IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧

特開2023-160268電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法
<>
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図1A
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図1B
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図1C
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図2
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図3
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図4A
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図4B
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図5A
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図5B
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図6
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図7
  • 特開-電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023160268
(43)【公開日】2023-11-02
(54)【発明の名称】電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/40 20060101AFI20231026BHJP
   G01S 7/484 20060101ALI20231026BHJP
   G01S 7/486 20200101ALI20231026BHJP
【FI】
G01S7/40 126
G01S7/484
G01S7/486
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022070498
(22)【出願日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】濱田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】天野 俊昭
【テーマコード(参考)】
5J070
5J084
【Fターム(参考)】
5J070AF01
5J070AG03
5J084AC02
5J084AD03
5J084BA03
5J084EA08
(57)【要約】
【課題】電波強度の測定に拠らない電波送受信装置検査システム100を提供すること。
【解決手段】電波送受信装置検査システム100は、所定の領域に対する指向性を有する電波送受信装置2を検査するための電波送受信装置検査システム100であって、電波送受信装置2に設けられた光反射部材4と、所定の領域に配置され、光反射部材4に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部5と、所定の領域に配置され、光反射部材4で反射されたレーザ光を受光するレーザ光受光部6と、所定の領域内にある所定位置から電波送受信装置2に向けてレーザ光照射部5から照射したレーザ光が、光反射部材4によって反射され、レーザ光受光部6によって正常に受光されたかを判定する装置検査部101と、を備える情報処理装置1と、を有する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域に対する指向性を有する電波送受信装置を検査するための電波送受信装置検査システムであって、
前記電波送受信装置に設けられた光反射部材と、
前記光反射部材に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記光反射部材で反射された前記レーザ光を受光するレーザ光受光部と、
所定位置から前記光反射部材に向けて前記レーザ光照射部から照射した前記レーザ光が、前記光反射部材によって反射され、前記レーザ光受光部によって正常に受光されたかを判定する装置検査部と、を備える情報処理装置と、
を有する電波送受信装置検査システム。
【請求項2】
前記レーザ光受光部の位置を測位する測位装置を有し、
前記情報処理装置が、
前記レーザ光受光部から前記レーザ光の受光状態に関する受光情報を取得する受光情報取得部と、前記測位装置から前記レーザ光受光部の位置を取得するレーザ光受光部位置取得部と、を備え、
前記装置検査部が、前記レーザ光受光部位置取得部が取得した前記レーザ光受光部の位置に基づいて、前記レーザ光受光部が前記所定位置にあるか判定し、当該所定位置において前記レーザ光照射部から照射され前記光反射部材によって反射されて前記レーザ光受光部により受光される前記レーザ光について、前記受光情報取得部が取得した前記受光情報に基づいて前記レーザ光受光部が前記レーザ光を正常に受光したか判定する、
請求項1に記載の電波送受信装置検査システム。
【請求項3】
前記装置検査部は、予め記憶した前記レーザ光を正常に受光することができる前記レーザ光受光部の受光位置である正常時レーザ光受光位置と、装置検査時の前記レーザ光受光部のレーザ光受光時位置とが、所定閾値以上乖離していると判定した場合に、前記電波送受信装置に異常があると判定する、
請求項2に記載の電波送受信装置検査システム。
【請求項4】
前記装置検査部は、予め記憶した前記レーザ光を正常に受光することができる前記レーザ光受光部の受光位置である正常時レーザ光受光位置から所定距離以内で前記レーザ光を受光することができないと判定した場合、前記電波送受信装置に異常があると判定する、
請求項2に記載の電波送受信装置検査システム。
【請求項5】
前記光反射部材は、非平面状に形成された表面を有する再帰性反射板であり、前記表面内で異なる反射スペクトルを有し、
前記レーザ光照射部はそれぞれ波長が異なる前記レーザ光を射出する複数のレーザ光源を有し、
前記装置検査部が、前記レーザ光受光部が受光した前記レーザ光のスペクトルに基づいて前記電波送受信装置を検査する、
請求項1に記載の電波送受信装置検査システム。
【請求項6】
前記所定の領域は道路上に設定されており、前記情報処理装置は、前記道路を走行する車両に設置される、請求項1~5の何れか一項に記載の電波送受信装置検査システム。
【請求項7】
電波送受信装置に設けられた光反射部材に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記光反射部材で反射された前記レーザ光を受光するレーザ光受光部と、所定位置から前記光反射部材に向けて前記レーザ光照射部から照射した前記レーザ光が、前記光反射部材によって反射され、前記レーザ光受光部によって正常に受光されたかを判定する装置検査手段、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
電波送受信装置に設けられた光反射部材に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、
前記光反射部材で反射された前記レーザ光を受光するレーザ光受光部と、所定位置から前記光反射部材に向けて前記レーザ光照射工程にて照射した前記レーザ光が、前記光反射部材によって反射され、前記レーザ光受光部によって正常に受光されたかを判定する装置検査工程、と
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項9】
電波送受信装置に設けられた光反射部材に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、
前記光反射部材で反射された前記レーザ光を受光するレーザ光受光部と、所定位置から前記光反射部材に向けて前記レーザ光照射工程にて照射した前記レーザ光が、前記光反射部材によって反射され、前記レーザ光受光部によって正常に受光されたかを判定する装置検査工程と、
を含む電波送受信装置の状態確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波送受信装置検査システム、情報処理装置、プログラム、電波送受信装置検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、道路等において例えば照明装置が設置される支柱に電波送受信装置が設置されている。電波送受信の規格の一つであるLocal5Gシステムは特定エリア内での使用という条件で許可されているシステムであり、規定の領域外への電波放射を制限する必要がある。特に対象領域が道路や線路等細長いエリアの場合、エリアの延長方向には電波を放射しつつ、幅方向への電波漏洩を抑制する必要がある。
この種の技術が記載されるものとして特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-150470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電波送受信部を取り付けた支柱が例えば強風等によって傾いてしまうと電波放射エリアがずれ、道路外に基準以上の電波が漏洩する可能性がある。このため、電波送受信装置からの電波放射エリアがずれてしまっていないかを検査する、電波送受信装置検査システムによる装置メンテナンスの要望がある。装置メンテナンスとは、例えば、電波送受信装置の位置や傾きなどが当初の設置位置や傾きからずれているかどうかを検査することである。しかしながら、電波強度或いは電界強度は周囲を走行する車両の影響等によっても変化してしまうため、測定が難しい。
【0005】
本発明は、電波強度測定に拠らずに電波送受信装置のメンテナンスを行うことができる電波送受信装置検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)所定の領域に対する指向性を有する電波送受信装置を検査するための電波送受信装置検査システムであって、電波送受信装置に設けられた光反射部材と、光反射部材に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部と、光反射部材で反射されたレーザ光を受光するレーザ光受光部と、所定位置から電波送受信装置に向けてレーザ光照射部から照射したレーザ光が、光反射部材によって反射され、レーザ光受光部によって正常に受光されたかを判定する装置検査部と、を備える情報処理装置と、を有する電波送受信装置検査システム。
(2)(1)の電波送受信装置検査システムは、レーザ光受光部の位置を測位する測位装置を有し、情報処理装置が、レーザ光受光部からレーザ光の受光状態に関する受光情報を取得する受光情報取得部と、測位装置からレーザ光受光部の位置を取得するレーザ光受光部位置取得部と、を備え、装置検査部が、レーザ光受光部位置取得部が取得したレーザ光受光部の位置に基づいて、レーザ光受光部が所定位置にあるか判定し、当該所定位置においてレーザ光照射部から照射され光反射部材によって反射されてレーザ光受光部により受光されるレーザ光について、受光情報取得部が取得した受光情報に基づいてレーザ光受光部がレーザ光を正常に受光したか判定する。
(3)(2)の電波送受信装置検査システムにおいて、装置検査部は、予め記憶したレーザ光を正常に受光することができるレーザ光受光部の受光位置である正常時レーザ光受光位置と、装置検査時のレーザ光受光部のレーザ光受光時位置とが、所定閾値以上乖離していると判定した場合に、電波送受信装置に異常があると判定する。
(4)電波送受信装置検査システムの装置検査部は、予め記憶したレーザ光を正常に受光することができるレーザ光受光部の受光位置である正常時レーザ光受光位置から所定距離以内でレーザ光を受光することができないと判定した場合、電波送受信装置に異常があると判定する、
(5)電波送受信装置検査システムにおいて、光反射部材は、非平面状に形成された表面を有する再帰性反射板であり、表面内で異なる反射スペクトルを有し、レーザ光照射部はそれぞれ波長が異なるレーザ光を射出する複数のレーザ光源を有し、装置検査部が、レーザ光受光部が受光したレーザ光のスペクトルに基づいて電波送受信装置を検査する。
(6)(1)から(5)の電波送受信装置検査システムにおいて、所定の領域は道路上に設定されており、情報処理装置は、道路を走行する車両に設置される。
(7)情報処理装置は、電波送受信装置2に設けられた光反射部材に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部と、光反射部材で反射されたレーザ光を受光するレーザ光受光部と、所定位置から光反射部材に向けてレーザ光照射部から照射したレーザ光が、光反射部材によって反射され、レーザ光受光部によって正常に受光されたかを判定する装置検査手段を備える。
(8)コンピュータプログラムは、電波送受信装置に設けられた光反射部材に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、光反射部材で反射されたレーザ光を受光するレーザ光受光部と、所定位置から光反射部材に向けてレーザ光照射工程にて照射したレーザ光が、光反射部材によって反射され、レーザ光受光部によって正常に受光されたかを判定する装置検査工程、とをコンピュータに実行させる。
(9)電波送受信装置の状態確認方法は、電波送受信装置に設けられた光反射部材に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、光反射部材で反射されたレーザ光を受光するレーザ光受光部と、所定位置から光反射部材に向けてレーザ光照射工程にて照射したレーザ光が、光反射部材によって反射され、レーザ光受光部によって正常に受光されたかを判定する装置検査工程と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電波強度の測定に拠らない電波送受信装置検査システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の実施形態に係る電波送受信装置検査システムの全体概要を示す平面俯瞰図である。
図1B】本発明の実施形態に係る電波送受信装置の構成を示す平面図である。
図1C】本発明の実施形態に係る電波送受信装置検査システムにおけるレーザ光照射部、レーザ光受光部、及び、情報処理装置等の設置された車両を示す平面図である。
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図4A】本発明の実施形態に係る電波送受信装置の回転が許容範囲内である場合の電波送受信装置の構成を示す平面図である。
図4B】本発明の実施形態に係る電波送受信装置の回転が許容範囲内である場合の電波送受信装置検査システムの全体概要を示す平面俯瞰図である。
図5A】本発明の実施形態に係る電波送受信装置の回転が許容範囲外である場合の電波送受信装置の構成を示す平面図である。
図5B】本発明の実施形態に係る電波送受信装置の回転が許容範囲外である場合の電波送受信装置検査システムの全体概要を示す平面俯瞰図である。
図6】本発明の実施形態に係る電波送受信装置の設置状態を検査する処理のフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係るレーザ光受光部6が複数設置される変形例を示す平面図である。
図8】本発明の実施形態に係る光反射部材が非平面の再帰性反射板を有する変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る電波送受信装置検査システム100について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付す。
【0010】
図1は本発明の実施形態に係る電波送受信装置検査システム100の全体概要と構成要素を示す。電波送受信装置2は、道路30上の所定の領域に対して指向性電波20を発信している。電波送受信装置検査システム100は、電波送受信装置2のメンテナンスの一環として、電波送受信装置2について、指向性電波20が所定の領域に出射されているかを検査する。電波送受信装置からの電波放射エリアがずれてしまっていないかを検査する方法として、現場での電界強度の測定、電波送受信装置の当初の設置状態からの位置や傾きなどのズレ確認、と言った方法が挙げられる。本実施形態においては、後者の、
電波送受信装置の当初の設置状態からの位置や傾きなどのズレ確認が行われる。
【0011】
図1Aに示すように、電波送受信装置2が道路30に設置されている。基本的に電波送受信装置2は電波の送受信範囲を広くするため、照明とともに設けられる等、高い所に設置されている。図1Bに示すように、電波送受信装置2或いは電波送受信装置2が内蔵されている電波送受信装置筐体3には、光反射部材4が設置されている。照射レーザ光21が光反射部材4に対して照射され、光反射部材4にて反射されて、反射レーザ光22となる。図1Aに示すように、例えば、道路30上を走行する車両8から照射レーザ光21は照射される。電波送受信装置2とともに光反射部材4は高い場所に設置されているため、遮蔽物に遮られることなく、照射レーザ光21は光反射部材4に到達する。
【0012】
電波送受信装置2から発射される指向性電波20は、図1Aに示すように道路30の所定の領域に向けて照射される。指向性電波20が道路30から外部に漏れることを防止するために、電波遮蔽板31が設けられてもよい。
【0013】
図1Cに示すように、例えば、レーザ光照射部5とレーザ光受光部6と情報処理装置1とは車両8に搭載される。レーザ光照射部5は、照射レーザ光21が光反射部材4に照射されるように、所定の角度をもって車両8に設置される。車両8は、電波送受信装置2に向かって走行する。照射レーザ光21は、指向性電波20が照射される所定の領域を走行する車両8から光反射部材4の設けられた電波送受信装置2に向けて照射される。照射レーザ光21は、図1Bに示すように光反射部材4で反射され、反射レーザ光22は、図1Cに示すレーザ光受光部6により受光される。レーザ光受光部6は、車両8とともに、指向性電波20が照射される所定の領域に配置される。
【0014】
車両8は、測位装置7を有してもよい。測位装置7はレーザ光受光部6の位置を測位する。図1Cにおいては、レーザ光受光部6の位置は同時に車両8の位置でもある。測位装置7としては、正確に位置を把握できる装置として、例えば、RTK-GNSS(Real Time Kinamatic Global Navigation Satellite System)が使用されてもよい。
【0015】
情報処理装置1は、測位装置7の測位結果及びレーザ光受光部6の受光状態に基づいて、電波送受信装置2を検査する。
【0016】
図2は情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置1は、制御部10と、入出力部16と、通信手段17と、記憶部18と、を備える。制御部10は、プロセッサ11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インタフェース15とを有する。情報処理装置1は、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータであってもよいし、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
【0017】
プロセッサ11は、各種演算及び処理を行う。プロセッサ11は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)等である。或いは、プロセッサ11は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。又、プロセッサ11は、これらにハードウェアアクセラレーター等を組み合わせたものあってもよい。
【0018】
プロセッサ11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。プロセッサ11は、ROM12に記録されているプログラム又はRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。プログラムの一部又は全部は、プロセッサ11の回路内に組み込まれていてもよい。
【0019】
バス14は入出力インタフェース15にも接続される。入出力インタフェース15には、入出力部16と、通信手段17と、が接続されている。
【0020】
入出力部16は、有線又は無線により電気的に入出力インタフェース15に接続される。入出力部16は例えばキーボード及びマウス等の入力部とディスプレイ及び音声を拡声するスピーカ等の出力部とによって構成される。なお、入出力部16はタッチパネルのように表示機能と入力機能が一体的な構成であってもよい。
【0021】
通信手段17は、プロセッサ11が、例えば図示されないインターネット等のネットワークを介して他の装置との間で通信を行うための装置である。記憶部18は、解析手順、解析結果等を記憶する例えばハードディスクドライブ(HDD)、半導体ドライブ(SSD)等の記憶装置である。
【0022】
図2に関して示したハードウェア構成は、あくまで一例であり、特にこの構成に限定されるわけではない。シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを、プロセッサとしての機能的構成を実現するものとして採用してもよい。情報処理装置1が記憶部18を有するのではなく、記憶部18が別途設けられる構成が採用されてもよい。情報処理装置1は通信手段17を有さず、例えば、スタンドアロンの形で機能する構成が採用されてもよい。
【0023】
図3は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1の機能的構成を示すブロック図である。情報処理装置1の制御部10は、装置検査部101と受光情報取得部102とレーザ光受光部位置取得部103とレーザ光照射管理部104とレーザ光受光部位置設定部105とを有する。これら各機能的構成は、例えば、プロセッサ11によりメモリ(ROM12又はRAM13)に格納されるコンピュータプログラムが実行されることにより実現される。このコンピュータプログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから通信手段17を介してインストールされ、メモリに格納されてもよい。
【0024】
以降、図1図2図4、及び図5を参照しつつ、図3の各機能部の機能について説明する。
【0025】
情報処理装置1の有する装置検査部101は、予め正常時の電波送受信装置2の状態を検証する。装置検査部101は、記憶部18から、照射レーザ光21を照射する所定の位置であるレーザ光照射所定位置P0(図1A)を記憶部18から読み出す。レーザ光照射所定位置P0は、予め設定された指標に拠っている。例えば、レーザ光照射所定位置P0は、高速道路の108キロ距離ポストの走行車線、のように指定されている。高速道路には一般的に1キロごとに距離ポストが設置されており、このポストの表記を用いて位置が特定される。この場合には、後述する測位装置7は不要である。例えば、車両8の操縦者が距離ポストを視認するようにしてもよい。或いは、車両8に搭載される情報処理装置1の有するレーザ光受光部位置取得部103が、図1には記載されていないカメラと画像認識技術により、前記の距離ポストを認識し、車両8の位置を把握するように構成してもよい。予め、レーザ光照射管理部104は、レーザ光照射所定位置P0において、レーザ光照射部5から照射レーザ光21を検査対象の電波送受信装置2に向けて照射させる。レーザ光照射部5から照射された照射レーザ光21が、光反射部材4によって反射される。受光情報取得部102は、レーザ光受光部6が受光した反射レーザ光22の強度を記憶部18に記憶する。装置検査部101は、反射レーザ光22がレーザ光受光部6によって正常に受光されることを確認する。
【0026】
検査時には、レーザ光照射管理部104は、レーザ光照射所定位置P0において、レーザ光照射部5に対して、照射レーザ光21を検査対象の電波送受信装置2に向けて照射させる。レーザ光照射部5から照射された照射レーザ光21が、光反射部材4によって反射される。受光情報取得部102は、レーザ光受光部6が受光した反射レーザ光22の強度を記憶部18に記憶する。装置検査部101は、反射レーザ光22がレーザ光受光部6によって正常に受光されるかを検証する。例えば、装置検査部101は、予め測定されていた反射レーザ光22の強度と検査時に測定した反射レーザ光22の強度とを検証する。反射レーザ光22の強度が所定の強度を下回る場合、装置検査部101は、検査対象の電波送受信装置2に異常が生じていると判定する。又、検査時に測定した反射レーザ光22の強度がゼロ、即ち、レーザ光受光部6が反射レーザ光22を受光しない場合、電波送受信装置2に異常が生じていると装置検査部101は判定する。
【0027】
異常が生じているとの判定は、適宜、電波送受信装置2を管理している部署に伝達され、電波送受信装置2の設置状態の修正が行われる。
【0028】
(変形例1)
上記においては、レーザ光照射所定位置P0は、予め設定された指標に拠っていた。第1変形例においては、電波送受信装置検査システム100は、レーザ光照射部5及びレーザ光受光部6の位置を測位する測位装置7を有する。レーザ光照射部5とレーザ光受光部6とは近接して配置され、両者の位置関係は予め把握されている。従って、測位装置7によるレーザ光照射部5及びレーザ光受光部6の何れかの測位に基づいて、双方の位置を特定することができる。測位装置7の測位結果をレーザ光受光部位置取得部103が取得し、レーザ光受光部位置設定部105は、予め設定された所定位置にレーザ光受光部6を配置する。具体的には、例えば、レーザ光受光部位置設定部105は、ナビゲーション機能を有し、予め設定された所定位置にレーザ光受光部6をナビゲートする。
【0029】
装置検査部101は、レーザ光受光部位置取得部103が取得したレーザ光受光部6の位置に基づいて、レーザ光受光部6が所定位置にあるか判定し、当該所定位置においてレーザ光照射部5から照射され光反射部材4によって反射されてレーザ光受光部6により受光される反射レーザ光22について、受光情報取得部102が取得した受光情報に基づいてレーザ光受光部6が反射レーザ光22を正常に受光したか判定する。例えば、装置検査部101は、予め測定されていた反射レーザ光22の強度と検査時に測定した反射レーザ光22の強度との差を検証する。差が、予め設定した値を超えている場合、装置検査部101は、検査対象の電波送受信装置2に異常が生じていると判定する。又、検査時に測定した反射レーザ光22の強度がゼロ、即ち、レーザ光受光部6が反射レーザ光22を受光しない場合、電波送受信装置2に異常が生じていると装置検査部101は判定する。
【0030】
(変形例2)
変形例1ではレーザ光受光部6は、予め定められる所定位置にて使用される。変形例2では、予め定められた所定位置周辺にレーザ光受光部6を配置するとともに、レーザ光受光部6が有する測位装置7を活用し、電波送受信装置筐体3の変位状況を把握する。
【0031】
情報処理装置1の有する装置検査部101は、まず、正常時の電波送受信装置2の状態を検証する。装置検査部101は、記憶部18から、照射レーザ光21を照射する所定の位置であるレーザ光照射所定位置P0を記憶部18から読み出す。レーザ光照射所定位置P0は、例えば、高速道路の107キロポストから109キロポストの間のように指定されている。予め、レーザ光照射管理部104は、レーザ光照射所定位置P0において、レーザ光照射部5から照射レーザ光21を検査対象の電波送受信装置2に向けて照射させる。レーザ光照射部5から照射された照射レーザ光21が、光反射部材4によって反射される。受光情報取得部102は、レーザ光受光部6が反射レーザ光22を受光した時に、受光したことをレーザ光受光部位置取得部103に伝達する。レーザ光受光部位置取得部103は測位装置7から測位を取得する。装置検査部101は、測位座標を、例えば、東経135度24分01秒375、北緯37度15分20秒423のように記憶する。
【0032】
検査時には、装置検査部101は、記憶部18から、照射レーザ光21を照射する所定の位置であるレーザ光照射所定位置P0を記憶部18から読み出す。レーザ光照射所定位置P0は、例えば、高速道路の107キロポストから109キロポストの間のように指定されている。この場合、レーザ光照射所定位置P0は所定の領域全体を指しており、レーザ光照射管理部104は、所定の領域であるレーザ光照射所定位置P0に車両8が存在する間、レーザ光照射部5から照射レーザ光21を検査対象の電波送受信装置2に向けて照射し続ける。レーザ光照射部5から照射された照射レーザ光21が、光反射部材4によって反射される。受光情報取得部102は、レーザ光受光部6が反射レーザ光22を受光した時に、受光したことをレーザ光受光部位置取得部103に伝達する。レーザ光受光部位置取得部103は測位装置7から測位を取得する。装置検査部101は、測位座標を、例えば、東経135度24分01秒380、北緯37度15分20秒425のように記憶する。
【0033】
まず、電波送受信装置2の位置が回転してしまったものの、許容範囲である場合について図4を参照して説明する。図4Aは電波送受信装置2の状況を示し、図4Bは指向性電波20、照射レーザ光21、反射レーザ光22の状況を示す。電波送受信装置2は、反時計回り方向R1に、例えば風により動いてしまっているとする。照射レーザ光21が光反射部材4の表面で反射され、反射レーザ光22は、正常時を示す図1に比べて、反時計回り方向R1に反射方向がずれている。図4Bに示すように、指向性電波20はその照射方向が反時計回りに回転してしまっている。しかしながら、回転角度が許容範囲のため、指向性電波20は、電波遮蔽板31に遮られて、道路30の外には漏れ出さない。このため、この状況は異常なしといえる。
【0034】
車両8に搭載された、図4Bには図示されない情報処理装置1の装置検査部101は、正常時に予め測定した測位座標と検査時に測定した測位座標とを比較する。例えば、上記したように、正常時に予め測定した測位座標は、東経135度24分01秒375、北緯37度15分20秒423であり、検査時に測定した測位座標は、東経135度24分01秒380、北緯37度15分20秒425である。装置検査部101は、これらの差が許容範囲であり、閾値を超えていないかを確認する。この例では検査時の測位座標は正常時の測位座標から約30cmずれている。車両8に搭載された、図4Bには図示されない情報処理装置1は、反射レーザ光22を受光するレーザ光受光部6の測位装置7による測位位置が、例えば、許容値である2mを大きく下回っており、許容範囲であり、異常はないと判定する。
【0035】
次に、電波送受信装置2の位置が回転してしまい、許容範囲を超えている場合について説明する。電波送受信装置2は、図4に示した例に比べて更に回転している。指向性電波20は、電波遮蔽板31により遮られる範囲を逸脱し、道路30から外に放射されている。
【0036】
車両8に搭載された情報処理装置1の装置検査部101は、正常時に予め測定した測位座標と検査時に測定した測位座標とを比較する。例えば、上記したように、正常時に予め測定した測位座標は、東経135度24分01秒375、北緯37度15分20秒423であり、検査時に測定した測位座標は、東経135度24分01秒435、北緯37度15分20秒452である。装置検査部101は、これらの差が許容範囲か、閾値を超えていないかを確認する。この例では検査時の測位座標は正常時の測位座標から約4.1mずれている。車両8に搭載された、図4Bには図示されない情報処理装置1は、反射レーザ光22を受光するレーザ光受光部6の測位装置7による測位位置が、例えば、許容値である2mを大きく上回っており、許容範囲を逸脱しており、異常が発生していると判定する。
【0037】
更に、電波送受信装置2の位置が回転してしまい、許容範囲を超えている場合について図5を参照して説明する。この場合には、電波送受信装置筐体3に取り付けられる光反射部材4からの反射レーザ光22はレーザ光受光部6により受光されない、或いは、正しく受光されることができない。受光情報取得部102は、レーザ光受光部6が受光しないとの情報を取得する。これは、例えば、測位装置7が測位する検査時のレーザ光受光部6の位置が、正常時に予め測定した測位点から半径10m以内にあっても、レーザ光受光部6が受光信号を出さない場合である。装置検査部101は、予め記憶した反射レーザ光22を正常に受光することができるレーザ光受光部6の受光位置である正常時レーザ光受光位置P1から所定距離、例えば10m、以内で反射レーザ光22を受光することができないと判定し、電波送受信装置2に異常があると判定する。
【0038】
(変形例3)
上記の実施形態においては、道路30上を走る車両8にレーザ光照射部5等が設置される構成について説明した。これに限られる訳ではなく、レーザ光照射部5及びレーザ光受光部6が固定されて設置されても良い。例えば、レーザ光照射部5が道路30の横の壁に設置され、その照射レーザ光21が電波送受信装置2の電波送受信装置筐体3に設置された光反射部材4で反射した反射レーザ光22を道路30上を走る車両8に設けられたレーザ光受光部6が受光してもよい。
【0039】
(変形例4)
上記の実施形態及び変形例では、レーザ光受光部6が車両8に設置されているが、これに限られない。レーザ光照射部5が道路30上或いは道路30の横の壁に設置され、その照射レーザ光21が電波送受信装置2の電波送受信装置筐体3に設置された光反射部材4で反射した反射レーザ光22を、道路30上或いは道路30の横の壁に設けられたレーザ光受光部6が受光するようにしてもよい。この場合には、レーザ光受光部6が受光する状態を、情報処理装置1の受光情報取得部102が、例えば無線或いは有線の通信手段17を通して、取得することができる。
【0040】
図6は本発明の実施形態に係る電波送受信装置2の設置状態を検査する処理のフローチャートである。変形例も適宜含めた形で説明する。正常状態で処理がスタートする。正常状態レーザ光照射処理(ステップS11)として、レーザ光照射管理部104は、レーザ光照射所定位置P0にて照射レーザ光21をレーザ光照射部5に照射させる。次に、正常状態受光情報取得処理として、受光情報取得部102は、レーザ光受光部6による反射レーザ光22の受光情報を取得する(ステップS12)。受光情報は、例えば、受光強度である。電波送受信装置検査システム100がレーザ光受光部6の位置を測位する測位装置7を有する場合(変形例1~3)には、レーザ光受光部位置取得部103は、受光位置記録処理として、測位装置7の測位したレーザ光受光部6の位置を取得する(ステップS13)。以上のステップS13迄で正常状態における電波送受信装置2からの受光状況が把握される。
【0041】
検査時には、検査時レーザ光照射処理(ステップS14)として、レーザ光照射管理部104は、レーザ光照射所定位置P0にて照射レーザ光21をレーザ光照射部5に照射させる。次に、検査時受光情報取得処理として、受光情報取得部102は、レーザ光受光部6による反射レーザ光22の受光情報を取得する(ステップS15)。受光情報は、例えば、受光強度である。電波送受信装置検査システム100がレーザ光受光部6の位置を測位する測位装置7を有する場合(変形例2及び変形例3)には、レーザ光受光部位置取得部103は、受光位置記録処理として、測位装置7の測位したレーザ光受光部6の位置を取得する(ステップS16)。装置検査部101は、装置状態判定処理として、受光された反射レーザ光22の強度が予め設定した値以上の場合には、正常と判定し、受光された反射レーザ光22の強度が予め設定した値未満の場合には異常が生じている可能性有りと判定する(ステップS17、本実施形態及び変形例1及び変形例4)。装置検査部101は、装置状態判定処理として、反射レーザ光22をレーザ光受光部6が受光した位置が、予め設定した位置から所定の距離以内であれば正常と判定し、所定の距離を超えている場合には異常と判定する(ステップS17、変形例2及び変形例3)。判定がなされた後、処理は終了する(ステップEND)。
【0042】
(変形例5)
以上の実施形態においては、レーザ光受光部6は一つであった。図7は、レーザ光受光部6が、符号6aから6gとして示されるように、複数設置される変形例5を示す平面図である。レーザ光照射部5から出射された照射レーザ光21は、図7に図示されない光反射部材4で反射し、反射レーザ光22は、複数設置されたレーザ光受光部6の何れかで受光される。どのレーザ光受光部6が反射レーザ光22を受光したかを受光情報取得部102が取得する。測位装置7により測位され、レーザ光受光部位置取得部103により取得されたレーザ光受光部6の位置に基づいて、装置検査部101は電波送受信装置2の設置状態を検査する。図7においては、レーザ光受光部6が車両8の側面にはみ出ていない。車両8の車幅を超えて反射レーザ光22が反射して戻ってくる状況をも網羅する場合には、レーザ光受光部6を車両8の側面からはみ出る形で設置してもよい。
【0043】
(変形例6)
以上の実施形態においては、光反射部材4は1枚のみであった。変形例6においては、非平面の光反射部材4、例えば、複数の平面状の光反射部材4が用いられる。図8に示すように、光反射部材4は、非平面状に形成された表面を有する再帰性反射板であり、表面内で異なる反射スペクトルを有する。図8では、それぞれ反射スペクトルの異なる4aから4fの6枚の再帰性反射板が環状に形成され、光反射部材4を構成している。レーザ光照射部5はそれぞれ波長が異なるレーザ光を射出する複数のレーザ光源(21a及び21b)を有する。装置検査部101が、レーザ光受光部6が受光した反射レーザ光22のスペクトルに基づいて電波送受信装置2を検査する。例えば電波送受信装置筐体3がなんらかの原因で略水平面内で回転するように位置ずれを起こしている場合、照射レーザ光21が入射する光反射部材4が、例えば4bから4cへというふうに変わる。このため反射レーザ光22のスペクトルが変わる。具体的には、赤色と緑色のレーザ光が照射され、反射レーザ光22における赤色と緑色の強度比が計算される。装置検査部101はこの強度比に基づいて光反射部材4の回転角度を導出し、電波送受信装置2の設置状態を検査する。
【0044】
以上の説明においては、主に、電波送受信装置検査システム100について説明した。電波送受信装置検査システム100が有する情報処理装置1は独立して使用することが可能である。又、情報処理装置1の機能をコンピュータに実行させるプログラムが行っているのと同様のステップに則った電波送受信装置検査方法を使用することが可能である。
【0045】
以上説明した実施形態に係る電波送受信装置検査システム100によれば以下のような効果が奏される。
【0046】
(1)電波送受信装置検査システム100は、所定の領域に対する指向性を有する電波送受信装置2を検査するための電波送受信装置検査システム100であって、電波送受信装置2に設けられた光反射部材4と、光反射部材4に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部5と光反射部材4で反射されたレーザ光を受光するレーザ光受光部6と、所定位置から電波送受信装置2に向けてレーザ光照射部5から照射したレーザ光が、光反射部材4によって反射され、レーザ光受光部6によって正常に受光されたかを判定する装置検査部101と、を備える情報処理装置1と、を有する。
【0047】
これにより、電波強度の測定に拠らない電波送受信装置検査システム100が提供される。
【0048】
(2)(1)の電波送受信装置検査システム100は、レーザ光受光部6の位置を測位する測位装置7を有し、情報処理装置1が、レーザ光受光部6からレーザ光の受光状態に関する受光情報を取得する受光情報取得部102と、測位装置7からレーザ光受光部6の位置を取得するレーザ光受光部位置取得部103と、を備え、装置検査部101が、レーザ光受光部位置取得部103が取得したレーザ光受光部6の位置に基づいて、レーザ光受光部6が所定位置にあるか判定し、当該所定位置においてレーザ光照射部5から照射され光反射部材4によって反射されてレーザ光受光部6により受光されるレーザ光について、受光情報取得部102が取得した受光情報に基づいてレーザ光受光部6がレーザ光を正常に受光したか判定してもよい。
【0049】
レーザ光受光部6の位置に基づいて判定されるため、より緻密な判定が可能となる。
【0050】
(3)(2)の電波送受信装置検査システム100において、装置検査部101は、予め記憶したレーザ光を正常に受光することができるレーザ光受光部6の受光位置である正常時レーザ光受光位置P1と、装置検査時のレーザ光受光部6のレーザ光受光時位置P1aとが、所定閾値以上乖離していると判定した場合に、電波送受信装置2に異常があると判定してもよい。
【0051】
これにより、どの程度電波照射範囲が正常範囲から乖離しているかを判断することができ、且つ、異常との判断が確実に行われ得る。
【0052】
(4)電波送受信装置検査システム100の装置検査部101は、予め記憶したレーザ光を正常に受光することができるレーザ光受光部6の受光位置である正常時レーザ光受光位置P1から所定距離以内でレーザ光を受光することができないと判定した場合、電波送受信装置2に異常があると判定してもよい。
【0053】
これにより、レーザ光受光部6がレーザ光を受光できない場合を含めて、電波送受信装置2について検査をすることができる。
【0054】
(5)電波送受信装置検査システム100において、光反射部材4は、非平面状に形成された表面を有する再帰性反射板であり、表面内で異なる反射スペクトルを有し、レーザ光照射部5はそれぞれ波長が異なるレーザ光を射出する複数のレーザ光源を有し、装置検査部101が、レーザ光受光部6が受光したレーザ光のスペクトルに基づいて電波送受信装置2を検査してもよい。
【0055】
これにより、光反射部材4或いは電波送受信装置2の向きが大きく正常状態から乖離した場合においても反射光が受光され、光反射部材4或いは電波送受信装置2の向きを定量的に検査することができる。
【0056】
(6)(1)から(5)の電波送受信装置検査システム100において、所定の領域は道路30上に設定されており、情報処理装置1は、道路30を走行する車両8に設置されてもよい。
【0057】
これにより、道路30を走行する車両8により、電波送受信装置2を検査することができる。
【0058】
(7)情報処理装置1は、電波送受信装置2に設けられた光反射部材4に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射部5と、光反射部材4で反射されたレーザ光を受光するレーザ光受光部6と、所定位置から光反射部材4に向けてレーザ光照射部5から照射したレーザ光が、光反射部材4によって反射され、レーザ光受光部6によって正常に受光されたかを判定する装置検査手段101を備える。
【0059】
これにより、電波強度の測定に拠らずに電波送受信装置2を検査する情報処理装置1が提供される。
【0060】
(8)コンピュータプログラムは、電波送受信装置2に設けられた光反射部材4に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、光反射部材4で反射されたレーザ光を受光するレーザ光受光部6と、所定位置から光反射部材4に向けてレーザ光照射工程にて照射したレーザ光が、光反射部材4によって反射され、レーザ光受光部6によって正常に受光されたかを判定する装置検査工程、とをコンピュータに実行させる。
【0061】
これにより、電波強度の測定に拠らずに電波送受信装置2を検査するコンピュータプログラムが提供される。
【0062】
(9)電波送受信装置2の状態確認方法は、電波送受信装置2に設けられた光反射部材4に向けてレーザ光を照射するレーザ光照射工程と、光反射部材4で反射されたレーザ光を受光するレーザ光受光部6と、所定位置から光反射部材4に向けてレーザ光照射工程にて照射したレーザ光が、光反射部材4によって反射され、レーザ光受光部6によって正常に受光されたかを判定する装置検査工程と、を含む。
【0063】
これにより、電波強度の測定に拠らずに電波送受信装置2を検査する方法が提供される
【符号の説明】
【0064】
1 情報処理装置
2 電波送受信装置
3 電波送受信装置筐体
4 光反射部材
5 レーザ光照射部
6 レーザ光受光部
7 測位装置
8 車両
20 指向性電波
21 照射レーザ光
22 反射レーザ光
30 道路
31 電波遮蔽板
100 電波送受信装置検査システム
101 装置検査部
102 受光情報取得部
103 レーザ光受光部位置取得部
104 レーザ光照射管理部
105 レーザ光受光部位置設定部
P0 レーザ光照射所定位置
P1 正常時レーザ光受光位置
P1a レーザ光受光時位置
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8