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特開2023-162297活性エネルギー線硬化性組成物及び積層体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162297
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化性組成物及び積層体
(51)【国際特許分類】
   C08L 57/00 20060101AFI20231031BHJP
   C08F 265/06 20060101ALI20231031BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20231031BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20231031BHJP
   B32B 27/16 20060101ALI20231031BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
C08L57/00
C08F265/06
C08F290/06
C08F2/44 C
B32B27/16 101
B32B27/30 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135191
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2018123980の分割
【原出願日】2018-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐太
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、基材への密着性及び耐擦傷性に優れた硬化物が得られる活性エネルギー線硬化性組成物を提供すること、及び前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物で被覆されている積層体を提供することにある。
【解決手段】酸価が10以上100以下であるビニル系単量体の重合体Aと、分子内に4つ以上6つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートBと、分子内に2つ以上3つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートCを含む活性エネルギー線硬化性組成物。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸価が10以上100以下であるビニル系単量体の重合体Aと、分子内に4つ以上6つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートBと、分子内に2つ以上3つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートCを含む活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項2】
前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記重合体Aが1質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項3】
前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記(メタ)アクリレートBが20質量%以上60質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項4】
前記(メタ)アクリレートBがポリエステル(メタ)アクリレートである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項5】
前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記(メタ)アクリレートCが20質量%以上60質量%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項6】
前記(メタ)アクリレートCがエポキシ(メタ)アクリレート及びエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1つである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項7】
さらに分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートDを含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項8】
前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記(メタ)アクリレートDが1質量%以上20質量%以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項9】
さらに光重合開始剤Eを含む請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項10】
前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記光重合開始剤Eが1質量%以上20質量%以下である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項11】
前記活性エネルギー線硬化性組成物の25℃における粘度が500mPa・s以上5000mPa・s以下である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化
物を含む積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床材を被覆するのに好適な活性エネルギー線硬化性組成物、及び前記硬化性組成物の硬化物を有する積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
ファーストフード店、コンビニエンスストア、百貨店、体育館、病院、事務所、住居及び工場等の床に使用される床材には、塩化ビニル等の重合体系材料、フローリング等の木質系材料、磁器タイル等のセラミックス系材料、大理石等の石材、モルタル等のコンクリート系材料、鉄板等の金属系材料等の基材上に塗膜を設けた床材が使用されている。
【0003】
これらの基材に塗膜を設ける際には、例えば特許文献1及び2のような、耐擦傷性が良好な床用の活性エネルギー線硬化性組成物が使われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-106927号公報
【特許文献2】特開2010-43192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1及び2に記載の組成物は、基材への密着性に劣るという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、基材への密着性及び耐擦傷性に優れた硬化物が得られる活性エネルギー線硬化性組成物を提供すること、及び前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物で被覆されている積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の前記目的は、以下の[1]~[12]の手段により解決できる。
【0008】
[1]酸価が10以上100以下であるビニル系単量体の重合体Aと、分子内に4つ以上6つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートBと、分子内に2つ以上3つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートCを含む活性エネルギー線硬化性組成物。
[2]前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記重合体Aが1質量%以上20質量%以下である[1]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[3]前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記(メタ)アクリレートBが20質量%以上60質量%以下である[1]又は[2]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[4]前記(メタ)アクリレートBがポリエステル(メタ)アクリレートである[1]から[3]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[5]前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記(メタ)アクリレートCが20質量%以上60質量%以下である[1]から[4]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[6]前記(メタ)アクリレートCがエポキシ(メタ)アクリレート及びエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1つである[1]から[5]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[7]さらに分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートDを含む[1]から[6]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[8]前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記(メタ)アクリレートDが1質量%以上20質量%以下である[1]から[7]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[9]さらに光重合開始剤Eを含む[1]から[8]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[10]前記活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、前記光重合開始剤Eが1質量%以上20質量%以下である[1]から[9]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[11]前記活性エネルギー線硬化性組成物の25℃における粘度が500mPa・s以上5000mPa・s以下である[1]から[10]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[12][1]から[11]のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬
化物を含む積層体。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基材への密着性及び耐擦傷性に優れた硬化物が得られる活性エネルギー線硬化性組成物及び前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物で被覆されている積層体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、酸価が10以上100以下であるビニル系単量体の重合体Aと、分子内に4つ以上6つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートBと、分子内に2つ以上3つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートCを含む。
【0011】
<重合体A>
本発明では、酸価が10以上100以下であるビニル系単量体の重合体Aを含むことが必要である。
【0012】
前記酸価は基材への密着性の点から高い方が好ましく、貯蔵安定性の点から低い方が好ましく、15以上80以下がより好ましい。
【0013】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における前記重合体Aの含有量は、密着性の点から硬化性組成物の総量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましい。さらに耐擦傷性の点から10質量%以下がより好ましい。
【0014】
前記重合体Aのゲルパーミエーションクロマトグラム法による重量平均分子量は、塗装作業性の点から5000以上が好ましく、10000以上がより好ましい。また300000以下が好ましく、50000以下がより好ましい。
【0015】
前記重合体Aは、ビニル系単量体を単独で重合したものでも、ビニル系単量体の混合物を重合した共重合体でもよい。
【0016】
前記ビニル系単量体の具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2-ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環骨格を有する(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のベンゼン環を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとエチレンオキシドの付加物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとプロピレンオキシドの付加物、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとε-カプロラクトンの付加物等のその他(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン又はスチレン誘導体;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有化合物;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリロニトリルのような重合性不飽和ニトリル類;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等不飽和カルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類等が挙げられる。
【0017】
中でも、基材への密着性、耐擦傷性及び反りの点からメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0018】
これらビニル系単量体は、1種類の化合物を単独で用いてもよいし、二種類以上の化合物を併用してもよい。
【0019】
ここで、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及び「メタアクリレート」の少なくとも1つを意味する。「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及び「メタアクリロイル」の少なくとも1つを意味する。「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及び「メタアクリル酸」の少なくとも1つを意味する。「(メタ)アクリルアミド」とは「アクリルアミド」及び「メタアクリルアミド」の少なくとも1つを意味する。
【0020】
前記重合体Aは、ラジカル重合開始剤の存在下、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法等を用いることにより得ることができる。前記重合法の中でも、無溶媒化の点から懸濁重合法が好ましい。
【0021】
<分子内に4つ以上6つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートB>
分子内に4つ以上6つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートBは、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物の耐擦傷性に寄与する。また前記(メタ)アクリレートBは良好な重合活性を有するので、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化性に寄与する。
【0022】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における前記(メタ)アクリレートBの含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して20質量%以上60質量%以下が好ましい。前記(メタ)アクリレートBは多いほど耐擦傷性が高くなり、少ないほど反りが小さくなる。耐擦傷性と反りのバランスの点から、25質量%以上55質量%以下がより好ましい。
【0023】
(メタ)アクリレートBとしては、具体的にはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ) アクリレー
ト、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート等のウレタンポリ(メタ) アクリレート、トリメチロ-ルエタンとコハク酸及び(
メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ) アクリレート等のポリエステル
ポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0024】
中でも、前記(メタ)アクリレートBとしては耐擦傷性と反りの点から分子内に4つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、防汚性の点からポリエステル(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0025】
前記(メタ)アクリレートBとしては、1種類の化合物を単独で用いてもよいし、2種類以上の化合物を併用してもよい。
【0026】
<分子内に2つ以上3つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートC>
分子内に2つ以上3つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートCは、硬化性組成物の粘度を抑え、耐擦傷性と反りのバランスに優れた硬化物を形成できる。
【0027】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における前記(メタ)アクリレートCの含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して20質量%以上60質量%以下が好ましい。前記(メタ)アクリレートCは多いほど耐擦傷性が高くなり、少ないほど反りが小さくなる。耐擦傷性と反りのバランスの点から、25質量%以上55質量%以下がより好ましい。
【0028】
前記(メタ)アクリレートCの具体例としては、1,3-プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノ
ナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-ブテン-1,4-ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサ
ン-1,4-ジメタノールジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールAジ(メタ)
アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス-(4-(メタ)アクリ
ロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(4-(メタ)アクリロイ
ルオキシ(2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、ビス-(2-メタアクリロイルオキシエチル)フタレート等の2官能(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシジ(メタ)アクリレート;イソホロンジイソシアネートと2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとポリ(n=
6~15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールとコハク酸及び(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステルジ(メタ)アクリレート等のポリエステルジ(メタ)アクリレート;トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0029】
その中でも、耐擦傷性の点から、ビスフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性数は、1mol以上10mol以下がより好ましい。
【0030】
前記(メタ)アクリレートCとしては、1種類の化合物を単独で用いてもよいし、二種類以上の化合物を併用してもよい。
【0031】
<分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートD>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は分子内に1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートDを含有することが好ましい。前記(メタ)アクリレートDは、活性エネルギー線硬化性組成物の粘度を低下させることができる。
【0032】
粘度と耐擦傷性のバランスの点から、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における前記(メタ)アクリレートDの含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して1質量%以上20質量%以下が好ましく、3質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記(メタ)アクリレートDは多いほど粘度が低くなり、少ないほど耐擦傷性が高くなる。
【0033】
前記(メタ)アクリレートDの具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環骨格を有する(メタ)アクリレート;エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のベンゼン環を有する(メタ)アクリレート;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート等のフタル酸エステルを有する(メタ)アクリレート;アクリロイルモルフォリン等のアミノ基含有化合物;(メタ)アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミド等のアミド基含有化合物;4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0034】
この中でも、粘度、硬化性、低皮膚刺激性の点から4-ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
【0035】
前記(メタ)アクリレートDとしては、1種類の化合物を単独で用いてもよいし、二種類以上の化合物を併用してもよい。
【0036】
<光重合開始剤E>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は光重合開始剤を含んでいてもよい。前記光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生するので、効率よく活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物を得る目的で配合する。
【0037】
活性エネルギー線硬化性組成物の硬化性と活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物の硬度の点から、前記光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、2質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0038】
前記光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2-メチルベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェン、4-フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;t-ブチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン等のアントラキノン類;2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン等のα-ヒドロキシアセトフェノン類;2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-4-モルホリノブチロフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン等のα-アミノアセトフェノン類;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類;メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、メチルベンゾイルホルメート、オキシ-フェニル-アセティックアシッド2-[2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ-エト
キシ]エチルエステル、オキシ-フェニル-アセティックアシッド2-[2-ヒドロキシ]
-エトキシ-エチルエステル等が挙げられる。
【0039】
<その他の成分>
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、その他の添加剤としてレベリング剤、消泡剤、沈降防止剤、潤滑剤、研磨剤、防錆剤、帯電防止剤、増感剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、防雲剤、分散剤、増粘剤、タレ止め剤、乾燥剤、付
着促進剤、皮膜改質剤、スリップ剤、擦り傷防止剤、可塑剤、艶消し剤、低収縮剤、防菌剤、防カビ剤、防汚剤、難燃剤、硬化促進剤、劣化防止剤、光重合促進剤、熱開始剤、PP付着付与剤(塩素化PP)、チキソ剤、染料、顔料、微粒子、反応性微粒子、殺菌剤等の各種の添加剤を加えることができる。レベリング剤は、ハジキ防止、塗膜の平滑性の点から本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に添加することが好ましい。レベリング剤としては、フッ素系、シリコン系、アクリル系のものがあるが、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物を2層以上積層する場合には層間の密着性を高めることができるアクリル系のレベリング剤を加えることが好ましい。
【0040】
さらに本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は揮発成分である溶媒を含んでいてもよい。塗工後の乾燥時間の短縮及び塗工時に臭気の低減の点から、前記溶媒の含有量は活性エネルギー線硬化性組成物の総量に対して0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.02質量%以下がさらに好ましい。ここで溶媒には、エチレン性不飽和化合物は含まれないものとする。
【0041】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法としては、通常使用される攪拌機を使用して各成分を混合撹拌して製造する方法を挙げることができる。
【0042】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、塗装時の塗膜の平滑性の点から、層分離を起こさずに均一であることが好ましい。
【0043】
<粘度>
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は、塗装する際の作業性の点から500mPa・sec以上4000mPa・sec以下が好ましく、1000mPa・sec以上2000mPa・sec以下がより好ましい。ここで粘度は、JIS K7117に準拠し、25℃でE型粘度計(東機産業社製TVE-20H型粘度計)を用いて測定した値を意味する。
【0044】
<積層体>
本発明の積層体は、基材に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を塗布して硬化することで得られる。前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物の膜厚は、1μm以上150μm以下の範囲とすることが好ましい。前記活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が挙げられる。例えば高圧水銀灯を用いて紫外線を照射する場合、照射される紫外線エネルギー量は波長340nm以上380nm以下の積算光量で25mJ/cm以上2000mJ/cm以下が好ましい。
【0045】
前記基材が床材である場合、床材の材質としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。これらのうち、加工性や床材としての施工容易性の点から、熱可塑性樹脂が好ましく、中でも塩化ビニル系樹脂がより好ましい。
【0046】
また、本積層体は、床材に本発明の硬化性組成物の硬化物を2層以上積層させてもよく、積層体の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物の表面に光沢やスリップ防止を目的としたWAX等の層を設けてもよい。
【0047】
前記床材への本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の塗装方法としては、刷毛・ローラー・ムートン・モップ塗り、ロールコート、スプレーコート、スピンコート、フローコート、ディピング、静電塗装、スクリーン印刷等の方法が挙げられる。作業性の点からロールコートやフローコートが好ましい。
【実施例0048】
以下、実施例によって、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。また、重量平均分子量は以下の方法で測定し、得られた硬化物の評価方法は以下の通りである。
(重量平均分子量)
重合体をテトラヒドロフランにて溶液濃度が0.4重量%になるよう調整した後、東ソー社製カラム(GE4000HXL及びG2000HXL)を用い東ソー社製ゲルパーミェーションクロマトグラフィ装置に注入し(注入量100μl)、流量1ml/分(溶離液テトラヒドロフラン)、カラム温度40℃にてゲルパーミエーションクロマトグラム法により、ポリスチレンを基準とし重量平均分子量を測定した。
【0049】
(活性エネルギー線硬化性組成物の貯蔵安定性)
硬化性組成物を200mlガラス瓶に入れ、22℃の温度環境下で1日静置後の状態を確認し、以下の評価基準で評価した。
「○」:静置後の活性エネルギー線硬化性組成物に分離が見られない。
「×」:静置後の活性エネルギー線硬化性組成物に分離が見られる。
【0050】
(粘度)
JIS K7117に準拠し、E型粘度計(東機産業社製TVE-20H型粘度計)を用いて硬化性組成物の25℃における粘度を測定し、以下の評価基準で粘度を評価した。・評価基準
「○」:1000mPa・sec以上2100mPa・sec未満。
「×」:2100mPa・sec以上4000mPa・sec未満。
【0051】
(活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物の反り)
活性エネルギー線硬化性組成物をアプリケーターにより、東洋紡製ポリエステルフィルムコスモシャイン(膜厚:125μm)(以下、適宜「PETフィルム」という)上に、硬化後の膜厚が20μmになるように塗布し、空気中で高圧水銀灯を用い、波長340~380nmの積算光量が100mJ/cmの紫外線を塗膜に照射して硬化させた。得られた硬化物を有する積層体を5cm×5cmにカットし、得られたサンプルを平面上に乗せて中心を荷重125g/cmで押え、四隅の高さの合計値を反りとして測定した。以下の評価基準で反りを評価した。
・評価基準
「○」:反りの合計値が8mm以下。
「×」:反りの合計値が8mmを超える。
【0052】
(耐擦傷性)
活性エネルギー線硬化性組成物をアプリケーターにより、タジマ社製コンポジションビニル床タイル半硬質CT(以下、適宜「塩ビタイル」という)上に、硬化後の膜厚が20μmになるように塗布し、空気中で高圧水銀灯を用い、波長340~380nmの積算光量が100mJ/cmの紫外線を塗膜に照射して硬化させた。得られた硬化物について、コーティングテスター社製平面摩擦試験機を使用し、以下の条件で耐擦傷性試験を実施した。
荷重:103g/cm
試験方法:スチールウール#3、60mmsec、100往復
日本電色工業製変色光沢計VG-7000を使用し、試験前後の硬化物の60°反射率を測定する。以下の式で光沢保持率を計算し、光沢保持率により耐擦傷性を以下の評価基準で評価した。
光沢保持率(%)=(試験後の60°反射率)/(試験前の60°反射率)×100
・評価基準
「○」:光沢保持率が60%よりも大きい
「×」:光沢保持率が60%以下
【0053】
(密着性)
活性エネルギー線硬化性組成物をアプリケーターにより、タジマ社製コンポジションビニル床タイル半硬質CT(以下、適宜「塩ビタイル」という)上に、硬化後の膜厚が20μmになるように塗布し、空気中で高圧水銀灯を用い、波長340~380nmの積算光量が100mJ/cm2の紫外線を塗膜に照射して硬化させた。得られた硬化物について、1mm角×100マスの形に切り込みを入れ、セロテープ(登録商標)で剥離した際の密着性を確認し、以下の評価基準で密着性を評価した。
・評価基準
「◎」:試験後に残ったマス数が80以上
「○」:試験後に残ったマス数が70以上80未満
「×」:試験後に残ったマス数が70未満
【0054】
<実施例1>
重合体A(メチルメタクリレート/メタクリル酸=89/11の重合体(GPCによる重量平均分子量:25,000、酸価:21))を3部、4官能ポリエステルアクリレート(商品名:MIRAMER PS4140、MIWON社製)を40部、2官能エポキシアクリレート(商品名:MIRAMER PE210、MIWON社製)を10部、エチレンオキサイド3mol変性トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:MIRAMER M3130、MIWON社製)を40部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(商品名:4-HBA、大阪有機化学工業社製)を7部、ベンゾフェノンを2部、メチルベンゾイルフォーメート(商品名SPEEDCURE MBF、LAMBSON社製)を2部、アクリル系レベリング剤(商品名:BYK-350、ビックケミー・ジャパン社製)を0.1部、湿潤分散剤アンチテラU-100(商品名:ANTI-TERRA-U100、ビックケミー・ジャパン社製)を0.2部、重合体系消泡剤(商品名:BYK-1790、ビックケミー・ジャパン社製)を0.1部、つや消し剤サイロホービック200(商品名:SYLOPHOBIC200、富士シリシア化学社製)を8部を混合し、30分間撹拌して均一な液状の活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。得られた活性エネルギー線硬化性組成物について上記の各種評価を行った結果を表1に示す。
【0055】
<実施例2~5、比較例1~3>
表1に示す配合比で活性エネルギー線硬化性組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物を調製して評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1中の略号及び名称は、以下の化合物を表わす。
「重合体A」:メチルメタクリレート/メタクリル酸=89/11の重合体(GPCによる重量平均分子量:25,000、酸価:21)。
「重合体B」:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸=84/13/3の重合体(GPCによる重量平均分子量:65,000、酸価:19)。
「重合体C」:メチルメタクリレート/メタクリル酸=98/2の重合体(GPCによる重量平均分子量:25,000、酸価:11)。
「重合体D」:メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸=95/4/1の重合体(GPCによる重量平均分子量:85,000、酸価:3)。
「重合体E」:メチルメタクリレート/ブチルメタアクリレート/ブチルアクリレート/スチレン/メタクリル酸=32/15/15/15/23の重合体(GPCによる重量平均分子量:50,000、酸価:150)。
「4官能ポリエステルアクリレート」:4官能ポリエステルアクリレート(商品名:MIRAMER PS4140、MIWON社製)。
「6官能ウレタンアクリレート」:6官能ウレタンアクリレート(商品名:MIRAMER PU610、MIWON社製)。
「2官能エポキシアクリレート」:2官能エポキシアクリレート(商品名:MIRAMER PE210、MIWON社製)。
「EO3mol変性TMPTA」:エチレンオキサイド3mol変性トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:MIRAMER M3130、MIWON社製)。
「3官能ウレタンアクリレート」:脂肪族3官能ウレタンアクリレート(商品名:MIRAMER PU340、MIWON社製)。
「2官能ウレタンアクリレート」:脂肪族2官能ウレタンアクリレート(商品名:MIRAMER PU2560、MIWON社製)。
「4-HBA」:4-ヒドロキシブチルアクリレート(商品名:4-HBA、大阪有機化学工業社製)。
「BP」:ベンゾフェノン
「MBF」:メチルベンゾイルフォーメート(商品名SPEEDCURE MBF、LAMBSON社製)。
「BYK-350」:アクリル系レベリング剤(商品名:BYK-350、ビックケミー・ジャパン社製)。
「BYK-399」:表面活性重合体系レベリング剤(商品名:BYK-399、ビックケミー・ジャパン社製)。
「アンチテラU-100」:不飽和ポリアミドアマイドと低分子量ポリエステル酸の塩からなる分散剤(商品名:ANTI-TERRA-U100、ビックケミー・ジャパン社製)。
「BYK-1790」:重合体系消泡剤(商品名:BYK-1790、ビックケミー・ジャパン社製)。
「サイロホービック200」:疎水性マイクロナイズドシリカ(商品名:SYLOPHOBIC200、富士シリシア化学社製)。
「CERAFLOUR1000」:有機変性重合体(商品名:CERAFLOUR1000、ビックケミー・ジャパン社製)。
【0058】
表1に示したとおり、比較例1の組成物はビニル系単量体の重合体Aの酸化が10未満であるため、密着性が悪かった。比較例2の組成物は分子内に4つ以上6つ以下の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを含まないので、反りと耐擦傷性と密着性が悪かった。比較例3の組成物は、酸価が100よりも大きい重合体を用いたので、貯蔵安定性が悪かった。