(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161621
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】顕微鏡
(51)【国際特許分類】
G02B 21/18 20060101AFI20231031BHJP
G02B 21/36 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
G02B21/18
G02B21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072052
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 秀太朗
(72)【発明者】
【氏名】大井 宏美
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AA09
2H052AB05
2H052AB24
2H052AB26
2H052AC04
2H052AC05
2H052AC33
2H052AD34
2H052AF14
2H052AF21
2H052AF25
(57)【要約】
【解決手段】標本からの光を集光する対物レンズと、対物レンズから出射された光を互いに異なる波長帯域の複数の光に分割する光分割ユニットと、複数の光のうち、一の光が入射する第1の光学系と、複数の光のうち、他の光が入射する、第1の光学系より高倍率の第2の光学系と、一の光と他の光とを統合する光統合ユニットと、光統合ユニットから出射された光を受光して、波長帯域ごとに区別可能な電気信号を出力するイメージセンサとを備える顕微鏡を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標本からの光を集光する対物レンズと、
前記対物レンズから出射された前記光を互いに異なる波長帯域の複数の光に分割する光分割ユニットと、
前記複数の光のうち、一の光が入射する第1の光学系と、
前記複数の光のうち、他の光が入射する、前記第1の光学系より高倍率の第2の光学系と、
前記一の光と前記他の光とを統合する光統合ユニットと、
前記光統合ユニットから出射された光を受光して、前記波長帯域ごとに区別可能な電気信号を出力するイメージセンサと
を備える顕微鏡。
【請求項2】
前記イメージセンサは、前記一の光を透過するカラーフィルタ付き画素、および、前記他の光を透過するカラーフィルタ付き画素が、互いに入れ子になって、二次元に複数配されている、
請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項3】
前記光分割ユニットは、前記複数の光のうち、波長が長い光を前記第1の光学系が配置される光路に導き、波長が短い光を前記第2の光学系が配置される光路に導く、
請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項4】
前記対物レンズと前記光分割ユニットとの間に、ズーミング光学系が配置される、
請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項5】
前記第1の光学系は、前記対物レンズの光軸の方向における前記標本の複数の観察面うち、前記対物レンズに近い側の観察面からの波長が短い光を前記イメージセンサに結像させ、前記第2の光学系は、前記対物レンズから遠い側の観察面からの波長が長い光を前記イメージセンサに結像させる、
請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項6】
前記第1の光学系および前記第2の光学系の少なくとも1つは、前記対物レンズの光軸の方向における前記標本の複数の観察面の何れかに焦点を合わせるべく、前記少なくとも1つの光学系の光軸に沿って移動可能に構成される、
請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項7】
前記第1の光学系および前記第2の光学系の少なくとも1つは、ズーミング光学系である、
請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項8】
前記イメージセンサから出力される前記波長帯域ごとに区別可能な電気信号に基づいて、前記波長帯域ごとの画像をそれぞれ表示するモニタを更に備える、
請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項9】
前記モニタは、前記波長帯域ごとの画像をそれぞれグレー階調で表示する、
請求項8に記載の顕微鏡。
【請求項10】
前記モニタは、前記第1の光学系が配置される光路に分割された光の波長帯域に対応する電気信号に基づく低倍画像と、前記第2の光学系が配置される光路に分割された光の波長帯域に対応する電気信号に基づく高倍画像とを並べて表示可能である、
請求項8に記載の顕微鏡。
【請求項11】
前記モニタは、ユーザによるタッチ操作が可能なタッチパネル型であり、
前記標本が載置され、前記対物レンズの光軸に直交する2つの方向に移動可能なステージと、
前記モニタに表示される前記標本の前記低倍画像の中でユーザが選択したターゲットを前記低倍画像の中心領域に移動させるべく、前記ステージを前記2つの方向に移動させるコントローラと
を更に備える、請求項10に記載の顕微鏡。
【請求項12】
前記コントローラは、動く前記ターゲットを前記中心領域に位置させるべく、前記ターゲットの動きに追従して前記ステージを前記2つの方向に移動させる、
請求項11に記載の顕微鏡。
【請求項13】
前記コントローラは、前記モニタに表示される拡大用のボタンをユーザが選択した場合に、前記モニタに、前記中心領域に対応する前記高倍画像を前記低倍画像に並べて表示させる、
請求項11に記載の顕微鏡。
【請求項14】
前記コントローラは、前記モニタに表示される画像解析用のボタンをユーザが選択した場合に、前記低倍画像および前記高倍画像の少なくとも何れかに含まれる前記ターゲットを予め定められた方法で画像解析した結果を出力する、
請求項11に記載の顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「対物レンズを切替える操作を必要とすることなく低倍での広い視野と、高倍での高解像の観察を可能とし、また、フィルターや照明光の切替え操作を行なうことなく、異なる波長で観察することを可能とした作業性の良い顕微鏡を提供する」(要約)と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2002-31758号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、顕微鏡を提供する。顕微鏡は、標本からの光を集光する対物レンズと、前記対物レンズから出射された前記光を互いに異なる波長帯域の複数の光に分割する光分割ユニットと、前記複数の光のうち、一の光が入射する第1の光学系と、前記複数の光のうち、他の光が入射する、前記第1の光学系より高倍率の第2の光学系と、前記一の光と前記他の光とを統合する光統合ユニットと、前記光統合ユニットから出射された光を受光して、前記波長帯域ごとに区別可能な電気信号を出力するイメージセンサとを備える。
【0004】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】第一実施形態による顕微鏡100の概略図である。
【
図2】
図1における破線の丸で囲った領域30の部分拡大図である。
【
図3】第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの一例を説明するフロー図である。
【
図4】第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの一例を説明するフロー図である。
【
図5】第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの一例を説明するフロー図である。
【
図6】第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの他の一例を説明するフロー図である。
【
図7】第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの他の一例を説明するフロー図である。
【
図8】第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの他の一例を説明するフロー図である。
【
図9】対物レンズ120の色収差に起因して生じる二色の光の焦点の位置ずれを利用して標本20の異なる観察面を観察する態様を説明するための説明図である。
【
図10】第二実施形態による顕微鏡300の概略図である。
【
図11】第三実施形態による顕微鏡400の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0007】
図1は、第一実施形態による顕微鏡100の概略図である。
図1において、黒塗りの矢印は、電気的な接続と、信号の流れ方向とを示す。また、
図1において、X、YおよびZの三軸を黒塗りの矢印で示し、
図1の奥行方向をX軸正方向、
図1の右方向をY軸正方向、
図1の上方向をZ軸正方向とする。また、
図1において、光路を矢印と共に太線、破線および一点鎖線で示す。また、
図1では、主に顕微鏡100の光学系を説明するために必要な構成要素を図示し、顕微鏡100の筐体等の図示を省略する。以降で説明する図面においても同様とし、重複する説明を省略する。
【0008】
顕微鏡100は、少なくとも可視光に対して透明な容器10に収容されている標本20について、単一の撮像素子を用いて倍率の異なる複数の画像を一フレームで同時に撮像することを可能にする。なお、本実施形態による顕微鏡100は、一例として、明視野で光を標本に照射して透過光を観察する透過照明型の正立顕微鏡である。
【0009】
顕微鏡100は、光源110と、対物レンズ120と、光分割ユニット130と第1の光学系140と、第2の光学系150と、光統合ユニット160と、イメージセンサ170とを備える。本実施形態による顕微鏡100は更に、モニタ180と、ステージ190と、コントローラ200とを備えてもよい。本実施形態による顕微鏡100は更に、第1ミラー210と、第2ミラー220と、ズーミング光学系230とを備えてもよい。
【0010】
光源110は、光を標本20に照射する。具体的な一例として、光源110は、白色LEDであって、580nm~800nmの波長帯域の光(以降の説明において、「赤色の光」という場合がある。)、500nm~580nmの波長帯域の光(以降の説明において、「緑色の光」という場合がある。)および380nm~500nmの波長帯域の光(以降の説明において、「青色の光」という場合がある。)が均等に混ざった白色光を標本20に照射してもよい。
【0011】
対物レンズ120は、標本20からの光を集光する。具体的な一例として、対物レンズ120は、20倍で開口数0.9であり、標本20からの白色光を集光する。
【0012】
ズーミング光学系230は、複数のレンズから成る、ズーミング用の光学系である。ズーミング光学系230は、対物レンズ120および光分割ユニット130の間で対物レンズ120の光軸上に配置され、第1の光学系140および第2の光学系150に共通する光学系であってもよい。すなわち、ズーミング光学系230は、顕微鏡100で観察される倍率が異なる複数の画像を全て同時に拡大させたり縮小させたりする機能を有する。
【0013】
光分割ユニット130は、対物レンズ120の光軸上に配置され、対物レンズ120から出射された光を互いに異なる波長帯域の複数の光に分割する。光分割ユニット130は、当該光を色ごとの光路に分割してもよい。例えば、光分割ユニット130は、対物レンズ120から出射される光源110からの複数の光のうち、所定の波長より長い光を第1の光学系140が配置される光路に導き、所定の波長より短い光を第2の光学系150が配置される光路に導いてもよい。なお、以降の説明において、所定の波長より長い光を、波長が長い光と称し、所定の波長より短い光を、波長が短い光と称する場合がある。
【0014】
本実施形態による光分割ユニット130は、具体的な一例として、対物レンズ120の光軸上で順に直列に配置された波長フィルタ131およびダイクロイックミラー133を有してもよい。
【0015】
波長フィルタ131は、一例として、対物レンズ120から出射された白色光のうち、緑色の光をフィルタリングして、赤色の光および青色の光を透過する。
図1には、白色光、すなわち三色の光路を最も太い実線で示し、波長フィルタ131を透過したこれら二色の光路を太い実線で示す。波長フィルタ131は、例えば、ノッチフィルタ、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ等であってもよい。
【0016】
ダイクロイックミラー133は、一例として、波長フィルタ131を透過した赤色と青色の二色の光のうち、赤色の光を透過して第1の光学系140が配置される光路に導き、青色の光を反射して第2の光学系150が配置される光路に導く。
図1には、赤色の光路を破線で示し、青色の光路を一点鎖線で示す。
【0017】
本実施形態による光分割ユニット130は、このような構成を有することによって、赤色の光と青色の光を別の光路に導くと共に、緑色の光がイメージセンサ170に到達することを防止する。なお、光分割ユニット130において、波長フィルタ131は、ダイクロイックミラー133を透過又は反射した緑色の光をフィルタリングするように、ダイクロイックミラー133の出射側に配置されてもよい。例えば、ダイクロイックミラー133は、赤色の光および緑色の光を透過して青色の光を反射してもよく、波長フィルタ131は、ダイクロイックミラー133を透過した緑色の光をフィルタリングしてもよい。
【0018】
第1の光学系140は、光分割ユニット130によって分割された複数の光のうち、一の光が入射する。第1の光学系140は、色ごとの光路の何れかに配置されてもよい。第2の光学系150は、光分割ユニット130によって分割された複数の光のうち、他の光が入射する。当該他の光は、光分割ユニット130によって分割された複数の光から、第1の光学系140に入射する一の光を差し引いて残る光であってもよい。第2の光学系150は、第1の光学系140より高倍率である。第2の光学系150は、当該色ごとの光路のうち、第1の光学系140が配置されていない光路に配置されてもよい。本実施形態では、第1の光学系140は赤色の光路に配置され、第2の光学系150は青色の光路に配置される。
【0019】
第1の光学系140は、標本20の低倍率の画像、すなわち低倍画像181を観察するための光学系である。第2の光学系150は、標本20の高倍率の画像、すなわち高倍画像183を観察するための光学系である。
【0020】
第1の光学系140および第2の光学系150はそれぞれ、例えば、単一の結像レンズであってもよく、複数のレンズから成る結像光学系であってもよく、リレーレンズであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。なお、互いに倍率が異なる第1の光学系140および第2の光学系150は、互いに焦点距離も異なるため、第1の光学系140および第2の光学系150が同じ位置に光を結像するようにそれぞれの光路長が調整されていてもよい。
【0021】
第1ミラー210は、第1の光学系140からの光を偏向し、光統合ユニット160へと導くように配置される。第2ミラー220は、第2の光学系150からの光を偏向し、光統合ユニット160へと導くように配置される。
【0022】
光統合ユニット160は、光分割ユニット130によって分割された上述の一の光と他の光とを統合する。光統合ユニット160は、光分割ユニット130によって分割された色ごとの光路を結合してもよい。具体的な一例として、光統合ユニット160は、第1の光学系140からの赤色の光と、第2の光学系150からの青色の光とを統合するダイクロイックミラーである。本実施形態では、光統合ユニット160は、第1の光学系140からの赤色の光を透過し、第2の光学系150からの青色の光を反射する。
【0023】
イメージセンサ170は、光統合ユニット160から出射された光を受光して、波長帯域ごとに区別可能な電気信号を出力する。イメージセンサ170は、光分割ユニット130によって分割された色ごとに区別可能な電気信号として出力してもよい。具体的な一例として、イメージセンサ170は、第1の光学系140からの赤色の光に基づく電気信号と、第2の光学系150からの青色の光に基づく電気信号とを、区別可能に出力してもよい。
【0024】
本実施形態によるイメージセンサ170は、例えば、上述した一の光を透過するカラーフィルタ付き画素、および、上述した他の光を透過するカラーフィルタ付き画素が、互いに入れ子になって、二次元に複数配されていてもよい。当該一の光を透過するカラーフィルタ付き画素は、赤色の光を透過してもよく、この場合、当該他の光を透過するカラーフィルタ付き画素は、青色の光を透過してもよい。これにより、イメージセンサ170は、1フレーム分の撮像として、それぞれの色の画素で受光した光の強度に対応する電気信号を出力する。イメージセンサ170は、加法原色のそれぞれの画素を含んでもよい。
【0025】
図2は、
図1における破線の丸で囲った領域30の部分拡大図である。
図2は、加法原色のうち各画素が検出する光の色を表す記号を各画素上に重ねて示す。記号Rは赤色を表し、記号Gは緑色を表し、記号Bは青色を表す。
図2の配列は、いわゆるベイヤー配列と呼ばれ、カラー画像を撮影するデジタルカメラに広く搭載されている。イメージセンサ170において、赤色の光を透過するカラーフィルタ付きの第1画素171と、緑色の光を透過するカラーフィルタ付きの第2画素173と、青色の光を透過するカラーフィルタ付きの第3画素175とが、互いに入れ子になって、二次元に配列されている。なお、イメージセンサ170における画素の配列は、ベイヤー配列以外の配列であってもよい。
【0026】
モニタ180は、イメージセンサ170に電気的に接続され、イメージセンサ170から出力される波長帯域ごとに区別可能な電気信号に基づいて、波長帯域ごとの画像をそれぞれ表示する。具体的な一例として、モニタ180は、低倍率の第1の光学系140が配置される光路に分割された光の波長帯域に対応する電気信号に基づく低倍画像181と、高倍率の第2の光学系150が配置される光路に分割された光の波長帯域に対応する電気信号に基づく高倍画像183とを並べて表示可能であってもよい。本実施形態では、モニタ180は、赤色に対応する電気信号に基づく低倍画像181と、青色に対応する電気信号に基づく高倍画像183とを並べて表示可能である。
【0027】
モニタ180は、例えば液晶モニタや有機ELモニタなどであってもよい。ただし、モニタ180は、ユーザが色ごとの画像を観察し易くするべく、波長帯域ごとの画像をそれぞれグレー階調で表示してもよい。モニタ180はまた、ユーザによるタッチ操作が可能なタッチパネル型であってもよい。
【0028】
ステージ190は、標本20が載置され、対物レンズ120の光軸に直交する2つの方向に移動可能であってもよい。より具体的には、ステージ190は、標本20が載置される載置面の面内方向で、すなわち
図1のXY平面の面内方向で二次元的に、例えばX軸方向およびY軸方向のそれぞれに移動可能な電動ステージであってもよい。
【0029】
コントローラ200は、ステージ190に電気的に接続され、ステージ190の移動をコントロールする。具体的な一例として、コントローラ200は、モニタ180に表示される標本20の低倍画像181の中でユーザが選択したターゲット21を低倍画像181の中心領域に移動させるべく、ステージ190を上述の2つの方向に移動させてもよい。
【0030】
図1のモニタの表示例において、低倍画像181中には、ユーザが選択したターゲット21を囲う破線の四角い枠185が示されている。当該表示例では、ターゲット21が低倍画像181の中心領域に位置している。
【0031】
コントローラ200はまた、モニタ180に電気的に接続され、モニタ180の表示画面をコントロールする。具体的な一例として、コントローラ200は、モニタ180に対するユーザの操作に応じてモニタ180から信号を受信し、当該信号に従ってモニタ180の表示画面を制御してもよい。
【0032】
図3、
図4および
図5はそれぞれ、第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの一例を説明するフロー図である。ユーザが顕微鏡100を用いて標本20を観察する場合、
図3~
図5に一例として示す、ステップ1~9のフローを行ってもよい。
【0033】
図3は、ステップ1~3を示す。ステップ1で、ユーザは、サンプルとなる標本20を顕微鏡100にセットする。本例における標本20は、数百μm/sの速度で動く、全長1~5mm程の線虫が入ったディッシュ標本である。
【0034】
ステップ2で、ユーザは、先ずは手動で操作することにより、低倍率の第1の光学系140の焦点を標本20に合わせる。ステップ3で、ユーザは、モニタ180、例えばタッチパネル式の液晶モニタ上の低倍画像181から、ズーム拡大したい線虫(ターゲット21)を選択する。これに応じて、ステップ3では更に、顕微鏡100のコントローラ200は、ステージ190を上述の2つの方向に移動させ、当該ターゲット21を低倍画像181の中心領域に移動させる。
【0035】
図4は、
図3に示すステップ3に続く、ステップ4~6を示す。本実施形態によるコントローラ200は、一例として、モニタ180に表示される拡大用のボタンをユーザが選択した場合に、モニタ180に、低倍画像181の中心領域に対応する高倍画像183を、当該低倍画像181に並べて表示させてもよい。コントローラ200はまた、一例として、動くターゲット21を低倍画像181の中心領域に位置させるべく、ターゲット21の動きに追従してステージ190を上述の2つの方向に移動させてもよい。
【0036】
ステップ4で、ユーザは、低倍画像181と共にモニタ180上に予め表示されている「拡大」ボタンを選択する。これに応じて、ステップ5で、顕微鏡100のコントローラ200は、モニタ180に、低倍画像181の中心領域に対応する高倍画像183を、当該低倍画像181に並べて表示させる。図示の例では、コントローラ200は、モニタ180の表示画面の左側に低倍画像181を表示させ、表示画面の右側に高倍画像183を表示させている。なお、低倍画像181および高倍画像183のそれぞれの下部には、各画像を撮像するために用いた光の色を、上述した記号R、G、Bの何れかでハイライト表示している。以降の図においても同様とし、重複する説明を省略する。
【0037】
ステップ6では、上述のステップ3でユーザによりターゲット21が選択されて以降、ターゲット21が常に低倍画像181の視野中心に配置されるように、コントローラ200がステージ190を、例えばターゲット21の速度と同じ数百μm/sで微動させ続けることを示している。
【0038】
図5は、
図4に示すステップ6に続く、ステップ7~9を示す。本実施形態によるコントローラ200は、一例として、モニタ180に表示される画像解析用のボタンをユーザが選択した場合に、低倍画像181および高倍画像183の少なくとも何れかに含まれるターゲット21を予め定められた方法で画像解析した結果を出力してもよい。
【0039】
ステップ7で、ユーザは、低倍画像181と共にモニタ180上に予め表示されている「測定」ボタンを選択する。当該ボタンは、画像解析用のボタンの一例である。当該ボタンが選択されたことに応じて、ステップ8で、顕微鏡100のコントローラ200は、低倍画像181および高倍画像183の両方に含まれるターゲット21について、ターゲット21の全長、屈曲角度、速度などを測定する。この際、図示の例のように、モニタ180の表示画面上でターゲット21が赤枠表示されてもよい。コントローラ200は、これらの測定結果を、例えばモニタ180に表示させてもよい。これらの測定項目は、ユーザによって任意に選択可能であってもよい。
【0040】
ステージ9で、ユーザは、例えばステップ8の測定結果を考慮して、低倍画像181を観察しながら、低倍画像181の中心領域に位置しているターゲット21を、ピンセットを使ってピックアップする。これにより、第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの一例によるフローは終了する。
【0041】
図6、
図7および
図8はそれぞれ、第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの他の一例を説明するフロー図である。ユーザが顕微鏡100を用いて標本20を観察する場合、
図6~
図8に一例として示す、ステップ1~9のフローを行ってもよい。
【0042】
図6は、ステップ1~3を示す。ステップ1で、ユーザは、サンプルとなる標本20を顕微鏡100にセットする。本例における標本20は、50~100μm/sの速度で動く、全長0.06mm程の精子が入ったディッシュ標本である。
【0043】
ステップ2で、ユーザは、先ずは手動で操作することにより、低倍率の第1の光学系140の焦点を標本20に合わせる。ステップ3で、ユーザは、モニタ180上の低倍画像181から、ズーム拡大したい精子(ターゲット21)を選択する。これに応じて、ステップ3では更に、顕微鏡100のコントローラ200は、ステージ190を上述の2つの方向に移動させ、当該ターゲット21を低倍画像181の中心領域に移動させる。
【0044】
図7は、
図6に示すステップ3に続く、ステップ4~6を示す。ステップ4で、ユーザは、低倍画像181と共にモニタ180上に予め表示されている「拡大」ボタンを選択する。これに応じて、ステップ5で、顕微鏡100のコントローラ200は、モニタ180に、低倍画像181の中心領域に対応する高倍画像183を、当該低倍画像181に並べて表示させる。図示の例では、コントローラ200は、モニタ180の表示画面の左側に低倍画像181を表示させ、表示画面の右側に高倍画像183を表示させている。
【0045】
ステップ6では、上述のステップ3でユーザによりターゲット21が選択されて以降、ターゲット21が常に低倍画像181の視野中心に配置されるように、コントローラ200がステージ190を、例えばターゲット21の速度と同じ50~100μm/sで微動させ続けることを示している。
【0046】
図8は、
図7に示すステップ6に続く、ステップ7~9を示す。ステップ7で、ユーザは、低倍画像181と共にモニタ180上に予め表示されている「解析」ボタンを選択する。当該ボタンは、画像解析用のボタンの一例である。当該ボタンが選択されたことに応じて、ステップ8で、顕微鏡100のコントローラ200は、高倍画像183に含まれるターゲット21について、ターゲット21の全長計測のほか、頭部空胞の有/無を判断して、良好な精子を判定する。コントローラ200は、当該判定結果を、例えばモニタ180に表示させてもよい。なお、
図8には、頭部空胞が無い正常形態の精子の高倍画像183の一例と、頭部空胞が有る異常形態の精子の高倍画像183の一例とを並べて示している。
【0047】
ステージ9で、ユーザは、例えばステップ8の判定結果を考慮して、低倍画像181を観察しながら、低倍画像181の中心領域に位置しているターゲット21を、ピンセットを使ってピックアップする。これにより、第一実施形態による顕微鏡100のユースケースの他の一例によるフローは終了する。
【0048】
また、本実施形態による顕微鏡100によれば、例えば、顕微鏡100を使用するユーザが、標本20を低倍率ズームで表示した低倍画像181内で複数のサンプルの挙動をリアルタイムに観察しつつ、複数のサンプルの中でユーザが選択したターゲットを自動的にトラッキングさせ、当該ターゲットを高倍率ズームで表示した高倍画像183内で観察することを可能にできる。ユーザは、顕微鏡100を用いることにより、例えば、動くターゲットを観察視野内に収めるために手動でステージを移動させつつズーム操作したりピンセット操作したりする煩雑で困難な作業を要することなく、自動的に高倍画像183内に表示され続けるターゲットを観察しながらピックアップ対象を選定することや、選定した対象が自動的に中心領域に位置し続ける低倍画像181を観察しながら当該対象をピンセットでピックアップすることができる。
【0049】
図9は、対物レンズ120の色収差に起因して生じる二色の光の焦点の位置ずれを利用して標本20の異なる観察面を観察する態様を説明するための説明図である。
図9は、対物レンズ120の光軸を直線状の太い破線Aで示し、ターゲット21の第1の観察面を直線L1で示し、第2の観察面を直線L2で示す。
【0050】
以上で説明した実施形態による顕微鏡100では、光分割ユニット130は、対物レンズ120から出射される光のうち、所定の波長より長い光を低倍率の第1の光学系140が配置される光路に導き、所定の波長より短い光を高倍率の第2の光学系150が配置される光路に導く構成として説明した。これに代えて、光分割ユニット130は、当該二色の光のうち、波長が短い光を低倍率の第1の光学系140が配置される光路に導き、波長が長い光を高倍率の第2の光学系150が配置される光路に導いてもよい。
【0051】
この場合において、顕微鏡100は、対物レンズ120の色収差に起因して生じる当該二色の光の焦点の位置ずれを積極的に利用して、各光学系からの光を一フレームで同時に撮像してもよい。より具体的には、低倍率の第1の光学系140は、対物レンズ120の光軸Aの方向における標本20の複数の観察面L1、L2うち、対物レンズ120に近い側の観察面L1からの波長が短い光をイメージセンサ170に結像させてもよい。一方で、高倍率の第2の光学系150は、当該複数の観察面L1、L2のうち、対物レンズ120から遠い側の観察面L2からの波長が長い光をイメージセンサ170に結像させてもよい。
【0052】
より具体的には、低倍率の第1の光学系140は、観察面L1からの青色の光をイメージセンサ170に結像させ、高倍率の第2の光学系150は、観察面L2からの赤色の光をイメージセンサ170に結像させてもよい。
図9では、他の図面と同様に、赤色の光を破線で示し、青色の光を一点鎖線で示し、二色の混合光を実線で示す。これにより、ターゲット21が
図9に示すような曲線的な形状を有する場合に、高倍画像183内のターゲット21の輪郭をターゲット21の幅広部分とすることもでき、例えばユーザは、高倍画像183を見ながらターゲット21をピックアップする際に、ターゲット21をピンセットで把持し易くなる場合がある。
【0053】
また、この場合において、追加的に又は代替的に、顕微鏡100の第1の光学系140および第2の光学系150の少なくとも1つは、対物レンズ120の光軸の方向における標本20の複数の観察面の何れかに焦点を合わせるべく、当該少なくとも1つの光学系の光軸に沿って移動可能に構成されてもよい。
【0054】
以上の実施形態において、ダイクロイックミラー133は、一例として、波長フィルタ131を透過した赤色と青色の二色の光のうち、赤色の光を透過して第1の光学系140が配置される光路に導き、青色の光を反射して第2の光学系150が配置される光路に導く構成として説明した。これに代えて、ダイクロイックミラー133は、波長フィルタ131を透過した赤色と青色の二色の光のうち、青色の光を透過して第1の光学系140が配置される光路に導き、赤色の光を反射して第2の光学系150が配置される光路に導いてもよい。また、これら2つの例において、第1の光学系140および第2の光学系150の配置が逆であってもよい。
【0055】
以上の実施形態において、光統合ユニット160は、一例として、第1の光学系140からの赤色の光を透過し、青色の光を反射する構成として説明した。これに代えて、光統合ユニット160は、第1の光学系140からの赤色の光を反射し、青色の光を透過してもよい。また、これら2つの例において、第1の光学系140からの光は青色の光であって、第2の光学系150からの光は赤色の光であってもよい。
【0056】
図10は、第二実施形態による顕微鏡300の概略図である。本実施形態による顕微鏡300は、第一実施形態による顕微鏡100と異なる点として、第1の光学系340および第2の光学系350の少なくとも1つが、ズーミング光学系である。当該少なくとも1つは、複数のレンズを含み、任意のレンズが光軸に沿って移動することでズーミング可能に構成されてもよい。本実施形態による顕微鏡300の他の構成は、第一実施形態による顕微鏡100の構成と同様であるため、顕微鏡100の構成と同一または類似する参照番号を用いて、重複する説明を省略する。なお、
図10は、これらの同様の構成の図示を波線で省略している。なお、以降の他の実施形態においても同様とする。
【0057】
図10には、白色光、すなわち三色の光路を最も太い実線で示し、波長フィルタ131を透過した二色の光路を太い実線で示す。また、赤色の光路を破線で示し、青色の光路を一点鎖線で示す。また、これら二色の光路が結合した光路を太い実線で示す。
【0058】
一例として、本実施形態による第1の光学系340および第2の光学系350はそれぞれ、複数のレンズから成る結像光学系であって、任意のレンズが光軸に沿って移動可能に構成されており、独立してズーミング可能に構成されてもよい。また、本実施形態では、一例として、第一実施形態による顕微鏡100が備えるズーミング光学系230と対応する構成を備えなくてもよい。
【0059】
本実施形態による顕微鏡300によっても、第一実施形態による顕微鏡100と同様の効果を有する。
【0060】
以上の複数の実施形態では、対物レンズ120からの光路を光分割ユニット130によって色ごとに2つの光路に分割し、それぞれの光路に第1の光学系140、340および第2の光学系150、350を配置する構成として説明した。これに代えて、対物レンズ120からの光路を色ごとに3つ以上の光路に分割し、分割された複数の光路を異なる倍率の光学系に導いてもよい。
【0061】
また、以上の複数の実施形態では、光分割ユニット130の波長フィルタ131は、一例として、緑色の光がイメージセンサ170によって受光されないように、緑色の光をフィルタリングする構成として説明した。また、当該波長フィルタ131は、ダイクロイックミラー133に隣接して配置される構成として説明した。これに代えて、波長フィルタ131をダイクロイックミラー133の入力側には設けず、光分割ユニット130における波長フィルタ131は、ダイクロイックミラー133の出射側において、2つに分割された光路のうち依然として二色を含む方の光路に配置されることによって、照射光の三原色のうちの不要な色、例えば緑色、の光がイメージセンサ170によって受光されないようにしてもよい。例えば、当該波長フィルタ131は、光統合ユニット160とイメージセンサ170との間の光路に配置されてもよく、2つに分割された光路のうちの二色の光が導かれる光路に配置されてもよい。
【0062】
また、以上の複数の実施形態では、光分割ユニット130は、一例として、波長フィルタ131によって緑色の光をフィルタリングすることで、緑色の光がイメージセンサ170によって受光されないようにする構成として説明した。これに代えて、光分割ユニット130は、2つに分割された光路の何れか一方だけに配置された波長フィルタ131によって、当該光路を通る光から緑色の光を完全にフィルタリングし、他方の光路では緑色の光を通過させてもよい。例えば、ダイクロイックミラー133が、赤色の光および緑色の光と、青色の光と分けても、青色の光に緑色の光が混在する可能性が有り、波長フィルタ131は、青色の光に混在し得る緑色の光を完全にフィルタリングしてもよい。これにより、例えばイメージセンサ170によって受光される緑色の光が第1の光学系140、340および第2の光学系150、350の何れを経由したのかを明確化することができるため、緑色の光を、赤色の光および青色の光のうち緑色の光と同じ光学系を経由した光と組み合わせて画像生成に利用することができる。換言すると、イメージセンサ170で利用する画素数を増やして解像度を高めることができる。
【0063】
図11は、第三実施形態による顕微鏡400の概略図である。本実施形態による顕微鏡400は、第一実施形態による顕微鏡100と異なる点として、光分割ユニット130および光統合ユニット160を備えず、代わりに、第3光学系410と、光分割ユニット430と、第1光統合ユニット461と、第2光統合ユニット463とを備える。
【0064】
図11には、白色光、すなわち三色の光路を最も太い実線で示し、二色の光路を太い実線で示す。また、赤色の光路を目が細かい破線で示し、青色の光路を一点鎖線で示し、緑色の光路を目が粗い破線で示す。
【0065】
本実施形態による顕微鏡400は、光源110から標本20に光を照射し、当該光を集光する対物レンズ120から出射された光を、赤色の光の光路と、緑色の光の光路と、青色の光の光路との3つに分割し、それぞれを異なる倍率の光学系に導いた後に再結合してイメージセンサ170に受光させることで、3つの倍率の画像を一フレームで撮像する。
【0066】
本実施形態による光分割ユニット430は、対物レンズ120の光軸上に配置され、対物レンズ120から出射された三色の光を色ごとの光路に分割する。例えば、光分割ユニット430は、対物レンズ120から出射される光源110からの三色の光のうち、最も波長が長い光を第1の光学系140が配置される光路に導き、最も波長が短い光を第2の光学系150が配置される光路に導き、これらの間の波長の光を第3光学系410が配置される光路に導いてもよい。本実施形態では、光分割ユニット430は、対物レンズ120から出射される光源110からの三色の光のうち、赤色の光を第1の光学系140が配置される光路に導き、青色の光を第2の光学系150が配置される光路に導き、緑色の光を第3光学系410が配置される光路に導く。第3光学系410の倍率は、第1の光学系140の倍率と第2の光学系150の倍率との間であってもよい。
【0067】
本実施形態による光分割ユニット430は、具体的な一例として、対物レンズ120の光軸上で順に直列に配置された第1ダイクロイックミラー431および第2ダイクロイックミラー433を有してもよい。具体的な一例として、光分割ユニット430は、第1ダイクロイックミラー431によって、赤色の光および緑色の光を透過し、その一方で、青色の光を反射して高倍率の第2の光学系150に導いてもよい。光分割ユニット430は更に、第2ダイクロイックミラー433によって、赤色の光を透過して低倍率の第1の光学系140に導き、緑色の光を反射して中倍率の第3光学系410に導いてもよい。
【0068】
本実施形態による第1光統合ユニット461および第2光統合ユニット463はそれぞれ、光分割ユニット430によって分割された色ごとの光路を結合する。具体的な一例として、第1光統合ユニット461は、第3光学系410からの緑色の光の光路と、第2の光学系150からの青色の光の光路とを結合し、第2光統合ユニット463は、第1光統合ユニット461によって結合された光路と、第1の光学系140からの赤色の光の光路とを結合する。第2光統合ユニット463から出射される光は、イメージセンサ170によって受光される。
【0069】
なお、本実施形態による顕微鏡400のモニタ180は、低倍画像181および高倍画像183と共に、これらの倍率の間の画像である中倍画像を並べて表示してもよく、これら3種類の画像の任意の1つだけを表示してもよく、任意の2つを並べて表示してもよい。
【0070】
本実施形態による顕微鏡400によっても、第一実施形態による顕微鏡100と同様の効果を有する。
【0071】
以上の複数の実施形態において、光源は、例えば白色LEDであって、白色光を標本に照射する構成として説明した。
図11の実施形態のように加法原色全てを観察する場合を除き、特定の二色のみを観察する場合には、光源は当該二色のみを標本に照射するものであってもよい。
【0072】
以上の複数の実施形態において、顕微鏡は、LEDなどの光源からの白色光を標本に照射して透過光を観察する透過照明型として説明したが、光源からの励起光を標本に照射して蛍光を観察する落射照明型としてもよく、これらの観察方法を組み合わせて、例えば透過光を高倍画像および低倍画像用に利用し、蛍光を高倍画像のみに利用してもよい。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0074】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0075】
10 容器
20 標本
21 ターゲット
30 領域
100 顕微鏡
110 光源
120 対物レンズ
130 光分割ユニット
131 波長フィルタ
133 ダイクロイックミラー
140 第1の光学系
150 第2の光学系
160 光統合ユニット
170 イメージセンサ
171 第1画素
173 第2画素
175 第3画素
180 モニタ
181 低倍画像
183 高倍画像
185 枠
190 ステージ
200 コントローラ
210 第1ミラー
220 第2ミラー
230 ズーミング光学系
300 顕微鏡
340 第1の光学系
350 第2の光学系
400 顕微鏡
410 第3光学系
430 光分割ユニット
431 第1ダイクロイックミラー
433 第2ダイクロイックミラー
461 第1光統合ユニット
463 第2光統合ユニット