(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159699
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】駐車管理装置、プログラム、駐車管理システム及び駐車管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20231025BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231025BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069573
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】鍵本 太志
(72)【発明者】
【氏名】濱田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】三橋 唯澄
(72)【発明者】
【氏名】松尾 奏
(72)【発明者】
【氏名】片岡 亨太
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181EE10
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF33
5H181KK01
5H181KK06
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】従来よりも低コストで、駐車した車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取ることができる駐車管理装置、プログラム、駐車管理システム及び駐車管理方法を提供すること。
【解決手段】実施形態の駐車管理装置は、追跡部及び読取部を備える。追跡部は、センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、前記車両が駐車した車室を特定する。読取部は、カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、前記車両が駐車した車室を特定する追跡部と、
カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る読取部と、を備える駐車管理装置。
【請求項2】
前記センサーは、前記カメラであり、
前記追跡部は、前記カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両を追跡する、請求項1に記載の駐車管理装置。
【請求項3】
前記センサーは、レーダー又はLiDAR(light detection and ranging)であり、
前記追跡部は、前記レーダー又は前記LiDARによって受信されたデータを用いて前記車両を追跡する、
請求項1に記載の駐車管理装置。
【請求項4】
前記ナンバープレートに光を照射する照明部をさらに備える、請求項1に記載の駐車管理装置。
【請求項5】
前記追跡部は、複数の前記センサーを切り替えて前記車両を追跡する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の駐車管理装置。
【請求項6】
前記読取部が前記自動車ナンバーを読み取れない場合、所定の報知を行う報知部をさらに備える、請求項1に記載の駐車管理装置。
【請求項7】
前記車両が前記車室に駐車した時刻を用いて駐車料金の金額を算出する算出部をさらに備える、請求項1に記載の駐車管理装置。
【請求項8】
駐車管理装置が備えるプロセッサーを、
センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、前記車両が駐車した車室を特定する追跡部と、
カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る読取部と、して機能させるプログラム。
【請求項9】
駐車管理装置及びセンサーを備え、
前記駐車管理装置は、
前記センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、前記車両が駐車した車室を特定する追跡部と、
カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る読取部と、を備える駐車管理システム。
【請求項10】
精算装置をさらに備え、
前記駐車管理装置は、前記車両が前記車室に駐車した時刻を用いて駐車料金の金額を算出する算出部をさらに備え
前記精算装置は、前記駐車料金の決済のための処理を行う決済部を備える、請求項9に記載の駐車管理システム。
【請求項11】
センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、前記車両が駐車した車室を特定し、
カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る、駐車管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車管理装置、プログラム、駐車管理システム及び駐車管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場に駐車した車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取るシステムがある。このようなシステムは、車室ごとにカメラを備えるため、コストがかかる。また、引用文献1には、カメラをガイドレールに沿って移動するシステムを開示している。このようなシステムは、ガイドレールが必要となるためコストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、従来よりも低コストで、駐車した車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取ることができる駐車管理装置、プログラム、駐車管理システム及び駐車管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の駐車管理装置は、追跡部及び読取部を備える。追跡部は、センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、前記車両が駐車した車室を特定する。読取部は、カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る。
【0006】
前記センサーは、前記カメラであっても良い。追跡部は、前記カメラによって撮像された画像を用いて前記車両を追跡しても良い。
【0007】
センサーは、レーダー又はLiDAR(light detection and ranging) であっても良い。追跡部は、前記レーダー又は前記LiDARによって受信されたデータを用いて前記車両を追跡しても良い。
【0008】
実施形態の駐車管理装置は、照明部をさらに備えても良い。照明部は、前記ナンバープレートに光を照射する。
【0009】
追跡部は、複数のセンサーを切り替えて前記車両を追跡しても良い。
【0010】
実施形態の駐車管理装置は、報知部をさらに備えても良い。報知部は、前記読取部が前記自動車ナンバーを読み取れない場合、所定の報知を行う。
【0011】
実施形態の駐車管理装置は、算出部をさらに備えても良い。算出部は、前記車両が前記車室に駐車した時刻を用いて駐車料金の金額を算出する。
【0012】
実施形態のプログラムは、駐車管理装置が備えるプロセッサーを追跡部及び読取部として機能させる。追跡部は、センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、前記車両が駐車した車室を特定する。読取部は、カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る。
【0013】
実施形態の駐車管理システムは、駐車管理装置及びセンサーを備える。駐車管理装置は、追跡部及び読取部を備える。追跡部は、前記センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、前記車両が駐車した車室を特定する。読取部は、カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る。
【0014】
実施形態の駐車管理システムは、精算装置をさらに備えても良い。駐車管理装置は、算出部をさらに備えても良い。算出部は、前記車両が前記車室に駐車した時刻を用いて駐車料金の金額を算出する。精算装置は、前記駐車料金の決済のための処理を行う決済部を備える。
【0015】
実施形態の駐車管理方法は、センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、前記車両が駐車した車室を特定する。実施形態の駐車管理方法は、カメラによって撮像された画像データを用いて前記車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、従来よりも低コストで、駐車した車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る駐車システムの概要を示す図である。
【
図2】実施形態に係る駐車システム及び当該駐車システムに含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2中の制御装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図2中の精算装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図2中の制御装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態に係る駐車システムについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
【0019】
図1は、実施形態に係る駐車システム1の概要を示す図である。駐車システム1は、一例として、制御装置100、カメラ200、精算装置300、表示装置400及びスピーカー500を含む。駐車システム1は、例えば、駐車場Pなどに設置される。駐車システム1は、車両Vがどの車室Sに駐車したかを特定する。また、駐車システム1は、車両Vのナンバープレートから自動車登録番号、車両番号又は標識番号などの番号(以下「自動車ナンバー」という。)を読み取る。車両Vは、自動車及び自動二輪車などである。なお、車室とは、駐車場において、自動車を収容するスペースや位置のことである。また、車室は、通常、路面上に塗料又はテープなどを用いてラインを引くことにより形成される。
なお、駐車システム1は、駐車管理システムの一例である。
【0020】
図2は、実施形態に係る駐車システム1及び駐車システム1に含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
制御装置100は、例えば、駐車システム1全体の制御などを行う装置である。1台の制御装置100が、複数の駐車システム1を制御しても良い。制御装置100は、駐車場P内に設置されていても良いし、駐車場Pから離れた位置に設置されていても良い。制御装置100は、一例として、プロセッサー101、ROM(read-only memory)102、RAM(random-access memory)103、補助記憶装置104及び制御インターフェース105を含む。そして、バス106などが、これら各部を接続する。
なお、制御装置100は、駐車管理装置の一例である。
【0022】
プロセッサー101は、制御装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー101は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー101は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー101は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー101は、ROM102又は補助記憶装置104などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、制御装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー101は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー101の回路内に組み込まれていても良い。
【0023】
ROM102及びRAM103は、プロセッサー101を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM102は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM102は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM102は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM103は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM103は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM103は、典型的には揮発性メモリである。
【0024】
補助記憶装置104は、プロセッサー101を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置104は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置104は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置104は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー101での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0025】
また、補助記憶装置104は、各車室Sの情報を、車室IDと関連付けて記憶している。車室IDは、車室Sごとにユニークな識別情報である。車室Sの情報は、車室Sの位置情報などを含む。
【0026】
制御インターフェース105は、制御装置100がカメラ200及び精算装置300などと通信するためのインターフェースである。制御装置100は、制御インターフェース105を介してカメラ200及び精算装置300などを制御する。
【0027】
バス106は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、制御装置100の各部で授受される信号を伝送する。
【0028】
カメラ200は、画像を撮像するために柱又は壁などに設置される。カメラ200は、例えば、車室Sに停車しようとする車両Vなどを撮像する。カメラ200は、例えば、撮像した画像データに対して画像解析などの処理をすることにより、当該車両Vなどの検知及び動きの追跡(トラッキング)などを行うことができる機能を有している。なお、カメラ200は、画像データを撮像する機能のみを有する構成でもよい。このような構成の場合、処理装置(不図示)又は制御装置100のプロセッサー101は、カメラ200で撮像された画像データを受信し、この画像データに対して画像解析などの処理をすることにより、車両Vなどの検知及び動きの追跡などを行う。なお、動画像は、画像の一種である。カメラ200は、PTZ(pan-tilt-zoom)機能を備えることが好ましい。このために、カメラ200は、ズームレンズなどを備えることが好ましい。カメラ200は、パン及びチルトが可能なことで駐車場P内の撮像可能な範囲が広くなる。あるいは、カメラ200は、広角カメラ又は全天球カメラなどであっても良い。この場合、カメラ200は、パン及びチルト無しで駐車場P内の所望の範囲の撮像が可能となる場合がある。また、カメラ200は、可視光カメラであっても良いし赤外線カメラであっても良い。また、カメラ200は、可視光カメラと赤外線カメラを併用したカメラであっても良い。なお、カメラ200は、センサーの一例である。
【0029】
また、カメラ200は照明201を備える。カメラ200が可視光カメラである場合、照明201は、可視光を照射する。カメラ200が赤外線カメラである場合、照明201は、赤外線を照射する。カメラ200が可視光カメラと赤外線カメラを併用したカメラである場合、照明201は、可視光及び赤外線の少なくともいずれかの光を照射する。照明201は、例えば、カメラ200の撮像方向と同じ方向に光を照射する。
【0030】
精算装置300は、駐車場の料金の決済などを行うための装置である。精算装置300は、一例として、プロセッサー301、ROM302、RAM303、補助記憶装置304、制御インターフェース305、入力デバイス306、表示デバイス307及び決済デバイス308を含む。そして、バス309などが、これら各部を接続する。
【0031】
プロセッサー301は、精算装置300の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー301は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー301は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー301は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー301は、ROM302又は補助記憶装置304などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、精算装置300の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー301は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー301の回路内に組み込まれていても良い。
【0032】
ROM302及びRAM303は、プロセッサー301を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM302は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM302は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM302は、プロセッサー301が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM303は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM303は、プロセッサー301が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM303は、典型的には揮発性メモリである。
【0033】
補助記憶装置304は、プロセッサー301を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置304は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置304は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置304は、プロセッサー301が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー301での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0034】
制御インターフェース305は、精算装置300が制御装置100などと通信するためのインターフェースである。
【0035】
入力デバイス306は、精算装置300の操作者による操作を受け付ける。入力デバイス306は、例えば、キーボード、キーパッド又はタッチパッドなどである。また、入力デバイス306は、音声入力用のデバイスであっても良い。
【0036】
また、精算装置300は、入力デバイス306として車両Vのナンバープレート又は車載器などから自動車ナンバーを読み取る装置を備えていても良い。当該装置は、例えば、カメラ、読取装置又は通信装置である。当該カメラは、画像認識によって自動車ナンバーを読み取るための画像を撮像する。当該読取装置はスマートプレートなどから自動車ナンバーを読み取る。通信装置は車載器などと通信して自動車ナンバーを受信する。
【0037】
表示デバイス307は、精算装置300の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する。表示デバイス307は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。また、入力デバイス306及び表示デバイス307としては、タッチパネルを用いることもできる。すなわち、タッチパネルが備える表示パネルを表示デバイス307として、タッチパネルが備えるタッチパッドを入力デバイス306として用いることができる。
【0038】
決済デバイス308は、駐車料金の決済を行うための装置である。決済デバイス308は、現金、クレジットカード、又は電子マネーなどを用いた決済を行う。
【0039】
バス309は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、精算装置300の各部で授受される信号を伝送する。
【0040】
表示装置400は、例えば、車室Sの前方の地面に埋め込まれた状態で設置される。あるいは、表示装置400は、車室Sの前方以外の駐車場Pの地面に設置されていても良い。また、表示装置400は、地面より上に設置されていても良い。なお、前方とは、車両Vが車室Sに進入する側である。駐車システム1は、1つの車室Sに対して1つの表示装置400を備える。1つの表示装置400は、当該表示装置400を備える車室Sに対応する。制御装置100は、どの表示装置400がどの車室Sと対応するかを示す表示対応情報を補助記憶装置104などに記憶する。
表示装置400は、対応する車室Sが「駐車済み」、「駐車中」、及び「空車」のいずれであるかを表示する。また、表示装置400は、注意又は警告のための表示などをも行う。
【0041】
表示装置400は、例えば、LED(light-emitting diode)などの光源を用いた表示灯である。あるいは、表示装置400は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイであっても良い。
【0042】
スピーカー500は、入力される音声信号を音波として出力する。
それぞれのスピーカー500は、いずれかの1つ以上の車室Sに対応する。好ましくは、それぞれの車室Sにスピーカー500が設置される。そして、車室Sに設置されたスピーカー500は、当該車室Sに対応する。制御装置100は、どのスピーカー500がどの車室Sと対応するかを示すスピーカー対応情報を補助記憶装置104などに記憶する。
【0043】
以下、実施形態に係る駐車システム1の動作を
図3~
図5などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
図3は、制御装置100のプロセッサー101による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー101は、例えば、ROM102又は補助記憶装置104などに記憶されたプログラムに基づいて
図3及び
図5の処理を実行する。
図4は、精算装置300のプロセッサー301による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー301は、例えば、ROM302又は補助記憶装置304などに記憶されたプログラムに基づいて
図4の処理を実行する。
【0044】
制御装置100のプロセッサー101は、例えば、制御装置100の起動にともない
図3に示す処理を開始する。
【0045】
図3のステップST11において制御装置100のプロセッサー101は、カメラ200を制御して、カメラ200の稼働を開始させる。そして、プロセッサー101は、駐車場P内に車両Vが入ってきたことの検知を開始させる。当該検知は、前述のようにカメラ200、処理装置又はプロセッサー101が行う。
【0046】
ステップST12においてプロセッサー101は、駐車場P内に入ってきた車両Vが検知されるのを待ち受ける。すなわち、プロセッサー101は、駐車場P内に入ってきた車両Vが検知されない場合、Noと判定してステップST12の処理を繰り返す。そして、プロセッサー101は、駐車場P内に入ってきた車両Vが検知されたならば、ステップST12においてYesと判定してステップST13へと進む。なお、ここで検知された車両Vを以下「検知車両」というものとする。
【0047】
ステップST13においてプロセッサー101は、検知車両の追跡を開始させる。当該追跡は、前述のようにカメラ200、処理装置又はプロセッサー101が行う。カメラ200、処理装置又はプロセッサー101は、検知車両がカメラ200の画角から出ないようにするために、カメラ200をパン、チルト又はズームさせることで検知車両を追跡する。
【0048】
カメラ200、処理装置又はプロセッサー101は、カメラ200によって撮像される画像を用いて検知車両の動きをトラッキングすることで、カメラ200によって撮像された画像データを用いて検知車両を追跡する追跡部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー101は、カメラ200と協働して当該追跡部の一例として機能する。
【0049】
ステップST14においてプロセッサー101は、検知車両が車室Sへの駐車を完了するのを待ち受ける。プロセッサー101は、検知車両を追跡することにより、検知車両の位置を特定している。プロセッサー101は、例えば、検知車両が車室S内に入った状態で停車したならば、検知車両が当該車室Sへの駐車を完了したと判定する。すなわち、プロセッサー101は、検知車両が車室Sへの駐車を完了したと判定しない場合、Noと判定してステップST14の処理を繰り返す。そして、プロセッサー101は、検知車両が車室Sへの駐車を完了したと判定するならば、ステップST14においてYesと判定してステップST15へと進む。
【0050】
ステップST15においてプロセッサー101は、検知車両を追跡することにより、検知車両が駐車した車室Sを特定する。ここで特定された車室Sを以下「特定車室」というものとする。また、プロセッサー101は、特定車室の車室IDを取得する。プロセッサー101は、例えば、検知車両を追跡することにより、特定車室の位置を特定する。そして、プロセッサー101は、当該位置から特定車室の車室IDを特定する。
【0051】
カメラ200によって撮像された画像データは、センサーによって取得されたデータの一例である。したがって、プロセッサー101は、検知車両を追跡することにより、検知車両が駐車した車室Sを特定することで、センサーによって取得されたデータを用いて駐車場内の車両を追跡して、車両が駐車した車室を特定する追跡部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー101は、カメラ200と協働して、当該追跡部の一例として機能する。
【0052】
ステップST16においてプロセッサー101は、表示対応情報を参照して、特定車室に対応する表示装置400を特定する。そして、プロセッサー101は、当該表示装置400の表示を、「駐車中」を示す表示に変更する。
【0053】
ステップST17においてプロセッサー101は、カメラ200によって撮像された画像を用いて、画像解析により検知車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取ることを試みる。この際、プロセッサー101は、カメラ200を制御して、当該ナンバープレートにピントを合わせることが好ましい。また、プロセッサー101は、カメラ200を制御して、ナンバープレートが映る範囲をズームアップさせることが好ましい。これにより、プロセッサー101は、自動車ナンバーを読み取りやすくする。また、プロセッサー101は、カメラ200を制御して照明201を点灯させる。そして、プロセッサー101は、照明201が照射する光をナンバープレートに当たるようにする。これにより、プロセッサー101は、自動車ナンバーを読み取りやすくする。なお、プロセッサー101に代えて、カメラ200又は処理装置が、画像解析により検知車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取っても良い。
【0054】
以上より、プロセッサー101は、ステップST17の処理を行うことで、車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る読取部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー101は、カメラ200と協働して当該読取部の一例として機能する。また、プロセッサー101は、照明201が照射する光をナンバープレートに当てることで、ナンバープレートに光を照射する照明部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー101は、照明201と協働して当該照明部の一例として機能する。
【0055】
ステップST18においてプロセッサー101は、自動車ナンバーの読み取りに成功したか否かを判定する。プロセッサー101は、自動車ナンバーの読み取りに成功したならば、ステップST18においてYesと判定してステップST19へと進む。
【0056】
ステップST19においてプロセッサー101は、検知車両の追跡を終了する。
【0057】
ステップST20においてプロセッサー101は、ステップST16で特定した表示装置400の表示を、「駐車済み」を示す表示に変更する。
【0058】
ステップST21においてプロセッサー101は、ステップST15で取得した車室IDに、ステップST17で読み取った自動車ナンバーと現在日時を関連付けて補助記憶装置104などに記憶する。ここでの現在日時は、例えば、ステップST21の処理を行う時点である。あるいは、現在日時は、ステップST14の処理においてYesと判定した時点などであっても良い。あるいは、現在日時は、ステップST14の処理においてYesと判定した時点からステップST21の処理を行う時点の間の時点であっても良い。これにより、プロセッサー101は、どの車室にどの車両Vがいつから駐車を開始したかを記憶する。ここで記憶される現在日時は、駐車開始日時である。なお、プロセッサー101は、自動車ナンバーが手動で入力されている場合、ステップST17で読み取った自動車ナンバーに代えて手動で入力された自動車ナンバーを記憶する。プロセッサー101は、ステップST21の処理の後、ステップST12へと戻る。
【0059】
また、プロセッサー101は、自動車ナンバーの読み取りに成功していないならば、ステップST18においてNoと判定してステップST22へと進む。
【0060】
ステップST22においてプロセッサー101は、自動車ナンバーを読み取れない原因が、カメラ200とナンバープレートの間に人がいるからであるか否かを判定する。プロセッサー101は、例えば、カメラ200によって撮像される画像を画像解析することによってこの判定を行う。プロセッサー101は、自動車ナンバーを読み取れない原因が、カメラ200とナンバープレートの間に人がいるからであるならば、ステップST22においてYesと判定してステップST23へと進む。
【0061】
ステップST23においてプロセッサー101は、カメラ200とナンバープレートの間にいる人に向けて報知を行う。報知の内容は、例えば、自動車ナンバーが読み取れないこと及び車両Vの前から移動するように求めることである。プロセッサー101は、報知のために、例えば、表示装置400に当該内容の表示を行わせる。当該表示装置400は、ステップST16で特定された表示装置400である。また、プロセッサー101は、報知のために、当該内容の音声をスピーカー500から出力させる。当該スピーカー500は、特定車室に対応するスピーカー500である。プロセッサー101は、スピーカー対応情報を参照して、特定車室に対応するスピーカー500を特定する。プロセッサー101は、ステップST23の処理の後、ステップST17へと戻る。このように、プロセッサー101は、カメラ200とナンバープレートの間に人がいる場合、ステップST17、ステップST18、ステップST22及びステップST23を繰り返す。そして、プロセッサー101は、カメラ200とナンバープレートの間に人がいなくなった場合に自動車ナンバーを読み取ることができる。
【0062】
対して、プロセッサー101は、自動車ナンバーを読み取れない原因が、カメラ200とナンバープレートの間に人がいるからでないならば、ステップST22においてNoと判定してステップST24へと進む。
【0063】
ステップST24においてプロセッサー101は、検知車両に乗っている人又は検知車両の周辺にいる人に対して報知を行う。報知の内容は、例えば、自動車ナンバーが読み取れないことである。プロセッサー101は、報知のために、例えば、表示装置400に当該内容の表示を行わせる。当該表示装置400は、ステップST16で特定された表示装置400である。また、プロセッサー101は、報知のために、当該内容の音声をスピーカー500から出力させる。当該スピーカー500は、特定車室に対応するスピーカー500である。プロセッサー101は、スピーカー対応情報を参照して、特定車室に対応するスピーカー500を特定する。プロセッサー101は、ステップST24の処理の後、ステップST17へと戻る。このように、何らかの原因で自動車ナンバーを読み取れない場合、ステップST17、ステップST18、ステップST22及びステップST24を繰り返す。そして、プロセッサー101は、読み取れない原因が取り除かれた場合自動車ナンバーを読み取ることができる。当該原因は、多くの場合、カメラ200とナンバープレートの間に人がいること以外の原因である。プロセッサー101は、所定の時間経過しても自動車ナンバーを読み取ることができなかった場合、タイムアウトによりステップST17、ステップST18、ステップST22及びステップST24の繰り返しを終了しても良い。この場合、自動車ナンバーは、手動による入力が可能であっても良い。当該入力には、例えば精算装置などを用いる。このために、プロセッサー101は、検知車両に乗っている人又は駐車場Pの係員に対して報知を行う。報知の内容は、自動車ナンバーを入力するように指示する内容である。プロセッサー101は、報知のために、例えば、表示装置400に当該内容の表示を行わせる。当該表示装置400は、ステップST16で特定された表示装置400である。また、プロセッサー101は、報知のために、当該内容の音声をスピーカー500から出力させる。当該スピーカー500は、特定車室に対応するスピーカー500である。
【0064】
以上より、プロセッサー101は、ステップST18、及びステップST23又はステップST24の処理を行うことで、読取自動車ナンバーを読み取れない場合、所定の報知を行う報知部の一例として機能する。
【0065】
車両Vの運転手は、駐車場Pから出る場合、精算装置300を用いて駐車料金を支払う。この際、当該車両Vの運転手などは、当該車両Vの自動車ナンバー又は駐車した車室Sの車室番号を精算装置300に入力する。車室番号は、車室Sごとにユニークな番号である。車室番号は、車室IDと同一であっても良い。車室番号と車室IDが異なる場合、車室番号と車室IDは1対1で対応する。補助記憶装置104は、この対応関係を記憶している。
【0066】
車両Vの運転手などは、例えば、入力デバイス306を操作して自動車ナンバー又は車室番号を精算装置300に入力する。あるいは、車両Vの運転手は、車両Vを所定の場所に移動させる。入力デバイス306は、当該車両Vのナンバープレート又は車載器などから自動車ナンバーを読み取る。これによって自動車ナンバーが精算装置300に入力される。
【0067】
精算装置300のプロセッサー301による処理の一例を
図4のフローチャートで説明する。
図4のステップST31において精算装置300のプロセッサー301は、自動車ナンバーが入力されるのを待ち受ける。すなわち、プロセッサー301は、自動車ナンバーが入力されない場合、Noと判定してステップST31の処理を繰り返す。そして、プロセッサー301は、自動車ナンバーが入力されたならば、ステップST31においてYesと判定してステップST32へと進む。
【0068】
ステップST32においてプロセッサー301は、出庫情報を生成する。出庫情報は、入力された自動車ナンバー又は車室番号を含む。出庫情報は、当該自動車ナンバーで特定される車両Vが駐車場Pから出庫することを示す。あるいは、出庫情報は、当該車室番号で特定される車室Sに駐車していた車両Vが駐車場Pから出庫することを示す。プロセッサー301は、出庫情報を生成した後、当該出庫情報を制御装置100に送信するように制御インターフェース305に対して指示する。この送信の指示を受けて制御インターフェース305は、当該出庫情報を制御装置100に送信する。送信された当該出庫情報は、制御装置100の制御インターフェース105によって受信される。
【0069】
一方、
図5のステップST41において制御装置100のプロセッサー101は、制御インターフェース105によって出庫情報が受信されるのを待ち受けている。すなわち、プロセッサー101は、出庫情報が受信されていない場合、Noと判定してステップST41の処理を繰り返す。そして、プロセッサー101は、出庫情報が受信されたならば、ステップST41においてYesと判定してステップST42へと進む。
【0070】
ステップST42においてプロセッサー101は、駐車場Pから出庫する車両Vの駐車情報を取得する。駐車情報は、当該車両Vが駐車した車室の車室ID、当該車両Vの自動車ナンバー及び当該車両Vの駐車開始日時を含む。
プロセッサー101は、出庫情報に自動車ナンバーが含まれる場合、出庫情報から自動車ナンバーを取得する。そして、プロセッサー101は、補助記憶装置104を参照して、当該自動車ナンバーと関連付けられた車室ID及び駐車開始日時を取得する。
プロセッサー101は、出庫情報に車室番号が含まれる場合、出庫情報から車室番号を取得する。車室番号を車室IDが異なる場合、プロセッサー101は、補助記憶装置104を参照して、車室番号に対応する車室IDを取得する。そして、プロセッサー101は、補助記憶装置104を参照して、当該車室IDと関連付けられた自動車ナンバー及び駐車開始日時を取得する。
【0071】
ステップST43においてプロセッサー101は、駐車場Pから出庫する車両Vの駐車料金を算出する。プロセッサー101は、ステップST42で取得した駐車開始日時から現在日時までの駐車料金の金額を所定の計算式などを用いて算出する。
【0072】
以上より、プロセッサー101は、ステップST43の処理を行うことで、車両が車室に駐車した時刻を用いて駐車料金の金額を算出する算出部の一例として機能する。
【0073】
ステップST44においてプロセッサー101は、料金情報を生成する。料金情報は、ステップST43で算出された料金の金額を含む。プロセッサー101は、料金情報を生成した後、当該料金情報を精算装置300に送信するように制御インターフェース105に対して指示する。この送信の指示を受けて制御インターフェース105は、当該料金情報を精算装置300に送信する。送信された当該料金情報は、精算装置300の制御インターフェース305によって受信される。
【0074】
一方、
図4のステップST33において精算装置300のプロセッサー301は、制御インターフェース305によって料金情報が受信されるのを待ち受けている。すなわち、プロセッサー301は、料金情報が受信されていない場合、Noと判定してステップST33の処理を繰り返す。プロセッサー301は、料金情報が受信されたならば、ステップST33においてYesと判定してステップST34へと進む。
【0075】
ステップST34においてプロセッサー301は、表示デバイス307に駐車料金の金額を表示する。当該金額は、受信された料金情報に含まれる金額である。
【0076】
車両Vの運転手などは、当該金額の駐車料金について、決済デバイス308を用いて決済を行う。
ステップST35においてプロセッサー301は、当該駐車料金の決済のための処理を行う。決済処理については、周知の処理であるため詳細な説明は省略する。
【0077】
以上より、プロセッサー301は、ステップST35の処理を行うことで、駐車料金の決済のための処理を行う決済部の一例として機能する。
【0078】
図4のステップST36において精算装置300のプロセッサー301は、決済情報を制御装置100に送信するように制御インターフェース305に対して指示する。決済情報は、決済が終了したことを示す。この送信の指示を受けて制御インターフェース305は、当該決済情報を制御装置100に送信する。送信された当該決済情報は、制御装置100の制御インターフェース105によって受信される。プロセッサー301は、ステップST36の処理の後、ステップST31へと戻る。
【0079】
一方、
図5のステップST45において制御装置100のプロセッサー101は、制御インターフェース105によって決済情報が受信されるのを待ち受けている。すなわち、プロセッサー101は、決済情報を受信されていない場合(No)、ステップST45の処理を繰り返し行う。プロセッサー101は、決済情報が受信されたならば、ステップST45においてYesと判定してステップST46へと進む。
【0080】
ステップST46においてプロセッサー101は、表示対応情報を参照して、ステップST42で取得した車室IDに対応する表示装置400を特定する。プロセッサー101は、当該表示装置400の表示を「空車」を示す表示に変更する。
【0081】
ステップST47においてプロセッサー101は、ステップST42で取得した駐車情報に、現在日時を加えて駐車履歴として補助記憶装置104などに記憶する。当該現在日時は、駐車終了日時である。また、プロセッサー101は、ステップST42で取得した車室IDに関連付けられた自動車ナンバー及び駐車開始日時を補助記憶装置104から削除する。ただし、ここで削除される自動車ナンバー及び駐車開始日時は、駐車履歴中の自動車ナンバー及び駐車開始日時を含まない。プロセッサー101は、ステップST47の処理の後、ステップST41へと戻る。
【0082】
実施形態の駐車システム1は、カメラ200によって撮像される画像を用いて検知車両を追跡することで、検知車両が駐車した車室Sを特定する。また、実施形態の駐車システム1は、カメラ200によって撮像される画像を用いて検知車両のナンバープレートから自動車ナンバーを読み取る。したがって、実施形態の駐車システム1は、車室ごとにカメラ200を設ける必要がない。また、実施形態の駐車システム1は、ガイドレールなどのカメラ200を移動させる機構も不要である。したがって、実施形態の駐車システム1は、従来よりも低いコストで、車室Sに駐車した車両Vのナンバープレートから自動車ナンバーを読み取ることができる。
【0083】
また、実施形態の駐車システム1は、カメラ200によって撮像される画像を用いて検知車両を追跡し、カメラ200によって撮像される画像を用いて自動車ナンバーの読み取りを行う。このように、実施形態の駐車システム1は、検知車両の追跡と自動車ナンバーの読み取りの両方をカメラ200を用いて行うことができるので、カメラ200以外のセンサーを用いて検知車両を追跡するよりもコストを低くすることができる。
【0084】
また、実施形態の駐車システム1は、カメラ200によって撮像される画像を用いて駐車場P内に入ってきた車両Vを検知し、カメラ200によって撮像される画像を用いて検知車両を追跡する。このように、実施形態の駐車システム1は、車両Vの検知と検知車両の追跡の両方をカメラ200を用いて行うので、車両Vの検知と検知車両の追跡を異なるセンサーを用いるよりもコストを低くすることができる。
【0085】
また、実施形態の駐車システム1は、自動車ナンバーが読み取れない場合、自動車ナンバーが読み取れないこと及び車両Vの前から移動するように求めることを報知する。これにより、実施形態の駐車システム1は、自動車ナンバーが読み取れない原因を取り除くことができる。
【0086】
また、実施形態の駐車システム1は、検知車両が車室Sに駐車した日時を用いて駐車料金の金額を算出する。検知車両が空車となっている車室Sを探すのに時間がかかった場合など、駐車場Pへの入場から実際に車室Sに駐車するまで時間がかかった場合でも、実際に駐車が完了した日時から起算して駐車料金の金額を算出することができる。
【0087】
上記の実施形態は、以下のような変形も可能である。
駐車システム1は、複数のカメラ200を備えていても良い。プロセッサー101は、複数のカメラ200を切り替えて用いることで、1台だけのカメラ200を用いるよりも広い範囲の撮像が可能となる。プロセッサー101は、例えば、検知車両が追跡に用いているカメラ200の撮像可能な範囲の外に出る場合、追跡に用いるカメラ200を別のカメラ200に切り替える。
【0088】
プロセッサー101は、複数のカメラ200を切り替えながら検知車両を追跡することで、複数のセンサーを切り替えて前記車両を追跡する追跡部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー101は、複数のカメラ200と協働して当該追跡部の一例として機能する。
【0089】
制御装置100のプロセッサー101は、ステップST23において、カメラ200とナンバープレートの間にいる人がいなくなってからステップST17へと戻っても良い。プロセッサー101は、例えば、カメラ200によって撮像される画像を用いた画像認識により、カメラ200とナンバープレートの間に人がいなくなったことを認識する。
【0090】
プロセッサー101は、ステップST18においてYesと判定したならば、ステップST22の処理を行わずにステップST23又はステップST24へと進んでも良い。
【0091】
駐車システム1は、レーダー600を備えていてもよい。制御装置100は、カメラ200に代えてレーダー600を用いて検知車両を追跡しても良い。あるいは、制御装置100は、カメラ200とレーダー600を併用して検知車両を追跡しても良い。駐車システム1は、レーダー600を用いることで、奥行き方向の位置計測の精度が向上する。レーダー600は、センサーの一例である。
【0092】
駐車システム1は、LiDAR(light detection and ranging)700を備えていてもよい。制御装置100は、カメラ200に代えてLiDAR700を用いて検知車両を追跡しても良い。あるいは、制御装置100は、カメラ200とLiDAR700を併用して検知車両を追跡しても良い。駐車システム1は、LiDAR700を用いることで、奥行き方向の位置計測の精度が向上する。LiDAR700は、センサーの一例である。
また、駐車システム1は、カメラ200、レーダー600及びLiDAR700以外の、検知車両を追跡可能なセンサーを備えていても良い。この場合、制御装置100は、当該センサーを用いて検知車両を追跡する。
【0093】
駐車場P内に入ってきた車両Vを検知するカメラ200、検知車両を追跡するカメラ200、及び自動車ナンバーを読み取るカメラ200はそれぞれ異なるカメラ200であっても良い。
【0094】
上記の実施形態において制御装置100が行う処理の一部をカメラ200又は処理装置が実行しても良い。
上記の実施形態においてカメラ200が行う処理の一部を制御装置100が実行しても良い。
上記の実施形態において精算装置300が行う処理の一部を制御装置100が実行しても良い。
上記の実施形態において制御装置100が行う処理の一部を精算装置300が実行しても良い。
【0095】
プロセッサー101及びプロセッサー301は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0096】
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLAN(local area network)などのネットワークを介したダウンロードによって実現できる。
【0097】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 駐車システム
100 制御装置
101,301 プロセッサー
102,302 ROM
103,303 RAM
104,304 補助記憶装置
105,305 制御インターフェース
106,309 バス
200 カメラ
201 照明
300 精算装置
306 入力デバイス
307 表示デバイス
308 決済デバイス
400 表示装置
500 スピーカー
600 レーダー
700 LiDAR
V 車両