(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162386
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】表示ドライバ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20231031BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
G09G3/20 623B
G09G3/36
G09G3/20 611A
G09G3/20 623R
G09G3/20 623E
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142209
(22)【出願日】2023-09-01
(62)【分割の表示】P 2021513710の分割
【原出願日】2020-04-10
(31)【優先権主張番号】P 2019076487
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】一倉 宏嘉
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発熱及び消費電力を抑えることが可能な表示ドライバ及び表示装置を提供する。
【解決手段】複数のデータラインと、単一の配線とj個のデータライン各々との間を第1~第jの接続制御信号に応じて個別に接続又は遮断する第1~第jのスイッチを含むデマルチプレクサと、j個のデータラインの各々を1つずつ順に第2の期間の間だけ単一の配線と接続させる第1~第jの接続制御信号を生成するデマルチプレクサ制御部と、出力端子から出力する第1~第jのバッファと、第1~第jの配線を短絡又は開放する短絡スイッチ部と、第1の期間に亘り、第1~第jのバッファ各々の出力端子と第1~第jの配線との接続を遮断させるように第1~第jの出力スイッチを制御すると共に、第1~第jの配線同士を短絡させるように短絡スイッチ部を制御する出力制御部と、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータラインと、
第1~第j(jは2以上の整数)の駆動電圧の系列を単一の配線で受けると共に第1~第jの接続制御信号を夫々第1~第jの配線で受け、前記単一の配線とj個の前記データライン各々との間を前記第1~第jの接続制御信号に応じて個別に接続又は遮断する第1~第jのスイッチを含むデマルチプレクサと、を有する表示デバイスを駆動する表示ドライバであって、
2つの前記データラインが第1の期間の間だけ同時に前記単一の配線と接続されるように、前記j個のデータラインの各々を1つずつ順に第2の期間の間だけ前記単一の配線と接続させることを指示する前記第1~第jの接続制御信号を生成するデマルチプレクサ制御部と、
前記第1~第jの接続制御信号を個別に増幅して夫々の出力端子から出力する第1~第jのバッファと、
前記第1~第jのバッファ各々の前記出力端子と前記第1~第jの配線とを個別に接続する第1~第jの出力スイッチと、
前記第1~第jの配線を短絡又は開放する短絡スイッチ部と、
前記第1の期間に亘り、前記第1~第jのバッファ各々の前記出力端子と前記第1~第jの配線との接続を遮断させるように前記第1~第jの出力スイッチを制御すると共に、前記第1~第jの配線同士を短絡させるように前記短絡スイッチ部を制御する出力制御部と、を有することを特徴とする表示ドライバ。
【請求項2】
夫々が各画素の輝度レベルに対応した電圧値を表するj個の階調電圧を受け、前記j個の階調電圧を時分割多重化したものを前記第1~第jの駆動電圧の系列として生成する時分割多重化部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示ドライバ。
【請求項3】
複数のデータラインと、第1~第j(jは2以上の整数)の駆動電圧の系列を単一の配線で受けると共に第1~第jの接続制御信号を夫々第1~第jの配線で受け、前記単一の配線とj個の前記データライン各々との間を前記第1~第jの接続制御信号に応じて個別に接続又は遮断する第1~第jのスイッチを含むデマルチプレクサとを有する表示デバイスと、
2つの前記データラインが第1の期間の間だけ同時に前記単一の配線と接続されるように、前記j個のデータラインの各々を1つずつ順に第2の期間の間だけ前記単一の配線と接続させることを指示する前記第1~第jの接続制御信号を生成するデマルチプレクサ制御部と、前記第1~第jの接続制御信号を個別に増幅して夫々の出力端子から出力する第1~第jのバッファと、前記第1~第jのバッファ各々の前記出力端子と前記第1~第jの配線とを個別に接続する第1~第jの出力スイッチと、前記第1~第jの配線を短絡又は開放する短絡スイッチ部と、前記第1の期間に亘り、前記第1~第jのバッファ各々の前記出力端子と前記第1~第jの配線との接続を遮断させるように前記第1~第jの出力スイッチを制御すると共に、前記第1~第jの配線同士を短絡させるように前記短絡スイッチ部を制御する出力制御部とを有する表示ドライバと、を備えたことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号に応じて表示デバイスを駆動する表示ドライバ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置には、表示デバイスとしての液晶型の表示パネルと、この表示パネルを駆動する表示ドライバと、が設けられている。
【0003】
当該表示ドライバには、映像信号に基づく各画素の輝度レベルを表す画素データ片をその輝度レベルに対応した電圧値を有する階調電圧に変換するDA変換部と、複数の階調電圧を夫々増幅して表示デバイスの複数のソースラインに供給する複数の出力アンプと、が含まれている(例えば、特許文献1参照)。かかる表示ドライバには、表示デバイスの複数のソースラインと一対一に対応させて、上記した階調電圧を出力する複数の外部端子が設けられている。
【0004】
ところで、近年、車載用等の小型な液晶表示装置においても高精細化が要求されている。しかしながら、液晶表示装置の小型化に伴い、表示ドライバ自体も小型化しなければならず、当該表示ドライバに設けることが可能な外部端子の数にも制限が生じる。
【0005】
そこで、1つの出力アンプで、複数のソースラインを時分割にて駆動させるデマルチプレクサを表示パネル上に設けた液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-301946号公報
【特許文献2】特開2007-334109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したような時分割駆動で複数のソースラインを駆動するには、1ソースラインあたりの駆動時間を短くする必要がある。よって、出力アンプとして、表示デバイスの寄生容量を高速に充放電することが可能なものを採用する必要があるので、当該出力アンプを含む表示ドライバの発熱量及び消費電力が増加するという問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明は、発熱及び消費電力を抑えることが可能な表示ドライバ及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示ドライバは、複数のデータラインと、前記複数のデータラインにそれぞれ接続された複数の第1のスイッチを有し、第1の配線を介して複数の駆動電圧を含む駆動電圧の系列が供給され、前記複数の第1のスイッチを介して前記複数の駆動電圧を前記複数のデータラインにそれぞれ供給するデマルチプレクサとを含む表示デバイスを駆動する表示ドライバであって、前記駆動電圧の系列を生成する電圧多重化部と、前記電圧多重化部及び前記第1の配線の間に接続された第2のスイッチと、前記複数の第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに接続され、第1の期間に前記第2のスイッチをオン状態からオフ状態に切り替え、前記第1の期間の一部であって前記第2のスイッチがオフ状態である第2の期間に2つの前記データラインと前記第1の配線とを接続させるように2つの前記データラインに対応する2つの前記第1のスイッチをオン状態にする制御部と、を有する。
【0010】
また、本発明に係る表示ドライバは、複数のデータラインと、第1~第j(jは2以上の整数)の駆動電圧の系列を単一の配線で受けると共に第1~第jの接続制御信号を夫々第1~第jの配線で受け、前記単一の配線とj個の前記データライン各々との間を前記第1~第jの接続制御信号に応じて個別に接続又は遮断する第1~第jのスイッチを含むデマルチプレクサと、を有する表示デバイスを駆動する表示ドライバであって、2つの前記データラインが第1の期間の間だけ同時に前記単一の配線と接続されるように、前記j個のデータラインの各々を1つずつ順に第2の期間の間だけ前記単一の配線と接続させることを指示する前記第1~第jの接続制御信号を生成するデマルチプレクサ制御部と、前記第1~第jの接続制御信号を個別に増幅して夫々の出力端子から出力する第1~第jのバッファと、前記第1~第jのバッファ各々の前記出力端子と前記第1~第jの配線とを個別に接続する第1~第jの出力スイッチと、前記第1~第jの配線を短絡又は開放する短絡スイッチ部と、前記第1の期間に亘り、前記第1~第jのバッファ各々の前記出力端子と前記第1~第jの配線との接続を遮断させるように前記第1~第jの出力スイッチを制御すると共に、前記第1~第jの配線同士を短絡させるように前記短絡スイッチ部を制御する出力制御部と、を有する。
【0011】
本発明に係る表示装置は、複数のデータラインと、前記複数のデータラインにそれぞれ接続された複数の第1のスイッチを有し、第1の配線を介して複数の駆動電圧を含む駆動電圧の系列が供給され、前記複数の第1のスイッチを介して前記複数の駆動電圧を前記複数のデータラインにそれぞれ供給するデマルチプレクサとを含む表示デバイスと、前記駆動電圧の系列を生成する電圧多重化部と、前記電圧多重化部及び前記第1の配線の間に接続された第2のスイッチと、前記複数の第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに接続され、第1の期間に前記第2のスイッチをオン状態からオフ状態に切り替え、前記第1の期間の一部であって前記第2のスイッチがオフ状態である第2の期間に2つの前記データラインと前記第1の配線とを接続させるように2つの前記データラインに対応する2つの前記第1のスイッチをオン状態にする制御部とを含む表示ドライバと、を有する。
【0012】
また、本発明に係る表示装置は、複数のデータラインと、第1~第j(jは2以上の整数)の駆動電圧の系列を単一の配線で受けると共に第1~第jの接続制御信号を夫々第1~第jの配線で受け、前記単一の配線とj個の前記データライン各々との間を前記第1~第jの接続制御信号に応じて個別に接続又は遮断する第1~第jのスイッチを含むデマルチプレクサとを有する表示デバイスと、2つの前記データラインが第1の期間の間だけ同時に前記単一の配線と接続されるように、前記j個のデータラインの各々を1つずつ順に第2の期間の間だけ前記単一の配線と接続させることを指示する前記第1~第jの接続制御信号を生成するデマルチプレクサ制御部と、前記第1~第jの接続制御信号を個別に増幅して夫々の出力端子から出力する第1~第jのバッファと、前記第1~第jのバッファ各々の前記出力端子と前記第1~第jの配線とを個別に接続する第1~第jの出力スイッチと、前記第1~第jの配線を短絡又は開放する短絡スイッチ部と、前記第1の期間に亘り、前記第1~第jのバッファ各々の前記出力端子と前記第1~第jの配線との接続を遮断させるように前記第1~第jの出力スイッチを制御すると共に、前記第1~第jの配線同士を短絡させるように前記短絡スイッチ部を制御する出力制御部とを有する表示ドライバと、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、デマルチプレクサを介して表示デバイスの複数のデータラインの各々を順に駆動するにあたり、駆動電圧の印加によってデータラインの寄生容量に蓄積された電荷を利用して、次に駆動対象となるデータラインの寄生容量を充電又は放電させている。また、デマルチプレクサを制御する接続制御信号を伝送する為の複数の配線の各々に順に接続制御信号を供給するにあたり、接続制御信号の供給によって当該配線の寄生容量に蓄積された電荷を利用して、次に接続制御信号の供給対象となる配線の寄生容量を充電又は放電させている。
【0014】
これにより、駆動電圧を出力するアンプ、接続制御信号を出力するバッファが出力する電流を抑えることができるので、その分だけ消費電力及び発熱を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る表示ドライバを含む表示装置100の構成を示すブロック図である。
【
図2】出力部120及びデマルチプレクサDMXの内部構成の一例を表す回路図である。
【
図3】出力制御信号OE及び接続制御信号SL1~SL6と、スイッチQ1~Q6の動作状態と、を表すタイムチャートである。
【
図4A】区間TaでアンプAP1、出力スイッチSW1、デマルチプレクサDX1に含まれるスイッチQ1及びQ4からなる回路に流れる電荷の流れを表す回路図である。
【
図4B】区間TbでアンプAP1、出力スイッチSW1、デマルチプレクサDX1に含まれるスイッチQ1及びQ4からなる回路に流れる電荷の流れを表す回路図である。
【
図5】区間Ta及びTbとその直前直後における、アンプAP1の出力電圧、及びノードA~Cの電圧の波形の一例を示すタイムチャートである
【
図6】出力部120及びデマルチプレクサDMXの構成の他の一例を表す回路図である。
【
図7A】区間TaでアンプAP1、バッファB1及びB2、出力スイッチW1及びW2、短絡スイッチY1及びY2、スイッチQ1及びQ4からなる回路に流れる電荷の流れを表す回路図である。
【
図7B】区間TbでアンプAP1、バッファB1及びB2、出力スイッチW1及びW2、短絡スイッチY1及びY2、スイッチQ1及びQ4からなる回路に流れる電荷の流れを表す回路図である。
【
図8】区間Ta及びTbとその直前直後における、ノードA及びB各々の電圧の波形の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、表示装置100は、駆動制御部10、走査ドライバ11、データドライバ12、及び液晶表示パネル又は有機ELパネル等を有する表示デバイス20を有する。
【0018】
駆動制御部10は、水平同期信号を含むと共に赤色、緑色及び青色の色成分毎に各画素の輝度レベルを表す映像信号VSを受ける。駆動制御部10は、当該映像信号VSに含まれる水平同期信号に応じて走査信号を生成しこれを走査ドライバ11に供給する。更に、駆動制御部10は、映像信号VSに基づき、赤色、緑色及び青色毎にその輝度レベルを例えば8ビットで表す表示データ片の系列を含む映像データ信号PDを、データドライバ12に供給する。
【0019】
走査ドライバ11は、駆動制御部10から供給された走査信号に応じて走査パルスを生成し、これを表示デバイス20に形成されている水平走査ラインS1~Snに順次択一的に印加する。
【0020】
データドライバ12は、単一又は複数の半導体装置としての半導体ICに含まれている。データドライバ12は、上記した映像データ信号PDを取り込み、1水平走査ライン分の取り込み、つまりm個の表示データ片が取り込まれる度に、各表示データ片で表される輝度レベルに対応した電圧値をm個の階調電圧として生成する。データドライバ12は、生成したm個の階調電圧を、夫々が例えば6個の階調電圧からなる(m/6)個(mは6の倍数の整数)の階調電圧群に区分けする。ここで、データドライバ12は、(m/6)個の階調電圧群毎に、その階調電圧群に含まれる6つの階調電圧の各々を順に選択して時分割多重化した階調電圧の系列を生成する。そして、データドライバ12は、生成した(m/6)系統分の階調電圧系列を夫々利得1で増幅したものを駆動電圧系列G1~G(m/6)として、表示デバイス20に供給する。
【0021】
更に、データドライバ12は、駆動電圧系列G1~G(m/6)の各々に含まれる6つの駆動電圧の出力先となる6本のデータラインDを1つずつ順に選択させる2値(論理レベル0又は1)の接続制御信号SY1~SY6を表示デバイス20に供給する。
【0022】
表示デバイス20は、デマルチプレクサDMXと、2次元画面の水平方向に伸張するn個(nは2以上の整数)の水平走査ラインS1~Snと、2次元画面の垂直方向に伸張するm個のデータラインD1~Dmと、を含む。尚、水平走査ライン及びデータラインの交叉部の領域には、赤色表示を担う赤表示セルPr、緑色表示を担う緑表示セルPg、又は青色表示を担う青表示セルPbが形成されている。すなわち、データラインD1~Dmのうちで(3・t-2)番目(tは3以上の整数)のデータライン、つまりD1、D4、D7、・・・、D(m-2)の各々には赤表示セルPrが形成されている。また、データラインD1~Dmのうちで(3・t-1)番目に配列されているデータライン、つまりD2、D5、D8、・・・、D(m-1)の各々には緑表示セルPgが形成されている。また、データラインD1~Dmのうちで(3・t)番目に配列されているデータライン、つまりD3、D6、D9、・・・、Dmには青表示セルPbが形成されている。ここで、
図1に示すように、水平走査ラインS1~Snの各々上において、互いに隣接する3つの表示セル、つまり赤表示セルPr、緑表示セルPg及び青表示セルPbにより、1つの画素PX(破線にて囲まれた領域)が形成されている。
【0023】
尚、
図1に示す一例では画素PXを赤表示セルPr、緑表示セルPg及び青表示セルPbの3つの表示セルで構成したが、4つ以上の複数の表示セルで1つの画素PXを構成するようにしても良い。例えば[赤表示セルPr、緑表示セルPg、青表示セルPb、緑表示セルPg]の4つの表示セルの組により、1つの画素PXを構成しても良い。
【0024】
更に、表示デバイス20は、データドライバ12から出力された駆動電圧系列G1~G(m/6)を受ける、夫々が単一の配線である配線L1~L(m/6)と、接続制御信号SY1~SY6を夫々受ける配線e1~e6と、を有する。
【0025】
デマルチプレクサDMXは、配線e1~e6で受けた接続制御信号SY1~SY6に基づき、データラインD1~Dmのうちの(m/6)個のデータラインを選択し、夫々を配線L1~L(m/6)と一対一にて接続する。これにより、デマルチプレクサDMXは、配線L1~L(m/6)で受けた駆動電圧系列G1~G(m/6)を、上記のように選択した(m/6)個のデータラインに印加する。
【実施例0026】
図2は、データドライバ12に含まれており、駆動電圧系列G1~G(m/6)及び接続制御信号SY1~SY6を出力する出力部120と、表示デバイス20に含まれているデマルチプレクサDMXの構成の一例を表す回路図である。
【0027】
出力部120は、時分割多重化部MX、アンプAP1~AP(m/6)、出力スイッチSW1~SW(m/6)、出力制御部CT1、デマルチプレクサ制御部CT2(以下、DMX制御部CT2と称する)及びバッファB1~B6を含む。
【0028】
時分割多重化部MXは、前述した1水平走査ライン分のm個の階調電圧を夫々が6個の階調電圧からなる(m/6)個の階調電圧群に区分けする。そして、時分割多重化部MXは、階調電圧群毎に、その階調電圧群に属する6つの階調電圧を時分割多重化することで(m/6)系統の階調電圧系列V1~V(m/6)を生成する。時分割多重化部MXは、階調電圧系列V1~V(m/6)をアンプAP1~AP(m/6)に供給する。
【0029】
アンプAP1~AP(m/6)の各々は、階調電圧系列Vに含まれる各階調電圧を利得1で増幅する。尚、アンプAP1~AP(m/6)各々の出力端子には、各アンプに一対一に対応して設けられた出力スイッチSW1~SW(m/6)が接続されている。アンプAP1~AP(m/6)の各々は、階調電圧系列Vに含まれる各電圧を利得1で増幅したものを駆動電圧系列として自身の出力端子を介して、対応する出力スイッチSWに供給する。例えば、アンプAP1は、データラインD1~D6を出力先とする6個の階調電圧の系列からなる階調電圧系列V1を受け、この階調電圧系列V1に含まれる6個の電圧を順に増幅したものを駆動電圧系列として出力スイッチSW1に供給する。また、例えば、アンプAP2は、データラインD7~D12を出力先とする6個の階調電圧の系列からなる階調電圧系列V2を受け、この階調電圧系列V2に含まれる6個の電圧を順に増幅したものを駆動電圧系列として出力スイッチSW2に供給する。
【0030】
出力制御部CT1は、出力スイッチをオン状態に設定する場合には論理レベル1、オフ状態に設定する場合には論理レベル0を有する2値の出力制御信号OEを生成する。
【0031】
出力スイッチSW1~SW(m/6)は、出力制御信号OEがオン状態を表す場合にオン状態となり、アンプAP1~AP(m/6)各々の出力端子と、表示デバイス20の配線L1~L(m/6)の各々とを個別に電気的に接続する。
【0032】
出力スイッチSW1~SW(m/6)は、アンプAP1~AP(m/6)の各々から出力された駆動電圧系列を個別に受け、上記したオン状態時に、夫々を駆動電圧系列G1~G(m/6)として、表示デバイス20のデマルチプレクサDMXに供給する。一方、出力制御信号OEがオフ状態を表す場合には、出力スイッチSW1~SW(m/6)は、オフ状態となる。これにより、アンプAP1~AP(m/6)各々の出力端子と配線L1~L(m/6)各々との間の接続が遮断され、アンプAP1~AP(m/6)各々の出力端子がハイインピーダンス状態に設定される。
【0033】
DMX制御部CT2は、夫々が1つずつ順に「非選択」を表す論理レベル0の状態から「選択」を表す論理レベル1の状態に遷移し、その状態を所定期間の間だけ維持する接続制御信号SL1~SL6を生成する。この際、DMX制御部CT2は、接続制御信号SL1~SL6のうちの1つの接続制御信号SLが論理レベル1から0に遷移する時点より前の時点で、次の接続制御信号SLを論理レベル0から1に遷移させる。
【0034】
つまり、DMX制御部CT2は、2つのデータラインDが第1の期間の間だけ同時に単一の配線Lと接続されるように、6個のデータラインの各々を1つずつ順に第2の期間の間だけ単一の配線Lと接続させる制御をデマルチプレクサDMXに施すための接続制御信号SL1~SL6を生成する。
【0035】
そして、DMX制御部CT2は、このように生成した接続制御信号SL1~SL6を、バッファB1~B6に供給する。
【0036】
バッファB1~B6は、接続制御信号SL1~SL6を個別に増幅したものを接続制御信号SY1~SY6として夫々の出力端子から出力する。バッファB1~B6から出力された接続制御信号SY1~SY6は、表示デバイス20のデマルチプレクサDMXに供給される。
【0037】
デマルチプレクサDMXは、駆動電圧系列G1~G(m/6)に夫々対応して設けられており且つ上記した配線L1~L(m/6)にそれぞれ個別に接続されている1to6デマルチプレクサDX1~DX(m/6)を有する。例えば、
図2では、駆動電圧系列G1に対応した1to6デマルチプレクサDX1が単一の配線L1に接続されており、駆動電圧系列G2に対応した1to6デマルチプレクサDX2が単一の配線L2に接続されている。
【0038】
更に、1to6デマルチプレクサDX1~DX(m/6)は、データラインD1~Dmを6本ずつ区分けした(m/6)系統のデータライン群に夫々が対応して設けられている。つまり、1to6デマルチプレクサDX1~DX(m/6)の各々は、自身に対応したデータライン群に属するデータライン、つまり出力先となる6本のデータラインDに接続されている。例えば、1to6デマルチプレクサDX1は出力先となるデータラインD1~D6に接続されており、1to6デマルチプレクサDX2は出力先となるデータラインD7~D12に接続されている。
【0039】
1to6デマルチプレクサDX1~DX(m/6)の各々は、接続制御信号SY1~SY6(SL1~SL6)に応じて出力先の6本のデータラインDのうちの1つ又は2つを選択し、配線Lを介して受けた駆動電圧系列Gをこの選択したデータラインに供給する6個のスイッチを含む。例えば、1to6デマルチプレクサDX1はスイッチQ1~Q6を含み、1to6デマルチプレクサDX2はスイッチQ7~Q12を含む。
【0040】
スイッチQ1~Q6(Q7~Q12)は、単一の配線L1(L2)を介して駆動電圧系列G1(G2)を受ける。
【0041】
ここで、スイッチQ1(Q10)は、配線e1で受けた接続制御信号SY1が「選択」を示す場合にだけオン状態となって、駆動電圧系列G1(G2)をデータラインD1(D10)に供給する。スイッチQ2(Q11)は、配線e3で受けた接続制御信号SY3が「選択」を示す場合にだけオン状態となって、駆動電圧系列G1(G2)をデータラインD2(D11)に供給する。スイッチQ3(Q12)は、配線e5で受けた接続制御信号SY5が「選択」を示す場合にだけオン状態となって、駆動電圧系列G1(G2)をデータラインD3(D12)に供給する。スイッチQ4(Q7)は、配線e2で受けた当該接続制御信号SY2が「選択」を示す場合にだけオン状態となって、駆動電圧系列G1(G2)をデータラインD4(D7)に供給する。スイッチQ5(Q8)は、配線e4で受けた接続制御信号SY4が「選択」を示す場合にだけオン状態となって、駆動電圧系列G1(G2)をデータラインD5(D8)に供給する。スイッチQ6(Q9)は、配線e6で受けた接続制御信号SY6が「選択」を示す場合にだけオン状態となって、駆動電圧系列G1(G2)をデータラインD6(D9)に供給する。
【0042】
かかる構成により、例えば1to6デマルチプレクサDX1は、データドライバ12のアンプAP1から出力された駆動電圧系列G1中の6つの駆動電圧を1つずつ順に、夫々の出力先となるデータラインD1、D2、D3、D4、D5、D6に供給する。また、例えば1to6デマルチプレクサDX2は、データドライバ12のアンプAP2から出力された駆動電圧系列G2中の6つの駆動電圧を1つずつ順に、夫々の出力先となるデータラインD7、D8、D9、D10、D11、D12に供給する。
【0043】
以下に、
図2に示される構成中から出力スイッチSW1及び1to6デマルチプレクサDX1を抜粋して、出力制御部CT1及びDMX制御部CT2によって実施される動作について説明する。
【0044】
図3は、出力制御部CT1が生成する出力制御信号OE、及びDMX制御部CT2が生成する接続制御信号SL1~SL6の一例と、出力スイッチSW1及びDX1に含まれるスイッチQ1~Q6の動作状態と、を表すタイムチャートである。
【0045】
DMX制御部CT2は、接続制御信号SL1、SL2、SL3、SL4、SL5、SL6の順に、「非選択」を表す論理レベル0から「選択」を表す論理レベル1に遷移する接続制御信号SL1~SL6を生成する。つまり、DMX制御部CT2は、
図3に示すように、第1の期間t1だけ2つの接続制御信号SLが同時に論理レベル1となり、且つ各接続制御信号が1つずつ順に論理レベル0から1に遷移しその状態を第2の期間t2(t2>t1)の間だけ維持する接続制御信号SL1~SL6を生成する。
【0046】
当該接続制御信号SL1~SL6に応じて、スイッチQ1~Q6は、
図3に示すように、Q1、Q4、Q2、Q5、Q3、Q6の順にオフ状態からオン状態に遷移する。これにより、駆動電圧系列G1中の6つの駆動電圧が1つずつ、データラインD1、D4、D2、D5、D3、D6に順に各データラインに供給される。
【0047】
出力制御部CT1は、
図3に示すように、スイッチQ1~Q6の各々がオフ状態からオン状態に遷移した時点から所定期間が経過するまでの区間Taに亘りオン状態を維持し、2つのスイッチQが同時にオン状態となる区間Tbでは論理レベル0となる出力制御信号OEを生成する。
【0048】
図4A及び
図4Bは、
図2に示す構成中からアンプAP1、出力スイッチSW1、デマルチプレクサDX1に含まれるスイッチQ1及びQ4からなる回路を抜粋して、この回路に流れる電荷の流れを表す回路図である。
【0049】
尚、
図4Aは、
図3に示すように、接続制御信号SL1が論理レベル0から1に遷移した時点から所定期間が経過するまでの区間Taにおいて、上記回路に流れる電荷の流れを表す図である。一方、
図4Bは、
図3に示すように、接続制御信号SL1及びSL2が共に論理レベル1の状態となる区間Tbにおいて、上記回路に流れる電荷の流れを表す図である。
【0050】
また、
図5は、
図3に示す区間Ta及びTbとその直前直後を抜粋して、アンプAP1の出力電圧の波形と、
図4A及び
図4Bに示すノードA~Cの電圧の波形の一例を示すタイムチャートである。
【0051】
まず、
図5に示すように、論理レベル1の出力制御信号OEに応じて出力スイッチSW1がオン状態に設定されている間に、論理レベル1の接続制御信号SL1に応じてスイッチQ1がオフ状態からオン状態に遷移する。すると、
図4Aの太線矢印に示されるように、アンプAP1から出力された駆動電圧に基づく電荷が出力スイッチSW1を介して配線L1、スイッチQ1、及びデータラインD1に流れ込む。これにより、配線L1の寄生容量C0及びデータラインD1の寄生容量C1が夫々充電され、
図5に示すように、ノードA及びBの電圧が上昇し、アンプAP1から出力された駆動電圧と等しい電圧値に至る。
【0052】
引き続き、
図5に示すように、論理レベル0の出力制御信号OEに応じて出力スイッチSW1がオン状態からオフ状態に遷移し、その後、
図5に示す区間Tbで、論理レベル1の接続制御信号SL2に応じてスイッチQ4がオフ状態からオン状態に遷移する。すると、
図4Bの太線矢印に示すように、寄生容量C0に蓄積されていた電荷が放電し、これがスイッチQ4を介してデータラインD4に流れ込むと共に、寄生容量C1に蓄積されていた電荷が放電し、これがスイッチQ1及びQ4を介してデータラインD4に流れ込む。これにより、
図5に示すように、ノードA及びB各々の電圧が低下すると共に、データラインD4に流れ込む電荷によって当該データラインD4に寄生する寄生容量C4が充電され、ノードCの電圧が増加して例えば
図5に示すような電圧Vuに到る。
【0053】
その後、
図5に示すように、出力制御信号OEが論理レベル0から1に遷移し、接続制御信号SL1が論理レベル1から0に遷移すると、アンプAP1から出力された駆動電圧が出力スイッチSW1、及びスイッチQ4を介してデータラインD4に印加される。この際、当該駆動電圧に伴う電荷によってデータラインD4の寄生容量C4に対する充電が開始されるが、その直前の区間Tbにて実施された上記した寄生容量C4の充電により、ノードCの電圧、つまりデータラインD4の電圧は既に電圧Vuである。
【0054】
よって、この電圧Vuの分だけ、寄生容量C4を充電するために当該アンプAP1がデータラインD4に送出する電流を抑えることができる。したがって、アンプAP1の消費電力及び発熱を抑えることができるので、それに伴いデータドライバ12の消費電力及び発熱も抑えることが可能となる。
【0055】
尚、上記実施例では、デマルチプレクサDMXとして、夫々が6つの駆動電圧の系列からなる1系統分の駆動電圧系列を受け、これを6つのデータラインDの各々に分配供給する1to6デマルチプレクサDX1~DX(m/6)を含むものを採用している。しかしながら、デマルチプレクサDMXに含まれる各デマルチプレクサとしては、第1~第j(jは2以上の整数)の駆動電圧の系列からなる1系統分の駆動電圧系列をj個のデータラインDに夫々分配供給するものであれば良い。この際、DMX制御部CT2として、
図3に示すような形態で接続制御信号SL1~SLjを生成するものを採用する。それに伴い、
図2に示すバッファBの数もj個となる。
【0056】
要するに、表示ドライバとしての
図2に示されるデータドライバ12は、複数のデータライン(D1~Dm)と、第1~第j(jは2以上の整数)の駆動電圧の系列(G)を単一の配線(L)で受け、第1~第jの駆動電圧の各々をj個のデータラインに分配供給するデマルチプレクサ(DMX)と、を含む表示デバイス(20)を駆動対象とする。この際、データドライバ12としては、以下のアンプ、出力スイッチ、デマルチプレクサ制御部、及び出力制御部を有するものであれば良い。
【0057】
すなわち、出力するアンプ(AP)は、第1~第jの駆動電圧の系列を生成して自身の出力端子からこれを出力する。出力スイッチ(SW)は、アンプの出力端子と単一の配線(L)との間を接続する。デマルチプレクサ制御部(CT2)は、2つのデータラインが第1の期間(t1)の間だけ同時に単一の配線(L)と接続されるように、j個のデータラインの各々を1つずつ順に第2の期間(t2)の間だけ単一の配線と接続させる制御をデマルチプレクサに施す。出力制御部(CT1)は、第1の期間に亘りアンプ(AP)の出力端子と単一の配線(L)との接続を遮断するように出力スイッチ(SW)を制御する。
【0058】
尚、
図3に示す一例では、接続制御信号SL1~SL6によってデータラインDを1つずつ順に選択するにあたり、区間Tbに限り2つのデータラインDが同時に選択しているが、当該区画Tbで同時に選択するデータラインの数は2つに限定されない。
【0059】
例えば、区間Tbでは、毎回、6つのデータラインDを同時に選択させるように接続制御信号SL1~SL6を論理レベル1に設定しても良い。
【0060】
また、例えば接続制御信号SL1が論理レベル1となる際の区間Tbでは6つのデータラインDを同時に選択させるように接続制御信号SL1~SL6を論理レベル1に設定し、他の接続制御信号SL2~6が論理レベル1となる期間T2では区間Tbを設けないようにしても良い。
【0061】
また、例えば、表示デバイス20の画素の構造(例えば1画素PXを構成する表示セルの数、表示色の組み合わせ等)により、複数のデータラインを同時に選択する区間Tbを設けた選択処理と、かかる区間Tbを設けない選択処理と、を混在させて行っても良い。
そこで、これら1to6デマルチプレクサDX1~DX(m/6)、時分割多重化部MX、アンプAP1~AP(m/6)、DMX制御部CT2各々の詳細な説明については省略する。
これにより、出力部120Aでは、アンプAP1~AP(m/6)から出力された各駆動電圧系列をそのまま駆動電圧系列G1~G(m/6)として、配線L1~L(m/6)を介してデマルチプレクサDMXに供給する。
出力制御部CT1Aは、出力スイッチW1~W6を夫々個別にオン状態及びオフ状態のうちの一方に設定する出力制御信号u1~u6を生成し、出力スイッチW1~W6に供給する。例えば、出力制御部CT1Aは、出力スイッチW1をオン状態に設定する場合には論理レベル1、オフ状態に設定する場合には論理レベル0の出力制御信号u1を出力スイッチW1に供給する。また、出力制御部CT1Aは、出力スイッチW2をオン状態に設定する場合には論理レベル1、オフ状態に設定する場合には論理レベル0の出力制御信号u2を出力スイッチW2に供給する。
更に、出力制御部CT1Aは、短絡スイッチY1~Y6を夫々個別にオン状態及びオフ状態のうちの一方に設定する出力制御信号r1~r6を生成し、短絡スイッチY1~Y6に供給する。例えば、出力制御部CT1Aは、短絡スイッチY1をオン状態に設定する場合には論理レベル1、オフ状態に設定する場合には論理レベル0の出力制御信号r1を短絡スイッチY1に供給する。また、出力制御部CT1Aは、短絡スイッチY2をオン状態に設定する場合には論理レベル1、オフ状態に設定する場合には論理レベル0の出力制御信号r2を短絡スイッチr2に供給する。
出力スイッチW1~W6の各々は、バッファB1~B6の各出力端子に一対一に対応して接続されており、自身に供給された出力制御信号uがオン状態を表す論理レベル1である場合にオン状態となり、自身に接続されているバッファBから供給された接続制御信号SLを接続制御信号SYとして配線eに供給する。
例えば、出力スイッチW1は、出力制御信号u1が論理レベル1である場合にオン状態となり、バッファB1から供給された接続制御信号SL1を接続制御信号SY1として配線e1に供給する。また、出力スイッチW2は、出力制御信号u2が論理レベル1である場合にオン状態となり、バッファB2から供給された接続制御信号SL2を接続制御信号SY2として配線e2に供給する。
尚、出力制御信号uがオフ状態を表す論理レベル0である場合には、出力スイッチW1~W6の各々はオフ状態となり、バッファBの出力端子をハイインピーダンス状態に設定すると共に、バッファBの出力端子と配線eとの電気的接続を遮断する。
例えば、出力スイッチW1は、出力制御信号u1が論理レベル0である場合にオフ状態となり、バッファB1の出力端子をハイインピーダンス状態に設定すると共に、バッファB1の出力端子と配線e1との電気的接続を遮断する。また、出力スイッチW2は、出力制御信号u2が論理レベル0である場合にオフ状態となり、バッファB2の出力端子をハイインピーダンス状態に設定すると共に、バッファB2の出力端子と配線e2との電気的接続を遮断する。
短絡スイッチY1~Y6の各々は、デマルチプレクサDMXの配線e1~e6に夫々一対一に対応して接続されている。短絡スイッチY1~Y6の各々は、自身に供給された出力制御信号rが論理レベル1である場合にオン状態となり、自身に接続されている配線eと、少なくとも1つの他の配線eとを短絡する。例えば、論理レベル1の出力制御信号r1が短絡スイッチY1に供給され、論理レベル1の出力制御信号r2が短絡スイッチY2に供給された場合、短絡スイッチY1及びY2は、配線e1と配線e2とを短絡する。
よって、配線e1の電圧が電圧Vx1の状態から中間電圧Vm1に低下するまでの間は、バッファB1に流れ込む電流はゼロとなるので、その分だけ当該バッファB1での消費電力及びこのバッファの発熱を抑えることができる。したがって、バッファB1の消費電力及び発熱を抑えることができるので、それに伴いデータドライバ12の消費電力及び発熱も抑えることが可能となる。
よって、配線e2の電圧が電圧Vx0の状態から中間電圧Vm2に増加するまでの間は、バッファB2から出力される電流はゼロとなるので、その分だけ当該バッファB2の消費電力及びこのバッファB2の発熱を抑えることができる。したがって、バッファB2の消費電力及び発熱を抑えることができるので、それに伴いデータドライバ12の消費電力及び発熱も抑えることが可能となる。
すなわち、デマルチプレクサ制御部(CT2)は、2つのデータラインが第1の期間(t1)の間だけ同時に単一の配線(L)と接続されるように、j個のデータラインの各々を1つずつ順に第2の期間(t2)の間だけ単一の配線と接続させることを指示する第1~第jの接続制御信号(SL)を生成する。第1~第jのバッファ(B)は、第1~第jの接続制御信号(SL)を個別に増幅して夫々の出力端子から出力する。第1~第jの出力スイッチ(W)は、第1~第jのバッファ(B)各々の出力端子と第1~第jの配線(e)とを個別に接続する。短絡スイッチ部(Y)は、第1~第jの配線(e)を短絡又は開放する。出力制御部(CT1)は、第1の期間(t1)に亘り、第1~第jのバッファ(B)各々の出力端子と第1~第jの配線(e)との接続を遮断させるように第1~第jの出力スイッチを制御する。更に、第1の期間(t1)に亘り、出力制御部(CT1)は、第1~第jの配線(e)同士を短絡させるように短絡スイッチ部を制御する。