実施するのを助けることを意図している。本発明の範囲は、実施例によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定義されている。全ての部およびパーセントは、特に記載のない限り、重量に基づく。
【実施例0067】
下記材料を実施例で使用した。
NPEL 128は、NAN YA EPOXY RESINから市販されており、12000~15000mPa・sの25℃での粘度を有する液状ビスフェノールAエポキシ樹脂である。
HELOXYTM Modifier 48は、Hexion Specialty Chemicals, Inc.から市販されており、125~250mPa・sの25℃での粘度を有し、3個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂である、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルである。
HELOXYTM Modifier 8は、Hexion Specialty Chemicals, Inc.から市販されており、6~9mPa・sの25℃での粘度を有し、1個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂である。
ED523Tは、株式会社ADEKAから市販されており、18mPa・sの25℃での粘度を有し、2個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂である。
AEROSIL(登録商標)R974は、Evonik Industries AGから市販されており、170±20m/gのBET表面積および3.7~4.7のpHを有するヒュームドシリカである。
HypoxTM RA840は、CVC Thermoset Specialtiesから市販されており、150,000~230,000mPa・sの52℃での粘度を有し、液状エラストマー変性ビスフェノールAエポキシ樹脂およびその20重量%が0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子を含有するアクリロニトリルである。
【0068】
Kane AceTM MX267は、株式会社カネカから市販されており、7000mPa・sの50℃での粘度を有し、その20重量%が0.01~1μmの粒度を有するコアシェルゴムナノ粒子である。
Fortegra 202は、Dow Chemical Companyから市販されており、4500~10000mPa・sの、ISO 3219に準拠して測定された25℃での粘度を有する強化剤である。
QS-N12は、BEIJING JIN DAO QI SHI MATERIAL TECHNOLOGY CO., LTD.から市販されており、4000mPa・s未満の25℃での粘度を有する淡黄色の透明液状強化剤である。
QS-VA-3は、BEIJING JIN DAO QI SHI MATERIAL TECHNOLOGY CO., LTD.から市販されており、8000mPa・s未満の25℃での粘度を有する黄色から淡茶色の透明液状強化剤である。
BAK-20は、Yaan Bestry Performance Materials Corporationから市販されており、20±2.0μmの平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナである。
SJR-20は、AnHuI Estone Materials Technology Co., Ltd.から市販されており、20μmの平均粒度を有する結晶水晶である。
【0069】
BAH-20H4は、Yaan Bestry Performance Materials Corporationから市販されており、20μmの平均粒度を有する球状アルミナ粉体である。
BAH-40は、Yaan Bestry Performance Materials Corporationから市販されており、40μmの平均粒度を有する球状アルミナ粉体である。
BAK-5は、Yaan Bestry Performance Materials Corporationから市販されており、5.0±1.0μmの平均粒度を有する球状アルミナ粉体である。
DMP-30は、Huntsman Corporationから市販されているトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールである。
MHHPAは、Shangdong QING YANG Corporationから市販されているメチルヘキサヒドロ無水フタル酸である。
D230は、Huntsman Corporationから市販されているポリエーテルアミンである。
【0070】
実施例1(Ex1)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブン(haven)に投入した。
【0071】
実施例2(Ex2)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのKane AceTM MX267をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.74gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0072】
実施例3(Ex3)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAH-20H4を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0073】
実施例4(Ex4)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのD230を混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0074】
実施例5(Ex5)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAH-40を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0075】
実施例1~5の成分およびそれらの量をそれぞれ、表1に示す。
【表1】
【0076】
比較例1(CE1)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 8、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.2gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0077】
比較例2(CE2)
3.2gのNPEL 128、0.8gのED523T、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0078】
比較例3(CE3)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのFortegra 202をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.35gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0079】
比較例4(CE4)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのSJR-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。続いて、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0080】
比較例5(CE5)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのQS-N12をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0081】
比較例6(CE6)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのQS-VA-3をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにヘイブンに投入した。
【0082】
比較例1~6の成分およびそれらの量をそれぞれ、表2に示す。
【表2】
【0083】
性能評価
粘度:
実施例1~5および比較例1~6の組成物の粘度を、Rheometer MCR 301を用いて、25℃および5l/sで試験した。
【0084】
熱伝導率:
実施例1~5および比較例1~6の組成物の熱伝導率を、NETZSCHから市販されているLFA 467を用い、American Society for Testing and MaterialsのASTM E1461に従って、25℃で試験した。
【0085】
重ね剪断強度:
実施例1~5および比較例1~6の組成物の重ね剪断強度を、AlおよびAlを用い、Instron 5569を用いて、American Society for Testing and MaterialsのASTM D1002に従って、25℃で試験した。
【0086】
耐熱衝撃性:
試験を以下のように実施した:図1に示すように、アルミ製蓋、スチール製リングおよび絶縁紙を用いて、モーターの固定子をシミュレートするデバイスを作製し;アルミ製蓋が見えなくなるまで、実施例1~5および比較例1~6の各組成物をデバイスに注入、次いで、それらを硬化のためにオーブンに投入した。その後、組成物の硬化生成物を伴ったデバイスを、-40℃で1時間および150℃で1時間のサイクルでの衝撃のために熱衝撃機に投入した。衝撃サイクルは、硬化生成物にクラックが発生するまで継続した。組成物の耐熱衝撃性をサイクル数で測定した。サイクル数が高いほど、組成物の耐熱衝撃性は優れる。
【0087】
実施例および比較例の熱伝導性注封組成物についての性能評価の試験結果をそれぞれ、表3および4に示す。
【0088】
【表3】
【0089】
表3に示されているように、本発明の熱伝導性注封組成物は、低い粘度を有し、優れた接合性能および耐熱衝撃性を同時に示した。
【0090】
【表4】
【0091】
表4に示されているように、1個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂を含有する比較例の組成物(CE1)または2個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂を含有する比較例の組成物(CE2)は、低い耐熱衝撃性を示し;Fortegra 202を含有する比較例の組成物(CE3)またはQS-VA-3を含有する比較例の組成物(CE6)は、低い接合性能および耐熱衝撃性を示し;QS-N12を含有する比較例の組成物(CE5)は低い接合性能を示し;SJR-20を含有する比較例の組成物(CE4)は非常に高い粘度を有しており、この注封組成物は加工できなかった。要約すると、本発明の範囲から逸脱する熱伝導性注封組成物は、低い粘度、並びに優れた接合性能および耐熱衝撃性を同時に示すことはできなかった。
【0092】
いくつかの好ましい実施態様を記載したが、それらに対し、上記教示に照らして、多くの修正および変更がなされてもよい。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、具体的に記載された以外の方法で実施することができると理解すべきである。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有する球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材、並びに
E)酸無水物硬化剤を含んでなる硬化剤
を含んでなる熱伝導性注封組成物。
【請求項2】
成分A)の含有量は組成物の総重量に基づいて1~40重量%である、請求項1に記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項3】
成分B)の含有量は組成物の総重量に基づいて0.1~20重量%である、請求項1または2に記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項4】
成分B)は3個のエポキシ官能基を有する変性エポキシ樹脂である、請求項1~3のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項5】
成分C)の含有量は組成物の総重量に基づいて1~50重量%である、請求項1~4のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項6】
成分D1)の含有量は組成物の総重量に基づいて30~80重量%である、請求項1~5のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項7】
成分D1)は0.001~5重量%のシランを含有する、請求項1~6のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項8】
成分D2)の含有量は組成物の総重量に基づいて5~80重量%である、請求項1~7のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項9】
成分E)の含有量は組成物の総重量に基づいて1~20重量%である、請求項1~8のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項10】
硬化促進剤を更に含んでなる、請求項1~9のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物。
【請求項11】
二成分熱伝導性注封組成物であって、
パートAは、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有する球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材
を含んでなり、
パートBは、
E)酸無水物硬化剤を含んでなる硬化剤
を含んでなる、二成分熱伝導性注封組成物。
【請求項12】
一部または全てを電気で駆動する自動車の電子・電気部品のための、請求項1~10のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物または請求項11に記載の二成分熱伝導性注封組成物の使用。
【請求項13】
電子・電気部品に、請求項1~10のいずれかに記載の熱伝導性注封組成物または請求項11に記載の二成分熱伝導性注封組成物の硬化生成物を含んでなる、一部または全てを電気で駆動する自動車
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有する球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材、並びに
E)硬化剤
を含んでなる熱伝導性注封組成物を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明はまた、二成分熱伝導性注封組成物であって、
パートAは、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有する球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材
を含んでなり、
パートBは、
E)硬化剤
を含んでなる、二成分熱伝導性注封組成物を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明において、熱伝導性注封組成物は、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有する球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材、並びに
E)硬化剤
を含んでなる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
本発明に適したコアシェルナノ粒子は、例えば、HypoxTM RA840(CVC Thermoset Specialtiesから市販);Kane AceTM MX267、Kane AceTM MX120、Kane AceTM MX125、Kane AceTM MX153、Kane AceTM MX154、Kane AceTM MX156、Kane AceTM MX257、Kane AceTM MX960、Kane AceTM MX170、Kane AceTM MX135、Kane AceTM MX136、Kane AceTM MX416、Kane AceTM MX451、Kane AceTM MX217およびKane AceTM MX717(全て株式会社カネカから市販)を包含する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
D)充填材
D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有する球状アルミナ
本発明において、球状アルミナは、15μmより大きく100μm以下の平均粒度、好ましくは15μmより大きく70μm以下の平均粒度、より好ましくは17μmより大きく35μm以下の平均粒度を有する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
本発明において、球状アルミナは、様々なタイプの多官能性シランにより変性されていてよい。本発明に適したシラン表面変性球状アルミナは、BAH-20H4およびBAH-40H4(いずれもYaan Bestry Performance Materials Corporationから市販)を包含する
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
好ましい実施態様では、本発明の熱伝導性注封組成物は、
A)1~40重量%の、少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)0.1~20重量%の、少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)1~50重量%の、その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)30~80重量%の、D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有する球状アルミナ、および
5~80重量%の、D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材、並びに
E)1~20重量%の硬化剤
を含んでなり、成分の重量比は、熱伝導性注封組成物の総重量に基づく。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
本発明はまた、二成分熱伝導性注封組成物であって、
パートAは、
A)少なくとも500mPa・sの25℃での粘度を有するエポキシ樹脂、
B)少なくとも3個のエポキシ官能基を有し、少なくとも10mPa・sかつ1000mPa・s以下の25℃での粘度を有する変性エポキシ樹脂、
C)その20重量%は0.01~1μmの粒度を有するコアシェルナノ粒子、
D)D1)15μmより大きく100μm以下の平均粒度を有する球状アルミナ、および
D2)0.01μmより大きく15μm以下の平均粒度を有する熱伝導性粉体
を含んでなる充填材
を含んでなり、
パートBは、
E)硬化剤
を含んでなる、二成分熱伝導性注封組成物を提供する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
Kane AceTM MX267は、株式会社カネカから市販されており、7000mPa・sの50℃での粘度を有し、その20重量%が0.01~1μmの粒度を有するコアシェルゴムナノ粒子である。
Fortegra 202は、Dow Chemical Companyから市販されており、4500~10000mPa・sの、ISO 3219に準拠して測定された25℃での粘度を有する強化剤である。
QS-N12は、BEIJING JIN DAO QI SHI MATERIAL TECHNOLOGY CO., LTD.から市販されており、4000mPa・s未満の25℃での粘度を有する淡黄色の透明液状強化剤である。
QS-VA-3は、BEIJING JIN DAO QI SHI MATERIAL TECHNOLOGY CO., LTD.から市販されており、8000mPa・s未満の25℃での粘度を有する黄色から淡茶色の透明液状強化剤である。
BAK-20は、Yaan Bestry Performance Materials Corporationから市販されており、20±2.0μmの平均粒度を有する球状アルミナである。
SJR-20は、AnHuI Estone Materials Technology Co., Ltd.から市販されており、20μmの平均粒度を有する結晶水晶である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
BAH-20H4は、Yaan Bestry Performance Materials Corporationから市販されており、20μmの平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ粉体である。
BAH-40H4は、Yaan Bestry Performance Materials Corporationから市販されており、40μmの平均粒度を有するシラン表面変性球状アルミナ粉体である。
BAK-5は、Yaan Bestry Performance Materials Corporationから市販されており、5.0±1.0μmの平均粒度を有する球状アルミナ粉体である。
DMP-30は、Huntsman Corporationから市販されているトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールである。
MHHPAは、Shangdong QING YANG Corporationから市販されているメチルヘキサヒドロ無水フタル酸である。
D230は、Huntsman Corporationから市販されているポリエーテルアミンである。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
実施例1(Ex1)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
実施例2(Ex2)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのKane AceTM MX267をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.74gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
実施例3(Ex3)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAH-20H4を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
実施例4(Ex4)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのD230を混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
実施例5(Ex5)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAH-40H4を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
実施例1~5の成分およびそれらの量をそれぞれ、表1に示す。
【表1】
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
比較例1(CE1)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 8、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.2gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
比較例2(CE2)
3.2gのNPEL 128、0.8gのED523T、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
比較例3(CE3)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのFortegra 202をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.35gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
比較例4(CE4)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのHypoxTM RA840をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのSJR-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。続いて、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
比較例5(CE5)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのQS-N12をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
比較例6(CE6)
3.2gのNPEL 128、0.8gのHELOXYTM Modifier 48、および2gのQS-VA-3をSpeedmixer DC600に導入し、2000rpmで2分間混合した。次いで、4.6gのBAK-5および0.1gのAEROSIL(登録商標)R974を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。続いて、18.4gのBAK-20を混合器に添加し、2000rpmで3分間混合した。このようにして得た混合物を減圧下、2000rpmで2分間混合した。次いで、0.1gのDMP 30および3.54gのMHHPAを混合物に添加し、混合した。その後、このようにして得た組成物を硬化のためにオーブンに投入した。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
比較例1~6の成分およびそれらの量をそれぞれ、表2に示す。
【表2】


【外国語明細書】