(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159885
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】コンディショナー及びそれを制御する方法{CONDITIONER AND METHOD FOR CONTROLLING THE SAME}
(51)【国際特許分類】
B24B 53/017 20120101AFI20231025BHJP
B24B 53/12 20060101ALI20231025BHJP
B24B 53/00 20060101ALI20231025BHJP
B24B 49/14 20060101ALI20231025BHJP
B24B 49/18 20060101ALI20231025BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
B24B53/017 A
B24B53/12 Z
B24B53/00 A
B24B49/14
B24B49/18
H01L21/304 622M
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068905
(22)【出願日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0049069
(32)【優先日】2022-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】505232852
【氏名又は名称】エスケー エンパルス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK enpulse Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1043,Gyeonggi-daero,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do 17784, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ジョンウク
(72)【発明者】
【氏名】ソ、ジャンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、スヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョンファン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、テキョン
【テーマコード(参考)】
3C034
3C047
5F057
【Fターム(参考)】
3C034AA07
3C034BB92
3C034CA19
3C034CB12
3C034DD10
3C047AA07
3C047AA08
3C047AA16
3C047AA22
3C047AA34
3C047EE04
5F057AA21
5F057FA39
5F057GA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】研磨パッドの再使用が可能になるように、研磨性能が低下した研磨パッドを回復させることのできるコンディショナーを提供する。
【解決手段】本発明は、コンディショナー及びそれを制御する方法である。具体的には、本発明の一実施例によると、回転する研磨パッドに蒸気を噴射する噴射器;及び前記噴射器を支持する噴射器支持体を含み、前記噴射器は、前記研磨パッドに前記蒸気を噴射する複数のノズルと、前記複数のノズルを加熱するノズルヒータとを含み、前記ノズルヒータは、前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの周辺領域と対応するように配置されたノズルを、前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの中心領域に対応するように配置されたノズルよりも高い温度に加熱する、コンディショナーが提供されることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する研磨パッドに蒸気を噴射する噴射器;及び
前記噴射器を支持する噴射器支持体を含み、
前記噴射器は、前記研磨パッドに前記蒸気を噴射する複数のノズルと、前記複数のノズルを加熱するノズルヒータとを含み、
前記ノズルヒータは、
前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの周辺領域と対応するように配置されたノズルを、前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの中心領域に対応するように配置されたノズルよりも高い温度に加熱する
コンディショナー。
【請求項2】
前記周辺領域は、前記中心領域よりも前記研磨パッドの半径方向外側に配置されて前記中心領域を囲み、
前記研磨パッドの温度を測定するセンサー;及び
前記センサーの測定結果に基づいて前記噴射器を制御する制御器をさらに含み、前記制御器は、
前記中心領域の温度である中心温度と、前記周辺領域の温度である周辺温度との差分値を算出し、前記差分値が所定の設定値より大きい場合、前記複数のノズルのうち前記周辺領域に対応するように配置された前記ノズルが、前記複数のノズルのうち前記中心領域に対応するように配置された前記ノズルよりも高い温度に加熱されるように前記ノズルヒータを制御する、
請求項1に記載のコンディショナー。
【請求項3】
前記周辺領域は、
前記中心領域を囲む内側周辺領域;及び
前記内側周辺領域より前記半径方向外側に配置されて前記内側周辺領域を囲む外側周辺領域を含み、
前記制御器は、
前記中心温度と前記内側周辺領域の温度である第1周辺温度との差分値である第1差分値、及び前記中心温度と前記外側周辺領域の温度である第2周辺温度との差分値である第2差分値を算出し、
前記第1差分値が前記設定値より小さく、前記第2差分値が前記設定値よりも大きい場合、前記複数のノズルのうち前記内側周辺領域に対応するように配置されたノズルが、前記複数のノズルのうち前記外側周辺領域に対応するように配置されたノズルよりも高い温度に加熱されるように前記ノズルヒータを制御する、
請求項2に記載のコンディショナー。
【請求項4】
前記制御器は、
前記差分値が前記設定値より大きい場合、前記差分値に対応する加熱時間を決定し、決定された前記加熱時間の間、前記複数のノズルのうち前記周辺領域に対応するように配置された前記ノズルが、前記複数のノズルのうち前記中心領域に対応するように配置された前記ノズルよりも高い温度に加熱されるように前記ノズルヒータを制御する、
請求項2に記載のコンディショナー。
【請求項5】
前記複数のノズルは前記研磨パッドの半径方向に沿って離隔して配置され、
前記噴射器には前記蒸気を収容することができる蒸気室が形成され、
前記蒸気室は前記半径方向に沿って延びて、前記複数のノズルと連通する、
請求項1に記載のコンディショナー。
【請求項6】
前記蒸気室に収容された前記蒸気が凝結するのを防ぐために前記蒸気室を加熱するルームヒータをさらに含む、
請求項5に記載のコンディショナー。
【請求項7】
前記蒸気室は、前記複数のノズルよりも上側に配置される、
請求項5に記載のコンディショナー。
【請求項8】
前記研磨パッドと前記噴射器との間の上下の離隔距離が調整されるように前記噴射器支持体を上下方向に沿って移動させる垂直駆動装置を含む駆動装置をさらに含む、
請求項1に記載のコンディショナー。
【請求項9】
前記駆動装置を制御する制御器をさらに備え、
前記制御器は、
前記複数のノズルから噴射される前記蒸気の噴射圧力に基づいて前記蒸気の噴射角度を算出し、算出された前記噴射角度に基づいてターゲット離隔距離を決定し、前記複数のノズルと前記研磨パッドの上面との間の上下離隔距離が前記ターゲット離隔距離に置かれるように前記垂直駆動装置を制御する、
請求項8に記載のコンディショナー。
【請求項10】
前記噴射器は前記研磨パッドの半径方向に沿って延び、
前記駆動装置は、
前記噴射器を前記研磨パッドに対して前記半径方向に沿って移動させる線形駆動装置をさらに含む、
請求項8に記載のコンディショナー。
【請求項11】
回転する研磨パッドにおいて、
複数のノズルを介して前記研磨パッドに蒸気を噴射する噴射段階;及び
前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの周辺領域に対応するように配置されたノズルを、前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの中心領域に対応するように配置されたノズルよりも高い温度に加熱するノズル加熱段階を含む、
コンディショナーを制御する方法。
【請求項12】
前記研磨パッドの温度を測定する温度測定段階;及び
前記中心領域の温度である中心温度と前記周辺領域の温度である周辺温度との差分値を算出する差分値算出段階をさらに含み、
前記ノズル加熱段階では、
前記差分値が所定の設定値よりも大きいとき、前記研磨パッドの周辺領域に対応するように配置された前記ノズルが、前記中心領域に対応するように配置された前記ノズルよりも高い温度に加熱され、
前記周辺領域は前記中心領域よりも前記研磨パッドの半径方向外側に配置されて前記中心領域を囲む、
請求項11に記載のコンディショナーを制御する方法。
【請求項13】
前記周辺領域は、前記中心領域を囲む内側周辺領域および前記内側周辺領域よりも前記半径方向外側に配置されて前記内側周辺領域を囲む外側周辺領域を含み、
前記温度測定段階は、
前記中心温度を測定する中心温度測定段階;及び
前記内側周辺領域の温度である第1周辺温度を測定する第1周辺温度測定段階と、前記外側周辺領域の温度である第2周辺温度を測定する第2周辺温度測定段階とを含む周辺温度測定段階を含み、
前記差分値算出段階は、
前記中心温度と前記第1周辺温度との差分値である第1差分値を算出する第1差分値算出段階と、前記中心温度と前記第2周辺温度との差分値である第2差分値を算出する第2差分値算出段階とを含み、
前記ノズル加熱段階では、
前記第1差分値が前記設定値より小さく、前記第2差分値が前記設定値より大きいとき、前記複数のノズルのうち前記内側周辺領域に対応するように配置されたノズルが、前記複数のノズルのうち前記外側周辺領域に隣接する前記ノズルよりも高い温度に加熱される、
請求項12に記載のコンディショナーを制御する方法。
【請求項14】
前記差分値が前記設定値より大きい場合、前記差分値に対応する加熱時間を決定する加熱時間決定段階をさらに含み、
前記ノズル加熱段階は、前記決定された加熱時間の間に行われる、
請求項12に記載のコンディショナーを制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンディショナー及びそれを制御する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の個々のチップサイズが小型化され、チップの集積度が高くなり、チップに形成される回路パターンの微細化が高度化するにつれて、化学機械的研磨(chemical mechanical polishing, CMP)工程の重要性が高まっている傾向である。
【0003】
CMP工程では、回転する研磨パッドに研磨スラリーが供給され、供給された研磨スラリーは研磨パッドの回転によって研磨パッドの表面に均一に分布する。このような研磨スラリーが分布した回転する研磨パッドの表面と、回転する研磨対象(基板、半導体素子、回路パターン等)の表面とが当接することにより、研磨対象の表面の研磨が行われる。このような研磨対象の表面は、研磨スラリーによって化学的研磨が行われる。また、回転する研磨対象の表面は、回転する研磨パッドの表面との物理的接触によって機械的研磨が行われる。
【0004】
このようなCMP工程は、研磨対象の表面を平坦化するか、研磨対象の表面に凝集した物質、研磨対象の表面に形成されたスクラッチ及び汚染源等を除去する工程である。このようなCMP工程では、研磨対象の表面を研磨するための研磨パッドが用いられる。CMP工程に用いられる研磨パッドは、摩擦により研磨対象の表面を目標レベルに加工する工程用部品であって、研磨が完了した研磨対象の表面の厚さの均一度、平坦度、品質等を決定する要素である。
【0005】
このような研磨パッドは、CMP工程が繰り返し行われると、摩耗により研磨性能が低下する。このように研磨性能が低下した研磨パッドは新しい研磨パッドに交換しなければならず、交換後は廃棄される。このように、研磨性能が低下した研磨パッドが再使用できず廃棄されるため、研磨パッドの交換費用が周期的に発生し、研磨パッドの廃棄による環境汚染が深化する問題点がある。
【0006】
そのため、研磨性能が低下した研磨パッドを再使用することができ、研磨パッドの再使用が可能になるにつれて研磨パッドの廃棄量を最小限に抑えることができるコンディショナーの必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一実施例は、上記のような背景に着目して発明されたものであり、研磨パッドの再使用が可能になるように、研磨性能が低下した研磨パッドを回復させることのできるコンディショナーを提供することを目的とする。
【0008】
また、研磨パッドの寿命を延ばして研磨パッドの廃棄量を最小化することができるコンディショナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、回転する研磨パッドに蒸気を噴射する噴射器;及び前記噴射器を支持する噴射器支持体を含み、前記噴射器は、前記研磨パッドに前記蒸気を噴射する複数のノズルと、前記複数のノズルを加熱するノズルヒータとを含み、前記ノズルヒータは、前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの周辺領域と対応するように配置されたノズルを、前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの中心領域に対応するように配置されたノズルよりも高い温度に加熱するコンディショナーが提供されることができる。
【0010】
また、前記周辺領域は、前記中心領域よりも前記研磨パッドの半径方向外側に配置されて前記中心領域を囲み、前記研磨パッドの温度を測定するセンサー;及び前記センサーの測定結果に基づいて前記噴射器を制御する制御器をさらに含み、前記制御器は、前記中心領域の温度である中心温度と、前記周辺領域の温度である周辺温度との差分値を算出し、前記差分値が所定の設定値より大きい場合、前記複数のノズルのうち前記周辺領域に対応するように配置された前記ノズルが、前記複数のノズルのうち前記中心領域に対応するように配置された前記ノズルよりも高い温度に加熱されるように前記ノズルヒータを制御する、コンディショナーが提供されることができる。
【0011】
また、前記周辺領域は、前記中心領域を囲む内側周辺領域;及び前記内側周辺領域より前記半径方向外側に配置されて前記内側周辺領域を囲む外側周辺領域を含み、前記制御器は、前記中心温度と前記内側周辺領域の温度である第1周辺温度との差分値である第1差分値、及び前記中心温度と前記外側周辺領域の温度である第2周辺温度との差分値である第2差分値を算出し、前記第1差分値が前記設定値より小さく、前記第2差分値が前記設定値よりも大きい場合、前記複数のノズルのうち前記内側周辺領域に対応するように配置されたノズルが、前記複数のノズルのうち前記外側周辺領域に対応するように配置されたノズルよりも高い温度に加熱されるように前記ノズルヒータを制御する、コンディショナーが提供されることができる。
【0012】
また、前記制御器は、前記差分値が前記設定値より大きい場合、前記差分値に対応する加熱時間を決定し、決定された前記加熱時間の間、前記複数のノズルのうち前記周辺領域に対応するように配置された前記ノズルが、前記複数のノズルのうち前記中心領域に対応するように配置された前記ノズルよりも高い温度に加熱されるように前記ノズルヒータを制御する、コンディショナーが提供されることができる。
【0013】
また、前記複数のノズルは前記研磨パッドの半径方向に沿って離隔して配置され、前記噴射器には前記蒸気を収容することができる蒸気室が形成され、前記蒸気室は前記半径方向に沿って延びて、前記複数のノズルと連通する、コンディショナーが提供されることができる。
【0014】
また、前記蒸気室に収容された前記蒸気が凝結するのを防ぐために前記蒸気室を加熱するルームヒータをさらに含む、コンディショナーが提供されることができる。
【0015】
また、前記蒸気室は、前記複数のノズルよりも上側に配置される、コンディショナーが提供されることができる。
【0016】
さらに、前記研磨パッドと前記噴射器との間の上下の離隔距離が調整されるように前記噴射器支持体を上下方向に沿って移動させる垂直駆動装置を含む駆動装置をさらに含む、コンディショナーが提供されることができる。
【0017】
また、前記駆動装置を制御する制御器をさらに備え、前記制御器は、前記複数のノズルから噴射される前記蒸気の噴射圧力に基づいて前記蒸気の噴射角度を算出し、算出された前記噴射角度に基づいてターゲット離隔距離を決定し、前記複数のノズルと前記研磨パッドの上面との間の上下離隔距離が前記ターゲット離隔距離に置かれるように前記垂直駆動装置を制御する、コンディショナーが提供されることができる。
【0018】
さらに、前記噴射器は前記研磨パッドの半径方向に沿って延び、前記駆動装置は、前記噴射器を前記研磨パッドに対して前記半径方向に沿って移動させる線形駆動装置をさらに含む、コンディショナーが提供されることができる。
【0019】
また、回転する研磨パッドにおいて、複数のノズルを介して前記研磨パッドに蒸気を噴射する噴射段階;及び前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの周辺領域に対応するように配置されたノズルを、前記複数のノズルのうち前記研磨パッドの中心領域に対応するように配置されたノズルよりも高い温度に加熱するノズル加熱段階を含む、コンディショナーを制御する方法が提供されることができる。
【0020】
また、前記研磨パッドの温度を測定する温度測定段階;及び前記中心領域の温度である中心温度と前記周辺領域の温度である周辺温度との差分値を算出する差分値算出段階をさらに含み、前記ノズル加熱段階では、前記差分値が所定の設定値よりも大きいとき、前記研磨パッドの周辺領域に対応するように配置された前記ノズルが、前記中心領域に対応するように配置された前記ノズルよりも高い温度に加熱され、前記周辺領域は前記中心領域よりも前記研磨パッドの半径方向外側に配置されて前記中心領域を囲む、コンディショナーを制御する方法が提供されることができる。
【0021】
また、前記周辺領域は、前記中心領域を囲む内側周辺領域および前記内側周辺領域よりも前記半径方向外側に配置されて前記内側周辺領域を囲む外側周辺領域を含み、前記温度測定段階は、前記中心温度を測定する中心温度測定段階;及び前記内側周辺領域の温度である第1周辺温度を測定する第1周辺温度測定段階と、前記外側周辺領域の温度である第2周辺温度を測定する第2周辺温度測定段階とを含む周辺温度測定段階を含み、前記差分値算出段階は、前記中心温度と前記第1周辺温度との差分値である第1差分値を算出する第1差分値算出段階と、前記中心温度と前記第2周辺温度との差分値である第2差分値を算出する第2差分値算出段階とを含み、前記ノズル加熱段階では、前記第1差分値が前記設定値より小さく、前記第2差分値が前記設定値より大きいとき、前記複数のノズルのうち前記内側周辺領域に対応するように配置されたノズルが、前記複数のノズルのうち前記外側周辺領域に隣接する前記ノズルよりも高い温度に加熱される、コンディショナーを制御する方法が提供されることができる。
【0022】
また、前記差分値が前記設定値より大きい場合、前記差分値に対応する加熱時間を決定する加熱時間決定段階をさらに含み、前記ノズル加熱段階は、前記決定された加熱時間の間に行われる、コンディショナーを制御する方法が提供されることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施例によるコンディショナーは、研磨性能が低下した研磨パッドを回復させて、研磨パッドの再使用が可能となるという効果がある。
【0024】
また、コンディショナーは、研磨パッドの寿命を延ばして研磨パッドの廃棄量を最小限に抑えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例によるコンディショナーの側面図である。
【
図2】本発明の一実施例によるコンディショナーの平面図である。
【
図3】
図2のIII-IIIにおける縦断面図である。
【
図4】本発明の一実施例による噴射器が研磨パッドの半径方向に沿って移動した様子を示した平面図である。
【
図5】本発明の一実施例による噴射器支持体が回転した様子を示した平面図である。
【
図6】本発明の一実施例によるコンディショナーを制御する方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明の実施のための具体的な内容】
【0026】
以下、本発明の技術的思想を実現するための具体的な実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
なお、本発明の説明において、関連する公知の構成または機能の具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0028】
さらに、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「着座」、「支持」されると言及されるときは、その他の構成要素に直接連結、着座、支持されることもできるが、その間にまた他の構成要素が存在してもよいことが理解されるべきである。
【0029】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定するために使用されたのではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0030】
さらに、第1、第2などの序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用されることができるが、該当構成要素はこのような用語によって限定されない。これらの用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0031】
本明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分を具体化し、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、成分および/または群れの存在や付加を除外するものではない。
【0032】
なお、本明細書において、上部、下部、上面などの表現は、図面における図示を参照して説明したものであり、当該対象の方向が変化すれば異なって表現できることを予め明らかにしておく。また、本明細書における内側方向は、
図2及び
図3の右側方向であり、外側方向は、
図2及び
図3の左側方向であってもよい。また、本明細書における一方向は、研磨パッドの半径方向を含む方向と理解することができる。このような半径方向は、内側半径方向および外側半径方向を含む方向であり、内側半径方向は水平方向と並んでおり、研磨パッドPの中心に近づく方向と定義することができる。さらに、外側半径方向は、内側半径方向の反対方向と定義することができる。
【0033】
以下、図面を参照して本発明の一実施例によるコンディショナー10の具体的な構成について説明する。
【0034】
CMP設備は、基板キャリア、スラリー供給装置およびコンディショナー10を含むことができる。基板キャリアには半導体基板が装着されることができる。このような基板キャリアは、装着された基板を回転させることができる。このような基板キャリアに装着された基板は、研磨パッドPの研磨面の縁部に接触した状態でその表面が研磨されることができる。例えば、基板キャリアは、基板を回転させながら、研磨面に接触した基板を研磨パッドPに向かう方向に付勢することができる。このような基板が研磨されている間、スラリー供給装置は回転する研磨パッドPの研磨面に研磨スラリーを供給することができる。このように、CMP設備は、基板キャリアによって基板を機械的に研磨することができ、スラリー供給装置によって基板を化学的に研磨するCMP工程を行うことができる。
【0035】
図1及び
図2を参照すると、コンディショナー10は、所定時間以上CMP工程を行った研磨パッドPを回復させることができる。研磨パッドPの材料はポリウレタン(polyurethane)を含むことができる。このような研磨パッドPに含まれるポリウレタンは、研磨対象によって加えられる応力によって変形することができ、加熱されると元の形状に復元することができる。言い換えれば、研磨パッドPは熱による自己回復能力を有することができる。このような研磨パッドPは、所定半径Rc、Rm、Reを有する円柱状であってもよい。コンディショナー10は、研磨パッドPの上面に蒸気(steam)を噴射することができる。このようなコンディショナー10は、噴射器100、蒸気供給部200、噴射器支持体300、パッド支持体400、駆動装置500、センサー600及び制御器700を含むことができる。
【0036】
図3をさらに参照すると、噴射器100は蒸気供給部200から蒸気を供給してもらい、供給された蒸気を研磨パッドPの上面に噴射することができる。このような噴射器100の下端は、パッド支持体400に着座した研磨パッドPの上面と対向することができる。このような噴射器100は半径方向に沿って延びることができる。
【0037】
このような噴射器100の内側端部は、パッド支持体400の中心部と対向して配置されることができる。また、噴射器100の外側端部は噴射器支持体300に接続することができる。このような噴射器100の外側端部は、噴射器100の内側端部の反対側の端部を意味することができる。このような噴射器100には蒸気室100aが形成されることができる。さらに、噴射器100は、ノズル110、ヒータ120、およびフレーム130を含むことができる。
【0038】
蒸気室100aは、蒸気供給部200から供給された蒸気を収容することができる。このような蒸気室100aは半径方向に沿って延びることができる。このような蒸気室100aは、水平方向において、内側端部が閉鎖された形状を有する長溝であることができる。例えば、蒸気室100aの内側端部は閉鎖され、外側端部は開いて蒸気供給部200から供給された蒸気が流入することができる蒸気流入口を提供することができる。
【0039】
このような蒸気室100aは、後述する複数のノズルと連通することができる。また、蒸気室100aは、複数のノズルよりも上側に配置されることができる。例えば、蒸気室100aに収容された蒸気は、複数のノズルに向かって流れることができる。このような蒸気室100aを介して複数のノズルのそれぞれに供給される蒸気の圧力のばらつきを最小限に抑えることができる。すなわち、蒸気供給部200から供給された蒸気は、大気圧と圧力の平衡がなされるまで蒸気室100aに充填され、大気圧と圧力の平衡がなされた後に複数のノズルを介して研磨パッドPに噴射されることができる。
【0040】
ノズル110は、蒸気室100aに収容された蒸気を研磨パッドPに噴射させることができる。このようなノズル110から噴射される蒸気の温度は、一例として、55℃~70℃であり得る。このようなノズルの下部は、下側にいくほど広がる形状を有するように傾斜して延びることができる。ノズル110は複数個設けられることができる。
【0041】
このような複数のノズル110は、半径方向に沿って離隔して配置されることができる。このような複数のノズル110は蒸気室100aと連通することができる。また、複数のノズル110は蒸気室100aより下側に配置されることができる。このような複数のノズル110は、センターノズル部111、ミドルノズル部112、エッジノズル部113を含むことができる。
【0042】
センターノズル部111は、研磨パッドの中心領域Pcに対応するように配置されることができる。例えば、センターノズル部111は、中心領域Pcの上面に対向するように配置されてもよい。センターノズル部111は、パッド支持体400に着座した研磨パッドの中心領域Pcの上面に蒸気を噴射することができる。このような中心領域Pcは「パッドセンター部」と呼ばれることができる。中心領域Pcは、一例として、研磨パッドPの半径(Rc+Rm+Re)の3分の1の半径を有する円柱形状を有することができる。このような中心領域Pcは、研磨パッドの周辺領域Pm、Peで囲まれるように配置されることができる。周辺領域Pm、Peは、中心領域Pcよりも半径方向外側に配置されることができる。このような周辺領域Pm、Peは、内側周辺領域Pmおよび外側周辺領域Peを含むことができる。また、センターノズル部111は、ミドルノズル部112よりも内側に配置されることができる。
【0043】
ミドルノズル部112は、内側周辺領域Pmに対応するように配置されることができる。例えば、ミドルノズル部112は、内側周辺領域Pmの上面に対向するように配置されることができる。ミドルノズル部112は、パッド支持体400に着座した研磨パッドの内側周辺領域Pmの上面に蒸気を噴射することができる。このような内側周辺領域Pmは「パッドミドル部」と呼ばれることができる。このような内側周辺領域Pmは、中空が形成された円筒形状を有することができる。例えば、内側周辺領域Pmの内周面の半径は、中心領域Pcの外周面の半径であることができる。このような内側周辺領域Pmは、中心領域Pcを囲むように配置されることができる。例えば、内側周辺領域Pmは、中心領域Pcよりも半径方向外側に配置されることができる。
【0044】
また、内側周辺領域Pmの外周面の半径は、後述する研磨パッドの外側周辺領域Peの内周面の半径である環状を有することができる。研磨パッドの半径方向において、内側周辺領域Pmの内周面と外周面との間の離隔距離は、一例として、研磨パッドPの半径(Rc+Rm+Re)の1/3の半径を有することができる。また、このような内側周辺領域Pmは、中心領域Pcと研磨パッドの外側周辺領域Peとの間に配置されることができる。また、ミドルノズル部112は、センターノズル部111とエッジノズル部113との間に配置されることができる。例えば、ミドルノズル部112は、エッジノズル部113よりも内側に配置されることができる。
【0045】
エッジノズル部113は、外側周辺領域Peに対応するように配置されることができる。 例えば、エッジノズル部113は、外側周辺領域Peの上面に対向するように配置されることができる。このようなエッジノズル部113は、パッド支持体400に着座した研磨パッドの第2周辺領域Peの上面に蒸気を噴射することができる。このような研磨パッドの第2周辺領域Peは「パッドエッジ部」と呼ばれることができる。このようなエッジノズル部113は、複数のノズルを含むことができる。このような外側周辺領域Peは、中空が形成された円筒形状を有することができる。例えば、外側周辺領域Peの内周面の半径は、内側周辺領域Pmの外周面の半径であることができる。また、外側周辺領域Peの外周面の半径は研磨パッドPの半径であることができる。研磨パッドの半径方向において、外側周辺領域Peの内周面と外周面との間の離隔距離は、一例として、研磨パッドPの半径(Rc+Rm+Re)の1/3の半径を有することができる。
【0046】
ヒータ120はノズルヒータ121およびルームヒータ122を含むことができる。ノズルヒータ121は、複数のノズル110の一部または全部を加熱することができる。例えば、ノズルヒータ121は、複数のノズル110を通過する蒸気の温度を高めることができる。このようなノズルヒータ121は、複数のノズル110のそれぞれを独立して加熱することができる。言い換えれば、ノズルヒータ121は、複数のノズル110のそれぞれが互いに異なる温度の蒸気を噴射するように、制御器700によって制御されることができる。例えば、ノズルヒータ121は、制御器700によって独立して制御されることができるように複数個設けられることができる。ただし、これは例示に過ぎず、ノズルヒータ121は1つ設けられ、複数のノズル110を独立して加熱してもよい。このようなノズルヒータ121は制御器700によって制御されることができる。
【0047】
ルームヒータ122は、蒸気室100aに収容された蒸気を加熱することができる。このようなルームヒータ122を介して、蒸気室100aに収容された蒸気が凝結されるのが遮断されることができる。このようなルームヒータ122は、蒸気室100aより上側に配置されることができる。このようにルームヒータ122が蒸気室100aより上側に配置されることにより、ルームヒータ122によって複数のノズルが加熱されるのが防止されることができる。フレーム130はノズル110およびヒータ120を支持することができる。このようなフレーム130は、噴射器100の外観を形成することができる。
【0048】
蒸気供給部200は、蒸気室100aに蒸気を供給することができる。このような蒸気供給部200が蒸気室100aに供給する蒸気は、一例として水蒸気(water vapor)であることができる。このような蒸気供給部200が蒸気室100aに供給する水蒸気の温度は、一例として、70℃~110℃であることができる。
【0049】
噴射器支持体300は噴射器100を支持することができる。パッド支持体400の上面には研磨パッドPが着座することができ、着座した研磨パッドPを支持することができる。パッド支持体400は、研磨パッドPが所定の位置に置かれるように、着座した研磨パッドPの位置を固定させることができる。例えば、パッド支持体400に着座した研磨パッドPの中心の位置は固定されることができる。このようなパッド支持体400は、研磨パッドPを支持した状態で研磨パッドPと共に上下方向に沿って延びるパッド回転軸を中心に回転することができる。例えば、パッド支持体400によって回転しながら、研磨パッドPの上面には噴射器100によって蒸気が噴射されることができる。
【0050】
一方、本発明の思想が必ずしもこれに限定されるのではなく、パッド支持体400はコンディショナー10と別の構成であってもよい。言い換えれば、パッド支持体400は、CMP装置に含まれるが、コンディショナー10には含まれない構成であってもよい。
【0051】
駆動装置500は制御器700によって制御されることができる。このような駆動装置500は、垂直駆動装置510、線形駆動装置520、回転駆動装置530、およびパッド駆動装置540を含むことができる。垂直駆動装置510は、所定位置に着座した研磨パッドPと噴射器100との間の上下離隔距離を調整することができる。このような垂直駆動装置510は、噴射器支持体300をパッド支持体400に対して上下方向に沿って移動させることができる。このような垂直駆動装置510は、一例として、アクチュエータであってもよい。
【0052】
図4をさらに参照すると、線形駆動装置520は、噴射器100を噴射器支持体300に対して半径方向に沿って移動させることができる。言い換えれば、線形駆動装置520は、噴射器100を噴射器支持体300に対して線形運動させることができる。また、図面には示されていないが、噴射器100および噴射器支持体300のいずれかにはガイド突起が形成され、他方にガイド突起と噛み合うガイド溝が形成されることができる。より詳細な例として、噴射器100の上端には上方に突出したガイド突起が形成され、噴射器支持体300の下端には上方に引き込まれて半径方向に沿って延びるガイド溝が形成されることができる。このような噴射器100のガイド突起は、噴射器支持体300のガイド溝に噛み合った状態で、ガイド溝320上で半径方向に沿って移動することができる。このような線形駆動装置520は、一例として、アクチュエータであってもよい。
【0053】
図5をさらに参照すると、回転駆動装置530は、上下方向に沿って延びる噴射器回転軸を中心に噴射器支持体300を回転させることができる。例えば、回転駆動装置530が噴射器支持体300を回転させるとき、噴射器100の内側端部は研磨パッドPの上面に面した状態で、研磨パッドPの外側と内側との間で往復移動することができる。このような回転駆動装置530は、一例として、モータおよびモータによって回転されるシャフトを含むことができる。
【0054】
パッド駆動装置540は、パッド支持体400を上下方向に沿って延びるパッド回転軸を中心に回転させることができる。このようなパッド回転軸は、噴射器回転軸と離隔して配置されることができる。例えば、パッド支持体400に研磨パッドPが着座した状態であるとき、パッド駆動装置540がパッド支持体400を回転させることにより、研磨パッドPはパッド支持体400と共に回転されることができる。このようなパッド駆動装置540は、一例として、モータおよびモータによって回転されるシャフトを含むことができる。
【0055】
センサー600は研磨パッドPの温度を測定することができる。このようなセンサー600は複数個設けられることができる。このような複数のセンサー600は、中心領域Pc、内側周辺領域Pmおよび外側周辺領域Peのそれぞれの温度を測定することができる。中心領域Pc、内側周辺領域Pm、および外側周辺領域Peの温度は、それぞれ中心温度、第1周辺温度および第2周辺温度と呼ばれることができる。また、複数のセンサー600は一例として、噴射器100に配置されることができる。例えば、複数のセンサー600のうちいくつかはセンターノズル部111、他の一部はミドルノズル部112、また他の一部はエッジノズル部113に配置されてもよい。
【0056】
制御器700は、センサー600の測定結果に基づいて噴射器100を制御することができる。このような制御器700は、中心領域Pcの温度である中心温度と研磨パッドの周辺領域Pm、Peの温度である周辺温度との差分値を算出することができる。このような中心温度および周辺温度は、それぞれ中心領域Pcの平均温度および研磨パッドの周辺領域Pm、Peの平均温度であることができる。平均温度は、研磨パッドPの上面の複数の単位面積それぞれの温度の合計を複数の単位面積の数で割った値として定義されることができる。
【0057】
例えば、制御器700は、中心領域Pc及び内側周辺領域Pmの温度の差分値である第1差分値と、中心領域Pcと外側周辺領域Peとの温度の差分値である第2差分値を算出することができる。このような制御器700は、所定の設定値と第1差分値及び第2差分値とを比較することができる。例えば、制御器700は、設定値よりも第1差分値が大きい場合、ミドルノズル部112及びエッジノズル部113がセンターノズル部111よりも高い温度に加熱されるようにノズルヒータ121を制御することができる。
【0058】
また、制御器700は、第1差分値が設定値より小さく、第2差分値が設定値より大きい場合、エッジノズル部113がセンターノズル部111及びミドルノズル部112よりも高い温度に加熱されるようにノズルヒータ121を制御することができる。
【0059】
このような制御器700は、差分値が設定値より大きい場合、差分値に対応する加熱時間を決定することができる。例えば、差分値が設定値より大きい場合、差分値が大きいほど、制御器700によって決定される加熱時間は長くなることができる。
【0060】
図3を再度参照すると、制御器700は複数のノズル110から噴射される蒸気の噴射圧力に基づいて蒸気の噴射角度(angle of injection pattern)を算出することができる。噴射角度は、ノズル110から噴射された蒸気の粒子群によって形成される噴射パターンが広がる角度として定義されることができる。例えば、噴射角度は、ノズル110の中心を通る仮想の直線と、噴射パターンの外周面を通る直線との間の角度として定義されることができる。このような噴射角度は、ノズル110から噴射される蒸気の噴射圧力が大きくなるほど大きくなることができる。
【0061】
このような制御器700は、算出された噴射角度に基づいてターゲット離隔距離を決定することができる。ターゲット離隔距離は、第1直線L1及び第2直線L2の交点が、所定位置にある研磨パッドPの上面より下側に配置されたときのノズル110と研磨パッドPの上面との間の離隔距離として定義されることができる。第1直線L1は、第1ノズルから噴射された蒸気によって形成された噴射パターンの内側外周面を通る仮想の直線として定義されることができる。第2直線L2は、第2ノズルから噴射された蒸気によって形成された噴射パターンの外側外周面を通る仮想の直線として定義されることができる。
【0062】
第1ノズルおよび第2ノズルは、複数のノズル110のうち互いに隣接する任意の2つのノズルを意味することができる。このような第1ノズルは、第2ノズルよりも半径方向外側に配置されることができる。また、第1直線L1は、上下方向に沿って切断された噴射器100の縦断面図(
図3参照)を見たとき、第1ノズルの内側傾斜部を通る仮想の直線として定義されることができる。また、第2直線L2は、上下方向に沿って切断された噴射器100の縦断面図(
図3参照)を見たとき、第2ノズルの外側傾斜部を通る仮想の直線として定義されることができる。
【0063】
このような制御器700は、決定されたターゲット離隔距離に基づいて垂直駆動装置510を制御することができる。例えば、制御器700は、複数のノズル110と研磨パッドPの上面との間の距離がターゲット離隔距離に置かれるように垂直駆動装置510を制御することができる。
【0064】
このように、制御器700が垂直駆動装置510を制御して、第1直線L1及び第2直線L2の交点が研磨パッドPの上面より下側に位置することにより、複数のノズルのうち隣接する2つのノズルから噴射された蒸気が互いに衝突して凝結するのを防止することができる。
【0065】
このような制御器700は、マイクロプロセッサを含む演算装置によって実現されることができ、その実現方式は当業者にとって自明な事項であるため、さらなる詳細な説明は省略する。
【0066】
以下では、本発明の一実施例によるコンディショナー10の作用及び効果について説明する。
【0067】
コンディショナー10のパッド支持体400に着座した研磨パッドPは、所定の位置に置かれることができる。このような研磨パッドPは、中心の位置が固定された状態で、パッド駆動装置540によってパッド回転軸を中心に回転することができる。このような研磨パッドPが回転する間、研磨パッドPより上側に配置された噴射器100は、研磨パッドPの上面によって蒸気を噴射することができる。
【0068】
このような噴射器100の蒸気室100aには、蒸気供給部200から流入した蒸気が収容されることができる。このような蒸気は、蒸気室100aの圧力が大気圧と平衡状態になるまで蒸気室100aに充填されることができる。 蒸気室100aに流入した蒸気は、上方に流れる性質を有するため、蒸気室100aが平衡状態になるまでは蒸気室100aより下側に配置された複数のノズルに蒸気が流れるのを防ぐことができる。その後、蒸気室100aの圧力が大気圧よりも大きくなると、蒸気は複数のノズルに向かって流れることができる。このような複数のノズルに向かって流れる蒸気の圧力は均一になることができる。このような蒸気室100aを介して、複数のノズルに圧力の均一な蒸気を直接供給するために、複数のノズルそれぞれに蒸気を供給するための複数の蒸気供給部を設ける必要がなくなるという効果がある。
【0069】
蒸気室100aは、ルームヒータ122によって加熱されることにより、蒸気室100a内に収容された蒸気が凝結するのを阻止することができる。また、複数のノズルは蒸気室100aから蒸気を供給してもらい、研磨パッドPに供給してもらった蒸気を噴射することができる。このような複数のノズルのうち隣接する2つのノズルから噴射される蒸気が接触しないように、制御器700は垂直駆動装置510を制御することができる。このように、複数のノズルのうち隣接する2つのノズルから噴射される蒸気が互いに接触しないことにより、ノズルから蒸気が噴射される過程で蒸気が凝結するのを防止することができる。
【0070】
また、研磨パッドPが回転している間、研磨パッドPは半径方向外側にいくほど単位時間当たりに外気(一例として、作業室内の空気)に露出する面積が大きくなる可能性がある。これにより、研磨パッドPが回転している間に研磨パッドPは半径方向外側にいくほど冷却される面積が増加することができる。例えば、所定時間回転する研磨パッドPに蒸気が噴射される過程が持続すると、中心領域Pc、内側周辺領域Pm及び外側周辺領域Peの平均温度は順次低くなる可能性がある。
【0071】
このようなコンディショナー10の制御器700は、研磨パッドPの相異なる領域の平均温度のばらつきを低減させるために、センターノズル部111と、ミドルノズル部112と、エッジノズル部113と、の少なくとも一つが加熱される温度が異なるようにノズルヒータ121を制御することができる。
【0072】
コンディショナー10は、研磨パッドPの相異なる領域の平均温度を比較し、センターノズル部111と、ミドルノズル部112と、エッジノズル部113と、の少なくとも一つが加熱される温度を調整することにより、研磨パッドPの平均温度のばらつきを低減するという効果がある。
【0073】
以下では、
図6を参照して、本発明の一実施例によるコンディショナーを制御する方法S10について説明する。このようなコンディショナーを制御する方法S10を説明するにあたり、制御器700に関する内容と同一の説明及び図面符号は上述した内容を援引する。
【0074】
コンディショナーを制御する方法S10は、噴射段階S100、温度測定段階S200、差分値算出段階S300、比較段階S400、加熱時間決定段階S500及びノズル加熱段階S600を含むことができる。
【0075】
噴射段階S100では、複数のノズルによって研磨パッドPに蒸気が噴射されることができる。このような噴射段階S100は、研磨パッドPが所定位置に置かれた状態でパッド回転軸を中心に回転している間に行われることができる。
【0076】
温度測定段階S200では、研磨パッドPの温度が測定されることができる。このような温度測定段階S200は、中心温度測定段階S210及び周辺温度測定段階S220を含むことができる。中心温度測定段階S210では、中心温度が測定されることができる。周辺温度測定段階S220は、第1周辺温度測定段階S221及び第2周辺温度測定段階S222を含むことができる。
【0077】
第1周辺温度測定段階S221では、研磨パッドの第1周辺温度が測定されることができる。また、第2周辺温度測定段階S222では、研磨パッドの第2周辺温度が測定されることができる。中心温度測定段階S210、第1周辺温度測定段階S221及び第2周辺温度測定段階S222は、同時又は異時に行われることができる。
【0078】
差分値算出段階S300では、中心温度と周辺温度との差分値が算出されることができる。このような差分値算出段階S300は、第1差分値算出段階S310及び第2差分値算出段階S320を含むことができる。第1差分値算出段階S310では、中心温度と第1周辺温度との差分値である第1差分値が算出されることができる。第2差分値算出段階S320では、中心温度と第2周辺温度との差分値である第2差分値が算出されることができる。
【0079】
比較段階S400では、設定値と差分値とを比較することができる。例えば、比較段階S400では、第1差分値と設定値との大小関係を比較したり、第2差分値と設定値との大小関係を比較してもよい。
【0080】
加熱時間決定段階S500は、差分値が設定値より大きい場合、差分値に対応する予め入力された加熱時間を決定することができる。ノズル加熱段階S600では、比較段階S400における比較結果に基づいて、複数のノズルが相異なる温度に加熱されることができる。このようなノズル加熱段階S600では、差分値が設定値より大きい場合、ミドルノズル部112およびエッジノズル部113がセンターノズル部111よりも高い温度に加熱されることができる。また、ノズル加熱段階S600では、第1差分値が設定値より小さく、第2差分値が設定値より大きい場合、エッジノズル部113がミドルノズル部112よりも高い温度に加熱されることができる。このようなノズル加熱段階S600は、加熱時間決定段階S500で決定された加熱時間の間に行われることができる。
【0081】
以上、本発明の実施例を具体的な実施形態として説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、本明細書に開示された技術的思想に従う最も広い範囲を有するものと解釈されるべきである。当業者は、開示された実施形態を組合せ/置換して適示されていない形状のパターンを実施することができるが、これも本発明の範囲から逸脱しないであろう。さらに、当業者は本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更または変形することができ、そのような変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。