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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161935
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20231031BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072599
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】塩野 海
(72)【発明者】
【氏名】鳥屋 大輔
(72)【発明者】
【氏名】掛川 崇
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA05
4K030EA06
4K030FA10
4K030GA02
4K030HA01
4K030KA23
4K030KA46
4K030LA15
5F045AA15
5F045BB02
5F045DP03
5F045EC07
5F045EE01
5F045EE19
5F045EF05
5F045EG01
5F045EK07
5F045EM09
5F045GB05
(57)【要約】
【課題】ガスの混合リスクを低減すると共に、ガス供給の均一性を向上する基板処理装置を提供する。
【解決手段】チャンバと、前記チャンバの上部開口部を閉塞するリッドと、前記リッドの下部に設置されたキャップ部材と、前記キャップ部材の下方に設置されたシャワーヘッドと、前記キャップ部材にガスを導入するインレットブロックと、を備え、前記インレットブロックは、第1ガスを吐出する第1ガス吐出口と、前記第1ガス吐出口を中心として囲んで配置され、前記第1ガスとは異なる第2ガスを吐出する複数の第2ガス吐出口と、を有する、基板処理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバと、
前記チャンバの上部開口部を閉塞するリッドと、
前記リッドの下部に設置されたキャップ部材と、
前記キャップ部材の下方に設置されたシャワーヘッドと、
前記キャップ部材にガスを導入するインレットブロックと、を備え、
前記インレットブロックは、
第1ガスを吐出する第1ガス吐出口と、
前記第1ガス吐出口を中心として囲んで配置され、前記第1ガスとは異なる第2ガスを吐出する複数の第2ガス吐出口と、を有する、
基板処理装置。
【請求項2】
前記キャップ部材は、前記キャップ部材の一方の面と前記インレットブロックとの間に第1空間を形成し、
前記第1ガス吐出口及び前記第2ガス吐出口は、前記第1空間に接続される、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記キャップ部材の他方の面に、中間シャワープレートを備え、
前記キャップ部材は、前記キャップ部材の他方の面と前記中間シャワープレートとの間に第2空間を形成し、
前記キャップ部材は、前記第1空間と前記第2空間を接続する流路を有する、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記中間シャワープレートと前記シャワーヘッドとの間に第3空間を形成する、
請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1空間の容積よりも前記第2空間の容積が大きく、かつ、前記第2空間の容積よりも前記第3空間の容積が大きい、
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記キャップ部材の他方の面に、ガス拡散コマを備え、
前記キャップ部材は、前記第1空間と前記ガス拡散コマを接続する流路を有する、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
複数の前記第2ガス吐出口は、
前記第1ガス吐出口を中心とする円周上に等間隔に配置される、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記インレットブロックは、
前記キャップ部材と接続する接続面と、
前記接続面に対して垂直に形成され、前記第1ガス吐出口としての第1流路と、
前記第1流路に連通する第2流路と、を有し、
前記接続面に対する前記第2流路は、45°以上80°以下である、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガス導入機構を備える基板処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-158798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一の側面では、本開示は、ガスの混合リスクを低減すると共に、ガス供給の均一性を向上する基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、一の態様によれば、チャンバと、前記チャンバの上部開口部を閉塞するリッドと、前記リッドの下部に設置されたキャップ部材と、前記キャップ部材の下方に設置されたシャワーヘッドと、前記キャップ部材にガスを導入するインレットブロックと、を備え、前記インレットブロックは、第1ガスを吐出する第1ガス吐出口と、前記第1ガス吐出口を中心として囲んで配置され、前記第1ガスとは異なる第2ガスを吐出する複数の第2ガス吐出口と、を有する、基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
一の側面によれば、ガスの混合リスクを低減すると共に、ガス供給の均一性を向上する基板処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の成膜装置の構成を示す断面図の一例。
図2】インレットブロックの一例における斜視図。
図3】インレットブロックの一例における平面図。
図4】インレットブロックの一例における側面図。
図5】インレットブロックの一例における正面図。
図6】インレットブロックの他の一例における斜視図。
図7】インレットブロックの他の一例における平面図。
図8】インレットブロックの他の一例における側面図。
図9】インレットブロックの他の一例における正面図。
図10】第2の実施形態の成膜装置の構成を示す断面図の一例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0009】
第1の実施形態の成膜装置10について、図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態の成膜装置10の構成を示す断面図の一例である。第1の実施形態の成膜装置は、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法による成膜が実施可能な装置として構成されている。
【0010】
成膜装置10は、処理容器(チャンバ)1、載置台2、シャワーヘッド3、ガス導入部5、排気部6、制御部9等を備える。
【0011】
処理容器1は、内部を減圧可能な真空容器である。処理容器1は、アルミニウム等の金属により構成され、略円筒状を有する。処理容器1は、基板の一例である半導体ウエハ(以下「ウエハW」という。)を収容する。処理容器1の側壁には、ウエハWを搬入又は搬出するための搬入出口11が形成されている。搬入出口11は、ゲートバルブ12により開閉される。処理容器1の本体の上には、断面が矩形状をなす円環状の排気ダクト13が設けられている。排気ダクト13には、内周面に沿ってスリット13aが形成されている。排気ダクト13の外壁には、排気口13bが形成されている。排気ダクト13の上面には、処理容器1の上部開口を塞ぐようにリッド14が設けられている。排気ダクト13とリッド14との間は、シールリング15で気密に封止されている。
【0012】
載置台2は、処理容器1内でウエハWを水平に支持する。載置台2は、ウエハWよりも大きい円板状を有し、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス材料や、アルミニウムやニッケル合金等の金属材料で構成されている。載置台2の内部には、ウエハWを加熱するためのヒータ21が埋め込まれている。ヒータ21は、ヒータ電源(図示せず)から給電されて発熱する。そして、載置台2の上面の近傍に設けられた熱電対(図示せず)の温度信号によりヒータ21の出力を制御することにより、ウエハWが所定の温度に制御される。載置台2には、上面の外周領域及び側面を覆うようにアルミナ等のセラミックスにより形成されたカバー部材22が設けられている。
【0013】
載置台2は、支持部材23に支持されている。支持部材23は、載置台2の底面中央から処理容器1の底壁に形成された孔部を貫通して処理容器1の下方に延び、その下端が昇降機構24に接続されている。載置台2は、昇降機構24により、図1で示す処理位置と、その下方の二点鎖線で示すウエハWの搬送が可能な搬送位置との間で昇降する。支持部材23の処理容器1の下方には、鍔部25が取り付けられている。処理容器1の底面と鍔部25との間には、ベローズ26が設けられている。ベローズ26は、処理容器1内の雰囲気を外気と区画し、載置台2の昇降動作にともなって伸縮する。
【0014】
処理容器1の底面近傍には、昇降板から上方に突出するように3本(2本のみ図示)のウエハ支持ピン27が設けられている。ウエハ支持ピン27は、処理容器1の下方に設けられた昇降機構28により昇降板を介して昇降する。ウエハ支持ピン27は、搬送位置にある載置台2に設けられた貫通孔2aに挿通されて載置台2の上面に対して突没可能となっている。ウエハ支持ピン27を昇降させることにより、搬送ロボット(図示せず)と載置台2との間でウエハWの受け渡しが行われる。
【0015】
シャワーヘッド3は、処理容器1内に処理ガスをシャワー状に供給する。シャワーヘッド3は、例えば金属材料により形成され、載置台2に対向して配置されている。シャワーヘッド3は、載置台2とほぼ同じ直径を有する。シャワーヘッド3は、キャップ部材31及びシャワー部材32を含む。キャップ部材31は、リッド14の下面に固定されている。シャワー部材32は、キャップ部材31の下に接続されている。キャップ部材31とシャワー部材32との間には、ガスを拡散する拡散空間(第3空間)33が形成されている。シャワー部材32の周縁部には、下方に突出する環状突起部34が形成されている。シャワー部材32における環状突起部34の内側の平坦面には、多数のガス孔35が形成されている。載置台2が処理位置に移動した状態では、載置台2とシャワー部材32との間に狭い処理空間37が形成され、カバー部材22の上面と環状突起部34とが近接して環状隙間38が形成される。
【0016】
キャップ部材31は、ガス拡散室(第1空間)41と、ガス導入路42と、ガス拡散室(第2空間)43と、中間シャワープレート44と、を有する。ガス拡散室41は、インレットブロック100とキャップ部材31の上面との間に形成され、後述するインレットブロック100を介してガスが導入される。ガス導入路42は、ガス拡散室41とガス拡散室43とを接続する。キャップ部材31と中間シャワープレート44との間には、ガスを拡散するガス拡散室43が形成されている。中間シャワープレート44は複数のガス孔45を有する。
【0017】
ガス拡散室41には、外周側に複数(例えば8つ)のガス導入路42の入口が接続される。また、ガス拡散室41には、キャップ部材31の中心からガス導入路42の入口へと向かう流路が形成される。ガス導入路42の入口は、キャップ部材31の中心と軸とする同心円状に等間隔に配置されている。ガス導入路42は、一方がガス拡散室41の外周側に配置され、他方が分岐してガス拡散室43の外周側及び内周側に配置される。ガス拡散室43の外周側に配置されるガス導入路42の外周側出口は、キャップ部材31の中心と軸とする同心円状に等間隔に配置されている。ガス拡散室43の内周側に配置されるガス導入路42の内周側出口は、キャップ部材31の中心と軸とする同心円状に等間隔に配置されている。
【0018】
ガス導入部5は、ガス供給ライン51,52,53を介してインレットブロック100に接続され、各種のガスをシャワーヘッド3に供給する。ガス供給ライン51は、第1のガスが通流する。第1のガスは、例えば、ソースガスである。ガス供給ライン52は、第2のガスが通流する。第2のガスは、例えば、ソースガスと反応する反応ガスである。ガス供給ライン53は、第3のガスが通流する。第3のガスは、例えば、不活性ガス、パージガスである。成膜装置は、第1のガス(ソースガス)と第2のガス(反応ガス)とを交互にウエハWに供給することにより、ウエハWにALD法による成膜を施す。
【0019】
ガス導入部5から供給された各種ガスは、インレットブロック100、ガス拡散室41と、ガス導入路42と、ガス拡散室43、中間シャワープレート44のガス孔45、拡散空間33、シャワー部材32のガス孔35を通り、処理空間37に導入される。
【0020】
ここで、ガス拡散室43は、ガス拡散室41と比較して、半径方向の最外周が大きく形成されている。また、拡散空間33は、ガス拡散室43と比較して、半径方向の最外周が大きく形成されている。また、ガス拡散室43は、ガス拡散室41と比較して、容積が大きく形成されている。また、拡散空間33は、ガス拡散室43と比較して、容積が大きく形成されている。これにより、段階的かつ徐々に整流することができ、処理空間37に導入されるガスの均一性を向上させることができる。
【0021】
インレットブロック100は、リッド14の中央に形成された開口に円柱形状の第1接続部110(後述する図2等参照)が挿入され、キャップ部材31のガス拡散室41と接続するように設けられている。インレットブロック100の内部には、ガス流路が形成されている。ガス流路は、ガス供給ライン51~53及びガス拡散室41と連通しており、ガス供給ライン51~53から供給されるガスをガス拡散室41へ供給する。
【0022】
排気部6は、処理容器1の内部を排気することにより、該処理容器1内を減圧する。排気部6は、排気配管61、圧力制御器62及び真空ポンプ63を含む。排気配管61は、排気口13bに接続されている。圧力制御器62は、排気配管61に介設されている。圧力制御器62は、例えば開度を調整することで排気配管61内のコンダクタンスを制御するバルブであってよい。真空ポンプ63は、排気配管61に介設されている。
【0023】
制御部9は、成膜装置10の各部の動作の制御することにより、後述する成膜方法を実施する。制御部9は、例えばコンピュータ等であってよい。成膜装置10の各部の動作を行うコンピュータのプログラムは、記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、DVD等であってよい。
【0024】
次に、インレットブロック100の一例について、図2から図5を用いて説明する。図2は、インレットブロック100の一例における斜視図である。図3は、インレットブロック100の一例における平面図である。図4は、インレットブロック100の一例における側面図である。図5は、インレットブロック100の一例における正面図である。
【0025】
インレットブロック100は、第1接続部110と、長手部120と、第2接続部130と、を有する。また、第1接続部110、長手部120及び第2接続部130は、一体に形成されている。
【0026】
第1接続部110は、リッド14の中央に設けられた開口部に挿入され、キャップ部材31の中央でガス拡散室41にガスを供給するように接続される部材である。
【0027】
長手部120は、第1接続部110と第2接続部130とを接続する部材である。即ち、長手部120は、リッド14の中央に配置される第1接続部110と、リッド14の径方向外側に配置される第2接続部130と、を接続する部材である。
【0028】
第2接続部130は、リッド14の径方向外側に配置され、ガス供給ライン51~53と接続される部材である。
【0029】
第2接続部130には、ガス流路211,221,231が形成されている。ガス流路211は、ガス供給ライン51が接続され、ガス導入部5から第1のガスが供給される。ガス流路221は、ガス供給ライン52が接続され、ガス導入部5から第2のガスが供給される。ガス流路231は、ガス供給ライン53が接続され、ガス導入部5から第3のガスが供給される。
【0030】
第1接続部110には、ガス流路(第1ガス吐出口)215及び複数のガス流路(第2ガス吐出口)226が形成されている。ガス流路215は、第1接続部110の下面111の中央に形成され、ガス流路211から供給された第1のガスを吐出する。ガス流路226は、第1接続部110の下面111の中央に形成されたガス流路215を囲むように複数のガス流路226が形成され、ガス流路221から供給された第2のガス及びガス流路231から供給された第3のガスを吐出する。
【0031】
次に、第1のガスの流路について説明する。第1のガスの流路は、ガス流路211と、ガス流路212と、ガス流路213と、ガス流路(第2流路)214と、ガス流路(第1流路)215と、を有する。ガス流路211は、第2接続部130に形成される流路であり、一端側がガス供給ライン53と接続され、他端側はガス流路212へ接続する。ガス流路212は、第2接続部130から長手部120に亘って形成され、ガス流路213と合流する流路である。ガス流路213は、長手部120を通り第2接続部130から第1接続部110へと形成される流路である。ここで、ガス流路213は、後述するガス流路223の上に形成されている。また、ガス流路213の前端は、ガス流路223の前端よりも前側までせり出して形成されている。ガス流路214は、第1接続部110に形成される流路であり、一端側がガス流路213と接続され、他端側はガス流路215へ接続する。ガス流路215は、第2接続部130に形成される流路であり、第1接続部110の下面111で開口する。また、ガス流路215は、第1接続部110の下面111の中央に形成され、下面111に対して垂直に形成される。
【0032】
次に、第2のガスの流路について説明する。第2のガスの流路は、ガス流路221と、ガス流路223と、ガス流路224と、ガス流路225と、ガス流路226と、を有する。ガス流路221は、第2接続部130に形成される流路であり、一端側がガス供給ライン51と接続され、他端側はガス流路223へ接続する。ガス流路223は、長手部120を通り第2接続部130から第1接続部110へと形成される流路である。ガス流路224は、第1接続部110に形成される流路であり、一端側がガス流路223と接続され、他端側はガス流路225へ接続する。ガス流路225は、第1接続部110に形成される流路であり、複数に分岐する流路である。図2から図5に示す例においては4分岐する。ガス流路226は、第2接続部130に形成される流路であり、一端側がガス流路225と接続され、他端側は第1接続部110の下面111で開口する。また、複数のガス流路226は、第1接続部110の下面111の中央に形成されたガス流路215に対して対称に形成され、第1接続部110の下面111に対して垂直に形成される。ここでは、4つのガス流路226がガス流路215を中心とする円周上に等間隔に配置されている。
【0033】
次に、第3のガスの流路について説明する。第3のガスの流路は、ガス流路231と、ガス流路232と、ガス流路223と、ガス流路224と、ガス流路225と、ガス流路226と、を有する。ガス流路231は、第2接続部130に形成される流路であり、一端側がガス供給ライン52と接続され、他端側はガス流路232へ接続する。ガス流路232は、第2接続部130から長手部120に亘って形成され、ガス流路223と合流する流路である。以降は、第2のガスの流路と同様であり、重複する説明を省略する。
【0034】
このように、インレットブロック100は、第1のガスと、第2のガス及び第3のガスと、を分離してガス拡散室41に供給することができる。これにより、インレットブロック100内でのガスの混合を防止することができる。換言すれば、インレットブロック100内で第1のガスと第2のガスとの混合を防止することができる。
【0035】
また、第1接続部110の下面111において、第1のガスを吐出するガス流路215を中心として、第2のガス及び第3のガスを吐出する複数のガス流路226が対称に配置されている。
【0036】
また、インレットブロック100の流路は、既存の加工機で製作が可能である。例えば、第2接続部130の下面側から垂直に形成されるガス流路211,221,231は、第2接続部130の下面側からの穴加工によって形成される。長手部120の長手方向に形成されるガス流路213,223は、第2接続部130の背面側からの穴加工及び閉塞加工によって形成される。ガス流路213,223に対して斜めに合流するガス流路212,232は、第2接続部130の背面側からの穴加工及び閉塞加工によって形成される。十字状に交差するガス流路225は、第1接続部110の側面側からの穴加工及び閉塞加工によって形成される。第1接続部110の下面側から垂直に形成されるガス流路215,226は、第1接続部110の下面側からの穴加工によって形成される。
【0037】
ガス流路224は、ガス流路215を形成した後にガス流路215の穴から更にガス流路225を貫通してガス流路223にまで至る穴を形成し、ガス流路225とガス流路215とを接続する穴を閉塞(溶接)することで形成される。
【0038】
ガス流路214は、ガス流路215を形成した後にガス流路215の穴からガス流路213にまで至る穴を形成することによって作られる。
【0039】
これにより、インレットブロック100の流路を形成する際の加工コストを低減することができる。
【0040】
また、第1接続部110の下面111に対して垂直に形成されるガス流路(第1流路)215に対し、ガス流路(第2流路)214は傾斜して形成される。ガス流路214の下面111からの傾斜角度θ1は、45°以上80°以下が好ましい。これにより、ガス流路214からガス流路215に導入されたガスの偏りを抑制することができる。
【0041】
次に、インレットブロック100の他の一例について、図6から図9を用いて説明する。図6は、インレットブロック100の他の一例における斜視図である。図7は、インレットブロック100の他の一例における平面図である。図8は、インレットブロック100の他の一例における側面図である。図9は、インレットブロック100の他の一例における正面図である。
【0042】
ここで、図2から図5に示すインレットブロック100と比較して、図6から図9に示すインレットブロック100は、第1のガスの流路の形状が異なっている。第2のガスの流路及び第2のガスの流路の形状については同様であり、重複する説明を省略する。
【0043】
第1のガスの流路について説明する。第1のガスの流路は、ガス流路241と、ガス流路243と、ガス流路(第2流路)244と、ガス流路(第1流路)245と、を有する。ガス流路241は、第2接続部130に形成される流路であり、一端側がガス供給ライン51と接続され、他端側はガス流路243へ接続する。ガス流路243は、長手部120を通り第2接続部130から第1接続部110へと形成される流路である。ここで、ガス流路243は、ガス流路223の横に形成されている。ガス流路244は、第1接続部110に形成される流路であり、一端側がガス流路243と接続され、他端側はガス流路245へ接続する。ガス流路245は、第2接続部130に形成される流路であり、第1接続部110の下面111で開口する。また、ガス流路245は、第1接続部110の下面111の中央に形成され、下面111に対して垂直に形成される。
【0044】
このように、インレットブロック100は、第1のガスと、第2のガス及び第3のガスと、を分離してガス拡散室41に供給することができる。これにより、インレットブロック100内でのガスの混合を防止することができる。換言すれば、インレットブロック100内で第1のガスと第2のガスとの混合を防止することができる。
【0045】
また、第1接続部110の下面111において、第1のガスを吐出するガス流路245を中心として、第2及び第3のガスを吐出する複数のガス流路226が対称に配置されている。
【0046】
また、インレットブロック100の流路は、既存の加工機で製作が可能である。例えば、第2接続部130の下面側から垂直に形成されるガス流路241は、第2接続部130の下面側からの穴加工によって形成される。長手部120の長手方向に形成されるガス流路243は、第2接続部130の背面側からの穴加工及び閉塞加工によって形成される。第1接続部110の下面側から垂直に形成されるガス流路245は、第1接続部110の下面側からの穴加工によって形成される。ガス流路244は、ガス流路245を形成した後にガス流路245の穴からガス流路243にまで至る穴を形成することによって作られる。
【0047】
また、ガス流路224は、第1接続部110の上面側からガス流路223を貫通してガス流路225にまで至る穴を形成し、ガス流路223から第1接続部110の上面までの穴を閉塞(溶接)することで形成される。ここで、図2から図5に示すインレットブロック100では、ガス流路215の側からガス流路225とガス流路215とを接続する穴を閉塞(溶接)する作業を要し、作業のためのガス流路215の径を確保する必要がある。これに対して、図6から図9に示すインレットブロック100では、ガス流路245の側からの閉塞(溶接)作業を不要とすることができるので、ガス流路215と比較してガス流路245の径を小さくすることができる。また、ガス流路245の径を小さくすることで、ガス流路245を流れるガスの片流れを抑制することができる。
【0048】
これにより、インレットブロック100の流路を形成する際の加工コストを低減することができる。
【0049】
また、第1接続部110の下面111に対して垂直に形成されるガス流路(第1流路)245に対し、ガス流路(第2流路)244は傾斜して形成される。ガス流路244の下面111からの傾斜角度θ2は、45°以上80°以下が好ましい。これにより、ガス流路244からガス流路245に導入されたガスの偏りを抑制することができる。
【0050】
以上のように、図2から図5に示すインレットブロック100及び図6から図10に示すインレットブロック100によれば、キャップ部材31に形成されるガス拡散室41の直前までガスの流路を2ラインとし、第1のガス(メインガス)と第2のガス(反応ガス)とを分離することができる。これにより、ガスの圧力が高いインレットブロック100の流路内で第1のガスと第2のガスとが混合し、反応(例えば、成膜)することを防止することができる。これにより、インレットブロック100の流路壁面で第1のガスと第2のガスとが反応して成膜し、ガスの圧力によって膜剥がれが生じてパーティクルが生じることを防止することができる。
【0051】
また、インレットブロック100によれば、第1接続部110の中央に形成されたガス流路215,245からガス拡散室41に第1のガスを供給することができるので、ウエハWに供給されるガスの偏りを抑制することができる。また、インレットブロック100によれば、第1接続部110の中央に対して対称に形成された複数のガス流路226からガス拡散室41に第2のガス及び第3のガスを供給することができるので、ウエハWに供給されるガスの偏りを抑制することができる。
【0052】
次に、第2の実施形態の成膜装置10について、図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態の成膜装置10の構成を示す断面図の一例である。第2の実施形態の成膜装置10は、シャワーヘッド3の構造が異なっている。その他の構成は同様であり、重複する説明は省略する。
【0053】
シャワーヘッド3は、処理容器1内に処理ガスをシャワー状に供給する。シャワーヘッド3は、例えば金属材料により形成され、載置台2に対向して配置されている。シャワーヘッド3は、載置台2とほぼ同じ直径を有する。シャワーヘッド3は、キャップ部材31及びシャワー部材32を含む。キャップ部材31は、リッド14の下面に固定されている。シャワー部材32は、キャップ部材31の下に接続されている。キャップ部材31とシャワー部材32との間には、ガスを拡散する拡散空間33が形成されている。シャワー部材32の周縁部には、下方に突出する環状突起部34が形成されている。シャワー部材32における環状突起部34の内側の平坦面には、多数のガス孔35が形成されている。載置台2が処理位置に移動した状態では、載置台2とシャワー部材32との間に狭い処理空間37が形成され、カバー部材22の上面と環状突起部34とが近接して環状隙間38が形成される。
【0054】
キャップ部材31は、ガス拡散室46と、ガス導入路47と、ガス拡散コマ48と、を有する。ガス拡散室46は、インレットブロック100とキャップ部材31の上面との間に形成され、インレットブロック100を介してガスが導入される。ガス導入路47は、ガス拡散室46からガス拡散コマ48にガスを供給する。ガス拡散コマ48は、は複数のガス孔49を有し、拡散空間33にガスを供給する。
【0055】
第2の実施形態の成膜装置10についても図2から図9に示すインレットブロック100を適用してもよい。
【0056】
以上、成膜装置10について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 処理容器(チャンバ)
2 載置台
3 シャワーヘッド
5 ガス導入部
6 排気部
9 制御部
10 成膜装置
31 キャップ部材
32 シャワー部材
33 拡散空間(第3空間)
34 環状突起部
35 ガス孔
37 処理空間
38 環状隙間
41 ガス拡散室(第1空間)
42 ガス導入路
43 ガス拡散室(第2空間)
44 中間シャワープレート
45 ガス孔
46 ガス拡散室
47 ガス導入路
48 ガス拡散コマ
49 ガス孔
100 インレットブロック
110 第1接続部
111 下面(接続面)
120 長手部
130 第2接続部
214,244 ガス流路(第2流路)
215,245 ガス流路(第1ガス吐出口、第1流路)
226 ガス流路(第2ガス吐出口)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10