(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162143
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】排気ダクトを含む基材処理装置
(51)【国際特許分類】
C23C 16/44 20060101AFI20231031BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
C23C16/44 E
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023070386
(22)【出願日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】63/334,747
(32)【優先日】2022-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】任 平
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030DA06
4K030EA04
4K030EA11
4K030FA01
4K030FA10
4K030GA02
4K030GA12
4K030HA01
4K030JA01
4K030JA02
4K030JA03
4K030KA23
4K030KA41
4K030KA46
4K030KA49
4K030LA15
5F045AA03
5F045AA08
5F045AA15
5F045BB02
5F045DP03
5F045DQ17
5F045EB08
5F045EF05
5F045EG02
(57)【要約】
【課題】排気ダクトを含む基材処理装置を提供する。
【解決手段】基材処理装置が開示される。例示的な基材処理装置は、チャンバ壁が設けられた反応チャンバと、反応チャンバ内に配置されて基材を支持するサセプタと、基材にガスを供給するためのガス供給ユニットと、反応チャンバ内に配置された排気ダクトであって、第一の内側端部および第二の内側端部を備え、第一の内側端部がチャンバ壁の底部に接触するように構成された内側リングと、複数の穴が設けられ、第一の外側端部および第二の外側端部を備え、第一の外側端部がチャンバ壁の側面に接触するように構成され、第二の外側端部が第二の内側端部と係合するように構成された外側リングと、を備える排気ダクトと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材処理装置であって、
チャンバ壁が設けられた反応チャンバと、
基材を支持するために前記反応チャンバ内に配置されるサセプタと、
前記基材にガスを供給するためのガス供給ユニットと、
前記反応チャンバ内に配置された排気ダクトであって、
第一の内側端部および第二の内側端部を備える内側リングであって、
前記第一の内側端部が前記チャンバ壁の底部に接触するように構成された、内側リングと、
複数の穴が設けられ、第一の外側端部および第二の外側端部を備える外側リングであって、
前記第一の外側端部が前記チャンバ壁の側面に接触するように構成され、前記第二の外側端部が前記第二の内側端部と係合するように構成された、外側リングと、を備える、排気ダクトと、を備える、基材処理装置。
【請求項2】
前記第一の内側端部が複数の穴を備える、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項3】
前記第一の内側端部が複数のスリットを端部に備える、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項4】
前記内側リングがL字型の断面を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の基材処理装置。
【請求項5】
前記第二の内側端部が傾斜面を有する、請求項4に記載の基材処理装置。
【請求項6】
前記第二の内側端部に摺動可能に配置されるように前記第二の外側端部が傾斜面を有する、請求項5に記載の基材処理装置。
【請求項7】
前記排気ダクトが、アルミニウム、Al2O3、またはAlNを含む、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項8】
前記穴の各々が円形状である、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項9】
前記穴の直径が1~30mmである、請求項8に記載の基材処理装置。
【請求項10】
前記穴の数が1~100である、請求項9に記載の基材処理装置。
【請求項11】
前記チャンバ壁の前記底部に配置されて前記穴に流体連結される排気ポートをさらに備える、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項12】
前記排気ポートが、フォアラインを通して真空ポンプに流体連結される、請求項11に記載の基材処理装置。
【請求項13】
前記ガス供給ユニットが、前記基材にガスを供給するための複数の穴が設けられたシャワーヘッドを備える、請求項1に記載の基材処理装置。
【請求項14】
基材処理装置であって、
チャンバ壁が設けられた反応チャンバと、
基材を支持するために前記反応チャンバ内に配置されるサセプタと、
前記基材にガスを供給するためのガス供給ユニットと、
前記反応チャンバ内に配置された排気ダクトであって、
第一の内側端部および第二の内側端部を備える内側リングであって、
前記第一の内側端部が複数の第一の突起および第二の突起を備え、
前記複数の第一の突起が前記チャンバ壁の底部に接触するように構成された内側リングと、
複数の穴が設けられ、第一の外側端部および第二の外側端部を備える外側リングであって、
前記第一の外側端部が前記チャンバ壁の側面に接触するように構成され、前記第二の外側端部が前記第二の内側端部と係合するように構成された外側リングと、を備える、排気ダクトと、を備える、基材処理装置。
【請求項15】
前記第二の内側端部が傾斜面を有する、請求項14に記載の基材処理装置。
【請求項16】
前記第二の外側端部が傾斜面を有し、前記第二の内側端部に摺動可能に配置される、請求項15に記載の基材処理装置。
【請求項17】
前記第二の突起と前記チャンバ壁の底部との間に間隙が設けられる、請求項14に記載の基材処理装置。
【請求項18】
前記チャンバ壁の前記底部に配置されて、前記第一の突起間の空間を通して前記穴と前記間隙に流体連結される排気ポートをさらに備える、請求項17に記載の基材処理装置。
【請求項19】
前記第一の突起が120度おきに設けられている、請求項14に記載の基材処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、基材処理装置に関する。より具体的には、本開示の例示的な実施形態は、排気ダクトを含む基材処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学蒸着(CVD)および原子層堆積(ALD)操作など、基材処理チャンバ内のガスは排出される必要がある。排気ダクトは、基材処理チャンバ内に配置される。排気ダクトは、フォアラインを通して真空ポンプに流体連結される。
【0003】
しかしながら、排気ダクトの位置合わせ不良のため、基材の周りのガスの排出は時として対称的ではなく、不均一な処理につながる場合がある。したがって、ガスの対称的な排出を可能にし、それにより基材のより均一な処理をもたらしうる解決策が望ましい。
【0004】
このセクションに記載の、問題および解決策の説明を含むいずれの説明も、本開示の背景を提供する目的でのみこの開示に含まれており、説明のいずれかもしくはすべてが、本発明がなされた時点において既知であったこと、またはそれらが別様に先行技術を構成することを認めるものと考えられるべきではない。
【発明の概要】
【0005】
この「発明の概要」は、概念の選択を、単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図しない。
【0006】
本開示の例示的な実施形態によると、基材処理装置が提供される。基材処理装置は、チャンバ壁が設けられた反応チャンバと、反応チャンバ内に配置されて基材を支持するサセプタと、基材にガスを供給するためのガス供給ユニットと、反応チャンバ内に配置された排気ダクトであって、第一の内側端部および第二の内側端部を含み、第一の内側端部がチャンバ壁の底部に接触するように構成されてもよい内側リングと、複数の穴が設けられ、第一の外側端部および第二の外側端部を備え、第一の外側端部がチャンバ壁の側面に接触するように構成されてもよく、第二の外側端部が第二の内側端部と係合するように構成されてもよい外側リングと、を備える排気ダクトと、を備えてもよい。
【0007】
様々な実施形態において、内側リングは、L字型の断面を有してもよい。
【0008】
様々な実施形態において、第二の内側端部は傾斜面を有してもよい。
【0009】
様々な実施形態において、第二の外側端部は、第二の内側端部に摺動可能に配置されるように傾斜面を有してもよい。
【0010】
様々な実施形態において、排気ダクトは、アルミニウム、Al2O3、またはAlNを含んでもよい。
【0011】
様々な実施形態において、穴の各々は、円形状であってもよい。
【0012】
様々な実施形態において、穴の直径は1~30mmであってもよい。
【0013】
様々な実施形態において、穴の数は1~100XXであってもよい。
【0014】
様々な実施形態において、基材処理装置は、チャンバ壁の底部に配置されて穴に流体連結される排気ポートをさらに備えてもよい。
【0015】
様々な実施形態において、排気ポートは、フォアラインを通して真空ポンプに流体連結されてもよい。
【0016】
様々な実施形態において、ガス供給ユニットは、基材にガスを供給するための複数の穴が設けられたシャワーヘッドを備えてもよい。
【0017】
様々な実施形態において、基材処理装置は、チャンバ壁が設けられた反応チャンバと、反応チャンバ内に配置されて基材を支持するサセプタと、基材にガスを供給するためのガス供給ユニットと、反応チャンバ内に配置された排気ダクトであって、第一の内側端部および第二の内側端部を含み、第一の内側端部が複数の第一の突起および第二の突起を備えてもよく、複数の第一の突起がチャンバ壁の底部に接触するように構成されてもよい、内側リングと、複数の穴を備え、第一の外側端部および第二の外側端部を備え、第一の外側端部がチャンバ壁の側面に接触するように構成されてもよく、第二の外側端部が第二の内側端部と係合するように構成された外側リングと、を備える排気ダクトと、を備えてもよい。
【0018】
様々な実施形態において、第二の内側端部は傾斜面を有してもよい。
【0019】
様々な実施形態において、第二の外側端部は、第二の内側端部に摺動可能に配置されるように傾斜面を有してもよい。
【0020】
様々な実施形態において、第二の突起とチャンバ壁の底部との間に間隙が提供されてもよい。
【0021】
様々な実施形態において、排気ポートは、チャンバ壁の底部に配置されて、第一の突起間の空間を通して穴および間隙に流体連結されてもよい。
【0022】
様々な実施形態において、第一の突起は、120度おきに設けられてもよい。
【0023】
本開示の例示的な実施形態のより完全な理解は、以下の例示的な図に関連して考慮される場合、「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」を参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態において使用可能なデュアルチャンバモジュールを有する半導体処理装置の概略平面図である。
【
図2】
図2は、先行技術の反応チャンバの概略断面図である。
【
図3A】
図3Aは、先行技術の排気ダクトの概略断面図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の一実施形態における排気ダクトの概略断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の別の実施形態における排気ダクトの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
当然のことながら、図内の要素は、単純化および明瞭化のために例示されており、必ずしも実寸に比例して描かれているわけではない。例えば、図内の要素のうちのいくつかの寸法は、本開示の例示された実施形態の理解を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【0026】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本開示の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等なものを超えて本開示が拡張することは、当業者によって理解されるであろう。それゆえに、本開示の範囲は、本明細書に記述される特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0027】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の材料、装置、構造、またはデバイスの実際の様相であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用される単なる表現にすぎない。
【0028】
この開示では、「ガス」は、常温および常圧において気体、気化した固体、および/または気化した液体である材料を含んでもよく、また状況に応じて単一の気体または気体の混合物で構成されてもよい。例えばシャワープレートなどの、ガス供給ユニットを通過することなく導入されるガスは、例えば反応空間をシールするために使用されてもよく、希ガスまたは他の不活性ガスなどのシールガスを含んでもよい。不活性ガスという用語は、かなりの程度まで化学反応に関与しないガス、および/またはプラズマ電力が加えられたときに前駆体を励起することができるガスを指す。
【0029】
本明細書で使用される「基材」という用語は、使用される場合がある、または上にデバイス、回路、もしくは膜が形成される場合がある、任意の下地材料(複数可)を指す場合があり、これは典型的には半導体ウエハである。
【0030】
本明細書で使用される「膜」および「薄膜」という用語は、本明細書に開示された方法によって堆積された、任意の連続的または非連続的な構造および材料を指す場合がある。例えば、「膜」および「薄膜」としては、2D材料、ナノロッド、ナノチューブ、もしくはナノ粒子、またはさらには部分的もしくは完全な分子層、または部分的もしくは完全な原子層、または原子および/もしくは分子のクラスタを挙げることができる。「膜」および「薄膜」は、ピンホールを有するがそれでも少なくとも部分的に連続的な、材料または層を含んでもよい。
【0031】
図1は、本発明の実施形態におけるデュアルチャンバモジュールを有する基材処理装置の概略平面図である。基材処理装置は、(i)各々が、並んで配置され、それらの前部が一列に整列した2つの反応チャンバ12、22を有する、4つの処理モジュール1a~1dと、(ii)2つのバックエンドロボット3(基材ハンドリングロボット)を含む基材ハンドリングチャンバ4と、(iii)2つの基材の装填または取り出しを同時に行うためのロードロックチャンバ5であって、基材ハンドリングチャンバ4の一つの追加的側面に取り付けられたロードロックチャンバ5と、を備えてもよく、各バックエンドロボット3が、ロードロックチャンバ5にアクセス可能である。バックエンドロボット3の各々は、各ユニットの2つの反応チャンバに同時にアクセス可能な少なくとも2つのエンドエフェクタを有し、基材ハンドリングチャンバ4は、それぞれ、4つの処理モジュール1a~1dに対応し、かつそれらに取り付けられる4つの側面を有する多角形形状を有し、ロードロックチャンバ5のための一つの追加的側面を有し、すべての側面は、同一面上に配設される。各反応チャンバ12、22の内部およびロードロックチャンバ5の内部は、ゲート弁9によって基材ハンドリングチャンバ4の内部から隔離されていてもよい。
【0032】
一部の実施形態では、コントローラ(図示せず)は、例えば、基材搬送のシーケンスを実行するようにプログラムされたソフトウェアを格納してもよい。コントローラはまた、各プロセスチャンバのステータスをチェックしてもよく、感知システムを使用して各プロセスチャンバ内で基材を位置付け、各モジュールに対してガスボックスおよび電気ボックスを制御してもよく、FOUP 8およびロードロックチャンバ5内に保管された基材の分配ステータスに基づいて機器フロントエンドモジュール6内のフロントエンドロボット7を制御してもよく、バックエンドロボット3を制御してもよく、またゲート弁9および他の弁を制御してもよい。
【0033】
当業者は、装置が、本明細書の他の箇所に記載された堆積処理および反応器クリーニング処理を実行させるようにプログラムされたかまたは他の方法で構成された一つ以上のコントローラを含むことを理解し得る。当業者に理解されるように、コントローラ(複数可)は、様々な電源、加熱システム、ポンプ、ロボット、ガス流コントローラ、または弁と通信してもよい。
【0034】
一部の実施形態では、装置は、1個よりも大きい(例えば、2、3、4、5、6、または7個の)、任意の数の反応チャンバおよび処理モジュールを有してもよい。
図1では、装置は8個の反応チャンバを有するが、装置は10個以上を有してもよい。一部の実施形態では、モジュールの反応器は、(プラズマ強化CVD反応器および熱CVD反応器などの)CVD反応器、または(プラズマ強化ALD反応器および熱ALD反応器などの)ALD反応器を含む、ウエハを処理または処置するための任意の適切な反応器であってもよい。典型的には、反応チャンバは、ウエハ上に薄膜または層を堆積させるための、プラズマ反応器であってもよい。一部の実施形態では、すべてのモジュールは、取り出し/装填を順次的かつ定期的に時間調節することによって生産性またはスループットを向上させることができるように、ウエハを処置する同一の能力を有する、同じタイプのものであってもよい。一部の実施形態では、モジュールは、異なる能力(例えば、異なる処置)を有している場合があるが、それらのハンドリング時間は、実質的に同一であってもよい。
【0035】
図2は、先行技術の反応チャンバの概略断面図である。反応チャンバ12では、シャワープレート14およびサセプタ13が提供されてもよい。サセプタ13は、基材17を支持し、組み込まれたヒーターまたは外付けヒーターによって加熱されることによって基材の温度を制御してもよい。
【0036】
シャワープレート14は、サセプタ13に面するように構築され、配置されてもよい。シャワープレート14には、プロセスガスがサセプタ13の上に配置された基材へと供給されるように複数の穴が設けられていてもよく、これにより、基材17上に薄膜の堆積を生じる。
【0037】
遠隔プラズマユニット(RPU)(図示せず)は、反応チャンバ12の上方に配設されてもよい。クリーニングガスは、クリーニングガス源(図示せず)からRPUに供給されてもよく、それによって、ガスラジカル、ガスイオン、または両方(反応性ガス)に変換される。反応チャンバ12は、チャンバ壁を含む。排気ダクト30は、反応チャンバ(12)内に配置される。
【0038】
図3Aは、先行技術の排気ダクトの概略断面図である。排気ダクト30はリング状である。排気ダクト30の位置合わせ不良のため、基材の周りのガスの排出は、排気ダクトとチャンバ壁の側壁との間の間隙が均一ではないため、対称的ではない場合がある。
【0039】
図3Bは、本発明の一実施形態における排気ダクト50の概略断面図である。この実施形態では、排気ダクト50は、第一の内側端部52および第二の内側端部53を含む内側リング51を備えてもよい。第一の内側端部52は、チャンバ壁の底部に接触するように構成されてもよい。第一の内側端部52は、複数の穴57を備えてもよい。第一の内側端部は、端部に複数のスリットを有してもよく、チャンバ壁の底部に部分的に接触するように構成されてもよい。穴57およびスリットは、ガス排気ポートとして機能してもよい。
【0040】
排気ダクト50は、複数の穴75が設けられた外側リング71をさらに備えてもよい。穴75は、ガス排気ポートとして機能してもよい。穴75の各々は、円形状であってもよい。穴75の穴の直径は1~30mmであってもよく、穴75の数は1~100であってもよい。外側リング71は、第一の外側端部72および第二の外側端部73を備えてもよい。第一の外側端部72は、チャンバ壁の側面に接触するように構成されてもよく、第二の外側端部73は、第二の内側端部53と係合するように構成されてもよい。外側リング75は、分割されてもよく、例えば、3つの外側リングが120度おきに設けられてもよい。内側リング51は、L字型の断面を有してもよい。
【0041】
第二の内側端部53は、傾斜面を有してもよい。第二の外側端部73もまた傾斜面を有してもよく、これは、外側リング71が内側リング51上に摺動可能に配置されることを可能にしうる。したがって、穴75による一定の排気を維持しつつも、正確な位置合わせを達成することができ、結果としてより均一な基材の処理がもたらされる。
【0042】
基材処理装置は、チャンバ壁の底部に配置されて穴75に流体連結される排気ポート60をさらに含んでもよい。排気ポート60は、フォアライン63を通して真空ポンプ65に流体連結されてもよい。排気ダクト50は、アルミニウム、Al2O3、またはAlNを含んでもよい。
【0043】
図4は、本発明の別の実施形態における排気ダクト90の概略断面図である。
図5は、
図4の排気ダクトの概略底面図である。排気ダクト90は内側リング61を備えてもよく、これは第一の内側端部62および第二の内側端部63を含んでもよい。第一の内側端部62は、複数の第一の突起65および第二の突起64を備えてもよい。複数の第一の突起65は、チャンバ壁の底部に接触するように構成されてもよい。第二の内側端部63は傾斜面を有してもよく、これは、外側リング71が内側リング61上に摺動可能に配置されることを可能にしうる。したがって、穴75による一定の排気を維持しつつも、正確な位置合わせを達成することができ、結果としてより均一な基材の処理がもたらされる。
【0044】
この実施形態では、第二の突起64とチャンバ壁の底部との間に間隙67が提供されてもよい。排気ポート60は、第一の突起65間の空間を通して、穴75および間隙67に流体連結されてもよい。第一の突起65は、120度おきに設けられてもよい。
【0045】
これらの実施形態は、本発明の実施形態の単なる実施例にすぎないので、上述の本開示の例示の実施形態は、本発明の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本発明の範囲内にあることが意図される。実際に、記述される要素の代替的な有用な組み合わせなどの、本明細書に示されかつ記述されるものに加えて、本開示の様々な修正は、当業者には記述から明らかになる場合がある。こうした修正および実施形態も、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【外国語明細書】